JP4838767B2 - プラズマディスプレイパネル - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルに関し、より詳細には、外光反射を抑制して画面のコントラストを向上させるためのパネル構造を有するプラズマディスプレイパネルに関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP)とは、放電セル内で起きる気体放電によって放射される真空紫外線により蛍光体を励起させて、任意の映像を実現する表示装置である。また、PDPは、高解像度の大画面構成が可能であるのため、次世代薄形表示装置として脚光を浴びている。
図24は、一般的なプラズマディスプレイパネルの部分分解斜視図である。
図24に示すように、一般的なPDPの構造は、背面基板100上に一方向(図面のx軸方向)に沿ってアドレス電極101が形成され、このアドレス電極101を覆うように背面基板100の全面に誘電層103が形成される。この誘電層103上において、隣接するアドレス電極101の間にストライプパターンを有する隔壁105が形成され、各々、隔壁105の間に赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の蛍光体層107が形成される。
背面基板100に対向する前面基板110の一面には、一対の透明電極とバス電極とで構成される放電維持電極112、113がアドレス電極101と交差する方向(図面のy軸方向)に沿って形成される。また、この放電維持電極112、113を覆いながら前面基板110全体に誘電層116とMgO保護膜118が形成される。
背面基板100上のアドレス電極101と前面基板110上の放電維持電極114とが交差する地点が放電セルを構成する部分になり、各々の放電セルは放電ガスで満たされる。
上記構成によると、アドレス電極101と、ある一つの放電維持電極112、113との間にアドレス電圧(Va)を印加してアドレス放電を発生させて発光させる放電セルを選択し、再び一対の放電維持電極112、113の間に維持電圧(Vs)を印加して維持放電させる。このとき、発生する真空紫外線(VUV)が蛍光体を励起させ、透明な前面基板110を通じて可視光が放出され、プラズマディスプレイパネルの画面表示を実現する。
上記の機構により動作するプラズマディスプレイパネルの明暗比を示す基準として、明室コントラストと暗室コントラストとが参照される。明室コントラストは、パネル外部に150ルックス(lux)以上の光源が存在してプラズマディスプレイパネルが外光の影響を受ける場合のコントラストを意味する。一方、暗室コントラストは、パネル外部に21ルックス以下の光源が存在してプラズマディスプレイパネルが実質的に外光の影響を受けない場合のコントラストを意味する。
プラズマディスプレイパネルの前面基板110に透明なガラス材質を用いると、その前面基板110により外光反射が起きる。外光反射は、2つの場合に区分される。それは、パネル外部で発生した光が前面基板110を通じて放電セルに到達した後、その光が蛍光体層107又は誘電層116の表面から反射される場合と、前面基板110の外側から反射される場合とである。
外光が放電セルに到達して蛍光体層107又は誘電層116の表面から反射される場合、黒色表示の輝度が高くなるため、画面の暗室コントラストが低下する。一方、外光が前面基板110の外側から反射される場合、外光反射により画面の一部が遮られて見えなくなるため、画面の明室コントラストが低下する。
そのため、従来のプラズマディスプレイパネルには、放電維持電極112、113の間に遮光膜(light shielding film)が形成され、前面基板110を通じて入射される外光を遮断する技術が適用されている。例えば、米国特許第5、952、782号、又は米国特許第6、200、182号などには、このような遮光膜が前面基板と蛍光体層との間に配置されたプラズマディスプレイパネル又はプラズマディスプレイ装置が開示されている。
しかしながら、プラズマディスプレイパネルの前面基板の内側に、放電空間に隣接して遮光膜が配置される場合、その遮光膜を構成する光遮断物質が放電セルの放電メカニズムに影響を与えて異常放電を引き起こす原因になる可能性がある。また、遮光膜は、前面基板の外側面から反射される外光に対して遮光効果が期待できないため、プラズマディスプレイパネルの外部に蛍光灯のような強い外光が存在する場合、それによる外光反射の影響を遮断することが難しい。そのため、上記のような遮光膜を備えるプラズマディスプレイパネルは、外光反射によって画面の一部が遮られたり、画面の明室コントラストの低下を十分に抑制することが難しい。
ところで、プラズマディスプレイパネルは、赤色、緑色、青色を有する蛍光体の色特性が画面の色温度を決定している。この3種類の蛍光体は、蛍光体による発色効率が互いに異なるため、各々が互いに異なる輝度比を有する。そのため、色温度を改善するべく、赤色、緑色、青色を有する蛍光体のうち、輝度比が最も低い色を有する蛍光体の発色をパネルで補償する必要がある。
色補正のための代表的な方法として、相対的に最も低い輝度比を示す色(例えば、青色)を除いた赤色と緑色とを含むアナログ映像信号をデジタル化する前段で、ピーク値が色相別に低くなるようにガンマ補正をし、その後でデジタル化して、赤色と緑色の最高輝度を出すような維持パルスの個数を青色に比べて減少させる方法がある。また、相対的に低い輝度比を示す色(例えば青色)に対応する放電セルの体積を最も大きくし、赤色又は緑色を有する放電セルの体積を縮少させて色温度を向上させる方法も提案されている。
しかしながら、ガンマ補正を利用した前者の方法では、緑色と赤色の最高の明るさを表現するのに必要な255個の全ての維持パルスを使用しないため、徐々に明るくなったり徐々に暗くなる映像を表現する際に、緑色と赤色で階段現象が発生する、という問題がある。さらに、非均等放電セルを利用した後者の方法では、不均一な放電セルの体積による誤放電の問題や安定した駆動のための電圧マージンが減る、という問題がある。
したがって、本発明の目的は、放電セルの異常発光を誘発せずに前面基板の外側面で起きる外光反射を効率的に遮断し、画面のコントラストを向上させることができるプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
本発明の他の目的は、外光吸収面積を増やしたり外光反射を最小化することができる改善されたパネル内部構造を提供して、画面の明室コントラストを向上させることができるプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
