JP2017023889A - エチレン分解剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】エチレンの触媒分解反応に用いる触媒として、性状や性能等を制御し易く、入手や調製が容易であり、さらに低温での継続的な使用が可能なエチレン分解剤及び該分解剤を用いたエチレンの分解方法、植物の鮮度保持剤及び鮮度保持方法、並びにこれらを備えた物品を提供すること。
【解決手段】多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させてなるエチレン分解剤であって、酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、エチレンを二酸化炭素と水に分解するための、エチレン分解剤、多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させてなる植物の鮮度保持剤であって、酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、植物から放出されるエチレンを二酸化炭素と水に分解して植物の鮮度を保持する鮮度保持剤、及び該エチレン分解剤又該鮮度保持剤を備える、物品。
【選択図】なし

Description

本発明は、エチレン分解剤、鮮度保持剤、及びこれらを備えた物品に関する。
エチレンは、野菜、果実、花等の農産品にとって色づきや軟化といった成熟を促進する。このため、鮮度保持という観点ではエチレンは有害物質である。冷蔵冷凍庫や果物保存倉庫においてエチレンを除去することが鮮度保持のために重要である。
エチレン除去の従来法としては、紫外線照射による直接分解、活性炭等の吸着剤による吸着除去、酸化チタンに代表される光触媒による除去等の方法が挙げられる。しかしながら、紫外線照射による直接分解では、紫外線発生装置が必要であり、電力を消費する。活性炭等による吸着除去では、エチレンを吸着させた後の吸着剤を回収・再生したりする作業が必要である。光触媒を利用してエチレンを分解する場合は、紫外光等の照射が必須となる。
そこで、上記方法以外に、光照射を要さない触媒燃焼反応によるエチレンの分解が提案されている。特許文献1及び非特許文献1には、光照射を必要としないエチレン触媒燃焼反応のために、担体表面上に、セリウム−ジルコニウム−ビスマス複合酸化物と貴金属微粒子(白金コロイド由来)とを担持した触媒が開示されている。
特開2007−229559号公報
今中 信人、増井 敏行、寺田 麻子、今津 隼人、「Chemistry Letters」、2008年、第37巻、p.42−43
しかしながら、特許文献1及び非特許文献1に記載されている触媒は、セリウム−ジルコニウム−ビスマス複合酸化物という特殊な複合酸化物を必須の構成として含む。このため、触媒の性能や用途について種々展開するための改良や材料展開の余地が大きいとは言いがたい。
また、従来の金属触媒によるエチレン分解は、100℃以上の高温下で行われるのが当業者の技術常識であり、日常生活での利用は実質不可能であると考えられている。
こういった状況に鑑みて、本発明の課題は、エチレンの触媒分解反応に用いる触媒として、性状や性能等を制御し易く、入手や調製が容易であり、さらに低温での継続的な使用が可能なエチレン分解剤及び該分解剤を用いたエチレンの分解方法、植物の鮮度保持剤及び鮮度保持方法、並びにこれらを備えた物品を提供することにある。
本発明は、
〔1〕 多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させてなるエチレン分解剤であって、酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、エチレンを二酸化炭素と水に分解するための、エチレン分解剤、
〔2〕 酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、エチレンと前記〔1〕記載のエチレン分解剤とを接触させて、二酸化炭素と水に分解する、エチレンの分解方法、
〔3〕 多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させてなる植物の鮮度保持剤であって、酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、植物から放出されるエチレンを二酸化炭素と水に分解して植物の鮮度を保持する鮮度保持剤、
〔4〕 酸素の存在下、−1〜−40℃の温度条件下で、植物から放出されるエチレンと前記〔3〕記載の鮮度保持剤とを接触させて、二酸化炭素と水に分解する、植物の鮮度保持方法、並びに
