JP2010089032A - 金属粒子担持触媒およびその製造方法 - Google Patents

金属粒子担持触媒およびその製造方法 Download PDF

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光章 熊澤
Michiyo Tsukuda
美千代 佃
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Abstract

【解決手段】第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属粒子が担体物質に担持されてなる金属粒子担持触媒であって、前記金属粒子の少なくとも一部が面状領域を有する金属粒子であることを特徴とする金属粒子担持触媒。
【効果】本発明に係る金属粒子担持触媒においては、担持した金属粒子の少なくとも一部が、面状領域を有するものであり、特に面状領域の最大幅が3〜100nmの面を有し、さらに、この面状領域を有する金属粒子は、担体物質上に単位面積(m2)あたり、102〜1017個存在するものである。このため、該金属粒子担持触媒、特にPd−Cu複合粒子担持触媒等は、優れた表面活性を示すことが可能であり、例えば、硝酸性窒素処理用の触媒として優れた効果を示すことができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属粒子が担持された金属粒子担持触媒の製造方法およびその製造方法により得られる金属粒子担持触媒に関する。
触媒は、燃料電池における反応促進の他、有機物質合成、自動車排ガスの浄化等、各種の分野で使用されている。この様な触媒としては、アルミナ、シリカ等の酸化物やカーボンなどの多孔質体を担体とし、これに白金、ロジウム等が担持された触媒や、複数の金属が担持された多元系触媒が知られている。また、担体物質については、シリカ、ゼオライト、シリカーアルミナ複合体、セリアなどが用いられている。
従来の、担体物質に金属を含むコロイド粒子が担持されてなる触媒の代表的な製造方法のひとつとして、多孔質の金属酸化物からなる担体にジニトロジアンミン白金や塩化白金酸、硝酸ロジウムといった金属塩溶液を含浸させ、還元雰囲気中で焼成する方法が知られている。また、前記多元系触媒についても、担持する複数の金属塩の溶液を調製し、これに担体を混合して複数のPdイオンを担体上に吸着させ、ついで乾燥、焼成する製造方法が知られている。
上記の製造方法も含めた担体物質上に金属を含むコロイド粒子が担持されてなる触媒の製造方法としては、特許文献1には、金属酸化物などからなる微小な担体粒子の表面に、触媒活性をもつ微小な金属粒子を析出させる方法において、前記担体を合成する少なくとも一つの原料の吸収バンドに合致する波長を含む光を、前記原料に照射し前記担体粒子を析出させる工程と、析出した前記担体粒子と触媒活性をもつ前記金属粒子を析出するための前記原料とに、同時に、前記原料の吸収バンドに合致する波長を含む光を照射し、前記金属粒子を前記担体粒子の表面に析出させる工程と、析出した前記金属粒子を選別補収する工程とからなることを特徴とする触媒の製造方法が開示されている。
特許文献2には、金属粒子及び/又は金属化合物粒子が、該粒子を実質的に個々に且つ別々に保護する数平均分子量が3,000〜300,000の有機高分子化合物と共に固体担体に吸着担持されてなり、該高分子化合物及び該固体担体の少くとも一方が、共有結合を形成して両者間に化学結合を作るべく作用し得る官能基を有さないことを特徴とする金属粒子及び/又は金属化合物粒子担持複合体、およびその製造方法として、分散媒、金属粒子及び/又は金属化合物粒子及び保護コロイド粒子作用を持つ数平均分子量が3,000〜300,000の有機高分子化合物を含み、該粒子が該分散媒中に分散してコロイド粒子を形成し、且つ該高分子が該粒子に吸着して保護コロイド粒子として該粒子を実質的に個々に且つ別々に保護してなるコロイド粒子分散液を提供し、該コロイド粒子分散液と固体担体とを接触させ、該高分子化合物および該固体担体の少なくとも一方が、共有結合を形成して両者間に化学結合を作るべく作用し得る官能基を有さず、かくして、該高分子化合物で保護された該粒子が該固体担体に吸着されてなる粒子担持複合体を形成し、そして得られた複合体を該分散媒から単離することを特徴とする金属粒子及び/又は金属化合物粒子担持複合体の製造方法が開示されている。
特許文献3には、金属含有イオン及び該金属含有イオンの還元により生成する金属粒子が担持される担体を含む溶液中にプロパルギルアルコールを加え、該金属含有イオンとプロパルギルアルコールとの反応物を該担体上に担持した後、該担体を水素ガスを含有する還元性ガス中で熱処理して、該担体上の金属含有イオンとプロパルギルアルコールとの反応物を金属含有コロイド粒子に還元することを特徴とする高分散金属含有コロイド粒子担
持触媒の製造方法が開示されている。
特許文献4には、担体となる固体物質の存在下、金属の化合物またはイオンを含有した、還元能を有する液体または還元物質を溶解した液体に、マイクロ波を照射させるか、或いは、金属の化合物またはイオンを含有した、還元能を有する液体または還元物質を溶解した液体に、マイクロ波を照射させた後に、担体となる固体物質を存在させることを特徴とする、金属含有コロイド粒子を表面に付着させた金属含有コロイド粒子付着担体の製造方法が開示されている。
特許文献5には、周期表第4周期から第6周期の2B族、3B族、4B族、5B族、6B族及び第4周期8族の少なくとも1種の第二元素と金とを含有する金属粒子が担体上に担持された金属粒子担持体と、その製造方法として金及びその化合物の少なくとも1種ならびに第二元素及びその化合物の少なくとも1種を含む担体を熱処理することを特徴とする製造方法が開示されている。
