JP5548548B2 - 金属粒子担持触媒の製造方法、金属粒子担持触媒及び反応方法。 - Google Patents

金属粒子担持触媒の製造方法、金属粒子担持触媒及び反応方法。 Download PDF

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Description

本発明は、担体物質に金属を担持した金属粒子担持触媒、及びこの金属粒子担持触媒を製造する技術、並びに当該金属粒子担持触媒を用いて反応を進行させる技術に関する。
触媒は、燃料電池における反応促進の他、有機物質合成、自動車排ガスの浄化等、各種の分野で使用されている。この様な触媒としては、アルミナ、シリカ等の酸化物やカーボンなどの多孔質体を担体物質とし、これに活性金属である白金、ロジウム等が担持された触媒や、複数の金属が担持された多元系触媒が知られている。また、担体物質については、上述したもののほか、ゼオライト、シリカ-アルミナ複合体、セリア、酸化錫、ATO、ITOなど種々の物質が用いられている。
担体物質に担持される活性金属は、単位重量あたりの表面積を大きくし、活性金属としての性質や担体物質との相互作用を発揮させるため、コロイド粒子などのように粒径の小さな状態で担持されることが多い。従来の、担体物質に金属を含むコロイド粒子が担持されてなる金属粒子担持触媒の代表的な製造方法のひとつとして、多孔質の金属酸化物からなる担体にジニトロジアンミン白金や塩化白金酸、硝酸ロジウムといった金属塩溶液を含浸させ、還元雰囲気中で焼成する方法が知られている。また、前記多元系触媒についても、担持する複数の金属塩の溶液を調製し、これに担体を混合して複数の金属イオンを担体上に吸着させ、ついで乾燥、焼成する製造方法が知られている。
上述の製造方法の例に加え、担体物質上に金属を含むコロイド粒子が担持されてなる金属粒子担持触媒の製造方法の先行技術例をいくつか挙げておく。特許文献1には、金属酸化物などからなる微小な担体粒子の表面に、触媒活性をもつ微小な金属粒子を析出させる方法において、前記担体を合成する少なくとも一つの原料の吸収バンドに合致する波長を含む光を、前記原料に照射し前記担体粒子を析出させる工程と、析出した前記担体粒子と触媒活性をもつ前記金属粒子を析出するための前記原料とに、同時に、前記原料の吸収バンドに合致する波長を含む光を照射し、前記金属粒子を前記担体粒子の表面に析出させる工程と、析出した前記金属粒子を選別補収する工程とからなることを特徴とする触媒の製造方法が開示されている。
特許文献2には、金属粒子及び/または金属化合物粒子が、該粒子を実質的に個々に且つ別々に保護する数平均分子量が3,000〜300,000の有機高分子化合物と共に固体担体に吸着担持されてなり、該高分子化合物及び該固体担体の少なくとも一方が、共有結合を形成して両者間に化学結合を作るべく作用し得る官能基を有さないことを特徴とする金属粒子及び/または金属化合物粒子担持複合体が記載されている。その製造方法としては、分散媒、金属粒子及び/または金属化合物粒子及び保護コロイド粒子作用を持つ数平均分子量が3,000〜300,000の有機高分子化合物を含み、該粒子が該分散媒中に分散してコロイド粒子を形成し、且つ該高分子が該粒子に吸着して保護コロイド粒子として該粒子を実質的に個々に且つ別々に保護してなるコロイド粒子分散液を提供し、該コロイド粒子分散液と固体担体とを接触させ、該高分子化合物および該固体担体の少なくとも一方が、共有結合を形成して両者間に化学結合を作るべく作用し得る官能基を有さず、かくして、該高分子化合物で保護された該粒子が該固体担体に吸着されてなる粒子担持複合体を形成し、そして得られた複合体を該分散媒から単離することを特徴とする。
特許文献3には、金属含有イオン及び該金属含有イオンの還元により生成する金属粒子が担持される担体を含む溶液中にプロパルギルアルコールを加え、該金属含有イオンとプロパルギルアルコールとの反応物を該担体上に担持した後、該担体を水素ガスを含有する還元性ガス中で熱処理して、該担体上の金属含有イオンとプロパルギルアルコールとの反応物を金属含有コロイド粒子に還元することを特徴とする高分散金属含有コロイド粒子担持触媒の製造方法が開示されている。
特許文献4には、担体となる固体物質の存在下、金属の化合物またはイオンを含有した還元能を有する液体または還元物質を溶解した液体に、マイクロ波を照射させるか、或いは、金属の化合物またはイオンを含有した、還元能を有する液体または還元物質を溶解した液体に、マイクロ波を照射させた後に、担体となる固体物質を存在させることを特徴とする、金属含有コロイド粒子を表面に付着させた金属含有コロイド粒子付着担体の製造方法が開示されている。
特許文献5には、周期表第4周期から第6周期の2B族、3B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期8族の少なくとも1種の第二元素と金とを含有する金属粒子が担体上に担持された金属粒子担持体と、その製造方法として金及びその化合物の少なくとも1種ならびに第二元素及びその化合物の少なくとも1種を含む担体を熱処理することを特徴とする製造方法が開示されている。
このように、微小な金属粒子を担体物質に担持して金属粒子担持触媒を製造する手法は数多く開発されているが、例えば触媒の活性向上や寿命延長といった観点における触媒性能については、更なる改善が要望されていた。
特開昭61−268359号公報:請求項1 特開平5−293383号公報:請求項1、請求項4 特開平6−31181号公報:請求項1 特開2003−13105号公報:請求項1 特開2003−053188号公報:請求項1、請求項2
本発明は、従来の金属粒子担持触媒と比較して活性向上や寿命延長などの観点から触媒性能を改善した金属粒子担持触媒の製造方法、金属粒子担持触媒及びこの触媒を利用した反応方法を提供することを目的とする。
第1の発明は、次の[1]〜[4]の工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法である。
[1]イオン交換体を含む担体物質を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、次の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部の割合で添加し、該金属イオンを担体物質に担持し、懸濁液Aを調製する工程。
(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
[2]前記工程[1]に続いて、前記担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くために、前記懸濁液Aを固液分離処理し、得られた固体相を再度溶媒に分散させて第2の懸濁液を得る工程。
[3]前記工程[2]に続いて、前記第2の懸濁液を15〜40℃に温度調整しながら下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を、前記担体物質100質量部に対して0.01〜50質量部添加し、混合して、金属粒子担持触媒分散液を調製する工程。
(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
[4]前記工程[3]で得られた金属粒子担持触媒分散液を温度100〜200℃で乾燥処理する工程。
この製造方法によれば、乾燥処理工程以外には100℃以上での高温処理工程を必要とせず、その操作も容易である。
第2の発明は、前記工程[2]にて固液分離処理を行った後の前記担体物質に対する金属イオンの担持量が、担体物質100質量部に対して0.001〜2質量部であることを特徴とする。前記固液分離処理により未吸着の金属イオンを分離することで凝析の影響による金属粒子の凝集を抑制できる。
第3の発明は、前記工程[1]にて、前記担体物質に担持された金属イオンの質量と、前記工程[3]にて第2の懸濁液に添加される金属粒子の質量との関係を、下記式(1)で表したときの式の値が0.0001〜1の範囲であることを特徴とする。
金属イオンの質量/(金属イオンの質量+金属コロイドの質量)…(1)
金属イオンの担持量及び金属粒子の添加量の好適な値を規定する。
第4の発明は、前記工程[4]の乾燥処理を不活性雰囲気下で行うことを特徴とする。乾燥処理を行う際の好適な雰囲気を規定したものである。
の発明は、イオン交換体を含む担体物質に金属粒子を担持してなり、不飽和炭化水素の水素化反応用、又は、硝酸類の水素化分解反応用に用いられる金属粒子担持触媒であって、
(I)前記イオン交換体に下記(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを担持したことと、
(II)前記金属粒子がRu、Rh、Pd、Ag、Pt及びAuからなる群より選ばれる金属を含み、平均粒子径1〜20nmの金属粒子を担体物質に担持したことと、
(III)前記担体物質に担持された全ての前記担持金属粒子のうち、半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の平均割合が50%以上であることと、を備えたことを特徴とする金属粒子担持触媒。
(I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオ
本発明に係る金属粒子担持触媒は、担体物質への金属イオンの吸着量及び担持金属の担持状態を規定することで、高分散な金属粒子担持触媒が得られる。また金属イオンの種類を特定することで、その相乗効果で触媒活性が向上する点において、従来の金属粒子担持触媒と相違するものである。
また、本発明に係る金属粒子担持触媒は、この要件を満たすので、従来の金属粒子担持触媒に比べて優れた触媒性能を示すことができるものと言える。
の発明は、前記第4周期遷移金属元素が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であり、前記第5周期遷移金属元素が、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pt、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることを特徴とする。
具体的には、本発明に係る金属粒子担持触媒の担持金属がこれらの金属から選ばれるものである場合、従来の金属粒子担持触媒の場合と同等の水準の担持量で、より優れた触媒性能を示すことが可能となる。
の発明は、前記金属粒子担持触媒に含まれる金属粒子の割合が0.01〜50質量%であることを特徴とする。本発明は、金属粒子担持触媒における担持金属の含有割合を特定したものであり、特に従来の金属粒子担持触媒に比べて、担持される金属が少量であっても、従来の金属粒子担持触媒と同等以上の触媒性能を示すことが可能となる。
の発明は、前記担体物質が、無機系担体物質または有機系担体物質から選ばれるものであり、当該無機系担体物質または有機系担体物質は、Si、Al、C、Ti、ZrおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有するものであることを特徴とする。本発明は、金属粒子担持触媒における担体物質の種類を規定したものであり、無機系担体物質または有機系担体物質のいずれにも適用可能であると共に、これらの担体物質に含有される元素として好適な元素を示している。
