JP6592191B2 - Voc分解剤 - Google Patents

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Description

本発明は、VOC分解剤、鮮度保持剤、環境浄化剤、及びこれらを備えた物品、ならびに、VOCの分解方法、鮮度保持方法、及び環境浄化方法に関する。
近年、揮発性有機化合物(VOC)が問題となっている。飲食品の分野においては、野菜等の成熟を促進するエチレンや、悪臭の原因となるアセトアルデヒド、メチルメルカプタン、トリメチルアミンなどが問題視されており、活性炭等による吸着や、光触媒、金属触媒を利用した酸化分解などが行われている。また、VOCは、浮遊粒子状物質や光化学オキシダントに係る大気汚染の原因の一つであり、排出規制などの取り組みが検討されている。
例えば、特許文献1には、活性炭に、臭素、硫酸、およびアルカリ金属ハロゲン化物を均一に担持させてなる下水処理場の脱臭用吸着剤が開示されている。
特許文献2には、基材上に、酸化チタンおよび酸化亜鉛の少なくとも2種の光触媒粒子を含有する層が形成されており、前記酸化チタンの50%粒子径よりも酸化亜鉛の50%粒子径のほうが大きいことを特徴とする室内空間用脱臭材が開示されている。
特許文献3及び非特許文献1には、光照射を必要としないエチレン触媒燃焼反応のために、担体表面上に、セリウム−ジルコニウム−ビスマス複合酸化物と貴金属微粒子(白金コロイド由来)とを担持した触媒が開示されている。
特許第3766771号公報 特開2003−126234号公報 特開2007−229559号公報
今中 信人、増井 敏行、寺田 麻子、今津 隼人、「Chemistry Letters」、2008年、第37巻、p.42−43
しかしながら、特許文献1記載の発明は、吸着能が経時的に低下してしまい、長期間の使用が困難である。特許文献2記載の発明は、光を照射する装置が必要であるため、簡易にその実施をすることができず、また、分解能も十分なものではない。特許文献3及び非特許文献1に記載されている触媒は、セリウム−ジルコニウム−ビスマス複合酸化物という特殊な複合酸化物を必須の構成として含む。このため、触媒の性能や用途について種々展開するための改良や材料展開の余地が大きいとは言いがたい。また、従来の金属触媒によるVOC分解は、100℃以上の高温下で行われるのが当業者の技術常識であり、日常生活での利用は実質不可能であると考えられている。
本発明の課題は、性状や性能等を制御し易く、入手や調製が容易であり、さらに低温での継続的な使用が可能なVOC分解剤を提供することにある。
本発明は、
[1]白金又は白金含有化合物を担持した多孔質シリカを含むVOC分解剤であって、前記多孔質シリカは、アルミニウムがドープされた多孔質シリカである、VOC分解剤、
[2]酸素の存在下、VOCと[1]記載のVOC分解剤とを接触させてVOCを分解する、VOCの分解方法、
[3][1]記載のVOC分解剤を含む、植物の鮮度保持剤、
[4][1]記載のVOC分解剤を含む、飲食品の鮮度保持剤、
[5]酸素の存在下、VOCと[3]又は[4]記載の鮮度保持剤とを接触させてVOCを分解する、植物又は飲食品の鮮度保持方法、
[6][1]記載のVOC分解剤を含む、環境浄化剤、
[7]酸素の存在下、VOCと[6]記載の環境浄化剤とを接触させてVOCを分解する、環境浄化方法、及び
[8][1]記載のVOC分解剤、[3]若しくは[4]記載の鮮度保持剤、又は[6]記載の環境浄化剤を備える、物品、
に関する。
本発明によれば、性状や性能等を制御し易く、入手や調製が容易であり、さらに低温での継続的な使用が可能なVOC分解剤を提供することができる。
各実施例、参考例および比較例のVOC分解剤の粉末X線回折において0°<2θ<8°の位置の回折パターンを示すグラフである。 各実施例、参考例および比較例のVOC分解剤の粉末X線回折において30°<2θ<50°の位置の回折パターンを示すグラフである。
本発明のVOC分解剤は、白金又は白金含有化合物(以下、「白金等」ともいう)を担持した多孔質シリカを含むものである。本発明における多孔質シリカは、多孔質構造を持つケイ素酸化物を主成分とする物質を意味し、アルミニウムでドープされている。本発明者らは、白金等を担持させた多孔質シリカがVOCの分解活性に優れることを新たに見出し、また、多孔質シリカにアルミニウムをドープすることにより、白金等を担持した際のVOCの分解活性や、その耐久性がさらに向上することを見出して本発明を完成するに至った。このメカニズムは定かではないが、アルミニウムをドープすることにより多孔質シリカの細孔内に固体酸点が発現し、細孔表面が親水化されることおよび、その固体酸点が助触媒的に働き、VOCの分解反応を促進するためと推定される。
