JP3240305B2 - 固体の選択成長方法 - Google Patents

固体の選択成長方法

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JP3240305B2
JP3240305B2 JP23927199A JP23927199A JP3240305B2 JP 3240305 B2 JP3240305 B2 JP 3240305B2 JP 23927199 A JP23927199 A JP 23927199A JP 23927199 A JP23927199 A JP 23927199A JP 3240305 B2 JP3240305 B2 JP 3240305B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、固体の選択成長
方法に関するものである。特に、半導体製造プロセスで
行われる固体の選択成長方法に関し、歩留まりを向上さ
せ、または微細なパターンを形成できる方法を提案して
いる。
【0002】
【従来の技術】選択成長技術は、主に半導体製造プロセ
スにおいて使われてきたが、シリコンや化合物半導体等
の基材上の規定された領域にのみ選択的に固体の薄膜を
成長する技術である。これまでにシリコンやヒ化ガリウ
ムなどの半導体の他、タングステンやアルミニウム等の
金属、各種金属のシリサイド化合物などで選択成長が可
能となっている。
【0003】この中で代表的な選択成長技術として、シ
リコン基板上に、選択成長プロセスの成長マスクの材料
として二酸化珪素を用いて、シリコンを成長させる場合
を以下に述べる。
【0004】この選択成長プロセスにおいては、規定さ
れた領域以外での固体物質の成長を抑制するために、基
材表面は成長マスクで被覆される。代表的な成長マスク
の材料は、シリコン基板の熱酸化膜や気相析出法で形成
された二酸化珪素であり、その膜厚は通常10nm以上
である。
【0005】基材上に形成された二酸化珪素の薄膜に対
して、さらに、レジスト塗布、リソグラフィーによりパ
ターンの転写、二酸化珪素のエッチング、およびレジス
ト剥離、の工程を施すことにより、選択成長のマスクと
している。
【0006】成長マスクを形成した基材に対して実際に
選択成長を行うためには、化学的気相成長法が用いられ
る。この技術は、例えば、論文(T.Tatsumi、
他3名著、Selective epitaxial
growth by UHV−CVD using S
i2H6 and Cl2、 Journal ofC
rystal Growth、 120(1992)、
275−278頁)に開示されている。この場合、原
料ガスとしてジシランを用い、成長マスク上に発生する
固体核をエッチングする作用を持つガスとして塩素ガス
を添加して、650〜700℃、7×10-4Torr以
下の圧力の条件で、所望の選択性を得ることが行われて
いる。あるいは、この技術は、例えば、USA.PA
T.No. (米国特許No. )4、698、316号公
報に開示されている。この場合、原料ガスとしてジクロ
ルシランを用い、成長マスク上に発生する固体核をエッ
チングする作用を持つガスとして塩化水素ガスをに添加
するなどして、850℃、50Torr以下の圧力の条
件で行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の固体の
選択成長方法では、実際の半導体製造工程への適用が容
易な技術では無かった。その主な理由は、固体の成長が
マスクされた表面で固体の核発生が起こり、予想外の領
域に固体が成長する事になって、その選択性が失われ
る、という問題がある事である。このような核発生は、
成長マスク表面の汚れや結晶欠陥などが誘起するものと
一般には考えられている。第一の原因である表面の汚れ
については、選択成長前の洗浄工程の厳密な管理で解決
できる場合があるが、第二の原因である成長マスク表面
の除去できない構造的な結晶欠陥に起因する核発生につ
いては、これを抑制する有効な方法は確立されておら
ず、固体の選択成長の歩留まりを低下させる要因となっ
ていた。また選択成長の際に添加される塩素ガスや塩酸
ガスなどの腐食性のガスは、製造装置に与える損傷が大
きく、製造装置をメンテナンスする上で問題になってい
た。
【0008】この発明は上記に鑑み提案されたもので、
簡単な方法で歩留まりを改善することができる固体の選
択成長方法を提供することを第一の目的とする。
【0009】本発明の第二の目的は、成長マスクを除去
することなく、その表面状態を操作して反応選択性を持
たせ、固体の選択成長を行うことである。レジストを用
いてパターニングを行う従来技術は、作成可能な構造の
最小寸法はたかだか100nm程度であるのに対し、こ
の方法では、10nm以下のスケールでの選択成長を実
現することが期待できる。このため、ナノメータースケ
ールでの様々な物質の構造形成のためにも重要な技術で
あると考えられる。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記第一の目的を達成す
