JP5978055B2 - 化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 - Google Patents
化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5978055B2 JP5978055B2 JP2012173408A JP2012173408A JP5978055B2 JP 5978055 B2 JP5978055 B2 JP 5978055B2 JP 2012173408 A JP2012173408 A JP 2012173408A JP 2012173408 A JP2012173408 A JP 2012173408A JP 5978055 B2 JP5978055 B2 JP 5978055B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- atom
- carbon atoms
- alkyl group
- substituent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
- 0 CC(*)(C*)C(OC1(C)C2CC(C3)CC1CC3C2)=O Chemical compound CC(*)(C*)C(OC1(C)C2CC(C3)CC1CC3C2)=O 0.000 description 24
- JEEPWUCIVDTWCZ-UHFFFAOYSA-N CC(C)(C)C(OC(CCO1)C1=O)=O Chemical compound CC(C)(C)C(OC(CCO1)C1=O)=O JEEPWUCIVDTWCZ-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- YFNMAWAUPWQGIN-UHFFFAOYSA-N CC(C)(C)C[N]1(C=CC1(C)C)C(OC(CC1C2)C2C(C(C2)C3CO4)C1C2C3C4=O)=O Chemical compound CC(C)(C)C[N]1(C=CC1(C)C)C(OC(CC1C2)C2C(C(C2)C3CO4)C1C2C3C4=O)=O YFNMAWAUPWQGIN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- GVCGZLKUVSTEBN-UHFFFAOYSA-N CC(CC1)(C(C2)C3C4C5)C1(C)C2C3C(C)(C)C5CC4(CCO1)C1=O Chemical compound CC(CC1)(C(C2)C3C4C5)C1(C)C2C3C(C)(C)C5CC4(CCO1)C1=O GVCGZLKUVSTEBN-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- ACXXLLHGRDNCGK-UHFFFAOYSA-N CC1CC(C2)(C3)C2CC3C1 Chemical compound CC1CC(C2)(C3)C2CC3C1 ACXXLLHGRDNCGK-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
- JJIVSUPMPFDMOZ-UHFFFAOYSA-O CCOC(COc(cc1)ccc1[SH+]C1=CC=CCC1)=O Chemical compound CCOC(COc(cc1)ccc1[SH+]C1=CC=CCC1)=O JJIVSUPMPFDMOZ-UHFFFAOYSA-O 0.000 description 1
- YXFVVABEGXRONW-UHFFFAOYSA-N Cc1ccccc1 Chemical compound Cc1ccccc1 YXFVVABEGXRONW-UHFFFAOYSA-N 0.000 description 1
Landscapes
- Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
- Materials For Photolithography (AREA)
- Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
- Polymerization Catalysts (AREA)
Description
露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化(高エネルギー化)が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長(高エネルギー)の電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。
たとえば現像液がアルカリ現像液(アルカリ現像プロセス)の場合、ポジ型の化学増幅型レジスト組成物としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(ベース樹脂)と、酸発生剤成分とを含有するものが一般的に用いられている。かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、レジストパターン形成時に選択的露光を行うと、露光部において、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により樹脂成分のアルカリ現像液に対する溶解性が増大して、露光部がアルカリ現像液に対して可溶となる。そして、未露光部がパターンとして残るポジ型パターンが形成される。ここで、前記ベース樹脂は、酸の作用により樹脂の極性が高くなるものが用いられ、アルカリ現像液に対する溶解性が増大する一方で、有機溶剤に対する溶解性は低下する。アルカリ現像プロセスでなく、有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いたプロセス(以下、溶剤現像プロセス、またはネガ型現像プロセスということがある)を適用すると、露光部では、相対的に有機系現像液に対する溶解性が低下する。そのため、該溶剤現像プロセスにおいては、レジスト膜の未露光部が有機系現像液により溶解、除去されて、露光部がパターンとして残るネガ型のレジストパターンが形成される。たとえば特許文献1には、ネガ型現像プロセスが提案されている。
アゾ系重合開始剤は、熱又は光によって分解して窒素ガスとラジカルとを生じる。そして、該ラジカルの作用によりモノマー同士が付加重合することによってポリマーが合成される。そのため、合成されたポリマーの末端には、アゾ系重合開始剤の部分構造が導入されている。
近年では、ポリマー末端に導入される重合開始剤の部分構造に着目し、該部分構造として酸解離性溶解抑制基を持つ重合開始剤、及びベース樹脂として該重合開始剤を用いて得られる重合体などが開示されている(たとえば、特許文献3参照)。
しかしながら、特許文献2、3に記載のベース樹脂を用いたレジスト材料では、要求されるリソグラフィー特性やパターン形状を充分に満足できない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、リソグラフィー特性及びパターン形状に優れたレジスト組成物、該レジスト組成物用として有用な重合体、該重合体の製造に用いるラジカル重合開始剤として有用な化合物、該化合物の製造方法、該化合物からなるラジカル重合開始剤、及び該レジスト組成物を用いるレジストパターン形成方法を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、下記一般式(I)で表される化合物である。
本発明の第三の態様は、前記第一の態様の化合物の製造方法であって、下記一般式(i−1)で表される化合物と、下記一般式(i−2)で表される化合物とを反応させる工程を含む製造方法である。
本発明の第六の態様は、前記第五の態様のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
「構成単位」とは、高分子化合物(樹脂、重合体、共重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状及び環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。アルコキシ基中のアルキル基も同様である。
「ハロゲン化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、「ハロゲン化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子で置換された基であり、該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
「フッ素化アルキル基」は、アルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基であり、「フッ素化アルキレン基」は、アルキレン基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基である。
本発明の第一の態様は、下記一般式(I)で表される化合物(以下「化合物(I)」ともいう。)である。
前記アルキル基として、より具体的には、鎖状の脂肪族炭化水素基(直鎖状または分岐鎖状のアルキル基)、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜8が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜2が最も好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基が特に好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜5が好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基又はtert−ブチル基であることが最も好ましい。
構造中に環を含む脂肪族炭化水素基としては、環状の脂肪族炭化水素基(脂肪族炭化水素環から水素原子を1個除いた基)、該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の末端に結合するか、又は該環状の脂肪族炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基の途中に介在する基などが挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜8であることが好ましく、4〜6であることがより好ましい。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1つ以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
なお、前記式(I)中、複数のR1は、相互に同じであっても異なっていてもよいが、工業上同じであることが好ましい。
Zの炭素数1〜10の炭化水素基としては、上記R1の炭素数1〜10の炭化水素基と同様のものが挙げられる。
なお、前記式(I)中、複数のZは、相互に同じであっても異なっていてもよいが、工業上同じであることが好ましい。
Xとしては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、へテロ原子を含む2価の連結基;−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−及び−NH−C(=NH)−のいずれかと、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基との組み合わせからなるもの;−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−及び−NH−C(=NH)−のいずれかと、へテロ原子を含む2価の連結基との組み合わせからなるもの;−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−又は−NH−C(=NH)−のみからなるもの等が挙げられる。
本発明において炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
該脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8がより好ましく、1〜5がさらに好ましく、1〜2が最も好ましい。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基[−CH2−]、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−C(CH2CH3)2−CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−、−NH−C(=NH)−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」、または、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基とヘテロ原子を含む2価の連結基との組み合わせ等が挙げられる。置換基を有していてもよい2価の炭化水素基としては、上述した(置換基を有していてもよい2価の炭化水素基)と同様のものが挙げられ、直鎖状、分岐鎖状又は構造中に環を含む脂肪族炭化水素基が好ましい。
上記「A−O−B」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。
Aにおける炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。Aにおける脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基は、上記の(置換基を有していてもよい2価の炭化水素基)についての説明における脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基と同様である。そのなかでも、Aは脂肪族炭化水素基であることが好ましい。Aにおける脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。なかでも、Aとしては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数2〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、エチレン基が最も好ましい。
Bにおける炭化水素基としては、前記Aで挙げたものと同様の2価の炭化水素基が挙げられる。Bとしては、脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基が最も好ましい。
Xが上述したような−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−及び−NH−C(=NH)−のいずれかと、2価の基(置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、へテロ原子を含む2価の連結基)との組み合わせである場合、Xとしては、−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−及び−NH−C(=NH)−のいずれかと、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基との組み合わせからなるものであることが好ましく;−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−及び−NH−C(=NH)−のいずれかと、炭素数1〜5の直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族炭化水素基との組み合わせからなるものであることがより好ましく;−O−C(=O)−、−NH−C(=O)−及び−NH−C(=NH)−のいずれかと、メチレン基又はエチレン基との組み合わせであることがさらに好ましく;エチレン基と−NH−C(=NH)−との組み合わせであることが特に好ましい。
なお、前記式(I)中、複数のXは、相互に同じであっても異なっていてもよいが、工業上同じであることが好ましい。
R2における炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環構造を有する炭化水素基のいずれであってもよい。R2の炭素数は、1〜20であり、好ましくは1〜15であり、より好ましくは1〜10である。
なかでも、飽和炭化水素基が好ましく、炭素数1〜5のアルキル基が特に好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、メチル基、エチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
R2が脂肪族環式基(単環式基、多環式基)である場合、R2の炭素数は、4〜18であることが好ましく、4〜15であることがより好ましく、4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、置換基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカン;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でも、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基、シクロヘキサンから1個以上の水素原子を除いた基が特に好ましい。
R2が芳香族炭化水素基である場合、R2の炭素数は、6〜20であることが好ましく、6〜10であることがより好ましい。具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の芳香族炭化水素基等が挙げられる。
環状の炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基(R2の直鎖状、分岐鎖状の炭化水素基)の末端に結合したもの、環状の炭化水素基が前述した鎖状の脂肪族炭化水素基(R2の直鎖状、分岐鎖状の炭化水素基)の途中に介在するものとしては、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基などが挙げられる。
本発明において、「炭化水素基が置換基を有していてもよい」とは、炭化水素基中の水素原子の一部又は全部が置換基で置換されていてもよいことを意味する。
ここでの置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等;好ましくはフッ素原子)、ハロゲン化アルキル基、酸素原子(=O)、シアノ基(−CN)、−CO2OCH3、−NO2等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基として具体的には、上記の「アルキル基(好ましくは炭素数1〜5のアルキル基)」の水素原子の一部又は全部がハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等;好ましくはフッ素原子)で置換された基が挙げられる。
但し、R2の炭化水素基は、当該炭化水素基を構成する炭素原子の一部が、炭素原子以外の原子又は原子団で置換されていてもよい。炭素原子以外の原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、珪素原子等のヘテロ原子が挙げられる。
なお、前記式(I)中、複数のR2は、相互に同じであっても異なっていてもよいが、工業上同じであることが好ましい。
本発明の第二の態様は、前記一般式(I)で表される化合物(I)(本発明の第一の態様の化合物)からなるものである。
当該ラジカル重合開始剤は、高分子化合物を合成するラジカル重合反応において、単量体を重合させるための重合開始剤として用いることができる。また、本発明のラジカル重合開始剤は、末端にアセタール型酸解離性基「−CH2−O−R2」を有する。このアセタール型酸解離性基は、酸の作用により、該アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断されて、当該化合物(I)から解離する。これにより、アセタール型酸解離性基が解離した後、カルボキシ基が末端に形成されて極性が高まる。そのため、本発明のラジカル重合開始剤は、化学増幅型レジスト組成物に用いられる重合体のラジカル重合に好適に用いることができる。