また、多孔質シリカに固体酸点が発現することにより、トリメチルアミン等の塩基性物質を中和し、多孔質シリカの構造が崩壊するのを防ぐことも、耐久性の向上に寄与していると推定される。
多孔質シリカの平均細孔直径は、分解反応の進行を促進する観点から、1nm以上が好ましく、白金等を粒子状で担持する観点から、15nm以下が好ましい。これらの観点から、多孔質シリカの平均細孔直径は、好ましくは1〜15nm、より好ましくは1〜10nm、さらに好ましくは1〜8nmである。本発明において、多孔質シリカの平均細孔直径は、窒素吸脱着によるBJH法により算出することができる。
多孔質シリカの比表面積は、白金等の担持量を高める観点から、300m/g以上が好ましく、製造が実現可能である観点から、2000m/g以下が好ましい。これらの観点から、多孔質シリカの比表面積は、好ましくは300〜2000m/g、より好ましくは500〜1500m/g、さらに好ましくは600〜1200m/gである。本発明において、多孔質シリカの比表面積は、窒素吸脱着によるBET法により算出することができる。
多孔質シリカの全細孔容積は、VOCとの接触効率向上の観点から、0.4cm/g以上が好ましく、製造が実現可能である観点から、3.0cm/g以下が好ましい。これらの観点から、多孔質シリカの全細孔容積は、好ましくは0.4〜3.0cm/g、より好ましくは0.45〜2cm/g、さらに好ましくは0.5〜1.5cm/gである。本発明において、多孔質シリカの全細孔容積は、窒素吸脱着によるBET法により算出することができる。
さらに、多孔質シリカは、X線回折のd間隔が2.0nmより大きい位置に少なくとも1つのピークを有することが好ましい。X線回折ピークは、そのピーク角度に相当するd値の周期構造が試料中にあることを意味する。従って、2.0nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が2.0nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。このように規則的に配列した細孔をもつ多孔質シリカを、本発明においては、メソポーラスシリカともいう。d間隔は、好ましくは2.0〜25.0nm、より好ましくは2.5〜20.0nm、さらに好ましくは3.0〜18nmである。本発明において、多孔質シリカのX線回折パターンはX線源にCuKα線用いた粉末X線回折装置により測定することができる。
多孔質シリカの製造方法としては、特に限定されるものではないが、例えば次のようにして製造できる。まず、無機原料と有機原料を混合し、反応させることにより、有機物を鋳型としてそのまわりに無機物の骨格が形成された有機物と無機物の複合体を形成させる。次いで、得られた複合体から有機物を除去することにより、多孔質シリカが得られる。
無機原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等のアルコキシシラン、珪酸ソーダ、カネマイト(kanemite、NaHSi ・3HO)、シリカ、シリカ−金属複合酸化物等が挙げられる。これらの無機原料はシリケート骨格を形成する。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
鋳型として使用される有機原料は、特に限定されるものではないが、例えば界面活性剤等が挙げられる。界面活性剤は陽イオン性、陰イオン性、非イオン性のうちのいずれであってもよく、具体的には、アルキルトリメチルアンモニウム(好ましくはアルキル基の炭素数が8〜22のアルキルトリメチルアンモニウム)、アルキルアンモニウム、ジアルキルジメチルアンモニウム、ベンジルアンモニウムの塩化物、臭化物、ヨウ化物又は水酸化物の他、脂肪酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリエチレンオキサイド系非イオン性界面活性剤、一級アルキルアミン、トリブロックコポリマー型のポリアルキレンオキサイド等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