の発明は、前記無機系担体物質が、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモン、ケイタングステン酸、リンドープ酸化錫(PTO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)、からなる1種以上の化合物を含有するものであることを特徴とする。本発明は、金属粒子担持触媒における担体物質の種類を規定したものであり、半導体や電子導電体、プロトン導電体のいずれにも適用可能であると共に、これらの担体物質に含有される化合物として好適な化合物を示している。
10の発明は、前記第から第のいずれか一つ発明に係る金属粒子担持触媒を次の1)または2)の反応に適用する工程を含むことを特徴とする反応方法。
1)不飽和炭化水素の水素化反応、
)硝類の水素化分解反応
本発明に係る金属粒子担持触媒は、担体物質のイオン交換サイトに担持した金属イオンと金属粒子とを共存させることにより、これら金属イオンと金属粒子との間で相乗効果が発揮されると考えられると共に、金属粒子が高い分散性を持って担持されているので、例えば活性向上や寿命延長といった観点で優れた触媒性能を示す。
実施例に係る金属粒子担持触媒のSEM写真である。 比較例に係る金属粒子担持触媒のSEM写真である。
実施の形態に係る金属粒子担持触媒等の具体的な構成を説明する前に、当該触媒の開発に至る基本的な考え方について説明しておく。例えば、排ガス浄化用途などに適用される、従来の金属粒子担持触媒は、担体物質(例えば、アルミナまたはゼオライトなど)に、活性金属と呼ばれる各種金属粒子(例えば、Pt(白金)、Pd(パラジウム)、Cu(銅)など)が担持してなるものが多い。
このような金属粒子担持触媒では、触媒性能を向上させる目的で担持金属量を増やす場合があるが、一定の水準以上に担持金属を増やすと触媒性能が飽和することが知られている。このような現象は、担持金属どうしが凝集または近接することにより担持金属の触媒作用が充分に機能しないことに起因するものと考えられている。
そこで本発明者らは、これらの課題を解決するべく鋭意検討を行ったところ、担体物質への担持金属の際に予め金属イオンを担持させておくことにより、金属粒子の担持状態を改善できることに加え、担持された金属イオンと金属粒子の相乗効果により、触媒性能の改善を図ることが可能であることを見出した。
また、従来の金属粒子担持触媒の製造方法においては、例えば500℃以上での焼成工程や水素ガス雰囲気中での還元工程などが採用されることが多かった。これらの工程は製造コストの増大や工程制御の労力を増やすものであった。この点、本発明に係る金属粒子担持触媒の製造方法では、このような工程を経ることなく、優れた触媒性能を示す金属粒子担持触媒を調製することが可能となった。
以下、本発明に係る金属粒子担持触媒、金属粒子担持触媒の製造方法および反応方法について具体的に説明する。
〔金属粒子担持触媒〕
本発明に係る金属粒子担持触媒は、イオン交換体を含む担体物質に金属粒子を担持してなる金属粒子担持触媒であって、
(I)前記イオン交換体に下記(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを担持したことと、
(II)下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を担体物質に担持したことと、
(III)前記担体物質に担持された全ての前記担持金属粒子のうち、半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の平均割合が50%以上であることと、を備える。
(I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
(II)(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
従来、ゼオライトまたはアルミナなどの無機材料からなる担体物質に、白金などの金属粒子が担持されてなる金属粒子担持触媒は知られている。本発明に係る金属粒子担持触媒は、従来公知の金属粒子担持触媒の触媒性能を大幅に改善したものである。触媒性能の改善にかかわる特徴は、担体物質に担持した金属粒子の分散性に優れること及び担体物質表面に所定の金属イオンが担持されていることにある。
(i)金属イオン
本発明に係る金属粒子担持触媒は、金属イオンを利用して金属粒子の担持が行われる必要がある。ここで、金属イオンを利用した金属粒子の担持とは、担持工程では、金属イオンが存在する条件下で金属粒子を担持させることを意味する。また、最終的に得られた触媒の状態では担体物質のイオン交換サイトに担持された金属イオンと金属粒子とが担持されていることを意味する。なお、この金属粒子担持触媒には、担持工程における金属イオンを由来とする水酸化物、酸化物、単体金属、金属錯体などが担持されていてもよい。
担持工程において金属イオンは、担体物質に担持して、次工程で担持する金属粒子との担持力向上の作用(金属粒子が摩擦や熱などで剥離しにくくなる作用)を示し、これは金属イオンと金属粒子の電気的な相互作用が寄与した結果であると考えられる。金属イオンの担持は、担体物質の懸濁液に金属イオンを含む、金属塩の溶液を混合することなどにより行われる。またこの担持工程において、担体物質に吸着していない金属イオンを除去する工程を設けることで、フリーの金属イオンの影響を受けにくくして、金属粒子を高分散に担持可能である。詳細は、後述する製造方法に関する項に記した。このように金属イオンを使用して金属粒子を担持させたものは、金属イオンと金属粒子の相乗効果が発揮されるものと推定され、活性向上や寿命延長などの観点で高い触媒性能を示すことが後述の実験からも確認されている。
前記金属イオンの種類としては、次の(Ia)、(Ib)または(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンが使用される。
(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン。具体的には、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる金属イオンが好適である。
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン。具体的には、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる金属イオンが好適である。
(Ic)白金イオンまたは金イオン
上述の金属イオンを使用して金属粒子を担持させた金属粒子担持触媒は、金属イオンと金属粒子の相乗効果で活性向上や寿命延長などの観点で高い触媒性能を示すことができる。金属イオンと金属粒子の組み合わせ例としては、担持金属粒子と同周期、同属、隣接する族の金属イオン等が好適である。
担体物質に対する前記金属イオンの担持量は、担体物質100質量部に対して、0.1〜100質量部の範囲が好ましい。担持量がこの範囲にある場合、次工程で金属粒子を担持させやすくなる等の効果が発揮されやすい。担持量が0.1質量部未満では、次工程で金属粒子を担持させやすくなる効果が発揮されにくくなり、好ましくない。また、100質量部を超える場合は、次工程以降に金属イオンの原料となる金属塩が多く持ち込まれ、金属粒子が凝集を引き起こしやすいなどの理由で好ましくない。担体物質に対する前記金属イオンの担持量は、より好適には0.15〜90質量部の範囲が推奨される。
(ii)金属粒子
本発明に係る金属粒子担持触媒は、担体物質の表面に金属粒子が担持したものである。ここで、金属粒子が担体物質に担持するとは、金属単体のほか、複合金属、若しくは、単体金属と金属酸化物の混合物からなる部分酸化物の状態などを意味する。
本発明に係る金属粒子担持触媒は、担体物質の表面に金属粒子が担持されたものである。ここで、金属粒子が担体物質に担持されるとは、金属粒子が担体物質の表面に固定化されていることを意味する。また、該金属粒子は、金属単体のほか、複合金属、単体金属と金属酸化物の混合物からなる部分酸化物であっても構わない。
前記粒子の種類としては、次の(IIa)(IIb)または(IIc)から選ばれる1種以上の金属粒子が使用される。
(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子。具体的には、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる金属粒子が好適である。
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子。具体的には、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる金属粒子が好適である。
(IIc)白金粒子または金粒子
このような金属粒子は担体物質に担持して水素化反応、酸化反応、脱水素反応、水素化分解反応などの触媒作用を示す。水素化反応、水素化分解反応の作用を示す金属粒子として特にFe、Co、Ni、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Pt、Au、Cu及びこれらの複合金属等がこのましい。また、酸化反応、脱水素反応、の作用を示す金属粒子としては、Ag、Cu、Pt、Pd、Au及びこれらの複合金属等が好ましい。
担体物質に対する金属粒子の担持量は、担体物質の質量を基準として、0.01〜50質量%の範囲が好ましい。この範囲であれば、金属粒子の担持分散性に優れる点で活性向上や寿命延長に優れた触媒性能を示すことができる。金属粒子の担持量が0.01質量%未満の場合は触媒活性が充分発現できない点で好ましくない。また、金属粒子の担持量が50質量%を超える場合は、担持分散性が悪い、寿命が短くなり場合がある点で好ましくない。担体物質における金属粒子のより好適な担持量としては0.1〜45質量%の範囲が推奨される。
前記金属粒子が担体物質に担持した時の平均粒子径は、充分な活性発現を得る観点から平均粒子径1〜20nmの範囲が好ましい。平均粒子径1nm以下の金属粒子は得ることが困難である。また、平均粒子径20nmを超える金属粒子を使用した場合は、粒子の表面積が小さくなり、触媒作用を低下させる傾向がある。前記平均粒子径のより好適な範囲としては、1〜15nmの範囲が推奨される。また金属粒子の形状も特に限定されるものでなく、球状・鎖状・数珠状・異形・角状などが推奨される。
(iii)金属粒子の担持状態
本発明に係る金属粒子担持触媒において、前記金属粒子は均一に分散していることが求められる。具体的には各担持金属粒子を中心として半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の平均割合(M)が、全ての担持金属粒子数の50%以上であることが必要である。この指標は、複数の金属粒子が凝集せずに均一に分散していることを意味するものである。
半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の平均割合(M)の値が全ての担持金属粒子数の50%未満の場合は、金属粒子どうしが凝集ないしは、それに近いレベルで近接していることを意味する。このため、比表面積低下や触媒反応使用時に粒子の融着を引き起こしやすくなり、触媒性能を低下させる傾向がある。前記平均割合(M)の値については、更に好ましくは60%以上が推奨される。