特許文献6には、窒化アルミニウム粒子を空気又は酸素存在下で焼成させ、当該窒化アルミニウム粒子の表面に酸化アルミニウム層を形成する酸化アルミニウム層形成工程と、該酸化アルミニウム層形成工程により得られた窒化アルミニウム粒子を、Pdイオン又は金属粒子を含む水溶液に含浸させた後、乾燥させることにより、窒化アルミニウム担体に金属触媒を保持させる保持工程と、該保持工程で得られた窒化アルミニウム担体を空気又は酸素存在下で焼成する焼成工程とを含むことを特徴とする金属又は金属酸化物から成る金属触媒が窒化アルミニウムから成る担体に保持された触媒の製造方法が開示されている。
特許文献7には、1種又は2種以上の遷移金属の金属塩を含む金属塩溶液を製造する工程と、前記金属塩溶液と、有機物と、1種又は2種以上の金属酸化物からなる多孔質担体とを溶媒に分散させ、原子数10〜50000の1種又は2種以上の遷移Pdイオンと、前記遷移Pdイオンに結合する有機物とからなる複合錯体を形成しつつ、該複合錯体を該多孔質担体上に担持させる工程と、前記複合錯体が担持された担体を焼成する工程とを含む触媒の製造方法が開示されている。
また、金属ナノ微粒子の形状はその機能とくに触媒特性に大きな影響があることが知られている。例えば、白金表面での一酸化窒素分子の解離反応は、白金表面の形態によって活性が異なり、特に(100) 面の有効性が知られている。表面制御された白金粒子に関
しては、特許文献8に、白金化合物の水溶液に、感温性ポリマーを添加する第1の工程と、第1の工程の終了後1分以内にアルカリ水溶液の添加を開始して、所定のpH値に調整する第2の工程と、第2の工程の終了後1分以内に不活性ガスの吹き込みを開始し、所定時間吹き込む第3の工程と、第3の工程の終了後1分以内に還元性ガスの吹き込みを開始し、所定時間吹き込んだ後に、外気と遮断する第4の工程と、所定温度で所定時間保持する第5の工程とを含む金属粒子の製造方法が開示されている。また、特許文献9には、白金粒子からなり、その5重量%以上が立方体形状または正四面体形状の白金粒子である燃料電池用電極触媒に関する発明が開示されている。白金以外の金属において多面体構造を有する微粒子が担体に担持してなる、触媒用の金属微粒子担持触媒が求められていた。
特開昭61−268359号公報 特開平5−293383号公報 特開平6−31181号公報 特開2003−13105号公報 特開2003−53188号公報 特開2003−144933号公報 特開2005−270883号公報 特開2003−268424号公報 特開2002−42825号公報
本発明は、面状領域を有する金属粒子が炭素を含有する担体表面に担持されてなる金属粒子担持触媒であって、酸化反応や還元反応などの反応に有用な高活性で、高寿命である金属粒子担持触媒を提供することを目的とする。さらに、本発明は、この様な金属粒子担持触媒の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するための本発明は、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属粒子が炭素を含有する担体物質に担持されてなる金属粒子担持触媒であって、前記金属粒子の少なくとも一部が面状領域を有する金属粒子であることを特徴とする金属粒子担持触媒である。
金属粒子担持触媒の好適な態様として、前記金属粒子が、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも2種の金属からなる複合金属粒子であり、
前記第4周期遷移金属元素が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であり、前記第5周期遷移金属元素が、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であり、
前記面状領域を有する金属粒子の有する面が、最大幅3〜100nmであり、
前記面状領域を有する金属粒子が、炭素を含有する担体物質上に1m2あたり、102〜1017個担持され、
前記金属粒子担持触媒に含まれる金属粒子の割合が1〜50質量%であり、
前記担体が活性炭、カーボン、カーボンナノチューブ、フラーレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有し、
酸化反応または還元反応に使用できる。
本発明は、炭素を含有する担体の懸濁液に、15〜40℃で、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の金属のイオンを、前記炭素を含有する担体100質量部に対して1〜180質量部添加し、さらに必要に応じて還元剤を添加し、混合した後、この懸濁液を15〜200℃にて乾燥処理することを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法である。
前記金属粒子担持触媒の製造方法の好適な態様として、前記乾燥工程を不活性雰囲気下、もしくは水素下、もしくは、水素-不活性ガス混合下で行う。
本発明に係る金属粒子担持触媒においては、担持された金属粒子の少なくとも一部が、面状領域をとり、特に最大幅3〜100nmの面を有し、さらに、この面状領域を有する金属粒子は、炭素を含有する担体の単位面積(m2)あたり、102〜1017個存在する。このため、該金属粒子担持触媒は、優れた表面活性を示すことが可能であり、例えば、硝酸性窒素処理用の触媒として優れた効果を示すことができる。
