JP2013097272A - レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高解像のパターンを良好な形状で形成でき、PEB温度のパターン寸法への影響も少ないレジスト組成物、該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法の提供。
【解決手段】露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)を含有するレジスト組成物であって、前記基材成分(A)が、下記一般式(a0−1)又は(a0−2)で表される基を含む構成単位(a0)と、酸の作用により極性が増大し且つ多環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a11)と、酸の作用により極性が増大し且つ単環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a12)と、を有する共重合体(A1)を含有するレジスト組成物。式中の基−R−S(R)(R)、Mm+はそれぞれ、全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。
[化1]
Figure 2013097272

【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。レジスト膜の露光部が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光部が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のEUV(極紫外線)や、EB(電子線)、X線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、従来、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。たとえば上記現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と、酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用によりベース樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性が増大して、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。そのためアルカリ現像することにより、未露光部がパターンとして残るポジ型パターンが形成される。
ここで、前記ベース樹脂は、酸の作用により樹脂の極性が高くなるものが用いられ、アルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、有機溶剤に対する溶解性は低下する。そのため、アルカリ現像プロセスでなく、有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いた溶剤現像プロセスを適用すると、露光部では、相対的に有機系現像液に対する溶解性が低下するため、該溶剤現像プロセスにおいては、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されて、露光部がパターンとして残るネガ型のレジストパターンが形成される。このようにネガ型のレジストパターンを形成する溶剤現像プロセスをネガ型現像プロセスということがある(たとえば特許文献1)。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有するアクリル系樹脂などが一般的に用いられている(たとえば、特許文献2参照)。ここで、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
近年、ベース樹脂として、露光により酸を発生する酸発生基を有するものが提案されている。たとえば構造中に、露光により酸を発生する酸発生基と、酸の作用により極性が変化する酸分解性基とを有する樹脂成分が提案されている(たとえば特許文献3〜5参照)。かかる樹脂成分は、酸発生剤としての機能と基材成分としての機能とを併せ持ち、一成分のみで化学増幅型レジスト組成物を構成し得る。つまり、該樹脂成分に対して露光を行うと、構造中の酸発生基から酸が発生し、該酸の作用により酸分解性基が分解し、カルボキシ基等の極性基が生じて極性が増大する。そのため、該樹脂成分を用いて形成した樹脂膜(レジスト膜)に対して選択的露光を行うと、露光部の極性が増大するため、アルカリ現像液を用いて現像を行うことにより露光部が溶解、除去されてポジ型のレジストパターンが形成される。
レジストパターンの微細化が進むにつれ、レジスト材料には、感度や解像性は勿論のこと、露光余裕度、マスク再現性、パターン形状(ラフネス、断面形状の矩形性等)等の種々のリソグラフィー特性のさらなる向上が求められる。たとえばパターン側壁表面のラフネスは、ラインアンドスペースパターンにおけるライン幅の不均一、ホールパターンにおけるホール周囲の歪み等に代表される形状不良の原因となる。レジストパターンの形状不良は、微細な半導体素子の形成等に悪影響を与えるおそれがあるため、パターンが微細化するほどその改善が重要となる。
このような要求に対し、たとえば特許文献6〜8では、リソグラフィー特性を改善し、パターン形状を向上するために、ベース樹脂として、複数種の酸分解性基を含む高分子化合物を用いることが提案されている。
特開2009−025723号公報 特開2003−241385号公報 特開平10−221852号公報 特開2006−045311号公報 特開2010−095643号公報 特開2006−169319号公報 特開2009−265332号公報 特開2010−128369号公報
しかし、従来のレジスト材料は、形成されるレジストパターンの形状に未だ改善の余地がある。また、レジストパターンを形成する際、通常、露光後、現像を行う前に露光後ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))が行われるが、従来のレジスト材料は、熱安定性が不充分で、このPEB温度の変動により形成されるレジストパターンの寸法が変動する問題もある。
したがって、高解像のパターンを良好な形状で形成でき、PEB温度のパターン寸法への影響も少ないレジスト組成物が求められる。
上記の要求は、特に、EUVリソグラフィーやEB(電子線)リソグラフィー用途において顕著である。
現在、EUVリソグラフィーやEBリソグラフィーにおいて、レジスト材料としては、EUVやEBに対する感度、ターゲットとする微細なレジストパターンを形成できる解像性等のリソグラフィー特性に優れることから、これまでKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等として提案されている化学増幅型レジストが一般的に用いられている。特に、ベース樹脂としてアクリル系樹脂を含有する化学増幅型レジストは、それらのリソグラフィー特性に優れるとされている。
しかし、KrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等として提案されている化学増幅型レジストをEUVリソグラフィーやEBリソグラフィーに用いた場合、コントラストの低下や未露光部の膜減りが生じやすい問題がある。
たとえばEUVリソグラフィーにおいては、EUV露光装置の光源から発生する光に含まれている、EUV領域以外の波長の光、いわゆるOoB(Out of Band)光が問題となっている。OoB光は、同時に発生するフレア(Flare)とともにレジスト膜の未露光部に入射して(つまり、EUV光照射時の露光領域の選択性を失わせ)、未露光部においても、酸発生剤成分が分解して酸を発生してしまうため、レジストパターンのコントラストの低下、膜減り、ラフネス(パターンの上面や側壁の表面荒れ)等を引き起こしてしまう。このOoB光による問題は、特に、ArFエキシマレーザー光等のDUV領域の波長の光を用いて露光を行うリソグラフィープロセス用の化学増幅型レジストを用いた場合に顕著に見られる傾向がある。つまり、該化学増幅型レジストは、一般的に、DUV領域の波長の光が照射されると酸が発生し、現像液に対する溶解性が変化する。OoB光は、13.5n前後のEUV、150〜300nmのDUV、赤外領域の波長の光などを含んでおり、従来汎用されているオニウム塩系の酸発生剤は、DUV領域の波長の光を吸収して酸を発生しやすい。そのためEUV露光時に本来未露光部となる部分も感光してコントラストの低下、パターン膜減り等が引き起こされる。コントラストの低下や膜減りは、解像性の低下やパターン形状の原因となる。また、レジストパターンの高さが充分に確保できず、半導体素子の形成の際のエッチングマスクとして充分に機能しないおそれもある。
EBリソグラフィーにおいても、加速電圧等の電子線照射条件によっては電子がレジスト膜表面で拡散(散乱)し、上記EUVリソグラフィーにおけるOoB光と同様の問題を生じることがある。
さらに、EUVリソグラフィーやEBリソグラフィーにおいては、基材成分中に含まれる酸分解性基の分解(脱保護)反応が進行することにより生じるアウトガスが露光装置を汚染するという問題があり、その解決も求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、高解像のパターンを良好な形状で形成でき、PEB温度のパターン寸法への影響も少ないレジスト組成物、該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)を含有するレジスト組成物であって、
前記基材成分(A)が、下記一般式(a0−1)又は(a0−2)で表される基を含む構成単位(a0)と、酸の作用により極性が増大し且つ多環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a11)と、酸の作用により極性が増大し且つ単環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a12)と、を有する共重合体(A1)を含有することを特徴とするレジスト組成物である。
Figure 2013097272
[式中、Q及びQはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。R、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。ただし、式中の基−R−S(R)(R)は、全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Vは対アニオンである。Aはアニオンを含む有機基である。Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は、芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。]
本発明の第二の態様は、支持体上に、前記第一の態様のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および特許請求の範囲において、「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」はアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。「ハロゲン化アルキレン基」はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」はアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。「フッ素化アルキレン基」はアルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。
「構成単位」とは、樹脂(高分子化合物、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
本発明によれば、高解像のパターンを良好な形状で形成でき、PEB温度のパターン寸法への影響も少ないレジスト組成物、該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供できる。
本発明のレジスト組成物は、露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下、(A)成分という。)を含有する。
本発明のレジスト組成物は、詳しくは後で説明するが、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む共重合体(A1)を含有するため、露光により極性が増大する性質を有している。該レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部では、(A)成分から酸が発生し、該酸が(A)成分の極性が増大し、その結果、露光部の現像液に対する溶解性が変化する。一方で、未露光部は現像液に対する溶解性が変化しないため、該レジスト膜を現像すると、当該現像液がアルカリ現像液の場合は露光部が溶解除去されてポジ型のレジストパターンが形成され、当該現像液が有機系現像液の場合は未露光部が溶解除去されてネガ型のレジストパターンが形成される。
つまり、アルカリ現像プロセスを適用する場合、(A)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により(A)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりポジ型レジストパターンが形成できる。
また、溶剤現像プロセスを適用する場合、(A)成分は、露光前は有機系現像液に対して溶解性が高く、露光により(A)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が高くなって有機系現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は有機系現像液に対して可溶性から難溶性に変化する一方で、未露光部は可溶性のまま変化しないため、有機系現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間でコントラストをつけることができ、ネガ型レジストパターンが形成できる。
本明細書においては、露光部が溶解除去されてポジ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をポジ型レジスト組成物といい、未露光部が溶解除去されるネガ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をネガ型レジスト組成物という。本発明のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であってもよく、ネガ型レジスト組成物であってもよい。
また、本発明のレジスト組成物は、レジストパターン形成時の現像処理にアルカリ現像液を用いるアルカリ現像プロセス用であってもよく、該現像処理に有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いる溶剤現像プロセス用であってもよい。好適には、アルカリ現像プロセスにてポジ型レジストパターンを形成するために用いられるものである。
<(A)成分>
(A)成分は、露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分である。
「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
基材成分として用いられる有機化合物は、非重合体と重合体とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、分子量が500以上4000未満の非重合体を低分子化合物という。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。本明細書および特許請求の範囲において、樹脂、高分子化合物という場合は、分子量が1000以上の重合体を示すものとする。重合体の場合、「分子量」としてはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。
(A)成分としては、少なくとも、共重合体(A1)が用いられる。(A)成分として、共重合体(A1)以外の樹脂や低分子化合物を併用してもよい。 (A)成分が樹脂である場合、該樹脂は、露光により酸を発生する部位(酸発生部位)を、側鎖中に含んでもよく、主鎖末端に含んでもよい。後述する構成単位(a0)を有する共重合体(A1)は、少なくとも、側鎖中に酸発生部位を有する。
[共重合体(A1)]
(A)成分は、下記一般式(a0−1)又は(a0−2)で表される基を含む構成単位(a0)と、酸の作用により極性が増大し且つ多環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a11)と、酸の作用により極性が増大し且つ単環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a12)と、を有する共重合体(A1)(以下、(A1)成分という。)を含有する。
Figure 2013097272
[式中、Q及びQはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。R、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。ただし、式中の基−R−S(R)(R)は、全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Vは対アニオンである。Aはアニオンを含む有機基である。Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は、芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。]
(式(a0−1)で表される基を有する構成単位)
式(a0−1)中、Qは単結合又は2価の連結基である。
の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
{置換基を有していてもよい2価の炭化水素基}
2価の連結基としての炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基または原子)を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基)、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基または原子)を有していてもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する2価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。 芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、
前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基);等が挙げられる。前記アリール基またはヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
が芳香環を有する場合、芳香環はQ全体で1つのみであることが好ましい。またQが芳香環を有する場合、R、R及びRは芳香環を有さないことが好ましい。
{ヘテロ原子を含む2価の連結基}
ヘテロ原子を含む2価の連結基におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基として、具体的には、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−NH−、−NH−C(=O)−、−NH−C(=NH)−、=N−等の非炭化水素系連結基、これらの非炭化水素系連結基の少なくとも1種と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。該2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
上記のうち、−C(=O)−NH−中の−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−中のHは、それぞれ、アルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基の炭素数としては1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
としては、単結合、−C(=O)−O−Q11−または−C(=O)−N(R)−Q11−が好ましい。Q11は単結合または2価の連結基であり、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。
11における2価の連結基としては、前記と同様のものが挙げられる。それらの中でも、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂肪族環式基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基であることが好ましい。
11におけるヘテロ原子を含む2価の連結基としては、非炭化水素系連結基の少なくとも1種と2価の炭化水素基との組み合わせが好ましく、たとえば、−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−、−Y21−O−C(=O)−Y22−(ただし、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。)等が挙げられる。
上記−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−において、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−としては、−Y21−C(=O)−O−Y22−が特に好ましい。なかでも、−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
式(a0−1)中、R、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
〜Rの有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
該有機基としては、たとえば、水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよく、炭素原子間に連結基が挿入されていてもよい炭化水素基が挙げられる。連結基としては、前記ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。該有機基は、芳香族基を有しても有さなくてもよい。
ただし、式中の基−R−S(R)(R)は、全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。つまり、RとRとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していない場合は、R、R及びRのうちの1つのみが1個の芳香環を有する有機基であり、他の2つが芳香環を有さない有機基であるか、またはR、R及びRの全てが芳香環を有さない有機基である。RとRとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に1つの芳香環を形成している場合は、Rは芳香環を有さない有機基である。RとRとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合であって該環が脂肪族環(芳香族性を有さない環)である場合は、Rは、1個の芳香環を有する有機基であるか、または芳香環を有さない有機基である。RとRとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に形成する環が、2以上の芳香環を含む環である場合は、当該構成単位は構成単位(a0)には該当しない。
芳香環は、DUV波長のOoB光を吸収する。Sおよびこれに直接結合するR、R及びRから構成される基−R−S(R)(R)全体のなかでの芳香環の数を1以下とすることで、OoB光の影響を抑制できる。
芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、前記2価の炭化水素基の説明で挙げた芳香環と同様のものが挙げられる。具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香環には置換基が結合していてもよい。該置換基としては、前記2価の炭化水素基の説明で、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
の有機基として具体的には、置換基を有していてもよいアルキレン基、置換基を有していてもよいアリーレン基等が挙げられる。これらの中でも、置換基を有していてもよいアルキレン基が好ましい。
における置換基を有していてもよいアルキレン基としては、たとえば、無置換のアルキレン基、該無置換のアルキレン基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アルキレン基等が挙げられる。
無置換のアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。解像性に優れる点から、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、n−ペンチレン基、シクロペンチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
置換アルキレン基が有する置換基としては、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”、アリール基等が挙げられる。R”、R”、R”はそれぞれ独立に、水素原子または炭化水素基である。
これらのうち、置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換アルキレン基における置換基としてのアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれかであってもよい。その炭素数は1〜30が好ましい。
それらのうち、直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
環状のアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
環状のアルキル基としては、多環式が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換アルキレン基における置換基としてのアルコキシアルキルオキシ基としては、たとえば、
一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49
[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。]
で表される基が挙げられる。
47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
49における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
前記置換アルキレン基における置換基としてのアルコキシカルボニルアルキルオキシ基としては、たとえば、
一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56
[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R56は第3級アルキル基である。]
で表される基が挙げられる。
50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
56における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−(2−プロピル)−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。

さらに、前記一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56におけるR56を、R56’で置き換えた基も挙げられる。R56’は、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基である。
56’におけるアルキル基は、前記R49のアルキル基と同様のものが挙げられる。
56’におけるフッ素化アルキル基は、前記R49のアルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
56’における、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基としては、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたもの等が挙げられる。
56’について、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
56’について、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基として具体的には、後述の式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子がオキソ基(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子がオキソ基(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
−C(=O)−O−R”におけるR”は、水素原子または炭化水素基である。
”における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、飽和炭化水素基、脂肪族不飽和炭化水素基のいずれであってもよい。
