JPH03280828A - 鮮度保持剤及びその使用方法 - Google Patents

鮮度保持剤及びその使用方法

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JPH03280828A
JPH03280828A JP2252453A JP25245390A JPH03280828A JP H03280828 A JPH03280828 A JP H03280828A JP 2252453 A JP2252453 A JP 2252453A JP 25245390 A JP25245390 A JP 25245390A JP H03280828 A JPH03280828 A JP H03280828A
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JP
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palladium
ion
freshness
ions
preserving agent
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JP2252453A
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English (en)
Inventor
Ryoji Yoshii
良二 吉井
Masanori Takeuchi
雅則 竹内
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Toray Industries Inc
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Toray Industries Inc
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野コ 本発明は、鮮度保持剤及びその使用方法に関する。更に
詳しくは、青果物・花店類から発生するエチレン、アセ
トアルデヒド等の生理活性物質を青果物・花店類にとっ
て無害な物質に分解することにより、青果物・花店類の
鮮度保持に有効に働く鮮度保持剤及びその使用方法に関
する。
[従来の技術] 植物は、一般に収穫後も一個の生命体として呼吸作用、
蒸散作用、その他種々の物質代謝を継続し、植物体とし
ての生理作用を活発に営んで生命を長らえている。この
呼吸作用が盛んであると他の生理作用も活発となり鮮度
低下が起こる。
この代謝物質の一つに植物ホルモンの一種であるエチレ
ンがある。このエチレンには種々の生理作用があるが、
その中に呼吸促進作用、成熟促進作用があり、植物の成
熟、ひいては鮮度低下に大きく関わっている。この鮮度
低下は特に青果物や花書類において、その貯蔵あるいは
流通上大きな問題となっており、エチレンの生理作用に
よる弊害を除き鮮度低下を防ぐ方法としてエチレン除去
能力を持つ鮮度保持剤が各種開発されいる。それらは大
別すると次の四つである。
(1)特開昭54−70457号公報に代表される臭素
吸着活性炭。
(2)特開昭58−20149号公報に代表される過マ
ンガン酸カリウム担持物。
(3)特開昭58−98141号公報に代表される臭素
酸カリウム・酸処理活性炭。
(4)特開昭61−25340号公報に代表される塩化
パラジウム担持活性炭。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、(1)の方法は、臭素を活性炭の細孔内
に吸着保持させたものであるため、温度が上昇すると有
害な臭素ガスが発生する危険性がある。(2)の方法は
、過マンガン酸カリウムがLn2O3090m g/ 
k g (ラット、経口)であり、環境指定物質である
ことから、回収処理・公害防止の面で、その使用は事実
上困難である。(3)の方法は、臭素酸アルカリ塩を酸
処理により活性化して活性炭に保持させ、エチレンを臭
素化合物にしてしまうというものであるが、エチレンか
ら生成される臭化エチレンは、発癌性があり危険である
。(4)の方法は、塩化パラジウムを活性炭に担持させ
たもので、エチレンの酸化分解性に優れているが、その
酸化反応は不十分であるため100%完全酸化できない
ので、常にアセトアルデヒドの一定量が生成してしまう
。このアセトアルデヒドも青果物の鮮度を低下させる物
質であるため、その生成は好ましくない。
これらの欠点を解消する手段として、特開平11682
33号公報には、活性炭に塩化パラジウム、塩化銅、塩
化亜鉛を担持させた鮮度保持剤は、エチレン分解能に優
れ、かつ、アセトアルデヒドの発生もないという記載が
ある。
しかしながら、この鮮度保持剤は、活性炭に塩化パラジ
ウム、塩化銅、塩化亜鉛の水溶液を含浸させ、乾燥した
ものであるため、活性炭に塩化パラジウム、塩化銅、塩
化亜鉛が付着したままである。このうち、塩化パラジウ
ムはLD5o104mg/kg(マウス、腹腔)であり
、塩化銅はLD、。140mg/kg(ラット、経口)
の劇物であり、塩化亜鉛はLD、o350mg/kg 
(マウス、経口)の劇物であるため、このような活性炭
を誤って食すると危険であり、かつ、水溶液で付着させ
たものなので、青果物と同封した際、蒸散する水分によ
り塩化パラジウム、塩化銅、塩化亜鉛が溶出し、青果物
に付着する可能性があり、その結果、該物質を使用した
本人が認識せぬままに食してしまうという事態が想定さ
れる。このような欠点は、青果物等の食品と共存させる
ことにおいて致命的とも言えるものである。
そこで本発明者は、青果物・花店類から発生するエチレ
ン、アセトアルデヒド等の生理活性物質を青果物にとっ
て無害な物質に分解し、かつ、青果物等の食品と共存さ
せても安全な鮮度保持剤及びその使用方法について鋭意
検討した結果、本発明にようやく到達することができた
[課題を解決するための手段] 本発明は、有機及び/または無機イオン交換体中のイオ
ン交換可能なイオンの一部分または実質上全部が、パラ
ジウムイオン及び/またはパラジウム錯イオンと、パラ
ジウムを除く金属元素から選ばれた少なくとも一種類以
上の金属イオン及び/または金属錯イオンでイオン交換
されて成ることを特徴とする鮮度保持剤、および、有機
及び/または無機イオン交換体中のイオン交換可能なイ
オンの一部分または実質上全部が、パラジウムイオン及
