JP3373357B2 - 超微粒子およびその製造方法 - Google Patents

超微粒子およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属、半導体、化
合物等の各種固体材料からなる超微粒子およびその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】金属粒子や金属酸化物粒子等の化合物粒
子には、その粒径が 100nm以下というように超微粒子化
すると、通常の粒子(例えば 1μm 以上)とは異なる特
性が出現する。これは、全原子数に対して表面に存在す
る原子数が増加する、すなわち比表面積が増大するため
に、粒子の特性に対して表面エネルギーの影響が無視で
きなくなるためである。
【0003】上述したような超微粒子は、新しい表面現
象の発見やその概略の掌握等に適している。また、超微
粒子ではバルクに比べて融点や焼結温度の低下等が起こ
る等、バルク材とは異なる特性を示したり、さらには超
微粒子間にトンネル効果が生じたり、量子力学的効果
(量子井戸、ミニバンド等)、高い触媒特性等が発現す
る可能性がある。これらを利用することによって、材料
の特性改善、各種デバイスや触媒等の機能材料への応用
等が可能であることから、超微粒子自体の物性等に関す
る研究や超微粒子の応用に関する研究等が進められてい
る。
【0004】ところで、従来、超微粒子は例えば以下に
示すような物理的方法や化学的方法で作製されている。
すなわち、物理的な超微粒子の製造方法としては、不活
性ガス中で金属等を蒸発させ、ガスとの衝突により冷却
・凝縮させて超微粒子を生成するガス中蒸発法、蒸発源
としてスパッタ現象を利用するスパッタリング法、真空
下で金属を加熱し、蒸発した金属原子を有機溶剤と共に
有機溶剤の凝固点以下に冷却した基板上に共蒸着させて
超微粒子を得る金属蒸気合成法、オイル上に金属を蒸着
させる流動油上真空蒸発法等が例示される。
【0005】また、液相を利用した化学的な超微粒子の
製造方法としては、高分子界面活性剤を共存させたアル
コール中で貴金属塩を還流条件下で還元するコロイド
法、金属アルコキシドの加水分解を利用するアルコキシ
ド法、金属塩の混合液に沈殿剤を加えて沈殿粒子を得る
共沈法等が、さらに気相を利用した化学的な超微粒子の
製造方法としては、金属カルボニル化合物等の熱分解反
応により金属超微粒子を得る有機金属化合物の熱分解
法、金属塩化物を反応ガス気流中で還元・酸化または窒
化して超微粒子を得る金属塩化物の還元・酸化・窒化
法、酸化物・含水化物を水素気流中で加熱して還元する
水素中還元法、金属塩溶液をノズルより噴霧し熱風乾燥
させる溶媒蒸発法等が例示される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の超微
粒子に対する研究や開発は、主として超微粒子の集合体
に関するものであり、超微粒子単体としての性質や応用
に関する研究は十分に行われているとは言えない。これ
は、上述した従来の超微粒子の製造方法にも起因してお
り、従来の製造方法では超微粒子を粒子単体として得る
ことが困難であったためである。
【0007】また、超微粒子をデバイスや各種機能材料
等に応用することが一部で進められているが、従来の製
造方法では超微粒子を粒子単体として得ることができて
も、その形成位置までは十分に制御することができず、
これが超微粒子の応用展開を妨げている。
【0008】このようなことから、超微粒子の単体とし
ての物性研究や応用等を容易にするために、超微粒子を
単体として作製することを可能にすると共に、超微粒子
の形成位置の制御等を実現することが求められている。
【0009】本発明は、このような課題に対処するため
になされたもので、形成位置等を制御した上で単体とし
て得ることができ、各種操作、制御、応用展開が可能な
超微粒子およびその製造方法を提供することを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の超微粒子は、基
板上に分離した状態で存在する超微粒子であって、前記
超微粒子は前記基板上に配置された細孔を有するターゲ
ット材への高エネルギービームの斜め照射により離脱し
た前記ターゲット材の構成原子または構成分子からなる
と共に、前記ターゲット材の細孔に対応した位置に形成
されていることを特徴としている。
【0011】また、本発明の超微粒子の製造方法は、基
板上に細孔を有するターゲット材を配置し、前記ターゲ
ット材の細孔内壁に対して高エネルギービームを斜め方
向から照射して、前記ターゲット材の構成原子または構
成分子を離脱させ、この離脱させた前記ターゲット材の
構成原子または構成分子を前記基板に付着させて、前記
