図1及び図2に示すように、車両の後部構造10は、車体11の後部11aに設けられた開口部12と、開口部12の近傍に設けられた左右のヒンジ部材13,14と、左右のヒンジ部材13,14に設けられたテールゲート15と、テールゲート15の左右側に設けられた左右のリヤコンビネーションランプ(灯体部材)17,18とを備えている。
車体後部構造10は、テールゲート15を支持する左右のステイ21,22と、左右のステイ21,22の下端部21a,22aが連結される左右の取付台座24(図14参照)と、左右の取付台座24を覆う左右のステイカバー27,28とを備えている。左右の取付台座は、図14に左取付台座24のみを図示して右取付台座は図示しない。
左右のヒンジ部材13,14、左右のリヤコンビネーションランプ17,18、左右のステイ21,22、左右の取付台座24および左右のステイカバー27,28は左右対称の部材なので、左右側の各構成部材に同じ符号を付して左側の部材のみについて説明する。
図3、図4に示すように、車体11は、天井部に設けられたルーフパネル31と、側部に設けられたサイドパネル32と、後部に設けられたリヤアウタパネル33と、リヤアウタパネル33に設けられたリヤインナパネル34(図7参照)と、リヤインナパネル34に設けられた補強部材35(図7参照)とを備えている。
図5に示すように、ルーフパネル31は、左側辺に左側段部31aが形成されている。サイドパネル32は、上辺に上段部32aが形成されている。ルーフパネル31の左側段部31aにサイドパネルの上段部32aが重ね合わされた状態で接合されることでルーフ溝部(モヒカン溝部)37が形成されている。ルーフ溝部37は、ルーフパネル31の左側辺およびサイドパネル32の上辺に沿って車体前後方向に延びるように形成されている。
リヤアウタパネル33は、サイドパネル32およびルーフパネル31に接合されている。すなわち、リヤアウタパネル33は、サイドパネル32およびルーフパネル31に接合されることで車体11の後部に設けられている。このリヤアウタパネル33は、リヤアウタパネル33の中央部に形成された開口部12(図1も参照)と、開口部12の左右側に形成された左右のヒンジ取付部38とを有している。左右のヒンジ取付部38は左右対称の部材なので、左ヒンジ取付部38のみを図示して説明し、右ヒンジ取付部の説明を省略する。
図1に示すように、開口部12は、車体11の後部に、車体11の外部41に対向するように形成されている。この開口部12を経て車体11の荷室42に車体11の外部41から荷物などを積み込む。
図5に示すように、左ヒンジ取付部38は、車体外方側が凹状になるように形成され、ルーフ溝部37の後端部37aに連続して設けられている。左ヒンジ取付部38に左ヒンジ部材13(図3)が取り付けられている。
左ヒンジ取付部38を凹状に形成することで、左ヒンジ取付部38の強度を高くすることができる。これにより、左ヒンジ取付部38に左ヒンジ部材13を強固に固定することができるので、車体11の後部(すなわち、リヤアウタパネル33)にテールゲート15(図1)を強固に取り付けることができる。
ルーフ溝部37は下方に凹んだ溝部で、車体前後方向に延出された部位であり、強度の高い部位である。よって、ルーフ溝部37の後端部37aに左ヒンジ取付部38を連続して設けることで、左ヒンジ取付部38の強度を一層高くすることできる。これにより、左ヒンジ取付部38に左ヒンジ部材13を一層強固に固定することができる。左ヒンジ部材13については後で詳しく説明する。
図6、図7に示すように、リヤアウタパネル33に荷室42(車体内方)側からリヤインナパネル34が設けられている。すなわち、リヤインナパネル34は、リヤアウタパネル33の荷室42側に設けられている。このリヤインナパネル34は、メインインナパネル43およびサブインナパネル44で構成されている。
リヤアウタパネル33とリヤインナパネル34との間において左ヒンジ取付部38(図5)に対応する部位に補強部材35が設けられている。補強部材35は、リヤインナパネル34、ルーフパネル31およびサイドパネル32に接合されている。
具体的には、補強部材35の第1周辺部35a、第2周辺部35bおよび第3周辺部35cがリヤインナパネル34に接合(溶接)されている。第2周辺部35bはリヤアウタパネル33に接合(溶接)されている。さらに、補強部材35の第5周辺部35dおよび第6周辺部35eがサイドパネル32に接合(溶接)されている。