〔5〕 前記〔1〕記載のエチレン分解剤、又は前記〔3〕記載の植物の鮮度保持剤を備える、物品
に関する。
性状や性能等を制御し易く、入手や調製が容易であり、さらに低温での継続的な使用が可能な本発明のエチレン分解剤を用いることにより、効率よく、エチレンを分解することができる。また、本発明のエチレン分解剤を鮮度保持剤として用いることにより、植物の鮮度を長期にわたって保持することができる。
実施例1〜5のエチレン分解剤を用いた−1℃でのエチレン分解評価における、エチレン分解率の経時変化を示すグラフである。 実施例6のエチレン分解剤を用いた−20℃でのエチレン分解評価における、エチレン分解率の経時変化を示すグラフである。
本発明のエチレン分解剤は、多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させて得られるものである。
本発明における多孔質シリカとは、多孔質構造を持つケイ素酸化物を主成分とする物質を意味する。
多孔質シリカの平均細孔直径は、分解反応の進行を促進する観点から、0.5nm以上が好ましく、白金を粒子状で担持する観点から、15nm以下が好ましい。これらの観点から、多孔質シリカの平均細孔直径は、好ましくは0.5〜15nm、より好ましくは0.5〜10nm、さらに好ましくは0.5〜7nm、さらに好ましくは0.5〜5nmである。本発明において、多孔質シリカの平均細孔直径は、窒素吸脱着によるNL−DFT法により算出することができる。
多孔質シリカの比表面積は、白金の担持量を高める観点から、300m/g以上が好ましく、製造が実現可能である観点から、2000m/g以下が好ましい。これらの観点から、多孔質シリカの比表面積は、好ましくは300〜2000m/g、より好ましくは600〜1500m/gである。本発明において、多孔質シリカの比表面積は、窒素吸脱着によるBET法により算出することができる。
さらに、多孔質シリカは、X線回折のd間隔が2.0nmより大きい位置に少なくとも1つのピークを有することが好ましい。X線回折ピークは、そのピーク角度に相当するd値の周期構造が試料中にあることを意味する。従って、2.0nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が2.0nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。このように規則的に配列した細孔をもつ多孔質シリカを、本発明においては、メソポーラスシリカともいう。d間隔は、好ましくは2.0〜25nm、より好ましくは3.0〜20nmである。本発明において、多孔質シリカのX線回折パターンは粉末X線回折装置により測定することができる。
多孔質シリカの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば次のようにして製造できる。まず、無機原料と有機原料を混合し、反応させることにより、有機物を鋳型としてそのまわりに無機物の骨格が形成された有機物と無機物の複合体を形成させる。次いで、得られた複合体から有機物を除去することにより、多孔質シリカが得られる。
無機原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等のアルコキシシラン、ケイ酸ソーダ、カネマイト(kanemite、NaHSi・3HO)、シリカ、シリカ−金属複合酸化物等が挙げられる。これらの無機原料はシリケート骨格を形成する。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
鋳型として使用される有機原料は、特に限定されるものではないが、例えば界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は陽イオン性、陰イオン性、非イオン性のうちのいずれであってもよく、具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム(好ましくはアルキル基の炭素数が8〜18のアルキルトリメチルアンモニウム)、アルキルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物又は水酸化物の他、脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤、一級アルキルアミン、トリブロックコポリマー型のポリアルキレンオキサイド、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