”における飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基の炭素数は1〜25が好ましく、1〜15がより好ましく、4〜10がさらに好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、前記R56の説明で挙げた第3級アルキル基が挙げられる。また、第3級アルキル基以外の分岐鎖状の飽和炭化水素基として、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
”における環状の飽和炭化水素基の炭素数は、3〜20が好ましい。環状の飽和炭化水素基は、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。
後者の例における置換基としては、上述した直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
”における飽和炭化水素基は、直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基と、環状の飽和炭化水素基との組み合わせであってもよい。
直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基と環状の飽和炭化水素基との組合せとしては、直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基に置換基として環状の飽和炭化水素基が結合した基(例えば1−(1−アダマンチル)メチル基)、環状の飽和炭化水素基に置換基として直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基が結合した基等が挙げられる。
”における脂肪族不飽和炭化水素基は、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。直鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。これら直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
”における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する1価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。
芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基や、ヘテロアリールアルキル基);等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。ただし本発明においては、R、R及びR全体での芳香環が1個以下とするため、置換アルキレン基における置換基が−C(=O)−O−R”であり、R”が芳香族炭化水素基である場合、該芳香族炭化水素基が有する置換基は、非芳香族の置換基である。「非芳香族」は、芳香族性を有さないことを示す。非芳香族の置換基としては、構造中に芳香族基(芳香族炭化水素基等)を含まないものであればよく、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
”としては、上記のなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、または炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基がより好ましい。
−O−C(=O)−R”におけるR”は、水素原子または炭化水素基である。
”としては、前記R”と同様のものが挙げられる。それらのなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、または炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基がより好ましい。
−O−R”におけるR”は、水素原子または炭化水素基である。
”としては、前記R”と同様のものが挙げられる。それらのなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、または炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基がより好ましい。
前記非芳香族の置換基としての−O−R”としては、水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
前記置換アルキレン基における置換基としてのアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。ただし本発明においては、R、R及びR全体での芳香環が1個以下とするため、Rが置換アルキレン基であり、該置換アルキレン基が置換基としてアリール基を有する場合、該置換基として有し得るアリール基の数は1個である。
前記置換基としてのアリール基は置換基を有していてもよい。ただし本発明においては、R、R及びR全体での芳香環が1個以下とするため、置換基としてのアリール基が有する置換基は非芳香族の置換基である。非芳香族の置換基としては、構造中に芳香族基(芳香族炭化水素基等)を含まないものであればよく、たとえば前記R”における芳香族炭化水素基が有していてもよい非芳香族の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
式(a0−1)中、Rにおける置換基を有していてもよいアリーレン基としては、炭素数6〜20の無置換のアリーレン基;該無置換のアリーレン基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アリーレン基等が挙げられる。
無置換のアリーレン基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリーレン基が好ましい。具体的には、たとえばフェニレン基、ナフチレン基が挙げられる。
置換アリーレン基における置換基としては、前記置換アルキレン基における置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。ただし本発明においては、R、R及びR全体での芳香環が1個以下とするため、Rが置換アリーレン基である場合、該置換アリーレン基が有する置換基は非芳香族の置換基である。該非芳香族の置換基としては、構造中に芳香族基(芳香族炭化水素基等)を含まないものであればよい。具体的には、前記置換アルキレン基における置換基として挙げたもののうち、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”(ただしR”、R”、R”がそれぞれ独立に、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基であるもの)等が挙げられる。
式(a0−1)中、R、Rの有機基としては、特に限定されるものではないが、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、置換基を有していてもよいアルキル基が好ましい。
、Rにおける置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜20の無置換のアリール基;該無置換のアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アリール基等が挙げられる。
無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
置換アリール基における置換基としては、非芳香族の置換基が挙げられる。該非芳香族の置換基としては、前記置換アリーレン基が有していてもよい置換基として挙げた非芳香族の置換基と同様のものが挙げられる。
、Rにおけるアルキル基としては、たとえば、無置換のアルキル基、該無置換のアルキル基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アルキル基等が挙げられる。
無置換のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。解像性に優れる点から、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
置換アルキル基における置換基としては、Rにおける置換アルキレン基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
、Rにおけるアルケニル基としては、たとえば、無置換のアルケニル基、該無置換のアルケニル基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アルケニル基等が挙げられる。
無置換のアルケニル基は、直鎖状または分岐鎖状が好ましく、炭素数は2〜10であることが好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。具体的には、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
置換アルケニル基における置換基としては、Rにおける置換アルキレン基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
式(a0−1)中、RとRは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していてもよい。該環は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。また、該環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。たとえば環を形成するR、Rのうちの一方または両方が環式基(環状のアルキル基またはアリール基)である場合、それらが結合すると、多環式の環(縮合環)が形成される。
形成される環としては、式中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることが特に好ましい。
該環は、環骨格を構成する原子として、R及びRが結合した硫黄原子以外の他のヘテロ原子を有していてもよい。該ヘテロ原子としては、たとえば、硫黄原子、酸素原子、窒素原子等が挙げられる。
形成される環の具体例としては、たとえばチオフェン環、チアゾール環、ベンゾチオフェン環、テトラヒドロチオフェニウム環、テトラヒドロチオピラニウム環等が挙げられる。
式(a0−1)中、Vは対アニオンである。
の対アニオンとしては、特に限定されるものではなく、たとえばオニウム塩系酸発生剤のアニオン部として従来知られているものを適宜用いることができる。
としては、たとえば、一般式「R”SO 」で表されるアニオンが挙げられる。
前記一般式「R”SO 」において、R”は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。
前記R”としてのアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
”としての直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記R”としての環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
”がアルキル基の場合の「R”SO 」としては、例えば、メタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート、d−カンファー−10−スルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
前記R”としてのハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものであり、該アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、又はイソペンチル基であることがさらに好ましい。そして、水素原子が置換されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、アルキル基(ハロゲン化前のアルキル基)の水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが好ましく、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていることがより好ましい。
ここで、該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるため好ましい。
このような好ましいフッ素化アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が挙げられる。
前記R”としてのアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R”としてのアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基における水素原子の一部又は全部が置換基(水素原子以外の他の原子又は基)で置換されていてもよいことを意味する。
”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:X−Q’−[式中、Q’は酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
−Q’−で表される基において、Q’は酸素原子を含む2価の連結基である。
Q’は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合:−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。当該組み合わせに、さらにスルホニル基(−SO−)が連結されていてもよい。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−、−SO−O−R94−O−C(=O)−、−R95−SO−O−R94−O−C(=O)−(式中、R91〜R95はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R95におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
Q’としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
−Q’−で表される基において、Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基や、ヘテロアリールアルキル基);等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
が芳香環を有する場合、芳香環はX全体で1つのみであることが好ましい。またXが芳香環を有する場合、R、R及びRは芳香環を有さないことが好ましい。
における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94’−または−S−R95’−であり、R94’およびR95’はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R94’およびR95’におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R91〜R95におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
上記の中でも、前記R”としては、ハロゲン化アルキル基、または置換基としてX−Q’−を有するものが好ましい。
置換基としてX−Q’−を有する場合、R”としては、X−Q’−Y−[式中、Q’およびXは前記と同じであり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
−Q’−Y−で表される基において、Yのアルキレン基としては、前記Q’で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
”がX−Q’−Y−で表される基であるR”−SO の具体例としては、たとえば下記式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
[式中、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q3は1〜12の整数であり、t3は1〜3の整数であり、r1〜r2はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、gは1〜20の整数であり、Rは置換基であり、n1〜n6はそれぞれ独立に0または1であり、v0〜v6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、Q”は前記と同じである。]
の置換基としては、前記Xの説明で、脂肪族環式基の環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部を置換してもよい置換基として挙げたものや、芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子を置換してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
に付された符号(r1〜r2、w1〜w6)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、式(a0−1)中のVとしては、たとえば下記一般式(b−3)で表されるアニオン、下記一般式(b−4)で表されるアニオンも挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
式(b−3)において、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜6であり、より好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
式(b−4)において、Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜7、最も好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数又はY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基又はY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基又はアルキル基のフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
式(a0−1)におけるVとしては、一般式「R”SO 」で表されるアニオン(特に、R”がX−Q’−Y−で表される基である上記式(b1)〜(b9)で表されるアニオン)が好ましい。
前記一般式(a0−1)で表される基を有する構成単位(以下、「構成単位(a0−1)」という。)としては、構造中に前記一般式(a0−1)で表される基を有するものであれば特に限定されるものではないが、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位であることが好ましい。
ここで、「エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位」とは、エチレン性二重結合を有する化合物におけるエチレン性二重結合が開裂して単結合となった構造の構成単位を意味する。
エチレン性二重結合を有する化合物としては、たとえば、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステル、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミドまたはその誘導体、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニル芳香族化合物、シクロオレフィンまたはその誘導体、ビニルスルホン酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステル、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミドまたはその誘導体、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニル芳香族化合物が好ましい。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
本明細書において、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸、アクリル酸エステルをそれぞれα置換アクリル酸、α置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸とα置換アクリル酸とを包括して「(α置換)アクリル酸」、α置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
α置換アクリル酸またはそのエステルのα位の炭素原子に結合する置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
前記α位の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記α位の置換基としての炭素数1〜5のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
前記α位の置換基としての炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基として具体的には、上記の炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
前記α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基が好ましく、具体的には、上記の炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がヒドロキシ基で置換された基が挙げられる。
本発明において、(α置換)アクリル酸またはそのエステルのα位の炭素原子に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
「有機基」は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基としては、特に限定されないが、たとえば前述した芳香族基、極性変換基、後述する酸分解性基等の特性基、これらの特性基を構造中に含む特性基含有基等が挙げられる。該特性基含有基としては、たとえば、前記特性基に2価の連結基が結合した基等が挙げられる。2価の連結基としては、たとえば前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
「アクリルアミドまたはその誘導体」としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミド(以下、(α置換)アクリルアミドということがある。)、(α置換)アクリルアミドのアミノ基(末端の水素原子の一方または両方が置換基で置換された化合物、等が挙げられる。
アクリルアミドまたはその誘導体のα位の炭素原子に結合してもよい置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルのα位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方を置換する置換基としては、有機基が好ましい。該有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基と同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方が置換基で置換された化合物としては、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステル中のα位の炭素原子に結合した−C(=O)−O−を、−C(=O)−N(R)−[式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。]で置換した化合物が挙げられる。
式中、Rにおけるアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
「ビニル芳香族化合物」は、芳香環および該芳香環に結合した1つのビニル基を有する化合物であり、スチレンまたはその誘導体、ビニルナフタレンまたはその誘導体等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物のα位の炭素原子(ビニル基の炭素原子のうち、芳香環に結合した炭素原子)に結合してもよい置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルのα位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されビニル芳香族化合物を(α置換)ビニル芳香族化合物ということがある。
「スチレンまたはその誘導体」としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいスチレン(以下、(α置換)スチレンということがある。)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレン(以下、(α置換)ヒドロキシスチレンということがある。)、(α置換)ヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子が有機基で置換された化合物、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基で置換されていてもよいビニル安息香酸(以下、(α置換)ビニル安息香酸ということがある。)、(α置換)ビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子が有機基で置換された化合物、等が挙げられる。
ヒドロキシスチレンは、ベンゼン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ベンゼン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ベンゼン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。水酸基の数が1つである場合は、ビニル基の結合位置のパラ4位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
ビニル安息香酸は、安息香酸のベンゼン環に1つのビニル基が結合した化合物である。ベンゼン環におけるビニル基の結合位置は特に限定されない。
スチレンまたはその誘導体のベンゼン環に結合してもよい、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基としては、特に限定されず、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
(α置換)ヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子が有機基で置換された化合物における有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基として挙げた有機基が挙げられる。
(α置換)ビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子が有機基で置換された化合物における有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基として挙げた有機基が挙げられる。
「ビニルナフタレンまたはその誘導体」としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニルナフタレン(以下、(α置換)ビニルナフタレンということがある。)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)(以下、(α置換)ビニル(ヒドロキシナフタレン)ということがある。)、(α置換)ビニル(ヒドロキシナフタレン)の水酸基の水素原子が置換基で置換された化合物、等が挙げられる。
ビニル(ヒドロキシナフタレン)は、ナフタレン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ビニル基は、ナフタレン環の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよい。ナフタレン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ナフタレン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。ナフタレン環の1位または2位にビニル基が結合している場合、ナフタレン環の5〜8位のいずれかが好ましい。特に、水酸基の数が1つである場合は、ナフタレン環の5〜7位のいずれかが好ましく、5または6位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
ビニルナフタレンまたはその誘導体のナフタレン環に結合してもよい置換基としては、前記(α置換)スチレンのベンゼン環に結合してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
(α置換)ビニル(ヒドロキシナフタレン)の水酸基の水素原子が有機基で置換された化合物における有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基と同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−1)で表される構成単位が挙げられる。
