JP3681569B2 - 超微粒子生成堆積装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は機能材料製造装置に関するものであり、特に、量子サイズ効果から様々な機能発現が期待できる超微粒子の粒径制御、収量向上、汚染軽減をなし得る優れた特徴を有する機能材料製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
Si系IV族材料から構成される半導体超微粒子を可視発光等が可能となる光電子材料として用いるためには、粒径がnm(ナノメートル)レベルで制御された球状超微粒子作製が不可欠である。さらに、nmレベルの超微粒子作製にはレーザーアブレーション法が好適である。
【0003】
図5は例えば特開平9−275075号に記載された、従来のターゲット材に対してレーザーアブレーション法を施すことにより、超微粒子を作製堆積するための装置概念図である。
【0004】
図5においてエキシマレーザー光源502からのレーザー光がスリット503、集光レンズ504、ミラー505、レーザー光導入窓506から構成された光学系を経由し、真空反応室501に導入され、真空反応室501の内部に設置されたターゲットフォルダー507に配置されたターゲット材508の表面に集光照射される。
【0005】
さらに、ターゲット材508表面の放線方向に堆積基板509が配置されている。ターゲット材508からのレーザーアブレーションによる脱離・射出物質は堆積基板509上に捕集・堆積される。
【0006】
上記のように構成された装置において、Siをターゲット材とした場合の半導体超微粒子の作製について考える。
【0007】
まず、真空反応室501を、ターボ分子ポンプを主体とした高真空排気系512により、1×10-8Torrの超高真空まで排気後、高真空排気系512を閉鎖する。
【0008】
次に、希ガス導入ライン510を通じてヘリウムガス(He)を真空反応室501内に導入し、マスフローコントローラ511による流量制御とドライロータリーポンプを主体とした差動排気系513による差動排気により、一定圧力(1.0〜20.0Torr)の低圧希ガス(He)雰囲気に真空反応室501を保持する。保持された数TorrのHeガス雰囲気下で、ターゲット材表面に高エネルギー密度(例えば1. 0J/cm2 以上)のレーザー光を照射し、ターゲット材からの物質の脱離・射出を行う。
【0009】
脱離物質は雰囲気ガス分子に運動エネルギーを散逸するため、空中での凝縮・成長が促され、堆積基板509上で粒径数nmから数十nmの超微粒子に成長して堆積される。
【0010】
元来、IV族半導体は間接遷移型なので、バンド間遷移においてはフォノンの介在が不可欠であり、必然的に再結合過程では熱の発生が多く、輻射再結合をする確率はきわめて少ないが、形状を粒径が数nmレベルの超微粒子にすると、バンド間遷移における波数選択則の緩和、振動子強度の増大等の効果が生じることにより、電子−正孔対の輻射再結合過程の発生確率が増大し、強い発光を呈することが可能となる。
【0011】
ここで、発光波長(発光フォトンエネルギー)の制御には、図6に示した超微粒子粒径の減少に伴う量子閉じこめ効果による吸収端発光エネルギー(バンドギャップEgに対応)の増大を利用する。つまり、単一発光波長を得るためには超微粒子粒径の均一化が不可欠である。発光波長に対応した粒径の超微粒子を可能な限り粒径分布を抑制して生成・堆積できれば単色発光する光電子材料を得ることが可能となる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の技術で述べたように光電子材料としての半導体超微粒子を用いて単一波長の発光を行うためには、粒径分布の抑制された単一粒径の数nmレベルの超微粒子の生成・堆積が要求されている。
【0013】
従来の技術では雰囲気希ガスの圧力、ターゲット材と堆積基板の距離等を適切に選んでやることによって、平均粒径を制御することは可能であるが、依然として粒径の分布は存在するために、例えば幾何標準偏差σg が1. 2以下であるような、均一な粒径の半導体超微粒子を得ることは困難である。つまり、より積極的な粒径制御が必要とされている。また、nmレベルの超微粒子はその高い表面原子割合(例えば粒径5nmで約40%)のために非常に不純物や欠陥の混入に敏感である。
