JP2007069159A - 金属−有機物複合体触媒の製造方法 - Google Patents

金属−有機物複合体触媒の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】触媒の担体に金属微粒子が凝集するのを阻止し、高分散状態で触媒の担体に金属微粒子が担持された触媒を製造する方法を提供すること。
【解決手段】
表面にチオール基が導入された担体に金属原子を担持させることを特徴とする触媒の製造方法。

Description

本発明は、触媒の製造方法に関する。さらに詳しくは、燃料電池の触媒電極やキャパシター・二次電池の複合電極および有機合成用触媒や環境浄化用触媒などに有用な触媒の製造方法に関する。
触媒反応は、主に触媒の表面で起きる反応であり、触媒活性は、その触媒の表面積によって決まるため、担体を用いて触媒を高分散化させる必要がある。
触媒を高分散状態に分散させる方法は、触媒粒子の製造方法を改善する方法(例えば、特許文献1参照)と、担体の表面を改質する方法(例えば、特許文献2参照)の2つに分けられる。前記触媒粒子の製造方法を改善する方法としては、金属微粒子を高分散化させるための化学的方法や物理的方法などが報告されている。また、前記担体の表面を改質する方法としては、酸化処理を通じて表面積を高める方法や、新しい構造の炭素担体を製造する方法などが知られている。
しかし、現在まで数多くの方法により、触媒を担体表面に高分散状態に分散させることが試みられているが、いまだに望まれる分散特性を有する触媒が開発されていない。その理由は、担体の上で金属微粒子の凝集が起きているためである。
したがって、この凝集を阻むために、金属微粒子の製造時に保護材を用いることが提案されているが、この保護材が触媒反応において触媒阻害因子として作用しており、良好な分散特性を有するにもかかわらず、触媒としての機能が十分でないという欠点がある。
一方、表面積が大きい担体を用いた場合には、良好な分散特性を得ることができるが、細孔に金属微粒子が担持されるため、触媒としての機能が低下するという欠点がある。
特開2003−147642号公報 特開2003−261312号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みてなされたものであり、触媒の担体に金属微粒子が凝集するのを阻止し、高分散状態で触媒の担体に金属微粒子が担持された触媒を製造する方法を提供することを課題とする。
本発明は、表面にチオール基が導入された担体に金属原子を担持させることを特徴とする触媒の製造方法に関する。
本発明の製造方法によれば、触媒の担体に金属微粒子が凝集するのが阻止され、高分散状態で触媒の担体に金属微粒子が担持された触媒を提供することができ、さらに熱処理温度の最適化により触媒特性を最適化することができる。
従来、担体に触媒を液状還元法で担持させる際に、例えば、炭素担体などの担体を用いた場合には、触媒前駆体を還元させることによって担体に担持するときに触媒の凝集を十分に阻止することができないため、触媒を高分散状態で担体に担持させることができなかった。
しかしながら、本発明の製造方法によれば、チオール化された担体が用いられているので、触媒前駆体の還元を通じて担持するときにチオール基が金属微粒子の表面に強く吸着されることから、金属微粒子の凝集が効果的に阻まれるため、その表面で金属微粒子が高分散状態で分散された触媒が得られる。
本発明の製造方法によれば、このように金属微粒子がその表面に高分散状態で存在する触媒が得られるのは、チオール基は、金属、なかでも特に貴金属を吸着しやすいという性質を有していることに基づくものと考えられる。
本発明に用いられる担体としては、例えば、炭素担体、酸化物担体などが挙げられ、これらの担体は、いずれも本発明において好適に使用しうるものである。これらのなかでは、炭素担体は、より好ましい。
炭素担体としては、一般に触媒に用いられているものであればよく、特に限定されない。炭素担体の具体例としては、多層カーボンナノチューブ(MWNT)、単層カーボンナノチューブ(SWNT)、カーボンナノ繊維(CNF)、カーボンブラック(CB)、活性炭(AC)、活性カーボンナノ繊維(ACF)などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
また、酸化物担体についても、一般に触媒に用いられているものであればよく、特に限定されない。酸化物担体の具体例としては、シリカ、アルミナ、ゼオライトなど無機酸化物が挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
担体の大きさおよび形状については、特に限定がなく、その触媒の用途などに応じて適宜選択することが好ましい。
担体の表面には、例えば、以下のようにしてチオール基を導入することができる。