び/またはパラジウム錯イオンでイオン交換されたもの
と、有機及び/または無機イオン交換体中のイオン交換
可能なイオンの一部分または実質上全部が、パラジウム
を除く金属元素がら選ばれた少なくとも一種類以上の金
属イオン及び/または金属錯イオンでイオン交換された
ものとを組み合わせて配合して成ることを特徴とする鮮
度保持剤及びその使用方法に関する。
以下、本発明について詳細に説明する。なお、本発明に
ついて詳細に説明するに当たり、有機及び/または無機
イオン交換体中のイオン交換可能なイオンの一部分また
は実質上全部が、パラジウムイオン及び/またはパラジ
ウム錯イオンと、パラジウムを除く金属元素から選ばれ
た少な(とも一種類以上の金属イオン及び/または金属
錯イオンでイオン交換されて成る鮮度保持剤を以下単に
Cということがあり、また、有機及び/または無機イオ
ン交換体中のイオン交換可能なイオンの一部分または実
質上全部がパラジウムイオン及び/またはパラジウム錯
イオンでイオン交換されたもの(A)と、有機及び/ま
たは無機イオン交換体中のイオン交換可能なイオンの一
部分または実質上全部がパラジウムを除く金属元素から
選ばれた少なくとも一種類以上の金属イオン及び/また
は金属錯イオンでイオン交換されたもの(B)とを組み
合わせて配合して成る鮮度保持剤を以下単にDというこ
とがある。
本発明における有機及び/または無機イオン交換体とは
、パラジウムを除く金属元素から選ばれた少なくとも一
種類以上のイオンとパラジウムイオン及び/またはパラ
ジウム錯イオンをイオン交換により捕捉する能力を持っ
た物質であれば特に限定されるものではなく、有機イオ
ン交換体としては、ポリスチレンスルホン酸等のイオン
交換樹脂が挙げられ、無機イオン交換体としては、A−
型ゼオライド、Y−型ゼオライド、X−型ゼオライド、
モルデナイト、ZSM−5型ゼオライト、クリノプチラ
イト、チャバサイトおよびエリオナイト等の天然および
合成ゼオライトがあげられ、また、モンモリロナイト、
バイデライト、ノントロナイト、サボナイトおよびヘク
トライト等の層間カチオンがイオン交換可能なスメクタ
イト属に属する層状ケイ酸塩鉱物として、天然および合
成品が挙げられる。
また、本発明における有機及び/または無機イオン交換
体の形状としては、特に限定されるものではなく、有機
イオン交換体としては、イオン交換樹脂の球状の微粒子
、繊維等の形状があり、また、゛無機イオン交換体とし
ては、顆粒状、粉末状がある。なお、これら有機及び/
または無機イオン交換体は、イオン交換したパラジウム
イオン及び/またはパラジウム錯イオンとパラジウムを
除く金属元素から選ばれた少なくとも一種類以上の金属
イオン及び/または金属錯イオンとが、エチレン、アセ
トアルデヒド等の生理活性物質と接触することにより鮮
度保持能が発揮されるので、表面積は大きければ大きい
ほど良く、そのため多孔質のものが好ましい。この様な
ことから、上記イオン交換体の中で掛かる観点を踏まえ
ると、イオン交換容量、コスト、取扱い性、大表面積の
点からゼオライトが好ましい。
更に詳細にゼオライトについて説明すると、ゼオライト
は、SiO4四面体と(AlO2)−四面体が3次元網
目状に結合した多孔質の結晶体であり、そのため大表面
積であるという吸着剤として最も重要な要件を備えてお
り、また、表面の性質もゼオライト組成(S i02 
/A ]□03)等により、親水性から疎水性まで大幅
に変化する。
すなわち、一般的な低シリカゼオライトは、水と強い相
互作用を示すため、高度な乾燥剤として利用されており
、一方、高シリカゼオライトは、水との相互作用が非常
に弱く、相対的に有機物との親和性が強い疎水性物質と
なる。
本発明においては、エチレンという比較的疎水性な物質
と鮮度保持剤との接触の容易さが、鮮度保持能に大きく
起因するので、ゼオライトの中でもZSM−5型ゼオラ
イトのような高シリカゼオライトが好ましく、具体的な
S 102 / A I□03のモル比としては、5以
上200未満のゼオライトが好ましい。
ゼオライトのSiO2/A1□03モル比が5未満であ
ると、エチレンとの接触が大気中等の水分により阻害さ
れる可能性があり、あまり好ましくない場合がある。一
方、ゼオライトのSiO□/Al2O3モル比が200
以上であると、イオン交換容量が少なくなる可能性があ
るため、あまり好ましくない場合がある。
本発明におけるイオン交換体中のイオン交換可能なイオ
ンとは、実質的にイオン交換体中のイオンが外れ、他の
イオンと置き換わるイオン交換反応において、イオン交
換体中から外れるイオンを指す言葉である。具体的にゼ
オライトにおいて説明すると、ゼオライトとは一般に三
次元の骨格構造を有するアルミノシリケートのことであ
り、−般式としては、X M 2/、、O−A I 2
03  ・YSiO2・zH20で表示され、Xおよび
Yは金属酸化物およびシリカの係数、2は結晶水の数で
ある。
この時、前述の式におけるMがイオン交換可能なイオン
であり、通常は一価または二価の金属イオンである。ま
た、nは(金属)イオンの原子価である。
本発明におけるパラジウムを除く金属元素から選ばれた
少なくとも一種類以上の金属イオン及び/または金属錯
イオンとは、元素周期表において非金属元素以外の元素
であってパラジウムを除く元素から選ばれた少なくとも
一種類以上の金属イオン及び金属錯イオンのことであり
、パラジウムイオン及び/またはパラジウム錯イオンと
併用することによりエチレンを100%酸化分解し、ア
セトアルデヒド等のエチレンの酸化反応における中間生
成物をも100%酸化するものであり、特に限定される
ものではないが、マグネシウム、チタン、バナジウム、
クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛
、モリブデン、銀、白金等が好ましい。
本発明におけるパラジウム錯イオンとは、電子対の供与
体(ドナー)と受容体(アクセプター)から成る錯体に
おいてパラジウム原子がアクセプターであり、かつ、電
荷をもったもののことである。例えば、テトラミンジク
ロロパラジウム[Pd (NH3) 4Cl 2 ]中
の錯陽イオンであるパラジウムアンモニアイオン[P 
d (NH3) 4]2+などが挙げられ、同様に本発
明における金属錯イオンとは、電子対の供与体(ドナー
)と受容体(アクセプター)から成る錯体において金属
原子がアクセプターであり、かつ、電荷をもったものの
