JP3902963B2 - 金属含有樹脂粒子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属含有樹脂粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】
単分散性に優れた樹脂粒子に金属または金属酸化物の微粉体を含有させた複合樹脂粒子は、抗菌性、防カビ性、防臭性、難燃性、紫外線防止、蓄熱性、表面性の改善、導電性、防錆性、潤滑性、磁性、蛍光発光性、光反射性、光選択吸収、熱吸収、熱伝導、熱反射等の機能を有する樹脂粒子として、カラーコピー用トナー、塗料、接着剤、回路接続用異方導電膜、電磁波シールド、医療用診断薬、薬物単体、分析装置用カラム充填剤等への応用が期待されている。
【0003】
従来、これらの粒子は、1)樹脂粒子を製造した後、メッキ、塗布、界面凝集、界面析出等により樹脂粒子の表面に金属又は金属酸化物の被膜を形成させる方法、2)金属又は金属酸化物粒子の表面に界面重合等で被覆する方法、3)金属又は金属酸化物の微粉体と重合性単量体とを溶媒中で懸濁または乳化後、重合し、ポリマー粒子内部に金属又は金属酸化物を含有させる方法、4)別々に作製した微粒子同士を、ハイブリダイザー等の物理的手法を用いて複合化させる方法がある。
【0004】
しかしながら、1)の方法では、例えば、特開平5−138009広報に、樹脂粒子エマルジョンの中で鉄化合物を析出させることにより、ポリマー粒子の表面をフェライト化する方法が開示されている。しかし、樹脂粒子表面に金属酸化物が付着しているため、表面の平滑性が保てず、また、樹脂粒子表面と金属酸化物との結合力が弱く、他の材料との混練時や加圧時に剥がれるといった問題があった。さらに、医療用診断薬等の用途では、蛋白等を固定化する場合、粒子表面が金属または金属酸化物であるため、蛋白を吸着させる官能基種の選択が限定され、必要な蛋白種を特異的に吸着させることが困難であった。2)の方法では、例えば、特開平2−300205公報では、磁性体粒子の表面をグラフト重合により樹脂で被覆する方法が開示されているが、製造される複合粒子の粒径が、粒径制御が極めて困難である金属または金属酸化物粒子の粒径に依存されるため、粒径分布が広くなり、近年ますます進むファイン化や高感度化への対応が困難であった。3)の方法では、例えば、特開昭59−221302公報に、親油化処理した磁性体を重合性単量体に分散し、これを懸濁重合する方法が開示されているが、この場合も製造される粒子の粒径分布が広く、さらに、1粒子あたりの金属酸化物の含有量にばらつきが大きいといった問題があった。また、4)の方法には高分子微粒子が凝集するため粒径の小さな微粒子には使用できないという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、金属及び/又は金属酸化物を含有する金属含有樹脂粒子を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の本発明は、溶媒と樹脂粒子との混合溶液に、表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、その後、重合性単量体と開始剤とを添加し重合することによって得られうる金属含有樹脂粒子を提供する。
また、請求項2記載の本発明は、重合性単量体、溶媒、及び開始剤の混合溶液の系で重合を開始することにより樹脂粒子を生成せしめ、重合反応途中に表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、引き続き重合することによって得られうる金属含有樹脂粒子を提供する。
また、請求項3記載の本発明は、重合性単量体、溶媒、及び開始剤の混合溶液の系で重合を開始することにより樹脂粒子を生成せしめた後、表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、さらに重合性単量体と開始剤とを添加し重合することによって得られうる金属含有樹脂粒子を提供する。
また、請求項4記載の本発明は、樹脂粒子表面にシラノール基を有する請求項1〜3いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子を提供する。
また、請求項5記載の本発明は、溶媒が、表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物の表面電荷と反対の電荷の緩衝溶液である請求項1〜4いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子を提供する。
また、請求項6記載の本発明は、重合性不飽和基を有するシランカップリング剤を用いて、金属及び/又は金属酸化物微粒子の表面に重合性不飽和基を導入する請求項1〜5いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子を提供する。