補強部材35の第7周辺部35fがルーフパネル31に接合(溶接)されている。補強部材35のヒンジ取付部35gは、図8に示すように、リヤアウタパネル33の左ヒンジ取付部38を介して車体側ヒンジ部45が取り付けられる部位である。
図6、図7に示すように、補強部材35の第1〜第7の周辺部35a〜35fは、各パネル31,32,34に接合(溶接)されている。このように、補強部材35を各パネル31,32,34に跨って接合することで、左ヒンジ取付部38を補強部材35で補強することができる。
左ヒンジ取付部38を補強部材35で補強することで、左ヒンジ取付部38の強度をさらに高めることができる。これにより、左ヒンジ取付部38に左ヒンジ部材13(図4)を一層強固に固定することができる。
図3、図4に示すように、左ヒンジ部材13は、左ヒンジ取付部38に取り付けられている。左ヒンジ部材13は、左ヒンジ取付部38に固定された車体側ヒンジ部45と、車体側ヒンジ部45に連結されるドア側ヒンジ部48と、ドア側ヒンジ部48を車体側ヒンジ部45に回動自在に支持する支持ピン54とを備えている。
車体側ヒンジ部45は、左ヒンジ取付部38に固定される固定部46と、固定部46から車体の外方に向けて立設された支持部47とを有する。
図8に示すように、固定部46は、略矩形状に形成され(図10参照)、リヤアウタパネル33および補強部材35にボルト51、ナット52で取り付けられている。詳しくは、固定部46は、リヤアウタパネル33の左ヒンジ取付部38にボルト51、ナット52で取り付けられている。
図9、図10に示すように、固定部46は、略矩形状に形成され、左ヒンジ取付部38にボルト51、ナット52(ナット52は図4参照)で取り付けられている。
支持部47は、固定部46から車体11の後上方(外方)に向けて立設され(図4も参照)、ドア側ヒンジ部48の一端部48aは、支持ピン54を介して回動自在に支持されている。支持部47は、左リヤコンビネーションランプ17の内側縁部(縁部)17aに沿って配置されている。
内側縁部17aは、左リヤコンビネーションランプ17のうち車幅方向中央に向けて対向する縁部である。ドア側ヒンジ部48は、一端部48aが内側縁部17aの反対側から支持部47に当接されている。さらに、当接された一端部48aは支持部47に支持ピン54で回動自在に支持されている。支持ピン54は、内側縁部17aの反対側から一端部48aおよび支持部47に取り付けられている。
このように、ドア側ヒンジ部48を内側縁部17aの反対側から支持部47に支持することで、支持部47を左リヤコンビネーションランプ17の内側縁部17aに隣接させて配置できる。よって、支持部47(すなわち、車体側ヒンジ部45)を左リヤコンビネーションランプ17で覆う範囲を大きく確保することできる。これにより、車体11の後部の外観性を良好に確保することができる。
ドア側ヒンジ部48の一端部48aは、支持ピン54を介して支持部47に回動可能に連結され、かつ他端部48bはテールゲート15の上左端部(上端部)15a(図1)にボルト(図示せず)を介して取り付けられている。同様に、図1に示す右ヒンジ部材14のドア側ヒンジ部48は、テールゲート15の右上端部15bにボルト(図示せず)を介して取り付けられている。
図1に示すように、テールゲート15の左上端部15aは、左ヒンジ部材13に回動可能に支持され、かつ、右上端部15bは右ヒンジ部材14に回動可能に支持されている。左ヒンジ部材13はリヤアウタパネル33の左ヒンジ取付部38(図4)に取り付けられ、右ヒンジ部材14がリヤアウタパネル33の右ヒンジ取付部に取り付けられている。
よって、テールゲート15の左上端部15aおよび右上端部15bは、リヤアウタパネル33に左右のヒンジ部材13,14を介して揺動可能に支持されている。テールゲート15を左右のヒンジ部材13,14を軸にして上下方向に揺動することで、リヤアウタパネル33の開口部12をテールゲート15で開閉できる。
図9に示すように、ドア側ヒンジ部48は内側縁部17aの反対側から支持部47に支持されている。よって、ドア側ヒンジ部48の回動を内側縁部17aで妨げる虞がない。これにより、ドア側ヒンジ部48の回動範囲を好適に確保でき、図1に示すテールゲート15を使い勝手のよい状態に開放することができる。