ことである。
本発明におけるイオン交換後の有機及び/または無機イ
オン交換体中のパラジウムイオン及び/またはパラジウ
ム錯イオンとパラジウムを除く金属元素から選ばれた少
なくとも一種類以上の金属イオン及び/または金属錯イ
オンとしての含有量は、エチレンを分解し、アセトアル
デヒドをも除去できる量であれば特に限定はないが、通
常、Cにおいては、イオン交換後の有機及び/または無
機イオン交換体中のパラジウムイオン及び/またはパラ
ジウム錯イオンとパラジウムを除く金属元素から選ばれ
た少なくとも一種類以上の金属イオン及び/または金属
錯イオンとしての含有量は、各々0.001〜20wj
%とすることが好ましい。
また、Dにおいては、パラジウムイオン及び/またはパ
ラジウム錯イオンでイオン交換後の有機及び/または無
機イオン交換体中のパラジウムイオン及び/またはパラ
ジウム錯イオンとしての含有量は、0.001〜20w
t%、パラジウムを除く金属元素から選ばれた少なくと
も一種類以上の金属イオン及び/または金属錯イオンで
イオン交換後の有機及び/または無機イオン交換体中の
パラジウムを除く金属元素から選ばれた少なくとも一種
類以上の金属イオン及び/または金属錯イオンとしての
含有量は、各々0.001〜20wt%とすることが好
ましい。
本発明におけるCおよびDの製造方法として、Cでは、
最終的にパラジウムイオン及び/またはパラジウム錯イ
オンとパラジウムを除く金属元素から選ばれた少なくと
も一種類以上の金属イオン及び/または金属錯イオンが
イオン交換反応によって捕捉されている有機及び/また
は無機イオン交換体になる方法であれば特に限定はなく
、Dでは、最終的にパラジウムイオン及び/またはパラ
ジウム錯イオンがイオン交換反応によって捕捉されてい
る有機及び/または無機イオン交換体と、パラジウムを
除く金属元素から選ばれた少なくとも一種類以上の金属
イオン及び/または金属錯イオンがイオン交換反応によ
って捕捉されている有機及び/または無機イオン交換体
とを組み合わせて配合されたものになる方法であれば特
に限定はない。
Cの製造方法の一つとしては、パラジウム化合物とパラ
ジウムを除く金属元素から選ばれた少なくとも一種類以
上の金属の化合物の水溶液に有機及び/または無機イオ
ン交換体を接触させ、イオン交換体中のイオン交換可能
なイオンをパラジウムイオン及び/またはパラジウム錯
イオンとパラジウムを除く金属元素から選ばれた少なく
とも一種類以上の金属イオン及び/または金属錯イオン
とでイオン交換する方法がある。この時、パラジウム化
合物としては特に限定はなく、塩化パラジウム、硫酸パ
ラジウム、テトラミンジクロロパラジウム等が用いられ
る。塩化パラジウム、硫酸パラジウムを使用する場合、
水溶液とする時に若干塩酸を加えると溶解が容易となり
好ましい。イオン交換体として無機イオン交換体を使用
する場合、無機イオン交換体によっては塩酸に溶解する
可能性がある。その様な場合、テトラミンジクロロパラ
ジウムは水に容易に溶解するので、このテトラミンジク
ロロパラジウムを用いるのが好ましい。
また、水溶性でないパラジウム化合物、例えば酢酸パラ
ジウムを用いる場合、酢酸パラジウムをアセトン等の溶
解可能な有機溶媒に溶かし、そこに水に分散させた有機
及び/または無機イオン交換体を混合することによりイ
オン交換するという手法も取り得る。なお、ここで一種
類のパラジウム化合物だけでなく、二種類以上のパラジ
ウム化合物(例えば、塩化パラジウムと硫酸パラジウム
等)を用いてイオン交換することは同等差支えない。
また、パラジウムを除く金属元素から選ばれた少なくと
も一種類以上の金属の化合物としては特に限定はないが
、水溶性であるほうが好ましい場合が多い。所望の金属
がマグネシウム、クロム、マンガン、鉄、ニッケル、銅
、亜鉛、モリブデン、白金である場合、その化合物とし
ては、塩化物や硫酸化合物やそれらの錯体が好ましい。
その他、バナジウムの化合物としては、オキシ硫酸バナ
ジウム、コバルトの化合物としては、硝酸コバルト、銀
の化合物としては、硝酸銀が好ましい。
Cの他の製造方法としては、前述のパラジウム化合物の
水溶液に有機及び/または無機イオン交換体を接触させ
、濾過および洗浄を繰り返した後、パラジウムを除く金
属元素から選ばれた少なくとも一種類以上の金属の化合
物の水溶液に、前述のパラジウムイオン及び/またはパ
ラジウム錯イオンでイオン交換した有機及び/または無
機イオン交換体を接触させ、イオン交換体中のイオン交
換可能なイオンをパラジウムを除く金属元素から選ばれ
た少なくとも一種類以上の金属イオン及び/または金属
錯イオンとイオン交換する方法がある。
この時、パラジウムを除く金属イオン及び/または金属
錯イオンを二種類以上イオン交換する場合、二種類以上
のパラジウムを除く金属の化合物の水溶液を各々別個に
用意し、前述のパラジウムイオン及び/またはパラジウ
ム錯イオンでイオン交換した有機及び/または無機イオ
ン交換体を順番に接触させても良いし、二種類以上のパ
ラジウムを除く金属の化合物の混合水溶液に、前述のパ
ラジウムイオン及び/またはパラジウム錯イオンでイオ
ン交換した有機及び/または無機イオン交換体を接触さ
せる方法でも良い。また、パラジウムイオン及び/また
はパラジウム錯イオン、パラジウムを除く金属元素から
選ばれた少なくとも一種類以上の金属イオン及び/また
は金属錯イオンをイオン交換する順番としては特に限定
はないが、イオン交換しにくいイオンから先にイオン交
換したほうが好ましい場合が多い。
Dの製造方法として、パラジウムイオン及び/またはパ
ラジウム錯イオンがイオン交換反応によって捕捉されて
いる有機及び/または無機イオン交換体(以下単にD−
1ということがある)は、一つの方法として、パラジウ
ム化合物の水溶液に有機及び/または無機イオン交換体
を接触させ、イオン交換体中のイオン交換可能なイオン
をパラジウムイオン及び/またはパラジウム錯イオンで
イオン交換する方法により得ることができる。この時、
パラジウム化合物としては、前述のパラジウム化合物が
使用でき、二種類以上のパラジウム化合物(例えば、塩
化パラジウムと硫酸パラジウム等)を用いてイオン交換
することは先はどと同様に同等差支えないことは言うま
でもない。
また、パラジウムを除く金属元素から選ばれた少なくと
も一種類以上の金属イオン及び/または金属錯イオンが
イオン交換反応によって捕捉されている有機及び/また