以下、金属粒子担持触媒本およびその製造方法について詳細に説明する。
本発明に係る金属粒子担持触媒は、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属
元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属粒子が炭素を含有する担体に担持されてなる金属粒子担持触媒であって、前記金属粒子の少なくとも一部が面状領域を有する金属粒子であることを特徴とする。
これらの面状領域を有する金属粒子については、最大幅3〜100nmの面を含む面状領域をとるものが望ましい。このような面状領域を有する金属粒子は、表面活性に優れることが期待される。
[金属粒子担持触媒]
炭素を含有する担体
本発明に使用される担体については、炭素原子を含む担体であれば格別な制限はない。通常は活性炭、カーボン、カーボンナノチューブおよびフラーレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有する担体が使用される。この炭素を含有する担体については、非晶質であっても、晶質であってもよく、合成物質、天然鉱物のいずれであっても構わない。なお、前記炭素を含有する担体は、複合酸化物であってもよく、さらにNa、KまたはFeなどの成分を含んでいても構わない。
このような炭素を含有する担体のより具体的な例としては、粒子状のカーボン、活性炭(ヤシガラ系活性炭、フェノール樹脂系活性炭または塩基性活性炭など)、カーボンブラック(ケッチェンブラック、アセチレンブラックなど)などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
また、炭素を含有する担体の形状は特に限定されるものではなく、球状粒子であってもよく、不定形物質であってもよい。前記担体が球状粒子である場合、担体の平均粒子径は、担持される金属粒子の有する面状領域の最大幅と同等またはそれ以上であれば特に限定されるものではないが、リアクターとして装置化することを踏まえれば、前記担体の平均粒子径は好ましくは100nm〜500mm、より好ましくは1μm〜100mmの範囲が推奨される。
粒子径が前記範囲の担体は、容易に得ることができ、また、本発明の製造方法により、容易に面状領域を有する金属粒子をその表面に均一に担持させることができる。なお、二次粒子径が上記範囲にあれば、担体は凝集した状態でも使用することができるが、できる限り単分散していることが好ましい。
前記担体の平均径としては、面状領域を有する金属粒子の面状領域の最大幅の5倍以上の長さであるものがより推奨される。
前記担体が球状粒子でない場合(不定形等)については、担体の最短径が、担持される金属粒子の有する面状領域の最大幅と同等またはそれ以上であれば特に限定されるものではないが、リアクターとして装置化することを踏まえれば、担体の最短径は好ましくは100nm〜500mm、より好ましくは1μm〜100mmの範囲が推奨される。また、担体の最長径については、120nm〜1000mm、より好ましくは、1.2μm〜120mmの範囲が推奨される。
前記最短径が前記範囲の担体は、容易に得ることができ、また、本発明の製造方法により、容易に面状領域を有する金属粒子をその表面に均一に担持させることができる。なお、二次粒子径が上記範囲にあれば、担体は凝集した状態でも使用することができるが、できる限り単分散していることが好ましい。
前記担体の最短径としては、面状領域を有する金属粒子の面状領域の最大幅の5倍以上の長さであるものがより推奨される。
金属粒子
本発明に係る金属粒子担持触媒においては、炭素を含有する担体に、面状領域を有する金属粒子が担持されていることを特徴としている。
ここで面状領域を有する金属粒子とは、粒子の一部が平面状となっている金属粒子または4個以上の平面状領域から構成される金属粒子を意味する。具体的には、次の1)または2)の金属粒子を挙げることができる。
1)面状の領域を少なくとも1箇所有し、それ以外の部分は球状または不定形の金属粒子2)四面体状構造、五面体状構造、六面体状構造またはそれ以上の面状の領域で囲まれてなる多面体状構造からなる金属粒子
前記面状の領域については、電子顕微鏡写真などで平面または略平面状であることが確認できるものであれば構わない。この様な面の形状としては、例えば、円形状の面、略楕円形状の面、三角形状の面、四角形状の面、多角形状の面、不定形状であるものの一部に直線状部分(辺)を有する面などを挙げることができる。前記面状の領域については、その最大幅が3〜100nmの範囲にあるものが好ましい。最大幅が3nm未満の場合は、触媒活性が低い傾向がある。面状領域の最大幅が100nmを超える金属粒子を担体に担持させることは容易ではない。前記最大幅の範囲としては、好適には3〜50nmの範囲が推奨される。また、更に好適には、3〜45nmの範囲が推奨される。
本発明においては、金属粒子担持触媒の電子顕微鏡写真(写真投影図)から、金属粒子の有する面状領域の最大幅を測定する。具体的には、電子顕微鏡により倍率30万倍で写真撮影して得られる写真投影図において、500nm四方に表れる面状領域のうち、最も大きい最大幅を測定し、同様の測定を写真投影図上の50箇所について行って、その平均値を算定する。この平均値を金属粒子担持触媒に担持している面状領域を有する金属粒子の面状領域の最大幅とした。なお、ここで最大幅とは、面状領域の外縁上の2点を結ぶ線分のうち、最大の長さの意味である。
前記面状領域を有する金属粒子は、炭素を含有する担体の単位面積(1m2)あたり、