基板上の前記ターゲット材の細孔に対応した位置に超微
粒子を形成することを特徴としている。
【0012】すなわち本発明は、基板上に細孔を有する
ターゲット材を配置し、このターゲット材の細孔内壁に
対して高エネルギービームを斜め方向から照射して、タ
ーゲット材の構成原子または構成分子を離脱させること
によって、基板上のターゲット材の細孔に対応した位置
に、ターゲット材の構成原子または構成分子からなる単
体として分離された 1つまたは複数の超微粒子を形成し
得ることを見出したことに基いて成されたものである。
【0013】本発明の超微粒子は、基板上のターゲット
材の細孔に対応した位置内に、単体として分離された状
態で得られるため、各種操作や制御が可能であると共
に、例えば超微粒子間のトンネル効果や量子力学的効果
(量子井戸、ミニバンド等)等を利用した電子デバイ
ス、さらには高い触媒特性等を生かした各種機能材料等
への応用展開が容易となる。また、超微粒子の構成材料
は、ターゲット材の種類、さらには高エネルギービーム
照射時の雰囲気等により決定することができるため、金
属超微粒子、半導体微粒子、化合物超微粒子等、種々の
超微粒子を比較的容易に得ることができ、さらにその結
晶状態等を制御することもできる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施するための形
態について説明する。
【0015】図1は、本発明の超微粒子の製造過程の一
実施形態を模式的に示す断面図である。同図において、
1は支持部材2上に配置された超微粒子形成用の基板で
あり、この基板1には各種の固体材料を用いることがで
きる。具体的には、結晶基板や非晶質基板等を問わず、
種々の固体材料からなる基板1、例えば金属基板、非金
属基板、半導体基板、化合物基板等を使用することがで
きる。
【0016】上記したような基板1上に、図1(a)に
示すように、超微粒子の形成原料となるターゲット材3
を配置する。このターゲット材3は、複数の細孔4を有
しており、この細孔4の内壁4aに対して高エネルギー
ビーム5が上方斜め方向から照射される。複数の細孔4
を有するターゲット材3としては、いわゆるメッシュ材
を用いたり、また目的材料からなるフィルム等にエッチ
ング等の化学的方法や電気化学的方法で細孔4を形成し
たり、あるいはレーザビーム等で細孔4を形成したもの
を使用することができる。なお、ターゲット材3は 1つ
に限らず、異なる材料からなる複数のターゲット材を積
層したものを使用することもできる。
【0017】上記したターゲット材3としては、Pt、
Au、Cu、Al等の各種単体金属や合金、Si等の半
導体、金属酸化物、金属塩化物、金属フッ化物、金属ホ
ウ化物等の化合物等、種々の固体材料を用いることがで
きるが、ターゲット材3の高エネルギービーム5に対す
る耐衝撃性、言い換えるとターゲット材3の結晶の結合
エネルギーによりほぼ決定される、ターゲット材3から
の構成原子または構成分子の離脱性等を考慮して、各種
条件を設定するものとする。
【0018】ターゲット材3の細孔4は、超微粒子の形
成位置を提供すると共に、その内壁4aが超微粒子の形
成材料、すなわちターゲット材3の構成原子や構成分子
の供給面となる。従って、細孔4の形状や配置、さらに
はターゲット材3の厚さ等は、得ようとする超微粒子の
形状や配置、高エネルギービーム5の入射角θ等を考慮
して設定するものとする。
【0019】具体的には、細孔4の直径は 0.1〜 1×10
3 μm 、ターゲット材3の厚さは0.2〜 1×103 μm 程
度とすることが好ましい。細孔4の直径があまり小さか
ったり、またターゲット材3があまり薄いと、高エネル
ギービーム5の入射角θが制限を受けて超微粒子の形成
が困難となるおそれがあり、また細孔4の直径があまり
大きすぎたり、またターゲット材3があまり厚くても、
超微粒子の形成が困難となる。
【0020】また、細孔4の直径dとターゲット材3の
厚さtは、高エネルギービーム5の入射角θに影響を及
ぼし、この高エネルギービーム5の入射角θは例えば直
径 1〜10nm程度の超微粒子を得る上で、20〜45°の範囲
となるように設定することが好ましいことから、細孔4
の直径dおよびターゲット材3の厚さtは、tan
-1(t/d)が20〜45°の範囲となるように設定するこ
とがより好ましい。さらに好ましくはtan-1(t/
d)が30〜45°の範囲となるように設定する。
【0021】上述したようなターゲット材3の細孔内壁
4aに対して高エネルギービーム5を上方斜め方向から
照射すると、図1(b)に示すように、ターゲット材3
の構成原子または構成分子が離脱(図中、点線矢印で示
す)して、これらが基板1上に付着(付着物6′)す
る。ここで、照射する高エネルギービーム5は、特に限
定されるものではなく、ターゲット材3から構成原子や
構成分子を離脱させ得るエネルギーを有していればよ
い。例えば、加速電圧 2〜 5kV、ビーム電流 0.1〜1mA
程度のアルゴンイオンビームのようなイオンビーム、こ
のイオンビームと同等の衝撃をターゲット材3に与える
ことができる電子線、レーザビーム、X線、γ線、中性
子線等が挙げられる。
【0022】高エネルギービーム5としてイオンビーム
を用いる場合、加速電圧やビーム電流が小さすぎると、
ターゲット材3から構成原子や構成分子を効率よく離脱
させることができず、一方加速電圧やビーム電流が大き
すぎると、ターゲット材3の損傷のみが増大して構成原
子や構成分子の離脱状態を制御することが困難となる。
高エネルギービーム5として電子線、レーザビーム、X
線、γ線、中性子線等を用いる場合についても同様であ
る。また、高エネルギービーム5の照射雰囲気は、使用
ビームに応じて設定すればよく、例えば真空雰囲気、ア
ルゴン雰囲気のような不活性雰囲気等が挙げられ、また
化合物からなる超微粒子を形成する場合には酸素含有雰
囲気や窒素雰囲気等を用いることもできる。
【0023】そして、上記した高エネルギービーム5の
照射を一定時間継続し、ターゲット材3から連続して構
成原子や構成分子を離脱させることによって、図1
(c)に示すように、基板1上に目的とする超微粒子6
が形成される。なお、図1(c)では、ターゲット材3
の細孔4に対応した基板1上にそれぞれ 1つの超微粒子
6が形成されている状態を図示したが、細孔4に対応し
た各位置に形成される超微粒子6の数は、細孔4の直径
や高エネルギービーム5の照射条件等により制御するこ
とができ、単体として分離された複数の超微粒子6を各
位置に形成することもできる。
【0024】このようにして得られる超微粒子6は、そ
れぞれ基板1上の形成位置をターゲット材3の細孔4に
対応させた上で、例えば直径を 1〜10nm程度に制御する
ことができる。そして、複数の超微粒子6を分離した状
態で単体として形成することができる。高エネルギービ
ーム5の照射時間は、高エネルギービーム5の強度や目
的する超微粒子2の大きさ等に応じて適宜設定するもの
とする。
【0025】上記した高エネルギービーム照射時の基板
1は、室温に保持された状態であってもよいし、また加
熱した状態としてもよい。これら基板1の温度は、得ら
れる超微粒子6の結晶状態に影響を及ぼし、基板1を室
温状態とした場合には、結晶性の低いあるいは非晶質状
態の超微粒子6が得られやすい。また、基板1を加熱し
た場合には、その温度により超微粒子6の結晶状態を制
御することができる。また、この超微粒子6の結晶状態
は、超微粒子形成後の基板加熱や電子線照射等によって
も制御することができる。さらに、上記した高エネルギ
ービーム5を照射する際に基板1を回転させてもよく、
これにより効率よく超微粒子6を形成することができ
る。
【0026】上述したように、基板1の温度、高エネル
ギービーム5の強度、照射時間、照射雰囲気、また基板
1の回転の有無および回転速度、ターゲット材3の厚
さ、細孔4の直径等によって、得られる超微粒子6の大
きさ、状態、数等を制御することができ、これらによっ
て使用目的に応じた種々の超微粒子6を得ることができ
る。そして、超微粒子6は基板1上のターゲット材3の
細孔4に対応した位置内に、分離した状態で単体として
形成することができるため、例えば超微粒子間のトンネ
ル効果や量子力学的効果(量子井戸、ミニバンド等)を
利用した電子デバイス、また高機能触媒等への応用が実
現可能となる。
【0027】例えば、絶縁基板上に金属超微粒子を分離
した状態で多数形成し、金属超微粒子間に流れるトンネ
ル電流を利用してM−I−Mダイオードを作製したり、
このM−I−Mダイオードを多数使用してマイクロ波か
らミリ波・赤外領域まで応答する高速検波器や周波数混
合器を構成することが検討されているが、このような電
子デバイスを本発明の超微粒子6によれば制御した状態
で作製することが可能となる。
【0028】また、上記した高速検波器や周波数混合器
等に限らず、本発明の超微粒子6によれば各種ダイオー
ド、ジョセフソン接合素子、量子井戸やミニバンド等を
利用した素子等の種々の電子デバイスを作製することが
でき、さらには非線形光学材料、触媒、生体用材料、原
子フィルタ等の各種機能材料に本発明の超微粒子6を応
用することができる。さらに、上記した各種電子デバイ
スや機能材料等に本発明の超微粒子6を応用する際に、
超微粒子6の構成材料や結晶状態等を制御することがで
きることから、応用可能性の探索や応用範囲の拡大等を
図ることが可能となる。
【0029】
【実施例】次に、本発明の具体的な実施例について述べ
る。
【0030】実施例1 まず、図1に示した超微粒子の製造工程において、基板
1として炭素フィルムを用い、この炭素フィルム上にタ
ーゲット材3として、直径 100μm の細孔4を多数有す
るPtメッシュ(厚さ:200μm)を配置した。これらをC
uメッシュからなる支持部材2上に配置した状態で真空
室内の室温ステージ上にセットした。
【0031】次いで、炭素フィルムをPtメッシュと共
に 2rpm で回転させながら、Ptメッシュの細孔内壁
に、加速電圧 3.0kV、ビーム電流0.25mAのArイオンビ
ームを斜め方向から 180秒間照射した。Arイオンビー
ムの入射角θは40°とした。また、Arイオンビーム照
射時の雰囲気は 1×10-3Pa程度の真空(Arを含む)と
した。
【0032】上記したArイオンビームの照射後に、炭
素フィルム上をTEM観察したところ、炭素フィルム上
のPtメッシュの細孔に対応した位置に、多数のPt超
微粒子が形成されていることが確認された。図2にその
TEM観察結果を模式的に示す。図2に示されるよう
に、炭素フィルム11上にPt超微粒子12が分離した
状態で多数存在していた。
【0033】これらPt超微粒子12の直径を調べた結
果を図3(a)に示す。図2および図3(a)に示すよ
うに、この実施例では平均直径が2.41nmの多数のPt超
微粒子12を分離した状態で得ることができた。なお、
図3(b)はArイオンビームの加速電圧 3.5kVとする
以外は、同一条件下で作製したPt超微粒子の直径を調
べた結果である。このように、Arイオンビームの照射
条件を変化させることによって、Pt超微粒子の直径を
制御することができる。
【0034】また、図4(a)に形成直後のPt超微粒
子12の電子線回折パターンを模式的に示す。この図か
らは形成直後のPt超微粒子4は結晶性の低い粒子であ
ることが分かる。そこで、このPt超微粒子4に 1×10
20e/cm2 ・sec の電子線を240秒間照射したところ、図
4(b)に示す電子線回折パターンの模式図から分かる
ように、Pt超微粒子の結晶性が向上した。このよう
に、形成したPt超微粒子に電子線を照射することによ
って、結晶性を向上させることができる。
【0035】このように、PtメッシュにArイオンビ
ームを斜め方向から照射することによって、Ptメッシ
ュからPt原子が離脱するため、多数のPt超微粒子を
炭素フィルムからなる基板上のPtメッシュの細孔に対
応した位置内に形成することができる。従って、分離し
た状態で存在する多数のPt超微粒子を容易に得ること
ができ、その大きさも制御することができる。さらに、
Ptメッシュの細孔の形成位置やPtメッシュに対する
Arイオンビームの照射領域等を変化させることによっ
て、Pt超微粒子の形成位置等を制御することができ
る。
【0036】実施例2 まず、基板として炭素フィルムを用い、この炭素フィル
ム上にターゲット材として、直径 100μm の細孔を多数
有するAuメッシュ(厚さ:200μm)を配置した。これら
をCuメッシュからなる支持部材上に配置した状態で、
真空室内の室温ステージ上にセットした。
【0037】次いで、炭素フィルムをAuメッシュと共
に 2rpm で回転させながら、Auメッシュの細孔内壁
に、加速電圧 3kV、ビーム電流 0.5mAのArイオンビー
ムを斜め方向から 200秒間照射した。Arイオンビーム
の入射角θは35°とした。また、Arイオンビーム照射
時の雰囲気は、 1×10-3Pa程度の真空(Arを含む)と
した。
【0038】上記したArイオンビームの照射後に、炭
素フィルム上をTEM観察したところ、炭素フィルム上
のAuメッシュの細孔に対応した位置に、多数のAu超
微粒子が形成されていることが確認された。得られたA
u超微粒子の平均直径は 2.4nmであった。
【0039】実施例3 まず、基板として炭素フィルムを用い、この炭素フィル
ム上にターゲット材として直径 150μm の細孔を多数有
するSiメッシュ(厚さ:300μm)を配置した。なお、こ
のSiメッシュはフッ酸でエッチングして細孔を形成し
たものである。これらをCuメッシュからなる支持部材
上に配置した状態で、真空室内の室温ステージ上にセッ
トした。
【0040】次いで、炭素フィルムをSiメッシュと共
に 2rpm で回転させながら、Siメッシュの細孔内壁
に、加速電圧 3.5kV、ビーム電流 0.5mAのArイオンビ
ームを斜め方向から 300秒間照射した。Arイオンビー
ムの入射角θは40°とした。また、Arイオンビーム照
射時の雰囲気は、 1×10-3Pa程度の真空(Arを含む)
とした。
【0041】上記したArイオンビームの照射後に、炭
素フィルム上をTEM観察したところ、炭素フィルム上
のSiメッシュの細孔に対応した位置に、多数のSi超
微粒子が形成されていることが確認された。得られたS
i超微粒子の平均直径は 3nmであった。
【0042】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば単
体として各種制御や操作が可能で、特に形成位置の制御
性に優れる超微粒子を得ることができる。従って、超微
粒子の物性研究や応用開発等に大きく寄与するものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超微粒子の製造過程の一実施形態を
模式的に示す断面図である。
【図2】 本発明の一実施例で作製したPt超微粒子の
TEM観察結果を模式的に示す図である。
【図3】 本発明の一実施例で作製したPt超微粒子の
直径の測定結果を示す図である。
【図4】 本発明の一実施例で作製したPt超微粒子の
電子線回折結果を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1………基板 3………ターゲット材 4………細孔 4a……細孔内壁 5………高エネルギービーム 6………超微粒子 11……炭素フィルム 12……Pt超微粒子
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−227766(JP,A) 特開 昭62−54005(JP,A) 特開 昭63−282265(JP,A) 特開 昭61−53717(JP,A) 特開 平7−150347(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/203 B01J 19/12 C23C 14/46 B22F 9/02 H01L 39/24

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板上に分離した状態で存在する超微粒
    子であって、前記超微粒子は前記基板上に配置された細
    孔を有するターゲット材への高エネルギービームの斜め
    照射により離脱した前記ターゲット材の構成原子または
    構成分子からなると共に、前記ターゲット材の細孔に対
    応した位置に形成されていることを特徴とする超微粒
    子。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の超微粒子において、 前記超微粒子は、前記基板上に分離した状態で複数存在
    することを特徴とする超微粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の超微粒子において、 前記超微粒子は、金属超微粒子、半導体微粒子または化
    合物超微粒子からなることを特徴とする超微粒子。
  4. 【請求項4】 基板上に細孔を有するターゲット材を配
    置し、前記ターゲット材の細孔内壁に対して高エネルギ
    ービームを斜め方向から照射して、前記ターゲット材の
    構成原子または構成分子を離脱させ、この離脱させた前
    記ターゲット材の構成原子または構成分子を前記基板に
    付着させて、前記基板上の前記ターゲット材の細孔に対
    応した位置に超微粒子を形成することを特徴とする超微
    粒子の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の超微粒子の製造方法にお
    いて、 前記ターゲット材の複数の細孔内壁に、前記高エネルギ
    ービームを同時に斜め方向から照射することにより、前
    記基板上に分離した複数の前記超微粒子を形成すること
    を特徴とする超微粒子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の超微粒子の製造方法にお
    いて、 前記基板として、金属基板、非金属基板、半導体基板ま
    たは化合物基板を用いることを特徴とする超微粒子の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の超微粒子の製造方法にお
    いて、 前記超微粒子として、金属超微粒子、半導体微粒子また
    は化合物超微粒子を形成することを特徴とする超微粒
    子。
  8. 【請求項8】 請求項4記載の超微粒子の製造方法にお
    いて、 前記高エネルギービームとして、イオンビームを用いる
    ことを特徴とする超微粒子の製造方法。
JP12664296A 1996-05-22 1996-05-22 超微粒子およびその製造方法 Expired - Fee Related JP3373357B2 (ja)

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