JP6737435B2 - 貴金属固溶体担持微粒子の製造方法 - Google Patents

貴金属固溶体担持微粒子の製造方法 Download PDF

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Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2015年2月28日に出願された、日本国特許出願第2015−039680号明細書(その開示全体が参照により本明細書中に援用される)に基づく優先権を主張する。
本発明は、貴金属固溶体担持微粒子の製造方法に関する。
貴金属は自動車排ガス処理、水素化などの高機能触媒、あるいはメッキなどに使用されているが、産出量が少なく高価である。このため、貴金属の使用量を低減しうる技術が求められている。
貴金属を担体に担持した触媒は、例えば担体を貴金属の塩もしくは錯体の溶液に浸漬し、焼成することで作製されていたが、互いに相分離する2種以上の貴金属の塩もしくは錯体溶液に担体を浸漬して焼成すると、生成される金属微粒子は冷却過程において安定構造を形成するため、合金状態図において相分離する2種以上の貴金属は相分離した状態で担体に担持されることになるので、これら貴金属元素の固溶体合金としての相乗効果は期待できない。
特許文献1は、AgRh、AuRhなどの固溶体型合金微粒子を開示しているが、この微粒子は担体に担持したものではない。
特許文献2は、PdRu固溶体型合金微粒子を用いた触媒を開示しているが、この触媒は担体に担持したものではない。
WO2010/122811号 WO2014/045570号
本発明は、担体に貴金属固溶体を担持した微粒子を高収率で製造する方法を提供することを目的とする。
本発明は、以下の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法を提供するものである。
項1. 互いに相分離する2種の貴金属の化合物と担体を含む溶液を還元性液体に添加する工程を含み、前記2種の貴金属がPdとRu、AgとRh、AuとRhのいずれかである、PdRu、AgRh又はAuRhの固溶体を担体に担持してなる、貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
項2. 担体がアルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、シリカ、シリカアルミナ、カルシア、マグネシア、セリアジルコニア、ランタナ、ランタナアルミナ、酸化スズ、酸化タングステン、アルミノシリケート、アルミノホスフェート、ボロシリケート、リンタングステン酸、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、ペロブスカイト、コージェライト及びムライトの1種又はこれらの2種以上を含む複合酸化物、シリコンカーバイド、活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ及びカーボンナノホーンからなる群から選ばれる、項1に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
項3. 還元性液体が、グリコール類、グリセリン、ポリグリセリン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及び金属水素化物の溶液からなる群から選ばれる、項1又は2に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
項4. 担体に担持された固溶体貴金属合金粒子の平均粒径が1〜100 nmである、項1〜3のいずれか1項に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
項5. 貴金属化合物と担体を溶媒中で混合し、濾過した担体を乾燥、或いは蒸発乾燥し、貴金属イオンが表面に付着した乾燥担体を直接もしくは溶媒に分散させて還元性液体に添加することを特徴とする、項1〜4のいずれか1項に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
項6. 貴金属化合物と担体を溶媒中で混合し、超音波処理又は脱気処理により担体表面の気泡を除去する工程をさらに含む、項5に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
本発明の方法で製造される微粒子は触媒として特に好ましい材料である。この微粒子は、互いに相分離する2種以上の貴金属が固溶体を形成しているため、従来の2種以上の相分離する貴金属が分離した複合触媒とは異なる電子状態を有し、これまでにはない性質を有することが期待できる。
本発明の微粒子は、高価な貴金属の固溶体を、表面を被覆する保護剤を含まずに高収率で担体に担持できるので、好ましい。
本発明の方法で製造される触媒は、自動車の排ガス用触媒、化学分野の触媒(モノマー合成、有害物の分解、脱臭など)として有用であると期待される。
