JP3099501B2 - 超微粒子分散材料の製造方法 - Google Patents
超微粒子分散材料の製造方法Info
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C14/00—Glass compositions containing a non-glass component, e.g. compositions containing fibres, filaments, whiskers, platelets, or the like, dispersed in a glass matrix
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- C03C2214/00—Nature of the non-vitreous component
- C03C2214/04—Particles; Flakes
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C03—GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
- C03C—CHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
- C03C2214/00—Nature of the non-vitreous component
- C03C2214/30—Methods of making the composites
Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超微粒子を分散させた
材料の製造方法に関するものであり、特に気相中で合成
した超微粒子を、気相中で合成したガラス中に閉じ込め
ることにより、超微粒子分散材料の作製を容易にすると
ともに、連続的あるいは周期的な超微粒子濃度の分布を
持つ超微粒子分散材料の製造方法に関するものである。
材料の製造方法に関するものであり、特に気相中で合成
した超微粒子を、気相中で合成したガラス中に閉じ込め
ることにより、超微粒子分散材料の作製を容易にすると
ともに、連続的あるいは周期的な超微粒子濃度の分布を
持つ超微粒子分散材料の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】超微粒子はバルクの持つ性質とは異なっ
た性質を持つことが知られており、機能性材料としての
応用が期待されている。例えばCdS等の化合物半導体
超微粒子は、粒径が小さくなるにしたがってバンド構造
が離散化し、吸収端が高エネルギ側へシフトする等いわ
ゆる量子サイズ効果が生じる(例えば A. J. Nozic et
al., J. Phys. Chem., 89, 397 (1987))。またこのよ
うな量子サイズ効果を有する材料は、大きな非線形光学
効果を持つことも知られており、超高速の光スイッチや
光論理素子等の非線形光学効果を用いた光制御素子への
応用が期待されている。ところが超微粒子の個々の粒径
が量子サイズ効果を示す程度であっても、凝集すると超
微粒子間で電荷の移動が可能となり量子サイズ効果は消
滅する。したがってこのような超微粒子を扱う上で、超
微粒子同士の凝集を防ぐことがその効果を高める上で重
要になってくる。
た性質を持つことが知られており、機能性材料としての
応用が期待されている。例えばCdS等の化合物半導体
超微粒子は、粒径が小さくなるにしたがってバンド構造
が離散化し、吸収端が高エネルギ側へシフトする等いわ
ゆる量子サイズ効果が生じる(例えば A. J. Nozic et
al., J. Phys. Chem., 89, 397 (1987))。またこのよ
うな量子サイズ効果を有する材料は、大きな非線形光学
効果を持つことも知られており、超高速の光スイッチや
光論理素子等の非線形光学効果を用いた光制御素子への
応用が期待されている。ところが超微粒子の個々の粒径
が量子サイズ効果を示す程度であっても、凝集すると超
