JPH0594772A - プラズマデイスプレイパネル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】面放電を利用したＡＣ放電型プラズマディスプ
レイパネルで表示セルごとに絶縁体の壁を用いて隔てら
れた構造を持つ隔壁分離型パネルにおいて、各セルの放
電特性を均一にすることができ、各表示セル間の作製上
のばらつきによる点火電圧のばらつきの影響を最小限に
抑えて、駆動を容易にする。 【構成】各表示セル空間を絶縁体隔壁にプライミングホ
ールを形成し、放電時に生じるプライミング粒子の拡散
を容易にし、さらに上記プライミングホールを行電極を
有する第１絶縁基板寄りに設けることにより、行電極上
に多数存在するプライミング粒子を効率よく利用するこ
とができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は情報装置やパソコンのデ
ィスプレイ、あるいはテレビジョンの画像表示などに用
いられるプラズマディスプレイに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】プラズマディスプレイパネルはフラット
ディスプレイの中でも大要領、応答速度が速い、視野角
が広いなどの特徴を有しており、大面積ディスプレイに
適している。特に、図３および図４に示す面放電を利用
したａｃ放電型プラズマディスプレイパネルはメモリ特
性を有し高効率、長寿命なパネルであり、表示セルごと
に絶縁体の壁で隔てられた構造を持つ隔壁分離型パネル
では電気的および光学的なクロストークを抑えることが
可能である。図３ないしは図４において１はガラスより
なる第１絶縁基板、２はガラスよりなる第２絶縁基板、
３は金属薄膜などによるトレース電極１０をもち透明電
極によってなる行電極、４は列電極、５は希ガス等の放
電ガスが充填される放電ガス空間、６は第１絶縁基板１
と第２絶縁基板によって挟み込まれ、各表示セル１２の
間を区切る絶縁体隔壁、また、７は放電ガスの放電によ
り発生した紫外光によって発光する蛍光体、８は電極を
覆う絶縁体、９はガス放電より絶縁体を保護するＭｇＯ
等の保護膜である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記構
造のプラズマディスプレイパネルでは各表示セル間のプ
ライミング粒子の拡散がほとんど生じないためにパネル
全体の均一な表示に支障をきたしていた。この傾向は、
特にパネル面積が大きくなるほど顕著となり、点灯電圧
に不均一性を生じ、パネル駆動に支障をきたしていた。

【０００４】点灯電圧の均一化を図るために、プライミ
ング粒子拡散の障害となる絶縁体隔壁を除去すると点灯
の不均一性は小さくなるものの選択セル近傍の誤点灯、
誤消去の原因となり、かつ、蛍光体を励起する紫外光
が、発光すべきセルの隣接セルに漏れ、上記第２絶縁基
板２に塗り分けられた蛍光体７からの発光による光学的
なクロストークが生じる。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は行電極を有する
第１絶縁基板１と第２絶縁基板２とで、各表示セルを隔
てる絶縁体の壁６を挟み込んで、周辺部のシール材を溶
融し密着させて放電ガスを封入したプラズマディスプレ
イパネルにおいて、各表示セル空間５を結合するプライ
ミングホール１１を絶縁体隔壁６に形成したことを特徴
とし、また、行電極を有し、誘電体膜を形成した第１絶
縁基板１寄りに絶縁体隔壁６に形成したプライミングホ
ール１を設けたことを特徴とする。

【０００６】

【作用】本発明においては、各表示セル空間を上記プラ
イミングホールにより結合することで、放電時に生じる
プライミング粒子の拡散を容易にし、表示点灯時に見ら
れる点火電圧の高い表示セルの点火電圧を、近傍の点火
電圧の低い放電セルから拡散してきたプライミング粒子
によって低減することができ、パネル全体の点火電圧の
不均一性の低下が可能となった。さらに、上記プライミ
ングホールを行電極を有する上記第１絶縁基板より設け
ることにより、行電極上に多数存在するプライミング粒
子を効率良く利用できるようになった。

