JP4934799B2 - スポンジ状白金ナノシートをカーボンに担持せしめてなる白金−カーボン複合体とその製造方法 - Google Patents

スポンジ状白金ナノシートをカーボンに担持せしめてなる白金−カーボン複合体とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、金属白金の化学的および電気化学的特性を利用した燃料電池用電極触媒、自動車排ガス処理用触媒等、各種化学反応に対する触媒、燃料電池用ガス拡散電極、金属―空気電池用ガス拡散電極、食塩電解用ガス拡散電極、電気分解用等のガス拡散電極等、各種態様の電極材料、さらにはマイクロリアクター構成部材、物質貯蔵材料などとして使用される、特定の構造のスポンジ状白金ナノシートをカーボンに担持せしめてなる、新規な形態の白金−カーボン複合体とその製造方法に関する。
燃料電池やエネルギー変換および物質変換のための各種電極触媒およびガス拡散電極は、一般に、カーボン等の導電性担体に、金属塩の水溶液あるいはコロイド分散系を用いて、含浸法、イオン交換法、共沈法などによって金属成分を導入したのち、焼成、水素還元などの処理を行なうことにより調製される(非特許文献1)。すなわち、電極触媒は、固体担体の表面に金属粒子を担持した複合粒子の形で反応に供され、その活性は、金属種はもとより、担持された金属微粒子の大きさ、結晶面の種類、担体の種類などによって変化し、その中でも活性に与える影響の大きな要素としては、金属微粒子の形状および大きさの制御は特に重要である。担持される金属の粒子径および形状は調製条件に依存し、例えば、テトラアンミンジクロロ白金を原料としてゼオライトに担持した白金微粒子の平均粒径は、空気中焼成では6nm、真空中焼成では1nm以下になることが報告されている(非特許文献2)。
さらに、金属触媒の活性と粒子サイズとの関係は、対象とする反応によって異なり、粒子サイズが大きくなるにつれて活性が低下する系(例:Pt/活性炭による2,3−ジメチルブタンの脱水素反応)、逆に増大する系(例:Pt/アルミナによるメチルシクロペンタンの水素化分解反応)、さらには活性が粒子サイズによらない系(例:Pt触媒によるSOおよびHの酸化反応)の存在も報告されている(非特許文献3)。
このため、白金触媒および白金電極触媒の調製法として、上記の一般的な方法を様々に工夫することに加えて、ポリビニールピロリドンなどの保護剤存在下で液相還元し貴金属コロイドを作製する方法(非特許文献4)なども開発されてきている。さらに最近、メソポーラスシリカの細孔内に導入した塩化白金酸を水素還元または光還元することにより、各々直径2.5nmの白金粒子と白金ワイヤーが得られ、ブタン水素化反応に対して後者は前者の数十倍高い活性を示すことも報告されている(非特許文献5)。
一方、本発明者らは、二種類の界面活性剤から成る液晶を鋳型として塩化白金酸を還元する手法を開発し、還元剤および白金塩の種類によって、外径6〜7nm、内径3〜4nmの白金、パラジウムなどの貴金属ナノチューブおよびスポンジ状貴金属ナノ粒子を開発するのに成功し、その成果を先に特許出願した(特許文献1、特許文献2)。
しかしながら、本発明者らにおいて開発した白金ナノ構造体に関する上記文献2の記載内容は、白金ナノ構造体が独立して生成するバルクの超微粉を製造するプロセスについて提示しているが、この生成物を担体に担持せしめることについては具体的な開示がなされていなかった。白金は、資源的に希少であり、世界的にも分布している地域が極めて偏在し、高価である。したがって、前記白金ナノ構造体(シート)を、触媒、電極触媒、ガス拡散電極等において今後一層の有効活用を図っていくためには、実効性のある使用形態、すなわち、白金の形状をナノサイズで制御して白金ナノ構造体を担体に担持することが極めて重要であり、早急にその完成が待たれている。
一般に、白金粒子を担体に担持することについては、これまで多数の報告例がある。例えば、燃料電池用の電極触媒およびガス拡散電極として、難黒鉛化性炭素を主成分とし、構造の一部に乱層構造を有する炭素材料に、貴金属粒子が担持されている燃料電池用電極触媒(特許文献3)や、白金粒子の平均粒径が1.9〜2.3nmであり、白金粒子が60〜80wt%であることを特徴とする電極(特許文献4)など、ガス拡散性に着目した電極触媒およびその製造方法が提案されている。しかしながら、本発明のように、反応活性中心である白金の形状をナノサイズで制御してカーボン担体に担持した例はこれまでにない。
