JPH07278618A - 複合超微粒子の製造方法 - Google Patents

複合超微粒子の製造方法

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JPH07278618A
JPH07278618A JP6072996A JP7299694A JPH07278618A JP H07278618 A JPH07278618 A JP H07278618A JP 6072996 A JP6072996 A JP 6072996A JP 7299694 A JP7299694 A JP 7299694A JP H07278618 A JPH07278618 A JP H07278618A
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JP
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ultrafine particles
composite ultrafine
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composite
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Application number
JP6072996A
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English (en)
Inventor
Tadashi Koyama
正 小山
Keiji Tsunetomo
啓司 常友
Shuhei Tanaka
修平 田中
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 材料についての制限がなく、簡便かつ安定的
に複合超微粒子を製造する方法を提供する。 【構成】 不活性ガス中でのレーザー加熱により、相平
衡図において共晶点を有する組み合わせからなる2種類
以上の蒸気を発生させ、その混合蒸気を不活性ガスと衝
突急冷して複合超微粒子を製造する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、超微粒子の製造方法に
関し、さらに詳しくは、新しい特性を発揮する複合超微
粒子の製造方法に関する。複合超微粒子は非線形光学材
料、触媒材料等として応用される。
【0002】
【従来の技術】超微粒子は、バルクとは異なる性質をも
つことが知られており、機能性材料としての応用が期待
されている。例えば、CdSなどの化合物半導体超微粒
子は、粒径が小さくなるにしたがってバンド構造が離散
化し、吸収端が高エネルギー側へシフトするなどいわゆ
る量子サイズ効果が生じる(例えば、A. J. Nozic et a
l., J. Phys. Chem., 89, 397 (1987))。また、このよ
うな量子サイズ効果を有する材料は、大きな非線形光学
効果をもつことも知られており、超高速の光スイッチや
光論理素子等の光制御素子への応用が期待されている。
【0003】超微粒子の製造方法としては、ガス中蒸発
法が知られている。この方法は、Arなどの不活性ガス
雰囲気中で物質を加熱蒸発させ、その蒸気を雰囲気ガス
原子と衝突させて運動エネルギーを失わせ急冷して超微
粒子を形成する方法である。ガス中蒸発法においては、
超微粒子の大きさは主として不活性ガスの圧力に依存す
る。また、生成した微粒子を酸素ガスと反応させること
により、酸化物超微粒子とすることもできる。加熱方法
としては、抵抗加熱法、誘導加熱法、レーザー加熱法等
が知られている。
【0004】一方、複合化した超微粒子の製造方法とし
ては、溶液中で作製したCdS超微粒子上にZnSを析
出させる方法が知られている(例えば、Hyeong-Chan Yo
un,et al., J.Phys.Chem.92(1988) 6320.)。これはC
2+イオンを含む溶液に H2Sガスを吹き込むことによ
りCdSを生成させ、さらにZn2+イオンを添加して、
再び H2Sガスを吹き込みZnSをCdS上に析出させ
るものである。また、CdSにRhなどの金属を析出さ
せる方法が知られている(例えば、Yves-M Tricot,et a
l.,J.Phys.Chem. 84 (1980) 7359)。この場合も同様に
溶液中でCdSコロイドを作製しておき、その微粒子表
面にRhを析出させるものである。
【0005】このような複合超微粒子は、水の光分解に
おける触媒作用が著しく向上することが報告されてい
る。また、非線形光学材料としては、このような複合超
微粒子においてはその効果が増大することが理論的に予
測されている(例えば、M.H.Birnboim et al., Mat.Re
s. Soc.Symp.Proc. Vol.164 (1990) 277 )。
【0006】
