JP5548473B2 - 感活性光線性又は感放射線性樹脂の製造方法、この方法により得られる樹脂、この樹脂を含んだ組成物、並びに、この組成物を用いたレジスト膜及びパターン形成方法 - Google Patents

感活性光線性又は感放射線性樹脂の製造方法、この方法により得られる樹脂、この樹脂を含んだ組成物、並びに、この組成物を用いたレジスト膜及びパターン形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、感活性光線性又は感放射線性樹脂の製造方法、この方法により得られる樹脂、この樹脂を含んだ組成物、レジスト膜、及びパターン形成方法に関する。より詳細には、本発明は、超LSI及び高容量マイクロチップの製造プロセス、ナノインプリント用モールド作成プロセス並びに高密度情報記録媒体の製造プロセス等に適用可能な超マイクロリソグラフィプロセス、並びにその他のフォトファブリケーションプロセスに好適に用いられる組成物、その組成物の一成分として用いられ得る樹脂、及びその樹脂の製造方法に関する。更に詳しくは、本発明は、250nm以下の遠紫外線、電子線及び軟X線などを照射源とする場合に好適な組成物、その組成物の一成分として用いられ得る樹脂、及びその樹脂の製造方法に関する。
なお、ここで「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外(EUV)線、X線又は電子線(EB)を意味している。また、本発明において「光」とは、活性光線又は放射線を意味している。
また、ここで「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、遠紫外線、X線及びEUV光等による光照射のみならず、電子線及びイオンビーム等の粒子線による描画をも意味している。
化学増幅レジストは、遠紫外線光等の放射線の照射により露光部に酸を発生させ、この酸を触媒とする反応によって、活性放射線の照射部と非照射部との現像液に対する溶解性を変化させ、パターンを基板上に形成する。
KrFエキシマレーザーを露光光源とする場合には、主として248nm領域での吸収の小さい、ポリ(ヒドロキシスチレン)を基本骨格とする樹脂を主成分に使用するため、高感度、高解像度で、且つ良好なパターンを形成し、従来のナフトキノンジアジド/ノボラック樹脂系に比べて良好な系となっている。
一方、更なる短波長の光源、例えばArFエキシマレーザー(193nm)を露光光源として使用する場合は、芳香族基を有する化合物が本質的に193nm領域に大きな吸収を示すため、上記化学増幅系でも十分ではなかった。
このため、脂環炭化水素構造を有する樹脂を含有するArFエキシマレーザー用レジストが開発されてきている。ところが、レジストとしての総合性能の観点から、使用される樹脂、酸発生剤、添加剤及び溶剤等の適切な組み合わせを見い出すことは極めて困難である。
他方、近年では、エキシマレーザー光を用いたリソグラフィー以外に、電子線、X線、軟X線又はEUV光を用いたリソグラフィーも開発が進んでいる。また、レジスト組成物による微細加工は、集積回路の製造に直接に用いられるだけでなく、近年では、いわゆるインプリント用モールド構造体の作製等にも適用されている(例えば、特許文献1及び2並びに非特許文献1参照)。そのため、電子線、X線、軟X線又はEUV光を露光光源として使用する場合においても、高感度と、高解像性、良好なパターン形状及び良好なラフネス特性とを同時に満足させることが重要な課題となっており、これらの解決が必要である。
特許文献3には、ポリマー側鎖に光酸発生剤を有する樹脂を用いることにより、パターン形状及びラインエッジラフネス(Line Edge Roughness:LER)を改善できることが記載されている。しかしながら、液浸プロセスが適用された最新の線幅45nm以下のパターンを形成する世代においては、ラフネス特性の更なる改善が求められている。また、ドライエッチング耐性に関しても、改善の余地がある。
また、特許文献4には、ポリマー側鎖に光酸発生剤を有する樹脂を用いることにより、高感度、高解像度及び良好なLERを達成できることが記載されている。しかしながら、この文献に記載されている技術では、放射線の照射により発生する酸が低分子化合物であるために、露光後の加熱工程(Post Exposure Bake:PEB)における酸の拡散を抑制することが困難であり、LERの改善効果は十分とは言い難かった。
このように、ポリマー側鎖に光酸発生剤を有する樹脂を用いることにより、レジスト組成物の性能を改善することが可能である。しかしながら、このような樹脂の製造方法については十分な知見が蓄積されておらず、目的の樹脂を高純度で得ることは困難であった。
特開2004−158287号公報 特開2008−162101号公報 特開2009−93137号公報 特開2006−215526号公報
平井義彦(編集)「ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開−ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開−」フロンティア出版(2006年6月発行)
本発明の目的は、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えた繰り返し単位と酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基を備えた繰り返し単位とを含んだ感活性光線性又は感放射線性樹脂を高純度で製造可能とする技術を提供することにある。
本発明は、例えば、以下の通りである。
〔1〕活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えた第1単量体と、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基を備えた第2単量体とを含んだ反応系を、塩基性化合物の存在下で重合させることを含んだ感活性光線性又は感放射線性樹脂の製造方法。
〔2〕前記塩基性化合物は、下記一般式(BS−1)により表される化合物、含窒素複素環構造を有する化合物、及びアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1つである〔1〕に記載の樹脂の製造方法。
Figure 0005548473
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す(3つのRの全てが水素原子である場合を除く)。3つのRのうち少なくとも2つが互いに連結して、環を形成していてもよい。
〔3〕前記塩基性化合物は、前記一般式(BS−1)により表される化合物及び含窒素複素環構造を有する化合物の少なくとも一方である〔2〕に記載の樹脂の製造方法。
〔4〕前記塩基性化合物の使用量は、前記第1単量体に対して0.01〜200モル%である〔1〕〜〔3〕の何れかに記載の樹脂の製造方法。
〔5〕前記第1単量体に対応した繰り返し単位は、前記活性光線又は放射線の照射により前記樹脂の側鎖に酸アニオンを生じる〔1〕〜〔4〕の何れかに記載の樹脂の製造方法。
〔6〕前記第1単量体は、下記一般式(ZI−3C)及び(ZI−4C)の少なくとも一方により表されるカチオン部位を備えている〔1〕〜〔5〕の何れかに記載の樹脂の製造方法。
Figure 0005548473
一般式(ZI−3C)中、
Mは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はベンジル基を表す。前記Mが環構造を有する場合、前記環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又は炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
1c及びR2cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
M、R1c及びR2cの少なくとも2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。RとRとは、互いに結合して環を形成していてもよい。
一般式(ZI−4C)中、
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
14は、r≧2の場合には各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
15は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成していてもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
〔7〕前記反応系は、非プロトン性溶媒を更に含んでいる〔1〕〜〔6〕の何れかに記載の樹脂の製造方法。
〔8〕前記反応により得られた生成物を再沈殿により精製することを更に含んだ〔1〕〜〔7〕の何れかに記載の樹脂の製造方法。
〔9〕前記再沈殿を2回以上繰り返して行なう〔8〕に記載の樹脂の製造方法。
〔10〕前記2回以上の再沈殿における貧溶媒として、1回目に有機系溶媒を用い且つ2回目に水系溶媒を用いるか、又は、1回目に水系溶媒を用い且つ2回目に有機系溶媒を用いる〔9〕に記載の樹脂の製造方法。
〔11〕〔1〕〜〔10〕の何れかに記載の製造方法によって得られる感活性光線性又は感放射線性樹脂。
〔12〕〔11〕に記載の樹脂を含んだ感活性光線性又は感放射線性組成物。
〔13〕〔12〕に記載の組成物を用いて形成されたレジスト膜。
〔14〕〔12〕に記載の組成物を用いて膜を形成することと、前記膜を露光することと、前記露光された膜を現像することとを含んだパターン形成方法。
本発明によると、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えた繰り返し単位と酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基を備えた繰り返し単位とを含んだ感活性光線性又は感放射線性樹脂を高純度で製造することが可能となる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
なお、ここでは、置換又は無置換を明示していない基及び原子団には、置換基を有していないものと置換基を有しているものとの双方が含まれることとする。例えば、置換又は無置換を明示していない「アルキル基」は、置換基を有していないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有しているアルキル基(置換アルキル基)をも包含することとする。
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、感活性光線性又は感放射線性樹脂(P)を含んでいる。以下、この樹脂(P)の構成及びその製造方法について詳しく説明する。
<感活性光線性又は感放射線性樹脂(P)>
感活性光線性又は感放射線性樹脂(P)は、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えた繰り返し単位(A)と、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基を備えた繰り返し単位(B)とを含んでいる。
〔繰り返し単位(A)〕
繰り返し単位(A)としては、活性光線または放射線の照射により分解して酸を発生する繰り返し単位であれば、いずれでも用いることができる。
前記繰り返し単位(A)としては、例えば、下記一般式(III)〜(V)のいずれかで表わされる繰り返し単位が好ましい。
Figure 0005548473
ここで、R04、R05及びR07〜R09は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。
06は、シアノ基、カルボキシル基、−CO−OR25又は−CO−N(R26)(R27)を表す。R26とR27が結合して窒素原子とともに環を形成してもよい。
1 〜X3 は、各々独立に、単結合、アリーレン基、アルキレン基、シクロアルキレン基、−O−、−SO2 −、−CO−、−N(R33)−又はこれらの複数を組み合わせた2価の連結基を表す。
25は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
26、R27及びR33は、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基又はアラルキル基を表す。
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を生じる構造部位を表す。
前記一般式(III)〜(V)における、R04 〜R05 、R07 〜R09 のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよいシクロアルキル基が挙げられる。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R04 〜R05 、R07
09におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
25〜R27、R33のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
シクロアルキル基としては、単環型でも、多環型でもよいシクロアルキル基が挙げられる。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型のシクロアルキル基が挙げられる。
アルケニル基としては、好ましくは置換基を有していても良いビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、シクロヘキセニル基の様な炭素数2〜6個のものが挙げられる。
アリール基としては、置換基を有していても良い炭素数6〜14個の単環、多環の芳香族基が好ましく、具体的にはフェニル基、トリル基、クロロフェニル基、メトキシフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。またアリール基同士が結合して、複環を形成していてもよい。
アラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、クミル基等の置換基を有していても良い炭素数7〜15個のものが挙げられる。
26とR27が結合して窒素原子とともに形成する環としては、5〜8員環を形成するものが好ましいが、具体的にはピロリジン、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
1 〜X3 のアリーレン基は、置換基を有していても良い炭素数6〜14個のものが好ましく、具体的にはフェニレン基、トリレン基、ナフチレン基等が挙げられる。
アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
シクロアルキレン基としては、好ましくは置換基を有していても良いシクロペンチレン基、シクロヘキシレン基等の炭素数5〜8個のものが挙げられる。
前記一般式(III)〜(V)における各基の好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、ニトロ基、シアノ基、アミド基、スルホンアミド基、R04 〜R09、R25〜R27、R33で挙げたアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等のアシル基、アセトキシ基、ブチリルオキシ基等のアシロキシ基、カルボキシ基、並びに、フェニル基及びナフチル基などの芳香環基が挙げられ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
Aは、活性光線又は放射線の照射により分解して酸を生じる構造部位を表し、具体的には光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている公知の光により酸を発生する化合物が有する構造部位が挙げられる。
活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造部位としては、例えば、下記光酸発生剤が有しているイオン性構造部位を挙げることができる。
S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Bal et. al.,Polymer,21,423(1980)等に記載のジアゾニウム塩。
D.C.Necker et. al.,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et. al., Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056 号等に記載のホスホニウム塩。
J.V.Crivello et. al.,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第339,049号、同第410,201号、特開平2-150,848号、特開平2-296,514号等に記載のヨードニウム塩。
J.V.Crivello et. al.,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivello et. al.. J.Org.Chem., 43,3055(1978)、W.R.Watt et. al., J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed., 22,1789(1984)、J.V.Crivello et. al., Polymer Bull.,14,279(1985)、J.V.Crivello et. al., Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et. al., J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同3,902,114 号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同161,811号、同410,201号、同339,049号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、獨国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号等に記載のスルホニウム塩。
J.V.Crivello et. al., Macromorecules, 10(6), 1307(1977)、J.V.Crivello et. al.,J. PolymerSci., Polymer Chem.Ed., 17, 1047(1979)等に記載のセレノニウム塩。
C.S.Wen et. al.,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)等に記載のアルソニウム塩等のオニウム塩。
Aは、イオン性の構造部位であることが好ましく、スルホニウム塩又はヨードニウム塩を含んだ構造部位であることがより好ましい。
また、Aとしては、活性光線又は放射線の照射により分解して、樹脂の側鎖に酸アニオンを生じる構造部位であることがより好ましい。この場合、繰り返し単位(A)から発生する酸が樹脂に担持されているため、酸の拡散性が抑制され、解像度及びラフネス特性を向上させることができる。Aは、下記一般式(ZI)又は(ZII)で表されることが特に好ましい。
Figure 0005548473
上記一般式(ZI)において、
201、R202及びR203は、各々独立に、有機基を表す。
201、R202及びR203としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1
〜20である。
また、R201〜R203のうち2つが結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。R201〜R203の内の2つが結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
-は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましい。非求核性アニオンとしては、例えば、スルホン酸アニオン、カルボン酸アニオン、スルホニルイミドアニオン、ビス(アルキルスルホニル)イミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチルアニオン等を挙げることができる。
非求核性アニオンとは、求核反応を起こす能力が著しく低いアニオンであり、分子内求核反応による経時分解を抑制することができるアニオンである。これにより樹脂の経時安定性が向上し、レジストの経時安定性も向上する。
201、R202及びR203としての有機基としては、例えば、後述する(ZI−1)、(ZI−2)、(ZI−3)又は(ZI−4)で表される基における対応する基を挙げることができる。
更に好ましい(ZI)で表される基として、以下に説明する(ZI−1)基、(ZI−2)基、(ZI−3)基、及び(ZI−4)基を挙げることができる。
(ZI−1)基は、上記一般式(ZI)におけるR201〜R203の少なくとも1つがアリール基である、アリールスルホニウムをカチオンとする基である。
201〜R203の全てがアリール基でもよいし、R201〜R203の一部がアリール基で、残りがアルキル基又はシクロアルキル基でもよい。
例えば、トリアリールスルホニウム、ジアリールアルキルスルホニウム、アリールジアルキルスルホニウム、ジアリールシクロアルキルスルホニウム、アリールジシクロアルキルスルホニウムに相当する基を挙げることができる。
アリールスルホニウムにおけるアリール基としてはフェニル基、ナフチル基が好ましく、更に好ましくはフェニル基である。アリール基は、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を有する複素環構造を有するアリール基であってもよい。複素環構造としては、ピロール、フラン、チオフェン、インドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン等の構造を挙げることができる。アリールスルホニウムが2つ以上のアリール基を有する場合に、2つ以上あるアリール基は同一であっても異なっていてもよい。
アリールスルホニウムが必要に応じて有しているアルキル基又はシクロアルキル基は、炭素数1〜15の直鎖又は分岐アルキル基及び炭素数3〜15のシクロアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロヘキシル基等を挙げることができる。
201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、アルキル基(例えば炭素数1〜15)、シクロアルキル基(例えば炭素数3〜15)、アリール基(例えば炭素数6〜14)、アルコキシ基(例えば炭素数1〜15)、ハロゲン原子、水酸基、フェニルチオ基を置換基として有してもよい。好ましい置換基としては炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル基、炭素数3〜12のシクロアルキル基、炭素数1〜12の直鎖、分岐又は環状のアルコキシ基であり、より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシ基である。置換基は、3つのR201〜R203のうちのいずれか1つに置換していてもよいし、3つ全てに置換していてもよい。また、R201〜R203がアリール基の場合に、置換基はアリール基のp−位に置換していることが好ましい。
次に、(ZI−2)基について説明する。
(ZI−2)基は、一般式(ZI)におけるR201〜R203が、各々独立に、芳香環を有さない有機基を表す基である。ここで芳香環とは、ヘテロ原子を含有する芳香族環も包含するものである。
201〜R203としての芳香環を含有しない有機基は、一般的に炭素数1〜30、好ましくは炭素数1〜20である。