102〜1017個/m2、好ましくは、103〜1015/m2個担持されていることが望ましい。 このような範囲で担持されていることにより、金属粒子に基づく触媒効果などが安定して発現し易くなる。担持される面状領域を有する金属粒子の個数が前記範囲の下限未満の場合、金属粒子に基づく効果が十分に発現せず、触媒効果または導電性効果が微弱なものとなる場合がある。また、前記範囲の上限を超える場合、金属粒子に基づく効果が飽和する傾向が強くなるので、その上限を超える個数の金属粒子は必要とはされない。
本発明においては、本発明に係る金属粒子担持触媒を、肉眼または読取装置にて、担体に担持した金属粒子の個数を測定できる程度まで拡大した電子顕微鏡写真に基づいて面状領域を有する金属粒子の担持個数を測定する。具体的測定方法については、実施例にて開示した。
前記金属粒子担持触媒に含まれる金属粒子の質量割合は、適用する用途の要請に応じて選択されるものであり、格別に限定されるものではないが、通常は、例えば、0.1〜50質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲にあることが望ましい。金属粒子がこの範囲で担持されていると、例えば、金属粒子の作用による触媒作用などが実用的なレベルとなり易くなる。
面状領域を有する金属粒子としては、四面体状粒子(三角錐型)、六面体状粒子(立方体状または直方体状)、八面体状粒子等が挙げられ、好ましくは正四面体状粒子、正六面体状粒子、正八面体状粒子が推奨される。このうち、辺の長さが均一な多面体状粒子は、結晶面が均等に現れており、そのため反応形態への依存性もあるものの、酸化反応や還元反応に使用した際の活性が高くなり易いため特に好適である。
なお、本発明においては、炭素を含有する担体上に面状領域を有する金属粒子以外に、面状領域を有する金属粒子に該当しない粒子が含まれていても構わない。ここで、面状領
域を有する金属粒子に該当しない金属粒子としては、例えば、球状金属粒子、平面を有さない不定形金属粒子などを挙げることができる。本発明の金属粒子担持触媒において面状領域を有する金属粒子は、担持している金属粒子全体(個数)の好ましくは20〜100%の範囲であることが推奨される。更に好ましくは30〜100%の範囲が推奨される。
前記金属粒子は、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる。前記金属粒子は、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる2種以上の金属からなる複合金属粒子であってもよい。金属粒子が複合金属粒子であると、化学的に安定、合金独自の特性が発現しやすいという利点がある。複合金属粒子としては、Au-Pt、Au-Ag、Au-Pd、Au-Pd、Au-Ru、Pt-Pd、Pt-Ru、Pt-Ag、Ag-Pd、Ag-Pd-Sn、Pd-Cu、Pd-Cu-Sn、からなる複合金属粒子等がより好ましい。好ましくは、前記第4周期遷移金属元素は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であり、前記第5周期遷移金属元素が、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素である。
また、本金属粒子担持触媒は、触媒活性を向上させるため種々の酸化物を微量添加しても構わない。この様な例としては、CeO、BiO、BaO、MgO、ZrO、NiO、IrOまたはSeOなどの酸化物を挙げることができる。
本発明の金属粒子担持触媒の大きさは実質的に、炭素を含有する担体の大きさによって決定される。本発明の金属粒子担持触媒は、必要に応じて、公知の方法で、ペレット、ハニカムなどの所望の形状に成形してもよい。
本発明の金属粒子担持触媒は、酸化反応または還元反応等に使用することができる。 本発明の金属粒子担持触媒は、たとえば以下の金属粒子担持触媒の製造方法により製造することができる。
本発明に係る金属粒子担持触媒の製造方法について、以下に述べる。
[金属粒子担持触媒の製造方法]
本発明に係る第1の金属粒子担持触媒の製造方法は、炭素を含有する担体の懸濁液に、15〜40℃で、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の金属のイオンを、前記炭素を含有する担体100質量部に対して1〜180質量部添加し、さらに必要に応じて還元剤を添加し、混合した後、この懸濁液を15〜200℃にて乾燥させることを特徴とする。
炭素を含有する担体懸濁液の調製
本発明に使用される炭素を含有する担体については、前記した通りである。本発明では、上記炭素を含有する担体は、通常、水に懸濁させた状態で使用される。炭素を含有する担体の懸濁液は、上記炭素を含有する担体に、例えば、脱イオン水を加えて、95℃で1時間混合することにより得ることができる。水の使用量は、炭素を含有する担体100質量部に対して100〜99,900質量部が好ましく、400〜19,900質量部がより好ましい。このようにして得られた炭素を含有する担体物質の懸濁液は、必要に応じて、さらに水で希釈してもよく、あるいはデカンテーションで濃縮してもよい。希釈水としては脱イオン水が好ましい。希釈後の炭素を含有する担体の懸濁液の濃度は、0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜10質量%がより好ましい。
金属イオン添加
次に、上記炭素を含有する担体懸濁液に金属イオンを添加する。金属イオンは、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のイオンである。