微粒子間で電荷の移動が可能となり量子サイズ効果は消
滅する。したがってこのような超微粒子を扱う上で、超
微粒子同士の凝集を防ぐことがその効果を高める上で重
要になってくる。
【0003】溶液中に超微粒子を分散させた材料の場合
は、微粒子の凝集を防ぐ方法として界面活性剤を用いる
ことが従来より行われており、多方面に応用されている
(界面活性剤ハンドブック 光学図書)。これはその系
によって異なるが、界面活性剤が超微粒子表面に吸着し
てその立体障害により凝集を防ぐ、界面活性剤の吸着で
例えば疎水性の超微粒子が見かけ上親水性となり親水性
溶液中で安定となる、あるいは界面活性剤によって超微
粒子の内部電場が変化し凝集を防ぐ等種々の効果で説明
されている。一方、 Steigerwaldらは液相中で合成した
CdSeの超微粒子にフェニル基を吸着させることによ
り、溶液中だけではなく沈澱乾燥後でもフェニル基の立
体障害のために微粒子の独立性が保存されることを報告
している(Steigerwald et al., J. Am. Chem. Soc., 1
10, 3046 (1988))。
は、微粒子の凝集を防ぐ方法として界面活性剤を用いる
ことが従来より行われており、多方面に応用されている
(界面活性剤ハンドブック 光学図書)。これはその系
によって異なるが、界面活性剤が超微粒子表面に吸着し
てその立体障害により凝集を防ぐ、界面活性剤の吸着で
例えば疎水性の超微粒子が見かけ上親水性となり親水性
溶液中で安定となる、あるいは界面活性剤によって超微
粒子の内部電場が変化し凝集を防ぐ等種々の効果で説明
されている。一方、 Steigerwaldらは液相中で合成した
CdSeの超微粒子にフェニル基を吸着させることによ
り、溶液中だけではなく沈澱乾燥後でもフェニル基の立
体障害のために微粒子の独立性が保存されることを報告
している(Steigerwald et al., J. Am. Chem. Soc., 1
10, 3046 (1988))。
【0004】超微粒子の製造方法として古くから酸化還
元反応を用いたコロイド分散系が知られている。例えば
Auコロイドは塩化金酸カリウム溶液に過酸化水素やク
エン酸などの適当な還元剤を加えることで容易に生成で
きる。また化合物コロイドの例としてCdSの場合に
は、Cd(ClO4)2溶液にNa2S溶液を加えると酸
化還元反応が生じてCdS分散系が得られる(例えば
R. Rossetti et al.,J. Chem. Phys. 82, 552 (198
5))。いずれも作製条件によって得られる超微粒子の粒
径は異なるが、直径5nm以下でかつ分散が小さなコロ
イド粒子を容易に作製することができる。
元反応を用いたコロイド分散系が知られている。例えば
Auコロイドは塩化金酸カリウム溶液に過酸化水素やク
エン酸などの適当な還元剤を加えることで容易に生成で
きる。また化合物コロイドの例としてCdSの場合に
は、Cd(ClO4)2溶液にNa2S溶液を加えると酸
化還元反応が生じてCdS分散系が得られる(例えば
R. Rossetti et al.,J. Chem. Phys. 82, 552 (198
5))。いずれも作製条件によって得られる超微粒子の粒
径は異なるが、直径5nm以下でかつ分散が小さなコロ
イド粒子を容易に作製することができる。
【0005】超微粒子の製造方法として上記の液相中で
の酸化還元・沈澱反応を利用した方法以外に、ガス中蒸
発法が知られている。これはArなどの不活性ガス雰囲
気中で物質を加熱蒸発させると、その蒸気が雰囲気ガス
分子と衝突して運動エネルギを失い、かつ急冷されるた
めに微粒子を形成する。粒子の大きさは蒸発源からの距
離に依存して変化し、蒸着源付近で捕集すると小さな粒
径の微粒子が得られる。また生成した粒子を例えばO2
ガスと反応させることにより、酸化物微粒子が作製でき
る。
の酸化還元・沈澱反応を利用した方法以外に、ガス中蒸
発法が知られている。これはArなどの不活性ガス雰囲
気中で物質を加熱蒸発させると、その蒸気が雰囲気ガス
分子と衝突して運動エネルギを失い、かつ急冷されるた
