WO2023090303A1 - 触媒担体、触媒及びそれらの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、周期的なメソ細孔を有しながら耐熱性を有する触媒担体、触媒及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。本開示に係る触媒担体1は、BJH法で解析されるピーク細孔径が2~50nmの複数のメソ細孔4を有し、かつ、複数のメソ細孔4が周期構造をなす多孔質シリカ粒子2と、Al、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物粒子3と、を含み、金属酸化物粒子3は、多孔質シリカ粒子2の間の少なくとも空隙5に存在する。

Description

触媒担体、触媒及びそれらの製造方法
 本開示は、触媒担体、触媒及びそれらの製造方法に関する。触媒は、多孔質シリカに金属酸化物を添加した担体に白金族金属を担持しており、例えば、臭気物質の分解材、鮮度を低下させるエチレンの分解材又は防カビ・抗菌用材料として使用される。
 メソポーラスシリカアルミナゲルからなる触媒担体が提案されている(例えば、特許文献1を参照。)。また、エチレンの触媒分解反応に用いる触媒としてメソポーラスシリカに白金を担持させた、-1~-40℃の雰囲気下でエチレンを二酸化炭素と水に分解するためのエチレン分解剤が提案されている(例えば、特許文献2を参照。)。
特開2002-284520号公報 特開2017-23889号公報
 特許文献1の触媒担体のように、シリカ原料及びアルミナ原料から、湿式法でメソポアを有するシリカアルミナゲルを製造する方法では、得られるシリカアルミナゲルは、触媒機能の発現のための重要な要素である周期的なメソ細孔を有することはできない。特許文献2の触媒は、担体が周期的なメソ細孔を有するが、担体がメソポーラスシリカである場合、高温で加熱することによって、細孔内に担持させた金属ナノ粒子がシンタリングしやすいため、触媒活性が低下するという問題があった。
 また、触媒は不織布などの支持体に担持させて利用されることがある。従来、不織布への担持加工は、触媒粉末の分散液に支持体を浸漬若しくは塗布して付着させる方法、又は支持体のマトリックスの中に触媒粉末を混ぜ込み、この支持体を表裏の面材で挟み込む方法が一般的であった。しかし、これらの方法では、触媒が支持体から欠落しやすい問題があった。そこで、支持体の表面に触媒を溶融接着する方法が望ましいが、前記の通り、メソポーラスシリカは高温で加熱すると触媒活性が低下するため、実現は困難であった。これまで、周期的なメソ細孔を有しながら耐熱性を有する触媒担体は実現されていなかった。
 本開示は、周期的なメソ細孔を有しながら耐熱性を有する触媒担体、触媒及びそれらの製造方法を提供することを目的とする。
 本発明に係る触媒担体は、BJH法で解析されるピーク細孔径が2~50nmの複数のメソ細孔を有し、かつ、前記複数のメソ細孔が周期構造をなす多孔質シリカ粒子と、Al、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物粒子と、を含み、前記金属酸化物粒子は、前記多孔質シリカ粒子の間の少なくとも空隙に存在することを特徴とする。
 本発明に係る触媒担体では、前記金属酸化物粒子は、Na含有量が100ppm以下であることが好ましい。メソ細孔を崩すことなく周期構造の規則性が高い状態のまま保持することができるので、触媒活性のより高い触媒を得ることができる。
 本発明に係る触媒担体では、前記多孔質シリカ粒子と前記金属酸化物粒子との質量比(前記多孔質シリカ粒子の含有量/前記金属酸化物粒子の含有量)は、0.1~20であることが好ましい。成形性に優れ、かつ、十分な触媒機能を発現することができる。
 本発明に係る触媒担体では、前記メソ細孔のBJH法で解析されるピーク細孔径が2~6nmであり、前記触媒担体は、CuKα線のX線回折における回折角(2θ)が1~5°の範囲に(100)面に由来するピークを有する形態を包含する。
 本発明に係る触媒担体は、前記金属酸化物粒子が、前記多孔質シリカ粒子の表面に結着している形態を包含する。
 本発明に係る触媒は、本発明に係る触媒担体に白金族金属ナノ粒子が担持された触媒であって、該触媒は粒子状であり、かつ、前記触媒の粒子径は25~500μmであり、前記白金族金属ナノ粒子は、少なくとも前記メソ細孔内に存在することを特徴とする。
 本発明に係る触媒では、前記白金族金属ナノ粒子の含有量が1~20質量%であることが好ましい。
 本発明に係る触媒は、不織布の表面に溶融接着しており、かつ、前記白金族金属ナノ粒子がワイヤー状となった構造体を含まないことが好ましい。加熱処理を行っても、十分な触媒機能を発現することができる。