【0014】
つまり、生成堆積手法としてより清浄でダメージの少ないプロセスが求められている。
【0015】
本発明は上記従来の課題を解決するためになされたもので、単一粒径・均一構造を有するnmレベルの高純度超微粒子を汚染・ダメージを軽減した状態で効率的に作製し、堆積基板上に堆積する超微粒子生成堆積装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の超微粒子の生成堆積装置は、超微粒子生成部におけるレーザーアブレーションによる超微粒子の生成、微分型電気移動度分級装置による超微粒子の粒径制御、さらに超微粒子堆積部における堆積基板への超微粒子の堆積を、前記超微粒子生成部から前記超微粒子堆積部までの雰囲気希ガスの圧力を一定に保ち、つつ連続的な一括のプロセスで行うように構成したものである。
【0017】
かかる構成により、単一粒径・均一構造の高純度超微粒子を効率的に作製し、堆積基板上に堆積することができ、さらに、汚染・ダメージを軽減することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1に記載の発明は、低圧希ガス雰囲気下でターゲット材をレーザー光で励起し、アブレーション反応によって前記ターゲット材の脱離・射出を行い、前記アブレーション反応によって脱離・射出された物質を空中で凝縮・成長させて超微粒子を生成し、生成された超微粒子を前記アブレーション反応によって生じたアブレーションプルームの成長方向に配置された超微粒子収集パイプによって収集する超微粒子生成部と、前記超微粒子生成部に接続され、前記収集された超微粒子を荷電し、低圧希ガス雰囲気下で微分型電気移動度分級装置を用いて分級する超微粒子分級部と、前記超微粒子分級部に接続され、低圧希ガス雰囲気下で、分級された超微粒子を堆積基板上に超微粒子堆積用ノズルを介して堆積する超微粒子堆積部と、前記超微粒子堆積部に接続されて前記超微粒子生成部、超微粒子分級部、超微粒子堆積部に導入された低圧の雰囲気希ガスを排気する排気ポンプとを備え、前記超微粒子生成部には、この超微粒子生成部に導入された雰囲気希ガスの圧力を計測する圧力計が設けられ、前記超微粒子堆積部と排気ポンプとの間には排気流量を調節するバルブ部材が設けられ、前記圧力計により前記バルブ部材をコントロールし、前記超微粒子堆積部に接続された排気ポンプの排気速度をフィードバック制御することにより前記超微粒子生成部から前記超微粒子堆積部までの雰囲気希ガスの圧力を一定に保ち、超微粒子の生成から堆積までを連続的な一括のプロセスで行うことを特徴とする超微粒子生成堆積装置であり、超微粒子分級部における超微粒子の分級精度を向上させながら単一粒径・均一構造の高純度超微粒子を効率的に作製し、堆積基板上に堆積するという作用を有する。
【0019】
本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の超微粒子生成堆積装置において、超微粒子生成部、分級部、堆積部を超高真空に排気した後、高純度の低圧希ガス雰囲気下で超微粒子の生成・分級・堆積を行うことを特徴とするものであり、生成堆積される超微粒子の汚染を軽減し高純度化を促進するという作用を有する。
【0021】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1または2に記載の超微粒子生成堆積装置において、超微粒子収集パイプの位置をターゲット材に対して3軸方向に移動可能とする超微粒子収集パイプ移動機構を有することを特徴とするものであり、ターゲット材からの脱離・射出物質の空中での凝集・成長による超微粒子生成時の重要なパラメータであるターゲット材に対する超微粒子収集パイプの位置・距離を制御し効率的な超微粒子を生成することができるという作用を有する。
【0022】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置において、超微粒子収集パイプを形状・構造が異なるパイプと容易に交換可能となる超微粒子収集パイプ着脱機構を有することを特徴とするものであり、生成された超微粒子の収集において、超微粒子収集パイプの形状・構造が及ぼす効果を容易に判別し、最適化を行うことで、超微粒子を効率的に収集することができるという作用を有する。