前記第4周期遷移金属元素は、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であることが好ましく、前記第5周期遷移金属元素は、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることが好ましい。
金属イオンの添加量は、前記炭素を含有する担体100質量部に対して金属元素換算で1〜180質量部が好ましく、2〜80質量部がより好ましい。前記添加量が1質量部未満であると、面状領域を有する金属粒子を得ることが困難である。なお、金属イオンの添加量が多い程、面状領域を有する金属粒子が生成しやすくなるが、前記添加量が180質量部を超えると、未反応のイオンが残存したり、触媒として使用した際に酸化される場合があり活性低減や寿命短縮を生じるので好ましくない。
この方法により面状領域を有する金属粒子が生成することについては、炭素を含有する担体と添加された金属イオンとの間で電子の授与が起き、特定の面成長が抑制され、あるいは特定の面成長が促されながら粒子が成長する結果、生成する粒子が面状領域を有するようになるからであると推察される。
上記範囲の量の金属イオンを前記懸濁液に添加する方法としては、1)金属元素換算で上記範囲の量の金属イオンを含む所定の溶液を前記懸濁液に添加する方法、および2)金属元素換算で上記割合の金属イオンを形成し得る量の金属化合物を前記懸濁液に添加して、この懸濁液中で金属イオンを発生させる方法を挙げることができる。
前記1)の方法において、金属イオンを含む溶液は、金属イオンを形成し得る金属化合物を溶媒に溶解することにより調製できる。上記金属イオンの価数については、特に限定されるものではない。
金属イオンを生成可能な上記化合物としては、上記懸濁液中で金属イオンを形成するものであれば特に制限されず、例えば、Pdイオンを形成する化合物としては、塩化パラジウム、硝酸パラジウム、硫酸パラジウム、クエン酸パラジウム、酢酸パラジウムなどが挙げられる。これらのパラジウム化合物は1種単独で、または2種以上を混合して用いることができる。
その他の金属イオンを生成可能な化合物の一例を以下に記す。
銅イオン:塩化銅、硫酸銅、硝酸銅
白金イオン:塩化白金酸、塩化白金(IV)酸カリウム、塩化白金(IV)酸ナトリウム、テトラニトロ白金(II)カリウム、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸ナトリウム水和物、ジニトロジアンミン白金硝酸、ジニトロジアンミン白金アンモニアおよびテトラアンミンジクロロ白金水和物
金イオン:塩化金酸、亜硫酸金ナトリウム、シアン化金カリウムおよびシアン化金ナトリウム
銀イオン:硝酸銀、硫酸銀、
鉄イオン:硫酸第二鉄、酢酸第一鉄
金属イオンを生成する金属化合物は、通常溶媒に溶解して、前記懸濁液に添加される。
金属イオンを含む溶液に用いられる溶媒は、該金属との反応性を示さず、該金属化合物を溶解できるものでは特に限定されるものではない。
このような溶媒としては、
水;
メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−ブタノール、メチルイソカルビノールなどのアルコール類;
アセトン、2−ブタノン、エチルアミルケトン、ジアセトンアルコール、イソホロン、シクロヘキサノンなどのケトン類;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなどのアミド類;
ジエチルエーテル、イソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、3,4−ジヒドロ−2H−ピランなどのエーテル類;
2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、エチレングリコールジメチルエーテルなどのグリコールエーテル類;
2−メトキシエチルアセテート、2−エトキシエチルアセテート、2−ブトキシエチルアセテートなどのグリコールエーテルアセテート類;
酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソブチル、酢酸アミル、乳酸エチル、エチレンカーボネートなどのエステル類;
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;
ヘキサン、ヘプタン、iso−オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素類;
塩化メチレン、1,2−ジクロルエタン、ジクロロプロパン、クロルベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;
ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類;
N−メチル−2−ピロリドン、N−オクチル−2−ピロリドンなどのピロリドン類などを挙げることができる。
前記2)の方法は、前記1)の方法で述べた金属化合物をそのまま前記懸濁液に添加する方法である。
金属粒子が複合金属粒子である金属粒子担持触媒を製造する場合には、前記1)の方法においては、2種以上の金属化合物を溶媒に溶解して得られた溶液を前記懸濁液に添加すればよく、前記2)の方法においては、2種以上の金属化合物を前記懸濁液に添加すればよい。
