JP2011118310A - 感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及びそれを用いたパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】特にArFエキシマレーザー、電子線、X線、EUV等を露光光源とする場合に、ラフネス特性及びドライエッチング耐性に優れたパターンを形成することが可能な感活性光線性または感放射線性樹脂樹脂組成物、及び該組成物を用いたパターン形成方法を提供すること。
【解決手段】活性光線または放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生する部位を含む繰り返し単位(A)を有する樹脂(P)を含み、繰り返し単位(A)が炭素数7以上の芳香環を、少なくとも、該酸アニオン発生部位を有する側鎖上であって該酸アニオン発生部位以外に有することを特徴とする感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、IC等の半導体製造工程、液晶、サーマルヘッド等の回路基板の製造、更にその他のフォトファブリケーション工程に使用される感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及び該組成物を用いたパターン形成方法に関するものである。更に詳しくは、本発明は、250nm以下の遠紫外線や電子線、軟X線などを照射源とする場合に好適な感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物及び該組成物を用いたパターン形成方法に関するものである。
化学増幅レジストは、遠紫外線光等の放射線の照射により露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部の現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成する。
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分とするため、高感度、高解像度で且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
一方、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため上記化学増幅系でも十分ではなかった。
このため、脂環炭化水素構造を含有する種々のArFエキシマレーザー用レジストが開発されている。しかしながら、レジストとしての総合性能の観点から、使用される樹脂、光酸発生剤、添加剤、溶剤等の適切な組み合わせを見い出すことが極めて困難であるのが実情である。
特許文献1では、ポリマー側鎖に光酸発生剤を有する樹脂を用いることにより、パターン形状、ラインエッジラフネス(Line Edge Roughness:LER)を改善できることが記載されている。しかし、液浸プロセスが適用された最新の線幅45nm以下のパターンを形成する世代においては、該先行技術では必ずしも充分ではなく、ラフネス特性の更なる改善が求められている。また、ドライエッチング耐性が十分とは言い難かった。
また、特許文献2では、ポリマー側鎖に光酸発生剤を有する樹脂を用いることにより、高感度、高解像度、良好なLERを達成できることが記載されている。しかし該先行技術では、放射線の照射により発生する酸が低分子化合物であるために、露光後の加熱工程(PEB)における酸の拡散を抑制することが困難であり、LERの改善効果は十分とは言い難かった。
近年では、エキシマレーザー光以外にも、電子線やX線、あるいはEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。また、レジスト組成物による微細加工は、直接に集積回路の製造に用いられるだけでなく、近年ではいわゆるインプリント用モールド構造体の作製等にも適用されている(例えば、特許文献3、4、及び非特許文献1を参照)。そのため、X線、軟X線、電子線を露光光源として使用する場合においても、高感度と、高解像性、良好なパターン形状、良好なラフネス特性を同時に満足させることが重要な課題となっており、これらの解決が必要である。
特開2009−93137号公報 特開2006−215526号公報 特開2004−158287号公報 特開2008−162101号公報
ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開−ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦 フロンティア出版(2006年6月発行)
本発明の目的は、特にArFエキシマレーザー、電子線、X線、EUV等を露光光源とする場合に、ラフネス特性及びドライエッチング耐性に優れたパターンを形成することが可能な感活性光線性または感放射線性樹脂樹脂組成物、及び該組成物を用いたパターン形成方法を提供することである。
本発明は、一態様において以下の通りである。
(1) 活性光線または放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生する部位を含む繰り返し単位(A)を有する樹脂(P)を含み、繰り返し単位(A)が炭素数7以上の芳香環を、少なくとも、該酸アニオン発生部位を有する側鎖上であって該酸アニオン発生部位以外に有することを特徴とする感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(2) 繰り返し単位(A)が下記一般式(I)で表されることを特徴とする(1)に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
Figure 2011118310
一般式(I)において、R11、R12、R13は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基またはアルコキシカルボニル基を表す。
11は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基、あるいは、−Ar−L13−(ここで、Arは2価の芳香環基を表し、L13は、単結合あるいは2価の連結基を表す)を表す。
12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を表す。
11は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、又はこれらの2以上を組み合わせた基を表す。組み合わせた基において、組み合わされる2以上の基は同じであっても異なっていてもよく、また、連結基として−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を介して連結されていてもよい。
12は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、またはこれらの2以上を組み合わせた基を表し、これらの基は、水素原子の一部または全部が、フッ素原子、フッ化アルキル基、ニトロ基、又はシアノ基から選択される置換基で置換されている。組み合わせた基において、組み合わされる2以上の基は同じであっても異なっていてもよく、また、連結基として−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を介して連結されていてもよい。
Ar1は炭素数7以上の芳香環を表す。
11が単結合である場合、R12はAr1と環を形成していてもよく、その場合のR12はアルキレン基を表わす。
1は、活性光線または放射線の照射により分解してスルホン酸基、イミド酸基あるいはメチド酸基となる部位を表す。
(3) 前記炭素数7以上の芳香環が、ナフタレン環であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(4) 樹脂(P)が、更に、酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(B)を有することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(5) 樹脂(P)が、更に、アルカリ現像液の作用により分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位(C)を含有することを特徴とする(1)〜(4)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
(6) (1)〜(5)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
(7) (1)〜(5)のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成すること、該膜を露光すること、露光した膜を現像することを含むことを特徴とするパターン形成方法。
本発明によれば、ArFエキシマレーザー、電子線、X線、EUV等を露光光源とする場合に、ラフネス特性及びドライエッチング体制に優れたパターンを形成することが可能な感活性光線性または感放射線性樹脂樹脂組成物、及び該樹脂組成物を用いたパターン形成方法の提供が可能となった。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書における基(原子団)の表記において、置換及び無置換を記していない表記は置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本発明において「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線、X線、軟X線、電子線等を意味する。また、本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。
また、本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表され遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
<樹脂(P)>
本発明の樹脂(P)は、活性光線または放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生する部位と、炭素数7以上の芳香環とを含む繰り返し単位(A)を有する。
〔繰り返し単位(A)〕
繰り返し単位(A)としては、活性光線または放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生する部位を含む繰り返し単位であり、かつ、かつ、炭素数7以上の芳香環を有する繰り返し単位である。繰り返し単位(A)において、炭素数7以上の芳香環は、少なくとも、酸アニオン発生部位を有する側鎖上であって該酸アニオン発生部位以外に含まれる。
本発明において、上記芳香環の炭素数には、置換基の炭素数は含まれない。炭素数7以上の芳香環としては、特に限定されないが、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、オバレン環などを挙げることができる。また、インドール環、カルバゾール環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、キノリン環、アクリジン環などのヘテロ原子を含む芳香環であってもよい。ArFエキシマレーザーで露光する場合には、193nm領域の吸収低減の観点から、ナフタレン環であることが好ましい。
繰り返し単位(A)としては、下記一般式(I)で表されることがより好ましい。
Figure 2011118310
式(I)において、R11、R12、R13は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基またはアルコキシカルボニル基を表す。
アルキル基は、置換基を有していてもよい直鎖状又は分岐状アルキル基であり、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、特に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R11、R12及びR13におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
1価の脂肪族炭化水素環基としては、置換基を有していてもよい単環型又は多環型の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個で単環型の1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、R11〜R13で挙げたアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基が挙げられる。特に、水酸基、ハロゲン原子が好ましい。
式(I)におけるR11、R12及びR13としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF3)、ヒドロキシメチル基(−CH2−OH)、クロロメチル基(−CH2−Cl)、フッ素原子(−F)が特に好ましい。
11は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基、あるいは、−Ar−L13−(ここで、Arは2価の芳香環基を表し、L13は単結合あるいは2価の連結基を表す)を表す。
12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を表す。
11、X12、X13としての−NR−において、Rにより表わされるアルキル基としては、置換基を有していてもよい直鎖状又は分岐状アルキル基であり、上記R11、R12、R13におけるアルキル基と同様の具体例が挙げられる。Rとして、水素原子、メチル基、エチル基が特に好ましい。
また、2価の窒素含有非芳香族複素環基とは、少なくとも1個の窒素原子を有する、好ましくは3〜8員の非芳香族複素環基を意味し、具体的には、例えば、下記構造の2価の連結基が挙げられる。
Figure 2011118310
11が単結合である場合、R12はAr1と環を形成していてもよく、その場合のR12はアルキレン基を表わす。
11としての−Ar−L13−において、Arにより表される2価の芳香環基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基などの炭素数6〜14の置換基を有していても良いアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができる。
Arとしては、炭素数6〜14の置換基を有していても良いアリーレン基がより好ましく、フェニレン基、ナフチレン基が特に好ましい。
13により表される2価の連結基としては、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、アルキレン基、又は、これらの2以上を組み合わせた基が挙げられる。
13におけるアルキレン基としては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のアルキレン基が好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6個のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜4個のアルキレン基が特に好ましい。
−Ar−L13−としては、例えば、下記構造の基が好ましい例として挙げられる。
Figure 2011118310
11としては、単結合、−COO−、−CONR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、−Ar−L13−がより好ましく、単結合、−COO−、−Ar−L13−が特に好ましい。
12としては、単結合、−O−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、および、これらを組み合わせた基がより好ましく、単結合、−OCO−、−OSO2−が特に好ましい。
13としては、単結合、−O−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、および、これらを組み合わせた基がより好ましく、単結合、−OCO−、−OSO2−が特に好ましい。
11は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、又はこれらの2以上を組み合わせた基を表す。組み合わせた基において、組み合わされる2以上の基は同じであっても異なっていてもよく、また、連結基として−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を介して連結されていてもよい。
11におけるアルキレン基としては、直鎖状であっても分岐状であっても良く、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個を好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6個のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜4個のアルキレン基が特に好ましい。
アルケニレン基としては上記L11で説明したアルキレン基の任意の位置に、二重結合を有する基が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型あるいは多環型のいずれであってもよく、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、ノルボルナニレン基、アダマンチレン基、ジアマンタニレン基等の炭素数3〜17の2価の脂肪族炭化水素環基が好ましい例として挙げられる。炭素数5〜12の2価の脂肪族炭化水素環基がより好ましく、炭素数6〜10の2価の脂肪族炭化水素環基が特に好ましい。
2価の芳香環基としては、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜14の置換基を有していても良いアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができる。
また、−NR−及び2価の窒素含有非芳香族複素環基としては、上述したX11における各々と同様の具体例が挙げられ、好ましい例も同様である。
11としては、単結合、アルキレン基、2価の脂肪族炭化水素環基がより好ましく、単結合、アルキレン基が特に好ましい。
12は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、またはこれらの2以上を組み合わせた基を表し、これらの基は、水素原子の一部または全部が、フッ素原子、フッ化アルキル基、ニトロ基、又はシアノ基から選択される置換基で置換されている。組み合わせた基において、組み合わされる2以上の基は同じであっても異なっていてもよく、また、連結基として−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を介して連結されていてもよい。
12としては、水素原子の一部または全部が、フッ素原子又はフッ化アルキル基(より好ましくはペルフルオロアルキル基)で置換された、アルキレン基、2価の芳香環基、及びこれらを組み合わせた基がより好ましく、少なくとも一部または全部がフッ素原子で置換された、アルキレン基が特に好ましい。L12として、水素原子数の30〜100%がフッ素原子で置換されたアルキレン基が最も好ましい。
12におけるアルキレン基としては、直鎖状であっても分岐状であっても良く、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のアルキレン基が好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6個のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜4個のアルキレン基が特に好ましい。
アルケニレン基としては、上記アルキレン基の任意の位置に、二重結合を有する基が挙げられる。
2価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型あるいは多環型のいずれであっても良く、例えば、シクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、ノルボルナニレン基、アダマンチレン基、ジアマンタニレン基等の炭素数3〜17の2価の脂肪族炭化水素環基が好ましい例として挙げられる。
2価の芳香環基としては、先に記載したL11における連結基としての2価の芳香環基において挙げた具体例と同様の基が挙げられる。
また、L12における連結基の−NR−及び2価の窒素含有非芳香族複素環基としては、上述したX11における各々と同様の具体例が挙げられ、好ましい例も同様である。
以下に、L12の好ましい具体例を示すが、特にこれらに限定されない。
Figure 2011118310
Ar1は炭素数7以上の芳香環を表す。炭素数7以上の芳香環としては、特に限定されないが、例えば、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、オバレン環などを挙げることができる。また、インドール環、カルバゾール環、ベンゾフラン環、ジベンゾフラン環、キノリン環、アクリジン環などのヘテロ原子を含む芳香環であってもよい。ArFエキシマレーザーで露光する場合には、193nm領域の吸収低減の観点から、ナフタレン環であることが特に好ましい。
1は、活性光線または放射線の照射により分解してスルホン酸基、イミド酸基あるいはメチド酸基となる部位を表す。Z1により表わされる部位としては、オニウム塩が好ましく、オニウム塩としては、スルホニウム塩あるいはヨードニウム塩がより好ましく、下記一般式(ZI)〜(ZIII)で表される構造が特に好ましい。
Figure 2011118310
一般式(ZII)及び(ZIII)中、Z1、Z2、Z3、Z4、Z5は、各々独立に、−CO−又は−SO2−を表し、より好ましくは、−SO2−である。
Rz1、Rz2、Rz3は、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アラルキル基を表す。水素原子の一部または全部がフッ素原子又はフルオロアルキル基(より好ましくはペルフルオロアルキル基)で置換された態様がより好ましく、水素原子数の30〜100%がフッ素原子で置換された態様が特に好ましい。
上記アルキル基としては、直鎖状であっても分岐状であっても良く、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等の炭素数1〜8個のアルキル基を好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6個のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4個のアルキル基が特に好ましい。
1価の脂肪族炭化水素環基としては、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基など炭素数3〜10の1価の脂肪族炭化水素環基が好ましく、炭素数3〜6の1価の脂肪族炭化水素環基がより好ましい。
アリール基としては、炭素数6〜18のアリール基が好ましく、炭素数6〜10のアリール基がより好ましく、フェニル基が特に好ましい。
アラルキル基としては、炭素数1〜8のアルキレン基と上記アリール基が結合したアラルキル基が好ましい例として挙げられる。炭素数1〜6のアルキレン基と上記アリール基が結合したアラルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基と上記アリール基が結合したアラルキル基が特に好ましい。
Rz1、Rz2、Rz3としては、水素原子の一部または全部がフッ素原子又はフルオロアルキル基(より好ましくはペルフルオロアルキル基)で置換されたアルキル基がより好ましく、水素原子数の30〜100%がフッ素原子で置換されたアルキル基が特に好ましい。
上記一般式(ZI)〜(ZIII)において、Aは、スルホニウムカチオン又はヨードニウムカチオンを表し、下記一般式(ZA−1)、(ZA−2)で表される構造が好ましい。
Figure 2011118310
一般式(ZA−1)において、R201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。R201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造(縮合環を含む)を形成してもよく、環内に式中の硫黄原子以外に更に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して環構造を形成する場合に当該2つの基が形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)等を挙げることができる。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、一般式(ZA−1)で表わされる基の好ましい基として以下に説明する(ZA−1−1)、(ZA−1−2)、(ZA−1−3)で表される基における対応する基を挙げることができる。特に好ましくは、(ZA−1−1)、(ZA−1−3)で表される基である。
まず、(ZA−1−1)基について説明する。
(ZA−1−1)基は、上記一般式(ZA−1)におけるR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムをカチオンとする基である。
201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基でもよい。
例えば、トリアリールスルホニウム、ジアリールアルキルスルホニウム、アリールジアルキルスルホニウム、ジアリールシクロアルキルスルホニウム、アリールジシクロアルキルスルホニウムに相当する基を挙げることができる。
アリールスルホニウムにおけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましい。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の構造が挙げられる。
アリールスルホニウムが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムが必要に応じて有しているアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15の1価の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基は置換基を有していてもよく、該置換基としてはアルキル基(例えば炭素数1〜15)、1価の脂肪族炭化水素環基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基等を挙げることができる。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12の1価の脂肪族炭化水素環基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
(ZA−1−1)で表わされるより好ましい基としては、トリアリールスルホニウム、下記一般式(ZA−1−1A)、(ZA−1−1B)で表される構造が挙げられる。ArFエキシマレーザーで露光する場合には、193nm領域の吸収低減の観点から、(ZA−1−1B)の構造が特に好ましい。
Figure 2011118310
一般式(ZA−1−1A)中、
1a〜R13aは、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含む置換基であることが好ましい。
Zaは、単結合または2価の連結基である。
一般式(ZA−1−1A)について更に詳細に説明する。
本発明におけるアルコール性水酸基とは、鎖状又は環状アルキル基の炭素原子に結合した水酸基を表す。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、R1a〜R13aは、−W−Yで表される。ただし、Yは、水酸基で置換された鎖状又は環状アルキル基であり、Wは、単結合または2価の連結基である。
Yの鎖状又は環状アルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボニル基、ボロニル基等を挙げることができ、好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基であり、更に好ましくはエチル基、プロピル基、イソプロピル基である。Yは、特に好ましくは−CH2CH2OH構造を含有する。
Wとして好ましくは単結合、もしくは、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基であり、更に好ましくは単結合、もしくは、アシルオキシ基、アルキルスルホニル基、アシル基、アルコキシカルボニル基における任意の水素原子を単結合で置き換えた二価の基である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含む置換基である場合、含まれる炭素数は好ましくは2〜10個であり、更に好ましくは2〜6個であり、特に好ましくは2〜4個である。
