JP3798458B2 - オキシムスルホネート化合物及びレジスト用酸発生剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なオキシムスルホネート化合物及びレジスト用酸発生剤に関するものであり、さらに詳しくは、レジスト用酸発生剤として有用なシアノ基をもつオキシムスルホネート基2個を有する化合物、及びこの化合物から成るレジスト用酸発生剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
これまで、オキシムスルホネート化合物に関する技術としては、酸硬化性のアミノ樹脂とオキシムスルホネートとを含有する熱硬化性塗布液(ヨーロッパ特許出願第44115A1号公報)、酸硬化性樹脂とオキシムスルホネート化合物を含有する焼き付け仕上げ材料を短波光で照射し硬化させる方法(特開昭60−65072号公報)、重合性エチレン型不飽和基、エポキシ基、水酸基などの置換基を有するオキシムスルホネート化合物及びそのポリマー(特開昭61−251652号公報)、フィルム形成性有機材料とオキシムスルホネート基及び芳香族基を有する感光性物質とから成る組成物を用いる画像形成方法(特開平1−124848号公報)、アルカリ可溶性樹脂、オキシムスルホネート化合物及び感度増強性架橋剤を含むレジスト組成物(特開平2−154266号公報)、オキシムスルホネート化合物を用いたネガ型パターンの形成方法(特開平2−161444号公報)、オキシムスルホネート化合物を含むi線用レジスト(特開平6−67433号公報)などが知られ、これらには以下のシアノ基を有するオキシムスルホネート化合物が記載されている。
【0003】
(イ)α‐(p‐トルエンスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル
【化3】
(ロ)α‐(4‐クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル
【化4】
(ハ)α‐(4‐ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル
【化5】
(ニ)α‐(4‐ニトロ‐2‐トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル
【化6】
(ホ)α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐クロロフェニルアセトニトリル
【化7】
(ヘ)α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐2,4‐ジクロロフェニルアセトニトリル
【化8】
(ト)α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐2,6‐ジクロロフェニルアセトニトリル
【化9】
(チ)α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル
【化10】
(リ)α‐(2‐クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル
【化11】
(ヌ)α‐(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐2‐チエニルアセトニトリル
【化12】
(ル)α‐(4‐ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐フェニルアセトニトリル
【化13】
(ヲ)α‐(p‐トルエンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル
【化14】
(ワ)α‐(4‐ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル
【化15】
(カ)α‐(p‐トルエンスルホニルオキシイミノ)‐3‐チエニルアセトニトリル
【化16】
このようなオキシムスルホネート化合物は、放射線を感受するとスルホン酸エステルの結合が切断され、相当するスルホン酸を発生するため、化学増幅型レジストの酸発生剤として用いられている。
【0004】
このようなオキシムスルホネート化合物は、1分子から1分子のスルホン酸しか発生しないため、添加量に基づく酸発生量が少なく、例えば、ネガ型レジストに使用した場合、レジストパターンのトップ部分が細くなり、良好なパターン形状が得られないという欠点がある上、マスクパターンに対するレジストパターンの寸法忠実性、露光余裕度及び耐熱性についても十分満足しうる結果が得られない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、レジストの酸発生剤として用いた場合、酸の発生効率が高く、パターン形状、寸法忠実性、露光余裕度及び耐熱性などに優れるレジストパターンを与える新規なオキシムスルホネート化合物を提供することを目的としてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、レジストの酸発生剤として好適なオキシムスルホネート化合物について鋭意研究を重ねた結果、シアノ基をもつオキシムスルホネート基がフェニレン基に2個結合した構造のオキシムスルホネート化合物は、レジスト用の酸発生剤としたときに、酸の発生効率が高く、パターン形状、寸法忠実性、露光余裕度及び耐熱性などに優れるレジストパターンを与えることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、一般式
【化17】
(式中のR1及びR2は、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数1〜12の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子で置換されていてもよい炭素数4〜12の脂環式炭化水素基又はハロゲン原子若しくはアルコキシル基で置換されていてもよい炭素数6〜14の芳香族炭化水素基である)
