JP3435650B1 - 6角形状隔壁リブセル構造のpdp - Google Patents

6角形状隔壁リブセル構造のpdp

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JP3435650B1
JP3435650B1 JP2002109465A JP2002109465A JP3435650B1 JP 3435650 B1 JP3435650 B1 JP 3435650B1 JP 2002109465 A JP2002109465 A JP 2002109465A JP 2002109465 A JP2002109465 A JP 2002109465A JP 3435650 B1 JP3435650 B1 JP 3435650B1
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Abstract

【要約】 【課題】 AC型PDPにおいて、隣接する上下セルの
電荷移動をできるだけ抑制しながら、その上下セル間に
ある電極間の距離を短く設定して、発光効率を高めるP
DPを提供するのがその目的である。 【解決手段】 従来の一般的な背面パネルのストライプ
形態の背面隔壁リブに対して、その背面隔壁リブの両側
面から突出する隔壁リブを設けてその先端を接続して突
起隔壁リブを備え、各セルを背面隔壁リブと突起隔壁リ
ブを左右、上下で囲み、ほぼ6角形状のHEXAGON
形態セル構造を形成し、左右に加えて上下セルの電荷移
動を防止し、これにより非放電領域の面積を減少させて
発光効率を向上させる構成のPDPとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、AC型プラズマデ
ィスプレーパネル(PDP)に係り、特に、背面パネル
に背面隔壁リブに加えて背面隔壁リブの側壁両側へ3角
状に突出する壁リブを接続させた突起隔壁リブを形成さ
せ、PDPの各放電セルの周囲をそれらの隔壁リブで構
成し、ほぼ6角形状のセル構造とし、左右セルへの誤放
電防止に加えて上下セルへの誤放電防止機能のあるPD
Pに関する。
【0002】
【従来の技術】PDPは前面パネルと背面パネルの2枚
の板状ガラスを張合わせ、多くの微小空間であるセル構
造を形成させ、封入したガスを放電させ、ガス放電によ
り発生した紫外線がそのセル内の蛍光体を励起させ、可
視光を得て、表示動作させる自発光型ディスプレイであ
る。その中の従来の一般的なAC型PDPの構成につい
て、図4、図5により以下に説明する。
【0003】図4(a)、(b)にはその背面パネル
2′と前面パネル1′をそれぞれ示す。
【0004】図5(b)は前記背面パネル2′上側に前
記前面パネル1′を搭載し、それぞれの電極を直交する
ように対向させ組立てた状態の電極構成の断面図を示
す。
【0005】その断面図は後述する前面パネルと1′の
第1の金属電極11に沿って、その電極線位置でパネル
面に垂直に切断した組立断面図である。また、図5
(c)は図5(b)のX−X断面を示す。
【0006】図5(a)は組立られたPDPの平面図で
あり、背面パネル2′側の電極配置と前面パネル1′側
の電極配置とが直交した状態を示している。但し、前面
パネル1′のガラス基板10を取除いた状態を図示して
ある。
【0007】以下、詳細に、図4、5の示す電極構造を
説明する。前面パネル1′は、そのガラス基板10上に
一方向(図では水平方向)に延びたITO膜などの第1
の透明電極13′及びその上の一端側にバス電極線とな
るスキャン用第1の金属電極(Ag)11を積層した第
1の複合電極15と、その第1の複合電極15に並行す
る第2の透明電極13″及びその上にバス電極線として
放電維持のサステン用第2の金属電極を積層した第2の
複合電極16とにより構成される複数の複合電極対が、
その対の第1及び第2の透明電極13′、13″間で所
