JP2013104985A - Euv用又はeb用レジスト組成物、及びレジストパターン形成方法 - Google Patents

Euv用又はeb用レジスト組成物、及びレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】EUV用又はEB用として有用なレジスト組成物、及びレジストパターン形成方法の提供。
【解決手段】式(a5−0−1)又は式(a5−0−2)で表される基を含む構成単位(a5)と式(a6−1)で表される構成単位とを有する樹脂成分を含有し、構成単位(a5)を誘導するモノマー量が、該構成単位(a5)を有する重合体に対して100ppm以下のレジスト組成物。式中、Q、Q、Qは単結合又は連結基;R、R、Rは有機基であり、RとRとは環を形成してもよい。式中の基−R−S(R)(R)は全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Vは対アニオン、Aはアニオンを含む基;Mm+は芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない有機カチオン;mは1〜3の整数;Rは水素原子、アルキル基又はハロゲン化アルキル基;Pは芳香族炭化水素基である。
[化1]
Figure 2013104985

【選択図】なし

Description

本発明は、露光により酸が発生し、該酸の作用により現像液に対する溶解性が変化するレジスト組成物、該レジスト組成物を用いたレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。レジスト膜の露光部が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光部が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。
このような要求を満たすレジスト材料として、従来、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。たとえば上記現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と、酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用によりベース樹脂のアルカリ現像液に対する溶解性が増大して、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。そのためアルカリ現像することにより、未露光部がパターンとして残るポジ型パターンが形成される。
ここで、前記ベース樹脂は、酸の作用により樹脂の極性が高くなるものが用いられ、アルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、有機溶剤に対する溶解性は低下する。そのため、アルカリ現像プロセスでなく、有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いた溶剤現像プロセスを適用すると、露光部では、相対的に有機系現像液に対する溶解性が低下するため、該溶剤現像プロセスにおいては、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されて、露光部がパターンとして残るネガ型のレジストパターンが形成される。このようにネガ型のレジストパターンを形成する溶剤現像プロセスをネガ型現像プロセスということがある(たとえば特許文献1参照)。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)などが一般的に用いられている(たとえば特許文献2参照)。
ここで、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。
また、化学増幅型レジスト組成物に使用される酸発生剤としては、これまで多種多様なものが提案されており、たとえばオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤などが知られている。
さらに、化学増幅型レジスト組成物のベース樹脂として、露光により酸を発生する酸発生基を有するものも提案されている。たとえば、高解像性等を図るため、露光により酸を発生する酸発生基と、酸の作用により極性が変化する酸分解性基とをその構造中に有する樹脂成分が提案されている(たとえば特許文献3参照)。かかる樹脂成分は、酸発生剤としての機能と基材成分としての機能とを併せ持ち、一成分のみで化学増幅型レジスト組成物を構成し得る。つまり、該樹脂成分に対して露光を行うと、構造中の酸発生基から酸が発生し、該酸の作用により酸分解性基が分解し、カルボキシ基等の極性基が生じて極性が増大する。そのため、該樹脂成分を用いて形成した樹脂膜(レジスト膜)に対して選択的露光を行うと、露光部の極性が増大するため、アルカリ現像液を用いて現像を行うことにより露光部が溶解、除去されてポジ型のレジストパターンが形成される。
特開2009−025723号公報 特開2003−241385号公報 特開2011−158879号公報
近年、ArFエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)のEUV(極紫外線)や、EB(電子線)、X線などについても検討が行われている。
EUVリソグラフィーやEBリソグラフィーに用いられるレジスト材料には、EUVやEBに対する感度、ターゲットとする微細なレジストパターンを形成できる解像性等のリソグラフィー特性、良好なレジストパターン形状が求められる。
現在、EUVリソグラフィーやEBリソグラフィーにおいて、レジスト材料としては、リソグラフィー特性に優れることから、これまでKrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等として提案されている化学増幅型レジスト組成物が一般的に用いられている。
しかし、KrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等として提案されている化学増幅型レジスト組成物をEUVリソグラフィーやEBリソグラフィーに用いた場合、形成されるレジストパターンの形状が不良となる問題がある。
たとえばEUVリソグラフィーにおいては、EUV露光装置の光源から発生する光に含まれている、EUV領域以外の波長の光、いわゆるOoB(Out of Band)光が問題となっている。OoB光は、同時に発生するフレア(Flare)とともにレジスト膜の未露光部に入射して(つまり、EUV光照射時の露光領域の選択性を失わせ)、未露光部においても、酸発生剤成分が分解して酸を発生してしまうため、レジストパターンのコントラストの低下、膜減り、ラフネス(パターンの上面や側壁の表面荒れ)等を引き起こしてしまう。ラフネスは、レジストパターンの形状不良の原因となる。たとえばパターン側壁表面のラフネスは、ラインアンドスペースパターンにおけるライン幅の不均一、ホールパターンにおけるホール周囲の歪み等に代表される形状不良の原因となる。
このOoB光による形状不良の問題は、特に、ArFエキシマレーザー光等のDUV領域の波長の光を用いて露光を行うリソグラフィープロセス用の化学増幅型レジスト組成物を用いた場合に顕著に見られる傾向がある。つまり、該化学増幅型レジスト組成物は、一般的に、DUV領域の波長の光が照射されると酸が発生し、現像液に対する溶解性が変化する。
OoB光は、13.5nm前後のEUV、150〜300nmのDUV、赤外領域の波長の光などを含んでおり、従来汎用されているオニウム塩系の酸発生剤は、DUV領域の波長の光を吸収して酸を発生しやすい。そのため、EUV露光時に本来未露光部となる部分も感光して解像性の低下、ラフネスの悪化、形状劣化等が引き起こされ、デバイス性能に悪影響を及ぼすおそれがある。
EBリソグラフィーにおいても、加速電圧等の電子線照射条件によっては電子がレジスト膜表面で拡散(散乱)し、上記EUVリソグラフィーにおけるOoB光と同様の問題(フォワードスキャッタ、バックスキャッタ等)を生じることがある。
レジストパターンの形状不良は、微細な半導体素子の形成等に悪影響を与えるおそれがある。そのため、EUVリソグラフィーやEBリソグラフィーに用いられるレジスト材料には、リソグラフィー特性の向上とともに、パターン形状の向上が求められる。
また、高解像性等を図るため、EUVリソグラフィーやEBリソグラフィープロセスに、特許文献3に記載の樹脂(露光により酸を発生する酸発生基を有する樹脂)を含有する化学増幅型レジストを用いた場合には、低感度化を招くおそれもある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、EUV用又はEB用として有用なレジスト組成物、及びレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の第一の態様は、露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)を含有するEUV用又はEB用レジスト組成物であって、前記基材成分(A)は、下記の一般式(a5−0−1)又は一般式(a5−0−2)で表される基を含む構成単位(a5)と、下記一般式(a6−1)で表される構成単位(a6)とを有する樹脂成分(A1)を含有し、前記構成単位(a5)を誘導するモノマー量が、該構成単位(a5)を有する重合体に対して100ppm(質量基準)以下であることを特徴とするEUV用又はEB用レジスト組成物である。
Figure 2013104985
[式中、Q、Q及びQはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。R、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。ただし、式中の基−R−S(R)(R)は全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Vは対アニオンである。Aはアニオンを含む有機基である。Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Pは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。]
また、本発明の第二の態様は、支持体上に、前記第一の態様のEUV用又はEB用レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜をEUV又はEBにより露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むことを特徴とするレジストパターン形成方法である。
本明細書及び本特許請求の範囲において、「EUV用又はEB用」とは、当該レジスト組成物を用いたレジストパターンの形成が、露光光源(放射線源)としてEUV(極紫外線)又はEB(電子線)を用いて行われるものであることを示す。
「露光」は、放射線の照射全般を含む概念とする。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、「ハロゲン化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。「フッ素化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。
「ヒドロキシアルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部が水酸基で置換された基である。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
本発明によれば、EUV用又はEB用として有用なレジスト組成物、及び該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供できる。
≪EUV用又はEB用レジスト組成物≫
本発明の第一の態様のレジスト組成物は、露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)(以下「(A)成分」ともいう。)を含有するEUV用又はEB用レジスト組成物である。
本態様のレジスト組成物は、(A)成分を含有するため、露光により現像液に対する溶解性が変化する性質を有している。該レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部にて(A)成分から酸が発生し、該酸が(A)成分の現像液に対する溶解性を変化させる。その結果、露光部の現像液に対する溶解性が変化する一方で、未露光部は現像液に対する溶解性が変化しないため、該レジスト膜を現像すると、当該レジスト組成物がポジ型の場合は露光部が溶解除去されてポジ型のレジストパターンが形成され、当該レジスト組成物がネガ型の場合は未露光部が溶解除去されてネガ型のレジストパターンが形成される。
本明細書においては、露光部が溶解除去されてポジ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をポジ型レジスト組成物といい、未露光部が溶解除去されるネガ型レジストパターンを形成するレジスト組成物をネガ型レジスト組成物という。
本態様のレジスト組成物は、ポジ型レジスト組成物であってもよく、ネガ型レジスト組成物であってもよい。また、本態様のレジスト組成物は、レジストパターン形成時の現像処理にアルカリ現像液を用いるアルカリ現像プロセス用であってもよく、該現像処理に有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いる溶剤現像プロセス用であってもよい。好適には、アルカリ現像プロセスにてポジ型レジストパターンを形成するために用いられるものであり、この場合、(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大するものが用いられる。
<(A)成分>
本態様のレジスト組成物に用いられる(A)成分は、露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分であって、後述の構成単位(a5)と構成単位(a6)とを有する樹脂成分(A1)(以下「(A1)成分」ともいう。)を含有する。
ここで「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。前記基材成分として用いられる「分子量が500以上の有機化合物」は、非重合体と重合体とに大別される。
非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、分子量が500以上4000未満の非重合体を低分子化合物という。
重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下、分子量が1000以上の重合体を高分子化合物という。高分子化合物の場合、「分子量」としてはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、高分子化合物を単に「樹脂」ということがある。
[(A1)成分]
(A1)成分は、構成単位(a5)と構成単位(a6)とを有する樹脂成分である。
(A1)成分としては、構成単位(a5)を有する重合体及び構成単位(a6)を有する重合体の両方を含有するもの、構成単位(a5)と構成単位(a6)とを有する共重合体を含有するもの、該共重合体と構成単位(a5)を有する重合体とを含有するもの、該共重合体と構成単位(a6)を有する重合体とを含有するもの、該共重合体と構成単位(a5)を有する重合体と構成単位(a6)を有する重合体とを含有するものが挙げられる。
本発明において、(A1)成分としては、構成単位(a5)を有する重合体及び構成単位(a6)を有する重合体の両方を含有するもの、又は、構成単位(a5)と構成単位(a6)とを有する共重合体を含有するものが好ましい。
(A1)成分は、酸の作用により現像液に対する溶解性が増大するものであってもよく、酸の作用により現像液に対する溶解性が減少するものであってもよい。
(A1)成分は、露光により酸を発生する部位(酸発生部位)を、少なくとも構成単位(a5)中に有する。
本態様のレジスト組成物が、アルカリ現像プロセスにおいてネガ型レジストパターンを形成する(または溶剤現像プロセスにおいてポジ型レジストパターンを形成する)レジスト組成物である場合、(A1)成分としては、好ましくは、露光により酸を発生し、且つ、アルカリ現像液に可溶性の樹脂成分(以下「(A1−2)成分」ともいう。)が用いられ、さらに、架橋剤成分が配合される。かかるレジスト組成物は、露光により、(A1−2)成分中の酸発生部位(少なくとも構成単位(a5))から酸が発生すると、当該酸が作用して(A1−2)成分と架橋剤成分との間で架橋が起こり、その結果、アルカリ現像液に対する溶解性が減少(有機系現像液に対する溶解性が増大)する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性(有機系現像液に対して可溶性)へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性(有機系現像液に対して難溶性)のまま変化しないため、アルカリ現像液で現像することによりネガ型レジストパターンが形成できる。また、このとき現像液として有機系現像液を用いると、ポジ型のレジストパターンが形成できる。
(A1−2)成分としては、たとえば、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂(以下「アルカリ可溶性樹脂」という。)として公知の、構成単位(a6)を有する樹脂に、露光により酸を発生する酸発生部位(少なくとも、後述の一般式(a5−0−1)又は一般式(a5−0−2)で表される基)を導入したものが挙げられる。
酸発生部位としては、後述の一般式(a5−0−1)又は一般式(a5−0−2)で表される基を少なくとも含み、加えて、レジスト組成物用の酸発生剤として公知の化合物が有する酸発生部位と同様の構造のものが適用できる。
アルカリ可溶性樹脂への酸発生部位の導入位置は、側鎖部分、又は、側鎖部分に加えて主鎖末端でもよい。酸発生部位の主鎖末端への導入は、たとえばアルカリ可溶性樹脂を製造する際の重合開始剤として、酸発生部位を有する重合開始剤を用いることにより実施できる。側鎖部分への導入は、アルカリ可溶性樹脂を製造する際に、アルカリ可溶性基を有する単量体(たとえば後述の構成単位(a6)を誘導するモノマー)又はその前駆体(たとえばアルカリ可溶性基(−OH)を保護基で保護したもの)とともに、酸発生部位を有する単量体(後述の構成単位(a5)を誘導するモノマー)を重合させることにより実施できる。
架橋剤成分としては、たとえば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤、メラミン系架橋剤などを用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤成分の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
本態様のレジスト組成物が、アルカリ現像プロセスにおいてポジ型レジストパターンを形成する(または溶剤現像プロセスにおいてネガ型レジストパターンを形成する)レジスト組成物である場合、(A1)成分としては、好ましくは、露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により極性が増大する樹脂成分(以下「(A1−1)成分」ともいう。)が用いられる。(A1−1)成分は露光前後で極性が変化するため、(A1−1)成分を用いることにより、アルカリ現像プロセスだけでなく、溶剤現像プロセスにおいても良好な現像コントラストを得ることができる。
つまり、アルカリ現像プロセスを適用する場合、(A1−1)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により、(A1−1)成分中の酸発生部位(少なくとも構成単位(a5))から酸が発生すると、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性から可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりポジ型レジストパターンが形成できる。一方、溶剤現像プロセスを適用する場合、(A1−1)成分は、露光前は有機系現像液に対して溶解性が高く、露光により、(A1−1)成分中の酸発生部位(少なくとも構成単位(a5))から酸が発生すると、該酸の作用により極性が高くなって有機系現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は有機系現像液に対して可溶性から難溶性へ転じる一方で、未露光部は可溶性のまま変化しないため、有機系現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間でコントラストをつけることができ、ネガ型レジストパターンが形成できる。
(構成単位(a5))
構成単位(a5)は、下記の一般式(a5−0−1)又は一般式(a5−0−2)で表される基を含む構成単位(a5)である。
Figure 2013104985
[式中、Q及びQはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。R、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。ただし、式中の基−R−S(R)(R)は全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Vは対アニオンである。Aはアニオンを含む有機基である。Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。]
・式(a5−0−1)で表される基を有する構成単位
式(a5−0−1)中、Qは、単結合又は2価の連結基である。
の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
・・置換基を有していてもよい2価の炭化水素基
における2価の連結基としての炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH−]、エチレン基[−(CH−]、トリメチレン基[−(CH−]、テトラメチレン基[−(CH−]、ペンタメチレン基[−(CH−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−C(CHCH−CH−等のアルキルエチレン基;−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基または原子)を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含んでもよい環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を2個除いた基:脂環式炭化水素基)、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合した基、前記環状の脂肪族炭化水素基が直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては前記と同様のものが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基(脂環式炭化水素基)は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基(脂環式炭化水素基)は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂肪族炭化水素基としては、モノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基(脂環式炭化水素基)は、水素原子を置換する置換基(水素原子以外の基または原子)を有していてもよいし、有していなくてもよい。該置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、その環構造を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されてもよい。該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する2価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アリール基またはヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
・・ヘテロ原子を含む2価の連結基
におけるヘテロ原子を含む2価の連結基のヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子、ケイ素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基として、具体的には、−O−、−C(=O)−、−C(=O)−O−、−O−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、−NH−、−NH−C(=O)−、−NH−C(=NH)−、=N−、−SiH−O−等の非炭化水素系連結基、これらの非炭化水素系連結基の少なくとも1種と2価の炭化水素基との組み合わせ等が挙げられる。該2価の炭化水素基としては、上述した置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられ、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましい。
上記のうち、−C(=O)−NH−中の−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−、−SiH−O−中のHは、それぞれ、アルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。該置換基の炭素数としては1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜5であることが特に好ましい。
また、非炭化水素系連結基と2価の炭化水素基との組み合わせである2価の連結基としては、たとえば、−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−、−Y21−O−C(=O)−Y22−(ただし、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。)、−[Y23−O]n’−(ただし、Y23はアルキレン基であり、Oは酸素原子であり、n’は1以上の整数である。)等が挙げられる。
上記−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−において、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−としては、−Y21−C(=O)−O−Y22−が特に好ましい。なかでも、−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
上記−[Y23−O]n’−におけるY23のアルキレン基は、炭素数1〜4のアルキレン基が好ましい。
なかでも、Qの2価の連結基としては、単結合、又はエステル結合[−C(=O)−O−]、エーテル結合(−O−)、アルキレン基若しくはこれらの組合せであることが好ましい。
式(a5−0−1)中、R、R及びRは、それぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
〜Rの有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
該有機基としては、たとえば、水素原子の一部または全部が置換基で置換されていてもよく、炭素原子間に連結基が挿入されていてもよい炭化水素基が挙げられる。連結基としては、前記ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。該有機基は、芳香族基を有しても有していなくてもよい。
ただし、式中の基−R−S(R)(R)は、全体で芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。つまり、RとRとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していない場合は、R、R及びRのうちの1つのみが1個の芳香環を有する有機基であり、他の2つが芳香環を有さない有機基であるか、またはR、R及びRの全てが芳香環を有さない有機基である。RとRとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に1つの芳香環を形成している場合は、Rは芳香環を有さない有機基である。RとRとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合であって該環が脂肪族環(芳香族性を有さない環)である場合は、Rは、1個の芳香環を有する有機基であるか、または芳香環を有さない有機基である。RとRとが相互に結合して式中のイオウ原子と共に形成する環が、2以上の芳香環を含む環である場合は、当該構成単位は構成単位(a5)には該当しない。
芳香環は、DUV波長のOoB光を吸収する。Sおよびこれに直接結合するR、R及びRから構成される基−R−S(R)(R)全体のなかでの芳香環の数を1以下とすることで、OoB光の影響を抑制できる。この効果がより高まることから、なかでも、基−R−S(R)(R)は全体で芳香環を有さないことが特に好ましい。
芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、前記2価の炭化水素基の説明で挙げた芳香環と同様のものが挙げられる。具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香環には置換基が結合していてもよい。該置換基としては、前記2価の炭化水素基の説明で、芳香族炭化水素基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
式(a5−0−1)中、Rの有機基としては、置換基を有していてもよいアルキレン基、または置換基を有していてもよいアリーレン基が好ましい。
における置換基を有していてもよいアルキレン基としては、たとえば、無置換のアルキレン基、該無置換のアルキレン基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アルキレン基等が挙げられる。
無置換のアルキレン基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。解像性に優れる点から、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましい。具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、n−ペンチレン基、シクロペンチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基等が挙げられる。
置換アルキレン基が有する置換基としては、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”、アリール基等が挙げられる。R”、R”、R”はそれぞれ独立に、水素原子又は炭化水素基である。
これらのうち、置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換アルキレン基における置換基としてのアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれかであってもよい。その炭素数は1〜30が好ましい。
それらのうち、直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
環状のアルキル基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
環状のアルキル基としては、多環式が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換アルキレン基における置換基としてのアルコキシアルキルオキシ基としては、たとえば、
一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49
[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。]
で表される基が挙げられる。
47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
49における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
前記置換アルキレン基における置換基としてのアルコキシカルボニルアルキルオキシ基としては、たとえば、
一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56
[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R56は第3級アルキル基である。]
で表される基が挙げられる。
50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
56における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−(2−プロピル)−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
さらに、前記一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56におけるR56を、R56’で置き換えた基も挙げられる。R56’は、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基である。
56’におけるアルキル基は、前記R49のアルキル基と同様のものが挙げられる。
56’におけるフッ素化アルキル基は、前記R49のアルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
56’における、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基としては、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたもの等が挙げられる。
56’について、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
56’について、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基として具体的には、後述の式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)でそれぞれ表される基等が挙げられる。