また、請求項7記載の本発明は、粒子の最表面が、有機化合物により覆われている請求項1〜6いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子を提供する。
また、請求項8記載の本発明は、粒子径分布(Cv値)が、10%以下である請求項1〜7いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子を提供する。
【0007】
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明における樹脂粒子は、本発明の金属含有樹脂粒子の核となるものであって、予め別の重合反応系で作製されたものであっても、また、本発明の重合反応系中において重合されたものであっても良い。
【0008】
上記樹脂粒子を構成する有機材料としては、特に限定されないが、例えば、(不)飽和炭化水素、芳香族炭化水素、(不)飽和脂肪酸、芳香族カルボン酸、(不)飽和脂ケトン、芳香族ケトン、(不)飽和アルコール、芳香族アルコール、(不)飽和アミン、芳香族アミン、(不)飽和チオール、芳香族チオール、有機珪素化合物、これらの誘導体、これら1種以上の化合物からなる縮合体、これら1種以上の化合物からなる重合体等が挙げられる。なお、上記(不)飽和とは、飽和又は不飽和を意味する。
上記縮合体及び重合体としては、例えば、ポリエチレン、ポリブタジエン、ポリノルボルネン等のポリオレフィン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリエーテル、ポリスチレン、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリビニルアルコール、ポリビニルエステル、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アリル樹脂、フラン樹脂、(不)飽和ポリエステル、エポキシ樹脂、シリコン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン、テフロン、アクリロニトリル/スチレン樹脂、スチレン/ブタジエン樹脂、ABS樹脂、ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエーテルスルホン、ポリフェニレンオキシド、ベンゾグアナミン樹脂、糖、澱粉、セルロース、ポリペプチド等が挙げられる。上記有機材料は単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
【0009】
上記樹脂粒子の製造方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、ミニエマルジョン重合法、エマルジョン重合法、転相乳化重合、マイクロサスペンジョン重合法、懸濁重合法、分散重合法、シード重合法、ソープフリー析出重合法等が挙げられる。これらの中でも粒径の制御性に優れるソープフリー析出重合法が好適に用いられる。
【0010】
本発明における樹脂粒子は、本発明の重合反応系中において重合されたものでもよく、この重合に使用される重合性の単量体としては、ラジカル重合性の単量体であれば特に限定されず、従来公知のものが使用可能である。例えば、ブタジエン、ノルボルネン、塩化ビニル、フッ化ビニリデン等のオレフィン類及びその誘導体、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、クロロメチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物、アクリロニトリル等の不飽和ニトリル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸ペンタフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、ジ(メタ)アクリル酸エチレングリコール等のメタ)アクリル酸エステル誘導体、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル化合物などが挙げられる。
また、重合性の単量体は、上記以外に、メタクリル酸、アクリル酸などのカルボキシル基含有ビニル系モノマーあるいはその塩、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有ビニル系モノマーあるいはその塩、ヒドロキシエチルメタクリレートなどの水酸基含有ビニル系モノマー、メトキシポリエチレングリコールメタクリレートなどの非イオン性官能基含有ビニル系モノマー、ビニルベンジルアミン、3−アクリルアミド−3−メチルブチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチルアミノエチルメタクリレート四酸化物塩等の陽イオン性ビニルモノマーを必要に応じて用いることができる。上記重合性の単量体は単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。尚、上記(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタアクリル酸を意味する。