上記炭素を含有する担体物質懸濁液に、金属イオンを含む溶液あるいは金属化合物を添加する際の温度は、特に限定されないが、15〜40℃が好ましい。添加温度が前記範囲より低いと、十分に金属イオンを担持できないことがあり、添加温度が前記範囲より高いと、担持効率のさらなる向上が見られないため、経済的に好ましくない。
また、上記添加後、上記範囲の温度に保持しながら懸濁液を攪拌して充分に混合することが好ましい。攪拌は15〜40℃で、通常5分以上、好ましくは10分以上行なうことが望ましく、必要に応じて、3時間程度まで、好ましくは1時間程度まで攪拌してもよい。特に、固体状の金属化合物を添加した場合には、金属化合物が充分に溶解して金属イオンが生成するまで攪拌などの操作を充分に行なう必要がある。
また、イオン化傾向の高い金属イオンを用いる場合は、金属イオンを吸着させた後に還元剤を添加することもできる。還元剤としては、アルコール、ヒドラジン、蟻酸、ホルムアルデヒド、ヒドロキノン、過塩素酸、硫酸第一鉄、水素化ホウ素ナトリウム、過酸化水素、過マンガン酸カリウムなどが挙げられる。還元剤の添加量としては、金属イオン100質量部に対して10質量部〜500質量部が好ましく、50〜300質量部がより好ましい。
上記混合操作後、必要に応じて、金属粒子担持触媒を含む懸濁液を水で希釈してもよい。通常、金属粒子担持触媒100質量部に対して、最大で250,000質量部程度の水で
希釈することができる。さらに、通常水で希釈した金属含有コロイド粒子担持触媒を遠心分離し、望ましくは洗浄を3回以上繰り返して、残存するイオンを除去し、金属粒子担持触媒を分離精製する。その後、分離した金属粒子担持触媒を、通常15℃以上、好ましくは50〜200℃で1〜20時間乾燥することが望ましい。乾燥温度が15℃より低いと面状領域を有する金属粒子が形成されない場合があり、200℃より高い場合は、粒子の
シンタリングや酸化が進行するといった問題がある。
前記乾燥処理工程は、不活性雰囲気下、水素雰囲気下または水素-不活性ガス混合雰囲気
下で行うことが好ましい。不活性雰囲気としては、窒素、アルゴン、およびヘリウム雰囲気等を挙げることができる。乾燥工程をこれらの雰囲気下で行うと、金属粒子の酸化を受けにくい点や還元が行きやすい点があるので好ましい。
本発明の製造方法により、金属粒子担持量が、金属粒子担持触媒全体に対して、0.1〜
50質量%であり、かつ金属粒子が炭素を含有する担体物質表面に極めて良好に分散し、さらにその金属粒子の少なくとも一部が面状領域を有する金属粒子である金属粒子担持触媒を得ることができる。なお、この金属粒子担持量は、金属イオンを添加する際の温度、金属イオンの含有量、還元剤の有無などの製造条件を適宜調整することによりコントロールすることができる。
本発明の金属粒子担持触媒は、面状領域を有する金属粒子が炭素を含有する担体表面に担持されてなることで高活性で、高寿命な金属粒子担持触媒を提供することが可能である。特に硝酸性窒素を還元して窒素を生成する処理や種々の酸化物合成に用いる場合には高い触媒活性を示し、高寿命また触媒性能の再現性もよい。また、触媒以外の用途として、金属粒子を、炭素を含有する担体上に良好に分散した材料として、電気特性または磁気特性を利用する用途に適用可能である。
本願発明の好適な態様を以下に列挙する。
[好適な態様1]
第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属粒子が炭素を含有する担体に担持されてなる金属粒子担持触媒であって、前記金属粒子の少なくとも一部が面状領域を一箇所のみ有する金属粒子であることを特徴とする金属粒子担持触媒。
[好適な態様2]
前記金属粒子が、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも2種の金属からなる複合金属粒子であることを特徴とする前記金属粒子担持触媒。
[好適な態様3]
前記第4周期遷移金属元素が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であり、前記第5周期遷移金属元素が、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることを特徴とする前記金属粒子担持触媒。
[好適な態様4]
前記面状領域を一箇所のみ有する金属粒子の有する面が、最大幅3〜100nmの範囲のものであることを特徴とする前記金属粒子担持触媒。
[好適な態様5]
前記面状領域を一箇所のみ有する金属粒子が、炭素を含有する担体表面の1m2あたり
、102〜1017個担持されていることを特徴とする前記金属粒子担持触媒。
[好適な態様6]
前記金属粒子の含有割合が0.1〜50質量%であることを特徴とする前記金属粒子担持触媒。
[好適な態様7]
前記炭素を含有する担体が活性炭、カーボン、カーボンナノチューブまたはフラーレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする前記金属粒子担持触媒。
[好適な態様8]
前記面状領域を有する金属粒子が、前記炭素を含有する担体に、第4周期遷移金属元素
、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属のイオンを吸着させた後、このイオンを還元させることにより得られるものであることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の金属粒子担持触媒。
[好適な態様9]
酸化反応または還元反応に使用できることを特徴とする前記金属粒子担持触媒。
[好適な態様10]