201〜R203は、各々独立に、好ましくはアルキル基、シクロアルキル基、アリル基、ビニル基であり、更に好ましくは直鎖又は分岐の2−オキソアルキル基、2−オキソシクロアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基、特に好ましくは直鎖又は分岐2−オキソアルキル基である。
201〜R203のアルキル基及びシクロアルキル基としては、好ましくは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基)、炭素数3〜10のシクロアルキル基(シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボニル基)を挙げることができる。アルキル基として、より好ましくは2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルメチル基を挙げることができる。シクロアルキル基として、より好ましくは、2−オキソシクロアルキル基を挙げることができる。
2−オキソアルキル基は、直鎖又は分岐のいずれであってもよく、好ましくは、上記のアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
2−オキソシクロアルキル基は、好ましくは、上記のシクロアルキル基の2位に>C=Oを有する基を挙げることができる。
アルコキシカルボニルメチル基におけるアルコキシ基としては、好ましくは炭素数1〜5のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペントキシ基)を挙げることができる。
201〜R203は、ハロゲン原子、アルコキシ基(例えば炭素数1〜5)、水酸基、シアノ基、ニトロ基によって更に置換されていてもよい。
(ZI−3)基及び(ZI−4)基とは、それぞれ、下記一般式(ZI−3)又は(ZI−4)により表される基である。(ZI−3)基及び(ZI−4)基は、ArFの露光波長(193nm)に対する透明性が高い。したがって、(ZI−3)基及び(ZI−4)基は、感活性光線性又は感放射線性樹脂をArF露光用の組成物の一成分として用いる場合に特に有用である。
Figure 0005548473
一般式(ZI−3)中、Mは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はベンジル基を表し、環構造を有するとき、環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、または炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
1c及びR2cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
x及びRyは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。
x及びRyが結合して環を形成してもよい。
M、R1c及びR2cの少なくとも2つが結合して環を形成してもよく、該環構造に炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
-は、非求核性アニオンを表す。Z-は、先に一般式(ZI)について説明したものと同義である。
一般式(ZI−4)中、
13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、または単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
14は複数存在する場合は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、または単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
15は各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15は、互いに結合して、環を形成していてもよい。
lは0〜2の整数を表す。
rは0〜8の整数を表す。
-は、非求核性アニオンを表す。Z-は、先に一般式(ZI)について説明したものと同義である。
まず、一般式(ZI−3)により表される化合物について説明する。
Mは、上述したように、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はベンジル基を表し、環構造を有するとき、環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル原子、アミド結合または炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
Mとしてのアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましく、炭素数が1〜12であることがより好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基を挙げることができる。
Mとしてのシクロアルキル基は、炭素数が3〜12個のであることが好ましい。このようなシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基などを挙げることができる。
Mとしてのアリール基は、炭素数が5〜15であることが好ましい。このようなアリール基としては、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。
Mとしての各基は、置換基として、シクロアルキル基、アルコキシ基及びハロゲン原子、フェニルチオ基等を有していてもよい。Mとしてのシクロアルキル基及びアリール基は、置換基として、アルキル基を有していてもよい。これら置換基の炭素数は、15以下であることが好ましい。
Mがフェニル基である場合、置換基として、少なくとも1つのアルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、又はフェニルチオ基を有することが好ましい。また、この場合、置換基の炭素数の和が2〜15であることが更に好ましい。このような構成を採用すると、酸発生剤の溶剤への溶解性が向上し、保存時におけるパーティクルの発生を更に抑制することが可能となる。
1c及びR2cの各々は、上述したように、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
このアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基は、炭素数が1〜12であることが好ましく、炭素数が1〜5であることがより好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、及び直鎖又は分岐鎖プロピル基が挙げられる。
シクロアルキル基は、例えば、炭素数3〜12のシクロアルキル基であり、好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロデシル基などを挙げることができる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
1c及びR2cとしてのアリール基としては、好ましくは炭素数5〜15であり、例えば、フェニル基及びナフチル基を挙げることができる。
上述したように、M、R1c及びR2cのうち少なくとも2つは、互いに結合して、環を形成していてもよい。この環としては、好ましくは3〜12員環、より好ましくは3〜10員環、更に好ましくは3〜6員環が挙げられる。この環は、炭素−炭素二重結合を備えていてもよい。
1cとR2cとが結合して環を形成する場合に、R1cとR2cとが結合して形成する基としては、炭素数2〜10のアルキレン基が好ましく、例えば、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ペンチレン基、ヘキシレン基などを挙げることができる。また、R1cとR2cとが結合して形成する環は、環内に酸素原子等のヘテロ原子を有していてもよい。
及びRの各々は、上述したように、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、シクロアルコキシカルボニルメチル基、アリル基、又はビニル基を表す。
アルキル基としては、例えば、先にR1c及びR2cのアルキル基として説明したのと同様のものが挙げられる。
シクロアルキル基としては、炭素数3〜12のものが好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロデシル基が挙げられる。
2−オキソアルキル基としては、例えば、上記アルキル基の2位に>C=Oを備えた基が挙げられる。
アルコキシカルボニルメチル基のアルコキシ基部分は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシ基部分は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜5であることがより好ましい。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、直鎖又は分岐プロポキシ基、直鎖又は分岐ブトキシ基、及び直鎖又は分岐ペントキシ基が挙げられる。
シクロアルコキシカルボニルアルキル基のシクロアルコキシ基部分は、炭素数が3〜8であることが好ましい。このようなシクロアルコキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基が挙げられる。また、アルコキシカルボニルアルキル基におけるアルキル基としては、例えば、炭素数1〜12のアルキル基が挙げられ、好ましくは炭素数1〜5の直鎖アルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基を挙げることができる。
上述したように、RxとRyとは、互いに結合して、環を形成していてもよい。Rx及びRyが互いに結合して形成する基としては、例えば、ブチレン基及びペンチレン基等のアルキレン基が挙げられる。
アリル基としては、特に制限は無いが、無置換の単環若しくは多環のシクロアルキル基で置換されたアリル基であることが好ましい。
ビニル基としては、特に制限は無いが、無置換の単環若しくは多環のシクロアルキル基で置換されたビニル基であることが好ましい。
x及びRyの各々は、炭素数4以上のアルキル基であることが好ましく、炭素数6以上のアルキル基であることがより好ましく、炭素数8以上のアルキル基であることが更に好ましい。
一般式(ZI−3)中のZとしては、先に一般式(ZI−3)において説明したのと同様のアニオンが挙げられる。
以下に、一般式(ZI−3)中のカチオンの具体例を挙げる。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
次に、一般式(ZI−4)により表される構造部位について説明する。
13、R14及びR15のアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましい。このようなアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、2−メチルプロピル基、1−メチルプロピル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基及びn−デシル基が挙げられる。これらのうち、メチル基、エチル基、n−ブチル基及びt−ブチル基が特に好ましい。
13、R14及びR15のシクロアルキル基としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロへプチル、シクロオクチル、シクロドデカニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル及びシクロオクタジエニル基が挙げられる。これらのうち、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル及びシクロオクチル基が特に好ましい。
13及びR14のアルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシ基は、炭素数が1〜10であることが好ましい。このようなアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基、t−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基及びn−デシルオキシ基が挙げられる。これらのうち、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基及びn−ブトキシ基が特に好ましい。
13及びR14のアルコキシカルボニル基は、直鎖状であってもよく、分岐状であってもよい。このアルコキシカルボニル基の炭素数は、2〜11であることが好ましい。このようなアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、n−ペンチルオキシカルボニル基、ネオペンチルオキシカルボニル基、n−ヘキシルオキシカルボニル基、n−ヘプチルオキシカルボニル基、n−オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、n−ノニルオキシカルボニル基及びn−デシルオキシカルボニル基が挙げられる。これらのうち、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基及びn−ブトキシカルボニル基が特に好ましい。
13及びR14により表される単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基は、総炭素数が7以上であることが好ましく、総炭素数が7以上15以下であることがより好ましい。
単環もしくは多環のシクロアルキル骨格を有する基としては、例えば、単環もしくは多環のシクロアルキルオキシ基、及び、単環もしくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基が挙げられ、単環のシクロアルキル骨格を有する基であることが好ましい。これら基は、置換基を更に有していてもよい。
単環のシクロアルキルオキシ基としては、例えば、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、シクロプチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基及びシクロドデカニルオキシ基が挙げられる。これら基は、置換基として、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ドデシル基、2−エチルヘキシル基、イソプロピル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基及びiso−アミル基等のアルキル基;水酸基:フッ素、塩素、臭素及びヨウ素原子等のハロゲン原子;ニトロ基;シアノ基;アミド基;スルホンアミド基;メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基及びブトキシ基等のアルコキシ基;メトキシカルボニル基及びエトキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基;ホルミル基、アセチル基及びベンゾイル基等のアシル基;アセトキシ基及びブチリルオキシ基等のアシロキシ基;又はカルボキシ基を更に有していてもよい。
多環のシクロアルキルオキシ基としては、例えば、ノルボニルオキシ基及びアダマンチルオキシ基が挙げられる。
単環もしくは多環のシクロアルキルオキシ基は、上述したように、総炭素数が7以上であることが好ましい。即ち、先に挙げたシクロアルキルオキシ基の炭素数と上記の置換基の炭素数との合計が7以上である構成を採用することが好ましい。
単環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ、ヘプトキシ、オクチルオキシ、ドデシルオキシ、2−エチルヘキシルオキシ、イソプロポキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、iso−アミルオキシ基等のアルコキシ基に、単環のシクロアルキル基が置換したものが挙げられる。この単環のシクロアルキル基は、先に挙げた置換基を更に有していてもよい。たとえば、シクロヘキシルメトキシ基、シクロペンチルエトキシ基、シクロヘキシルエトキシ基等が挙げられ、シクロヘキシルメトキシ基が好ましい。
多環のシクロアルキルオキシ基としては、例えば、ノルボニルオキシ基及びアダマンチルオキシ基が挙げられる。
単環もしくは多環のシクロアルキル基を有するアルコキシ基は、上述したように、総炭素数が7以上であることが好ましい。即ち、先に挙げたアルコキシ基の炭素数と単環のシクロアルキル基の炭素数と上記の置換基の炭素数との合計が7以上である構成を採用することが好ましい。
14のアルキルカルボニル基のアルキル基としては、上述したR13〜R15としてのアルキル基と同様の具体例が挙げられる。
14のアルキルスルホニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。
14のアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基は、炭素数が1〜10であることが好ましい。このようなアルキルスルホニル基及びシクロアルキルスルホニル基としては、例えば、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、tert−ブタンスルホニル基、n−ペンタンスルホニル基、ネオペンタンスルホニル基、n−ヘキサンスルホニル基、n−ヘプタンスルホニル基、n−オクタンスルホニル基、2−エチルヘキサンスルホニル基、n−ノナンスルホニル基、n−デカンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基及びシクロヘキサンスルホニル基が挙げられる。これらのうち、メタンスルホニル基、エタンスルホニル基、n−プロパンスルホニル基、n−ブタンスルホニル基、シクロペンタンスルホニル基及びシクロヘキサンスルホニル基が特に好ましい。
上記の各基は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、フッ素原子等のハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、シクロアルコキシ基、アルコキシアルキル基、シクロアルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、シクロアルコキシカルボニル基、アルコキシカルボニルオキシ基及びシクロアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられる。これらのうち、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基及びハロゲン原子がより好ましい。このハロゲン原子としては、フッ素原子が特に好ましい。
アルコキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチルプロポキシ基、1−メチルプロポキシ基及びt−ブトキシ基等の炭素数が1〜20のものが挙げられる。
シクロアルコキシ基としては、例えば、シクロペンチルオキシ基及びシクロヘキシルオキシ基等の炭素数が4〜20のものが挙げられる。
アルコキシアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシアルキル基としては、例えば、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−メトキシエチル基、2−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基及び2−エトキシエチル基等の炭素数が2〜21のものが挙げられる。
シクロアルコキシアルキル基としては、例えば、シクロペンチルオキシメチル基及びシクロペンチルオキシメチルエトキシ基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシカルボニル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、i−プロポキシカルボニル基、n−ブトキシカルボニル基、2−メチルプロポキシカルボニル基、1−メチルプロポキシカルボニル基及びt−ブトキシカルボニル基等の炭素数が2〜21のものが挙げられる。
シクロアルコキシカルボニル基としては、例えば、シクロペンチルオキシカルボニル基及びシクロヘキシルオキシカルボニル基等の炭素数が4〜21のものが挙げられる。
アルコキシカルボニルオキシ基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルコキシカルボニルオキシ基としては、例えば、メトキシカルボニルオキシ基、エトキシカルボニルオキシ基、n−プロポキシカルボニルオキシ基、i−プロポキシカルボニルオキシ基、n−ブトキシカルボニルオキシ基及びt−ブトキシカルボニルオキシ基等の炭素数が2〜21のものが挙げられる。
シクロアルコキシカルボニルオキシ基としては、シクロペンチルオキシカルボニルオキシ基及びシクロヘキシルオキシカルボニルオキシ基等の炭素数が4〜21のものが挙げられる。
2つのR15が互いに結合して形成し得る環構造としては、例えば、一般式(1−1)中のS原子と共に、5員環又は6員環、特に好ましくは5員環(即ち、テトラヒドロチオフェン環)を形成する構造が挙げられる。
この環構造は、置換基を更に有していてもよい。この置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、カルボキシ基、シアノ基、ニトロ基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、及びアルコキシカルボニルオキシ基が挙げられる。
15としては、メチル基、エチル基、1−ナフチル基、及び2つのR15が互いに結合して硫黄原子と共にテトラヒドロチオフェン環構造を形成する2価の基が特に好ましい。
上記lは、0又は1であることが好ましく、1であることがより好ましい。
上記rは、0〜2であることが好ましい。
以下に、一般式(1−1)により表される構造部位に含まれるカチオン部位の好ましい具体例を示す。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
前記一般式(ZII)中、R204〜R205は、各々独立に、アリール基、アルキル基又はシクロアルキル基を表す。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基の具体例や好適な態様などは、前述の化合物(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基として説明したアリール基と同様である。
204〜R207のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基は、置換基を有していてもよい。この置換基としても、前述の化合物(ZI−1)におけるR201〜R203のアリール基、アルキル基、シクロアルキル基が有していてもよいものが挙げられる。
-は、活性光線又は放射線の照射により分解して発生する酸アニオンを示し、非求核性アニオンが好ましく、一般式(ZI)に於けるZ-と同様のものを挙げることができる。
Aとしては、下記一般式(ZCI)又は(ZCII)で表される基も好ましい例として挙げられる。
Figure 0005548473
上記一般式(ZCI)において、
301、R302は、各々独立に、有機基を表す。
301、R302としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。
また、R301〜R302が結合して環構造を形成してもよく、環内に酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、カルボニル基を含んでいてもよい。結合して形成する基としては、アルキレン基(例えば、ブチレン基、ペンチレン基)を挙げることができる。