 本発明に係る触媒担体の製造方法は、BJH法で解析されるピーク細孔径が2~50nmの複数のメソ細孔を有し、かつ、前記複数のメソ細孔が周期構造をなす多孔質シリカ粒子の粉体とAl、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物前駆体又は金属酸化物を含むゾルとを混錬し、前記多孔質シリカ粒子の粉体と前記ゾルとの混合物を調製する混合工程と、前記混合物の成形物を形成する成形工程と、前記成形物を焼成して前記金属酸化物前駆体又は前記金属酸化物をAl、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物粒子とする焼成工程と、を有することを特徴とする。
 本発明に係る触媒担体の製造方法では、前記金属酸化物前駆体又は前記金属酸化物は、Na含有量が100ppm以下であることが好ましい。メソ細孔を崩すことなく周期構造の規則性が高い状態のまま保持することができるので、触媒活性のより高い触媒を得ることができる。
 本発明に係る触媒の製造方法は、本発明に係る触媒担体の製造方法で製造された触媒担体と、白金族金属化合物とを混合する工程と、前記触媒担体と前記白金族金属化合物との混合物を還元する工程と、を有することを特徴とする。
 本開示によれば、周期的なメソ細孔を有しながら耐熱性を有する触媒担体、触媒及びそれらの製造方法を提供することができる。
本実施形態に係る触媒担体の一例を示す概略図である。 図1の触媒担体に白金族金属ナノ粒子が担持された触媒の一例を示す概略図である。 実施例1の触媒担体の表面の走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)による分析結果であり、触媒担体の表面のSEM観察像である。図3(a)では、SEM‐EDX元素マッピング像をグレー階調に処理した画像を示したが、SEM‐EDX元素マッピング像はグレー調に処理する前のカラー画像によって、より正確に表現される。 実施例1の触媒担体の表面の走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)による分析結果であり、AlのSEM‐EDX元素マッピング像である。図3(b)では、SEM‐EDX元素マッピング像をグレー階調に処理した画像を示したが、SEM‐EDX元素マッピング像はグレー調に処理する前のカラー画像によって、より正確に表現される。 実施例1の触媒担体の表面の走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)による分析結果であり、SiのSEM‐EDX元素マッピング像である。図3(c)では、SEM‐EDX元素マッピング像をグレー階調に処理した画像を示したが、SEM‐EDX元素マッピング像はグレー調に処理する前のカラー画像によって、より正確に表現される。 比較例1の触媒担体の表面の走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)による分析結果であり、触媒担体の表面のSEM観察像である。図4(a)では、SEM‐EDX元素マッピング像をグレー階調に処理した画像を示したが、SEM‐EDX元素マッピング像はグレー調に処理する前のカラー画像によって、より正確に表現される。 比較例1の触媒担体の表面の走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)による分析結果であり、AlのSEM‐EDX元素マッピング像である。図4(b)では、SEM‐EDX元素マッピング像をグレー階調に処理した画像を示したが、SEM‐EDX元素マッピング像はグレー調に処理する前のカラー画像によって、より正確に表現される。 比較例1の触媒担体の表面の走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)による分析結果であり、SiのSEM‐EDX元素マッピング像である。図4(c)では、SEM‐EDX元素マッピング像をグレー階調に処理した画像を示したが、SEM‐EDX元素マッピング像はグレー調に処理する前のカラー画像によって、より正確に表現される。 実施例1のXRDパターンである。 実施例1のエチレン除去率測定結果である。 比較例2のエチレン除去率測定結果である。 比較例2の触媒を250℃で20時間加熱したサンプルのTEM画像であり、未加工画像である。 比較例2の触媒を250℃で20時間加熱したサンプルのTEM画像であり、加工画像である。 実施例1及び実施例5のXRDパターンである。 実施例1のTEM画像であり、未加工画像である。 実施例1のTEM画像であり、加工画像である。
 次に本発明について実施形態を示して詳細に説明するが本発明はこれらの記載に限定して解釈されない。本発明の効果を奏する限り、実施形態は種々の変形をしてもよい。
 図1は、本実施形態に係る触媒担体の一例を示す概略図である。本実施形態に係る触媒担体1は、BJH法で解析されるピーク細孔径が2~50nmの複数のメソ細孔4を有し、かつ、複数のメソ細孔4が周期構造をなす多孔質シリカ粒子2と、Al、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物粒子3と、を含み、金属酸化物粒子3は、多孔質シリカ粒子2の間の少なくとも空隙5に存在する。図1は概略的に示した図であり、各成分の大きさの比率は実物の触媒担体のそれとは異なる。