本発明のまた他の目的は、赤、緑、青色蛍光体のうちの輝度比が最も低い色を補償して画面の色温度を向上させ、外光反射を抑制して画面の明暗比も向上させることができるプラズマディスプレイパネルを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、互いに対向配置される第1基板及び第2基板と、前記第2基板に形成されるアドレス電極と、前記第1基板と前記第2基板との間の空間に配置されて複数の放電セルと非放電領域を区画する隔壁と、前記各々の放電セル内に形成される蛍光体層と、前記第1基板の前記アドレス電極と交差する方向に形成される放電維持電極と、前記第2基板に形成されて前記アドレス電極を覆う誘電層と、を含み、前記非放電領域は、隣接した放電セルの中心を結び、前記放電維持電極が形成される方向と並んでいる放電セル横軸と、隣接した放電セルの中心を結び、前記アドレス電極が形成される方向と並んでいる放電セル縦軸とによって囲まれた領域内に配置され、少なくとも前記放電セルを形成する各隔壁の上端幅よりさらに大きな幅を有し、前記誘電層と隣接して、前記非放電領域に対応する位置に形成される外光吸収部を含むことを特徴とする、プラズマディスプレイパネルが提供される。
また、前記各々の放電セル内に形成される蛍光体層のうち輝度比が最も低い色相の顔料が塗布された膜からなり、前記非放電領域の平面形状と同一な模様に形成される色補償部をさらに含んでもよい。
また、前記外光吸収部は、前記非放電領域の平面形状と同一の形状を有してもよい。
また、前記隣接した放電セルを区画する隔壁が前記非放電領域をセル構造に形成してもよい。
また、前記セル構造に形成される非放電領域が対角に隣接した放電セルを区画してもよい。
また、前記各々の放電セルは、前記アドレス電極の長さ方向に沿って位置する両端部の幅が前記放電セルの中心から遠くなるほど狭く形成されてもよい。
また、前記隔壁は、前記アドレス電極と平行な方向の第1隔壁部材と、前記アドレス電極と平行せずに前記第1隔壁部材を連結する第2隔壁部材と、を含んでいてもよい。
また、前記第2隔壁部材は、前記アドレス電極方向に傾斜した角度に前記第1隔壁部材と交差してもよい。
また、前記外光吸収部は、前記誘電層上に提供されてもよい。
また、前記誘電層上に前記非放電領域と対応する溝が備えられると共に、当該溝の内部に前記外光吸収部が位置してもよい。
また、前記外光吸収部は、黒色膜であってもよい。
また、前記外光吸収部は、前記非放電領域に対応する前記誘電層の一部が外光吸収機能のある着色部からなってもよい。
また、前記着色部は、黒色顔料と青色顔料のうちのいずれか一つ又はこれらの混合物を含んで形成されていてもよい。
また、前記黒色顔料は、FeO、RuO、TiO、Ti、Ni、CrO、MnO、Mn、Mo、Fe、及びこれらの混合物からなる群より少なくとも一つ以上選択される顔料であってもよい。
また、前記青色顔料は、Co、CoO、Nd、及びこれらの混合物からなる群より少なくとも一つ以上選択される顔料であってもよい。
また、前記各々の放電維持電極は、前記各放電セルに一対が対応するバス電極と、前記バス電極から前記各放電セルの中心に向かって延在し、一対が互いに対向するように形成される突出電極と、を含み、前記突出電極は、前記放電セルの両端部に対応する後端部が前記放電セルの中心から遠くなるほど幅が狭く形成され、前記各放電セルに対応する一対の突出電極のうちの少なくとも一側の突出電極の端部に凹部が形成され、互いに対向する突出電極間に互いに異なる大きさの第1放電ギャップと第2放電ギャップとが形成されていてもよい。
また、前記放電セルの内部は、Xeを10%以上含有する放電ガスで満たされていてもよい。
また、前記放電ガスは、Xeを10〜60%含有するとしてもよい。
また、前記放電維持電極は、前記各々の放電セルに一対が対応するように配置される走査電極と共通電極とで構成され、前記走査電極と共通電極の各々は、前記各放電セルの内部に各々延在して対向するように形成される突出電極を含み、前記突出電極は、前記放電セルの両端部に対応する後端部の幅が、互いに対向する各突出電極対向部での幅より狭く形成され、前記アドレス電極は、長さ方向に沿ったライン部と、前記走査電極との対向部分で走査電極の突出電極形状に対応してライン部から拡張された拡張部と、を備えていてもよい。
また、前記アドレス電極の拡張部が前記突出電極の対向部と対向する部分で第1幅が形成され、前記突出電極の後端部と対向する部分で第1幅より狭い第2幅が形成されていてもよい。
また、前記放電維持電極は、前記各々の放電セルに一対ずつ対応するように配置される走査電極と共通電極とで構成され、前記走査電極と共通電極の各々は、前記アドレス電極と交差する方向に沿って延在するバス電極と、前記バス電極から各放電セルの内部に各々延在して互いに対向するように形成される突出電極と、を含み、前記共通電極(Xn)のバス電極は、毎2列の放電セルごとに隣接する放電セルの間に一つずつ配置され、走査電極(Ya、Yb)のバス電極は、前記共通電極(Xn)のバス電極の両側に配置されていてもよい。
また、前記共通電極(Xn)の突出電極は、前記共通電極(Xn)のバス電極からその両側に隣接する放電セルの内部を向かって各々延在して形成されていてもよい。
また、前記共通電極(Xn)のバス電極は、前記走査電極のバス電極の幅より広く形成されていてもよい。
また、互いに対向配置される第1基板及び第2基板と、前記第2基板に形成されるアドレス電極と、前記第1基板と第2基板との間の空間に配置されて複数の放電セルと非放電領域を区画する隔壁と、前記各々の放電セル内に形成される蛍光体層と、前記第1基板の前記アドレス電極と交差する方向に形成される放電維持電極と、を含み、前記非放電領域は、隣接した放電セルの中心を結び、前記放電維持電極が形成される方向と並んでいる放電セル横軸と、隣接した放電セルの中心を結び、前記アドレス電極が形成される方向と並んでいる放電セル縦軸とによって囲まれた領域内に配置され、少なくとも前記放電セルを形成する各隔壁の上端幅よりさらに大きな幅を有し、前記第1基板の外側面において、前記非放電領域に対応する位置に形成され、前記非放電領域の平面形状と同一な形状を有する外光吸収部を含んでいてもよい。
また、前記外光吸収部は、前記第1基板の外側面に所定の深さを有するように溝が形成されると共に、当該溝に光吸収物質が満たされるものとしてもよい。
また、前記溝の深さは、100〜300μmの範囲に属していてもよい。
また、前記光吸収物質が黒色を有していてもよい。
また、前記隣接した放電セルを区画する隔壁が前記非放電領域をセル構造に形成してもよい。
また、前記各々の放電セルは、前記アドレス電極の長さ方向に沿って位置する両端部の幅が前記放電セルの中心から遠くなるほど狭く形成されていてもよい。
また、前記各々の放電維持電極は、前記各放電セルに一対が対応するバス電極と、前記バス電極から前記各放電セルの中心に向かって延在し、一対が互いに対向するように形成される突出電極と、を含み、前記突出電極は、前記放電セルの両端部に対応する後端部が前記放電セルの中心から遠くなるほど幅が狭く形成され、前記各放電セルに対応する一対の突出電極のうちの少なくとも一側の突出電極の端部に凹部が形成され、互いに対向する突出電極の間に、互いに異なる大きさの第1放電ギャップと第2放電ギャップが形成されていてもよい。
また、前記放電セルの内部は、Xeを10%以上含有する放電ガスで満たされていてもよい。
また、前記放電ガスは、Xeを10〜60%含有してもよい。
また、前記放電維持電極は、前記各々の放電セルに一対が対応するように配置される走査電極と共通電極とで構成され、前記走査電極と前記共通電極の各々は、前記各放電セルの内部に各々延在して対向するように形成される突出電極を含み、前記突出電極は、前記放電セルの両端部に対応する後端部の幅が、互いに対向する各突出電極対向部での幅より狭く形成され、前記アドレス電極は、長さ方向に沿ったライン部と、前記走査電極との対向部分で走査電極の突出電極形状に対応し、前記ライン部から拡張された拡張部と、を備えていてもよい。