【本発明が解決しようとする問題点】しかしながら、従
来の方法での複合超微粒子の合成法は、溶液中での反応
を利用しているため、その取扱い及び安定性に問題があ
り、複合超微粒子の特性を十分に利用することが困難で
あった。また、溶液中反応に用いることができる材料は
限られており、広く一般に用いることができる方法では
ない。
【0007】本発明は、上記従来の問題点を解決し、制
限のない簡便な複合超微粒子の製造方法を提供すること
を目的とする。
【0008】
【問題点を解決するための手段】本発明は、超微粒子の
原料となる材料を不活性ガス中でレーザーにより加熱し
て発生させた蒸気を前記不活性ガスと衝突させ急冷する
ことにより前記原料からなる超微粒子を製造する方法に
おいて、前記蒸気は、2種類以上の原料の混合物からな
り、かつ、その2種類以上の原料は、その成分系の相平
衡図において共晶点を有することを特徴とする複合超微
粒子の製造方法である。
【0009】ここで、発生させる蒸気を上記条件に該当
するものとするために、前記レーザーは、2個以上の材
料を交互に照射することにより2種類以上の原料を加熱
しその複数の種類の原料からなる蒸気を発生させること
としてもよい。
【0010】また、前記材料を2種類以上の原料の混合
物とすることとしてもよい。
【0011】本発明は、上記の方法により形成した複合
超微粒子を基板上に分散させた状態で付着させる工程
と、その基板上に複合超微粒子を埋没させるようにマト
リックスを形成して複合超微粒子が分散した層を形成す
る工程を交互に実施することにより、複合超微粒子分散
材料の製造方法とすることもできる。
【0012】また、前記蒸気を構成する超微粒子原料
は、その成分系の相平衡図における共晶点近傍の組成比
であることが好ましい。
【0013】例えば、超微粒子原料が、金とシリコンま
たは金とゲルマニウムの2成分系からなる場合、図2及
び図3にそれぞれ示した相平衡図から明らかなように、
前者では、シリコンが共晶点の組成比である3.16重
量%が最適であり、後者では、ゲルマニウムが共晶点の
組成比である12.5重量%が最適であるが、前後者と
も、シリコンまたはゲルマニウムが3〜20重量%であ
れば超微粒子は十分に複合化し、1〜40重量%であっ
ても、一方の成分が主体とはなるが、超微粒子はよく複
合化する。
【0014】
【作用】本発明によれば、超微粒子の原料となる蒸気が
複数の種類からなり、その複数の種類の原料がその成分
系の相平衡図において共晶点を有するため、発生させた
蒸気が不活性ガスの原子と衝突し運動エネルギーを失い
急冷され超微粒子を形成する際にも、原料は固容体を形
成することなく複合化した超微粒子となる。
【0015】また、加熱蒸発源としてレーザーを用いる
ことにより、照射される部分の材料がほぼ瞬間的に蒸発
するため、本発明においては、材料は、レーザーが照射
される範囲で一定の組成比を有する混合物としておけば
足り、共晶組成での融液を冷却する等して微視的にも混
合した構造を有するものをあらかじめ作製する必要はな
い。
【0016】本発明において、レーザーにより発生させ
る混合蒸気の組成をその蒸気を構成する超微粒子原料の
成分系の相平衡図における共晶点近傍とすれば、超微粒
子の複合化の程度も高まることになる。共晶点近傍の組
成では、一つの原料のみからなる超微粒子が先に形成す
る程度が少ないからである。
【0017】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の実施例を図面に基づいて説
明する。図1は複合超微粒子を作製するために用いた製
造装置を示す。本装置は超微粒子をガス中で作製する装
置であり、原料の蒸発の方法として高出力パルスレーザ
を用いた。
【0018】真空チャンバー1内のアルゴンのガス圧を
0.5Torrとして、波長532nm、パルス幅10
nsec、パルスパワー50J/cm2 のNd:YAG
レーザをターゲット2に照射し蒸発させる。ターゲット
2としては金とシリコンからなる混合物を用い、その組
成比は共晶組成である金が96.84重量%、シリコン
が3.16重量%含まれるものを用いた。ターゲット2
から50mm離れたところに、石英ガラス基板5を置
き、合成した金−シリコン超微粒子を付着させた。得ら
れた超微粒子を電子顕微鏡で観察すると、直径6nm程
度の超微粒子が互いに接触することなく分散して得られ
た。このうちの1つの超微粒子の組成を分析電子顕微鏡
で分析したところ、図4のスペクトルを得た。シリコン
の重量比は3.23%であった。この組成比は共晶組成
に近く、金とシリコンが共存した複合超微粒子となって
いることがわかった。尚、この分析には、超微粒子のみ
の情報を得るために、1nmの電子ビームを用いた。
【0019】次に、アルゴンガスを排気し、ガス導入管
6よりテトラメトキシシラン(TMOS)蒸気を5×1
-4Torrの圧力で導入した。そして、基板近くに設
置した高周波印可電極3に50Wの高周波を印可し、T