実施例1で得られた微粒子のTEM(Transmission Electron Microscopy)像を示す。左図は100,000(100K)倍拡大像であり、右図は50,000(50K)倍拡大像である。 実施例1で得られた微粒子のSTEM-EDX(Scanning Transmission Electron Microscopy-Energy Dispersive X-ray spectroscopy)マッピングの結果を示す。左図はHAADF-STEM(High-Angle Annular Dark-Field Scanning Transmission Electron Microscopy)像であり、右図はEDXS(Energy Dispersive X-ray Spectroscopy)元素マッピングの結果である。本発明の微粒子は、貴金属の固溶体が担体に担持されていることが実証された。 比較例1で得られた微粒子のTEM像を示す。 実施例1と比較例1で得られた微粒子に担持された貴金属の量を示す。
本発明で得られる微粒子は、互いに相分離する2種の貴金属の組み合わせであるPdRu、AgRh又はAuRhの固溶体を担体に担持した微粒子である。
本明細書において、「固溶体」とは、PdRu、AgRh又はAuRhの2種の貴金属が原子レベルで混合されていることをいう。「原子レベルで混合されている」とは、1つの観点では、0.105nmの空間分解能を持つSTEM(Scanning Transmission Electron Microscopy)による元素マッピングにおいて各元素がランダムに存在することである、他の観点では、XRD(X‐ray diffraction)において単一のピークパターンが確認されることである。
本発明の微粒子において、固溶体は2種の貴金属(PdRu、AgRh又はAuRh)を以下の比率で含む:
Pd:Ru=5〜95モル%:95〜5モル%;好ましくは10〜90モル%:90〜10モル%;より好ましくは15〜85モル%:85〜15モル%、
Ag:Rh=5〜95モル%:95〜5モル%;好ましくは10〜90モル%:90〜10モル%;より好ましくは15〜85モル%:85〜15モル%、
Au:Rh=5〜95モル%:95〜5モル%;好ましくは10〜90モル%:90〜10モル%;より好ましくは15〜85モル%:85〜15モル%。
担体に担持される貴金属固溶体粒子(PdRu粒子、AgRh粒子又はAuRh粒子)の平均粒径は、1〜100 nm程度、好ましくは1〜50 nm程度、より好ましくは1〜10 nm程度、さらに好ましくは1〜6 nm程度である。平均粒径が小さいと触媒性能が高くなるために好ましい。
担体の平均粒径は、10nm〜100μm程度、好ましくは15nm〜10μm程度、より好ましくは20nm〜1000nm程度、さらに好ましくは25nm〜500 nm程度である。担体の平均粒径を上記の範囲とすることは、貴金属固溶体の比率の観点及び固溶体を十分に担体に結合する観点から好ましい。担体の平均粒径が大きすぎると貴金属固溶体の比率が低下する傾向があり、担体の平均粒径が小さすぎると十分な固溶体を結合するのが難しくなる傾向がある。
担体としては、担体がアルミナ(例えば、α−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ;好ましくはγ−アルミナ)、ジルコニア、チタニア、セリア、シリカ、シリカアルミナ、カルシア、マグネシア、セリアジルコニア、ランタナ、ランタナアルミナ、酸化スズ、酸化タングステン、アルミノシリケート、アルミノホスフェート、ボロシリケート、リンタングステン酸、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、ペロブスカイト、コージェライト及びムライトの1種又はこれらの2種以上を含む複合酸化物、シリコンカーバイド、活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ並びにカーボンナノホーンなどが挙げられる。担体は、これらを1種又は2種以上含み得る。
担体の配合量は、PdとRu、AgとRh、或いは、AuとRhの貴金属化合物の合計0.1モルあたり好ましくは15g〜30kg程度、より好ましくは50g〜3kg程度である。
本発明の微粒子における固溶体の比率は質量で0.1〜60%程度、好ましくは0.5〜50%程度、より好ましくは1〜30%程度であり、担体の比率は、質量で99.9〜40%程度、好ましくは99.5〜50%程度、より好ましくは99〜70%程度である。固溶体の好ましい比率は用途によって異なるので、用途に合わせて調整する。
貴金属固溶体粒子と担体粒子が複合化した微粒子全体の平均粒径は、担体の大きさに依存し、例えば10nm〜100 μm程度、好ましくは15nm〜10μm程度、より好ましくは20nm〜1000nm程度、さらに好ましくは25nm〜500 nm程度である。