また、前記放電維持電極は、前記各々の放電セルに一対ずつ対応するように配置される走査電極と共通電極とで構成され、前記走査電極と共通電極の各々は、前記アドレス電極と交差する方向に沿って延在するバス電極と、前記バス電極から各放電セルの内部に各々延在して互いに対向するように形成される突出電極と、を含み、前記共通電極(Xn)のバス電極は、毎2列の放電セルごとに隣接する放電セルの間に一つずつ配置され、走査電極(Ya、Yb)のバス電極は、前記共通電極(Xn)のバス電極両側に配置されていてもよい。
以上説明したように本発明によれば、非放電領域に対応する部分に外光吸収部を形成することにより、この外光吸収部が表示光を遮らずに外光を吸収するので反射輝度を低減することができる。したがって、前記プラズマディスプレイパネルは、画面の明室コントラストを向上することができ、外光反射によって画面の一部が遮られる現象を防止することができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
まず、図1〜図3に基づいて、第1の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。図1は、第1の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの部分分解斜視図である。図2は、図1の組立状態を示す部分平面図である。図3は、図1の組立状態を示す部分断面図である。
図1〜図3に示すように、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルは、第1基板2と第2基板4が任意の間隔をおいて互いに対向配置され、両基板の間の空間には、隔壁6によって区画される放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10が備えられる。
第2基板4の内面には、一方向(図面のx軸方向)に沿ってアドレス電極12が形成され、アドレス電極12を覆いながら第2基板4の内面全体に誘電層14が位置する。アドレス電極12は、例えばストライプパターンからなることができ、隣接したアドレス電極12と所定の間隔をおいて並んで位置する。
さらに、誘電層14上には、隔壁6が配置されて放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10を区画する。ここで、放電セル8R、8G、8Bは、内部でガス放電及び発光が起きるように予定された空間であり、非放電領域10は、ガス放電及び発光が予定されていない領域又は空間を意味する。このような非放電領域10は、少なくとも放電セル8R、8G、8Bを形成する各隔壁6の上端幅よりはさらに大幅を有するように形成される。参考までに、図面では、放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10が各々独立されたセル構造を有するように形成された実施形態を示している。
隔壁6は、放電セル8R、8G、8Bをアドレス電極方向(図中のx軸方向)と、アドレス電極12と直交する方向(図中のy軸方向)とに沿って区画し、各々の放電セル8R、8G、8Bは、放電ガスの拡散形態を考慮して最適化された形状に構成される。放電セル8R、8G、8Bの最適化された構造は、各々の放電セル8R、8G、8Bにおいて、実質的に維持放電と輝度向上に寄与する程度が小さい部分を最小化した形状であって、具体的には、各放電セル8R、8G、8Bにおいてアドレス電極12方向に沿って位置する両側端部の幅が放電セル8R、8G、8Bの中心から遠くなるほど狭くなる形状である。即ち、図1に示すように、放電セル8R、8G、8Bの中心部での幅(Wc)は端部での幅(We)より大きくなり、端部での幅(We)は、放電セル8R、8G、8Bの中心から遠くなるほど狭くなる特性を示す。したがって、放電セル8R、8G、8Bの両側端部は平面形状が梯形を示し、各放電セル8R、8G、8Bの全体的な平面形状は八角形をなす。
さらに、各隣接した放電セル8R、8G、8Bの中心を結ぶ放電セル横軸(abscissa)(H)に隣接した放電セル8R、8G、8Bの中心を結ぶ放電セル縦軸(ordinate)(V)を仮定した場合、この横軸(H)と縦軸(V)によって囲まれた領域内に非放電領域10が位置する。したがって、上記構造では、アドレス電極12方向に沿って隣接する一対の放電セルと、アドレス電極12と直交する方向に沿って隣接する一対の放電セルとからなる4個の放電セルの間に一つの共通された非放電領域10が位置する。
したがって、隔壁6は、アドレス電極12と平行な方向の第1隔壁部材6aと、アドレス電極12と平行せずに第1隔壁部材6aを連結する第2隔壁部材6bとに区分され、第2隔壁部材6bは、第1隔壁部材6aと所定の傾斜角を有して交差するように形成される。特に、本実施形態にかかる第2隔壁部材6bは、アドレス電極12方向に隣接する放電セルの間で大略エックス(X)字の模様となる。
さらに、放電セル8R、8G、8B内部には、赤色、緑色、又は青色の蛍光体が各々塗布されて蛍光体層16R、16G、16bを形成している。
図3に示すように、アドレス電極方向(図面のx軸方向)に沿って位置する放電セル8Rの両側端部において第2隔壁部材6bの上端から測定される深さは、放電セル8Rの中心から遠くなるほど小さく形成される。即ち、放電セル8Rの端部での深さ(De)は中心部での深さ(Dc)より小さく、端部での深さ(De)は放電セル8Rの中心から遠くなるほど順に浅くなる。このような放電セル8Rの深さ特性は、緑色放電セル8Gと青色放電セル8Bにも同一に適用できる。
一方、第2基板4に対向する第1基板2の内面には、アドレス電極12と直交する方向(図面のy軸方向)に沿って走査電極18と共通電極20とからなる放電維持電極22が形成され、放電維持電極22を覆いながら、第1基板2の内面全体に透明な誘電層24とMgO保護膜26が順に位置する。
走査電極18と共通電極20は、各放電セル8R、8G、8Bの外郭部でストライプパターンに備えられるバス電極18a、20aと、バス電極18a、20aから各放電セル8R、8G、8Bの中心部に向かって延在し、放電ギャップ(G)を隔てて位置する突出電極18b、20bとからなる。特に、本実施形態にかかる突出電極18b、20bは、バス電極18a、20aに連結される後端部がバス電極18a、20aに向かって幅が狭くなる形状に形成され、突出電極18b、20bの後端部の両側辺が放電セル8R、8G、8Bの内壁と並んで配置される。
バス電極18a、20aとしては、銀(Ag)、アルミニウム(Al)又は銅(Cu)のような低抵抗の金属電極が好ましく、突出電極18b、20bとしては、インジウムスズ酸化物(ITO;indium tin oxide)のような光透過率に優れた透明電極が好ましい。
一方、第2基板4と隔壁6が形成される層間には、非放電領域10と対応する位置に外光吸収部が配置される。このような外光吸収部は、第2基板4に形成される誘電層14に隣接するように提供されることができるが、本実施形態においては、外光吸収部28が非放電領域10に対応する誘電層14上に備えられてプラズマディスプレイパネルの反射輝度を低減させる。