 多孔質シリカ粒子2は、メソポーラスシリカとも呼ばれ、複数のメソ細孔4を含む多孔質構造を有するケイ素酸化物を主成分とする物質である。図1では、多孔質シリカ粒子2を概略的に球状で示したが、多孔質シリカ粒子2の形状はこれに限定されない。多孔質シリカ粒子2は、多孔質シリカの焼結物を粉砕した粉砕粒子であってもよい。
 メソ細孔4のピーク細孔径は、2~50nmであり、2~10nmであることがより好ましい。本明細書において、メソ細孔4のピーク細孔径は、BJH法によって解析される。メソ細孔4は、細孔同士が規則的に配列した周期構造をなしている。図1では、メソ細孔4の断面形状を概略的に六角形状で示したが、メソ細孔4の断面形状はこれに限定されない。メソ細孔4の周期構造は、例えば、シリンダー状の孔がハニカム状にパッキングされた二次元ヘキサゴナル構造(図1に図示)又は球状の孔が最密充填された構造のキュービック構造(不図示)であってもよい。
 本実施形態に係る触媒担体1では、メソ細孔4のBJH法で解析されるピーク細孔径が2~6nmであり、触媒担体1は、CuKα線のX線回折における回折角(2θ)が1~5°の範囲に(100)面に由来するピークを有する形態を包含する。触媒担体1がCuKα線のX線回折における回折角(2θ)が1~5°の範囲に(100)面に由来するピークを有することは、多孔質シリカ2がメソ細孔4の周期構造を有することを意味する。触媒担体1の原料となる多孔質シリカ2のXRDパターンは、触媒担体1のXRDパターンと同じになる。なお、メソ細孔4のピーク細孔径が6nmを超える場合、触媒担体1のCuKα線のX線回折における回折角(2θ)はピークが1°未満の低角側にシフトしてしまい、実質的にX線回折によるメソ細孔4の周期構造の確認が困難である。この場合、メソ細孔4の周期構造は、TEM(Transmission Electron Microscope)による観察で確認することができる。TEM画像では、メソ細孔4の周期構造は、例えば、規則的な縞模様のように観察される。
 多孔質シリカ粒子2の平均粒子径は、5~300μmであることが好ましく、5~50μmであることがより好ましい。多孔質シリカ粒子2の平均粒子径が5μm未満では、多孔質シリカ粒子2の間の空隙が小さくなるので、該空隙内に金属酸化物粒子を存在させることが難しくなる場合がある。多孔質シリカ粒子2の平均粒子径が300μmを超えると、多孔質シリカ粒子2の間の空隙が大きくなるので、多孔質シリカ粒子2同士を結着させるバインダーとしての役割を果たすために必要な金属酸化物粒子の量が多量となる場合がある。また、金属酸化物粒子の量が少ないと、多孔質シリカ粒子2同士の結着が弱くなる場合がある。平均粒子径は、例えば、粒度分布計を用いて求めた値である。触媒担体1において、多孔質シリカ粒子2は、一次粒子の状態で存在していてもよい。また、多孔質シリカ粒子2が多孔質シリカの焼結物を粉砕した粉砕粒子であるとき、多孔質シリカ粒子の平均粒子径は、粉砕粒子の平均粒子径である。
 多孔質シリカ粒子2は、例えば、次の製造方法で得られる。界面活性剤などの有機原料を含む水溶液に、珪酸ソーダなどの無機原料を添加し、所定のpHに調整した後、反応混合物を所定の温度に保持して縮重合反応を行うことによって、有機物を鋳型としてその周りに無機物の骨格が形成された有機物と無機物との複合体を形成させる。次いで、得られた複合体を400~800℃で焼成することによって有機物を除去し、多孔質シリカの焼結物を得ることができる。多孔質シリカの焼結物を粉砕して多孔質シリカ粒子2を得ることができる。
 金属酸化物粒子3は、Al、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む。金属酸化物粒子3は、金属種が1種類である単酸化物、又は金属種が2種以上である複酸化物であってもよい。このうち、金属酸化物粒子3は、Alを含むことが好ましく、アルミナであることがより好ましい。
 触媒担体1において、金属酸化物粒子3は、粒子径がnmオーダーであるナノ粒子である。金属酸化物粒子3の粒子径の上限値は、例えば、500nm以下であることが好ましく、100nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが特に好ましい。金属酸化物粒子3の粒子径の下限値は、1nm以上であることが好ましく、5nm以上であることがより好ましく、10nm以上であることが特に好ましい。金属酸化物粒子3の平均粒子径は、多孔質シリカ粒子2の大きさに応じて、適宜、平均粒子径を調整した金属酸化物粒子3を用いる。
 金属酸化物粒子3は、多孔質シリカ粒子2の間の少なくとも空隙5に存在する。多孔質シリカ粒子2の間の空隙5は、多孔質シリカ粒子2の界面で囲まれた領域である。金属酸化物粒子3は、多孔質シリカ粒子2同士を結着させるバインダーとしての役割を持つ。金属酸化物粒子3は、多孔質シリカ粒子2の間の空隙5に存在することに加えて、多孔質シリカ粒子2同士が接触する当接部6などの多孔質シリカ粒子2同士の間に存在することが好ましい。また、金属酸化物粒子3は、多孔質シリカ粒子2の表面に存在していてもよいし、多孔質シリカ粒子2同士の間に介在していてもよい。多孔質シリカ粒子2の表面は、メソ細孔4の内部及びメソ細孔4以外の表面を包含する。