さらに、触媒層が、触媒金属、炭素粒子および水素イオン伝導性高分子電解質とからなる複次粒子であり、複次粒子の表層部には、内部よりも高濃度で前記触媒金属が含まれていることを特徴とするもの(特許文献5)や触媒粒子としての白金粒子表面上に導電性高分子層と、水溶性高分子保護層とからなる白金ナノパーティクル(特許文献6)などが提案されているが、これらはいずれも、白金の微粒子上に高分子などを取り付けて機能化したものであり、白金そのものの形状を制御しているものではない。
上記以外にも、合金粒子が平均的な結晶の大きさ0.5〜2nmを有することを特徴とする、粉末形の電気伝導性担体材料上に微細に分散された合金粒子を含有する白金/ルテニウム合金触媒(特許文献7)や、2つの貴金属が相互に合金されておらずかつ高分散された形で担体材料上に存在しており、この際白金のクリスタリットの大きさは、2nm未満でありかつルテニウムのクリスタリットの大きさは、1nm未満である触媒(特許文献8)などがあるが、合金化あるいは2種類の元素を用いているにすぎず、形状の制御は行なわれていない。
ガス拡散電極としては、導電性担体に担持させた銀微粒子と希土類酸化物微粒子の複合触媒であって、希土類酸化物微粒子にアルカリ土類金属を固溶させることで、酸素還元活性が高い電極触媒を実現したもの(特許文献9)や、撥水化処理したカーボンシートをオゾン処理してカーボン表面を酸化した後、白金錯体陽イオンを溶存種として含有する溶液中に浸漬してイオン交換し、次いで還元剤により還元することを特徴とするガス拡散電極(特許文献10)などが提案されているが、これらもやはり、活性中心としての貴金属触媒の形状は制御されていない。
富永博夫ほか1名、化学総説「触媒設計」、日本化学会編、1982年、p.50−63 内田正之ほか2名、触媒、22、310(1977) 荒井弘通ほか1名、「超微粒子―その化学と機能」、朝倉書店、1993年、p.124−128 N. Toshimaほか1名、Bull. Chem. Soc. Jpn., 65, 400 (1992) A. Fukuokaほか7名、Catalysis Today, 66, 23−31 (2001) 木島 剛、特開2004−034228 木島 剛 ほか1名、特願2004−223809 尾崎 純一 ほか2名、特開2005−019332 寺田 智明 ほか4名、特開2004−335252 内田 誠 ほか4名、特開2004−139789 榎本 正、特開2003−282078 エマヌエル アウアー ほか3名、特開平11−250918 エマヌエル アウアー ほか5名、特開平10−334925 蜂谷 敏徳 ほか1名、特開2004−209468 安田 和明 ほか3名、特開平8−162124
以上のように、白金に代表される貴金属およびその合金をカーボン上に担持する従来技術は、還元剤の添加や各種反応の利用によって自己組織的に形成される球状もしくは不定形の超微粒子であり、新規な物性の発現および燃料電池用電極の性能向上のために、白金をナノサイズレベルで形状制御してカーボンに担持させ、これによって従来とは異なる形態、性質を有する新規な白金−カーボン複合体の開発が諸分野から望まれている。
白金触媒は、それ自体汎用性のある触媒であること、各種化学反応に供されていることは周知であり、いちいち列挙する暇がないが、その中でも、近年、注目されている重要な利用分野の一つに燃料電池が挙げられる。燃料電池設計においては、燃料電池用のアノード電極とカソード電極のうち、酸素還元活性が低いことに起因するカソード過電圧の低減が強く望まれている。本発明は、この期待に応えられる形状制御した白金系電極触媒を提供しようと言うものである。
そのため、本発明者らにおいては、以上紹介した従来技術を前提技術とし、さらに従来技術とは異なる形態の、形状制御した白金系触媒を開発すべく、本発明者らが先に提案し、特許出願した特許文献2に記載の複合界面活性剤系を基礎とする鋳型合成法をさらに発展させた結果、白金塩を含む特定の反応混合物を調製し、反応混合物に予めカーボン粉末を混合し、還元反応をすることによってカーボン粉末に特定の構造をしたスポンジ状白金ナノシートを析出させることに成功し、これによって新規な形態の白金―カーボン複合体を提供することができることを知見した。本発明は、この知見に基づいてなされたものであり、その構成は以下(1)から(10)に記載の通りである。
すなわち、第1の発明は、(1)貴金属元素である白金(Pt)によってその骨格が形成され、かつ直径1.5〜4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20〜100nmの単結晶および微結晶が連結したシート状を呈し、かつ幅0.3〜2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状形態を有する白金ナノシートがカーボンに担持してなる、白金−カーボン複合体である。
第2の発明は、前記第1の発明の製造方法を提示するものである。すなわち、(2)