は無機イオン交換体(以下単にD−2ということがある
)は、一つの方法として、パラジウムを除く金属元素か
ら選ばれた少な(とも一種類以上の金属の化合物の水溶
液に有機及び/または無機イオン交換体を接触させ、イ
オン交換体中のイオン交換可能なイオンをパラジウムを
除く金属元素から選ばれた少なくとも一種類以上の金属
イオンでイオン交換する方法により得ることができる。
この時、パラジウムを除く金属イオン及び/または金属
錯イオンを二種類以上イオン交換する場合、二種類以上
のパラジウムを除く金属の化合物の水溶液を各々別個に
用意し、有機及び/または無機イオン交換体を順番に接
触させても良いし、二種類以上のパラジウムを除く金属
の化合物の混合水溶液に、有機及び/または無機イオン
交換体を接触させる方法でも良い。また、パラジウムを
除く金属元素から選ばれた少なくとも二種類以上のイオ
ンをイオン交換する順番としては特に限定はないが、イ
オン交換しにくいイオンから先にイオン交換したほうが
好ましい場合が多い。
このようにして得られたD−1およびD−2の所望量を
混合したものが本発明におけるDとなる。
このD−1およびD−2の所望量は、エチレンを分解し
、アセトアルデヒドをも除去できる量であれば特に限定
はない。
なお、ここで特筆すべきことは、本発明におけるD−2
とは、D−2が二種類のイオン(仮にEイオン、Fイオ
ンとする)でイオン交換された有機及び/または無機イ
オン交換体である場合、■Eイオンでイオン交換された
有機及び/または無機イオン交換体とFイオンでイオン
交換された有機及び/または無機イオン交換体を組み合
わせて配合した有機及び/または無機イオン交換体。
■EイオンとFイオンが混合してイオン交換された有機
及び/または無機イオン交換体。
■上記■と上記■を組み合わせて配合した有機及び/ま
たは無機イオン交換体。
が考えられ、この三種類全てを意味している。
すなわち、本発明におけるD−2が複数のイオンでイオ
ン交換された有機及び/または無機イオン交換体である
場合、前述の二種類のイオンでイオン交換された有機及
び/または無機イオン交換体の場合の様に、製造上考え
られる全ての組み合わせを意味している。
また、本発明において、CとD−1を組み合わせて配合
されたもの、および、CとD−2とを組み合わせて配合
されたものも、鮮度保持剤として有効に働く。
前述のパラジウム化合物の水溶液及び/または前述のパ
ラジウムを除く金属元素から選ばれた少なくとも一種類
以上の金属の化合物の水溶液に有機及び/または無機イ
オン交換体を接触させる時間および温度、すなわち、こ
れまで述べてきた各水溶液でのイオン交換反応を行なわ
せる時間および温度としては、所望量のパラジウムイオ
ン及び/またはパラジウム錯イオン及び/またはパラジ
ウムを除く金属元素から選ばれた少な(とも一種類以上
の金属イオン及び/または金属錯イオンをイオン交換反
応により捕捉できる条件であれば特に限定はないが、通
常、5〜100℃、好ましくは30〜80°Cで1分〜
48時間、好ましくは1〜24時間バッチ式あるいは連
続式(例えばカラム法)によって行うことができる。
また、前記パラジウム化合物及び/または金属元素から
選ばれた少なくとも一種類以上の金属の化合物の水溶液
のpHは2〜10、好ましくは5〜7に調整したほうが
好ましい場合がある。
イオン交換が終了した有機及び/または無機イオン交換
体は、充分に洗浄し、乾燥する必要がある。この時、洗
浄が不充分であると乾燥後のイオン交換体にパラジウム
化合物やパラジウムを除く金属元素から選ばれた少なく
とも一種類以上の金属の化合物が付着したままとなり、
安全性の面で好ましくない。したがって、洗浄廃液にパ
ラジウム化合物やパラジウムを除く金属元素から選ばれ
た少なくとも一種類以上の金属の化合物等の不純物の存
在が確認されなくなってから乾燥工程に進むべきである
乾燥工程における乾燥温度および時間は、本発明の鮮度
保持剤がエチレンを分解し、アセトアルデヒドをも除去
できる性能を示すような条件であれば特に限定はないが
、通常、110℃で数時間乾燥し、ついで200〜40
0℃で30分以上熱処理することが好ましい。
本発明の鮮度保持剤を成型体に分散含有させる使用方法
において、その成型体とは、従来青果物や花店類の貯蔵
および流通の際に用いられている公知のもののことであ
り、例として、フィルム、シート、容器、紙、繊維(布
、不織布等)、発泡体、ダンボール箱等が挙げられる。
本発明において成型体がフィルム、シート、容器、繊維
(布、不織布等)、発泡体の時、一般的に材料として樹
脂を用いて成型体とすることが多い。この場合、樹脂と
は、天然樹脂、半合成樹脂および合成樹脂のいずれをも
含み、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであっても
よい。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、塩化ビ
ニル、ABS樹脂、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化
ビニリデン、ポリアミド、ポリスチレン、ポリアセター
ル、ポリビニールアルコール、ポリカーボネイト、アク
リル樹脂、フッ素樹脂、ポリウレタンエラストマー、ポ
リエステルエラストマー、フェノール樹脂、ユリア樹脂
、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、レーヨン、キュプラ、アセテート、
トリアセテート、ビニリデン、天然ゴムおよび合成ゴム
等の熱可塑性または熱硬化性樹脂を挙げることができる
また、上記樹脂は発泡性樹脂であってもよい。
本発明における鮮度保持剤を前述の成型体材料としての
樹脂に分散含有させる時期および方法は特に限定される
ものではない。例えば、原料モノマーに添加混合した後
に重合する方法、反応中間体に添加混合した後に重合す
る方法、重合終了時の樹脂に添加混合する方法、バンバ
リー形ミキサーやローラー形ミキサー等を用いて、加熱
溶融した状態の熱可塑性樹脂に添加混合する常法の練り
込み方法等が利用できる。要は、用いる樹脂の性質、工
程上の特徴等に応じて最適の方法を適宜採用すればよい
本発明における成型体がフィルム、シート、容器、繊維
、発泡体である時、鮮度保持剤の形状としては粉末粒子
状が好ましい場合が多い。成型体が厚みのあるシート・