図4は、図1のB−B線に沿って切断した断面図である。外光吸収部28は、黒色又は黒色に近い暗い色を帯びる顔料層からなり、隔壁6形成工程の以前に誘電層14上に備えられて第2基板4と隔壁6が形成される層間に存在する。選択的に、外光吸収部28は、図5に示したように誘電層14に備えられた溝14a内部に位置することができる。この場合には、誘電層14と外光吸収部28との間の段差を減らして誘電層14と外光吸収部28からなる層の表面を平坦化するのに有利である。
上記構成の第1基板2と第2基板4はフリットのような密封材により縁が接合され、内部に放電ガス(主にNe−Xe混合ガス)が満たされた状態で密封されてプラズマディスプレイパネルを構成する。
上記構成により、特定放電セル(例えば、赤色放電セル)のアドレス電極12と走査電極18との間にアドレス電圧(Va)を印加すれば、放電セル8R内にアドレス放電が起こり、アドレス放電の結果、維持電極22を覆っている誘電層24上に壁電荷(wall charge)が蓄積されてこの放電セル8Rを選択する。
次に、選択された放電セル8Rの走査電極18と共通電極20との間に維持電圧(Vs)を印加すれば、走査電極18と共通電極20との間の放電ギャップ(G)からプラズマ放電が開始され、プラズマ放電時に作られるXeの励起原子から真空紫外線が放出される。そして、真空紫外線が放電セル8Rの蛍光層16Rを励起させて可視光を放出させることによって所定の表示が行われる。
このとき、維持電圧(Vs)によって生成されたプラズマ放電は、放電セル8Rの外郭部に向かって大略的な円弧形状に拡散した後に消滅するが、本実施形態においては、各々の放電セル8R、8G、8Bがプラズマ放電の拡散形態に合せて形成されるので放電セル8R、8G、8Bの全領域にかけて効率的な維持放電が起き、放電効率を高めることができる。
さらに、放電セル8R、8G、8Bはまた、放電セル8R、8G、8Bの外郭部に行くほど放電領域に対する蛍光層16R、16G、16bの接触面積が増大して発光効率が高まり、さらに、放電セル8R、8G、8Bの間に位置する非放電領域10が隣接した放電セルから放出される熱を吸収し、プラズマディスプレイパネル外部に放出させることにより放熱特性を高める役割を果たす。
また、本実施形態にかかる非放電領域10に対応する誘電層14上に外光吸収部28が備えられ、外光吸収部28が第1基板2を透過してパネル内部に入射した外光を吸収してプラズマディスプレイパネルの反射輝度を低減させることによって画面の明室コントラストを向上させる。
以下では、図6〜図10に基づいて、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルの製造方法について説明する。
まず、図6に示すように、第2基板4上に導電ペースト、例えば、銀(Ag)ペーストをストライプパターンに印刷し、乾燥及び焼成してアドレス電極12を形成する。そして、アドレス電極12が形成された第2基板4の内面全体に誘電体を印刷、乾燥及び焼成して誘電層14を完成する。
次に、図7に示すように、非放電領域に区画される誘電層14上に黒色顔料を塗布して外光吸収部28を形成する。外光吸収部28は、例えば、MnOと通常のビヒクル(vehicle)、有機バインダー、及びフリットなどを含む黒色ペーストを製作し、これを誘電層14上に印刷、乾燥及び焼成する過程を通じて容易に製作できる。
一方、図8に示すように、誘電層14を形成した後、通常のフォトリソグラフィ工程を利用して非放電領域に区画される誘電層14上に溝14aを形成し、この溝14aに黒色顔料を塗布して外光吸収部28を形成することができる。
次に、図9に示すように、誘電層14上に隔壁6を形成して、放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10を区画する。隔壁6は、隔壁物質を誘電層14上に所望のパターンに印刷して乾燥及び焼成したり、隔壁物質を誘電層14の全面に塗布した後、通常のサンドブラスト工法を利用して放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10に対応する部分を除去する過程を通じて完成することができる。
さらに、図10に示すように、放電セル8R、8G、8B内に赤色、緑色又は青色の蛍光物質を印刷し、乾燥及び焼成して蛍光体層16R、16G、16bを完成する。したがって、放電セル8R、8G、8B内に蛍光体層16R、16G、16bが位置し、非放電領域10に対応する誘電層14上に外光吸収部28が位置する第2基板4の構造が完成され、このように完成された第2基板4は、放電維持電極と透明誘電層及びMgO保護膜が形成された第1基板2と組合わせてプラズマディスプレイパネルを構成する。
このように、誘電層14上に外光吸収部28を形成した後に隔壁6を形成する本実施形態の構造では、外光吸収部28が誘電層14上に所定の厚さで形成されるため、第1誘電層14上に隔壁6を形成すれば、外光吸収部28の厚さによってこの部分の隔壁6が突き出て隔壁形成時に自然な段差を形成し、その結果、パネル製造工程中の排気作業時の円滑な排気を図ることができる。
(第2の実施の形態)
次に、図11〜図12に基づいて、第2の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの部分分解斜視図である。図12は、図11の組立状態であり、E−E線に沿って切断した部分断面図である。なお、上記第1の実施の形態と同一な構成要素に対しては同一の参照符号を付加している。
本実施形態において、誘電層24は、非放電領域10に対応する一部が外光吸収機能がある着色部24aからなり、プラズマディスプレイパネルの外光吸収面積を拡大させる。着色部24aは、黒色顔料と青色顔料のうちのいずれか一つ又はこれらの混合物を含み、黒色又は青色又は黒色に近い暗い青色を示して非放電領域10対応部を着色させる。
黒色顔料は、FeO、RuO、TiO、Ti、Ni、CrO、MnO、Mn、Mo、Feのうちのいずれか一つ又はこれらの組み合わせからなり、青色顔料は、Co、CoO、Ndのうちのいずれか一つ又はこれらの組み合わせからなる。着色部24aが青色顔料を含んで非放電領域10が青色を帯びる場合、画面の色純度と色温度を向上させることができる。
このように着色部24aを含む誘電層24は、アドレス電極12形成の後、非放電領域10に対応する位置に着色部24aを先に形成し、残りの第2基板4の全体を誘電体でコーティングする方法を通じて容易に製作できる。
(第3の実施の形態)
次に、図13に基づいて、第3の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。図13は、本発明の第3の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルを示した部分平面図である。なお、上記第1の実施の形態と同一の構成要素に対しては同一の参照符号を付加している。