該ラジカル重合開始剤によりラジカル重合させる単量体は、ラジカル重合可能なものであればよく、製造しようとする重合体に応じて適宜選択される。本発明のラジカル重合開始剤により重合させる単量体としては、アクリル酸エステル系単量体、ビニル系単量体、又はスチレン系単量体が好ましく、特に、アクリル酸エステル系単量体が好ましい。アクリル酸エステル系単量体としては、たとえば後述する構成単位(a1)〜(a3)、(a0)等を誘導する単量体が挙げられる。
本発明の第三の態様は、前記一般式(I)で表される化合物(I)[本発明の第一の態様の化合物]の製造方法であって、下記一般式(i−1)で表される化合物(以下「化合物(i−1)」という。)と、下記一般式(i−2)で表される化合物(以下「化合物(i−2)」という。)とを反応させる工程を含む。
前記式(i−2)中、R2は、前記式(I)におけるR2と同様である。Rhは、ハロゲン原子であり、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、塩素原子が好ましい。
化合物(i−1)と化合物(i−2)とを反応させて化合物(I)を得る方法としては、特に限定されず、塩基の存在下で、化合物(i−1)と化合物(i−2)とを有機溶媒中で反応させた後に、反応混合物を洗浄、回収する方法が挙げられる。
上記反応における塩基は、特に限定されるものではなく、炭酸カリウム、トリエチルアミン等の3級アミン、ピリジン等の芳香族系アミン等が挙げられ、これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。塩基の使用量は、通常、化合物(i−2)1モルに対して0.01〜10モル程度が好ましい。
上記反応における有機溶媒としては、ジクロロメタン等の塩素化炭化水素溶媒が好ましく、使用量は、化合物(i−2)に対して0.5〜100質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部であることがより好ましい。溶媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記反応における化合物(i−2)の使用量は、化合物(i−1)1モルに対して0.5〜5モル程度が好ましく、0.8〜4モル程度がより好ましい。
上記反応における反応温度は、30℃以下が好ましく、0〜25℃程度がより好ましい。
上記のようにして得られる化合物(I)の構造は、1H−核磁気共鳴(NMR)スペクトル法、13C−NMRスペクトル法、19F−NMRスペクトル法、赤外線吸収(IR)スペクトル法、質量分析(MS)法、元素分析法、X線結晶回折法等の一般的な有機分析法により確認できる。
本発明の第四の態様は、主鎖の少なくとも一方の末端に下記一般式(I−1)で表される基(以下この基を「末端基(I−1)」ともいう。)を有する重合体である。
末端基(I−1)を有することで、本発明の重合体は、酸の作用により、当該末端基(I−1)におけるアセタール型酸解離性基「−CH2−O−R2」が解離し、末端に、カルボキシ基が形成されて極性が高まる。これにより、レジスト組成物に用いた際、レジストパターン形成において、レジスト膜の現像液に対する溶解性が変化する。すなわち、アルカリ現像液に対しては溶解性が増大し、有機溶剤を含む現像液に対しては溶解性が減少する。
本発明の重合体は、レジスト組成物用として有用である。
本発明の重合体は、特に、化学増幅型のレジスト組成物の基材成分として、又は、該レジスト組成物に任意に配合される添加剤成分として有用である。なかでも、化学増幅型のレジスト組成物の基材成分として用いられることが特に好ましい。基材成分として用いられる重合体の構成について、詳しくは、後述する本発明の第五の態様のレジスト組成物における(A1)成分にて説明する。
すなわち、本発明の第四の態様の重合体は、上記一般式(I)で表される化合物からなるラジカル重合開始剤[本発明の第二の態様のラジカル重合開始剤]を用いたラジカル重合により得られるラジカル重合体であることが好ましい。
ラジカル重合させる単量体としては、ラジカル重合可能なものであればよく、製造しようとする重合体に応じて、該重合体を構成する構成単位を誘導する単量体が適宜選択される。
ラジカル重合は、ラジカル重合開始剤として本発明のラジカル重合開始剤を用いる以外は公知の方法を利用して実施できる。
ラジカル重合の際、本発明のラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
次いで、炭素ラジカルがモノマー(m)に作用し、モノマー(m)同士の重合が進行することにより重合体(P−I)を得る。
得られる重合体(P−I)は、主鎖の一方の末端に、酸の作用により解離するアセタール型酸解離性基を有している。この「アセタール型酸解離性基」は、ラジカル重合開始剤(I)に由来する残基(前述した末端基(I−1))である。
「R2−O−CH2−」の導入は、従来公知の方法を利用して行うことができ、たとえば、重合体(I−01)と、下記一般式(i−2)で表される化合物(i−2)とを反応させることにより実施できる。該反応は、第三の態様の化合物(I)の製造方法で説明した方法と同様にして実施できる。
本発明の第五の態様は、上記本発明の重合体(本発明の第四の態様の重合体)を含有するレジスト組成物である。
本発明のレジスト組成物は、非化学増幅型であってもよく、化学増幅型であってもよいが、特に、酸の作用により主鎖末端からアセタール型酸解離性基「−CH2−O−R2」が解離する本発明の重合体を含有していることから、化学増幅型のレジスト組成物であることが好ましい。
かかるレジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、前述した本発明の重合体を含むため、露光により酸発生剤成分等から発生する酸の作用により、現像液に対する溶解性が変化し得る。そのため、該レジスト膜は、本発明の重合体を含むことで、露光により酸を発生する酸発生剤成分等を用いてパターンを形成することが可能となる。加えて、酸発生剤成分等を用いた化学増幅型のレジスト組成物は、レジストパターンをより高感度、より高解像性で形成できることからも好ましい。
また、本発明のレジスト組成物としては、かかる(A)成分と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下「(B)成分」という。)とを含有し、前記(A)成分が上記本発明の重合体を含有するものが特に好ましい。
かかるレジスト組成物に対して露光を行うと、酸発生剤成分から酸が発生し、該酸の作用により基材成分の現像液に対する溶解性が変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を用いて形成されたレジスト膜を選択的に露光すると、露光部の現像液に対する溶解性が変化する一方で、未露光部のアルカリ現像液に対する溶解性は変化しないため、これを現像することによりレジストパターンが形成される。
本発明のレジスト組成物は、ネガ型レジスト組成物であってもよく、ポジ型レジスト組成物であってもよい。
また、本発明のレジスト組成物は、レジストパターン形成時の現像処理にアルカリ現像液を用いるアルカリ現像プロセス用であってもよく、該現像処理に有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)を用いる溶剤現像プロセス用であってもよい。
以下(A)成分として本発明の重合体を含有するレジスト組成物について説明する。
(A)成分における「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。前記基材成分として用いられる「分子量が500以上の有機化合物」は、非重合体と重合体とに大別される。非重合体としては、通常、分子量が500以上4000未満のものが用いられる。以下、分子量が500以上4000未満の非重合体を低分子化合物という。重合体としては、通常、分子量が1000以上のものが用いられる。以下、分子量が1000以上の重合体を高分子化合物という。高分子化合物の場合、「分子量」としてはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、高分子化合物を単に「樹脂」ということがある。
また、本発明のレジスト組成物において、(A)成分が含有する本発明の重合体が、酸の作用により極性が増大する樹脂成分であることが好ましい。すなわち、本発明の(A)成分は、酸の作用により極性が増大し、本発明の重合体からなる樹脂成分(A1)(以下「(A1)成分」という。)を含有することが好ましい。
つまり、アルカリ現像プロセスを適用する場合、(A1)成分は、露光前はアルカリ現像液に対して難溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が増大してアルカリ現像液に対する溶解性が増大する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性から可溶性に変化する一方で、未露光部はアルカリ難溶性のまま変化しないため、アルカリ現像することによりポジ型レジストパターンが形成できる。
一方、溶剤現像プロセスを適用する場合、(A1)成分は、露光前は有機系現像液に対して溶解性が高く、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸の作用により極性が高くなって有機系現像液に対する溶解性が減少する。そのため、レジストパターンの形成において、当該レジスト組成物を支持体上に塗布して得られるレジスト膜に対して選択的に露光すると、露光部は有機系現像液に対して可溶性から難溶性に変化する一方で、未露光部は可溶性のまま変化しないため、有機系現像液で現像することにより、露光部と未露光部との間でコントラストをつけることができ、ネガ型レジストパターンが形成できる。
(A1)成分としては、主鎖の少なくとも一方の末端に、前記一般式(I−1)で表される末端基(I−1)を有するものであればよく、この末端基(I−1)以外の構成については、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている樹脂成分(ベース樹脂)と同様の構成を採用することができる。
本発明において、(A1)成分としては、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)を有するものが好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、さらに、側鎖に−SO2−含有環式基を含む構成単位(a0)を有するものが好ましい。
また、(A1)成分は、構成単位(a1)に加えて、又は構成単位(a1)及び(a0)に加えて、さらに、側鎖に−OH、−COOH、−CN、−SO2NH2及び−CONH2からなる群より選択される少なくとも一種の基を含む構成単位(a3)を有するものが好ましい。
さらに、(A1)成分は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するものが特に好ましい。
「アクリル酸エステル」は、アクリル酸(CH2=CH−COOH)のカルボキシ基末端の水素原子が有機基で置換された化合物である。
アクリル酸エステルは、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該α位の炭素原子に結合した水素原子を置換する置換基は、水素原子以外の原子又は基であり、たとえば炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基等が挙げられる。なお、アクリル酸エステルのα位の炭素原子とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
以下、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されたアクリル酸エステルをα置換アクリル酸エステルということがある。また、アクリル酸エステルとα置換アクリル酸エステルとを包括して「(α置換)アクリル酸エステル」ということがある。
α置換アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としてのアルキル基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられる。
また、α位の置換基としてのハロゲン化アルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
また、α位の置換基としてのヒドロキシアルキル基は、具体的には、上記「α位の置換基としてのアルキル基」の水素原子の一部または全部を、ヒドロキシ基で置換した基が挙げられる。
α置換アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基が好ましく、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基がより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
構成単位(a1)は、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位である。
「酸分解性基」は、たとえば露光により後述の酸発生剤成分(B)から発生する酸の作用により、当該酸分解性基の構造中の少なくとも一部の結合が開裂し得る酸分解性を有する基である。
酸の作用により極性が増大する酸分解性基としては、たとえば、酸の作用により分解して極性基を生じる基が挙げられる。
極性基としては、たとえばカルボキシ基、水酸基、アミノ基、スルホ基(−SO3H)等が挙げられる。これらのなかでも、構造中に−OHを含有する極性基(以下「OH含有極性基」ということがある。)が好ましく、カルボキシ基または水酸基が好ましく、カルボキシ基が特に好ましい。
酸分解性基としてより具体的には、前記極性基を酸解離性基で保護した基(たとえばOH含有極性基の水素原子を酸解離性基で保護した基)が挙げられる。
「酸解離性基」は、露光により後述の酸発生剤成分(B)から発生する酸の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。酸分解性基を構成する酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成する極性基よりも極性の低い基であることが必要で、これにより、酸の作用により該酸解離性基が解離した際に、該酸解離性基よりも極性の高い極性基が生じて極性が増大する。その結果、重合体全体の極性が増大する。極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、他方、現像液が有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)の場合には溶解性が減少する。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状又は環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状又は環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断され、カルボキシ基が形成される。
前記鎖状又は環状のアルキル基は、置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性基」という。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性基としては、たとえば、−C(R71)(R72)(R73)で表される基が挙げられる。式中、R71〜R73は、それぞれ独立に、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基である。−C(R71)(R72)(R73)で表される基は、炭素数が4〜8であることが好ましく、具体的にはtert−ブチル基、2−メチル−2−ブチル基、2−メチル−2−ペンチル基、3−メチル−3−ペンチル基などが挙げられる。特にtert−ブチル基が好ましい。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」における脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、炭素数が3〜30であるものが好ましく、5〜30であるものがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。単環式の脂肪族環式基としては、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。該モノシクロアルカンとしては炭素数3〜6のものが好ましく、具体的にはシクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。多環式の脂肪族環式基としては、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとしては炭素数7〜12のものが好ましく、具体的にはアダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。また、これらの脂肪族環式基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上の、当該酸解離性基に隣接する原子(たとえば−C(=O)−O−における−O−)と結合する炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合して第3級炭素原子が形成されている基;
(ii)1価の脂肪族環式基と、これに結合する第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレンとを有する基などが挙げられる。
前記(i)の基において、脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に結合する置換基としては、たとえばアルキル基が挙げられる。該アルキル基としては、たとえば後述する式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様のものが挙げられる。
前記(i)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記(ii)の基の具体例としては、たとえば下記一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
gは0〜3の整数が好ましく、1〜3の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましい。
式(2−1)〜(2−6)中、R15〜R16のアルキル基としては、前記R14のアルキル基と同様のものが挙げられる。
上記式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子の一部がエーテル性酸素原子(−O−)で置換されていてもよい。
また、式(1−1)〜(1−9)、(2−1)〜(2−6)中、環を構成する炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、フッ素化アルキル基が挙げられる。
アセタール型酸解離性基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
R1’,R2’のアルキル基としては、上記α置換アクリル酸エステルについての説明で、α位の炭素原子に結合してもよい置換基として挙げたアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基を含有する酸解離性基」で挙げた脂肪族環式基と同様のものが例示できる。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、エチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基など、上記「脂肪族環式基」と同様のものを例示できる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式(p2)においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であって、R19とR17とが結合していてもよい。
この場合、R17と、R19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