なお、本出願において、全ての担持金属粒子のうち、半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の平均割合(M)は、次のように求めた値を意味する。
走査型電子顕微鏡(例えば後述の実施例、比較例では株式会社日立製作所製、S−5500を用いた)により、各金属粒子を識別可能な倍率、例えば30万倍で試料(金属粒子担持触媒)を写真撮影する。こうして得られる写真投影図において、例えば10000nmの範囲(100nm四方)における担持金属粒子の個数(t)及び各金属粒子を中心として半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の個数(s)を測定する。そして下記式(1)により、担持金属粒子のうち、半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の割合(m)[%]を求め、この測定及び算定を金属粒子担持触媒の例えば50箇所について行い、その平均値を担持金属粒子のうち、半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の平均割合(M)[%]とした。
(m)=(s)/(t)×100…(1)
本出願において、全ての担持金属粒子は、単体金属若しくは複合金属が好ましいが、部分的に酸化されていてもよい。酸化の有無は、X線回折法により確認できる。単体金属や複合金属の粒子が全く存在しない場合、著しい活性低下や寿命が短いなどを引き起こすことがある。
(iv)担体物質
本発明に係る金属粒子担持触媒の担体物質としては、公知の担体物質を使用することが可能である。具体的には、無機系担体物質または有機系担体物質から選ばれるものが使用できる。このような担体物質については、更にSi、Al、C、Ti、ZrおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を含有するものが好適に使用される。このような担体物質の例としては、シリカ、ゼオライト、アルミナ、カーボンブラック、活性炭、チタニア、ジルコニアまたはセリアを挙げることができる。なお、本出願においては、これらの担体物質は、次のa)〜e)に該当する担体物質も含まれる。これらの担体物質の例のうちカーボンブラック、活性炭は有機系担体物質に相当し、残る担体物質は無機系担体物質に相当する。
a)これらの担体物質の構成元素の一部を他の元素で置換してなる担体物質。
b)これらの担体物質に通常含有される元素または化合物を他の元素または化合物で置換してなる担体物質。
c)これらの担体物質内に、他の元素または化合物を挿入してなる担体物質。
d)これらの担体物質に化学的な処理を加え、変性してなる担体物質。
e)これらの担体物質に水熱処理を加えてなる担体物質。
前記担体物質の比表面積、細孔容積または細孔分布は、格別に制限されるものではなく、金属粒子担持触媒の用途に応じて適宜選択して構わない。また、以上に列挙した各物質はイオン交換サイト持つイオン交換体としても作用する。
(iv)イオン交換体を有する担体物質
本発明に係る金属粒子担持触媒の担体としては、イオン交換体を含む担体物質が適用される。ここで、イオン交換体を含む担体物質は、イオン交換能を有し、その構造中にイオン交換サイトを有するものである。なお、該イオン交換体を有する担体物質は、イオン交換体を含有する担体物質であってもよく、イオン交換体からなる担体物質であっても構わない。
前記担体物質は、具体的には、無機系担体物質または有機系担体物質から選ばれるものが使用でき、更にSi、Al、C、Ti、ZrおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有するものが好適に使用される。このような担体物質の例としては、カーボンブラック、活性炭、シリカ、ゼオライト、アルミナ、チタニア、ジルコニアまたはセリアを挙げることができる。これらのうちカーボンブラックと活性炭は、前記有機系担体物質に相当し、それ以外は、前記無機系担体物質に相当する。
なお、前記担体物質には、次のa)〜e)の何れかに該当する担体物質も含まれる。
a)前記担体物質の構成元素の一部を他の元素で置換してなる担体物質。
b)前記担体物質に通常含有される元素または化合物を他の元素または化合物で置換してなる担体物質。
c)前記担体物質内に、他の元素または化合物を挿入してなる担体物質。
d)前記担体物質に化学的な処理を加え、変性してなる担体物質。
e)前記担体物質に水熱処理を加えてなる担体物質。
前記担体物質の比表面積、細孔容積または細孔分布は、格別に制限されるものではなく、金属粒子担持触媒の用途に応じて適宜選択して構わない。
さらに本発明に係る金属粒子担持触媒の担体物質としては、半導体・電子導電体・プロトン導電体などの担体物質を使用することが可能である。具体的には、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモン、ケイタングステン酸、リンドープ酸化錫(PTO)、アルミドープ酸化亜鉛(AZO)などの担体物質または有機系担体物質から選ばれるものが使用できる。このような担体物質については、先に述べる反応システム以外に電気的な機能が必要な、燃料電池電極用触媒、水素、酸素、CO、CO2などのガスセンサー用触媒などとしても使用可能である。
また、前記担体物質として、半導体、電子導電体又はプロトン導電体であってイオン交換能を有するものを使用することも可能である。具体的には、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモン、ケイタングステン酸、リンドープ酸化錫(PTO)又はアルミドープ酸化亜鉛(AZO)などを挙げることができる。このような担体物質については、先に述べる反応システム以外に電気的な機能が必要な、燃料電池電極用触媒、水素、酸素、CO、CO2などのガスセンサー用触媒などとしても使用可能である。
前記担体物質の形状は、格別に制限されるものではない。例えば、球状粒子、鎖状粒子又は不定形粒子であって構わない。
前記担体物質の大きさは、格別に制限されるものではないが、前記担体物質が球状粒子の場合は、例えば、平均粒子径2nm〜1mmの範囲を挙げることができる。なお、前記担体物質が不定形粒子の場合は、その大きさを一律に求めることは困難である。
〔金属粒子担持触媒を用いた反応システム〕
本発明に係る金属粒子担持触媒は、各種反応における触媒として使用できる。特に下記1)〜4)の反応に好適に使用できる。
1)不飽和炭化水素、芳香族、エステル、アルデヒド、ケトン類、などの水素化反応、
2)アルコール類、メチレン、ディーゼル自動車排ガス、ガソリン自動車排ガスの酸化反応、
3)ガソリン、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、芳香族などの脱水素反応、
4)ガソリン、ベンゾイル基誘導体、エポキシ誘導体など、硝酸類、硫酸類の水素化分解反応、
触媒の形状としては、粉末、成型体(粒状、角状、四葉状など)、ハニカム等でもよく、成型体やハニカムを得る場合はバインダー成分を使用してもよい。バインダー成分としては、反応に負の影響を与えないものであれば、有機系、無機系特に限定されるものでない。また、必要に応じて乾燥・焼成もしてよい。
また反応システムは、目的に応じてバッチ方式、カラム方式(連続式)でもよく、気相反応、液相反応、気相-液相反応でもよい。
〔金属粒子担持触媒の製造方法〕
本発明に係る金属粒子担持触媒の製造方法は、次の[1]〜[4]の工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法である。
[1]イオン交換体を含む担体物質を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、次の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部の割合で添加し、該金属イオンを担体物質に担持し、懸濁液Aを調製する工程。
(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
[2]前記工程[1]に続いて、前記担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くために、前記懸濁液Aを固液分離処理し、得られた固体相を再度溶媒に分散させて第2の懸濁液を得る工程。
[3]前記工程[2]に続いて、前記第2の懸濁液を15〜40℃に温度調整しながら下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を、前記担体物質100質量部に対して0.01〜50質量部添加し、混合して、金属粒子担持触媒分散液を調製する工程。
(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
[4]前記工程[3]で得られた金属粒子担持触媒分散液を温度100〜200℃で乾燥処理する工程。
また、予め金属イオンが担持された担体物質に金属粒子を担持する場合は、下記の製造方法を採用してもよい。
即ち、下記(I)の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンが担持されたイオン交換体を含む担体物質に、下記(II)の(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を担持させる工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法である。
(I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
(II)(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
(i)工程[1]
この工程では、イオン交換体を含む担体物質を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、次の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部の割合で添加し、該金属イオンを担体物質に担持し、懸濁液Aを調製する。
(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
(Ic)白金イオンまたは金イオン
本発明に使用される担体物質については、前記した通りである。本発明では、前記担体物質は、通常、水に懸濁させた状態で使用される。このような担体物質の懸濁液である第1の懸濁液は、前記担体物質に、例えば、脱イオン水を加えて、95℃で1時間混合することにより得ることができる。水の使用量は、担体物質100質量部に対して100〜99,900質量部が好ましく、400〜19,900質量部がより好ましい。このようにして得られた第1の懸濁液は、必要に応じて、さらに水で希釈してもよく、あるいはデカンテーションで濃縮してもよい。希釈水としては脱イオン水が好ましい。希釈後の第1の懸濁液の濃度は、0.1〜50質量%が好ましい。
次に、担体物質の懸濁液に金属イオンを添加する。金属イオンは、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のイオンである。