 本実施形態に係る触媒担体1では、多孔質シリカ粒子2と金属酸化物粒子3との質量比(多孔質シリカ粒子2の含有量/金属酸化物粒子3の含有量)は、0.1~20であることが好ましい。多孔質シリカ粒子2の含有量/金属酸化物粒子3の含有量は、0.2~10であることがより好ましく、0.25~9であることが特に好ましい。多孔質シリカ粒子2と金属酸化物粒子3との質量比(多孔質シリカ粒子2の含有量/金属酸化物粒子3の含有量)が0.1未満では、多孔質シリカ粒子2の含有量が少なくなりすぎて、白金族金属ナノ粒子を担持できる量が少なくなるため、触媒機能を十分に発現できない場合がある。多孔質シリカ粒子2と金属酸化物粒子3との質量比(多孔質シリカ粒子2の含有量/金属酸化物粒子3の含有量)が20を超えると、金属酸化物粒子3の含有量が少なくなりすぎて、バインダー機能を十分に発現できない場合がある。
 本実施形態に係る触媒担体1は、金属酸化物粒子3が、多孔質シリカ粒子2の表面に結着している形態を包含する。結着は、多孔質シリカ粒子2と金属酸化物粒子3とが焼結されることにより、生成される。結着は、多孔質シリカ粒子2同士の間、又は金属酸化物粒子3同士の間に形成されていてもよい。触媒担体1は、金属酸化物相とシリカ相とを含む。触媒担体1は、金属酸化物は多孔質シリカと反応していないことが好ましい。触媒担体1は、バルク体を形成していることが好ましい。
 図2は、図1の触媒担体に白金族金属ナノ粒子が担持された触媒の一例を示す概略図である。本実施形態に係る触媒10は、本実施形態に係る触媒担体1に白金族金属ナノ粒子7が担持されており、白金族金属ナノ粒子7は、少なくともメソ細孔4内に存在する。白金族金属ナノ粒子7は、メゾ細孔4内に加えて、多孔質シリカ粒子2のメソ細孔4以外の表面、多孔質シリカ粒子2の間の空隙5、多孔質シリカ粒子2同士の当接部6、金属酸化物粒子3の表面、金属酸化物粒子3の間の空隙又は金属酸化物粒子3同士の当接部に存在していてもよい。図2は概略的に示した図であり、各成分の大きさの比率は実物の触媒担体のそれとは異なる。
 白金族金属ナノ粒子7は、例えば、白金、ルテニウム、イリジウム、ロジウム、パラジウム及びオスミウムの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。白金族金属ナノ粒子7は、前記した群の単金属粒子又は合金粒子であってもよい。このうち、白金族金属ナノ粒子7は、白金粒子又はパラジウム粒子であることが好ましい。
 白金族金属ナノ粒子7の平均粒子径は、1~5nmであることが好ましく、1~3nmであることがより好ましい。白金族金属ナノ粒子7の平均粒子径が1nm未満では、加熱によるシンタリングが生じやすくなり触媒活性が低下する場合がある。白金族金属ナノ粒子7の平均粒子径が5nmを超えると、触媒機能が十分に発現できない場合がある。また、白金族金属ナノ粒子7の平均粒子径は、メソ細孔4内に担持されやすいため、メソ細孔4のピーク細孔径よりも小さいことが好ましい。平均粒子径は、例えば、COパルス測定を用いて求めた値である。
 本実施形態に係る触媒10では、白金族金属ナノ粒子7の含有量が1~20質量%であることが好ましく、1~7質量%であることがより好ましい。白金族金属ナノ粒子7の含有量が1質量%未満では、触媒機能が十分に発現できない場合がある。白金族金属ナノ粒子7の含有量が20質量%を超えると、加熱によるシンタリングが生じる場合がある。
 本実施形態に係る触媒10は、不織布の表面に溶融接着しており、かつ、白金族金属ナノ粒子7がワイヤー状となった構造体を含まないことが好ましい。触媒を不織布の表面に溶融接着させて不織布表面に固定化加工するために、例えば150~200℃の加熱処理を行った場合、例えば特許文献2の触媒のように、担体がメソポーラスシリカだけからなり、金属酸化物粒子を含有していないと、細孔内に担持させた白金族金属ナノ粒子がシンタリングしやすいため、白金族金属ナノ粒子のワイヤー状構造体が発生して触媒活性が低下するという問題があった。これに対して、本実施形態に係る触媒10は、担体が多孔質シリカ粒子2に加えて金属酸化物粒子3を含有するため、加熱処理を行っても白金族金属ナノ粒子7がシンタリングせず、白金族金属ナノ粒子7のワイヤー状構造体が発生しない。このため、触媒活性が低下することがない。したがって、本実施形態に係る触媒は、不織布表面への溶融固定の他、高温で使用する場面に適用可能である。高温で使用する場面は、例えば、Pd触媒などによる150~200℃でのメタンの水蒸気改質による水素生成である。また、使用によって触媒活性が低下した使用済みの触媒について、加熱処理によって再生することが可能となる。使用済みの触媒の再生方法は、特に限定されないが、例えば、150℃で2時間、常圧下で加熱するなどの方法によって行うことができる。