容器・太デニールの繊維・粒状体等である場合、鮮度保
持剤の粒子径は数μmから数十μmあるいは数百μm以
上でよく、フィルム・細デニールの繊維等である場合、
鮮度保持剤の粒子径は好ましくは5μm以下、更に好ま
しくは3μm以下である。
本発明における成型体がフィルム、シート、容器、繊維
、発泡体である時、鮮度保持剤の添加量としては成型体
の全重量に対して0.01〜30重量%が好ましい。鮮
度保持剤の添加量が下限値未満の場合、鮮度保持効果の
点で不満足である場合があり好ましくなく、上限値を越
えて例えば50重量%以上とした場合、鮮度保持効果は
十分であるが、成型体の物理的性質が著しく低下するの
で好ましくない。より好ましい範囲としては0゜5〜1
0重量%である。
本発明における鮮度保持剤を分散含有して成る成型体の
製造方法としては、通常の方法により前述の成型体にす
ることができる。例えば、成型体がフィルム・シートで
ある場合、樹脂に鮮度保持剤を前述の方法で添加混合し
たものを成型(フィルム・シート化)することにより得
ることができる。フィルム形成は、キャスティング法、
エキストルージョン法(例えばインフレーション法、T
ダイ法、カレンダー法、切削法等)、延伸法が実施でき
る。なお、このフィルム・シートの厚みには特に限定は
ないが、通常0.01μm〜10mmが好ましい。この
時、厚みが薄い場合、上記フィルムを支持体層上に設け
ることが好ましく、支持体層としては、前述の樹脂はも
ちろんのこと、紙及び金属(例えばアルミニウム等)が
挙げられる。
フィルムの厚みを薄くし、支持体層として樹脂を設ける
場合、すなわち、鮮度保持剤を分散含有してなる極薄の
樹脂層(以下単にG層ということがある)と支持体層を
構成する樹脂層(以下単にH層ということがある)とを
積層してなる複合フィルムとする場合には、鮮度保持剤
のフィルムへの添加量をより少なくできるという利点が
ある。
更に具体的に説明すると、鮮度保持効果をより有効に発
揮させるためには、鮮度保持剤をできるだけフィルムの
表層近くに存在させることが望ましく、前記G層を薄く
積層することにより、含有させた鮮度保持剤は、フィル
ムの厚さ方向に位置規制されてフィルム表層部のみに高
密度に偏在することになり、この鮮度保持剤を分散含有
してなる極薄の樹脂層(G層)が青果物や花店類と接触
するように使用することにより、鮮度保持剤のフィルム
への添加量を極力少なくすることができる。
この場合、鮮度保持剤を分散含有してなる極薄の樹脂層
(G層)と支持体層を構成する樹脂層(H層)は、それ
ぞれを構成する樹脂として同種のものでも異種のもので
も同等問題はない。また、前述の支持体層としては、単
一層だけでなく二種類以上の樹脂からなる複合層であっ
ても良く、また、支持体層に金属等を蒸着しても良い。
前述の鮮度保持剤を分散含有してなる極薄の樹脂層(G
層)と、支持体層を構成する樹脂層(H層)が異種の樹
脂である場合、G層とH層との間に接着剤層を設けるこ
とも可能である。
この鮮度保持剤を分散含有してなる極薄の樹脂層(G層
)と支持体層を構成する樹脂層(H層)との複合フィル
ムの製造方法としては、熱融圧着同時ラミネーション法
、共押出複合法、貼り合わせ法、エクストルージョンラ
ミネート法、ホットメルトラミネート法、ドライラミネ
ート法、ウェットラミネート法等が利用できる。また、
フィルムに強度やその他の機能を付与するために逐次二
軸・同時二軸等の処理を施すこともできる。
なお、このフィルム・シートには、必要に応じて分散剤
、重合触媒、安定剤、艶消剤、増白剤、有機または無機
の顔料、無機フィラーおよび各種可塑剤や界面活性剤、
防曇剤等の鮮度保持剤以外の他の成分を含有させても同
等支障はない。
本発明における成型体が容器である場合、樹脂に鮮度保
持剤を前述の方法で添加混合したものを圧縮成型、射出
成型、真空成型、押出成型等の方法を用いることにより
所望の形状に成型できる。
なお、この場合においても、鮮度保持剤の容器への添加
量を極力少なくするために、青果物や花店類と接触する
面だけに鮮度保持剤を存在させた多層複合容器となるよ
うに成型する方法も取り得る。
また、この容器には、必要に応じて分散剤、重合触媒、
安定剤、艶消剤、増白剤、有機または無機の顔料、無機
フィラーおよび各種可塑剤や界面活性剤、防曇剤等の鮮
度保持剤以外の他の成分を含有させても同等支障はない
ことは言うまでもない。
本発明における成型体が繊維である場合、樹脂に鮮度保
持剤剤を前述の方法で添加混合したものを溶融紡糸、湿
式紡糸、乾式紡糸、乾湿式紡糸といった紡糸方法を用い
ることにより所望の繊維とすることができる。なお、こ
の場合においても、鮮度保持剤の繊維への添加量を極力
少な(するために、芯鞘構造、多芯鞘構造等の複合繊維
として、その鞘部分だけに鮮度保持剤を添加混合する方
法も取り得る。これらの繊維を公知の方法で布状にする
ことにより、所望の成型体とすることができる。また、
紡糸段階において、スパンボンド法、メルトブロー法、
フラッシュ法等の公知方法を用いて不織布とすることも
可能である。なお、この繊維には、必要に応じて分散剤
、重合触媒、安定剤、艶消剤、増白剤、有機または無機
の顔料、無機フィラーおよび各種可塑剤や界面活性剤、
防曇剤等の鮮度保持剤以外の他の成分を含有させても同
等支障はないことは言うまでもない。
本発明における成型体が紙である場合、その製造方法と
しては公知の方法が取り得ることができ、一つ方法とし
て、本発明の鮮度保持剤をパルプ原料に添加混合してお
き抄造する方法がある。その他にも、前述の鮮度保持剤
を分散含有した繊維を短繊維としてパルプ原料に添加混
合して抄造する方法、抄造された紙にコーティングを施
す際、コーティング剤に予め鮮度保持剤を分散含有させ
ておく方法等が取り得る。
本発明における成型体が段ボール箱である場合、その製
造方法としては段ボール紙の製造段階にその原料に添加
混合する方法、段ボール箱の内壁に、前述の鮮度保持剤
を分散含有したフィルムを貼る方法、段ボール紙のライ
ナ一部分に前述の鮮度保持剤を分散含有したフィルムを
用いる方法等が取り得る。
本発明における鮮度保持剤を青果物・花卉類の鮮度保持
に使用する時、前記成型体に分散含有せしめる方法以外
の形態としては、効果が発現する形態であれば特に限定
はないが、通常、紙、布、不織布等の通気性材料で作ら
れた容器に所定量を収容してパックとする形態が一般的
である。
本発明における鮮度保持剤を青果物・花卉類の鮮度保持