図3、図4に示すように、テールゲート15の車幅方向左側に左リヤコンビネーションランプ17が設けられている。左リヤコンビネーションランプ17は、ブレーキランプ、ウインカランプ、バックランプおよびテールランプなどが一体にまとめられたランプである。この左リヤコンビネーションランプ17は、車体側ヒンジ部45を車体の外側方(外方)から覆うようにリヤアウタパネル(車体外方の表面)33に設けられている。よって、車体側ヒンジ部45を左リヤコンビネーションランプ17で隠すことができる。これにより、テールゲート15を開放した状態において、車体側ヒンジ部45を車体11の後部を外方から目視し難くできるので車両の外観性を確保することができる。
さらに、車体側ヒンジ部45を左リヤコンビネーションランプ17で覆うように構成することで、車体側ヒンジ部45を覆う専用の部材を個別に用意する必要がない。これにより、車体後部の部品点数を減らしてコストを抑えることができる。
左リヤコンビネーションランプ17は、リヤアウタパネル33に設けられたレンズ部(表面部)61と、レンズ部61の車内側に設けられたハウジング部62と、ハウジング部62から延長されたハウジング延長部63と、ハウジング延長部63に設けられた複数の補強リブ64(図11参照)とを備えている。
図9に示すように、レンズ部61は、ハウジング部62の内部に設けられた光源66からの光を透過する透明部67と、外部からの光を反射する不透明部68とを有する。
透明部67は、レンズ部61の主要な部位61aに設けられている。この透明部67は、光源66から投光された光を拡散させ、拡散させた光を車体11の外部41に伝えるレンズである。
不透明部68は、レンズ部61の縁部61bに設けられ、車体側ヒンジ部45を車体の外方から覆う。レンズ部61の縁部61bに不透明部68を備え、不透明部68で車体側ヒンジ部45を覆うようにした。これにより、左ヒンジ部材13(特に、車体側ヒンジ部45)を左リヤコンビネーションランプ17で良好に隠すことができるので、車体の後部の外観性を良好に確保することができる。
図11に示すように、レンズ部61(透明部67)の車体内方側にハウジング部62が設けられている。ハウジング部62は、透明部67に対向する凹状の収納部を有し、収納部に光源66が設けられている。
光源66は、透明部67に対向するように設けられている。よって、光源66から投光された光を透明部67で拡散させて、拡散させた光を車体11の外部41に伝えることができる。このハウジング部62については後で詳しく説明する。
レンズ部61の縁部61b(すなわち、不透明部68(図9も参照))の車体内方側にハウジング延長部63が設けられている。ハウジング延長部63は、ハウジング部62の端部62aから縁部61b(不透明部68)側に突出(延出)されている。これにより、不透明部68をハウジング延長部63で補強する(支える)ことができるので、不透明部68の強度を十分に確保することができる。
ハウジング延長部63に複数の補強リブ64が一体的に形成されている。複数の補強リブ64は、ハウジング延長部63の延長方向(車体前後方向)に対して交差する方向に所定間隔をおいて、ハウジング延長部63の延長方向に延長されている。
ハウジング延長部63に補強リブ64を一体的に形成することで、ハウジング延長部63の強度をさらに高めることができる。これにより、不透明部68の強度をハウジング延長部63および補強リブ64で好適に確保することができる。
図1、図2に示すように、テールゲート15は、左ステイ21などを介してリヤアウタパネル33に連結されている。左ステイ21は、リヤアウタパネル33の開口部12に沿った周縁部33aに左取付台座24を介して下端部21aが連結されている。さらに、左ステイ21は、テールゲート15の上左端部15a近傍に上端部21bが連結されている。
この左ステイ21は、テールゲート15の開閉に伴って伸縮可能になっており、テールゲート15を支える。テールゲート15を左ステイ21で支えることにより、テールゲート15を開放する際にテールゲート15の自重に対してバランスをとることが可能になる。左ステイ21でテールゲート15の自重に対してバランスをとることで、テールゲート15を滑らかに開くことができる。