【0011】
本発明の樹脂粒子は、後述する金属及び/または金属酸化物微粒子と樹脂粒子との界面結合性を向上させる効果があるため該樹脂粒子の表面にシラノール基を有することが好ましい。
上記樹脂粒子に、シラノール基を導入する方法としては、特に限定されず、例えば、上記樹脂粒子重合系に、シラノール基を有する重合性単量体を用いて重合を行う方法、またはシラノール基に変換可能な官能基を有する重合性単量体を用いて重合した後、表面の官能基をシラノール基へ変換する方法が挙げられる。
【0012】
上記シラノール基を有する重合性単量体としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、(メタ)アクリロキシトリメチルシラン、(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0013】
上記シラノール基に変換可能な官能基を有する重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ポリオキシエチレン、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル等のヒドロキシル基含有重合性単量体、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシル基含有重合性単量体、アクリルアミド等のアミノ基含有重合性単量体等が挙げられる。上記、シラノール基に変換可能な官能基をシラノール基に変換する方法としては、具体的には、粒子表面のヒドロキシル基等を、メチルトリエトキシシラン等でシラノール化する方法等が挙げられる。
【0014】
本発明の樹脂粒子表面のシラノール基量としては、全重合性単量体量(シラノール基を有する重合性単量体+その他の重合性単量体)中の、シラノール基を有する重合性単量体量が0.1〜10重量%となるように使用されることが好ましい。この範囲で使用することにより粒子表面に十分なシラノール基量を導入することができる。
【0015】
本発明における開始剤としては特に限定されず、有機過酸化物、アゾ化合物、無機過酸化物等の従来公知のラジカル開始剤が好ましい。これらの中でも、水またはアルコール系溶媒に溶解する性質を有するものがさらに好ましく用いられ、例えば、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[2−(1−ヒドロキシ−ブチル)]−プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)、及びこれらの塩、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)、及びこれらの塩、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジノプロパン、過酸化水素等が挙げられる。
【0016】
本発明における溶媒は析出重合に用いられる従来公知の溶媒を用いることが可能であり、好ましくは、水、アルコールを主とした単独又は混合溶媒が用いられる。
【0017】
上記溶媒としては、重合性単量体は溶解するが、生成重合体は溶解しないものを用いることが好ましい。この様な溶媒としては、使用する重合性単量体に応じて適宜選択することができるが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、2−ブタノン等のケトン類;トルエン、キシレン等の炭化水素;アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、酢酸エチル等の有機溶媒、水が好適に用いられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上を併用してもよい。より好ましくは、上記有機溶媒と水との混合溶媒である。さらに好ましくは水である。
【0018】
上記溶媒としては、後述の金属微粒子が核となる樹脂粒子表面に効率良くヘテロ凝集するため、溶媒は緩衝液であることが好ましい。
上記ヘテロ凝集とは、性質の異なる少なくとも2種以上の微粒子をファンデアルワールス力もしくは静電相互作用により凝集させることである。
【0019】