定の放電間隙長を離して対向配置され、それらの電極対
の各中心位置を第1の所定ピッチ間隔長P1で配列され
るバス電極構成である。
【0008】さらに、それらのバス電極対15、16を
覆うようにして透明な誘電体層14が形成され、その上
に薄い保護膜(MgO)17が形成される。(図4には
図示されていないが、図5(b)、(c)の断面図に図
示されている。)
【0009】なお、バス電極対15、16と、それに隣
接するバス電極対15、16との間にはブラックストラ
イプの領域19がある。(図4(b)及び図5(c)に
図示されている。)
【0010】一方、背面パネル2′は、そのガラス基板
20上に前記方向に直行する垂直方向に延びる複数のデ
ータ用第3背面電極21の中心位置が第2の所定ピッチ
間隔P2で配列され、それらを覆うようにして白色誘電
体層23が形成され、その上に第3の背面金属電極21
の中間部に沿って背面隔壁リブ22を形成させ、その背
面隔壁リブ22の底面にある白色誘電体層23を覆うよ
うにして蛍光体(R、B、G)24が形成される。
【0011】第1及び第2の複合電極対15、16と、
第3の背面金属電極21との間には放電ガス空間を介し
てそれらの電極群が直交するように対向して配置され
て、複数のセル構成を形成し、第1の複合電極15と第
3の電極21により第1の複合電極15が逐次スキャン
した行の発光させるべきセルを帯電させるアドレッシン
グを順次行を選択して行うと共に、第2の複合電極16
によってそのセル面放電発光を維持するいわゆる3電極
面放電機構である。
【0012】図5(a)は、その面放電発光のセルの放
電領域Aと、それらセル間のブラックストライプ19領
域を含む非放電領域Bについて示したものである。
【0013】図5(a)において、Wは背面隔壁22間
の間隙長である。Lは第1及び第2金属電極11,12
間の垂直方向のセル発光部の放電電極間隙長である。ま
た、Mは、第1及び第2の複合電極15、16対のセル
と隣接する複合電極15、16対のセルとの間であるセ
ル間の非放電領域の垂直方向の長さである。このセル間
には通常ブラックストライプ領域19がある。
【0014】従ってセルの放電領域Aは面積L×Wであ
り、セル間の非放電領域Bは面積M×Wである。
【0015】従来の通常の背面隔壁形態のAC型PDP
では上下セルへの誤放電を防止するためのL/Mは1程
度に設定されていた。すなわち、発光効率に関係する面
積比A/(A+B)は50%程度であった。尚、以上の
ようなPDPに関しては、例えば、特開平6−2677
42号公報などに数多く公開されている。
【0016】以上のような従来の一般的なAC型PDP
は以下に示す問題点があった。すなわち、背面隔壁リブ
22により放電時、セルの左右方向に越えて行く電荷を
遮断して誤放電が起きることを防止している。しかしこ
のような構造は上下セル間の電荷移動を防止する隔壁が
ないために上下セル間の電荷移動はバス電極間、つま
り、隣接セル間の距離を大きくして誤放電現象を防止し
ている。
【0017】このような従来のストライプ形態の隔壁構
造は上側セルと下側セルの区分を隔壁でなく電極間の距
離で電荷移動を抑制するために、前述したようにセル放
電領域Aと、隣接セル間の非放電領域Bにわけられるよ
うになり、可視光線はセル放電領域Aからのみ得ること
になり、発光効率は、A/(A+B)の比で低下する。
【0018】そこで、可能な限り各セルの放電領域Aの
面積L×Wを広くし隣接セル間の非放電領域Bの面積M
×Wを狭くして発光効率を向上させるようにするが、次
第に上下セル間が狭くなり誤放電が起こり不安定となる
画質の鮮明度が低下する。
【0019】従来の背面隔壁リブのみのストライプ形態
のPDPにおいては、実用となるA/(A+B)の値は
50%程度であり、それ以上は約60%程度までが限度
であった。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前述した問題