301、R302の有機基として具体的には、例えば前記一般式(ZI)におけるR201〜R203の例として挙げたアリール基、アルキル基、シクロアルキル基等を挙げることができる。
Mはプロトンが付与して酸を形成する原子団を表す。より具体的には、後述する一般式AN1〜AN4で表される構造であり、この中でもAN1で表されるものが好ましい。
303は有機基を表す。R303としての有機基の炭素数は、一般的に1〜30、好ましくは1〜20である。R303の有機基として具体的には、例えば前記一般式(ZII)におけるR204、R205の具体例として挙げたアリール基、アルキル基、シクロアルキル基等を挙げることができる。
また、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する構造部位としては、例えば、下記光酸発生剤が有しているスルホン酸前駆体となる構造部位を挙げることができる。
例えば、
M.TUNOOKA et. al.,Polymer Preprints Japan,35(8)、G.Berner et. al.,J.Rad.Curing,13(4)、W.J.Mijs et. al.,Coating Technol.,55(697),45(1983),Akzo、H.Adachiet. al.,Polymer Preprints,Japan,37(3)、欧州特許第0199,672号、同84515号、同199,672号、同044,115号、同0101,122号、米国特許第618,564号、同4,371,605号、同4,431,774号の各明細書、特開昭64-18143 号、特開平2-245756号、特開平4-365048号等の各公報に記載のイミノスルフォネ−ト等に代表される光分解してスルホン酸を発生する化合物。
特開昭61−166544号公報等に記載のジスルホン化合物。
さらに、V.N.R.Pillai,Synthesis,(1),1(1980)、A.Abad et. al.,Tetrahedron Lett.,(47)4555(1971)、D.H.R.Barton et. al.,J.Chem.Soc.,(C),329(1970)、米国特許第3,779,778号、欧州特許第126,712号等に記載の光により酸を発生する化合物。
以下に、繰り返し単位(A)の具体例を挙げる。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
樹脂(P)を含んだ組成物をArF露光用に用いる場合、繰り返し単位(A)の少なくとも一部は、ナフタレン環以外の芳香環を含んでいないことが好ましい。樹脂(P)を含んだ組成物をEB又はEUV露光用に用いる場合、2次電子発生効率の観点から、繰り返し単位(A)の少なくとも一部が芳香環を含んでいることが好ましい。
繰り返し単位(A)としては、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
繰り返し単位(A)の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜60モル%の範囲であり、さらに好ましくは3〜40モル%の範囲である。
樹脂(P)を含んだ組成物をArF露光用に用いる場合、ナフタレン環以外の芳香環を含んだ繰り返し単位(A)の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、0〜80モル%の範囲が好ましく、より好ましくは0〜60モル%の範囲であり、さらに好ましくは0〜40モル%の範囲である。
樹脂(P)を含んだ組成物をEB又はEUV露光用に用いる場合、芳香環基を含んだ繰り返し単位(A)の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜60モル%の範囲であり、さらに好ましくは1〜40モル%の範囲である。
〔繰り返し単位(B)〕
樹脂(P)は、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基を備えた繰り返し単位(B)を含んでいる。
アルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、トリス(アルキルスルホニル)メチレン基等が挙げられる。
好ましいアルカリ可溶性基としては、フェノール性水酸基、カルボキシル基、フッ素化アルコール基(好ましくはヘキサフルオロイソプロパノール)、スルホン酸基が挙げられる。
酸分解性基として好ましい基は、これらのアルカリ可溶性基の水素原子を酸で脱離する基で置換した基である。
酸で脱離する基としては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(R36)(R37)(OR39)、−C(R01)(R02)(OR39)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基と又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01〜R02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表す。
酸分解性基としては好ましくは、クミルエステル基、エノールエステル基、アセタールエステル基、第3級のアルキルエステル基等である。更に好ましくは、第3級アルキルエステル基である。
繰り返し単位(B)としては、下記一般式(V)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 0005548473
一般式(V)において、R51、R52、R53は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R52はL5と結合して環(好ましくは、5員もしくは6員環)を形成していてもよく、その場合のR52はアルキレン基を表わす。
5は、単結合または2価の連結基を表し、R52と環を形成する場合には3価の連結基を表す。
54はアルキル基を表し、R55及びR56は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基または1価の芳香環基を表す。R55及びR56は互いに結合して環を形成してもよい。但し、R55とR56が同時に水素原子であることはない。
一般式(V)について、更に詳細に説明する。
一般式(V)におけるR51〜R53のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していても良いメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基、特に好ましくは炭素数3以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R51〜R53におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型でも、多環型でもよい。好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個で単環型の1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子が特に好ましい。
上記各基における好ましい置換基としては、例えば、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
またR52がアルキレン基でありL5と環を形成する場合、アルキレン基としては、好ましくはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8のアルキレン基が挙げられる。炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜2のアルキレン基が特に好ましい。
式(V)におけるR51、R53としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF3)、ヒドロキシメチル基(−CH2−OH)、クロロメチル基(−CH2−Cl)、フッ素原子(−F)が特に好ましい。R52としては、水素原子、アルキル基、ハロゲン原子、アルキレン基(L5と環を形成)がより好ましく、水素原子、メチル基、エチル基、トリフルオロメチル基(−CF3)、ヒドロキシメチル基(−CH2−OH)、クロロメチル基(−CH2−Cl)、フッ素原子(−F)、メチレン基(Lと環を形成)、エチレン基(Lと環を形成)が特に好ましい。
で表される2価の連結基としては、アルキレン基、2価の芳香環基、−COO−L1−、−O−L1−、これらの2つ以上を組み合わせて形成される基等が挙げられる。ここで、L1はアルキレン基、2価の脂肪族炭化水素環基、2価の芳香環基、アルキレン基と2価の芳香環基を組み合わせた基を表す。
は、単結合、−COO−L1−(L1は炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン、プロピレン基がより好ましい。)または2価の芳香環基で表される基が好ましい。ArFエキシマレーザーで露光する場合には、193nm領域の吸収低減の観点から、単結合、−COO−L1−(L1は炭素数1〜5のアルキレン基が好ましく、メチレン、プロピレン基がより好ましい。)であることが好ましい。
54〜R56のアルキル基としては炭素数1〜20のものが好ましく、より好ましくは炭素数1〜10のものであり、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基などの炭素数1〜4のものが特に好ましい。
55及びR56で表される1価の脂肪族炭化水素環基としては、炭素数3〜20のものが好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環性のものであってもよいし、ノルボニル基、アダマンチル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、等の多環性のものであってもよい。
また、R55及びR56が互いに結合して形成される環としては、炭素数3〜20のものが好ましく、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の単環性のものであってもよいし、ノルボニル基、アダマンチル基、テトラシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基、等の多環性のものであってもよい。R55及びR56が互いに結合して環を形成する場合、R54は炭素数1〜3のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基がより好ましい。
55及びR56で表される1価の芳香環基としては、炭素数6〜20のものが好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。R55及びR56のどちらか一方が水素原子の場合、他方は1価の芳香環基であることが好ましい。
ArFエキシマレーザーで露光する場合には、193nm領域の吸収低減の観点から、R55及びR56は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基であることが好ましい。
一般式(V)で表される繰り返し単位に相当するモノマーの合成方法としては、一般的な重合性基含有エステルの合成法を適用することが可能であり、特に限定されることはない。
以下に、一般式(V)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
また、樹脂(P)は、繰り返し単位(B)として、下記一般式(VI)で表される繰り返し単位を含んでいてもよく、特に電子線、EUVで露光する場合に好ましい。
Figure 0005548473
一般式(VI)中、R61、R62、R63は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R62はAr6と結合して環(好ましくは、5員もしくは6員環)を形成していてもよく、その場合のR62はアルキレン基を表わす。
Ar6は、2価の芳香環基を表す。
Yは、複数ある場合は各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、Yの少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
一般式(VI)について更に詳細に説明する。
一般式(VI)におけるR61〜R63のアルキル基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、2−エチルヘキシル基、オクチル基、ドデシル基など炭素数20以下のアルキル基が挙げられ、より好ましくは炭素数8以下のアルキル基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基に含まれるアルキル基としては、上記R61〜R63におけるアルキル基と同様のものが好ましい。
1価の脂肪族炭化水素環基としては、単環型でも多環型でもよく、好ましくは置換基を有していても良いシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基のような炭素数3〜8個の単環型の1価の脂肪族炭化水素環基が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、フッ素原子がより好ましい。
62がアルキレン基を表す場合、アルキレン基としては、好ましくは置換基を有していてもよいメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基等の炭素数1〜8個のものが挙げられる。
Ar6は、2価の芳香環基を表す。2価の芳香環基は、置換基を有していても良く、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
上述したアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシカルボニル基、アルキレン基及び2価の芳香環基が有し得る置換基としては、上述した一般式(V)におけるR51〜R53により表わされる各基が有し得る置換基と同様の具体例が挙げられる。
nは1又は2であることが好ましく、1であることがより好ましい。
n個のYは、各々独立に、水素原子又は酸の作用により脱離する基を表す。但し、n個中の少なくとも1つは、酸の作用により脱離する基を表す。
酸の作用により脱離する基Yとしては、例えば、−C(R36)(R37)(R38)、−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−C(R01)(R02)(OR39)、−C(R01)(R02)−C(=O)−O−C(R36)(R37)(R38)、−CH(R36)(Ar)等を挙げることができる。
式中、R36〜R39は、各々独立に、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表す。R36とR37とは、互いに結合して環を形成してもよい。
01及びR02は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基、アルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基又はアルケニル基を表す。
Arは、1価の芳香環基を表す。
36〜R39、R01及びR02のアルキル基は、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、へキシル基、オクチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02の1価の脂肪族炭化水素環基は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロオクチル基等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20の脂肪族炭化水素環基が好ましく、例えば、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボロニル基、カンファニル基、ジシクロペンチル基、α−ピネル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデシル基、アンドロスタニル基等を挙げることができる。尚、脂肪族炭化水素環基中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01及びR02及びArの1価の芳香環基は、炭素数6〜10の1価の芳香環基が好ましく、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基としては、炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等を挙げることができる。
36〜R39、R01及びR02のアルケニル基は、炭素数2〜8のアルケニル基が好ましく、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基、シクロへキセニル基等を挙げることができる。
36とR37とが、互いに結合して形成する環は、単環型でも、多環型でもよい。単環型としては、炭素数3〜8の脂肪族炭化水素環構造が好ましく、例えば、シクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロへキサン構造、シクロヘプタン構造、シクロオクタン構造等を挙げることができる。多環型としては、炭素数6〜20の脂肪族炭化水素環構造が好ましく、例えば、アダマンタン構造、ノルボルナン構造、ジシクロペンタン構造、トリシクロデカン構造、テトラシクロドデカン構造等を挙げることができる。尚、脂肪族炭化水素環構造中の炭素原子の一部が酸素原子等のヘテロ原子によって置換されていてもよい。
36〜R39、R01、R02、及びArとしての上記各基は、置換基を有していてもよく、置換基としては、例えば、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アミノ基、アミド基、ウレイド基、ウレタン基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、チオエーテル基、アシル基、アシロキシ基、アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基等を挙げることができ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
酸の作用により脱離する基Yとしては、下記一般式(VI−A)で表される構造がより好ましい。
Figure 0005548473
ここで、L1及びL2は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、1価の芳香環基又はアルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基を表す。
Mは、単結合又は2価の連結基を表す。
Qは、アルキル基、ヘテロ原子を含んでいてもよい1価の脂肪族炭化水素環基、ヘテロ原子を含んでいてもよい1価の芳香環基、アミノ基、アンモニウム基、メルカプト基、シアノ基又はアルデヒド基を表す。
Q、M、L1の少なくとも2つが結合して環(好ましくは、5員もしくは6員環)を形成してもよい。
1及びL2としてのアルキル基は、例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基を好ましく挙げることができる。
1及びL2としての1価の脂肪族炭化水素環基は、例えば炭素数3〜15個の脂肪族炭化水素環基であって、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等を好ましい例として挙げることができる。
1及びL2としての1価の芳香環基は、例えば炭素数6〜15個のアリール基であって、具体的には、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントリル基等を好ましい例として挙げることができる。
1及びL2としてのアルキレン基と1価の芳香環基を組み合わせた基は、例えば、炭素数6〜20であって、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基が挙げられる。
Mとしての2価の連結基は、例えば、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、オクチレン基など)、2価の脂肪族炭化水素環基(例えば、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基など)、アルケニレン基(例えば、エチレン基、プロペニレン基、ブテニレン基など)、2価の芳香環基(例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基など)、−S−、−O−、−CO−、−SO2−、−N(R0)−、およびこれらの複数を組み合わせた2価の連結基である。R0は、水素原子またはアルキル基(例えば炭素数1〜8個のアルキル基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基など)である。
Qとしてのアルキル基は、上述のL1及びL2としての各基と同様である。
Qとしてのヘテロ原子を含んでいてもよい1価の脂肪族炭化水素環基及びヘテロ原子を含んでいてもよい1価の芳香環基に於ける、ヘテロ原子を含まない肪族炭化水素環基及びへテロ原子を含まない1価の芳香環基としては、上述のL1及びL2としての1価の脂肪族炭化水素環基、及び1価の芳香環基などが挙げられ、好ましくは、炭素数3〜15である。
ヘテロ原子を含む1価の脂肪族炭化水素環基及びヘテロ原子を含む1価の芳香環基としては、例えば、チイラン、シクロチオラン、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール、ピロリドン等のヘテロ環構造を有する基が挙げられるが、一般にヘテロ環と呼ばれる構造(炭素とヘテロ原子で形成される環、あるいはヘテロ原子にて形成される環)であれば、これらに限定されない。
Q、M、L1の少なくとも2つが結合して形成してもよい環としては、Q、M、L1の少なくとも2つが結合して、例えば、プロピレン基、ブチレン基を形成して、酸素原子を含有する5員または6員環を形成する場合が挙げられる。
一般式(VI−A)におけるL1、L2、M、Qで表される各基は、置換基を有していてもよく、例えば、前述のR36〜R39、R01、R02、及びArが有してもよい置換基として挙げたものが挙げられ、置換基の炭素数は8以下が好ましい。
−M−Qで表される基として、炭素数1〜30個で構成される基が好ましく、炭素数5〜20個で構成される基がより好ましい。
以下に繰り返し単位(B)の好ましい具体例として、一般式(VI)で表される繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
本発明の樹脂(P)中における繰り返し単位(B)の含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対して、3〜90モル%の範囲が好ましく、5〜80モル%の範囲がより好ましく、7〜70モル%の範囲が特に好ましい。
樹脂中の繰り返し単位(A)と繰り返し単位(B)との比率(Aのモル数/ Bのモル数)は、0.04〜1.0が好ましく、0.05〜0.9がより好ましく、0.06〜0.8が特に好ましい。
感活性光線性又は感放射線性樹脂(P)は、繰り返し単位(A)及び(B)以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
〔繰り返し単位(C)〕
樹脂(P)は、さらに、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する繰り返し単位(C)を有することが好ましい。
アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基としては、ラクトン構造、フェニルエステル構造などが挙げられる。
繰り返し単位(C)としては、下記一般式(AII)で表される繰り返し単位がより好ましい。
Figure 0005548473
一般式(AII)中、
Rb0は、水素原子、ハロゲン原子又は置換基を有していてもよいアルキル基(好ましくは炭素数1〜4)を表す。
Rb0のアルキル基が有していてもよい好ましい置換基としては、水酸基、ハロゲン原子が挙げられる。Rb0のハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子を挙げることができる。Rb0として、好ましくは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基であり、水素原子、メチル基が特に好ましい。
Abは、単結合、アルキレン基、単環または多環の脂肪族炭化水素環構造を有する2価の連結基、エーテル基、エステル基、カルボニル基、又はこれらを組み合わせた2価の連結基を表す。好ましくは、単結合、−Ab1−CO2−で表される2価の連結基である。
Ab1は、直鎖又は分岐アルキレン基、単環または多環の脂肪族炭化水素環基であり、好ましくはメチレン基、エチレン基、シクロヘキシレン基、アダマンチレン基、ノルボルニレン基である。
Vは、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を表す。好ましくはエステル結合を有する基であり、中でもラクトン構造を有する基がより好ましい。
ラクトン構造を有する基としては、ラクトン構造を有していればいずれでも用いることができるが、好ましくは5〜7員環ラクトン構造であり、5〜7員環ラクトン構造にビシクロ構造、スピロ構造を形成する形で他の環構造が縮環しているものが好ましい。Vとしては下記一般式(LC1−1)〜(LC1−17)のいずれかで表されるラクトン構造を有する基がより好ましい。また、樹脂(P)は、繰り返し単位(C)以外に更にラクトン構造が主鎖に直接結合した繰り返し単位を含有していてもよい。好ましいラクトン構造としては(LC1−1)、(LC1−4)、(LC1−5)、(LC1−6)、(LC1−13)、(LC1−14)である。
Figure 0005548473
ラクトン構造部分は、置換基(Rb2)を有していても有していなくてもよい。好ましい置換基(Rb2)としては、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜7の1価の脂肪族炭化水素環基、炭素数1〜8のアルコキシ基、炭素数1〜8のアルコキシカルボニル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、水酸基、シアノ基、酸分解性基などが挙げられる。より好ましくは炭素数1〜4のアルキル基、シアノ基、酸分解性基である。nは、0〜4の整数を表す。nが2以上の時、複数存在する置換基(Rb2)は、同一でも異なっていてもよく、また、複数存在する置換基(Rb2)同士が結合して環を形成してもよい。
ラクトン基を有する繰り返し単位は、通常光学異性体が存在するが、いずれの光学異性体を用いてもよい。また、1種の光学異性体を単独で用いても、複数の光学異性体混合して用いてもよい。1種の光学異性体を主に用いる場合、その光学純度(ee)が90以上のものが好ましく、より好ましくは95以上である。
樹脂(P)中の繰り返し単位(C)の含有率は、全繰り返し単位に対して、0.5〜80モル%の範囲が好ましく、より好ましくは1〜60モル%の範囲であり、さらに好ましくは2〜40モル%の範囲である。繰り返し単位(C)は1種類であってもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。特定のラクトン構造を用いることでラインエッジラフネス、現像欠陥が良好になる。
以下に、樹脂(P)中の繰り返し単位(C)の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。式中、Rxは、H,CH,CHOH,またはCFを表す。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
〔繰り返し単位(D)〕
本発明の樹脂(P)は、アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位(D)を有していることが好ましい。アルカリ可溶性基としてはフェノール性水酸基、カルボキシル基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、ビスルスルホニルイミド基、α位が電子求引性基で置換された脂肪族アルコール(例えばヘキサフロロイソプロパノール基)が挙げられる。
ArFエキシマレーザーで露光する場合には、カルボキシル基を有する繰り返し単位を有することがより好ましい。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位を含有することによりコンタクトホール用途での解像性が増す。アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位としては、アクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位のような樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、あるいは連結基を介して樹脂の主鎖にアルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位、更にはアルカリ可溶性基を有する重合開始剤や連鎖移動剤を重合時に用いてポリマー鎖の末端に導入、のいずれも好ましく、連結基は単環又は多環の環状炭化水素構造を有していてもよい。特に好ましくはアクリル酸、メタクリル酸による繰り返し単位である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、0〜20mol%が好ましく、より好ましくは0〜15mol%、更に好ましくは0〜10mol%である。
アルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を以下に示すが、本発明は、これに限定されるものではない。
具体例中、RxはH,CH,CHOH,又はCFを表す。
Figure 0005548473
KrFエキシマレーザー光、電子線、X線、波長50nm以下の高エネルギー光線(EUVなど)で露光する場合には、芳香環基を有するアルカリ可溶性基であることが好ましく、下記一般式(IV)で表される構造がより好ましい。
Figure 0005548473
ここで、R41、R42及びR43は、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、シアノ基又はアルコキシカルボニル基を表す。R42はArと結合して環(好ましくは5員又は6員環)を形成していてもよく、その場合のR42はアルキレン基を表わす。
Ar4は、2価の芳香環基を表す。
nは、1〜4の整数を表す。
式(IV)におけるR41、R42、R43のアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、ハロゲン原子、及びアルコキシカルボニル基及びこれらの基が有し得る置換基の具体例としては、上掲の一般式(V)における各基と同様の具体例が挙げられる。
Ar4は、2価の芳香環基を表す。2価の芳香環基は、置換基を有していてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ナフチレン基、アントラセニレン基などの炭素数6〜18のアリーレン基、あるいは、例えば、チオフェン、フラン、ピロール、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾピロール、トリアジン、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、トリアゾール、チアジアゾール、チアゾール等のヘテロ環を含む2価の芳香環基を好ましい例として挙げることができる。
上記各基における好ましい置換基としては、R51〜R53で挙げたアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、ヒドロキシエトキシ基、プロポキシ基、ヒドロキシプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、フェニル基等のアリール基が挙げられる。
Arとしては、置換基を有していてもよい炭素数6〜18のアリーレン基がより好ましく、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基が特に好ましい。
繰り返し単位(D)が特に一般式(IV)で表される場合の好ましい含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、3〜90mol%が好ましく、より好ましくは5〜80mol%、更に好ましくは7〜70mol%である。
以下に、一般式(IV)で表されるアルカリ可溶性基を有する繰り返し単位の具体例を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。式中、aは1〜2の整数を表す。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
〔その他の繰り返し単位〕
樹脂(P)は、上述した繰り返し単位(A)乃至(D)以外の繰り返し単位であって、水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位を更に有していてもよい。これにより基板密着性、現像液親和性を向上させることができる。水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位は、水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造を有する繰り返し単位であることが好ましく、酸分解性基を有さないことが好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造に於ける、脂環炭化水素構造としては、アダマンチル基、ジアマンチル基、ノルボルナン基が好ましい。水酸基又はシアノ基で置換された脂環炭化水素構造としては、下記一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造が好ましい。
Figure 0005548473
一般式(VIIa)〜(VIIc)に於いて、Rc〜Rcは、各々独立に、水素原子、水酸基又はシアノ基を表す。ただし、Rc〜Rcの内の少なくとも1つは、水酸基又はシアノ基を表す。好ましくは、Rc〜Rcの内の1つ又は2つが、水酸基で、残りが水素原子である。一般式(VIIa)に於いて、更に好ましくは、Rc〜Rcの内の2つが、水酸基で、残りが水素原子である。
一般式(VIIa)〜(VIId)で表される部分構造を有する繰り返し単位としては、下記一般式(AIIa)〜(AIId)で表される繰り返し単位を挙げることができる。
Figure 0005548473
一般式(AIIa)〜(AIId)に於いて、Rcは、水素原子、メチル基、トリフロロメチル基又はヒドロキシメチル基を表す。
c〜Rcは、一般式(VIIa)〜(VIIc)に於ける、Rc〜Rcと同義である。
水酸基又はシアノ基を有する繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0005548473
樹脂(P)は、更に極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位を有することができる。このような繰り返し単位としては、一般式(VII)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0005548473
一般式(VII)中、Rは少なくとも一つの脂環炭化水素構造を有し、水酸基及びシアノ基のいずれも有さない炭化水素基を表す。
Raは水素原子、アルキル基又は−CH−O−Ra基を表す。式中、Raは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。Raは、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基、トリフルオロメチル基が好ましく、水素原子、メチル基が特に好ましい。
が有する脂環炭化水素構造には、単環式炭化水素基及び多環式炭化水素基が含まれる。単環式炭化水素基としては、たとえば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロへプチル基、シクロオクチル基などの炭素数3から12のシクロアルキル基、シクロへキセニル基など炭素数3から12のシクロアルケニル基が挙げられる。好ましい単環式炭化水素基としては、炭素数3から7の単環式炭化水素基であり、より好ましくは、シクロペンチル基、シクロヘキシル基が挙げられる。
多環式炭化水素基には環集合炭化水素基、架橋環式炭化水素基が含まれ、環集合炭化水素基の例としては、ビシクロヘキシル基、パーヒドロナフタレニル基などが含まれる。架橋環式炭化水素環として、例えば、ピナン、ボルナン、ノルピナン、ノルボルナン、ビシクロオクタン環(ビシクロ[2.2.2]オクタン環、ビシクロ[3.2.1]オクタン環等)などの2環式炭化水素環及び、ホモブレダン、アダマンタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、トリシクロ[4.3.1.12,5]ウンデカン環などの3環式炭化水素環、テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカン、パーヒドロ−1,4−メタノ−5,8−メタノナフタレン環などの4環式炭化水素環などが挙げられる。また、架橋環式炭化水素環には、縮合環式炭化水素環、例えば、パーヒドロナフタレン(デカリン)、パーヒドロアントラセン、パーヒドロフェナントレン、パーヒドロアセナフテン、パーヒドロフルオレン、パーヒドロインデン、パーヒドロフェナレン環などの5〜8員シクロアルカン環が複数個縮合した縮合環も含まれる。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
これらの脂環式炭化水素基は置換基を有していても良く、好ましい置換基としてはハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護された水酸基、保護基で保護されたアミノ基などが挙げられる。好ましいハロゲン原子としては臭素、塩素、フッ素原子、好ましいアルキル基としてはメチル、エチル、ブチル、t−ブチル基が挙げられる。上記のアルキル基は更に置換基を有していても良く、更に有していてもよい置換基としては、ハロゲン原子、アルキル基、保護基で保護された水酸基、保護基で保護されたアミノ基を挙げることができる。
保護基としては、たとえばアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アラルキル基、置換メチル基、置換エチル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基が挙げられる。好ましいアルキル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、好ましい置換メチル基としてはメトキシメチル、メトキシチオメチル、ベンジルオキシメチル、t−ブトキシメチル、2−メトキシエトキシメチル基、好ましい置換エチル基としては、1−エトキシエチル、1−メチル−1−メトキシエチル、好ましいアシル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、ピバロイル基などの炭素数1〜6の脂肪族アシル基、アルコキシカルボニル基としては炭素数1〜4のアルコキシカルボニル基などが挙げられる。
また、Rとしては、アリール基又はアラルキル基であってもよい。
アリール基としては炭素数6〜12のものが好ましく、具体的にはフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基などが挙げられる。アリール基は更にアルキル基、シクロアルキル基などで置換されていてもよい。
アラルキル基としては、炭素数7〜15のものが好ましく、具体的にはベンジル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。アラルキル基は更にアルキル基、シクロアルキル基などで置換されていてもよい。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の含有率は、樹脂(P)中の全繰り返し単位に対し、0〜40モル%が好ましく、より好ましくは0〜20モル%である。
極性基を持たない脂環炭化水素構造を有し、酸分解性を示さない繰り返し単位の具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに限定されない。式中、Raは、H、CH、CHOH、又はCFを表す。
Figure 0005548473
本発明の樹脂(P)は、上記の繰り返し構造単位以外に、ドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にレジストの一般的な必要な特性である解像力、耐熱性、感度等を調節する目的で様々な繰り返し構造単位を有することができる。
このような繰り返し構造単位としては、下記の単量体に相当する繰り返し構造単位を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
これにより、本発明の組成物に用いられる樹脂に要求される性能、特に、塗布溶剤に対する溶解性、製膜性(ガラス転移点)、アルカリ現像性、膜べり(親疎水性、アルカリ可溶性基選択)、未露光部の基板への密着性、ドライエッチング耐性、等の微調整が可能となる。
このような単量体として、例えばアクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類、スチレン類、クロトン酸エステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
その他にも、上記種々の繰り返し構造単位に相当する単量体と共重合可能である付加重合性の不飽和化合物であれば、共重合されていてもよい。
本発明の組成物に用いられる樹脂(P)において、各繰り返し構造単位の含有モル比はレジストのドライエッチング耐性や標準現像液適性、基板密着性、レジストプロファイル、更にはレジストの一般的な必要性能である解像力、耐熱性、感度等を調節するために適宜設定される。
樹脂(P)の形態としては、ランダム型、ブロック型、クシ型、スター型のいずれの形態でもよい。
〔樹脂(P)の合成方法〕
樹脂(P)は、繰り返し単位(A)に対応した単量体(M−A)と繰り返し単位(B)に対応した単量体(M−B)とを含んだ反応系を、塩基性化合物の存在下で重合させることにより合成する。なお、この反応系は、上述した種々の繰り返し単位に対応した単量体を共重合成分として含んでいてもよい。
本発明者らは、従来の方法によりこれら単量体の重合反応を行った場合、得られる樹脂(P)の純度が必ずしも高くないことを見出した。そこで、本発明者らは、この新たな問題点を解決すべく、種々の検討を行った。その結果、本発明者らは、反応系に塩基性化合物を共存させることにより、得られる樹脂(P)の純度が劇的に改善することを発見した。
その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、以下のように推測している。即ち、上記の反応を行う場合、繰り返し単位(A)若しくは単量体(M−A)が反応中に分解することにより発生した酸、及び/又は、原料の単量体などに含まれていた極微量の酸が系中に存在し得る。これら酸は、反応中に、繰り返し単位(B)若しくは単量体(M−B)が備えている酸分解性基の一部を分解することがある。そのため、従来の方法によりこれら単量体の重合反応を行うと、即ち、塩基性化合物を共存させることなしに上記反応を行うと、得られる樹脂(P)の純度が低下する。他方、上記の重合反応を塩基性化合物の存在下で行うと、上記の酸の少なくとも一部が塩基性化合物によりトラップされ、酸分解性基の分解を効果的に抑制することができる。したがって、こうすると、得られる樹脂(P)の純度が向上する。
上記の反応は、ラジカル重合反応であってもよく、カチオン又はアニオン重合反応であってもよい。また、この反応は、単量体及び重合開始剤を溶媒に溶解させ、加熱することにより重合を行う一括重合法により行ってもよく、加熱した溶媒に単量体と重合開始剤との溶液を1〜10時間かけて滴下して加える滴下重合法により行ってもよい。これらのうち、滴下重合法が好ましい。
(単量体)
単量体(M−A)は、例えば、以下のようにして合成する。即ち、例えば、繰り返し単位(A)に対応する重合性不飽和結合を有する酸アニオンと既知のオニウム塩のハライドとを交換することにより合成する。
より具体的には、例えば、繰り返し単位(A)に対応する重合性不飽和結合を有する酸の金属イオン塩(例えば、ナトリウムイオン、カリウムイオン等)又はアンモニウム塩(アンモニウム、トリエチルアンモニウム塩等)と、ハロゲンイオン(塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等)を有するオニウム塩とを、水又はメタノールの存在下で攪拌し、アニオン交換反応を行い、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン及びテトラヒドロキシフラン等の有機溶媒と水とで分液・洗浄操作をすることにより合成することができる。
また、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン、テトラヒドロキシフラン等の水との分離が可能な有機溶媒と水との存在下で攪拌してアニオン交換反応を行った後に、水を用いて分液・洗浄操作をすることによって合成することもできる。
なお、本発明者らは、単量体(M−A)が下記一般式(ZI−3C)及び(ZI−4C)の少なくとも一方により表されるカチオン部位を備えている場合、本発明に係る製造方法を用いた場合の樹脂(P)の純度の向上が更に顕著となることを見出している。その理由は必ずしも明らかではないが、本発明者らは、これらカチオン部位を備えた単量体(M−A)又はこれに対応した繰り返し単位(A)が、反応中に比較的熱分解を生じ易いためであると推測している。
Figure 0005548473
一般式(ZI−3C)中、M、R1c、R2c、R及びRは、上記一般式(ZI−3)における各々と同義である。
一般式(ZI−4C)中、R13、R14、R15、l及びrは、上記一般式(ZI−4)における各々と同義である。
なお、単量体(M−B)及びその他の単量体は、公知の方法により合成することができる。或いは、これらの単量体として、市販品を用いてもよい。
(塩基性化合物)
上記の重合反応に用いられる塩基性化合物は、含窒素有機塩基性化合物であることが好ましい。
使用可能な化合物は特に限定されないが、例えば以下の(1)〜(3)に分類される化合物が好ましく用いられる。
(1)下記一般式(BS−1)により表される化合物
Figure 0005548473
一般式(BS−1)中、
Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、又はアラルキル基を表す。但し、3つのRの全てが水素原子である場合を除く。また、3 Rとしてのアルキル基は、直鎖状であってもよく、分岐鎖状であってもよい。このアルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常は1〜20であり、好ましくは1〜12である。
なお、Rとしてのアルキル基は、アルキル鎖中に酸素原子を有していてもよい。即ち、Rとしてのアルキル基は、オキシアルキレン鎖を含んでいてもよい。オキシアルキレン鎖としては、−CHCHO−が好ましい。