「ヒドロキシスチレン誘導体」とは、ヒドロキシスチレンのα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
「ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位」とは、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体のエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「ビニル安息香酸誘導体」とは、ビニル安息香酸のα位の水素原子がアルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、並びにそれらの誘導体を含む概念とする。なお、α位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
構成単位(a11)として、具体的には、下記の一般式(a11−0−1)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−2)で表される構成単位等が挙げられる。
X1は、酸解離性基であれば特に限定されることはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性基が好ましい。
一般式(a11−0−2)において、Rは上記と同様である。
X2は、式(a11−0−1)中のX1と同様である。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の基または原子)で置換されていることを意味する。
該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
前記Y2における2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、前記式(I)におけるXについて説明した直鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、前記式(I)におけるXについて説明した分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記Y2における2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、前記式(I)におけるXについて説明した2価の芳香族炭化水素基と同様のものが挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、前記式(I)におけるXについて説明したヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられ、式−(CH2)a’−C(=O)−O−(CH2)b’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
R1’、R2’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR1’、R2’、n、Yと同様のものが挙げられる。
Y2としては、上述の一般式(a11−0−2)におけるY2と同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
なかでも、下記一般式(a11−0−11)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−12)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−13)で表される構成単位、下記一般式(a11−0−14)で表される構成単位、および下記一般式(a11−0−15)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種を有することがより好ましい。
式(a11−0−11)中、R81のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基、エチル基またはイソプロピル基が好ましい。
R82が、当該R82が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族単環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、単環式基であるものと同様のものが挙げられる。具体的には、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該モノシクロアルカンは、3〜11員環であることが好ましく、3〜8員環であることがより好ましく、4〜6員環がさらに好ましく、5または6員環が特に好ましい。
該モノシクロアルカンは、環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されていてもよいし、されていなくてもよい。
また、該モノシクロアルカンは、置換基として、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基を有していてもよい。
かかる脂肪族単環式基を構成するR82としては、たとえば、炭素原子間にエーテル基(−O−)が介在してもよい直鎖状のアルキレン基が挙げられる。
各式中、hは、1〜4の整数であり、1または2が好ましい。
R84が、当該R84が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基としては、前記第3級アルキルエステル型酸解離性基において挙げた脂肪族環式基のうち、多環式基であるものと同様のものが挙げられる。
式(a11−0−12)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−1−26)、(a1−1−28)〜(a1−1−30)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−12)で表される構成単位としては、R84が、当該R84が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−26)で表される構成単位が好ましい。
R85の直鎖状のアルキル基としては、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14のアルキル基で挙げた直鎖状のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が最も好ましい。
式(a11−0−13)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−1)〜(a1−1−2)、(a1−1−7)〜(a1−1−15)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−13)で表される構成単位としては、R84が、当該R84が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が2−アダマンチル基であるものが好ましく、特に、前記式(a1−1−1)または(a1−1−2)で表される構成単位が好ましい。また、R84が、当該R84が結合した炭素原子と共に形成する脂肪族多環式基が「テトラシクロドデカンから1個以上の水素原子を除いた基」であるものも好ましく、前記式(a1−1−8)、(a1−1−9)又は(a1−1−30)で表される構成単位も好ましい。
式(a11−0−14)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−35)、(a1−1−36)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−15)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−4)〜(a1−1−6)、(a1−1−34)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−16)で表される構成単位として具体的には、前記一般式(a1−1)の具体例として例示した、式(a1−1−24)、(a1−1−25)、(a1−1−37)で表される構成単位が挙げられる。
式(a11−0−2)で表される構成単位としては、特に、式中のY2が−A−O−B−または−A−C(=O)−O−B−で表される基であるものが好ましい。AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、前記A、Bと同様である。
かかる構成単位として、好ましいものとしては、下記一般式(a1−3−01)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−02)で表される構成単位;下記一般式(a1−3−03)で表される構成単位などが挙げられる。
R14は、前記式(1−1)〜(1−9)中のR14と同様である。
eは、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2が最も好ましい。
n’は、1または2が好ましく、2が最も好ましい。
式(a1−3−01)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−25)〜(a1−3−26)で表される構成単位等が挙げられる。
式(a1−3−02)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−27)〜(a1−3−28)で表される構成単位等が挙げられる。
Y2’としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
Y2”としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基が好ましく、直鎖状の脂肪族炭化水素基がより好ましく、直鎖状のアルキレン基がさらに好ましい。中でも、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基が最も好ましい。
X’における酸解離性基は、前記と同様のものが挙げられ、第3級アルキルエステル型酸解離性基であることが好ましく、上述した(i)1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該酸解離性基に隣接する原子と結合する炭素原子に置換基が結合して第3級炭素原子が形成されている基がより好ましく、中でも、前記一般式(1−1)で表される基が好ましい。
wは0〜3の整数であり、wは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が最も好ましい。
式(a1−3−03)で表される構成単位としては、下記一般式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位が好ましく、中でも、式(a1−3−03−1)で表される構成単位が好ましい。
b’は前記と同じであり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
tは1〜3の整数が好ましく、1または2が特に好ましい。
式(a1−3−03−1)または(a1−3−03−2)で表される構成単位の具体例としては、前記式(a1−3−29)〜(a1−3−32)で表される構成単位が挙げられる。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子またはメチル基が最も好ましい。
「酸解離性基」は、酸(露光により後述の酸発生剤成分(B)から発生する酸)の作用により、少なくとも、当該酸解離性基と該酸解離性基に隣接する原子との間の結合が開裂し得る酸解離性を有する基である。本発明において、酸解離性基は、当該酸解離性基の解離により生成するアルコール性水酸基よりも親水性の低い基であることが必要で、これにより、アルコール性水酸基の水素原子を酸解離性基で置換した基において該酸解離性基が解離すると、アルコール性水酸基が生じ(露出し)て親水性が増大する。この結果、重合体全体の親水性が増大し、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、現像液がアルカリ現像液の場合には溶解性が増大し、他方、現像液が有機溶剤を含む現像液(有機系現像液)の場合には溶解性が減少する。
酸解離性基としては、特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性基として提案されているものを使用することができ、たとえば上述した酸解離性基と同様のものが挙げられる。
酸解離性基としては、特に、レジスト組成物とする際の有機溶剤(レジスト溶剤)、現像液等に対する溶解性がより向上することから、第3級アルキル基含有酸解離性基またはアセタール型酸解離性基が好ましい。
「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有酸解離性基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む酸解離性基を示す。第3級アルキル基含有酸解離性基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、たとえばカルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子(−O−)等が挙げられる。
「環状構造を有さない第3級アルキル基含有酸解離性基」は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつ、その構造内に環状構造を有さない酸解離性基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I’)で表される基が挙げられる。
また、一般式(I’)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I’)で表される基としては、tert−ブチル基、tert−ペンチル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。
式(II)中のR23〜R25は、前記式(I’)中のR23〜R25と同様である。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−ペンチルオキシカルボニル基が好ましい。
式(III−1)、(III−2)中のR23〜R25は、前記式(I’)中のR23〜R25と同様である。
m6は1〜3の整数であり、1または2が好ましい。
R3’は炭素数1〜5のアルキル基を表し、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
環状構造を有する第3級アルキル基含有酸解離性基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。
環状構造としては、脂肪族環式基が好ましい。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
該脂肪族環式基の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、該炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
脂肪族環式基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基や、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などの脂環式炭化水素基が挙げられる。また、これらの脂環式炭化水素基の環を構成する炭素原子の一部がエーテル基(−O−)で置換されたものであってもよい。
[1]1価の脂肪族環式基の環骨格上、当該第3級アルキル基に隣接する原子と結合する炭素原子にアルキル基が結合して第3級炭素原子が形成されている第3級アルキル基。
[2]1価の脂肪族環式基と、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)とを有し、該第3級炭素原子が当該第3級アルキル基に隣接する原子に結合している第3級アルキル基。
前記[1]または[2]の基において、1価の脂肪族環式基としては前記環状構造の説明で挙げた脂肪族環式基と同様のものが挙げられる。
該直鎖状のアルキル基は、炭素数が1〜5であることが好ましく、1〜4がより好ましく、1または2がさらに好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基またはn−ブチル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましい。
該分岐鎖状のアルキル基は、炭素数が3〜10であることが好ましく、3〜5がより好ましい。具体的には、イソプロピル基、イソブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基等が挙げられ、イソプロピル基であることが最も好ましい。
前記[1]の基の具体例としては、たとえば上述した一般式(1−1)〜(1−9)で表される基等が挙げられる。
前記[2]の基の具体例としては、たとえば上述した一般式(2−1)〜(2−6)で表される基等が挙げられる。
該環状構造を有する第3級アルキル基としては、たとえば上述した[1]または[2]の基が挙げられる。
該第3級アルキルオキシカルボニル基として具体的には、前記一般式(II)中の−C(R23)(R24)(R25)部分を、環状構造を有する第3級アルキル基で置換した基が挙げられる。
該第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基として具体的には、前記の一般式(III−1)、(III−2)中の−C(R23)(R24)(R25)部分を、環状構造を有する第3級アルキル基で置換した基が挙げられる。
アセタール型酸解離性基は、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性基と、当該アセタール型酸解離性基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性基としては、上述した「アセタール型酸解離性基」と同様のものが挙げられる。
式(a1−5)で表される構成単位において、−OR70(R70がアセタール型酸解離性基である場合)の好ましい具体例としては、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、n−ブトキシメトキシ基、シクロヘキシルオキシメトキシ基、アダマンチルオキシメトキシ基、1−エトキシエトキシ基、1−n−ブトキシエトキシ基、1−シクロヘキシルオキシエトキシ基、1−アダマンチルオキシエトキシ基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
R80における脂肪族炭化水素基は、飽和脂肪族炭化水素基であってもよく、不飽和脂肪族炭化水素基であってもよい。また、脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
脂肪族炭化水素基が「置換基を有していてもよい」とは、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよいことを意味する。
R80における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子と前記ヘテロ原子以外の基若しくは原子とを含む基であってもよい。具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、アルキル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基(低級アルキル基)、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等が挙げられる。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
また、当該脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいテトラヒドロフラン、テトラヒドロピランから2個以上の水素原子を除いた基等も挙げられる。
式(a1−5)で表される構成単位において、かかる脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が特に好ましい。