めに微粒子を形成する。粒子の大きさは蒸発源からの距
離に依存して変化し、蒸着源付近で捕集すると小さな粒
径の微粒子が得られる。また生成した粒子を例えばO2
ガスと反応させることにより、酸化物微粒子が作製でき
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら界面活性
剤を用いた方法は、超微粒子の凝集の防止には効果的で
あるが超微粒子が溶液に分散していることが必須条件で
ある。ところが液相中の酸化還元反応で得られる超微粒
子は、貴金属やCdSなどの一部の物質に限られる。ま
たフェニル基の吸着を利用した方法で得られた乾燥粉末
は、水に対して耐久性が弱く、通常の方法では非常に不
安定である。さらにフェニル基を吸着する際、超微粒子
が溶液に分散していることが必要であり、また応用でき
る材料も硫化物やセレン化物に限られてしまうという欠
点を持つ。一方、ガス中蒸発法では種々の材料の超微粒
子を製造することが可能であるが、作製した超微粒子を
溶液に分散した形で取り出すことは容易ではなく、界面
活性剤やフェニル基の吸着を応用することはできない。
剤を用いた方法は、超微粒子の凝集の防止には効果的で
あるが超微粒子が溶液に分散していることが必須条件で
ある。ところが液相中の酸化還元反応で得られる超微粒
子は、貴金属やCdSなどの一部の物質に限られる。ま
たフェニル基の吸着を利用した方法で得られた乾燥粉末
は、水に対して耐久性が弱く、通常の方法では非常に不
安定である。さらにフェニル基を吸着する際、超微粒子
が溶液に分散していることが必要であり、また応用でき
る材料も硫化物やセレン化物に限られてしまうという欠
点を持つ。一方、ガス中蒸発法では種々の材料の超微粒
子を製造することが可能であるが、作製した超微粒子を
溶液に分散した形で取り出すことは容易ではなく、界面
活性剤やフェニル基の吸着を応用することはできない。
【0007】本発明は上記従来の問題点を解決し、ガス
中蒸発法など気相中で合成した超微粒子をその特性を保
ちつつ、ガラス膜中に埋め込むことが可能な超微粒子分
散材料の製造方法を提供することを目的とする。
中蒸発法など気相中で合成した超微粒子をその特性を保
ちつつ、ガラス膜中に埋め込むことが可能な超微粒子分
散材料の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の超微粒子分散
材料の製造方法は、超微粒子の原料となる材料を不活性
ガス中で加熱蒸発し、原料の蒸気と不活性ガスとの衝突
で蒸気を急冷することにより原料の超微粒子を形成し、
水素化シリコンあるいはシリコンアルコキシドと酸素の
混合気体あるいはそれらの希釈ガスを、熱、プラズマ、
光等で励起することにより作製したシリカガラス膜中
に、前記超微粒子を閉じ込めることを特徴とする。
材料の製造方法は、超微粒子の原料となる材料を不活性
ガス中で加熱蒸発し、原料の蒸気と不活性ガスとの衝突
で蒸気を急冷することにより原料の超微粒子を形成し、
水素化シリコンあるいはシリコンアルコキシドと酸素の
混合気体あるいはそれらの希釈ガスを、熱、プラズマ、
光等で励起することにより作製したシリカガラス膜中
に、前記超微粒子を閉じ込めることを特徴とする。
【0009】請求項2の超微粒子分散材料の製造方法
は、請求項1の超微粒子分散材料の製造方法において、
超微粒子の濃度を連続的または段階的に変化させること
により、シリカガラス膜の垂直方向に連続的あるいは周
期的な超微粒子の濃度分布を持つことを特徴とする。
は、請求項1の超微粒子分散材料の製造方法において、
超微粒子の濃度を連続的または段階的に変化させること
により、シリカガラス膜の垂直方向に連続的あるいは周
期的な超微粒子の濃度分布を持つことを特徴とする。
【0010】本発明の超微粒子分散材料の製造方法は、
超微粒子の原料となる材料を不活性ガス中で加熱蒸発
し、原料の蒸気と不活性ガスとの衝突で蒸気を急冷する
ことにより原料の超微粒子を形成し、水素化シリコン、
あるいはシリコンアルコキシドをはじめとする硅素原料
気体と酸素の混合気体を、熱、プラズマ、光等で励起す