無機原料と有機原料を混合する場合、適当な溶媒を用いることができる。溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合物等が挙げられる。
無機物と有機物の複合体の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、有機原料を溶媒に溶解後、無機原料を添加し、所定のpHに調製した後に、反応混合物を所定の温度に保持して縮重合反応を行う方法が挙げられる。縮重合反応の反応温度は使用する有機原料や無機原料の種類や濃度によって異なるが、通常0〜100℃程度が好ましく、より好ましくは35〜80℃である。
縮重合反応の反応時間は、通常1〜24時間程度が好ましい。また、上記の縮重合反応は、静置状態、撹拌状態のいずれで行ってもよく、またそれらを組み合わせて行ってもよい。
縮重合反応後に得られる複合体から有機原料を除去することによって、多孔質シリカが得られる。有機物と無機物の複合体からの有機物の除去は、400〜800℃で焼成する方法、水やアルコール等の溶媒で処理する方法等の方法により行うことができる。
本発明において、多孔質シリカは、細孔容積の観点から、細孔が規則的に配列したメソポーラスシリカであることが好ましい。メソポーラスシリカは、例えば、珪酸ソーダを、界面活性剤を含む水溶液中に分散させ、加熱撹拌しながら塩酸を添加して分散液のpHを調整し、得られた固形生成物を洗浄・乾燥した後、400〜800℃程度で焼成することにより得られる。
本発明において、多孔質シリカに担持される白金含有化合物としては、塩化白金、酸化白金、水酸化白金、塩化白金酸塩のほかに、その他金属との合金等が挙げられる。
本発明において、多孔質シリカに担持された白金又は白金含有化合物の粒子は、触媒活性の観点から、好ましくは0.5〜7nmであり、より好ましくは1〜4nmである。
本発明のエチレン分解剤における白金又は白金含有化合物の含有量は、触媒活性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、製造コストの観点から、5質量%以下が好ましい。これらの観点から、白金又は白金含有化合物の含有量は、エチレン分解剤中、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量、さらに好ましくは0.1〜2質量%である。
多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させたエチレン分解剤は、例えば、白金原子を含む白金化合物、白金錯体等の白金原料と多孔質シリカとの混合物を還元することにより得られる。具体的には、例えば、白金原料を含む水溶液を調製し、多孔質シリカを含浸させ、乾燥した後、還元して、多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させたエチレン分解剤を得ることができる。
白金原料としては、塩化白金酸、ジニトロジアンミン白金、硝酸テトラアンミン白金等が挙げられる。
白金原料を含む水溶液に含浸した多孔質シリカを乾燥させるための温度条件は、特に限定されないが、50〜200℃程度が好ましい。
還元方法としては、還元剤、熱、光等で処理する方法を用いることができ、白金原料が分解して白金粒子を生成する条件を適宜設定する。過度の処理は生成した白金粒子のシンタリングによる粒子径の増大の可能性があるため、適当な条件の設定が必要である。
例えば、塩化白金酸を用いた場合、還元剤として水素を使用し、100〜400℃の温度条件下で、処理することが好ましい。
白金又は白金含有化合物は、これらが粒子成長により粗大な粒子となると触媒活性が低下するため、多孔質シリカの細孔外よりも細孔内に担持されていることが好ましい。細孔外に担持(付着)した白金又は白金粒子は、流水等により洗浄除去することができる。
本発明のエチレン分解剤は、従来の金属触媒によるエチレン分解が、100℃以上の高温下で行われるのが当業者の技術常識であるのに対し、氷点を下回る温度域でも、エチレンの分解を持続することができる。また、下記のエチレンの触媒の分解反応において、光触媒系ではアセトアルデヒド(CHCHO)まで、パラジウム系触媒では酢酸(CHCOOH)までの分解が一般的であるのに対し、本発明のエチレン分解剤では、二酸化炭素と水にまで分解することができる。
Figure 2017023889
そこで、本発明では、本発明のエチレン分解剤を用いたエチレンの分解方法として、酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、エチレンと本発明のエチレン分解剤とを接触させて、二酸化炭素と水に分解する方法を提供する。本発明のエチレン分解剤は前記エチレンの分解方法に用いるためのものである。