点に鑑みてなされたものであり、隣接する上下セルの電
荷移動をできるだけ抑制しながら、その上下セル間にあ
る電極間の距離を短く設定して、前記発光効率を高める
PDPを提供するのがその目的である。
【0021】これを実現させるために従来の一般的な背
面パネル1′のストライプ隔壁形態に対して、さらにそ
の隔壁リブ22に垂直に突出した突起隔壁リブを設け、
左右セル間の電荷移動の抑制に加えて上下セル間の電荷
移動を抑制するようにして各セル毎に周囲を隔壁リブで
取り巻かれるようにするものである。
【0022】以上のようにして、放電時における上下セ
ル間の電荷移動を最大限に抑制できると共に、上下セル
間のバス電極間の距離を従来より大幅に減らすことがで
きる。
【0023】従って、単位面積当たりの可視光線が従来
より多くなり発光効率を向上させる構成となる。
【0024】また、従来のストライプ形態の隔壁リブ2
2に対して、本発明のセル毎に周囲を取り巻くように突
起隔壁リブを加えることによりセル間の非放電領域Bを
減少させ、セルの放電領域Aをその分増加させ、蛍光体
24の塗布面積が増加し、単位セルあたりの可視光線の
発光面積の増加により輝度を向上させることができる。
【0025】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明の6角形状隔壁リブセル構造のPDPは、水
平方向に延びる第1の透明電極及びその上にバス電極線
としてスキャン用第1金属電極を積層した第1の複合電
極と、その第1の複合電極に並行する第2の透明電極及
びその上にバス電極線として放電維持のサステン用第2
の金属電極を積層した第2の複合電極とにより構成され
る複数の複合電極対が、その対の第1及び第2の透明電
極間で所定の放電間隙長を離して対抗配置され、その電
極対の各中心位置を第1の所定ピッチ間隔で配列される
バス電極構成の前面パネルと、垂直方向に延びる複数の
データ用第3背面金属電極の中心位置が第2の所定ピッ
チ間隔で配置され、それぞれの電極間に背面隔壁リブを
配設する電極構成の背面パネルとを放電ガス空間を挟ん
で対向させる封合によりセル群構造を形成させ、第1及
び第3の電極により前記セルのアドレッシングを行い、
第1及び第2の電極よりその選択されたセル群の放電を
維持するようにしたAC型PDPにおいて、前記背面パ
ネルの第2の所定ピッチで配置された背面隔壁リブ群
は、その両側面から第1の所定ピッチ毎にそれぞれ左右
双方向へ3角形状に突出する突起壁リブとそれら突起壁
リブ先端が対向隣接する背面隔壁リブの、突起リブ先端
に接続される突起隔壁リブによる構造に形成され、その
各セルはそれぞれ水平方向は背面壁リブにより、且つ
垂直方向は突起隔壁リブによりほぼ6角形状隔壁リブで
周囲を取巻くHEXAGON形態セル構造を備え、前記
突起隔壁リブにより上下方向の電荷移動を抑制できるの
で、前記前面パネルにおける前記複合電極対は、その隣
接する複合電極対との対間隙長を短く形成させ複合電極
対の第1及び第2の金属電極の間隙巾Lと、背面隔壁間
隙巾Wとの積であるセル電領域Aと、第2の金属電極
とそれに隣接するセルの第1の金属電極との間の間隙巾
Mと背面隔壁間隙巾Wとの積であるセル間非放電領域B
との比A/Bを増加させ発光効率を向上できることを特
徴とする。
【0026】また、前記HEXAGON形態セル構造の
形成に際しては、前記突起隔壁リブの壁巾は、前記背面
隔壁リブの壁巾の50〜60%の構造に形成し、その焼
成工程時に、焼成温度550℃で10分間焼成し、焼成
後は壁巾の狭い突起隔壁リブの高さが、背面隔壁リブの
高さより3〜5μm低くなるようにして、次の排気工程
及びガス投入工程の際のガス分子の円滑な通路となるこ
とを特徴とする。
【0027】また、前記HEXAGON形態セル構造の
形成に際しては、その構造をサンドブラスト加工工程に