Rとしての1価の脂肪族炭化水素環基は、単環式であってもよく、多環式であってもよい。この1価の脂肪族炭化水素環基の炭素数は特に限定されないが、通常は3〜20であり、好ましくは5〜15である。
Rとしてのアリール基の炭素数は特に限定されないが、通常は6〜20であり、好ましくは6〜10である。具体的には、フェニル基及びナフチル基などが挙げられる。
Rとしてのアラルキル基の炭素数は特に限定されないが、通常は7〜20であり、好ましくは7〜11である。具体的には、ベンジル基などが挙げられる。
Rとしてのアルキル基、1価の脂肪族炭化水素環、アリール基又はアラルキル基は、水素原子の少なくとも一部が置換基により置換されていてもよい。この置換基としては、例えば、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アラルキル基、水酸基、カルボキシル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルカルボニルオキシ基、アルキルオキシカルボニル基等が挙げられる。
Rは、その末端にフェノキシ基を備えていることが好ましい。このフェノキシ基は、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、カルボキシル基、カルボン酸エステル基、スルホン酸エステル基、アリール基、アラルキル基、アシロキシ基、アリールオキシ基等の置換基を有していてもよい。
Rがその末端にフェノキシ基を備えている場合、上記一般式(BS−1)により表される化合物は、フェノキシ基と窒素原子との間に、少なくとも1つのオキシアルキレン鎖を有していることが好ましい。1分子中のオキシアルキレン鎖の数は、好ましくは3〜9個、更に好ましくは4〜6個である。オキシアルキレン鎖の中でも−CHCHO−が好ましい。
一般式(BS−1)により表される化合物は、3つのRのうち1つのみが水素原子であること又は全てのRが水素原子以外の基であることが好ましく、全てのRが水素原子以外の基であることより好ましい。
一般式(BS−1)により表される化合物の具体例としては、トリ−n−エチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−デシルアミン、トリイソデシルアミン、ジシクロヘキシルメチルアミン、テトラデシルアミン、ペンタデシルアミン、ヘキサデシルアミン、オクタデシルアミン、ジデシルアミン、メチルオクタデシルアミン、ジメチルウンデシルアミン、N,N−ジメチルドデシルアミン、メチルジオクタデシルアミン、N−(2−シアノエチル)ジエチルアミン、N−(2−シアノエチル)ジエタノールアミン、2−(2−ジエチルアミノエトキシ)エタノール、2−(ジブチルアミノ)エタノール、2−ジエチルアミノエタノール、N,N−ジエチルシクロヘキシルアミン、ジエチルアミノアセトニトリル、N,N−ジエチルグリシンメチル、N,N−ジエチル−1−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−1−ナフチルアミン、N,N−ジメチル−2−ナフチルアミン、4’−ジメチルアミノアセトフェノン、N−メチルアセトアニリド、N−メチルホルムアニリド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジエチルプロピオンアミド、1−(2−シアノエチル)−2−ピペコリン、1−アセチルピロリジン、1−アセチル−4−ピペリドン、1−アセチル−2−ピロリドン、1−ブチル−2−ピロリドン、1−シクロヘキシル−2−ピロリドン、1−メチル−2−ピロリドン、1−エチル−2−ピロリドン、1−フェニル−2−ピロリドン、4−アセチルモルホリン、N−アセトアセチルモルホリン、1−モルホリノ−1−シクロヘキセン、N−(2−シアノエチル)モルホリン、1−(3−シアノプロピル)ピロリジン、4−エチルモルホリン、4−(4−シアノフェニル)モルホリン、4−フェニルモルホリン、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリン、N,N−ジブチルアニリン、N,N−ジヘキシルアニリン、2,6−ジイソプロピルアニリン、2,4,6−トリ(t−ブチル)アニリン、N−(2−シアノエチル)−N−エチルアニリン、N−(2−シアノエチル)−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリン、N−(2−シアノエチル)−N−メチルアニリン、N−(2−シアノエチル)−N−ブチルアニリン、1−アセチル−1,2,3,4−テトラヒドロキノリンなどが挙げられる。
Rがオキシアルキレン鎖を含んでいる場合の具体例としては、トリス(メトキシエトキシエチル)アミンや、米国特許第6040112号明細書のカラム3、60行目以降に例示の化合物などが挙げられる。
Rがその末端にフェノキシ基を備えている場合の具体例としては、2−[2−{2−(2,2−ジメトキシ−フェノキシエトキシ)エチル}−ビス−(2−メトキシエチル)]−アミンや、米国特許出願公開第2007/0224539A1号明細書の段落[0066]に例示されている化合物(C1−1)〜(C3−3)などが挙げられる。
(2)含窒素複素環構造を有する化合物
複素環構造としては、芳香族性を有していてもいなくてもよい。また、窒素原子を複数有していてもよく、更に、窒素以外のヘテロ原子を含有していてもよい。具体的には、イミダゾール構造を有する化合物(イミダゾール、1−メチルイミダゾール、N−アセチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジルイミダゾール、2−フェニルベンゾイミダゾール、2,4,5−トリフェニルイミダゾールなど)、ピペリジン構造を有する化合物(1−アセチルピペリジン、N−(2−シアノエチル)ピペリジン、1−シアノメチルピペリジン、1−エチルピペリジン、N−ヒドロキシエチルピペリジン、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケートなど)、ピリジン構造を有する化合物(ピリジン、2,6−ルチジン、2−アセチルピリジン、3−アセチルピリジン、4−アセチルピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、4−シアノピリジン、4−ジメチルアミノピリジンなど)、アンチピリン構造を有する化合物(アンチピリン、ヒドロキシアンチピリンなど)が挙げられる。
また、環構造を2つ以上有する化合物も好適に用いられる。具体的には1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン、1,8−ジアザビシクロ〔5.4.0〕−ウンデカ−7−エンなどが挙げられる。
(3)アンモニウム塩
アンモニウム塩も適宜用いられる。好ましくはヒドロキシド又はカルボキシレートである。より具体的にはテトラブチルアンモニウムヒドロキシドに代表されるテトラアルキルアンモニウムヒドロキシドが好ましい。
塩基性化合物は、一般式(BS−1)により表される化合物又は含窒素複素環構造を有する化合物であることがより好ましい。
その他、本発明に係る合成方法に使用可能なものとして、特開2002−363146号公報の実施例で合成されている化合物などが挙げられる。
塩基性化合物は合成しても良いが、東京化成工業(株)、和光純薬工業(株)、及びシグマアルドリッチなどから購入しても良い。
塩基性化合物は、単独であるいは2種以上併用して用いることができる。
塩基性化合物の使用量は、単量体(M−A)に対して、0.01〜200モル%であることが好ましく、0.1〜100モル%であることがより好ましく、1〜50モル%であることがさらに好ましく、1〜25モル%であることが最も好ましい。この使用量が過度に多いと、樹脂を精製しても、塩基性化合物が残留してしまう可能性がある。そして、これにより、レジスト性能に影響を及ぼす可能性がある。
(重合開始剤)
上記の反応系は、通常は、重合開始剤を更に含んでいる。重合開始剤としては、例えば、アゾ系開始剤及びパーオキサイドなどのラジカル開始剤を用いて重合を開始させる。ラジカル開始剤としてはアゾ系開始剤が好ましく、エステル基、シアノ基、カルボキシル基を有するアゾ系開始剤が好ましい。好ましい開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)などが挙げられる。なお、所望により、開始剤を複数回に分けて添加してもよい。
(反応溶媒)
上記の反応は、典型的には液相で行う。即ち、上記の反応系は、典型的には、溶媒を更に含んでいる。
この溶媒としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、環状ラクトン、鎖状又は環状のケトン、アルキレンカーボネート、カルボン酸アルキル、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキル、アルコールなどが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートが好ましく挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルを好ましく挙げられる。
乳酸アルキルエステルとしては、例えば、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチルを好ましく挙げられる。
アルコキシプロピオン酸アルキルとしては、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチルを好ましく挙げられる。
環状ラクトンとしては、例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、α−メチル−γ−ブチロラクトン、β−メチル−γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−カプロラクトン、γ−オクタノイックラクトン、α−ヒドロキシ−γ−ブチロラクトンが好ましく挙げられる。
鎖状又は環状のケトンとしては、例えば、2−ブタノン(メチルエチルケトン)、3−メチルブタノン、ピナコロン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、3−メチル−2−ペンタノン、4−メチル−2−ペンタノン、2−メチル−3−ペンタノン、4,4−ジメチル−2−ペンタノン、2,4−ジメチル−3−ペンタノン、2,2,4,4−テトラメチル−3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、5−メチル−3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−メチル−3−ヘプタノン、5−メチル−3−ヘプタノン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、2−ノナノン、3−ノナノン、5−ノナノン、2−デカノン、3−デカノン、4−デカノン、5−ヘキセン−2−オン、3−ペンテン−2−オン、シクロペンタノン、2−メチルシクロペンタノン、3−メチルシクロペンタノン、2,2−ジメチルシクロペンタノン、2,4,4−トリメチルシクロペンタノン、シクロヘキサノン、3−メチルシクロヘキサノン、4−メチルシクロヘキサノン、4−エチルシクロヘキサノン、2,2−ジメチルシクロヘキサノン、2,6−ジメチルシクロヘキサノン、2,2,6−トリメチルシクロヘキサノン、シクロヘプタノン、2−メチルシクロヘプタノン、3−メチルシクロヘプタノンが好ましく挙げられる。
アルキレンカーボネートとしては、例えば、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネートが好ましく挙げられる。
カルボン酸アルキルとしては、例えば、酢酸ブチルが好ましく挙げられる。
アルコキシ酢酸アルキルとしては、例えば、酢酸−2−メトキシエチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、酢酸−3−メトキシ−3−メチルブチル、酢酸−1−メトキシ−2−プロピルが好ましく挙げられる。
ピルビン酸アルキルとしては、例えば、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピルが好ましく挙げられる。
アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i−プロパノール、n−ブタノールが好ましく挙げられる。
好ましく使用できる溶媒としては、2−ブタノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレンカーボネート、メタノール、エタノール、i−プロパノールが挙げられる。特に好ましい溶媒としては、2−ブタノン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メタノール、i−プロパノールが挙げられる。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
反応溶媒としては、非プロトン性溶媒を用いることが好ましい。特には、反応溶媒として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、シクロヘキサノン(CyHx)又はメチルエチルケトン(MEK)を用いることが好ましい。
上記の重合反応は、窒素やアルゴンなど不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。また、必要に応じて、連鎖移動剤(例えば、アルキルメルカプタンなど)の存在下で重合を行ってもよい。
反応系の濃度は、好ましくは5〜70質量%であり、より好ましくは10〜50質量%である。反応温度は、通常は10℃〜150℃であり、好ましくは30℃〜120℃であり、更に好ましくは40〜100℃である。反応時間は、通常は1〜48時間であり、好ましくは1〜24時間であり、更に好ましくは1〜12時間である。
上記の製造方法は、反応により得られた生成物を精製する工程を更に含んでいてもよい。
具体的には、反応終了後、反応系を室温まで放冷し、精製を行う。精製は、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法等の通常の方法を適用できる。
ポリマー溶液からの沈殿又は再沈殿操作の際に用いる溶媒(沈殿又は再沈殿溶媒)としては、該ポリマーの貧溶媒であればよく、ポリマーの種類に応じて、炭化水素、ハロゲン化炭化水素、ニトロ化合物、エーテル、ケトン、エステル、カーボネート、アルコール、カルボン酸、水、これらの溶媒を含む混合溶媒等の中から適宜選択して使用できる。これらの貧溶媒は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
再沈殿は、2回以上繰り返して行なうことが好ましく、2回再沈殿を行なうことがより好ましい。また、2回以上繰り返して行なう再沈殿の貧溶媒は、1回目が有機系溶媒で2回目が水系溶媒であること、又は1回目が水系溶媒で2回目が有機系溶媒であることが好ましい。なお、上記水系溶媒とは、水単独であっても、水と有機系溶媒を混合したものでも良い。
また、その後の乾燥後の樹脂の残留溶剤量を考慮して、貧溶媒で用いる溶媒は沸点が低いものが好ましい。好ましいものとして、水、メタノール、エタノール、i−プロパノール、ヘプタン、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−ブタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ−i−プロピルエーテル、シクロペンチルメチルエーテルを挙げることができる。より好ましくは、水、メタノール、i−プロパノール、ヘプタン、ヘキサン、酢酸エチル、酢酸ブチル、1−ブタノン、ジ−i−プロピルエーテルを挙げることができる。さらに好ましくは、水、メタノール、ヘプタン、ヘキサン、酢酸エチルを挙げることができる。
沈殿又は再沈殿溶媒の使用量は、効率や収率等を考慮して適宜選択できるが、一般には、ポリマー溶液100質量部に対して、100〜10000質量部、好ましくは200〜2000質量部、更に好ましくは300〜1000質量部である。
なお、ポリマー溶液は、重合後、所望の溶媒で希釈することができる。
沈殿又は再沈殿する際の温度としては、効率や操作性を考慮して適宜選択できるが、通常0〜50℃程度、好ましくは室温付近(例えば20〜35℃程度)である。沈殿又は再沈殿操作は、攪拌槽などの慣用の混合容器を用い、バッチ式、連続式等の公知の方法により行なうことができる。
沈殿又は再沈殿したポリマーは、通常、濾過、遠心分離等の慣用の固液分離に付し、乾燥して使用に供される。濾過は、耐溶剤性の濾材を用い、好ましくは加圧下で行われる。乾燥は、常圧又は減圧下(好ましくは減圧下)、30〜100℃程度、好ましくは30〜50℃程度の温度で行われる。
なお、一度、樹脂を析出させて、分離した後に、再び溶媒に溶解させ、該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒と接触させることが好ましい。即ち、上記ラジカル重合反応終了後、必要に応じて溶媒で希釈した該ポリマー溶液を難溶あるいは不溶の溶媒に接触し、樹脂を析出させ(工程a)、樹脂を溶液から分離し(工程b)、改めて溶媒に溶解させ樹脂溶液Aを調製(工程c)、その後、該樹脂溶液Aを該樹脂が難溶あるいは不溶の溶媒に接触し、樹脂固体を析出させ(工程d)、析出した樹脂を分離する(工程e)ことを含む方法でもよい。
樹脂(P)の分子量は、特に制限されないが、重量平均分子量が1000〜100000の範囲であることが好ましく、1500〜60000の範囲であることがより好ましく、2000〜30000の範囲であることが特に好ましい。重量平均分子量を1000〜100000の範囲とすることにより、耐熱性やドライエッチング耐性の劣化を防ぐことができ、且つ現像性が劣化したり、粘度が高くなって製膜性が劣化することを防ぐことができる。ここで、樹脂の重量平均分子量は、GPC(キャリア:THF又はN−メチル−2−ピロリドン(NMP))によって測定したポリスチレン換算分子量を示す。
また分散度(Mw/Mn)は、好ましくは1.00〜5.00、より好ましくは1.03〜3.50であり、更に好ましくは、1.05〜2.50である。分子量分布の小さいものほど、解像度、レジスト形状が優れ、且つレジストパターンの側壁がスムーズであり、ラフネス性に優れる。
本発明の樹脂(P)は、1種類単独で、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。樹脂の含有率は、本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物中の全固形分を基準にして、30〜100質量%が好ましく、50〜100質量%がより好ましく、70〜100質量%が特に好ましい。
樹脂(P)の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
<酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂>
本発明に係る組成物は、樹脂(P)以外に、酸の作用により分解してアルカリ水溶液に対する溶解速度が増大する樹脂(以下、「酸分解性樹脂」ともいう)を更に含有していてもよい。
酸分解性樹脂は、樹脂の主鎖若しくは側鎖に、又は、主鎖及び側鎖の両方に、酸の作用により分解し、アルカリ可溶性基を生じる基(酸分解性基)を有する樹脂である。この内、酸分解性基を側鎖に有する樹脂がより好ましい。
酸分解性樹脂は、欧州特許254853号明細書、特開平2−25850号公報、同3−223860号公報、同4−251259号公報等に開示されているように、アルカリ可溶性樹脂に酸で分解し得る基の前駆体を反応させる、もしくは、酸で分解し得る基の結合したアルカリ可溶性樹脂モノマーを種々のモノマーと共重合して得ることができる。
酸分解性基としては、例えば、−COOH基、−OH基などのアルカリ可溶性基を有する樹脂において、左記のアルカリ可溶性基の水素原子を酸の作用により脱離する基で置換した基が好ましい。
酸分解性基として具体的には、前述した本発明の樹脂(P)で説明した酸分解性基(例えば、樹脂(P)における繰り返し単位(B)として説明した酸分解性基)と同様の基を好ましい例として挙げることができる。
前記アルカリ可溶性基を有する樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリ(o−ヒドロキシスチレン)、ポリ(m−ヒドロキシスチレン)、ポリ(p−ヒドロキシスチレン)及びこれらの共重合体、水素化ポリ(ヒドロキシスチレン)、下記構造で表される置換基を有するポリ(ヒドロキシスチレン)類、およびフェノール性水酸基を有する樹脂、スチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、α−メチルスチレン−ヒドロキシスチレン共重合体、水素化ノボラック樹脂等のヒドロキシスチレン構造単位を有するアルカリ可溶性樹脂、(メタ)アクリル酸、ノルボルネンカルボン酸などのカルボキシル基を有する繰り返し単位を含有するアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。
Figure 0005548473
酸分解性樹脂の分子量、分散度の好ましい範囲は、樹脂(P)と同様である。
酸分解性樹脂は、2種類以上組み合わせて使用してもよい。
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物において、樹脂(P)を除く酸分解性樹脂の組成物中の配合量は、組成物の全固形分中0〜70質量%が好ましく、より好ましくは0〜50質量%、更に好ましくは0〜30質量%である。
<酸の作用により分解する基を有さない樹脂(B2)>
本発明に係る感活性光線性または感放射線性樹脂組成物は、酸の作用により分解する基を有さない樹脂(B2)を更に含有していてもよい。
「酸の作用により分解する基を有さない」とは、本発明の組成物が通常用いられる画像形成プロセスにおいて酸の作用による分解性が無いか又は極めて小さく、実質的に酸分解による画像形成に寄与する基(例えば前記樹脂(P)における酸分解性基)を有さないことである。このような樹脂としてアルカリ可溶性基を有する樹脂、アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液への溶解性が向上する基(b)を有する樹脂があげられる。
樹脂(B2)としては(メタ)アクリル酸誘導体及び/又は脂環オレフィン誘導体から導かれる繰り返し単位を少なくとも1種有する樹脂が好ましい。
樹脂(B2)に含有されるアルカリ可溶性基としては、樹脂(P)の酸分解性基において説明したものと同様のものが挙げられる。
樹脂(B2)に含有される(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、ラクトン基、酸無水物基が好ましく、より好ましくはラクトン基である。(b)アルカリの作用により分解し、アルカリ現像液中での溶解度が増大する基を有する繰り返し単位として、具体的には、樹脂(P)におけるラクトン基を有する繰り返し単位と同様のものが挙げられる。
樹脂(B2)は、上記以外の他の官能基を有する繰り返し単位を有してもよい。他の官能基を有する繰り返し単位としては、ドライエッチング耐性、親疎水性、相互作用性などを考慮し、適当な官能基を導入することができる。
好ましい樹脂(B2)の具体例を以下に示す。
Figure 0005548473
樹脂(B2)の含有率は樹脂(P)に対し好ましくは0〜30質量%であり、より好ましくは0〜20質量%、更に好ましくは0〜15質量%である。
樹脂(B2)の分子量、分散度の好ましい範囲は、樹脂(P)と同様である。
樹脂(B2)は、市販のものを使用することも可能であるし、樹脂(P)と同様に合成したものを使用することもできる。
<活性光線又は放射線の照射により酸を発生する化合物(低分子の光酸発生剤)>
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物は、光酸発生構造を有する樹脂(P)を含有しているが、樹脂(P)以外に、活性光線又は放射線の照射により酸を発生する低分子の化合物(以下、「酸発生剤」又は「光酸発生剤」ともいう)を含有してもよい。