図13に示すように、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルにおける放電維持電極30、31は、アドレス電極12方向と交差するバス電極30a、31aから放電セル8R、8G、8Bの内部に延在する突出電極30b、31bを含み、突出電極30b、31bは、対向する端部の中心部に凹部が形成され、その両側に凸部が形成される。
このように突出電極30b、31bの端部中心部に凹部と凸部を形成することにより、一つの放電セル8R、8G、8B内で互いに対向する突出電極30b、31b間に互いに異なる大きさを有する第1放電ギャップ(G1)と第2放電ギャップ(G2)が形成される。即ち、凹部が対向する部位ではロングギャップ(long gap)である第2放電ギャップ(G2)が形成され、この凹部の両側の凸部が対向する部位ではショートギャップ(short gap)である第1放電ギャップ(G1)が形成されることにより、放電セル8R、8G、8Bの中心部で生成し始めたプラズマ放電がさらに効率的に拡散することができ、したがって放電効率を高めることができる。
突出電極30b、31bの端部には、中心部に凹部だけを形成することによってその両側が相対的に凸部になるようにすることができ、通常の端部基準線を中心に凹部と凸部を全て形成することもできる。また、一つの放電セル8R、8G、8Bに対応する一対の突出電極30b、31bの全てが上記のような形状を有することもでき、そのうちのいずれか一側だけが上記のような形状を有するようにすることもできる。
第2基板4と隔壁6が形成される層間には、非放電領域10と対応する位置に外光吸収部38が配置される。このような外光吸収部38は、第1の実施の形態のように第2基板4に形成される誘電層14に隣接するように提供されたり、第2の実施の形態のように非放電領域10に対応する誘電層24の一部が外光吸収機能がある着色部24aからなって、プラズマディスプレイパネルの外光吸収面積を拡大させるようにすることができる。
一方、放電維持電極30、31が第1、第2放電ギャップ(G1)(G2)を隔てて位置して放電開始電圧(Vf)を低くする効果を有することにより、本実施形態においては、放電開始電圧(Vf)を上げなくても放電ガスのXe含量を多くすることができる。したがって、本実施形態にかかる放電ガスは、10%以上、好ましく10〜60%のXeを含有し、多くなったXeの含量により維持放電時より強い真空紫外線を放出して、画面の輝度を高める長所を有する。
(第4の実施の形態)
次に、図14〜図15に基づいて、第4の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。図14は、本発明の第4の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルを示した部分分解斜視図である。図15は、図14の部分拡大図である。なお、上記各実施形態と同一の構成要素は、同一の参照符号を付加している。
図14〜図15に示すように、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルも上記各実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルと同様に、隔壁6によって放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10が区画される。そして、アドレス電極42と交差する方向(図面のy軸方向)に沿って放電維持電極18、20が形成されるが、放電維持電極18、20の各々は、アドレス電極42と交差する方向に延在するバス電極18a、20aとこのバス電極18a、20aから各放電セル8R、8G、8Bの中心に向かって延在し、一対が対向するように形成される突出電極18b、20bとからなる。また、これら放電維持電極18、20は、その役割によって走査電極18と共通電極20とに区分されて各放電セル8R、8G、8Bに対応する。
本実施形態にかかるアドレス電極42は、走査電極18と対向する部分に走査電極18の突出電極18B形状に対応する拡張部42bを形成して、走査電極18との対向面積を拡大させる。即ち、アドレス電極42は、長さ方向に沿ったライン部42aと、走査電極18と対向する部分において、走査電極18の突出電極18a形状に沿って幅方向に拡張された拡張部42bとからなる。
特に、図15に示すように、アドレス電極42の拡張部42bは、プラズマディスプレイパネルを前面から見た場合、その形状が走査電極18の突出電極18B形状と一致するように突出電極18Bの対向部と対向する部分がW3の幅を有する大略的な四角形模様であり、突出電極18Bの後端部と対向する部分がW3より小さいW4の幅を有し、バス電極18aに向かって幅が徐々に狭くなる梯形模様を示す。参考までに、図15にアドレス電極のライン部42a幅をW5に表示しており、アドレス電極42はW3>W5、W4>W5の関係を満たす。
このように、アドレス電極42が走査電極18と対向する部分に前述した拡張部42bを形成することにより、アドレス電極42と走査電極18との間にアドレス電圧を印加する場合にアドレス放電が活性化され、共通電極20の影響を受けないようになる。したがって、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルは、アドレス放電が安定化されてアドレス放電と維持放電時の誤放電を防止し、アドレス電圧マージンが高くなる長所を有する。
本実施形態にかかる第2基板4と隔壁6が形成される層間には、非放電領域10と対応する位置に外光吸収部48が配置される。このような外光吸収部48は、第1の実施の形態のように第2基板4に形成される誘電層14に隣接するように提供されたり、第2の実施の形態のように非放電領域10に対応する誘電層14の一部が外光吸収機能がある着色部からなって、プラズマディスプレイパネルの外光吸収面積を拡大させる。
(第5の実施の形態)
次に、図16に基づいて、第5の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。なお、図16は、本発明の第5の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルを示した部分分解斜視図である。なお、上記各実施形態と同一の構成要素に対しては、同一の参照符号を付加している。
図16に示すように、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルも上記第1の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルと同様に、隔壁6によって放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10が区画される。さらに、アドレス電極12と交差する方向(図面のy軸方向)に沿って放電維持電極が形成されるが、放電維持電極の各々は、その役割によって走査電極(Ya、Yb)と共通電極(Xn、n=1、2、3、…)とに区分されて各放電セル8R、8G、8Bに対応する。