より形成し、その突起隔壁リブの高さと、背面隔壁リブ
の高さに差異ができるようにすることを特徴とする。
【0028】また、前記HEXAGON形態セル構造の
形成に際して、前記背面隔壁リブより左右双方向へ3角
形状に突出する突起壁リブのほぼ菱形上の中心にホール
部を設け、そのホール部周囲リブの壁巾が背面隔壁リブ
の壁巾とほぼ同一線巾の構造に形成し、その構造により
焼成工程後ホール部周囲リブと背面隔壁リブの高さが同
じ高さに保つことを特徴とする。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について以下
図に基づいて説明する。
【0030】本発明の6角形状のHEXAGON形態の
背面パネル2ガラス基板20に形成された隔壁リブセル
構造を図1に示し、そのHEXAGON形態背面パネル
2と図4の前面パネル1′のガラス基板10の電極部が
直交するように対向し封合させた構造の一実施の形態の
PDPを図2に示す。
【0031】図1はそのPDPの背面パネル2のガラス
基板20に形成された背面隔壁リブ22及びその背面隔
壁側面からほぼ3角状に突出して、その先端を接続した
突起隔壁リブから周囲を囲まれたほぼ6角形状のHEX
AGON形態隔壁を示す。
【0032】ここで、H−1は上下(或は垂直方向)隣
接セル誤放電防止隔壁、H−3は左右(或は水平方向)
隣接セル誤放電防止隔壁(背面隔壁リブ22の一部分に
相当)、H−2はそれら誤放電防止隔壁H−1,H−3
によって周囲が囲まれた放電セルであり、HEXAGO
N形態のほぼ6角形状を示す。H−4は背面隔壁リブ2
2に、第1の所定ピッチP1毎に設けられたホール部で
あり、その位置からリブ22の両側に前述した3角状に
突出して、両側からの壁を接続して突起隔壁リブH−1
が形成されている。
【0033】そのホール部H−4はその周囲の壁の巾
(厚さ)をほぼ同一となるように穴を形成して、焼成工
程による焼成後のホール部H−4周囲の隔壁リブH−5
の高さを背面隔壁リブ22(或はH−3)の高さと同一
に保つようにする役割をする。
【0034】図1のHEXAGON形態の隔壁は、さら
に以下のような構成が含まれている。この詳細を次に説
明する。
【0035】すなわち、図1に示す背面パネル2と、図
4に示す従来の前面パネル1′とをそれらの電極部が直
交するように対向し封合させた構造の本発明の一実施の
形態であるPDP(図2にその際の放電セル構造の斜視
図を示す)において、その放電セルH−2のHEXAG
ON形態隔壁が周囲全部が隔壁リブで囲まれるため、排
気工程で排気が不充分となり、また、放電ガスをパネル
に供給するとき、円滑な供給ができない恐れがある。
【0036】そこで、図1の上下セル誤放電防止隔壁H
−1(突起隔壁リブ)の壁の高さを、左右セル誤放電防
止隔壁H−3(背面隔壁リブ22の一部)の壁の高さよ
り約3〜5μm程度低くなるようにする。
【0037】焼成工程で隔壁材料が収縮するので、収縮
率が一定であることを判定して隔壁の巾によって収縮す
る量を調節する。
【0038】すなわち、隔壁H−1の隔壁巾が隔壁H−
3の隔壁巾の50〜60%に焼成工程前に形成するよう
にする。以下に示す実験結果により、50〜60%の範
囲より以下の場合は隔壁H−1の焼成後の壁の高さは不
均一となり部分的に切れる場合がある。50〜60%の
範囲以上の場合は壁H−1の高さは壁H−3の高さとほ
とんど変わらない。
【0039】 (H−3とH−1の隔壁巾の差が焼成後に壁の高さへの影響実験結果例) H−3の H−1の 結果(高さ) 隔壁巾(μm) 隔壁巾(μm) 80 <40 △(H−1の部分切れが多い) 80 50 〇(4〜5μmH−1が小さい) 80 60 △(高さの差がない)
【0040】さらに、焼成温度によっても隔壁の形態が
変るので、背面隔壁リブ22、H−3の壁巾の50〜6
0%の突起隔壁リブH−1の壁巾に形成した条件におい