ることにより気相での反応を利用して作製したSiO2
ガラス中に分散させることを特徴とする。
超微粒子の原料となる材料を不活性ガス中で加熱蒸発
し、原料の蒸気と不活性ガスとの衝突で蒸気を急冷する
ことにより原料の超微粒子を形成し、水素化シリコン、
あるいはシリコンアルコキシドをはじめとする硅素原料
気体と酸素の混合気体を、熱、プラズマ、光等で励起す
ることにより気相での反応を利用して作製したSiO2
ガラス中に分散させることを特徴とする。
【0011】本発明は、気相中で合成した超微粒子を、
モノシランやジシラン等の水素化シリコン、あるいはT
MOS(テトラメトキシシラン)やTEOS(テトラエ
トキシシラン)等のシリコンアルコキシドをはじめとす
る硅素原料気体と酸素の混合気体中、あるいはそれらの
混合気体をArやN2等のガスで希釈した気体を、熱、
プラズマ、光等で励起することにより気相での反応を利
用して作製したSiO2ガラス中に分散させる。
モノシランやジシラン等の水素化シリコン、あるいはT
MOS(テトラメトキシシラン)やTEOS(テトラエ
トキシシラン)等のシリコンアルコキシドをはじめとす
る硅素原料気体と酸素の混合気体中、あるいはそれらの
混合気体をArやN2等のガスで希釈した気体を、熱、
プラズマ、光等で励起することにより気相での反応を利
用して作製したSiO2ガラス中に分散させる。
【0012】
【作用】本発明の製造法によれば、気相中で製造した微
粒子を気相中で作製したSiO2中に閉じ込めるため、
微粒子を一旦捕集する必要がなく、捕集の際に起きる微
粒子の凝集を防ぐことができる。
粒子を気相中で作製したSiO2中に閉じ込めるため、
微粒子を一旦捕集する必要がなく、捕集の際に起きる微
粒子の凝集を防ぐことができる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は超微粒子分散材料を作製するために用いた
製造装置を示す。本装置は超微粒子をガス中で作製する
蒸発室1、ガラスマトリックスを気相から製造する反応
室2からなる。蒸発室1には原料である半導体多結晶タ
ーゲット5とレーザー光15を導入する窓14および不
活性ガスの導入管6を具備し、原料蒸発はターゲット5
にレーザー光15を照射することにより行う。反応室2
は石英管3とプラズマ励起用のコイル8およびガラスの
原料ガスを導入するガス導入管7からなり、反応室2内
のガスをプラズマにより励起できる構造となっている。
上下動可能な試料支持棒9上に石英基板11を設置し
た。蒸発室1と反応室2はパイプ4で結合されており、
差動排気により蒸発室1の圧力の方が反応室2の圧力よ
り高くなるように設定されている。反応室2の圧力が蒸
発室1の圧力よりも低いため、生成した超微粒子は差圧
によってパイプ4を経て反応室2へ導入される。これら
の差圧はガラスカプセル超微粒子を作製する上で非常に
重要なファクタで、蒸発室1と反応室2との間の圧力差
は超微粒子の粒径を決めるパラメータの一つである。な
お本製造装置において超微粒子の粒径は上記の圧力差以
外に蒸発室内の圧力、照射するレーザー光のパワー、タ
ーゲット5からパイプ4までの距離、パイプの太さなど
で決まる。
する。図1は超微粒子分散材料を作製するために用いた
製造装置を示す。本装置は超微粒子をガス中で作製する
蒸発室1、ガラスマトリックスを気相から製造する反応
室2からなる。蒸発室1には原料である半導体多結晶タ
ーゲット5とレーザー光15を導入する窓14および不
活性ガスの導入管6を具備し、原料蒸発はターゲット5
にレーザー光15を照射することにより行う。反応室2
は石英管3とプラズマ励起用のコイル8およびガラスの
原料ガスを導入するガス導入管7からなり、反応室2内
のガスをプラズマにより励起できる構造となっている。
上下動可能な試料支持棒9上に石英基板11を設置し
た。蒸発室1と反応室2はパイプ4で結合されており、
差動排気により蒸発室1の圧力の方が反応室2の圧力よ
り高くなるように設定されている。反応室2の圧力が蒸
発室1の圧力よりも低いため、生成した超微粒子は差圧