粒子の平均粒径は、TEMなどの顕微鏡写真により測定(確認)することができる。本発明の貴金属固溶体担持微粒子、担体粒子、固溶体粒子の形状は特に限定されず、球状、楕円体状、ロッド状、柱状、リン片状など任意の形状であることができる。
本発明の貴金属固溶体粒子(合金ナノ粒子)の製造方法において、2種以上の貴金属化合物を溶媒に溶解し、この溶液に担体粒子を分散させる。担体と貴金属化合物の溶媒への添加順序は問わず、いずれを先に加えることもできる。2種以上の貴金属化合物と担体を含む溶液は、還元性液体に添加し、好ましくは少量ずつ還元性液体に添加することができる。少量ずつの添加は、溶液を分割して少しずつ加える、噴霧、滴下、或いは注射器、チューブなどを用いて一定速度で時間をかけて還元性液体に注入するなどの任意の方法を採用できる。担体が分散した貴金属化合物の溶液は、一度に全部加えると、担体と固溶体の結合割合が低下し、担体に担持されていない固溶体が増加する傾向にあるが、還元性液体を大量に使用するなどの反応条件を適切に選択することで、担体に担持されていない固溶体の比率を低減することができる。2種の貴金属の化合物と担体を含む溶液を還元性液体に添加する際に、溶液と還元性液体との混合液体を、適宜撹拌、振盪、超音波処理などをすることができる。撹拌、振盪、超音波処理は、添加前及び/又は後にも、行うことができる。
貴金属化合物は、溶媒に溶解して貴金属イオン(錯体を含む)を溶液中に供給できるものであれば特に限定されず、例えば貴金属塩、貴金属錯体が挙げられる。理論に拘束されることを望むものではないが、本発明者は、2種以上の貴金属化合物を溶解し担体を分散させた溶液(分散液)において、貴金属イオンもしくは貴金属錯体が担体表面に吸着されるか担体の近傍に存在し、貴金属が還元されると同時に固溶体として担体と結合すると考えている。2種以上の貴金属塩はランダムに担体表面に存在するので、そのままの状態で還元されると貴金属が相分離することなく固溶体として担体と結合すると考えられる。
2種以上の貴金属化合物を溶媒に溶解し、(i)担体を加えた溶液を濾過し、必要に応じて乾燥、或いは(ii)濾過をすることなく溶媒を蒸発乾燥させて、貴金属化合物(貴金属イオンもしくは貴金属錯体)を担体表面に吸着もしくは結合させ、それを再度溶媒に分散させて、或いは貴金属イオン/錯体を吸着した担体を固体状態で還元性液体に加えることもできる。また、担体は溶媒中で加熱、撹拌、振盪、超音波処理、もしくは減圧下の脱気などにより溶媒となじませ、又は担体表面の気泡を除去して貴金属イオンもしくは貴金属錯体ができるだけ多く吸着されるように前処理することもできる。或いは、2種以上の貴金属化合物を含む溶液に担体を加えて加熱、撹拌、振盪、超音波処理、又は減圧下の脱気などにより貴金属イオンもしくは貴金属錯体の吸着量を多くすることもできる。
本明細書において、「少量ずつ」とは、還元性液体に加えられた貴金属イオンが速やかに還元されて担体に固溶体として結合する程度の量/速度で貴金属化合物と担体を含む液を還元性液体に添加することを意味し、特に限定されないが、例えば実施例では10〜30分間程度かけてゆっくり添加している。
還元性液体に加えられた貴金属イオンが速やかに還元されて担体に固溶体として結合する反応は速やかに進むと考えられるが、全体としての反応時間は、添加に要する時間及び必要に応じて添加後も行う撹拌、振盪又は超音波処理の合計時間である。例えば10分〜2時間程度とすることができるが、これ以上とすることも制限されない。
貴金属イオンもしくは貴金属錯体が表面に吸着した担体を還元性液体に加えると遊離の貴金属イオンもしくは錯体はほとんど或いは全く存在しないので、貴金属固溶体はほぼ全て担体に担持される。貴金属イオンもしくは貴金属錯体が表面に吸着した担体を濾過及び乾燥することで貴金属イオンもしくは錯体と担体との結合を強固にし、再度貴金属化合物の溶液にこの貴金属吸着担体を加えてより多くの貴金属イオンもしくは錯体を吸着させる操作を1回もしくは2回以上繰り返し、担体に吸着する貴金属イオンもしくは錯体の量を多くすることで、担体に担持される貴金属固溶体の量(担体に対する貴金属固溶体の比率)を増大させることができる。
貴金属化合物は溶媒に溶解され、担体はその溶液に分散される。還元性液体は、全部が液体の還元剤から構成されていることもでき(この場合、還元性液体は溶媒を兼ねることができる)、固体の還元剤を溶媒に溶解されていることもできる。