まず、担体に酸化処理を施す。酸化処理は、次工程で担体の表面をハロゲン化させるための前処理である。
担体の酸化処理は、例えば、担体に酸処理を施すか、あるいは担体を空気中などのように酸素が存在する雰囲気中で加熱することにより、その表面を酸化させることによって行うことができる。
担体に酸処理を施す際には、例えば、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸、ベンゼンスルホン酸などの有機酸、過マンガン酸カリウム、過酸化水素、クロム酸カリウム、二酸化鉛、酸化銅などの酸化剤を用いることができ、これらは、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。これらのなかでは、硫酸、硝酸、塩酸などの無機酸および過マンガン酸カリウムが好ましい。
担体に酸処理を施す際の温度は、酸処理の効率を高めるとともに、安全性を考慮して、通常、好ましくは300〜700℃、より好ましくは400〜500℃である。
また、酸処理に要する時間は、担体の種類、酸処理の処理温度などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、2時間以内である。
一方、担体の表面を酸化させる場合には、担体を空気中などのように酸素が存在する雰囲気中で加熱すればよい。担体の加熱温度は、担体の材質などによって異なるので一概には決定することができないが、例えば、担体が炭素担体である場合には、通常、好ましくは300〜700℃、より好ましくは400〜500℃程度である。このように、担体を空気中で所定の温度で、所定の時間(通常、12時間以内)で加熱することにより、担体の表面にカルボキシル基を導入することができる。
担体に酸化処理を施した後には、該担体の表面をハロゲン化させる。担体の表面のハロゲン化には、ハロゲン化剤を用いることができる。
ハロゲン化剤としては、例えば、塩化チオニル、塩化アルミニウム、塩化水銀などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
担体の表面のハロゲン化は、例えば、ハロゲン化剤を用いて、担体およびハロゲン化剤を適当な温度および時間で攪拌することによって行うことができる。ハロゲン化の際の温度は、通常、50〜100℃程度であればよい。また、ハロゲン化に要する時間は、特に限定がなく、通常、12時間以内であればよい。
次に、ハロゲン化させた担体の表面をチオール化させることにより、チオール基を導入する。
ハロゲン化させた担体の表面をチオール化させる方法には、特に限定がない。かかる方法には、有機化学的方法、機械化学的方法などがある。
有機化学的方法の代表例としては、ハロゲン化させた担体とチオール化剤とを反応させる方法などが挙げられる。
チオール化剤の代表例としては、アミノメタンチオール、アミノエタンチオール、アミノドデカンチオールなどの炭素数1〜12のアミノアルカンチオール、メルカプトメタノール、メルカプトエタノール、メルカプトドデカノールなどの炭素数1〜12のメルカプトアルコール、アミノチオフェノール、メルカプトフェノールなどのベンゼン誘導体などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。
ハロゲン化させた担体とチオール化剤との反応は、例えば、両者を接触させることによって行うことができる。その際、反応温度は、反応効率の観点から、50〜100℃程度であることが好ましい。また、反応時間は、反応温度などの反応条件などによって異なるので一概には決定することができないが、通常、24時間以内である。
かくして、表面にチオール基が導入された担体を得ることができる。得られた担体には、次に、金属微粒子を担持させる。
金属微粒子に用いられる金属は、触媒活性を有する金属であればよく、本発明は、その種類によって限定されるものではない。該金属の代表例としては、金、白金などの貴金属をはじめ、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、モリブデン、ルテニウムなどの電気触媒活性を有する金属などが挙げられ、これらの金属は、それぞれ単独で用いてもよく、合金として用いてもよい。
担体に金属微粒子を担持させる方法としては、例えば、金属前駆体を液状還元法で還元させることにより、担持させる方法などが挙げられる。その一例として、例えば、金属として白金を用いる場合、白金前駆体として塩化白金酸を用い、超音波を与えたり、攪拌するなどにより、表面にチオール基が導入された担体と塩化白金酸とを十分に接触させた後、還元剤で還元させることにより、白金を担体に担持させることができる。