【0023】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置において、超微粒子分級部において超微粒子の荷電に放射性同位体を用いるものであり、小容積で超微粒子の荷電を行い装置全体を小型化することができるという作用を有する。
【0024】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置において、超微粒子分級部において超微粒子の荷電に紫外光ランプを用いるものであり、効率的に超微粒子を荷電することができるという作用を有する。
【0025】
本発明の請求項に記載の発明は、請求項1乃至のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置において、超微粒子堆積用ノズルと積基板間の距離を可変する移動機構を設けたものであり、堆積用ノズル・堆積基板双方の交換を容易にし、さらに堆積用ノズルと堆積基板双方の形状・距離を可変とすることで、超微粒子の堆積条件を最適化することができるという作用を有する。
【0026】
本発明の請求項のように超微粒子堆積基板を冷却あるいは、請求項のように超微粒子堆積基板を帯電することにより、超微粒子の堆積基板への付着を促進することができる。
【0027】
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図1から図4を用いて説明する詳細に説明する。図1は本実施の形態における超微粒子生成堆積装置の全体構成を示す図である。この図に示された超微粒子生成堆積装置は、超微粒子を生成する超微粒子生成部101と、超微粒子生成部101に接続されこの超微粒子生成部101において生成された超微粒子を分級する超微粒子分級部102と、超微粒子分級部102において分級された超微粒子を堆積する超微粒子堆積部103とから構成されている。
【0028】
ここで、超微粒子生成部101の基本的な構成は、超微粒子生成を行う真空反応室104、真空反応室104に雰囲気希ガス(キャリアガス105)を一定質量流量Qa(例えば1l/min.)で導入するためのマスフローコントローラ106、雰囲気希ガス圧力を計測する圧力計107から成る。
【0029】
また、超微粒子分級部102の基本的な構成は、質量流量Qaで搬送される、超微粒子生成部101で生成された超微粒子を、例えばAm241のような放射性同位体を用いて荷電する荷電室110、超微粒子を上記のように荷電された状態で分級する微分型電気移動度分級装置113、微分型電気移動度分級装置113内で一定質量流量Qc(例えば5l/min.)の流れを形成するためのシースガス111を微分型電気移動度分級装置113に導入するマスフローコントローラ112から成る。ここで、超微粒子の荷電は、エキシマランプのような紫外光ランプを用いても良いし、放射性同位体と紫外光ランプの双方を同時に用いても一向に構わない。
【0030】
さらに、超微粒子堆積部103の基本的な構成は、微分型電気移動度分級装置113から排気されたシースガスの流量を計測するマスフローメータ115、シースガスの排気速度を制御するコンダクタンス可変バルブ116、堆積基板上に分級された超微粒子の堆積を行う超微粒子堆積室117、堆積室から排気されたキャリアガスの流量を計測するマスフローメータ118、キャリアガスの排気速度を制御するコンダクタンス可変バルブ119、キャリアガスおよびシースガスの排気を行うルーツポンプ120、ルーツポンプに直列に配置されたドライポンプ121から成る。
【0031】
次に、図1から図4を用いて、超微粒子の生成・収集・分級・堆積に関して説明する。図1のターボ分子ポンプを主体とした超高真空排気系109によって真空反応室104を< 1×10-8Torrの超高真空に排気後、超高真空排気系109を閉鎖する。
【0032】
同時に、超微粒子生成部101と超微粒子分級部102の間、微分型電気移動度分級装置113とマスフローメータ115の間、および超微粒子堆積室117とマスフローメータ118の間を閉鎖した状態でターボ分子ポンプを主体とする超高真空排気系114によって荷電室110、微分型電気移動度分級装置113、超微粒子堆積室117を< 1×10-7Torrの超高真空まで排気後、超高真空排気系114を閉鎖する。
【0033】
次にマスフローコントローラ106を用いて真空反応室104に質量流量Qaでキャリアガス(高純度希ガス、例えば6NのHe)を導入する。ここで、超微粒子生成部101と超微粒子分級部102の間を開放する。