1a〜R13aとしてのアルコール性水酸基を含む置換基は、アルコール性水酸基を2つ以上有してもよい。R1a〜R13aとしてのアルコール性水酸基を含む置換基の有するアルコール性水酸基の数としては1個から6個であり、好ましくは1個から3個であり、更に好ましくは1個である。
一般式(ZI−1A)で表される化合物に含まれるアルコール性水酸基の数は、R1a〜R13aすべてあわせて好ましくは1個から10個であり、より好ましくは1個から6個であり、更に好ましくは1個から3個である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルケニル基(シクロアルケニル基、ビシクロアルケニル基を含む)、アルキニル基、アリール基、シアノ基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、スルファモイルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アリールオキシカルボニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、イミド基、シリル基、ウレイド基である。
1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、更に好ましくは水素原子又はハロゲン原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、シアノ基、アルコキシ基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、アミノカルボニルアミノ基、アルコキシカルボニルアミノ基、アルキル及びアリールスルホニルアミノ基、アルキルチオ基、スルファモイル基、アルキル及びアリールスルホニル基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基である。
更に、R1a〜R13aがアルコール性水酸基を含有しない場合、R1a〜R13aは、特に好ましくは水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、アルコキシ基である。
また、R1a〜R13aのうちの隣接する2つが、共同して環(芳香族、又は非芳香族の炭化水素環、又は複素環。これらは、さらに組み合わされて多環縮合環を形成することができる。例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フルオレン環、トリフェニレン環、ナフタセン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環、フェナジン環、が挙げられる。)を形成することもできる。
一般式(ZA−1−1A)中、R1a〜R13aのうち少なくとも1つはアルコール性水酸基を含み、好ましくは、R9a〜R13aのうち少なくとも1つがアルコール性水酸基を含む。
Zaは、単結合または2価の連結基を表し、2価の連結基としては例えば、アルキレン基、アリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、カルボニルオキシ基、カルボニルアミノ基、スルホニルアミド基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、ジスルフィド基、アシル基、アルキルスルホニル基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基、等であり、置換基を有してもよい。これらの置換基としては上のR1a〜R13aに示した置換基と同様である。Zaとして好ましくは単結合、アルキレン基、アリーレン基、エーテル基、チオエーテル基、アミノ基、−CH=CH−、−C≡C−、アミノカルボニルアミノ基、アミノスルホニルアミノ基など電子求引性を持たない置換基であり、更に好ましくは単結合、エーテル基、チオエーテル基であり、特に好ましくは単結合である。
以下に、一般式(ZA−1−1A)で表されるカチオン構造の好ましい具体例を示す。
Figure 2011118310
次に一般式(ZA−1−1B)について説明する。
一般式(ZA−1−1B)中、
15は各々独立して、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基、又はナフチル基を表す。2個のR15は互いに結合して環を形成してもよい。
は−CR21=CR22−、−NR23−、−S−、−O−のいずれかを示す。ここで、R21及びR22はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、又はアリール基を示す。R23は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール又はアシル基を示す。
Rは、複数ある場合は各々独立に、置換基を表す。Rにより表される置換基としては、例えば、一般式(ZA−1−1B)の好ましい態様として以下に説明する一般式(ZI−1)〜(ZI−3)における対応する基を挙げることができる。
nは0〜3の整数を示す。
n1は0〜11の整数を示す。
15、R21〜R23におけるアルキル基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数1〜20の直鎖及び分岐アルキル基であり、アルキル鎖中に酸素原子、硫黄原子、窒素原子を有していてもよい。
なお、置換基を有するアルキル基として、特に直鎖又は分岐アルキル基に1価の脂肪族炭化水素環基が置換した基(例えば、アダマンチルメチル基、アダマンチルエチル基、シクロヘキシルエチル基、カンファー残基など)を挙げることができる。
15、R21〜R23における1価の脂肪族炭化水素環基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数3〜20のシクロアルキル基であり、環内に酸素原子を有していてもよい。
15、R21〜R23におけるアリール基は、置換基を有していてもよく、好ましくは炭素数6〜14のアリール基である。
これらの各基は更に置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、ニトロ基、シアノ基、カルボキシ基、カルボニル基、アルキル基(好ましくは炭素数1〜10)、シクロアルキル基(好ましくは炭素数3〜10)、アリール基(好ましくは炭素数6〜14)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜14)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜20)、アミノアシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜10)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜14)、などが挙げられる。アリール基、シクロアルキル基などにおける環状構造、及びアミノアシル基については、置換基としては更にアルキル基(好ましくは炭素数1〜20)を有していてもよい。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環としては、式(ZA−1−1B)に示された−Sと共に形成する環構造であり、硫黄原子を1個含む5員環、又はそれを含む縮環が好ましい。縮環の場合、硫黄原子を1個と炭素原子を18個以下含むものが好ましく、より好ましくは下記一般式(IV−1)〜(IV−3)で表される環構造である。
式中、*は結合手を表す。Rは任意の置換基を表し、例えばR15、R21〜R23における各基が有していてもよい置換基と同様のものが挙げられる。nは0〜4の整数を表す。nは0〜3の整数を示す。
Figure 2011118310
一般式(ZA−1−1B)で表される化合物のうち、好ましいカチオン構造としては以下のカチオン構造(ZI−1)〜(ZI−3)が挙げられる。
カチオン構造(ZI−1)とは、以下の一般式(ZI−1)で表される構造である。
Figure 2011118310
一般式(ZI−1)中、
13は水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
14は複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、水酸基、又は単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
15は各々独立して、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成してもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
一般式(ZI−1)において、R13、R14及びR15のアルキル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基等を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基、t−ブチル基等がより好ましい。
13、R14及びR15の1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環でも多環でもよく、炭素数3〜12のものが好ましく、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロオクタジエニル、ビシクロヘプチル(ノルボルニル)、アダマンチル等があげられ、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルがより好ましい。
13及びR14のアルコキシ基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基等を挙げることができる。これらのアルコキシ基のうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、n−ブトキシ基等が好ましい。
13のアルコキシカルボニル基としては、直鎖状若しくは分岐状であり、炭素原子数2〜11のものが好ましく、例えばR13、R14及びR15におけるアルキル基がカルボニル基に置換したものが挙げられ、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基、n−デシルオキシカルボニル基等を挙げることができる。これらのアルコキシカルボニル基のうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基等がより好ましい。
13及びR14の単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基としては、例えば、単環もしくは多環のシクロアルキルオキシ基、及び、単環もしくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられる。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキルオキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有することが好ましい。総炭素数7以上の単環のシクロアルキルオキシ基とは、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基、シクロドデカニルオキシ基等のシクロアルキルオキシ基に、任意にメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基等の置換基を有する単環のシクロアルキルオキシ基であって、該シクロアルキル基上の任意の置換基と合わせた総炭素数が7以上のものを表す。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキルオキシ基としては、ノルボルニルオキシ基、トリシクロデカニルオキシ基、テトラシクロデカニルオキシ基、アダマンタンチルオキシ基等が挙げられる。
13及びR14の単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましく、また、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基であることが好ましい。総炭素数7以上の、単環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基とは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロポキシ、sec-ブトキシ、t-ブトキシ、iso−アミルオキシ等のアルコキシ基に上述の置換基を有していてもよい単環シクロアルキル基が置換したものであり、置換基も含めた総炭素数が7以上のものを表す。たとえば、シクロヘキシルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基等が挙げられ、シクロヘキシルメトキシ基が好ましい。
また、総炭素数が7以上の多環のシクロアルキル骨格を有するアルコキシ基としては、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基、トリシクロデカニルメトキシ基、トリシクロデカニルエトキシ基、テトラシクロデカニルメトキシ基、テトラシクロデカニルエトキシ基、アダマンタンチルメトキシ基、アダマンタンチルエトキシ基等が挙げられ、ノルボルニルメトキシ基、ノルボルニルエトキシ基等が好ましい。
14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、直鎖状、分岐状、環状であり、炭素原子数1〜10のものが好ましく、例えばR13、R14及びR15におけるアルキル基がスルホニル基に置換したものが挙げられ、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等を挙げることができる。これらのアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基のうちメタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基、シクロヘキサンスルホニル基等がより好ましい。
lとしては、0又は1が好ましく、1がより好ましい。
rとしては、0〜2が好ましい。
前記、R13、R14、R15の各基は、更に置換基を有していてもよく、有していてもよい置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、iso−アミル基等のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基(単環でも多環でもよく、好ましくは炭素数3〜20、より好ましくは炭素数5〜8のもの)、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基等の置換基を挙げることができる。
前記アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等の炭素原子数1〜20の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシ基等を挙げることができる。
前記アルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、2−エトキシエチル基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシアルキル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、シクロペンチルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニル基等を挙げることができる。
前記アルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基、t−ブトキシカルボニルオキシ基、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素原子数2〜21の直鎖状、分岐状若しくは環状のアルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
2個のR15が互いに結合して形成してもよい環構造としては、2個の2価のR15が一般式(ZI−1)中の硫黄原子と共に5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられ、アリール基または脂肪族炭化水素環基と縮環していてもよい。この2価のR15は置換基を有してもよく、置換基としては、例えば、水酸基、カルボキシル基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基等を挙げることができる。
一般式(ZI−1)におけるR15としては、メチル基、エチル基、ナフチル基、2個のR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基等が好ましい。
13のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、R14のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基は、上記のように置換されていてもよく、置換基としては、水酸基、アルコキシ基、又はアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子(特に、フッ素原子)が好ましい。
以下に、一般式(ZI−1)で表されるカチオン構造の好ましい具体例を示す。
Figure 2011118310
カチオン構造(ZI−2)とは、以下の一般式(ZI−2)で表される構造である。
Figure 2011118310
一般式(ZI−2)中、
I−2は、酸素原子、硫黄原子、又は−NRa−基を表し、Raは、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアシル基を表す。
Ra及びRaは、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、又はナフチル基を表す。Ra及びRaは、互いに結合して環を形成してもよい。
Raは、複数個ある場合には各々独立に、1価の基を表す。
mは、0〜3の整数を表す。
Ra〜Raのアルキル基は、炭素数1〜20の直鎖若しくは分岐状アルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、エイコシル基等を挙げることができる。
Ra〜Raの1価の脂肪族炭化水素環基は、炭素数3〜20の1価の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。
Ra〜Raのアリール基は、炭素数6〜10のアリール基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
Raのアシル基は、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、ピバロイル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
Ra及びRaが互いに結合して形成してもよい環構造としては、一般式(ZI−2)中の硫黄原子と共に5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(例えばテトラヒドロチオフェン環)を形成する基が好ましく、酸素原子を含んでいてもよく、具体的には一般式(ZI−1)中のR15同士が連結して形成しても良い環と同様のものが挙げられる。
Raの1価の基としては、例えば、アルキル基(好ましくは炭素数1〜20)、1価の脂肪族炭化水素環基(好ましくは炭素数3〜20)、アリール基(好ましくは炭素数6〜10)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜20)、アシル基(好ましくは炭素数2〜20)、アシロキシ基(好ましくは炭素数2〜20)、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、水酸基、カルボキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルコキシカルボニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アリールカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基等を挙げることができる。
Raとしてはアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が更に好ましい。
Ra、Raは互いに連結して5〜6員環を構成していることがより好ましい。
Ra〜Raにおける各基は更に置換基を有していてもよく、有していても良い更なる置換基としては、一般式(ZI−1)におけるR13〜R15の各基が有していても良い更なる置換基と同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(ZI−2)で表される化合物におけるカチオンの好ましい具体例を示す。
Figure 2011118310
カチオン構造(ZI−3)とは、以下の一般式(ZI−3)で表される構造である。
Figure 2011118310
一般式(ZI−3)中、R41〜R43はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基又はヒドロキシアルキル基である。
41〜R43としてのアルキル基、アルコキシ基は、式(ZI−1)中、R13〜R15と同様のものが挙げられる。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基の一又は複数の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
n1は0〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
n2は0〜3の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n3は0〜2の整数であり、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
41〜R43における各基は更に置換基を有していてもよく、有していても良い更なる置換基としては、一般式(ZI−1)におけるR13〜R15の各基が有していても良い更なる置換基と同様のものが挙げられる。
以下に、一般式(ZI−4)で表される化合物におけるカチオンの好ましい具体例を示す。
Figure 2011118310
一般式(ZI−1)〜(ZI−3)で表されるカチオン構造のうち、好ましい構造は(ZI−1)及び(ZI−2)であり、更に好ましくは(ZI−1)が挙げられる。
次に、(ZA−1−2)について説明する。
(ZA−1−2)は、一般式(ZA−1)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す基である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソ脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソ脂肪族炭化水素環基である。
201〜R203のアルキル基及び脂肪族炭化水素環基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の脂肪族炭化水素環基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。脂肪族炭化水素環基として、より好ましくは、2−オキソ脂肪族炭化水素環基基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソ脂肪族炭化水素環基は、好ましくは、上記の脂肪族炭化水素環基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
次に、(ZA−1−3)について説明する。
(ZA−1−3)とは、以下の一般式で表される基であり、フェナシルスルフォニウム塩構造を有する基である。
Figure 2011118310
一般式(ZA−1−3)に於いて、R1c〜R5cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、フェニルチオ基又はハロゲン原子を表す。
6c及びR7cは、各々独立に、水素原子、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリル基又はビニル基を表す。
1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyは、それぞれ結合して環構造を形成しても良く、この環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合を含んでいてもよい。R1c〜R5c中のいずれか2つ以上、R6cとR7c、及びRxとRyが結合して形成する基としては、ブチレン基、ペンチレン基等を挙げることができる。
1c〜R7cとしてのアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜20個のアルキル基、好ましくは炭素数1〜12個の直鎖及び分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、直鎖又は分岐プロピル基、直鎖又は分岐ブチル基、直鎖又は分岐ペンチル基)を挙げることができる。
また、R1c〜R7cとしての1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型あるいは多環型のいずれであってもよく、例えば炭素数3〜8個の1価の脂肪族炭化水素環基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基)を挙げることができる。
1c〜R5cとしてのアルコキシ基は、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、例えば炭素数1〜10のアルコキシ基、好ましくは、炭素数1〜5の直鎖及び分岐アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、直鎖又は分岐ペントキシ基)、炭素数3〜8の環状アルコキシ基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基)を挙げることができる。
好ましくは、R1c〜R5cの内のいずれかが直鎖又は分岐アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基又は直鎖、分岐もしくは環状アルコキシ基であり、更に好ましくは、R1c〜R5cの炭素数の和が2〜15である。これにより、より溶剤溶解性が向上し、保存時にパーティクルの発生が抑制される。
x及びRyとしてのアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基は、R1c〜R7cにおけると同様のアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基を挙げることができ、2−オキソアルキル基、2−オキソ脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニルメチル基がより好ましい。
2−オキソアルキル基及び2−オキソ脂肪族炭化水素環基は、R1c〜R7cとしてのアルキル基及び脂肪族炭化水素環基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基については、R1c〜R5cにおけると同様のアルコキシ基を挙げることができる。
x及びRyは、好ましくは炭素数4個以上のアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基であり、より好ましくは6個以上、更に好ましくは8個以上のアルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基である。
x及びRyが互いに結合して形成してもよい環構造としては、2価のRx及びRy(例えば、メチレン基、エチレンキ基、プロピレン基等)が一般式(ZA−1−3)中の硫黄原子と共に形成する5員又は6員の環、特に好ましくは5員の環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)が挙げられる。
次に、一般式(ZA−2)について説明する。
一般式(ZA−2)において、R204及びR205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。
204及びR205のアリール基としては、フェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。R204及びR205のアリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造を有するアリール基としては、例えば、ピロール残基(ピロールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、フラン残基(フランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、チオフェン残基(チオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)、インドール残基(インドールから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾフラン残基(ベンゾフランから水素原子が1個失われることによって形成される基)、ベンゾチオフェン残基(ベンゾチオフェンから水素原子が1個失われることによって形成される基)等を挙げることができる。