無機原料と有機原料を混合する場合、適当な溶媒を用いることができる。溶媒としては、特に限定されるものではないが、例えば水、有機溶媒、水と有機溶媒との混合物等が挙げられる。
無機物と有機物の複合体の形成方法は特に限定されるものではないが、例えば、有機原料を溶媒に溶解後、無機原料を添加し、所定のpHに調製した後に、反応混合物を所定の温度に保持して縮重合反応を行う方法が挙げられる。縮重合反応の反応温度は使用する有機原料や無機原料の種類や濃度によって異なるが、通常0〜100℃程度が好ましく、より好ましくは35〜80℃である。
縮重合反応の反応時間は、通常1〜24時間程度が好ましい。また、上記の縮重合反応は、静置状態、撹拌状態のいずれで行ってもよく、またそれらを組み合わせて行ってもよい。
縮重合反応後に得られる複合体から有機原料を除去することによって、多孔質シリカが得られる。有機物と無機物の複合体からの有機物の除去は、400〜800℃で焼成する方法、水やアルコール等の溶媒で処理する方法等の方法により行うことができる。
本発明において、多孔質シリカは、細孔容積の観点から、細孔が規則的に配列したメソポーラスシリカであることが好ましい。メソポーラスシリカは、例えば、珪酸ソーダを、界面活性剤を含む水溶液中に分散させ、加熱撹拌しながら塩酸を添加して分散液のpHを調整し、得られた固形生成物を洗浄・乾燥した後、400〜800℃程度で焼成することにより得られる。
本発明において、アルミニウムを多孔質シリカにドープする方法としては、特に限定されるものではないが、多孔質シリカの製造過程において、溶液中で無機原料と有機原料を混合する際にアルミニウム塩を同時に混合する方法や、無機物と有機物の複合体を形成させた後にアルミニウム溶液に含浸・焼成させる方法、あるいは、多孔質シリカをアルミニウム溶液に含浸・焼成させる方法などが挙げられる。このうち、簡便な方法という観点から、溶液中で無機原料と有機原料を混合する際にアルミニウム塩を同時に混合する方法が好ましい。かかる方法の具体例としては、珪酸ソーダを、界面活性剤、アルミニウム塩を含む水溶液中に分散させ、加熱撹拌しながら塩酸を添加して分散液のpHを調整し、得られた固形生成物を洗浄・乾燥した後、400〜800℃程度で焼成する方法などが挙げられる。
ドープするアルミニウムの原料としては、特に限定されるものではないが、例えば硝酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム等の水溶性や油溶性のアルミニウム塩等が挙げられる。これらは、単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
ドープするアルミニウムの量は、触媒活性の観点から、多孔質シリカ100質量部に対して好ましくは0.05〜15質量部であり、より好ましくは0.5〜10質量部であり、さらに好ましくは1〜5質量部である。
本発明において、多孔質シリカに担持される白金含有化合物としては、塩化白金、酸化白金、水酸化白金、塩化白金酸塩のほかに、その他金属との合金等が挙げられる。
本発明において、多孔質シリカに担持された白金又は白金含有化合物における金属粒子径は、触媒活性の観点から、好ましくは0.5〜7nmであり、より好ましくは0.7〜5nm、さらに好ましくは1〜4nmである。本発明において、白金又は白金含有化合物における金属粒子径は、粉末X線回折より得られた37°<2θ<42°の位置にある回折ピークからシェラー式を用いて算出することができる。なお、37°<2θ<42°の位置にピークが観測されないものについては、COパルス吸着より、白金又は白金含有化合物における金属粒子径を算出することができる。
本発明において、多孔質シリカに担持された白金又は白金含有化合物は、X線回折において、回折角2θが37〜42°の位置にピークを有しないことが好ましい。上記位置のX線回折ピークは、担持された白金又は白金含有化合物粒子の(111面)に起因するピークであり、このピークが検出されないことは、粒子が微細であり、かつ粒子径がおおよそ5nmを超える大きな粒子が存在していないことを意味する。本発明においてVOC分解剤のX線回折パターンはX線源にCuKα線を用いた粉末X線回折装置により測定することができる。