【０００７】

【実施例】図１は本発明を適応する面放型プラズマディ
スクプレイパネルの一実施例構成を示す構造断面図、図
２は図１の斜視図を示し、図３及び４と同じ部分には同
一な符号を付してある。図１ないしは図２において１は
２ｍｍ厚のソーダガラスよりなる第１絶縁基板、２やは
り２ｍｍ厚のソーダガラスよりなる第２絶縁基板、３は
厚さ２μｍのＡｌ薄膜によりなるトレース電極１０を積
層した透明なネサ電極によりなる行電極、４やはり２μ
ｍのＡｌ薄膜によりなる列電極、５は全圧で２００Ｔｏ
ｒｒで４％のＸｅを混合したＨｅよりなる放電ガスが充
填させる放電ガス空間、６は第１絶縁基板と第２絶縁基
板２によって挟み込まれ、各表示セル１２の間を区切る
絶縁体隔壁、図１と図３と対比すれば明かであるが、本
発明では各表示セルにおける絶縁体隔壁６の側面にプラ
イミング粒子の拡散が可能な程度の大きさを持つプライ
ミングホール１１を設けている。上記絶縁体隔壁６のプ
ライミングホール１１によって著しくパネル特性が向上
するわけである。

【０００８】絶縁体隔壁６に形成したプライミングホー
ル１１は、第１絶縁基板寄り、第２絶縁基板寄り、両基
板のほぼ真ん中付近と３箇所の個別に設けたセル構造の
面放電型プラズマディスプレイパネルを比較した場合に
は第１絶縁基板面に近いものが、よりパネル内のセル点
火電圧のばらつきが小さかった。このプライミングホー
ル１１の形状は任意であるが、光学的な混色および電気
的な強いカップリングによる誤点灯を防ぐのみでなく、
隔壁にはスペーサとしての役割があるため、強度を保つ
意味でも１壁面面積の半分以下をプライミングホールと
して使用することが好ましかった。また、絶縁体隔壁６
の厚さの１０分の１以上の大きさの径をもつ円形断面積
と等しい断面積を有するプライミングホールが、より良
好なプライミング特性を示した。なお、このようなプラ
イミングホール１１を設けた絶縁体隔壁６は第１絶縁基
板１側と第２絶縁基板２側に分割して、たとえば、スク
リーン印刷の多数回印刷により形成するが、図５に示す
ように、それぞれの基板上にプライミングホールとなる
溝１３が形成されるように途中でスクリーンパターンを
変えてつくり、２つの基板を組み合わせることで容易に
形成することが可能である。

【０００９】７は放電ガスの放電により発生した紫外光
によって発光するＺｎ₂ ＳｉＯ₄ ：Ｍｎよりなる蛍光
体、８は電極を覆う厚膜の透明グレーズよりなる絶縁
体、９はガス放電より絶縁体を保護する厚さ２μｍのＭ
ｇＯの保護膜である。

【００１０】

【発明の効果】以上の説明で明かなように、本発明によ
る絶縁体隔壁６のプライミングホール１１をもつプラズ
マディスプレイパネルを大画面の表示パネルとして用い
ると、各セルの放電特性を均一にすることができ、各表
示セル間の作成上のばらつきによる点火電圧のばらつき
の影響を最小限に抑えて、駆動を容易にすることが可能
となり、プラズマディスプレイパネルの製造上、非常に
有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を使用したプラズマディスプレイパネル
の構造断面図である。

【図２】本発明を使用したプラズマディスプレイパネル
の斜視図である。

【図３】従来のプラズマディスプレイパネルの構造断面
図である。

【図４】従来のプラズマディスプレイパネルの斜視図で
ある。

【図５】絶縁体隔壁の製造途中の拡大図。

【符号の説明】

１ 第１絶縁層基板 ２ 第２絶縁層基板 ３ 行電極 ４ 列電極 ５ 放電ガス空間 ６ 絶縁体隔壁 ７ 蛍光体 ８ 絶縁体 ９ 保護膜 １０ トレース電極 １１ プライミングホール １２ 表示セル １３ プライミングホールとなる溝

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 行電極を有する第１絶縁基板と第２絶縁
   基板とで、各表示セルを隔てる絶縁体隔壁を挟み込ん
   で、周辺部のシール材を溶融し密着させて表示セル空間
   内に放電ガスを封入したプラズマディスプレイパネルに
   おいて、各表示セル空間を結合するプライミングホール
   を絶縁体隔壁に形成したことを特徴とするプラズマディ
   スプレイパネル。
2. 【請求項２】 請求項１に記載のプラズマディスプレイ
   パネルにおいて、行電極を有する第１絶縁基板寄りに絶
   縁体隔壁に形成したプライミングホールを設けたことを
   特徴とするプラズマディスプレイパネル。