ヘキサクロロ白金酸塩等の白金錯化合物よりなる群から選択された一種類の白金錯化合物、ノナエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機硫黄酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーよりなる群から選択された二種類の非イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤一種とイオン性界面活性剤一種の合わせて二種類の界面活性剤、水、およびカーボンからなる混合物を反応させることによりカーボン含有液晶前駆体を調製し、次いでこのカーボン含有液晶前駆体に還元剤水溶液を添加して反応させることにより、貴金属元素である白金(Pt)によってその骨格が形成され、かつ直径1.5〜4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20〜100nmの単結晶および結晶が連結したシート状であり、かつ幅0.3〜2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状形態を有する白金ナノシートをカーボンに担持した、白金−カーボン複合体を生成し、これを回収することを特徴とする、白金−カーボン複合体の製造方法である。
第3の発明は、第2の発明の態様発明である。すなわち、
(3) 前記還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである、(2)記載の白金−カーボン複合体の製造方法である。
また、以下、第4ないし第の発明は、第1の発明のスポンジ状白金ナノシート担持カーボンの用途発明を提示しているものである。
すなわち、第4の発明は、
(4) 前記(1)に記載した、スポンジ状白金を担持した白金−カーボン複合体を、触媒材料として使用することを特徴とした、白金−カーボン複合体からなる触媒を提示するものである。
第5の発明は、
(5) 前記触媒が、特に燃料電池触媒である、(4)記載の白金−カーボン複合体からなる触媒を提示する。
の発明は、
(6) 前記(1)に記載した、スポンジ状白金を担持した白金−カーボン複合体を、ガス拡散電極材料として使用することを特徴とした、白金−カーボン複合体からなる電極材料を提示する。
の発明は、
(7) 前記ガス拡散電極材料が、特に燃料電池用ガス拡散電極である、(6)記載の白金−カーボン複合体からなる電極材料を提示する。
の発明は、
(8) 前記(1)に記載した、スポンジ状白金を担持した白金−カーボン複合体を、マイクロリアクター構成部材として使用することを特徴とした、白金−カーボン複合体からなるマイクロリアクター構成部材を提示する。
本発明は、カーボン上に担持した白金ナノ粒子が前述のような構造になっているため、次のような効果が期待され、奏せられる。
(a) 前記(1)の材料を、燃料電池用のカソードおよびアノード電極材料として用いた場合、スポンジ状白金とカーボンとの接触面積およびスポンジ状白金とガスとの接触面積がともに増大することから、従来に比べて過電圧が大幅に低減でき、特に、酸素還元活性が重要となるカソード電極材料としては、その活性が飛躍的に向上することが期待される。また、従来の技術に比べて、その活性の高さや過電圧の低減の効果などにより、使用白金量の低減が期待される。
(b) 前記(1)の材料を、金属―空気電池の酸素還元電極として用いた場合、スポンジ状白金とカーボンとの接触面積およびスポンジ状白金とガスとの接触面積がともに増大することから、従来に比べて過電圧が大幅に低減される事が期待される。
(c) 前記(1)の材料を、電気分解用の電極材料として用いた場合、従来の材料に比べて電極表面積の大幅な増大により反応効率の上昇をもたらすことが期待される。
この出願の発明は、以上の特徴を持つものであるが、以下、本発明を実施例及び添付した図面に基づき、具体的に説明する。ただし、これらの実施例は、あくまでも本発明の一つの態様を開示するものであり、決して本発明を限定する趣旨ではない。
また、製造方法の骨子は、少なくとも2種類の界面活性剤、金属塩の水溶液およびカーボンとを適切な条件で混合することによって特定構造の鋳型が得られ、この鋳型内で金属塩を還元することによって特定寸法のナノ粒子をカーボン上に誘導するというものであり、鋳型を構築するための最適温度や混合条件も対象とする金属種、用いる界面活性剤の特性、用いるカーボンの特性、および還元剤の種類によって多様に変化する。実施例は、本発明に対して、あくまでもその一態様例を示すものにすぎず、本発明を構成する金属種や製造方法もこの実施例によって限定されるべきではない。