(α置換)アクリルアミドまたはその誘導体から誘導される構成単位から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−2)で表される構成単位が挙げられる。
(α置換)ビニル芳香族化合物のうち、(α置換)スチレンまたはその誘導体から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−3)で表される構成単位が挙げられる。また、(α置換)ビニルナフタレンまたはその誘導体から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。X〜Xはそれぞれ独立に水素原子または有機基である。Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、−COOX(Xは水素原子または有機基である。)、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。pxは0〜3の整数であり、qxは0〜5の整数であり、px+qxは0〜5である。qxが2以上の整数である場合、複数のRはそれぞれ同じであっても異なってもよい。xは0〜3の整数であり、yは0〜3の整数であり、zは0〜4の整数であり、x+y+zは0〜7である。y+zが2以上の整数である場合、複数のRはそれぞれ同じであっても異なってもよい。]
構成単位(a0−1)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって前記一般式(a0−1)で表される基を含む構成単位が特に好ましい。かかる構成単位としては例えば、下記式(a0−11)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Q11は単結合または2価の連結基である。R、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。ただし、式中の基−R−S(R)(R)は、全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Vは対アニオンである。]
式(a0−11)中、Rのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
式(a0−11)中のR〜R、Vはそれぞれ、前記式(a0−1)中のR〜R、Vと同様である。
式(a0−11)中のQ11は、前記式(a0−1)中のQの説明で挙げた−C(=O)−O−Q11−におけるQ11と同様である。
(式(a0−2)で表される基を有する構成単位)
前記式(a0−2)中、Qは単結合又は2価の連結基である。Qの2価の連結基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
は、芳香環を有しても有さなくてもよい。ただし式(a0−2)においては、Mm+が、芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さないものであり、Qも、芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さないものであることが好ましい。Qが芳香環を有する場合、Mm+は芳香環を有さないことが好ましい。
としては、前述した2価の連結基のなかでも、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、エステル結合[−C(=O)−O−]若しくはこれらの組み合わせ、または単結合であることが好ましい。
式(a0−2)中、Aはアニオンを含む有機基である。
としては、露光により発生して酸アニオンとなる部位を含むものであれば特に限定されるものではないが、スルホン酸アニオン、カルボアニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを発生しうる基が好ましい。
なかでも、Aとしては、下記式(a0−2−an1)〜(a0−2−an4)で表される基が好ましい。
Figure 2013097272
[式中、Wは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。Zは−C(=O)−O−、−SO−又は置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Z及びZはそれぞれ独立に−C(=O)−又は−SO−である。R62及びR63はそれぞれ独立にフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。Zは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)−O−又は単結合であり、Zは−C(=O)−又は−SO−である。R61はフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R64はフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。]
式(a0−2−an1)中、Wは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。
の置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基で説明した脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
の好ましい例として、−[C(Rf1)(Rf2)]p0−で表される基が挙げられる。式中、Rf1及びRf2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基であり、Rf1、Rf2のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化アルキル基であり、p0は1〜8の整数である。
が−[C(Rf1)(Rf2)]p0−で表される基である場合、式(a0−2−an1)は、下記式(a0−2−an1−1)で表される。
Figure 2013097272
[式中、Rf1及びRf2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基であり、Rf1、Rf2のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化アルキル基であり、p0は1〜8の整数である。]
式−[C(Rf1)(Rf2)]p0−および(a0−2−an1−1)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基であり、Rf1、Rf2のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化アルキル基である。
f1、Rf2のアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
f1、Rf2のフッ素化アルキル基としては、上記Rf1、Rf2のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が好ましい。
f1、Rf2としては、フッ素原子又はフッ素化アルキル基であることが好ましい。
式−[C(Rf1)(Rf2)]p0−および(a0−2−an1−1)中、p0は1〜8の整数であり、1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
の好ましい他の例として、置換基を有していてもよい脂肪族環式基又は芳香族炭化水素基が挙げられる。それらの中でも、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、カンファー、ベンゼン等から2個以上の水素原子を除いた基(置換基を有していてもよい)が好ましい。
式(a0−2−an2)中、Zは−C(=O)−O−、−SO−又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。Zの置換基を有していていもよい炭化水素基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基の説明で挙げた「置換基を有していていもよい2価の炭化水素基」と同様のものが挙げられる。なかでもZとしては−SO−であることが好ましい。
式(a0−2−an2)中、Z及びZは、それぞれ独立に、−C(=O)−又は−SO−であり、少なくとも一方が−SO−であることが好ましく、両方が−SO−であることがより好ましい。
62及びR63は、それぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基であり、後述するR61におけるフッ素原子を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられる。
式(a0−2−an3)中、Zは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)−O−又は単結合である。Zが単結合の場合、式中のNが、Zと結合した側とは逆側(即ち、式中の左端)で直接−C(=O)−と結合しないことが好ましい。
式(a0−2−an3)中、Zは、−C(=O)−又は−SO−であり、−SO−であることが好ましい。
61は、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R61における炭化水素基としては、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
61におけるアルキル基は、炭素数1〜8であるものが好ましく、炭素数1〜6であるものがより好ましく、炭素数1〜4であるものがさらに好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が好ましいものとして挙げられる。
61における1価の脂環式炭化水素基は、炭素数3〜20であるものが好ましく、炭素数3〜12であるものがより好ましく、多環式でもよく、単環式でもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
61におけるアリール基は、炭素数6〜18であるものが好ましく、炭素数6〜10であるものがより好ましく、フェニル基が特に好ましい。
61におけるアラルキル基は、炭素数1〜8のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したものが好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したアラルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したアラルキル基が特に好ましい。
61における炭化水素基は、当該炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていることが好ましく、当該炭化水素基の水素原子の30〜100%がフッ素原子で置換されていることがより好ましい。なかでも、上述したアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基であることが特に好ましい。
式(a0−2−an4)中、R64は、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R64における炭化水素基としては、アルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、アリール基から1個以上の水素原子を除いた基、アラルキル基から1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
64における炭化水素基として、具体的には、上記R61における炭化水素基(アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、アラルキル基など)についての説明の中で例示したものから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
64における炭化水素基は、当該炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていることが好ましく、当該炭化水素基の水素原子の30〜100%がフッ素原子で置換されていることがより好ましい。
上記のうち、例えば、Aが式(a0−2−an1)で表される基のうちフッ素原子を有するもの(特に式(a0−2−an1−1)で表される基)である場合や、(a0−2−an2)で表される基や、Z及びZが−SO−である式(a0−2−an3)で表される基を有する場合、露光によって構成単位(a0)から、フッ素化アルキルスルホン酸アニオン、カルボアニオン、スルホニルイミドアニオン等の比較的強い酸を発生させることができる。
一方、Aが式(a0−2−an1)で表される基のうちフッ素原子を有さない場合や、式(a0−2−an4)で表される基や、Z及びZが−C(=O)−である式(a0−2−an3)で表される基を有する場合、露光によって構成単位(a0)からアルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミドアニオン等の比較的弱い酸を発生させることができる。
上記の様に構成単位(a0)から所望の酸強度を有する酸を発生させることができるため、レジスト組成物における構成単位(a0)から発生した酸の機能を適宜決定することができ、所望の機能にあわせてAを選択することもできる。
例えば、通常レジスト組成物において用いられる酸発生剤と同様の役割を構成単位(a0)が担う場合は、強酸を発生するAを選択することが好ましい。
また、例えば、通常レジスト組成物において用いられるクエンチャー(酸発生剤成分から発生する強酸と塩交換して強酸をトラップするクエンチャー)と同様の機能を構成単位(a0)が担う場合は、弱酸を発生するAを選択することが好ましい。
なお、ここで強酸、弱酸とは、後述する構成単位(a11)、(a12)に含まれるような酸の作用により分解する酸分解性基の活性化エネルギーとの関係性や、共に用いられる酸発生剤の酸強度との関係性において決定されるものである。そのため、上述した“比較的弱い酸”が、必ずクエンチャーとして用いることができるものではない。
式(a0−2)中、Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は、芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。
m+の有機カチオンとしては、芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さないものであれば特に限定されず、例えば、従来、レジスト組成物のクエンチャーに用いられる光分解性塩基や、レジスト組成物のオニウム系酸発生剤等のカチオン部として知られている有機カチオンを用いることができる。このような有機カチオンとしては、例えば、下記一般式(m−1)または(m−2)で表されるカチオンを用いることができる。
Figure 2013097272
[式中、R101”〜R103”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基またはアルケニル基を表す。ただしR101”〜R103”はこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。R101”〜R103”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。R105”〜R106”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基またはアルケニル基を表す。ただしR105”〜R106”はこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。]
前記式(m−1)、(m−2)中、R101”〜R103”、 R105”〜R106”における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、それぞれ、前記一般式(a0−1)中のR、Rの説明で挙げたアリール基、アルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
前記式(m−1)におけるR101”〜R103”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合に形成される環としては、前記一般式(a0−1)中のR〜Rが結合して式中のイオウ原子と共に形成する環として挙げたものと同様のものが挙げられる。
m+としては、前記一般式(m−1)で表されるカチオンが好ましく、下記一般式(m−11)、(m−12)、(m−13)または(m−14)で表されるカチオンがより好ましい。
Figure 2013097272
[式中、uは1〜3の整数である。R6aは置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R6bは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、非芳香族の置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただしR6aおよびR6bはこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。R7aは置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R7bは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただしR7aおよびR7bはこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。Rは置換基を有していてもよいアルキル基、非芳香族の置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただしRは芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。R9a〜R9cはそれぞれ独立に、置換基を有していてもよいアルキル基、非芳香族の置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基を表す。ただしR9a〜R9cはこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。]
式中、uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
式中、R6a、R7aにおけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1または2が特に好ましい。
該アルキレン基が有していてもよい置換基としては、前記Rの説明で、置換アルキレン基における置換基として挙げたものと同様のもの(ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”、アリール基等)が挙げられる。
式中、R6b、R7b、R、R9a〜R9cにおける置換基を有していてもよいアルキル基としては、前記一般式(a0−1)中のR、Rの説明で挙げた置換アルキル基と同様のものが挙げられる。
6b、R7b、R、R9a〜R9cにおけるフェニル基またはナフチル基が有していてもよい非芳香族の置換基としては、前記一般式(a0−1)中のR、Rの説明で挙げた置換アリール基が有していてもよい非芳香族の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記一般式(m−1)で表されるカチオンのなかで好適なものとして具体的には、下記式(m1−1−1)〜(m1−1−10)で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2013097272
式(m1−1−1)中、Rは非芳香族の置換基である。該置換基としては、上記置換アリール基についての説明のなかで例示した非芳香族の置換基と同様のものが挙げられる。
前記一般式(a0−2)で表される基を有する構成単位(以下、「構成単位(a0−2)」という。)としては、構造中に前記一般式(a0−2)で表される基を有するものであれば特に限定されるものではないが、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位であって前記一般式(a0−2)で表される基を含む構成単位が好ましく、下記一般式(a0−21)で表される構成単位が特に好ましい。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Q2aは単結合又は2価の連結基である。Q2bは単結合又は2価の連結基である。Aはアニオンを含む有機基である。Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は、芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。]
式(a0−21)中、Rは前記式(a0−11)中のRと同様である。
A−、(Mm+1/mはそれぞれ前記式(a0−2)中のA−、(Mm+1/mと同様である。
2aにおける2価の連結基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
なかでも、Q2aとしては、単結合、−C(=O)−Q22−N(R)−または−Q23−CF(Rq1)−が好ましい。
−C(=O)−Q22−N(R)−中、Q22は2価の連結基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
−Q23−CF(Rq1)−中、Q23は−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−を含有する基であり、Rq1はフッ素原子又はフッ素化アルキル基である。
−C(=O)−Q22−N(R)−中、Q22の2価の連結基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられ、なかでも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基が特に好ましく、メチレン基又はエチレン基が最も好ましい。
における炭素数1〜5のアルキル基としては、前記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられる。なかでもRとしては、水素原子又はメチル基が好ましい。
−Q23−CF(Rq1)−中、Q23として具体的には、−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−からなる基;−O−、−CH−O−又は−C(=O)−O−と、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とからなる基等が挙げられる。
かかる置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基で挙げた置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられる。なかでも、Q23における「2価の炭化水素基」としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。
23としては、−C(=O)−O−と置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とからなる基が好ましく、−C(=O)−O−と脂肪族炭化水素基とからなる基がより好ましく、−C(=O)−O−と直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基とからなる基がさらに好ましい。
23の好適なものとして具体的には、特に、下記一般式(Q23−1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013097272
[式(Q23−1)中、Rq2及びRq3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はフッ素化アルキル基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。]
前記式(Q23−1)中、Rq2、Rq3におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
環状のアルキル基の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10であることが最も好ましい。具体的には、モノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。なかでも、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
q2、Rq3におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されている基である。
当該フッ素化アルキル基において、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよく、上記「Rq2、Rq3におけるアルキル基」と同様のものが挙げられる。
q2及びRq3は、互いに結合して環を形成していてもよく、Rq2とRq3とこれらが結合している炭素原子とが構成する環としては、前記環状のアルキル基におけるモノシクロアルカン又はポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いたものが例示でき、4〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることがより好ましい。
上記の中でも、Rq2、Rq3は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
−Q23−CF(Rq1)−中、Rq1におけるフッ素化アルキル基において、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、炭素数が1〜3であることがより好ましく、炭素数が1〜2であることが特に好ましい。
環状のアルキル基の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがより好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましい。具体的には、モノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカン;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
フッ素化アルキル基においては、当該フッ素化アルキル基に含まれるフッ素原子と水素原子との合計数に対するフッ素原子の数の割合(フッ素化率(%))が、30〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。該フッ素化率が高いほど、レジスト膜の疎水性が高まる。
上記の中でも、Rq1はフッ素原子であることが好ましい。
式(a0−21)中、Q2bにおける2価の連結基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでも、Q2bとしては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せ、環状の脂肪族炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せ、芳香族炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せがより好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せ、2価の脂環式炭化水素基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せが特に好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せが最も好ましい。
構成単位(a0−2)としては、下記式(a0−2−11)〜(a0−2−13)、(a0−2−21)〜(a0−2−25)、(a0−2−31)〜(a0−2−32)、(a0−2−41)〜(a0−2−44)で表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
これらのうち、下記式(a0−2−11)〜(a0−2−13)で表される構成単位としては、それぞれ、下記式(a0−2−11−1)〜(a0−2−13−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013097272
[式中、R、Q22〜Q23、W、Rq1、R、(Mm+1/mは前記と同様であり、Q21はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。]
Figure 2013097272
[式中、R、Q21〜Q23、Rf1、Rf2、p0、R、Rq1、(Mm+1/mは前記と同様である。]
Figure 2013097272
[式中、R、Q21〜Q23、Z〜Z、R62〜R63、R、Rq1、(Mm+1/mは前記同様である。n60は0〜3の整数である。]
Figure 2013097272
[式中、R、Z〜Z、R61、R、(Mm+1/mは前記と同様であり、Q24、Q25はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。]
Figure 2013097272
[式中、R、R、(Mm+1/mは前記と同様であり、Q26〜Q28はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。n30は0〜3の整数である。]
式(a0−2−11)〜(a0−2−13)中、R、(Mm+1/mはそれぞれ前記式(a0−21)中のR、(Mm+1/mと同様である。
は前記式(a0−2−an1)中のWと同様である。
22、Rはそれぞれ、前記一般式(a0−21)中のQ2aにおける2価の連結基として挙げた−C(=O)−Q22−N(R)−中のQ22、Rと同様である。