るために、請求項1に記載の発明は、基材上の予め決め
られた領域に予め決められた結晶体、多結晶体あるいは
アモルファス体を成長させる固体の選択成長において、
該基材上に二酸化珪素をモル比で50%以上含む薄膜を
形成する工程と、該予め決められた領域を固体の成長領
域として規定するための工程と、該予め決められた領域
以外の領域の表面を塩化珪素ガスあるいはクロルシラン
ガスに晒す工程の後に、該予め決められた成長領域にお
ける固体の単位面積あたりの成長量は、該予め決められ
た領域以外の領域での単位面積あたりの成長量よりも大
きい固体の選択成長を行う工程と、を含む事を特徴とし
ている。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、上記した
請求項1に記載の発明の構成に加えて、該予め決められ
た領域を固体の成長領域として規定するための工程は、
レジストを用いたリソグラフィーを含む工程であり、塩
化珪素ガスは四塩化珪素ガスあるいは六塩化二珪素ガス
であり、クロルシランガスはジクロルシランガスあるい
はトリクロルシランガスであることを特徴としている。
【0012】また、請求項3は、上記第二の目的を達成
するためのものであり、基材上の予め決められた領域
に、結晶体、多結晶体あるいはアモルファス体を成長さ
せる固体の選択成長において、該基材上に二酸化珪素を
モル比で50%以上含む薄膜を形成する工程と、該二酸
化珪素をモル比で50%以上含む薄膜の表面を塩化珪素
ガスあるいはクロルシランガスに晒す工程の後に、該予
め決められた領域の表面に吸着した塩化珪素あるいはク
ロルシラン密度を低下させる工程と、該予め決められた
成長領域における固体の単位面積あたりの成長量は、該
予め決められた成長領域以外の領域での単位面積あたり
の成長量よりも大きい固体の選択成長を行う工程と、を
含む事を特徴としている。
【0013】また、請求項4も、上記第二の目的を達成
するためのものであり、上記した請求項3に記載の発明
の構成に加えて、該予め決められた領域の表面に吸着し
塩化珪素あるいはクロルシラン密度を低下させる工程
は、電子あるいはその他の粒子からなる粒子線、または
電磁波からなるエネルギー線を照射することを含む工程
であり、塩化珪素は四塩化珪素あるいは六塩化二珪素で
あり、クロルシランはジクロルシランあるいはトリクロ
ルシランであることを特徴としている。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明では、二酸化珪素をモル比
で50%以上含む成長マスク材料の表面を塩化硅素ガス
あるいはクロルシランガスによって処理することで、上
に述べた二つの目的を達成する。本発明で用いる塩化硅
素ガスは、具体的にはSiCl4(四塩化硅素)および
Si2Cl6(六塩化二硅素)であり、本発明で用いる
クロルシランガスは、具体的には、SiHCl3(トリ
クロルシラン)ガスおよびSiH2Cl2(ジクロルシ
ラン)ガスである。以下の文においては、塩化硅素ガス
およびクロルシランガスによる表面処理を、簡単のため
に「クロルシラン処理」と記するものとする。
【0015】クロルシラン処理が、上記の目的に有効で
ある理由を、以下にそれぞれ述べる。
【0016】先ず、第一の目的に関して、上記の第二の
原因である成長マスク表面の除去できない構造的な結晶
欠陥に起因する核発生が起こり、成長の選択性が失われ
る問題については、一般に、成長マスク表面に存在する
欠陥を不活性化することが有効であると考えられる。
酸化珪素をモル比で50%以上含む成長マスクの場合、
表面での核発生を誘起するような欠陥構造として、表面
水酸基、酸素欠損によるシリコン−シリコン結合、歪ん
だシリコン−酸素結合などが想定される。クロルシラン
処理ガスとしてSiCl4ガスを用いた場合を例として
考えると、これらの欠陥は次のような反応を起こすと予
想される。SiCl4を表面水酸基に対して作用させる
と、塩化水素を脱離生成物とする縮合反応により、表面
水酸基は消滅し、そのかわりにSiCl3をもつ基が二
酸化珪素表面に導入される。また、酸素欠損によるシリ
コン−シリコン結合や歪んだシリコンー酸素結合にSi
Cl4を作用させると、SiCl4は解離吸着して二酸
化珪素表面にSiCl3基とSi−Cl基が導入され
る。以上のような機構で、クロルシラン処理は、二酸化
珪素上の欠陥構造を、Si−Cl結合を有する構造へと
転換する効果がある。
【0017】さて、このようにして導入されたSi−C
l結合は、結合エネルギーが4.7eVと大きいため、
水分のない雰囲気下では化学的に安定であるのみなら
ず、700℃程度の高温まで熱的にも安定であることが
知られている。従って、Si−Cl結合を持つ二酸化珪
素表面は、様々な物質の気相成長においても、用いられ
る原料ガスに対して化学的に不活性な性質を示すことが
予想される。すなわち、二酸化珪素は、クロルシラン処
理された後も、選択成長のための成長マスクとして働