本発明のエチレン分解剤は、前記の如く、従来エチレンの触媒燃焼反応による分解に用いられている触媒に比べて、氷点を下回る低温度条件でもエチレンを分解することができる。
本発明のエチレン分解剤を使用する温度条件は、−1℃以下であり、−5℃以下、−10℃以下、さらには−40℃の温度までであっても使用することができる。
エチレンは、果物、野菜、花等の様々な植物から放出されるものであり、放出されたエチレンは、植物の腐敗を促進する作用をもつ。また、冷蔵冷凍下で果物、野菜、花等の鮮度を保って保管や輸送を行う社会的要請は大きい。これに対し、本発明のエチレン分解剤は氷点を下回る低温下でも、エチレンを効率よく分解することができるだけでなく、分解により生成した二酸化炭素により、植物の呼吸活動が抑制され、植物の老化が抑制される。従って、本発明のエチレン分解剤は、植物の鮮度保持剤として極めて有用である。
よって、本発明は、本発明のエチレン分解剤を植物の鮮度保持剤として用いる方法、即ち、酸素の存在下、−1〜−40℃の温度条件下で、植物から放出されるエチレンと本発明の鮮度保持剤とを接触させて、二酸化炭素と水に分解する、植物の鮮度保持方法をさらに提供する。本発明の植物の鮮度保持剤は前記鮮度保持方法に用いるためのものである。
この植物の鮮度保持方法は、植物から放出されるエチレンの分解に用いる以外は、前記エチレンの分解方法と同様である。
本発明のエチレン分解剤及び植物の鮮度保持剤は、特に植物の鮮度保持が要求される様々な物品に備えることができる。本発明のエチレン分解剤及び植物の鮮度保持剤を備えた物品の具体例としては、植物の保管又は輸送に用いられる物品、例えば、袋、容器、フィルター、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナ、空調機、車両、船舶、航空機等のものが挙げられる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
実施例1、3〜6
表1に示す担体1.0gを50mLの水に懸濁させ、Pt担持量1.0質量%になるように塩化白金酸水溶液[HPtCl aq.]を滴下し、その水溶液を室温にて一晩撹拌した。エバポレータを用いて50℃に加熱して溶媒を留去し、得られた粉末を60℃で16〜18時間真空乾燥させ、水素ガスを、30mL/minで流通させながら、150℃で2時間の還元処理をすることによって担体に白金を担持させたエチレン分解剤を得た。
実施例2
表1に示す担体1.0gを50mLの水に懸濁させ、Pt担持量1.0質量%になるようにジニトロジアンミン白金硝酸水溶液[(NO(NHPt・HNO aq.]を滴下し、その水溶液を室温にて一晩撹拌した。エバポレータを用いて50℃に加熱して溶媒を留去し、得られた粉末を60℃で16〜18時間真空乾燥させ、水素ガスを、30mL/minで流通させながら、300℃で2時間の還元処理をすることによって担体に白金を担持させたエチレン分解剤を得た。
実施例1〜6で使用した担体の、窒素吸脱着測定より得られた吸着等温線を用いてBET法により比表面積(SBET)及び全細孔容積(Vtot)を、NL−DFT法により平均細孔直径(Dmeso)を得た。結果を表1に示す。
また、各担体の粉末X線回折を行ったところ、X線回折のd間隔は、実施例1、2で使用した担体は9.4nm、5.8nm、4.9nmに、実施例3で使用した担体は10.2nmに、実施例4で使用した担体は4.5nm、2.6nm、2.3nm、1.7nmに、実施例5で使用した担体は4.9nm、2.9nm、2.5nm、1.9nmに、実施例6で使用した担体は3.8nm、2.2nm、1.9nm、1.5nmに、それぞれピークを有していた。
また、実施例1〜6で得られたエチレン分解剤に関してそれぞれ粉末X線回折及び窒素吸脱着測定を行った。粉末X線回折より得られた回折ピークからシェラー式を用いてPt粒子径(結晶子径,DPt)を算出した。また、担体と同様に、窒素吸脱着測定より得られた吸着等温線を用いてBET法により比表面積(SBET)及び全細孔容積(Vtot)を、NL−DFT法により平均細孔直径(Dmeso)を得た。結果を表1に示す。
いずれのエチレン分解剤も、白金担時前後で構造特性に大きな変化が見られなかった。また、いずれのエチレン分解剤からもXRDパターンから白金由来の回折ピークが観測された。
Figure 2017023889
エチレン分解評価