本発明のVOC分解剤における白金又は白金含有化合物の含有量は、触媒活性の観点から、0.1質量%以上が好ましく、製造コストの観点から、5質量%以下が好ましい。これらの観点から、白金又は白金含有化合物の含有量は、VOC分解剤中、好ましくは0.1〜5質量%、より好ましくは0.1〜3質量、さらに好ましくは0.1〜2質量%である。
アルミニウムがドープされた多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させたVOC分解剤は、例えば、白金原子を含む白金化合物、白金錯体等の白金原料とアルミニウムがドープされた多孔質シリカとの混合物を還元することにより得られる。具体的には、例えば、白金原料を含む水溶液を調製し、アルミニウムがドープされた多孔質シリカを含浸させ、乾燥した後、還元して、アルミニウムがドープされた多孔質シリカに白金又は白金含有化合物を担持させたVOC分解剤を得ることができる。
白金原料としては、塩化白金酸、ジニトロジアンミン白金、硝酸テトラアンミン白金等が挙げられる。
白金原料を含む水溶液に含浸したアルミニウムがドープされた多孔質シリカを乾燥させるための温度条件は、特に限定されないが、50〜200℃程度が好ましい。
還元方法としては、還元剤、熱、光等で処理する方法を用いることができ、白金原料が分解して白金粒子を生成する条件を適宜設定する。過度の処理は生成した白金粒子のシンタリングによる粒子径の増大の可能性があるため、適当な条件の設定が必要である。
例えば、塩化白金酸を用いた場合、還元剤として水素を使用し、100〜400℃の温度条件下で、処理することが好ましい。
白金又は白金含有化合物は、これらが粒子成長により粗大な粒子となると触媒活性が低下するため、多孔質シリカの細孔外よりも細孔内に担持されていることが好ましい。細孔外に担持(付着)した白金又は白金粒子は、流水等により洗浄除去することができる。
本発明のVOC分解剤は、従来の金属触媒によるVOC分解が、100℃以上の高温下で行われるのが当業者の技術常識であるのに対し、室温などの低温度域でも、VOCの分解を持続することができる。本発明のVOC分解剤を使用する温度条件は、特に限定されるものではないが、80〜−40℃の雰囲気下で使用でき、日常生活での利用を考慮すると、40℃以下や30℃以下での使用が挙げられ、より具体的には、冷蔵庫で使用する場合には15〜0℃、冷凍庫で使用する場合には−5〜−25℃などが挙げられる。
そこで、本発明では、酸素の存在下、前記温度条件でVOCと本発明のVOC分解剤とを接触させてVOCを分解する、VOCの分解方法を提供する。なお、VOC分解の目的として、以下に飲食品や植物の保存等における例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。空気中の臭気物質や汚染物質などの分解除去による空気清浄など、他の目的に使用されてもよい。空気清浄としては、屋内及び屋外における空気清浄を目的とすることができる。屋内の空気清浄としては、建材、塗料、樹脂等から放出されるシックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物の分解などが挙げられる。屋外の空気清浄としては、車両や工場などから大気中に排出される揮発性有機化合物を分解するなど、環境汚染原因物質を分解して環境浄化に資することについても目的とすることができる。即ち、本発明においては、VOC分解剤を含む環境浄化剤、及び酸素の存在下、前記温度条件でVOCと環境浄化剤とを接触させてVOCを分解する環境浄化方法などもさらに提供するものである。
環境浄化方法としては、例えば大気中や室内空気中のVOC濃度0.01〜2000ppm、100〜−40℃となるような場所において、本発明の環境浄化剤を使用する方法が挙げられる。このような場所としては、交通量の多い道路の近傍や工場内外、室内や家具内などが挙げられる。本発明の環境浄化剤の使用態様としては、粉体の触媒をそのまま、または各種バインダーや基材等を適宜併用のうえ繊維や不織布、紙、ペレット、スラリー等に加工し、車両や工場、家屋における吸排気口や空気清浄機、空調機、空気撹拌機等のフィルター部への設置や、壁材や床材、底材、塗料、カーペットやカーテンなどとして、または通気性のある小型の容器等へ充填し据置型の浄化剤として、工場、倉庫、家屋や家具等の内部への設置などが挙げられる。
本発明にかかるVOC分解剤で分解されるVOCとしては、炭化水素類、有機酸、アルデヒド類、硫黄化合物、及び窒素化合物などが挙げられる。