て510℃/10分、550℃/10分、580℃/1
0分の焼成工程の実験結果を下記に示す。
【0041】図1のH−3とH−1の壁の高さの差異
は、580℃/10分の場合は8〜10μm以上の差異
があり、510℃/10分の場合はほとんど差異がな
く、収縮もほとんど発生しない。550℃/10分の場
合は3〜5μmの差異があり、最も良好な結果を得た。
【0042】 (H−3とH−1の隔壁の高さと焼成温度との関係を示す実験結果例) 焼成温度 H−3とH−1の高さの差 結果 510℃/10分 1μm> △ 550℃/10分 3〜5μm 〇 580℃/10分 8μm< ×
【0043】以上の結果により、背面隔壁リブ22、H
−3の壁巾の50〜60%の突起隔壁リブH−1の壁巾
に形成した条件で焼成温度550℃/10分とすれば、
焼成後のH−1の壁の高さが、H−3の壁の高さより3
〜5μm低くなり排気工程、ガス投入工程の際のガス分
子の円滑な通路となる。
【0044】次に、図1のホール部H−4の周囲隔壁H
−5の隔壁の巾が前述したようにできるだけ隔壁H−3
の隔壁の巾と同じに焼成工程前に形成する。この部分に
ホール部H−4を形成しないときには焼成後のホール部
H−4周囲隔壁H−5の高さが隔壁H−3より高くなる
現象が発生する。従って、隔壁H−5と隔壁H−3は同
一の壁巾にする必要性がある。そのためにホール部H−
4を必要とする。すなわち、背面隔壁リブ22の両側面
から3角形状に突出して広い面積の隔壁リブを形成する
が、その中心部分に穴のホール部H−4を設け、その周
囲の隔壁H−5の壁巾を隔壁H−3とほぼ同一に形成す
る。
【0045】またこのような構造により、サンドブラス
ト工程加工時に中心部分も研磨され壁巾同一が維持され
る。尚、放電セルH−2はその研磨はホワイトバックが
完全に表れるようにするが、ホール部H−4の研磨はホ
ワイトバックが表れなくともよい。
【0046】従ってサンドブラストの加工工程は放電セ
ルH−2の形成が完全になる時を基準としてよい。
【0047】 (ホール部H−4に関する焼成工程後の実験結果例) ホール部H−4の形態 焼成温度 H−3とH−5の高さの偏差 穴がない形態 580℃ ×(高さの偏差非常に激しい) 穴がある形態 580℃ △(10μm以内の高さの偏差) 穴がある形態 550℃ 〇(1〜2μm以内の高さの偏差) なお、本発明の突起隔壁リブ構造により、ホワイトバッ
ク表面とのせっしょく面積が従来のストライプ形態に比
較して数倍に広くなるので接着力が増加し、実験結果で
も、その剥離過程で隔壁がレジストと共に落ち出す減少
が殆ど発生しなくなる。
【0048】次に、図2のような本発明の背面パネル2
のガラス基板20と図4の従来からある一般的な前面パ
ネル1′のガラス基板10のそれぞれの電極部(第1、
第2の複合電極15,16と第3の背面金属電極21)
が直交するように対向し、放電ガスを封入して背面パネ
ルと前面パネルを封合させた本発明の一実施の形態の構
成のAC型PDPと従来の一般的な構成のAC型PDP
について、セルの放電領域Aと非放電領域Bの面積を比
較する説明図を図3に示す。
【0049】ここで、A、B、L、M、W、P1につい
ては従来のAC型PDPにおいて説明した符号と同一で
ある。
【0050】図3に示すように、本発明の実施例(a)
と従来例(b)とをW及びP1を一定にして、A、B領
域を比較している。従来例(b)ではL/Mの比はほと
んど同程度すなわちA/Bの比は1或は1を少し超える
程度に設計せざるを得なかった。1を少し越えると上下
隣接セルを放電ガスが移動して誤放電が発生しやすくな
る。
【0051】一方、本発明の実施例ではL/Mの比が数
倍程度に設計しても上下隣接セルとの誤放電を防止でき
る。
【0052】よって、A/Bの比は数倍程度が可能とな
り、発行効率A/(A+B)は向上させることができ
る。
【0053】尚、図3では、Wの背面隔壁リブ間の長さ