図12、図13に示すように、左取付台座24は、周縁部33aの取付部33bに設けられた一対の脚部71,72と、一対の脚部71,72の頂部に設けられた台座部73とを有する。この左取付台座24は、カバー本体83内に収納されている。
一方の脚部71の取付片71aは、ボルト75、ナット(図示せず)で取付部33bに取り付けられている。他方の脚部72の取付片72aは、ボルト75、ナット(図示せず)で取付部33bに取り付けられている。よって、台座部73は、一対の脚部71,72を介して取付部33bに設けられている。取付部33bに一対の脚部71,72を介して台座部73を設けることで、台座部73は取付部33bに対して離した(浮かせた)状態に設けられている。
取付部33bに対して台座部73を離すことで、図14に示すように、台座部73は、ハウジング部62のハウジング取付部62cより車体11の外方(後方側)に配置されている。この台座部73に左ステイ21の下端部21aが連結されている。左ステイ21の下端部21aは、台座部73に対して任意の方向に首振り可能に連結されている。
台座部73に左ステイ21の下端部21aを連結することで、左ステイ21を周縁部33aの取付部33bから離す(浮かす)ことができる。これにより、左ステイ21の取付角度や左ステイ21のスイング角度を決める際に設計の自由度が高まる。
左取付台座24は、カバー本体83内に収納されている。カバー本体83内に左取付台座24を収納することで、左取付台座24はカバーキャップ85の上側に設けられている。左取付台座24をカバーキャップ85の上側に設けた理由については後で詳しく説明する。
図12、図13に示すように、左取付台座24はステイカバー81で覆われている。ステイカバー81は、周縁部33aから車体後方に向けて膨出されることにより、山形状に形成された膨出面(外形)81aを有する。
上記ステイカバー81は、周縁部33aの取付部33bに設けられたカバー本体83と、カバー本体83に着脱自在に設けられたカバーキャップ85とからなる。カバーキャップ85は、カバー本体83にカバーキャップ85を着脱自在に取付可能な第1係止部87および第2係止部91とを有している。すなわち、ステイカバー81は、カバー本体83とカバーキャップ85とに二分割されている。
カバー本体83は、周縁部33aの取付部33bに設けられ、左ステイ21の下端部21aを収納可能に形成されている。よって、周縁部33aの取付部33bにカバー本体83を取り付けることにより、カバー本体83で取付部33bおよび左ステイ21の下端部21aを覆う。
このカバー本体83は、取付部33bの係止孔33cに上下の取付爪部84aが係止されることで取付部33bに取り付けられている。上取付爪部84aは上取付片84を介してカバー本体83に一体に設けられている。下取付爪部84aは下取付片84を介してカバー本体83に一体に設けられている。上下の取付片84はリヤアウタパネル33の取付部33bに当接している。
さらに、カバー本体83は、上部83aに形成された貫通孔95と、下部(カバー本体83の下側)83bに設けられた本体係合部96と、カバーキャップ85を支える当接部104とを有する。カバー本体83に左ステイ21の下端部21aを収納することで、左ステイ21の下端部21aはカバー本体83で覆われる。
カバー本体83の上部83aに貫通孔95を形成することで、貫通孔95を貫通して左ステイ21の下端部21aは車体11の後上方(外方)に突出(貫通)する。カバー本体83の下部83bに本体係合部96を設けることで、本体係合部96にカバーキャップ85のキャップ係合部97が着脱自在に設けられている。よって、左ステイ21の反対側となるカバー本体83の下側に、カバーキャップ85を着脱自在に設けることができる。
図15に示すように、カバーキャップ85は、カバー本体83の当接部104に当接可能なキャップ外側部85a(図17も参照)と、取付部33b(具体的には、下取付片84)に当接可能なキャップ基部85bと、本体係合部96に当接可能なキャップ係合部97とを有する。
このカバーキャップ85は、図16、図17、図18に示すように、キャップ外側部85aを当接部104に当接させた状態で、キャップ外側部85aの突出片85dを当接部104の差込孔104aに差し込み可能に形成されている。加えて、図16、図17に示すように、カバーキャップ85は、本体係合部96にキャップ係合部97を当接させた状態において、第1係止部87および第2係止部91でカバー本体83に着脱自在に取り付けられている。
