JPH0598302A - 金属元素担持炭素微粒子およびその製造方法 - Google Patents

金属元素担持炭素微粒子およびその製造方法

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JPH0598302A
JPH0598302A JP3289300A JP28930091A JPH0598302A JP H0598302 A JPH0598302 A JP H0598302A JP 3289300 A JP3289300 A JP 3289300A JP 28930091 A JP28930091 A JP 28930091A JP H0598302 A JPH0598302 A JP H0598302A
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JP3289300A
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Hisashi Tamai
久司 玉井
Hajime Yasuda
源 安田
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 金属元素が表面積の大きい状態で担持されて
おり、ふるい分けをしなくてもその担体となる炭素微粒
子の粒径分布が小さくかつ球状である金属元素担持炭素
微粒子を提供する。 【構成】 このような金属元素担持炭素微粒子は、α,
β−不飽和単量体を乳化重合することにより得られたポ
リマー微粒子の焼成体である炭素微粒子に少なくとも金
属元素からなる超微粒子が固定化されているものであ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、金属および/または
金属化合物の超微粒子が担持された炭素微粒子およびそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属元素担持炭素微粒子は、炭素微粒子
に金属あるいは金属化合物を担持させてなるものであ
り、たとえば、触媒、トナー、抗菌材、無機物質バイン
ダー、電導体などの用途に利用されている。従来の金属
元素担持炭素微粒子は、活性炭粉末の粒子表面に無電解
めっきにより金属膜を形成したもの、あるいは、アクリ
ロニトリルを主構成単量体としてなるポリマーと金属化
合物を混練したのち焼成し、さらに粉砕することにより
得られたものなどがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の金属元素担
持炭素微粒子は、担持された金属または金属化合物が粒
径の大きい粒子であったり、あるいは、膜状であったり
するという問題がある。また、担体となる炭素微粒子と
しては粒径分布が広くかつ形状が不均一なものである。
【0004】触媒活性や抗菌活性など金属に由来する機
能は、炭素微粒子に担持されている金属の表面積が大き
いほど大きくなる。従来の金属元素担持炭素微粒子は、
金属の比表面積がまだまだ小さい。このため、触媒活性
や抗菌活性などはあまり高くなく、実用化のためには活
性向上のための新規技術の開発が望まれている。他方、
炭素微粒子の粒径分布が広いと、大きすぎる粒子や小さ
すぎる粒子を除くためにふるい分けが必要になるため、
処理が煩雑になったり、歩留りが悪くなったりするとい
う問題がある。また、炭素微粒子の形状が不均一だと、
粉体として取り扱う際に流動性が悪いという問題があ
る。このため、炭素微粒子としては、粒径分布が揃って
おり、かつ、球状のものが良い。
【0005】炭素微粒子の粒径分布が小さく、形状が均
一であると、流動性が高く、たとえば、トナー用磁性粉
として用いた場合に鮮明な画像が得られ、有機物質吸着
材として用いた場合に特異な吸着能を発揮し、放射性ヨ
ードなどのハロゲン化合物吸着材として用いた場合にそ
の吸着効果が高いという利点がある。この発明は、金属
元素が表面積の大きい状態で担持されており、ふるい分
けをしなくてもその担体となる炭素微粒子の粒径分布が
小さくかつ球状である金属元素担持炭素微粒子を提供す
ることを第1の課題とする。
【0006】この発明は、そのような優れた金属元素担
持炭素微粒子を容易に得ることができる製造方法を提供
することを第2の課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記第1の課題を解決す
るために、この発明は、α,β−不飽和単量体を乳化重
合することにより得られたポリマー微粒子の焼成体であ
る炭素微粒子に少なくとも金属元素を含んでなる超微粒
子が固定化されている金属元素担持炭素微粒子を提供す
る。
【0008】上記第2の課題を解決するために、この発
明は、下式−1で表される官能基群のうちの少なくと
も1つの官能基を有するα,β−不飽和単量体を少なく
とも含む単量体成分を乳化重合して得られたポリマー微
粒子に前記官能基を介して金属および金属化合物の少な
くとも一方を担持してなる金属担持ポリマー微粒子を焼
成して上記この発明の金属元素担持炭素微粒子を得る製
造方法を提供する。
【0009】
【化3】
【0010】上記第2の課題を解決するために、この発
明は、また、下式−2で表される官能基群のうちの少
なくとも1つの官能基が金属に配位してなる金属錯体基
a、下式で表される金属錯体基群のうちの少なくとも
1つの金属錯体基b、および、下式で表される金属含
有官能基群のうちの少なくとも1つの金属含有官能基c