前記第4周期遷移金属元素は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であることが好ましく、前記第5周期遷移金属元素は、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることが好ましい。
金属イオンの添加量は、前記炭素を含有する担体100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部が好ましく、0.2〜80質量部がより好ましい。金属イオンの添加量がこの範囲であれば、前記担体のイオン交換サイトへでのイオン交換や担体表面への吸着が容易となり、金属粒子と共に担持したときの相乗効果の作用が発現し易くなる。前記添加量が0.1質量部未満であると、前記担体へのイオン交換や吸着が困難になると共に、金属粒子との相乗効果の作用が生じ難くなる。前記添加量が100質量部を超えると、担持されなかった金属イオンを後段の固液分離工程で除去する効果が不十分となり、金属粒子の担持工程で高分散担持ができないなどの問題がある。
上記範囲の量の金属イオンを前記第1の懸濁液に添加する方法としては、1)金属元素換算で上記範囲の量の金属イオンを含む所定の溶液を添加する方法、および2)金属元素換算で上記割合の金属イオンを形成し得る量の金属化合物を添加し、この懸濁液中で金属イオンを発生させる方法を挙げることができる。
前記1)の方法において、金属イオンを含む溶液は、金属イオンを形成し得る金属化合物を溶媒に溶解することにより調製できる。上記金属イオンの価数については、特に限定されるものではない。
金属イオンを生成可能な上記化合物としては、上記懸濁液中で金属イオンを形成するものであれば特に制限されず、例えば、Pdイオンを形成する化合物としては、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、クエン酸パラジウム、酢酸パラジウムなどが挙げられる。これらのパラジウム化合物は1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
その他の金属イオンを生成可能な化合物の一例を以下に記す。
銅イオン:塩化銅、硫酸銅、硝酸銅
白金イオン:塩化白金酸、塩化白金(IV)酸カリウム、塩化白金(IV)酸ナトリウム、テトラニトロ白金(II)カリウム、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸ナトリウム水和物、ジニトロジアンミン白金硝酸、ジニトロジアンミン白金アンモニアおよびテトラアンミンジクロロ白金水和物
金イオン:塩化金酸、亜硫酸金ナトリウム、シアン化金カリウムおよびシアン化金ナトリウム
銀イオン:硝酸銀、硫酸銀、
鉄イオン:硫酸第二鉄、酢酸第一鉄
ニッケルイオン:硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル
コバルトイオン:硫酸コバルト、硝酸コバルト、塩化コバルト
セリウムイオン:硝酸セリウム、塩化セリウム、硫酸セリウム
金属イオンを生成する金属化合物は、通常溶媒に溶解させて、前記第1の懸濁液に添加される。
金属イオンを含む溶液に用いられる溶媒は、該金属との反応性を示さず、該金属化合物を溶解できるものであればよく、特定の溶媒に限定されるものではない。このような溶媒としては、
水;
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;
アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;
2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;
塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類;
エチレングリコール、プロピレングリコール、へキシレングリコールなどのグリコール類を挙げることができる。
前記2)の方法は、前記1)の方法で述べた金属化合物をそのまま前記第1の懸濁液に添加する方法である。
金属粒子が複合金属粒子である金属粒子担持触媒を製造する場合には、前記1)の方法においては、2種以上の金属化合物を溶媒に溶解して得られた溶液を前記第1の懸濁液に添加すればよく、前記2)の方法においては、2種以上の金属化合物を前記第1の懸濁液に添加すればよい。
上記炭素を含有する担体物質懸濁液に、金属イオンを含む溶液あるいは金属化合物を添加する際の温度は、特に限定されないが、15〜40℃の範囲が好ましい。添加温度が前記範囲より低いと、十分に金属イオンを担持できないことがあり、添加温度が前記範囲より高いと、担持効率のさらなる向上が見られないため、経済的に好ましくない。
また、上記添加後、上記範囲の温度に保持しながら懸濁液Aを攪拌して充分に混合することが好ましい。攪拌は15〜40℃で、通常5分以上、好ましくは10分以上行うことが望ましく、必要に応じて、3時間程度まで、好ましくは1時間程度まで攪拌してもよい。
特に、固体状の金属化合物を添加した場合には、金属化合物が充分に溶解して金属イオンが生成するまで攪拌などの操作を充分に行う必要がある。
(ii)工程[2]
工程[2]では、工程1で得られた担体物質の懸濁液A(担体物質に金属イオンがイオン交換、吸着してなる)について、担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くため、固体分離処理(固体と液体を分離する処理)を行い、得られた固体相を再度溶媒に分散させ、分散媒に再懸濁させて第2の懸濁液を得る。
前記担体物質の分離の方法としては、特に制限はなく、たとえば吸引濾過等を挙げることができる。分離された前記化合物を吸着した担体は、そのまま再懸濁させてもよく、乾燥後再懸濁させてもよい。乾燥は、たとえば10〜200℃で、10分〜24時間程度行うことができる。
前記分散媒としては、通常水が用いられる。再懸濁によって得られた、前記化合物をイオン交換、吸着した担体の懸濁液(第2の懸濁液)の濃度は、0.1〜70質量%が好ましく、1〜50質量%がより好ましい。懸濁液の濃度の濃度が、0.1%未満の場合は、生産性が悪く経済的に好ましくない。70%を超える場合は、懸濁液の分散性が悪く、次工程の金属粒子担持の際に、金属粒子が担持されていない担体が生じ、不均一な担持となるため好ましくない。
担体物質に、イオン交換、吸着した金属イオンの担持量は、担体物質100質量部に対して0.001〜2質量部であることが好ましい。担体物質に吸着した金属イオンの担持量は、担体物質100質量部に対して0.001未満の場合は、金属イオンと金属粒子の相互作用が不十分で担持力が弱く、触媒反応における使用時に金属粒子の脱落が生じる場合がある。2質量部を超えると、触媒反応使用時に系内への溶出する場合がある。
(iii)工程[3]
前記工程[2]で得られた第2の懸濁液を15〜40℃に温度調整しながら、下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を、を担体物質100質量部に対して0.01〜50質量部添加し、混合して、金属粒子担持触媒分散液を調製する。
(IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
(IIc)白金粒子または金粒子
(IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
この工程において、金属粒子は、通常、金属コロイド溶液にして前工程で得られた懸濁液に添加する。このような金属コロイド溶液の調製方法は公知であるが、例えば、特開2002−180110号(出願人=日揮触媒化成株式会社)の各実施例に記載された方法を挙げることができる。
金属コロイド溶液の金属濃度は、実用上は1〜20質量%の範囲が好ましい。金属コロイド溶液は、担体物質100質量部に対して、金属粒子換算で0.01〜50質量部を添加することが好ましい。添加量が0.01質量部未満になると、金属粒子による触媒作用など、充分な効果が得られないことがある。また、添加量が50質量部を超えても担持量は増加しにくく、経済的に好ましくない。
また、前記工程[1]にて、前記担体物質に担持された金属イオンの質量と、前記工程[3]にて第2の懸濁液に添加される金属粒子の質量との関係を下記(2)式で表したとき、当該式の値は0.0001〜1の範囲であることが好ましい。
金属イオンの質量/(金属イオンの質量+金属粒子の質量)…(2)
本法では担体物質に金属イオンを、イオン交換、吸着させた状態で金属粒子を担持させることにより、金属粒子の分散性を高め、且つ、金属粒子の担持力を高めている。また金属粒子の高い分散性に加え、金属イオンと金属粒子との相乗効果によっても活性向上や寿命延長といった観点で触媒性能が向上する。そして上記(2)式は金属粒子担持触媒に担持される全金属質量(金属イオン質量及び金属粒子質量の合計)に対する金属イオンの質量の比率を示している。このため、(2)式の値が0.0001を下回ると、金属粒子の分散性を高める効果や担持力を向上させる効果が得られにくくなる一方、この値が1を越えると、金属粒子の担持比率が低くなり、触媒の活性が低下するおそれがある。
金属コロイド溶液を添加して混合する際の温度は、特に限定されないが、15〜40℃が好ましい。15℃未満では、十分に金属粒子を担持できないことがあり、実用性が低下することがある。40℃を超えると担持効果の更なる向上は認められず、経済的に好ましくない。
上記混合の際、通常5分以上、好ましくは10分以上の攪拌を行うことが望ましく、必要に応じて、通常3時間程度まで、好ましくは1時間程度まで攪拌してもよい。
上記混合操作後、第2の懸濁液を通常水で希釈し、金属含有コロイド粒子担持触媒を遠心分離し、望ましくは洗浄を3回以上繰り返して金属粒子担持触媒を分離精製することが好ましい。
(iv)工程[4]
前記工程[3]の第2ので得られた金属粒子担持触媒分散液(固液分離されている場合には、分離後の金属粒子担持触媒)を100〜200℃にて乾燥処理し、乾燥させた金属粒子担持触媒を得ることができる。乾燥時間については、温度100〜200℃で1〜20時間乾燥することが望ましい。乾燥温度範囲については、より好適には、100〜150℃の範囲が推奨される。
乾燥温度が100℃未満の場合、乾燥に時間がかかり経済的に効率が悪い傾向がある。乾燥温度が200℃を超える場合は、粒子のシンタリングや酸化が進行するといった問題がある。
前記乾燥工程は、大気中または不活性雰囲気下で行うことが好ましい。乾燥雰囲気として、より好適には不活性雰囲気を挙げることができる。不活性雰囲気としては、窒素、水素、アルゴン等の雰囲気を挙げることができる。
本発明に係る金属粒子担持触媒は、金属イオンを担体物質にイオン交換、吸着させてから金属粒子を担持させることにより、金属粒子の分散性を高め、且つ、金属粒子の担持力を高めている。この結果、金属粒子(担持金属)が担体物質の表面に均一に分散して担持され、前記金属粒子の均一な分散状態が、従来法で金属粒子を担持した触媒に見られる金属粒子の分散状態を凌ぐこともできる。また、イオン交換、吸着していない金属イオンを除去する工程を設けることで金属粒子担持の際に、凝析の影響で金属粒子が凝集しにくくなり、この点でも高分散担持が可能となる。