実施例1〜6で得られたエチレン分解剤を、2kNの圧力によって圧縮成型しふるい分けした。ふるい分けにより得られた顆粒状のエチレン分解剤(355−500μm)0.400gをステンレス製反応容器に充填し,ヘリウム下(30mL/min)で150℃、1時間の加熱処理をすることによってエチレン分解剤を活性化し、分解剤表面の吸着水を除去した。
(1) −1℃でのエチレン分解
実施例1〜5で得られたエチレン分解剤の−1℃におけるエチレン酸化反応活性を、固定床流通式反応装置を用いて評価した。
即ち、エチレン分解剤の層を−1℃に冷却しながら、エチレンを含む反応ガス(エチレン濃度,50ppm;酸素,20体積%;窒素,5体積%;ヘリウム,残部:バランスガス)を10mL/minで流通させ(空間速度1500/h),出口ガスのエチレン含有量をAgilent 3000A Micro GC(TCD,molecular sieves 5A(10m),Plot U (8m))で分析することによってエチレン分解活性を評価した。
60分反応後の出口ガスを確認したところ、二酸化炭素及び水が検出された。これはエチレンが二酸化炭素と水に分解されていることを示している。
実施例1〜5のエチレン分解剤の−1℃でのエチレン分解率の経時変化を示すグラフを図1に示す。
(2) −20℃でのエチレン分解
エチレン分解を−20℃の温度条件下で行った以外は前記と同様にして、実施例6で得られたエチレン分解剤の−20℃におけるエチレン酸化反応活性を、固定床流通式反応装置を用いて評価した。
60分反応後の出口ガスを確認したところ、二酸化炭素及び水が検出された。これはエチレンが二酸化炭素と水に分解されていることを示している。
実施例6のエチレン分解剤の−20℃でのエチレン分解率の経時変化を示すグラフを図2に示す。
図1、2のグラフより、本発明のエチレン分解剤を用いて、氷点を下回る極めて低い温度条件下でも、エチレンを分解することができ、しかも驚くべきことに、20%程度ものエチレン分解率を長時間にわたって持続していることが分かる。
本発明のエチレン分解剤は、野菜、果実等の植物から放出されるエチレンの分解に好適に用いられるものである。

Claims (10)

  1. 多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させてなるエチレン分解剤であって、酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、エチレンを二酸化炭素と水に分解するための、エチレン分解剤。
  2. 多孔質シリカが、1〜15nmの平均細孔直径を有し、300〜2000m/gの比表面積を有し、X線回折のd間隔が2.0nmより大きい位置に少なくとも1つのピークを有する、請求項1記載のエチレン分解剤。
  3. 白金又は白金含有化合物の含有量が0.1〜5質量%であり、多孔質シリカに担持された白金又は白金含有化合物が、粒径が0.5〜7nmの粒子状である、請求項1又は2記載のエチレン分解剤。
  4. 酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、エチレンと請求項1〜3いずれか記載のエチレン分解剤とを接触させて、二酸化炭素と水に分解する、エチレンの分解方法。
  5. 多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させてなる植物の鮮度保持剤であって、酸素の存在下、−1〜−40℃の雰囲気下で、植物から放出されるエチレンを二酸化炭素と水に分解して植物の鮮度を保持する鮮度保持剤。
  6. 多孔質シリカが、1〜10nmの平均細孔直径を有し、300〜2000m/gの比表面積を有し、X線回折のd間隔が2.0nmより大きい位置に少なくとも1つのピークを有する、請求項5記載の鮮度保持剤。
  7. 白金又は白金含有化合物の含有量が0.1〜5質量%であり、多孔質シリカに担持された白金又は白金含有化合物が、粒径が0.5〜7nmの粒子状である、請求項5又は6記載の鮮度保持剤。
  8. 酸素の存在下、−1〜−40℃の温度条件下で、植物から放出されるエチレンと請求項5〜7いずれか記載の鮮度保持剤とを接触させて、二酸化炭素と水に分解する、植物の鮮度保持方法。
  9. 請求項1〜3いずれか記載のエチレン分解剤、又は請求項5〜7いずれか記載の植物の鮮度保持剤を備える、物品。
  10. 袋、容器、フィルター、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナ、空調機、車両、船舶、又は航空機である、請求項9記載の物品。
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