上記緩衝液としては、特に限定されず、使用するpHにより従来公知の緩衝液が利用可能である。例えば、塩酸−フタル酸水素カリウム(pH2.2〜3.8)、クエン酸−リン酸水素二ナトリウム(pH2.2〜8.0)、塩酸−(バルビタールナトリウム+酢酸ナトリウム)(pH2.6〜9.2)、コハク酸−四ホウ酸ナトリウム(pH3.0〜5.8)、酢酸−酢酸ナトリウム(pH3.4〜5.9)、クエン酸二水素ナトリウム−水酸化ナトリウム(pH3.8〜6.0)、クエン酸二水素カリウム−四ホウ酸ナトリウム(pH3.8〜6.0)、フタル酸水素カリウム−水酸化ナトリウム(pH4.0〜6.2)、クエン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム(pH5.0〜6.7)、マレイン酸−(Tris+水酸化ナトリウム)(pH5.1〜8.5)、リン酸二水素カリウム−リン酸二水素ナトリウム(pH5.3〜8.0)、リン酸二水素カリウム−四ホウ酸ナトリウム(pH5.8〜9.2)、リン酸二水素カリウム−水酸化ナトリウム(pH5.8〜8.0)、塩酸−コリジン(pH6.5〜8.4)、塩酸−バルビタールナトリウム(pH6.8〜9.6)、塩酸−Tris(pH7.2〜9.1)、塩酸−四ホウ酸ナトリウム(7.5〜9.2)、ホウ酸−炭酸ナトリウム(pH7.4〜11.0)、ホウ酸−四ホウ酸ナトリウム(pH6.8〜9.1)、塩酸−アミノメチルプロパンジオール(pH7.8〜9.7)、リン酸−酢酸−ホウ酸−水酸化ナトリウム(pH1.8〜12)、クエン酸−リン酸二水素ナトリウム−ホウ酸−塩酸−水酸化ナトリウム−バルビタールナトリウム(pH2.4〜pH12)等が例示される。尚、上記緩衝液は、組み合わせて広いpH領域に用いうるようにしたものを用いてもよく、また、上記同種イオン緩衝液同士を、複数混合して用いてもよい。
【0020】
また、使用する緩衝液は、重合系により適宜選択することが可能であり、例えば、開始剤の解離常数、等電位点等によって決めることが好ましい。
【0021】
上記樹脂粒子の粒径は、用途により適宜選択されるので特に限定されず、0.05〜1000μmが好ましい。
上記粒径測定方法としては、特に限定されず、例えば、粒度分布計、電子顕微鏡(SEM)写真の画像解析等を用いることが可能である。
【0022】
上記樹脂粒子の粒径分布としては、Cv値10%以下であることが好ましい。10%以上になると、金属含有樹脂粒子の粒径が不均一になる、一粒子あたりの金属及び/又は金属酸化物の含有量のばらつきが大きくなったり、金属含有樹脂粒子をバインダー等へ均一に分散させにくくなることがある。
上記Cv値とは、各粒径測定法により得られる平均粒子径と、標準偏差値を用いて次式で示される値である。
Cv(%)=(標準偏差/平均粒子径)×100
【0023】
本発明の金属及び/または金属酸化物微粒子(「金属及び/または金属酸化物微粒子」を以下「金属微粒子」と略記する)は、表面に重合性不飽和基を有することが好ましい。
【0024】
本発明における金属微粒子を形成しうる金属及び金属酸化物としては、特に限定されず、Ti、V、Cr、Fe、Mn、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Se、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Te、Hf、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hg、Tl、Pb、Biの群から選ばれた1種以上の金属及びこれらの金属酸化物等が挙げられる。尚、これらの金属または金属酸化物のうち2種以上を同時に用いることにより、合金として用いることは本発明の範囲をなんら逸脱するものではない。これらの中でも、金属酸化物の微粒子が好適に用いられる。
また、磁性粒子として用いる場合は、磁性を有する、フェライト、マグネタイト、酸化テルビウム等の微粒子が好適に用いられる。
【0025】
上記重合性不飽和基としては、ビニル基、アルケニル基、アリール基等が挙げられ、中でもビニル基が好ましい。
【0026】
上記重合性不飽和基を金属表面に導入する方法としては、特に限定されず、例えば、1)配位結合性化合物のような金属と結合性を有する官能基と、重合性不飽和基とを有する化合物を用いて導入する方法、2)金属表面に存在する水酸基と反応性を有する官能基と、重合性不飽和基とを有する化合物を用いて導入する方法等が挙げられる。
【0027】
上記1)記載の金属に配位結合性を有する官能基としては、金属とイオン結合、共有結合、配位結合が可能な基であれば特に限定されず、例えば、シラン基、シラノール基、カルボキシル基、アミノ基、アンモニウム基、ニトロ基、水酸基、カルボニル基、チオール基、スルホン酸基、スルホニウム基、ホウ酸基、オキサゾリン基、ピロリドン基、燐酸基、ニトリル基等が挙げられる。
金属への結合は配位結合が好的に用いられるため、上記金属に結合性を有する官能基としては、硫黄原子、窒素原子、燐原子を有する化合物が好適に用いられる。
【0028】