56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子がオキソ基(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子がオキソ基(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
−C(=O)−O−R”におけるR”は、水素原子または炭化水素基である。
”における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、飽和炭化水素基、脂肪族不飽和炭化水素基のいずれであってもよい。
”における飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、それらの組み合わせであってもよい。
直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基の炭素数は1〜25が好ましく、1〜15がより好ましく、4〜10がさらに好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、前記R56の説明で挙げた第3級アルキル基が挙げられる。また、第3級アルキル基以外の分岐鎖状の飽和炭化水素基として、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
”における環状の飽和炭化水素基の炭素数は、3〜20が好ましい。環状の飽和炭化水素基は、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。
後者の例における置換基としては、上述した直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、炭素数1〜5のアルキル基等が挙げられる。
”における飽和炭化水素基は、直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基と、環状の飽和炭化水素基との組み合わせであってもよい。
直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基と環状の飽和炭化水素基との組合せとしては、直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基に置換基として環状の飽和炭化水素基が結合した基(例えば1−(1−アダマンチル)メチル基)、環状の飽和炭化水素基に置換基として直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基が結合した基等が挙げられる。
”における脂肪族不飽和炭化水素基は、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。直鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。これら直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
”における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する1価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。
芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基や、ヘテロアリールアルキル基)等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。ただし本発明においては、基−R−S(R)(R)の全体での芳香環を1個以下とするため、置換アルキレン基における置換基が−C(=O)−O−R”であり、R”が芳香族炭化水素基である場合、該芳香族炭化水素基が有する置換基は、非芳香族の置換基である。「非芳香族」は、芳香族性を有さないことを示す。非芳香族の置換基としては、構造中に芳香族基(芳香族炭化水素基等)を含まないものであればよく、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
”としては、上記のなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、または炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基がより好ましい。
−O−C(=O)−R”におけるR”は、水素原子または炭化水素基である。
”としては、前記R”と同様のものが挙げられる。それらのなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、水素原子、飽和炭化水素基又は脂肪族不飽和炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、又は炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基がより好ましい。
−O−R”におけるR”は、水素原子または炭化水素基である。
”としては、前記R”と同様のものが挙げられる。それらのなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、水素原子、飽和炭化水素基又は脂肪族不飽和炭化水素基が好ましく、水素原子、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、または炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基がより好ましい。
前記非芳香族の置換基としての−O−R”としては、水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
前記置換アルキレン基における置換基としてのアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。ただし本発明においては、基−R−S(R)(R)の全体での芳香環を1個以下とするため、Rが置換アルキレン基であり、該置換アルキレン基が置換基としてアリール基を有する場合、該置換基として有し得るアリール基の数は1個である。
前記置換基としてのアリール基は置換基を有していてもよい。ただし本発明においては、基−R−S(R)(R)の全体での芳香環を1個以下とするため、置換基としてのアリール基が有する置換基は非芳香族の置換基である。非芳香族の置換基としては、構造中に芳香族基(芳香族炭化水素基等)を含まないものであればよく、たとえば前記R”における芳香族炭化水素基が有していてもよい非芳香族の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
式(a5−0−1)中、Rにおける置換基を有していてもよいアリーレン基としては、炭素数6〜20の無置換のアリーレン基;該無置換のアリーレン基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アリーレン基等が挙げられる。
無置換のアリーレン基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリーレン基が好ましい。具体的には、たとえばフェニレン基、ナフチレン基が挙げられる。
置換アリーレン基における置換基としては、前記置換アルキレン基における置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。ただし本発明においては、R、R及びR全体での芳香族環を1個以下とするため、Rが置換アリーレン基である場合、該置換アリーレン基が有する置換基は非芳香族の置換基である。該非芳香族の置換基としては、構造中に芳香族基(芳香族炭化水素基等)を含まないものであればよい。具体的には、前記置換アルキレン基における置換基として挙げたもののうち、ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”(ただしR”、R”、R”がそれぞれ独立に、水素原子、飽和炭化水素基または脂肪族不飽和炭化水素基であるもの)等が挙げられる。
式(a5−0−1)中、R〜Rの有機基としては、特に限定されるものではないが、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基等が挙げられる。これらの中でも、置換基を有していてもよいアリール基または置換基を有していてもよいアルキル基が好ましく、置換基を有していてもよいアルキル基がより好ましい。
置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜20の無置換のアリール基;該無置換のアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アリール基等が挙げられる。
無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
置換アリール基における置換基としては、非芳香族の置換基が挙げられる。該非芳香族の置換基としては、前記置換アリーレン基が有していてもよい置換基として挙げた非芳香族の置換基と同様のものが挙げられる。
〜Rにおけるアルキル基としては、たとえば、無置換のアルキル基、該無置換のアルキル基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アルキル基等が挙げられる。
無置換のアルキル基としては、解像性に優れる点から、炭素数1〜5のアルキル基が好 無置換のアルキル基としては、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。解像性に優れる点から、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基がより好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デシル基等が挙げられる。
置換アルキル基における置換基としては、Rにおける置換アルキレン基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
、Rにおけるアルケニル基としては、たとえば、無置換のアルケニル基、該無置換のアルケニル基の水素原子の一部または全部が置換基で置換された置換アルケニル基等が挙げられる。
無置換のアルケニル基は、直鎖状または分岐鎖状が好ましく、炭素数は2〜10であることが好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。具体的には、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
置換アルケニル基における置換基としては、Rにおける置換アルキレン基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
式(a5−0−1)中、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。該環は、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。また、該環は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。たとえば環を形成するR、Rのうちの一方または両方が環式基(環状のアルキル基またはアリール基)である場合、それらが結合すると、多環式の環(縮合環)が形成される。
形成される環としては、式中のイオウ原子をその環骨格に含む1つの環が、イオウ原子を含めて、3〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることが特に好ましい。
該環は、環骨格を構成する原子として、R及びRが結合した硫黄原子以外の他のヘテロ原子を有していてもよい。該ヘテロ原子としては、たとえば、硫黄原子、酸素原子、窒素原子等が挙げられる。
形成される環の具体例としては、例えばチオフェン環、チアゾール環、ベンゾチオフェン環、テトラヒドロチオフェニウム環、テトラヒドロチオピラニウム環等が挙げられる。
式(a5−0−1)中、Vは対アニオンである。
の対アニオンとしては、特に限定されるものではなく、たとえばオニウム塩系酸発生剤のアニオン部として従来知られているものを適宜用いることができる。
としては、たとえば、一般式「R”SO (R”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。)」で表されるアニオンが挙げられる。
前記一般式「R”SO 」において、R”は、置換基を有していてもよい直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基を表す。
前記R”としての直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記R”としての環状のアルキル基は、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
”がアルキル基の場合の「R”SO 」としては、例えば、メタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート、d−カンファー−10−スルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
前記R”としてのハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換されたものであり、該アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、又はイソペンチル基であることがさらに好ましい。そして、水素原子が置換されるハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、アルキル基(ハロゲン化前のアルキル基)の水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが好ましく、水素原子の全てがハロゲン原子で置換されていることがより好ましい。
ここで、該ハロゲン化アルキル基としては、フッ素化アルキル基が好ましい。フッ素化アルキル基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
また、該フッ素化アルキル基のフッ素化率は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるため好ましい。
このような好ましいフッ素化アルキル基として、具体的には、トリフルオロメチル基、ヘプタフルオロ−n−プロピル基、ノナフルオロ−n−ブチル基が挙げられる。
前記R”としてのアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R”としてのアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、又はアルケニル基における水素原子の一部又は全部が置換基(水素原子以外の他の原子又は基)で置換されていてもよいことを意味する。
”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、ヘテロ原子、アルキル基、式:X−Q’−[式中、Q’は酸素原子を含む2価の連結基であり、Xは置換基を有していてもよい炭素数3〜30の炭化水素基である。]で表される基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
−Q’−で表される基において、Q’は酸素原子を含む2価の連結基である。
Q’は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合:−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。当該組み合わせに、さらにスルホニル基(−SO−)が連結されていてもよい。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−、−SO−O−R94−O−C(=O)−、−R95−SO−O−R94−O−C(=O)−(式中、R91〜R95はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
91〜R95におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH−];−CH(CH)−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−C(CH)(CHCH)−、−C(CH)(CHCHCH)−、−C(CHCH−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CHCH−];−CH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CHCHCH−];−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CHCHCHCH−];−CH(CH)CHCHCH−、−CHCH(CH)CHCH−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CHCHCHCHCH−]等が挙げられる。
Q’としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
−Q’−で表される基において、Xの炭化水素基は、芳香族炭化水素基であってもよく、脂肪族炭化水素基であってもよい。
における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
該芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
における芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を1つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基や、ヘテロアリールアルキル基)等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
が芳香環を有する場合、芳香環はX全体で1つのみであることが好ましい。また、Xが芳香環を有する場合、R、R及びRは芳香環を有さないことが好ましい。
における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、直鎖状もしくは分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基、または環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)が好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、炭素数が2〜10であることが好ましく、2〜5が好ましく、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
脂肪族環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。その炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)でそれぞれ表される基等が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Q”は炭素数1〜5のアルキレン基、−O−、−S−、−O−R94’−または−S−R95’−であり、R94’およびR95’はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であり、mは0または1の整数である。]
式中、Q”、R94’およびR95’におけるアルキレン基としては、それぞれ、前記R91〜R95におけるアルキレン基と同様のものが挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
本発明において、Xは、置換基を有していてもよい環式基であることが好ましい。該環式基は、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であってもよく、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましい。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)のいずれかで表される基等が好ましい。
上記の中でも、前記R”としては、ハロゲン化アルキル基、または置換基としてX−Q’−を有することが好ましい。
置換基としてX−Q’−を有する場合、R”としては、X−Q’−Y−[式中、Q’およびXは前記と同じであり、Yは置換基を有していてもよい炭素数1〜4のアルキレン基または置換基を有していてもよい炭素数1〜4のフッ素化アルキレン基である。]で表される基が好ましい。
−Q’−Y−で表される基において、Yのアルキレン基としては、前記Q’で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
として、具体的には、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CF(CFCF)−、−C(CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−、−CF(CFCFCF)−、−C(CF)(CFCF)−;−CHF−、−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−、−CH(CF)CH−、−CH(CFCF)−、−C(CH)(CF)−、−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CH(CF)CHCH−、−CHCH(CF)CH−、−CH(CF)CH(CF)−、−C(CFCH−;−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CH(CH)CH−、−CH(CHCH)−、−C(CH−、−CHCHCHCH−、−CH(CH)CHCH−、−CHCH(CH)CH−、−CH(CH)CH(CH)−、−C(CHCH−、−CH(CHCH)CH−、−CH(CHCHCH)−、−C(CH)(CHCH)−等が挙げられる。
としては、フッ素化アルキレン基が好ましく、特に、隣接する硫黄原子に結合する炭素原子がフッ素化されているフッ素化アルキレン基が好ましい。このようなフッ素化アルキレン基としては、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、−CF(CF)CF−、−CFCFCFCF−、−CF(CF)CFCF−、−CFCF(CF)CF−、−CF(CF)CF(CF)−、−C(CFCF−、−CF(CFCF)CF−;−CHCF−、−CHCHCF−、−CHCFCF−;−CHCHCHCF−、−CHCHCFCF−、−CHCFCFCF−等を挙げることができる。
これらの中でも、−CF−、−CFCF−、−CFCFCF−、又はCHCFCF−が好ましく、−CF−、−CFCF−又は−CFCFCF−がより好ましく、−CF−が特に好ましい。
前記アルキレン基またはフッ素化アルキレン基は、置換基を有していてもよい。アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が「置換基を有する」とは、当該アルキレン基またはフッ素化アルキレン基における水素原子またはフッ素原子の一部または全部が、水素原子およびフッ素原子以外の原子または基で置換されていることを意味する。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
”がX−Q’−Y−で表される基であるR”SO の具体例としては、たとえば下記式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオンが挙げられる。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
[式中、q1〜q2はそれぞれ独立に1〜5の整数であり、q3は1〜12の整数であり、t3は1〜3の整数であり、r1〜r2はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、iは1〜20の整数であり、Rは置換基であり、n1〜n6はそれぞれ独立に0または1であり、v0〜v6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、w1〜w6はそれぞれ独立に0〜3の整数であり、Q”は前記と同じである。]
の置換基としては、前記Xの説明で、脂肪族環式基の環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部を置換してもよい置換基として挙げたものや、芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子を置換してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
に付された符号(r1〜r2、w1〜w6)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のRはそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
また、式(a5−0−1)中のVとしては、たとえば下記一般式(b−3)で表されるアニオン、下記一般式(b−4)で表されるアニオンも挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
式(b−3)において、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は、好ましくは2〜6であり、より好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
式(b−4)において、Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜10であり、より好ましくは炭素数1〜7、最も好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数又はY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基又はY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基又はアルキル基のフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基又はパーフルオロアルキル基である。
式(a5−0−1)におけるVとしては、一般式「R”SO 」で表されるアニオン(特に、R”がX−Q’−Y−で表される基である上記式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオン)が好ましい。
以下に、式(a5−0−1)で表される基の具体例を示す。下記化学式中、Vは前記同様である。
Figure 2013104985
前記一般式(a5−0−1)で表される基を有する構成単位(以下「構成単位(a5−1)」という。)としては、構造中に前記一般式(a5−0−1)で表される基を有するものであれば特に限定されるものではないが、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位であることが好ましい。
ここで、「エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位」とは、エチレン性二重結合を有する化合物におけるエチレン性二重結合が開裂して単結合となった構造の構成単位を意味する。
エチレン性二重結合を有する化合物としては、たとえば、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステル、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミドまたはその誘導体、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニル芳香族化合物、シクロオレフィンまたはその誘導体、ビニルスルホン酸エステル等が挙げられる。
これらの中でも、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸またはそのエステル、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミドまたはその誘導体、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニル芳香族化合物が好ましい。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
本明細書において、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸、アクリル酸エステルをそれぞれα置換アクリル酸、α置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸とα置換アクリル酸とを包括して「(α置換)アクリル酸」、α置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
α置換アクリル酸またはそのエステルのα位の炭素原子に結合する置換基としては、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、ヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
前記α位の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
前記α位の置換基としての炭素数1〜5のアルキル基として具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
前記α位の置換基としての炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基として具体的には、上記の炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
前記α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基が好ましく、具体的には、上記の炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がヒドロキシ基で置換された基が挙げられる。
本発明において、(α置換)アクリル酸またはそのエステルのα位の炭素原子に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であることが好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
「有機基」は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基としては、特に限定されないが、たとえば前述した芳香族基、極性変換基、後述する酸分解性基等の特性基、これらの特性基を構造中に含む特性基含有基等が挙げられる。該特性基含有基としては、たとえば、前記特性基に2価の連結基が結合した基等が挙げられる。2価の連結基としては、たとえば前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
「アクリルアミドまたはその誘導体」としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリルアミド(以下、(α置換)アクリルアミドということがある。)、(α置換)アクリルアミドのアミノ基(末端の水素原子の一方または両方が置換基で置換された化合物、等が挙げられる。
アクリルアミドまたはその誘導体のα位の炭素原子に結合してもよい置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルのα位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方を置換する置換基としては、有機基が好ましい。該有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基と同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリルアミドのアミノ基末端の水素原子の一方または両方が置換基で置換された化合物としては、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステル中のα位の炭素原子に結合した−C(=O)−O−を、−C(=O)−N(R)−[式中、Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。]で置換した化合物が挙げられる。
式中、Rにおけるアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。
「ビニル芳香族化合物」は、芳香環および該芳香環に結合した1つのビニル基を有する化合物であり、スチレンまたはその誘導体、ビニルナフタレンまたはその誘導体等が挙げられる。
ビニル芳香族化合物のα位の炭素原子(ビニル基の炭素原子のうち、芳香環に結合した炭素原子)に結合してもよい置換基としては、前記α置換アクリル酸エステルのα位の炭素原子に結合する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されビニル芳香族化合物を(α置換)ビニル芳香族化合物ということがある。
「スチレンまたはその誘導体」としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいスチレン(以下、(α置換)スチレンということがある。)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレン(以下、(α置換)ヒドロキシスチレンということがある。)、(α置換)ヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子が有機基で置換された化合物、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基で置換されていてもよいビニル安息香酸(以下、(α置換)ビニル安息香酸ということがある。)、(α置換)ビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子が有機基で置換された化合物、等が挙げられる。