によってパイプ4を経て反応室2へ導入される。これら
の差圧はガラスカプセル超微粒子を作製する上で非常に
重要なファクタで、蒸発室1と反応室2との間の圧力差
は超微粒子の粒径を決めるパラメータの一つである。な
お本製造装置において超微粒子の粒径は上記の圧力差以
外に蒸発室内の圧力、照射するレーザー光のパワー、タ
ーゲット5からパイプ4までの距離、パイプの太さなど
で決まる。
【0014】本装置を用いたCdTe超微粒子分散ガラ
スの製造方法について説明する。原料に市販のCdTe
多結晶ウェーハを用いた。蒸発室1にはArガスを導入
し、圧力を1Torr程度に制御した。反応室2内の圧
力を0.05TorrとしてCdTeを蒸発させ、輸送
パイプ4から噴出したCdTe超微粒子を捕集、分析し
たところ粒径が約6nmで粒径の分散が非常に小さいこ
とがわかった。この結果を基に、反応室にArガスで希
釈したTEOS蒸気と酸素の混合気体を導入し、その圧
力を約0.05Torrとした。高周波電圧をコイル8
に印加して反応室内のガスを励起した状態でCdTeタ
ーゲットにYAGレーザー第二高調波(532nm、25J/cm
2)を照射しCdTeを蒸発させた。この結果、石英基
板11上に目的のCdTe微粒子分散ガラスが形成され
た。
スの製造方法について説明する。原料に市販のCdTe
多結晶ウェーハを用いた。蒸発室1にはArガスを導入
し、圧力を1Torr程度に制御した。反応室2内の圧
力を0.05TorrとしてCdTeを蒸発させ、輸送
パイプ4から噴出したCdTe超微粒子を捕集、分析し
たところ粒径が約6nmで粒径の分散が非常に小さいこ
とがわかった。この結果を基に、反応室にArガスで希
釈したTEOS蒸気と酸素の混合気体を導入し、その圧
力を約0.05Torrとした。高周波電圧をコイル8
に印加して反応室内のガスを励起した状態でCdTeタ
ーゲットにYAGレーザー第二高調波(532nm、25J/cm
2)を照射しCdTeを蒸発させた。この結果、石英基
板11上に目的のCdTe微粒子分散ガラスが形成され
た。
【0015】基板上に形成されたCdTe微粒子分散ガ
ラスの近赤外・可視領域における光吸収特性を測定した
ところ、吸収端は760nmとバルクのCdTeの吸収
端の820nmよりも短波長側にシフトしていることが
わかった。さらに透過電子顕微鏡で作製したCdTe超
微粒子分散材料を観察したところ、粒径が約6nmのC
dTe微粒子を含んでいることがわかった。すなわち本
発明による微粒子分散ガラスにおいては、生成した超微
粒子を変化させることなくガラス中にその超微粒子を閉
じ込めことが可能である。
ラスの近赤外・可視領域における光吸収特性を測定した
ところ、吸収端は760nmとバルクのCdTeの吸収
端の820nmよりも短波長側にシフトしていることが
わかった。さらに透過電子顕微鏡で作製したCdTe超
微粒子分散材料を観察したところ、粒径が約6nmのC
dTe微粒子を含んでいることがわかった。すなわち本
発明による微粒子分散ガラスにおいては、生成した超微
粒子を変化させることなくガラス中にその超微粒子を閉
じ込めことが可能である。
【0016】また、製造中にTEOSのガス濃度を変化
させてCdTe微粒子分散材料を作製し、表面を徐々に
削りながらXPS(X線光電子分光法)により材料中の
微粒子濃度を求めたところ、TEOSガス濃度に依存し
て微粒子濃度が膜の深さ方向で1wt%から12wt%まで変
化していた。これにより、膜の深さ方向で微粒子濃度の
分布を持つような半導体微粒子分散材料が製造できるこ
とが確認できた。
させてCdTe微粒子分散材料を作製し、表面を徐々に
削りながらXPS(X線光電子分光法)により材料中の
微粒子濃度を求めたところ、TEOSガス濃度に依存し
て微粒子濃度が膜の深さ方向で1wt%から12wt%まで変
化していた。これにより、膜の深さ方向で微粒子濃度の
分布を持つような半導体微粒子分散材料が製造できるこ
とが確認できた。
【0017】今回、CdTe超微粒子について述べたが
これに限ることなく、例えばCdSSe、ZnSe、C