204及びR205におけるアルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10の1価の脂肪族炭化水素環基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。
204及びR205のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。R204及びR205のアリール基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基が有していてもよい置換基としては、例えば、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、1価の脂肪族炭化水素環基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜15)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基等を挙げることができる。
一般式(I)の繰り返し単位に対応する重合性モノマー単位について、活性光線または放射線の照射によりカチオンが離脱して生成するスルホン酸、イミド酸、メチド酸単位として、以下に例示する。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
一般式(I)の繰り返し単位に対応する重合性化合物は、一般的なスルホン酸エステル化反応あるいはスルホンアミド化反応を用いることで合成できる。例えば、ビススルホニルハライド化合物の一方のスルホニルハライド部を選択的にアミン、アルコールなどと反応させて、スルホンアミド結合、スルホン酸エステル結合を形成した後、もう一方のスルホニルハライド部分を加水分解する方法、あるいは環状スルホン酸無水物をアミン、アルコールにより開環させる方法により得ることができる。また、US5554664、J.Fluorine Chem. 105(2000)129−136、J.Fluorine Chem. 116(2002)45−48に記載されている方法を用いても容易に合成することができる。
一般式(I)の繰り返し単位に対応する重合性化合物は、上記で合成した有機酸のリチウム、ナトリウム、カリウム塩とヨードニウムあるいはスルホニウムの水酸化物、臭化物、塩化物などから、特表平11−501909号、あるいは特開2003−246786号に記載されている塩交換法や、特開平10−232490号公報あるいは特許第4025039号公報等に記載されている塩交換法を用いて容易に合成できる。
一般式(I)におけるZにより表わされるオニウム塩のカチオンの具体例を以下に示す。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
また下表に一般式(I)の繰り返し単位に対応する重合性化合物(M)の具体例を、カチオン構造(上記例示の(Z−1)〜(Z−60))とアニオン構造(先に例示の(I−1)〜(I−37)おける有機酸の水素原子を除いたアニオン)の組み合わせとして示す。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
樹脂(P)中の繰り返し単位(A)の含有率は、全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜60モル%の範囲であり、さらに好ましくは3〜40モル%の範囲である。
〔繰り返し単位(B)〕
樹脂(P)は、繰り返し単位(A)以外に、酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(B)(以下、「酸分解性基を有する繰り返し単位」と称することがある)を有することが好ましい。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基と又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
繰り返し単位(B)としては、下記一般式(V)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2011118310
一般式(V)において、R51、R52、R53は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R52はL5と結合して環(好ましくは、5員もしくは6員環)を形成していてもよく、その場合のR52はアルキレン基を表わす。
5は、単結合または2価の連結基を表し、R52と環を形成する場合には3価の連結基を表す。
54はアルキル基を表し、R55及びR56は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基または1価の芳香環基を表す。R55及びR56は互いに結合して環を形成してもよい。但し、R55とR56が同時に水素原子であることはない。
一般式(V)について、更に詳細に説明する。
一般式(V)におけるR51〜R53のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、特に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R51〜R53におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型でも、多環型でもよい。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個で単環型の1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
またR52がアルキレン基でありL5と環を形成する場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基が特に好ましい。
式(V)におけるR51、R53としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF3)、ヒドロキシメチル基(−CH2−OH)、クロロメチル基(−CH2−Cl)、フッ素原子(−F)が特に好ましい。R52としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルキレン基(L5と環を形成)がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF3)、ヒドロキシメチル基(−CH2−OH)、クロロメチル基(−CH2−Cl)、フッ素原子(−F)、メチレン基(Lと環を形成)、エチレン基(Lと環を形成)が特に好ましい。
で表される2価の連結基としては、アルキレン基、2価の芳香環基、−COO−L1−、−O−L1−、これらの2つ以上を組み合わせて形成される基等が挙げられる。ここで、L1はアルキレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、アルキレン基と2価の芳香環基を組み合わせた基を表す。
は、単結合、−COO−L1−(L1は炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン、プロピレン基がより好ましい。)または2価の芳香環基で表される基が好ましい。ArFエキシマレーザーで露光する場合には、193nm領域の吸収低減の観点から、単結合、−COO−L1−(L1は炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン、プロピレン基がより好ましい。)であることが好ましい。
54〜R56のアルキル基としては炭素数1〜20のものが好ましく、より好ましくは炭素数1〜10のものであり、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基などの炭素数1〜4のものが特に好ましい。
55及びR56で表される1価の脂肪族炭化水素環基としては、炭素数3〜20のものが好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環性のものであってもよいし、ノルボニル基、アダマンチル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、等の多環性のものであってもよい。
また、R55及びR56が互いに結合して形成される環としては、炭素数3〜20のものが好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環性のものであってもよいし、ノルボニル基、アダマンチル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、等の多環性のものであってもよい。R55及びR56が互いに結合して環を形成する場合、R54は炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
55及びR56で表される1価の芳香環基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。R55及びR56のどちらか一方が水素原子の場合、他方は1価の芳香環基であることが好ましい。
ArFエキシマレーザーで露光する場合には、193nm領域の吸収低減の観点から、R55及びR56は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基であることが好ましい。
一般式(V)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの合成方法としては、一般的な重合性基含有エステルの合成法を適用することが可能であり、特に限定されることはない。
以下に、一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2011118310

Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
また、樹脂(P)は、繰り返し単位(B)として、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を含んでいてもよく、特に電子線、EUVで露光する場合に好ましい。
Figure 2011118310
一般式(VI)中、R61、R62、R63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R62はAr6と結合して環(好ましくは、5員もしくは6員環)を形成していてもよく、その場合のR62はアルキレン基を表わす。
Ar6は、2価の芳香環基を表す。
Yは、複数ある場合は各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
一般式(VI)について更に詳細に説明する。
一般式(VI)におけるR61〜R63のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R61〜R63におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型でも多環型でもよく、好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型の1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
62がアルキレン基を表す場合、アルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
Ar6は、2価の芳香環基を表す。2価の芳香環基は、置換基を有していても良く、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
上述したアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び2価の芳香環基が有し得る置換基としては、上述した一般式(V)におけるR51〜R53により表わされる各基が有し得る置換基と同様の具体例が挙げられる。
nは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、n個中の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
酸の作用により脱離する基Yとしては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−CH(R36)(Ar)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表す。
Arは、1価の芳香環基を表す。
36〜R39、R01及びR02のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02の1価の脂肪族炭化水素環基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、脂肪族炭化水素環基中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01及びR02及びArの1価の芳香環基は、炭素数6〜10の1価の芳香環基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
36とR37とが、互いに結合して形成する環は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8の脂肪族炭化水素環構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20の脂肪族炭化水素環構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等を挙げることができる。尚、脂肪族炭化水素環構造中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02、及びArとしての上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
酸の作用により脱離する基Yとしては、下記一般式(VI−A)で表される構造がより好ましい。
Figure 2011118310
ここで、L1及びL2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基又はアルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよい1価の脂肪族炭化水素環基、ヘテロ原子を含んでいてもよい1価の芳香環基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
Q、M、L1の少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員もしくは6員環)を形成してもよい。
1及びL2としてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
1及びL2としての1価の脂肪族炭化水素環基は、例えば炭素数3〜15個の脂肪族炭化水素環基であって、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等を好ましい例として挙げることができる。
1及びL2としての1価の芳香環基は、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましい例として挙げることができる。
1及びL2としてのアルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基は、例えば、炭素数6〜20であって、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基が挙げられる。
Mとしての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基など)、2価の脂肪族炭化水素環基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基など)、アルケニレン基(例えば、エチレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)、2価の芳香環基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)、−S−、−O−、−CO−、−SO2−、−N(R0)−、およびこれらの複数を組み合わせた2価の連結基である。R0は、水素原子またはアルキル基(例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基など)である。
Qとしてのアルキル基は、上述のL1及びL2としての各基と同様である。
Qとしてのヘテロ原子を含んでいてもよい1価の脂肪族炭化水素環基及びヘテロ原子を含んでいてもよい1価の芳香環基に於ける、ヘテロ原子を含まない肪族炭化水素環基及びへテロ原子を含まない1価の芳香環基としては、上述のL1及びL2としての1価の脂肪族炭化水素環基、及び1価の芳香環基などが挙げられ、好ましくは、炭素数3〜15である。
ヘテロ原子を含む1価の脂肪族炭化水素環基及びヘテロ原子を含む1価の芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール、ピロリドン等のヘテロ環構造を有する基が挙げられるが、一般にヘテロ環と呼ばれる構造(炭素とヘテロ原子で形成される環、あるいはヘテロ原子にて形成される環)であれば、これらに限定されない。
Q、M、L1の少なくとも2つが結合して形成してもよい環としては、Q、M、L1の少なくとも2つが結合して、例えば、プロピレン基、ブチレン基を形成して、酸素原子を含有する5員または6員環を形成する場合が挙げられる。
一般式(VI−A)におけるL1、L2、M、Qで表される各基は、置換基を有していてもよく、例えば、前述のR36〜R39、R01、R02、及びArが有してもよい置換基として挙げたものが挙げられ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
−M−Qで表される基として、炭素数1〜30個で構成される基が好ましく、炭素数5〜20個で構成される基がより好ましい。
以下に繰り返し単位(B)の好ましい具体例として、一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
本発明の樹脂(P)中における繰り返し単位(B)の含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対して、3〜90モル%の範囲が好ましく、5〜80モル%の範囲がより好ましく、7〜70モル%の範囲が特に好ましい。
樹脂中の繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)との比率(Aのモル数/ Bのモル数)は、0.04〜1.0が好ましく、0.05〜0.9がより好ましく、0.06〜0.8が特に好ましい。
〔繰り返し単位(C)〕
樹脂(P)は、さらに、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位(C)を有することが好ましい。
アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基としては、ラクトン構造、フェニルエステル構造などが挙げられる。
繰り返し単位(C)としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 2011118310
一般式(AII)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0として、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂肪族炭化水素環構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。
Ab1は、直鎖又は分岐アルキレン基、単環または多環の脂肪族炭化水素環基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を表す。好ましくはエステル結合を有する基であり、中でもラクトン構造を有する基がより好ましい。
ラクトン構造を有する基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。Vとしては下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基がより好ましい。また、樹脂(P)は、繰り返し単位(C)以外に更にラクトン構造が主鎖に直接結合した繰り返し単位を含有していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)である。
Figure 2011118310
ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7の1価の脂肪族炭化水素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
樹脂(P)中の繰り返し単位(C)の含有率は、全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜60モル%の範囲であり、さらに好ましくは2〜40モル%の範囲である。繰り返し単位(C)は1種類であってもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。特定のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
以下に、樹脂(P)中の繰り返し単位(C)の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。式中、Rxは、H,CH,CHOH,またはCFを表す。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
〔その他の繰り返し単位〕
樹脂(P)は、前述の繰り返し単位(A)、繰り返し単位(B)および繰り返し単位(C)以外の水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を更に有していても良い。これにより基板密着性、現像液親和性を向上させることができる。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 2011118310
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、Rc〜Rcは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、Rc〜Rcの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、Rc〜Rcの内の1つ又は2つが水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、Rc〜Rcの内の2つが水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 2011118310
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、Rcは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
c〜Rcは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、Rc〜Rcと同義である。
ArFエキシマレーザーで露光する場合には、基板密着性、現像液親和性を向上させる目的で、樹脂(P)が水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を有することが好ましく、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、5〜40mol%が好ましく、より好ましくは5〜30mol%、更に好ましくは10〜25mol%である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 2011118310
本発明の樹脂(P)は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を有してもよい。アルカリ可溶性基としてはフェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられる。
ArFエキシマレーザーで露光する場合には、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、更にはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは0〜15mol%、更に好ましくは0〜10mol%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH,CH,CHOH,又はCFを表す。
Figure 2011118310
KrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)で露光する場合には、芳香環基とアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位であることが好ましく、下記一般式(IV)で表される構造がより好ましい。
Figure 2011118310
ここで、R41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R42はArと結合して環(好ましくは5員又は6員環)を形成していてもよく、その場合のR42はアルキレン基を表わす。
Ar4は、2価の芳香環基を表す。nは、1〜4の整数を表す。
式(IV)におけるR41、R42、R43のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、及びアルコキシカルボニル基及びこれらの基が有し得る置換基の具体例としては、一般式(V)における各基と同様の具体例が挙げられる。
Ar4としての2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
上記各基における好ましい置換基としては、一般式(V)におけるR51〜R53で挙げたアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
Arとしては、置換基を有していても良い炭素数6〜18のアリーレン基がより好ましく、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基が特に好ましい。
以下に、芳香環基とアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。式中、aは0〜2の整数表す。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
本発明の樹脂(P)は、更に極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(VII)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2011118310
一般式(VII)中、Rは少なくとも一つの脂環炭化水素構造を有し、水酸基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する脂環炭化水素構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3から12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3から12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護された水酸基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護された水酸基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、たとえばアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
Figure 2011118310
本発明の樹脂(P)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的に必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、
(1)塗布溶剤に対する溶解性、
(2)製膜性(ガラス転移点)、
(3)アルカリ現像性、
(4)膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、
(5)未露光部の基板への密着性、
(6)ドライエッチング耐性、
等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(P)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