をP1の第1の所定ピッチと同じような寸法にして説明
してあるが、Wの長さは金属電極21が配置される第2
の所定ピッチP2に定まるものであり、そのWの長さに
より放電セルH−3の周囲隔壁の形状はほぼ6角形状に
なったり、ほぼ4角形状となったりする。図3の場合は
Wの長さが比較的長いのでほぼ4角形状となる。
【0054】
【発明の効果】本発明の6角形状隔壁リブセル構造のP
DPは以下に示す効果を奏する。
【0055】上下隣接セル間の電荷の移動を抑制する突
起隔壁リブを背面隔壁リブ間に設けたHEXAGON形
態による隔壁リブで周囲を囲むセル構造として、電荷移
動防止のために必要であった非放電領域を必要最小限に
減らして発光効率を従来より大幅に向上させることがで
きる。
【0056】HEXAGON形態の隔壁の囲まれたセル
全体へ蛍光体が塗布できるので、セル全体から可視光線
が出てくるようにできるので、輝度が従来の一般的なP
DPの約20%程度向上できる。
【0057】従来のサンドブラスト工程で隔壁を形成す
る時、従来のストライプ形態の背面隔壁を使用する場
合、剥離過程で隔壁がレジストと共に落ちだす現象が多
く発生した。これは生産収率を低下させる大きな原因の
一つとなっていた。また、これを防止するため、ストラ
イプ形態隔壁ではホワイトバック表面と隔壁の接触面積
を広くして、接着力を増加させる構造を用いた。しかし
接触面積を広くするためには背面隔壁の巾を広くしなけ
ればならないので、これは放電セル面積を狭くすること
になり、それは発光効率を減少させることになる。
【0058】本発明では突起隔壁リブにより発光効率を
減少させずに、その突起隔壁リブにより接触面積が従来
のストライプ形態に比較して数倍に広くなるので接着力
が増加して生産収率が大きく向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の背面パネルガラス基板に形成された背
面隔壁リブ及び突起隔壁リブからなるHEXAGON形
態の構成図である。
【図2】本発明の背面パネルと一般的な前面パネルの電
極部が直交するように対向し封合させた構成の一実施の
形態のPDPセル構造斜視図である。
【図3】本発明のPDPと従来のPDPにおけるセルの
放電領域とセル間非放電領域の面積比の比較説明図であ
る。
【図4】従来のAC型PDPの構成図である。
【図5】(a)は組立てられたPDPの平面図であり、
(b)はその断面図であり、(c)は(b)のX−Xの
断面図である。
【符号の説明】
1、1′ 前面パネル 2、2′ 背面パネル 10 前面パネルのガラス基板 11、11′ スキャン用第1の金属電極 12、12′ サステン用第2の金属電極 13′、13″ それぞれ第1、第2の透明電極(IT
O) 14 誘電体層 15 11と13からなる第1の複合電極 16 12と13からなる第2の複合電極 17 保護膜(MgO) 19 ブラックストライプ領域 20 背面パネルのガラス基板 21 データ用第3の背面金属電極 22 背面隔壁リブ 23 誘電体層 24 蛍光体(R、B、G) H−1 上下隣接セル誤放電防止隔壁(背面隔壁リブ
22の両側面から突出した壁に接した突起隔壁リブ) H−2 放電セル(HEXAGON形態の隔壁リブに
より囲まれる) H−3 左右隣接セル誤放電防止隔壁(背面隔壁リブ
22の一部に相当) H−4 ホール部(周囲リブ壁巾をほぼ同一にするた
めの穴) H−5 ホール部周囲の隔壁リブ A セルの放電領域 B 隣接セル間の非放電領域 L 第1及び第2金属電極間のセル放電電極間隙長 M 第1及び第2複合電極対と隣接する電極対間のセ
ル間隙長 P1 第1及び第2の複合電極対の中心間隔長、第1
の所定ピッチ P2 第3背面金属電極中心間隔長、第2の所定ピッ
チ W 背面隔壁側面間隔長