還元剤としては、例えば、水素化ホウ素ナトリウム、水素化アルミニウムリチウム、水素などが挙げられるが、本発明は、かかる例示のみに限定されるものではない。還元剤の量は、通常、金属前駆体に対して過剰量、例えば、金属前駆体1molあたり1.5〜10molとなるように調整することが好ましい。
かくして、表面にチオール基が導入された担体に金属原子が担持された触媒が得られる。この触媒表面には、金属微粒子が凝集せずに、高分散状態で金属微粒子が担持されている。
触媒表面に担持されている金属微粒子の粒子径は、特に限定されないが、通常、1〜3nm程度であることが好ましい。また、触媒における金属微粒子の付着量は、担体表面に存在しているチオール基の数などによって異なるが、触媒活性などの点から、通常、担体の10〜60%(質量比)程度であることが好ましい。触媒における金属微粒子の付着量は、例えば、担体表面に導入されるチオール基の数を調整するか、あるいは金属微粒子の付着量を調整することにより、容易に調節することができる。
なお、触媒に要求される所望の特性に応じて、金属微粒子の粒子径を制御することができる。金属微粒子の粒子径は、金属微粒子が坦持された触媒に熱処理を施すことによって制御することができる。例えば、金属微粒子が坦持された触媒に熱処理を施した場合には、担体(例えば、カーボンナノチューブなど)の表面のチオール基が除去されるが、そのときに隣接する金属微粒子同士が一体化するので、極めて均一にその大きさを制御することができる。金属微粒子が坦持された触媒の熱処理は、例えば、150〜350℃、好ましくは200〜300℃、より好ましくは230〜270℃、さらにより好ましくは240〜260℃、最も好ましくは250℃程度の温度で、3時間以内、好ましくは5〜150分間、より好ましくは15〜120分間、さらに好ましくは30〜90分間、水素雰囲気中で加熱することによって行うことができる。このように、金属微粒子が坦持された触媒に熱処理を施す際の加熱温度および加熱時間を調整することにより、触媒に坦持された金属微粒子の粒子径を調節することができる。
上記加熱温度を最適化することにより、高い酸化電位の特性を示し、また適度にチオール基を残すことが可能となり、適度な保護剤としての機能をもたせることができる。
以上説明したように、本発明の製造方法によれば、チオール化された担体が用いられており、チオール基が金属微粒子を強く吸着していることから、触媒の担体に金属微粒子が凝集するのが阻止され、触媒の担体に金属微粒子が高分散状態で担持された触媒を製造することができる。
本発明の製造方法によって得られた触媒は、その表面で金属微粒子が高分散状態で存在しているので、例えば、燃料電池の触媒電極やキャパシター・二次電池の複合電極などに好適に使用することができるものである。
次に、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
多層カーボンナノチューブ100mgを6M硝酸で70℃で1時間酸化処理した後、この多層カーボンナノチューブに塩化チオニル25mLを加えて70℃で12時間攪拌することにより、多層カーボンナノチューブの表面を塩素化させた。
次に、塩素化された多層カーボンナノチューブとアミノエタンチオールとを70℃で24時間反応させることによって多層カーボンナノチューブの表面をチオール化させ、表面にチオール基が導入された炭素担体を得た。
得られた炭素担体50mgに10mM塩化白金酸水溶液6.4mLを投入し、1時間超音波で分散させた後、過剰量の100mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液で還元させることにより、前記炭素担体に白金が担持された触媒を得た。
得られた触媒の透過電子顕微鏡(以下、TEMという)写真を図1に示す。なお、尺度は、図1の右下に横線で表されており、その直線の長さは25nmに相当する。
図1に示された写真から明らかなように、得られた触媒の表面には、白金粒子が高分散状態で担持されていることがわかる。
多層カーボンナノチューブ100mgを硫酸と硝酸の混合物(3:1)で70℃で1時間酸化処理した後、この多層カーボンナノチューブに塩化チオニル25mLを加えて70℃で12時間攪拌することにより、多層カーボンナノチューブの表面を塩素化させた。
次に、塩素化された多層カーボンナノチューブとアミノエタンチオールとを70℃で24時間反応させることによって多層カーボンナノチューブの表面をチオール化させ、表面にチオール基が導入された炭素担体を得た。
得られた炭素担体100mgに10mM塩化白金酸水溶液12.5mLを投入し、1時間超音波で分散させた後、過剰量の100mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液で還元させることにより、前記炭素担体に白金が担持された触媒を得た。
得られた触媒の透過電子顕微鏡(以下、TEMという)写真を図2に示す。なお、尺度は、図2の右下に横線で表されており、その直線の長さは25nmに相当する。