このような走査電極(Ya、Yb)及び共通電極(Xn)は、アドレス電極12と交差する方向に長く延在して形成されるバス電極50b、51bと、このバス電極50b、51bから各放電セル8R、8G、8Bの中心に向かって延在し、一対が対向するように形成される突出電極50a、51aとからなる。このとき、走査電極(Ya、Yb)は、アドレス電極との相互作用によって放電セルを選択する役割を果たし、共通電極(Xn)は、走査電極(Ya、Yb)との間で放電開始及び維持放電を起こす役割を果たす。
本実施形態にかかる共通電極(Xn)のバス電極51bは、毎2列の放電セルごとに隣接する放電セルの間に一つずつ配置され、走査電極(Ya、Yb)のバス電極50bは、共通電極(Xn)のバス電極51bの両側に配置される。したがって、奇数列に配置された走査電極をYaとし、偶数列に配置された走査電極をYbとすれば、本実施形態の放電維持電極は、プラズマディスプレイパネル全体的にYa−X1−Yb−Ya−X2−Yb−Ya−X3−Yb−…−Ya−Xn−Ybのようなパターンに配置され、共通電極(Xn)は、両側に隣接した放電セル全ての放電に関与できるようになる。
また、共通電極(Xn)のバス電極51bは、走査電極(Ya、Yb)のバス電極50bより配列方向の幅がさらに大きく形成されるが、これは共通電極(Xn)のバス電極51bが外光を吸収することによって明室コントラストを向上させるからである。
本実施形態にかかる第2基板4と隔壁6が形成される層間には、非放電領域10と対応する位置に外光吸収部58が配置される。このような外光吸収部は、第1の実施の形態のように第2基板4に形成される誘電層に隣接するように提供されたり、第2の実施の形態のように非放電領域10に対応する誘電層の一部が外光吸収機能がある着色部からなって、プラズマディスプレイパネルの外光吸収面積を拡大させる。
(第6の実施の形態)
次に、図17〜図18に基づいて、第6の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。なお、図17は、本発明の第6の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの部分分解斜視図である。図18は、第1基板の部分断面図である。なお、上記各実施形態と同一の構成要素に対しては、同一の参照符号を付加している。
図17〜図18に示すように、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルは、上記第1の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルと同様な基本的な構成を有する。即ち、第1基板2と第2基板4が任意の間隔をおいて互いに対向配置され、両基板の間の空間には、隔壁6によって区画される放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10が備えられる。さらに、本実施形態においては、外光が入射する第1基板2の外側面の非放電領域10に対応する位置に外光反射を抑制するための外光吸収部68が形成される。
より具体的に、隔壁6は、各々の放電セル8R、8G、8Bをアドレス電極14方向と、アドレス電極14と直交する方向(図面のx軸方向)とに沿って区画し、各々の放電セル8R、8G、8Bは、放電ガスの拡散形態を考慮して最適化された形状に構成される。これとともに、隣接した各放電セル8R、8G、8Bの中心を結ぶ横軸(H)と縦軸(V)を仮定した場合、この横軸(H)と縦軸(V)によって囲まれた領域内に非放電領域10が位置する。
放電セル8R、8G、8Bの最適化された構造は、各々の放電セル8R、8G、8Bからアドレス電極14方向に位置する両側端部の幅(アドレス電極と直交する方向による幅)が、各放電セル8R、8G、8Bの中心から遠くなるほど狭くなる形状を意味する。
放電維持電極18、20は、ストライプパターンに形成されて各放電セル8R、8G、8Bに一対が対応するバス電極18a、20aと、バス電極18a、20aから各放電セル8R、8G、8Bの内部に向かって延在し、一対が対向するように形成される突出電極18b、20bとからなる。このような突出電極18b、20bは、第1の実施の形態の図2を参照すれば、放電セル8R、8G、8Bの両側端部に対応する後端部の両側辺の放電セル8R、8G、8Bの内壁と並んで形成されることができる。即ち、本実施形態にかかる突出電極18b、20bの後端部は、放電セル8R、8G、8Bの端部形状と一致するように、バス電極18a、20aに向かって幅が狭くなる梯形形状に形成される。
外光が入射する第1基板2の外側面には、非放電領域10に対応する位置に複数の外光吸収部68が形成される。外光吸収部68は、非放電領域10に対応する位置特性により、蛍光層16R、16G、16bの発光による表示光を遮らずにプラズマディスプレイパネルに入射する外光の一部を吸収して、外光反射遮断効果を極大化する。
このような外光吸収部68は、図18に詳細に示すように、第1基板2の外側において非放電領域10に対応して所定の深さを有するように形成される溝68aと、この溝68aに満たされる黒色の光遮断物質68Bとからなる。光遮断物質68Bは黒色を示す材料であれば差し支えず、例えば、従来の遮断膜と同一材料でもよい。
溝68aは、通常のサンドブラスト(sand blast)あるいはエッチング方法によって第1基板2の外側に容易に形成されることができ、溝68aの深さは、第1基板2にクラックが発生しない適正範囲、好ましく100〜300μmの深さで形成されることができる。そして、外光吸収部68の平面形状は非放電領域10の平面形状と同一に形成されることができるが、必ずこれに限定されない。
外光吸収部68は、プラズマディスプレイパネルに入射する外光を吸収(図18の矢印参考)して外光が放電セル内部に透過することを抑制する。したがって、外光吸収部68が第1基板2の外側で起きる外光反射を最小化して画面の明室コントラストを向上させ、外光反射によって画面の一部が遮れる現象を効果的に防止する。さらに、外光吸収部68は第1基板2の内面でない第1基板2の外側に位置するので、放電セル8R、8G、8Bに影響を与えずに放電セル8R、8G、8Bの異常放電を予防する効果がある。
第6の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルは、その本来の特徴を維持した状態で上記第3の実施の形態〜第5の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの特徴を選択的に適用することができる。
(第7の実施の形態)
次に、図19〜図20に基づいて、第7の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。図19は、本発明の第7の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの部分分解斜視図である。図20は、第1基板の部分断面図である。なお、上記各実施形態と同一の構成要素に対しては、同一な参照符号を付加している。