R90における置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基については、前記式(I)中のXにおける2価の連結基の説明の中で例示した、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等と同様のものが挙げられる。
なかでも、R90の2価の連結基としては、特に、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。これらの中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、又はヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基が好ましく、式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、前記のA、Bとそれぞれ同様のものが挙げられる。m’は0〜3の整数である。
m1は1または2であることが好ましい。
m2は0であることが好ましい。
m1+m2は1または2であることが好ましい。
m4は0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
m5は0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
なかでも、下記一般式(a1−511)、(a1−512)又は(a1−513)で表される構成単位が好ましい。
式(a1−513)中、c”は1〜3の整数であり、1または2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
前記式(a1−513)におけるm3が0の場合、アクリル酸エステルのカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)の末端の酸素原子は、環式基中の酸素原子に結合する炭素原子には結合していないことが好ましい。すなわち、m3が0の場合、当該末端の酸素原子と当該環式基中の酸素原子との間には炭素原子が2つ以上存在する(この炭素原子の数が1である(すなわちアセタール結合となる)場合を除く)ことが好ましい。
以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
本明細書において、構成単位(a12)は、ヒドロキシスチレン若しくはヒドロキシスチレン誘導体から誘導される構成単位のフェノール性水酸基における水素原子の少なくとも一部が酸分解性基を含む置換基により保護された構成単位である。
また、構成単位(a13)は、ビニル安息香酸若しくはビニル安息香酸誘導体から誘導される構成単位の−C(=O)−OHにおける水素原子の少なくとも一部が酸分解性基を含む置換基により保護された構成単位である。
構成単位(a12)、構成単位(a13)において、酸分解性基を含む置換基としては、上記構成単位(a11)において説明した第3級アルキルエステル型酸解離性基、アセタール型酸解離性基が好ましいものとして挙げられる。
上記のなかでも、構成単位(a1)としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a11)であることが好ましい。
本発明の重合体中、構成単位(a1)の割合は、当該重合体を構成する全構成単位に対して15〜70モル%が好ましく、15〜60モル%がより好ましく、20〜55モル%がさらに好ましい。
構成単位(a1)の割合を下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、感度、解像性、LWR等のリソグラフィー特性も向上する。また、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
「環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基」を有する構成単位の2種以上の組み合わせ、であることがより好ましい。そのなかでも、
「環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基」を有する構成単位の環骨格が単環のものと、環骨格が多環のものとの組み合わせが特に好ましく、
その具体例としては、前記の一般式(a11−0−11)で表される構成単位と一般式(a11−0−12)で表される構成単位との組み合わせ等が挙げられる。
構成単位(a0)は、側鎖に−SO2−含有環式基を含む構成単位である。
当該構成単位(a0)を有する重合体を含有するレジスト組成物を用いることで、形成されるレジスト膜の基板への密着性が高まる。また、感度、解像性、露光余裕度(ELマージン)、LWR(ラインワイズラフネス)、LER(ラインエッジラフネス)、マスク再現性等のリソグラフィー特性が向上する。
−SO2−含有環式基においては、その環骨格中に−SO2−を含む環をひとつ目の環として数え、該環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
−SO2−含有環式基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。
−SO2−含有環式基は、特に、その環骨格中に−O−SO2−を含む環式基、すなわち−O−SO2−中の−O−S−が環式基の環骨格の一部を形成するスルトン(sultone)環であることが好ましい。
−SO2−含有環式基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、4〜20であることがより好ましく、4〜15であることがさらに好ましく、4〜12であることが特に好ましい。ただし、該炭素数は環骨格を構成する炭素原子の数であり、置換基における炭素数を含まないものとする。
−SO2−含有環式基は、−SO2−含有脂肪族環式基であってもよく、−SO2−含有芳香族環式基であってもよい。好ましくは−SO2−含有脂肪族環式基である。
−SO2−含有脂肪族環式基としては、その環骨格を構成する炭素原子の一部が−SO2−または−O−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基が挙げられる。より具体的には、その環骨格を構成する−CH2−が−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基、その環を構成する−CH2−CH2−が−O−SO2−で置換された脂肪族炭化水素環から水素原子を少なくとも1つ除いた基等が挙げられる。
該脂環式炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
該脂環式炭化水素基は、多環式であってもよく、単環式であってもよい。単環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。多環式の脂環式炭化水素基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
該置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜6のアルキル基が好ましい。該アルキル基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基等が挙げられる。これらの中でも、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。
該置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜6のアルコキシ基が好ましい。該アルコキシ基は、直鎖状または分岐鎖状であることが好ましい。具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基に酸素原子(−O−)に結合した基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
該置換基のハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
該置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン化アルキル基としてはフッ素化アルキル基が好ましく、特にパーフルオロアルキル基が好ましい。
前記−COOR”、−OC(=O)R”におけるR”は、いずれも、水素原子または炭素数1〜15の直鎖状、分岐鎖状もしくは環状のアルキル基であることが好ましい。
R”が直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましく、メチル基またはエチル基であることが特に好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカンや、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該置換基としてのヒドロキシアルキル基としては、炭素数が1〜6であるものが好ましく、具体的には、前記置換基としてのアルキル基として挙げたアルキル基の水素原子の少なくとも1つが水酸基で置換された基が挙げられる。
−SO2−含有環式基として、より具体的には、下記一般式(3−1)〜(3−4)で表される基が挙げられる。
A’における炭素数1〜5のアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基等が挙げられる。
該アルキレン基が酸素原子または硫黄原子を含む場合、その具体例としては、前記アルキレン基の末端または炭素原子間に−O−または−S−が介在する基が挙げられ、たとえば−O−CH2−、−CH2−O−CH2−、−S−CH2−、−CH2−S−CH2−等が挙げられる。
A’としては、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−が好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
zは0〜2のいずれであってもよく、0が最も好ましい。
zが2である場合、複数のR6はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
R6におけるアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基としては、それぞれ、前記で−SO2−含有環式基が有していてもよい置換基として挙げたアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化アルキル基、−COOR”、−OC(=O)R”、ヒドロキシアルキル基と同様のものが挙げられる。
以下に、前記一般式(3−1)〜(3−4)で表される具体的な環式基を例示する。なお、式中の「Ac」はアセチル基を示す。
構成単位(a0)の例として、より具体的には、下記一般式(a0−0)で表される構成単位が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a0−0)中、R40は、−O−、又は、−NH−である。
前記式(a0−0)中、R30は、前記で挙げた−SO2−含有環式基と同様である。
R29’における2価の連結基としては、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基等が好適なものとして挙げられる。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の基または原子)で置換されていることを意味する。
該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、芳香族性を持たない炭化水素基を意味する。
前記R29’における2価の炭化水素基としての脂肪族炭化水素基は、飽和であってもよく、不飽和であってもよく、通常は飽和であることが好ましい。
該脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、前記式(I)におけるXについて説明した直鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、前記式(I)におけるXについて説明した分岐鎖状のアルキレン基と同様のものが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記R29’における2価の炭化水素基としての芳香族炭化水素基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜10が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基が有する芳香環として具体的には、ベンゼン、ビフェニル、フルオレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン等の芳香族炭化水素環;前記芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換された芳香族複素環;等が挙げられる。芳香族複素環におけるヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から水素原子を2つ除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香族炭化水素環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
前記R29’の「ヘテロ原子を含む2価の連結基」におけるヘテロ原子とは、炭素原子および水素原子以外の原子であり、たとえば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、−NH−C(=O)−、=N−、一般式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基[式中、Y21およびY22はそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基であり、Oは酸素原子であり、m’は0〜3の整数である。]等が挙げられる。
R29’が−NH−の場合、そのHはアルキル基、アリール基(芳香族基)等の置換基で置換されていてもよい。該置換基(アルキル基、アリール基等)は、炭素数が1〜10であることが好ましく、1〜8であることがさらに好ましく、1〜5であることが特に好ましい。
式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−中、Y21およびY22は、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。該2価の炭化水素基としては、前記AおよびBにおける「置換基を有していてもよい2価の炭化水素基」として挙げたものと同様のものが挙げられる。
Y21としては、直鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、直鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のアルキレン基がさらに好ましく、メチレン基またはエチレン基が特に好ましい。
Y22としては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基、エチレン基またはアルキルメチレン基がより好ましい。該アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基において、m’は0〜3の整数であり、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、1が特に好ましい。つまり、式−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−で表される基としては、式−Y21−C(=O)−O−Y22−で表される基が特に好ましい。なかでも、式−(CH2)a’−C(=O)−O−(CH2)b’−で表される基が好ましい。該式中、a’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。b’は、1〜10の整数であり、1〜8の整数が好ましく、1〜5の整数がより好ましく、1または2がさらに好ましく、1が最も好ましい。
ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、ヘテロ原子として酸素原子を有する直鎖状の基、例えばエーテル結合またはエステル結合を含む基、が好ましく、前記式−Y21−O−Y22−、−[Y21−C(=O)−O]m’−Y22−または−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。
該アルキレン基は、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましい。
該エステル結合を含む2価の連結基としては、特に、一般式:−R20−C(=O)−O−[式中、R20は2価の連結基である。]で表される基が好ましい。すなわち、構成単位(a0)は、下記一般式(a0−0−1)で表される構成単位であることが好ましい。
R20の2価の連結基としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、またはヘテロ原子を含む2価の連結基が好ましい。
該直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記のR29’で好ましいものとして挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、2価の脂環式炭化水素基、ヘテロ原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
上記の中でも、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、またはヘテロ原子として酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。
直鎖状のアルキレン基としては、メチレン基またはエチレン基が好ましく、メチレン基が特に好ましい。
分岐鎖状のアルキレン基としては、アルキルメチレン基またはアルキルエチレン基が好ましく、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−または−C(CH3)2CH2−が特に好ましい。
酸素原子を含む2価の連結基としては、エーテル結合またはエステル結合を含む2価の連結基が好ましく、前記の式−Y21−O−Y22−、式−[Y21−C(=O)−O]m’− Y22−または式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基がより好ましい。Y21、Y22、m’は、それぞれ前記と同じである。
なかでも、式−Y21−O−C(=O)−Y22−で表される基が好ましく、式−(CH2)c−O−C(=O)−(CH2)d−で表される基が特に好ましい。cは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。dは1〜5の整数であり、1〜3の整数が好ましく、1または2がより好ましい。
前記式中、A’はメチレン基、エチレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましい。
R20としては、直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、または酸素原子を含む2価の連結基が好ましい。R20における直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基としては、それぞれ、前記で挙げた直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基、酸素原子を含む2価の連結基と同様のものが挙げられる。
式(a0−0−12)で表される構成単位としては、特に、下記一般式(a0−0−12a)または(a0−0−12b)で表される構成単位が好ましい。
本発明の重合体中、構成単位(a0)の割合は、当該重合体を構成する全構成単位の合計に対して1〜60モル%であることが好ましく、5〜55モル%がより好ましく、10〜50モル%がさらに好ましく、15〜48モル%が最も好ましい。
構成単位(a0)の割合を下限値以上とすることにより、当該重合体を含有するレジスト組成物を用いて形成されるレジストパターン形状が良好となり、ELマージン、LWR、マスク再現性等のリソグラフィー特性もより向上する。他方、上限値以下とすることにより、他の構成単位を有する場合にそれらとのバランスをとりやすくなる。