本発明の樹脂(P)の形態としては、ランダム型、ブロック型、クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。
樹脂(P)は、例えば、各構造に対応する不飽和モノマーのラジカル、カチオン、又はアニオン重合により合成することができる。また各構造の前駆体に相当する不飽和モノマーを用いて重合した後に、高分子反応を行うことにより目的とする樹脂を得ることも可能である。
例えば、一般的合成方法としては、不飽和モノマー及び重合開始剤を溶剤に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法、加熱溶剤に不飽和モノマーと重合開始剤の溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法などが挙げられ、滴下重合法が好ましい。
重合に使用される溶媒としては、例えば、後述の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を調製する際に使用することができる溶剤等を挙げることができ、より好ましくは本発明の組成物に用いられる溶剤と同一の溶剤を用いて重合することが好ましい。これにより保存時のパーティクルの発生が抑制できる。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。必要に応じて連鎖移動剤(例えば、アルキルメルカプタンなど)の存在下で重合を行ってもよい。
反応の濃度は通常5〜70質量%であり、好ましくは10〜50質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは40〜100℃である。
反応時間は、通常1〜48時間であり、好ましくは1〜24時間、更に好ましくは1〜12時間である。
反応終了後、室温まで放冷し、精製する。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。たとえば、上記樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒(貧溶媒)を、該反応溶液の10倍以下の体積量、好ましくは10〜5倍の体積量で、接触させることにより樹脂を固体として析出させる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの中でも、沈殿又は再沈殿溶媒として、少なくともアルコール(特に、メタノールなど)又は水を含む溶媒が好ましい。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、更に好ましくは300〜1000質量部である。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行うことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させてもよい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、該ポリマーが難溶あるいは不溶の溶媒を接触させ、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aに、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒を、樹脂溶液Aの10倍未満の体積量(好ましくは5倍以下の体積量)で、接触させることにより樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
重合反応は窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。重合開始剤としては市販のラジカル開始剤(アゾ系開始剤、パーオキサイドなど)を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ジメチル2,2‘−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。所望により開始剤を追加、あるいは分割で添加し、反応終了後、溶剤に投入して粉体あるいは固形回収等の方法で所望のポリマーを回収する。反応の濃度は5〜50質量%であり、好ましくは10〜30質量%である。反応温度は、通常10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃、更に好ましくは60〜100℃である。
本発明に係わる樹脂(P)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜60000の範囲であることがより好ましく、2000〜30000の範囲であることが特に好ましい。重量平均分子量を1000〜100000の範囲とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:THFあるいはN−メチル−2−ピロリドン(NMP))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
また分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜5.00、より好ましくは1.03〜3.50であり、更に好ましくは、1.05〜2.50である。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の樹脂(P)は、1種類単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂(P)の含有率は、本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物中の全固形分を基準にして、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、70〜100質量%が特に好ましい。
樹脂(P)のより好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2011118310
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本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物には、必要に応じて更に、酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂、酸の作用により分解する基を有さない樹脂、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(従来型の光酸発生剤)、疎水性樹脂(HR)、塩基性化合物、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物、界面活性剤、酸の作用により分解しカルボン酸よりも強い酸を生成する物質等を含有させることができる。本発明の組成物が含有し得る各成分について以下に説明する。
<酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂>
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物は、樹脂(P)以外に、酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂を含有していてもよい。
酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」ともいう)は、樹脂の主鎖又は側鎖、或いは、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)を有する樹脂である。この内、酸分解性基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
酸分解性樹脂は、欧州特許254853号明細書、特開平2−25850号公報、同3−223860号公報、同4−251259号公報等に開示されているように、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前駆体を反応させる、もしくは、酸で分解し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合して得ることができる。
酸分解性基としては、例えば、−COOH基、−OH基などのアルカリ可溶性基を有する樹脂において、左記のアルカリ可溶性基の水素原子を酸の作用により脱離する基で置換した基が好ましい。
酸分解性基として具体的には、前述した本発明の樹脂(P)で説明した酸分解性基(例えば、樹脂(P)における繰り返し単位(B)として説明した酸分解性基)と同様の基を好ましい例として挙げることができる。
前記アルカリ可溶性基を有する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(o−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、下記構造で表される置換基を有するポリ(ヒドロキシスチレン)類、およびフェノール性水酸基を有する樹脂、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、水素化ノボラック樹脂等のヒドロキシスチレン構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、(メタ)アクリル酸、ノルボルネンカルボン酸などのカルボキシル基を有する繰り返し単位を含有するアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
Figure 2011118310
これらアルカリ可溶性樹脂のアルカリ溶解速度は、2.38質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)で測定(23℃)して17nm/秒以上が好ましい。特に好ましくは33nm/秒以上である。
酸で分解し得る基の含有率は、樹脂中の酸で分解し得る基を有する繰り返し単位の数(X)と酸で脱離する基で保護されていないアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の数(Y)をもって、X/(X+Y)で表される。含有率は、好ましくは0.01〜0.7、より好ましくは0.05〜0.50、更に好ましくは0.05〜0.40である。
酸分解性樹脂の分子量、分散度の好ましい範囲は、樹脂(P)と同様である。
酸分解性樹脂は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物において、樹脂(P)を除く酸分解性樹脂の組成物中の配合量は、組成物の全固形分中0〜70質量%が好ましく、より好ましくは0〜50質量%、更に好ましくは0〜30質量%である。
<酸の作用により分解する基を有さない樹脂(B2)>
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物は、酸の作用により分解する基を有さない樹脂(B2)を含有してもよい。
「酸の作用により分解する基を有さない」とは、本発明の組成物が通常用いられる画像形成プロセスにおいて酸の作用による分解性が無いか又は極めて小さく、実質的に酸分解による画像形成に寄与する基(例えば前記樹脂(P)における酸分解性基)を有さないことである。このような樹脂としてアルカリ可溶性基を有する樹脂、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液への溶解性が向上する基(b)を有する樹脂があげられる。
樹脂(B2)としては(メタ)アクリル酸誘導体及び/又は脂環オレフィン誘導体から導かれる繰り返し単位を少なくとも1種有する樹脂が好ましい。
樹脂(B2)に含有されるアルカリ可溶性基としては、樹脂(P)の酸分解性基において説明したものと同様のものが挙げられる。例えば、カルボキシル基、フェノール性水酸基、1位又は2位が電子求引性基で置換された脂肪族水酸基、電子求引性基で置換されたアミノ基(例えばスルホンアミド基、スルホンイミド基、ビススルホニルイミド基)、電子求引性基で置換されたメチレン基又はメチン基(例えばケトン基、エステル基から選ばれる少なくとも2つで置換されたメチレン基、メチン基)が好ましい。
電子求引性基としては、例えば、ハロゲン原子(好ましくはフッ素原子)、シアノ基、オキシ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、ニトリル基、ニトロ基、スルホニル基、スルフィニル基、及びこれらの組み合わせをあげることができる。
樹脂(B2)に含有される(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、ラクトン基、酸無水物基が好ましく、より好ましくはラクトン基である。(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する繰り返し単位として、具体的には、樹脂(P)におけるラクトン基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
樹脂(B2)には上記以外の他の官能基を有する繰り返し単位を有してもよい。他の官能基を有する繰り返し単位としては、ドライエッチング耐性、親疎水性、相互作用性などを考慮し、適当な官能基を導入することができる。
他の繰り返し単位としては水酸基、シアノ基、カルボニル基、エステル基などの極性官能基を有する繰り返し単位、単環又は、多環環状炭化水素構造を有する繰り返し単位、シリコン原子、ハロゲン原子、フロロアルキル基を有する繰り返し単位又はこれらの複数の官能基を有する繰り返し単位を挙げることができる。
樹脂(B2)として好ましくは、繰り返し単位のすべてが(メタ)アクリレート系繰り返し単位で構成されたものである。この場合、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがアクリレート系繰り返し単位であるもの、繰り返し単位のすべてがメタクリレート系繰り返し単位とアクリレート系繰り返し単位とによるもののいずれのものでも用いることができるが、アクリレート系繰り返し単位が全繰り返し単位の50mol%以下であることが好ましい。
好ましい樹脂(B2)の具体例を以下に示す。
Figure 2011118310
樹脂(B2)の含有率は樹脂(P)に対し好ましくは0〜30質量%であり、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%である。
樹脂(B2)の分子量、分散度の好ましい範囲は、樹脂(P)と同様である。
樹脂(B2)は、市販のものを使用することも可能であるし、樹脂(P)と同様に合成したものを使用することもできる。
<活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(低分子の光酸発生剤)>
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物では、光酸発生構造を有する樹脂(P)を含有しているが、樹脂(P)以外に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する低分子の化合物(以下、「酸発生剤」又は「光酸発生剤」ともいう)を含有してもよい。
そのような酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
光酸発生剤の好ましい例としては、下記一般式(ZI)、(ZII)及び(ZIII)により表される化合物が挙げられる。
Figure 2011118310
上記一般式(ZI)中、R201、R202及びR203は、前述の一般式(ZA−1)におけるR201、R202及びR203と同義である。
は、非求核性アニオンを表す。Xとしては、例えば、スルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF 、PF 及びSbF が挙げられる。Xは、好ましくは、炭素原子を含んだ有機アニオンである。好ましい有機アニオンとしては、例えば、下記一般式AN1〜AN3に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 2011118310
式AN1〜AN3中、Rc〜Rcは、各々独立に、有機基を表す。この有機基としては、例えば、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、アリール基、又はこれらの複数が単結合により、あるいは連結基を介して連結された基である。なお、この連結基としては、例えば、−O−、−CO−、−S−、−SO3−及び−SO2N(Rd1)−が挙げられる。ここで、Rd1は水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基又はアリール基と環構造を形成してもよい。
Rc〜Rcの有機基は、1位がフッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたアルキル基、又は、フッ素原子若しくはフルオロアルキル基で置換されたフェニル基であってもよい。フッ素原子又はフルオロアルキル基を含有させることにより、光照射によって発生する酸の酸性度を上昇させることが可能となる。これにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の感度を向上させることができる。なお、Rc〜Rcは、他のアルキル基及びアリール基等と結合して、環構造を形成していてもよい。
また、好ましいX-として、下記一般式(SA1)又は(SA2)により表されるスルホン酸アニオンが挙げられる。
Figure 2011118310
式(SA1)中、
Arは、アリール基を表し、−(D−B)基以外の置換基を更に有していてもよい。
nは、1以上の整数を表す。nは、好ましくは1〜4であり、より好ましくは2〜3であり、最も好ましくは3である。
Dは、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基は、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、スルホキシド基、スルホン基、スルホン酸エステル基又はエステル基である。
Bは、炭化水素基を表す。
Figure 2011118310
式(SA2)中、
Xfは、各々独立に、フッ素原子、又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。
及びRは、各々独立に、水素原子、フッ素原子、アルキル基、及び、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基から選ばれる基を表し、複数存在する場合のR及びRの各々は、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Lは、単結合又は2価の連結基を表し、複数存在する場合のLは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Eは、環状構造を有する基を表す。
xは1〜20の整数を表し、yは0〜10の整数を表し、zは0〜10の整数を表す。
まず、式(SA1)により表されるスルホン酸アニオンについて、詳しく説明する。
式(SA1)中、Arは、好ましくは、炭素数6〜30の芳香族環である。具体的には、Arは、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ペンタレン環、インデン環、アズレン環、ヘプタレン環、インデセン環、ペリレン環、ペンタセン環、アセタフタレン環、フェナントレン環、アントラセン環、ナフタセン環、クリセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、ビフェニル環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、インドリジン環、インドール環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、イソベンゾフラン環、キノリジン環、キノリン環、フタラジン環、ナフチリジン環、キノキサリン環、キノキサゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、フェナントリジン環、アクリジン環、フェナントロリン環、チアントレン環、クロメン環、キサンテン環、フェノキサチイン環、フェノチアジン環又はフェナジン環である。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、ベンゼン環、ナフタレン環又はアントラセン環が好ましく、ベンゼン環がより好ましい。
Arが−(D−B)基以外の置換基を更に有している場合、この置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、この置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオキシ基、エチルチオキシ基及びtert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基;フェニルチオキシ基及びp−トリルチオキシ基等のアリールチオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基、ドデシル基及び2―エチルヘキシル基等の直鎖アルキル基;分岐鎖アルキル基;ビニル基、プロペニル基及びヘキセニル基等のアルケニル基;アセチレン基;プロピニル基及びヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;並びにスルホン酸基が挙げられる。中でも、ラフネス改良の観点から、直鎖アルキル基及び分岐鎖アルキル基が好ましい。
式(SA1)中、Dは、好ましくは、単結合であるか、又は、エーテル基若しくはエステル基である。より好ましくは、Dは、単結合である。
式(SA1)中、Bは、例えば、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基である。Bは、好ましくは、アルキル基又はシクロアルキル基である。Bとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。
Bとしてのアルキル基は、好ましくは、分岐鎖アルキル基である。この分岐鎖アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、tert−ブチル基、tert−ペンチル基、ネオペンチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、イソヘキシル基、3,3−ジメチルペンチル基及び2−エチルヘキシル基が挙げられる。
Bとしてのシクロアルキル基は、単環のシクロアルキル基であってもよく、多環のシクロアルキル基であってもよい。単環のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられる。多環のシクロアルキル基としては、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボルニル基、カンフェニル基、デカヒドロナフチル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、カンホロイル基、ジシクロヘキシル基及びピネニル基が挙げられる。
Bとしてのアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はシクロアルキル基が置換基を有している場合、この置換基としては、例えば、以下のものが挙げられる。即ち、この置換基として、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基及びtert−ブトキシ基等のアルコキシ基;フェノキシ基及びp−トリルオキシ基等のアリールオキシ基;メチルチオキシ基、エチルチオキシ基及びtert−ブチルチオキシ基等のアルキルチオキシ基;フェニルチオキシ基及びp−トリルチオキシ基等のアリールチオキシ基;メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基及びフェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;アセトキシ基;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘプチル基、ヘキシル基及びドデシル基等の直鎖アルキル基;2―エチルヘキシル基等の分岐鎖アルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;ビニル基、プロペニル基及びヘキセニル基等のアルケニル基;アセチレン基;プロピニル基及びヘキシニル基等のアルキニル基;フェニル基及びトリル基等のアリール基;ヒドロキシ基;カルボキシ基;スルホン酸基;並びにカルボニル基が挙げられる。中でも、ラフネス改良と高感度化との両立の観点から、直鎖アルキル基及び分岐鎖アルキル基が好ましい。
次に、式(SA2)により表されるスルホン酸アニオンについて、詳しく説明する。
式(SA2)中、Xfは、フッ素原子であるか、又は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基である。このアルキル基としては、炭素数が1〜10のものが好ましく、炭素数が1〜4のものがより好ましい。また、フッ素原子で置換されたアルキル基は、パーフルオロアルキル基であることが好ましい。
Xfは、好ましくは、フッ素原子又は炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基である。具体的には、Xfは、好ましくは、フッ素原子、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH又はCHCHである。中でも、フッ素原子又はCFが好ましく、フッ素原子が最も好ましい。
式(SA2)中、R及びRの各々は、水素原子、フッ素原子、アルキル基、及び、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基から選ばれる基である。フッ素原子で置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜4のものが好ましい。また、フッ素原子で置換されたアルキル基としては、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基が特に好ましい。具体的には、CF、C、C、C、C11、C13、C15、C17、CHCF、CHCHCF、CH、CHCH、CH、CHCH、CH及びCHCHが挙げられ、中でもCFが好ましい。
式(SA2)中、xは1〜8が好ましく、1〜4がより好ましい。yは0〜4が好ましく、0がより好ましい。zは0〜8が好ましく、0〜4がより好ましい。
式(SA2)中、Lは、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−、−SO−、アルキレン基、シクロアルキレン基及びアルケニレン基が挙げられる。中でも、−COO−、−OCO−、−CO−、−O−、−S−、−SO−又は−SO−が好ましく、−COO−、−OCO−又は−SO−がより好ましい。
式(SA2)中、Eは、環状構造を有する基を表す。環状構造を有する基としては、例えば、環状脂肪族基、アリール基及び複素環状構造を有する基等が挙げられる。
Eとしての環状脂肪族基は、単環構造を有していてもよく、多環構造を有していてもよい。単環構造を有した環状脂肪族基としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基等の単環のシクロアルキル基が好ましい。多環構造を有した環状脂肪族基としては、ノルボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基及びアダマンチル基等の多環のシクロアルキル基が好ましい。特には、Eとして6員環以上のかさ高い構造を有する環状脂肪族基を採用した場合、PEB(露光後加熱)工程での膜中拡散性が抑制され、解像力及びEL(露光ラチチュード)を更に向上させることが可能となる。
Eとしてのアリール基は、例えば、フェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、又はアントリル基である。
Eとしての複素環状構造を有する基は、芳香族性を有していてもよく、芳香族性を有していなくてもよい。この基に含まれているヘテロ原子としては、窒素原子又は酸素原子が好ましい。複素環構造の具体例としては、フラン環、チオフェン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、ピリジン環、ピペリジン環及びモルホリン環等が挙げられる。中でも、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピペリジン環及びモルホリン環が好ましい。