に使用する時の使用量は、青果物や花卉類の種類、量等
により異なり、一義的に規定されるものではないが、通
常、青果物・花店類1kg当たり0.05〜20g1好
ましくは0. 1〜5gである。
本発明における鮮度保持剤を青果物・花卉類の鮮度保持
に使用する時の方法としては、前述のノ々ツクの形態と
した鮮度保持剤を青果物・花卉類と共に密閉容器内に存
在させる方法が一般的である。
ここで言うところの密閉容器とは、従来青果物・花卉類
を包装するのに用いられている公知の材料が同様に使用
できる。例えば、段ボール箱のような紙容器や、ポリエ
チレン、ポリプロピレン等のプラスチックフィルム、シ
ート等が挙げられる。
また、密閉方法としては、包装材料を製袋して開口部を
ゴムバンドや紐で封じる方法、ヒートシール法、ハンカ
チ法等が挙げられる。
本発明における鮮度保持剤を青果物・花卉類の鮮度保持
に使用する場合、エチレン、アセトアルデヒドにより鮮
度劣化が促進されるすべての青果物・花卉類に適用可能
である。例として、青果物としては、林檎、梨、バナナ
、葡萄、サクランボ、荀、椎茸、キャベツ、青梅、すだ
ち、ブロッコリ、メロン等が挙げられ、花卉類としては
、カーネーション、薔薇、スイトピー、宿根カスミソウ
、菊等が挙げられる。
本発明における鮮度保持剤を成型体に分散含有させ、青
果物や花卉類の鮮度保持成型体として使用する場合、従
来、青果物や花卉類を包装するのに用いられている公知
の材料と同様に使用できる。
その他にも本発明における鮮度保持剤の使用方法として
、Aを成型体に分散含有させ、青果物や花卉類の鮮度保
持成型体として使用し、そこにBを併用して用いる方法
、あるいは、Bを成型体に分散含有させ、青果物や花卉
類の鮮度保持成型体として使用し、そこにAを併用して
用いる方法が取り得る。
ここでいう併用して用いるとは、B(あるいはA)を本
発明でいう成型体に加工せずに、青果物や花卉類と一緒
にA(あるいはB)を分散含有させた成型体内に存在さ
せて使用するということであり、その形態としては、効
果が発現する形態であれば特に限定はないが、通常、紙
、布、不織布等の通気性材料で作られた容器に所定量を
収容してパックとする形態が一般的である。
次ぎに、本発明における鮮度保持剤の製造方法、基本性
能、実果菜による試験結果等について実施例により更に
詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り実
施例に限定されるものではない。
[実施例コ ■鮮度保持剤の製造 水澤化学工業株式会社製のNa−Y型合成ゼオライト 
Mixukasieves  Y −500(主成分=
S io□=64.2wt%、A1203=22.3w
t%、Na20=13.5wt%)の微粉末1.5kg
に対して0.2M テトラミンジクロロパラジウム水溶
液31を加えて、80℃で3時間攪拌し、その後室温ま
で徐冷し、その温度で24時間放置した。イオン交換反
応終了後、ゼオライト相を濾過し、濾液中に過剰の塩素
イオンが検出されなくなるまで水洗を実施した。このイ
オン交換後のゼオライトを0.2M 塩化第二銅水溶液
31に加えて、80℃で3時間攪拌し、その後室温まで
徐冷し、その温度で24時間放置した。イオン交換反応
終了後、ゼオライト相を濾過し、濾液中に過剰の塩素イ
オンが検出されなくなるまで水洗を実施した。次ぎに、
このパラジウムアンモニアイオンと銅イオンがイオン交
換反応により担持されているゼオライトを、0.2M 
塩化亜鉛水溶液31に加えて、80℃で3時間攪拌し、
その後室温まで徐冷し、その温度で24時間放置した。
イオン交換反応終了後、ゼオライト相を濾過し、濾液中
に過剰の塩素イオンが検出されなくなるまで水洗を実施
した。
その後、パラジウムアンモニアイオン、銅イオンおよび
亜鉛イオンがイオン交換反応により担持されているゼオ
ライトを、110℃で24時間熱風乾燥し、引き続き3
00℃で3時間熱処理を行い、本発明の鮮度保持剤(I
)を得た。
この鮮度保持剤中のパラジウム、銅、亜鉛の定量分析を
ICP発光分光分析法で行ったところ、パラジウム=0
.34wt%、銅=0.55wt%、亜鉛=1.26w
t%であった。
上記Na−Y型合成ゼオライトをZSM−5型合成ゼオ
ライト(主成分:5iO2=91.0wt%、A I 
203 =4 、 5 wf%、Na20=4.5wt
%)に変えた以外はすべて同様の操作を行い、本発明の
鮮度保持剤(J)を得た。
この鮮度保持剤中のパラジウム、銅、亜鉛の定量分析を
ICP発光分光分析法で行ったところ、パラジウム=0
.28wt%、銅=0.74wj%、亜鉛=1.33w
t%であった。
■エチレン除去性能の確認(その1) 通気性のある不織布を30mmX50mmの袋状とし、
その中に上記0項で得た鮮度保持剤(I)を2g入れた
もの(fl)と上記■で得た鮮度保持剤(J)を2g入
れたもの(Jl)を用意した。
また、比較例としてパラジウムアンモニウムイオンだけ
をイオン交換して濾過・水洗後、110°Cで24時間
熱風乾燥し、引き続き300℃で3時間熱処理を行なっ
たNa−Y型合成ゼオライトを2g入れたもの(Yl)
と、イオン交換せずに110℃で24時間熱風乾燥し、
引き続き300℃で3時間熱処理を行なったNa−Y型
合成ゼオライトを2g入れたもの(Y2)と、パラジウ
ムアンモニウムイオンだけをイオン交換して濾過・水洗
後、110℃で24時間熱風乾燥し、引き続き300℃
で3時間熱処理を行なったZSM−5型合成ゼオライト
を2g入れたもの(Zl)と、イオン交換せずに110
℃で24時間熱風乾燥し、引き続き300℃で3時間熱
処理を行なったZSM−5型合成ゼオライトを2g入れ
たもの(Z2)を用意した。
内容積的61のデシケータ(注入弁付き)を6個準備し
、各々のデシケータ内にILJI、Yl、Y2、zlお
よびz2を設置し、そこにエチレン1.Omlづつを注
入し、各々のデシケータ内を温度=25℃・湿度=60
%RHに保ち、初期(0時間後)および2時間後の各々
のデシケータ内のエチレン濃度およびアセトアルデヒド
濃度を株式会社ガスチック製のエチレンガス検知管(N
o、172、No、172L)およびアセトアルデヒド
ガス検知管(No、92)を用いて測定した。11を用
いたものを実施例1、Jlを用いたものを実施例2、Y
lを用いたものを比較例1、Y2を用いたものを比較例
2、Zlを用いたものを比較例3、Z2を用いたものを