炭素を含有する担体の懸濁液に、15〜40℃で、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の金属のイオンを、前記炭素を含有する担体100質量部に対して1〜180質量部添加し、さらに必要に応じて還元剤を添加し、混合した後、この懸濁液を15〜200℃にて乾燥処理することを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法。
[好適な態様11]
前記乾燥処理を、不活性雰囲気下、水素雰囲気下、または水素-不活性ガス混合雰囲気
下で行うことを特徴とする前記金属粒子担持触媒の製造方法。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[1]単位面積当たりの金属粒子存在個数測定
透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、試料(金属粒子担持触媒)を倍率30万倍で写真撮影して得られる写真投影図における、同一の担体について500nm四方の表面に担持されている金属粒子の個数[N]とそのうち面状領域を有する金属粒子の個数[n]をそれぞれ測定した。更に、この測定を50箇所の500nm四方について行い、それぞれの平均値([NA]と[nA])を算定した。そして、全金属粒子中の面状領域を有する金属粒子の存在割合((nA/NA)×100)[%]、およびそれいつ以外の金属粒子の存在割合((NA−nA)/NA)×100)[%]を求めた。
なお、前記写真投影図上の500nm四方に複数の担体が存在する場合は、最低100nm四方まで適宜測定範囲を調整して、同一の担体に担持した金属粒子数を測定する。
[2]金属粒子担持担体の組成分析
試料(金属粒子担持担体)を600℃にて焼成し、残渣をアルカリ溶融剤にて溶融した後、28(質量)%塩酸水溶液にて溶解し、溶解液を純水で希釈した後、ICP誘導結合プラズマ発光分光分析装置SPS1200A(セイコー電子株式会社製)にて測定し、金属粒子担持触媒の質量に占める金属粒子の割合[質量%]を求めた。
[3]画像解析による形状の確認と面状領域の最大幅の測定方法
面状領域を有する金属粒子が有する面の最大幅については、次の方法により測定した。透過型電子顕微鏡(株式会社日立製作所製、H−800)により、倍率30万倍で写真撮影して得られる写真投影図により面状領域の有無および全体形状を確認し、写真投影図上の500nm四方に存在する面状領域を有する金属粒子の中で、面状領域の最大幅が最も大きい値を測定し、同様の測定を写真投影図上の50箇所について行って、その平均値を該金属粒子が有する面状領域の最大幅とした。
以下の実施例は、いずれも前記特許請求の範囲の要件を満たすものである。
活性炭懸濁液の調製
活性炭(味の素ファインテクノ株式会社製、商品名:CL−K、粒度:0.5mm〜1.7mm、ヨウ素吸着量1,550mg/g)を純水に分散させ、活性炭濃度が10質量%の水分散液(C-1)を調製した。調製した活性炭懸濁液(C-1)100gにPdイオン濃
度が3.0質量%の塩化パラジウム水溶液を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を大気中下150℃で10時間乾燥させることにより、面状領域を有するPd粒子(面状領域の最大幅:25nm)が担持した活性炭(Pd粒子担持触媒)を得た。製造条件およびPd粒子の評価を表1に示した。
実施例1で調製した、活性炭懸濁液(C-1)100gにPdイオン濃度が3.0質量%の塩化パラジウム水溶液を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を水素中下100℃で10時間乾燥させることにより、面状領域を有するPd粒子(面状領域の最大幅:50nm)が担持した活性炭(Pd粒子担持触媒)を得た。製造条件およびPd粒子の評価を表1に示した。
実施例1で調製した、活性炭懸濁液(C-1)100gにPdイオン濃度が1.0質量%の塩化パラジウム水溶液を10g及び1.0質量%の塩化銅水溶液を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を窒素気流下110℃で10時間乾燥させることにより、面状領域を有するPd-Cu粒子(面状領域の最大幅:40nm)が担持した活性炭(
Pd-Cu粒子担持触媒)を得た。製造条件およびPd-Cu粒子の評価を表1に示した。
カーボン懸濁液の調製
カーボンブラック(三菱化学株式会社製、商品名:ケッチェンブラックEC、表面積800m2/g DBP吸油量360cm3/100g)を純水に分散させ、活性炭濃度が10質量
%の水分散液(C-1)を調製した。調製したカーボンブラック懸濁液(C-2)100gにPdイオン濃度が3.0質量%の塩化パラジウム水溶液を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を大気中下150℃で10時間乾燥させることにより、面状領域を有するPd粒子(面状領域の最大幅:10nm)面状領域を有するPd粒子(面状領域の最大幅:10nm)が担持した活性炭(Pd粒子担持触媒)を得た。製造条件およびPd粒子の評価を表1に示した。
カーボン懸濁液の調製
アセチレンブラック(電気化学工業株式会社、商品名:FX-35、表面積39m2/g ヨウ素吸着量180mg/g)を純水に分散させ、カーボン濃度が10質量%の水分散液(C-1)を調製した。調製したカーボン懸濁液(C-3)100gにPtイオン濃度が5.0質量%の塩化白金酸水溶液を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を大気中下150℃で10時間乾燥させることにより、面状領域を有するPd粒子(面状領域の最大幅:15nm)が担持したアセチレンブラック(Pt粒子担持触媒)を得た。製造条件およびPt粒子の評価を表1に示した。