23、Rq1はそれぞれ、前記一般式(a0−21)中のQ2aにおける2価の連結基として挙げた−Q23−CF(Rq1)−中のQ22、Rq1と同様である。
21は、単結合又は2価の連結基である。Q21としては、前記一般式(a0−21)中のQ2bと同様のものが挙げられる。
式(a0−2−11−1)〜(a0−2−13−1)中、R、Q21〜Q23、R、Rq1、(Mm+1/mはそれぞれ前記式(a0−2−11)〜(a0−2−13)中のR、Q21〜Q23、R、Rq1、(Mm+1/mと同様である。
f1、Rf2、p0はそれぞれ、前記式(a0−2−an1−1)中のRf1、Rf2、p0と同様である。
式(a0−2−21)〜(a0−2−25)中、R、Q21〜Q23、R、Rq1、(Mm+1/mはそれぞれ前記式(a0−2−11)〜(a0−2−13)中のR、Q21〜Q23、R、Rq1、(Mm+1/mと同様である。
〜Z、R62〜R63はそれぞれ、前記式(a0−2−an2)中のZ〜Z、R62〜R63と同様である。
n60は0〜3の整数であり、0又は1であることが好ましい。
式(a0−2−31)〜(a0−2−32)中、R、R、(Mm+1/mはそれぞれ、前記式(a0−2−11)〜(a0−2−13)中のR、Rnn、(Mm+1/mと同様である。
〜Z、R61はそれぞれ、前記式(a0−2−an3)中のZ〜Z、R61と同様である。
24、Q25はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。
24、Q25の2価の連結基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。なお、上述したように、Zが単結合である場合、Q24、Q25のZと結合する末端は−C(=O)−でないことが好ましい。Q24、Q25の2価の連結基としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。これらの中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基がより好ましい。
式(a0−2−41)〜(a0−2−44)中、R、R、(Mm+1/mはそれぞれ、前記式(a0−2−11)〜(a0−2−13)中のR、R、(Mm+1/mと同様である。
26〜Q28はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。Q26〜Q28は、前記Q24、Q25と同様である。
n30は0〜3の整数であり、0又は1であることが好ましい。
以下に、構成単位(a0−2)の具体例を示す。以下の各式中、Rαは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、(Mm+1/mは前記と同様である。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
(A1)成分に含まれる構成単位(a0)は1種でも2種以上でもよい。
(A1)成分中、構成単位(a0)の割合は、当該重合体を構成する全構成単位に対して1〜50モル%であることが好ましく、1〜45モル%がより好ましく、3〜40モル%がさらに好ましく、5〜35モル%が特に好ましい。1モル%以上とすることにより、パターン形状(ラフネス、矩形性等)や、露光余裕度、解像性等のリソグラフィー特性の向上効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。また、レジスト溶剤(後述する(S)成分)に対する充分な溶解性が確保できる。
(構成単位(a11))
構成単位(a11)は、酸の作用により極性が増大し且つ多環式基を含む酸分解性基を含む構成単位である。
「酸分解性基」は、露光により(A)成分または任意に添加される酸発生剤成分(B)から発生する酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
酸分解性基を構成する極性基としては、たとえばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。これらのなかでも、カルボキシ基または水酸基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸の作用により極性が増大し且つ多環式基を含む酸分解性基としてより具体的には、前記極性基を、多環式基を含む酸解離性基(以下、多環式基含有酸解離性基という。)で保護した基(たとえば前記極性基の水素原子を多環式基含有酸解離性基で置換した基)が挙げられる。
「酸解離性基」は、露光により(A)成分または任意に添加される酸発生剤成分(B)から発生する酸の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じ、(A)成分の極性が増大する。(A)成分の極性が増大することで、アルカリ現像プロセスの場合は露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が増大し、溶剤現像プロセスの場合は露光部の有機系現像液に対する溶解性が減少する。
多環式基含有酸解離性基としては、構造中に多環式基を含むものであれば特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と第3級アルキルエステルを形成する基、アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が第3級アルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記第3級アルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基が形成される。
前記第3級アルキル基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」という。
多環式基を含む第3級アルキルエステル型酸解離性基(以下、多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基)が有する多環式基は、脂肪族多環式基であっても芳香族多環式基であってもよい。
脂肪族多環式基は、芳香族性を持たない多環式基を示す。該脂肪族多環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族多環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族多環式基の炭素数は7〜30が好ましく、10〜30がより好ましく、10〜20がさらに好ましく、10〜15が特に好ましく、10〜12が最も好ましい。多環式の脂肪族環式基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。また、これらの脂肪族環式基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
該脂肪族多環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
芳香族多環式基は、多環式の芳香環を少なくとも1つ有する1価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。多環式の芳香環の炭素数は7〜30が好ましく、10〜20がより好ましく、10〜15がさらに好ましく、10〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。多環式の芳香環として具体的には、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族多環式基としては、1−ナフチル基、2−ナフチル基が好ましい。
該芳香族多環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基としては、たとえば、
(p−i)1価の脂肪族多環式基の環骨格上の、当該酸解離性基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(p−ii)1価の脂肪族多環式基または芳香族多環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基;などが挙げられる。
前記(p−i)の基において、脂肪族多環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえばアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(p1−1)〜(p1−8)中のR14と同様のものが挙げられる。
前記(p−i)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(p1−1)〜(p1−8)で表される基等が挙げられる。
前記(p−ii)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(p2−1)〜(p2−5)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R14は鎖状または環状のアルキル基であり、gは0〜8の整数である。]
Figure 2013097272
[式中、R15およびR16は、それぞれ独立して鎖状または環状のアルキル基である。]
式(p1−1)〜(p1−8)中、R14のアルキル基は、鎖状、環状のいずれであってもよい。鎖状のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状のいずれであってもよい。環状のアルキル基は、単環式、多環式のいずれであってもよい。
14における直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
14における分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、イソプロピル基またはtert−ブチル基が好ましい。
14における環状のアルキル基は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、モノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
式(p2−1)〜(p2−5)中、R15〜R16のアルキル基としては、前記R14のアルキル基と同様のものが挙げられる。それらの中でも、直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
上記式(p1−1)〜(p1−8)、(p2−1)〜(p2−4)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(p1−1)〜(p1−8)、(p2−1)〜(p2−5)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
「アセタール型酸解離性基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のOH含有極性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性基と、当該アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基、水酸基等のOH含有極性基が形成される。
多環式基を含むアセタール型酸解離性基(以下、多環式基含有アセタール型酸解離性基)としては、たとえば、下記一般式(3p−1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは脂肪族多環式基を表す。]
式(3p−1)中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’のアルキル基としては、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式(3p−1)においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。
の脂肪族多環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている脂肪族多環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の説明で挙げた脂肪族多環式基と同様のものが例示できる。
多環式基含有アセタール型酸解離性基としては、下記一般式(3p−2)で示される基も挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rp7、Rp8はそれぞれ独立して直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、Rp9は脂肪族多環式基である。またはRp7が直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、Rp8が直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、Rp9が脂肪族環式基であって、Rp7とRp9とが結合して多環式基を形成している。]
p7、Rp8において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にRp7、Rp8の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
p9は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
p9の脂肪族多環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている脂肪族多環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記第3級アルキルエステル型酸解離性基の説明で挙げた脂肪族多環式基と同様のものが例示できる。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいポリシクロアルカン(ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等)から1個以上の水素原子を除いた基などが例示でき、中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
上記式(3p−2)においては、Rp7が直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基、Rp9は脂肪族環式基であって、それらが結合していてもよい。この場合、Rp9の脂肪族環式基は、単環式でも多環式でもよく、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより多環式基が形成される。
構成単位(a11)としては、多環式基を含む酸分解性基を有するものであれば他の部位の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって多環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a11−1)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が多環式基を含む酸解離性基または多環式基を含む酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位(a11−2)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が多環式基を含む酸解離性基または多環式基を含む酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位(a11−3)、等が挙げられる。ラインエッジラフネスの点では構成単位(a11−1)が好ましい。EUV波長を吸収しやすくまた、OoB光の酸発生成分への影響をより低減できる点では構成単位(a11−2)〜(a11−3)が好ましい。
{構成単位(a11−1)}
構成単位(a11−1)としては、たとえば、下記一般式(a11−01)で表される構成単位、下記一般式(a11−02)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Xは多環式基を含む酸解離性基であり;Yは2価の連結基である。]
一般式(a11−01)、(a11−02)において、Rのアルキル基、ハロゲン化アルキル基は、それぞれ、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の置換基として挙げたアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
の酸解離性基は、多環式基を含むものであれば特に限定されることはなく、たとえば上述した多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基、多環式基含有アセタール型酸解離性基などを挙げることができる。それらの中でも多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。これら置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
が直鎖状または分岐鎖状アルキレン基である場合、該アルキレン基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。具体的には、前記Qにおける2価の連結基の説明中、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
が2価の脂環式炭化水素基である場合、該脂環式炭化水素基としては、前記(a0−1)中のQにおける2価の連結基の説明中、「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」として挙げた脂環族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
該脂環式炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が二個以上除かれた基であることが特に好ましい。
がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、該連結基として好ましいものとして、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、一般式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
が−NH−の場合、そのHはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アシル基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記でYにおける「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
におけるヘテロ原子を含む2価の連結基としては、少なくとも1種と非炭化水素基と2価の炭化水素基との組み合わせからなる有機基が好ましい。なかでも、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基、が好ましく、前記式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましく、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基好ましい。
としては、上記のなかでも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がさらに好ましい。
構成単位(a11−1)として、より具体的には、下記一般式(a11−11)〜(a11−14)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R、R’、R’、n、YおよびYはそれぞれ前記と同じであり、Xp1は多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基を表す。]’
式中、Xp1としては、前記多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「多環式基含有アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(3p−1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上述の一般式(a11−02)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a11−11)〜(a11−14)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
(A1)成分が含有する構成単位(a11)は1種であってもよく2種以上であってもよい。
本発明においては、構成単位(a11)として、下記一般式(a11−01−1)で表される構成単位、下記一般式(a11−01−2)で表される構成単位、下記一般式(a11−02)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。R14は鎖状または環状のアルキル基であり、R21は、当該R21が結合した炭素原子と共に脂肪族多環式基を形成する基である。R15およびR16は、それぞれ独立して鎖状または環状のアルキル基であり、R22は、当該R22が結合した炭素原子と共に多環式基を形成する基である。Yは2価の連結基であり、Xは多環式基を含む酸解離性基である。]
式(a11−01−1)中、Rについての説明は前記式(a11−01)中のRと同じである。
14は、前記式(p1−1)〜(p1−8)中のR14と同様であり、メチル基、エチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基が好ましい。
21が、当該R21が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基としては、前記多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の説明で挙げた脂肪族多環式基と同様のものが挙げられる。該脂肪族多環式基としては、2−アダマンチル基が最も好ましい。
式(a11−01−1)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a11−11−1)〜(a1−11−17)で表される構成単位が挙げられる。それらの中でも、式(a11−11−1)〜(a1−11−5)で表される構成単位が好ましい。
式(a11−01−2)中、Rについての説明は前記式(a11−01)中のRと同じである。
15、R16はそれぞれ、前記式(p2−1)〜(p2−5)中のR15、R16と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましい。
22が、当該R22が結合した炭素原子と共に形成する多環式基としては、脂肪族多環式基でも芳香族多環式基でもよい。脂肪族多環式基、芳香族多環式基としてはそれぞれ、前記多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の説明で挙げた脂肪族多環式基、芳香族多環式基と同様のものが挙げられる。該多環式基としては、1−アダマンチル基が最も好ましい。
式(a11−01−2)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a11−11−18)〜(a1−11−22)で表される構成単位が挙げられる。それらの中でも、式(a11−11−18)〜(a1−11−20)で表される構成単位が好ましい。
式(a11−02)についての説明は前記と同じである。
式(a11−02)で表される構成単位としては、前記式(a11−13)または(a11−14)で表される構成単位が挙げられ、特に式(a11−13)で表される構成単位が好ましい。
式(a11−02)で表される構成単位としては、特に、式中のYが前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基であるものが好ましい。かかる構成単位として、好ましいものとしては、下記一般式(a11−13−01)で表される構成単位;下記一般式(a11−13−02)で表される構成単位などが挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R、R14はそれぞれ前記と同じであり、R13は水素原子またはメチル基であり、yは1〜10の整数である。]
Figure 2013097272
[式中、R、Xはそれぞれ前記と同じであり、Y’およびY”はそれぞれ独立して2価の連結基であり、wは0〜3の整数である。]
式(a11−13−01)中、R13は、水素原子が好ましい。
yは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が最も好ましい。
n’は、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
式(a11−13−01)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a11−13−9)〜(a11−13−10)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a11−13−02)中、Xにおける多環式基を含む酸解離性基は、前記と同様のものが挙げられ、多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、上述した(p−i)1価の脂肪族多環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に置換基が結合して第3級炭素原子が形成されている基がより好ましく、中でも、前記一般式(p1−1)で表される基が好ましい。
’、Y” における2価の連結基としては、前記一般式(a11−13)におけるYと同様のものが挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
式(a11−13−02)で表される構成単位としては、下記一般式式(a11−13−02−1)で表される構成単位が特に好ましい。
Figure 2013097272
[式中、RおよびR14はそれぞれ前記と同じであり、a’は1〜10の整数であり、b’は1〜10の整数である。]
式(a11−13−02−1)中、a’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が特に好ましい。
b’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(a11−13−02−1)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a11−13−11)〜(a11−13−12)で表される構成単位が挙げられる。
{構成単位(a11−2)}
構成単位(a11−2)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が多環式基を含む酸解離性基または多環式基を含む酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
水酸基の水素原子を置換する「多環式基を含む酸解離性基」としては、前記と同様のものが挙げられ、多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基または多環式基含有アセタール型酸解離性基が好ましく、多環式基含有アセタール型酸解離性基がより好ましい。
「多環式基を含む酸解離性基を含む置換基」としては、多環式基を含む酸解離性基と2価の連結基とから構成される基が挙げられる。2価の連結基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられ、特に、酸解離性基側の末端構造がカルボニルオキシ基である基が好ましい。この場合、該カルボニルオキシ基の酸素原子(−O−)に酸解離性基が結合していることが好ましい。
多環式基を含む酸解離性基を含む置換基としては、R11’−O−C(=O)−で表される基、R11’−O−C(=O)−R12’−で表される基が好ましい。式中、R11’は多環式基を含む酸解離性基であり、R12’は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。
11’における多環式基を含む酸解離性基は、多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基または多環式基含有アセタール型酸解離性基が好ましく、多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基がより好ましい。該多環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の好ましい例として、前述した式(p1−1)〜(p1−8)で表される基、式(p2−1)〜(p2−5)で表される基等が挙げられる。
12’におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。R12’としては、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
構成単位(a11−2)として具体的には、たとえば前記一般式(U−3)中、ベンゼン環に結合する−(OXpxのpxが1〜3の整数であり、Xの少なくとも1つが、多環式基を含む酸解離性基または多環式基を含む酸解離性基を含む置換基であるものが挙げられる。pxが2または3である場合、複数のXは同じでも異なってもよい。たとえば1つが多環式基を含む酸解離性基または多環式基を含む酸解離性基を含む置換基であり、他の1つまたは2つが水素原子であってもよい。
{構成単位(a11−3)}
構成単位(a11−3)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が多環式基を含む酸解離性基または多環式基を含む酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