比較例4とし、その結果を表1に示す。
表1 注1) 注2) エチレンガス検知管(No。
0、O5ppmである。
アセトアルデヒドガス検知管 度は2ppmである。
172L) の検知限度は (NO6 92) の検知限 ■エチレン除去性能の確認(その2) 通気性のある不織布を30mmX50mmの袋状とし、
その中に上記0項で得た鮮度保持剤(1)を2g入れた
もの(■2)と上記0項で得た鮮度保持剤(J)を2g
入れたもの(J2)を用意した。
また、比較例としてパラジウムアンモニウムイオンだけ
をイオン交換して濾過・水洗後、110℃で24時間熱
風乾燥し、引き続き300℃で3時間熱処理を行なった
Na−Y型合成ゼオライトを2g入れたもの(Y3)と
、イオン交換せずに110℃で24時間熱風乾燥し、引
き続き300°Cで3時間熱処理を行なったNa−Y型
合成ゼオライトを2g入れたもの(Y4)と、パラジウ
ムアンモニウムイオンだけをイオン交換して濾過・水洗
後、110℃で24時間熱風乾燥し、引き続き300℃
で3時間熱処理を行なったZSM−5型合成ゼオライト
を2g入れたもの(Z3)と、イオン交換せずに110
℃で24時間熱風乾燥し、引き続き300℃で3時間熱
処理を行なったZSM−5型合成ゼオライトを2g入れ
たもの(Z4)を用意した。
内容積的61のデシケータ(注入弁付き)を6個準備し
、各々のデシケータ内に12、J2、Y3、Y4、Z3
およびZ4を設置し、そこにエチレン1.0[+11づ
つを注入した。青果物等は一般的に低温・高湿度下で流
通および保存されるので、そのような環境下においても
エチレン・アセトアルデヒド等が除去されるか否かを確
認するために、デシケータ内を温度=5°C・湿度=9
0%RHに保ち、初期(0時間後)および2時間後の各
々のデシケータ内のエチレン濃度およびアセトアルデヒ
ド濃度を株式会社ガスチック製のエチレンガス検知管(
No、172、No、172L)およびアセトアルデヒ
ドガス検知管(No、92)を用いて測定した。■2を
用いたものを実施例3、J2を用いたものを実施例4、
Y3を用いたものを比較例5、Y4を用いたものを比較
例6、z3を用いたものを比較例7、Z4を用いたもの
を比較例8とし、その結果を表2に示す。
表2 注1) 注2) エチレンガス検知管(No、172L)0、O5ppm
である。
アセトアルデヒドガス検知管(N08 度は2ppmである。
92) の検知限度は の検知限 ■エチレン除去性能の確認(その3) 上記0項で得た鮮度保持剤(J)を市販の粉砕機を用い
て、平均粒径1.0μmの粒子としたものを、ポリプロ
ピレン粉末に対して1重量%添加し、ヘンシェルミキサ
ーで混合することにより鮮度保持剤とポリプロピレン粉
末を均一分散させた。
この混合物を二軸押出機にて溶融押出ししてペレッ) 
(K)を作成した。次ぎに鮮度保持剤を添加していない
ポリプロピレンのペレット(L)を用意し、それぞれを
別々の押出機に供給し、溶融させ、該溶融体を流動管内
で合流しTダイに導き、複合シートに成型した。この複
合シートに逐次二軸延伸を施すことにより、鮮度保持剤
を分散含有したポリプロピレン複合フィルム(J3)を
得り。
得られた複合フィルムの厚みは20μmであり、ペレッ
ト(K)から成る層は0.5μm1ペレツト(L)から
成る層は19.5μmであり、分散含有させた鮮度保持
剤はフィルム表層部に高密度に偏在していた。比較サン
プルとして、上記鮮度保持剤(J)を上記0項の(zl
)に変えた以外はすべで同様にしたポリプロピレン複合
フィルム(Xl)と鮮度保持剤を分散含有させていない
厚さ20μmのポリプロピレンフィルム(X2)を用意
した。
内容積的61のデシケータ(注入弁付き)を3個準備し
、各々のデシケータ内にJ3、XlおよびX2を表面積
=3200cnrになるように切り取ったものを設置し
、そこにエチレン1.Omlづつを注入し、各々のデシ
ケータ内を温度=5℃・湿度=90%RHに保ち、初期
(0時間後)および2時間後の各々のデシケータ内のエ
チレン濃度およびアセトアルデヒド濃度を株式会社ガス
チック製のエチレンガス検知管(No、172およびN
o、172L)およびアセトアルデヒドガス検知管(N
o、92)を用いて測定した。J3を用いたものを実施
例5、Xlを用いたものを比較例9、X2を用いたもの
を比較例10とし、その結果を表3に示す。
表3 注1) 注2) エチレンガス検知管(No。
0、O5ppmである。
アセトアルデヒドガス検知管 度は2ppmである。
172 L) の検知限度は (NOo 92)の検知限 ■エチレン除去性能の確認(その4) 低密度ポリエチレンと中密度ポリエチレンからなるペレ
ットを1対の回転ロールを内蔵するインターミキサーに
入れ、これを外部加熱により、加熱軟化した。次ぎに、
この加熱ポリエチレンに対して前記0項で得た鮮度保持
剤(J)を5重量%加え、混練を継続した。得られた混
線物をインターミキサーから取り出し、冷却固化し、粉
砕して粒状物とした。この粒状物を押出機に供給して、
3段階にわたって加熱すると共に、第2段階の加熱帯域
に液化ガスを圧入し、厚さ2肛のシート状発泡体(J4
)として押し出した。比較サンプルとして、上記鮮度保
持剤(J)を上記0項の(Zl)に変えた以外はすべて
同様にしたシート状発泡体(X3)と鮮度保持剤を添加
混合させていない厚さ2Mのシート状発泡体(X4)を
用意した。
内容積的61のデシケータ(注入弁付き)を3個準備し
、各々のデシケータ内にJ4およびX2を表面積=16
00alになるように切り取ったものを設置し、そこに
エチレン1.Omlづつを注入し、各々のデシケータ内
を温度=5℃・湿度=90%RHに保ち、初期(0時間
後)および2時間後のエチレン濃度およびアセトアルデ
ヒド濃度を株式会社ガスチック製のエチレンガス検知管
(No、172およびNo、172L)およびアセトア
ルデヒドガス検知管(N o、  92)を用いて測定
した。J4を用いたものを実施例6、X3を用いたもの
を比較例10、X4を用いたものを比較例11とし、そ
の結果を表4に示す。
表4 注1) 注2) エチレンガス検知管(No、172L)の検知限度は0
、O5ppmである。
アセトアルデヒドガス検知管(No、92)の検知限度
は2ppmである。
■実果菜によるテスト(その1) 通気性のある不織布を50mmX50mmの袋状とし、
その中に前記0項で得鮮度保持剤(Dを10g入れたも
の(■5)と鮮度保持剤(J)を10g入れたもの(J