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01J 11/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向に延びる第1の透明電極及びそ
    の上にバス電極線としてスキャン用第1金属電極を積層
    した第1の複合電極と、その第1の複合電極に並行する
    第2の透明電極及びその上にバス電極線として放電維持
    のサステン用第2の金属電極を積層した第2の複合電極
    とにより構成される複数の複合電極対が、その対の第1
    及び第2の透明電極間で所定の放電間隙長を離して対抗
    配置され、その電極対の各中心位置を第1の所定ピッチ
    間隔で配列されるバス電極構成の前面パネルと、 垂直方向に延びる複数のデータ用第3背面金属電極の中
    心位置が第2の所定ピッチ間隔で配置され、それぞれの
    電極間に背面隔壁リブを配設する電極構成の背面パネル
    とを放電ガス空間を挟んで対向させる封合によりセル群
    構造を形成させ、第1及び第3の電極により前記セルの
    アドレッシングを行い、第1及び第2の電極よりその選
    択されたセル群の放電を維持するようにしたAC型PD
    Pにおいて、 前記背面パネルの第2の所定ピッチで配置された背面隔
    壁リブ群は、その両側面から第1の所定ピッチ毎にそれ
    ぞれ左右双方向へ3角形状に突出する突起壁リブとそれ
    ら突起壁リブ先端が対向隣接する背面隔壁リブの、突起
    リブ先端に接続される突起隔壁リブによる構造に形成さ
    れ、その各セルはそれぞれ水平方向は背面壁リブによ
    り、且つ垂直方向は突起隔壁リブによりほぼ6角形状隔
    壁リブで周囲を取巻くHEXAGON形態セル構造を備
    え、 前記突起隔壁リブにより上下方向の電荷移動を抑制でき
    るので、前記前面パネルにおける前記複合電極対は、そ
    の隣接する複合電極対との対間隙長を短く形成させ複合
    電極対の第1及び第2の金属電極の間隙巾Lと、背面隔
    壁間隙巾Wとの積であるセル電領域Aと、第2の金属
    電極とそれに隣接するセルの第1の金属電極との間の間
    隙巾Mと背面隔壁間隙巾Wとの積であるセル間非放電領
    域Bとの比A/Bを増加させ発光効率を向上できること
    を特徴とする6角形状隔壁リブセル構造のPDP。
  2. 【請求項2】 前記HEXAGON形態セル構造の形成
    に際しては、前記突起隔壁リブの壁巾は、前記背面隔壁
    リブの壁巾の50〜60%の構造に形成し、その焼成工
    程時に、焼成温度550℃で10分間焼成し、焼成後は
    壁巾の狭い突起隔壁リブの高さが、背面隔壁リブの高さ
    より3〜5μm低くなるようにして、次の排気工程及び
    ガス投入工程の際のガス分子の円滑な通路となることを
    特徴とする請求項1記載の6角形状隔壁リブセル構造の
    PDP。
  3. 【請求項3】 前記HEXAGON形態セル構造の形成
    に際しては、その構造をサンドブラスト加工工程により
    形成し、その突起隔壁リブの高さと、背面隔壁リブの高
    さに差異ができるようにすることを特徴とする請求項1
    記載の6角形状隔壁リブセル構造のPDP。
  4. 【請求項4】 前記HEXAGON形態セル構造の形成
    に際して、前記背面隔壁リブより左右双方向へ3角形状
    に突出する突起壁リブのほぼ菱形上の中心にホール部を
    設け、そのホール部周囲リブの壁巾が背面隔壁リブの壁
    巾とほぼ同一線巾の構造に形成し、その構造により焼成
    工程後ホール部周囲リブと背面隔壁リブの高さが同じ高
    さに保つことを特徴とする請求項1記載の6角形状隔壁
    リブセル構造のPDP。
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