で表わされるオキシムスルホネート化合物、及びこのオキシムスルホネート化合物から成るレジスト用酸発生剤を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のオキシムスルホネート化合物は、前記一般式(I)で表わされる文献未載の新規な化合物であって、一般式(I)において、R1及びR2の炭化水素基は、芳香族炭化水素基、脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基のいずれでもよい。この芳香族炭化水素基は、炭素数6〜14のものである。このようなものとしては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチル基、アントリル基などが挙げられる。また、脂肪族炭化水素基は不飽和のもの飽和のもののいずれでも、また直鎖状、枝分れ状のいずれでもよいが、炭素数1〜12のものである。この脂肪族炭化水素基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n‐ブチル基、sec‐ブチル基、tert‐ブチル基、n‐ペンチル基、n‐オクチル基、n‐ドデシル基、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基、ブタジエニル基、ヘキセニル基、オクタジエニル基などを挙げることができる。さらに脂環式炭化水素基は、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基、シクロドデシル基を、シクロアルケニル基の例としては、1‐シクロブテニル基、1‐シクロペンテニル基、1‐シクロヘキセニル基、1‐シクロヘプテニル基、1‐シクロオクテニル基のような炭素数4〜12のものである。
【0009】
一方、R1及びR2の脂肪族又は脂環式炭化水素基は、その中の水素原子の一部がハロゲン原子で置換されていてもよい。また、芳香族炭化水素基は、その中の水素原子の一部がハロゲン原子又はアルコキシル基で置換されていてもよい。ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などがある。ハロゲン原子で置換された脂肪族炭化水素基の中で、特に好ましい例は、クロロメチル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、2‐ブロモプロピル基のような炭素数1〜4のハロゲン化アルキル基である。また、アルコキシル基で置換された芳香族炭化水素基で特に好ましいのはメトキシフェニル基である。なお、該R1及びR2はたがいに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
【0010】
本発明のオキシムスルホネート化合物は、1分子から2分子のスルホン酸を発生するため、同一露光量でも酸の発生効率が高い。また、このオキシムスルホネート化合物の分子が大きすぎると耐熱性が悪くなる傾向があるので、R1及びR2は、共にアルキル基やハロゲン化アルキル基の場合が好ましい。このようなオキシムスルホネート化合物は、露光光に対する透明性が高く、レジスト中の添加量を増やしてもレジストの透明性を下げないため、感度を向上させることができる上、解像度や断面形状の優れたレジストパターンを与える。レジストパターン形状に起因する露光後加熱処理(Post exposure bake)時における酸の拡散しやすさを考慮すると、R1及びR2がアルキル基やハロゲン化アルキル基であるもの、中でも炭素数1〜4の低級アルキル基や炭素数1〜4の低級ハロゲン化アルキル基が好ましい。
【0011】
本発明の一般式(I)で表わされるオキシムスルホネート化合物は、それ自体公知の方法を参考にして、製造することができる。すなわち、テトラヒドロフラン、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N‐メチルピロリドンなどの有機溶媒中において、ピリジン、トリエチルアミンなどの塩基性触媒の存在下、オキシム基含有化合物とスルホン酸クロリド基含有化合物とをエステル化反応することにより製造できる。また、原料として用いられるオキシム基含有化合物は、公知の方法[「ザ・システマティック・アイデンティフィケイション・オブ・オーガニック・コンパウンズ(The Systematic Identification of Organic Compounds)」(John Wiley & Sons),第181ページ(1980年)、「ディ・マクロモレキュラレ・ヘミー(Die Makromoleculare Chemie)」,第108巻,第170ページ(1967年)、「オーガニック・シンセシス(Organic Synthesis)」,第59巻,第95ページ(1979年)]に記載されている方法によって製造することができる。
【0012】
本発明の一般式(I)で表わされるオキシムスルホネート化合物の例としては、次に示すものを挙げることができる。
【0013】
【化18】
【0014】
【化19】
【0015】
本発明はまた、前記一般式(I)で表わされるオキシムスルホネート化合物から成るレジスト用酸発生剤をも提供するものであり、このレジスト用酸発生剤をフィルム形成性物質と混合して、レジスト用感光性組成物を調製することができる。この際の配合量としては、フィルム形成性物質100重量部に対し、1〜30重量部が適当である。
【0016】
【発明の効果】
本発明のオキシムスルホネート化合物は、文献未載の新規な化合物であって、レジストの酸発生剤として有用である。すなわち、レジストの酸発生剤として用いた場合、酸の発生効率が高く、パターン形状、寸法忠実性、露光余裕度及び耐熱性などに優れるレジストパターンを与えることができるといった効果が発揮される。