図15、図16に示すように、第1係止部87は、カバー本体83に係合可能なキャップ係合部97の上縁部(縁部)97aをカバー本体83に着脱自在に支持する部材である。上縁部97aは、キャップ係合部97のうちリヤアウタパネル33から上方へ離反する側の縁部である。この第1係止部87は、キャップ係合部97に設けられた第1係止爪88と、本体係合部96に設けられた第1係止孔89とを備えている。
第1係止爪88は、キャップ係合部97から本体係合部96に向けて張り出された第1脚部88aと、第1脚部88aの端部に外方に向けて突出された第1爪部88bとを有する。第1脚部88aは、キャップ係合部97の上縁部97aから張り出された弾性変形可能な部位である。
第1係止孔89は、本体係合部96の上縁部96aに設けられ、第1係止爪88が係止可能に形成されている。上縁部96aは、本体係合部96のうちリヤアウタパネル33から上方へ離反する側の縁部である。カバーキャップ85のキャップ基部85bをリヤアウタパネル33(具体的には、取付片84)に当接させた状態で、第1係止爪88を第1係止孔89に差し込むことにより第1爪部88bが第1係止孔89を通過して上縁部96aに係止する。
図15、図17に示すように、第2係止部91は、キャップ係合部97の内縁部(縁部)97bをカバー本体83に着脱自在に支持する部材である。内縁部97bは、キャップ係合部97のうちハウジング開口部102(当接部104)から車幅方向中心へ離反する側の縁部である。この第2係止部91は、キャップ係合部97に設けられた第2係止爪92と、本体係合部96に設けられた第2係止孔93とを備えている。
第2係止爪92は、キャップ係合部97から本体係合部96に向けて張り出された第2脚部92aと、第2脚部92aの端部に車幅方向中心に向けて突出された第2爪部92bとを有する。第2脚部92aは、キャップ係合部97の内縁部97bから張り出された弾性変形可能な部位である。
第2係止孔93は、本体係合部96の内縁部96bに設けられ、第2係止爪92が係止可能に形成されている。内縁部96bは、本体係合部96のうちハウジング開口部102(当接部104)から車幅方向中心へ離反する側の縁部である。
カバーキャップ85のキャップ外側部85aを当接部104に当接させた状態で、第2係止爪92を第2係止孔93に差し込むことにより、第2爪部92bは第2係止孔93を通過して内縁部96bに係止する。この状態において、キャップ外側部85aの突出片85dは当接部104の差込孔104aに差し込まれている。
図15〜図17で説明したように、カバーキャップ85を当接部104に当接可能で、かつ、取付片84に当接可能とした。さらに、第1係止部87を用いて、キャップ係合部97の上縁部97aを本体係合部96の上縁部96aに着脱自在に支持するようにした。
第2係止部91を用いて、キャップ係合部97の内縁部97bを本体係合部96の内縁部96bに着脱自在に支持するようにした。これにより、カバーキャップ85を当接部104、取付片84および第1、第2の係止部87,91でカバー本体83に確実に取り付けることができる。
さらに、第1係止部87および第2係止部91の2箇所を係合、離脱するだけでカバーキャップ85をカバー本体83から着脱することができる。これにより、カバーキャップ85の着脱作業を容易におこなうことができ、左リヤコンビネーションランプ17を取り外す際の作業性を向上させることができる。
図12に示すように、カバーキャップ85は、キャップ内側壁85cに段部99が凹状に形成されている。よって、段部99に取外し力を車体後方に向けてかけることでカバーキャップ85をカバー本体83から容易に取り外すことができる。
図12、図13に示すように、左リヤコンビネーションランプ17は、ハウジング部62のハウジング取付部62cがリヤアウタパネル33の周縁部33aに取り付けられている。
ハウジング部62は、レンズ部61の内側部61cから周縁部33aに向けて張り出されたハウジング側壁62bと、ハウジング側壁62bの端辺から周縁部33aに沿って車幅方向中央に向けて張り出されたハウジング取付部62cとを有する。ハウジング側壁62bおよびハウジング取付部62cは断面略L字状に形成されている。