金属粒子を均一に分散させることにより、金属粒子の表面がより有効に触媒作用に寄与するため、本発明に係る金属粒子担持触媒は、従来の金属粒子担持触媒の場合と同等の金属担持量であっても、活性向上や寿命延長などの観点で、より優れた触媒性能を示すことができる。
また、担体物質のイオン交換サイトに金属イオンを担持させたものは、金属イオンと金属粒子が相乗効果を示し、この点でも活性向上や寿命延長の観点で優れた触媒性能を示すことができる。
また、このように触媒の活性向上や寿命延長が達成されることにより、従来の金属粒子担持触媒と同等の触媒性能で足りる用途においては、従来の金属粒子担持触媒より少量の金属粒子を担持させた金属粒子担持触媒を使用することができるので、資源の節約となる。特にPd又はPtのような高価な金属粒子を用いる場合は、製造コストの削減にも貢献するものである。
さらに金属イオンと金属粒子を担持した担体物質を100〜200℃の温度範囲で乾燥することにより金属粒子担持触媒を得ているので、例えば500℃以上での焼成工程や水素ガス雰囲気中での還元工程などを必要とする場合に比べて製造コストの増大や工程制御の労力を増実用的な条件にて金属粒子担持触媒を調製することが可能である。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[測定方法]
本願で採用した測定方法について以下に記す。
[1]金属粒子の分散状態の測定
走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)により、試料(金属粒子担持触媒)を倍率30万倍で写真撮影した。得られた写真投影図において、10000nmの範囲(100nm四方)における担持金属粒子の個数(t)及び各金属粒子を中心として半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の個数(s)を測定した。そして下記式(1)により、担持金属粒子のうち、半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の割合(m)[%]を求めた。この測定及び算定を金属粒子担持触媒の50箇所について行い、その平均値を、当該金属粒子担持触媒における、半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の平均割合(M)[%]とした。
(m)=(s)/(t)×100…(1)
[2]触媒に担持した金属粒子・金属イオンの組成分析
金属イオンを担持させ、固液分離して得られた第2の懸濁液、金属イオン及び金属粒子(複合金属粒子の場合を含む)を担持させた触媒の組成分析は、下記の通り実施した。それぞれの試料を600℃にて焼成し、焼成後の試料をアルカリ溶融剤にて溶融した。その後、溶融液を28質量%の塩酸水溶液にて溶解し、溶解液を純水で希釈した後、ICP誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS1200A(セイコー電子株式会社製)にて試料に含まれる元素の量を測定し、第2の懸濁液及び金属イオン及び金属粒子(複合金属粒子の場合を含む)を担持させた触媒の組成を算出した。
[3]触媒性能評価
後述の実施例、比較例では、Pd、Pt、Ru、Rh、Ag、Pt-Rh複合金属、Pd-Au複合金属、Pd-Pt複合金属、Pt-Ru複合金属、Pt-Cu複合金属の各金属粒子を担持した金属粒子担持触媒を調製した。これらのうち、Pdを担持した触媒(Pdの複合金属を担持した場合を含む)に関して、(1)アセチレンの水素化反応及び(2)硝酸イオンの分解反応を評価した。
(1)アセチレンの水素化反応
アセチレンの水素化反応は、反応管φ21mm(二重管ガラス反応管)に金属粒子換算で0.002g分の金属粒子担持触媒を充填する。反応管外周部に温水を循環させ、触媒層を一定温度(40℃)に保持する。反応ガス(C;12ml/min)、還元ガス(H;10ml/min)及びキャリアーガス(N;400ml/min)を導入後、80分経過後のガスを採取しガスクロマトグラフィーにより、供給反応ガス量に対するエチレン及びエタンの生成率(((C+C)/C)×100[mol%])を求めた。
(2)硝酸イオンの分解反応
硝酸イオン濃度で4.5mol/Lの硝酸ナトリウム溶液200gを1Lのセパラブルフラスコに入れる。その後触媒を金属粒子換算で0.02gとなる量の金属粒子担持触媒を入れ、アルゴンパージ下、マグネチックスターラーで攪拌し80℃に温調した。その後1.2mol量のヒドラジンを3時間かけて添加し、添加後の硝酸イオン濃度を分光光度法で測定し算出した。その際の硝酸イオンの転化率((初期硝酸イオン濃度-反応終了後硝酸イオン濃度)/(初期硝酸イオン濃度)×100[mol%])を触媒活性として評価した。
以下の実施例は、いずれも前記特許請求の範囲の要件を満たすものである。
[担体物質調製例A]
活性炭懸濁液(第1の懸濁液)の調製
活性炭(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名:CL−K、粒度:0.5mm〜1.7mm、ヨウ素吸着量1,550mg/g)を純水に分散させ、活性炭濃度が10質量%の水分散液(A)を調製した。
[担体物質調製例B]
カーボンブラック(CB)懸濁液(第1の懸濁液)の調製
カーボンブラック(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名:ケッチェンブラックEC、表面積800m/g、吸油量360g/100g)を純水に分散させ、1時間煮沸処理を行い、濃度が10質量%の水分散液(B)を調製した。
[担体物質調製例C]
活性アルミナ懸濁液(第1の懸濁液)の調製
活性アルミナ(和光純薬(製)型番:596−15865、比表面積250m/g、粒子径50μm、γ-アルミナ)を純水に分散させ、濃度が10質量%の水分散液(C))を調製した。
[担体物質調製例D]
ATO懸濁液(第1の懸濁液)の調製
ATO粉末(日揮触媒化成(製)型番:TL−30、比表面積45m/g、)を純水に分散させ、濃度が10質量%の水分散液(D))を調製した。
[金属粒子調製例1]
Pd粒子分散液の合成
クエン酸水溶液(濃度30質量%)219gに還元剤として硫酸第一鉄122gを溶解させた溶液を調製した。そして、この溶液341gを、硝酸パラジウム水溶液(濃度20質量%)39gに室温で添加し、充分に混合することによりPd粒子の分散液を調製した。限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮しPd換算濃度3%のPdコロイド溶液(1)を得た。得られたPdコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は3nmであった。
[金属粒子調製例2]
Pt粒子分散液の合成
塩化白金酸6水和物25g(白金金属換算で9g)を純水16,000gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液1,660gと還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液140gとを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌混合して、水に白金微粒子が分散してなる白金コロイド溶液を得た。ついで、白金コロイド溶液を限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮し、白金金属換算で濃度3.0重量%の白金コロイド溶液(2)とした。得られたPtコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は1nmであった。
[金属粒子調製例3]
Ru粒子分散液の合成
塩化ルテニウム(III)3水和物23.3g(ルテニウム金属換算で9g)を純水16,000gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のクエン酸3ナトリウム水溶液1,660gと還元剤として濃度0.1重量%の水素化ホウ素ナトリウム水溶液140gとを加え、窒素雰囲気下、20℃で攪拌混合して、水にルテニウム微粒子が分散してなるルテニウムコロイド溶液を得た。ついで、ルテニウムコロイド溶液を限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮し、ルテニウム金属換算で濃度3.0重量%のルテニウムコロイド溶液(3)とした。得られたRuコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調製例4]
Rh粒子分散液の合成
塩化ロジウム(III)3水和物23.3g(ロジウム金属換算で9g)を純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のポリビニルピロリドン(関東化学製K−30、分子量40000)水溶液50gと、溶剤としてモノエチレングリコール900gを加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、ロジウム微粒子が分散してなるロジウムコロイド溶液を得た。次いでロジウムコロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、ロジウム金属換算で濃度3.0重量%のロジウムコロイド溶液(4)を得た。得られたロジウムコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は3nmであった。
[金属粒子調製例5]
Ag粒子分散液の合成
クエン酸水溶液(濃度30質量%)219gに還元剤として硫酸第一鉄122gを溶解させた溶液を調製した。そして、この溶液341gを、硝酸銀水溶液(濃度10質量%)80gに室温で添加し、充分に混合することによりPd粒子の分散液を調製した。限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮しAg換算濃度3%のAgコロイド溶液(5)を得た。得られたAgコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は10nmであった。
[金属粒子調製例6]
Pt−Rh粒子分散液の合成
塩化ロジウム(III)3水和物23.3g(ロジウム金属換算で9g)と塩化白金酸6水和物25g(白金金属換算で9g)を純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のポリビニルピロリドン(関東化学製K−30、分子量40000)水溶液100gと溶剤としてモノエチレングリコール1800gを加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、白金-ロジウム複合微粒子が分散してなる白金-ロジウムコロイド溶液を得た。次いで白金-ロジウムコロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、白金-ロジウム金属換算で濃度3.0重量%のロジウムコロイド溶液(6)を得た。得られた白金-ロジウムコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調製例7]
Pd−Au粒子分散液の合成