図1〜図4は、以下に記載する本発明の実施例1ないし2で得られた各スポンジ状白金ナノシート担持カーボンの透過形電子顕微鏡による観察写真であり、これによると、本発明の白金組織は、先行文献(特許文献2)と同様の単結晶でスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状構造を呈し、かつ、カーボン上に担持されていることが観察される。すなわち、図1は、実施例1で得られたスポンジ状白金ナノシートを担持してなる白金−カーボン複合体の透過型電子顕微鏡による観察図であり、図2はその拡大図である。中央の灰色を呈したカーボン粒子に対して、白金は黒色を呈して観察され、カーボン粒子状に担持している状態が観察される。図3は、実施例2で得られたスポンジ状白金ナノシートを担持してなる白金−カーボン複合体の透過型電子顕微鏡による観察図であり、図4は、その拡大図である。その白金とカーボンの担持状態は、前記説明と同様の状態を呈していることが確認される。また、図5は、本発明の、実施例1ないし実施例2で得られたスポンジ状白金ナノシート担持カーボンのX線回折図形である。図6は、実施例1ないし実施例2で得られたスポンジ状白金ナノシート担持カーボンの酸素還元特性を示している図(界面活性剤を用いずに調製した、形態を制御していない白金を担持したカーボンの酸素還元活性と比較している)。図6において、実験は、電解質:0.5molHSO、1mv/s、Oバブリング(60ml/min)の条件で行った。
実施例1:
試験管に秤りとった塩化白金酸(HPtCl)およびその2倍モル量の水酸化ナトリウムを含む水溶液を60℃に昇温し、あらかじめ60℃に昇温したノナエチレングリコールモノデシルエーテル(C12EO)を滴下した。次いで、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノステアレート(Tween 60;米国 Atlas Powder社 商品名)を加えて60℃の湯浴で15分間振とうした。このときの仕込みモル比は、NaPtCl:C12EO:Tween60:HO=1:1:1:600とした。
ここに、ファーネスブラック(バルカン;XC−72)を、Ptの全体重量比が30wt%となるように加え、さらに60℃の湯浴で15分間振とうし、NaPtCl:C12EO:Tween60:HO = 1:1:1:60のモル比になるまで、水分を蒸発させることにより除去した。
その後、15℃で20分間保持し、カーボン含有液晶前駆体を得た。このようにして得られた前駆体に、白金源の5倍モル量の水素化ホウ素ナトリウムおよび水からなる溶液を加え、そのまま24時間反応させた。その後、60℃で乾燥させ、エタノール洗浄、水洗を経て乾燥させ、黒色粉末を得た。得られた生成物のX線回折パターンは、白金の結晶構造を反映したピークを示しており、得られた生成物が白金を担持したカーボンであることが確認された(図5)。
透過型電子顕微鏡による観察により、カーボン上に担持された白金生成物が、直径1.5〜4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20〜100nmの単結晶および微結晶が連結したシート状であり、かつ幅0.3〜2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状形態を有することを確認した(図1、図2参照)。これにより、本発明にかかる多孔性の単結晶構造あるいは微結晶が連結したスポンジ状白金ナノシートが担持されたカーボンが得られたことを確認した。
実施例2:
実施例1と同様な操作、同一条件で、カーボン含有液晶前駆体を調製した。ついで、15℃に保持したこの前駆体に白金源の10倍モル量の水素化ホウ素ナトリウムおよび水からなる溶液を加え、そのまま24時間反応させた。その後、60℃で乾燥させ、エタノール洗浄、水洗を経て乾燥させ、黒色粉末を得た。
得られた粉末試料は、透過型電子顕微鏡による観察により、実施例1の場合と同様に、直径1.5〜4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20〜60nmの単結晶および微結晶が連結したシート状であり、かつ幅0.3〜2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状白金ナノシート担持カーボンであることを確認した(図3、図4参照)。
また、実施例1および2で得られた試料と、界面活性剤を用いずに調製した試料の0.5M硫酸水溶液中での溶存酸素還元特性を調べた結果は、図6に示すように、飛躍的に向上することを確認した。