そのような酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、光ラジカル重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、あるいはマイクロレジスト等に使用されている活性光線又は放射線の照射により酸を発生する公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。
たとえば、ジアゾニウム塩、ホスホニウム塩、スルホニウム塩、ヨードニウム塩、イミドスルホネート、オキシムスルホネート、ジアゾジスルホン、ジスルホン、o−ニトロベンジルスルホネートを挙げることができる。
光酸発生剤の好ましい例としては、下記一般式(ZI)、(ZII)及び(ZIII)により表される化合物が挙げられる。
Figure 0005548473
上記一般式(ZI)中、R201、R202及びR203は、前述の一般式(ZA−1)におけるR201、R202及びR203と同義である。
は、非求核性アニオンを表す。Xとしては、例えば、スルホン酸アニオン、ビス(アルキルスルホニル)アミドアニオン、トリス(アルキルスルホニル)メチドアニオン、BF 、PF 及びSbF が挙げられる。Xは、好ましくは、炭素原子を含んだ有機アニオンである。好ましい有機アニオンとしては、例えば、下記一般式AN1〜AN3に示す有機アニオンが挙げられる。
Figure 0005548473
式AN1〜AN3中、Rc〜Rcは、各々独立に、有機基を表す。この有機基としては、例えば、炭素数1〜30のものが挙げられ、好ましくは、アルキル基、アリール基、又はこれらの複数が単結合により、あるいは連結基を介して連結された基である。なお、この連結基としては、例えば、−O−、−CO−、−S−、−SO3−及び−SO2N(Rd1)−が挙げられる。ここで、Rd1は水素原子又はアルキル基を表し、結合しているアルキル基又はアリール基と環構造を形成してもよい。
Rc〜Rcの有機基は、1位がフッ素原子又はフルオロアルキル基で置換されたアルキル基、又は、フッ素原子若しくはフルオロアルキル基で置換されたフェニル基であってもよい。フッ素原子又はフルオロアルキル基を含有させることにより、光照射によって発生する酸の酸性度を上昇させることが可能となる。これにより、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の感度を向上させることができる。なお、Rc〜Rcは、他のアルキル基及びアリール基等と結合して、環構造を形成していてもよい。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)により表される構造を複数有する化合物を使用してもよい。例えば、一般式(ZI)により表される化合物のR201〜R203の少なくとも1つが、一般式(ZI)により表されるもう1つの化合物のR201〜R203の少なくとも1つと結合した構造を有する化合物であってもよい。
以下、一般式(ZII)及び(ZIII)について説明する。
一般式(ZII)及び(ZIII)中、R204〜R207は、各々独立に、アリール基、アルキル基又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。これらアリール基、アルキル基及び1価の脂肪族炭化水素環基は、置換基を有していてもよい。
204〜R207としてのアリール基、アルキル基、及び1価の脂肪族炭化水素環基の好ましい例としては、先に一般式(ZA−2)におけるR204及びR205について列挙したのと同様の基が挙げられる。
なお、一般式(ZII)におけるXは、一般式(ZI)におけるXと同義である。
光酸発生剤の他の好ましい例として、下記一般式(ZIV)、(ZV)又は(ZVI)により表される化合物が挙げられる。
Figure 0005548473
一般式(ZIV)〜(ZVI)中、
Ar3及びAr4は、各々独立に、置換又は無置換のアリール基を表す。
208は、一般式(ZV)と(ZVI)とで各々独立して、アルキル基、シクロアルキル基又はアリール基を表している。これらアルキル基、シクロアルキル基及びアリール基は、置換されていてもよい。
これら基は、フッ素原子により置換されていることが好ましい。フッ素原子が置換することにより、光酸発生剤が発生する酸の強度を高めることが可能となる。
209及びR210は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又は電子吸引性基を表す。これらアルキル基、シクロアルキル基、アリール基及び電子吸引性基は、置換されていてもよい。
Aは、アルキレン基、アルケニレン基又はアリーレン基を表す。これらアルキレン基、アルケニレン基及びアリーレン基は、置換基を有していてもよい。
なお、光酸発生剤として、一般式(ZVI)により表される構造を複数有する化合物も好ましい。このような化合物としては、例えば、一般式(ZVI)により表される化合物のR209又はR210と、一般式(ZVI)により表されるもう一つの化合物のR209又はR210とが互いに結合した構造を有する化合物が挙げられる。
光酸発生剤としては、一般式(ZI)〜(ZIII)により表される化合物がより好ましく、一般式(ZI)により表される化合物が更に好ましく、中でも一般式(ZI)中のカチオン構造が、前掲の一般式(ZI−1)〜(ZI−3)で表される構造の化合物が特に好ましい。
以下に、光酸発生剤の具体例を示す。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
本発明の感活性光線性または感放射線性樹脂組成物において、光酸発生構造を有する樹脂(P)以外に、酸発生剤を用いる場合には、酸発生剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸発生剤の組成物中の含量は、本発明の組成物の全固形分を基準として、0〜20質量%が好ましく、より好ましくは0〜10質量%、更に好ましくは0〜7質量%である。酸発生剤は、本発明において必須成分ではないが、添加の効果を得る上では、通常0.01質量%以上で使用される。
<疎水性樹脂(HR)>
本発明に係る組成物は、疎水性樹脂を更に含んでいてもよい。疎水性樹脂を更に含有させると、この組成物を用いて形成した膜の表層に疎水性樹脂が偏在化し、液浸液として水を使用した場合の液浸液に対する膜の後退接触角を向上させることが可能となる。これにより、膜の液浸液追随性を向上させることができる。
疎水性樹脂は、典型的には、フッ素原子及び/又はケイ素原子を含んでいる。これらフッ素原子及び/又はケイ素原子は、樹脂の主鎖中に含まれていてもよく、側鎖中に含まれていてもよい。
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、この樹脂は、フッ素原子を含んだ部分構造として、フッ素原子を含んだアルキル基、フッ素原子を含んだ1価の脂肪族炭化水素環基、又はフッ素原子を含んだアリール基を備えていることが好ましい。
フッ素原子を含んだアルキル基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖又は分岐鎖アルキル基である。このアルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがより好ましい。このフッ素原子を含んだアルキル基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだ1価の脂肪族炭化水素環基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された単環式又は多環式の1価の脂肪族炭化水素環基である。このフッ素原子を含んだシクロアルキル基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだアリール基は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアリール基である。このアリール基としては、例えば、フェニル基及びナフチル基が挙げられる。このフッ素原子を含んだアリール基は、フッ素原子以外の置換基を更に有していてもよい。
フッ素原子を含んだアルキル基、フッ素原子を含んだ1価の脂肪族炭化水素環基及びフッ素原子を含んだアリール基の好ましい例として、下記一般式(F2)〜(F4)により表される基が挙げられる。
Figure 0005548473
一般式(F2)〜(F4)中、R57〜R68は、各々独立に、水素原子、フッ素原子又はアルキル基を表す。但し、R57〜R61のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R62〜R64のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。R65〜R68のうち少なくとも1つは、フッ素原子又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基を表す。これらアルキル基は、炭素数が1〜4であることが好ましい。
57〜R61及びR65〜R67は、全てがフッ素原子であることが好ましい。
62、R63及びR68は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基であることが好ましく、炭素数1〜4のパーフルオロアルキル基であることが更に好ましい。なお、R62とR63とは、互いに結合して、環を形成していてもよい。
一般式(F2)により表される基としては、例えば、p−フルオロフェニル基、ペンタフルオロフェニル基、及び3,5−ジ(トリフルオロメチル)フェニル基が挙げられる。
一般式(F3)により表される基としては、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロプロピル基、ペンタフルオロエチル基、ヘプタフルオロブチル基、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、ノナフルオロブチル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロヘキシル基、ノナフルオロ−t−ブチル基、パーフルオロイソペンチル基、パーフルオロオクチル基、パーフルオロ(トリメチル)ヘキシル基、2,2,3,3−テトラフルオロシクロブチル基、及びパーフルオロシクロヘキシル基が挙げられる。これらのうち、ヘキサフルオロイソプロピル基、ヘプタフルオロイソプロピル基、ヘキサフルオロ(2−メチル)イソプロピル基、オクタフルオロイソブチル基、ノナフルオロ−t−ブチル基又はパーフルオロイソペンチル基がより好ましく、ヘキサフルオロイソプロピル基又はヘプタフルオロイソプロピル基が更に好ましい。
一般式(F4)により表される基としては、例えば、−C(CF32OH、−C(C252OH、−C(CF3)(CH3)OH、及び−CH(CF3)OHが挙げられる。これらのうち、−C(CF32OHが特に好ましい。
以下に、フッ素原子を含んだ繰り返し単位の具体例を示す。
具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。X2は、−F又は−CF3を表す。
Figure 0005548473
疎水性樹脂がケイ素原子を含んでいる場合、この樹脂は、ケイ素原子を含んだ部分構造として、アルキルシリル構造又は環状シロキサン構造を備えていることが好ましい。このアリキルシリル構造は、好ましくは、トリアルキルシリル基を含んだ構造である。
アルキルシリル構造及び環状シロキサン構造の好ましい例として、下記一般式(CS−1)〜(CS−3)により表される基が挙げられる。
Figure 0005548473
一般式(CS−1)〜(CS−3)中、R12〜R26は、各々独立に、直鎖若しくは分岐鎖アルキル基、又は1価の脂肪族炭化水素環基を表す。このアルキル基は、炭素数が1〜20であることが好ましい。この1価の脂肪族炭化水素環基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
3〜L5は、単結合又は2価の連結基を表す。2価の連結基としては、例えば、アルキレン基、フェニレン基、エーテル基、チオエーテル基、カルボニル基、エステル基、アミド基、ウレタン基、ウレア基、又はこれらの組合せが挙げられる。
nは、1〜5の整数を表す。nは、好ましくは、2〜4の整数である。
以下に、一般式(CS−1)〜(CS−3)により表される基を備えた繰り返し単位の具体例を挙げる。具体例中、X1は、水素原子、−CH3、−F又は−CF3を表す。
Figure 0005548473
疎水性樹脂は、下記(x)乃至(z)からなる群より選択される少なくとも1つの基を更に含んでいてもよい。
(x)アルカリ可溶性基
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基
(z)酸分解性基
(x)アルカリ可溶性基としては、例えば、フェノール性水酸基、カルボン酸基、フッ素化アルコール基、スルホン酸基、スルホンアミド基、スルホニルイミド基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)メチレン基、(アルキルスルホニル)(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルカルボニル)メチレン基、ビス(アルキルカルボニル)イミド基、ビス(アルキルスルホニル)メチレン基、ビス(アルキルスルホニル)イミド基、トリス(アルキルカルボニル)メチレン基、及びトリス(アルキルスルホニル)メチレン基が挙げられる。好ましいアルカリ可溶性基としては、フッ素化アルコール基、スルホンイミド基及びビス(カルボニル)メチレン基が挙げられる。好ましいフッ素化アルコール基としては、ヘキサフルオロイソプロパノール基が挙げられる。
アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位は、例えば、アクリル酸及びメタクリル酸による繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接アルカリ可溶性基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、アルカリ可溶性基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、アルカリ可溶性基を備えた重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位にを基準として、1〜50モル%であることが好ましく、3〜35モル%であることがより好ましく、5〜20モル%であることが更に好ましい。
以下に、アルカリ可溶性基を備えた繰り返し単位の具体例を示す。
Figure 0005548473
(y)アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基としては、例えば、ラクトン構造を備えた基、酸無水物基、及び酸イミド基が挙げられる。これらのうち、ラクトン構造を備えた基が特に好ましい。
この基を含んだ繰り返し単位は、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルによる繰り返し単位等の、樹脂の主鎖に直接この基が結合している繰り返し単位である。或いは、この繰り返し単位は、この基が連結基を介して樹脂の主鎖に結合している繰り返し単位であってもよい。或いは、この繰り返し単位は、この基を備えた重合開始剤又は連鎖移動剤を重合時に用いて、樹脂の末端に導入されていてもよい。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を備えた繰り返し単位としては、例えば、前述の繰り返し単位(C)と同様のものが挙げられる。
アルカリ現像液の作用により分解してアルカリ現像液中での溶解度が増大する基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜40モル%であることが好ましく、3〜30モル%であることがより好ましく、5〜15モル%であることが更に好ましい。
(z)酸分解性基としては、例えば、前述の繰り返し単位(B)の項で説明したのと同様のものが挙げられる。
酸分解性基を備えた繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂中の全繰り返し単位を基準として、1〜80モル%であることが好ましく、10〜80モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが更に好ましい。
疎水性樹脂は、下記一般式(III)により表される繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
Figure 0005548473
一般式(III)中、Rc31は、水素原子、アルキル基、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。ここで、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
c31は、水素原子、メチル基、ヒドロキシメチル基又はトリフルオロメチル基であることが好ましく、水素原子又はメチル基であることが特に好ましい。
c32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又はアリール基を含んだ基を表す。これら基は、フッ素原子及び/又はケイ素原子で置換されていてもよい。
c32のアルキル基は、炭素数3〜20の直鎖若しくは分岐鎖アルキル基であることが好ましい。
シクロアルキル基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
アルケニル基は、炭素数が3〜20であることが好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、シクロアルケニル基等が挙げられる。
アリール基は、炭素数6〜20であることが好ましく、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
c32は、無置換のアルキル基又は少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換されたアルキル基であることが好ましい。
c3は、単結合又は2価の連結基を表す。この2価の連結基としては、例えば、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、フェニレン基、及びエステル結合(−COO−により表される基)が挙げられる。
疎水性樹脂は、下記一般式(CII−AB)により表される繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
Figure 0005548473
式(CII−AB)中、
c11'及びRc12'は、各々独立に、水素原子、シアノ基、ハロゲン原子又はアルキル基を表す。Zc’は、Rc11'及びRc12'が結合している2つの炭素原子(C−C)と共に脂環式構造を形成するために必要な原子団を表す。
以下に、一般式(III)又は(CII−AB)により表される繰り返し単位の具体例を挙げる。具体例中、Raは、H、CH、CHOH、CF又はCNを表す。
Figure 0005548473
以下に、疎水性樹脂の具体例を挙げる。また、下記表1に、各樹脂における繰り返し単位のモル比(各繰り返し単位と左から順に対応)、重量平均分子量、及び分散度を纏める。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
疎水性樹脂がフッ素原子を含んでいる場合、フッ素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量を基準として、5〜80質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。また、フッ素原子を含んだ繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、10〜100質量%であることが好ましく、30〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂がケイ素原子を含んでいる場合、ケイ素原子の含有量は、疎水性樹脂の分子量を基準として、2〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%であることがより好ましい。また、ケイ素原子を含んだ繰り返し単位の含有量は、疎水性樹脂の全繰り返し単位を基準として、10〜100質量%であることが好ましく、20〜100質量%であることがより好ましい。
疎水性樹脂は、1種類を単独で用いてもよく、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において疎水性樹脂は必須成分ではないが、本発明の組成物からなる膜を、液浸媒体を介してArFエキシマレーザーで露光する場合には、疎水性樹脂の含有量は、組成物中の全固形分を基準として、0.01〜10質量%であることが好ましく、0.05〜8質量%であることがより好ましく、0.1〜5質量%であることが更に好ましい。
<塩基性化合物>
本発明に係る感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物は、塩基性化合物を更に含んでいてもよい。この塩基性化合物としては、例えば、樹脂(P)の合成の際に用いる塩基性化合物として説明したのと同様のものを用いることができる。
<界面活性剤>
本発明の組成物は、更に界面活性剤を含有してもよい。含有する場合、界面活性剤としては、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤が好ましい。
これらに該当する界面活性剤としては、大日本インキ化学工業(株)製のメガファックF176、メガファックR08、OMNOVA社製のPF656、PF6320、トロイケミカル(株)製のトロイゾルS−366、住友スリーエム(株)製のフロラードFC430、信越化学工業(株)製のポリシロキサンポリマーKP−341などが挙げられる。
また、フッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤以外の他の界面活性剤を使用することもできる。より具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類などが挙げられる。
その他、公知の界面活性剤が適宜使用可能である。使用可能な界面活性剤としては、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0273]以降に記載の界面活性剤が挙げられる。
界面活性剤は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は、感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物の全固形分量(溶剤を除く全量)に対して、好ましくは0〜2質量%、更に好ましくは0.0001〜2質量%、特に好ましくは0.0005〜1質量%である。
一方、界面活性剤の添加量を10ppm以下、或いは含有しないことも好ましい。これにより疎水性樹脂の表面偏在性があがり、それにより、レジスト膜表面をより疎水的にすることができ、液浸露光時の水追随性を向上させることが出来る。
<溶剤>
組成物を調製する際に使用できる溶剤としては、各成分を溶解するものである限り特に限定されないが、例えば、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、環状ラクトン、鎖状又は環状のケトン、アルキレンカーボネート、カルボン酸アルキル、アルコキシ酢酸アルキル、ピルビン酸アルキルなどが挙げられる。その他使用可能な溶媒として、例えば、米国特許出願公開第2008/0248425A1号明細書の[0244]以降に記載されている溶剤などが挙げられる。
アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、アルキレングリコールモノアルキルエーテル、乳酸アルキルエステル、アルコキシプロピオン酸アルキル、環状ラクトン、鎖状又は環状のケトン、アルキレンカーボネート、カルボン酸アルキル、アルコキシ酢酸アルキル、及びピルビン酸アルキルとしては、例えば、先に反応溶媒について説明したのと同様のものが挙げられる。
好ましく使用できる溶剤としては、2−ヘプタノン、シクロペンタノン、γ−ブチロラクトン、シクロヘキサノン、酢酸ブチル、乳酸エチル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸−2−エトキシエチル、酢酸−2−(2−エトキシエトキシ)エチル、プロピレンカーボネートが挙げられる。特に好ましい溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルが挙げられる。
これら溶媒は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合することが好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜60/40である。
水酸基を有する溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルが好ましく、水酸基を有しない溶剤としてはアルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレートが好ましい。
本発明の組成物中における溶媒の含有率は、所望の膜厚等に応じて適宜調整可能であるが、一般的には組成物の全固形分濃度が0.5〜30質量%、好ましくは1.0〜20質量%、より好ましくは1.5〜10質量%となるように調製される。
<酸の作用により分解し、カルボン酸よりも強い酸を生成する物質>
本発明の組成物は、酸の作用により分解し、カルボン酸よりも強い酸を生成する物質(以下、「酸増殖剤」ともいう)を含有してもよい。
酸増殖剤から生成する酸は、その酸の強度が大きいものが好ましく、具体的にはその酸の解離定数(pKa)として3以下が好ましく、より好ましくは2以下である。酸増殖剤から発生する酸としてはスルホン酸が好ましい。
酸増殖剤は、国際公開第95/29968号公報、国際公開第98/24000号公報、特開平8−305262号公報、特開平9−34106号公報、特開平8−248561号公報、特表平8−503082号公報、米国特許第5,445,917号明細書、特表平8−503081号公報、米国特許第5,534,393号明細書、米国特許第5,395,736号明細書、米国特許第5,741,630号明細書、米国特許第5,334,489号明細書、米国特許第5,582,956号明細書、米国特許第5,578,424号明細書、米国特許第5,453,345号明細書、米国特許第5,445,917号明細書、欧州特許第665,960号明細書、欧州特許第757,628号明細書、欧州特許第665,961号明細書、米国特許第5,667,943号明細書、特開平10−1508号公報、特開平10−282642号公報、特開平9−512498号公報、特開2000−62337号公報、特開2005−17730号公報、特開2008−209889号公報等に記載の酸増殖剤を1種、或いは2種以上組み合わせて用いることができる。
具体的には下記一般式(1)〜(6)で表される化合物が好ましい。
Figure 0005548473
一般式(1)〜(6)に於いて、
Rは、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、酸の作用により脱離する基を表す。
は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アラルキル基、アルコキシ基、又はアリーロキシ基を表す。
は、アルキル基又はアラルキル基を表す。
は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
、Rは、各々独立に、アルキル基を表し、RとRが互いに結合して環を形成してもよい。
は、水素原子又はアルキル基を表す。
は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す。
は、Rと結合して環を形成しても良い。
10は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基又はアルケニルオキシ基を表す。
11は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アルコキシ基、アリール基、アラルキル基、アリーロキシ基又はアルケニル基を表す。
10とR11は、互いに結合して環を形成してもよい。
12は、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基又は環状イミド基を表す。
一般式(1)〜(6)に於いて、アルキル基としては、炭素数1〜8個のアルキル基が挙げられ、1価の脂肪族炭化水素環基としては、炭素数4〜10個の単環又は多環の脂肪族炭化水素環基が挙げられ、アリール基としては、炭素数6〜14個のアリール基が挙げられ、アラルキル基としては、炭素数7〜20個のアラルキル基が挙げられ、アルコキシ基としては、炭素数1〜8個のアルコキシ基が挙げられ、アルケニル基としては、炭素2〜6個のアルケニル基が挙げられ、アリーロキシ基としては、炭素数6〜14個のアリーロキシ基が挙げられ、アルケニルオキシ基としては、炭素数2〜8個のアルケニルオキシ基が挙げられる。
上記各置換基は更に置換基を有してもよく、置換基としては例えば次のようなものを例示できる。すなわち、Cl、Br、Fなどのハロゲン原子、−CN基、−OH基、炭素数1〜4個のアルキル基、炭素数3〜8個のシクロアルキル基、炭素数1〜4個のアルコキシ基、アセチルアミノ基などのアシルアミノ基、ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基、フェノキシエチル基などのアリロキシアルキル基、炭素数2〜5個のアルコキシカルボニル基、炭素数2〜5個のアシルオキシ基等を挙げることができる。
とRが互いに結合して形成する環としては、1,3−ジオキソラン環、1,3−ジオキサン環等が挙げられる。
とRが互いに結合して形成する環としては、シクロペンチル環、シクロヘキシル環等が挙げられる。
10とR11が互いに結合して形成する環としては、環内に酸素原子を含んでいてもよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環等が挙げられる。
の酸の作用により脱離する基としては、例えば、t−ブチル基、t−アミル基等の3級アルキル基、イソボロニル基、1−エトキシエチル基、1−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−シクロヘキシロキシエチル基等の1−アルコキシエチル基、1−メトキシメチル基、1−エトキシメチル基等のアルコキシメチル基、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基、トリアルキルシリル基、3−オキソシクロヘキシル基等を挙げることができる。
上記R、R、R〜R11の各々の好ましいものとして以下のものが挙げられる。
R;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、トリフルオロメチル基、ノナフルオロブチル基、ヘプタデカフルオロオクチル基、2,2,2−トリフルオロエチル基、フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、メトキシフェニル基、トルイル基、メシチル基、フルオロフェニル基、ナフチル基、シクロヘキシル基、樟脳基。
;t−ブチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、1−エトキシエチル基、テトラヒドロピラニル基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、フェノキシ基、ナフトキシ基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ベンジル基。
;メチル基、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基。
、R;メチル基、エチル基、プロピル基、互いに結合してエチレン基、プロピレン基を形成したもの。
;水素原子、メチル基、エチル基。
、R;水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、互いに結合してシクロペンチル環、シクロヘキシル環を形成したもの。
;メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ネオペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基、ベンジル基。
10;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニロキシ基、メチルビニロキシ基、互いに結合して酸素原子をふくんでよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環を形成したもの。
11;メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェノキシ基、ナフトキシ基、ビニル基、アリル基、互いに結合して酸素原子をふくんでよい、3−オキソシクロヘキセニル環、3−オキソインデニル環を形成したもの。
一般式(6)に於いて、R12がアルキル基を表すとき、炭素原子数1〜12の直鎖状、炭素原子数3〜12の分岐状のアルキル基がより好ましい。
12が1価の脂肪族炭化水素環基を表すとき、炭素原子数5〜10の単環又は多環の1価の脂肪族炭化水素環基がより好ましい。
12が置換アルキル基、置換された脂肪族炭化水素環基を表すとき、その置換基としては、水素を除く一価の非金属原子団が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、アシルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、アシルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、スルホ基、スルホナト基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスフォノ基、ホスフォナト基、ジアルキルホスフォノ基、ジアリールホスフォノ基、モノアルキルホスフォノ基、アルキルホスフォナト基、モノアリールホスフォノ基、アリールホスフォナト基、ホスフォノオキシ基、ホスフォナトオキシ基、アリール基、アルケニル基等が挙げられる。
12が、アリール基を表すとき、アリール基としては、1個〜3個のベンゼン環が縮合環を形成したもの、ベンゼン環と5員不飽和環が縮合環を形成したものを挙げることができ、具体例としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、インデニル基、アセナフテニル基、フルオレニル基等を挙げることができ、これらのなかでは、フェニル基、ナフチル基がより好ましい。また、アリール基には上記炭素環式アリール基の他、複素環式(ヘテロ)アリール基が含まれる。複素環式アリール基としては、ピリジル基、フリル基、その他ベンゼン環が縮環したキノリル基、ベンゾフリル基、チオキサントン基、カルバゾール基等の炭素数3〜20、ヘテロ原子数1〜5を含むものが挙げられる。
12が、置換アリール基を表すとき、置換アリール基としては、前述のアリール基の環形成炭素原子上に置換基として、水素を除く一価の非金属原子団を有するものが用いられる。好ましい置換基の例としては前述のアルキル基、シクロアルキル基における置換基として示したものを挙げることができる。
12が、アルケニル基、置換アルケニル基[−C(R14)=C(R15)(R16)]、アルキニル基、又は置換アルキニル基[−C≡C(R17)]を表すとき、R14〜R17としては、一価の非金属原子団を使用することができる。好ましいR14〜R17の例としては、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、置換アルキル基、アリール基及び置換アリール基を挙げることができる。これらの具体例としては、前述の例として示したものを挙げることができる。R14〜R17のより好ましい置換基としては、水素原子、ハロゲン原子及び炭素原子数1〜10の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基を挙げることができる。
12が環状イミド基を表すとき、環状イミドとしては、コハク酸イミド、フタル酸イミド、シクロヘキサンジカルボン酸イミド、ノルボルネンジカルボン酸イミド等の炭素原子4〜20までのものが挙げられる。
一般式(1)〜(6)で表される化合物の具体例としては、例えば、特開2008−209889号公報の[0215]以降に例示された化合物(1−1)〜(1−11)、(2−1)〜(2−6)、(3−1)〜(3−6)、(4−1)〜(4−7)、(5−1)〜(5−4)、(6−1)〜(6−20)が挙げられる。
<その他の成分>
本発明の組成物は、上記に説明した成分以外にも、カルボン酸オニウム塩、Proceeding of SPIE,2724,355(1996)等に記載の分子量3000以下の溶解阻止化合物、染料、可塑剤、光増感剤、光吸収剤などを適宜含有することができる。
[パターン形成方法]
本発明の組成物は、典型的には、上記の成分を溶剤に溶解し、フィルター濾過した後、支持体に塗布して用いる。
フィルターとしては、ポアサイズ0.1μm以下、より好ましくは0.05μm以下、更に好ましくは0.03μm以下のポリテトラフロロエチレン製、ポリエチレン製、ナイロン製のものが好ましい。
レジスト膜の膜厚は、特に限定されないが、0.01〜0.2μmが好ましく、0.02〜0.1μmがより好ましい。
基板上に塗布する方法としては、スピン塗布が好ましく、その回転数は1000〜3000rpmが好ましい。
組成物は、集積回路素子、フォトマスク、インプリント用モールドなどの製造に使用されるような基板(例:シリコン/二酸化シリコン被覆)上にスピナー等の適当な塗布方法により塗布される。その後乾燥し、感光性の膜を形成する。
当該膜に、所定のマスクを通して活性光線又は放射線を照射し、好ましくはベーク(加熱)を行い、現像、リンスする。これにより良好なパターンを得ることができる。なお、電子ビームの照射では、マスクを介さない描画(直描)が一般的である。
なお、本発明の組成物を適用して、インプリント用モールド構造体を作製する場合の詳細については、例えば、ナノインプリントの基礎と技術開発・応用展開―ナノインプリントの基板技術と最新の技術展開―編集:平井義彦 フロンティア出版(2006年6月発行)、特許第4109085号公報や、特開2008−162101号公報などを参照されたい。
活性光線又は放射線としては特に限定されないが、例えばKrFエキシマレーザー、ArFエキシマレーザー、EUV光、電子線等であり、ArFエキシマレーザー、EUV光、電子線が好ましい。
現像工程では、通常、アルカリ現像液を用いる。現像工程におけるアルカリ現像液としては、通常、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドに代表される4級アンモニウム塩が用いられるが、これ以外にも無機アルカリ(例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウム、メタケイ酸ナトリウム等、1〜3級アミン(例えば、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等)、アルコールアミン(例えば、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等)、環状アミン(例えば、ピロール、ピヘリジン等)等のアルカリ水溶液も使用可能である。
更に、上記アルカリ現像液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加してもよい。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
リンス液としては、純水が好ましく、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
なお、感光性膜を形成する前に、基板上に予め反射防止膜を塗設してもよい。反射防止膜としては、チタン、二酸化チタン、窒化チタン、酸化クロム、カーボン、アモルファスシリコン等の無機膜型と、吸光剤とポリマー材料からなる有機膜型のいずれも用いることができる。また、有機反射防止膜として、ブリューワーサイエンス社製のDUV30シリーズや、DUV−40シリーズ、シプレー社製のAR−2、AR−3、AR−5等の市販の有機反射防止膜を使用することもできる。
本発明の感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物からなる膜に対しては、活性光線又は放射線の照射時に膜とレンズの間に空気よりも屈折率の高い液体(液浸媒体)を満たして露光(液浸露光)を行ってもよい。これにより解像性を高めることができる。用いる液浸媒体としては空気よりも屈折率の高い液体であればいずれのものでも用いることができるが好ましくは純水である。
液浸露光する際に使用する液浸液について、以下に説明する。
液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつレジスト膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう、屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー(波長;193nm)である場合には、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。
また、更に屈折率が向上できるという点で屈折率1.5以上の媒体を用いることもできる。この媒体は、水溶液でもよく有機溶剤でもよい。
液浸液として水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させるために、ウェハ上のレジスト膜を溶解させず、且つレンズ素子の下面の光学コートに対する影響が無視できる添加剤(液体)を僅かな割合で添加しても良い。その添加剤としては水とほぼ等しい屈折率を有する脂肪族系のアルコールが好ましく、具体的にはメチルアルコール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられる。水とほぼ等しい屈折率を有するアルコールを添加することにより、水中のアルコール成分が蒸発して含有濃度が変化しても、液体全体としての屈折率変化を極めて小さくできるといった利点が得られる。一方で、193nm光に対して不透明な物質や屈折率が水と大きく異なる不純物が混入した場合、レジスト膜上に投影される光学像の歪みを招くため、使用する水としては、蒸留水が好ましい。更にイオン交換フィルター等を通して濾過を行った純水を用いてもよい。
水の電気抵抗は、18.3MQcm以上であることが望ましく、TOC(有機物濃度)は20ppb以下であることが望ましく、脱気処理をしていることが望ましい。
また、液浸液の屈折率を高めることにより、リソグラフィー性能を高めることが可能である。このような観点から、屈折率を高めるような添加剤を水に加えたり、水の代わりに重水(DO)を用いてもよい。
本発明の組成物からなる膜を、液浸媒体を介して露光する場合には、必要に応じて更に疎水性樹脂(HR)を添加することができる。これにより、膜表層に疎水性樹脂(HR)が偏在化し、液浸媒体が水の場合、膜とした際の水に対するレジスト膜表面の後退接触角を向上させ、液浸水追随性を向上させることができる。疎水性樹脂(HR)が添加されることにより、表面の後退接触角が向上する。露光前の膜の後退接触角は60°〜90°が好ましく、更に好ましくは70°以上である。疎水性樹脂(HR)は前述のように界面に偏在するものであるが、界面活性剤とは異なり、必ずしも分子内に親水基を有する必要はなく、極性/非極性物質を均一に混合することに寄与しなくても良い。
液浸露光工程に於いては、露光ヘッドが高速でウェハ上をスキャンし露光パターンを形成していく動きに追随して、液浸液がウェハ上を動く必要があるので、動的な状態に於けるレジスト膜に対する液浸液の接触角が重要になり、液滴が残存することなく、露光ヘッドの高速なスキャンに追随する性能がレジストには求められる。
本発明の組成物による膜と液浸液との間には、膜を直接、液浸液に接触させないために、液浸液難溶性膜(以下、「トップコート」ともいう)を設けてもよい。トップコートに必要な機能としては、レジスト上層部への塗布適性、放射線、特に193nmに対する透明性、液浸液難溶性である。トップコートは、レジストと混合せず、更にレジスト上層に均一に塗布できることが好ましい。
トップコートは、193nm透明性という観点からは、芳香族を豊富に含有しないポリマーが好ましく、具体的には、炭化水素ポリマー、アクリル酸エステルポリマー、ポリメタクリル酸、ポリアクリル酸、ポリビニルエーテル、シリコン含有ポリマー、フッ素含有ポリマーなどが挙げられる。前述の疎水性樹脂(HR)はトップコートとしても好適なものである。トップコートから液浸液へ不純物が溶出すると光学レンズを汚染するという観点からは、トップコートに含まれるポリマーの残留モノマー成分は少ない方が好ましい。
トップコートを剥離する際は、現像液を使用してもよいし、別途剥離剤を使用してもよい。剥離剤としては、膜への浸透が小さい溶剤が好ましい。剥離工程が膜の現像処理工程と同時にできるという点では、アルカリ現像液により剥離できることが好ましい。アルカリ現像液で剥離するという観点からは、トップコートは酸性が好ましいが、膜との非インターミクス性の観点から、中性であってもアルカリ性であってもよい。
トップコートと液浸液との間には屈折率の差がない方が、解像力が向上する。ArFエキシマレーザー(波長:193nm)において、液浸液として水を用いる場合には、ArF液浸露光用トップコートは、液浸液の屈折率に近いことが好ましい。屈折率を液浸液に近くするという観点からは、トップコート中にフッ素原子を有することが好ましい。また、透明性・屈折率の観点から薄膜の方が好ましい。
トップコートは、膜と混合せず、更に液浸液とも混合しないことが好ましい。この観点から、液浸液が水の場合には、トップコートに使用される溶剤は、本発明の組成物に使用される溶媒に難溶で、かつ非水溶性の媒体であることが好ましい。更に、液浸液が有機溶剤である場合には、トップコートは水溶性であっても非水溶性であってもよい。
以下、本発明の態様を実施例により更に詳細に説明するが、本発明の内容がこれにより限定されるものではない。
<化合物(5)の合成>
以下のスキームに従って、化合物(5)を合成した。
Figure 0005548473
まず、100.00gの化合物(1)を、400gの酢酸エチルに溶解させた。得られた溶液を0℃に冷却し、47.60gのナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)を30分かけて滴下した。その後、これを室温で5時間に亘って撹拌した。反応溶液に酢酸エチルを加えて、有機層を蒸留水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、化合物(2)(54%酢酸エチル溶液)131.70gを得た。
18.52gの化合物(2)(54%酢酸エチル溶液)に、56.00gの酢酸エチルを加えた。これに、31.58gの1,1,2,2,3,3−ヘキサフルオロプロパン−1,3−ジスルホニルジフルオリドを加え、0℃に冷却した。12.63gのトリエチルアミンを25.00gの酢酸エチルに溶解させた溶液を30分かけて滴下し、液温を0℃に維持したまま4時間に亘って撹拌した。酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、32.90gの化合物(3)を得た。