構成単位(a3)は、側鎖に−OH、−COOH、−CN、−SO2NH2及び−CONH2からなる群より選択される少なくとも一種の基を含む構成単位である。
構成単位(a3)は、炭化水素基の水素原子の一部が当該群を構成する極性基で置換された炭化水素基を含む構成単位であることが好ましい。当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。なかでも、当該炭化水素基は、脂肪族炭化水素基あることがより好ましい。
該脂肪族環式基(単環式基、多環式基)としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該脂肪族環式基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。該脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。
該芳香族炭化水素基として具体的には、前記芳香族炭化水素環から2個以上の水素原子を除いた基(アリーレン基);前記芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いた基(アリール基)の水素原子の1つがアルキレン基で置換された基(たとえば、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基におけるアリール基から水素原子をさらに1つ除いた基)等が挙げられる。前記アルキレン基(アリールアルキル基中のアルキル鎖)の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
前記芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香族炭化水素環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえば、アルキル基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基等が挙げられる。
前記置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部又は全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
Rのハロゲン化アルキル基は、前記のRのアルキル基の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rとしては、水素原子、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のフッ素化アルキル基が好ましく、水素原子又はメチル基が特に好ましい。
前記式(a3−1)中、P0は、−C(=O)−O−、−C(=O)−NR0−(R0は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)又は単結合である。R0のアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
「置換基を有する炭化水素基」とは、炭化水素基に結合した水素原子の少なくとも一部が置換基で置換されていることを意味する。
W0における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であってもよく、芳香族炭化水素基であってもよい。
W0における脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)が好適に挙げられ、これらの説明は上記と同様である。
W0における芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基であり、この説明は上記と同様である。
以下に、一例として任意の位置に酸素原子(O)を有するW0について例示する。
Rmは、直鎖状、分岐鎖状であることが好ましく、炭素数1〜3のアルキレン基であることが好ましく、メチレン基、エチレン基であることがより好ましい。
前記式(a3−11)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
W01における芳香族炭化水素基は、前記式(a3−1)中のW0における芳香族炭化水素基の説明と同様である。
以下に、一般式(a3−11)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
前記式(a3−12)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
P02は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR0−(R0は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。R0のアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
W02における環状の炭化水素基は、前記式(a3−1)中のW0についての説明の中で例示した脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、芳香族炭化水素基とそれぞれ同様のものが挙げられる。
W02は、任意の位置に酸素原子又は硫黄原子を有していてもよく、この説明は前記式(a3−1)中のW0の説明と同様である。
以下に、一般式(a3−12)で表される構成単位の好適な具体例を示す。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
前記式(a3−13)中、Rは、前記式(a3−1)中のRの説明と同様である。
P03は、−C(=O)−O−又は−C(=O)−NR0−(R0は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基である)であり、−C(=O)−O−であることが好ましい。R0のアルキル基としては、Rのアルキル基と同様である。
W03における直鎖状の炭化水素基は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがより好ましく、炭素数1〜3であることがさらに好ましい。
W03における直鎖状の炭化水素基は、−OH、−COOH、−CN、−SO2NH2及び−CONH2以外の置換基(a)をさらに有していてもよい。この置換基(a)としては、炭素数1〜5のアルキル基、脂肪族環式基(単環式基、多環式基)、フッ素原子、炭素数1〜5のフッ素化アルキル基等が挙げられる。置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
また、W03における直鎖状の炭化水素基は、一例として下記一般式(a3−13−a)で表される構成単位のように、複数の置換基(a)を有してもよく、複数の置換基(a)同士が相互に結合して環が形成されてもよい。
Ra1及びRa2における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)は、前記置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)と同様である。
また、Ra1とRa2とは、相互に結合して環を形成してもよい。この場合、Ra1と、Ra2と、Ra1とRa2とが共に結合した炭素原子とにより環式基が形成される。該環式基としては、単環式基であってもよく、多環式基であってもよく、具体的には、前記置換基(a)における脂肪族環式基(単環式基、多環式基)についての説明の中で例示したモノシクロアルカン又はポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。
q0は、1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
本発明の重合体中、構成単位(a3)の割合は、当該重合体を構成する全構成単位に対して1〜40モル%であることが好ましく、1〜35モル%がより好ましく、3〜30モル%がさらに好ましく、5〜25モル%が特に好ましい。
構成単位(a3)の割合を下限値以上とすることにより、構成単位(a3)を含有させることによる効果(解像性、リソグラフィー特性、パターン形状の向上効果)が充分に得られ、上限値以下とすることにより、他の構成単位とのバランスをとりやすくなる。
かかるその他の構成単位は、上述の構成単位に分類されない構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
かかるその他の構成単位としては、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であってラクトン含有環式基を含む構成単位(a2)、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族多環式基を含む構成単位(a4)等が挙げられる。
構成単位(a2)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であってラクトン含有環式基を含む構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、その環骨格中に−O−C(=O)−を含む環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつ目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。ラクトン含有環式基は、単環式基であってもよく、多環式基であってもよい。
構成単位(a2)におけるラクトン環式基としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。具体的には、ラクトン含有単環式基としては、4〜6員環ラクトンから水素原子を1つ除いた基、たとえばβ−プロピオノラクトンから水素原子を1つ除いた基、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基、δ−バレロラクトンから水素原子を1つ除いた基等が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例としては、たとえば前記一般式(a2−0)中のR28をラクトン含有環式基で置換したものが挙げられ、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
R’の炭素数1〜5のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が挙げられる。
R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
R”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は、炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
A”としては、前記一般式(3−1)中のA’と同様のものが挙げられる。A”は、炭素数1〜5のアルキレン基、酸素原子(−O−)または硫黄原子(−S−)であることが好ましく、炭素数1〜5のアルキレン基または−O−がより好ましい。炭素数1〜5のアルキレン基としては、メチレン基またはジメチルメチレン基がより好ましく、メチレン基が最も好ましい。
R29は、前記一般式(a0−0)中のR29’と同様である。
式(a2−1)中、s”は1〜2であることが好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位の具体例を例示する。以下の各式中、Rαは、水素原子、メチル基またはトリフルオロメチル基を示す。
なかでも、前記式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−7)、(a2−2−12)、(a2−2−14)、(a2−3−1)、(a2−3−5)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種が好ましい。
本発明の重合体中、構成単位(a2)の割合は、当該重合体を構成する全構成単位の合計に対して1〜80モル%であることが好ましく、10〜70モル%であることがより好ましく、10〜65モル%であることがさらに好ましく、10〜60モル%が特に好ましい。
下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができ、DOF、CDU等の種々のリソグラフィー特性及びパターン形状が良好となる。
構成単位(a4)は、α位の炭素原子に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよいアクリル酸エステルから誘導される構成単位であって酸非解離性の脂肪族多環式基を含む構成単位である。
構成単位(a4)において、該多環式基は、たとえば、前記の構成単位(a1)の場合に例示した多環式基と同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特に、トリシクロデシル基、アダマンチル基、テトラシクロドデシル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)で表される構造のものを例示することができる。
かかる構成単位(a4)を本発明の重合体に含有させる際には、該重合体を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a4)を1〜30モル%含有させることが好ましく、10〜20モル%含有させることがより好ましい。
かかる重合体としては、当該主鎖が構成単位(a1)と構成単位(a0)との繰返し構造からなるもの、当該主鎖が構成単位(a1)と構成単位(a0)と構成単位(a3)との繰返し構造からなるもの、当該主鎖が構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)との繰返し構造からなるもの等が好適なものとして例示できる。
かかる重合体として、より具体的には、前記一般式(I1)で表されるラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合により得られるものが好ましい。加えて、前記一般式(a1−2)で表される構成単位と前記一般式(a2−1)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a1−2)で表される構成単位と前記一般式(a2−1)で表される構成単位と前記一般式(a3−13-a)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a1−2)で表される構成単位と前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a1−2)で表される構成単位と前記一般式(a0−0−11)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a2−2)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a2−6)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a2−7)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a1−3−03−1)で表される構成単位と前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a11−0−11)で表される構成単位と前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a11−0−15)で表される構成単位と前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するもの;前記一般式(a11−0−11)で表される構成単位と前記一般式(a11−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a0−0−12)で表される構成単位と前記一般式(a2−1)で表される構成単位と前記一般式(a3−12)で表される構成単位とを有するものがより好ましい。
本発明の重合体の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.0〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A)成分中の(A1)成分の割合は、(A)成分の総質量に対し、25質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましく、75質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。該割合が25質量%以上であると、リソグラフィー特性等の効果が向上する。
(A1)成分は、当該(A1)成分を構成する各構成単位を誘導する単量体を、上述したように本発明のラジカル重合開始剤を用いたラジカル重合によって重合させることにより製造することができる。各構成単位を誘導する単量体(モノマー)は合成してもよく、市販のものを用いてもよい。
本発明のレジスト組成物は、(A)成分として、前記(A1)成分に該当しない、酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(以下「(A2)成分」という。)を含有してもよい。
(A2)成分としては、分子量が500以上2500未満であって、上述の(A1)成分の説明で例示したような酸解離性基と、親水性基とを有する低分子化合物が好適に挙げられる。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性基で置換されたものが挙げられる。
(A2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2〜6核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。特には、トリフェニルメタン骨格を2〜6個有するフェノール化合物が、解像性、LWRに優れることから好ましい。
酸解離性基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
(A2)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のレジスト組成物中、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
[(B)成分]
本発明のレジスト組成物は、さらに、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有していてもよい。
本発明のレジスト組成物が(B)成分を含有する場合、(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物を用いることができる。
また、リソグラフィー特性とレジストパターン形状がより向上することから、R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のうち、2つ以上がアリール基であることがより好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが特に好ましい。
R1”〜R3”において、無置換のアリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
R1”〜R3”の置換アリール基における置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基であることが最も好ましい。
置換アリール基における置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
置換アリール基における置換基としてのアリール基としては、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられ、炭素数6〜20のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フェニル基、ナフチル基がさらに好ましい。
一般式:−O−C(R47)(R48)−O−R49