図2に示された写真から明らかなように、得られた触媒の表面には、白金粒子が高分散状態で担持されていることがわかる。
多層カーボンナノチューブ100mgを空気中で500℃で2時間熱処理した後、この多層カーボンナノチューブに塩化チオニル25mLを加えて70℃で12時間攪拌することにより、多層カーボンナノチューブの表面を塩素化させた。
次に、塩素化された多層カーボンナノチューブとアミノエタンチオールとを70℃で24時間反応させることによって多層カーボンナノチューブの表面をチオール化させ、表面にチオール基が導入された炭素担体を得た。
得られた炭素担体50mgに10mM塩化白金酸水溶液3.2mLおよび10mM塩化ルテニウム水溶液6.2mLを投入し、1時間超音波分散させた後、過剰量の100mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液で還元させることにより、前記炭素担体に白金とルテニウムの合金が担持された触媒を得た。
得られた触媒のTEM写真を図3に示す。なお、尺度は、図3の右下に横線で表されており、その直線の長さは25nmに相当する。
図3に示された写真から明らかなように、得られた触媒の表面には、白金とルテニウムの合金粒子が高分散状態で担持されていることがわかる。
多層カーボンナノチューブ100mgを97%濃硫酸120mLと70%濃硝酸40mLとの混酸で常温で1時間酸化処理を施した後、この多層カーボンナノチューブに塩化チオニル25mLを加えて70℃で12時間攪拌することにより、多層カーボンナノチューブの表面を塩素化させた。
次に、塩素化された多層カーボンナノチューブとアミノチオフェノールとを70℃で36時間反応させることによって多層カーボンナノチューブの表面をチオール化させ、表面にチオール基が導入された炭素担体を得た。
得られた炭素担体25mgに10mM塩化白金酸水溶液3.2mLを投入し、1時間超音波分散させた後、過剰量の100mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液で還元させることにより、前記炭素担体に白金が担持された触媒を得た。
得られた触媒のTEM写真を図4に示す。なお、尺度は、図4の右下に横線で表されており、その直線の長さは25nmに相当する。
図4に示された写真から明らかなように、得られた触媒の表面には、白金粒子が高分散状態で担持されていることがわかる。
カーボンブラック〔アメリカ・カーボット(Carbot)社製、商品名:Vulcan XC-72R〕100mgを1M過マンガン酸カリウム水溶液50mLと混合し、70℃で1時間攪拌することにより酸化処理した後、これに塩化チオニル25mLを加えて70℃で12時間攪拌することにより、カーボンブラックの表面を塩素化させた。
次に、塩素化されたカーボンブラックとアミノエタンチオールとを70℃で24時間反応させることによってカーボンブラックの表面をチオール化させ、表面にチオール基が導入された炭素担体を得た。
得られた炭素担体100mgに10mM塩化白金酸水溶液12.8mLを投入し、1時間超音波分散させた後、過剰量の100mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液で還元させることにより、前記炭素担体に白金が担持された触媒を得た。
得られた触媒のTEM写真を図5に示す。なお、尺度は、図5の右下に横線で表されており、その直線の長さは25nmに相当する。
図5に示された写真から明らかなように、得られた触媒の表面には、白金粒子が高分散状態で担持されていることがわかる。
実施例1で得られた触媒に水素雰囲気中で熱処理温度を変えて熱処理を施した。まず、250℃の温度で触媒に熱処理を施したところ、該触媒に存在しているチオール基を除去した。その結果、担体表面のチオール基が除去されながら、金属微粒子同士の一体化が始まり、10分間経過後には、粒子径が約1nmの金属微粒子が触媒表面に存在していた。次に、熱処理温度を400℃に変更して前記と同様にして触媒に熱処理を施したところ、10分間経過後には、粒子径が約2nmの金属微粒子が触媒表面に存在していた。また、熱処理温度を500℃に変更して前記と同様にして触媒に熱処理を施したところ、10分間経過後には、粒子径が約3nmの金属微粒子が触媒表面に存在していた。
上記のことから、実施例6によれば、所定の加熱温度で加熱時間を調整しながら触媒に熱処理を施すことにより、最小1nmの粒子径から所定の大きさの粒子径にまで金属微粒子を成長させて極めて均一に制御することができることがわかる。
実施例2で得られた触媒に水素雰囲気中で熱処理温度を変えて熱処理1時間を施した。段階的に熱処理温度を上げながら、チオール基の量をX線光電子分光法(以下、XPSという)により測定した。