き、特に、成長マスク表面に存在する欠陥が不活性化さ
れているため、成長選択性が向上し、固体の選択成長の
歩留まりを改善することができると期待される。
【0018】本発明の第二の目的は、成長マスクを除去
することなく、その表面状態を操作して反応選択性を持
たせ、固体の選択成長を行うことにより、従来のパター
ニング技術によるものより微細なパターンを実現する事
であるが、これは以下に示す原理に基づいている。
【0019】クロルシラン処理された成長マスクに、電
子線や走査プローブにより次のような機構により直接描
画が可能となると期待される。クロルシラン処理された
成長マスク上に存在するSi−Cl結合に対して電子線
を照射すると、価電子が結合性軌道から反結合性軌道に
励起されることにより、Clの脱離が起こる。あるい
は、Si−Cl結合に対して、走査プローブを用いて電
界を印可すると、Cl原子が引き抜かれる。この機構に
より、Si−Cl結合からClを取り除くと、成長マス
ク表面に残されたシリコン原子は結合手の余った化学的
に活性な状態となる。この表面に対して気相成長を行う
と、化学的に活性なシリコン原子を起点に成長反応が選
択的に起こる。一方、Si−Cl結合の残る部分につい
ては、上記の様に選択成長のための成長マスクとして働
く。従って、固体の選択成長を行うことができる。
【0020】以下にこの発明の実施の形態を図面に基づ
いて詳細に説明する。先ず第1の実施形態を、図1を用
いて説明する。図1は、第一の製造方法の工程を示す図
である。本工程は、図1(a)二酸化珪素層の形成、図
1(b)パターニングにより選択成長領域を規定、図1
(c)クロルシラン処理、図1(d)選択成長、の4工
程からなる。
【0021】二酸化珪素をモル比で50%以上含む材料
からなる層の形成法とその膜厚は、基材の種類や用いる
パターニング方法を考慮して適当なものを選択する。後
で行うクロルシラン処理の効果を発現させるためには、
成長マスク材料の形成法と膜厚に対する制限はない。具
体的な形成法としては、基材の種類を問わないものとし
て、シラン系ガスと酸化ガスの混合ガスやシリコンのア
ルコキシドを原料ガスとする化学的気相成長、あるいは
シリコンや二酸化珪素をターゲットとして用いるスパッ
タリング法が適用できる。基材がシリコンであれば、熱
酸化、紫外線励起を利用する紫外線励起オゾン酸化、プ
ラズマ酸化、液相酸化などの方法がある。酸化膜厚は、
通常用いられるような10nmを超える膜厚から、二酸
化珪素としての化学的性質が現れる最小膜厚(通常1〜
2原子層)までの範囲のどの膜厚でもよい。
【0022】成長マスク層のパターニングは、レジスト
の塗布、光または電子線を用いた露光と現像、選択成長
領域の成長マスク層のエッチングによる除去、およびレ
ジスト層の除去、の工程を経て行われる。パターニング
の後に行われるクロルシラン処理の効果を最大限発揮さ
せるためには、成長マスクの表面は不純物やパーティク
ルの付着が起きないように清浄に保たれるか、あるいは
適当な洗浄工程を経ることが必要である。
【0023】パターニング工程を経た基材を真空室に移
し、クロルシラン処理を行う。成長マスク表面での核発
生を抑制する目的のためには、処理ガスとしては、Si
Cl4ガス、Si2Cl6ガスあるいはSiHCl3ガ
スが特に有効である。
【0024】処理操作は、室温から400℃の温度に保
持された基材を、流量調節器やリークバルブを通して真
空室へ導入された処理ガスへ露出することで行われる。
基材の加熱方式は、発熱体と処理ガスとの反応を避ける
ために、良く知られたランプ加熱方式が好ましい。基材
の加熱開始と処理ガスの導入開始とは、どちらが先でも
よい。処理ガスは、真空室を密閉して導入してもよい
が、選択成長領域を清浄に保つためには、処理ガスの供
給と排気を同時に行う流通式が好ましい。処理ガスへの
露出量は、典型的には2×109 L(1Lは、吸着確率
が1の時に1 分子層の吸着層が形成される露出量)程度
である。室温での処理に比べると、基材温度を200℃
程度に昇温すると処理ガスの吸着が促進され、この時、
いずれの処理ガスの場合もほぼ2×109 L以上の露出
量で吸着基密度が飽和する。
【0025】パターニングにより規定された選択成長領
域がシリコン表面の場合は、そこへ処理ガスが吸着し、
その後で行う選択成長の成長速度を低下させることがあ
るが、この現象は、クロルシラン処理前に基材を、HF
を含む水溶液に浸すなどしてシリコン表面を水素化する
ことで防ぐことができる。
【0026】クロルシラン処理から選択成長までの間
は、基材を真空中や高純度の、特に水蒸気圧を極力低減
したガス(He、Ne、Ar、N2あるいは乾燥空気)
中に保管するなどして、成長マスク表面に導入したSi
−Cl結合が雰囲気中の水分と反応して加水分解した
り、選択成長領域が不純物で汚染されたりするのを防ぐ
ための対策を講じることは必須である。この目的のため
には、クロルシラン処理と選択成長とを一つの真空シス
テムの中で行うことが好ましい。
【0027】次に第2の実施形態を、図2を用いて説明