図19〜図20に示すように、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルも上記第1の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルと同様に、互いに対向する第1基板2と第2基板4との間の空間において、隔壁6によって放電セル8R、8G、8Bと非放電領域10が区画される。そして、一方向に沿って複数が並べて形成されるアドレス電極12と交差する方向(図面のy軸方向)に沿って放電維持電極18、20が形成されて、各放電セル27R、27G、27Bに対応する。このような放電維持電極18、20は、各々アドレス電極12の方向に長く延在して形成されるバス電極18a、20aと、これらから各々延在して一対が互いに対向するように形成される突出電極18b、20bとを含み、突出電極18b、20bは、放電セル8R、8G、8Bの中心から遠くなるほど幅が狭くなるように形成される。
非放電領域10と対向する第1基板2の内面には、蛍光層16R、16G、16bを構成する赤、緑、青色の蛍光体のうち輝度比が相対的に最も低い色相の顔料を含む色補償部71が備えられる。色補償部71は図20によく示されているように、赤、緑、青色の蛍光体のうち輝度比が最も低い色相の顔料が塗布された膜からなり、非放電領域10の平面形状と同一な模様に形成されることができる。
即ち、色補償部71は、赤、緑、青色の蛍光体のうち赤色の輝度比が最も低い場合、赤色の顔料が塗布された膜となって赤色を補償し、緑色の輝度比が最も低い場合、緑色の顔料が塗布された膜となって緑色を補償する。また、色補償部71は、赤、緑、青色の蛍光体のうち青色の輝度比が最も低い場合、青色の顔料が塗布された膜となって青色を補償する。
したがって、本実施形態にかかるプラズマディスプレイパネルは、色補償部71により色純度と色温度を向上させ、ガンマ補正がなくても白色輝度を高める効果がある。また、色補償部71がパネル外部において第1基板2を透過した外光を一定部分吸収するので、画面の明暗比を向上させる効果も得られる。
好ましく、色補償部71は、第1基板2に形成された色補償部71の全体面積が第1基板2面積の50%以下となるように形成される。また、色補償部71は、光透過による色補償率、即ち、色温度上昇比率が第1基板2、突出電極18b、20b、透明誘電層24、及びMgO保護膜26の透過率を合せたものより小さく、従来のブラックストライプの光透過率より大きいことを特徴とする。
(第8の実施の形態)
次に、図21に基づいて、第8の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。なお、図21は、第8の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルを示したものである。
本実施形態においては、図21に示すように、上記実施形態の構造を基本としながら、色補償部73が第1基板2内面に形成されず、第2基板4に備えられた非放電領域10内に形成されることによってプラズマディスプレイパネルを構成する。即ち、本変形例で色補償部73は非放電領域10を囲む隔壁6の側面と誘電層14の上面にかけて形成され、赤、緑、青色の蛍光体のうち輝度比が最も低い顔料を含む。
(第9の実施の形態)
次に、図22に基づいて、第9の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。なお、図22は、第9の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルを示したものである。
本実施形態においては、色補償部71、73は非放電領域10と対向する第1基板2の内面に形成されると同時に、第2基板4において非放電領域10を囲む隔壁6の側面と誘電層14の上面にかけて形成される。
(第10の実施の形態)
次に、図23に基づいて、第10の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの構成について説明する。なお、図23は、第10の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルを示したものである。
本実施形態においては、色補償部75が第1基板2内面に形成されず、第1基板2の外側面において非放電領域10と対応する位置に備えられてプラズマディスプレイパネルを構成する。特に、本変形例で色補償部75は、第1基板2の外側面で所定の深さを有するように形成される溝75aと、この溝75aに満たされる顔料層75bとからなる。
溝75aは、通常のサンドブラスト又はエッチング方法によって第1基板2の外面に容易に形成でき、溝75aの深さは第1基板2にクラックが発生しない適正範囲、好ましくは100〜300μmの深さで形成されることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
また、上記第8の実施の形態と第9の実施の形態においては、第1基板2に形成された色補償部71は非放電領域10の平面形状と同一な模様からなるが、必ずこれに限定されない。
また、上記第7の実施の形態〜第10の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルは、その本来の特徴を維持した状態で上記第3の実施の形態〜第5の実施の形態にかかるプラズマディスプレイパネルの特徴を選択的に適用することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明の第1実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 図1の組立状態を示す部分平面図である。 図1の組立状態で、A−A線に沿って切断した部分断面図である。 図1のB−B線に沿って切断した部分断面図である。 本発明の第1実施形態の変形例を示した断面図である。 同実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す説明図である。 同実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す説明図である。 同実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す説明図である。 同実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す説明図である。 同実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 図11のE−E線に沿って切断した部分断面図である。 本発明の第3実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの部分平面図である。 本発明の第4実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 図14の1放電セルを拡大した部分平面図である。 本発明の第5実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの部分平面図である。 本発明の第6実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 同実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの前面基板の部分断面図である。 本発明の第7実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 同実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの前面基板の部分断面図である。 本発明の第8実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 本発明の第9実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。 本発明の第10実施形態に係るプラズマディスプレイパネルの断面図である。 従来技術に係るプラズマディスプレイパネルの分解斜視図である。