から選ばれる少なくとも1つの基を有するα,β−不飽
和単量体を少なくとも含む単量体成分を乳化重合して得
られた金属担持ポリマー微粒子を焼成して上記この発明
の金属元素担持炭素微粒子を得る製造方法を提供する。
【0011】
【化4】
【0012】 (−C5 6 4)M3 a (C5 6 5b 、(−C6 6 9)M3 a 〔aは0〜4の整数、bは0または1である。−C5
6 4およびC5 6 5はそれぞれ独立に非置換のまたは置換
されたシクロペンタジエニル基を表す。−C6 6 9は非
置換のまたは置換されたヘキサジエニル基を表す。−C
5 6 4および−C6 6 9の各結合の手の位置には重合性
二重結合を有する置換基が結合する。R6 は、Hまたは
CH3 であり、R6 は同一または異なるものであっても
よい。M3 は、金属元素である。Zは、Cl、Br、
(1/2)O、PR7 3(R7 は、炭素数1〜4のアルキ
ル基またはフェニル基であり、3つのR7 は同一または
異なるものであってもよい)、OCOR1 (R1 は、
H、炭素数1〜4のアルキル基および炭素数1〜4のヒ
ドロキシアルキル基のうちのいずれかである)、また
は、COであり、aが2〜4の場合には、同一または異
なるものであってもよい。〕 −COOM3 、−SO3 3 〔M3 は、金属元素である。〕 この発明では、炭素微粒子表面および/または内部に、
金属および/または金属化合物を超微粒子、すなわち炭
素微粒子よりも小さい微粒子の状態で固定化している。
炭素微粒子に固定化された前記超微粒子は、炭素微粒子
よりも小さければ、その大きさに特に限定はなく、形状
も特に限定はない。金属および/または金属化合物の超
微粒子は、炭素微粒子にできるだけ均一に固定化されて
いることが好ましい。
【0013】この発明の金属元素担持炭素微粒子は、た
とえば、金属担持ポリマー微粒子を焼成することにより
得られる。この発明では、金属担持ポリマー微粒子とし
て、たとえば、上式−1で表される官能基群のうちの
少なくとも1つの官能基を有し乳化重合により得られた
ポリマー微粒子に前記官能基を介して金属および金属化
合物の少なくとも一方を担持したものが用いられる。
【0014】この場合、ポリマー微粒子は、乳化重合に
より作られる。この乳化重合は、界面活性剤の存在下で
行われる通常の乳化重合、および、界面活性剤の不存在
下での乳化重合のいずれであってもよいが、界面活性剤
の不存在下での乳化重合の方がより好ましい。これは、
界面活性剤の存在下での乳化重合により得られたポリマ
ー微粒子は、表面に界面活性剤、単量体等の有機物が吸
着しているため、金属の固定化に際し、金属化合物が界
面活性剤等と優先的に反応してポリマー微粒子表面での
金属の析出が妨げられ、金属の担持効率が悪いだけでな
く、ポリマー微粒子表面に固定化された金属も粒径の大
きなものとなることがあるからである。界面活性剤不存
在下での乳化重合は、通常、ソープフリー重合またはソ
ープフリー乳化重合と称されており、乳化剤である界面
活性剤を用いず、その代わりに水相中の重合開始剤ある
いは水に溶解している単量体の重合に由来するオリゴマ
ーの界面活性機能を利用して行われる。界面活性剤の存
在下で乳化重合を行う場合、使用される界面活性剤とし
ては、イオン性、非イオン性のものが挙げられ、たとえ
ば、アルキルフェノールエトキシレート、高級アルコー
ルエトキシレート、ポリビニルアルコール等の非イオン
性界面活性剤;アルキルサルフェート、アルキルベンゼ
ンスルホネート等のアニオン性界面活性剤;ドデシルト
リメチルアンモニウムクロライド等のカチオン性界面活
性剤などであり、それぞれ、単独で使用されたり、2種
以上併用されたりする。
【0015】上記ポリマー微粒子を得るための乳化重合
で用いるα,β−不飽和単量体は、上式−1で表され
る官能基群のうちの少なくとも1つの官能基を有する
α,β−不飽和単量体Aを必須単量体として含んでいる
ものである。単量体Aとしては、たとえば、アクリル
酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
およびそれらの塩;スチレンスルホン酸、2−アクリル
アミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スルホエチル
メタクリレート、ビニルスルホン酸およびそれらの塩;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、アクリロイルモルホリン、ジメ
チルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチル
メタクリレート、ジメチルアミノプロピルアクリルアミ
ド、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド、それら
の塩、および、それらの4級化物;アミノエチルメタク
リレートおよびその塩、ビニルピロリドン、ビニルピリ
ジン、ビニルイミダゾール、イソプロペニルオキサゾリ
ンなどが挙げられ、それぞれ単独で使用されたり、2以
上併用されたりする。
【0016】単量体Aとともに、上式で表される官能
基群のうちの1つの官能基も有しないα,β−不飽和単
量体(以下、「単量体C」と言う)が併用される。単量
体Cとしては、たとえば、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸ドデシル、ヒドロキシエチルアクリレートなど
のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸オクチ
ル、メタクリル酸ドデシル、ヒドロキシエチルメタクリ
レートなどのメタクリル酸エステル;スチレン;酢酸ビ
ニル;プロピオン酸ビニル;エチレングリコールジメタ
クリレート、メチレンビスアクリルアミド、ジビニルベ
ンゼンなどの多官能性単量体などが挙げられる。乳化重
合を界面活性剤の不存在下で行う場合には、単量体Cと
しては、20℃における水への溶解度が2重量%以下の
ものがより好ましい。その理由は、ポリマーの溶解性を
コントロールし、所望の微粒子を形成させやすいためで
ある。
【0017】上記単量体AおよびCの混合物(必要に応
じて後述の単量体Bも使用される)である単量体成分を
用いて乳化重合を行う。重合方法は、特に制限はない
が、媒体として水または水溶液、これらと有機溶媒との
混合溶媒を用い、単量体濃度2〜70重量%であること
が好ましい。2重量%未満であると効率が悪く、70重
量%を越えると重合系の粘度が高くなり、均一な微粒子
を得ることが困難になる。重合温度は、使用する開始剤
の種類により異なるが、たとえば10〜100℃が好ま
しい。重合時間は、単量体の種類、重合温度などにより
変わるが、おおよそ30分間〜10時間程度とすればよ
い。
【0018】単量体Aと単量体Cとの比率は、たとえ
ば、得られる金属元素担持炭素微粒子の金属元素担持量
などを考慮して適宜設定され、特に限定はない。重合開
始剤としては、過硫酸カリウム(KPS)、過硫酸アン
モニウムなどの過酸化物、あるいは、これらの過酸化物
と亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、L−アス
コルビン酸などの還元剤とからなるレドックス開始剤;
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸
塩、4,4’−アゾビス(シアノペンタノイックアシッ
ド)などのアゾ化合物などが使用される。
【0019】乳化重合により得られたポリマー微粒子の
平均粒子径は、たとえば0.01〜5μmが好ましく、
より好ましくは1μm以下である。ポリマー微粒子の平
均粒子径および粒径分布は、重合条件、単量体組成など
を適宜変更することにより適宜設定することができる。
ポリマー微粒子に金属を固定化するためには、まず、ポ
リマー微粒子表面の官能基に金属化合物を錯体として固
定化させることが必須である。このとき、ポリマー微粒
子表面に存在する前記官能基を配位子としてこれを介し
て金属錯体の形で結合させた後、たとえば、遠心分離ま
たは濾過により分散媒からポリマー微粒子を分離して、
さらに必要に応じて水洗するなどして、分散媒中に含ま
れる過剰の金属化合物を完全に除去する。このようにし
て系中に存在する金属化合物を除去することにより、ポ
リマー微粒子表面に均一に金属化合物が配位した高分子
錯体が合成できる。必要に応じて、得られたこの高分子
錯体を種々の還元剤で金属に還元することにより、粒径
の揃った超微粒子金属が均一にポリマー微粒子表面に担
持された目的とする金属担持微粒子が収率良く得られ
る。
【0020】ポリマー微粒子表面に金属および/または
金属化合物を錯体として固定化させる条件は、金属の種
類や固定化量に応じて適宜設定すればよいが、1例を挙
げれば、金属および/または金属化合物を溶解した水溶
液や有機溶媒中に乳化重合で得られたポリマー微粒子を
分散させ、室温〜100℃で1分間〜10時間程度攪拌
して反応させればよい。
【0021】固定化される金属の種類は特に限定はない
が、用途により適宜選択して用いることができる。原子
番号21〜30、39〜48、57〜80、89以上で
ある遷移金属であればいずれも担持可能である。具体例
としては、たとえば、チタン、バナジウム、クロム、マ
ンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ルテニウ
ム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、銀、白金、金
等が挙げられる。使用する際の金属化合物としては、た
とえば、それら金属のハロゲン化物、硫酸塩、硝酸塩な
どが好ましい。
【0022】ポリマー微粒子表面に結合させた金属錯体
の還元は必要に応じて水中、または、エーテル;ヘキサ
ンなどの飽和炭化水素系溶媒;ベンゼンなどの芳香族炭
化水素系溶媒;アルコール等の有機溶媒中で行う。還元
剤は、金属イオンの還元能を有するものであれば特に限
定はない。水溶液中で還元を行う場合には、たとえば、
ホルムアルデヒド、ヒドラジン、ジ亜リン酸ナトリウ
ム、水素化ホウ素ナトリウム、ジアルキルアミン・ボラ
ン等が挙げられる。また、有機溶媒中での還元のために
は、たとえば、トリエチル水素化ホウ素リチウム、ビス
(メトキシエトキシ)水素化アルミニウムナトリウム、
トリエトキシシラン、ジエトキシシラン、水素化リチウ
ム、水素化カリウム等が挙げられる。
【0023】前記金属の担持処理により得られた金属担
持ポリマー微粒子は、これを含む液のままで、あるい
は、遠心分離等により液と分離して粉体として取り出さ
れて後述する焼成が施される。この発明では、金属担持
ポリマー微粒子として、また、たとえば、上式−2で
表される官能基群のうちの少なくとも1つの官能基に金
属が配位してなる金属錯体基a、上式で表される金属
錯体基群のうちの少なくとも1つの金属錯体基b、およ
び、上式で表される金属含有官能基群のうちの少なく