 本実施形態に係る触媒10は、粒子状であり、かつ、触媒10の粒子径は、25~500μmである。触媒10の粒子径は、50~100μmであることがより好ましい。粒子状は、例えば、ペレット状、円筒状若しくは粒状などの成形物又はこれらのような成形物を粉砕した粉体を包含する。触媒10の粒子径が25μm未満では、加熱によって触媒活性が減少する。触媒10の粒子径が500μmを超えると、触媒の基材への担持加工に困難が生じる。
 本実施形態に係る触媒10は、BET比表面積が500m/g以上であることが好ましく、600m/g以上であることがより好ましい。BET比表面積が500m/g未満では、メソ細孔内への白金族金属ナノ粒子の担持量が不足する場合がある。BET比表面積は、窒素吸脱着によるBET法によって算出することができる。BET比表面積の上限値は特に限定されないが、1500m/g以下であることが好ましく、1000m/g以下であることがより好ましい。
 本実施形態に係る触媒担体の製造方法は、BJH法で解析されるピーク細孔径が2~50nmの複数のメソ細孔を有し、かつ、前記複数のメソ細孔が周期構造をなす多孔質シリカ粒子の粉体とAl、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物前駆体又は金属酸化物を含むゾルとを混錬し、前記多孔質シリカ粒子の粉体と前記ゾルとの混合物を調製する混合工程と、前記混合物の成形物を形成する成形工程と、前記成形物を焼成して前記金属酸化物前駆体又は前記金属酸化物をAl、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物粒子とする焼成工程と、を有する。
 混合工程では、金属酸化物前駆体又は金属酸化物を含むゾルに、多孔質シリカ粒子の粉体を配合して混練する。このとき、成形助剤などの各種添加剤を配合してもよい。混練中に剪断力などが働くことによって、得られる触媒担体では、多孔質シリカ粒子及び金属酸化物粒子が、相互に均一に分布する。金属酸化物前駆体を含むゾルは、分散媒に金属酸化物前駆体のコロイド粒子が分散したコロイド液である。金属酸化物を含むゾルは、分散媒に金属酸化物のコロイド粒子が分散したコロイド液である。分散媒は、特に限定されないが、例えば、水又は希硝酸である。金属酸化物前駆体は、焼成によって金属酸化物となる物質であり、例えば、金属酸化物を構成する金属元素の塩、金属酸化物を構成する金属元素のアルコキシド又は金属酸化物を構成する金属元素の錯体である。このうち、金属酸化物前駆体は、金属元素の塩であることが好ましい。金属元素の塩は、例えば、水酸化物、塩化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩又はこれらの複合塩若しくはこれらの水和物である。金属酸化物粒子3がアルミナ粒子であるとき、金属酸化物前駆体は、例えば、水酸化酸化アルミニウムであり、水酸化酸化アルミニウムは焼成によって酸化アルミニウム(アルミナ)となる。混合工程は、多孔質シリカ粒子の粉体と金属酸化物前駆体又は金属酸化物を含むゾルとの混練物を形成する工程を含むことが好ましい。金属酸化物前駆体又は金属酸化物を含むゾルの分散媒は、混合工程において多孔質シリカ粒子の粉体に吸収されることが好ましい。また、分散媒が多孔質シリカ粒子の粉体に吸収される時、金属酸化物前駆体又は金属酸化物は分散媒とともに少なくとも多孔質シリカ粒子の間の空隙に侵入する。このとき、金属酸化物前駆体又は金属酸化物は分散媒とともに多孔質シリカ粒子2同士の間及び多孔質シリカ粒子2の表面に付着してもよい。また、金属酸化物前駆体又は金属酸化物は分散媒とともに多孔質シリカ粒子2同士の間に介在していてもよい。
 本実施形態に係る担持触媒の製造方法では、金属酸化物粒子の原料となる金属酸化物前駆体又は金属酸化物は低Na含有量を有することが好ましい。金属酸化物前駆体又は金属酸化物のNa含有量は、100ppm以下であることが好ましく、20ppm以下であることがより好ましい。メソ細孔を崩すことなく周期構造の規則性が高い状態のまま保持することができるので、触媒活性のより高い触媒を得ることができる。Na含有量が100ppmを超えると、メソ細孔が崩れて周期構造の規則性が低下する場合があり、細孔内に白金族金属ナノ粒子を担持することができず、触媒活性が十分に発現できない場合がある。金属酸化物前駆体又は金属酸化物のNa含有量の測定方法は、特に限定されず従来公知の方法で測定することができ、例えば、蛍光X線分析法(XRF)又はICP発光分光分析法(ICP-OES)で測定することができる。原料として上記のNa含有量が100ppm以下である金属酸化物前駆体又は金属酸化物を用いることで、得られる担持触媒中の金属酸化物粒子のNa含有量は、原料のNa含有量と同じNa含有量、すなわち100ppm以下となる。
 成形工程では、多孔質シリカ粒子の粉体と金属酸化物前駆体又は金属酸化物のゾルとの混合物を、例えば、ペレット状に成形する。成形物の形状は、ペレット状に限定されず、例えば、円筒状又は粒状であってもよい。成形物の寸法は、1~8mmであることが好ましく、1~4mmであることがより好ましい。