構成単位(a11−3)において、水酸基の水素原子を置換する「多環式基を含む酸解離性基」、「多環式基を含む酸解離性基を含む置換基」としては、それぞれ、前記構成単位(a11−2)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
構成単位(a11−3)として具体的には、たとえば前記一般式(U−4)中、ベンゼン環に結合する−(OXのxが1〜3の整数であり、Xの少なくとも1つが、多環式基を含む酸解離性基または多環式基を含む酸解離性基を含む置換基であるものが挙げられる。xが2または3である場合、複数のXは同じでも異なってもよい。たとえば1つが多環式基を含む酸解離性基または多環式基を含む酸解離性基を含む置換基であり、他の1つまたは2つが水素原子であってもよい。
(構成単位(a12))
構成単位(a12)は、酸の作用により極性が増大し且つ単環式基を含む酸分解性基を含む構成単位である。
酸の作用により極性が増大し且つ単環式基を含む酸分解性基としてより具体的には、極性基を、単環式基を含む酸解離性基(以下、単環式基含有酸解離性基という。)で保護した基(たとえば極性基の水素原子を単環式基含有酸解離性基で置換した基)が挙げられる。なお、単環式含有酸解離性基はその構造中に多環式基を含まない。
極性基としては、前記構成単位(a11)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。「酸分解性基」、「酸解離性基」の定義は前記と同様である。
単環式基含有酸解離性基としては、前述した多環式基含有酸解離性基における多環式基を単環式基で置換したものが挙げられ、たとえば単環式基を含む第3級アルキルエステル型酸解離性基(以下、単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基)、単環式基を含むアセタール型酸解離性基(以下、単環式基含有アセタール型酸解離性基)等が挙げられる。
単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基が有する単環式基は、脂肪族単環式基であっても芳香族単環式基であってもよい。
脂肪族単環式基は、芳香族性を持たない単環式基を示す。該脂肪族単環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族単環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族単環式基の炭素数は3〜15が好ましく、5〜13がより好ましく、5〜10がさらに好ましい。単環式の脂肪族環式基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜12のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等が挙げられる。また、これらの脂肪族単環式基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
該脂肪族単環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
芳香族単環式基は、単環式の芳香環を少なくとも1つ有する1価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。単環式の芳香環の炭素数は5〜13であることが好ましく、5〜10がより好ましく、6〜10がさらに好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。単環式の芳香環として具体的には、ベンゼン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。単環式の芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
該芳香族単環式基としては、フェニル基が好ましい。
該芳香族単環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基としては、たとえば、
(m−i)1価の脂肪族単環式基の環骨格上の、当該酸解離性基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(m−ii)1価の脂肪族単環式基または芳香族単環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基;などが挙げられる。
前記(m−i)の基において、脂肪族単環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえば鎖状または単環式の環状のアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(m1−1)中のR14’と同様のものが挙げられる。
前記(m−i)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(m1−1)で表される基等が挙げられる。
前記(m−ii)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(m2−1)〜(m2−3)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R14’は鎖状または単環式のアルキル基であり、gは0〜8の整数であり、R15’およびR16’はそれぞれ独立して鎖状または単環式の環状のアルキル基である。]
式(m1−1)中、R14’のアルキル基としては、前記式(p1−1)〜(p1−8)中のR14のアルキル基と同様のものが挙げられる(ただし、多環式の環状アルキル基を除く)。
gは、0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
式(m2−1)〜(m2−3)中、R15’〜R16 ’のアルキル基としては、それぞれ、前記R14’のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記式(m1−1)、(m2−1)〜(m2−2)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(m1−1)、(m2−1)〜(m2−3)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
単環式基含有アセタール型酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(3m−1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは脂肪族単環式基を表す。]
式(3m−1)中、n、R’、R’はそれぞれ、前記一般式(3p−1)中のn、R’、R’と同様である。
の脂肪族単環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている脂肪族単環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の説明で挙げた脂肪族単環式基と同様のものが例示できる。
単環式基含有アセタール型酸解離性基としては、下記一般式(3m−2)で示される基も挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rm7、Rm8はそれぞれ独立して直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、Rm9は脂肪族単環式基である。またはRm7が直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であり、Rm8が直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、Rm9が直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であって、Rm7とRm9とが結合して単環式基を形成している。]
p7、Rp8において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にRp7、Rp8の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
p9は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
p9の脂肪族単環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている脂肪族単環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の説明で挙げた脂肪族単環式基と同様のものが例示できる。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが例示でき、中でもシクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタンまたはシクロオクタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(3m−2)においては、Rp7、R19がそれぞれ独立に直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基であって、それらが結合してもよい。この場合、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより単環式基が形成される。
構成単位(a12)としては、単環式基を含む酸分解性基を有するものであれば他の部位の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって単環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a12−1)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が単環式基を含む酸解離性基または単環式基を含む酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位(a12−2)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が単環式基を含む酸解離性基または単環式基を含む酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位(a12−3)、等が挙げられる。ラインエッジラフネスの点では構成単位(a12−1)が好ましい。EUV波長を吸収しやすくまた、OoB光の酸発生成分への影響をより低減できる点では構成単位(a12−2)〜(a12−3)が好ましい。
{構成単位(a12−1)}
構成単位(a12−1)としては、たとえば、下記一般式(a12−01)で表される構成単位、下記一般式(a12−02)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Xは単環式基を含む酸解離性基であり;Yは2価の連結基である。]
一般式(a12−01)、(a12−02)において、R、Yはそれぞれ、前記一般式(a11−01)、(a11−02)中のR、Yと同様のものが挙げられる。
の酸解離性基は、単環式基を含むものであれば特に限定されることはなく、たとえば上述した単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基、単環式基含有アセタール型酸解離性基などを挙げることができる。それらの中でも単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
構成単位(a12−1)として、より具体的には、下記一般式(a12−11)〜(a12−14)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R、R’、R’、n、YおよびYはそれぞれ前記と同じであり、Xm1は単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基を表す。]’
式中、Xm1としては、前記単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「単環式基含有アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(3m−1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上述の一般式(a12−02)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a12−11)〜(a12−14)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
(A1)成分が含有する構成単位(a12)は1種であってもよく2種以上であってもよい。
本発明においては、構成単位(a12)として、下記一般式(a12−01−1)で表される構成単位、下記一般式(a12−01−2)で表される構成単位、下記一般式(a12−02)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。R14’は鎖状または単環式の環状のアルキル基であり、R23は、当該R23が結合した炭素原子と共に脂肪族単環式基を形成する基である。R15’およびR16’は、それぞれ独立して鎖状または単環式の環状のアルキル基であり、R24は、当該R24が結合した炭素原子と共に単環式基を形成する基である。Yは2価の連結基であり、Xは単環式基を含む酸解離性基である。]
式(a12−01−1)中、Rについての説明は前記式(a12−01)中のRと同じである。
14’は、前記式(m1−1)中のR14’と同様であり、メチル基、エチル基、イソプロピル基またはtert−ブチル基が好ましい。
23が、当該R23が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族単環式基としては、前記単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の説明で挙げた脂肪族単環式基と同様のものが挙げられる。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該モノシクロアルカンは、3〜11員環であることが好ましく、3〜8員環であることがより好ましく、4〜6員環がさらに好ましく、5または6員環が特に好ましい。
該モノシクロアルカンは、環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
該モノシクロアルカンは、置換基として、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を有していてもよい。
かかる脂肪族単環式基を構成するR23としては、たとえば、炭素原子間にエーテル基(−O−)が介在してもよい直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
式(a12−01−1)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a12−11−1)〜(a12−11−14)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、式(a12−11−1)〜(a12−11−12)で表される構成単位を包括する下記(a12−1−02)で表される構成単位が好ましい。また、下記(a12−1−02’)で表される構成単位も好ましい。
各式中、hは、1または2が好ましい。
Figure 2013097272
[式中、R、R14’はそれぞれ前記と同じであり、hは1〜4の整数である。]
式(a12−01−2)中、Rについての説明は前記式(a12−01)中のRと同じである。
15’、R16’はそれぞれ、前記式(m2−1)〜(m2−3)中のR15’、R16’と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましい。
24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する単環式基としては、脂肪族単環式基でも芳香族単環式基でもよい。脂肪族単環式基、芳香族単環式基としてはそれぞれ、前記単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の説明で挙げた脂肪族単環式基、芳香族単環式基と同様のものが挙げられる。該単環式基としては、シクロヘキシル基が最も好ましい。
式(a12−01−2)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a12−11−15)〜(a12−11−16)で表される構成単位が挙げられる。
式(a12−02)についての説明は前記と同じである。
式(a12−02)で表される構成単位としては、前記式(a12−13)または(a12−14)で表される構成単位が挙げられ、特に式(a12−13)で表される構成単位が好ましい。
式(a12−02)で表される構成単位としては、特に、式中のYが前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基であるものが好ましい。かかる構成単位として、好ましいものとしては、下記一般式(a12−13−01)で表される構成単位;下記一般式(a12−13−02)で表される構成単位などが挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R、R14’、gはそれぞれ前記と同じであり、R13は水素原子またはメチル基であり、yは1〜10の整数である。]
Figure 2013097272
[式中、R、Xはそれぞれ前記と同じであり、Y’およびY”はそれぞれ独立して2価の連結基であり、wは0〜3の整数である。]
式(a12−13−01)中、R14’、gはそれぞれ前記式(m1−1)中のR14’、gと同様である。
13は、水素原子が好ましい。
yは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が最も好ましい。
式(a12−13−01)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a12−13−17)〜(a12−13−19)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a12−13−02)中、Xにおける単環式基を含む酸解離性基は、前記と同様のものが挙げられ、単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、上述した(m−i)1価の脂肪族単環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に置換基が結合して第3級炭素原子が形成されている基がより好ましく、中でも、前記一般式(m1−1)で表される基が好ましい。
’、Y” における2価の連結基としては、前記一般式(a12−13)におけるYと同様のものが挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
式(a12−13−02)で表される構成単位としては、下記一般式(a12−13−02−1)で表される構成単位が特に好ましい。
Figure 2013097272
[式中、R、R14’およびgはそれぞれ前記と同じであり、a’は1〜10の整数であり、b’は1〜10の整数であり、tは0〜3の整数である。]
式(a12−13−02−1)中、a’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が特に好ましい。
b’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(a12−13−02−1)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a12−13−20)〜(a12−13−22)で表される構成単位が挙げられる。
{構成単位(a12−2)}
構成単位(a12−2)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が単環式基を含む酸解離性基または単環式基を含む酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
水酸基の水素原子を置換する「単環式基を含む酸解離性基」としては、前記と同様のものが挙げられ、単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基または単環式基含有アセタール型酸解離性基が好ましく、単環式基含有アセタール型酸解離性基がより好ましい。
「単環式基を含む酸解離性基を含む置換基」としては、単環式基を含む酸解離性基と2価の連結基とから構成される基が挙げられる。2価の連結基としては、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられ、特に、酸解離性基側の末端構造がカルボニルオキシ基である基が好ましい。この場合、該カルボニルオキシ基の酸素原子(−O−)に酸解離性基が結合していることが好ましい。
単環式基を含む酸解離性基を含む置換基としては、R11”−O−C(=O)−で表される基、R11”−O−C(=O)−R12”−で表される基が好ましい。式中、R11”は単環式基を含む酸解離性基であり、R12”は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。
11”における単環式基を含む酸解離性基は、単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基または単環式基含有アセタール型酸解離性基が好ましく、単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基がより好ましい。該単環式基含有第3級アルキルエステル型酸解離性基の好ましい例として、前述した式(m1−1)で表される基、式(m2−1)〜(m2−3)で表される基等が挙げられる。
12”におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。R12”としては、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
構成単位(a12−2)として具体的には、たとえば前記一般式(U−3)中、ベンゼン環に結合する−(OXpxのpxが1〜3の整数であり、Xの少なくとも1つが、単環式基を含む酸解離性基または単環式基を含む酸解離性基を含む置換基であるものが挙げられる。pxが2または3である場合、複数のXは同じでも異なってもよい。たとえば1つが単環式基を含む酸解離性基または単環式基を含む酸解離性基を含む置換基であり、他の1つまたは2つが水素原子であってもよい。
{構成単位(a12−3)}
構成単位(a12−3)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が単環式基を含む酸解離性基または単環式基を含む酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
構成単位(a12−3)において、水酸基の水素原子を置換する「単環式基を含む酸解離性基」、「単環式基を含む酸解離性基を含む置換基」としては、それぞれ、前記構成単位(a12−2)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
構成単位(a12−3)として具体的には、たとえば前記一般式(U−4)中、ベンゼン環に結合する−(OXのxが1〜3の整数であり、Xの少なくとも1つが、単環式基を含む酸解離性基または単環式基を含む酸解離性基を含む置換基であるものが挙げられる。xが2または3である場合、複数のXは同じでも異なってもよい。たとえば1つが単環式基を含む酸解離性基または単環式基を含む酸解離性基を含む置換基であり、他の1つまたは2つが水素原子であってもよい。
(A1)成分中、構成単位(a11)(多環)および構成単位(a12)(単環)の合計の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、15〜70モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜55モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、感度、解像性、パターン形状等のリソグラフィー特性も向上する。また、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A1)成分中、構成単位(a11)と構成単位(a12)との共重合比(モル比、(a11):(a12))は、99:1〜1:99であることが好ましく、25:75〜75:25であることがより好ましく、35:65〜65:35であることがさらに好ましい。
本発明において、多環式基を含む構成単位(a11)は、主に、パターンの断面形状の矩形性の向上、EUVリソグラフィーやEBリソグラフィープロセスにおけるアウトガスの低減等に寄与し、単環式基を含む構成単位(a12)は、主に、ラフネスの低減、PEB温度の変動に対するパターン寸法の安定性の向上に寄与する。構成単位(a11)と構成単位(a12)とを併用することで、特に上記の範囲内の共重合比で含むことで、これらの効果が相乗的に高まる。
(A1)成分は、構成単位(a0)、(a11)、(a12)以外の構成単位を有していてもよい。このような構成単位としては、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能であり、たとえば、
酸の作用により極性が増大し且つ鎖状の酸分解性基を含む構成単位(a13);
−SO−含有環式基またはラクトン含有環式基を含む構成単位(a2);
極性基を含む構成単位(a3);
酸非解離性環式基を含む構成単位(a4);
等が挙げられる。
(構成単位(a13)
構成単位(a13)は、酸の作用により極性が増大し且つ鎖状の酸分解性基を含む構成単位である。
酸の作用により極性が増大し且つ鎖状の酸分解性基としてより具体的には、極性基を、鎖状の酸解離性基(以下、鎖状酸解離性基という。)で保護した基(たとえば極性基の水素原子を鎖状酸解離性基で置換した基)が挙げられる。
極性基としては、前記構成単位(a11)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。「酸分解性基」、「酸解離性基」の定義は前記と同様である。
鎖状酸解離性基としては、たとえば鎖状の第3級アルキルエステル型酸解離性基、鎖状のアセタール型酸解離性基等が挙げられる。
鎖状の第3級アルキルエステル型酸解離性基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性基が挙げられる。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性基としては、たとえば、−C(R71)(R72)(R73)で表される基が挙げられる。式中、R71〜R73は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(R71)(R72)(R73)で表される基は、炭素数が4〜8であることが好ましく、具体的にはtert−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基などが挙げられ、特にtert−ブチル基が好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性基は、水素原子の一部がフッ素原子で置換されていてもよい。この場合、前記−C(R71)(R72)(R73)で表される基のR71、R72およびR73のうちの1つがフッ素化アルキル基であり、2つがアルキル基であることが好ましい。該フッ素化アルキル基としては、−(CH−CFで表される基が好ましい。jは0〜3の整数である。
鎖状のアセタール型酸解離性基としては、たとえば、前記構成単位(a11)の説明で挙げた一般式(3p−1)中のY(脂肪族多環式基)を直鎖状または分岐鎖状のアルキル基で置換したものが挙げられる。該アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、メチル基またはエチル基が特に好ましい。
構成単位(a13)としては、前記構成単位(a11)における多環式基を含む酸解離性基を鎖状の酸解離性基で置換したものが挙げられ、たとえば以下に示すものが挙げられる。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013097272
(構成単位(a2))
(A1)成分は、構成単位(a0)、(a11)、(a12)に加えて、−SO−含有環式基またはラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)をさらに有することが好ましい。
構成単位(a2)の−SO−含有環式基またはラクトン環式基は、(A1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めうえで有効なものである。また、アルカリ現像液等の水を含有する現像液との親和性が向上する点で、アルカリ現像プロセスにおいて有効である。
なお、前記構成単位(a0)、(a11)または(a12)がその構造中に−SO−含有環式基またはラクトン含有環式基を含むものである場合、該構成単位は構成単位(a2)にも該当するが、このような構成単位は構成単位(a0)、(a11)または(a12)に該当し、構成単位(a2)には該当しないものとする。
ここで、「−SO−含有環式基」とは、その環骨格中に−SO−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に−SO−を含む環をひとつ目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。−SO−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