5)を用意した。また、比較サンプルとして、前記■項
で得た(Yl)を10g入れたもの(X5)と前記■項
で得た(Y2)を10g入れたもの(X6)と、前記■
項で得た(Zl)を10g入れたもの(X7)と前記■
項で得た(z2)を10g入れたもの(X8)を用意し
た。
ブロッコリを400gづつ秤量採取し、厚さ30μmの
ポリエチレン袋の中に入れ、そこに上記■5を入れたも
の(実施例7)、J5を入れたもの(実施例8)、X5
を入れたもの(比較例13)、X6を入れたもの(比較
例14)、X7を入れたもの(比較例15)、X8を入
れたもの(比較例16)、ブロッコリ以外前もいれない
もの(比較例17)を準備し、開口部をヒートシールす
ることにより密閉した。これらをダンボール箱に入れ、
光を遮った状態で、5℃の雰囲気下に6日間放置した。
7日目に各々のポリエチレン袋内のエチレン濃度および
アセトアルデヒド濃度を前述のエチレンガス検知管(N
o、172およびNo、172L)およびアセトアルデ
ヒドガス検知管(No、92)を用いて測定するととも
に緑色の保持状態を評価した。その結果を表5に示す。
表5 注1) 注2) エチレンガス検知管(No、172L)度は0.O5p
pmである。
アセトアルデヒドガス検知管(No。
知限度は2ppmである。
92) の検知限 の検 ■実果菜によるテスト(その2) 上記0項で得た20μmの厚みのポリプロピレン複合フ
ィルム(J3)を、鮮度保持剤(J)を分散含有させた
面が内側となるように袋状に加工したもの(J6)を用
意した。次ぎに、上記■項で得た厚さ2[[lfl]の
シート状発泡体(J4)を半球状のフルーツキャップに
加工したもの(J7)を用意した。また、各々の比較サ
ンプルとして、上記0項で得たポリプロピレン複合フィ
ルム(Xl)を、(Zl)を分散含有させた面が内側と
なるように袋状に加工したもの(X9)と鮮度保持剤を
分散含有させていない厚さ20μmのポリプロピレンフ
ィルム(X2)を袋状に加工したもの(X10)と、上
記■項で得たシート状発泡体(X3)を半球状のフルー
ツキャップに加工したもの(X11)と鮮度保持剤を添
加混合させていない厚さ2順のシート状発泡体(X4)
を半球状のフルーツキャップに加工したもの(X12)
を用意した。
−個が約30gの青梅を、上記J6に4個人れたもの(
実施例9)、X9に4個人れたもの(比較例16) 、
XIOに4個人れたもの(比較例17)、また、上記フ
ルーツキャップJ7で覆った青梅4個を20μmの厚み
のポリプロピレンフィルム袋に入れたもの(実施例10
)、フルーツキャップX11で覆った青梅4個を20μ
mの厚みのポリプロピレンフィルム袋に入れたもの(比
較例18)、フルーツキャップX12で覆った青梅4個
を20μmの厚みのポリプロピレンフィルム袋に入れた
もの(比較例19)を準備し、開口部をヒートシールす
ることにより密閉した。これらをダンボール箱に入れ、
光を遮った状態で、10℃の雰囲気下に7日間放置した
。8日目に各々のポリプロピレン袋内のエチレン濃度お
よびアセトアルデヒド濃度を前述のエチレンガス検知管
(No、172およびNo、172L)およびアセトア
ルデヒドガス検知管(No、  92)を用いて測定す
るとともに緑色の保持状態を評価した。その結果を表6
に示す。
表6 注1) 注2) エチレンガス検知管(No、172L)の検知限度は0
.O5ppmである。
アセトアルデヒドガス検知管(No。
知限度は2ppmである。
の検 92) [発明の効果コ 本発明によれば、青果物・花店類から発生するエチレン
、アセトアルデヒド等の生理活性物質を青果物・花店類
にとって無害な物質に分解し、なおかつ、青果物等の食
品と共存させても安全な鮮度保持剤を得ることができる
とともに、この鮮度保持を青果物・花店類と共に密閉容
器内に存在させることにより、あるいは、この鮮度保持
剤を分散含有させた成型体を青果物・花店類の包装材料
や保存容器等として使用することにより、青果物・花店
類の鮮度を保持することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)有機及び/または無機イオン交換体中のイオン交
    換可能なイオンの一部分または実質上全部が、パラジウ
    ムイオン及び/またはパラジウム錯イオンと、パラジウ
    ムを除く金属元素から選ばれた少なくとも一種類以上の
    金属イオン及び/または金属錯イオンでイオン交換され
    て成ることを特徴とする鮮度保持剤。
  2. (2)有機及び/または無機イオン交換体中のイオン交
    換可能なイオンの一部分または実質上全部がパラジウム
    イオン及び/またはパラジウム錯イオンでイオン交換さ
    れたもの(A)と、有機及び/または無機イオン交換体
    中のイオン交換可能なイオンの一部分または実質上全部
    が、パラジウムを除く金属元素から選ばれた少なくとも
    一種類以上の金属イオン及び/または金属錯イオンでイ
    オン交換されたもの(B)とを組み合わせて配合して成
    ることを特徴とする鮮度保持剤。
  3. (3)特許請求の範囲第(1)項記載の鮮度保持剤及び
    /または特許請求の範囲第(2)項記載の鮮度保持剤を
    成型体に分散含有させることを特徴とする鮮度保持剤の
    使用方法。
  4. (4)特許請求の範囲第(2)項記載の(A)を成型体
    に分散含有させ、特許請求の範囲第(2)項記載の(B
    )を併用して用いることを特徴とする鮮度保持剤の使用
    方法。
  5. (5)特許請求の範囲第(2)項記載の(B)を成型体
    に分散含有させ、特許請求の範囲第(2)項記載の(A
    )を併用して用いることを特徴とする鮮度保持剤の使用
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017023889A (ja) * 2015-07-15 2017-02-02 太陽化学株式会社 エチレン分解剤

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JP2017023889A (ja) * 2015-07-15 2017-02-02 太陽化学株式会社 エチレン分解剤

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