ハウジング側壁62bは、図3、図9に示すように、ドア側ヒンジ部48の他端部48bに沿って設けられた上端部62dを有する。上端部62dは、ドア側ヒンジ部48の他端部48bより車幅方向外方に設けられている。よって、ドア側ヒンジ部48の他端部48bを上端部62dで車幅方向外側から覆うことができる。
図12、図13に示すように、ハウジング側壁62bは、ステイカバー81の膨出面81aが嵌合可能なハウジング開口部102と、ハウジング開口部102の車幅方向外方に設けられた当接部104と、ハウジング開口部102の周縁102aから車幅方向中心に向けて張り出されたフランジ部106とを有する。
ハウジング開口部102は、ハウジング側壁62bに凹状に形成された開口である。ハウジング開口部102の周縁102aは、ステイカバー81の膨出面81aに対応するよう形成されている。よって、ハウジング開口部102にステイカバー81の膨出面81a(具体的には、膨出面81aのうち車幅方向外側の部位)を嵌合させることができる。
ハウジング開口部102にステイカバー81の膨出面81aを嵌合させることで、ハウジング開口部102をステイカバー81で塞ぐことができる。これにより、テールゲート15(図1)を開放した状態において、ハウジング開口部102を車体11の後部の外方から目視し難くできるので、車両の外観性を良好に確保できる。
前述したように、ステイカバー81がカバー本体83とカバーキャップ85とに二分割され、カバー本体83にカバーキャップ85が着脱自在に取り付けられている。よって、図15に示すように、カバー本体83からカバーキャップ85を取り外すことで、ハウジング開口部102の一部102bを開口させることができる。
ハウジング開口部102の一部102bを開口することで、開口した一部102bを指掛部として用いることができる。以下、ハウジング開口部102の一部102bを指掛部102bとして説明する。指掛部102bは指を掛けることができるように形成されている。よって、指掛部102bに指を掛けることで、指掛部102bに指を掛けて左リヤコンビネーションランプ17に車体外方へ向けた取外し力を加えることができる。
この指掛部102bは、ステイカバー81をカバー本体83とカバーキャップ85とに二分割し、カバー本体83からカバーキャップ85を取り外すことで確保できる。よって、指掛部102bを左ステイ21に影響されることなく左ステイ21近傍の所望位置に設けることができる。
左ステイ21近傍の所望位置に指掛部102bを設けることで、左リヤコンビネーションランプ17を取り外す際に、左リヤコンビネーションランプ17に車体外方へ向けた取外し力を効率よく指にかけることができる。これにより、指掛部102bに指を掛けて取外し力をかけることで左リヤコンビネーションランプ17をリヤアウタパネル33から手間をかけずに容易に外すことができる。
さらに、前述したように、左ステイ21の反対側となるカバー本体83の下側にカバーキャップ85が着脱自在に設けられている。よって、左ステイ21に拘束(邪魔)されない部位(すなわち、カバー本体83の下側)に指掛部102bを設けることができる。これにより、左ステイ21に拘束されることなく指掛部102bに指を掛けて左リヤコンビネーションランプ17を一層容易に取り外すことができる。
前述したように、左取付台座24は、カバーキャップ85の上側(カバーキャップ85の反対側の部位)に設けられている。よって、左取付台座24に拘束(邪魔)されることなく、指掛部102bに指を掛けて左リヤコンビネーションランプ17を一層容易に取り外すことができる。指掛部102b(ハウジング開口部102)の車幅方向外側にカバー本体83の当接部104が設けられている。
図13、図18に示すように、当接部104は、ハウジング開口部102の車幅方向外方(すなわち、ハウジング開口部102よりハウジング部62の内側(レンズ部61側))に設けられている。この当接部104は、カバーキャップ85のキャップ外側部85aに当接可能に形成されている。
キャップ外側部85aは、カバーキャップ85の車幅方向外方に向けて爪形状に形成された突出片85dを有する。よって、カバー本体83にカバーキャップ85を取り付ける際に、キャップ外側部85aを当接部104に当接することで、キャップ外側部85aの突出片85dを当接部104の差込孔104aに差し込むことができる。これにより、カバーキャップ85を取付位置に容易に位置決めできる。したがって、カバーキャップ85をカバー本体83に容易に取り付けることができ、カバーキャップ85を取り付ける際の作業性を向上させることができる。