−SO−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO−を含む環式基、すなわち−O−SO−中の−O−S−が環骨格の一部を形成するサルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
−SO−含有環式基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、4〜15であることがさらに好ましく、4〜12であることが特に好ましい。ただし、該炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO−含有環式基は、−SO−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO−含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは−SO−含有脂肪族環式基である。
−SO−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO−または−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH−が−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH−CH−が−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
該脂環式炭化水素環は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
該脂環式炭化水素環は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素環としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
−SO−含有環式基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、シアノ基等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、A’は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり、zは0〜2の整数であり、R27はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり、R”は水素原子またはアルキル基である。]
前記一般式(3−1)〜(3−4)中、A’は、酸素原子(−O−)もしくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子である。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のR27はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
27におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
以下に、前記一般式(3−1)〜(3−4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
−SO−含有環式基としては、上記の中でも、前記一般式(3−1)で表される基が好ましく、前記化学式(3−1−1)、(3−1−18)、(3−3−1)および(3−4−1)のいずれかで表される基からなる群から選択される少なくとも一種を用いることがより好ましく、前記化学式(3−1−1)で表される基が最も好ましい。
「ラクトン含有環式基」とは、その環骨格中に−O−C(=O)−を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
構成単位(a2)におけるラクトン環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)としては、−SO−含有環式基またはラクトン含有環式基を有するものであれば他の部分の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって−SO−含有環式基を含む構成単位(a2)、及びα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であってラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位が好ましい。
・構成単位(a2):
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−0)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R28は−SO−含有環式基であり、R29は単結合または2価の連結基である。]
式(a2−0)中、Rは前記と同様である。
28は、前記で挙げた−SO−含有環式基と同様である。
29は、単結合、2価の連結基のいずれであってもよい。本発明の効果に優れることから、2価の連結基であることが好ましい。
29における2価の連結基としては、特に限定されず、たとえば、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。それらの中でも、アルキレン基、またはエステル結合(−C(=O)−O−)を含むものが好ましい。
該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、前記Yにおける脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−R30−C(=O)−O−[式中、R30は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a2)は、下記一般式(a2−0−1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2013097272
[式中、RおよびR28はそれぞれ前記と同様であり、R30は2価の連結基である。]
30としては、特に限定されず、たとえば、前記式(a0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
30の2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基またはアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH)−、−C(CH−または−C(CHCH−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前述した、−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−がより好ましい。Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、m’は0〜3の整数である。なかでも、−Y21−O−C(=O)−Y22−が好ましく、−(CH−O−C(=O)−(CH−で表される基が特に好ましい。cは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。dは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。
構成単位(a2)としては、特に、下記一般式(a2−0−11)または(a2−0−12)で表される構成単位が好ましく、式(a2−0−12)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2013097272
[式中、R、A’、R27、zおよびR30はそれぞれ前記と同じである。]
式(a2−0−11)中、A’はメチレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましい。
30としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R30における直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記で挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(a2−0−12)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a2−0−12a)または(a2−0−12b)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013097272
[式中、RおよびA’はそれぞれ前記と同じであり、c〜eはそれぞれ独立に1〜3の整数である。]
・構成単位(a2):
構成単位(a2)の例としては、たとえば前記一般式(a2−0)中のR28をラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;R’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり、R”は水素原子またはアルキル基であり;R29は単結合または2価の連結基であり、s”は0〜2の整数であり;A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり;mは0または1である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記同様である。
R’におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、前記一般式(3−1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基またはジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
29は、前記一般式(a2−0)中のR29と同様である。
式(a2−1)中、s”は1〜2であることが好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
構成単位(a2)としては、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前記一般式(a2−1)または(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
なかでも、前記式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−2−12)、(a2−2−14)、(a2−3−1)、(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、構成単位(a2)としては、下記式(a2−6)〜(a2−7)で表される構成単位も好ましい。
Figure 2013097272
[式中、R、R29は前記同様である。]
(A1)成分が有する構成単位(a2)は1種でも2種以上でもよい。たとえば構成単位(a2)として、構成単位(a2)のみを用いてもよく、構成単位(a2)のみを用いてもよく、それらを併用してもよい。また、構成単位(a2)または構成単位(a2)として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a2)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜80モル%であることが好ましく、10〜70モル%であることがより好ましく、10〜65モル%であることがさらに好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができ、DOF、CDU等の種々のリソグラフィー特性及びパターン形状が良好となる。
(構成単位(a3))
(A1)成分は、さらに、構成単位(a0)、(a11)および(a12)に加えて、または構成単位(a0)、(a11)、(a12)および(a2)に加えて、極性基を含む構成単位(a3)を有してもよい。(A1)成分が構成単位(a3)を有することにより、露光後の(A1)成分の極性がさらに向上する。極性の向上は、特にアルカリ現像プロセスの場合に、解像性等の向上に寄与する。
極性基としては、−OH、−COOH、−CN、−SONH、−CONH、等が挙げられる。−COOHを含むものとしては、(α置換)アクリル酸の構成単位も含む。
構成単位(a3)は、水素原子の一部が極性基で置換された炭化水素基を含む構成単位であることが好ましい。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。なかでも、当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基あることがより好ましい。
当該炭化水素基における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)が挙げられる。
該脂肪族環式基(単環式基、多環式基)としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該脂肪族環式基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。
当該炭化水素基における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
芳香環は、4n+2個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、
前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基やヘテロアリールアルキル基)における芳香環から水素原子をさらに1つ除いた基;等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
構成単位(a3)としては、下記一般式(a3−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Lは−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。Rは−COOH、または置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する炭化水素基であり、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。]
前記式(a3−1)中、Rのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a3−1)中、Lは、−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。Rのアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
前記式(a3−1)中、Rは、置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する炭化水素基であり、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。
「置換基を有する炭化水素基」とは、炭化水素基に結合した水素原子の少なくとも一部が置換基で置換されていることを意味する。
における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)が好適に挙げられ、これらの説明は上記と同様である。
における芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基であり、この説明は上記と同様である。
ただし、Rは、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。この「任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい」とは、炭化水素基、又は置換基を有する炭化水素基をそれぞれ構成する炭素原子(置換基部分の炭素原子を含む。)の一部が、酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよいこと、又は炭化水素基に結合した水素原子が酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよいこと、を意味する。
以下に、一例として任意の位置に酸素原子(O)を有するRについて例示する。
Figure 2013097272
[式中、W00は炭化水素基であり、Rは炭素数1〜5のアルキレン基である。]
前記式中、W00は炭化水素基であり、前記式(a3−1)中のRと同様のものが挙げられる。W00は、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは脂肪族環式基(単環式基、多環式基)である。
は、直鎖状、分岐鎖状であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基であることがより好ましい。
構成単位(a3)のなかで好適なものとして、より具体的には、(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位、下記一般式(a3−11)〜(a3−13)のいずれかで表される構成単位等が挙げられる。
(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位としては、前記式(a3−1)中のLが単結合であり、Rが−COOHである構成単位が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。W01は置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する芳香族炭化水素基である。P02及びP03はそれぞれ−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)である。W02は、置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する環状の炭化水素基であり、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。W03は置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する直鎖状の炭化水素基である。]
[一般式(a3−11)で表される構成単位]
前記式(a3−11)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
01における芳香族炭化水素基は、前記式(a3−1)中のRにおける芳香族炭化水素基の説明と同様である。
01における芳香族炭化水素基は、−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種以外の置換基を有していてもよい。該置換基としては、ハロゲン原子が好ましく、フッ素原子が特に好ましい。
以下に、一般式(a3−11)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013097272
[一般式(a3−12)で表される構成単位]
前記式(a3−12)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
02は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。Rのアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
02における環状の炭化水素基は、前記式(a3−1)中のRについての説明の中で例示した脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、芳香族炭化水素基とそれぞれ同様のものが挙げられる。
02は、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよく、この説明は前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
以下に、一般式(a3−12)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
[一般式(a3−13)で表される構成単位]
前記式(a3−13)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
03は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。Rのアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
03における直鎖状の炭化水素基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがより好ましく、炭素数1〜3であることがさらに好ましい。
03における直鎖状の炭化水素基は、−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONH以外の置換基(a)をさらに有していてもよい。この置換基(a)としては、炭素数1〜5のアルキル基、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
また、W03における直鎖状の炭化水素基は、一例として下記一般式(a3−13−a)で表される構成単位のように、複数の置換基(a)を有してもよく、複数の置換基(a)同士が相互に結合して環が形成されてもよい。
Figure 2013097272
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Ra1及びRa2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、フッ素原子、又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Ra1とRa2とが相互に結合して環を形成してもよい。qは1〜4の整数である。]
前記式(a3−13−a)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
a1及びRa2における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)は、前記置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)と同様である。
また、Ra1とRa2とは、相互に結合して環を形成してもよい。この場合、Ra1と、Ra2と、Ra1とRa2とが共に結合した炭素原子とにより環式基が形成される。該環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよく、具体的には、前記置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)についての説明の中で例示したモノシクロアルカン又はポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
は1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
以下に、一般式(a3−13)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013097272
(A1)成分が有する構成単位(a3)は1種であっても2種以上であってもよい。
(A1)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位に対して0〜85モル%であることが好ましく、0〜80モル%がより好ましい。構成単位(a3)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a3)を含有させることによる効果(解像性、リソグラフィー特性、パターン形状の向上効果)が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
(構成単位(a4))
(A1)成分は、さらに、必要に応じて、酸非解離性環式基を含む構成単位(a4)を有してもよい。(A1)成分が構成単位(a4)を有することにより、形成されるレジストパターンのドライエッチング耐性が向上する。また、(A1)成分の疎水性が高まる。疎水性の向上は、特に有機溶剤現像の場合に、解像性、レジストパターン形状等の向上に寄与する。
構成単位(a4)における「酸非解離性環式基」は、露光により前記構成単位(a0)や後述する任意の酸発生剤成分(B)から酸が発生した際に、該酸が作用しても解離することなくそのまま当該構成単位中に残る環式基である。
構成単位(a4)としては、前記構成単位(a11)または(a12)における酸解離性基を酸非解離性環式基で置換した構成単位が挙げられる。なかでも、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族環式基を含む構成単位(a41)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいスチレンから誘導される構成単位(a42)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニルナフタレンから誘導される構成単位(a43)等が好ましい。
構成単位(a41)における酸非解離性の脂肪族環式基としては、たとえば、当該脂肪族環式基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合していない1価の脂肪族環式基、1級または2級のアルキル基の水素原子の1つを1価の脂肪族環式基で置換した基、等が挙げられる。
1価の脂肪族環式基としては、酸非解離性であれば特に限定されず、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。該脂肪族環式基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、飽和であることが好ましい。
該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、炭素数が3〜30であるものが好ましく、5〜30であるものがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
該脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂肪族環式基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族環式基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。また、これらの脂肪族環式基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
該脂肪族環式基は、上記効果に優れることから、多環式であることが好ましい。特に、2〜4環式のものが好ましく、中でも、トリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基およびノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種が、工業上入手し易いなどの点で好ましい。
酸非解離性の脂肪族環式基としての1価の脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、当該脂肪族環式基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合していない1価の脂肪族環式基が挙げられる。具体的には、前記構成単位(a11)の説明で挙げた式(p1−1)〜(p1−8)で表される基におけるR14を水素原子で置換した基;前記構成単位(a12)の説明で挙げた式(m1−1)で表される基におけるR14’を水素原子で置換した基;環骨格を構成する炭素原子のみによって形成された第3級炭素原子を有するシクロアルカンの前記第3級炭素原子から水素原子を除いた基(たとえば1−アダマンチル基);等が挙げられる。
1級または2級のアルキル基の水素原子の1つを1価の脂肪族環式基で置換した基としては、前記構成単位(a11)の説明で挙げた式(p2−1)〜(p2−5)で表される基におけるR15およびR16の少なくともひとつを水素原子で置換した基;前記構成単位(a12)の説明で挙げた式(m2−1)〜(m2−3)で表される基におけるR15’およびR16’の少なくともひとつを水素原子で置換した基;等が挙げられる。
構成単位(a41)としては、前記構成単位(a11)または(a12)における酸解離性基を酸非解離性の脂肪族環式基で置換した構成単位が挙げられ、前記一般式(a11−01)におけるXを酸非解離性の脂肪族多環式基で置換した構成単位、すなわち下記一般式(a4−0)で表される構成単位が好ましく、特に、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013097272
[式中、Rは前記と同じであり、R40は酸非解離性の脂肪族多環式基である。]
Figure 2013097272
[式中、Rは前記と同じである。]
構成単位(a42)として具体的には、たとえば前記一般式(U−3)中、ベンゼン環に結合する−(OXpxのpxが0であるものが挙げられる。
構成単位(a43)として具体的には、たとえば前記一般式(U−4)中、ベンゼン環に結合する−(OXのxが0であるものが挙げられる。
(A1)成分が有する構成単位(a4)は1種でも2種以上でもよい。
(A1)成分が構成単位(a4)を含有する場合、(A1)成分中の構成単位(a4)の割合は、当該(A1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a4)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a0)〜(a4)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。