 焼成工程では、焼成温度は、500~700℃であることが好ましく、500~600℃であることがより好ましい。また、焼成時間は、90~180分であることが好ましく、120~180分であることがより好ましい。焼成方法は、特に限定されず、例えば、電気炉を用いて焼成することができる。焼成によって、混合物中の分散媒は揮発し、ゾルに分散していた金属酸化物前駆体のコロイド粒子又は金属酸化物のコロイド粒子は、多孔質シリカ粒子間の空隙に存在する金属酸化物粒子となる。金属酸化物のコロイド粒子は、凝集せずにそのまま金属酸化物粒子となってもよいし、凝集して金属酸化物粒子となってもよい。また、金属酸化物粒子は、多孔質シリカ粒子の間の空隙に存在することに加えて、多孔質シリカ粒子同士が接触する当接部などの多孔質シリカ粒子同士の間に存在していてもよい。また、金属酸化物粒子は、多孔質シリカ粒子の表面に存在していてもよいし、多孔質シリカ粒子同士の間に介在していてもよい。焼成工程後、焼結体を粉砕する工程を更に有していてもよい。
 本実施形態に係る触媒の製造方法は、本実施形態に係る触媒担体の製造方法で製造された触媒担体と、白金族金属化合物とを混合する工程と、触媒担体と白金族金属化合物との混合物を還元する工程と、を有する。
 白金族金属化合物は、例えば、白金族金属の塩酸塩、硝酸塩若しくは硫酸塩などの無機酸塩、又は白金族金属の有機錯体である。白金族金属化合物は、水、塩酸、硝酸又は硫酸などの溶媒に溶解していることが好ましい。
 還元方法は、特に限定されず、例えば、還元剤、熱又は光などで処理する方法である。還元によって、多孔質シリカ粒子が存在する白金族金属化合物の溶液において、白金族金属が核生成して粒成長し、白金族金属ナノ粒子となる。このとき、白金族金属ナノ粒子は、多孔質シリカ粒子のメソ細孔内に担持されている。白金族金属ナノ粒子は、多孔質シリカ粒子のメソ細孔内に加えて該メソ細孔外に存在していてもよい。メソ細孔外は、例えば、多孔質シリカ粒子のメソ細孔以外の表面、多孔質シリカ粒子の間の空隙、多孔質シリカ粒子同士の当接部、金属酸化物粒子の表面、金属酸化物粒子の間の空隙又は金属酸化物粒子同士の当接部である。ただし、触媒機能に関与する白金族金属ナノ粒子は、主に多孔質シリカ粒子のメソ細孔内に担持された粒子であると考えられる。
 触媒の製造方法は、還元で得られた触媒を粉砕する工程と、ふるい分けして所定の粒子径の触媒粉末を得る工程と、を更に有することが好ましい。所定の粒子径は、例えば、25~500μmである。
 以降、実施例を示しながら本発明についてさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定して解釈されない。また、例中の「部」、「%」は、特に断らない限りそれぞれ「質量部」、「質量%」を示す。なお、添加部数は、固形分換算の値である。
(実施例1)
(触媒担体の製造)
 メソポーラスシリカ(太陽化学社製、TMPS-4R、ピーク細孔径4nm、平均粒子径50μm)と金属酸化物前駆体としてNa含有量が100ppm以下である水酸化酸化アルミニウムを含むゾルとを混錬して混合物を調製した。このとき、メソポーラスシリカと金属酸化物前駆体として水酸化酸化アルミニウムを含むゾル中の水酸化酸化アルミニウムのコロイド粒子との配合比は、質量比で、90:10であった。得られた混合物では、金属酸化物前駆体として水酸化酸化アルミニウムを含むゾルの分散媒はメソポーラスシリカに吸収されていた。この混合物を、ペレット状の成形物に成形した。ペレット状の成形物のサイズは、φ1.4×4mmとした。この成形物を、電気炉を用いて500~600℃で3時間焼成し、焼結体を得た。この焼結体を実施例1の触媒担体とした。
(触媒の製造)
 得られた実施例1の触媒担体に白金族金属ナノ粒子として白金を担持させた触媒を次のように製造した。得られた触媒担体10gを50mlの水に含浸させ、白金の担持量が1.0質量%になるように塩化白金酸溶液[HPtCl aq.]を含浸液に滴下した。エバポレータを用いて70℃に加熱して溶媒を蒸発させ固形物を得た。得られた固形物を70℃で16~18時間真空乾燥させた。その後、水素ガスを500ml/minで流通させながら、150℃で2時間の還元処理をすることによって、触媒担体に白金を担持させた触媒を得た。その後、得られた触媒を粉砕し、粒子径を25~500μmにふるい分けして、粒子径が25~500μmの触媒を実施例1の触媒とした。
(実施例2)
 実施例1の触媒担体の製造において、メソポーラスシリカと金属酸化物前駆体としてNa含有量が100ppm以下である水酸化酸化アルミニウムを含むゾル中の水酸化酸化アルミニウムとの配合比を、質量比で、20:80に変更した以外は、実施例1と同様にして触媒を得た。
(実施例3)
 実施例1の触媒の製造において、白金の担持量を10質量%に変更した以外は、実施例1と同様にして触媒を得た。
(実施例4)
 実施例1の触媒の製造において、触媒担体に担持させる白金族金属ナノ粒子を、白金に代えてパラジウムとした。金属塩溶液として塩化白金酸溶液に変えて塩化パラジウム酸ナトリウム溶液[NaPdCl aq.]を用いた以外は、実施例1と同様にして触媒を得た。