炭化水素類は、炭素と水素からなる化合物であれば特に限定されるものではないが、エチレン、プロピレン、ブテン、アセチレン、トルエンなどが挙げられる。
例えば、エチレンの場合、下記のエチレンの触媒の分解反応において、従来はアセトアルデヒド(CHCHO)や酢酸(CHCOOH)までの分解が一般的であったが、本発明のVOC分解剤では、二酸化炭素と水にまで分解することができる。
Figure 0006592191
エチレンは、例えば、果物、野菜、花き等の様々な植物から放出され、放出されたエチレンは、植物の腐敗を促進する作用をもつ。本発明のVOC分解剤は、低温下でもエチレンを効率よく分解することができるだけでなく、分解により生成した二酸化炭素により、植物の呼吸活動が抑制され、植物の老化が抑制される。従って、本発明のVOC分解剤は、植物の鮮度保持剤として極めて有用である。
有機酸は、カルボキシル基を持つ化合物であれば特に限定されるものではないが、酢酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、安息香酸などが挙げられる。
アルデヒド類は、アルデヒド基を持つ化合物であれば特に限定するものではないが、蟻酸、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、クロトンアルデヒド、ヘキサナール、ノネナールなどが挙げられる。
硫黄化合物は、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、メルカプトエタノールなどが挙げられる。
窒素化合物は、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミン、エチレンジアミン、アンモニアなどが挙げられる。
有機酸、アルデヒド類、硫黄化合物、及び窒素化合物は、例えば、魚や肉の腐敗の過程で放出され、臭気の原因となる。また、飲食品を保存する際、被保存物に炭酸ガスを作用させるなどして、被保存物の表面を弱酸性にして鮮度を維持しようとする場合において、被保存物の周囲にVOCがある程度残存していると、被保存物に炭酸ガスを作用させることがVOCにより阻害され、鮮度維持が困難となる。本発明のVOC分解剤は、低温下でもVOCを効率よく分解し、炭酸ガス濃度を上昇させることができるため、飲食品の鮮度保持剤として極めて有用である。なお、飲食品とは、飲料と固形食品の両方を含むものを指す。
前記のとおり、本発明のVOC分解剤を含む鮮度保持剤は極めて有用である。よって、本発明は、酸素の存在下、前記温度条件でVOCと本発明の鮮度保持剤とを接触させてVOCを分解する、鮮度保持方法をさらに提供する。なお、鮮度保持の対象としては、前記の飲食品、植物に限定されず、VOCの存在により鮮度が低下する物であればよい。
鮮度保持方法としては、例えば室内、庫内、容器内、包装内等の空気中のVOC濃度0.01〜2000ppm、80〜−25℃となるような場所において、本発明の鮮度保持剤を使用する方法が挙げられる。このような場所としては、室内、倉庫、冷蔵庫、冷凍庫、ショーケース、コンテナ、運搬ケース、トラック、包装の内部などが挙げられる。本発明の鮮度保持剤の使用態様としては、粉体の触媒をそのまま、または各種バインダーや基材等を適宜併用のうえ繊維や不織布、紙、ペレット、スラリー等に加工し、空気清浄機、空調機、空気撹拌機等のフィルターとしての設置や、壁材や床材、底材、塗料、カーペットやカーテンなどとして、または通気性のある小型の容器等へ充填し据置型の鮮度保持剤として、工場、倉庫、家屋、家電や包装材等の内部への設置などが挙げられる。
本発明のVOC分解剤、鮮度保持剤、及び環境浄化剤は、様々な物品に備えることができる。本発明のVOC分解剤、鮮度保持剤、及び環境浄化剤を備える物品の具体例としては、例えば、袋、容器、フィルター、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナ、空調機、車両、船舶、航空機等のものが挙げられる。
以下に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によってなんら限定されるものではない。
製造例1
(アルミニウムドープ多孔質シリカ担体の合成)