上記金属に結合性を有する官能基を有した重合性不飽和化合物としては、例えば、メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリル酸、アリルスルホン酸、p−スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリル酸フェニルジメチルスルホニュウムメチル硫酸塩、ビニルベンジルアミン、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、2−メタクリロイロキシエチルアシッドホスフェート等が例示される。
また、メルカプトヘキサノール等により、金属表面にヒドロキシル基を導入した後、メタクリロイルオキシエチルイソシアネートを反応させ、重合性ビニル基を導入する等、多段で重合性不飽和化合物を導入することは本発明の範囲をなんら逸脱するものではない。
【0029】
上記2)記載の金属酸化物微粒子表面の重合性不飽和基は、金属酸化物表面の水酸基と反応性を有する重合性不飽和基を有する化合物を金属酸化物微粒子表面に導入することにより得られる。
上記金属酸化物表面の水酸基と反応性の官能基としては、シラン基、シラノール基、クロロシラン基等のシランカップリング剤が挙げられる。
上記金属酸化物表面の水酸基と反応性の官能基を有した化合物としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリクロロシラン、(メタ)アクリロキシトリメチルシラン、(メタ)アクリロキシプロピルジメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリロキシプロピルメチルジクロロシラン、(メタ)アクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン、N−アリルアミノプロピルトリメトキシシラン、スチリルエチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
【0030】
上記金属微粒子の粒径は、金属含有樹脂粒子の粒径や用途によって適宜選択され得るが、上記樹脂粒子の表面の平滑性を良好にするため、上記樹脂粒子の粒径の5%以下が好適に用いられ、更に好ましくは1%以下である。5%より大きくなると、表面の平滑性を良好にするために最表層の樹脂厚を必要以上に大きくしなければならず、期待される性能が十分に得られなくなり金属及び/または金属酸化物含有粒子を用いる際の効果が期待できなくなることがある。
また、上記金属微粒子の粒子径は、さらにヘテロ凝集のし易さから5〜1000nmが好ましい。
【0031】
なお、大きな金属微粒子により被覆された隙間に小さな金属微粒子が入り込み、被覆密度を向上出来るため、異なった2種以上の粒径を併用してもよい。この際、小さな金属微粒子の粒径は大きな金属微粒子の粒径の1/2以下が好ましく、小さな金属微粒子の量は大きな金属微粒子に対し1/4以下であることが好ましい。
【0032】
上記金属微粒子の粒径分布としては、Cv値は、20%以下であることが好ましい。20%以上になると、金属及び/または金属酸化物含有粒子の粒径分布が必要以上に大きくなる
上記粒径分布の測定方法としては、金属表面粒子を被覆する前は粒度分布計等で測定できるが、被覆した後としてはSEMやTEM写真の画像解析等で測定することができる。
【0033】
本発明における金属含有樹脂粒子としては、例えば、上述の樹脂粒子を核として、樹脂粒子の表面に金属微粒子が存在し、さらにこれらを樹脂で被覆された構造となっていることが好ましい。すなわち、本発明の金属含有樹脂粒子は、該粒子の最表面が、有機化合物により覆われているものである。
【0034】
上記金属微粒子を被覆する樹脂の組成は、上記製造方法において金属微粒子を樹脂粒子表面に凝集させた後に、使用する重合性単量体の組成のものとなる。このため、金属微粒子を被覆する樹脂の組成は、核となる樹脂粒子と同じ組成だけでなく、後で添加する重合性単量体を2種以上にすることにより、2層以上の層構造を有する粒子(多層構造粒子)を得ることができる。
【0035】
本発明の金属含有樹脂粒子において、金属微粒子の含有量は、金属種及び用途により適宜選択されるが、樹脂粒子に対し0.1〜200重量であること好ましい。0.1%より低いと、十分な効果が期待できず、200%を越えると金属及び/または金属酸化物含有粒子の比重が大きくなりすぎ、均一な粒子系を有した金属及び/または金属酸化物含有粒子の製造が困難となる。
【0036】