dTeをはじめとするII−VI族化合物半導体、Ga
As、InP、InGaAsPなどのIII−V族化合
物半導体、あるいは磁気記憶材料としてFe、Co、N
iあるいはそれらの合金や他の元素との化合物、酸素ガ
ス中での種々の金属の蒸発で得られる酸化物等気相中で
超微粒子化が可能ないかなる材料についても適用でき
る。原料の加熱蒸発に本実施例で用いたレーザー加熱以
外に誘導加熱、抵抗加熱、蒸発室内の圧力によっては電
子ビーム加熱、アーク放電など種々の方法を適用でき
る。
これに限ることなく、例えばCdSSe、ZnSe、C
dTeをはじめとするII−VI族化合物半導体、Ga
As、InP、InGaAsPなどのIII−V族化合
物半導体、あるいは磁気記憶材料としてFe、Co、N
iあるいはそれらの合金や他の元素との化合物、酸素ガ
ス中での種々の金属の蒸発で得られる酸化物等気相中で
超微粒子化が可能ないかなる材料についても適用でき
る。原料の加熱蒸発に本実施例で用いたレーザー加熱以
外に誘導加熱、抵抗加熱、蒸発室内の圧力によっては電
子ビーム加熱、アーク放電など種々の方法を適用でき
る。
【0018】本実施例ではシリコンの原料としてTEO
Sを用いた場合についてのみ述べたが、他のシリコンア
ルコキシド、あるいはシランやジシラン等の種々のシリ
コン化合物を用いることができる。ただし高濃度のシラ
ンやジシランなどは、酸素との混合で直ちに反応してS
iO2を形成することがある。したがってこの場合、そ
れぞれのガスの希釈や希釈後の混合等を検討する必要が
ある。ここでは高周波電圧印加によってTEOSが分解
しSiO2を生成する反応を用いてガラスを作製した
が、これに限ることなく、例えば光により反応室のTE
OSと酸素の混合気体を励起してSiO2を成長させて
もよい。その場合の光源として、キセノンランプをはじ
め、大きな光パワー密度が得られるエキシマレーザを併
用することも可能である。またマトリックスの材料とし
てここではSiO2を用いているが、ガスの分解による
Siや種々の化合物半導体、金属アルコキシドの分解に
よるTiO2、ZrO2、Al2O3等の酸化物をはじめ、
反応室内で作製した超微粒子を損なうことなく分解や縮
合、重合反応で基板上に形成できる材料ならば、超微粒
子を保持するマトリックスとして使用が可能である。
Sを用いた場合についてのみ述べたが、他のシリコンア
ルコキシド、あるいはシランやジシラン等の種々のシリ
コン化合物を用いることができる。ただし高濃度のシラ
ンやジシランなどは、酸素との混合で直ちに反応してS
iO2を形成することがある。したがってこの場合、そ
れぞれのガスの希釈や希釈後の混合等を検討する必要が
ある。ここでは高周波電圧印加によってTEOSが分解
しSiO2を生成する反応を用いてガラスを作製した
が、これに限ることなく、例えば光により反応室のTE
OSと酸素の混合気体を励起してSiO2を成長させて
もよい。その場合の光源として、キセノンランプをはじ
め、大きな光パワー密度が得られるエキシマレーザを併
用することも可能である。またマトリックスの材料とし
てここではSiO2を用いているが、ガスの分解による
Siや種々の化合物半導体、金属アルコキシドの分解に
よるTiO2、ZrO2、Al2O3等の酸化物をはじめ、
反応室内で作製した超微粒子を損なうことなく分解や縮
合、重合反応で基板上に形成できる材料ならば、超微粒
子を保持するマトリックスとして使用が可能である。
【0019】気相中で超微粒子を製造する方法として、
ここで述べたガス中蒸発法以外にスパッタリング法、プ
ラズマ法等種々の方法が考案され、超微粒子の製造に用
いられているが本発明は生成した超微粒子を気流を利用
して反応室に輸送できればいかなる超微粒子の製造方法
にも適用できる。
ここで述べたガス中蒸発法以外にスパッタリング法、プ
ラズマ法等種々の方法が考案され、超微粒子の製造に用
いられているが本発明は生成した超微粒子を気流を利用
して反応室に輸送できればいかなる超微粒子の製造方法
にも適用できる。
【0020】本実施例では、材料中の深さ方向の微粒子