水ガラス(1号珪酸ソーダ)(SiO/NaO=2.00)50gを、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロマイドと塩化アルミニウム6水和物をそれぞれ0.04mol、0.02mol含むイオン交換水1Lに添加し70℃にて溶解した。さらに2NのHClを添加して、pHを8.5に調整し70℃で3時間撹拌した。その後水洗を5回繰り返し、40℃で乾燥した。この乾燥粉末を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中700℃にて6時間焼成し、多孔質シリカ100質量部に対して2.85質量部のアルミニウムがドープされたアルミニウムドープ多孔質シリカ担体Aを得た。
製造例2
(アルミニウムドープ多孔質シリカ担体の合成)
水ガラス(1号珪酸ソーダ)(SiO/NaO=2.00)50gを、ドコシルトリメチルアンモニウムクロライドと塩化アルミニウム6水和物をそれぞれ0.04mol、0.02mol含むイオン交換水1Lに添加し70℃にて溶解した。さらに2NのHClを添加して、pHを8.5に調整し70℃で3時間撹拌した。その後水洗を5回繰り返し、40℃で乾燥した。この乾燥粉末を窒素ガス中450℃で3時間加熱した後、空気中700℃にて6時間焼成し、多孔質シリカ100質量部に対して2.28質量部のアルミニウムがドープされたアルミニウムドープ多孔質シリカ担体Bを得た。
製造例3
(アルミニウムドープ多孔質シリカ担体の合成)
水ガラス(1号珪酸ソーダ)(SiO/NaO=2.00)50gを、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライドを0.04mol含むイオン交換水1Lに添加し70℃にて溶解した。さらに2NのHClを添加して、pHを8.5に調整し70℃で3時間撹拌した。その後水洗を5回繰り返し、さらにエタノールでリンスした後、塩化アルミニウム6水和物を0.14mol含むイオン交換水1L中で室温で1時間撹拌した。これをろ別し、ろ過物を40℃で乾燥した。この乾燥粉末を空気中700℃にて6時間焼成し、多孔質シリカ100質量部に対して3.92質量部のアルミニウムがドープされたアルミニウムドープ多孔質シリカ担体Cを得た。
各製造例で作製した担体の、窒素吸脱着測定より得られた吸着等温線を用いてBET法により比表面積(SBET)及び全細孔容積(Vtot)を、BJH法により平均細孔直径(Dmeso)を得た。結果を表1に示す。
実施例1〜3および参考例1
(多孔質シリカ担体への白金担持)
表1に示す担体1.0gを50mLの水に懸濁させ、白金担持量1質量%になるように塩化白金酸水溶液[HPtCl aq.]を滴下し、その水溶液を室温にて一晩撹拌した。エバポレータを用いて50℃に加熱して溶媒を留去し、得られた粉末を6℃で16〜18時間真空乾燥させ、水素ガスを、30mL/minで流通させながら、200℃で8時間の還元処理をすることによって担体に白金を担持させたVOC分解剤を得た。
比較例1
シリカゲルに白金を5質量%担持させた市販の触媒を比較例1のエチレン分解剤としてそのまま用いた。
各実施例、参考例、比較例のVOC分解剤に関して、それぞれ粉末X線回折、COパルス吸着及び窒素吸脱着測定を行った。なお、X線回折の測定は、リガク製RINT‐2200 UltimaIIにて行った。具体的な測定条件を以下に示す。
X線源:CuKα、管電圧:40kV、管電流40mA、ステップ幅:0.02deg.、スキャンスピード:0.5deg./min.、発散スリット:開放、発散縦スリット:開放、散乱スリット:開放、受光スリット:0.6mm、単色化:グラファイト結晶モノクロメーター
粉末X線回折より得られた37°<2θ<42°の位置にある回折ピークからシェラー式を用いて担持された白金又は白金含有化合物の金属粒子径(結晶子径,DM)を算出した。なお、37°<2θ<42°の位置にピークが観測されなかったものについては、COパルス吸着より担持された白金又は白金含有化合物の金属粒子径(結晶子径,DM)を算出した。また、担体と同様に、窒素吸脱着測定より得られた吸着等温線を用いてBET法により比表面積(SBET)及び全細孔容積(Vtot)を、BJH法により平均細孔直径(Dmeso)を得た。結果を表1に示す。粉末X線回折の結果を図1および図2に示す。
Figure 0006592191
エチレン分解除去評価
試験例1 4℃でのエチレン分解除去試験