該他の構成単位は、上述の構成単位(a0)〜(a4)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用、EB用、EUV用等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
本発明において、(A1)成分は、構成単位(a0)、(a11)および(a12)を有する共重合体であり、構成単位(a0)、(a11)、(a12)および(a2)を有する共重合体であることがより好ましい。
かかる共重合体としては、たとえば、構成単位(a0)、(a11)および(a12)からなる共重合体、構成単位(a0)、(a11)、(a12)および(a2)からなる共重合体、構成単位(a0)、(a11)、(a12)および(a3)からなる共重合体、構成単位(a0)、(a11)、(a12)、(a2)および(a3)からなる共重合体等が例示できる。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、2000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A1)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
各構成単位を誘導するモノマーは、市販のものを用いても、公知の方法により合成したものを用いてもよい。
なお、構成単位(a0)を誘導するモノマーとしては、エチレン性二重結合等の重合性基と前記一般式(a0−1)または(a0−2)で表される基とを有する化合物(たとえば、一般式:CH=C(R)−Q−R−S(R)(R) Vで表される化合物またはCH=C(R)−Q−A (Mm+1/mで表される化合物)を用いてもよく、該化合物のVが他のアニオンまたはカチオンに置き換わった化合物または(Mm+1/mが他のカチオン(たとえばH、Na、K、NH 、N(CH等)に置き換わった化合物を用いてもよい。後者の場合、重合体を得た後、当該重合体に対して、Vとその対カチオンとの塩、または(Mm+1/mとその対アニオン(たとえばCl等)との塩を用いて塩交換を行うことにより(A1)成分を得ることができる。
また、水酸基等の極性基を有する重合体に、一般式−R−S(R)(R) Vまたは−A (Mm+1/mで表される基を含む化合物を反応させて、前記一般式(a0−1)または(a0−2)で表される基を導入してもよい。
また、(A1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A)成分において、(A1)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、25質量%以上が好ましく、50質量%がより好ましく、75質量%がさらに好ましく、100質量%であってもよい。該割合が25質量%以上であると、EUV露光またはEB露光により形成されるレジストパターンのパターン形状、限界解像性能等が向上する。
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A1)成分以外の、露光により酸を発生し且つ酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(以下、(A2)成分という。)を含有してもよい。(A2)成分としては、特に限定されず、従来提案されているものが利用できる。
本発明のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<任意成分>
[塩基性化合物(D)]
本発明のレジスト組成物は、任意の成分として、塩基性化合物(D)(以下、(D)成分という。)を含有することが好ましい。
本発明において、(D)成分は、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(A)成分や後述する(B)成分(任意に配合される酸発生剤成分)から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものである。なお、本発明において「塩基性化合物」とは、前記(A)成分または(B)成分に対して相対的に塩基性となる化合物をいう。
本発明における(D)成分は、カチオン部とアニオン部とからなる塩基性化合物(D1)(以下、「(D1)成分」という。)であってもよく、該(D1)成分に該当しない塩基性化合物(D2)(以下「(D2)成分」という。)であってもよい。
{(D1)成分}
(D1)成分は、カチオン部とアニオン部とからなる塩基性化合物である。かかる塩基性化合物は、前記(A)成分や酸発生剤成分(B)から発生する酸(強酸)を塩交換によりトラップする。
(D1)成分としてより具体的には、下記一般式(d11)で表される化合物(D11)、下記一般式(d12)で表される化合物(D12)、下記一般式(d13)で表される化合物(D13)等が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R1cは置換基を有していてもよい炭化水素基である。Z2cは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(ただし、Sに隣接する炭素原子にはフッ素原子は置換されていないものとする)である。R3cは有機基である。Yは直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基であり、Rf3はフッ素原子を含む炭化水素基である。Mはそれぞれ独立に、スルホニウム又はヨードニウムカチオンである。]
(化合物(D11))
・アニオン部
式(d11)中、R1cは置換基を有していてもよい炭化水素基である。
1cの置換基を有していてもよい炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記構成単位(a0)の説明中、一般式「R”SO 」においてR”が有していてもよい置換基として挙げた式:X−Q’−中のXと同様のものが挙げられる。
なかでもR1cの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基やナフチル基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
また、R1cの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は、フッ素化アルキル基であることも好ましい。
1cの直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
1cのフッ素化アルキル基は、鎖状であっても環状であってもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
フッ素化アルキル基の炭素数は、1〜11が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基や、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基等の分岐鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基が挙げられる。
また、R1cのフッ素化アルキル基は、フッ素原子以外の原子を含有してもよい。フッ素原子以外の原子としては、たとえば酸素原子、炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
なかでも、R1cのフッ素化アルキル基としては、直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基を構成する水素原子の全てがフッ素原子で置換された基(パーフルオロアルキル基)であることが好ましい。
以下に化合物(D11)のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2013097272
・カチオン部
式(d11)中、Mは、有機カチオンである。
の有機カチオンとしては、特に限定されず、例えば、従来、レジスト組成物のクエンチャーに用いられる光分解性塩基や、レジスト組成物のオニウム系酸発生剤等のカチオン部として知られている有機カチオンを用いることができる。このような有機カチオンとしては、例えば、下記一般式(ca−1)または(ca−2)で表されるカチオンが挙げられる。これらの中でも、一般式(ca−1)で表されるカチオンが好ましい。
Figure 2013097272
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基またはアルケニル基を表す。式(ca−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。]
前記式(ca−1)中、R”〜R”における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、それぞれ、前記一般式(a0−1)中のR〜Rの説明で挙げたアリール基、アルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
アリール基、アルキル基またはアルケニル基が有していてもよい置換基としては、前記一般式(a0−1)中のRの説明で、置換アルキレン基における置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。具体的には、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”、アリール基等が挙げられる。R”、R”、R”は、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基であり、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基であることが好ましい。
式(ca−1)で表されるカチオンのなかで、R”〜R”がそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基またはアルケニル基である場合の好適なものとして具体的には、下記式(ca−1−1)〜(ca−1−34)で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
[式中、g1、g2、g3は繰返し数を示し、g1は1〜5の整数であり、g2は0〜20の整数であり、g3は0〜20の整数である。]
Figure 2013097272
式(ca−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。この場合、該環は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。また、該環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。たとえば環を形成する2つの基のいずれか一方または両方が環式基(環状のアルキル基またはアリール基)である場合、それらが結合すると、多環式の環(縮合環)が形成される。
形成される環としては、式中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることが特に好ましい。
該環は、環骨格を構成する原子として、R”〜R”が結合した硫黄原子以外の他のヘテロ原子を有していてもよい。該ヘテロ原子としては、たとえば、硫黄原子、酸素原子、窒素原子等が挙げられる。
形成される環の具体例としては、たとえばチオフェン環、チアゾール環、ベンゾチオフェン環、チアントレン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、9H−チオキサンテン環、チオキサントン環、チアントレン環、フェノキサチイン環、テトラヒドロチオフェニウム環、テトラヒドロチオピラニウム環等が挙げられる。
式(ca−1)で表されるカチオンのなかで、R”〜R” のうちのいずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合の好ましい具体例として、たとえば、下記式(ca−2)〜(ca−5)で表されるカチオン部が挙げられる。
Figure 2013097272
[式中、R81〜R86はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
Figure 2013097272
[式中、uは1〜3の整数であり、Rは、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基またはアルキル基であり、R10は、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アルキル基、アルコキシ基または水酸基であり、R’は置換基を有していてもよいアルキレン基である。]
式(ca−2)〜(ca−3)中、R81〜R86におけるアルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
81〜R86に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR81〜R86はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
前記式(ca−2)又は(ca−3)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。
Figure 2013097272
式(ca−4)〜(ca−5)中、uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
は、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基またはアルキル基である。Rのアルキル基としては、前記R”〜R”におけるアルキル基と同様のものが挙げられる。
のフェニル基、ナフチル基またはアルキル基が有していてもよい置換基としては、前記一般式(a0−1)中のRの説明で、置換アルキレン基における置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。具体的には、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”、アリール基等が挙げられる。R”、R”、R”は、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基であり、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基であることが好ましい。
10は、置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基、アルキル基、アルコキシ基または水酸基である。Rのアルキル基、アルコキシ基におけるアルキル基としては、それぞれ、前記R”〜R”におけるアルキル基と同様のものが挙げられる。
10のフェニル基、ナフチル基、アルキルまたはアルコキシ基が有していてもよい置換基としては、前記Rのフェニル基、ナフチル基またはアルキル基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。
’におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1または2が特に好ましい。
該アルキレン基が有していてもよい置換基としては、前記Rの説明で、置換アルキレン基における置換基として挙げたものと同様のもの(ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”、アリール基等)が挙げられる。
前記式(ca−4)または(ca−5)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。
Figure 2013097272
式(ca−4−1)中、Rは置換基である。該置換基としては、上記Rのフェニル基、ナフチル基またはアルキル基が有していてもよい置換基として挙げた置換基と同様のものが挙げられる。具体的には、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”、アリール基等が挙げられる。R”、R”、R”は、それぞれ独立に、水素原子または炭化水素基であり、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基が好ましい。
本発明において、Mの有機カチオンとしては、前記一般式(a0−2)中のMm+と同様、芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さないものが好ましい。
芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない有機カチオンとしては、前記一般式(a0−2)中のMm+と同様のものが挙げられる。それらの中でも、前記一般式(m−1)または(m−2)で表されるカチオンが好ましく、前記一般式(m−1)で表されるカチオンがより好ましく、前記一般式(m−11)、(m−12)、(m−13)または(m−14)で表されるカチオンが特に好ましい。
化合物(D11)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(化合物(D12))
・アニオン部
式(d12)中、R2cは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。
2cの置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記式(d11)中のR1cと同様のものが挙げられる。
なかでもR2cの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、カンファー等から1個以上の水素原子を除いた基(置換基を有していてもよい)であることがより好ましい。
2cの炭化水素基が有していてもよい置換基としては、前記一般式(a0−1)中のVの説明で挙げた「R”SO 」中のR” における置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。具体的には、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:X−Q’−[式中、Q’は酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。ただし、R2cにおいて、SO におけるS原子に隣接する炭素は、フッ素置換されていないものとする。SO とフッ素原子とが隣接しないことにより、当該化合物(D12)のアニオンが適度な弱酸アニオンとなり、(D)成分のクエンチング能が向上する。
以下に、化合物(D12)のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2013097272
・カチオン部
式(d12)中、Mは、前記式(d11)中のMと同様である。
化合物(D12)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(化合物(D13))
・アニオン部
式(d13)中、R3cは有機基である。
3cの有機基は特に限定されるものではないが、アルキル基、アルコキシ基、−O−C(=O)−C(RC2)=CH(RC2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である)、または−O−C(=O)−RC3(RC3は炭化水素基である)が好ましい。
3cにおけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。Rのアルキル基の水素原子の一部が水酸基、シアノ基等で置換されていてもよい。
3cにおけるアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。なかでも、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
−O−C(=O)−C(RC2)=CH中、RC2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。
C2における炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
C2におけるハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
C2としては、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
−O−C(=O)−RC3中、RC3は炭化水素基である。
C3の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であっても、脂肪族炭化水素基であってもよい。RC3の炭化水素基として具体的には、前記式(d11)中のR1cと同様のものが挙げられる。
なかでも、RC3の炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた脂環式基、又は、フェニル基、ナフチル基等の芳香族基が好ましい。RC3が脂環式基である場合、レジスト組成物が有機溶剤に良好に溶解することによりリソグラフィー特性が良好となる。
3cとしては、−O−C(=O)−C(RC2’)=CH(RC2’は水素原子又はメチル基である。)、又は、−O−C(=O)−RC3’(RC3’は脂肪族環式基である。)であることが好ましい。
式(d13)中、Yは直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基である。
の直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、上記式(a0−1)中のQの2価の連結基の説明で挙げた「直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
の環状のアルキレン基としては、上記式(a0−1)中のQの2価の連結基の説明で挙げた「環状の脂肪族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
のアリーレン基としては、式(a0−1)中のQの2価の連結基の説明で挙げた芳香族炭化水素環から水素原子を2個除いたものが挙げられる。
なかでも、Yとしては、アルキレン基であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがさらに好ましい。
式(d13)中、Rf3はフッ素原子を含む炭化水素基である。
f3のフッ素原子を含む炭化水素基は、フッ素化アルキル基であることが好ましく、上記R1cの説明で挙げたフッ素化アルキル基と同様のものがより好ましい。
以下に、化合物(D13)のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
・カチオン部
式(d13)中、Mは、前記式(d11)中のMと同様である。
化合物(D13)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
化合物(D11)〜(D13)はそれぞれ、市販のものを用いてもよく、公知の製造方法により合成したものを用いてもよい。
化合物(D11)、化合物(D12)の製造方法は特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。
化合物(D13)の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、前記式(d13)中のR3cが、Yと結合する末端に酸素原子を有する基である場合、下記一般式(i−1)で表される化合物(i−1)と、下記一般式(i−2)で表される化合物(i−2)とを反応させることにより、下記一般式(i−3)で表される化合物(i−3)を得、化合物(i−3)と、所望のカチオンMを有するZ(i−4)とを反応させることにより、目的の化合物が製造される。
Figure 2013097272
[式中、R3c、Y、Rf3、Mは、それぞれ、前記一般式(d13)中のR3c、Y、Rf3、Mと同じである。R3aはR3cから末端の酸素原子を除いた基であり、Zは対アニオンである。]
まず、化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させ、化合物(i−3)を得る。
式(i−1)中、R3aはR3cから末端の酸素原子を除いた基である。式(i−2)中、Y、Rf3は前記同様である。
化合物(i−1)、化合物(i−2)としては、それぞれ、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させ、化合物(i−3)を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、適当な酸触媒の存在下で、化合物(i−2)と化合物(i−1)とを有機溶媒中で反応させた後に、反応混合物を洗浄、回収することにより、実施できる。
上記反応における酸触媒は、特に限定されるものではなく、例えばトルエンスルホン酸等が挙げられ、その使用量は化合物(i−2)1モルに対して0.05〜5モル程度が好ましい。
上記反応における有機溶媒としては、原料である化合物(i−1)及び化合物(i−2)を溶解できるものであればよく、具体的には、トルエン等が挙げられ、その使用量は、化合物(i−1)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−2)の使用量は、通常、化合物(i−1)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応時間は、化合物(i−1)と化合物(i−2)との反応性や、反応温度等によっても異なるが、通常、1〜80時間が好ましく、3〜60時間がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20℃〜200℃が好ましく、20℃〜150℃程度がより好ましい。
次いで、得られた化合物(i−3)と、化合物(i−4)とを反応させ、化合物(D13)を得る。
式(i−4)中、Mは前記同様であり、Zは対アニオンである。
化合物(i−3)と化合物(i−4)とを反応させ、化合物(d1−3)を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、適当なアルカリ金属水酸化物の存在下で、化合物(i−3)を適当な有機溶媒及び水に溶解し、化合物(i−4)を添加して攪拌により反応させることにより実施できる。
上記反応におけるアルカリ金属水酸化物は、特に限定されるものではなく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、その使用量は化合物(i−3)1モルに対して0.3〜3モル程度が好ましい。
上記反応における有機溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル等の溶媒が挙げられ、その使用量は、化合物(i−3)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−4)の使用量は、通常、化合物(i−3)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応時間は、化合物(i−3)と化合物(i−4)との反応性や、反応温度等によっても異なるが、通常、1〜80時間が好ましく、3〜60時間がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20℃〜200℃が好ましく、20℃〜150℃程度がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(D13)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして得られる化合物の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
{(D2)成分}
(D2)成分は、前記(D1)成分に該当しない塩基性化合物である。
(D2)成分としては、前記(A)成分または(B)成分に対して相対的に塩基性となる化合物であり、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(A)成分や(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであり、且つ(D1)成分に該当しないものであれば特に限定されず、公知のものから任意に用いればよい。たとえば脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミンが挙げられ、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、たとえば、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数20以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)、環式アミン、その他の脂肪族アミン等が挙げられる。
前記アルキルアミンが有するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
該アルキル基が直鎖状または分岐鎖状である場合、その炭素数は2〜20であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
該アルキル基が環状である場合(シクロアルキル基である場合)、その炭素数は、3〜30であることが好ましく、3〜20がより好ましく、3〜15がさらに好ましく、炭素数4〜12であることが特に好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。該アルキル基は単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。前記モノシクロアルカンとして、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また、前記ポリシクロアルカンとして、具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記アルキルアルコールアミンが有するヒドロキシアルキル基におけるアルキル基としては、前記アルキルアミンが有するアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記アルキルアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;が挙げられる。