硝酸パラジウム(II)水和物22.5g(パラジウム金属換算で9g)と塩化金(III)酸4水和物18.8g(金金属換算で9g)をそれぞれ純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のポリビニルピロリドン(関東化学製K−30、分子量40000)水溶液をそれぞれ50gずつ混合した。溶剤としてモノエチレングリコール1800g中に加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、パラジウム-金複合微粒子が分散してなるパラジウム-金コロイド溶液を得た。次いでパラジウム-金コロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、パラジウム-金金属換算で濃度3.0重量%のパラジウム-金コロイド溶液(7)を得た。得られたパラジウム-金コロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調製例8]
Pd−Pt粒子分散液の合成
硝酸パラジウム(II)水和物23.3g(パラジウム金属換算で9g)と塩化白金(IV)酸6水和物25g(白金金属換算で9g)をそれぞれ純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のポリビニルピロリドン(関東化学製K−30、分子量40000)水溶液100gを添加した。溶剤としてモノエチレングリコール1800g中に金属塩水溶液を加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、パラジウム-白金複合微粒子が分散してなるパラジウム-白金コロイド溶液を得た。次いでパラジウム-白金コロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、パラジウム-白金金属換算で濃度3.0重量%のパラジウム-白金コロイド溶液(8)を得た。得られたパラジウム-白金コロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調製例9]
Pt−Ru粒子分散液の合成
塩化白金(IV)酸6水和物25g(白金金属換算で9g)と塩化ルテニウム(III)3水和物23.3g(ルテニウム金属換算で9g)をそれぞれ純水100gに溶解して得た金属塩水溶液に、錯化安定剤として濃度5.0重量%のポリビニルピロリドン(関東化学製K−30、分子量40000)水溶液50gを添加した。溶剤としてモノエチレングリコール1800g中に金属塩溶液を加え、窒素雰囲気下、100℃で6時間攪拌混合して、白金-ルテニウム混合微粒子が分散してなる、白金-ルテニウムコロイド溶液を得た。次いで、白金-ルテニウムコロイド溶液をロータリーエバポレーターで濃縮し、白金-ルテニウム金属換算で濃度3.0重量%の白金-ルテニウムコロイド溶液(9)を得た。得られた白金-ルテニウムコロイドの粒子径を走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は2nmであった。
[金属粒子調製例10]
Pd-Cu粒子分散液の合成
クエン酸水溶液(濃度30質量%)219gに還元剤として硫酸第一鉄122gを溶解させた溶液を調製した。そして、この溶液341gを、硝酸パラジウム水溶液(濃度20質量%)39gに室温で添加し、次いで硝酸銅水溶液(濃度20%)を10g充分に混合することによりPd粒子の分散液を調製した。限外濾過器(ADVANTEC社製、ウルトラフィルターQ0500)を用いて洗浄脱塩し、濃縮しPd−Cu換算濃度3%(Pd/(Pd+Cu)×100=80%)のPd−Cuコロイド溶液(10)を得た。得られたPd-Cuコロイド溶液の粒子径は、走査型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、S−5500)で測定したところ平均粒子径は3nmであった。
[実施例1]
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液(A)1000gに金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を60g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。このときのpHは2.5であった。次いで、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性炭濃度10%の第2の懸濁液を得た。このときのpHは5.8であった。次いで3%のPdコロイド溶液(1)16.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは6.5であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持活性炭触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。このPd粒子担持触媒の電子顕微鏡写真を図1に示した。
[実施例2]
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液(A)1000gに金属イオン源としてNiイオン濃度が5質量%の硝酸ニッケル(II)水溶液を100g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。室温にて、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性炭濃度10%の第2の懸濁液を得た。3%のPtコロイド溶液(2)103.33gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pt粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは7.2であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pt粒子担持活性炭触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例3]
合成例Bで調製したカーボンブラックの第1の懸濁液(B)1000gに金属イオン源としてFeイオン濃度が5質量%の硫酸鉄(II)水溶液を80g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。室温にて、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いてカーボンブラック濃度10%の第2の懸濁液を得た。3%のRuコロイド溶液(3)1430gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Ru粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは7.5であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Ru粒子担持カーボンブラック触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例4]
担体物質調製例Cで調製した活性アルミナの第1の懸濁液(C)1000gに金属イオン源としてPdイオン濃度が5質量%の硝酸パラジウム(II)水溶液を140g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。室温にて、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性アルミナ濃度10%の第2の懸濁液を得た。3%のRhコロイド溶液(4)66.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Rh粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは7.5であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Rh粒子担持活性アルミナ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例5]
担体物質調製例Cで調製した活性アルミナの第1の懸濁液(C)1000gに金属イオン源としてAuイオン濃度が5質量%の塩化金酸(III)水溶液を100g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。室温にて、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性アルミナ濃度10%の第2の懸濁液を得た。3%のAgコロイド溶液(5)176.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Ag粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは6.5であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Ag粒子担持活性アルミナ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例6]
担体物質調製例Cで調製した活性アルミナの第1の懸濁液(C)1000gに金属イオン源としてAgイオン濃度が5質量%の硝酸銀(I)水溶液を40g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。室温にて、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性アルミナ濃度10%の第2の懸濁液を得た。3%のPt−Rhコロイド溶液(6)103.33gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pt−Rh粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは6.8であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pt−Rh粒子担持活性アルミナ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例7]
担体物質調製例Cで調製した活性アルミナの第1の懸濁液(C)1000gに金属イオン源としてPtイオン濃度が5質量%の塩化白金酸(IV)水溶液を60g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。室温にて、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性アルミナ濃度10%の第2の懸濁液を得た。3%のPd−Auコロイド溶液(7)176.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd−Au粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは6.8であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd−Au粒子担持活性アルミナ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例8]