本発明は、上述記載で述べたように、燃料電池用電極触媒、燃料電池用ガス拡散電極、金属―空気電池用ガス拡散電極、食塩電解用のガス拡散電極、電気分解用等のガス拡散電極等においてきわめて有意な活性を有し、これによって極めて高価な白金ないし貴金属材料を使用するデバイスにおいて、材料節減効果を有することはもちろん、高レベルの性質、機能を発現するものと期待される。燃料電池、金属―空気電池、食塩電解、等に利用されるガス拡散電極及びその構成材料は、近未来の重要技術に位置づけられており、エネルギーおよび環境の観点からも最重要の技術課題の一つである。本発明の特異な形態、特異な間隙を有しなる白金を担持したカーボン材料の意義は、極めて大である。
実施例1で得られたスポンジ状白金ナノシート担持カーボンの透過型電子顕微鏡による観察図。 実施例1で得られたスポンジ状白金ナノシート担持カーボンの透過型電子顕微鏡による観察図(図1の拡大図)。 実施例2で得られたスポンジ状白金ナノシート担持カーボンの透過型電子顕微鏡による観察図。 実施例2で得られたスポンジ状白金ナノシート担持カーボンの透過型電子顕微鏡による観察図(図3の拡大図)。 本発明の、実施例1ないし実施例2で得られたスポンジ状白金ナノシート担持カーボンのX線回折図形。 実施例1ないし実施例2で得られたスポンジ状白金ナノシート担持カーボンの酸素還元特性を示す図(界面活性剤を用いずに調製した、形態を制御していない白金を担持したカーボンの酸素還元活性との比較を示す図)。

Claims (8)

  1. 貴金属元素である白金(Pt)によってその骨格が形成され、かつ直径1.5〜4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20〜100nmの単結晶および微結晶が連結したシート状であり、かつ幅0.3〜2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状形態を有する白金ナノシートをカーボンに担持してなることを特徴とする、白金−カーボン複合体。
  2. ヘキサクロロ白金酸塩等の白金錯化合物よりなる群から選択された一種類の白金錯化合物、ノナエチレングリコールモノヘキサデシルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル類、ドデシル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等の有機硫黄酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド等のアルキルアンモニウム塩、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート等のポリオキシエチレンソルビタンエステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーよりなる群から選択された二種類の非イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤一種とイオン性界面活性剤一種の合わせて二種類の界面活性剤、水、およびカーボンからなる混合物を反応させることによりカーボン含有液晶前駆体を調製し、次いでこのカーボン含有液晶前駆体に還元剤水溶液を添加して反応させることにより、貴金属元素である白金(Pt)によってその骨格が形成され、かつ直径1.5〜4nmの彎曲したロッド状骨格が3次元的に連結した外径20〜100nmの単結晶および結晶が連結したシート状であり、かつ幅0.3〜2nmのスリット状細孔から成る網状間隙を持つスポンジ状形態を有する白金ナノシートをカーボンに担持した、白金−カーボン複合体を生成し、これを回収することを特徴とする、白金−カーボン複合体の製造方法。
  3. 前記還元剤が水素化ホウ素ナトリウムである、請求項2記載の白金−カーボン複合体の製造方法。
  4. 請求項1記載のスポンジ状白金をカーボンに担持してなる白金−カーボン複合体を、触媒材料として使用することを特徴とした、白金−カーボン複合体からなる触媒。
  5. 前記触媒が、特に燃料電池用触媒である、請求項記載の白金−カーボン複合体からなる触媒。
  6. 請求項1記載のスポンジ状白金をカーボンに担持してなる白金−カーボン複合体を、ガス拡散電極材料として使用することを特徴とした、白金−カーボン複合体からなるガス拡散電極材料。
  7. 前記ガス拡散電極材料が、特に燃料電池用ガス拡散電極である、請求項記載の白金−カーボン複合体からなるガス拡散電極材料。
  8. 請求項1記載のスポンジ状白金をカーボンに担持してなる白金−カーボン複合体を、マイクロリアクター構成部材として使用することを特徴とした、白金−カーボン複合体からなるマイクロリアクター構成部材。
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