本発明における金属含有樹脂粒子の製造方法としては、例えば、1)溶媒と樹脂粒子との混合溶液に、表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、その後、重合性単量体と開始剤とを添加し重合する方法、2)重合性単量体、溶媒、及び開始剤の混合溶液の系で重合を開始することにより樹脂粒子を生成せしめ、重合反応途中に表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、引き続き重合する方法、3)重合性単量体、溶媒、及び開始剤の混合溶液の系で重合を開始することにより樹脂粒子を生成せしめた後、表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、さらに重合性単量体と開始剤とを添加し重合する方法等が挙げられる。
尚、本発明の金属含有樹脂粒子は、上記製造方法に限定されるものではない。
【0037】
本発明における核となる樹脂粒子表面に、金属微粒子を凝集させる方法としては、例えば、溶媒中において、樹脂粒子に、金属微粒子をヘテロ凝集(ファンデルワールス力もしくは静電相互作用)により凝集させる方法が挙げられる。
【0038】
本発明において、重合は、通常の方法に従い行うことができる。
上記1)記載の具体的な方法としては、例えば以下の手順が挙げられる。すなわち、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたセパラブルフラスコ等の反応容器中に、所定量の溶媒、樹脂粒子、及び表面に重合性不飽和基を導入した金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂微粒子を核として金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、その後、重合性単量体、及び開始剤を添加し、一定時間窒素ガス等の不活性ガスを吹き込み雰囲気を置換した後、昇温することにより重合を開始し、重合反応系を一定温度・時間維持し重合を完了させる。この際、重合開始剤は、溶媒に溶解した状態で添加することが好ましい。重合温度は、使用する重合性単量体や重合開始剤の種類及び濃度等を考慮し適宜選択することができるが、通常60〜90℃の範囲である。また、重合時間も、重合条件等により異なるが、通常12〜36時間程度で重合反応は完結する。
【0039】
上記2)記載の具体的な方法としては、例えば以下の手順が挙げられる。すなわち、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたセパラブルフラスコ等の反応容器中に、重合性単量体、溶媒、及び開始剤を入れ、一定時間窒素ガス等の不活性ガスを吹き込み雰囲気を置換した後、昇温することにより重合を開始する。この際、重合開始剤は、溶媒に溶解した状態で添加することが好ましい。重合反応途中に表面に重合性不飽和基を導入した金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、重合により生成した樹脂粒子を核として金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、引き続き重合を行い、重合反応系を一定温度・時間維持し重合を完了させる。重合温度は、使用する重合性単量体や重合開始剤の種類及び濃度等を考慮し適宜選択することができるが、通常60〜90℃の範囲である。また、重合時間も、重合条件等により異なるが、通常12〜36時間程度で重合反応は完結する。
【0040】
上記3)記載の具体的な方法としては、例えば以下の手順が挙げられる。すなわち、攪拌機、窒素導入管及び還流冷却器を備えたセパラブルフラスコ等の反応容器中に、重合性単量体、溶媒、及び開始剤を入れ、一定時間窒素ガス等の不活性ガスを吹き込み雰囲気を置換した後、昇温することにより重合を開始し、重合反応系を一定温度・時間維持し重合を完了させる。この際、重合開始剤は、溶媒に溶解した状態で添加することが好ましい。重合温度は、使用する重合性単量体や重合開始剤の種類及び濃度等を考慮し適宜選択することができるが、通常60〜90℃の範囲である。その後、表面に重合性不飽和基を導入した金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、更に、重合性単量体及び開始剤を添加し再度昇温することにより重合を開始し、重合反応系を一定温度・時間維持し重合を完了させる。重合温度は、使用する重合性単量体や重合開始剤の種類及び濃度等を考慮し適宜選択することができるが、通常60〜90℃の範囲である。また、重合時間も、重合条件等により異なるが、通常12〜36時間程度で重合反応は完結する。
【0041】
重合後の金属及び/または金属酸化物含有粒子は、通常遠心分離等により媒体と分離することができる。分離した粒子は、アルコールまたは水により繰り返し洗浄することにより精製することができる。洗浄後は、噴霧乾燥または減圧乾燥等により粉体として単離することができる。
【0042】
本発明における金属含有微粒子の粒子径は、その用途により適宜選択されうるが、好ましくは、0.05〜1000μmである。
【0043】