各実施例、比較例のVOC分解剤を、2kNの圧力によって圧縮成型しふるい分けした。ふるい分けにより得られた顆粒状のVOC分解剤(355〜500μm)1gをステンレス製反応容器に充填し,ヘリウム下(75mL/min.)で150℃、1時間の加熱処理をすることによってVOC分解剤を活性化し、分解剤表面の吸着水を除去した。このように処理されたVOC分解剤を用いて下記のエチレン分解除去試験を行った。106ppmのエチレンを含む反応ガス(エチレン濃度、約106ppm;酸素、20体積%;窒素、残部)2.5Lを入れた「におい袋」(袋容量:3L、袋サイズ:250×250mm、材質:ポリエステルフィルム/東京ガラス器械株式会社製)に分解剤1gを投入し、4℃で20時間静置後、におい袋内のヘッドスペースのエチレン濃度をガス検知管(株式会社ガステック製)にて測定することによって、4℃でのエチレン分解除去活性を評価した。結果を表2に示す。
20時間反応後のヘッドスペースのガスを確認したところ、二酸化炭素及び水が検出された。これはエチレンが二酸化炭素と水に分解されていることを示している。
Figure 0006592191
試験例2 25℃でのエチレン分解除去試験
各実施例、参考例、比較例のVOC分解剤を用いて、分解剤投入後に25℃で20時間静置した以外は、試験例1と同様に試験を行った。結果を表3に示す。
エチレン分解除去評価
試験例3 耐水蒸気試験
各実施例、参考例、比較例のVOC分解剤を、2kNの圧力によって圧縮成型しふるい分けした。ふるい分けにより得られた顆粒状のVOC分解剤(355〜500μm)1gをステンレス製反応容器に充填し,ヘリウム下(75mL/min.)で150℃、1時間の加熱処理をすることによってVOC分解剤を活性化し、分解剤表面の吸着水を除去した。これらのVOC分解剤を、直接水分に触れないように40℃、相対湿度100%の空間に8日間静置し、このように処理されたVOC分解剤をそのまま用いて下記のエチレン分解除去試験を行った。106ppmのエチレンを含む反応ガス(エチレン濃度、約106ppm;酸素、20体積%;窒素、残部)2.5Lを入れた「におい袋」(袋容量:3L、袋サイズ:250×250mm、材質:ポリエステルフィルム/東京ガラス器械株式会社製)に分解剤1gを投入し、25℃で20時間静置後、におい袋内のヘッドスペースのエチレン濃度をガス検知管(株式会社ガステック製)にて測定することによって、25℃でのエチレン分解除去活性を評価した。結果を表3に示す。
Figure 0006592191
試験例4 アルデヒド分解除去試験
各実施例、比較例の分解剤を用いて下記のアルデヒド分解除去試験を行った。表4に記載の量のアルデヒド(アセトアルデヒド)を含む反応ガス(アセトアルデヒド濃度、約100ppm;酸素、20体積%;窒素、残部:バランスガス)2.5Lを入れた「におい袋」(袋容量:3L、袋サイズ:250×250mm、材質:ポリエステルフィルム/アズワン株式会社製)に分解剤500mgを投入し、20℃で21時間静置後、におい袋内のヘッドスペースのアルデヒド(アセトアルデヒド)濃度をガス検知管(株式会社ガステック製)にて測定した。結果を表4に示す。
試験例5 トリメチルアミン分解除去試験
各実施例、比較例の分解剤を用いて下記のトリメチルアミン分解除去試験を行った。表4に記載の量のトリメチルアミンを含む反応ガス(トリメチルアミン濃度、約3ppm;酸素、20体積%;窒素、残部:バランスガス)2.5Lを入れた「におい袋」(袋容量:3L、袋サイズ:250×250mm、材質:ポリエステルフィルム/アズワン株式会社製)に分解剤500mgを投入し、20℃で21時間静置後、におい袋内のヘッドスペースのトリメチルアミン濃度をガス検知管(株式会社ガステック製)にて測定した。結果を表4に示す。
試験例6 メチルメルカプタン分解除去試験
各実施例、比較例の分解剤を用いて下記のメチルメルカプタン分解除去試験を行った。表4に記載の量のメチルメルカプタンを含む反応ガス(メチルメルカプタン濃度、約1.5ppm;酸素、20体積%;窒素、残部:バランスガス)2.5Lを入れた「におい袋」(袋容量:3L、袋サイズ:250×250mm、材質:ポリエステルフィルム/アズワン株式会社製)に分解剤500mgを投入し、20℃で21時間静置後、におい袋内のヘッドスペースのメチルメルカプタン濃度をガス検知管(株式会社ガステック製)にて測定した。結果を表4に示す。
Figure 0006592191
試験例7 20℃でのホルムアルデヒド分解除去試験