MOS蒸気をプラズマ分解し、SiO2 薄膜を形成し、
上記複合超微粒子をSiO2 ガラスで覆った。このよう
な複合超微粒子を形成する工程とSiO2 層を100層
積み重ねることにより、複合超微粒子がガラス中に分散
された薄膜が得られた。この薄膜の非線形光学特性を評
価したところ、複合化しない場合、即ち、金またはシリ
コンのみが分散されている場合と比較して、その非線形
光学効果は2〜3倍の増大が観測された。
【0020】(実施例2)実施例1において、ターゲッ
ト組成を金40重量%、シリコン60重量%とした他
は、実施例1と同じ装置、条件及び方法により、複合超
微粒子を作製した。この条件で行った超微粒子合成にお
ける超微粒子の粒径は、電子顕微鏡で分析したところ約
5nmであった。超微粒子の組成分析の結果、ほぼター
ゲット組成と一致しており、実施例1と同様に複合化さ
れていることがわかった。
【0021】上記実施例では、原料の加熱蒸発に532
nmの波長のレーザ加熱蒸発を用いたが、さらに短波長
のエキシマレーザを用いることもできる。また、作製し
た複合超微粒子の補集に石英ガラス基板を用いたが、こ
れに限ることなく基板として種々の単結晶、ガラス基板
を使用できる。
【0022】上記実施例では、ターゲット2を2成分系
の混合物としたが、3成分系以上の原料としてもよい。
また、ターゲット2は、その全体を2成分系以上の混合
物とせず、例えば、扇型の単成分材料を組み合わせて円
形のターゲット2とすること等により、レーザーが回転
するターゲット2を照射する際には、2種類以上の材料
が繰り返し交互に照射・加熱されることとしてもよい。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、超微粒子の複合材料化
を、簡便かつ安定的に、かつ、従来の方法のように材料
上の制限もなく実施することができるため、複合超微粒
子が有する優れた非線形光学特性等を容易に利用するこ
とができる。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に用いた複合超微粒子の製造装
置の模式図。
【図2】金−シリコン2成分系の相平衡図。
【図3】金−ゲルマニウム2成分系の相平衡図。
【図4】実施例1で得られた超微粒子の分析スペクトル
と分析結果を示す図。
【符号の説明】
1:真空チャンバー 2:ターゲット 3:高周波印可電極 4:基板ホルダー 5:基板 6:原料ガス導入管 7:アルゴンガス導入管 8:石英製窓 9:整合回路 10:高周波電源 11:マスフローコントローラー 12:真空ポンプ 13:ゲートバルブ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 超微粒子の原料となる材料を不活性ガス
    中でレーザーにより加熱して発生させた蒸気を前記不活
    性ガスと衝突させ急冷することにより前記原料からなる
    超微粒子を製造する方法において、 前記蒸気は、2種類以上の原料の混合物からなり、か
    つ、その2種類以上の原料は、その成分系の相平衡図に
    おいて共晶点を有することを特徴とする複合超微粒子の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 前記レーザーは、2個以上の材料を交互
    に照射することにより2種類以上の原料を加熱すること
    を特徴とする請求項1記載の複合超微粒子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記材料は、2種類以上の原料の混合物
    からなることを特徴とする請求項1または2記載の複合
    超微粒子の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記原料は、金とシリコンまたは金とゲ
    ルマニウムの2成分系からなることを特徴とする請求項
    1乃至3記載の複合超微粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 シリコンまたはゲルマニウムの前記混合
    物に占める割合が1〜40重量%であることを特徴とす
    る請求項4記載の複合超微粒子の製造方法。
JP6072996A 1994-04-12 1994-04-12 複合超微粒子の製造方法 Pending JPH07278618A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013173990A (ja) * 2012-02-27 2013-09-05 Hitachi Zosen Corp 超微粒子製造方法
CN109759708A (zh) * 2019-01-25 2019-05-17 大连理工大学 热弧与激光复合热源蒸发金属/碳纳米粉体连续生产方法

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