とも1つの金属含有官能基cから選ばれる少なくとも1
つの基を有し乳化重合により得られたポリマー微粒子が
用いられる。
【0024】ここでの乳化重合も、上記と同様に界面活
性剤の存在下または不存在下で行われる。使用される単
量体成分は、上記金属錯体基a、金属錯体基bおよび金
属含有官能基cから選ばれる少なくとも1つの基を有す
るα,β−不飽和単量体Bを少なくとも含む単量体成分
である。得られた金属担持ポリマー微粒子は、上述のポ
リマー微粒子と同様の平均粒径を有している。
【0025】金属錯体基aとしては、たとえば、上式
−2で表される官能基を有する化合物(単量体A)と金
属塩とを混合して得られるものが挙げられる。金属錯体
基bとしては、たとえば、次のものが挙げられる。 (−C5 R'4) ScCl (−C5 R'4) Sm (−C5 R'4) YbCl (−C5 R'4) LnClc (Ln:希土類金属、c:1
〜3) (−C5 R'4) TiBrd (d:1〜4) (−C5 R'4) ZrCld (d:1〜4) (−C5 R'4) ZrBrd (d:1〜4) (−C5 R'4) VClc (c:1〜3) (−C5 R'4) VOCle (e:0〜3) (−C5 R'4) TiCl2(C5 R'5) (−C5 R'4) ZrCl2(C5 R'5) (−C5 R'4) HfCl2 (−C5 R'4) VCl(C5 R'5) (−C5 R'4) FeCle (C5 R'5)(e:0〜3) (−C5 R'4) RuCle (C5 R'5)(e:0〜3) (−C5 R'4) CoClf (C5 R'5)(f:0〜2) (−C5 R'4) Co(CO)2 (−C5 R'4) Co(OCOR”)2 (R”:炭素数1〜4の、アルキル基またはヒドロキシ
アルキル基) (−C5 R'4) NiClf (C5 R'5)(f:0〜2) (−C5 R'4) Ni(PR"'3)f Clg (C5 R'5) (R"':炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基、
f:0〜2、g:0〜2) (−C5 R'4) RhCle (C5 R'5)(e:0〜3) (−C5 R'4) RhClg (PR"'3)f (C5 R'5) (R"':炭素数1〜4のアルキル基またはフェニル基、
f:0〜2、g:0〜2) (−C5 R'4) Rh(OCOCH3)c (C5 R'5
(c:1〜3) (−C5 R'4) PdClf (C5 R'5)(f:0〜2) (−C5 R'4) Pd(OCOCH3)h (C5 R'5
(h:1〜2) (−C5 R'4) PtCld (C5 R'5)(d:1〜4) 〔R’:HまたはMe〕 金属含有官能基cとしては、たとえば、次のものが挙げ
られる。 −COO(Cu)1/2 、−COOAg、−COO(N
i)1/2 、−SO3(Cu) 1/2 、−SO3 (Z
r)1/4 、−SO3 (Fe)1/3 単量体Bとしては、たとえば、次のようなものが挙げら
れ、それぞれ、単独で使用されたり、2以上併用された
りする。金属錯体基aを有するα,β−不飽和単量体 Cu(CH2 =CHCN)n (n:2〜6)金属錯体基bを有するα,β−不飽和単量体 ビニルフェロセン、フェロセニルメチルアクリレート、
フェロセニルメチルメタクリレート、フェロセニルエチ
ルアクリレート、フェロセニルエチルメタクリレート、
2,4−ヘキサジエニル鉄トリ(カルボニル)メタクリ
レート、2,4−ヘキサジエニルルテニウムトリ(カル
ボニル)メタクリレートなどの、有機金属錯体部を含有
する、ビニル化合物、アクリル酸エステル、メタクリル
酸エステル。金属含有官能基cを有するα,β−不飽和単量体 (メタ)アクリル酸銅、(メタ)アクリル酸銀、(メ
タ)アクリル酸ニッケル、ビニルスルホン酸銅、ビニル
スルホン酸ジルコニウム、ビニルスルホン酸鉄、スチレ
ンスルホン酸鉄 上記基a,bおよびcに含まれる金属元素の種類は特に
限定はないが、用途により適宜選択して用いることがで
きる。原子番号21〜30、39〜48、57〜80、
89以上である遷移金属であればいずれも担持可能であ
る。具体例としては、たとえば、チタン、バナジウム、
クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜
鉛、ルテニウム、モリブデン、ロジウム、パラジウム、
銀、白金、金等が挙げられる。
【0026】単量体Bは、上記単量体AおよびCから選
ばれる少なくとも1種の単量体と併用されて乳化重合に
供される。単量体Bと、単量体AおよびCの少なくとも
1種の単量体との比率は、たとえば、得られる金属元素
担持炭素微粒子の金属元素担持量などを考慮して適宜設
定され、特に限定はない。乳化重合後、必要に応じてポ
リマー微粒子(または金属担持ポリマー微粒子)の精製
を行ってもよい。その場合は、遠心分離、再分散による
精製、イオン交換樹脂による脱イオン精製などで行うこ
とができる。
【0027】上記2種のやり方により得られた金属担持
ポリマー微粒子における金属元素の固定化量は、特に限
定はないが、たとえば、ポリマー微粒子の重量に対して
0.01〜50重量%が好ましい。金属元素の固定化量
が50重量%を越えるとポリマー微粒子に担持されない
金属が多くなるだけでなく、金属が微粒子として均一に
分散したものが得られないおそれがある。ポリマー微粒
子への金属の担持処理は1回だけでもよく、2回以上繰
り返し行ってもよい。特に固定化量が多いものを得る場
合には、金属化合物の添加と還元処理を繰り返し行うこ
とが好ましい。なお、この際、2回目以降の担持処理で
は、金属化合物添加後に微粒子を分離しなくても金属を
効率良くポリマー微粒子に担持することができる。固定
化される金属は1種類だけでなく、2種以上を同時共存
または別々に還元処理を行うことで組み合わせることが
可能である。なお、固定化される金属は単体である必要
はなく、合金、化合物などでもよい。
【0028】上記金属担持ポリマー微粒子を焼成する。
焼成は、公知の方法、たとえば、窒素、アルゴン等の不
活性ガス雰囲気中で300〜1200℃程度の温度で行
われる。焼成時間は、たとえば、30分間〜24時間と
されるが、この範囲に限定されず、ポリマー微粒子が炭
素微粒子になるまで行われる。このようにして得られた
金属元素担持炭素微粒子は、その表面および/または内
部に、金属元素を金属単体、合金、金属化合物などの形
で超微粒子として固定化されている。その固定化量は、
特に限定はないが、たとえば、炭素微粒子の重量に対し
て0.01〜50重量%であり、好ましくは0.05〜
30重量%である。この範囲を上回ると固定化される金
属の粒径が大きくなるおそれがあり、下回ると金属によ
る作用、たとえば触媒活性等が発現しないおそれがあ
る。なお、炭素微粒子は、たとえば、平均粒径0.01
〜10μm、粒度分布の標準偏差値が平均粒径の50%
以下であるが、これらの範囲に限定されない。また、炭
素微粒子に固定化されている金属元素の超微粒子は、た
とえば、平均粒径0.001〜0.5μmであるが、こ
れらの範囲に限定されない。
【0029】このような金属元素担持炭素微粒子は、た
とえば、触媒、殺菌剤、トナー、無機質バインダー、電
導体などの用途に利用されうる。なお、焼成による炭素
原子の抜け出しをできるだけ小さくしたり、あるいは、
全くなくしたりするためには、OやHなどの元素の比率
ができるだけ低いかあるいは全く含まない単量体を用い
ることが好ましく、このような観点からは、ポリマー微
粒子を得る際に単量体Aや単量体Cの配位子としてアク
リロニトリルおよび/またはメタクリロニトリル、特に
アクリロニトリルを用いることが好ましい。乳化重合に
用いる全単量体中に占める、アクリロニトリルおよび/
またはメタクリロニトリルの比率は、30重量%以上が
好ましく、40重量%以上がより好ましく、50重量%
以上がさらに好ましい。アクリロニトリルおよび/また
はメタクリロニトリルの比率が30重量%未満だと、ポ
リマー微粒子の焼成により得られる炭素微粒子が形状保
持性をほとんど持たないものとなり、取扱いが困難にな
るおそれがある。
【0030】
【作用】ポリマー微粒子を、α,β−不飽和単量体を乳
化重合することにより得るようにすると、ポリマー微粒
子の粒径を厳密にコントロールできる上、その形状をほ
ぼ球状(または真球状)にコントロールできる。金属元
素が、炭素微粒子の表面および/または内部に、その炭
素微粒子よりも小さい超微粒子の形で固定化されている
ため、金属の表面積が大きくなり、金属による機能(た
とえば、触媒機能、抗菌機能など)が不均一に担持され
ているものに比べて活発になる。
【0031】また、金属元素の超微粒子と炭素微粒子と
の結合も強固なものとなり、金属の脱離が少なく、触媒
などとして用いた場合には寿命が長くなる。上式−1
で表される官能基を有する単量体を少なくとも含む単量
体成分を乳化重合してポリマー微粒子を得、このポリマ
ー微粒子に式−1で表される官能基を介して金属およ
び金属化合物の少なくとも一方を担持させることにより
金属担持ポリマー微粒子を得ると、金属を炭素微粒子表
面により多く担持できるという利点がある。
【0032】単量体Bを少なくとも含む単量体成分を乳
化重合することにより金属担持ポリマー微粒子を直接得
ることにより、炭素微粒子表面だけでなく、内部にも均
一に金属を担持できるという利点がある。
【0033】
【実施例】以下に、この発明の具体的な実施例および比
較例を示すが、この発明は下記実施例に限定されない。 −実施例1− 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた
300mlのフラスコに、アクリロニトリル5.3g、ビ
ニルフェロセン1.0g、水50gおよびエタノール5
0gを仕込み、窒素気流下で70℃に昇温した。つい
で、α,α’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.0
4gを添加し、乳化重合を開始させた。8時間反応さ
せ、フェロセン含有ポリマー微粒子分散液を得た。得ら
れたポリマー微粒子の電子顕微鏡写真(写真中の40mm
が0.1μmに相当する)を図1に示した。図1中、丸
く表面にひだを有する灰色のものがポリマー微粒子であ
る。図1にみるように、ポリマー微粒子は、粒子サイズ
がよく揃っていて球形である。
【0034】得られたポリマー微粒子の平均粒径は0.
12μmであった。この後、遠心分離と再分散を行って
ポリマー微粒子を精製した。精製されたポリマー微粒子
1.0gをアルミナ製50ccのるつぼに入れ、これを管
状炉中に入れた後、炉内を窒素置換した。窒素気流下1
000℃で4時間熱処理することにより、鉄担持炭素材
(鉄担持炭素微粒子)を得た。この鉄担持炭素微粒子
は、電子顕微鏡写真で観察した結果、鉄超微粒子を全体
的に均一に担持していて全体的に均一で球形の粒子状で
あった。そのX線回折法(XRD)によるチャートを図
2に示した。図2にみるように、αFe(2θ=44.
8°および44.1°でのピーク:図1中、下向きの矢
印Kで示す)とγFe2 3 (2θ=62.7°、5
7.1°、43.2°および35.7°でのピーク:図
1中、下向きの矢印Lで示す)が析出し、炭素材表面に
担持されている鉄超微粒子がαFeとγFe2 3 であ
ることがわかった。また、炭素元素分析により、微粒子
が炭素微粒子であることがわかった。熱処理後の炭素材
の残炭率(焼成前のポリマー微粒子の重量に対する焼成
後の炭素重量の百分率)は48wt%で、荷電粒子励起X
線分析(PIXE)法による熱処理後の鉄の収率は60
wt%(フェロセンに含有されている鉄量に対する焼成後
の鉄量の百分率)であった。炭素微粒子の平均粒径は
0.12μm、粒度分布の標準偏差値は平均粒径の20
%以下、鉄超微粒子の平均粒径は0.01μm、炭素微
粒子と鉄超微粒子の重量比率は1:0.0025、αF
eとγFe23 の重量比率は13:12であった。
【0035】−実施例2− 実施例1と同様の装置を用い、アクリロニトリル5.3
g、ビニルフェロセン2.0g、水50gおよびエタノ
ール50gを仕込み、実施例1と同様な方法で乳化重合
を開始した。8時間反応させ、フェロセン含有ポリマー
微粒子分散液を得た。
【0036】得られたポリマー微粒子の平均粒径は0.
18μmであった。実施例1と同様な方法で1000℃
で4時間熱処理することにより、鉄担持炭素材(鉄担持
炭素微粒子)を得た。得られた鉄超微粒子担持ポリマー
微粒子をXRDにより分析したところ、αFeとγFe
2 3 が析出し、炭素材全体に均一に担持されているこ
とがわかった。熱処理後の炭素材の残炭率は51wt%
で、鉄の収率は45wt%であった。炭素微粒子の平均粒
径は0.18μm、粒度分布の標準偏差値は平均粒径の
20%以下、鉄超微粒子の平均粒径は0.01μm、炭
素微粒子と鉄超微粒子の重量比率は1:0.004、α
FeとγFe2 3 の重量比率は1:1であった。
【0037】−実施例3− 実施例1と同様の装置を用い、アクリロニトリル5.3
g、ビニルフェロセン2.0g、ドデシル硫酸ナトリウ
ム0.5g、水50gおよびエタノール50gを仕込
み、実施例1と同様な方法で乳化重合を開始した。8時
間反応させ、フェロセン含有ポリマー微粒子分散液を得
た。
【0038】得られたポリマー微粒子の平均粒径は0.
2μmであった。実施例1と同様な方法で1000℃で
4時間熱処理することにより、鉄担持炭素材(鉄担持炭
素微粒子)を得た。得られた鉄超微粒子担持ポリマー微
粒子をXRDにより分析したところ、αFeとγFe2
3 が析出し、炭素材全体に均一に担持されていること
がわかった。熱処理後の炭素材の残炭率は55wt%で、
鉄の収率は51wt%であった。炭素微粒子の平均粒径は
0.19μm、粒度分布の標準偏差値は平均粒径の20
%以下、鉄超微粒子の平均粒径は0.01μm、炭素微
粒子と鉄超微粒子の重量比率は1:0.004、αFe
とγFe2 3 の重量比率は1:1であった。
【0039】−実施例4− 実施例1と同様の装置を用い、アクリロニトリル5.3
g、2−フェロセニルエチルメタクリレート0.67
g、水50gおよびエタノール50gを仕込み、開始剤
としてα,α’−アゾビス(イソブチロニリトル)0.
04gを用いて実施例1と同様な方法で乳化重合を開始
した。8時間反応させ、フェロセン含有ポリマー微粒子
分散液を得た。
【0040】得られたポリマー微粒子の平均粒径は0.
12μmであった。実施例1と同様な方法で1000℃
で4時間熱処理することにより、鉄担持炭素材(鉄担持
炭素微粒子)を得た。得られた鉄超微粒子担持ポリマー
微粒子をXRDにより分析したところ、αFeとγFe
2 3 が析出し、炭素材全体に均一に担持されているこ
とがわかった。熱処理後の炭素材の残炭率は51wt%
で、鉄の収率は49wt%であった。炭素微粒子の平均粒
径は0.12μm、粒度分布の標準偏差値は平均粒径の
20%以下、鉄超微粒子の平均粒径は0.01μm、炭
素微粒子と鉄超微粒子の重量比率は1:0.005、α
FeとγFe2 3 の重量比率は7:3であった。
【0041】−実施例5− 実施例1と同様の装置を用い、アクリロニトリル5.3
g、2−フェロセニルメチルメタクリレート0.85
g、水50gおよびエタノール50gを仕込み、開始剤
としてα,α’−アゾビス(イソブチロニリトル)0.
04gを用いて実施例1と同様な方法で乳化重合を開始
した。8時間反応させ、フェロセン含有ポリマー微粒子
分散液を得た。
【0042】得られたポリマー微粒子の平均粒径は0.
18μmであった。実施例1と同様な方法で1000℃
で4時間熱処理することにより、鉄担持炭素材(鉄担持
炭素微粒子)を得た。得られた鉄超微粒子担持ポリマー
微粒子をXRDにより分析したところ、αFeとγFe
2 3 が析出し、炭素材全体に均一に担持されているこ
とがわかった。熱処理後の炭素材の残炭率は52wt%
で、鉄の収率は58wt%であった。炭素微粒子の平均粒
径は0.18μm、粒度分布の標準偏差値は平均粒径の
20%以下、鉄超微粒子の平均粒径は0.01μm、炭
素微粒子と鉄超微粒子の重量比率は1:0.005、α
FeとγFe2 3 の重量比率は1:1であった。
【0043】−実施例6− 還流冷却器、温度計、窒素導入管および攪拌機を備えた
500mlのフラスコにスチレン40g、アクリロニトリ
ル60g、水300gを仕込み、窒素気流下で70℃に
昇温した。ついで、過硫酸カリウム0.2gを添加し、
ソープフリー乳化重合を開始させた。6時間反応させ、
ポリマー微粒子分散液を得た。得られたポリマー微粒子
の平均粒径は電子顕微鏡により0.3μmであることを
確認した。次に得られた微粒子分散液2gをフラスコに
とり、塩化パラジウム(II)0.75gを含む水溶液1
00gを室温で添加した。5時間攪拌した後、分散液を
遠心分離して上澄液を除去することにより、パラジウム
担持ポリマー微粒子を得た。
【0044】パラジウム担持ポリマー微粒子0.3gを
アルミナ製約50ccのるつぼに入れ、これらを管状炉中
に入れた後、炉内を数回N2 置換した。次に、N2 気流
下1.5℃/分で1000℃まで加熱し、そのまま10
00℃で4時間保った後、再び1.5℃/分で室温まで
冷却することによりパラジウム担持炭素材(パラジウム
担持炭素微粒子)を得た。
【0045】得られたパラジウム担持炭素材を電子顕微
鏡で写真にとり、図3に示した。図3の電子顕微鏡写真
(写真中の50mmが1.0μmに相当する)中、灰色の
大きな球状物が炭素微粒子で、その周辺部の黒い点々が
パラジウム超微粒子である。図3にみるように、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体は、球形を保持したまま
炭素化されており、その回りにパラジウムの超微粒子
(大きな粒子の回りの小さな黒い点々)が均一に担持さ
れていることがわかる。
【0046】この炭素材をXRDにより分析したとこ
ろ、パラジウムが析出し、炭素材表面に担持されている
ことがわかった。熱処理後の炭素材の残炭率は48wt%
で、鉄の収率は65wt%であった。炭素微粒子の平均粒
径は0.29μm、粒度分布の標準偏差値は平均粒径の
20%以下、パラジウム超微粒子の平均粒径は0.01
μm、炭素微粒子とパラジウム超微粒子の重量比率は
1:0.0009であった。
【0047】−実施例7− 実施例6と同様にして得られたポリマー微粒子分散液2
gをフラスコにとり、塩化鉄(III)0.27gを含む水
溶液100gを添加した。70℃で5時間攪拌した後、
分散液を遠心分離して上澄液を除去することにより、水
酸化第二鉄(FeOOH)が担持されたポリマー微粒子
を得た。
【0048】この水酸化第二鉄担持ポリマー微粒子0.
3gをアルミナ製約50ccのるつぼに入れ、これらを管
状炉中に入れた後、炉内を数回N2 置換した。次に、N
2 気流下1.5℃/分で1000℃まで加熱し、そのま
ま1000℃で4時間保った後、再び1.5℃/分で室
温まで冷却することにより鉄担持炭素材(鉄担持炭素微
粒子)を得た。
【0049】得られた鉄担持炭素材のXRDによるチャ
ートを図4に示した。図4にみるように、γ−Fe2
3 (2θ=62.6°、57.0°、35.5°および
43.1°でのピーク:図4中、下向きの矢印Nで示
す)が析出し、炭素材表面に担持されていることがわか
った。熱処理後の炭素材の残炭率は30wt%で、鉄の収
率は63wt%であった。炭素微粒子の平均粒径は0.2
8μm、粒度分布の標準偏差値は平均粒径の20%以
下、鉄超微粒子の平均粒径は0.01μm、炭素微粒子
と鉄超微粒子の重量比率は1:0.014であった。
【0050】−実施例8− 実施例6と同様にして得られたポリマー微粒子分散液2
gをフラスコにとり、硝酸銀0.52gを含む水溶液1
00gを室温で添加した。室温で5時間攪拌した後、分
散液を遠心分離して上澄液を除去することにより、銀イ
オンが担持されたポリマー微粒子を得た。
【0051】この銀イオン担持ポリマー微粒子0.3g
をアルミナ製約50ccのるつぼに入れ、これらを管状炉
中に入れた後、炉内を数回N2 置換した。次に、N2
流下1.5℃/分で1000℃まで加熱し、そのまま1
000℃で4時間保った後、再び1.5℃/分で室温ま
で冷却することにより銀担持炭素材(銀担持炭素微粒
子)を得た。
【0052】得られた銀担持炭素材をXRDにより分析
したところ、金属銀超微粒子が生成し、炭素微粒子表面
に担持されていることがわかった。熱処理後の炭素材の
残炭率は44wt%で、銀の収率は22wt%であった。炭
素微粒子の平均粒径は0.27μm、粒度分布の標準偏
差値は平均粒径の20%以下、鉄超微粒子の平均粒径は
0.01μm、炭素微粒子と銀超微粒子の重量比率は
1:0.0006であった。
【0053】−実施例9− 実施例6と同様にしてアクリロニトリル/スチレン/ア
クリル酸共重合体(アクリロニトリル/スチレン/アク
リル酸=60/20/20の重量比)を得た。得られた
ポリマー微粒子を1Nの水酸化ナトリウム水溶液で処理
した後、その2gをフラスコにとり、塩化コバルト・六
水和物4.8gを含む水溶液100gを室温で添加し
た。室温で5時間攪拌した後、分散液を遠心分離して上
澄液を除去することにより、コバルトイオンが担持され
たポリマー微粒子を得た。
【0054】このコバルトイオン担持ポリマー微粒子
0.3gをアルミナ製約50ccのるつぼに入れ、これら
を管状炉中に入れた後、炉内を数回N2置換した。次
に、N2 気流下1.5℃/分で1000℃まで加熱し、
そのまま1000℃で4時間保った後、再び1.5℃/
分で室温まで冷却することによりコバルト担持炭素材
(コバルト担持炭素微粒子)を得た。
【0055】得られたコバルト担持炭素材をXRDによ
り分析したところ、金属コバルト超微粒子が生成し、炭
素微粒子表面に担持されていることがわかった。熱処理
後の炭素材の残炭率は30wt%で、コバルトの収率は5
3wt%であった。炭素微粒子の平均粒径は0.29μ
m、粒度分布の標準偏差値は平均粒径の20%以下、コ
バルト超微粒子の平均粒径は0.008μm、炭素微粒
子とコバルト超微粒子の重量比率は1:0.032であ
った。
【0056】
【発明の効果】この発明の金属元素担持炭素微粒子は、
乳化重合により得られたポリマー微粒子の焼成体である
炭素微粒子に少なくとも金属元素からなる超微粒子が固
定化されているため、炭素微粒子が粒径分布の狭いもの
であり、しかも、形状が均一(主として球形)である。
このため、この発明の金属元素担持炭素微粒子は、金属
の表面積が大きく、粉体の流動性が良好で取扱い易いと
いう利点を有している。
【0057】この発明の製造方法によれば、上記のよう
に優れた金属元素担持炭素微粒子を容易に得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において得られた金属担持ポリマー微
粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図2】実施例1で得られた金属元素担持炭素微粒子の
X線回折法(XRD)によるチャートである。
【図3】実施例6において得られた金属担持ポリマー微
粒子の粒子構造を示す電子顕微鏡写真である。
【図4】実施例7で得られた金属元素担持炭素微粒子の
X線回折法(XRD)によるチャートである。
【符号の説明】
なし

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α,β−不飽和単量体を乳化重合するこ
    とにより得られたポリマー微粒子の焼成体である炭素微
    粒子に少なくとも金属元素を含んでなる超微粒子が固定
    化されている金属元素担持炭素微粒子。
  2. 【請求項2】 金属元素が、原子番号21〜30、39
    〜48、57〜80または89以上の元素からなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種である請求項1記載の金属元
    素担持炭素微粒子。
  3. 【請求項3】 下式−1で表される官能基群のうちの
    少なくとも1つの官能基を有するα,β−不飽和単量体
    を少なくとも含む単量体成分を乳化重合して得られたポ
    リマー微粒子に前記官能基を介して金属および金属化合
    物の少なくとも一方を担持してなる金属担持ポリマー微
    粒子を焼成して請求項1または2記載の金属元素担持炭
    素微粒子を得る製造方法。 【化1】
  4. 【請求項4】 官能基を介してポリマー微粒子に担持さ
    せる金属および金属化合物の少なくとも一方の金属元素
    が、原子番号21〜30、39〜48、57〜80また
    は89以上の元素からなる群から選ばれる少なくとも1
    種である請求項3記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 下式−2で表される官能基群のうちの
    少なくとも1つの官能基が金属に配位してなる金属錯体
    基a、下式で表される金属錯体基群のうちの少なくと
    も1つの金属錯体基b、および、下式で表される金属
    含有官能基群のうちの少なくとも1つの金属含有官能基
    cから選ばれる少なくとも1つの基を有するα,β−不
    飽和単量体を少なくとも含む単量体成分を乳化重合して
    得られた金属担持ポリマー微粒子を焼成して請求項1ま
    たは2記載の金属元素担持炭素微粒子を得る製造方法。 【化2】 (−C5 6 4)M3 a (C5 6 5b 、(−C6 6 9)M3 a 〔aは0〜4の整数、bは0または1である。−C5
    6 4およびC5 6 5はそれぞれ独立に非置換のまたは置換
    されたシクロペンタジエニル基を表す。−C6 6 9は非
    置換のまたは置換されたヘキサジエニル基を表す。−C
    5 6 4および−C6 6 9の各結合の手の位置には重合性
    二重結合を有する置換基が結合する。R6 は、Hまたは
    CH3 であり、R6 は同一または異なるものであっても
    よい。M3 は、金属元素である。Zは、Cl、Br、
    (1/2)O、PR7 3(R7 は、炭素数1〜4のアルキ
    ル基またはフェニル基であり、3つのR7 は同一または
    異なるものであってもよい)、OCOR1 (R1 は、
    H、炭素数1〜4のアルキル基および炭素数1〜4のヒ
    ドロキシアルキル基のうちのいずれかである)、また
    は、COであり、aが2〜4の場合には、同一または異
    なるものであってもよい。〕 −COOM3 、−SO3 3 〔M3 は、金属元素である。〕
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003048705A (ja) * 2001-08-03 2003-02-21 Hitachi Chem Co Ltd 中空状カーボン粒子及びその製造法
JP2003128409A (ja) * 2001-10-22 2003-05-08 Ube Ind Ltd 多孔質炭素膜構造体、触媒担持体、燃料電池用電極、電極接合体、及び燃料電池
WO2008047548A1 (fr) * 2006-09-27 2008-04-24 Kaneka Corporation particule fine contenant du métal
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JPWO2017038138A1 (ja) * 2015-08-31 2018-06-14 積水化成品工業株式会社 複合粒子及びその製造方法、並びにその用途

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