各実施例の分解剤を用いて下記のホルムアルデヒド分解除去試験を行った。表5に記載の量のホルムアルデヒドを含む反応ガス(ホルムアルデヒド濃度、約400ppm;酸素、20体積%;窒素、残部;バランスガス)2.5Lを入れた「におい袋」(袋容量:3L、袋サイズ:250×250mm、材質:ポリエステルフィルム/アズワン株式会社製)に分解剤500mgを投入し、20℃で4時間静置後、におい袋内のヘッドスペースのホルムアルデヒド濃度をガス検知管(株式会社ガステック製)にて測定した。結果を表5に示す。
4時間反応後のヘッドスペースのガスを確認したところ、初期投入ホルムアルデヒド濃度に相当する二酸化炭素及び水が検出された。これはホルムアルデヒドが二酸化炭素と水に分解されていることを示している。
Figure 0006592191
また、高湿度環境下(湿度90%)でも上記同様のホルムアルデヒド分解除去を確認した。
試験例8 −20℃でのホルムアルデヒド分解除去試験
実施例2、参考例1の分解剤を用いて、−20℃でのホルムアルデヒド分解除去試験を行った。初期投入ホルムアルデヒド濃度を約210ppmとし、分解剤投入後に−20℃で18時間静置した以外は、試験例7と同様に試験を行った。結果を表6に示す。
Figure 0006592191
試験例1〜8より、多孔質シリカに白金を担持させた実施例1〜3は、シリカゲルに白金を担持させた比較例1と比べて、低温下でもVOCの分解活性に優れていることがわかる。また、試験例2、3の対比により、多孔質シリカにアルミニウムをドープさせた実施例1〜3は、ドープさせていない参考例1よりVOC分解活性の耐久性に優れており、低温での継続的な使用ができることがわかる。また、試験例8より、多孔質シリカにアルミニウムをドープさせた実施例2は、低温においてもドープさせていない参考例1と同程度のVOCを除去でき、18時間後の二酸化炭素濃度の比較より、二酸化炭素まで分解する速度が優れていることがわかる。
本発明のVOC分解剤は、野菜、果実、花き等の植物から放出されるエチレン、飲食品から放出される揮発性有機化合物、建材、塗料、樹脂等から放出されるシックハウス症候群の原因となる揮発性有機化合物、車両や工場などから大気中に排出される揮発性有機化合物などの分解に好適に用いられるものである。

Claims (13)

  1. 白金又は白金含有化合物を担持した多孔質シリカを含むVOC分解剤であって、前記多孔質シリカは、アルミニウムがドープされた多孔質シリカであり、前記多孔質シリカは平均細孔直径が1〜10nmであり、比表面積が500〜2000m /gであるメソポーラスシリカであり、ドープするアルミニウムの量が多孔質シリカ100質量部に対して1〜5質量部である、40℃以下の雰囲気下でVOCを分解させる、VOC分解剤。
  2. 前記白金又は白金含有化合物の含有量が0.1〜5質量%であり、前記白金又は白金含有化合物における金属粒子径が0.5〜7nmである、請求項1記載のVOC分解剤。
  3. 30℃以下の雰囲気下でVOCを分解するための、請求項1又は2記載のVOC分解剤。
  4. X線回折において37°<2θ<42°の位置に回折ピークを有しない、請求項1〜いずれか記載のVOC分解剤。
  5. 炭化水素類、有機酸、アルデヒド類、硫黄化合物、及び窒素化合物からなる群より選択される1以上のVOCを分解するための、請求項1〜いずれか記載のVOC分解剤。
  6. 酸素の存在下、40℃以下の雰囲気下でVOCと請求項1〜いずれか記載のVOC分解剤とを接触させてVOCを分解する、VOCの分解方法。
  7. 請求項1〜いずれか記載のVOC分解剤を含む、植物の鮮度保持剤。
  8. 請求項1〜いずれか記載のVOC分解剤を含む、飲食品の鮮度保持剤。
  9. 酸素の存在下、40℃以下の雰囲気下でVOCと請求項又は記載の鮮度保持剤とを接触させてVOCを分解する、植物又は飲食品の鮮度保持方法。
  10. 請求項1〜いずれか記載のVOC分解剤を含む、環境浄化剤。
  11. 酸素の存在下、40℃以下の雰囲気下でVOCと請求項10記載の環境浄化剤とを接触させてVOCを分解する、環境浄化方法。
  12. 請求項1〜いずれか記載のVOC分解剤、請求項若しくは記載の鮮度保持剤、又は請求項10記載の環境浄化剤を備える、物品。
  13. 袋、容器、フィルター、冷蔵庫、冷凍庫、コンテナ、空調機、車両、船舶、又は航空機である、請求項12記載の物品。
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