Eは、置換基を有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基(直鎖、分岐鎖及び環状の何れであってもよく、炭素数1〜12が好ましい)、アリール基(炭素数6〜14が好ましい)、ヒドロキシ基、アルコキシ基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレイド基、チオエーテル基、スルホンアミド基及びスルホン酸エステル基が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)により表される構造を複数有する化合物を使用してもよい。例えば、一般式(ZI)により表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)により表されるもう1つの化合物のR201〜R203の少なくとも1つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
以下、一般式(ZII)及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。これらアリール基、アルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。
204〜R207としてのアリール基、アルキル基、及び1価の脂肪族炭化水素環基の好ましい例としては、先に一般式(ZA−2)におけるR204及びR205について列挙したのと同様の基が挙げられる。
なお、一般式(ZII)におけるXは、一般式(ZI)におけるXと同義である。
光酸発生剤の他の好ましい例として、下記一般式(ZIV)、(ZV)又は(ZVI)により表される化合物が挙げられる。
Figure 2011118310
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、置換又は無置換のアリール基を表す。
208は、一般式(ZV)と(ZVI)とで各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表している。これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換されていてもよい。
これら基は、フッ素原子により置換されていることが好ましい。フッ素原子が置換することにより、光酸発生剤が発生する酸の強度を高めることが可能となる。
209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。これらアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子吸引性基は、置換されていてもよい。
好ましいR209としては、置換又は無置換のアリール基が挙げられる。
好ましいR210としては、電子吸引性基が挙げられる。この電子吸引性基としては、好ましくは、シアノ基及びフルオロアルキル基が挙げられる。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。これらアルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
なお、光酸発生剤として、一般式(ZVI)により表される構造を複数有する化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、一般式(ZVI)により表される化合物のR209又はR210と、一般式(ZVI)により表されるもう一つの化合物のR209又はR210とが互いに結合した構造を有する化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)〜(ZIII)により表される化合物がより好ましく、一般式(ZI)により表される化合物が更に好ましく、中でも一般式(ZI)中のカチオン構造が、前掲の一般式(ZI−1)〜(ZI−3)で表される構造の化合物が特に好ましい。
以下に、光酸発生剤の具体例を示す。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物において、光酸発生構造を有する樹脂(P)以外に、酸発生剤を用いる場合には、酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸発生剤の組成物中の含量は、本発明の組成物の全固形分を基準として、0〜20質量%が好ましく、より好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜7質量%である。酸発生剤は、本発明において必須成分ではないが、添加の効果を得る上では、通常0.01質量%以上で使用される。
<疎水性樹脂(HR)>
本発明に係る組成物は、疎水性樹脂を更に含んでいてもよい。疎水性樹脂を更に含有させると、この組成物を用いて形成した膜の表層に疎水性樹脂が偏在化し、液浸液として水を使用した場合の液浸液に対する膜の後退接触角を向上させることが可能となる。これにより、膜の液浸液追随性を向上させることができる。
疎水性樹脂は、典型的には、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含んでいる。これらフッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、この樹脂は、フッ素原子を含んだ部分構造として、フッ素原子を含んだアルキル基、フッ素原子を含んだ1価の脂肪族炭化水素環基、又はフッ素原子を含んだアリール基を備えていることが好ましい。
フッ素原子を含んだアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐鎖アルキル基である。このアルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがより好ましい。このフッ素原子を含んだアルキル基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだ1価の脂肪族炭化水素環基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環式又は多環式の1価の脂肪族炭化水素環基である。このフッ素原子を含んだシクロアルキル基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだアリール基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基である。このアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。このフッ素原子を含んだアリール基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだアルキル基、フッ素原子を含んだ1価の脂肪族炭化水素環基及びフッ素原子を含んだアリール基の好ましい例として、下記一般式(F2)〜(F4)により表される基が挙げられる。
Figure 2011118310
一般式(F2)〜(F4)中、R57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R62〜R64のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R65〜R68のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。これらアルキル基は、炭素数が1〜4であることが好ましい。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。
62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。なお、R62とR63とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
一般式(F2)により表される基としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、及び3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基が挙げられる。
一般式(F3)により表される基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、及びパーフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。これらのうち、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基又はパーフルオロイソペンチル基がより好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基又はヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)により表される基としては、例えば、−C(CF32OH、−C(C252OH、−C(CF3)(CH3)OH、及び−CH(CF3)OHが挙げられる。これらのうち、−C(CF32OHが特に好ましい。
以下に、フッ素原子を含んだ繰り返し単位の具体例を示す。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。X2は、−F又は−CF3を表す。
Figure 2011118310
疎水性樹脂がケイ素原子を含んでいる場合、この樹脂は、ケイ素原子を含んだ部分構造として、アルキルシリル構造又は環状シロキサン構造を備えていることが好ましい。このアリキルシリル構造は、好ましくは、トリアルキルシリル基を含んだ構造である。
アルキルシリル構造及び環状シロキサン構造の好ましい例として、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)により表される基が挙げられる。
Figure 2011118310
一般式(CS−1)〜(CS−3)中、R12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。このアルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましい。この1価の脂肪族炭化水素環基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、又はこれらの組合せが挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
以下に、一般式(CS−1)〜(CS−3)により表される基を備えた繰り返し単位の具体例を挙げる。具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
Figure 2011118310
疎水性樹脂は、下記(x)乃至(z)からなる群より選択される少なくとも1つの基を更に含んでいてもよい。
(x)アルカリ可溶性基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基
(z)酸分解性基
(x)アルカリ可溶性基としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基が挙げられる。好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基、スルホンイミド基及びビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。好ましいフッ素化アルコール基としては、ヘキサフルオロイソプロパノール基が挙げられる。
アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位は、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸による繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、アルカリ可溶性基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、アルカリ可溶性基を備えた重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位にを基準として、1〜50モル%であることが好ましく、3〜35モル%であることがより好ましく、5〜20モル%であることが更に好ましい。
以下に、アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位の具体例を示す。
Figure 2011118310
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、例えば、ラクトン構造を備えた基、酸無水物基、及び酸イミド基が挙げられる。これらのうち、ラクトン構造を備えた基が特に好ましい。
この基を含んだ繰り返し単位は、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接この基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、この基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、この基を備えた重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を備えた繰り返し単位としては、例えば、前述の繰り返し単位(C)と同様のものが挙げられる。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜40モル%であることが好ましく、3〜30モル%であることがより好ましく、5〜15モル%であることが更に好ましい。
(z)酸分解性基としては、例えば、前述の繰り返し単位(B)の項で説明したのと同様のものが挙げられる。
酸分解性基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜80モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂は、下記一般式(III)により表される繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
Figure 2011118310
一般式(III)中、Rc31は、水素原子、アルキル基、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。ここで、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
c31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を含んだ基を表す。これら基は、フッ素原子及び/又はケイ素原子で置換されていてもよい。
c32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基であることが好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
アルケニル基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アリール基は、炭素数6〜20であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
c32は、無置換のアルキル基又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基であることが好ましい。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、例えば、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、及びエステル結合(−COO−により表される基)が挙げられる。
疎水性樹脂は、下記一般式(CII−AB)により表される繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
Figure 2011118310
式(CII−AB)中、
c11'及びRc12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。Zc’は、Rc11'及びRc12'が結合している2つの炭素原子(C−C)と共に脂環式構造を形成するために必要な原子団を表す。
以下に、一般式(III)又は(CII−AB)により表される繰り返し単位の具体例を挙げる。具体例中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。
Figure 2011118310
以下に、疎水性樹脂の具体例を挙げる。また、下記表2に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、及び分散度を纏める。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
疎水性樹脂は、少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位を含み且つフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含んだ樹脂であることが好ましい。疎水性樹脂としてこのような樹脂を用いると、現像欠陥を更に低減させることが可能となる。なお、上記のフッ素原子は、極性変換基における電子吸引性基としてのフッ素原子であってもよく、それ以外のフッ素原子であってもよい。
なお、ここで「極性変換基」とは、アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基であり、例えば、後掲の一般式(KA−1)及び(KB−1)において「−COO−」により表されている部分がこれに該当する。但し、樹脂の主鎖に直接結合しているエステル基(例えば、アクリレートにおけるエステル基)は、アルカリ現像液の作用により溶解度を増大させる能力が低いため、「極性変換基」には含まれないこととする。
極性変換基は、アルカリ現像液の作用により分解し、その極性が変化する。これにより、アルカリ現像後の膜と液浸液としての水との後退接触角を更に小さくすることが可能となる。
アルカリ現像後の膜と水との後退接触角は、温度23±3℃及び湿度45±5%の条件下で50°以下であることが好ましく、40°以下であることがより好ましく、35°以下であることが更に好ましく、30°以下であることが最も好ましい。
なお、後退接触角とは、液滴−基板界面での接触線が後退する際に測定される接触角であり、動的な状態での液滴の移動しやすさをシミュレートする際に有用であることが一般に知られている。簡易的には、針先端から吐出した液滴を基板上に着滴させた後、その液滴を再び針へと吸い込んだ際に、液滴の界面が後退するときの接触角として定義できる。この後退接触角は、拡張収縮法と呼ばれる方法を用いて測定することができる。
疎水性樹脂が少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位を含み且つフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含んだ樹脂である場合、この樹脂は、1つの側鎖上に、少なくとも2つの極性変換基とフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方との双方を備えた繰り返し単位を含んでいることが好ましい。即ち、この疎水性樹脂は、複数の極性変換基を備えた側鎖上にフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した繰り返し単位を含んでいることが好ましい。
或いは、この場合、疎水性樹脂は、少なくとも2つの極性変換基を備え且つフッ素原子及びケイ素原子を含有していない繰り返し単位と、フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有している繰り返し単位とを含んでいてもよい。
或いは、この場合、疎水性樹脂は、1つの側鎖上に少なくとも2つの極性変換基を備え、且つ、同一繰り返し単位内の他の側鎖上にフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した繰り返し単位を含んでいてもよい。この場合、極性変換基を備えた側鎖とフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した側鎖とは、主鎖の炭素原子を介してα位の位置関係にあることが好ましい。即ち、これら側鎖が、下記式(4)に示す位置関係にあることが好ましい。式中、B1は極性変換基を備えた側鎖を表し、B2はフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した側鎖を表す。
Figure 2011118310
上記の極性変換基を含んだ側鎖は、下記一般式(KA−1)又は(KB−1)により表される部分構造を含んでいることが好ましく、下記一般式(KA−1)により表される部分構造を含んでいることがより好ましい。
Figure 2011118310
一般式(KA−1)中、
ka1は、nka≧2の場合には各々独立して、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、エーテル基、ヒドロキシ基、アミド基、アリール基、ラクトン環基、又は電子吸引性基を表す。nka≧2の場合、複数のZka1が互いに結合して、環を形成していてもよい。この環としては、例えば、1価の脂肪族炭化水素環、並びに、環状エーテル環及びラクトン環等のヘテロ環が挙げられる。
nkaは0〜10の整数を表す。nkaは、好ましくは0〜8であり、より好ましくは0〜5であり、さらに好ましくは1〜4であり、特に好ましくは1〜3である。
なお、一般式(KA−1)により表される構造は、この構造中に含まれる少なくとも1つの水素原子を除いてなる1価以上の置換基を表す。
一般式(KB−1)中、Xkb1及びXkb2は、各々独立して、電子吸引性基を表す。
nkb及びnkb’は、各々独立して、0又は1を表す。なお、nkb=nkb’=0の場合、Xkb1及びXkb2は、エステル基(−COO−)と直結している。
kb1〜Rkb4は、各々独立して、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、又は電子吸引性基を表す。Rkb1、Rkb2及びXkb1の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。また、Rkb3、Rkb4及びXkb2の少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
kb3、Rkb4及びXkb2の少なくとも2つが互いに結合して形成し得る環としては、好ましくは、1価の脂肪族炭化水素環基及びヘテロ環基が挙げられる。このヘテロ環基としては、ラクトン環基が特に好ましい。このラクトン環としては、例えば、後掲の式(KA−1−1)〜(KA−1−17)により表されるものが挙げられる。
なお、Xkb1及びXkb2の双方が1価の置換基である場合、一般式(KB−1)により表される構造は、この構造中に含まれる少なくとも1つの水素原子を除いてなる1価以上の置換基を表す。
一般式(KB−1)により表される部分構造では、電子吸引性基がエステル基に近接して存在している。それゆえ、この部分構造は、優れた極性変換能を発揮し得る。
ka1は、好ましくは、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、エーテル基、ヒドロキシ基又は電子吸引性基であり、より好ましくは、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基又は電子吸引性基である。なお、エーテル基としては、アルキルエーテル基又はシクロアルキルエーテル基が好ましい。
ka1のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基は、置換基を更に有していてもよい。
直鎖アルキル基は、炭素数が1〜30であることが好ましく、炭素数が1〜20であることがより好ましい。このような直鎖アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基及びn−デカニル基が挙げられる。
分岐鎖アルキル基は、炭素数が3〜30であることが好ましく、炭素数が3〜20であることがより好ましい。このような分岐鎖アルキル基としては、例えば、i−プロピル基、i−ブチル基、t−ブチル基、i−ペンチル基、t−ペンチル基、i−ヘキシル基、t−ヘキシル基、i−ヘプチル基、t−ヘプチル基、i−オクチル基、t−オクチル基、i−ノニル基及びt−デカノイル基が挙げられる。
ka1のアルキル基は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基及びt−ブチル基等の炭素数が1〜4のものであることが好ましい。
ka1の1価の脂肪族炭化水素環基は、単環型であってもよく、多環型であってもよい。後者の場合、1価の脂肪族炭化水素環基は、有橋式であってもよい。即ち、この場合、シクロアルキル基は、橋かけ構造を有していてもよい。なお、1価の脂肪族炭化水素環基中の炭素原子の一部は、酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
単環型の1価の脂肪族炭化水素環基としては、炭素数が3〜8のものが好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基及びシクロオクチル基が挙げられる。
多環型の1価の脂肪族炭化水素環基としては、例えば、炭素数が5以上のビシクロ、トリシクロ又はテトラシクロ構造を備えた基が挙げられる。この多環型のシクロアルキル基は、炭素数が6〜20であることが好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトシクロドデシル基及びアンドロスタニル基が挙げられる。
これら1価の脂肪族炭化水素環基としては、例えば、下式により表されるものが挙げられる。
Figure 2011118310
上記の脂肪族炭化水素環構造のうち好ましいものとしては、例えば、アダマンチル基、ノルアダマンチル基、デカリン基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基及びシクロドデカニル基が挙げられる。より好ましくは、アダマンチル基、デカリン基、ノルボルニル基、セドロール基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロデカニル基、シクロドデカニル基及びトリシクロデカニル基が挙げられる。
これら脂肪族炭化水素環構造は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、カルボキシ基、及びアルコキシカルボニル基が挙げられる。
置換基としてのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基及びブチル基等の低級アルキル基であることが好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基であることが更に好ましい。
置換基としてのアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基及びブトキシ基等の炭素数が1〜4のものが挙げられる。
これら置換基としてのアルキル基及びアルコキシ基は、更なる置換基を有していてもよい。この更なる置換基としては、例えば、水酸基、ハロゲン原子及びアルコキシ基(好ましくは炭素数1〜4)が挙げられる。
ka1のアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
ka1のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基及びアリール基が更に有し得る置換基としては、例えば、水酸基;ハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;上記のアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基及びt−ブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ベンジル基、フェネチル基及びクミル基等のアラルキル基;アラルキルオキシ基;ホルミル基、アセチル基、ブチリル基、ベンゾイル基、シアナミル基及びバレリル基等のアシル基;ブチリルオキシ基等のアシロキシ基;アルケニル基;ビニルオキシ基、プロペニルオキシ基、アリルオキシ基及びブテニルオキシ基等のアルケニルオキシ基;上記のアリール基;フェノキシ基等のアリールオキシ基;並びに、ベンゾイルオキシ基等のアリールオキシカルボニル基が挙げられる。
ka1、Xkb1及びXkb2の電子吸引性基としては、例えば、ハロゲン原子、シアノ基、オキシ基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、ニトリル基、ニトロ基、スルホニル基、スルフィニル基、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基、ハロアリール基、及びこれらの組み合わせが挙げられる。なお、「ハロ(シクロ)アルキル基」とは、少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子で置換された(シクロ)アルキル基を意味している。
ka1のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。これらのうち、フッ素原子が特に好ましい。