溶媒としては、水、アルコール(メタノール、エタノール、イソプロパノールなど)、ポリオール類(エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレンングリコール、グリセリンなど)、ポリエーテル類(ポリエチレングリコールなど)、アセトニトリル、アセトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどの極性溶媒が使用できる。水が貴金属化合物を溶解するための好ましい塩である。溶媒は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。貴金属化合物は、水溶性のものが好ましい。好ましい貴金属化合物としては、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などの有機酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物(フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物)、過塩素酸塩、水酸化物、錯体などが挙げられ、ハロゲン化物、硝酸塩、錯体が好ましく使用できる。貴金属化合物における貴金属の価数は、2価、3価、4価のいずれであることができる。好ましい貴金属化合物としては、以下のものが挙げられる:
Au化合物:例えばAuCl3、HAuCl4、K[AuCl4]、Na[AuCl4]、K[Au(CN)2]、K[Au(CN)4]など;Rh化合物:例えばRh(NO3)2、Rh(NO3)3、RhCl2、RhCl3、Rh(CH3COO)3、Rh(CH3COO)2など;Ru化合物:例えばRuCl2、RuCl3、Ru(acac)3 (acacはアセチルアセトンである)、Ru(CH3COO)x (xは2〜3の数を示す)など;
Pd化合物:例えばH2PdCl4又はそのアルカリ金属塩、PdCl2、PdSO4、Pd(NO3)2など;Ag化合物:例えばAgNO3、Ag(CH3COO)など;
好ましい実施形態において、本発明の貴金属固溶体担持微粒子は、2種以上の貴金属化合物を溶媒に溶解して担体を加えた溶液を好ましくは撹拌、振盪もしくは超音波を加えながら還元性液体に加え、加熱して還元反応を進行させることで、得ることができる。還元性液体は、貴金属化合物と担体を含む溶液を加える前に所定の温度に加熱しておくことが好ましい。
還元性液体は、上記の溶媒を含むことができる。
還元性液体の加熱温度は、還元性液体の沸点以下であることが好ましく、例えば100〜260℃程度、好ましくは150〜250℃、より好ましくは200〜240℃程度である。還元性液体の温度が反応温度となるようように本発明の製造方法を実施することが好ましい。例えば、2種以上の貴金属化合物と担体を含む溶液を少量ずつ還元性液体に添加することで、還元性液体の温度に対する2種以上の貴金属化合物と担体を含む溶液の温度の影響は少なくなる。
2種以上の貴金属化合物と担体を含む溶液は、室温で使用することができ、還元性液体の温度又はそれ以下の温度で加熱して使用することもできる。
2種以上の貴金属化合物の溶液中の濃度としては、0.001〜1 mol/L程度、好ましくは0.025〜0.1 mol/L 程度とすることができる。2種以上の貴金属化合物の溶液中の濃度を上記の範囲とすることは、担体への担持効率の観点で好ましい。貴金属化合物の濃度が濃すぎると担体への担持効率が低下する傾向がある。
還元性液体としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のグリコール類(グリコール化合物);グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、デカグリセリンなどのポリグリセリン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル;ブチルアミンなどのアミン類(アミン化合物)、及びNaBH4、LiBH4、LiAlH4などの金属水素化物を上記アルコールなどに溶解した溶液が挙げられる。NaBH4、LiBH4、LiAlH4などの金属水素化物の溶液を還元性液体として用いる場合、溶液の温度は室温〜60℃程度の温度であっても貴金属の還元反応は有利に進行する。本発明の好ましい態様の一つにおいて、還元性液体はエチレングリコールなどのグリコール類(グリコール化合物)である。
還元性液体は、還元剤成分換算で、貴金属化合物に対して1当量以上、好ましくは2当量以上、さらに好ましくは3当量以上使用することができる。還元性液体は、全部が液体の還元剤から構成されている場合は、過剰量、好ましくは大過剰使用することができる。
かくして、PdRu、AgRh又はAuRhの固溶体を担体に担持してなる、貴金属固溶体担持微粒子を取得することができる。
調製後、粉体として触媒を取り出す方法は、特に限定されないが、例えば遠心分離、濾過、沈降、再沈殿、粉体分離器(サイクロン)による分離等が挙げられる。
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
10mlの水にK2PdCl4(0.048mmol)、RuCl3・nH2O (0.048mmol)、γ-Al2O3(990mg)を室温で加え、超音波処理によりK2PdCl4とRuCl3を溶解し、担体を含む貴金属化合物溶液(I)を調製した。
トリエチレングリコール(TEG、100ml)を300mlのビーカー中で204℃まで加熱撹拌し、このTEG撹拌液に上記溶液(I)を15分間かけてゆっくり滴下し、滴下終了後15分間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、7000rpmで遠心分離を行い、PdRu固溶体をγ-Al2O3に担持してなる、貴金属固溶体担持微粒子を得た。