カーボンナノチューブ懸濁液の調製
カーボンナノチューブ(名城ナノカーボン製、商品名:Meijyo Arc SOタイフ゜)を純水に分散させ、濃度が10質量%の水分散液(C-4)を調製した。調製したカーボンナ
ノチューブ懸濁液(C-4)100gにAuイオン濃度が2.0質量%の塩化金酸水溶液
を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を大気中下110℃で10時間乾燥させることにより、面状領域を有するAu粒子(面状領域の最大幅:20nm)が担持したカーボンナノチューブ(Au粒子担持触媒)を得た。製造条件およびAu粒子の評価を表1に示した。
[比較例1]
シリカ粒子懸濁液の調製
シリカ粒子として日揮触媒化成株製、シリカマイクロビードP-1500(平均粒子径 5μm 固形分100%)を純水に分散させ、シリカ濃度が10質量%の水分散液(C-5)を調製した。調製したシリカ懸濁液(C-5)100gにPdイオン濃度が3.0質量%の塩化パ
ラジウム水溶液を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を大気中下150℃
で10時間乾燥させることにより、球状のPd粒子(平均粒子径3nm)が担持したシリカ粒子(Pd粒子担持触媒)を得た。製造条件およびPd粒子の評価を表1に示した。
[比較例2]
実施例1で調製した活性炭懸濁液(C-1)100gにPdイオン濃度が0.1質量%
の塩化パラジウム水溶液を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を大気中下150℃で10時間乾燥させることにより、球状を有するPd粒子(平均粒子径2nm)が担持した活性炭(Pd粒子担持触媒)を得た。製造条件およびPd粒子の評価を表1に示した。
[比較例3]
実施例1で調製した活性炭懸濁液(C-1)100gにPdイオン濃度が3.0質量%
の塩化パラジウム水溶液を10g添加して、20℃で40分間攪拌した。この液を大気中下500℃で10時間乾燥させることにより、不定形粒子を有するPd粒子が担持した活性炭(Pd粒子担持触媒)を得た。製造条件およびPd粒子の評価を表1に示した。
図1は、実施例1で得られたPd粒子担持触媒の透過型電子顕微鏡写真(倍率30万倍)である。

Claims (10)

  1. 第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属からなる金属粒子が炭素を含有する担体に担持されてなる金属粒子担持触媒であって、前記金属粒子の少なくとも一部が面状領域を有する金属粒子であることを特徴とする金属粒子担持触媒。
  2. 前記金属粒子が、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも2種の金属からなる複合金属粒子であることを特徴とする請求項1に記載の金属粒子担持触媒。
  3. 前記第4周期遷移金属元素が、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、NiおよびCuからなる群より選ばれる元素であり、前記第5周期遷移金属元素が、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、PdおよびAgからなる群より選ばれる元素であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属粒子担持触媒。
  4. 前記面状領域を有する金属粒子の有する面が、最大幅3〜100nmの範囲のものであることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載の金属粒子担持触媒。
  5. 前記面状領域を有する金属粒子が、炭素を含有する担体表面の1m2あたり、102〜1017個担持されていることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の金属粒子担持触媒。
  6. 前記金属粒子の含有割合が0.1〜50質量%であることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れかに記載の金属粒子担持触媒。
  7. 前記炭素を含有する担体が活性炭、カーボン、カーボンナノチューブおよびフラーレンからなる群より選ばれる少なくとも1種を含有するものであることを特徴とする請求項1〜請求項6の何れかに記載の金属粒子担持触媒。
  8. 酸化反応または還元反応に使用できることを特徴とする請求項1〜請求項7の何れかに記載の金属粒子担持触媒。
  9. 炭素を含有する担体の懸濁液に、15〜40℃で、第4周期遷移金属元素、第5周期遷移金属元素金属元素、白金および金からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の金属のイオンを、前記炭素を含有する担体100質量部に対して1〜180質量部添加し、さらに必要に応じて還元剤を添加し、混合した後、この懸濁液を15〜200℃にて乾燥処理することを特徴とする金属粒子担持触媒の製造方法。
  10. 前記乾燥処理を、不活性雰囲気下、水素雰囲気下、または水素-不活性ガス混合雰囲気
    下で行うことを特徴とする請求項9に記載の金属粒子担持触媒の製造方法。
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