【0034】
さらに、微分型電気移動度分級装置113とマスフローメータ115の間、超微粒子堆積室117とマスフローメータ118の間も開放する。このときコンダクタンス可変バルブ116および119は全開放状態であり、ルーツポンプ120およびドライポンプ121は稼働状態である。
【0035】
次にマスフローコントローラ112を用いて微分型電気移動度分級装置113に質量流量Qcでシースガス(高純度希ガス、例えば6NのHe)を導入する。そして、真空反応室104に配置された圧力計107を用いてコンダクタンス可変バルブ119をフィードバック制御しつつ、コンダクタンス可変バルブ116でバランスを取ることによって、真空反応室の雰囲気希ガス圧力を一定に保ちつつ、マスフローメータ118の計測値がQaに、マスフローメータ115の計測値がQcとなるように、排気ラインのコンダクタンスを制御する。
【0036】
上記のような手順で、超微粒子が生成・収集・分級・堆積される真空反応室104、荷電室110、微分型電気移動度分級装置113、超微粒子堆積室117を超高真空に排気後、高純度の希ガスを導入することで超微粒子に対する酸素等の汚染を軽減することができる。
【0037】
また、真空反応室104における雰囲気希ガス圧力を一定に保ちつつ、キャリアガス・シースガスの流量を一定に保つことにより、安定した超微粒子生成条件を保持することが可能となり、ひいては超微粒子の分級精度を向上することができる。
【0038】
超微粒子が生成される真空反応室104の内部構成は図2に示すように、自転機構を有するターゲットフォルダー23 、ターゲットフォルダー23上に配置されたターゲット材22、レーザー光21によって励起されたアブレーションプルーム25の成長方向(ターゲット材22の放線方向)に配置されたxyzの3軸方向に移動可能な超微粒子収集パイプ24、超微粒子収集パイプ24の着脱・交換を行うための超微粒子収集パイプ着脱機構27から成る。
【0039】
レーザー光21によって励起され、アブレーション反応によってターゲット材22から脱離・射出された物質は雰囲気希ガス分子に運動エネルギーを散逸するため、空中での凝縮・成長が促され、数nmから数十nmの超微粒子に成長する。ここで、成長する超微粒子の粒径、生成された超微粒子同士の凝集現象はレーザー光21の照射位置に対する3次元的な場所依存性を持つ。つまり、超微粒子収集パイプ24を図2のxyzの3軸方向に可動とすることで、レーザ光21の照射位置に対して3次元的に最適な位置に超微粒子収集パイプ24を配置することで、狙った粒径に成長した超微粒子を、超微粒子同士の凝集を抑制しつつ効率的に収集することが可能となる。
【0040】
さらに、超微粒子収集パイプ24を着脱可能とする超微粒子収集パイプ着脱機構27を設けることで、形状・構造の異なる超微粒子収集パイプ(例えばパイプにテーパ形状を持たせる)は容易に着脱・交換可能であり、超微粒子収集パイプ24の形状・構造の最適化を行うことが可能となり、超微粒子収集の効率化を図ることができる。加えて、真空反応室内の雰囲気希ガス圧力を上記のような手順で制御することにより、超微粒子の生成における雰囲気希ガス圧力依存性を制御することもできる。
【0041】
超微粒子収集パイプ24で収集された超微粒子は、質量流量Qaで荷電室110に搬送され、放射性同位体あるいは、紫外線ランプの少なくとも一方によって荷電される。ここで、放射性同位体のみを超微粒子の荷電に用いれば、荷電室の容積を小さくすることができ、ひいては装置全体の小型化が可能となる。また、紫外線ランプ、あるいは紫外線ランプと放射性同位体双方を超微粒子の荷電に用いれば、より効率的に超微粒子を荷電することができ、超微粒子の収量を向上することができる。
【0042】
荷電室110で荷電された超微粒子は図3に示すような微分型電気移動度分級装置に搬送される。質量流量Qaで搬送された荷電超微粒子は、キャリアガス導入口304から導入され、キャリアガスの流れを等方的に均一化するキャリアガスバッファ305を介して、R1、R2の半径を持つ二重円筒構造部にキャリアガス吹き出し口306から流れ込む。
【0043】