担体物質調製例Cで調製した活性アルミナの第1の懸濁液(C)1000gに金属イオン源としてAuイオン濃度が5質量%の塩化金酸(III)水溶液を120g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。室温にて、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性アルミナ濃度10%の第2の懸濁液を得た。3%のPd−Ptコロイド溶液(8)370gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd−Pt粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは6.3であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd−Pt粒子担持活性アルミナ触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例9]
担体物質調製例Bで調製したカーボンブラックの第1の懸濁液(B)1000gに金属イオン源としてCoイオン濃度が5質量%の塩化コバルト(II)水溶液を200g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。室温にて、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いてカーボンブラック濃度10%の第2の懸濁液を得た。3%のPt−Ruコロイド溶液(9)33.33gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pt−Ru粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは6.2であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pt−Ru粒子担持カーボンブラック触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例10]
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液(A)1000gに金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を4g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。硝酸銅(II)水溶液の添加量が少ない点が、同水溶液を60g添加した[実施例1]と異なる。このときのpHは4.3であった。次いで、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性炭濃度10%の第2の懸濁液を得た。このときのpHは6.2であった。次いで3%のPdコロイド溶液(1)16.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは6.3であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持活性炭触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例11]
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液(A)1000gに金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を1600g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。硝酸銅(II)水溶液の添加量が多い点が、同水溶液を60g添加した[実施例1]と異なる。このときのpHは1.8であった。次いで、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性炭濃度10%の第2の懸濁液を得た。このときのpHは5.2であった。次いで3%のPdコロイド溶液(1)16.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは5.5であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持活性炭触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例12]
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液(A)1000gに金属イオン源としてNiイオン濃度が5質量%の硝酸ニッケル(II)水溶液を100g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。このときのpHは2.5であった。次いで、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性炭濃度10%の第2の懸濁液を得た。このときのpHは5.8であった。次いで3%のPd-Cuコロイド溶液(9)16.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd-Cu粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは6.8であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd-Cu粒子担持活性炭触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[実施例13]
担体物質調製例Dで調製したATO懸濁液(第1の懸濁液)1000g(ATO濃度10質量%)に金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を60g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。このときのpHは2.5であった。次いで、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を加えてATO濃度10%の第2の懸濁液を得た。このときのpHは5.8であった。次いで3%のPdコロイド溶液(1)16.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後金属粒子担持触媒分散液のpHは6.5であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持活性炭触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例1]
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液(A)1000gに金属イオン源としてCuイオン濃度が5質量%の硝酸銅(II)水溶液を60g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁(懸濁液A)を調製した。このときのpHは2.5であった。次いで、3%のPdコロイド溶液(1)16.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後の混合懸濁液のpHは2.9であった。
この混合懸濁液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持活性炭触媒を得た。本例は第1の懸濁液の固液分離を行わずにPd粒子を添加し、そのまま乾燥処理を行っている点が、各実施例とは異なる。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。このPd粒子担持触媒の電子顕微鏡写真を図2に示した。
[比較例2]
特開2009-172574の実施例6に準じた方法で行った。
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液50gに金属イオン源としてPdイオン濃度が1.5質量%の硝酸パラジウム水溶液を3.33g添加して、20℃で30分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。これにPd粒子分散液(固形分3質量%、平均粒子径3nm)を5.0g添加した。混合懸濁液のpHは2.0であった。
この混合懸濁液を大気雰囲気中、温度110℃で10時間かけて乾燥させ、Pd担持活性炭を得た。得られたPd多面体の辺の長さは20nmで、担体物質上に単位面積(m)あたり、105個存在した。本例は第1の懸濁液の固液分離を行わずにPd粒子を添加し、そのまま乾燥処理を行っている点、及び大気雰囲気中で乾燥処理を行っている点が各実施例と異なる。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例3]
特許第3777696の実施例1に準じた方法でPdを用いて行った。
アルゴンガス雰囲気中で高周波溶解を用いてPdSr金属間化合物(Pd:とSrのモル比1:1)を溶解鋳造した。Pd-Sr金属化合物を粉砕後、Pd-Sr金属化合物:25gとSr(OH)・8HO:28gの混合物を、大気中で650℃×120時間の熱処理を行った。熱処理により得られたPd粒子径50nmのPd/SrO粉末にγ−Al粉末を混合し、Pd量0.5wt%のPd/SrO/Al触媒を得た。
本例は金属イオンの担持を行わずにSrO/γ−アルミナ混合粉末にPd粒子を担持している点が各実施例とは異なる。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例4]
特開2009-178644に準じ、担体を活性アルミナに変えた以外は当該先行技術と同様な方法で調製した。担体物質調製例Cで用いた活性アルミナ1mgを、疎水性のイオン液体としてN,N,N−トリメチル−N−プロピルアンモニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(TMPA−TFSI)(関東化学社製、化学式C16、FW382.34)50μlに加えた。そこに超純水440μlを加えた。0.1%硝酸パラジウム水溶液を重量比でAl:Pd=100:0.5となるようにした。2相系混合溶液を撹拌しながら3分間紫外光を照射し、Pd粒子を光電析させた。それをろ過し、エタノールで洗浄することによってイオン液体を取り除いた。最後に、空気中ブラックライト照射下で、24時間、自然乾燥してPd粒子担持触媒を得た。
本例は金属イオンに代えて疎水性の有機物イオンの存在下でPd粒子を担持している点が各実施例とは異なる。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
[比較例5]
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液(A)1000gに3%のPd-Cuコロイド溶液(9)16.66gを添加し、10分間、混合攪拌した。Pd-Cu粒子添加後の混合懸濁液のpHは6.8であった。この混合懸濁液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd-Cu粒子担持活性炭触媒を得た。製造条件およびPd-Cu粒子の評価を表に示した。