−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基において、Rf1は、ハロゲン原子、パーハロアルキル基、パーシクロハロアルキル基、又はパーハロアリール基を表す。このRf1は、フッ素原子、パーフルオロアルキル基又はパーフルオロシクロアルキル基であることがより好ましく、フッ素原子又はトリフルオロメチル基であることが更に好ましい。
−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基において、Rf2及びRf3は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子又は有機基を表す。この有機基としては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基及びアルコキシ基が挙げられる。これら基は、ハロゲン原子等の置換基を更に有していてもよい。
Rf1〜Rf3のうち少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。この環としては、例えば、シクロアルキル環、ハロシクロアルキル環、アリール環、及びハロアリール環が挙げられる。
Rf1〜Rf3のアルキル基及びハロアルキル基としては、例えば、先にZka1について説明したアルキル基、及び、これらアルキル基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子により置換された基が挙げられる。
上記のハロシクロアルキル基及びハロアリール基としては、例えば、先にZka1について説明したシクロアルキル基及びアリール基の水素原子の少なくとも一部がハロゲン原子により置換された基が挙げられる。このハロシクロアルキル基及びハロアリール基としては、より好ましくは、−C(n)F(2n-2)Hにより表されるフルオロシクロアルキル基、及び、−C(n)F(2n-1)により表されるパーフルオロアリール基が挙げられる。ここで、炭素数nの範囲に特に制限はないが、n=5〜13であることが好ましく、n=6であることが特に好ましい。
Rf2は、Rf1と同一の基であるか、又は、Rf3と結合して環を形成していることがより好ましい。
上記の電子吸引性基は、ハロゲン原子、ハロ(シクロ)アルキル基又はハロアリール基であることが特に好ましい。上記の電子吸引性基は、フッ素原子の一部がフッ素原子以外の電子吸引性基で置換されていてもよい。
なお、電子吸引性基が2価以上の基である場合、残りの結合手は、任意の原子又は置換基との結合に供される。この場合、上記の部分構造は、更なる置換基を介して疎水性樹脂の主鎖に結合していてもよい。
一般式(KA−1)により表される部分構造は、ラクトン構造である。このラクトン構造は、5〜7員環構造であることが好ましく、5〜7員環のラクトン構造にビシクロ構造又はスピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが更に好ましい。
一般式(KA−1)におけるラクトン構造としては、下記(KA−1−1)〜(KA−1−17)の何れかにより表されるラクトン構造がより好ましい。これらのうち、(KA−1−1)、(KA−1−4)、(KA−1−5)、(KA−1−6)、(KA−1−13)、(KA−1−14)又は(KA−1−17)により表される構造が特に好ましい。
Figure 2011118310
これらラクトン構造は、置換基を更に有していてもよい。好ましい置換基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7のシクロアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、及び酸分解性基が挙げられる。これらのうち、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数5〜6のシクロアルキル基、シアノ基、炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基、カルボキシ基、ハロゲン原子、水酸基又は酸分解性基がより好ましい。置換基が複数存在する場合は、これらは互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよく、互いに結合して環を形成していてもよい。
なお、ラクトン構造には、通常は光学異性体が存在するが、何れの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体を混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度が90%ee以上のものが好ましく、95%ee以上のものがより好ましく、98%ee以上のものが更に好ましい。
疎水性樹脂は、2つの極性変換基を備えた部分構造として、下記一般式(KY−1)により表される構造を有していることがより好ましい。なお、一般式(KY−1)により表される構造は、この構造に含まれる少なくとも1つの水素原子を除いてなる1価以上の置換基を表す。
Figure 2011118310
一般式(KY−1)中、Rky1及びRky4は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。或いは、Rky1とRky4との双方が同一の原子と結合して、二重結合を形成していてもよい。例えば、Rky1とRky4との双方が同一の酸素原子と結合して、カルボニル基の一部(=O)を形成していてもよい。
ky2及びRky3は、各々独立して、電子吸引性基を表す。或いは、Rky1とRky2とが互いに結合してラクトン環を形成しており且つRky3が電子吸引性基であってもよい。
ラクトン環としては、先に挙げた(KA−1−1)〜(KA−1−17)の構造が好ましい。電子吸引性基としては、上記一般式(KB−1)におけるXkb1と同様のものが挙げられる。この電子吸引性基は、好ましくは、ハロゲン原子、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基、又はハロアリール基である。
ky1、Rky2及びRky4のうちの少なくとも2つは、互いに結合して、単環又は多環式構造を形成していてもよい。Rkb1〜Rkb4、nkb及びnkb’は、先に式(KB−1)について説明したのと同義である。Rky1及びRky4としては、例えば、上記一般式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
一般式(KY−1)により表される部分構造は、下記一般式(KY−2)により表される構造であることがより好ましい。なお、一般式(KY−2)により表される構造は、この構造に含まれる少なくとも1つの水素原子を除いてなる1価以上の置換基を表す。
Figure 2011118310
式(KY−2)中、Rky6〜Rky10は、各々独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、カルボニル基、カルボニルオキシ基、オキシカルボニル基、エーテル基、ヒドロキシ基、シアノ基、アミド基、又はアリール基を表す。Rky6〜Rky10のうち少なくとも2つが互いに結合して、環を形成していてもよい。
ky5は、電子吸引性基を表す。電子吸引性基としては、上記一般式(KB−1)におけるXkb1と同様のものが挙げられる。この電子吸引性基は、好ましくは、ハロゲン原子、−C(Rf1)(Rf2)−Rf3により表されるハロ(シクロ)アルキル基、又はハロアリール基である。
kb1、Rkb2及びnkbの各々は、上記一般式(KB−1)におけるものと同義である。Rky5〜Rky10としては、例えば、上記一般式(KA−1)におけるZka1と同様の基が挙げられる。
一般式(KY−2)により表される構造は、下記一般式(KY−3)により表される構造であることがより好ましい。
Figure 2011118310
式(KY−3)中、Zka1及びnkaの各々は、上記一般式(KA−1)におけるものと同義である。Rky5は、上記一般式(KY−2)におけるものと同義である。Rkb1、Rkb2及びnkbの各々は、上記一般式(KB−1)におけるものと同義である。
kyは、アルキレン基、酸素原子又は硫黄原子を表す。Lkyのアルキレン基としては、例えば、メチレン基及びエチレン基が挙げられる。Lkyは、酸素原子又はメチレン基であることが好ましく、メチレン基であることがより好ましい。
Rsは、ns≧2の場合には各々独立に、アルキレン基又は2価の脂肪族炭化水素環基を表す。ns≧2の場合、複数のRsは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
Lsは、ns≧2の場合には各々独立に、単結合、エーテル結合、エステル結合、アミド結合、ウレタン結合又はウレア結合を表す。ns≧2の場合、複数のLsは、互いに同一であってもよく、互いに異なっていてもよい。
nsは、−(Rs−Ls)−により表される連結基の繰り返し数であり、0〜5の整数を表す。
疎水性樹脂は、下記一般式(K0)により表される繰り返し単位を含んでいることが好ましい。
Figure 2011118310
式(K0)中、Rk1は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又は極性変換基を表す。Rk2は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又は極性変換基を表す。但し、Rk1及びRk2に含まれる極性変換基の総数は2以上である。
なお、上述したように、一般式(K0)により表される繰り返し単位の主鎖に直接結合しているエステル基は、極性変換基には含まれないこととする。
疎水性樹脂に含まれる繰り返し単位は、付加重合、縮合重合及び付加縮合等の重合により得られる繰り返し単位であれば限定されるものではないが、炭素−炭素2重結合の付加重合により得られる繰り返し単位であることが好ましい。
このような繰り返し単位としては、例えば、アクリレート系繰り返し単位(α位及び/又はβ位に置換基を有する系統も含む)、スチレン系繰り返し単位(α位及び/又はβ位に置換基を有する系統も含む)、ビニルエーテル系繰り返し単位、ノルボルネン系繰り返し単位、並びにマレイン酸誘導体(マレイン酸無水物、その誘導体及びマレイミド等)の繰り返し単位が挙げられる。これらのうち、アクリレート系繰り返し単位、スチレン系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、又はノルボルネン系繰り返し単位がより好ましく、アクリレート系繰り返し単位、ビニルエーテル系繰り返し単位、又はノルボルネン系繰り返し単位が更に好ましく、アクリレート系繰り返し単位が特に好ましい。
以下に、少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位の具体例を挙げる。具体例中、Raは、水素原子、フッ素原子、メチル基又はトリフルオロメチル基を表す。
Figure 2011118310
少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位を含んだ樹脂は、他の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。この他の繰り返し単位としては、例えば、疎水性樹脂が含み得る繰り返し単位として先に説明したものが挙げられる。
少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、好ましくは10〜100モル%であり、より好ましくは20〜100モル%であり、更に好ましくは30〜100モル%であり、特に好ましくは40〜100モル%である。
疎水性樹脂が、1つの側鎖上に少なくとも2つの極性変換基とフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方との双方を備えた繰り返し単位を含んでいる場合、この繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、好ましくは10〜100モル%であり、より好ましくは20〜100モル%であり、更に好ましくは30〜100モル%であり、特に好ましくは40〜100モル%である。
疎水性樹脂が、少なくとも2つの極性変換基を備え且つフッ素原子及びケイ素原子を含有していない繰り返し単位と、フッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有している繰り返し単位との双方を含んでいる場合、これらの好ましい含有量は、以下の通りである。即ち、前者の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、好ましくは10〜90モル%であり、より好ましくは15〜85モル%であり、更に好ましくは20〜80モル%であり、特に好ましくは25〜75モル%である。また、後者の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、好ましくは10〜90モル%であり、より好ましくは15〜85モル%であり、更に好ましくは20〜80モル%であり、特に好ましくは25〜75モル%である。
疎水性樹脂が、1つの側鎖上に少なくとも2つの極性変換基を備え、且つ、同一繰り返し単位内の他の側鎖上にフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含有した繰り返し単位を含んでいる場合、この繰り返し単位の含有量は、好ましくは10〜100モル%であり、より好ましくは20〜100モル%であり、更に好ましくは30〜100モル%であり、特に好ましくは40〜100モル%である。
以下に、少なくとも2つの極性変換基を備えた繰り返し単位を含み且つフッ素原子及びケイ素原子の少なくとも一方を含んだ樹脂の具体例を挙げる。また、下記表3に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、及び分散度を纏める。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
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Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量を基準として、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含んだ繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂がケイ素原子を含んでいる場合、ケイ素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量を基準として、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、ケイ素原子を含んだ繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂の重量平均分子量は、好ましくは1,000〜100,000であり、より好ましくは1,000〜50,000であり、更に好ましくは2,000〜15,000である。
疎水性樹脂の分散度は、1〜5であることが好ましく、1〜3であることがより好ましく、1〜2であることが更に好ましい。こうすると、より優れた解像度、パターン形状及びラフネス特性を達成することが可能となる。
疎水性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において疎水性樹脂は必須成分ではないが、本発明の組成物からなる膜を、液浸媒体を介してArFエキシマレーザーで露光する場合には、疎水性樹脂の含有量は、組成物中の全固形分を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜8質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂のアルカリ現像液に対する加水分解速度は、0.001nm/秒以上であることが好ましく、0.01nm/秒以上であることがより好ましく、0.1nm/秒以上であることが更に好ましく、1nm/秒以上であることが特に好ましい。なお、疎水性樹脂のアルカリ現像液に対する加水分解速度は、23℃の2.38質量%TMAH(テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド)水溶液に対して、疎水性樹脂のみで樹脂膜を製膜した際の膜厚が減少する速度である。
疎水性樹脂としては、市販品を使用してもよく、常法に従って合成したものを使用してもよい。この樹脂の一般的な合成方法としては、例えば、先に樹脂(P)について説明したのと同様の方法が挙げられる。
疎水性樹脂は、金属等の不純物が少ないのは当然のことながら、単量体及びオリゴマー成分の残存量が0〜10質量%であることが好ましく、0〜5質量%であることがより好ましく、0〜1質量%であることが更に好ましい。これにより、液中異物の量を減少させ、感度等の経時変化を低減することが可能となる。
<塩基性化合物>
本発明の感活性光線又は放射線性組成物は、塩基性化合物を含有することが好ましい。
塩基性化合物は、含窒素有機塩基性化合物であることが好ましい。
使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば以下の(1)〜(4)に分類される化合物が好ましく用いられる。
(1)下記一般式(BS−1)で表される化合物
Figure 2011118310
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基(直鎖又は分岐)、1価の脂肪族炭化水素環基(単環又は多環)、アリール基、アラルキル基の何れかを表す。但し、三つのRの全てが水素原子とはならない。
Rとしてのアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常1〜20、好ましくは1〜12である。
Rとしてのシクロアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常3〜20、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常6〜20、好ましくは6〜10である。具体的にはフェニル基やナフチル基などが挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常7〜20、好ましくは7〜11である。具体的にはベンジル基等が挙げられる。
Rとしてのアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環、アリール基又はアラルキル基は、水素原子が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環、アリール基、アラルキル基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
一般式(BS−1)で表される化合物は、3つのRの1つのみが水素原子であることが好ましく、あるいは全てのRが水素原子でないことが好ましい。
一般式(BS−1)の化合物の具体例としては、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリンなどが挙げられる。
また、一般式(BS−1)において、少なくとも1つのRが、水酸基で置換されたアルキル基である化合物が、好ましい態様の1つとして挙げられる。具体的化合物としては、トリエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルアニリンなどが挙げられる。
また、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に、酸素原子を有し、オキシアルキレン鎖が形成されていてもよい。オキシアルキレン鎖としては−CHCHO−が好ましい。具体的例としては、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物などが挙げられる。
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
複素環構造としては、芳香族性を有していてもいなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよく、更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、イミダゾール構造を有する化合物(2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物(N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど)、ピリジン構造を有する化合物(4−ジメチルアミノピリジンなど)、アンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン、ヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。
(3)フェノキシ基を有するアミン化合物
フェノキシ基を有するアミン化合物とは、アミン化合物のアルキル基の窒素原子と反対側の末端にフェノキシ基を有するものである。フェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
より好ましくは、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有する化合物である。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CHCHO−が好ましい。
具体例としては、2−[2−{2―(2,2―ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
(4)アンモニウム塩
アンモニウム塩も適宜用いられる。好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
その他、本発明の組成物に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物、特開2007−298569号公報の段落0108に記載の化合物などが挙げられる。
塩基性化合物は、単独であるいは2種以上併用して用いられる。
塩基性化合物の配合率は、組成物の固形分を基準として、通常、0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤/塩基性化合物のモル比は、2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。このモル比としてより好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
尚、上記モル比における酸発生剤とは、樹脂(P)に含まれる繰返し単位(a)と、前述した樹脂(P)以外の酸発生剤の合計の量である。
<酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物>
本発明の組成物は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物(D)(D成分ともいう)を含有することができる。酸の作用により脱離する基としては特に限定されないが、アセタール基、カルボネート基、カルバメート基、3級エステル基、3級水酸基、ヘミアミナールエーテル基が好ましく、カルバメート基、ヘミアミナールエーテル基であることが特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物の分子量範囲は100〜1000が好ましく、100〜700がより好ましく、100〜500が特に好ましい。
酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物が3級エステル構造を有する場合特に下記一般式(1a)で表されるカルボン酸エステル又は不飽和カルボン酸エステルであることが好ましい。
Figure 2011118310
一般式(1a)において、Rは、各々独立に、1価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)若しくはその誘導体、又はアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表し、かつRの少なくとも1つが該脂環式炭化水素基若しくはその誘導体であるか、或いは何れか2つのRが相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子とともに2価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)若しくはその誘導体を形成し、残りのRが、アルキル基(好ましくは炭素数1〜4)、又は1価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)若しくはその誘導体を示す。
Xは、独立に、水素原子又はヒドロキシ基を示し、少なくとも一つがヒドロキシ基である。
Aは単結合或いは−D−COO−で表される基を示し、Dはアルキレン基(好ましくは炭素数1〜4)を示す。)
一般式(1a)において、Aは単結合或いは2価の連結基を示し、2価の連結基としては例えば、メチレン基、メチレンカルボニル基、メチレンカルボニルオキシ基、エチレン基、エチレンカルボニル基、エチレンカルボニルオキシ基、プロピレン基、プロピレンカルボニル基、プロピレンカルボニルオキシ基等が挙げられる。特に好ましくは、メチレンカルボニルオキシ基が挙げられる。
一般式(1a)において、Rの1価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)、及び何れか2つのRが相互に結合して形成した2価の脂環式炭化水素基(好ましくは炭素数4〜20)としては、例えば、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタンや、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のシクロアルカン類等に由来する脂環族環からなる基;これらの脂環族環からなる基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基及びシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基等を挙げることができる。これらの脂環式炭化水素基のうち、ノルボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン、アダマンタン、シクロペンタン又はシクロヘキサンに由来する脂環族環からなる基や、これらの脂環族環からなる基を前記アルキル基で置換した基等が好ましい。
また、前記脂環式炭化水素基の誘導体としては、例えば、水酸基;カルボキシル基;オキソ基(即ち、=O基);ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、1−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、1−ヒドロキシブチル基、2−ヒドロキシブチル基、3−ヒドロキシブチル基、4−ヒドロキシブチル基等の炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基等の炭素数1〜4のアルコキシル基;シアノ基;シアノメチル基、2−シアノエチル基、3−シアノプロピル基、4−シアノブチル基等の炭素数2〜5のシアノアルキル基等の置換基を1種以上或いは1個以上有する基を挙げることができる。これらの置換基のうち、水酸基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基等が好ましい。
また、Rのアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1〜4のアルキル基を挙げることができる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基が好ましい。
好ましい具体例としては、下記化合物が挙げられる。
Figure 2011118310
該低分子化合物が不飽和カルボン酸エステルであるとき特に(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。以下に、酸の作用により脱離する基として、3級アルキル基を有する(メタ)アクリル酸3級エステルの具体例を示すが、これらに限定されるものではない。
Figure 2011118310
(D)酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物は、市販のものを用いても、公知の方法で合成したものを用いてもよい。
また、D成分として、酸の作用により脱離する基を窒素原子上に有するアミン誘導体が好ましい。
D成分は、窒素原子上に保護基を有するカルバメート基を有しても良い。カルバメート基を構成する保護基としては、下記一般式(d−1)で表すことができる。
Figure 2011118310
一般式(d−1)において、
R’は、それぞれ独立に水素原子、直鎖状又は分岐状のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アラルキル基、又はアルコキシアルキル基を表す。但し、3つのR’が同時に水素原子であることはない。R’は相互に結合して環を形成していても良い。