符号の説明
2 第1基板
4 第2基板
6、105 隔壁
6a 第1隔壁部材
6b 第2隔壁部材
8R、8G、8B 放電セル
10 非放電領域
12、42、101 アドレス電極
14、24、103、116 誘電層
14a、68a、75a 溝
16R、16G、16B、107 蛍光体層
18 走査電極
18a、20a、30a、31a、50b、51b バス電極
18b、20b、30b、31b、50a、51a 突出電極
20 共通電極
22、30、31、112、113、114 放電維持電極
24a 着色部
26、118 MgO保護膜
28、38、48、58、68 外光吸収部
42a ライン部
42b 拡張部
68b 光遮断物質
71、73、75 色補償部
75b 顔料層
100 背面基板
110 前面基板

Claims (13)

  1. 互いに対向配置される第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間の空間に配置されて複数の放電セルと非放電区域を区画する隔壁と、
    前記各々の放電セル内に形成される蛍光体層と、
    前記第1基板上に第1方向に長く延びて形成される放電維持電極と、
    前記第2基板上に前記第1方向と交差する第2方向に長く延びて形成されるアドレス電極と、
    前記第2基板に形成されて前記アドレス電極を覆う誘電層と、
    を含み、
    前記各非放電区域は、隣接して配置された各4つの前記放電セルのうち、前記第1方向に並んで配置された2つの前記放電セルを区画する第1の隔壁と、前記第2方向に並んで配置された2つの前記放電セルを区画する第2の隔壁とが交差する位置に設けられ、当該第1及び第2の隔壁により前記各4つの放電セルと隔てられた空間であり、
    前記第1方向に沿った前記各非放電区域の最大幅は、前記第1方向に隣接した放電セルの間の最小距離より大きく、前記第2方向に沿った前記各非放電区域の最大幅は、前記第2方向に隣接した放電セル間の最小距離より大きく、
    前記第2基板と前記隔壁が形成される層間において前記非放電区域に対応する位置に形成される外光吸収部を含み、
    前記誘電層上に前記非放電区域と対応する溝が備えられると共に、当該溝の内部に前記外光吸収部が位置する
    ことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
  2. 前記外光吸収部は、前記非放電区域の平面形状に近い形状を有することを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  3. 前記隣接した放電セルを区画する隔壁が前記非放電区域をセル構造に形成することを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  4. 前記セル構造に形成される非放電区域が対角に隣接した放電セルを区画することを特徴とする、請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  5. 前記外光吸収部は、前記非放電区域に対応する前記誘電層の一部が外光吸収機能のある着色部からなることを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
  6. 前記着色部は、黒色顔料と青色顔料のうちのいずれか一つ又はこれらの混合物を含んで形成されることを特徴とする、請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  7. 前記黒色顔料は、FeO、RuO、TiO、Ti、Ni、CrO、MnO、Mn、Mo、Fe、及びこれらの混合物からなる群より少なくとも一つ以上選択される顔料であることを特徴とする、請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  8. 前記青色顔料は、Co、CoO、Nd、及びこれらの混合物からなる群より少なくとも一つ以上選択される顔料であることを特徴とする、請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  9. 互いに対向配置される第1基板及び第2基板と、
    前記第1基板と前記第2基板との間の空間に配置されて複数の放電セルと非放電区域を区画する隔壁と、
    前記各々の放電セル内に形成される蛍光体層と、
    前記第1基板上に第1方向に長く延びて形成される放電維持電極と、
    前記第2基板上に前記第1方向と交差する第2方向に長く延びて形成されるアドレス電極と、
    前記第2基板に形成されて前記アドレス電極を覆う誘電層と、
    を含み、
    前記各非放電区域は、隣接して配置された各4つの前記放電セルのうち、前記第1方向に並んで配置された2つの前記放電セルを区画する第1の隔壁と、前記第2方向に並んで配置された2つの前記放電セルを区画する第2の隔壁とが交差する位置に設けられ、当該第1及び第2の隔壁により前記各4つの放電セルと隔てられた空間であり、
    前記第1方向に沿った前記各非放電区域の最大幅は、前記第1方向に隣接した放電セルの間の最小距離より大きく、前記第2方向に沿った前記各非放電区域の最大幅は、前記第2方向に隣接した放電セル間の最小距離より大きく、
    前記第1基板の外側面において、前記非放電区域に対応する位置に形成される外光吸収部を含み、
    前記外光吸収部は、前記第1基板の外側面に所定の深さを有するように溝が形成されると共に、当該溝に光吸収物質が満たされる
    ことを特徴とする、プラズマディスプレイパネル。
  10. 前記外光吸収部は、前記非放電区域の平面形状に近い形状を有することを特徴とする、請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  11. 前記溝の深さは、100〜300μmの範囲に属することを特徴とする、請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  12. 前記光吸収物質が黒色を有することを特徴とする、請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
  13. 前記隣接した放電セルを区画する隔壁が前記非放電区域をセル構造に形成することを特徴とする、請求項に記載のプラズマディスプレイパネル。
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