35.00gの化合物(3)を315gのメタノールに溶解させ、0℃に冷却し、245gの1規定水酸化ナトリウム水溶液を加えて、室温で2時間撹拌した。溶媒を留去した後、酢酸エチルを加えて、有機層を飽和食塩水で3回洗浄した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去した。このようにして、34.46gの化合物(4)を得た。
28.25gの化合物(4)を254.25gのメタノールに溶解させ、23.34gのトリフェニルスルホニウムブロミドを加え、室温で3時間撹拌した。溶媒を留去して、蒸留水を加えて、クロロホルムで3回抽出した。得られた有機層を蒸留水で3回洗浄した後、溶媒を留去した。このようにして、42.07gの化合物(5)を得た。
その他の単量体(M−A)についても、化合物(5)について上述したのと同様の方法により合成した。
続いて、先に列挙した樹脂(P−1)〜(P−20)を合成した。
<樹脂(P−3)の合成>
以下のスキームにしたがって、樹脂(P−3)を合成した。
Figure 0005548473
まず、12.46gの化合物(2)(53.1%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、6.74gの化合物(6)と、5.41gの化合物(5)と、0.16gのトリエチルアミンと、1.61gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、29.18gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に8.80gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、31gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を1000gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。250gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られた固体を65gのアセトンに溶解させ、800gのメタノール/蒸留水=1/9中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。200gのメタノール/蒸留水=1/9を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、14.08gの樹脂(P−3)を得た。
<樹脂(P−3’)の合成>
以下のスキームに従って、樹脂(P−3’)を合成した。
Figure 0005548473
12.46gの化合物(2)(53.1%プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液)と、6.74gの化合物(6)と、5.41gの化合物(5)と、0.16gのトリエチルアミンと、1.61gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、29.18gのプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解させた。反応容器中に8.80gのPGMEAを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、31gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を1000gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。250gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られた固体を65gのアセトンに溶解させ、800gのメタノール/蒸留水=1/9中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。200gのメタノール/蒸留水=1/9を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、15.49gの樹脂(P−3’)を得た。
<樹脂(P−5)の合成>
以下のスキームに従って、樹脂(P−5)を合成した。
Figure 0005548473
まず、17.89gの化合物(2)(40.3%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、6.56gの化合物(6)と、1.79gの化合物(7)と、0.41gのトリエチルアミン(1%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、2.30gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、18.36gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に7.30gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、26gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を780gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。200gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られた固体を45gのアセトンに溶解させ、560gのメタノール/蒸留水=1/9中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。150gのメタノール/蒸留水=1/9を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、7.86gの樹脂(P−5)を得た。
<樹脂(P−5’)の合成>
以下のスキームに従って、樹脂(P−5’)を合成した。
Figure 0005548473
まず、17.89gの化合物(2)(40.3%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、6.56gの化合物(6)と、1.79gの化合物(7)と、0.41gのトリエチルアミン(1%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、2.30gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、18.36gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に7.30gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、26gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を780gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。200gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、9.43gの樹脂(P−5’)を得た。
<樹脂(P−5’’)の合成>
以下のスキームに従って、樹脂(P−5’’)を合成した。
Figure 0005548473
まず、17.89gの化合物(2)(40.3%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、6.56gの化合物(6)と、1.79gの化合物(7)と、0.41gのトリエチルアミン(1%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、2.30gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、18.36gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に7.30gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、26gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を780gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。200gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られた固体を45gのアセトンに溶解させ、560gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。150gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、8.55gの樹脂(P−5’’)を得た。
<樹脂(P−8)の合成>
以下のスキームに従って、樹脂(P−8)を合成した。
Figure 0005548473
まず、6.56gの化合物(8)と、1.18gの化合物(9)と、2.73gの化合物(6)と、1.31gの化合物(10)と、2.77gの化合物(11)と、0.11gのN−(2−シアノエチル)−N−メチルアニリンと、0.37gの重合開始剤V−65(和光純薬工業(株)製)とを、22.1gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。反応容器中に11.9gのMEKを入れ、窒素ガス雰囲気下、65℃の系中に6時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、10gのMEKを加えることにより希釈した。希釈した溶液を600gのメタノール中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。150gのメタノールを用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、8.54gの樹脂(P−8)を得た。
<樹脂(P−9)の合成>
以下のスキームに従って、樹脂(P−9)を合成した。
Figure 0005548473
まず、1.60gの化合物(8)と、0.35gの化合物(9)と、1.09gの化合物(6)と、2.05gの化合物(12)と、0.07gのN−(2−シアノエチル)−N−メチルアニリンと、0.11gの重合開始剤V−65(和光純薬工業(株)製)とを、7.7gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。反応容器中に4.2gのMEKを入れ、窒素ガス雰囲気下、65℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、4gのMEKを加えることにより希釈した。希釈した溶液を200gのメタノール中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。50gのメタノールを用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、2.14gの樹脂(P−9)を得た。
Figure 0005548473
まず、3.62gの化合物(8)と、0.76gの化合物(9)と、1.75gの化合物(6)と、0.84gの化合物(10)と、3.29gの化合物(13)と、0.30gのN,N−ジメチルホルムアミドと、0.24gの重合開始剤V−65(和光純薬工業(株)製)とを、15.5gのシクロヘキサノンに溶解させた。反応容器中に8.4gのシクロヘキサノンを入れ、窒素ガス雰囲気下、65℃の系中に6時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、7gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を500gのメタノール中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。125gのメタノールを用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られた固体を12gのアセトンに溶解させ、150gのメタノール中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。40gのメタノールを用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、1.53gの樹脂(P−10)を得た。
<樹脂(P’−1)の合成:比較例>
以下のスキームに従って、樹脂(P’−1)を合成した。
Figure 0005548473
まず、12.46gの化合物(2)(53.1%プロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)と、6.74gの化合物(6)と、5.41gの化合物(5)と、1.61gの重合開始剤V−601(和光純薬工業(株)製)とを、29.18gのプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)に溶解させた。反応容器中に8.80gのPGMEを入れ、窒素ガス雰囲気下、85℃の系中に4時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、31gのアセトンを加えることにより希釈した。希釈した溶液を1000gのヘキサン/酢酸エチル=8/2中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。250gのヘキサン/酢酸エチル=8/2を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。得られた固体を65gのアセトンに溶解させ、800gのメタノール/蒸留水=1/9中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。200gのメタノール/蒸留水=1/9を用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、9.86gの樹脂(P’−1)を得た。
<樹脂(P’−2)の合成:比較例>
以下のスキームに従って、樹脂(P’−2)を合成した。
Figure 0005548473
まず、6.56gの化合物(8)と、1.18gの化合物(9)と、2.73gの化合物(6)と、1.31gの化合物(10)と、2.77gの化合物(11)と、0.37gの重合開始剤V−65(和光純薬工業(株)製)とを、22.1gのメチルエチルケトン(MEK)に溶解させた。反応容器中に11.9gのMEKを入れ、窒素ガス雰囲気下、65℃の系中に6時間かけて滴下した。反応溶液を2時間に亘って加熱撹拌した後、これを室温まで放冷した。
上記反応溶液を、10gのMEKを加えることにより希釈した。希釈した溶液を600gのメタノール中に滴下し、ポリマーを沈殿させ、ろ過した。150gのメタノールを用いて、ろ過した固体のかけ洗いを行なった。その後、洗浄後の固体を減圧乾燥に供して、5.98gの樹脂(P’−2)を得た。
その他の樹脂についても、先に樹脂(P−3)などについて記載したのと同様にして、塩基性化合物の存在下で合成を行った。使用した塩基性化合物及び反応溶媒並びに再沈殿の態様は、下記表2に示す通りであり、得られた樹脂の重量平均分子量、組成比及び分子量は、下記表3に示す通りである。表2における「塩基性化合物」の列には、樹脂の合成に用いた塩基性化合物の種類を記載している。また、同表における「塩基性化合物の使用量(モル%)」の列には、単量体(M−A)に対するモル比を記載している。表2中、溶媒を2種併用しているものにおいて、括弧内の数値は、溶媒の混合比率(質量比)である。
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
Figure 0005548473
<レジスト評価>
(レジスト調製)
以下の各成分を混合し、それぞれについて固形分濃度4質量%の溶液を調製し、これを0.05μmのポアサイズを有するポリエチレンフィルターで濾過して感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を調製した。
各樹脂10g
塩基性化合物0.15g:2,6−ジイソプロピルアニリン
界面活性剤0.01g:トロイゾルS−366(トロイケミカル(株)製)
溶剤:PGMEA/PGME=6/4(質量比)。
シリコンウエハー上に有機反射防止膜ARC29A(日産化学社製)を塗布し、205℃で、60秒間ベークを行い、膜厚98nmの反射防止膜を形成した。その上に調製した感活性光線性又は感放射性樹脂組成物を塗布し、100℃で、60秒間ベークを行い、膜厚120nmの膜を形成した。その後、露光を行わずに、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)水溶液(2.38質量%)で30秒間現像し、純水でリンスした後、スピン乾燥した。
現像後の膜厚を測定し、以下の式から、残膜率を求めた。そして、以下の判定基準に従って評価し、その結果を、下記表4に纏めた。
残膜率(%)=(現像後の膜厚/現像前の膜厚)×100
(判定基準)
5:残膜率が97.5%以上の場合
4:残膜率が95%以上97.5%未満の場合
3:残膜率が92.5%以上95%未満の場合
2:残膜率が90%以上92.5%未満の場合
1:残膜率が90%未満の場合
Figure 0005548473
表4に示す結果から分かるように、本発明に係る方法により得られた樹脂(P)を含んだ感活性光線性又は感放射線性樹脂組成物では、アルカリ現像液に対する残膜率が大幅に向上した。この結果から、本発明に係る方法により得られた樹脂(P)では、露光前における繰り返し単位(A)の分解が殆んど起こっていないことが示唆された。即ち、本発明に係る方法により得られた樹脂(P)は、純度が高いことが分かった。

Claims (13)

  1. 活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えた第1単量体と、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基を備えた第2単量体とを含んだ反応系を、塩基性化合物の存在下で重合させることを含んだ感活性光線性又は感放射線性樹脂(下記一般式(A)で表されるアミノ基を有する繰り返し単位を有する高分子化合物を除く)の製造方法。
    Figure 0005548473
    式中、
    12は、水素原子、メチル基、フッ素原子、又はトリフルオロメチル基を表す。R13は、単結合、又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基、R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、t−ブトキシカルボニル基、又はt−アリロキシカルボニル基で、エーテル結合、チオエーテル結合、ヒドロキシル基、ホルミル基、アセトキシ基、シアノ基、芳香族基を有してもよく、R13とR14、R13とR15、R14とR15がそれぞれ結合して環を形成していてもよい。R16は、水素原子、又はR15と結合して環を形成していてもよい。Zは、単結合、メチレン基、アリーレン基、−O−、−C(=O)−O−又は−C(=O)−O−R18−C(=O)−O−である。R18は、単結合又は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキレン基である。
  2. 前記塩基性化合物は、下記一般式(BS−1)により表される化合物、含窒素複素環構造を有する化合物、及びアンモニウム塩からなる群より選択される少なくとも1つである請求項1に記載の樹脂の製造方法。
    Figure 0005548473
    一般式(BS−1)中、
    Rは、各々独立に、水素原子、アルキル基、1価の脂肪族炭化水素環基、アリール基又はアラルキル基を表す(3つのRの全てが水素原子である場合を除く)。3つのRのうち少なくとも2つが互いに連結して、環を形成していてもよい。
  3. 前記塩基性化合物は、前記一般式(BS−1)により表される化合物及び含窒素複素環構造を有する化合物の少なくとも一方である請求項2に記載の樹脂の製造方法。
  4. 前記塩基性化合物の使用量は、前記第1単量体に対して0.01〜200モル%である請求項1乃至3の何れか1項に記載の樹脂の製造方法。
  5. 前記第1単量体に対応した繰り返し単位は、前記活性光線又は放射線の照射により前記樹脂の側鎖に酸アニオンを生じる請求項1乃至4の何れか1項に記載の樹脂の製造方法。
  6. 前記第1単量体は、下記一般式(ZI−3C)及び(ZI−4C)の少なくとも一方により表されるカチオン部位を備えている請求項1乃至5の何れか1項に記載の樹脂の製造方法。
    Figure 0005548473
    一般式(ZI−3C)中、
    Mは、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基又はベンジル基を表す。前記Mが環構造を有する場合、前記環構造は、酸素原子、硫黄原子、エステル結合、アミド結合、又は炭素−炭素二重結合を含んでいてもよい。
    1c及びR2cは、各々独立に、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ハロゲン原子、シアノ基又はアリール基を表す。
    M、R1c及びR2cの少なくとも2つは、互いに結合して環を形成していてもよい。
    及びRは、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、2−オキソアルキル基、アルコキシカルボニルアルキル基、アリル基、又はビニル基を表す。RとRとは、互いに結合して環を形成していてもよい。
    一般式(ZI−4C)中、
    13は、水素原子、フッ素原子、水酸基、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
    14は、r≧2の場合には各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基、アルコキシ基、アルコキシカルボニル基、アルキルカルボニル基、アルキルスルホニル基、シクロアルキルスルホニル基、又は、単環若しくは多環のシクロアルキル骨格を有する基を表す。
    15は、各々独立に、アルキル基、シクロアルキル基又はナフチル基を表す。2個のR15が互いに結合して環を形成していてもよい。
    lは0〜2の整数を表す。
    rは0〜8の整数を表す。
  7. 前記反応系は、非プロトン性溶媒を更に含んでいる請求項1乃至6の何れか1項に記載の樹脂の製造方法。
  8. 前記反応により得られた生成物を再沈殿により精製することを更に含んだ請求項1乃至7の何れか1項に記載の樹脂の製造方法。
  9. 前記再沈殿を2回以上繰り返して行なう請求項8に記載の樹脂の製造方法。
  10. 前記2回以上の再沈殿における貧溶媒として、1回目に有機系溶媒を用い且つ2回目に水系溶媒を用いるか、又は、1回目に水系溶媒を用い且つ2回目に有機系溶媒を用いる請求項9に記載の樹脂の製造方法。
  11. 活性光線又は放射線の照射により分解して酸を発生する構造部位を備えた第1単量体と、酸の作用により分解してアルカリ可溶性基を生じる基を備えた第2単量体とを含んだ反応系を、塩基性化合物の存在下で重合させること、及び、前記反応により得られた生成物を再沈殿により少なくとも2回精製することを含んだ感活性光線性又は感放射線性樹脂の製造方法。
  12. 前記感活性光線性又は感放射線性樹脂が、アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載の樹脂の製造方法。
  13. アルカリ現像液の作用で分解しアルカリ現像液中への溶解速度が増大する基がラクトン構造である請求項12に記載の樹脂の製造方法。
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