(実施例5)
(触媒担体の製造)
 実施例1の触媒担体の製造において、金属酸化物前駆体としてNa含有量100ppm以下である水酸化酸化アルミナゾルに変えてNa含有量300ppm以上である水酸化酸化アルミナゾルを用いた以外は、実施例1と同様にして触媒担体を得た。
(触媒の製造)
 得られた触媒担体に、実施例1の触媒の製造方法と同様にして製造した触媒を実施例5の触媒とした。
(比較例1)
(触媒担体の製造)
 メソポーラスシリカ(太陽化学社製、TMPS-4R、ピーク細孔径4nm、平均粒子径50μm)とアルミナ粉末(平均粒子径40μm)とを混合した混合粉末を触媒担体とした。
(触媒の製造)
 得られた触媒担体に、実施例1の触媒の製造方法と同様にして白金を担持させ、その後、得られた触媒を粉砕し、粒子径を25~500μmにふるい分けして、粒子径が25~500μmの触媒を比較例1の触媒とした。
(比較例2)
 実施例1で用いたメソポーラスシリカ(太陽化学社製、TMPS-4R、ピーク細孔径4nm、平均粒子径50μm)をそのまま触媒担体として用いた以外は、実施例1と同様にして触媒を得た。
(比較例3)
 実施例1の触媒の製造において、粒子径を25μm未満にふるい分けして粒子径が25μm未満の触媒を得た以外は、実施例1と同様にして触媒を得た。
(SEM観察)
 実施例1の触媒担体及び比較例1の触媒担体をSEM観察した。図3(a)(b)(c)は、実施例1の触媒担体の表面の走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)による分析結果であり、図4(a)(b)(c)は、比較例1の触媒担体の表面の走査型電子顕微鏡/エネルギー分散型X線分光法(SEM-EDX)による分析結果である。図3(a)及び図4(a)は触媒担体の表面のSEM観察像であり、図3(b)及び図4(b)はAlのSEM‐EDX元素マッピング像であり、図3(c)及び図4(c)はSiのSEM‐EDX元素マッピング像である。図3及び図4において、観察倍率は500倍、左下のスケールは100μmである。実施例1の触媒担体は、図3(b)(c)に示すように、アルミナとシリカとがほぼ均一に分布していた。一方、比較例1の触媒担体は、図4(b)(c)に示すように、アルミナが、直径数十μm程度の島状に観察された。図3及び図4では、SEM‐EDX元素マッピング像をグレー階調に処理した画像を示したが、SEM‐EDX元素マッピング像はグレー調に処理する前のカラー画像によって、より正確に表現される。
(BET比表面積)
 実施例1~4の触媒、比較例1~3の触媒について窒素吸脱着測定より得られた吸着等温線を用いてBET法により比表面積を求めた。結果を表1に示す。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
(XRD分析)
 実施例1の触媒担体について、XRD測定を行った。XRD測定条件は、室温でλ=CuKαである。図5は、実施例1のXRDパターンである。実施例1の触媒担体は、図5に示すように、CuKα線のX線回折における回折角(2θ)が1~5°の範囲に(100)面に由来するピークを有していた。このことから、多孔質シリカのメソ細孔が周期構造を有することが確認できた。
 実施例5の触媒担体について、実施例1の触媒担体と同様にXRD測定を行った。図9は実施例1及び実施例5のXRDパターンである。実施例5はNa含有量が高い金属酸化物前駆体を用いたため、実施例1と比較して回折角(2θ)が1~5°の範囲にある3つのピークが全て減退していた。このことから、多孔質シリカのメソ細孔は周期構造の規則性が低下していることが確認できた。
(エチレン除去率)
 実施例1の触媒を、非加熱品、当該実施例1の非加熱品を150℃で20時間加熱した加熱品1、当該実施例1の非加熱品を200℃で20時間加熱した加熱品2とした。非加熱品、加熱品1及び加熱品2を用いて、エチレン除去率を次のように測定した。エチレン除去率の測定方法は、100ppmのエチレンガス、20%の酸素及び80%の窒素から構成される計2.6Lのガスを入れたガスバッグに触媒0.6gを入れ、所定の時間にバッグ内エチレン濃度をガスクロマトグラフ装置(GC-2030、島津製作所社製)で測定し、初期エチレン濃度に対する減少率を計算した。また、比較例2の触媒を、非加熱品、当該比較例2の非加熱品を150℃で20時間加熱した加熱品1、当該比較例2の非加熱品を200℃で20時間加熱した加熱品2、当該比較例2の非加熱品を100℃で加熱した加熱品3とした。比較例2の非加熱品、加熱品1、加熱品2及び加熱品3についても、実施例1と同様にしてエチレン除去率を測定した。結果を図6(実施例1)及び図7(比較例2)に示す。実施例1は、加熱品1及び加熱品2のいずれも高いエチレン除去率を有していた。このことから、実施例1の触媒は、加熱処理を施しても白金族金属ナノ粒子のシンタリングがなく、触媒活性が低下しないことが確認できた。なお、実施例1の非加熱品は、付着水の影響によってエチレン除去率が加熱品1及び加熱品2よりも低くなってしまった。一方、比較例2の触媒は、加熱品3は非加熱品と比較してエチレン分解率の低下がみられ、加熱品1及び加熱品2は非加熱品と比較してエチレン除去率の大幅な低下が見られた。このことから、比較例2の触媒は、加熱処理によって触媒活性が低下することが確認できた。なお、比較例2の非加熱品は、デシケータで保管していたため、付着水の影響がほとんどなかった。