図6に示された結果から、チオール基は温度を上げるにつれ徐々に減少し、250℃(523K)で大幅に減少することがわかる。また、275℃(548K)でチオール基がほぼ除去されていた。
上記のことから、実施例7によれば、所定の加熱温度で加熱時間を調整しながら触媒に熱処理を施すことによりナノ粒子の状態は維持しながらチオール基の量を制御でき、少ないチオール基を残すことが可能であり、適度な保護剤としての機能をもたせることができる。
比較例1
多層カーボンナノチューブ100mgに10mM塩化白金酸水溶液20mgを投入し、1時間超音波分散させた後、過剰量の100mM水素化ホウ素ナトリウム水溶液で還元させることにより、多層カーボンナノチューブに白金が担持された触媒を得た。
得られた触媒のTEM写真を図7に示す。なお、尺度は、図7の右下に横線で表されており、その直線の長さは25nmに相当する。
図7に示された写真から明らかなように、得られた触媒の表面には、白金粒子が均一に分散しておらず、局所的に凝集していることがわかる。
また、各実施例と比較例1との対比結果より、各実施例によれば、従来法(比較例1)と比較にならないほど、触媒の担体に金属微粒子が凝集するのが阻止され、高分散状態で触媒の担体に金属微粒子が吸着した触媒を製造することができることがわかる。
実験例1
実施例6で250℃の熱処理温度で熱処理を施すことによって得られた触媒(金属微粒子の粒子径:約1nm)を用いて酸素還元反応性を評価した。
まず、実施例6で得られた触媒2mgおよびナピオン0.02mLを蒸溜水10mLに分散させ、得られたスラリー0.01mLを回転ディスク電極(RDE)用電極(直径3mm、ガラス炭素製)の両面に塗布した後、乾燥させることにより電極を製造した。
得られた電極を用い、酸素が飽和されている0.1M過塩素酸水溶液中でサイクリックボルタメトリを行うことにより、酸素還元反応性を評価した。その結果を図8に示す。
図8に示された結果から、実施例6で得られた触媒は、普通のナノチューブ上に担持された白金触媒と比べて、酸素還元反応のピークが矢印方向にシフトし、より酸化方向で還元反応が起こることがわかる。したがって、この方法で製造された触媒は、極めて均一に制御された大きさの金属微粒子を有するので、安定した高触媒活性を有することがわかる。
実験例2
実施例7で熱処理を施すことによって得られた触媒を用いてメタノール酸化特性を評価した。
まず、実施例7で得られた触媒2mgおよびナピオン4μLを2−プロパノール100μLに分散させ、得られたスラリー4μLを回転ディスク電極(RDE)用電極(直径3mm、ガラス炭素製)の両面に塗布した後、乾燥させることにより電極を製造した。
得られた電極を用い、1M硫酸と3Mメタノール混合水溶液中でサイクリックボルタメトリを行うことにより、メタノール酸化反応性を評価した。その結果を図9に示す。
図9に示された結果から、実施例7で得られた触媒は、普通のナノチューブ上に担持された白金触媒と比べて、メタノール酸化反応のピークが矢印方向にシフトし、より還元方向で酸化反応が起こり、酸化電位が高いことがわかる。特に250℃(523K)では触媒反応の妨げにならない程度で少量のチオール基が残り、適度な保護剤としての機能を持っていることで最も良い特性を示していることがわかる。したがって、この方法で製造された触媒は、極めて均一に制御された大きさの金属微粒子と保護剤を有するので、安定した高触媒活性を有することがわかる。
本発明の製造方法で得られた触媒は、例えば、燃料電池の触媒電極やキャパシター・二次電池の複合電極および有機合成用触媒や環境浄化用触媒などに好適に使用することができるものである。
本発明の実施例1で得られた触媒のTEM写真である。 本発明の実施例2で得られた触媒のTEM写真である。 本発明の実施例3で得られた触媒のTEM写真である。 本発明の実施例4で得られた触媒のTEM写真である。 本発明の実施例5で得られた触媒のTEM写真である。 実施例7におけるXPSの評価結果を示す図である。 従来技術を示す比較例1で得られた触媒のTEM写真である。 実験例1における酸素還元反応性の評価結果を示す図である。 実験例2におけるメタノール酸化反応性の評価結果を示す図である。

Claims (6)

  1. 表面にチオール基が導入された担体に金属原子を担持させる触媒の製造方法。
  2. 担体が炭素担体または酸化物担体である請求項1記載の触媒の製造方法。
  3. さらに、担体に存在しているチオール基を除去する請求項1または2記載の触媒の製造方法。
  4. チオール基を除去することが熱処理である請求項3に記載の触媒の製造方法。
  5. 熱処理温度が、230〜270℃である請求項4に記載の触媒の製造方法。
  6. 請求項1〜5いずれか記載の製造方法によって得られた触媒。
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