[式中、R47、R48はそれぞれ独立して水素原子または直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基であり、R49はアルキル基である。]で表される基が挙げられる。
R47、R48において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜5であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R47、R48は、少なくとも一方が水素原子であることが好ましい。特に、一方が水素原子であり、他方が水素原子またはメチル基であることがより好ましい。
R49のアルキル基としては、好ましくは炭素数が1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであってもよい。
R49における直鎖状、分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられる。
R49における環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的には炭素数1〜5のアルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56
[式中、R50は直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基であり、R56は第3級アルキル基である。]で表される基が挙げられる。
R50における直鎖状、分岐鎖状のアルキレン基としては、炭素数が1〜5であることが好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、1,1−ジメチルエチレン基などが挙げられる。
R56における第3級アルキル基としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロペンチル基、1−エチル−1−シクロペンチル基、1−メチル−1−シクロヘキシル基、1−エチル−1−シクロヘキシル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−アダマンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロペンチル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロペンチル)−1−メチルペンチル基;1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルエチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルプロピル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルブチル基、1−(1−シクロヘキシル)−1−メチルペンチル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘキシル基などが挙げられる。
さらに、前記一般式:−O−R50−C(=O)−O−R56におけるR56を、R56’で置き換えた基も挙げられる。R56’は、水素原子、アルキル基、フッ素化アルキル基、又はヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基である。
R56’におけるアルキル基は、前記R49のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R56’におけるフッ素化アルキル基は、前記R49のアルキル基中の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
R56’における、ヘテロ原子を含んでいてもよい脂肪族環式基としては、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたもの等が挙げられる。
R56’について、ヘテロ原子を含まない脂肪族環式基としては、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。モノシクロアルカンとしては、シクロペンタン、シクロヘキサン等が挙げられる。ポリシクロアルカンとしては、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
R56’について、環構造中にヘテロ原子を含む脂肪族環式基として具体的には、後述の式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
R56’について、脂肪族環式基中の水素原子がヘテロ原子に置換されたものとして具体的には、脂肪族環式基中の水素原子が酸素原子(=O)に置換されたもの等が挙げられる。
直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基は、炭素数1〜25であり、炭素数1〜15であることが好ましく、4〜10であることがより好ましい。
直鎖状の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、第3級アルキル基を除き、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。該置換基としては、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基、カルボキシ基等が挙げられる。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状または分岐鎖状の飽和炭化水素基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
R6’、R7’、R8’における炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等のポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
該環状の飽和炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該環状のアルキル基が有する環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該環状のアルキル基が有する環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記モノシクロアルカンまたはポリシクロアルカンの環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換された複素シクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が挙げられる。また、前記環の構造中にエステル結合(−C(=O)−O−)を有していてもよい。具体的には、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基等のラクトン含有単環式基や、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基等のラクトン含有多環式基等が挙げられる。
後者の例における置換基としては、上述した直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有してもよい置換基として挙げたものと同様のもの、低級アルキル基等が挙げられる。
また、R6’、R7’、R8’は、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と、環状アルキル基との組み合わせであってもよい。
直鎖状または分岐鎖状のアルキル基と環状アルキル基との組合せとしては、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基に置換基として環状のアルキル基が結合した基、環状のアルキル基に置換基として直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合した基等が挙げられる。
R6’、R7’、R8’における直鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
R6’、R7’、R8’における分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
該直鎖状若しくは分岐鎖状の脂肪族不飽和炭化水素基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が有していてもよい置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
R7’、R8’においては、上記のなかでも、リソグラフィー特性、レジストパターン形状が良好であることから、炭素数1〜15の直鎖状若しくは分岐鎖状の飽和炭化水素基、又は炭素数3〜20の環状の飽和炭化水素基が好ましい。
R1”〜R3”のうち、いずれか二つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R4”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれであってもよい。
前記直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがより好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
R4”におけるハロゲン化アルキル基としては、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R4”におけるアリール基は、炭素数6〜20のアリール基であることが好ましい。
前記R4”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
前記R4”において、「置換基を有していてもよい」とは、前記直鎖状、分岐鎖状若しくは環状のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、またはアルケニル基における水素原子の一部または全部が置換基(水素原子以外の他の原子または基)で置換されていても良いことを意味する。
R4”における置換基の数は、1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R4”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
Q1は、酸素原子以外の原子を含有してもよい。酸素原子以外の原子としては、たとえば炭素原子、水素原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。
酸素原子を含む2価の連結基としては、たとえば、酸素原子(エーテル結合;−O−)、エステル結合(−C(=O)−O−)、アミド結合(−C(=O)−NH−)、カルボニル基(−C(=O)−)、カーボネート結合(−O−C(=O)−O−)等の非炭化水素系の酸素原子含有連結基;該非炭化水素系の酸素原子含有連結基とアルキレン基との組み合わせ等が挙げられる。
該組み合わせとしては、たとえば、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−、−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−(式中、R91〜R93はそれぞれ独立にアルキレン基である。)等が挙げられる。
R91〜R93におけるアルキレン基としては、直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、該アルキレン基の炭素数は、1〜12が好ましく、1〜5がより好ましく、1〜3が特に好ましい。
該アルキレン基として、具体的には、たとえばメチレン基[−CH2−];−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;エチレン基[−CH2CH2−];−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;トリメチレン基(n−プロピレン基)[−CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;テトラメチレン基[−CH2CH2CH2CH2−];−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基;ペンタメチレン基[−CH2CH2CH2CH2CH2−]等が挙げられる。
Q1としては、エステル結合またはエーテル結合を含む2価の連結基が好ましく、なかでも、−R91−O−、−R92−O−C(=O)−または−C(=O)−O−R93−O−C(=O)−が好ましい。
芳香族炭化水素基は、芳香環を有する炭化水素基である。該芳香族炭化水素基の炭素数は3〜30であることが好ましく、5〜30であることがより好ましく、5〜20がさらに好ましく、6〜15が特に好ましく、6〜12が最も好ましい。ただし、該炭素数には、置換基における炭素数を含まないものとする。
芳香族炭化水素基として、具体的には、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素環から水素原子を1つ除いたアリール基、ベンジル基、フェネチル基、1−ナフチルメチル基、2−ナフチルメチル基、1−ナフチルエチル基、2−ナフチルエチル基等のアリールアルキル基等が挙げられる。前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
該芳香族炭化水素基は、置換基を有していてもよい。たとえば当該芳香族炭化水素基が有する芳香環を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく、当該芳香族炭化水素基が有する芳香環に結合した水素原子が置換基で置換されていてもよい。
前者の例としては、前記アリール基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基、前記アリールアルキル基中の芳香族炭化水素環を構成する炭素原子の一部が前記ヘテロ原子で置換されたヘテロアリールアルキル基等が挙げられる。
後者の例における芳香族炭化水素基の置換基としては、たとえば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記芳香族炭化水素基の置換基としてのハロゲン化アルキル基としては、前記アルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
X3において、脂肪族炭化水素基は、当該脂肪族炭化水素基を構成する炭素原子の一部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよく、当該脂肪族炭化水素基を構成する水素原子の一部または全部がヘテロ原子を含む置換基で置換されていてもよい。
X3における「ヘテロ原子」としては、炭素原子および水素原子以外の原子であれば特に限定されず、たとえばハロゲン原子、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等が挙げられる。
ヘテロ原子を含む置換基は、前記ヘテロ原子のみからなるものであってもよく、前記ヘテロ原子以外の基または原子を含む基であってもよい。
炭素原子の一部を置換する置換基として、具体的には、たとえば−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hがアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−等が挙げられる。脂肪族炭化水素基が環状である場合、これらの置換基を環構造中に含んでいてもよい。
水素原子の一部または全部を置換する置換基として、具体的には、たとえばアルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)、シアノ基等が挙げられる。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、フッ素原子が好ましい。
前記ハロゲン化アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基の水素原子の一部または全部が前記ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。
直鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、イソトリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、イソヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基等が挙げられる。
分岐鎖状の飽和炭化水素基(アルキル基)としては、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜15であることがより好ましく、3〜10が最も好ましい。具体的には、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
不飽和炭化水素基としては、上記の中でも、特にプロペニル基が好ましい。
具体的には、たとえば、モノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基;アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含まない場合は、脂肪族環式基としては、多環式基が好ましく、ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましく、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が最も好ましい。
脂肪族環式基が、その環構造中にヘテロ原子を含む置換基を含むものである場合、該ヘテロ原子を含む置換基としては、−O−、−C(=O)−O−、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−が好ましい。かかる脂肪族環式基の具体例としては、たとえば下記式(L1)〜(L6)、(S1)〜(S4)等が挙げられる。
これらの脂肪族環式基は、その環構造を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が置換基で置換されていてもよい。該置換基としては、たとえばアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、ハロゲン化アルキル基、水酸基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
前記アルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが特に好ましい。
前記アルコキシ基、ハロゲン原子はそれぞれ前記水素原子の一部または全部を置換する置換基として挙げたものと同様のものが挙げられる。
前記芳香族炭化水素基としては、置換基を有していてもよいナフチル基、または置換基を有していてもよいフェニル基が好ましい。
置換基を有していてもよい脂肪族環式基としては、置換基を有していてもよい多環式の脂肪族環式基が好ましい。該多環式の脂肪族環式基としては、前記ポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基、前記(L2)〜(L6)、(S3)〜(S4)等が好ましい。
X3−Q1−Y10−で表される基において、Y10のアルキレン基としては、前記Q1で挙げたアルキレン基のうち炭素数1〜4のものと同様のものが挙げられる。
フッ素化アルキレン基としては、該アルキレン基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基が挙げられる。