また、シースガス導入口301からシースガスバッファ302に導入された質量流量Qcを有するシースガスは、シースガスバッファ302およびフィルタ303を通過することにより、層流となって二重円筒構造部に流れ込む。二重円筒構造部に流入した荷電超微粒子は、図3のように直流電源309によって二重円筒間に印加された静電界によって、円筒の軸に向かって力を受ける。荷電超微粒子は粒径によってその電気移動度が異なるため、キャリアガス吹き出し口306とスリット307間の距離Lおよび、直流電源309の電圧Vと二重円筒の半径R1、R2で決まる電界強度に従って、単一粒径のみの荷電超微粒子がスリット307に流入する。
【0044】
このように、キャリアガス排気口311から搬出される荷電超微粒子は微分型電気移動度分級装置によって単一粒径に分級される。ここで、上記のような手段で導入されるキャリアガス・シースガスの質量流量と、排気されるキャリアガス・シースガスの質量流量がそれぞれ等しくなるように制御してやることにより、分級精度を理論上の値に近づけることができる。
【0045】
微分型電気移動度分級装置113で分級された荷電超微粒子は、図4に示すような超微粒子堆積室に搬送される。搬送された荷電超微粒子は堆積用ノズル42から堆積室41に噴出し、堆積基板フォルダー44上に配置された、堆積基板43上に堆積される。堆積基板43を図4のz方向に移動可能とする堆積基板移動機構48を設けることで、堆積用ノズル42と堆積基板43の距離を可変とすることができるうえ、堆積用ノズル42・堆積基板43双方の交換を容易にし、形状を任意に変更することができる。堆積用ノズル42の形状を変更して、噴出する超微粒子の速度を変化させ、堆積用ノズル42と堆積基板43の距離を制御することにより、堆積基板43が堆積ノズル42から噴出する超微粒子を含んだ気流に対してカスケード・インパクターとして作用することを抑制することができる。逆に、堆積基板43をカスケード・インパクターとして作用させることも可能であり、堆積超微粒子粒径の更なる均一化を行うこともできる。
【0046】
また、堆積基板43は直流電源47で直流電圧を印加することにより帯電し、さらにペルチェ素子46によって冷却されている。つまり、堆積基板43を帯電・冷却することで、荷電超微粒子の堆積基板43への付着を促進し、捕集効率を向上させることができる。
【0047】
なお、ここでは堆積基板43を帯電し、かつ冷却したが、必ずしも帯電・冷却の双方を行う必要はない。
【0048】
上記のように、低圧希ガス雰囲気下でターゲット材をレーザー光で励起し、アブレーション反応によってターゲット材の脱離・射出を行い、脱離・射出された物質を空中で凝縮・成長させて超微粒子を生成し、生成された超微粒子をアブレーション反応によって生じたアブレーションプルームの成長方向に配置された超微粒子収集パイプによって収集する超微粒子生成部、収集された超微粒子を荷電し微分型電気移動度分級装置を用いて分級する超微粒子分級部、分級された超微粒子を堆積基板上に超微粒子堆積用ノズルを介して堆積する超微粒子堆積部から構成される、超微粒子の生成から堆積までを連続的な一括のプロセスで行う超微粒子生成堆積装置を用いることで、単一粒径・均一構造の高純度超微粒子を効率的に作製し、堆積基板上に堆積することができる。
【0049】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、単一粒径・均一構造となるように制御された高純度超微粒子の作製を容易にかつ効率的に行うことができ、生成された超微粒子を堆積基板上に確実に堆積することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における超微粒子生成堆積装置の全体構成図
【図2】本発明の実施の形態における超微粒子が生成される真空反応室の内部構成図
【図3】本発明の実施の形態における微分型電気移動度分級装置の構成図
【図4】本発明の実施の形態における超微粒子堆積室の構成図
【図5】従来の超微粒子を作製堆積するための装置概念図
【図6】超微粒子粒径とその吸収端発光エネルギーの相関図
【符号の説明】
101 超微粒子生成部
102 超微粒子分級部
103 超微粒子堆積部
104、501 真空反応室
105、26 キャリアガス
106、112、511 マスフローコントローラ
107 圧力計
108、21 レーザー光
109、114 超高真空排気系
110 荷電室
111 シースガス
113 微分型電気移動度分級装置