本例は担体に金属イオンを担持させず、且つ、第1の懸濁液の固液分離を行わずにPd粒子を添加し、そのまま乾燥処理を行っている点が、各実施例とは異なる。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
実施14
担体物質調製例Aで調製した活性炭の第1の懸濁液(A)1000gに金属イオン源としてCuイオン濃度が20質量%の硝酸銅(II)水溶液を400g添加して、20℃で40分間攪拌し、混合懸濁液(懸濁液A)を調製した。硝酸銅(II)水溶液の濃度が高く、添加量が多い点が、5質量%の同水溶液を60g添加した[実施例1]と異なる。このときのpHは1.6であった。次いで、この混合懸濁液を1μmのPTFEフィルターで減圧濾過(固液分離)した後、再度純水を用いて活性炭濃度10%の第2の懸濁液を得た。このときのpHは4.8であった。次いで3%のPdコロイド溶液(1)16.66gを添加し、20℃で10分間、混合攪拌した。Pd粒子添加後の金属粒子担持触媒分散液のpHは5.5であった。
この金属粒子担持触媒分散液を窒素雰囲気中にて、温度105℃で24時間乾燥させることにより、Pd粒子担持活性炭触媒を得た。製造条件および当該触媒の評価を(表1、表2)に示した。
(表1)
Figure 0005548548
(表2)
Figure 0005548548
(表1、表2)に示した[実施例1〜14]の結果によれば、担体物質に金属イオンを担持してから(工程[1])、固液分離を行い(工程[2])、しかる後、金属粒子の担持を行う(工程[3])ことで、担体物質の種類に係らず、各金属粒子の半径1nm以内に他の金属粒子が存在しな比率(以下、簡単のため金属粒子の「分散状態」という)が50%以上となっており、良好な分散性を示している。
これに対して固液分離を行う工程[2]を設けていない[比較例1、2]では、前記の分散状態が0〜10%程度であり、金属粒子が凝集した状態で担持されている。このことは、[実施例1]の金属粒子担持触媒の表面の状態を撮影した図1と、[比較例1]の表面の状態を撮影した図2とに明確に表れており、図1では担体表面に分散した金属粒子が観察される一方、図2では個々の金属粒子の識別が困難なほど金属粒子が凝集している。これは金属イオンを担持した後の固液分離を行っていないことにより、高濃度の金属イオンの存在下で金属粒子の担持を行った結果、マイナスチャージを持つ金属粒子とプラスチャージを持つ金属イオンとがひきつけられて担持前の金属粒子が凝析したためであると考えられる。
また金属イオンの担持を行わず、工程[1]を設けていない[比較例3、5]でも金属粒子の分散状態は10〜40%程度であり、各実施例に比較して金属粒子の分散状態はよくない。したがって、金属イオンの存在下で金属粒子を担持することは、金属粒子の分散性の向上に寄与することが分かる。一方、金属イオンに替えて疎水性の有機物イオンの存在下で金属粒子の担持を行った[比較例4]では、金属粒子の分散状態が100%となり、分散状態だけに着目すると[比較例4]の結果が最もよかった。このように金属イオン([実施例1〜14])や疎水性の有機物イオン([比較例4])の存在下で担持された金属粒子の分散状態が良好であったことから、金属粒子の分散性の向上には各イオン種との電気的な相互作用が寄与しているのではないかと考えられる。
次いで触媒活性の違いについて考察する。アセチレンの水素化反応については、金属粒子としてPdもしくはPdの複合金属を担持した[実施例1、7〜8、10〜14]、[比較例1〜5]について行った。また硝酸イオンの分解については金属粒子としてPd、Pd−Cuを担持した[実施例1、10〜14]、[比較例1、5]について行った。
アセチレンの水素化反応について見ると、各実施例におけるエチレン、エタンの生成率は45〜70mol%の範囲である一方、各比較例では25〜41mol%の範囲となり、実施例の方が高い水素化活性を示した。特に金属粒子の分散状態が最も良好な[比較例4]よりも各実施例の方が高い水素化活性を示していることから、これら実施例の触媒活性は、金属粒子の分散状態のみならず、担体物質上に金属イオン及び金属粒子が担持されていることによる相乗効果により活性の向上をもたらしているものと考えられる。
各触媒に担持した金属粒子及び金属イオンの組成分析は、金属粒子の担持触媒の溶解液をプラズマ発光分光分析にかけて行っていることから、前記触媒上の金属イオンの担持状態を特定するものではない。しかしながら、1)いずれもイオン交換体として作用する担体物質(活性炭、カーボンブラック、アルミナ)を利用していること、2)工程[2]にて担体物質に担持されなかったな余剰な金属イオンを固液分離していること、3)不活性雰囲気(窒素雰囲気)下で105℃という比較的低温の条件下で乾燥処理を行い、金属イオンの酸化や還元を進行させる可能性が低いこと、などから、当該金属粒子担持触媒上において金属イオンは担体物質のイオン交換サイトにイオン交換された状態で担持されている可能性が高い。
ただしイオン交換サイトにてイオン交換された金属イオンと共に、当該金属イオンに由来する酸化物や担体金属、金属塩が存在しても本金属粒子担持触媒の活性を妨げるものではない。また仮に、実際には金属イオンが担体物質のイオン交換サイトにイオン交換された状態で担持されているのではないことが確認されたとしても、工程[1]〜工程[4]を経て製造した実施例に係る金属粒子担持触媒の活性が比較例に比べて高いことは明らかである。またこの傾向は、活性金属(金属粒子)の選択に依存するものではなく、活性試験を行っていない[実施例2〜6、9]においても同様と考えられる。
さらに硝酸イオンの分解試験においても各実施例における硝酸イオンの分解率は88〜98mol%の範囲である一方、各比較例では75〜78mol%の範囲となり、実施例の方が高い分解活性を示している。したがって、金属粒子の分散状態がよく、担体物質上に金属粒子と金属イオンとが担持されていることによる相乗効果が発揮されることによる活性の向上は、アセチレンの水素化のみならず他の反応においても発揮されることが確認できた。


Claims (10)

  1. 次の[1]〜[4]の工程を含むことを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法。
    [1]イオン交換体を含む担体物質を溶媒に分散させた第1の懸濁液に、次の(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを、担体物質100質量部に対して金属元素換算で0.1〜100質量部の割合で添加し、該金属イオンを担体物質に担持し、懸濁液Aを調製する工程。
    (Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ic)白金イオンまたは金イオン
    [2]前記工程[1]に続いて、前記担体物質に担持されなかった金属イオンを取り除くために、前記懸濁液Aを固液分離処理し、得られた固体相を再度溶媒に分散させて第2の懸濁液を得る工程。
    [3]前記工程[2]に続いて、前記第2の懸濁液を15〜40℃に温度調整しながら下記(IIa)〜(IId)から選ばれる平均粒子径1〜20nmの金属粒子を、前記担体物質100質量部に対して0.01〜50質量部添加し、混合して、金属粒子担持触媒分散液を調製する工程。
    (IIa)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
    (IIb)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属粒子
    (IIc)白金粒子または金粒子
    (IId)(IIa)〜(IIc)から選ばれる少なくとも2種以上の金属が複合してなる金属粒子
    [4]前記工程[3]で得られた金属粒子担持触媒分散液を温度100〜200℃で乾燥処理する工程。
  2. 前記工程[2]にて固液分離処理を行った後の前記担体物質に対する金属イオンの担持量が、担体物質100質量部に対して0.001〜2質量部であることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子担持触媒の製造方法。
  3. 前記工程[1]にて、前記担体物質に担持された金属イオンの質量と、前記工程[3]にて第2の懸濁液に添加される金属粒子の質量との関係を、下記式(1)で表したときの式の値が0.0001〜1の範囲であることを特徴とする請求項1または2に記載の金属粒子担持触媒の製造方法。
    金属イオンの質量/(金属イオンの質量+金属粒子の質量)…(1)
  4. 前記工程[4]の乾燥処理を不活性雰囲気下で行うことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の金属粒子担持触媒の製造方法。
  5. イオン交換体を含む担体物質に金属粒子を担持してなり、不飽和炭化水素の水素化反応用、又は、硝酸類の水素化分解反応用に用いられる金属粒子担持触媒であって、
    (I)前記イオン交換体に下記(Ia)〜(Ic)から選ばれる1種以上の金属イオンを担持したことと、
    (II)前記金属粒子がRu、Rh、Pd、Ag、Pt及びAuからなる群より選ばれる金属を含み、平均粒子径1〜20nmの金属粒子を担体物質に担持したことと、
    (III)前記担体物質に担持された全ての前記担持金属粒子のうち、半径1nm以内に他の担持金属粒子が存在しない担持金属粒子の平均割合が50%以上であることと、を備えたことを特徴とする金属粒子担持触媒。
    (I)(Ia)第4周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ib)第5周期遷移金属元素から選ばれる金属イオン
    (Ic)白金イオンまたは金イオ
  6. 前記第4周期遷移金属元素が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であり、前記第5周期遷移金属元素が、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることを特徴とする請求項記載の金属粒子担持触媒。
  7. 前記金属粒子担持触媒に含まれる金属粒子の割合が0.01〜50質量%であることを特徴とする請求項またはに記載の金属粒子担持触媒。
  8. 前記担体物質が、無機系担体物質または有機系担体物質から選ばれるものであり、当該無機系担体物質または有機系担体物質は、Si、Al、C、Ti、ZrおよびCeからなる群より選ばれる少なくとも1種以上の元素を含有するものであることを特徴とする請求項ないしのいずれかひとつに記載の金属粒子担持触媒。
  9. 前記担体物質が、酸化錫、アンチモンドープ酸化錫(ATO)、酸化錫ドープ酸化インジウム(ITO)、五酸化アンチモン、ケイタングステン酸、リンドープ酸化錫(PTO)又はアルミドープ酸化亜鉛(AZO)からなる1種以上の化合物を含有するものであることを特徴とする請求項ないしのいずれかひとつに記載の金属粒子担持触媒。
  10. 請求項ないしのいずれか一つに記載の金属粒子担持触媒を次の1)または2)の反応に適用する工程を含むことを特徴とする反応方法。
    1)不飽和炭化水素の水素化反応、
    )硝類の水素化分解反応
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