【0017】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0018】
実施例1
以下のようにして、式
【化20】
の構造を有するオキシムスルホネート化合物を製造した。
ビス(α‐ヒドロキシイミノ)‐p‐フェニレンジアセトニトリル20g(0.093モル)と、トリエチルアミン22.6g(0.233モル)を含むテトラヒドロフラン200mlとを反応容器に入れ、この溶液を−5℃に冷却したのち、メシルクロリド 26.7g(0.233モル)を2時間かけて滴下した。反応混合物を−5℃で2時間かきまぜたのち、約25℃でさらに20時間かきまぜた。次いで、テトラヒドロフランを真空下30℃で留去したのち、得られた生成物22gをアセトニトリルから繰り返し再結晶し、融点263℃の白色結晶12.5g(理論量の36.3%)を得た。
【0019】
この生成物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、769cm-1、840cm-1、1189cm-1、1382cm-1、2240cm-1にピークが認められた。またプロトン核磁気共鳴スペクトル(1H−NMR)を測定した結果(溶媒:ジメチルスルホキシド‐d6)、3.68ppm、8.15ppmにピークが認められた。さらに、紫外線吸収スペクトルを測定した結果(溶媒:テトラヒドロフラン)、λmax=220nm、ε=7900、λmax=301nm、ε=12200であった。
【0020】
実施例2
以下のようにして、式
【化21】
の構造を有するオキシムスルホネート化合物を製造した。
実施例1において、ビス(α‐ヒドロキシイミノ)‐p‐フェニレンジアセトニトリルの代わりにビス(α‐ヒドロキシイミノ)‐m‐フェニレンジアセトニトリルを用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、得られた生成物30gをアセトニトリルから繰り返し再結晶し、融点196℃の白色結晶25.8g(理論量の72.0%)を得た。
【0021】
この生成物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、782cm-1、844cm-1、1191cm-1、1382cm-1、2238cm-1にピークが認められた。また、1H−NMRを測定した結果(溶媒:ジメチルスルホキシド‐d6)、3.65ppm、7.89ppm、8.27ppm、8.29ppmにピークが認められた。さらに、紫外線吸収スペクトルを測定した結果(溶媒:テトラヒドロフラン)、λmax=211nm、ε=6500、λmax=269nm、ε=12100であった。
【0022】
実施例3
以下に示すようにして、式
【化22】
の構造を有するオキシムスルホネート化合物を製造した。
実施例1において、ビス(α‐ヒドロキシイミノ)‐p‐フェニレンジアセトニトリルの代わりにビス(α‐ヒドロキシイミノ)‐m‐フェニレンジアセトニトリルを用い、かつメシルクロリドの代わりに1‐ブタンスルホニルクロリド36.3g(0.233モル)を用いた以外は、実施例1と同様にして反応を行い、得られた生成物32gをアセトニトリルから繰り返し再結晶し、融点98℃の白色結晶20.5g(理論量の48.5%)を得た。
【0023】
この生成物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、783cm-1、844cm-1、1191cm-1、1382cm-1、2239cm-1にピークが認められた。また、1H−NMRを測定した結果(溶媒:アセトン‐d6)、0.98ppm、1.52ppm、1.92ppm、3.70ppm、7.91ppm、8.27ppm、8.40ppmにピークが認められた。さらに、紫外線吸収スペクトルを測定した結果(溶媒:テトラヒドロフラン)、λmax=211nm、ε=7100、λmax=268nm、ε=13500であった。
【0024】
実施例4
以下のようにして、式
【化23】
の構造を有するオキシムスルホネート化合物を製造した。
ビス(α‐ヒドロキシイミノ)‐m‐フェニレンジアセトニトリル10g(0.0465モル)と、トリエチルアミン11.3g(0.116モル)を含むテトラヒドロフラン200mlとを反応容器に入れ、この溶液を−5℃に冷却したのち、p‐トルエンスルホニルクロリド22.1g(0.116モル)を2時間かけて滴下した。反応混合物を−5℃で2時間かきまぜたのち、約25℃でさらに20時間かきまぜた。次いで、テトラヒドロフランを真空下30℃で留去したのち、得られた生成物12gをアセトニトリルから繰り返し再結晶し、融点205℃の白色結晶10g(理論量の41.3%)を得た。
【0025】
この生成物の赤外吸収スペクトルを測定した結果、773cm-1、836cm-1、1197cm-1、1394cm-1、2237cm-1にピークが認められた。また、1H−NMRを測定した結果(溶媒:ジメチルスルホキシド‐d6)、2.42ppm、7.52ppm、7.77ppm、7.98ppmにピークが認められた。さらに、紫外線吸収スペクトルを測定した結果(溶媒:テトラヒドロフラン)、λmax=230nm、ε=24000、λmax=270nm、ε=17300であった。
【0026】
実施例5
以下のようにして、式
【化24】
の構造を有するオキシムスルホネート化合物を製造した。
実施例2において、メシルクロリドの代わりに無水トリフルオロメタンスルホン酸64.7g(0.233モル)を用いた以外は、実施例2と同様にして上記オキシムスルホネート化合物を得た。
【0027】
実施例6
以下のようにして、式
【化25】
の構造を有するオキシムスルホネート化合物を製造した。
実施例4において、p‐トルエンスルホニルクロリドの代わりに4‐メトキシベンゼンスルホニルクロリド24.0g(0.116モル)を用いた以外は、実施例4と同様にして上記オキシムスルホネート化合物を得た。
【0028】