115、118 マスフローメータ
116、119 コンダクタンス可変バルブ
117 超微粒子堆積室
120 ルーツポンプ
121 ドライポンプ
22、508 ターゲット材
23、507 ターゲットフォルダー
24 超微粒子収集パイプ
25 アブレーションプルーム
27 超微粒子収集パイプ着脱機構
301 シースガス導入口
302 シースガスバッファ
303 フィルタ
304 キャリアガス導入口
305 キャリアガスバッファ
306 キャリアガス吹き出し口
307、503 スリット
308 絶縁体
39、47 直流電源
310 シースガス排気口
311 キャリアガス排気口
41 堆積室
42 堆積用ノズル
43、509 堆積基板
44 堆積基板フォルダー
45 キャリアガス排気系
46 ペルチェ素子
502 エキシマレーザ光源
504 集光レンズ
505 ミラー
506 光導入窓
510 希ガス導入ライン
512 高真空排気系
513 差動排気系

Claims (9)

  1. 低圧希ガス雰囲気下でターゲット材をレーザー光で励起し、アブレーション反応によって前記ターゲット材の脱離・射出を行い、前記アブレーション反応によって脱離・射出された物質を空中で凝縮・成長させて超微粒子を生成し、生成された超微粒子を前記アブレーション反応によって生じたアブレーションプルームの成長方向に配置された超微粒子収集パイプによって収集する超微粒子生成部と、
    前記超微粒子生成部に接続され、前記収集された超微粒子を荷電し、低圧希ガス雰囲気下で微分型電気移動度分級装置を用いて分級する超微粒子分級部と、
    前記超微粒子分級部に接続され、低圧希ガス雰囲気下で、分級された超微粒子を堆積基板上に超微粒子堆積用ノズルを介して堆積する超微粒子堆積部と、
    前記超微粒子堆積部に接続されて前記超微粒子生成部、超微粒子分級部、超微粒子堆積部に導入された低圧の雰囲気希ガスを排気する排気ポンプとを備え、
    前記超微粒子生成部には、この超微粒子生成部に導入された雰囲気希ガスの圧力を計測する圧力計が設けられ、
    前記超微粒子堆積部と排気ポンプとの間には排気流量を調節するバルブ部材が設けられ、
    前記圧力計により前記バルブ部材をコントロールし、前記超微粒子堆積部に接続された排気ポンプの排気速度をフィードバック制御することにより前記超微粒子生成部から前記超微粒子堆積部までの雰囲気希ガスの圧力を一定に保ち、
    超微粒子の生成から堆積までを連続的な一括のプロセスで行うことを特徴とする超微粒子生成堆積装置。
  2. 前記超微粒子生成部、分級部、堆積部を超高真空に排気後、高純度の低圧希ガス雰囲気下で超微粒子の生成・分級・堆積を行うことを特徴とする請求項1記載の超微粒子生成堆積装置。
  3. 前記超微粒子収集パイプの位置を前記ターゲット材に対して3軸方向に移動可能とする超微粒子収集パイプ移動機構を有することを特徴とする請求項1または2に記載の超微粒子生成堆積装置。
  4. さらに、前記超微粒子収集パイプを形状・構造が異なるパイプと容易に交換可能となる超微粒子収集パイプ着脱機構を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置。
  5. 前記超微粒子分級部において超微粒子の荷電に放射性同位体を用いる請求項1から4のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置。
  6. 前記超微粒子分級部において超微粒子の荷電に紫外光ランプを用いる請求項1から4のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置。
  7. 前記超微粒子堆積用ノズルと前記堆積基板間の距離を可変する移動機構を有する請求項1から6のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置。
  8. 前記超微粒子堆積基板を冷却する機構を有する請求項1から7のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置。
  9. 前記超微粒子堆積基板を帯電する機構を有する請求項1から7のいずれかに記載の超微粒子生成堆積装置。
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