R’として好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基である。より好ましくは、直鎖状、又は分岐状のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基である。
このような基の具体的な構造を以下に示す。
Figure 2011118310
D成分は、前記塩基性化合物と一般式(d−1)で表される構造を任意に組み合わせることで構成することも出来る。
D成分は、下記一般式(A)で表される構造を有するものであることが特に好ましい。
なお、D成分は、酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物であるかぎり、前記の塩基性化合物に相当するものであってもよい。
Figure 2011118310
一般式(A)において、Raは、独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を示す。また、n=2のとき、2つのRaは同じでも異なっていてもよく、2つのRaは相互に結合して複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数20以下)若しくはその誘導体を形成していてもよい。
Rbは、独立に水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を示す。
少なくとも2つのRbは結合して脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基、複素環式炭化水素基若しくはその誘導体を形成していてもよい。
nは0〜2の整数を表し、mは1〜3の整数をそれぞれ表し、n+m=3である。
一般式(A)において、Ra及びRbが示すアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基及びアラルキル基は、水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい。
前記Rのアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基(これらのアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及びアラルキル基は、上記官能基、アルコキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)としては、
例えば、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカン等の直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、これらのアルカンに由来する基を、例えば、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、 シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、ノルボルナン、アダマンタン、ノラダマンタン等のシクロアルカンに由来する基、これらのシクロアルカンに由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ベンゼン、ナフタレン、アントラセン等の芳香族化合物に由来する基、これらの芳香族化合物に由来する基を、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基等の直鎖状、分岐状のアルキル基の1種以上或いは1個以上で置換した基、
ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、インドール、インドリン、キノリン、パーヒドロキノリン、インダゾール、ベンズイミダゾール等の複素環化合物に由来する基、これらの複素環化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルキル基或いは芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基、直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基・シクロアルカンに由来する基をフェニル基、ナフチル基、アントラセニル基等の芳香族化合物に由来する基の1種以上或いは1個以上で置換した基等或いは前記の置換基が水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基で置換された基等が挙げられる。
また、前記Raが相互に結合して、形成する2価の複素環式炭化水素基(好ましくは炭素数1〜20)若しくはその誘導体としては、例えば、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン、1,4,5,6−テトラヒドロピリミジン、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン、1,2,3,6−テトラヒドロピリジン、ホモピペラジン、4−アザベンズイミダゾール、ベンゾトリアゾール、5−アザベンゾトリアゾール、1H−1,2,3−トリアゾール、1,4,7−トリアザシクロノナン、テトラゾール、7−アザインドール、インダゾール、ベンズイミダゾール、イミダゾ[1,2−a]ピリジン、(1S,4S)−(+)−2,5−ジアザビシクロ[2.2.1]ヘプタン、1,5,7−トリアザビシクロ[4.4.0]デック−5−エン、インドール、インドリン、1,2,3,4−テトラヒドロキノキサリン、パーヒドロキノリン、1,5,9−トリアザシクロドデカン等の複素環式化合物に由来する基、これらの複素環式化合物に由来する基を直鎖状、分岐状のアルカンに由来する基、シクロアルカンに由来する基、芳香族化合物に由来する基、複素環化合物に由来する基、水酸基、シアノ基、アミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、モルホリノ基、オキソ基等の官能基の1種以上或いは1個以上で置換した基等が挙げられる。
本発明における特に好ましい例を具体的に示すと、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−オクチルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−ノニルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジ−n−デシルアミン、N−t−ブトキシカルボニルジシクロヘキシルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−2−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、(S)−(−)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、(R)−(+)−1−(t−ブトキシカルボニル)−2−ピロリジンメタノール、N−t−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピペリジン、N−t−ブトキシカルボニルピロリジン、N−t−ブトキシカルボニルモルホリン、N−t−ブトキシカルボニルピペラジン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−1−アダマンチルアミン、N,N−ジ−t−ブトキシカルボニル−N−メチル−1−アダマンチルアミン、N−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N,N’N’−テトラ−t−ブトキシカルボニルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,7−ジアミノヘプタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,8−ジアミノオクタン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,9−ジアミノノナン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,10−ジアミノデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−1,12−ジアミノドデカン、N,N’−ジ−t−ブトキシカルボニル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、N−t−ブトキシカルボニルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−メチルベンズイミダゾール、N−t−ブトキシカルボニル−2−フェニルベンズイミダゾール等が挙げられる。
本発明における特に好ましいD成分を具体的に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
一般式(A)で表される化合物は市販のアミンから、Protective Groups in Organic Synthesis 第四版等に記載の方法で簡便に合成できる。もっとも一般的な方法としては市販のアミンに対してニ炭酸エステル又はハロギ酸エステルを作用させることによって得る方法がある。式中Xはハロゲン原子を表す。
Figure 2011118310
本発明において、(D)酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物は、一種単独でも又は2種以上を混合しても使用することができる。
本発明において、(D)酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物の使用量は、前記塩基性化合物と合わせた組成物の全固形分を基準として、通常、0.001〜20質量%、好ましくは0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%である。
酸発生剤と(D)酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物の組成物中の使用割合は、酸発生剤/[(D)酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物+下記塩基性化合物](モル比)=2.5〜300であることが好ましい。即ち、感度、解像度の点からモル比が2.5以上が好ましく、露光後加熱処理までの経時でのレジストパターンの太りによる解像度の低下抑制の点から300以下が好ましい。酸発生剤/[(D)酸の作用により脱離する基を有する低分子化合物+前記塩基性化合物](モル比)は、より好ましくは5.0〜200、更に好ましくは7.0〜150である。
<界面活性剤>
本発明の組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。含有する場合、界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
その他、公知の界面活性剤が適宜使用可能である。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の配合率は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分量(溶剤を除く全量)に対して、好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0.0001〜2質量%、特に好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を10ppm以下、或いは含有しないことも好ましい。これにより疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
<溶剤>
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、環状ラクトン、鎖状又は環状のケトン、アルキレンカーボネート、カルボン酸アルキル、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキルなどが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。
鎖状又は環状のケトンとしては、例えば、2−ブタノン、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
カルボン酸アルキルとしては、例えば、酢酸ブチルが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。特に好ましい溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。
水酸基を有する溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、水酸基を有しない溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましい。
本発明の組成物全量中における溶剤の使用量は、所望の膜厚等に応じて適宜調整可能であるが、一般的には組成物の全固形分濃度が0.5〜30質量%、好ましくは1.0〜20質量%、より好ましくは1.5〜10質量%となるように調製される。
<酸の作用により分解し、カルボン酸よりも強い酸を生成する物質(H)>
本発明の組成物は、酸の作用により分解し、カルボン酸よりも強い酸を生成する物質(H)(以下、「酸増殖剤」ともいう)を含有しても良い。
酸増殖剤から生成する酸は、その酸の強度が大きいものが好ましく、具体的にはその酸の解離定数(pKa)として3以下が好ましく、より好ましくは2以下である。酸増殖剤から発生する酸としてはスルホン酸が好ましい。
酸増殖剤は、国際公開第95/29968号、国際公開第98/24000号、特開平8−305262号、特開平9−34106号、特開平8−248561号、特表平8−503082号、米国特許第5,445,917号、特表平8−503081号、米国特許第5,534,393号、米国特許第5,395,736号、米国特許第5,741,630号、米国特許第5,334,489号、米国特許第5,582,956号、米国特許第5,578,424号、米国特許第5,453,345号、米国特許第5,445,917号、欧州特許第665,960号、欧州特許第757,628号、欧州特許第665,961号、米国特許第5,667,943号、特開平10−1508号、特開平10−282642号、特開平9−512498号、特開2000−62337号、特開2005−17730号等に記載の酸増殖剤を1種、或いは2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的には下記一般式(1)〜(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 2011118310
一般式(1)〜(6)に於いて、
Rは、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、酸の作用により脱離する基を表す。
は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、又はアリーロキシ基を表す。
は、アルキル基又はアラルキル基を表す。
は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
、Rは、各々独立に、アルキル基を表し、RとRが互いに結合して環を形成しても良い。
は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、Rと結合して環を形成しても良い。
10は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基又はアルケニルオキシ基を表す。
11は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基又はアルケニル基を表す。
10とR11は、互いに結合して環を形成してもよい。
12は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アルケニル基、アルケニル基又は環状イミド基を表す。
一般式(1)〜(6)に於いて、アルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が挙げられ、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、オクチル基等が挙げられる。
1価の脂肪族炭化水素環基としては、炭素数4〜10個の1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられ、具体的には、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、アダマンチル基、ボロニル基、イソボロニル基、トリシクロデカニル基、ジシクロペンテニル基、ノボルナンエポキシ基、メンチル基、イソメンチル基、ネオメンチル基、テトラシクロドデカニル基等基等が挙げられる。
アリール基としては、炭素数6〜14個のアリール基が挙げられ、具体的には、フェニル基、ナフチル基、トリル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、炭素数7〜20個のアラルキル基が挙げられ、具体的にはベンジル基、フェネチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
アルコキシ基としては、炭素数1〜8個のアルコキシ基が挙げられ、具体的にはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等が挙げられる。
アルケニル基としては、炭素2〜6個のアルケニル基が挙げられ、具体的にはビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
アリーロキシ基としては、炭素数6〜14個のアリーロキシ基が挙げられ、具体的にはフェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
アルケニルオキシ基としては、炭素数2〜8個のアルケニルオキシ基が挙げられ、具体的にはビニルオキシ基、アリルオキシ基等が挙げられる。
上記各置換基には更に置換基を有してもよく、置換基としてはたとえば次のようなものを例示できる。すなわち、Cl、Br、Fなどのハロゲン原子、−CN基、−OH基、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数3〜8個のシクロアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、アセチルアミノ基などのアシルアミノ基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、フェノキシエチル基などのアリロキシアルキル基、炭素数2〜5個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜5個のアシルオキシ基等を挙げることができる。しかも、置換基の範囲はこれらに限定されるものではない。
とRが互いに結合して形成する環としては、1,3−ジオキソラン環、1,3−ジオキサン環等が挙げられる。
とRが互いに結合して形成する環としては、シクロペンチル環、シクロヘキシル環等が挙げられる。
10とR11が互いに結合して形成する環としては、環内に酸素原子を含んでいてもよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環等が挙げられる。
Roの酸の作用により脱離する基としては、例えば、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリル基、3−オキソシクロヘキシル基等を挙げることができる。
上記R、R、R〜R11の各々の好ましいものとして以下のものが挙げられる。
R;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、トルイル基、メシチル基、フルオロフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、樟脳基。
;t−ブチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−エトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基。
、R;メチル基、エチル基、プロピル基、互いに結合してエチレン基、プロピレン基を形成したもの。
;水素原子、メチル基、エチル基。
、R;水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、互いに結合してシクロペンチル環、シクロヘキシル環を形成したもの。
;メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基。
10;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニロキシ基、メチルビニロキシ基、互いに結合して酸素原子をふくんでよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環を形成したもの。
11;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニル基、アリル基、互いに結合して酸素原子をふくんでよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環を形成したもの。
一般式(6)に於いて、R12がアルキル基を表すとき、アルキル基としては、炭素原子数が1〜20の直鎖状、分岐状のアルキル基を挙げることができる。その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基等を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数1〜12の直鎖状、炭素原子数3〜12の分岐状のアルキル基がより好ましい。
12が1価の脂肪族炭化水素環基を表すとき、1価の脂肪族炭化水素環基としては、炭素原子数が3〜20の1価の脂肪族炭化水素環基を挙げることができる。その具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基等を挙げることができる。これらの中では、炭素原子数5〜10の1価の脂肪族炭化水素環基がより好ましい。
12が置換アルキル基、置換シクロアルキル基を表すとき、その置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、水酸基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N′−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキルウレイド基、N′−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アリール−N−アリールウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N′,N′−ジアリール−N−アリールウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アルキルウレイド基、N′−アルキル−N′−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスフォナト基と称す)、ジアルキルホスフォノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスフォノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスフォノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナト基と称す)、モノアリールホスフォノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスフォナト基と称す)、ホスフォノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスフォナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスフォノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスフォノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスフォノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスフォノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスフォナトオキシ基と称す)、モノアリールホスフォノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールフォスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。
これらの置換基におけるアルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。また、アルケニル基の例としては、ビニル基、1−プロペニル基、1−ブテニル基、シンナミル基、2−クロロ−1−エテニル基等が挙げられ、アルキニル基の例としては、エチニル基、1−プロピニル基、1−ブチニル基、トリメチルシリルエチニル基等が挙げられる。アシル基(R13CO−)におけるR13としては、水素及び上記のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基を挙げることができる。
これら置換基の内、更により好ましいものとしては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。
一方、置換アルキル基におけるアルキレン基としては、前述の炭素数1〜20のアルキル基上の水素原子のいずれか1つを除き、2価の有機残基としたものを挙げることができ、好ましくは炭素原子数1〜12までの直鎖状、炭素原子数3〜12までの分岐状、及び炭素原子数5〜10までの環状のアルキレン基を挙げることができる。該置換基とアルキレン基を組み合わせる事により得られる置換アルキル基の、好ましい具体例としては、クロロメチル基、ブロモメチル基、2−クロロエチル基、トリフルオロメチル基、メトキシメチル基、メトキシエトキシエチル基、アリルオキシメチル基、フェノキシメチル基、メチルチオメチル基、トリルチオメチル基、エチルアミノエチル基、ジエチルアミノプロピル基、モルホリノプロピル基、アセチルオキシメチル基、ベンゾイルオキシメチル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシエチル基、N−フェニルカルバモイルオキシエチル基、アセチルアミノエチル基、N−メチルベンゾイルアミノプロピル基、2−オキソエチル基、2−オキソプロピル基、カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルエチル基、アリルオキシカルボニルブチル基、クロロフェノキシカルボニルメチル基、カルバモイルメチル基、N−メチルカルバモイルエチル基、N,N−ジプロピルカルバモイルメチル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルエチル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルメチル基、スルホブチル基、スルホナトブチル基、スルファモイルブチル基、N−エチルスルファモイルメチル基、N,N−ジプロピルスルファモイルプロピル基、N−トリルスルファモイルプロピル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルオクチル基、ホスフォノブチル基、ホスフォナトヘキシル基、ジエチルホスフォノブチル基、ジフェニルホスフォノプロピル基、メチルホスフォノブチル基、メチルホスフォナトブチル基、トリルホスフォノヘキシル基、トリルホスフォナトヘキシル基、ホスフォノオキシプロピル基、ホスフォナトオキシブチル基、ベンジル基、フェネチル基、α−メチルベンジル基、1−メチル−1−フェニルエチル基、p−メチルベンジル基、シンナミル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリル基、2−メチルプロペニルメチル基、2−プロピニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基等を挙げることができる。
12が、アリール基を表すとき、アリール基としては、1個〜3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基等を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。また、アリール基には上記炭素環式アリール基の他、複素環式(ヘテロ)アリール基が含まれる。複素環式アリール基としては、ピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾール基等の炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが用いられる。