する。図2は、第二の製造方法の工程を示す図である。
本工程は、図2(a)二酸化珪素層の形成、図2(b)
クロルシラン処理、図2(c)レジストを用いない直接
描画により選択成長領域を規定、図2(d)選択成長、
の4工程からなる。
【0028】まず二酸化珪素をモル比で50%以上含む
材料からなる層を基材上に形成し、その後、パターンの
描画工程に先立って、クロルシラン処理を行う。この場
合、後で電子線や走査プローブによる描画を行うために
は、帯電を起こさない程度の電気伝導性が必要であるの
で、膜厚は10nm以下に制限される。二酸化珪素をモ
ル比で50%以上含む材料からなる層の形成法に対する
制限はないが、膜厚が1nm以下の極薄成長マスク層を
用いる場合は、膜厚を正確に制御して作製できる手法で
あることが必要である。このような極めて薄い二酸化珪
素層の形成のためには、基材がシリコンの場合は、プラ
ズマ酸化や紫外励起オゾン酸化を行って成長マスク層を
形成するのが有効である。
【0029】クロルシラン処理の工程は、上記の第2の
実施形態と同じ条件で行われる。電子線や走査プローブ
により描画した領域への選択成長を促進する目的のため
には、クロルシランガスとしては、SiH2Cl2ガス
とSiHCl3ガスが特に有効である。
【0030】クロルシラン処理された成長マスク材料へ
直接描画する最も簡便な方法は、選択成長させたい領域
に細く絞った電子線を照射する方法である。電子線照射
により、Si−Cl結合が解離し、反応性の高い不対電
子をもったシリコン原子が生成される。電子線源として
適当なのは、電子顕微鏡や電子線リソグラフィー装置に
用いられている走査型の電子線源で、超高真空対応であ
ることが好ましい。電子線のエネルギーは、塩素脱離の
ためには数十eVで十分であるが、細い電子線を得るた
めには、通常5〜100keV程度の加速電圧のものが
用いられる。描画に要する電子線照射量は、最低1mC
/cm2程度であり、通常は10〜100mC/cm2
程度の照射量で充分に成長領域の規定ができる。
【0031】成長マスク材料への直接描画は、走査トン
ネル顕微鏡や原子間力顕微鏡などの走査プローブによっ
ても行うことができる。走査プローブに正または負のバ
イアスを5〜10V印加した状態で、その先端を成長マ
スク表面から1nm程度の距離まで接近させたり、ある
いはこの状態を保って走査することにより描画を行う。
この時の描画機構としては、走査プローブからの電子励
起によるSi−Cl結合の解離、および、電界誘起によ
るCl原子の移動が考えられる。この工程において、水
素ガスを同時に供給すると、走査プローブへの塩素原子
の蓄積を防ぐとともに、Si−Cl結合の分解を促進
し、より低いバイアスで描画できる。
【0032】その他の、成長マスク材料への直接描画方
法ついては、陽子ビームや不活性ガスのイオン粒子線な
どを用いることが出来、あるいは、収束させたレーザ光
や光ファイバで導かれた光などでも行うことが出来る。
【0033】この際、塩素が脱離して生じた不対電子は
化学的に活性なため、不純物ガスと反応する確率が高い
ので、直接描画は、少なくとも1×10-8Torrより
良い真空度の下で行われなくてはならない。
【0034】クロルシラン処理前および処理後の成長マ
スク材料表面、および直接描画した成長領域表面を清浄
に保つ必要があることは、第一の実施形態の場合と同じ
である。この目的のためには、クロルシラン処理、直接
描画、および選択成長を一つの真空システムの中で行う
ことが好ましい。
【0035】本発明の選択成長においては、成長マスク
表面に導入したSi−Cl結合を分解しないような原料
ガスと反応温度で行われなくてはならない。選択成長す
る物質がシリコンである場合、本発明に記載の成長マス
クと整合性がよいのは、シランやジシランを原料ガスと
して、分子流の条件で成長を行う、いわゆる超高真空化
学的気相成長法である。典型的な成長条件は、原料ガス
圧力0.01〜1mTorr、基材温度550〜700
℃である。クロルシラン処理した0.4nmの紫外線励
起オゾン酸化膜を成長マスクとした場合、シリコンの膜
厚が少なくとも30nmになるまで、良好な選択性を維
持しながら成長をおこなうことができる。
【0036】
【実施例】次に、この発明の実施例について説明する。
この実施例では、基材はシリコン(001)ウエハー、
成長マスク材料は、特に述べない限り、水素化したシリ
コン表面をUV−オゾン法で室温にて酸化して形成した
膜厚約0.4nmの二酸化珪素層である。クロルシラン
処理には、SiCl4、SiHCl3、SiH2Clを
用いた。選択成長する物質はシリコンであり、その成長
は、原料ガスとしてジシランを用いた超高真空化学的気
相成長法によった。
【0037】図3は、この実施例で用いた成長マスク形
成評価装置を示す。図3において、成長マスク形成評価
装置100は、成長マスク材料形成室101、クロルシ
ラン処理室102、電子線照射分析室103、シリコン
選択成長室104、および基材保管室105を備えてい
る。以上の5つは、真空室であり、基材投入のためのロ