ヒドロキシスチレンは、ベンゼン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ベンゼン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ベンゼン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。水酸基の数が1つである場合は、ビニル基の結合位置のパラ4位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
ビニル安息香酸は、安息香酸のベンゼン環に1つのビニル基が結合した化合物である。ベンゼン環におけるビニル基の結合位置は特に限定されない。
スチレンまたはその誘導体のベンゼン環に結合してもよい、水酸基およびカルボキシ基以外の置換基としては、特に限定されず、たとえば、ハロゲン原子、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
(α置換)ヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子が有機基で置換された化合物における有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基として挙げた有機基が挙げられる。
(α置換)ビニル安息香酸のカルボキシ基の水素原子が有機基で置換された化合物における有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基として挙げた有機基が挙げられる。
「ビニルナフタレンまたはその誘導体」としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニルナフタレン(以下、(α置換)ビニルナフタレンということがある。)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)(以下、(α置換)ビニル(ヒドロキシナフタレン)ということがある。)、(α置換)ビニル(ヒドロキシナフタレン)の水酸基の水素原子が置換基で置換された化合物、等が挙げられる。
ビニル(ヒドロキシナフタレン)は、ナフタレン環に、1つのビニル基と、少なくとも1つの水酸基とが結合した化合物である。ビニル基は、ナフタレン環の1位に結合していてもよく、2位に結合していてもよい。ナフタレン環に結合する水酸基の数は、1〜3が好ましく、1が特に好ましい。ナフタレン環における水酸基の結合位置は特に限定されない。ナフタレン環の1位または2位にビニル基が結合している場合、ナフタレン環の5〜8位のいずれかが好ましい。特に、水酸基の数が1つである場合は、ナフタレン環の5〜7位のいずれかが好ましく、5または6位が好ましい。水酸基の数が2以上の整数である場合は、任意の結合位置を組み合わせることができる。
ビニルナフタレンまたはその誘導体のナフタレン環に結合してもよい置換基としては、前記(α置換)スチレンのベンゼン環に結合してもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
(α置換)ビニル(ヒドロキシナフタレン)の水酸基の水素原子が有機基で置換された化合物における有機基としては、特に限定されないが、たとえば前記(α置換)アクリル酸エステルが有する有機基と同様のものが挙げられる。
(α置換)アクリル酸またはそのエステルから誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−1)で表される構成単位が挙げられる。
(α置換)アクリルアミドまたはその誘導体から誘導される構成単位から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−2)で表される構成単位が挙げられる。
(α置換)ビニル芳香族化合物のうち、(α置換)スチレンまたはその誘導体から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−3)で表される構成単位が挙げられる。また、(α置換)ビニルナフタレンまたはその誘導体から誘導される構成単位として具体的には、下記一般式(U−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。X〜Xはそれぞれ独立に水素原子または有機基である。Rは水素原子または炭素数1〜5のアルキル基である。RおよびRはそれぞれ独立にハロゲン原子、−COOX(Xは水素原子または有機基である。)、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。pxは0〜3の整数であり、qxは0〜5の整数であり、px+qxは0〜5である。qxが2以上の整数である場合、複数のRはそれぞれ同じであっても異なってもよい。xは0〜3の整数であり、yは0〜3の整数であり、zは0〜4の整数であり、x+y+zは0〜7である。y+zが2以上の整数である場合、複数のRはそれぞれ同じであっても異なってもよい。]
構成単位(a5−1)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって前記一般式(a5−0−1)で表される基を含む構成単位が特に好ましい。かかる構成単位としては例えば、下記式(a5−11)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、Q、R〜R、Vは前記同様である。]
式(a5−11)中、Rのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
式(a5−11)中、Q、R〜R、Vは前記と同様である。
・式(a5−0−2)で表される基を有する構成単位
前記式(a5−0−2)中、Qは、単結合又は2価の連結基である。Qの2価の連結基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでも、本発明におけるQとしては、単結合、又は、直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状若しくは分岐鎖状のフッ素化アルキレン基、置換基(好ましくはフッ素原子)を有していてもよいアリーレン基、エステル結合[−C(=O)−O−]又はこれらの組み合わせであることが好ましい。
式(a5−0−2)中、Aは、アニオンを含む有機基である。
としては、露光により発生して酸アニオンとなる部位を含むものであれば特に限定されるものではないが、スルホン酸アニオン、カルボアニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオンを発生し得る基が好ましい。
なかでも、Aとしては、下記式(a5−2−an1)〜(a5−2−an4)でそれぞれ表される基が好ましい。
Figure 2013104985
[式中、Wは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。Zは−C(=O)−O−、−SO−又は置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Z及びZはそれぞれ独立に−C(=O)−又は−SO−である。R62及びR63はそれぞれ独立にフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。Zは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)−O−又は単結合であり、Zは−C(=O)−又は−SO−である。R61はフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R64はフッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。]
式(a5−2−an1)中、Wは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。
の置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基で説明した脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
の好ましい例として、−[C(Rf1)(Rf2)]p0−で表される基が挙げられる。式中、Rf1及びRf2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基であり、Rf1、Rf2のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化アルキル基であり、p0は1〜8の整数である。
が−[C(Rf1)(Rf2)]p0−で表される基である場合、式(a5−2−an1)は、下記式(a5−2−an1−1)で表される。
Figure 2013104985
[式中、Rf1及びRf2はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基であり、Rf1、Rf2のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化アルキル基であり、p0は1〜8の整数である。]
式−[C(Rf1)(Rf2)]p0−および式(a5−2−an1−1)中、Rf1及びRf2は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、フッ素原子、又はフッ素化アルキル基であり、Rf1、Rf2のうち少なくとも1つはフッ素原子又はフッ素化アルキル基である。
f1、Rf2のアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
f1、Rf2のフッ素化アルキル基としては、上記Rf1、Rf2のアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が好ましい。
f1、Rf2としては、フッ素原子又はフッ素化アルキル基であることが好ましい。
式−[C(Rf1)(Rf2)]p0−および式(a5−2−an1−1)中、p0は1〜8の整数であり、1〜4の整数であることが好ましく、1又は2であることがさらに好ましい。
の好ましい他の例として、置換基を有していてもよい脂肪族環式基又は芳香族炭化水素基が挙げられる。それらの中でも、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、カンファー、ベンゼン等から2個以上の水素原子を除いた基(置換基を有していてもよい)が好ましい。
式(a5−2−an2)中、Zは−C(=O)−O−、−SO−又は置換基を有していてもよい炭化水素基である。Zの置換基を有していていもよい炭化水素基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基の説明で挙げた「置換基を有していていもよい2価の炭化水素基」と同様のものが挙げられる。なかでもZとしては−SO−であることが好ましい。
式(a5−2−an2)中、Z及びZは、それぞれ独立に、−C(=O)−又は−SO−であり、少なくとも一方が−SO−であることが好ましく、両方が−SO−であることがより好ましい。
62及びR63は、それぞれ独立に、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基であり、後述するR61におけるフッ素原子を有していてもよい炭化水素基と同様のものが挙げられる。
式(a5−2−an3)中、Zは−C(=O)−、−SO−、−C(=O)−O−又は単結合である。Zが単結合の場合、式中のNが、Zと結合した側とは逆側(即ち、式中の左端)で直接−C(=O)−と結合しないことが好ましい。
式(a5−2−an3)中、Zは、−C(=O)−又は−SO−であり、−SO−であることが好ましい。
61は、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R61における炭化水素基としては、アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、アラルキル基などが挙げられる。
61におけるアルキル基は、炭素数1〜8であるものが好ましく、炭素数1〜6であるものがより好ましく、炭素数1〜4であるものがさらに好ましく、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が好ましいものとして挙げられる。
61における1価の脂環式炭化水素基は、炭素数3〜20であるものが好ましく、炭素数3〜12であるものがより好ましく、多環式でもよく、単環式でもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂環式炭化水素基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
61におけるアリール基は、炭素数6〜18であるものが好ましく、炭素数6〜10であるものがより好ましく、フェニル基が特に好ましい。
61におけるアラルキル基は、炭素数1〜8のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したものが好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したアラルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基と上記「R61におけるアリール基」とが結合したアラルキル基が特に好ましい。
61における炭化水素基は、当該炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていることが好ましく、当該炭化水素基の水素原子の30〜100%がフッ素原子で置換されていることがより好ましい。なかでも、上述したアルキル基の水素原子の全部がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキル基であることが特に好ましい。
式(a5−2−an4)中、R64は、フッ素原子を有していてもよい炭化水素基である。R64における炭化水素基としては、アルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、アリール基から1個以上の水素原子を除いた基、アラルキル基から1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
64における炭化水素基として、具体的には、上記R61における炭化水素基(アルキル基、1価の脂環式炭化水素基、アリール基、アラルキル基など)についての説明の中で例示したものから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
64における炭化水素基は、当該炭化水素基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されていることが好ましく、当該炭化水素基の水素原子の30〜100%がフッ素原子で置換されていることがより好ましい。
上記のうち、例えば、Aが式(a5−2−an1)で表される基のうちフッ素原子を有するもの(特に式(a5−2−an1−1)で表される基)である場合や、(a5−2−an2)で表される基や、Z及びZが−SO−である式(a5−2−an3)で表される基を有する場合、露光によって構成単位(a5)から、フッ素化アルキルスルホン酸アニオン、カルボアニオン、スルホニルイミドアニオン等の比較的強い酸を発生させることができる。
一方、Aが式(a5−2−an1)で表される基のうちフッ素原子を有さない場合や、式(a5−2−an4)で表される基や、Z及びZが−C(=O)−である式(a5−2−an3)で表される基を有する場合、露光によって構成単位(a5)からアルキルスルホン酸アニオン、アリールスルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、イミドアニオン等の比較的弱い酸を発生させることができる。
上記の様に構成単位(a5)から所望の酸強度を有する酸を発生させることができるため、レジスト組成物における構成単位(a5)から発生した酸の機能を適宜決定することができ、所望の機能にあわせてAを選択することもできる。
例えば、通常レジスト組成物において用いられる酸発生剤と同様の役割を構成単位(a5)が担う場合は、強酸を発生するAを選択することが好ましい。
また、例えば、通常レジスト組成物において用いられるクエンチャー(酸発生剤から発生する強酸と塩交換して強酸をトラップするクエンチャー)と同様の機能を構成単位(a5)が担う場合は、弱酸を発生するAを選択することが好ましい。
なお、ここで強酸、弱酸とは、後述する構成単位(a1)に含まれるような酸の作用により分解する酸分解性基の活性化エネルギーとの関係性や、共に用いられる酸発生剤の酸強度との関係性において決定されるものである。そのため、上述した“比較的弱い酸”が、必ずクエンチャーとして用いることができるものではない。
式(a5−0−2)中、Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は、芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さない。
該有機カチオン中に存在する芳香環が1個以下であることにより、EUVリソグラフィー又はEBリソグラフィーにおいて、リソグラフィー特性とパターン形状の良好なレジストパターンが形成される。これらの効果がより高まることから、なかでも、前記Mm+は、芳香環を有さない有機カチオンであることが特に好ましい。
m+の有機カチオンとしては、芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有さないものであれば特に限定されず、例えば、従来、レジスト組成物のクエンチャーに用いられる光分解性塩基や、レジスト組成物のオニウム系酸発生剤等のカチオン部として知られている有機カチオンを用いることができる。
このような有機カチオンとしては、例えば、下記一般式(m1−1)又は(m2−1)で表されるカチオンを用いることができる。
Figure 2013104985
[式中、R11”〜R13”,R15”〜R16”はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基またはアルケニル基を表す。式(m1−1)中、R11”〜R13”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。ただし、式中の基S(R11”)(R12”)(R13”)は全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。式(m2−1)中の基I(R15”)(R16”)は全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。]
前記式(m1−1)中、R11”〜R13”における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、それぞれ、前記一般式(a5−0−1)中のR〜Rの説明で挙げたアリール基、アルキル基、アルケニル基と同様のものが挙げられる。
式(m1−1)におけるR11”〜R13”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合に形成される環としては、前記一般式(a5−0−1)中のR〜Rが結合して式中のイオウ原子と共に形成する環として挙げたものと同様のものが挙げられる。
ただし、式(m1−1)中の基S(R11”)(R12”)(R13”)は、全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。つまり、R12”とR13”とが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成していない場合は、R11”、R12”及びR13”のうちの1つのみが1個の芳香環を有する有機基であり、他の2つが芳香環を有さない有機基であるか、またはR11”、R12”及びR13”の全てが芳香環を有さない有機基である。R12”とR13”とが相互に結合して式中のイオウ原子と共に1つの芳香環を形成している場合は、R11”は芳香環を有さない有機基である。R12”とR13”とが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合であって該環が脂肪族環(芳香族性を有さない環)である場合は、R11”は、1個の芳香環を有する有機基であるか、または芳香環を有さない有機基である。R12”とR13”とが相互に結合して式中のイオウ原子と共に形成する環が、2以上の芳香環を含む環である場合は、当該構成単位は構成単位(a5)には該当しない。
前記式(m2−1)中、R15”〜R16”における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基としては、それぞれR11”〜R13” と同様のものが挙げられる。
ただし、式(m2−1)中の基I(R15”)(R16”)は、全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。すなわち、R15”〜R16”のうち、いずれか1つのみが芳香環であるか、いずれも芳香環でない。
基S(R11”)(R12”) (R13”)は全体で、又は基I(R15”)(R16”)は全体で、芳香環が1個以下であることにより、EUVリソグラフィー又はEBリソグラフィーにおいて、リソグラフィー特性とパターン形状の良好なレジストパターンが形成される。これらの効果がより高まることから、基S(R11”)(R12”)(R13”) は全体で、又は基I(R15”)(R16”)は全体で、芳香環を有さないことが特に好ましい。
式(m1−1)で表される化合物のカチオン部のなかで好適なものとして具体的には、下記式(m1−1−1)〜(m1−1−3)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2013104985
また、前記式(m1−1)で表される化合物のカチオン部において、R11”〜R13”のうちのいずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成している場合の好ましい具体例として、たとえば、下記式(m1−2)、(m1−3)又は(m1−4)でそれぞれ表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、uは1〜3の整数である。R6aは置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R6bは水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、非芳香族の置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただしR6a−C(=O)−O−R6bはこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。R7aは置換基を有していてもよいアルキレン基であり、R7bは置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただしR7a−C(=O)−R7bはこれらの全体で芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。Rは置換基を有していてもよいアルキル基、非芳香族の置換基を有していてもよいフェニル基またはナフチル基である。ただしRは芳香環を1個のみ有するか、または芳香環を有さない。]
式中、uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
式中、R6a、R7aにおけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3がさらに好ましく、1または2が特に好ましい。
該アルキレン基が有していてもよい置換基としては、前記一般式(a5−0−1)中のRの説明で、置換アルキレン基における置換基として挙げたものと同様のもの(ハロゲン原子、オキソ基(=O)、シアノ基、アルキル基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”、アリール基等)が挙げられる。
式中、R6b、R7b、Rにおける置換基を有していてもよいアルキル基としては、前記一般式(a5−0−1)中のR、Rの説明で挙げた置換アルキル基と同様のものが挙げられる。
6b、R7b、Rにおけるフェニル基又はナフチル基が有していてもよい非芳香族の置換基としては、前記式(a5−0−1)中のR、Rの説明で挙げた置換アリール基が有していてもよい非芳香族の置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記式(m1−2)、(m1−3)又は(m1−4)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
式(m1−4−1)中、Rは置換基である。該置換基としては、上記置換アリール基についての説明のなかで例示した置換基(アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、アリール基、−C(=O)−O−R”、−O−C(=O)−R”、−O−R”)が挙げられる。
前記一般式(a5−0−2)で表される基を有する構成単位(以下「構成単位(a5−2)」という。)としては、構造中に前記一般式(a5−0−2)で表される基を有するものであれば特に限定されるものではないが、エチレン性二重結合を有する化合物から誘導される構成単位であって前記一般式(a5−0−2)で表される基を含む構成単位が好ましく、下記一般式(a5−21)で表される構成単位が特に好ましい。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Q2aは単結合又は2価の連結基である。Q2bは単結合又は2価の連結基である。Aはアニオンを含む有機基である。Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。
式(a5−21)中、Rは前記式(a5−11)中のRと同様である。
A−、(Mm+1/mはそれぞれ前記式(a5−0−2)中のA−、(Mm+1/mと同様である。
2aにおける2価の連結基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
なかでも、Q2aとしては、単結合、−C(=O)−Q22−N(R)−または−Q23−CF(Rq1)−が好ましい。
−C(=O)−Q22−N(R)−中、Q22は2価の連結基であり、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。
−Q23−CF(Rq1)−中、Q23は−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−を含有する基であり、Rq1はフッ素原子又はフッ素化アルキル基である。
−C(=O)−Q22−N(R)−中、Q22の2価の連結基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられ、なかでも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基が特に好ましく、メチレン基又はエチレン基が最も好ましい。
における炭素数1〜5のアルキル基としては、前記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられる。なかでもRとしては、水素原子又はメチル基が好ましい。
−Q23−CF(Rq1)−中、Q23として具体的には、−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−からなる基;−O−、−CH−O−又は−C(=O)−O−と、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とからなる基等が挙げられる。
かかる置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基で挙げた置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられる。なかでも、Q23における「2価の炭化水素基」としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。
23としては、−C(=O)−O−と置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とからなる基が好ましく、−C(=O)−O−と脂肪族炭化水素基とからなる基がより好ましく、−C(=O)−O−と直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基とからなる基がさらに好ましい。
−Q23−CF(Rq1)−中、Rq1におけるフッ素化アルキル基において、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、炭素数が1〜3であることがより好ましく、炭素数が1〜2であることが特に好ましい。
環状のアルキル基の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがより好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましい。具体的には、モノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカン;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
フッ素化アルキル基においては、当該フッ素化アルキル基に含まれるフッ素原子と水素原子との合計数に対するフッ素原子の数の割合(フッ素化率(%))が、30〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。該フッ素化率が高いほど、レジスト膜の疎水性が高まる。
上記の中でも、Rq1はフッ素原子であることが好ましい。
式(a5−21)中、Q2bにおける2価の連結基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでも、Q2bとしては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せ、環状の脂肪族炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せ、芳香族炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せがより好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せ、2価の脂環式炭化水素基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せが特に好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せが最も好ましい。
構成単位(a5−2)のなかで好適なものとしては、下記式(a5−2−11)〜(a5−2−13)、(a5−2−21)〜(a5−2−25)、(a5−2−31)〜(a5−2−32)及び(a5−2−41)〜(a5−2−44)でそれぞれ表される構成単位からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
これらのうち、下記式(a5−2−11)〜(a5−2−13)で表される構成単位としては、それぞれ、下記式(a5−2−11−1)、(a5−2−12−1)、(a5−2−13−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013104985
[式中、R、W、(Mm+1/mは前記同様であり、Q21はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。Q22は2価の連結基である。Q23は−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−を含有する基である。Rq1はフッ素原子又はフッ素化アルキル基である。Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。p01は0又は1である。]
Figure 2013104985
[式中、R、Rf1、Rf2、Rq1、R、Q21〜Q23、p0、(Mm+1/mは前記と同様である。]
Figure 2013104985
[式中、R、Q21〜Q23、Z〜Z、R62〜R63、R、Rq1、(Mm+1/mは前記同様である。n60は0〜3の整数である。]
Figure 2013104985
[式中、R、Z〜Z、R61、R、(Mm+1/mは前記と同様であり、Q24、Q25はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。]
Figure 2013104985
[式中、R、R、(Mm+1/mは前記と同様であり、Q26〜Q28はそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。n30は0〜3の整数である。]
式(a5−2−11)〜(a5−2−13)中、R、(Mm+1/mは、それぞれ前記式(a5−21)中のR、(Mm+1/mと同様である。
は、前記式(a5−2−an1)中のWと同様である。
21は、単結合又は2価の連結基である。Q21における2価の連結基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。なかでも、Q21としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せ、環状の脂肪族炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せ、芳香族炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組合せがより好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せ、2価の脂環式炭化水素基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せが特に好ましく;直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基とエステル結合[−C(=O)−O−]との組合せが最も好ましい。
p01は、0又は1であり、1が好ましい。
式(a5−2−12)中、Q22は2価の連結基であり、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられ、なかでも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、または2価の芳香族炭化水素基であることが好ましく、直鎖状のアルキレン基が特に好ましく、メチレン基又はエチレン基が最も好ましい。
式(a5−2−12)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である。炭素数1〜5のアルキル基としては、前記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられる。なかでもRとしては、水素原子又はメチル基が好ましい。
式(a5−2−13)中、Q23は−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−を含有する基である。
23として具体的には、−O−、−CH−O−、又は−C(=O)−O−からなる基;−O−、−CH−O−又は−C(=O)−O−と、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とからなる基等が挙げられる。
かかる置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基で挙げた置換基を有していてもよい2価の炭化水素基と同様のものが挙げられる。なかでも、「2価の炭化水素基」としては、脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基がより好ましい。
23としては、−C(=O)−O−と置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とからなる基が好ましく、−C(=O)−O−と脂肪族炭化水素基とからなる基がより好ましく、−C(=O)−O−と直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基とからなる基がさらに好ましい。
23の好適なものとして具体的には、特に、下記一般式(Q23−1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013104985
[式(Q23−1)中、Rq2及びRq3はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基又はフッ素化アルキル基であり、互いに結合して環を形成していてもよい。]
前記式(Q23−1)中、Rq2、Rq3におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよく、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
環状のアルキル基の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10であることが最も好ましい。具体的には、モノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。なかでも、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
q2、Rq3におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されている基である。
当該フッ素化アルキル基において、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよく、上記「Rq2、Rq3におけるアルキル基」と同様のものが挙げられる。
q2及びRq3は、互いに結合して環を形成していてもよく、Rq2とRq3とこれらが結合している炭素原子とが構成する環としては、前記環状のアルキル基におけるモノシクロアルカン又はポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いたものが例示でき、4〜10員環であることが好ましく、5〜7員環であることがより好ましい。
上記の中でも、Rq2、Rq3は、水素原子又はアルキル基であることが好ましい。
式(a5−2−13)中、Rq1は、フッ素原子又はフッ素化アルキル基である。
q1におけるフッ素化アルキル基において、フッ素原子で置換されていない状態のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基の場合、炭素数は1〜5であることが好ましく、炭素数が1〜3であることがより好ましく、炭素数が1〜2であることが特に好ましい。
環状のアルキル基の場合、炭素数は4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがより好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましい。具体的には、モノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカン;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンからそれぞれ1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
フッ素化アルキル基においては、当該フッ素化アルキル基に含まれるフッ素原子と水素原子との合計数に対するフッ素原子の数の割合(フッ素化率(%))が、30〜100%であることが好ましく、50〜100%であることがより好ましい。該フッ素化率が高いほど、レジスト膜の疎水性が高まる。
上記の中でも、Rq1はフッ素原子であることが好ましい。
前記式(a5−2−11−1)、(a5−2−12−1)、(a5−2−13−1)中、R、Q21〜Q23、R、Rq1、(Mm+1/mは、前記式(a5−2−11)〜(a5−2−13)中のR、Q21〜Q23、R、Rq1、(Mm+1/mとそれぞれ同様である。
f1、Rf2、p0は、前記式(a5−2−an1−1)中のRf1、Rf2、p0とそれぞれ同様である。
式(a5−2−21)〜(a5−2−25)中、R、Q21〜Q23、R、Rq1、(Mm+1/mは、前記式(a5−2−11)〜(a5−2−13)中のR、Q21〜Q23、R、Rq1、(Mm+1/mとそれぞれ同様である。
〜Z、R62〜R63は、前記式(a5−2−an2)中のZ〜Z、R62〜R63とそれぞれ同様である。
式(a5−2−24)中、n60は0〜3の整数であって、0又は1であることが好ましい。
式(a5−2−31)〜(a5−2−32)中、R、R、(Mm+1/mは、前記式(a5−2−11)〜(a5−2−13)中のR、R、(Mm+1/mとそれぞれ同様である。
〜Z、R61は、前記式(a5−2−an3)中のZ〜Z、R61とそれぞれ同様である。
24、Q25は、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。
24、Q25の2価の連結基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。なお、上述したように、Zが単結合である場合、Q24、Q25のZと結合する末端は−C(=O)−でないことが好ましい。Q24、Q25の2価の連結基としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。これらの中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基、環状の脂肪族炭化水素基がより好ましい。
式(a5−2−41)〜(a5−2−44)中、R、R、(Mm+1/mは、前記式(a5−2−11)〜(a5−2−13)中のR、R、(Mm+1/mとそれぞれ同様である。
26〜Q28は、それぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。Q26〜Q28は、前記Q24、Q25と同様である。
式(a5−2−44)中、n30は0〜3の整数であって、0又は1であることが好ましい。
以下に、構成単位(a5−2)の具体例を示す。以下の各式中、Rαは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基であり、(Mm+1/mは前記と同様である。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
(A1)成分は、構成単位(a5)を1種のみ有していてもよく、2種以上組み合わせて有していてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a5)の割合は、当該重合体(A1)を構成する全構成単位に対して1〜50モル%であることが好ましく、1〜45モル%がより好ましく、3〜40モル%がさらに好ましく、5〜35モル%が特に好ましい。1モル%以上とすることにより、感度、解像性等のリソグラフィー特性、レジストパターン形状の向上効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。また、レジスト溶剤(後述する(S)成分)に対する充分な溶解性が確保できる。
なお、本態様のレジスト組成物において、(A1)成分は、構成単位(a5)及び構成単位(a6)に加えて、式(a5−0−1)中の基−R−S(R)(R)の全体で芳香環を2個以上有する構成単位、又は式(a5−0−2)中のMm+が芳香環を2個以上有する構成単位を有してもよく、あるいは、これらの芳香環を2個以上有する構成単位を有する樹脂を(A1)成分と共に用いてもよい。
かかる場合、これらの芳香環を2個以上有する構成単位の割合は、レジスト組成物中、基材成分(A)としての樹脂成分を構成する構成単位の合計に対して50モル%以下とすることが好ましい。芳香環を2個以上有する構成単位の割合を50モル%以下とすることにより、リソグラフィー特性、レジストパターン形状の向上効果が充分に得られる。
(構成単位(a6))
構成単位(a6)は、下記一般式(a6−1)で表される構成単位である。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Qは単結合又は2価の連結基である。Pは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。]
前記式(a6−1)中、Rは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。
式(a6−1)中、Rのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a6−1)中、Qは、単結合又は2価の連結基である。Qにおける2価の連結基としては、たとえば前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられ、ヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
としては、単結合、ヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、単結合、エステル結合(−C(=O)−O−)がより好ましい。
前記式(a6−1)中、Pは、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。
における芳香族炭化水素基としては、芳香環を少なくとも1つ有する2価の炭化水素基であり、置換基を有していてもよい。
芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基またはヘテロアリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アリール基またはヘテロアリール基に結合するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
なかでも、Pとしては、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基)が好ましく、ベンゼン又はナフタレンから水素原子を2つ除いた基が特に好ましい。
の芳香族炭化水素環における水酸基(−OH)の結合位置は、該芳香族炭化水素環のo−位、m−位、p−位のいずれでもよいが、容易に入手可能でかつ低価格であることから、p−位が好ましい。
における芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、オキソ基(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
構成単位(a6)のなかで好適なものとしては、下記式(a6−1−1)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Q3aはNH又はOである。n0は0又は1である。Pは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。]
前記式(a6−1−1)中、R、Pは、前記式(a6−1)中のR、Pと同様である。
以下に、構成単位(a6)の具体例を示す。以下の各式中、Rαは水素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基である。
Figure 2013104985
(A1)成分は、構成単位(a6)を1種のみ有していてもよく、2種以上組み合わせて有していてもよい。
(A1)成分中、構成単位(a6)の割合は、当該重合体(A1)を構成する全構成単位に対して10〜50モル%であることが好ましく、20〜40モル%がより好ましく、22.5〜37.5モル%がさらに好ましく、25〜35モル%が特に好ましい。
構成単位(a6)の割合を下限値以上とすることにより、EUVリソグラフィーやEBリソグラフィープロセスにおいて感度がより高まる。一方、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。また、解像性能がより向上する。
(A1)成分は、構成単位(a5)及び構成単位(a6)以外の構成単位を有していてもよい。
このような構成単位としては、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能であり、たとえば、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)、−SO−含有環式基又はラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)、極性基を含む構成単位(a3)、酸非解離性環式基を含む構成単位(a4)等が挙げられる。
(A1)成分が(A1−2)成分である場合、(A1−2)成分は、極性基を含むことが好ましい。極性基としては、後述する構成単位(a3)で挙げる極性基と同様のものが挙げられ、水酸基、カルボキシ基等のアルカリ可溶性基が好ましい。
(A1−2)成分は、構成単位(a5)及び構成単位(a6)のみからなるものであってもよく、構成単位(a5)及び構成単位(a6)に加えてさらに構成単位(a3)を有してもよい。
(A1)成分が(A1−1)成分である場合、(A1−1)成分は、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含むことが好ましい。
「酸分解性基」は、酸(露光により構成単位(a5)から発生する酸や、任意成分である後述の酸発生剤成分(B)から発生する酸)の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
構成単位(a5)又は構成単位(a6)が酸分解性基を含む場合、(A1−1)成分は、構成単位(a5)及び構成単位(a6)のみからなるものであってもよく、構成単位(a5)及び構成単位(a6)に加えてさらに構成単位(a1)を有してもよい。
構成単位(a5)又は構成単位(a6)が酸分解性基を含まない場合、(A1−1)成分は、構成単位(a5)及び構成単位(a6)以外に、さらに、構成単位(a1)を有する必要がある。
本態様のレジスト組成物において、(A1)成分は、(A1−1)成分であることが好ましい。すなわち(A1)成分が、露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により極性が増大する樹脂成分であり、本態様のレジスト組成物が、アルカリ現像プロセスにおいてポジ型となり、溶剤現像プロセスにおいてネガ型となる化学増幅型レジスト組成物であることが好ましい。
(構成単位(a1))
構成単位(a1)は、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位である。
「酸分解性基」は、酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、たとえばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SOH)等が挙げられる。これらのなかでも、構造中に−OHを含有する極性基(以下「OH含有極性基」ということがある。)が好ましく、カルボキシ基または水酸基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基を酸解離性基で保護した基(たとえばOH含有極性基の水素原子を酸解離性基で保護した基)が挙げられる。
「酸解離性基」は、酸の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。その結果、(A1−1)成分全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大する。
酸解離性基としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状又は鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状又は環状の炭化水素基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状又は環状の炭化水素基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基が形成される。
前記鎖状又は環状の炭化水素基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性基、脂肪族環式基を含有する酸解離性基、芳香族炭化水素基を含有する酸解離性基が挙げられる。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性基としては、たとえば、−C(R71)(R72)(R73)で表される基が挙げられる。式中、R71〜R73は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(R71)(R72)(R73)で表される基は、炭素数が4〜8であることが好ましく、具体的にはtert−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基などが挙げられる。特にtert−ブチル基が好ましい。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基又は多環式基であることを示す。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などの脂環式炭化水素基が挙げられる。また、これらの脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
脂肪族環式基を含有する酸解離性基としては、たとえば、
(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(ii)1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基などが挙げられる。
前記(i)の基において、脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえばアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様のものが挙げられる。
前記(i)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記(ii)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、R14はアルキル基であり、gは0〜8の整数である。]
Figure 2013104985
[式中、R15およびR16は、それぞれ独立してアルキル基である。]
式(1−1)〜(1−9)中、R14のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
gは0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
式(2−1)〜(2−6)中、R15〜R16のアルキル基としては、前記R14のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基を含有する酸解離性基における「芳香族炭化水素基」は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環が挙げられる。
該芳香環は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
芳香族炭化水素基を含有する酸解離性基としては、たとえば、芳香環と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基などが挙げられる。この具体例としては、たとえば下記一般式で表される基等が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、R15およびR16は前記と同様である。]
「アセタール型酸解離性基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のOH含有極性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、酸が作用して、アセタール型酸解離性基と、当該アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基、水酸基等のOH含有極性基が形成される。
アセタール型酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5のアルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは炭素数1〜5のアルキル基または脂肪族環式基を表す。]
式(p1)中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’のアルキル基としては、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R’,R’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2013104985
[式中、R’、n、Yは上記と同じである。]
Yのアルキル基としては、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示できる。
アセタール型酸解離性基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり;R19は直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は、好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、エチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(p2)においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、酸分解性基を有するものであれば他の部位の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸分解性基を含む構成単位(a11)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位(a12)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位(a13)等が挙げられる。ラフネス改善(ラインワイズラフネス、ラインエッジラフネスの低減)の点では構成単位(a11)が好ましく、EUV波長を吸収しやすくまた、OoB光の酸発生成分への影響をより低減できる点では構成単位(a12)〜(a13)が好ましい。
{構成単位(a11)}
構成単位(a11)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸分解性基を含む構成単位である。
構成単位(a11)としては、たとえば、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位等が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;Xは酸解離性基であり;Yは2価の連結基であり;Xは酸解離性基である。]
一般式(a1−0−1)において、Rのアルキル基、ハロゲン化アルキル基は、それぞれ、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の置換基として挙げたアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
は、酸解離性基であれば特に限定されることはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。これら置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
が直鎖状または分岐鎖状アルキレン基である場合、該アルキレン基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。具体的には、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基の説明中、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
が2価の脂環式炭化水素基である場合、該脂環式炭化水素基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基の説明中、「構造中に環を含む脂肪族炭化水素基」として挙げた環状の脂肪族炭化水素基(脂環式炭化水素基)と同様のものが挙げられる。
該脂環式炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が二個以上除かれた基であることが特に好ましい。
がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、該連結基として好ましいものとして、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−、一般式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
が−NH−の場合、そのHはアルキル基、アリール基(芳香族基)等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アリール基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記でYにおける「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CHa’−C(=O)−O−(CHb’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
におけるヘテロ原子を含む2価の連結基としては、少なくとも1種と非炭化水素基と2価の炭化水素基との組み合わせからなる有機基が好ましい。なかでも、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基、が好ましく、前記式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましく、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基好ましい。
としては、上記のなかでも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がさらに好ましい。
構成単位(a11)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、R、R’、R’、n、YおよびYはそれぞれ前記と同じであり、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性基を表す。]’
式中、X’は、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基と同様のものが挙げられる。
’、R’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR’、R’、n、Yと同様のものが挙げられる。
としては、上述の一般式(a1−0−2)におけるYと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
本発明においては、構成単位(a11)として、下記一般式(a1−0−11)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−12)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−13)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−14)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することが好ましい。
なかでも、下記一般式(a1−0−12)で表される構成単位、下記一般式(a1−0−14)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することがより好ましく、下記一般式(a1−0−12)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することがさらに好ましい。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R21はアルキル基であり、R22は、当該R22が結合した炭素原子と共に脂肪族単環式基を形成する基であり、R23は分岐鎖状のアルキル基であり、R24は、当該R24が結合した炭素原子と共に脂肪族多環式基を形成する基であり、R25は炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。R15およびR16は、それぞれ独立してアルキル基である。R26は、当該R26が結合した炭素原子と共に芳香環を形成する基である。Yは2価の連結基であり、Xは酸解離性基である。]
各式中、R、Y、Xについての説明は前記と同じである。
式(a1−0−11)中、R21のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましい。
22が、当該R22が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族単環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、単環式基であるものと同様のものが挙げられる。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該モノシクロアルカンは、3〜11員環であることが好ましく、3〜8員環であることがより好ましく、4〜6員環がさらに好ましく、5または6員環が特に好ましい。
該モノシクロアルカンは、環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
また、該モノシクロアルカンは、置換基として、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を有していてもよい。
かかる脂肪族単環式基を構成するR22としては、たとえば、炭素原子間にエーテル基(−O−)が介在してもよい直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
式(a1−0−11)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−16)〜(a1−1−23)、(a1−1−27)、(a1−1−31)〜(a1−1−33)で表される構成単位が挙げられる。これらの中でも、式(a1−1−16)〜(a1−1−17)、(a1−1−20)〜(a1−1−23)、(a1−1−27)、(a1−1−31)〜(a1−1−33)で表される構成単位を包括する下記(a1−1−02)で表される構成単位が好ましい。また、下記(a1−1−02’)で表される構成単位も好ましい。
各式中、hは、1または2が好ましい。
Figure 2013104985
[式中、R、R21はそれぞれ前記と同じであり、hは1〜4の整数である。]
式(a1−0−12)中、R23の分岐鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた分岐鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、イソプロピル基が最も好ましい。
24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、多環式基であるものと同様のものが挙げられる。
式(a1−0−12)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−26)、(a1−1−28)〜(a1−1−30)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−12)で表される構成単位としては、R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−26)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−0−13)中、RおよびR24はそれぞれ前記と同様である。
25の直鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた直鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
式(a1−0−13)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−1)〜(a1−1−3)、(a1−1−7)〜(a1−1−15)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−13)で表される構成単位としては、R24が、当該R24が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−1)、(a1−1−2)または(a1−1−9)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−0−14)中、Rは前記と同様である。R15およびR16は、それぞれ前記一般式(2−1)〜(2−6)におけるR15およびR16と同様である。
26が、当該R26が結合した炭素原子と共に芳香環を形成する基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた芳香環と同様のものが挙げられる。
式(a1−0−14)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−37)、(a1−1−38)で表される構成単位が挙げられる。
式(a1−0−2)で表される構成単位としては、前記式(a1−3)または(a1−4)で表される構成単位が挙げられ、特に式(a1−3)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−0−2)で表される構成単位としては、特に、式中のYが前記式−Y21−O−Y22−で表される基、前記式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基、または前記式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基であるものが好ましい。
かかる構成単位として、好ましいものとしては、下記一般式(a1−3−01)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−02)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−03)で表される構成単位などが挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Rは前記と同じであり、R13は水素原子またはメチル基であり、R14はアルキル基であり、yは1〜10の整数であり、n’は0〜3の整数である。]
Figure 2013104985
[式中、Rは前記と同じであり、Y’およびY”はそれぞれ独立して2価の連結基であり、X’は酸解離性基であり、wは0〜3の整数である。]
式(a1−3−01)〜(a1−3−02)中、R13は、水素原子が好ましい。
14は、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様である。
yは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が最も好ましい。
n’は、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
式(a1−3−01)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−25)〜(a1−3−26)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−02)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−27)〜(a1−3−28)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−03)中、Y’、Y” における2価の連結基としては、前記一般式(a1−3)におけるYと同様のものが挙げられる。
’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
X’における酸解離性基は、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、上述した(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に置換基が結合して第3級炭素原子が形成されている基がより好ましく、中でも、前記一般式(1−1)で表される基が好ましい。
wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
式(a1−3−03)で表される構成単位としては、下記一般式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位が好ましく、中でも、式(a1−3−03−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013104985
[式中、RおよびR14はそれぞれ前記と同じであり、a’は1〜10の整数であり、b’は1〜10の整数であり、tは0〜3の整数である。]
式(a1−3−03−1)〜(a1−3−03−2)中、a’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が特に好ましい。
b’は、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
tは1〜3の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−29)〜(a1−3−32)で表される構成単位が挙げられる。
また、構成単位(a11)としては、下記一般式(a1−5)で表される構成単位も好ましい。この構成単位を有することにより、露光部での残膜率、エッチング耐性が向上する。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、OR70は酸分解性基であり、R80は置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基であり、R90は単結合または2価の連結基である。mは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、かつ、m+m=1〜3である。m、mはそれぞれ独立して0〜3の整数である。]
式(a1−5)中、Rのアルキル基、ハロゲン化アルキル基は、それぞれ、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基、ハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
式(a1−5)中、OR70の酸分解性基としては、たとえば、アルコール性水酸基の水素原子を酸解離性基で置換した基が挙げられる。
「酸解離性基」は、酸の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。かかる酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成するアルコール性水酸基よりも親水性の低い基であることが必要で、これにより、アルコール性水酸基の水素原子を酸解離性基で置換した基において該酸解離性基が解離すると、アルコール性水酸基が生じ(露出し)て親水性が増大する。この結果、重合体全体の親水性が増大し、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、他方、現像液が有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)の場合には溶解性が減少する。
酸解離性基としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものを使用することができ、たとえば上述した酸解離性基と同様のものが挙げられる。
酸解離性基としては、特に、レジスト組成物とする際の有機溶剤(レジスト溶剤)、現像液等に対する溶解性がより向上することから、第3級アルキル基含有酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましい。
(第3級アルキル基含有酸解離性基)
「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有酸解離性基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む酸解離性基を示す。第3級アルキル基含有酸解離性基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、たとえばカルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子(−O−)等が挙げられる。
第3級アルキル基含有酸解離性基としては、環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基、環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基等が挙げられる。
「環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基」は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない酸解離性基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I)で表される基が挙げられる。
Figure 2013104985
式(I)中、R23〜R25は、それぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、一般式(I)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基としては、上述した分岐鎖状の第3級アルキル基;該分岐鎖状の第3級アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基に結合してなる第3級アルキル基含有鎖状アルキル基;第3級アルキル基として該分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として該分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。
式(II)中のR23〜R25は、前記式(I)中のR23〜R25と同様である。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
Figure 2013104985
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、たとえば下記の一般式(III−1)又は一般式(III−2)のいずれかで表される基が挙げられる。
式(III−1)、(III−2)中のR23〜R25は、前記式(I)中のR23〜R25と同様である。
は1〜3の整数であり、1または2が好ましい。
’は炭素数1〜5のアルキル基を表し、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
Figure 2013104985
上記の中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が、露光前後での有機系現像液に対するコントラストの観点から好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
「環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基」は、その構造内に、第3級炭素原子と環状構造とを有する酸解離性基である。
環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。
環状構造としては、脂肪族環式基が好ましい。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などの脂環式炭化水素基が挙げられる。また、これらの脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基が有する第3級アルキル基としては、例えば、下記[1]または[2]の基が挙げられる。
[1]1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該第3級アルキル基に隣接する原子と結合する炭素原子にアルキル基が結合して第3級炭素原子が形成されている第3級アルキル基。
[2]1価の脂肪族環式基と、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)とを有し、該第3級炭素原子が当該第3級アルキル基に隣接する原子に結合している第3級アルキル基。
前記[1]または[2]の基において、1価の脂肪族環式基としては前記環状構造の説明で挙げた脂肪族環式基と同様のものが挙げられる。
前記[1]の基において脂肪族環式基に結合するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
前記[1]の基の具体例としては、たとえば上述した一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記[2]の基の具体例としては、たとえば上述した一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基としては、たとえば、環状構造を有する第3級アルキル基;第3級アルキル基として該環状構造を有する第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として該環状構造を有する第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
該環状構造を有する第3級アルキル基としては、たとえば上述した[1]または[2]の基が挙げられる。
該第3級アルキルオキシカルボニル基として具体的には、前記一般式(II)中の−C(R23)(R24)(R25)部分を、環状構造を有する第3級アルキル基で置換した基が挙げられる。
該第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基として具体的には、前記の一般式(III−1)、(III−2)中の−C(R23)(R24)(R25)部分を、環状構造を有する第3級アルキル基で置換した基が挙げられる。
第3級アルキル基含有酸解離性基としては、上記のなかでも、前記一般式(II)で表される基(特に好ましくはtert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc));前記一般式(III−2)中の−C(R23)(R24)(R25)部分を、環状構造を有する第3級アルキル基で置換した基が好ましい。
(アセタール型酸解離性基)
アセタール型酸解離性基は、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性基と、当該アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性基としては、上述した「アセタール型酸解離性基」と同様のものが挙げられる。
式(a1−5)で表される構成単位において、−OR70(R70がアセタール型酸解離性基である場合)の好ましい具体例としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基、アダマンチルオキシメトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−アダマンチルオキシエトキシ基等が挙げられる。
前記式(a1−5)中、R80は、置換基を有していてもよい脂肪族炭化水素基である。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
80における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
脂肪族炭化水素基が「置換基を有していてもよい」とは、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよいことを意味する。
80における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子と前記ヘテロ原子以外の基若しくは原子とを含む基であってもよい。具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)−、−S(=O)−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、アルキル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基(低級アルキル基)、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
80が直鎖状、分岐鎖状の脂肪族炭化水素基である場合、炭素数は1〜10が好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜3が最も好ましい。具体的には、鎖状のアルキレン基が好適なものとして挙げられる。
80が環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族環式基)である場合、脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされず、その環(脂肪族環)の構造中に酸素原子等のヘテロ原子を含んでいてもよい。また、「炭化水素環」は飽和、不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
また、当該脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランから2個以上の水素原子を除いた基等も挙げられる。
式(a1−5)で表される構成単位において、かかる脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が特に好ましい。
前記式(a1−5)中、R90の2価の連結基としては、特に限定されないが、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
90における置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基については、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基の説明の中で例示した、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等と同様のものが挙げられる。
なかでも、R90の2価の連結基としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。これらの中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基が好ましく、式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、前記のY21、Y22と同様である。m’は0〜3の整数である。
前記式(a1−5)中、mは1〜3の整数であり、mは0〜2の整数であり、かつ、m+m=1〜3である。
は1または2であることが好ましい。
は0であることが好ましい。
+mは1または2であることが好ましい。
は0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
は0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
上記のなかでも、前記式(a1−5)中のR90が単結合または炭素数1〜3の直鎖状のアルキレン基であるものが好ましい。すなわち、下記一般式(a1−51)で表される構成単位が好ましい。
なかでも、下記一般式(a1−511)、(a1−512)又は(a1−513)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013104985
[式(a1−51)中、R、OR70、R80、m、m、m、mはそれぞれ前記と同じであり、mは0〜3の整数である。]
Figure 2013104985
[式中、R,OR70,m,m,m,mはそれぞれ前記と同じである。]
Figure 2013104985
[式中、R,OR70,m,m,m,mはそれぞれ前記と同じである。]
Figure 2013104985
[式中、R,OR70,m,m,m,m,mはそれぞれ前記と同じである。c”は1〜3の整数である。]
式(a1−51)中、mは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
式(a1−513)中、c”は1〜3の整数であり、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
前記式(a1−513)におけるmが0の場合、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子は、環式基中の酸素原子に結合する炭素原子には結合していないことが好ましい。すなわち、mが0の場合、当該末端の酸素原子と当該環式基中の酸素原子との間には炭素原子が2つ以上存在する(この炭素原子の数が1である(すなわちアセタール結合となる)場合を除く)ことが好ましい。
以下に、上記一般式(a1−5)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013104985
{構成単位(a12)}
構成単位(a12)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ベンゼン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
水酸基の水素原子を置換する酸解離性基としては、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましく、アセタール型酸解離性基がより好ましい。
酸解離性基を含む置換基としては、酸解離性基と2価の連結基とから構成される基が挙げられる。2価の連結基としては、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられ、特に、酸解離性基側の末端構造がカルボニルオキシ基である基が好ましい。この場合、該カルボニルオキシ基の酸素原子(−O−)に酸解離性基が結合していることが好ましい。
酸解離性基を含む置換基としては、R11’−O−C(=O)−で表される基、R11’−O−C(=O)−R12’−で表される基が好ましい。式中、R11’は酸解離性基であり、R12’は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。
11’における酸解離性基は、第3級アルキルエステル型酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましく、アセタール型酸解離性基であることがより好ましい。
12’におけるアルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。R12’としては、直鎖状のアルキレン基が好ましい。
構成単位(a12)として具体的には、たとえば前記一般式(U−3)中、ベンゼン環に結合する−(OXpxのpxが1〜3の整数(好ましくは1)であり、Xの少なくとも1つが、酸解離性基または酸解離性基を含む置換基であるものが挙げられる。pxが2または3である場合、複数のXは同じでも異なってもよい。たとえば1つが酸解離性基又は酸解離性基を含む置換基であり、他の1つまたは2つが水素原子であってもよい。
以下に、構成単位(a12)の具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013104985
構成単位(a12)としては、化学式(a12−1−1)〜(a12−1−6)で表される構成単位から選択される少なくとも1種が好ましく、化学式(a12−1−1)、(a12−1−3)、(a12−1−5)で表される構成単位がより好ましい。
{構成単位(a13)}
構成単位(a13)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよく、ナフタレン環に結合した水素原子が、水酸基以外の置換基で置換されていてもよいビニル(ヒドロキシナフタレン)から誘導される構成単位の水酸基の水素原子が酸解離性基または酸解離性基を含む置換基で置換されてなる構成単位である。
構成単位(a13)において、水酸基の水素原子を置換する酸解離性基、酸解離性基を含む置換基としては、それぞれ、前記構成単位(a12)の説明で挙げたものと同様のものが挙げられる。
構成単位(a13)として具体的には、たとえば前記一般式(U−4)中、ベンゼン環に結合する−(OXのxが1〜3の整数であり、Xの少なくとも1つが、酸解離性基または酸解離性基を含む置換基であるものが挙げられる。xが2または3である場合、複数のXは同じでも異なってもよい。たとえば1つが酸解離性基または酸解離性基を含む置換基であり、他の1つまたは2つが水素原子であってもよい。
(A1−1)成分が含有する構成単位(a1)は1種であってもよく2種以上であってもよい。
(A1−1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1−1)成分を構成する全構成単位に対し、15〜70モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜55モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、感度、解像性、パターン形状等のリソグラフィー特性も向上する。また、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(構成単位(a2))
(A1−1)成分は、構成単位(a5)および(a6)に加えて、又は、構成単位(a5)、(a6)および(a1)に加えて、−SO−含有環式基またはラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)をさらに有することが好ましい。
構成単位(a2)の−SO−含有環式基またはラクトン環式基は、(A1−1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めうえで有効なものである。また、アルカリ現像液等の水を含有する現像液との親和性が向上する点で、アルカリ現像プロセスにおいて有効である。
なお、前記構成単位(a5)、(a6)または(a1)がその構造中に−SO−含有環式基またはラクトン含有環式基を含むものである場合、該構成単位は構成単位(a2)にも該当するが、このような構成単位は構成単位(a5)、(a6)または(a1)に該当し、構成単位(a2)には該当しないものとする。
ここで、「−SO−含有環式基」とは、その環骨格中に−SO−を含む環を含有する環式基を示し、具体的には、−SO−における硫黄原子(S)が環式基の環骨格の一部を形成する環式基である。その環骨格中に−SO−を含む環をひとつ目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。−SO−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
−SO−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO−を含む環式基、すなわち−O−SO−中の−O−S−が環骨格の一部を形成するサルトン(sultone)環を含有する環式基であることが好ましい。
−SO−含有環式基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、4〜15であることがさらに好ましく、4〜12であることが特に好ましい。ただし、該炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO−含有環式基は、−SO−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO−含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは−SO−含有脂肪族環式基である。
−SO−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO−または−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH−が−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH−CH−が−O−SO−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
該脂環式炭化水素環は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
該脂環式炭化水素環は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素環としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
−SO−含有環式基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基、シアノ基等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基である。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、A’は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり、zは0〜2の整数であり、R27はアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり、R”は水素原子またはアルキル基である。]
前記一般式(3−1)〜(3−4)中、A’は、酸素原子(−O−)もしくは硫黄原子(−S−)を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子である。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH−、−CH−O−CH−、−S−CH−、−CH−S−CH−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のR27はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
27におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
以下に、前記一般式(3−1)〜(3−4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
−SO−含有環式基としては、上記の中でも、前記一般式(3−1)で表される基が好ましく、前記化学式(3−1−1)、(3−1−18)、(3−3−1)および(3−4−1)のいずれかで表される基からなる群から選択される少なくとも一種を用いることがより好ましく、前記化学式(3−1−1)で表される基が最も好ましい。
「ラクトン含有環式基」とは、その環骨格中に−O−C(=O)−を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
構成単位(a2)におけるラクトン環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)としては、−SO−含有環式基またはラクトン含有環式基を有するものであれば他の部分の構造は特に限定されないが、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって−SO−含有環式基を含む構成単位(a2)、及びα位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であってラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)からなる群より選択される少なくとも1種の構成単位が好ましい。
・構成単位(a2):
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−0)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり、R28は−SO−含有環式基であり、R29は単結合または2価の連結基である。]
式(a2−0)中、Rは前記と同様である。
28は、前記で挙げた−SO−含有環式基と同様である。
29は、単結合、2価の連結基のいずれであってもよい。本発明の効果に優れることから、2価の連結基であることが好ましい。
29における2価の連結基としては、特に限定されず、たとえば、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。それらの中でも、アルキレン基、またはエステル結合(−C(=O)−O−)を含むものが好ましい。
該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。具体的には、前記式(a1−0−2)中のYにおける脂肪族炭化水素基として挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−R30−C(=O)−O−[式中、R30は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a2)は、下記一般式(a2−0−1)で表される構成単位であることが好ましい。
Figure 2013104985
[式中、RおよびR28はそれぞれ前記と同様であり、R30は2価の連結基である。]
30としては、特に限定されず、たとえば、前記式(a5−0−1)中のQにおける2価の連結基と同様のものが挙げられる。
30の2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基またはアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH)−、−C(CH−または−C(CHCH−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前述した、−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−がより好ましい。Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、m’は0〜3の整数である。なかでも、−Y21−O−C(=O)−Y22−が好ましく、−(CH−O−C(=O)−(CH−で表される基が特に好ましい。cは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。dは1〜5の整数であり、1または2が好ましい。
構成単位(a2)としては、特に、下記一般式(a2−0−11)または(a2−0−12)で表される構成単位が好ましく、式(a2−0−12)で表される構成単位がより好ましい。
Figure 2013104985
[式中、R、A’、R27、zおよびR30はそれぞれ前記と同じである。]
式(a2−0−11)中、A’はメチレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましい。
30としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R30における直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記で挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(a2−0−12)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a2−0−12a)または(a2−0−12b)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013104985
[式中、RおよびA’はそれぞれ前記と同じであり、c〜eはそれぞれ独立に1〜3の整数である。]
・構成単位(a2):
構成単位(a2)の例としては、たとえば前記一般式(a2−0)中のR28をラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基であり;R’はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、水酸基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基またはシアノ基であり、R”は水素原子またはアルキル基であり;R29は単結合または2価の連結基であり、s”は0〜2の整数であり;A”は酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子または硫黄原子であり;mは0または1である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは、前記同様である。
R’におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、前記一般式(3−1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基またはジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
29は、前記一般式(a2−0)中のR29と同様である。
式(a2−1)中、s”は1〜2であることが好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
構成単位(a2)としては、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種がより好ましく、前記一般式(a2−1)または(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が特に好ましい。
なかでも、前記式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−2−12)、(a2−2−13)、(a2−2−15)、(a2−3−1)、(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
また、構成単位(a2)としては、下記式(a2−6)〜(a2−7)で表される構成単位も好ましい。
Figure 2013104985
[式中、R、R29は前記同様である。]
(A1−1)成分が有する構成単位(a2)は1種でも2種以上でもよい。たとえば構成単位(a2)として、構成単位(a2)のみを用いてもよく、構成単位(a2)のみを用いてもよく、それらを併用してもよい。また、構成単位(a2)または構成単位(a2)として、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A1−1)成分中、構成単位(a2)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜80モル%であることが好ましく、10〜70モル%であることがより好ましく、10〜65モル%であることがさらに好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができ、DOF、CDU等の種々のリソグラフィー特性及びパターン形状が良好となる。
(構成単位(a3))
(A1−1)成分は、構成単位(a5)および(a6)に加えて、構成単位(a5)、(a6)および(a1)に加えて、構成単位(a5)、(a6)および(a2)に加えて、又は構成単位(a5)、(a6)、(a1)および(a2)に加えて、さらに、極性基を含む構成単位(a3)を有してもよい。(A1−1)成分が構成単位(a3)を有することにより、露光後の(A1−1)成分の極性がさらに向上する。極性の向上は、特にアルカリ現像プロセスの場合に、解像性等の向上に寄与する。
なお、極性基を含む構成単位として、前記構成単位(a5)、(a6)、(a1)または(a2)に該当するものは、構成単位(a3)には該当しないものとする。
極性基としては、−OH、−COOH、−CN、−SONH、−CONH等が挙げられる。−COOHを含むものとしては、(α置換)アクリル酸の構成単位も含む。
構成単位(a3)は、水素原子の一部が極性基で置換された炭化水素基を含む構成単位であることが好ましい。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。なかでも、当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基あることがより好ましい。
当該炭化水素基における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)が挙げられる。
炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、フッ素原子等が挙げられる。
該脂肪族環式基(単環式基、多環式基)としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該脂肪族環式基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。
当該炭化水素基における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基である。
芳香環は、4n+2(ここでのnは0と自然数を示す)個のπ電子をもつ環状共役系であれば特に限定されず、単環式でも多環式でもよい。芳香環の炭素数は5〜30であることが好ましく、5〜20がより好ましく、6〜15がさらに好ましく、6〜12が特に好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。芳香環として具体的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。芳香族複素環として具体的には、ピリジン環、チオフェン環等が挙げられる。
2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基またはヘテロアリーレン基);2以上の芳香環を含む芳香族化合物(たとえばビフェニル、フルオレン等)から水素原子を2つ除いた基;前記芳香環の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基やヘテロアリールアルキル基)における芳香環から水素原子をさらに1つ除いた基;等が挙げられる。前記芳香族炭化水素環または芳香族複素環の水素原子を置換するアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
構成単位(a3)としては、下記一般式(a3−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Pは−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。Wは置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する炭化水素基、−COOH、又は−CONHCO−Ra3(Ra3は炭化水素基)であり、該炭化水素基は任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい。]
前記式(a3−1)中、Rのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a3−1)中、Pは、−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。Rのアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
前記式(a3−1)中、Wは、置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する炭化水素基、−COOH、又は−CONHCO−Ra3(Ra3は炭化水素基)であり、該炭化水素基は任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよく、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
「置換基を有する炭化水素基」とは、炭化水素基に結合した水素原子の少なくとも一部が置換基で置換されていることを意味する。
又はRa3における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
又はRa3における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)が好適に挙げられ、これらの説明は上記と同様である。
又はRa3における芳香族炭化水素基は、芳香環を少なくとも1つ有する炭化水素基であり、この説明は上記と同様である。但し、Wが芳香環である場合、該芳香環に−OHが結合しているものは除く。
式(a3−1)中、Wは、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。この「任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい」とは、炭化水素基、又は置換基を有する炭化水素基をそれぞれ構成する炭素原子(置換基部分の炭素原子を含む。)の一部が、酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよいこと、又は炭化水素基に結合した水素原子が酸素原子又は硫黄原子で置換されていてもよいこと、を意味する。
また、Wにおける炭化水素基は、該炭化水素基に結合した水素原子がハロゲン原子で置換されていてもよい。このハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
以下に、一例として任意の位置に酸素原子(O)を有するWについて例示する。
Figure 2013104985
[式中、W00は炭化水素基であり、Rは炭素数1〜5のアルキレン基である。]
前記式中、W00は炭化水素基であり、前記式(a3−1)中のWと同様のものが挙げられる。W00は、好ましくは脂肪族炭化水素基であり、より好ましくは脂肪族環式基(単環式基、多環式基)である。
は、直鎖状、分岐鎖状であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基であることがより好ましい。
構成単位(a3)のなかで好適なものとして、より具体的には、(α置換)アクリル酸エステルから誘導される構成単位、下記一般式(a3−11)〜(a3−13)のいずれかで表される構成単位等が挙げられる。(α置換)アクリル酸から誘導される構成単位としては、前記式(a3−1)中のPが単結合であり、Wが−COOHである構成単位が挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。W01は置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する芳香族炭化水素基である。P02及びP03はそれぞれ−C(=O)−O−、−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。W02は置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する環状の炭化水素基、又は−CONHCO−Ra32(Ra32は環状の炭化水素基)であり、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよい。W03は置換基として−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONHからなる群より選択される少なくとも一種の基を有する鎖状の炭化水素基、又は−CONHCO−Ra33(Ra33は鎖状の炭化水素基)である。]
[一般式(a3−11)で表される構成単位]
前記式(a3−11)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
01における芳香族炭化水素基は、前記式(a3−1)中のWにおける芳香族炭化水素基の説明と同様である。但し、W01が芳香環である場合、該芳香環に−OHが結合した構成単位は、式(a3−11)で表される構成単位には含まれないものとする。
以下に、一般式(a3−11)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013104985
[一般式(a3−12)で表される構成単位]
前記式(a3−12)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
02は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。Rのアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
02またはRa32における環状の炭化水素基は、前記式(a3−1)中のWについての説明の中で例示した脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、芳香族炭化水素基とそれぞれ同様のものが挙げられる。但し、W02が芳香環である場合、該芳香環に−OHが結合した構成単位は、式(a3−12)で表される構成単位には含まれないものとする。
02またはRa32は、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよく、この説明は前記式(a3−1)中のWの説明と同様である。
以下に、一般式(a3−12)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
[一般式(a3−13)で表される構成単位]
前記式(a3−13)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
03は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR−(Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。Rのアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
03またはRa33における鎖状の炭化水素基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがより好ましく、炭素数1〜3であることがさらに好ましい。
03またはRa33における鎖状の炭化水素基は、−OH、−COOH、−CN、−SONH及び−CONH以外の置換基(a)をさらに有していてもよい。この置換基(a)としては、炭素数1〜5のアルキル基、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
また、W03における鎖状の炭化水素基は、一例として下記一般式(a3−13−a)で表される構成単位のように、複数の置換基(a)を有してもよく、複数の置換基(a)同士が相互に結合して環が形成されてもよい。
Figure 2013104985
[式中、Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Ra1及びRa2はそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキル基、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、フッ素原子、又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基である。但し、Ra1とRa2とが相互に結合して環を形成してもよい。qは1〜4の整数である。]
前記式(a3−13−a)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
a1及びRa2における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)は、前記置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)と同様である。
また、Ra1とRa2とは、相互に結合して環を形成してもよい。この場合、Ra1と、Ra2と、Ra1とRa2とが共に結合した炭素原子とにより環式基が形成される。該環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよく、具体的には、前記置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)についての説明の中で例示したモノシクロアルカン又はポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
は1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
以下に、一般式(a3−13)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
Figure 2013104985
(A1−1)成分が有する構成単位(a3)は、1種単独であっても2種以上であってもよい。
(A1−1)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位に対して0〜85モル%であることが好ましく、0〜80モル%がより好ましい。構成単位(a3)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a3)を含有させることによる効果(解像性、リソグラフィー特性、パターン形状の向上効果)が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
(構成単位(a4))
(A1−1)成分は、さらに、必要に応じて、酸非解離性環式基を含む構成単位(a4)を有してもよい。(A1−1)成分が構成単位(a4)を有することにより、形成されるレジストパターンのドライエッチング耐性が向上する。また、(A1−1)成分の疎水性が高まる。疎水性の向上は、特に有機溶剤現像の場合に、解像性、レジストパターン形状等の向上に寄与する。
構成単位(a4)における「酸非解離性環式基」は、露光により前記構成単位(a5)や後述する任意の酸発生剤成分(B)から酸が発生した際に、該酸が作用しても解離することなくそのまま当該構成単位中に残る環式基である。
構成単位(a4)としては、前記構成単位(a1)における酸解離性基を酸非解離性環式基で置換した構成単位が挙げられる。なかでも、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族環式基を含む構成単位(a41)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいスチレンから誘導される構成単位(a42)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいビニルナフタレンから誘導される構成単位(a43)等が好ましい。
構成単位(a41)における酸非解離性の脂肪族環式基としては、たとえば、当該脂肪族環式基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合していない1価の脂肪族環式基、1級または2級のアルキル基の水素原子の1つを1価の脂肪族環式基で置換した基等が挙げられる。
1価の脂肪族環式基としては、酸非解離性であれば特に限定されず、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。該脂肪族環式基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、飽和であることが好ましい。
該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、炭素数が3〜30であるものが好ましく、5〜30であるものがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。
該脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。単環式の脂肪族環式基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族環式基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。また、これらの脂肪族環式基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
該脂肪族環式基は、上記効果に優れることから、多環式であることが好ましい。特に、2〜4環式のものが好ましく、中でも、トリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基およびノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種が、工業上入手し易いなどの点で好ましい。
酸非解離性の脂肪族環式基としての1価の脂肪族環式基の具体例としては、たとえば、当該脂肪族環式基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合していない1価の脂肪族環式基が挙げられる。具体的には、前記酸解離性基の説明で挙げた式(1−1)〜(1−9)で表される基におけるR14を水素原子で置換した基;環骨格を構成する炭素原子のみによって形成された第3級炭素原子を有するシクロアルカンの前記第3級炭素原子から水素原子を除いた基等が挙げられる。
1級または2級のアルキル基の水素原子の1つを1価の脂肪族環式基で置換した基としては、上記酸解離性基の説明で挙げた式(2−1)〜(2−6)のR15またはR16の少なくともひとつが水素原子となる基等が挙げられる。
構成単位(a41)としては、前記構成単位(a11)における酸解離性基を酸非解離性の脂肪族環式基で置換した構成単位が挙げられ、前記一般式(a1−0−1)におけるXを酸非解離性の脂肪族多環式基で置換した構成単位、すなわち下記一般式(a4−1−1)で表される構成単位が好ましく、特に、下記一般式(a4−1−11)〜(a4−1−15)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2013104985
[式中、Rは前記と同じであり、R40は酸非解離性の脂肪族多環式基である。]
Figure 2013104985
構成単位(a42)として具体的には、たとえば前記一般式(U−3)中、ベンゼン環に結合する−(OXpxのpxが0であるものが挙げられる。
構成単位(a43)として具体的には、たとえば前記一般式(U−4)中、ベンゼン環に結合する−(OXのxが0であるものが挙げられる。
(A1−1)成分が有する構成単位(a4)は1種単独でも2種以上でもよい。
(A1−1)成分が構成単位(a4)を含有する場合、(A1−1)成分中の構成単位(a4)の割合は、当該(A1−1)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がより好ましく、5〜20モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a4)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(A1−1)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a6)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。
該他の構成単位は、上述の構成単位(a1)〜(a6)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用、EB用、EUV用等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
本態様のレジスト組成物において、(A1)成分は、(A1−1)成分であることが好ましい。
(A1−1)成分としては、構成単位(a5)及び構成単位(a6)に加えて、さらに構成単位(a1)を有するものが好ましい。
(A1−1)成分として、具体的には、構成単位(a5)と構成単位(a6)と構成単位(a1)とを有する共重合体(A1−1−1)(樹脂(A1−1−1)ともいう)を含有するもの;構成単位(a5)と構成単位(a1)とを有する共重合体(A1−1−2)(樹脂(A1−1−2)ともいう)と、構成単位(a5)を有さず構成単位(a6)を有する重合体(A1−1−3)(樹脂(A1−1−3)ともいう)との混合樹脂組成物を含有するものが挙げられる。
樹脂(A1−1−1)としては、構成単位(a5)と構成単位(a6)と構成単位(a1)とからなる共重合体、構成単位(a5)と構成単位(a6)と構成単位(a1)と構成単位(a2)とからなる共重合体が好ましい。この構成単位(a2)としては、構成単位(a2)であることがより好ましい。
樹脂(A1−1−2)としては、 構成単位(a5)と構成単位(a1)と構成単位(a2)とからなる共重合体、構成単位(a5)と構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)とからなる共重合体が好ましい。この構成単位(a2)としては、構成単位(a2)であることがより好ましい。
樹脂(A1−1−3)としては、構成単位(a6)のみからなる重合体(ホモポリマー)、構成単位(a6)と構成単位(a1)とからなる共重合体、構成単位(a6)と構成単位(a3)と構成単位(a1)とからなる共重合体が好ましい。
また、樹脂(A1−1−3)としては、2価以上の炭化水素基または複素環からなるコア部と、該コア部に結合し、且つ、後述の一般式(1)で表されるアーム部とを有する高分子化合物(A1−1−3S)を用いることもできる。
(コア部)
前記コア部は、2価以上の炭化水素基または複素環からなるものである。
前記コア部における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよく、炭素原子のみの場合であってもよい。
該脂肪族炭化水素基としては、鎖状であってもよく、環状であってもよく、これらの組合せであってもよい。また、飽和であってもよく、不飽和であってもよい。
該芳香族炭化水素基としては、芳香族炭化水素環を有する炭化水素基が挙げられ、たとえば芳香族炭化水素環からなるものであってもよく、芳香族炭化水素環と前記脂肪族炭化水素基との組合せであってもよい。
前記コア部の炭化水素基における炭素原子数は1〜20が好ましい。
前記コア部の炭化水素基としては、例えば、下記式で表される構造の基が挙げられる。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
前記コア部における複素環は、環骨格中にヘテロ原子を含む脂肪族複素環であってもよく、環骨格中にヘテロ原子を含む芳香族複素環であってもよく、環骨格中にヘテロ原子を含む芳香族複素環であることが好ましい。該複素環は、単環であっても、多環であってもよい。
該へテロ原子とは、炭素原子以外の原子であり、たとえば、窒素原子、硫黄原子、酸素原子等が挙げられる。
前記コア部の複素環における炭素原子数は1〜20が好ましい。
前記コア部の複素環としては、例えば、下記式で表される構造の基が挙げられる。式中、結合部位は任意の炭素原子とする。
Figure 2013104985
高分子化合物(A1−1−3S)は、コア部を1つのみ有していてもよく、2つ以上有していてもよく、2つ以上有していることが好ましい。
高分子化合物(A1−1−3S)が複数のコア部を有する場合、該複数のコア部は互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、本発明の効果が特に良好なことから、互いに同一であることが好ましい。
高分子化合物(A1−1−3S)が複数のコア部を有する場合、該複数のコア部は、互いに「連結部」を介して結合していることが好ましい。
「連結部」
前記連結部としては、原子、または2価の連結基であることが好ましい。
前記連結部の原子としては、炭素原子、酸素原子、窒素原子等が挙げられ、炭素原子または酸素原子が好ましい。
前記連結部の2価の連結基としては、前記式(a5−0−1)中のQの2価の連結基と同様のものが挙げられる。該2価の連結基としては、アルキレン基、2価の脂肪族環式基またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましく、炭素数1〜10のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜6のアルキレン基がさらに好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が最も好ましい。これらのアルキレン基として具体的には、前記Qの例示で挙げた直鎖状のアルキレン基、分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
また、前記連結部の2価の連結基は、2価の重合体であってもよい。2つのコア間の該重合体の平均重合度は50以下が好ましく、20以下がさらに好ましい。
(アーム部)
前記アーム部は、前記コア部に結合し、且つ、下記式(1)で表されるものである。
Figure 2013104985
[Xは酸解離性基を有する2価の連結基であり、Yはポリマー鎖である。]
前記式(1)中、Yはポリマー鎖(以下「ポリマー鎖Y」という。)である。
ポリマー鎖Yとしては、該高分子化合物(A1−1−3S)中の複数のアーム部において互いに同一であってもよく、異なっていてもよく、本発明の効果が特に良好なことから、互いに同一であることが好ましい。
ポリマー鎖Yは、ヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位を有することが好ましい。
また、ポリマー鎖Yは、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位の水酸基における水素原子の少なくとも一部が置換基により保護された構成単位(好ましくは、前記構成単位(a12))、またはビニル安息香酸から誘導される構成単位の−C(=O)OHの水素原子が置換基により保護された構成単位を有することも好ましい。
ポリマー鎖Yは、さらに、スチレンから誘導される構成単位を有してもよく、その他の構成単位(前記の構成単位(a11)、(a13)、(a2)、(a3)、(a4)等)を有してもよい。
かかるポリマー鎖Yとしては、特に下記一般式で表される2種の構成単位を有するものが好ましい。
Figure 2013104985
[式中、Rは前記と同じであり、式中の複数のRは互いに同じであっても異なっていてもよい。]
高分子化合物(A1−1−3S)のアーム部を構成する平均構成単位数(平均単量体数)は、2〜50量体が好ましく、3〜30量体がより好ましい。
この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
前記式(1)中、Xは、酸解離性基を有する2価の連結基である。
における酸解離性基としては、第3級アルキル基含有基から1個以上の水素原子を除いた基、アルコキシアルキル基から1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
第3級アルキル基含有基から1個以上の水素原子を除いた基としては、前記式(a1−5)についての説明の中で例示した(第3級アルキル基含有酸解離性基)から、1個以上の水素原子を除いた基;上述した構成単位(a1)についての説明の中で例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基から、1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
アルコキシアルキル基から1個以上の水素原子を除いた基としては、上述した構成単位(a1)についての説明の中で例示したアセタール型酸解離性溶解抑制基から、1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
における、酸解離性基を有する2価の連結基としては、上述したような酸解離性基と、前記複数のコア部を連結する連結部の2価の連結基と同様の連結基との組合せが挙げられる。
樹脂(A1−1−2)と樹脂(A1−1−3)との混合樹脂組成物を用いる場合、これらの混合比率(質量比)は、
樹脂(A1−1−2):樹脂(A1−1−3)=90:10〜10:90であることが好ましく、80:20〜20:80であることがより好ましく、70:30〜50:50であることがさらに好ましい。
混合樹脂組成物中、樹脂(A1−1−2)の占める比率が下限値以上であると、リソグラフィー特性、レジストパターン形状がより良好となり、樹脂(A1−1−2)の占める比率が上限値以下であると、感度がより高まる。
(A1)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準)は、特に限定されるものではなく、1000〜50000が好ましく、1500〜30000がより好ましく、2000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限値以下であると、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限値以上であると、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
(A1)成分の分散度(Mw/Mn)は、特に限定されず、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A)成分としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、25質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。該割合が25質量%以上であると、EUV露光またはEB露光により形成されるレジストパターンのパターン形状、限界解像性能等が向上する。
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A1)成分以外の、露光により酸を発生し且つ酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(以下「(A2)成分」という。)を含有してもよい。(A2)成分としては、特に限定されず、従来提案されているものが利用できる。
本態様のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<構成単位(a5)を誘導するモノマー>
本態様のレジスト組成物においては、該構成単位(a5)を誘導するモノマー量が、該構成単位(a5)を有する重合体に対して100ppm(質量基準)以下である。このように該構成単位(a5)を誘導するモノマー量を制御することにより、EUVリソグラフィー又はEBリソグラフィーにおいて、リソグラフィー特性とパターン形状の良好なレジストパターンが形成される。
「構成単位(a5)を有する重合体」とは、構成単位(a5)と構成単位(a6)とを有する樹脂成分(A1)のうち、構成単位(a5)と構成単位(a6)とを有する共重合体、構成単位(a6)を有さず構成単位(a5)を有する重合体が含まれる。
「構成単位(a5)を誘導するモノマー」とは、構成単位(a5)を直接的に、又は間接的に誘導するモノマーを包含し、具体的には、前記の式(a5−0−1)で表される基を有するモノマーと式(a5−0−2)で表される基を有するモノマーとに加えて、式(a5−0−1)で表される基のカチオン部を有するモノマー、式(a5−0−2)で表される基のアニオン部を有するモノマーが含まれる。
レジスト組成物中の該構成単位(a5)を誘導するモノマー量は、たとえば、(A1)成分を合成する際、(A1)成分を構成する各構成単位を誘導するモノマーを、ラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合し、得られた重合体に対して水又は有機溶剤で洗浄する操作を行うことにより制御することができる。
該構成単位(a5)を誘導するモノマー量を制御する方法の一例として、前記式(a5−0−1)で表される基を有する構成単位(a5)を有する(A1)成分の場合、たとえば、該構成単位(a5)を誘導するモノマーと、(A1)成分を構成するその他の構成単位を誘導するモノマーと、を重合して得られるポリマーを有機溶剤で洗浄する方法が挙げられる。
洗浄用の有機溶剤としては、メタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、ヘプタン、ジイソプロピルエーテル等が好適に挙げられ、これらは一種を単独で用いてもよく混合して用いてもよい。
該構成単位(a5)を誘導するモノマー量を制御する方法の他の例として、前記式(a5−0−2)で表される基を有する構成単位(a5)を有する(A1)成分の場合、たとえば、該構成単位(a5)を誘導するモノマーと、(A1)成分を構成するその他の構成単位を誘導するモノマーと、を重合して前駆体ポリマーを合成し、当該前駆体ポリマーを水で洗浄した後、当該前駆体ポリマーを所定の有機カチオンと塩交換させて(A1)成分を合成する方法(I)が挙げられる。かかる方法(I)によれば、該構成単位(a5)を誘導するモノマー量を容易に制御できる。以下、かかる方法(I)について、前駆体ポリマーを合成する工程、前駆体ポリマーを水で洗浄する工程、水で洗浄した後の前駆体ポリマーを有機カチオンと塩交換させる工程、に分けて説明する。
前駆体ポリマーを合成する工程:この工程としては、構成単位(a5)を誘導するモノマーと、構成単位(a6)又はその他の構成単位を誘導するモノマーとを、重合溶媒に溶解し、ここに、ラジカル重合開始剤を加えて重合させること(公知のラジカル重合等)により前駆体ポリマーを製造する態様が挙げられる。
なお、上記重合の際に、HS−CH−CH−CH−C(CF−OH等の連鎖移動剤を併用することにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A1)成分を構成する各構成単位を誘導するモノマーは、市販のものを用いてもよく、公知の方法を利用して合成したものを用いてもよい。
ラジカル重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチル等が挙げられる。
重合溶媒としては、原料であるモノマーを溶解できるものであればよく、乳酸エチル、γ−ブチロラクトン、メチルエチルケトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、テトラヒドロフラン又はこれらの混合溶剤などが挙げられる。
構成単位(a5)を誘導するモノマー、その他の構成単位を誘導するモノマーの使用量は、所望とする共重合組成比(高分子化合物中の各構成単位の割合)を考慮して適宜決定すればよい。
反応温度は、50〜100℃が好ましく、65〜85℃がより好ましい。
反応時間は、モノマー同士の反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、60〜480分間が好ましく、240〜420分間がより好ましい。
当該モノマー同士を重合した後、反応重合液を、たとえば大量の水又は有機溶媒(イソプロパノール、ヘプタン、メタノール等)中に滴下等することにより重合体を析出させ、濾別等を行うことにより前駆体ポリマーが得られる。
構成単位(a5)を誘導するモノマーのカチオン部は、有機カチオンと塩交換の可能なカチオンであればよく、アンモニウムイオン;H、金属カチオン、ホスホニウムイオンその他無機カチオンが挙げられる。
アンモニウムイオンとしては、アンモニウムイオン(NH )、4級アンモニウムイオン、1〜3級アンモニウムイオンが挙げられる。
4級アンモニウムイオンとしては、下記一般式(a5−ca1)で表されるカチオンが挙げられる。
Figure 2013104985
[式中、RN1〜RN4はそれぞれ独立にアリール基、カルボキシ基、水酸基、炭素数1〜5のアルコキシ基もしくは炭素数1〜5のアルキルカルボニルオキシ基で置換されていてもよい炭素数1〜20のアルキル基またはアリール基である。]
式(a5−ca1)におけるRN1〜RN4の炭素数1〜20のアルキル基としては、鎖状でも環状でもよく、好ましくは直鎖状のアルキル基である。
N1〜RN4のアリール基としては、炭素数6〜18であるものが好ましく、炭素数6〜10であるものがより好ましく、具体的にはフェニル基が特に好ましい。
N1〜RN4のアルキル基またはアリール基の置換基としてアリール基を有する場合、該アリール基としては、炭素数6〜18であるものが好ましく、炭素数6〜10であるものがより好ましく、フェニル基が好ましい。
N1〜RN4のアルキル基またはアリール基の置換基として炭素数1〜5アルコキシ基を有する場合、該アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましい。
N1〜RN4のアルキル基またはアリール基の置換基として炭素数1〜5のアルキルカルボニルオキシ基を有する場合、該アルキルカルボニルオキシ基としては、メチルカルボニルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基が好ましい。
また、4級アンモニウムイオンとしては、窒素原子(N)を2個以上(好ましくは2個)有するカチオンでもよい。
4級アンモニウムイオンとして具体的には、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン(Et)、トリメチルエチルアンモニウムイオン(MeEtN)、テトラ−n−プロピルアンモニウムイオン(n−Pr)、テトラ−i−プロピルアンモニウムイオン(i−Pr)、テトラ−n−ブチルアンモニウムイオン(n−Bu)、下記化学式で例示される4級アンモニウムイオン等が挙げられる。
Figure 2013104985
1〜3級アンモニウムイオンとして、具体的には、メチルアンモニウムイオン、ジメチルアンモニウムイオン、トリメチルアンモニウムイオン、エチルアンモニウムイオン、ジエチルアンモニウムイオン、トリエチルアンモニウムイオン、n−プロピルアンモニウムイオン、ジ−n−プロピルアンモニウムイオン、トリ−n−プロピルアンモニウムイオン、i−プロピルアンモニウムイオン、ジ−i−プロピルアンモニウムイオン、トリ−i−プロピルアンモニウムイオン、n−ブチルアンモニウムイオン、ジ−n−ブチルアンモニウムイオン、トリ−n−ブチルアンモニウムイオン、sec−ブチルアンモニウムイオン、ジ−sec−ブチルアンモニウムイオン、トリ−sec−ブチルアンモニウムイオン、tert−ブチルアンモニウムイオン、ジ−tert−ブチルアンモニウムイオン、トリ−tert−ブチルアンモニウムイオン、ジイソプロピルエチルアンモニウム、フェニルアンモニウムイオン、ジフェニルアンモニウムイオン、トリフェニルアンモニウムイオン(PhNH)等が挙げられる。
また、アンモニウムイオンとしては、下記化学式で例示されるものも例示される。
Figure 2013104985
金属カチオンとしては、ナトリウムイオン、カリウム、リチウム等のアルカリ金属イオン、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属イオン、鉄イオン、アルミニウムイオン等が挙げられる。
上記のなかでも、前記カチオン部としては、極性の高いものが好ましい。その中でもモノマーの水溶性が高まり、未反応モノマーの除去効率がより良好なことから、アンモニウムイオンが好ましく、3級アンモニウムイオン、4級アンモニウムイオンがより好ましく、4級アンモニウムイオンがさらに好ましい。その中でも、前記式(a5−ca1)で表される4級アンモニウムイオンが好ましく、テトラメチルアンモニウムイオンが特に好ましい。
前駆体ポリマーを水で洗浄する工程:この工程での水洗浄により、構成単位(a5)を誘導するモノマー量がレジスト組成物中で該構成単位(a5)を有する重合体に対して100ppm(質量基準)以下となるように制御される。
前駆体ポリマーを水で洗浄する方法としては以下に示す方法(a)〜(c)が挙げられる。
方法(a):得られた前駆体ポリマーを有機溶媒(ジクロロメタン、クロロホルム等)に溶解した溶液と、水と、の液液抽出による方法。
方法(b):得られた前駆体ポリマーを水中に分散させる方法。
方法(c):得られた前駆体ポリマーを有機溶媒に溶解した溶液を水中に滴下する方法。
上記方法(a)〜(c)のなかでも、重合反応時における未反応モノマーの除去効率がより高いことから、方法(a)が好ましい。
なお、前駆体ポリマーを水で洗浄した後、必要に応じて濾別等した洗浄後の前駆体ポリマーに対し、方法(d)を使用することも好ましい。
方法(d):得られた前駆体ポリマーを有機溶媒で洗浄する方法。ここでの有機溶媒としては、メタノール、イソプロパノール、メチルエチルケトン、ヘプタン、ジイソプロピルエーテル等が挙げられ、これらは一種を単独で用いてもよく混合して用いてもよい。
また、方法(d)については、上記方法(a)〜(c)の代わりに使用したり、方法(a)〜(c)の前に使用したりすることも可能である。
水、有機溶剤による洗浄回数、洗浄時間は、構成単位(a5)を誘導するモノマー量が、レジスト組成物中で該構成単位(a5)を有する重合体に対して100ppm(質量基準)以下となるように適宜設定される。
水で洗浄した後の前駆体ポリマーを有機カチオンと塩交換させる工程:かかる塩交換は、当該前駆体ポリマーと有機カチオンを有する化合物(塩交換用化合物)とを、水、ジクロロメタン、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム、塩化メチレン等の溶媒に溶解し、撹拌等することにより行うことができる。
反応温度は、20〜40℃程度が好ましく、23〜30℃程度がより好ましい。反応時間は、当該前駆体ポリマーと塩交換用化合物との反応性や反応温度等によっても異なるが、通常、10分間以上24時間以下が好ましく、0.5〜6時間がより好ましい。
かかる塩交換における塩交換用化合物の使用量は、通常、当該前駆体ポリマー1モルに対して、1〜3モル程度が好ましい。
塩交換用化合物は、カチオン部が前記の有機カチオン(Mm+)であり、アニオン部は非求核性イオンであるものが好ましい。
非求核性イオンとしては、臭素イオン、塩素イオン等のハロゲンイオン;当該前駆体ポリマーよりも酸性度が低い酸になり得るイオン、BF 、AsF 、SbF 、PF またはClO 等が挙げられる。当該前駆体ポリマーよりも酸性度が低い酸になり得るイオンとしては、p−トルエンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン等のスルホン酸イオンが挙げられる。
当該前駆体ポリマーと塩交換用化合物との塩交換の反応終了後、反応液中の重合体(A1)(最終目的物)を単離、精製してもよい。
単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
前述した(A1)成分の製造方法によれば、構成単位(a5)を誘導するモノマー(そのカチオン部が前記有機カチオン(Mm+)と塩交換したもの、及び4級アンモニウムイオン等のものを含む)の含有量が、該構成単位(a5)を有する重合体に対して100ppm(質量基準)以下となるように、(A1)成分が製造される。
前述した方法(I)は、前駆体ポリマーを水で洗浄するため、簡便で、かつ、効率良く、未反応分などの残存モノマーを除去できる。加えて、当該前駆体ポリマーを調製した後で、所望とする有機カチオンと塩交換させるため、導入可能なカチオン部の種類の自由度が高い。
<その他の任意成分>
[酸発生剤成分(B)]
本態様のレジスト組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、任意の成分として前記(A)成分に該当しない、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」ともいう。)をさらに含有してもよい。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキル又はビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤としては、例えば下記一般式(b−1)又は(b−2)で表される化合物を用いることができる。
Figure 2013104985
[式中、R”〜R”はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表し、R”〜R”のうちのいずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。R”〜R”はそれぞれ独立に置換基を有していてもよいアリール基、アルキル基又はアルケニル基を表す。R”は、置換基を有していてもよいアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。R”〜R”のうち、いずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。
”〜R”は、前記式(m1−1)中のR11”〜R13”における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基と同様である。
前記式(b−1)で表される化合物におけるカチオン部のなかで好適なものとして、具体的には以下に示すものが挙げられる。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
[式中、g1は繰返し数を示し、1〜5の整数である。g2、g3は繰返し数を示し、g2は0〜20の整数であり、g3は0〜20の整数である。]
Figure 2013104985
前記式(b−2)中、R”〜R”は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基又は置換基を有していてもよいアルケニル基を表す。
”〜R”は、前記式(m2−1)中のR15”〜R16”における置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基と同様である。
前記式(b−2)で表される化合物におけるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
式(b−1)〜(b−2)中の「R”SO 」は、構成単位(a5)において挙げた一般式(a5−0−1)中のVの説明で挙げた「R”SO 」と同じである。
また、オニウム塩系酸発生剤としては、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を前記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオンに置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は式(b−1)又は(b−2)で表されるカチオンと同様)。
また、オニウム塩系酸発生剤として、下記一般式(b−5)又は(b−6)で表されるカチオンをカチオン部に有するスルホニウム塩を用いることもできる。
Figure 2013104985
[式中、R81〜R86はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり;n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
81〜R86において、アルキル基は、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
81〜R86に付された符号n〜nが2以上の整数である場合、複数のR81〜R86はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
前記式(b−5)又は式(b−6)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。
Figure 2013104985
さらに、前記の式(m1−2)、(m1−3)又は(m1−4)で表されるカチオンをカチオン部に有するスルホニウム塩を用いることもできる。
式(b−5)、(b−6)、(m1−2)又は(m1−3)で表されるカチオンをカチオン部に有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R”SO )等のフッ素化アルキルスルホン酸イオン;上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン、前記式(b1)〜(b9)のいずれかで表されるアニオン等が挙げられる。
但し、本発明において、オニウム塩系酸発生剤のカチオン部は、前記一般式(a5−0−2)中のMm+と同様、芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有しないものが好ましい。芳香環を1個のみ有するか、又は芳香環を有しない有機カチオンとしては、前記一般式(a5−0−2)中のMm+と同様のものが挙げられる。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2013104985
[式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。]
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2013104985
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
Figure 2013104985
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p”は2または3である。]
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜86頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2013104985
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分は、上述した酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本態様のレジスト組成物が(B)成分を含有する場合、(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0〜60質量部が好ましく、0〜40質量部がより好ましく、0〜10質量部がさらに好ましい。40質量部以下であると、レジスト組成物の各成分を有機溶剤に溶解した際に、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。特に10質量部以下とすることで、OoB光に対するリソグラフィー特性の低下の抑制と高感度化とのバランスをとることができる。
[(D)成分]
本態様のレジスト組成物は、任意の成分として塩基性化合物(D)(以下「(D)成分」ともいう。)を含有してもよい。本発明において、(D)成分は、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(A)成分、(B)成分等から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものである。なお、本発明において「塩基性化合物」とは、前記(A)成分または(B)成分に対して相対的に塩基性となる化合物をいう。
本発明における(D)成分は、カチオン部と、アニオン部とからなる塩基性化合物(D1)(以下「(D1)成分」という。)であってもよく、該(D1)成分に該当しない塩基性化合物(D2)(以下「(D2)成分」という。)であってもよい。
・(D1)成分
(D1)成分としては、下記一般式(d1−1)で表される化合物(d1−1)(以下「(d1−1)成分」という。)、下記一般式(d1−2)で表される化合物(d1−2)(以下「(d1−2)成分」という。)及び下記一般式(d1−3)で表される化合物(d1−3)(以下「(d1−3)成分」という。)からなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
Figure 2013104985
[式中、Rは置換基を有していてもよい炭化水素基であり、Z2cは置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基(ただし、Sに隣接する炭素にはフッ素原子は置換されていないものとする)であり、Rは有機基であり、Yは直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基またはアリーレン基であり、Rfはフッ素原子を含む炭化水素基であり、Mはそれぞれ独立にスルホニウム又はヨードニウムカチオンである。]
・・(d1−1)成分。
・・・アニオン部
式(d1−1)中、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基である。
の置換基を有していてもよい炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記構成単位(a5)の説明中、一般式「R”SO 」においてR”が有していてもよい置換基として挙げた式:X−Q’−中のXと同様のものが挙げられる。
なかでもRの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基、又は、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、置換基を有していてもよいフェニル基やナフチル基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基であることがより好ましい。
また、Rの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基、又は、フッ素化アルキル基であることも好ましい。
の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基等の分岐鎖状のアルキル基等が挙げられる。
のフッ素化アルキル基は、鎖状であっても環状であってもよいが、直鎖状又は分岐鎖状であることが好ましい。
フッ素化アルキル基の炭素数は、1〜11が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜4がさらに好ましい。具体的には例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基等の直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基や、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基等の分岐鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基が挙げられる。
また、Rのフッ素化アルキル基は、フッ素原子以外の原子を含有してもよい。フッ素原子以外の原子としては、たとえば酸素原子、炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
なかでも、Rのフッ素化アルキル基としては、直鎖状のアルキル基を構成する一部又は全部の水素原子がフッ素原子により置換された基であることが好ましく、直鎖状のアルキル基を構成する水素原子の全てがフッ素原子で置換された基(パーフルオロアルキル基)であることが好ましい。
以下に(d1−1)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2013104985
・・・カチオン部
式(d1−1)中、Mは、有機カチオンである。
の有機カチオンとしては、特に限定されるものではないが、例えば、前記式(b−1)又は(b−2)で表される化合物のカチオン部と同様のものが挙げられる。
(d1−1)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・・(d1−2)成分。
・・・アニオン部
式(d1−2)中、Z2cは、置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基である。
2cの置換基を有していてもよい炭素数1〜30の炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよく、前記式(d1−1)中のRと同様のものが挙げられる。
なかでもZ2cの置換基を有していてもよい炭化水素基としては、置換基を有していてもよい脂肪族環式基であることが好ましく、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、カンファー等から1個以上の水素原子を除いた基(置換基を有していてもよい)であることがより好ましい。
2cの炭化水素基は置換基を有していてもよく、置換基としては、前記X−Q’−中のXにおける置換基と同様のものが挙げられる。但し、Z2cにおいて、SO におけるS原子に隣接する炭素は、フッ素置換されていないものとする。SO とフッ素原子とが隣接しないことにより、当該(d1−2)成分のアニオンが適度な弱酸アニオンとなり、(D)成分のクエンチング能が向上する。
以下に(d1−2)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2013104985
・・・カチオン部
式(d1−2)中、Mは、前記式(d1−1)中のMと同様である。
(d1−2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
・・(d1−3)成分。
・・・アニオン部
式(d1−3)中、Rは有機基である。
の有機基は、特に限定されるものではないが、アルキル基、アルコキシ基、−O−C(=O)−C(RC2)=CH(RC2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である)、または−O−C(=O)−RC3(RC3は炭化水素基である)である。
のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。Rのアルキル基の水素原子の一部が水酸基、シアノ基等で置換されていてもよい。
のアルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、炭素数1〜5のアルコキシ基として具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。なかでも、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
が−O−C(=O)−C(RC2)=CHである場合、RC2は水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。
C2における炭素数1〜5のアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
C2におけるハロゲン化アルキル基は、前記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
C2としては、水素原子、炭素数1〜3のアルキル基又は炭素数1〜3のフッ素化アルキル基が好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
が−O−C(=O)−RC3である場合、RC3は炭化水素基である。
C3の炭化水素基は、芳香族炭化水素基であっても、脂肪族炭化水素基であってもよい。RC3の炭化水素基として具体的には、前記式(d1−1)中のRと同様のものが挙げられる。
なかでも、RC3の炭化水素基としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた脂環式基、又は、フェニル基、ナフチル基等の芳香環が好ましい。RC3が脂環式基である場合、レジスト組成物が有機溶剤に良好に溶解することによりリソグラフィー特性が良好となる。また、RC3が芳香環である場合、EUV等を露光光源とするリソグラフィーにおいて、該レジスト組成物が光吸収効率に優れ、感度やリソグラフィー特性が良好となる。
なかでも、Rとしては、−O−C(=O)−C(RC2’)=CH(RC2’は水素原子又はメチル基である。)、又は、−O−C(=O)−RC3’(RC3’は脂肪族環式基である。)であることが好ましい。
式(d1−3)中、Yは直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基である。
の直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキレン基又はアリーレン基としては、上記式(a1−0−2)中のYの2価の連結基のうち、「直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基」、「環状の脂肪族炭化水素基」、「芳香族炭化水素基」と同様のものが挙げられる。
なかでも、Yとしては、アルキレン基であることが好ましく、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であることがより好ましく、メチレン基又はエチレン基であることがさらに好ましい。
式(d1−3)中、Rfはフッ素原子を含む炭化水素基である。
Rfのフッ素原子を含む炭化水素基は、フッ素化アルキル基であることが好ましく、上記Rのフッ素化アルキル基と同様のものがより好ましい。
以下に(d1−3)成分のアニオン部の好ましい具体例を示す。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
・・・カチオン部
式(d1−3)中、Mは、前記式(d1−1)中のMと同様である。
(d1−3)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D1)成分は、上記(d1−1)〜(d1−3)成分のいずれか1種のみを含有していてもよく、2種以上を含有していてもよい。なかでも、(d1−2)成分を含有することが特に好ましい。
(D1)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対して、0.5〜10.0質量部であることが好ましく、0.5〜8.0質量部であることがより好ましく、1.0〜8.0質量部であることがさらに好ましく、2.5〜5.5質量部であることが特に好ましい。上記範囲の下限値以上であると、特に良好なリソグラフィー特性及びレジストパターン形状が得られる。前記範囲の上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
((d1−1)〜(d1−3)成分の製造方法)
(d1−1)成分、(d1−2)成分の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の方法により製造することができる。
(d1−3)成分の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、前記式(d1−3)中のRが、Yと結合する末端に酸素原子を有する基である場合、下記一般式(i−1)で表される化合物(i−1)と、下記一般式(i−2)で表される化合物(i−2)とを反応させることにより、下記一般式(i−3)で表される化合物(i−3)を得、化合物(i−3)と、所望のカチオンMを有するZ(i−4)とを反応させることにより、一般式(d1−3)で表される化合物(d1−3)が製造される。
Figure 2013104985
[式中、R、Y、Rf、Mは、それぞれ、前記一般式(d1−3)中のR、Y、Rf、Mと同じである。R5aはRから末端の酸素原子を除いた基であり、Zは対アニオンである。]
まず、化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させ、化合物(i−3)を得る。
式(i−1)中、R5aは前記Rから末端の酸素原子を除いた基である。式(i−2)中、Y、Rfは前記同様である。
化合物(i−1)、化合物(i−2)としては、それぞれ、市販のものを用いてもよく、合成してもよい。
化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させ、化合物(i−3)を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、適当な酸触媒の存在下で、化合物(i−2)と化合物(i−1)とを有機溶媒中で反応させた後に、反応混合物を洗浄、回収することにより、実施できる。
上記反応における酸触媒は、特に限定されるものではなく、例えばトルエンスルホン酸等が挙げられ、その使用量は化合物(i−2)1モルに対して0.05〜5モル程度が好ましい。
上記反応における有機溶媒としては、原料である化合物(i−1)及び化合物(i−2)を溶解できるものであればよく、具体的には、トルエン等が挙げられ、その使用量は、化合物(i−1)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−2)の使用量は、通常、化合物(i−1)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応時間は、化合物(i−1)と化合物(i−2)との反応性や、反応温度等によっても異なるが、通常、1〜80時間が好ましく、3〜60時間がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20℃〜200℃が好ましく、20℃〜150℃程度がより好ましい。
次いで、得られた化合物(i−3)と、化合物(i−4)とを反応させ、化合物(d1−3)を得る。
式(i−4)中、Mは前記同様であり、Zは対アニオンである。
化合物(i−3)と化合物(i−4)とを反応させ、化合物(d1−3)を得る方法としては、特に限定されないが、たとえば、適当なアルカリ金属水酸化物の存在下で、化合物(i−3)を適当な有機溶媒及び水に溶解し、化合物(i−4)を添加して攪拌により反応させることにより実施できる。
上記反応におけるアルカリ金属水酸化物は、特に限定されるものではなく、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられ、その使用量は化合物(i−3)1モルに対して0.3〜3モル程度が好ましい。
上記反応における有機溶媒としては、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル等の溶媒が挙げられ、その使用量は、化合物(i−3)に対して、0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いても良く、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−4)の使用量は、通常、化合物(i−3)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応時間は、化合物(i−3)と化合物(i−4)との反応性や、反応温度等によっても異なるが、通常、1〜80時間が好ましく、3〜60時間がより好ましい。
上記反応における反応温度は、20℃〜200℃が好ましく、20℃〜150℃程度がより好ましい。
反応終了後、反応液中の化合物(d1−3)を単離、精製してもよい。単離、精製には、従来公知の方法が利用でき、たとえば濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、またはこれらの2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記のようにして得られる化合物(d1−3)の構造は、H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
・(D2)成分
(D2)成分としては、前記(A)成分又は(B)成分に対して相対的に塩基性となる化合物であり、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記(A)成分や(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであり、且つ、(D1)成分に該当しないものであれば特に限定されず、公知のものから任意に用いればよい。たとえば脂肪族アミン、芳香族アミン等のアミンが挙げられ、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、たとえば、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数20以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)、環式アミン、その他の脂肪族アミン等が挙げられる。
前記アルキルアミンが有するアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
該アルキル基が直鎖状または分岐鎖状である場合、その炭素数は2〜20であることがより好ましく、2〜8であることがさらに好ましい。
該アルキル基が環状である場合(シクロアルキル基である場合)、その炭素数は、3〜30であることが好ましく、3〜20がより好ましく、3〜15がさらに好ましく、炭素数4〜12であることが特に好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。該アルキル基は単環式であってもよく、多環式であってもよい。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等を例示できる。前記モノシクロアルカンとして、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。また、前記ポリシクロアルカンとして、具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
前記アルキルアルコールアミンが有するヒドロキシアルキル基におけるアルキル基としては、前記アルキルアミンが有するアルキル基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記アルキルアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミンが挙げられる。
前記アルキルアルコールアミンの具体例としては、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン、ステアリルジエタノールアミン、ラウリルジエタノールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン又はトリ−n−オクチルアミンが特に好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
その他の脂肪族アミンとしては、トリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{2−(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、トリエタノールアミントリアセテート等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−tert−ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられる。
(D2)成分はいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D2)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
(D)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本態様のレジスト組成物が(D)成分を含有する場合、(D)成分の含有量((D1)成分と(D2)成分との総量)は、(A)成分100質量部に対して、0.1〜15質量部であることが好ましく、0.3〜12質量部であることがより好ましく、0.5〜12質量部であることがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、ラフネス等のリソグラフィー特性がより向上する。また、より良好なレジストパターン形状が得られる。前記範囲の上限値以下であると、感度を良好に維持でき、スループットにも優れる。
[(E)成分]
本態様のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下「(E)成分」という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でもホスホン酸が特に好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本態様のレジスト組成物が(E)成分を含有する場合、(E)成分は、通常、(A)成分100質量部に対して、0.01〜5質量部の範囲で用いられる。
本態様のレジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
[(S)成分]
本態様のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下「(S)成分」ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、γ−ブチロラクトン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、乳酸エチル(EL)が好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。たとえば極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。また、極性溶剤としてPGMEおよびシクロヘキサノンを配合する場合は、PGMEA:(PGME+シクロヘキサノン)の質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA、EL、または前記PGMEAと極性溶剤との混合溶媒と、γ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が1〜20質量%、好ましくは2〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
上記本発明の第一の態様のレジスト組成物は、EUV露光またはEB露光によりレジストパターンを形成する際の解像性等のリソグラフィー特性に優れており、しかも、ラフネスが少なく、断面形状の矩形性が高い(パターン側壁の垂直性が高い)良好な形状のレジストパターンを形成できる。
これは、ベース樹脂として酸発生部位が導入された(A1)成分を含有することによって、レジスト膜中での酸発生部位の分布が均一化すること;該酸発生部位に存在する、DUV領域(特に150〜300nmの波長)の光に対して吸収を持つ芳香環、を1個以下とした構成単位(a5)を有する(A1)成分を含有し、且つ、該構成単位(a5)を誘導するモノマー量を100ppm(質量基準)以下とすることで、特に未露光部でのDUV領域の光の吸収を抑え、又はEB露光時における電子のレジスト膜表面での拡散(散乱)の影響を抑えて、未露光部での感光による酸の発生が抑制されること等が相乗的に作用しているため、と考えられる。
加えて、(A1)成分が、酸発生部位を含む構成単位(a5)と共に、フェノール性水酸基を含む構成単位(a6)を有していることで、高感度化が図られている、と考えられる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、支持体上に、前記第一の態様のEUV用又はEB用レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜をEUV又はEBにより露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下の様にして行うことができる。
まず、支持体上に前記本発明の第一の態様のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してレジスト膜を形成する。
次に、該レジスト膜に対し、EUV又はEBにより露光、例えばEB描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介した露光、又はマスクパターンを介さない電子線の直接照射による描画等による選択的露光を行った後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次に、前記レジスト膜を現像処理する。アルカリ現像プロセスの場合は、アルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液を用いてアルカリ現像処理を行う。溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を用いて現像処理を行う。この有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤、又は炭化水素系溶剤等を用いることができる。
現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。アルカリ現像プロセス後の場合は純水を用いた水リンスが好ましい。溶剤現像プロセス後の場合は、上記で挙げた有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
その後は乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。
このようにしてレジストパターンを得ることができる。本発明のレジスト組成物は、特に、アルカリ現像プロセスにてポジ型のレジストパターンを形成する方法に好適に用いられる。
支持体としては、特に限定されず、従来公知のものを用いることができ、例えば、電子部品用の基板や、これに所定の配線パターンが形成されたもの等を例示することができる。より具体的には、シリコンウェーハ、銅、クロム、鉄、アルミニウム等の金属製の基板や、ガラス基板等が挙げられる。配線パターンの材料としては、例えば銅、アルミニウム、ニッケル、金等が使用可能である。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系及び/又は有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
レジスト膜の露光方法は、空気や窒素等の不活性ガス中で行う通常の露光(ドライ露光)であってもよく、液浸露光(Liquid Immersion Lithography)であってもよい。
液浸露光は、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う露光方法である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、且つ、露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、且つ、前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、CHCl、COCH、COC、C等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
アルカリ現像プロセスで現像処理に用いるアルカリ現像液としては、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理に用いる有機系現像液が含有する有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤、又は炭化水素系溶剤を用いることができ、なかでもエステル系溶剤が好ましい。エステル系溶剤としては、酢酸ブチルが好ましい。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としてはたとえば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像処理は、公知の現像方法により実施でき、該方法としてはたとえば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出し続ける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
溶剤現像プロセスで現像処理後のリンス処理に用いるリンス液が含有する有機溶剤としては、たとえば前記有機系現像液が含有する有機溶剤として挙げた有機溶剤のうち、レジストパターンを溶解しにくいものを適宜選択して使用できる。通常、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤及びエーテル系溶剤から選択される少なくとも1種類の溶剤を使用する。これらのなかでも、炭化水素系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤及びアミド系溶剤から選択される少なくとも1種類が好ましく、アルコール系溶剤及びエステル系溶剤から選択される少なくとも1種類がより好ましく、アルコール系溶剤が特に好ましい。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法により実施でき、該方法としては、たとえば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出し続ける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
本実施例では、化学式(1)で表される化合物を「化合物(1)」と記載し、他の化学式で表される化合物についても同様に記載する。
<(A)成分の合成例>
[合成例1:共重合体(A)−1の合成]
前駆体ポリマーを合成する工程:
温度計、還流管及び窒素導入管を繋いだセパラブルフラスコ内で、36.74g(146.76mmol)の化合物(11)と、16.71g(93.78mmol)の化合物(63)と、7.75g(25.55mmol)の化合物(51)とを、79.53gの乳酸エチル(EL)/ガンマブチロラクトン(GBL)混合溶剤に溶解させた。この溶液に、重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601、和光純薬工業(株)製)30.82mmolを添加して溶解させた。
これを、80℃に加熱した42.28gのEL/GBLに、窒素雰囲気下、4時間かけて滴下した。滴下終了後、反応液を1時間加熱攪拌し、その後、反応液を室温まで冷却した。
次に、得られた反応重合液を大量のイソプロパノールに滴下して重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体(前駆体ポリマー)を濾別した。
前駆体ポリマーを水で洗浄する工程:
次いで、得られた前駆体ポリマーをジクロロメタンに溶解させ、水で洗浄(液液抽出)した。その後、再び、大量のイソプロパノールに滴下して重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体を濾別した。
その後、得られた白色粉体を乾燥して共重合体(1−0)30.77gを得た。
Figure 2013104985
水で洗浄した後の前駆体ポリマーを有機カチオンと塩交換させる工程:
得られた30.77gの共重合体(1−0)をナスフラスコに入れ、127.08gのジクロロメタンに溶解させた後、7.86gの塩交換用化合物(c1)と、127.08gの水とを加えて30分間撹拌(塩交換)し、その後、有機層を抽出した。
次いで、抽出した有機層を水で洗浄し、溶媒を留去して、目的物である共重合体(A)−1を32.19g得た。
Figure 2013104985
[合成例2〜14:共重合体(A)−2〜11、37、41、42の合成]
共重合体(A)−2〜11、37、41、42は、上記[合成例1:共重合体(A)−1の合成]における、前駆体ポリマーを合成する工程で、モノマーとして下記化学式で表される化合物を所定のモル比でそれぞれ用い、また、塩交換用化合物として下記化学式(c1)〜(c5)で表される化合物をそれぞれ用いた以外は、上記[合成例1:共重合体(A)−1の合成]の方法と同様にして得た。
[合成例15、16:共重合体(A)−44、45の合成]
共重合体(A)−44、及び(A)−45については、前記の「前駆体ポリマーを水で洗浄する工程」を行わない以外は上記[合成例1:共重合体(A)−1の合成]の方法と同様にして、すなわち、前記の「前駆体ポリマーを合成する工程」と「前駆体ポリマーを有機カチオンと塩交換させる工程」とを行うことにより、目的物である共重合体をそれぞれ得た。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
各共重合体の合成で用いたモノマー、塩交換用化合物;該合成の際、未反応モノマー除去に用いた洗浄溶媒を表1に示す。
Figure 2013104985
<レジスト組成物の調製>
(実施例1〜61、比較例1〜9]
表2〜5に示す各成分を混合、溶解してレジスト組成物を調製した。
表2〜5中、「構成単位(a5)を誘導するモノマー量(ppm)」は、構成単位(a5)を有する共重合体に対する、構成単位(a5)を誘導するモノマー量(質量基準)を示す。
(A)−37、(A)−41、(A)−42、(A)−45については、後述の化学式で表される共重合体に対する、露光により酸を発生し得る構成単位(該化学式中の右端の構成単位)を誘導するモノマー量(質量基準)を示す。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
表2〜5中、各略号はそれぞれ以下の意味を有する。[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1〜(A)−11:下記化学式(A)−1〜(A)−11でそれぞれ表される共重合体。
(A)−21〜(A)−37:下記化学式(A)−21〜(A)−37でそれぞれ表される共重合体。
(A)−41〜(A)−45:下記化学式(A)−41〜(A)−45でそれぞれ表される共重合体。
(A)−1〜(A)−3は前記樹脂(A1−1−1)に該当する。
(A)−4〜(A)−11、(A)−44は前記樹脂(A1−1−2)に該当する。
(A)−21〜(A)−37、(A)−42、(A)−45は前記樹脂(A1−1−3)に該当する。
(A)成分について、各共重合体の共重合組成比(化学式中の各構成単位の割合(モル比))、質量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を化学式とともに以下に示す。
各共重合体の質量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)は、GPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の値である。各共重合体の共重合組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))は、カーボン13核磁気共鳴スペクトル(600MHz_13C−NMR)により求めた。13C−NMRの内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。
化学式(A)−31で表される共重合体について、「アームの長さ平均」とは、13C−NMRスペクトルにより帰属されるものであり、4本のアームをそれぞれ形成する2種の構成単位の合計数の平均値をいう。なお、樹脂(A1−2−11)は、米国特許出願公開第2010/55606号明細書の実施例に記載の方法に従って合成した。
Figure 2013104985
(A)−1:l/m/n=60/30/10,Mw4000,Mw/Mn1.65。
(A)−2:l/m/n/o=36.9/36.1/16.9/10.1,Mw4000,Mw/Mn1.64。
(A)−3:l/m/n/o=10/20/60/10,Mw4000,Mw/Mn1.67。
Figure 2013104985
(A)−4:l/m/n=44/44/12,Mw7000,Mw/Mn1.33。
(A)−5:l/m/n=44/44/12,Mw7000,Mw/Mn1.24。
(A)−6:l/m/n=44/44/12,Mw7000,Mw/Mn1.32。
Figure 2013104985
(A)−7:l/m/n=44/44/12,Mw4000,Mw/Mn1.61。
(A)−8:l/m/n=44/44/12,Mw7000,Mw/Mn1.58。
(A)−9:l/m/n/o=35/35/18/12,Mw7000,Mw/Mn1.73。
Figure 2013104985
(A)−10:l/m/n=45/45/10,Mw4000,Mw/Mn1.45。
(A)−11:l/m/n=44/44/12,Mw4000,Mw/Mn1.61。
Figure 2013104985
(A)−21:l/m/n=64/23/13,Mw7000,Mw/Mn1.56。
(A)−22:l/m=75/25,Mw7000,Mw/Mn1.45。
(A)−23:l/m=75/25,Mw7000,Mw/Mn1.35。
(A)−24:l/m=75/25,Mw7000,Mw/Mn1.41。
(A)−25:l/m=75/25,Mw7000,Mw/Mn1.21。
(A)−26:l/m=60/40,Mw7000,Mw/Mn1.33。
(A)−27:l/m=60/40,Mw7000,Mw/Mn1.21。
(A)−28:l/m=60/40,Mw7000,Mw/Mn1.23。
Figure 2013104985
(A)−29:l/m=75/25,Mw7000,Mw/Mn1.33。
(A)−30:l/m=70/30,Mw7000,Mw/Mn1.35。
Figure 2013104985
(A)−31:[(b11+b12+b13+b14)/(b21+b22+b23+b24)=75/25(モル比);(b21+b22+b23+b24)の割合の方が保護率],アームの長さ平均7.0量体、Mw3300,Mw/Mn1.56。
Figure 2013104985
(A)−32:l/m=75/25,Mw7000,Mw/Mn1.43。
(A)−33:l/m=75/25,Mw7000,Mw/Mn1.54。
(A)−34:l/m/n/o=56/17/24/3,Mw1.45,Mw/Mn9000。
(A)−35:l=100,Mw8000,Mw/Mn1.51。
Figure 2013104985
(A)−36:l/m=75/25,Mw7000,Mw/Mn1.34。
(A)−37:l/m/n=60/30/10,Mw4000,Mw/Mn1.21。
Figure 2013104985
(A)−41:l/m/n=44/44/12,Mw7000,Mw/Mn1.42。
(A)−42:l/m/n/o=35/35/18/12,Mw6000,Mw/Mn1.21。
(A)−43:l/m/n=40/40/20,Mw7000,Mw/Mn1.60。
Figure 2013104985
(A)−44:l/m/n=44/44/12,Mw7000,Mw/Mn1.74;合成の際、未反応モノマーの除去(前駆体ポリマーの水洗浄)を実施せず。構成単位(a5)を誘導するモノマー量が100ppmを超える。
(A)−45:l/m/n=60/30/10,Mw4000,Mw/Mn1.63;合成の際、未反応モノマーの除去(前駆体ポリマーの水洗浄)を実施せず。露光により酸を発生し得る構成単位を誘導するモノマー量が100ppmを超える。
(B)−1:下記化学式(B)−1で表される化合物からなる酸発生剤。
(B)−2:下記化学式(B)−2で表される化合物からなる酸発生剤。
(D)−1:トリ−n−オクチルアミン。
(D)−2:下記化学式(D)−2で表される化合物。
(D)−3:下記化学式(D)−3で表される化合物。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME/シクロヘキサノン=1500/1000/2500(質量比)の混合溶剤。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
<構成単位(a5)を誘導するモノマー量の測定>
構成単位(a5)を誘導するモノマー量について、以下の手順により測定した。
手順1:構成単位(a5)を誘導するモノマーをγ−ブチロラクトンに溶解させた、異なる濃度(5点)の溶液に対してHPLC測定を実施し、検量線を作成して「HPLC面積とモノマーの濃度」の関係式を求めた。
手順2:前記「前駆体ポリマーを水で洗浄する工程」で得られた合成物(塩交換前の共重合体)をそれぞれγ−ブチロラクトンに溶解させて濃度1質量%溶液を調製した。
手順3:濃度1質量%溶液に対してHPLC測定を実施し、上記関係式より、共重合体の固形分に対するモノマー量(ppm,質量基準)を算出した。その結果を「構成単位(a5)を誘導するモノマー量(ppm)」として表2〜5に示した。
なお、構成単位(a5)を誘導するモノマー(露光により酸を発生し得る構成単位を誘導するモノマー)としては、化合物(51)〜(53)、化合物(51)〜(53)のカチオン部が各々対応する塩交換用化合物(c1)〜(c5)のカチオン部と交換したものが該当する。
上記HPLC測定は、以下に示す測定条件により実施した。
[HPLC測定条件]
展開溶媒:アセトニトリル/バッファー液(80/20体積比)、
バッファー液:トリフルオロ酢酸/イオン交換水(0.1室量%)、
カラム:Superiorex−ODS、
オーブン温度:30℃、
測定波長:210nm、
流速:1mL/分(7分経過まで)3mL/分(20分まで)。
HPLCの展開溶媒の混合比は、用いたモノマーの種類に応じ、アセトニトリル/バッファー液=90/10〜30/70体積比の間で適宜変更した。
得られたレジスト組成物を用いて以下の評価を行った。
<レジストパターンの形成>
90℃で36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、各例のレジスト組成物を、スピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、表6〜8に示すベーク温度で60秒間のベーク処理(PAB)を行ってレジスト膜(膜厚60nm)を成膜した。該レジスト膜に対し、電子線描画機HL800D(VSB)(Hitachi社製)を用い、加速電圧70kVにて描画(露光)を行い、表6〜8に示すベーク温度で60秒間のベーク処理(PEB)を行い、さらに23℃にてテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)の2.38質量%水溶液(商品名:NMD−3、東京応化工業(株)製)を用いて60秒間のアルカリ現像を行った。
その結果、いずれの例においても、ライン幅100nm、ピッチ200nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下「LSパターン」という。)が形成された。
[感度の評価]
該LSパターンが形成される最適露光量Eop(μC/cm)を求めた。その結果を表6〜8に示す。
[ラインエッジラフネス(LER)の評価]
上記<レジストパターンの形成>で形成したライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンについて、LERを示す尺度である3σを求めた。
「3σ」は、走査型電子顕微鏡(加速電圧800V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、ライン幅を、ラインの長手方向に400箇所測定し、その測定結果から求めた標準偏差(σ)の3倍値(3s)(単位:nm)を示す。該3sの値が小さいほど、ライン側壁のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。その結果を「LER(nm)」として表6〜8に示す。
[解像力の評価]
上記Eopにおける限界解像度(nm)を、走査型電子顕微鏡S−9380(日立ハイテクノロジー社製)を用いて求めた。その結果を「解像力(nm)」として表6〜8に示す。
[レジストパターン形状の評価]
上記<レジストパターンの形成>で形成したライン幅100nm、ピッチ200nmのLSパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(商品名:SU−8000、日立ハイテクノロジー社製)を用いて観察し、その形状を下記の評価基準により評価した。その結果を表6〜8に示す。
(評価基準)
○:矩形性が高く、良好な形状であった。
×:頭落ち(Top−round)形状であった。
Figure 2013104985
Figure 2013104985
Figure 2013104985
表6〜8に示す結果から、実施例1〜61のレジスト組成物は、いずれも、LERが小さく、解像力に優れてリソグラフィー特性が良好であること、矩形性の高い良好な形状であること、加えて高感度であること、が確認できた。

Claims (4)

  1. 露光により酸を発生し、且つ、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)を含有するEUV用又はEB用レジスト組成物であって、
    前記基材成分(A)は、下記の一般式(a5−0−1)又は一般式(a5−0−2)で表される基を含む構成単位(a5)と、下記一般式(a6−1)で表される構成単位(a6)とを有する樹脂成分(A1)を含有し、
    前記構成単位(a5)を誘導するモノマー量が、該構成単位(a5)を有する重合体に対して100ppm(質量基準)以下であることを特徴とするEUV用又はEB用レジスト組成物。
    Figure 2013104985
    [式中、Q、Q及びQはそれぞれ独立に単結合又は2価の連結基である。R、R及びRはそれぞれ独立に有機基であり、RとRとは相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成してもよい。ただし、式中の基−R−S(R)(R)は全体で芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Vは対アニオンである。Aはアニオンを含む有機基である。Mm+はm価の有機カチオンであり、mは1〜3の整数である。ただし、Mm+は芳香環を1個のみ有するか又は芳香環を有さない。Rは水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基である。Pは置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基である。]
  2. 前記樹脂成分(A1)が、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)を有する、請求項1記載のEUV用又はEB用レジスト組成物。
  3. 前記Mm+が、芳香環を有さない有機カチオンである、請求項1又は2記載のEUV用又はEB用レジスト組成物。
  4. 支持体上に、請求項1〜3のいずれか一項に記載のEUV用又はEB用レジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜をEUV又はEBにより露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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