濃度を変化させるために、材料製造中に単純にTEOS
流量を増加させただけであったが、TEOSガス流量
は、製造中に例えば周期的に変化さることも可能であ
る。したがって、材料の深さ方向により複雑な微粒子濃
度分布を持つような材料を製造する際にも適用できる。
濃度を変化させるために、材料製造中に単純にTEOS
流量を増加させただけであったが、TEOSガス流量
は、製造中に例えば周期的に変化さることも可能であ
る。したがって、材料の深さ方向により複雑な微粒子濃
度分布を持つような材料を製造する際にも適用できる。
【0021】
【発明の効果】本発明によれば従来困難であった気相中
で合成した超微粒子を気相中で超微粒子としての特性を
保ちつつマトリックス中に埋め込むことが可能である。
また、材料の深さ方向に微粒子濃度分布を持つ超微粒子
分散材料が作製可能である。
で合成した超微粒子を気相中で超微粒子としての特性を
保ちつつマトリックス中に埋め込むことが可能である。
また、材料の深さ方向に微粒子濃度分布を持つ超微粒子
分散材料が作製可能である。
【図1】本発明の実施例を示す超微粒子分散材料を製造
するために用いた製造装置の模式図である。
するために用いた製造装置の模式図である。
1 蒸発室 9 基板支持棒 2 反応室 10 ポンプ 3 石英管 11 基板(石英) 4 輸送パイプ 12 バルブ 5 ターゲット 13 マスフローコ
ントローラ 6 ガス導入管 14 窓 7 反応ガス導入管 15 レーザー光 8 誘導コイル
ントローラ 6 ガス導入管 14 窓 7 反応ガス導入管 15 レーザー光 8 誘導コイル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C03B 8/04 C03B 8/04 E C03C 14/00 C03C 14/00 C23C 16/40 C23C 16/40 (72)発明者 永田 久雄 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (72)発明者 田中 修平 大阪府大阪市中央区道修町3丁目5番11 号 日本板硝子株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−64930(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C03C 1/00 - 14/00 C03B 8/04 C03B 19/04 JICSTファイル(JOIS)
Claims (2)
- 【請求項1】 超微粒子の原料となる材料を不活性ガス
中で加熱蒸発し、原料の蒸気と不活性ガスとの衝突で蒸
気を急冷することにより原料の超微粒子を形成し、水素
化シリコンあるいはシリコンアルコキシドと酸素の混合
気体あるいはそれらの希釈ガスを、熱、プラズマ、光等
で励起することにより作製したシリカガラス膜中に、前
記超微粒子を閉じ込めることを特徴とする超微粒子分散
材料の製造方法。 - 【請求項2】 請求項1の超微粒子分散材料の製造方法
において、超微粒子の濃度を連続的または段階的に変化
させることにより、シリカガラス膜の垂直方向に連続的
あるいは周期的な超微粒子の濃度分布を持つことを特徴
とする超微粒子分散材料の製造方法。
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JP04051222A JP3099501B2 (ja) | 1992-03-10 | 1992-03-10 | 超微粒子分散材料の製造方法 |
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-
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- 1992-03-10 JP JP04051222A patent/JP3099501B2/ja not_active Expired - Fee Related
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