12が、置換アリール基を表すとき、置換アリール基としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基における置換基として示したものを挙げることができる。
この様な、置換アリール基の好ましい具体例としては、ビフェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロフェニル基、クロロメチルフェニル基、トリフルオロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、メトキシエトキシフェニル基、アリルオキシフェニル基、フェノキシフェニル基、メチルチオフェニル基、トリルチオフェニル基、エチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、モルホリノフェニル基、アセチルオキシフェニル基、ベンゾイルオキシフェニル基、N−シクロヘキシルカルバモイルオキシフェニル基、N−フェニルカルバモイルオキシフェニル基、アセチルアミノフェニル基、N−メチルベンゾイルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、アリルオキシカルボニルフェニル基、クロロフェノキシカルボニルフェニル基、カルバモイルフェニル基、N−メチルカルバモイルフェニル基、N,N−ジプロピルカルバモイルフェニル基、N−(メトキシフェニル)カルバモイルフェニル基、N−メチル−N−(スルホフェニル)カルバモイルフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、スルファモイルフェニル基、N−エチルスルファモイルフェニル基、N,N−ジプロピルスルファモイルフェニル基、N−トリルスルファモイルフェニル基、N−メチル−N−(ホスフォノフェニル)スルファモイルフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基、ジエチルホスフォノフェニル基、ジフェニルホスフォノフェニル基、メチルホスフォノフェニル基、メチルホスフォナトフェニル基、トリルホスフォノフェニル基、トリルホスフォナトフェニル基、アリル基、1−プロペニルメチル基、2−ブテニル基、2−メチルアリルフェニル基、2−メチルプロペニルフェニル基、2−プロピニルフェニル基、2−ブチニルフェニル基、3−ブチニルフェニル基等を挙げることができる。
12が、アルケニル基、置換アルケニル基[−C(R14)=C(R15)(R16)]、アルキニル基、又は置換アルキニル基[−C≡C(R17)]を表すとき、R14〜R17としては、一価の非金属原子団を使用することができる。好ましいR14〜R17の例としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基を挙げることができる。これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。R14〜R17のより好ましい置換基としては、水素原子、ハロゲン原子及び炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を挙げることができる。アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基及び置換アルキニル基の具体例としては、ビニル基、1−ブテニル基、1−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、1−オクテニル基、1−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−メチル−1−ブテニル基、2−フェニル−1−エテニル基、2−クロロ−1−エテニル基、エチニル基、プロピニル基、フェニルエチル基等を挙げることができる。
12が環状イミド基を表すとき、環状イミドとしては、コハク酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキサンジカルボン酸イミド、ノルボルネンジカルボン酸イミド等の炭素原子4〜20までのものを用いることができる。
一般式(1)〜(6)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2008−209889号公報の[0215]以降に例示された化合物が挙げられる。
<その他成分>
本発明の組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸オニウム塩、Proceeding of SPIE, 2724,355 (1996)等に記載の分子量3000以下の溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤などを適宜含有することができる。
[パターン形成方法]
本発明の組成物は、上記の成分を溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、支持体に塗布して用いる。
フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
レジスト膜の膜厚は、特に限定されないが、0.01〜0.2μmが好ましく、0.02〜0.1μmがより好ましい。
基板上に塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
組成物は、集積回路素子、フォトマスク、インプリント用モールドなどの製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー等の適当な塗布方法により塗布される。その後乾燥し、感光性の膜を形成する。
当該膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。なお、電子ビームの照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
なお、本発明の組成物を適用して、インプリント用モールド構造体を作製する場合の詳細については、例えば、ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦 フロンティア出版(2006年6月発行)、特許第4109085号公報や、特開2008−162101号公報などを参照されたい。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV光、電子線等であり、ArFエキシマレーザー、EUV光、電子線が好ましい。
現像工程では、通常、アルカリ現像液を用いる。現像工程におけるアルカリ現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される4級アンモニウム塩が用いられるが、これ以外にも無機アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等、1〜3級アミン(例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等)、アルコールアミン(例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、環状アミン(例えば、ピロール、ピヘリジン等)等のアルカリ水溶液も使用可能である。
更に、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加してもよい。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
リンス液としては、純水が好ましく、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
なお、感光性膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物からなる膜に対しては、活性光線又は放射線の照射時に膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、更に屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(DO)を用いてもよい。
本発明の組成物からなる膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じて更に疎水性樹脂(HR)を添加することができる。これにより、膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、膜とした際の水に対するレジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂(HR)が添加されることにより、表面の後退接触角が向上する。露光前の膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。疎水性樹脂(HR)は前述のように界面に偏在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウェハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウェハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
本発明の組成物による膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適性、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、更にレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
トップコートは、膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。更に、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
合成例1(M−I−51の合成)
窒素雰囲気下の三口フラスコ中に、t−ブトキシカリウム30.4質量部、メチルトリフェニルホスホニウムブロミド95.44質量部、テトラヒドロフラン(脱水)380質量部を入れ、3時間撹拌した。6−ヒドロキシ−2−ナフトアルデヒド20.0質量部を加えて、さらに5時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて、有機層を取り出し、溶媒を留去して、6−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン(化合物A)19.1質量部を得た。
窒素雰囲気下中の三口フラスコ中に、1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルジフルオリド18.6質量部、テトラヒドロフラン50.0質量部を入れ、0℃に冷却した。6−ヒドロキシ−2−ビニルナフタレン(化合物A)10.0質量部、トリエチルアミン11.9質量部、テトラヒドロフラン40.0質量部の混合液を30分かけて滴下し、0℃で4時間撹拌した。0℃のまま飽和食塩水、酢酸エチルを加えた。有機層を取り出し、飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、化合物Bを21.9質量部得た。
化合物B 8.2質量部をメタノール74.0質量部に溶解させ、0℃に冷却し、1N 水酸化ナトリウム水溶液57.5質量部を加えて、室温で8時間撹拌した。溶媒を留去して、酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。クロロホルムを加えて洗浄し、ろ過して、化合物Cを5.53質量部得た。
三口フラスコに、蒸留水157質量部、水酸化ナトリウム65.2質量部、1−メトキシ−2−プロパノール627質量部を加えて撹拌溶解させ、1−ナフトール235質量部を加えた。(ブロモメチル)シクロヘキサン191.2質量部と1−メトキシ−2−プロパノール156質量部の混合液を30分かけて滴下した。100℃5時間撹拌した後、0℃冷却中の蒸留水2161質量部、メタノール720質量部、水酸化ナトリウム43.2質量部の混合液に滴下して、4時間静置し、ろ過した。200℃、8Torrで減圧精製を行ない、化合物Dを181.7質量部得た。
化合物D 2.50質量部を三口フラスコ中でEaton試薬10.4質量部に溶解させた後、攪拌しながらテトラメチレンスルホキシド1.68質量部を滴下し、50℃で4時間攪拌を行った。反応液を、0℃冷却中の水100質量部にあけた後、化合物C5.06質量部、クロロホルム120質量部を加えて、30分撹拌した。有機層を分離した後、水層からクロロホルム100質量部を用いてさらに3回抽出を行った。得られた有機層を合わせ、水洗を5回行い濃縮し、目的化合物のM−I−51を7.18質量部得た。
Figure 2011118310
他のモノマー(M−I−64、M−I−101、M−I−96、M−I−50、M−I−109、M−I−1、M−I−179、M−I−232)も同様にして合成した。
Figure 2011118310
合成例2(樹脂P−1の合成)
メチルエチルケトン16.2質量部を窒素気流下、65℃に加熱した。この液を攪拌しながら、上記合成例1にて得られたモノマー(M−I−51)5.93質量部、下記構造式のモノマー(P−1−A)6.84質量部、下記構造式のモノマー(P−1−B)7.09質量部、メチルエチルケトン30.1質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)〔V−65、和光純薬工業(株)製〕0.56質量部(対モノマー:3mol%)の混合溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、65℃で更に2時間攪拌した。反応液を放冷後、多量のメタノールで再沈殿・真空乾燥を行うことで、後掲の本発明の樹脂(P−1)を5.96質量部得た。
得られた樹脂のGPC(キャリア:N−メチル−2−ピロリドン(NMP))から求めた重量平均分子量(Mw:ポリスチレン換算)は、Mw=7800、分散度はMw/Mn=1.63であった。
Figure 2011118310
以下、同様にして、樹脂P−2〜P−21を合成した。それぞれの合成に使用したモノマー構造、組成比、重量平均分子量、分散度を下表に示す。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
<レジスト評価1>
(レジスト調製)
下記表4に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度4質量%の溶液を調製し、これを0.05μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を調製した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を下記の方法で評価し、結果を同表に示した。
表4における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
なお、表4に於いて、感活性光線性又は感放射性樹脂組成物が疎水性樹脂(HR)を含有している場合、その添加形態を「添加」と標記した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物が疎水性樹脂(HR)を含有せず、膜を形成後、その上層に疎水性樹脂(HR)を含有するトップコート保護膜を形成させた場合、その使用形態を「TC」と標記した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物が、疎水性樹脂(HR)を含有せず、また膜を形成後、その上層に疎水性樹脂(HR)を含有するトップコート保護膜も形成させない場合、その使用形態を「なし」と標記した。
(露光条件1:ArF液浸露光)実施例1〜60、比較例1〜2
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を塗布し、100℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmの膜を形成した。トップコートを用いる場合は、更にトップコート用樹脂をデカン/オクタノール(質量比9/1)に溶解させた3質量%の溶液を前述で得られた膜上に塗布し、85℃で、60秒間ベークを行い、膜厚50nmのトップコート層を形成した。これにArFエキシマレーザー液浸スキャナー(ASML社製 XT1700i、NA1.2)を用い、45nm 1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。液浸液としては超純水を使用した。その後120℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してパターンを形成した。
(露光条件2:ArFドライ露光)実施例61〜76、比較例3〜4
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚78nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した環活性光線性または感放射線性樹脂組成物を塗布し、100℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。これにArFエキシマレーザースキャナー(ASML社製 PAS5500/1100、NA0.75)を用い、75nm 1:1ラインアンドスペースパターンの6%ハーフトーンマスクを通して露光した。その後120℃で、60秒間加熱した後、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(LWR評価)
得られたライン/スペース=1/1のラインパターン(ドライ:75nm、液浸:45nm)について走査型顕微鏡(日立社製S9380)で観察し、ラインパターン長手方向のエッジ2μmの範囲について、線幅を50ポイント測定し、その測定ばらつきについて標準偏差を求め、3σを算出した。この値3σを「LWR」とした。LWRの値が小さいほど良好な性能であることを示す。
(露光ラチチュード)
ライン/スペース=1/1のラインパターン(ドライ:線幅75nm、液浸:線幅45nm)のマスクパターンを再現する露光量を求め、これを最適露光量Eoptとした。次いでライン線幅が目的の値である75nmの±10%(即ち、67.5nm及び82.5nm)、あるいは45nmの±10%(即ち、40.5nm及び49.5nm)となるときの露光量を求めた。そして、次式で定義される露光ラチチュード(EL)を算出した。ELの値が大きいほど、露光量変化による性能変化が小さい。
ドライ:[EL(%)]=100x[(線幅が67.5nmとなる露光量)−(線幅が82.5nmとなる露光量)]/Eopt
液浸:[EL(%)]=100x[(線幅が40.5nmとなる露光量)−(線幅が49.5nmとなる露光量)]/Eopt
(エッチング耐性評価)
ウエハー上に膜厚120nmのポジ型レジスト膜を形成した後、C(20mL/min)、O(40mL/min)、Ar(1000mL/min)の混合ガスを用いて、温度23℃の条件で30秒間プラズマエッチングを行い、残膜量を求め、エッチング速度を算出した。
(判定基準)
○:エッチング速度が0.9nm/sec未満の場合
△:エッチング速度が0.9nm/sec以上1.0nm/sec未満の場合
×:エッチング速度が1.0nm/sec以上の場合
ArF露光における評価結果を表4に示す。
<レジスト評価2>
(レジスト調製)
下記表5及び6に示す成分を溶剤に溶解させ、それぞれについて固形分濃度4質量%の溶液を調製し、これを0.10μmのポアサイズを有するポリテトラフルオロエチレンフィルターで濾過して感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を調製した。感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を下記の方法で評価し、結果を各表に示した。
各表における各成分について、複数使用した場合の比は質量比である。
(露光条件3:EB露光)実施例77〜89、比較例5〜6
調製した感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚100nmの感放射線性膜を形成させた。この感放射線性膜を、電子線照射装置((株)日立製作所製HL750、加速電圧50keV)を用いて電子線照射を行った。照射後直ぐに130℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(露光条件4:EUV露光)実施例90〜93
調製した感放射線性樹脂組成物を、スピンコーターを用いて、ヘキサメチルジシラザン処理を施したシリコン基板上に均一に塗布し、100℃で90秒間ホットプレート上で加熱乾燥を行い、膜厚100nmの感放射線性膜を形成させた。この感放射線性膜を、EUV露光装置で照射し、照射後直ぐに130℃で90秒間ホットプレート上で加熱した。更に濃度2.38質量%のテトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液を用いて23℃で60秒間現像し、30秒間純水にてリンスした後、スピン乾燥してレジストパターンを得た。
(感度評価)
得られたパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いて観察した。100nmライン(ライン:スペース=1:1)を解像する時の最小照射エネルギーを感度とした。
(解像力評価)
上記の感度を示す照射量における限界解像力(ラインとスペースが分離解像)を解像力とした。
(パターン形状評価)
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターンの断面形状を走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−4300)を用いて観察し、矩形、ややテーパー、テーパーの3段階評価を行った。
(LER評価)
上記の感度を示す照射量における100nmラインパターンの長さ方向50μmにおける任意の30点について、走査型電子顕微鏡((株)日立製作所製S−9220)を用いてエッジがあるべき基準線からの距離を測定し、標準偏差を求め、3σを算出した。この3σを「LER」とした。LERの値が小さいほど良好な性能であることを示す。
(エッチング耐性評価)
ウエハー上に膜厚200nmのポジ型レジスト膜を形成した後、C(20mL/min)、O(40mL/min)、Ar(1000mL/min)の混合ガスを用いて、温度23℃の条件で30秒間プラズマエッチングを行い、残膜量を求め、エッチング速度を算出した。
(判定基準)
○:エッチング速度が1.4nm/sec未満の場合
△:エッチング速度が1.4nm/sec以上1.5nm/sec未満の場合
×:エッチング速度が1.5nm/sec以上の場合
EB露光における評価結果を表5に、EUV露光における評価結果を表6示す。
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
Figure 2011118310
実施例及び比較例で使用した光酸発生剤(低分子)、塩基性化合物、界面活性剤及び溶剤を以下に示す。
〔光酸発生剤〕
Figure 2011118310
〔塩基性化合物〕
DIA:2,6−ジイソプロピルアニリン
TEA:トリエタノールアミン
DBA:N,N−ジブチルアニリン
PBI:2−フェニルベンズイミダゾール
PEA:N−フェニルジエタノールアミン
TMEA:トリス(メトキシエトキシエチル)アミン
TBAH:テトラブチルアンモニウムヒドロキシド
TOA:トリ(n−オクチル)アミン
Figure 2011118310
〔界面活性剤〕
W−1:メガファックF176(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素系)
W−2:メガファックR08(大日本インキ化学工業(株)製)(フッ素及びシリコン系)
W−3:ポリシロキサンポリマーKP−341(信越化学工業(株)製)(シリコン系)
W−4:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
〔溶剤〕
S1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA;1−メトキシ−2−アセトキシプロパン)
S2:2−ヘプタノン
S3:シクロヘキサノン
S4:γ−ブチロラクトン
S5:プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME;1−メトキシ−2−プロパノール)
S6:乳酸エチル
S7:プロピレンカーボネート
表4から、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、ArF露光において、LWR、露光ラチチュード、エッチング耐性を同時に満足することが明らかである。
表5から、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、EB露光において、高感度、高解像性、良好なパターン形状、良好なラインエッジラフネス、ドライエッチング耐性を同時に満足することが明らかである。
表6から、本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、EUV露光においても、高感度、良好なパターン形状を同時に満足することが明らかである。

Claims (7)

  1. 活性光線または放射線の照射により分解して樹脂の側鎖に酸アニオンを発生する部位を含む繰り返し単位(A)を有する樹脂(P)を含み、繰り返し単位(A)が炭素数7以上の芳香環を、少なくとも、該酸アニオン発生部位を有する側鎖上であって該酸アニオン発生部位以外に有することを特徴とする感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  2. 繰り返し単位(A)が下記一般式(I)で表されることを特徴とする請求項1に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
    Figure 2011118310
    一般式(I)において、R11、R12、R13は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基またはアルコキシカルボニル基を表す。
    11は、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基、あるいは、−Ar−L13−(ここで、Arは2価の芳香環基を表し、L13は、単結合あるいは2価の連結基を表す)を表す。
    12及びX13は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を表す。
    11は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、又はこれらの2以上を組み合わせた基を表す。組み合わせた基において、組み合わされる2以上の基は同じであっても異なっていてもよく、また、連結基として−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を介して連結されていてもよい。
    12は、単結合、アルキレン基、アルケニレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、またはこれらの2以上を組み合わせた基を表し、これらの基は、水素原子の一部または全部が、フッ素原子、フッ化アルキル基、ニトロ基、又はシアノ基から選択される置換基で置換されている。組み合わせた基において、組み合わされる2以上の基は同じであっても異なっていてもよく、また、連結基として−O−、−S−、−CO−、−SO2−、−NR−(Rは水素原子あるいはアルキル基)、2価の窒素含有非芳香族複素環基、又は、これらを組み合わせた基を介して連結されていてもよい。
    Ar1は炭素数7以上の芳香環を表す。
    11が単結合である場合、R12はAr1と環を形成していてもよく、その場合のR12はアルキレン基を表わす。
    1は、活性光線または放射線の照射により分解してスルホン酸基、イミド酸基あるいはメチド酸基となる部位を表す。
  3. 前記炭素数7以上の芳香環が、ナフタレン環であることを特徴とする請求項1又は2に記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  4. 樹脂(P)が、更に、酸の作用により分解して、アルカリ可溶性基を発生する繰り返し単位(B)を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  5. 樹脂(P)が、更に、アルカリ現像液の作用により分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位(C)を含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を用いて形成されたレジスト膜。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物を用いて膜を形成すること、該膜を露光すること、露光した膜を現像することを含むことを特徴とするパターン形成方法。
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