ードロックとしても用いる成長マスク材料形成室101
以外は、すべて真空度が5×10-10 Torrより良い
真空度となっている。隣り合った真空室間はゲートバル
ブ106a、106b、106c、106dで仕切られ
ており、各室には基材の真空搬送をするための、磁気結
合型トランスファーロッド機構107a、107b 、1
07c 、107d 、が備えられている。
【0038】成長マスク材料形成室101は、基材投入
に引き続いてUV−オゾン法により室温で極薄二酸化珪
素層を形成する部屋であり、サファイア窓に取り付けた
低圧水銀灯108の他、図示されない酸素ガス供給配
管、隔膜型真空計、圧力調整用バルブ、ターボ分子ポン
プ、およびスクロールポンプを備えている。クロルシラ
ン処理室102は、二酸化珪素表面に対してクロルシラ
ン処理を行う部屋であり、クロルシラン供給配管109
の他、図示されない隔膜型真空計、圧力調整用バルブ、
ハロゲンランプによる基材加熱機構、磁気浮上ターボ分
子ポンプ、およびケミカル型ロータリポンプを備えてい
る。クロルシラン処理室102は、腐食性のあるクロル
シランに対応して、ガスケットの金コーティングや錆や
すい部品のテフロンコーティングなどの防錆対策が施さ
れている。
【0039】電子線照射分析室103は、成長領域の描
画およびオージェ分析のための励起に用いる超高真空対
応電子線カラム110、成長マスク表面の化学組成を調
べるためのオージェ電子分析器111を備えている。本
室はイオンポンプにより排気されており、さらに超高真
空対応電子線カラム110は小型のイオンポンプ(20
リットル/秒)で差動排気されている。シリコン選択成
長室104は、成長マスクの評価を行うために化学的気
相成長によるシリコンの選択成長を行う部屋であり、ジ
シラン供給配管112の他、図示されない隔膜型真空
計、基材加熱ステージ、磁気浮上ターボ分子ポンプ、お
よびロータリポンプを備えている。基材保管室105
は、基材を超高真空で保管するための部屋で、イオンポ
ンプにより排気されている。
【0040】成長マスク層の表面処理工程において、基
材であるSi(001)表面の化学組成が変化する様子
を、電子線照射分析室103にてオージェ分析により調
べた結果を図4に示す。図4(a)は、UV−オゾン法
により二酸化珪素層をSi(001)表面に形成した直
後の表面のオージェスペクトルである。この層を形成す
るための酸化は、HF溶液に浸すことにより水素終端し
たSi(001)ウエハーを成長マスク材料形成室10
1に投入した後に空気を排気し、500Torrの酸素
を導入して40Wの低圧水銀灯により酸素を励起してオ
ゾンと原子状酸素を発生させることにより行った。この
時の温度は室温である。図4(a)に示すSiのLVV
スペクトルのピーク形状から、二酸化珪素層の厚さは約
0.4nmと見積もられる。この段階では、ClのLV
Vスペクトルのピークは検出限界以下である。この層
を、クロルシラン処理室102において、10Torr
のSiCl4ガス中で220℃にて40分間処理した試
料のオージェ分析結果を、図4(b)に示す。処理後の
表面にはClのLVVスペクトルのピークが現われ、意
図した通りにSiCl3基が導入されたことがわかる。
【0041】処理した表面の熱的安定性は良好で、図4
(c)に示すように、600℃で30分のアニール処理
を行っても、吸着したClが観察された。
【0042】パターニングにより露出されたシリコン表
面へクロルシランが吸着すると、これがシリコンの選択
成長を阻害する可能性がある。シリコン表面へのクロル
シラン吸着の抑制には、シリコン表面の水素化が有効で
ある。図5に、水素終端したシリコン表面をクロルシラ
ンガスと反応させたときの表面の化学組成変化を示す。
図4(b)に示す240℃での処理では塩素吸着は認め
られない。表面の水素が脱離を始める330℃以上で
は、図4(c)に示すように、塩素の吸着が認められ
る。すなわち、シリコン表面を水素終端し、クロルシラ
ン処理温度を300℃以下に保つことにより、シリコン
表面へのクロルシラン吸着による成長の阻害を防ぐこと
ができる。
【0043】第1の実施形態で述べた製造方法が、成長
マスク上での核発生を抑制し、成長選択性の向上のため
に有効な手段であることを実証するデータを図6に示
す。図6は、成長後の試料を真空システムから大気中に
取り出し、原子間力顕微鏡により計測した、成長マスク
表面上に発生したシリコンの核発生密度の計測値であ
る。この実験では、図4と同様な紫外線励起オゾン酸化
法で形成した膜厚約0.4nmの二酸化珪素層、およ
び、図3に示す装置から独立した熱酸化炉において乾燥
酸素雰囲気中で850℃で形成した膜厚約20nmの二
酸化珪素層、のそれぞれの場合について、クロルシラン
処理のガスを変えて処理を行った後にシリコン選択成長
室104にてシリコンの成長を行った。ここで、シリコ
ン成長工程の原料ガスは、Si2H6であり、成長条件
は、基板温度580℃、Si2H6分圧0.4mTor
r、成長時間200s である。この成長条件で、シリコ
ン表面上では約10nmのシリコンが選択成長した。成
長後の試料を真空システムから大気中に取り出し、原子
間力顕微鏡により成長マスク表面上のシリコンの核発生
密度を計測した。クロルシラン処理のガスの種類を変え
た時の、核発生の抑制の度合いを、図6に示したデータ
をもって比較すると、紫外線励起オゾン酸化法で形成し
た二酸化珪素層へSiCl4処理を施すことにより、処
理を行わなかった場合に比べて、Si核発生密度を1/
3程度にまで小さくできることがわかる。SiHCl3
処理の場合の核発生密度は、無処理の場合とほほ同等で
あった。SiH2Cl2処理の場合は、逆に核発生を促
進しており、上記した第一の目的のためには、SiH2
Cl2の使用は好ましくない。また、熱酸化炉で形成し
た約20nmの二酸化硅素を用いた実験(図6の
(e)、(f)、(g))では、クロルシラン処理およ
びCVD成長に先立って、二酸化硅素表面を1.6%の
弗化水素酸溶液に浸すことにより、表面層を約5nmエ
ッチングして清浄化を図った。このエッチング過程は、
清浄化と同時に、シリコンの核発生を促進する水酸基を
表面に導入する効果を持つため、エッチングした表面に
対してシリコンのCVDを施すと、1×1010/cm2
程度の高い密度で核発生が起こる。エッチングした表面
に対してSiHCl3あるいはSiCl4を用いた処理
を行ってからシリコンのCVDを施した場合、クロルシ
ラン処理を行わない場合に比べて、核発生密度を1/2
以下に小さくできることが、図6のデータよりわかる。
【0044】第2の実施形態に述べた製造方法におい
て、クロルシラン処理した成長マスクへの電子線照射に
よって塩素が脱離する現象が起きることを、図7に示
す。図7は、SiHCl3処理した0.4nmの厚さの
二酸化珪素層に対して、電子線照射分析室において電子
線を照射し、この時発生するClの、LVVピークのオ
ージェ電子強度の時間変化を、177eVに測定エネル
ギーを固定して追跡したものである。電子線の照射条件
は、加速エネルギー15keV、電流量60nA、照射
面積は900μm2 である。電子線の照射量にしたがっ
て塩素の信号が減少していることより、電子線により塩
素の脱離が誘起されていることがわかる。観測された減
少速度は指数関数で表わされ、これより電子線(15k
eV)によるCl脱離の断面積は、0.032Å2 と見
積もられる。この現象を利用して、成長マスク表面の所
望の位置で塩素を脱離させて、選択成長を誘起する領域
を形成することができる、すなわち、表面を他の物質で
汚染する事無く、選択成長領域を直接描画することがで
きる。
【0045】図8に、実際に電子線照射によりClを脱
離させた領域を描画し、そこへシリコンを選択的に成長
した例を示す。図8は、クロルシラン処理を行った膜厚
0.4nmの紫外線励起オゾン酸化膜に対して電子線照
射によるパターン描写を行い、引き続き照射部分へシリ
コンを選択成長させた試料の原子間力顕微鏡像の写真で
ある。パターン描画は、クロルシラン処理を施した二酸
化珪素層に対し、電子線照射分析室103にて、ビーム
径約1μmの電子ビームを30μm×30μmの範囲で
走査しながら照射することにより行った。電子線のエネ
ルギーは15keV、照射量は70mC/cm2 であ
る。シリコンの成長は、シリコン選択成長室104にお
いて、図6と同じ条件で行った。図8(a)はSiH2
Cl2を用いて処理を行った場合、図8(c)はSiH
Cl3を用いて処理を行った場合であり、示された原子
間力顕微鏡像より、いずれの場合も電子線を照射した正
方形の領域に、膜厚役10nmのシリコンが選択的に成
長していることがわかる。SiH2Cl2処理の場合図
8(b)に示すように電子線を照射されていない領域で
高密度の核発生が起こる(図6参照)。一方、SiHC
l3処理の場合は、図8(d)に示すように電子線を照
射されていない領域の核発生密度は低い(図6参照)。
この結果より、第2の実施形態で、レジスト材料を用い
ることなくパターニングを行うための選択成長用成長マ
スクを形成するためには、SiH2Cl2およびSiH
Cl3処理が有効であり、成長領域の外での核発生を抑
制する観点からは、なかでもSiHCl3が最適な処理
ガスであることがわかる。
【0046】また、図8のように二酸化珪素層の上にシ
リコンを選択成長した構造については、これをさらに超
高真空中において750℃程度の適当な温度で加熱すれ
ば、SiO2+Si→2SiOなる化学反応式にしたが
って二酸化珪素層が分解し、生成物のSiOができ、こ
れが蒸発する。この反応を利用すれば、レジストを用い
ることなしに、シリコンが選択成長した部分の下に存在
する二酸化珪素層をエッチングし、凹構造を作り込んだ
り、二酸化珪素層に開口して下地の基材表面を露出させ
たりすることが可能となる。
【0047】
【発明の効果】この発明は上記した構成からなるので、
以下に説明するような効果を奏することができる。
【0048】請求項1に記載の発明によれば、クロルシ
ランガスへの露出という簡単な操作を行うだけで、選択
成長における成長マスク表面への固体の核発生という好
ましくない現象を、大幅に抑制することが可能となる。
その結果、例えば半導体集積回路製造において歩留まり
を改善できる他、予定外の領域に成長した固体を除去す
るための工程を省略して生産効率を向上することができ
る。また、この製造方法は、プラズマ発生や励起光など
の特別な装置を必要とせず、また用いるクロルシランガ
スや塩化硅素ガスの装置壁面への腐食性やエッチング作
用は、Cl2やHClに比べると比較的穏やかであるの
で、製造プロセスへの適用が容易である。
【0049】さらに、請求項2に記載の発明では、請求
項1の固体の選択成長方法において、該予め決められた
領域を固体の成長領域として規定するための工程は、レ
ジストを用いたリソグラフィーを含む工程とし、塩化珪
素ガスは四塩化珪素あるいは六塩化二珪素ガスとし、ク
ロルシランガスはジクロルシランガスあるいはトリクロ
ルシランガスであるとした事により、最適な条件で、請
求項1に記載の発明を実施できるようになった。
【0050】また、請求項3に記載の製造方法によれ
ば、成長マスク材料へのレジストを用いたリソグラフィ
ーおよびエッチング工程を省略して、選択成長領域を成
長マスク材料へ直接描画できるようになる。これによ
り、ナノメータースケールという究極的な微細構造を持
つ半導体素子などの生産が可能となると期待される。
【0051】さらに、請求項4に記載の発明では、請求
項3の固体の選択成長方法において、該予め決められた
領域の表面の塩化珪素ガスあるいはクロルシランガス密
度を低下させる工程は、電子あるいはその他の粒子から
なる粒子線、または電磁波からなるエネルギー線を照射
することを含む工程とし、塩化珪素は四塩化珪素あるい
は六塩化二珪素とし、クロルシランはジクロルシランあ
るいはトリクロルシランとすることにより、最適な条件
で、請求項3に記載の発明を実施できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の製造方法の工程を示す図であり、(a)
は、二酸化珪素層の形成を示す図で、(b)は、パター
ニングにより選択成長領域を規定した図で、(c)は、
クロルシラン処理をした後の図で、(d)は、選択成長
を示す図、である。
【図2】第二の製造方法の工程を示す図であり、(a)
は、二酸化珪素層の形成を示す図で、(b)は、クロル
シラン処理をした後の図で、(c)は、レジストを用い
ない直接描画により選択成長領域を規定した図で、
(d)は、選択成長を示す図、である。
【図3】実施例で用いた成長マスク形成評価装置を示す
図である。
【図4】電子線照射分析室103にて、二酸化珪素上の
クロルシラン吸着をオージェ分析により調べた結果を示
す図であり、(a)は、紫外線励起オゾン酸化した直後
の基材表面示す図で、(b)は、紫外線励起オゾン酸化
した直後の基材表面をSiCl4で処理した後の表面示
す図で、(c)は、紫外線励起オゾン酸化した直後の基
材表面をSiCl4で処理した後の表面を600℃でア
ニールした後の表面示す図、である。
【図5】水素終端したシリコン表面をクロルシランガス
と反応させたときの表面の化学組成変化を示すクロルシ
ランのオージェ分析による図であり、(a)は、水素終
端シリコン表面状態を示す図で、(b)は、水素終端し
たシリコン表面をSiH2Cl2、240℃で処理した
場合を示す図で、(c)は、水素終端したシリコン表面
をSiH2Cl2、240℃で処理した表面を、さらに
330℃でSiH2Cl2を用いて処理した場合を示す
図、である。
【図6】成長後の試料を真空システムから大気中に取り
出した原子間力顕微鏡による計測で、成長マスク表面上
に発生したシリコンの核発生密度の計測値を示す図であ
り、(a)は、膜厚0.4nmの紫外線励起オゾン酸化
膜をクロルシランガスで処理しなかった場合を示す図
で、(b)は、膜厚0.4nmの紫外線励起オゾン酸化
膜にSiCl4ガスで処理した場合を示す図で、(c)
は、膜厚0.4nmの紫外線励起オゾン酸化膜にSiH
Cl3ガスで処理した場合を示す図で、(d)は、膜厚
0.4nmの紫外線励起オゾン酸化膜にSiH2Cl2
ガスで処理した場合を示す図で、(e)は、膜厚20n
mの熱酸化膜をクロルシランガスで処理しなかった場合
を示す図で、(f)は、膜厚20nmの熱酸化膜をSi
Cl4ガスで処理した場合を示す図で、(g)は、膜厚
20nmの熱酸化膜をSiHCl3ガスで処理した場合
を示す図、である。
【図7】SiHCl3処理した0.4nmの厚さの二酸
化珪素層に対して、電子線照射分析室において電子線を
照射し、この時発生するClのLVVオージェピークの
強度時間変化を測定エネルギー177eVに固定して追
跡する事により、塩素の電子線による脱離状況を観察し
たものである。
【図8】クロルシラン処理を行った膜厚0.4nmの紫
外線励起オゾン酸化膜に対して電子線照射を行い、照射
部分へシリコンを選択成長させた試料の、原子間力顕微
鏡像の写真であり、(a)は、処理ガスとしてSiHC
l3を用いた場合であり、選択成長した厚さ10nmの
シリコン薄膜の全体像(観察範囲は50μm×50μ
m)を示す図で、(b)は、処理ガスとしてSiHCl
3を用いた場合であり、電子線を照射していない部分へ
のシリコンの核発生の様子(観察範囲は1μm×1μ
m)を示す図で、(c)は、処理ガスとしてSiH2C
l2を用いた場合であり、選択成長した厚さ10nmの
シリコン薄膜の全体像(観察範囲は50μm×50μ
m)を示す図で、(d)は、処理ガスとしてSiH2C
l2を用いた場合であり、電子線を照射していない部分
へのシリコンの核発生の様子(観察範囲は1μm×1μ
m)を示す図、である。
【符号の説明】
1 基材 2 二酸化珪素 3 露出された表材表面 4 パターニングされた二酸化珪素成長マスク 5 クロルシラン処理された二酸化珪素成長マスク 6 選択成長した固体 7 クロルシラン処理された二酸化珪素 8 電子線や走査プローブによりClを脱離させた箇
所 100 成長マスク形成評価装置 101 成長マスク材料形成室 102 クロルシラン処理室 103 電子線照射分析室 104 シリコン選択成長室 105 基材保管室 106a、106b、106c、106d ゲートバル
ブ 107a、107b、107c、107d 磁気結合型
トランスファーロッド機構 108 サファイア窓に取り付けた低圧水銀灯 109 クロルシラン供給配管 110 超高真空対応電子線カラム 111 オージェ電子分析器 112 ジシラン供給配管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 安田 哲二 茨城県つくば市東1丁目1 番4 工業 技術院 産業技術融合領域研究所内 (72)発明者 西澤 正泰 茨城県つくば市東1丁目1 番4 工業 技術院 産業技術融合領域研究所内 (72)発明者 山崎 聡 茨城県つくば市東1丁目1 番4 工業 技術院 産業技術融合領域研究所内 審査官 加藤 浩一 (56)参考文献 特開 平8−78335(JP,A) 特開 平8−153688(JP,A) 特許2861601(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C23C 16/04 H01L 21/205

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上の予め決められた領域に予め決め
    られた結晶体、多結晶体あるいはアモルファス体を成長
    させる固体の選択成長において、該基材上に二酸化珪素
    をモル比で50%以上含む薄膜を形成する工程と、該予
    め決められた領域を固体の成長領域として規定するため
    の工程と、該予め決められた領域以外の領域の表面を塩
    化珪素ガスあるいはクロルシランガスに晒す工程の後
    に、該予め決められた成長領域における固体の単位面積
    あたりの成長量は、該予め決められた領域以外の領域で
    の単位面積あたりの成長量よりも大きい固体の選択成長
    を行う工程と、を含む事を特徴とする固体の選択成長方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1の固体の選択成長方法におい
    て、該予め決められた領域を固体の成長領域として規定
    するための工程は、レジストを用いたリソグラフィーを
    含む工程であり、塩化珪素ガスは四塩化珪素ガスあるい
    は六塩化二珪素ガスであり、クロルシランガスはジクロ
    ルシランガスあるいはトリクロルシランガスであること
    を特徴とする固体の選択成長方法。
  3. 【請求項3】 基材上の予め決められた領域に、結晶
    体、多結晶体あるいはアモルファス体を成長させる固体
    の選択成長において、該基材上に二酸化珪素をモル比で
    50%以上含む薄膜を形成する工程と、該二酸化珪素を
    モル比で50%以上含む薄膜の表面を塩化珪素ガスある
    いはクロルシランガスに晒す工程の後に、該予め決めら
    れた領域の表面に吸着した塩化珪素あるいはクロルシラ
    ン密度を低下させる工程と、該予め決められた成長領域
    における固体の単位面積あたりの成長量は、該予め決め
    られた成長領域以外の領域での単位面積あたりの成長量
    よりも大きい固体の選択成長を行う工程と、を含む事を
    特徴とする固体の選択成長方法。
  4. 【請求項4】 請求項3の固体の選択成長方法におい
    て、 該予め決められた領域の表面に吸着した塩化珪素あるい
    はクロルシラン密度を低下させる工程は、電子あるいは
    その他の粒子からなる粒子線、または電磁波からなるエ
    ネルギー線を照射することを含む工程であり、 塩化珪素は四塩化珪素あるいは六塩化二珪素であり、ク
    ロルシランはジクロルシランあるいはトリクロルシラン
    であることを特徴とする固体の選択成長方法。
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