 図8(a)(b)は、比較例2の触媒を250℃で20時間加熱したサンプルのTEM画像である。図8(b)はワイヤー状構造体を丸で囲む加工を行った画像であり、図8(a)は図8(b)の加工前の画像である。図8(a)(b)のTEM画像の観察倍率は10万倍であり、右下のスケールは20.0nmである。図8(a)(b)に示すように、比較例2の触媒は、白金族金属ナノ粒子が加熱によってシンタリングして粗大化し、白金族金属ナノ粒子のワイヤー状構造体が形成されていた。図8(b)において、白丸で囲った部分に見られる線状の黒い影が白金族金属ナノ粒子のワイヤー状構造体である。エチレン除去率測定で用いた比較例2の加熱品1及び加熱品2においても、図8(a)(b)に示すように、白金族金属ナノ粒子のワイヤー状構造体が形成されていたと予測される。
 図10(a)(b)は、実施例1のTEM画像である。図10(b)はメソ細孔中の白金族金属ナノ粒子を矢印で示す加工を行った画像であり、図10(a)は図10(b)の加工前の画像である。図10(a)(b)のTEM画像の観察倍率は10万倍であり、右下のスケールは20.0nmである。図10(a)(b)に示すように、実施例1の触媒は、白金族金属ナノ粒子がメソ細孔内に球状に担持されていた。
1 触媒担体
2 多孔質シリカ粒子
3 金属酸化物粒子
4 メソ細孔
5 空隙
6 当接部
7 白金族金属ナノ粒子
10 触媒

Claims (11)

  1.  BJH法で解析されるピーク細孔径が2~50nmの複数のメソ細孔を有し、かつ、前記複数のメソ細孔が周期構造をなす多孔質シリカ粒子と、
     Al、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物粒子と、を含み、
     前記金属酸化物粒子は、前記多孔質シリカ粒子の間の少なくとも空隙に存在することを特徴とする触媒担体。
  2.  前記金属酸化物粒子は、Na含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項1に記載の触媒担体。
  3.  前記多孔質シリカ粒子と前記金属酸化物粒子との質量比(前記多孔質シリカ粒子の含有量/前記金属酸化物粒子の含有量)は、0.1~20であることを特徴とする請求項1に記載の触媒担体。
  4.  前記メソ細孔のBJH法で解析されるピーク細孔径が2~6nmであり、
     前記触媒担体は、CuKα線のX線回折における回折角(2θ)が1~5°の範囲に(100)面に由来するピークを有することを特徴とする請求項1に記載の触媒担体。
  5.  前記金属酸化物粒子が、前記多孔質シリカ粒子の表面に結着していることを特徴とする請求項1に記載の触媒担体。
  6.  請求項1~5のいずれか一つに記載の触媒担体に白金族金属ナノ粒子が担持された触媒であって、
     該触媒は粒子状であり、かつ、前記触媒の粒子径は25~500μmであり、
     前記白金族金属ナノ粒子は、少なくとも前記メソ細孔内に存在することを特徴とする触媒。
  7.  前記白金族金属ナノ粒子の含有量が1~20質量%であることを特徴とする請求項6に記載の触媒。
  8.  前記触媒は、不織布の表面に溶融接着しており、かつ、前記白金族金属ナノ粒子がワイヤー状となった構造体を含まないことを特徴とする請求項6に記載の触媒。
  9.  BJH法で解析されるピーク細孔径が2~50nmの複数のメソ細孔を有し、かつ、前記複数のメソ細孔が周期構造をなす多孔質シリカ粒子の粉体とAl、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物前駆体又は金属酸化物を含むゾルとを混錬し、前記多孔質シリカ粒子の粉体と前記ゾルとの混合物を調製する混合工程と、
     前記混合物の成形物を形成する成形工程と、
     前記成形物を焼成して前記金属酸化物前駆体又は前記金属酸化物をAl、Ti、Mg、Zr、Fe、Ce及びSiの群から選ばれる少なくとも1種を含む金属酸化物粒子とする焼成工程と、を有することを特徴とする触媒担体の製造方法。
  10.  前記金属酸化物前駆体又は前記金属酸化物は、Na含有量が100ppm以下であることを特徴とする請求項9に記載の触媒担体の製造方法。
  11.  請求項9又は10に記載の触媒担体の製造方法で製造された触媒担体と、白金族金属化合物とを混合する工程と、
     前記触媒担体と前記白金族金属化合物との混合物を還元する工程と、を有することを特徴とする触媒の製造方法。
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