前記アルキルアルコールアミンの具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン又はトリ−n−オクチルアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他の脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチルアミン、トリエタノールアミントリアセテート等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−tert−ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられる。
(D2)成分はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物は、ラフネスなどのリソグラフィー特性に優れることから、(D)成分として、(D1)成分を含有することが好ましい。(D1)成分は、化合物(D11)〜(D13)のいずれか1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なかでも、(D12)成分を含有することが好ましい。
(D1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜10.0質量部であることが好ましく、0.5〜8.0質量部であることがより好ましく、1.0〜8.0質量部であることがさらに好ましく、1.5〜5.5質量部であることが特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、解像性、ラフネス、露光余裕度等のリソグラフィー特性がより向上する。また、より良好なレジストパターン形状が得られる。前記範囲の上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
本発明のレジスト組成物が(D2)成分を含有する場合、(D2)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
[(A”)成分]
本発明のレジスト組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(A)成分に該当しない、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A”)(以下、(A”)成分という。)を含有してもよい。
(A”)成分は、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大する基材成分であってもよく、酸の作用により現像液に対する溶解性が減少する基材成分であってもよいが、(A)成分が、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大するものである場合は、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大するものが用いられ、(A)成分が、酸の作用により現像液に対する溶解性が減少するものである場合は、酸の作用により現像液に対する溶解性が減少するものが用いられる。
(A”)成分としては、特に限定されず、従来、化学増幅型レジスト組成物の基材成分として知られている多数のもの(たとえばArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のベース樹脂)から任意に選択して用いればよい。
(A”)成分としては、樹脂を用いてもよく、低分子化合物を用いてもよく、これらを併用してもよい。
(A”)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[(B)成分]
本発明のレジスト組成物は、さらに、本発明の効果を損なわない範囲で、前記(A)成分に該当しない、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)を含有してもよい。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤としては、例えば下記一般式(b−1)又は(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2013097272
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基またはアルケニル基を表す。式(b−1)におけるR”〜R”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。R”は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基またはアルケニル基を表す。]
式(b−1)中のR”〜R”、式(b−2)中のR”〜R”は、それぞれ、前記(D1)成分中、Mの説明で挙げた式(ca−1)中のR”〜R”、式(ca−2)中のR”〜R”と同じである。
式(b−1)〜(b−2)中のR”SO は、前記構成単位(a0)中、一般式(a0−1)中のVの説明で挙げたR”SO と同じである。
また、オニウム塩系酸発生剤としては、前記一般式(b−1)又は(b−2)中のアニオン部(R”SO )を、前記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2013097272
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013097272
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2013097272
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜86頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2013097272
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分は、上述した酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0〜60質量部が好ましく、0〜40質量部がより好ましく、0〜10質量部がさらに好ましい。40質量部以下であると、レジスト組成物の各成分を有機溶剤に溶解した際に、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。特に10質量部以下とすることで、OoB光に対するリソグラフィー特性の低下の抑制と高感度化とのバランスをとることができる。
[(E)成分]
本発明のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でもホスホン酸が特に好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分は、通常、(A)成分100質量部に対して、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明のレジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本発明のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA、EL、または前記PGMEAと極性溶剤との混合溶媒と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
上記本発明のレジスト組成物は、高解像のパターンを、ラフネスが小さく断面形状の矩形性が高い(パターン側壁の垂直性が高い)良好な形状で形成できる。また、PEB温度の変動に対する安定性が高く、PEB温度が変動したときのパターン寸法の変動が少ない。また、本発明のレジスト組成物は、他のリソグラフィー特性、たとえばレジストパターンを形成する際の露光余裕度にも優れている。
これは、多環式タイプの酸分解性基を含むことで、単環式タイプの酸分解性基のみを含む場合に比べて耐熱性が向上すること:単環式タイプの酸分解性基を含むことで、多環式タイプの酸分解性基のみを含む場合に比べてラフネスが低減すること、PEB温度の変動に対する安定性が向上すること:酸発生部位を含む構成単位(a0)が樹脂成分中に導入されていることによってレジスト膜中での酸発生部位の分布が均一化すること;構成単位(a0)が有するカチオン部が、DUV領域の波長の光、特に150〜300nmの波長の光に対して吸収を持つ芳香環を有さないか、有していても1個であるため、従来汎用されている低分子量の酸発生剤成分、たとえばトリフェニルスルホニウム塩等に比べて、露光光を吸収しにくく、形成されるレジスト膜のDUV光に対する透明性が高いこと;構成単位(a0)が樹脂成分中に導入されていることによって酸の拡散が抑制されること; 等が相乗的に作用していると考えられる。
特に、露光光源がEUVである場合、構成単位(a0)が有するカチオン部が芳香環を有さないか、有していても1個であることで、EUV光源より生じるOoB光に含まれるDUV領域の光が未露光部に入射したり、EB露光時に電子のレジスト膜表面で拡散(散乱)することによる悪影響(光学コントラストの低下や未露光部での酸の発生やそれに伴う現像液溶解性の変化等)も抑制されていると考えられる。
また、EBリソグラフィーにおいても、加速電圧等の電子線照射条件によっては電子がレジスト膜表面で拡散(散乱)し、上記EUVリソグラフィーにおけるOoB光と同様の問題を生じることがあるが、上記と同様に、構成単位(a0)が有するカチオン部が芳香環を有さないか、有していても1個であることで、電子の拡散による悪影響が抑制されていると考えられる。
なお、DUV領域では、酸発生部位の分解は、カチオン部位の光吸収に起因するため、本発明において、構成単位(a0)における酸発生部位のカチオン部が芳香環を有さないか、有していても1個であれば、アニオン部位の芳香環の数によらず、上記効果が得られる。
さらに、酸分解性基として多環式タイプのものを含むことは、EUVまたはEBリソグラフィーにおけるアウトガスの低減にも寄与する。
よって本発明のレジスト組成物は、特に、EUV用またはEB用として有用である。
「EUV用またはEB用」とは、当該レジスト組成物を用いたレジストパターンの形成が、露光光源(放射線源)としてEUV(極紫外線)またはEB(電子線)を用いて行われるものであることを示す。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、前記本発明のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、および前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下の様にして行うことができる。
まず支持体上に前記本発明のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してレジスト膜を形成する。
次に、該レジスト膜に対し、例えばArFエキシマレーザー露光装置、KrFエキシマレーザー露光装置、EB(電子線)描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介した露光、またはマスクパターンを介さないEBの直接照射による描画等による選択的露光を行った後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次に、前記レジスト膜を現像処理する。アルカリ現像プロセスの場合は、アルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いてアルカリ現像処理を行う。溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を用いて現像処理を行う。この有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられ、なかでもエステル系溶剤が好ましい。エステル系溶剤としては、酢酸ブチルが好ましい。
現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。アルカリ現像プロセス後の場合は純水を用いた水リンスが好ましい。溶剤現像プロセス後の場合は、上記で挙げた有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
その後は乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。
このようにしてレジストパターンを得ることができる。本発明のレジスト組成物は、特に、アルカリ現像プロセスにてポジ型のレジストパターンを形成する方法に好適に用いられる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。前記レジスト組成物は、KrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用、EUV用またはEB用、特にEUV用またはEB用としての有用性が高い。
レジスト膜の露光方法は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光(Liquid Immersion Lithography)であってもよい。
液浸露光は、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う露光方法である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
アルカリ現像プロセスで現像処理に用いるアルカリ現像液としては、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理に用いる有機系現像液が含有する有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としてはたとえば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像処理は、公知の現像方法におり実施でき、該方法としてはたとえば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理後のリンス処理に用いるリンス液が含有する有機溶剤としては、たとえば前記有機系現像液が含有する有機溶剤として挙げた有機溶剤のうち、レジストパターンを溶解しにくいものを適宜選択して使用できる。通常、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤およびエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を使用する。これらのなかでも、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤から選択される少なくとも1種類が好ましく、アルコール系溶剤およびエステル系溶剤から選択される少なくとも1種類がより好ましく、アルコール系溶剤が特に好ましい。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法におり実施でき、該方法としてはたとえば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
本実施例では、化学式中に(2a)と表示される化合物を「化合物(2a)」と記載し、他の式で表される化合物についても同様に記載することがある。
NMRによる分析において、H−NMRの内部標準および13C−NMRの内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。19F−NMRの内部標準はヘキサフルオロベンゼンである(但し、ヘキサフルオロベンゼンのピークを−160ppmとした)。
[ポリマー合成例1:共重合体23の合成]
温度計、還流管、窒素導入管を繋いだセパラブルフラスコに、22.46g(132.0mmol)の化合物(2a)、17.31g(66.0mmol)の化合物(11c)、11.10g(66.0mmol)の化合物(12a)、17.73g(36.0mmol)の化合物(0a)を、147.76gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン(MEK/CH)混合溶液に溶解させた。この溶液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601)を27.30mmol添加し溶解させた。これを、81.79gのMEK/CH混合溶液に、窒素雰囲気下、4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を1時間加熱攪拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。得られた反応重合液を大量のn−ヘプタンに滴下して重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別、メタノールにて洗浄、乾燥して、共重合体23’を76.28g得た。
次に、76.28gの共重合体23’をナスフラスコに入れ、15.10gの化合物(c−1)と、305gのMEKと、305gの水を添加して30分攪拌することにより塩交換を行った。その後、有機層を抽出し、抽出した有機層を水で洗浄し、溶媒を留去して共重合体23を64.84g得た。
この共重合体23についてGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は12600であり、分子量分散度(Mw/Mn)は1.75であった。また、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求められた共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、l/m/n/o=42.7/21.4/23.1/12.8であった。
なお、塩交換に用いた化合物(c−1)は、後述するカチオン合成例1で合成した。
Figure 2013097272
[カチオン合成例1:化合物(c−1)の合成]
窒素雰囲気下、化合物(5)4.3gをアセトニトリル21.6gに溶解し、そこにヘプタヒドロチオフェン2.0gを滴下し、25℃にて12時間攪拌した。その後、析出した白色粉体を吸引ろ過により分取し、アセトニトリル11.3gにて洗浄し、減圧乾燥することによって化合物(c−1)を2.9g得た。
得られた化合物はNMR測定を行い、以下の結果より構造を同定した。
H−NMR(400MHz, DMSO−d+DO) : δ(ppm)=5.1(t,2H,CH),4.6(t,2H,CH),4.3(s,1H,CH),3.9(m,3H,CH),3.6−3.8(t,2H,SCH),3.4(t,2H,CH),2.9(m,5H,CH),2.4(4H,CH),2.0(t,2H,CH),1.7−1.9(m,3H,CHCH),1.2−1.4(m,4H,CHCHCH
Figure 2013097272
[ポリマー合成例2〜51:共重合体1〜22、24〜43、1’〜8’の合成]
共重合体1〜22、24〜43、1’〜7’は、上記[ポリマー合成例1]における共重合体23’を合成する工程で、モノマーとして下記化合物を表1〜6に示す仕込み比(モル比)で用い、その後の塩交換の工程で、化合物(c−1)の代わりに目的のカチオンを有する塩交換用化合物(下記化合物(c−2)〜(c−7)のいずれか)を用いた以外は、上記[ポリマー合成例1]の方法と同様にして得た。
共重合体8’は、上記共重合体23’と同様に合成した。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
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得られた共重合体について、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))を求めた。また、GPC測定により標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を求めた。それらを各共重合体の構造式とともに以下に示す。
なお構造式が同じ共重合体については、同じ構造式の下に共重合組成比、Mw、Mw/Mnを示した。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
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Figure 2013097272
Figure 2013097272
Figure 2013097272
[実施例1〜43、比較例1〜8]
表7〜8に示す各成分を混合、溶解してレジスト組成物を調製した。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
表7〜8中、[ ]内の数値は配合量(質量部)であり、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。
(A)−1〜(A)−43:それぞれ前記共重合体1〜43。
(A’)−1〜(A’)−8:それぞれ前記共重合体1’〜8’。
(D)−1:下記構造式(D)−1で表される化合物。
(S)−1:PGMEA/PGME/シクロヘキサノン=1500/1000/2500(質量比)の混合溶剤。
Figure 2013097272
得られたレジスト組成物を用いて以下の評価を行った。
[レジストパターンの形成]
90℃で36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、各例のレジスト組成物を、スピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、表9〜10に示すPAB温度で60秒間のベーク処理(PAB)を行ってレジスト膜(膜厚60nm)を成膜した。該レジスト膜に対し、電子線描画機HL800D(VSB)(Hitachi社製)を用い、加速電圧50kVにて描画(露光)を行い、表9〜10に示すPEB温度で60秒間のベーク処理(PEB)を行い、さらに23℃にてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液(商品名:NMD−3、東京応化工業(株)製)を用いて60秒間の現像を行った。
その結果、いずれの例においても、ライン幅100nm、ピッチ200nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下「LSパターン」という。)が形成された。
なお、加速電圧が高いほど、微細パターンの形成に有利と考えられているが、本評価では、OoB光が生じている状態を擬似的に再現するために、(比較的低い)加速電圧50kVの露光条件を採用した。
[解像力の評価]
上記[レジストパターンの形成]でライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンが形成される最適露光量Eop(μC/cm)における限界解像度(nm)を、走査型電子顕微鏡S−9220(日立ハイテクノロジー社製)を用いて求めた。結果を「解像力」として表9〜10に示す。
[ラインエッジラフネス(LER)の評価]
上記[レジストパターンの形成]で形成したライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンについて、LERを示す尺度である3σを求めた。「3σ」は、走査型電子顕微鏡S−9220(日立ハイテクノロジーズ社製)により、加速電圧800Vで、ライン幅を、ラインの長手方向に400箇所測定し、その測定結果から求めた標準偏差(σ)の3倍値(3s)(単位:nm)を示す。該3sの値が小さいほど、ライン側壁のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。結果を表9〜10に示す。
[露光余裕度(10%EL)の評価]
上記[レジストパターンの形成]にて、LSパターンのラインがターゲット寸法(ライン幅100nm)の±10%(90nm〜110nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式により露光余裕度(単位:%)を求めた。式中、E1はライン幅90nmのLSパターンが形成された際の露光量(μC/cm)、E2はライン幅110nmのLSパターンを形成された際の露光量(μC/cm)を示す。露光余裕度は、その値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さいことを示す。結果を「10%EL」として表9〜10に示す。
露光余裕度(%)=(|E1−E2|/Eop)×100
[熱安定性の評価]
上記[レジストパターンの形成]にて、PEB温度を5℃低くした(T1(℃))以外は同じ手順で形成したLSパターンのライン幅W1と、PEB温度を5℃高くした(T2(℃))以外は同じ手順で形成したLSパターンのライン幅W2から、次式により寸法変動量(単位:nm/℃)を求めた。この寸法変動量は、その値が小さいほど、PEB温度の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さく、熱安定性に優れていることを示す。結果を「PEBs(nm/℃)」として表9〜10に示す。
寸法変動量=|W1−W2|/|T1−T2|
また、上記の結果から、寸法変動量が0.40nm/℃未満であるものを◎、0.40nm/℃以上0.50nm/℃未満であるものを○、0.50nm/℃以上であるものを×と評価した。結果を「PEBs(評価)」として表9〜10に示す。
[断面形状の評価]
走査型電子顕微鏡SU8000(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、加速電圧5kVで、前記[レジストパターンの形成]で形成されたライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンの断面形状を観察し、ラインの断面が矩形であるものを○、テーパー形状であるものを△、顕著な膜減りが見られるものを×と評価した。結果を表9〜10に示す。
Figure 2013097272
Figure 2013097272
上記結果に示すとおり、実施例1〜43のレジスト組成物は、PEB安定性が高く、形成されたレジストパターンの形状も、ラフネスが小さく断面形状の矩形性が高い良好なものであった。また、ELも大きく、解像力も良好であった。特に、構成単位(a11)と構成単位(a12)との共重合比(モル比)が35:65〜65:35の範囲内である場合のラフネスが良好であった。
一方、酸分解性基として、単環式のものを1種または2種含み、多環式のものを含まない(A’)−1、(A’)−5をそれぞれ用いた比較例1、5は、ラフネスが大きく、断面形状も膜減りが顕著で悪かった。また、ELも小さかった。
酸分解性基として、多環式のものを1種または2種含み、単環式のものを含まない(A’)−2、(A’)−6をそれぞれ用いた比較例2、6は、PEB安定性が悪く、ラフネスが大きく、断面形状もテーパー形状であった。また、ELも小さかった。
酸分解性基として、単環式のものと鎖状のものとを含み、多環式のものを含まない(A’)−3を用いた比較例3は、ラフネスが大きく、断面形状も膜減りが顕著で悪かった。また、ELも小さかった。
酸分解性基として、多環式のものと鎖状のものとを含み、単環式のものを含まない(A’)−4を用いた比較例4は、PEB安定性が悪く、ラフネスが大きく、断面形状もテーパー形状であった。また、ELも小さかった。
露光により酸を発生する構成単位のカチオン部が芳香環を2または3個有するスルホニウムイオンである(A’)−6、(A’)−7をそれぞれ用いた比較例6、7は、ラフネスが大きく、断面形状も膜減りが顕著で悪かった。また、ELも小さかった。特に比較例6は、解像力も低かった。

Claims (4)

  1. 露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)を含有するレジスト組成物であって、
    前記基材成分(A)が、下記一般式(a0−1)又は(a0−2)で表される基を含む構成単位(a0)と、酸の作用により極性が増大し且つ多環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a11)と、酸の作用により極性が増大し且つ単環式基を含む酸分解性基を含む構成単位(a12)と、を有する共重合体(A1)を含有することを特徴とするレジスト組成物。
    Figure 2013097272
    [式中、Q及びQはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。R、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。ただし、式中の基−R−S(R)(R)は、全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Vは対アニオンである。Aはアニオンを含む有機基である。Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は、芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。]
  2. 前記共重合体(A1)中、前記構成単位(a11)と前記構成単位(a12)との共重合比(モル比)が99:1〜1:99である、請求項1記載のレジスト組成物。
  3. 前記共重合体(A1)が、さらに、−SO−含有環式基またはラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)を有する、請求項1又は2記載のレジスト組成物。
  4. 支持体上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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