本発明における金属含有樹脂粒子の粒径分布(Cv値)は、10%以下であることが好ましい。Cv値が10%を超えると、粒径のばらつきが顕著となり、一粒子あたりの金属及び/又は金属酸化物の含有量に差が生じることがある。
【0044】
(作用)
本発明の金属含有樹脂粒子は、図1に示すように、1樹脂粒子の表層部付近に2金属及び/又は金属酸化物微粒子を構造を有しているため、金属または金属酸化物による機能が発現しやすい。また、最表層部が3樹脂層であるため、図2に示される最表層が金属または金属酸化物でおおわれている物に比べ、平滑性、官能基選択性に優れる。また、図3に示される、樹脂粒子中に均一に金属及び/または金属酸化物微粒子を含有しているものに比べ、金属または金属酸化物微粒子の添加量が少なくても同等以上の添加効果が得られ、そのため、得られる金属及び/または金属酸化物含有樹脂粒子の比重が必要以上に大きくならない。さらに、粒径分布が10%以下であるため、1粒子あたりの金属または金属酸化物粒子の含有量のばらつきが小さい。
【発明の実施の形態】
以下に実施例を挙げて本発明の態様を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0045】
<金属微粒子の合成:表面にビニル基を有する酸化鉄>
1N塩化第二鉄水溶液60mL及び2N塩化第一鉄塩酸水溶液15mLを混合し、攪拌しながら、0.7Nアンモニア水溶液750mLに添加し、四酸化三鉄を析出させた。四酸化三鉄を収集し、1N−テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液90mLに添加し、さらに蒸留水750mLを添加することにより、四酸化三鉄分散液を得た(2重量%)。さらに四酸化三鉄分散液60mLにメタクリロキシプロピルトリメトキシシラン2mmolを添加することにより、表面にビニル基を有する四酸化三鉄微粒子(平均粒径15nm)分散液を得た。
【0046】
(実施例1)
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた1000mL−容セパラブルフラスコに、緩衝液(pH4.4、酢酸:酢酸ナトリウム=2:1)250g、粒径が3μm(Cv値2.5%)の架橋ポリスチレン粒子5gを秤量した。これに上記の表面にビニル基を有する四酸化三鉄微粒子分散液20gを添加し、架橋ポリスチレン粒子の表面にヘテロ凝集させた後、過硫酸カリウム0.6mmol、スチレン0.1molを添加し、350rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で12時間重合することにより平均粒径3.3μm(Cv値3%)の表面が樹脂層で覆われた四酸化三鉄含有樹脂粒子(1)を得た。
【0047】
(実施例2)
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた1000mL−容セパラブルフラスコに、緩衝液(pH4.4、酢酸:酢酸ナトリウム=2:1)411g、過硫酸カリウム0.003mol、スチレン0.2molを秤量した後、350rpmで攪拌し窒素雰囲気下70℃で重合を開始した。重合開始0.5時間後に、上記ビニル基を有する四酸化三鉄分散液50gを添加し、さらに12時間重合を継続することにより平均粒径500nm(Cv値5%)の表面が樹脂層で覆われた四酸化三鉄含有樹脂粒子(2)を得た。
【0048】
(実施例3)
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた2000mL容セパラブルフラスコに、スチレン1.1mol、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジノプロパン四水和物(VA−057、和光純薬社製)5mmol、及び緩衝液(pH4.4、酢酸:酢酸ナトリウム=2:1)373gを秤量した後、300rpmで攪拌し窒素雰囲気下70℃で8時間重合を行った。これに、上記緩衝液373mL及びスチレン1.1molを添加し8時間重合を行い、粒径4μm、Cv値1.5%のポリスチレン粒子分散液を得た。この分散液に、上記表面にビニル基を有する四酸化三鉄微粒子分散液20gを添加し、ポリスチレン粒子の表面にヘテロ凝集させた後、2,2’−アゾビス{2−[N−(2−カルボキシエチル)アミジノプロパン四水和物1mmol、スチレン0.2molを添加し、350rpmで攪拌し、窒素雰囲気下70℃で12時間重合することにより平均粒径4.4μm(Cv値2.4%)の表面がポリマー層で覆われた四酸化三鉄含有樹脂粒子(3)を得た。
【0049】
(比較例1)
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管、温度プローブを取り付けた1000mL−容セパラブルフラスコに、緩衝液(pH4.4、酢酸:酢酸ナトリウム=2:1)361g、過硫酸カリウム0.003mol、スチレン0.2mol、上記ビニル基を有する四酸化三鉄分散液50gを秤量した後、350rpmで攪拌し窒素雰囲気下70℃で開始した。重合開始0.5時間後に、前記緩衝液49gを添加し、さらに12時間重合を継続することにより、図5に示す平均粒径520nm(Cv値15%)のポリマー内部に均一に四酸化三鉄を含有する四酸化三鉄含有樹脂粒子(4)を得た。
【0050】
<評価結果>
実施例2及び比較例1では溶媒、単量体、開始剤、四酸化三鉄の含量をほぼ同じに設定し、重合を行ったが、実施例2の四酸化三鉄含有樹脂粒子(2)では粒径分布がCv値5%であったのに対し、比較例1の四酸化三鉄含有樹脂粒子(4)ではCv値15%と大きな差が認められた。これは、実施例2では初期に形成される粒径が揃った粒子の表面に四酸化三鉄がヘテロ凝集し、さらに重合することにより樹脂で覆われるため、粒径分布が小さく保たれているためである。これに対し、比較例1では、重合初期に添加されている四酸化三鉄微粒子が凝集していたり、1樹脂粒子中に取り込まれる四酸化三鉄微粒子量にばらつきが生じやすく、粒径分布の制御が困難であることを示している。
また、実施例2及び比較例1で得られた、四酸化三鉄含有樹脂粒子(2)および(4)の5%水分散液100mLづつをビーカーに入れ、磁石板の上に載せ、一夜静置したのち、磁石をビーカの底に固定したまま、デカンテーションにより上澄み液を除いた。底に残った四酸化三鉄含有樹脂粒子を乾燥させた後、重量を量った結果、実施例3で得られた金属含有粒子は2.5g、比較例1で得られた金属含有粒子は1.2gであった。このことから、四酸化三鉄含有樹脂粒子(2)では四酸化三鉄が表層部に局在化しているため、四酸化三鉄が一様に樹脂粒子内に分布している四酸化三鉄含有樹脂粒子(4)に比べて、磁性が強く発現することが示される。
【0051】
【発明の効果】
本発明の単分散微粒子は、上述したような金属含有樹脂粒子であるため、トナー、導電性粒子、磁性粒子、蛍光発光性粒子等として、カラーコピー、回路接続用異方導電膜、電磁波シールド、医療用診断薬、薬物単体、分析装置用カラム充填剤等の電子材料分野や医療用分野に好適に使用される。
【0052】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の金属含有樹脂粒子
【図2】 最表面層が金属粒子に覆われている粒子
【図3】 金属粒子が粒子内に分散されている粒子
【符号の説明】
1 樹脂粒子
2 金属微粒子
3 樹脂層

Claims (8)

  1. 溶媒と樹脂粒子との混合溶液に、表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、その後、重合性単量体と開始剤とを添加し重合することによって得られうることを特徴とする金属含有樹脂粒子。
  2. 重合性単量体、溶媒、及び開始剤の混合溶液の系で重合を開始することにより樹脂粒子を生成せしめ、重合反応途中に表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、引き続き重合することによって得られうることを特徴とする金属含有樹脂粒子。
  3. 重合性単量体、溶媒、及び開始剤の混合溶液の系で重合を開始することにより樹脂粒子を生成せしめた後、表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物微粒子を添加し、該樹脂粒子を核として該金属及び/又は金属酸化物微粒子を凝集せしめ、さらに重合性単量体と開始剤とを添加し重合することによって得られうることを特徴とする金属含有樹脂粒子。
  4. 樹脂粒子表面にシラノール基を有することを特徴とする請求項1〜3いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子。
  5. 溶媒が、表面に重合性不飽和基を有する金属及び/又は金属酸化物の表面電荷と反対の電荷の緩衝溶液であることを特徴とする請求項1〜4いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子。
  6. 重合性不飽和基を有するシランカップリング剤を用いて、金属及び/又は金属酸化物微粒子の表面に重合性不飽和基を導入することを特徴とする請求項1〜5いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子。
  7. 粒子の最表面が、有機化合物により覆われていることを特徴とする請求項1〜6いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子。
  8. 粒子径分布(Cv値)が、10%以下であることを特徴とする請求項1〜7いずれか一項に記載の金属含有樹脂粒子。
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