得られたPdRu固溶体担持微粒子について、TEM(Transmission Electron Microscopy)像の撮影とSTEM-EDX(Scanning Transmission Electron Microscopy-Energy Dispersive X-ray spectroscopy)マッピングを行った。結果を図1,2に示す。図1より、貴金属が担体に担持されていることが分かる。図2より、PdとRuとが互いに溶け合っていることが分かる。本発明の微粒子は、担体(γ-アルミナ)にPdRu固溶体担持微粒子(平均粒径3.8±1.2nm)が担持したものであることが確認された。
比較例1
10mlの水にK2PdCl4(0.048mmol)、RuCl3・nH2O(0.048mmol)を室温で加え、超音波処理によりK2PdCl4とRuCl3を溶解し、貴金属化合物溶液(II)を調製した。
トリエチレングリコール(TEG、100ml)にγ-Al2O3(990mg)を加え、300mlのビーカー中で204℃まで加熱撹拌し、このTEG+γ-Al2O3撹拌液に上記溶液(II)を15分間かけてゆっくり滴下し、滴下終了後15分間撹拌した。得られた反応液を室温まで冷却後、7000rpmで遠心分離を行い、PdRu固溶体をγ-Al2O3に担持してなる、PdRu固溶体担持微粒子を得た。
得られたPdRu固溶体担持γ-アルミナ微粒子について、TEM像の撮影とSTEM-EDXマッピングを行った。結果を図3に示す。比較例1の微粒子は、担体(γ-アルミナ)にPdRu固溶体担持微粒子(平均粒径4.1±1.0nm)を担持したものであったが、その担持量は少ないものであった。
試験例1
実施例1と比較例1で得られた微粒子におけるPdRu固溶体の担持量を、γ-Al2O3をバランス成分に設定して定量計算した。結果を図4に示す。定量は傾向X線分析(XRF)法を用いて行った。
図4の結果から、実施例1で得られた微粒子は、比較例1で得られた微粒子と比較して約2倍PdRuの担持量が多いことが明らかになった。

Claims (6)

  1. 互いに相分離する2種の貴金属の化合物を表面に吸着もしくは結合させた担体、又は互いに相分離する2種の貴金属の化合物と担体を含む溶液を還元性液体に添加する工程を含み、前記2種の貴金属がPdとRu、AgとRh、AuとRhのいずれかである、PdRu、AgRh又はAuRhの固溶体を担体(ただし、チオール基が導入された担体を除く)に担持してなる、貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
  2. 担体がアルミナ、ジルコニア、チタニア、セリア、シリカ、シリカアルミナ、カルシア、マグネシア、セリアジルコニア、ランタナ、ランタナアルミナ、酸化スズ、酸化タングステン、アルミノシリケート、アルミノホスフェート、ボロシリケート、リンタングステン酸、ヒドロキシアパタイト、ハイドロタルサイト、ペロブスカイト、コージェライト及びムライトの1種又はこれらの2種以上を含む複合酸化物、シリコンカーバイド、活性炭、カーボンブラック、アセチレンブラック、カーボンナノチューブ並びにカーボンナノホーンからなる群から選ばれる、請求項1に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
  3. 還元性液体が、グリコール類、グリセリン、ポリグリセリン、アルキレングリコールモノアルキルエーテル及び金属水素化物の溶液からなる群から選ばれる、請求項1又は2に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
  4. 担体に担持された固溶体貴金属合金粒子の平均粒径が1〜100 nmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
  5. 互いに相分離する2種の貴金属の化合物を表面に吸着もしくは結合させた担体、又は互いに相分離する2種の貴金属の化合物と担体を含む溶液を還元性液体に添加する工程を含み、前記2種の貴金属がPdとRu、AgとRh、AuとRhのいずれかである、PdRu、AgRh又はAuRhの固溶体を担体に担持してなり、前記工程は、貴金属化合物と担体を溶媒中で混合し、濾過した担体を乾燥、或いは蒸発乾燥し、貴金属イオンが表面に付着した乾燥担体を直接もしくは溶媒に分散させて還元性液体に添加することを特徴とする、貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
  6. 貴金属化合物と担体を溶媒中で混合し、超音波処理又は脱気処理により担体表面の気泡を除去する工程をさらに含む、請求項5に記載の貴金属固溶体担持微粒子の製造方法。
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