Y10として、具体的には、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2−、−CF(CF2CF3)−、−C(CF3)2−、−CF2CF2CF2CF2−、−CF(CF3)CF2CF2−、−CF2CF(CF3)CF2−、−CF(CF3)CF(CF3)−、−C(CF3)2CF2−、−CF(CF2CF3)CF2−、−CF(CF2CF2CF3)−、−C(CF3)(CF2CF3)−;−CHF−、−CH2CF2−、−CH2CH2CF2−、−CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2−、−CH(CF2CF3)−、−C(CH3)(CF3)−、−CH2CH2CH2CF2−、−CH2CH2CF2CF2−、−CH(CF3)CH2CH2−、−CH2CH(CF3)CH2−、−CH(CF3)CH(CF3)−、−C(CF3)2CH2−;−CH2−、−CH2CH2−、−CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−CH2CH2CH2CH2−、−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH3)−等が挙げられる。
これらの中でも、−CF2−、−CF2CF2−、−CF2CF2CF2−、又はCH2CF2CF2−が好ましく、−CF2−、−CF2CF2−又は−CF2CF2CF2−がより好ましく、−CF2−が特に好ましい。
アルキレン基またはフッ素化アルキレン基が有していてもよい置換基としては、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基、水酸基等が挙げられる。
また、リソグラフィー特性とレジストパターン形状がより向上することから、R5”〜R6”のうち、少なくとも1つはアリール基であることが好ましく、R5”〜R6”のいずれもアリール基であることがより好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルケニル基としては、R1”〜R3”のアルケニル基と同様のものが挙げられる。
これらの中でも、R5”〜R6”は、すべてフェニル基であることが最も好ましい。
前記式(b−2)で表される化合物におけるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウム、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウム等が挙げられる。
前記式(b−2)中のR4”としては、上記式(b−1)におけるR4”と同様のものが挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部をメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネート、1−アダマンタンスルホネート、2−ノルボルナンスルホネート、d−カンファー−10−スルホネート等のアルキルスルホネート、ベンゼンスルホネート、パーフルオロベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート等の芳香族スルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
R7に付された符号(r1〜r2、w1〜w6)が2以上の整数である場合、当該化合物中の複数のR7はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。
該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
前記式中、RXとしては、前記R4”と同様のものが挙げられ、アルキル基、アリール基又はフッ素化アルキル基が好ましい。
上記「RX−COO−」の具体例としては、たとえば下記化学式で表されるアニオン等が挙げられる。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖状または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R81〜R86に付された符号n1〜n6が2以上の整数である場合、複数のR81〜R86はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
n1は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
n2およびn3は、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
n4は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
n5は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n6は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
R4’は炭素数1〜5のアルキレン基である。
uは1〜3の整数であり、1または2が最も好ましい。
前記式(b−7)又は式(b−8)で表されるカチオンの好適なものとしては、たとえば以下に示すもの等が挙げられる。式中、RCは、上記置換アリール基についての説明のなかで例示した置換基(アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキルオキシ基、アルコキシカルボニルアルキルオキシ基、ハロゲン原子、水酸基、オキソ基(=O)、アリール基、−C(=O)−O−R6’、−O−C(=O)−R7’、−O−R8’)である。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントリル(anthryl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は、好ましくは2である。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、国際公開第04/074242号パンフレット(65〜86頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
本発明のレジスト組成物が(B)成分を含有する場合、(B)成分としては、フッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。
本発明のレジスト組成物が(B)成分を含有する場合、本発明のレジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜50質量部が好ましく、1〜40質量部がより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
本発明のレジスト組成物においては、任意の成分として、さらに、含窒素有機化合物成分(D)(以下「(D)成分」という。)を含有することが好ましい。
この(D)成分は、酸拡散制御剤、すなわち露光により前記の(A1)成分と(B)成分から発生する酸をトラップするクエンチャーとして作用するものであれば特に限定されず、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いればよい。なかでも、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミン又はトリ−n−オクチルアミンが特に好ましい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
芳香族アミンとしては、アニリン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ピロール、インドール、ピラゾール、イミダゾールまたはこれらの誘導体、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、トリベンジルアミン、2,6−ジイソプロピルアニリン、N−tert−ブトキシカルボニルピロリジン等が挙げられる。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。上記範囲とすることにより、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等が向上する。
本発明のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分としては、サリチル酸が特に好ましい。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常、0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
レジスト組成物には、レジスト膜に撥水性を付与するために、フッ素添加剤(以下「(F)成分」という。)を含有させることができる。(F)成分としては、例えば、特開2010−002870号公報に記載の含フッ素高分子化合物を用いることができる。
(F)成分としてより具体的には、下記式(f1−1)で表される構成単位(f1)を有する重合体が挙げられる。かかる重合体としては、構成単位(f1)のみからなる重合体(ホモポリマー);下記式(f1)で表される構成単位と、前記構成単位(a1)との共重合体;下記式(f1)で表される構成単位と、アクリル酸又はメタクリル酸から誘導される構成単位と、前記構成単位(a1)との共重合体、であることが好ましい。ここで、下記式(f1)で表される構成単位と共重合される前記構成単位(a1)としては、前記式(a1−1)で表される構成単位、前記式(a1−5)で表される構成単位が好ましく、前記式(a11−0−11)で表される構成単位、前記式(a1−51)で表される構成単位がより好ましく、前記式(a1−1−32)で表される構成単位、前記式(a1−5−2)で表される構成単位が特に好ましい。
式(f1−1)中、R41、R42のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。R41、R42の炭素数1〜5のアルキル基としては、上記Rの炭素数1〜5のアルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましい。R41、R42の炭素数1〜5のハロゲン化アルキル基として、具体的には、上記炭素数1〜5のアルキル基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。なかでもR41、R42としては、水素原子、フッ素原子、又は炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、水素原子、フッ素原子、メチル基、またはエチル基が好ましい。
式(f1−1)中、a1は1〜5の整数であって、1〜3の整数が好ましく、1又は2であることがより好ましい。
フッ素原子を含む炭化水素基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のいずれであってもよく、炭素数は1〜20であることが好ましく、炭素数1〜15であることがより好ましく、炭素数1〜10が特に好ましい。
また、フッ素原子を含む炭化水素基は、当該炭化水素基における水素原子の25%以上がフッ素化されていることが好ましく、50%以上がフッ素化されていることがより好ましく、60%以上がフッ素化されていることが、浸漬露光時のレジスト膜の疎水性が高まることから、特に好ましい。
なかでも、R7”としては、炭素数1〜5のフッ素化炭化水素基が特に好ましく、メチル基、−CH2−CF3、−CH2−CF2−CF3、−CH(CF3)2、−CH2−CH2−CF3、−CH2−CH2−CF2−CF2−CF2−CF3が最も好ましい。
(F)成分の分散度(Mw/Mn)は、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
各構成単位を誘導するモノマーは、それぞれ、市販のものを用いてもよく、公知の方法に製造したものを用いてもよい。
(F)成分は、(A)成分100質量部あたり0.5〜10質量部の割合で用いられる。
本発明のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下「(S)成分」ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
たとえば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤、ジメチルスルホキシド(DMSO)などを挙げることができる。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、シクロヘキサノン、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
さらに、(S)成分として、その他には、PGMEAとシクロヘキサノンとの混合溶剤、又はPGMEAとPGMEとシクロヘキサノンとの混合溶剤も好ましい。この場合、前者の混合割合としては、質量比が好ましくはPGMEA:シクロヘキサノン=99〜1:1〜99とされ、より好ましくはPGMEA:シクロヘキサノン=95〜5:5〜95とされ、後者の混合割合としては、質量比が好ましくはPGMEA:PGME:シクロヘキサノン=35〜55:20〜40:15〜35とされる。
本発明のレジスト組成物が含有する重合体は、主鎖末端に、酸の作用により解離するアセタール型酸解離性基「−CH2−O−R2」を有する。酸の作用によって該アセタール型酸解離性基が解離することで、重合体の極性が増大する。そして、極性が増大することにより、相対的に、現像液に対する溶解性が変化し、露光部と未露光部との溶解コントラストが得られやすくなるため、上記のような効果が得られると推察される。
また、本発明のレジスト組成物が含有する重合体が、酸の作用により極性が増大し、現像液に対する溶解性が変化する(A1)成分である場合であれば、主鎖末端の該アセタール型酸解離性基がレジスト膜内に均一に分布しやすい。これにより、露光部では主鎖末端で該アセタール型酸解離性基が解離することで、極性が露光部全体で増大し得るため、上記効果が特に良好に得られやすいと考えられる。
本発明のレジストパターン形成方法は、前記本発明のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下のようにして行うことができる。
すなわち、まず支持体上に前記本発明のレジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、ベーク(ポストアプライベーク(PAB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施してレジスト膜を形成する。
次に、該レジスト膜に対し、例えばArF露光装置、電子線描画装置、EUV露光装置等の露光装置を用いて、所定のパターンが形成されたマスク(マスクパターン)を介した露光、またはマスクパターンを介さない電子線の直接照射による描画等による選択的露光を行った後、ベーク(ポストエクスポージャーベーク(PEB))処理を、たとえば80〜150℃の温度条件にて40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次に、前記レジスト膜を現像処理する。
現像処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、アルカリ現像液を用い、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有する現像液(有機系現像液)用いて行う。
現像処理後、好ましくはリンス処理を行う。リンス処理は、アルカリ現像プロセスの場合は、純水を用いた水リンスが好ましく、溶剤現像プロセスの場合は、有機溶剤を含有するリンス液を用いることが好ましい。
溶剤現像プロセスの場合、前記現像処理またはリンス処理の後に、パターン上に付着している現像液またはリンス液を超臨界流体により除去する処理を行ってもよい。
現像処理後またはリンス処理後、乾燥を行う。また、場合によっては、上記現像処理後にベーク処理(ポストベーク)を行ってもよい。このようにして、レジストパターンを得ることができる。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
液浸露光は、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う露光方法である。
液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ露光されるレジスト膜の有する屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつ前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
液浸媒体としては、コスト、安全性、環境問題、汎用性等の観点から、水が好ましく用いられる。
溶剤現像プロセスで現像処理に用いる有機系現像液が含有する有機溶剤としては、(A)成分(露光前の(A)成分)を溶解し得るものであればよく、公知の有機溶剤のなかから適宜選択できる。具体的には、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、エーテル系溶剤等の極性溶剤及び炭化水素系溶剤を用いることができる。
有機系現像液には、必要に応じて公知の添加剤を配合できる。該添加剤としてはたとえば界面活性剤が挙げられる。界面活性剤としては、特に限定されないが、たとえばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
界面活性剤を配合する場合、その配合量は、有機系現像液の全量に対して、通常0.001〜5質量%であり、0.005〜2質量%が好ましく、0.01〜0.5質量%がより好ましい。
現像処理は、公知の現像方法におり実施でき、該方法としてはたとえば現像液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止する方法(パドル法)、支持体表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している支持体上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
リンス液を用いたリンス処理(洗浄処理)は、公知のリンス方法により実施できる。該方法としては、たとえば一定速度で回転している支持体上にリンス液を塗出し続ける方法(回転塗布法)、リンス液中に支持体を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、支持体表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
なお、NMRによる分析において、1H−NMRの内部標準および13C−NMRの内部標準はテトラメチルシラン(TMS)である。
窒素雰囲気下、ACVA(2.8g)をジクロロメタン(20g)へ加えて10℃以下に冷却した。そこへトリエチルアミン(2.7g)を滴下し、10分間攪拌した。その後、クロロメチルシクロヘキシルエーテル(3.6g)のジクロロメタン溶液を滴下し、室温で17時間反応を行った。その反応溶液へ純水(20g)を添加し、5分間攪拌した後、分液した。その後、ジクロロメタン相を純水にて3回洗浄し、減圧下にて溶媒を留去することによって、目的物である化合物(I−A)5.2gを得た。
得られた化合物はNMR測定を行い、以下の結果より構造を同定した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=5.28(m,4H,OCH2O),3.54−3.58(m,2H,OCH),2.34−2.54(m,8H,CH2CH2(C=O)),1.15−1.82(m,26H,Cyclohexyl+CH3).
クロロメチルシクロヘキシルエーテルを2−クロロメチルアダマンチルエーテルに変更した以外は、実施例1と同様にして、目的物である化合物(I−B)を得た。
得られた化合物はNMR測定を行い、以下の結果より構造を同定した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=5.25(m,4H,OCH2O),3.81−3.85(m,2H,OCH),2.34−2.54(m,8H,CH2CH2(C=O)),1.24−1.94(m,34H,Adamantyl+CH3).
クロロメチルシクロヘキシルエーテルをクロロメチルメチルエーテルに変更した以外は、実施例1と同様にして、目的物である化合物(I−C)を得た。
得られた化合物はNMR測定を行い、以下の結果より構造を同定した。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6):δ(ppm)=5.24(m,4H,OCH2O),3.44−3.47(m,6H,OCH3),2.34−2.54(m,8H,CH2CH2(C=O)),1.15−1.82(m,6H,CH3).