当接部104より車幅方向中心側にフランジ部106が設けられている。フランジ部106は、ハウジング開口部102の周縁102aからステイカバー81の膨出面81aに沿って車幅方向中心に向けて張り出されている。
フランジ部106をハウジング開口部102の周縁102aから張り出すことで、指掛部102bにフランジ部106を備えることができる。このフランジ部106に指掛部102bに掛けた指を当てることができる。よって、指を当てる領域(面積)107の指掛幅をW寸法と広く確保できる。これにより、指掛部102bに差し込んだ指を領域107に当てることで、左リヤコンビネーションランプ17に車体外方へ向けた取外力Fを好適に加えることができる。
図12、図13に示すように、ハウジング側壁62bの端辺62eから周縁部33aに沿ってハウジング取付部62cが車幅方向中央に向けて張り出されている。ハウジング取付部62cは、ハウジング開口部102に連通して取付部開口溝112が形成されている。
取付部開口溝112は、ハウジング取付部62cの上辺62fおよび下辺62gで形成されている。上辺62fは、フランジ部106の上端部106bから車幅方向中心側に延出されている。下辺62gは、フランジ部106の下端部106cから車幅方向中心側に延出されている。
この取付部開口溝112からステイカバー81が車体11の後上方(外方)に突出されている。取付部開口溝112は内端部112aが開口されている。取付部開口溝112の内端部112aを開口することで、取付部開口溝112をステイカバー81から容易に外すことができる。
つぎに、左リヤコンビネーションランプ17をリヤアウタパネル33から取り外す例について図19に基づいて説明する。
図19(a)に示すように、カバー本体83からカバーキャップ85(図15)を取り外してハウジング開口部102の一部102bを開口する。ハウジング開口部102の一部102bを開口することで、開口した一部102bを指掛部として用いることができる。
図19(b)に示すように、ハウジング開口部102の周縁102aからフランジ部106が張り出され、指115を当てる領域107の指掛幅がW寸法と広く確保されている。この領域107に指掛部102bに差し込んだ指115を当てることができる。
指掛部102bに差し込んだ指を領域107に当てることで、左リヤコンビネーションランプ17に車体外方へ向けた取外力Fを好適に加えることができる。これにより、左リヤコンビネーションランプ17を容易に取り外すことができ、左リヤコンビネーションランプ17を取り外す際の作業性を向上させることができる。
本発明による車体後部構造は、前述した実施例に限定されるものではなく適宜変更、改良などが可能である。例えば、実施例では、テールゲート15を左右のステイ21,22で支持する例について説明したが、これに限らないで、左右のステイ21,22のいずれか一方でテールゲート15を支持するようにしてもよい。
実施例では、キャップ係合部97に第1、第2の係止爪88,92を設け、本体係合部96に第1、第2の係止孔89,93を設けた例について説明したが、これに限らないで、キャップ係合部97に第1、第2の係止孔89,93を設け、本体係合部96に第1、第2の係止爪88,92を設けるようにしてもよい。
さらに、実施例では、カバーキャップ85のキャップ基部85bを取付片84を介してリヤアウタパネル33に当接させた例について説明したが、これに限らないで、キャップ基部85bをリヤアウタパネル33に直接当接させるようにしてもよい。
実施例では、灯体部材として左右のリヤコンビネーションランプ17,18を例示したが、これに限らないで、ブレーキランプ単体やウインカランプ単体など他のランプに適用することも可能である。
実施例で示した車体後部構造10、車体11、開口部12、左右のヒンジ部材13,14、テールゲート15、左右のリヤコンビネーションランプ17,18、左右のステイ21,22、左取付座部24、ルーフパネル31、サイドパネル32、リヤアウタパネル33、リヤインナパネル34、補強部材35、ルーフ溝部37、左ヒンジ取付部38、ハウジング部62およびステイカバー81などの形状や構成は例示したものに限定するものではなく適宜変更が可能である。