実施例7
重量平均分子量2500のヒドロキシスチレンとスチレンとの共重合体100重量部及びメラミン樹脂であるMw−30(三和ケミカル社製)15重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート384重量部とN‐メチル‐2‐ピロリドン96重量部との混合溶剤に溶解し、これに酸発生剤として、実施例2で得られた化合物3重量部を溶解してネガ型レジスト溶液を得た。
【0029】
次に、このレジスト溶液をスピンナーを用いてシリコンウエーハ上に塗布し、ホットプレート上で90℃にて90秒間乾燥することにより、膜厚1.0μmのレジスト層を形成した。次いで、縮小投影露光装置NSR−2005i10D(ニコン社製)により、レベンソン型位相シフトマスクを介してi線(365nm)を選択的に照射したのち、100℃、90秒間露光後加熱(PEB)処理し、次いで、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間現像し、30秒間水洗して乾燥した。現像後の形成された0.30μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真により、観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンであった。また、露光余裕度として(Eop/Eg)を求めたところ、1.70であった。なお、Eopとは、0.30μmのラインアンドスペースが1:1に形成される露光量であり、Egは0.30μmのマスクパターンの露光部が像形成され始める露光時間である。
【0030】
比較例1
実施例7において、酸発生剤として、実施例2で得られた化合物の代わりにα‐(p‐トルエンスルホニルオキシイミノ)‐4‐メトキシフェニルアセトニトリル3重量部を用いた以外は、実施例7と同様にしてネガ型レジスト溶液を調製した。
【0031】
次に、このレジスト溶液を実施例7と同様な条件でパターニングした。形成された0.30μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真により、観察したところ、トップ部分が細くなったレジストパターンであった。また、露光余裕度についても実施例7と同様にして求めたところ、1.60であった。
【0032】
実施例8
重量平均分子量10000のm‐クレゾールのホルマリン縮合物であるクレゾールノボラック樹脂100重量部及びメラミン樹脂であるMw−30(三和ケミカル社製)10重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート270重量部に溶解し、これに酸発生剤として、実施例2で得た化合物1.5重量部を溶解してネガ型レジスト溶液を得た。
【0033】
次に、このレジスト溶液をスピンナーを用いてシリコンウエーハ上に塗布し、ホットプレート上で90℃にて90秒間乾燥することにより、膜厚2.0μmのレジスト層を形成した。次いで、縮小投影露光装置NSR−2005i10D(ニコン社製)により、i線(365nm)を選択的に照射したのち、100℃で90秒間PEB処理したのち、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で65秒間現像し、30秒間水洗して乾燥した。この際、0.80μmのラインアンドスペースが1:1に形成される露光時間を感度としてmJ/cm2(エネルギー量)単位で測定したところ、75mJ/cm2であった。
【0034】
また、このようにして形成された0.80μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真により、観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンであった。また、寸法忠実性として1μmのラインアンドスペースが1:1に形成される時間を上記感度で割った値を求めたところ、1.15であった。また、耐熱性として0.8μmのレジストパターンをホットプレート上で加熱しレジストパターンがフローする温度を求めたところ、200℃であった。
【0035】
比較例2
実施例8において、酸発生剤として、実施例2で得られた化合物の代わりにα‐(4‐トルエンスルホニルオキシイミノ)フェニルアセトニトリル3重量部を用いた以外は、実施例8と同様にしてネガ型レジスト溶液を調製した。
【0036】
次に、このレジスト溶液を実施例8と同様な条件でパターニングし、同様な定義の感度を測定したところ、300mJ/cm2であった。
【0037】
また、このようにして形成された0.80μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真により、観察したところ、トップ部分が細くなったレジストパターンであった。また、寸法忠実性、耐熱性についても実施例8と同様にして求めたところ、1.35と140℃であった。
【0038】
実施例9
実施例8において、酸発生剤として、実施例2で得られた化合物の代わりに実施例3で得られた化合物1.5重量部を用いた以外は、実施例8と同様にしてネガ型レジスト溶液を調製した。
【0039】
次に、このレジスト溶液を実施例8と同様な条件でパターニングし、同様な定義の感度を測定したところ、65mJ/cm2であった。
【0040】
また、このようにして形成された0.80μmのレジストパターンの断面形状をSEM(走査型電子顕微鏡)写真により、観察したところ、基板に対して垂直な矩形のレジストパターンであった。さらに、寸法忠実性、耐熱性についても実施例8と同様にして求めたところ、1.18と200℃であった。
Claims (3)
- R1及びR2が共に低級アルキル基又はハロゲン化低級アルキル基である請求項1記載のオキシムスルホネート化合物。
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