温度計、還流管、攪拌機及び窒素導入管を繋いだフラスコに、窒素雰囲気下で、γ−ブチロラクトン7.2gを入れ、攪拌しながら内温を85℃に上げた。
2.0g(11.8mmol)のモノマー(1)と、2.9g(11.8mmol)のモノマー(2)と、1.4g(5.9mmol)のモノマー(3)とを、43.8gのγ−ブチロラクトンに溶解させた。この溶液に、ラジカル重合開始剤として上記化合物(I−A)1.39gを添加して溶解させた。
この混合溶液を、一定速度で4時間かけて前記フラスコ中に滴下し、その後1時間加熱攪拌し、反応液を室温まで冷却した。
得られた反応重合液を、大量のメタノール/水混合溶液に滴下して重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別し、メタノール/水混合溶液にて洗浄した後、減圧乾燥を経て、目的物である高分子化合物(2)4.7gを得た。
この高分子化合物についてGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は7,700であり、分子量分散度(Mw/Mn)は1.90であった。
また、13C−NMRにより求められた共重合体の組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m/n=35/41/24であった。
高分子化合物(1)、(3)〜(23)は、各高分子化合物を構成する構成単位を誘導する下記モノマー(1)〜(21)を表1、2に示すモル比で用い、かつ、表1、2に示す重合開始剤をそれぞれ用いた以外は、上記実施例4と同様にして製造した。
得られた高分子化合物(1)〜(23)について、使用した重合開始剤、質量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表1、2に併記した。
温度計、還流管、攪拌機及び窒素導入管を繋いだフラスコに、窒素雰囲気下で、γ−ブチロラクトン11.2gを入れ、攪拌しながら内温を85℃に上げた。
3.0g(17.6mmol)のモノマー(1)と、4.4g(17.6mmol)のモノマー(2)と、2.1g(8.8mmol)のモノマー(3)とを、50.0gのγ−ブチロラクトンに溶解させた。この溶液に、ラジカル重合開始剤としてアゾビスイソ酪酸ジメチル(V−601、和光純薬工業(株)製)0.92gを添加して溶解させた。
この混合溶液を、一定速度で4時間かけて前記フラスコ中に滴下し、その後1時間加熱攪拌し、反応液を室温まで冷却した。
得られた反応重合液を、大量のメタノール/水混合溶液に滴下して重合体を析出させる操作を行い、沈殿した白色粉体をろ別し、メタノール/水混合溶液にて洗浄した後、減圧乾燥を経て、目的物である高分子化合物(24)6.5gを得た。
この高分子化合物についてGPC測定により求めた標準ポリスチレン換算の質量平均分子量(Mw)は7,200であり、分子量分散度(Mw/Mn)は1.71であった。
また、13C−NMRにより求められた共重合体の組成比(構造式中の各構成単位の割合(モル比))はl/m/n=36/40/24であった。
高分子化合物(25)は、該高分子化合物を構成する構成単位を誘導する下記のモノマー(1)とモノマー(2)とモノマー(3)とを表3に示すモル比で用い、ラジカル重合開始剤としてACVAを用いた以外は、上記比較例1と同様にして製造した。
高分子化合物(26)〜(38)は、各高分子化合物を構成する構成単位を誘導する下記モノマー(1)〜(21)を表3に示すモル比で用いた以外は、上記比較例1と同様にして製造した。
高分子化合物(39)は、該高分子化合物を構成する構成単位を誘導する下記のモノマー(1)とモノマー(2)とモノマー(3)とを表3に示すモル比で用い、ラジカル重合開始剤として下記化合物(I−D)を用いた以外は、上記比較例1と同様にして製造した。
得られた高分子化合物(24)〜(39)について、使用した重合開始剤、質量平均分子量(Mw)及び分子量分散度(Mw/Mn)を表3に併記した。
表4〜6に示す各成分を混合して溶解することによりレジスト組成物を調製した。
(A)−1〜(A)−39:上記高分子化合物(1)〜(39)。
(B)−1:下記化合物(B)−1。
(B)−2:下記化合物(B)−2。
(D)−1:トリ−n−オクチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(F)−1:下記高分子化合物(F)−1[l=100(モル比)、Mw=22000、Mw/Mn=1.58、ラジカル重合開始剤V−601でラジカル重合して製造された重合体]。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME/シクロヘキサノン=45/30/25(質量比)の混合溶剤。
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC95」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、90秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚90nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、該有機系反射防止膜上に、各例のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で表7、8に示す温度で60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07,Dipole(in/out:0.78/0.97)、w/POLANO)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーン)を介して選択的に照射した。
そして、表7、8に示す温度で60秒間の露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液「NMD−3」(商品名、東京応化工業社製)で10秒間アルカリ現像し、純水を用いて15秒間水リンスし、振り切り乾燥を行った。
続いて、ホットプレート上で100℃、45秒間のポストベークを行った。
その結果、いずれの例においても、ライン幅50nm、ピッチ100nmの1:1ラインアンドスペース(LS)パターンが形成された。
該LSパターンが形成される最適露光量Eop(mJ/cm2;感度)を求めた。その結果を表7、8に併記した。
前記EopでLSパターンのラインがターゲット寸法(ライン幅50nm)の±5%(47.5nm〜52.5nm)の範囲内で形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。その結果を表7、8に示す。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/EOP)×100
E1:ライン幅47.5nmのLSパターンが形成された際の露光量(mJ/cm2)
E2:ライン幅52.5nmのLSパターンを形成された際の露光量(mJ/cm2)
なお、ELマージンは、その値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さいことを示す。
上記レジストパターンの形成と同じ手順に従い、前記Eopにおいて、ライン幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターンと、ライン幅55nm、ピッチ100nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターンとを用いてそれぞれLSパターンを形成し、以下の式からMEFの値を求めた。その結果を表7、8に示す。
MEF=|CD55−CD50|/|MD55−MD50|
上記式中、CD50、CD55は、それぞれ、ライン幅50nm、55mをターゲットとするマスクパターンを用いて形成されたLSパターンの実際のライン幅(nm)である。MD50、MD55は、それぞれ、当該マスクパターンがターゲットとするライン幅(nm)であり、MD50=50nm、MD55=55nmである。
このMEFの値が1に近いほど、マスクパターンに忠実なレジストパターンが形成されたことを示す。
前記Eopで形成されたライン幅50nm、ピッチ100nmのLSパターンにおいて、測長SEM(走査型電子顕微鏡、加速電圧300V、商品名:S−9380、日立ハイテクノロジーズ社製)により、スペース幅を、スペースの長手方向に400箇所測定し、その結果から標準偏差(s)の3倍値(3s)を求め、400箇所の3sについて平均化した値を、LWRを示す尺度として算出した。その結果を表7、8に示す。
この3sの値が小さいほど、その線幅のラフネスが小さく、より均一幅のLSパターンが得られたことを意味する。
前記Eopにおいて形成されたパターンの断面形状を、走査型電子顕微鏡(商品名:SU−8000、日立ハイテクノロジー社製)を用いて観察し、その形状を以下の基準で評価した。その結果を表7、8に示す。
○:矩形性が高く、良好である。
△:ややT−top形状である。
×:トップ形状が丸い。
表9に示す各成分を混合して溶解することによりレジスト組成物を調製した。
(A)−2、(A)−24、(A)−25:上記高分子化合物(2)、(24)、(25)。
(B)−3:下記化合物(B)−3。
(B)−4:下記化合物(B)−4。
(B)−5:下記化合物(B)−5。
(E)−1:サリチル酸。
(F)−2:下記高分子化合物(F)−2[l/m=50/50(モル比)、Mw=27000、Mw/Mn=1.8、ラジカル重合開始剤V−601でラジカル重合して製造された共重合体]。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−3:PGMEA/シクロヘキサノン=90/10(質量比)の混合溶剤。
各例のレジスト組成物を、90℃にて36秒間のヘキサメチルジシラザン(HMDS)処理を施した8インチシリコン基板上に、スピンナーを用いて均一にそれぞれ塗布し、105℃にて60秒間のPAB処理を行ってレジスト膜(膜厚300nm)を成膜した。
次に、ディップ現像方法(現像液:メチルアミルケトン)により各レジスト膜が溶解するまでの時間を計測し、1秒当たりの減少膜厚量(nm/s)を求めた。その結果を表10に「Rmax(nm/s)」として示す。
以下に示すレジスト組成物の処理方法において、オープンフレーム露光の露光量を1〜100mJ/cm2の範囲で変化させた際の、PEB処理後のレジスト膜厚(a)と、PEB及び現像処理後のレジスト膜厚(b)とを、それぞれNanospec 6100A(ナノメトリクス社製)を用いて測定し、露光量に対するレジスト膜厚の減少が収束した値(ほぼ一定となるレジスト膜厚)を求め、該レジスト膜厚(a)と該レジスト膜厚(b)との差(nm)を求めた。その結果を表10に「Rmin(nm)」として示す。
(レジスト組成物の処理方法)
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC95」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、90秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚90nmの有機系反射防止膜を形成した。
そして、該有機系反射防止膜上に、各例のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、105℃、60秒間の条件でPAB処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B[ニコン社製;NA(開口数)=1.07,Dipole(in/out:0.78/0.97)、w/POLANO]により、オープンフレーム露光を行った。そして、110℃、60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にてメチルアミルケトンで13秒間の溶剤現像を行い、振り切り乾燥を行った。
Claims (11)
- 請求項1に記載の化合物からなるラジカル重合開始剤。
- 請求項4又は5に記載の重合体を含有するレジスト組成物。
- 酸の作用により現像液に対する溶解性が変化する基材成分(A)、及び露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)を含有するレジスト組成物であって、
前記基材成分(A)が、請求項4又は5に記載の重合体を含有するレジスト組成物。 - 前記重合体が、酸の作用により極性が増大する酸分解性基を含む構成単位(a1)を有する請求項7に記載のレジスト組成物。
- 前記重合体が、側鎖に−SO2−含有環式基を含む構成単位(a0)を有する請求項8に記載のレジスト組成物。
- 前記重合体が、側鎖に−OH、−COOH、−CN、−SO2NH2及び−CONH2からなる群より選択される少なくとも一種の基を含む構成単位(a3)を有する請求項8又は9に記載のレジスト組成物。
- 請求項6〜10のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、及び前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012173408A JP5978055B2 (ja) | 2011-08-19 | 2012-08-03 | 化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011179795 | 2011-08-19 | ||
JP2011179795 | 2011-08-19 | ||
JP2012173408A JP5978055B2 (ja) | 2011-08-19 | 2012-08-03 | 化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2013060419A JP2013060419A (ja) | 2013-04-04 |
JP5978055B2 true JP5978055B2 (ja) | 2016-08-24 |
Family
ID=48185423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012173408A Active JP5978055B2 (ja) | 2011-08-19 | 2012-08-03 | 化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5978055B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP6075980B2 (ja) * | 2012-06-27 | 2017-02-08 | 富士フイルム株式会社 | パターン形成方法及び該方法に使用するための感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物 |
JP6118576B2 (ja) * | 2013-02-13 | 2017-04-19 | 東京応化工業株式会社 | レジスト組成物、レジストパターン形成方法、化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体 |
JP6617459B2 (ja) * | 2014-07-31 | 2019-12-11 | 住友化学株式会社 | レジスト組成物 |
JP6913031B2 (ja) * | 2015-12-28 | 2021-08-04 | 東洋合成工業株式会社 | ポリマー、感放射線性組成物、化合物及びデバイスの製造方法 |
Family Cites Families (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5030474B2 (ja) * | 2006-05-18 | 2012-09-19 | 丸善石油化学株式会社 | 半導体リソグラフィー用樹脂組成物 |
JP5238400B2 (ja) * | 2008-08-04 | 2013-07-17 | 東京応化工業株式会社 | ポジ型レジスト組成物、レジストパターン形成方法、高分子化合物、化合物 |
-
2012
- 2012-08-03 JP JP2012173408A patent/JP5978055B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2013060419A (ja) | 2013-04-04 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5856441B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法及び高分子化合物 | |
JP5518671B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法、高分子化合物 | |
JP5814072B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法、新規な化合物、酸発生剤 | |
JP5764480B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法及び高分子化合物 | |
JP2013001715A (ja) | 高分子化合物の製造方法、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP2013035942A (ja) | 重合体、レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP5903224B2 (ja) | 化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体、レジスト組成物、レジストパターン形成方法。 | |
JP2013097272A (ja) | レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP5736189B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法、高分子化合物 | |
JP5802394B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法及び高分子化合物 | |
JP5743835B2 (ja) | レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP6006928B2 (ja) | 高分子化合物の製造方法 | |
JP5775783B2 (ja) | レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP5978055B2 (ja) | 化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP2010102333A (ja) | ポジ型レジスト組成物、レジストパターン形成方法、高分子化合物 | |
WO2012173235A1 (ja) | 化合物、ラジカル重合開始剤、化合物の製造方法、重合体、レジスト組成物、レジストパターン形成方法 | |
JP2013040296A (ja) | 重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP5752471B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法、高分子化合物 | |
JP2013003512A (ja) | レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP5707241B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法及び高分子化合物 | |
JP5322711B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物、レジストパターン形成方法 | |
JP6170990B2 (ja) | 化合物 | |
JP2013023594A (ja) | 重合体、レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP2012252077A (ja) | レジスト組成物及びレジストパターン形成方法、並びに、高分子化合物及びその製造方法 | |
JP2013088573A (ja) | Euv用又はeb用レジスト組成物、及びレジストパターン形成方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150618 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160126 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160328 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821 Effective date: 20160329 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160628 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160725 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5978055 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |