JP2007199412A - 液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】液浸露光時の物質溶出を抑制でき、リソグラフィー特性にも優れた液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有する液浸露光用ポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)が、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)とを含有し、前記樹脂成分(A)中の前記構成単位(a3)の割合が、前記樹脂成分(A)を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%であることを特徴とする液浸露光用ポジ型レジスト組成物。
【選択図】なし
【解決手段】酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有する液浸露光用ポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)が、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)とを含有し、前記樹脂成分(A)中の前記構成単位(a3)の割合が、前記樹脂成分(A)を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%であることを特徴とする液浸露光用ポジ型レジスト組成物。
【選択図】なし
Description
本発明は、液浸露光(イマージョン(immersion)リソグラフィー)工程を含むレジストパターン形成方法に用いられる液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
半導体デバイス、液晶デバイス等の各種電子デバイスにおける微細構造の製造には、リソグラフィー法が多用されているが、デバイス構造の微細化に伴って、リソグラフィー工程におけるレジストパターンの微細化が要求されている。現在では、リソグラフィー法により、例えばArFエキシマレーザーを用いた最先端の領域では、線幅が90nm程度の微細なレジストパターンを形成することが可能となっているが、今後はさらに微細なパターン形成が要求される。
このような微細なパターン形成を達成させるためには、露光装置とそれに対応するレジストの開発が第一となる。
レジストとしては、高解像性が達成される上に、放射線の照射により発生した酸の触媒反応、連鎖反応が利用でき、量子収率が1以上で、しかも高感度が達成できる化学増幅型レジストが注目され、盛んに開発が行われている。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)や、ArFエキシマレーザー(193nm付近)に対する透明性に優れる(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)のカルボキシ基を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂などが一般的に用いられている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
また、酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、エトキシエチル基等のアセタール基、tert−ブチル基等の3級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基などが知られている。たとえば、従来ArFレジスト組成物の樹脂成分中の酸解離性溶解抑制基を有する構成単位としては、下記特許文献1に示されるように、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の3級エステル化合物から誘導される構成単位が一般的に用いられている。
レジストとしては、高解像性が達成される上に、放射線の照射により発生した酸の触媒反応、連鎖反応が利用でき、量子収率が1以上で、しかも高感度が達成できる化学増幅型レジストが注目され、盛んに開発が行われている。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)や、ArFエキシマレーザー(193nm付近)に対する透明性に優れる(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)のカルボキシ基を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂などが一般的に用いられている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
また、酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、エトキシエチル基等のアセタール基、tert−ブチル基等の3級アルキル基、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基などが知られている。たとえば、従来ArFレジスト組成物の樹脂成分中の酸解離性溶解抑制基を有する構成単位としては、下記特許文献1に示されるように、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の3級エステル化合物から誘導される構成単位が一般的に用いられている。
一方、露光装置においては、使用する光源波長の短波長化や、レンズの開口数(NA)の大口径化(高NA化)等が一般的である。たとえば、一般に、レジスト解像性約0.5μmでは水銀ランプの主要スペクトルが436nmのg線が、約0.5〜0.30μmでは同じく水銀ランプの主要スペクトルが365nmのi線が用いられており、約0.30〜0.15μmでは248nmのKrFエキシマレーザー光が用いられ、約0.15μm以下では193nmのArFエキシマレーザー光が用いられている。また、さらなる微細化のために、F2エキシマレーザー(157nm)やAr2エキシマレーザー(126nm)、EUV(極端紫外線;13.5nm)、EB(電子線)、X線等の使用が検討されている。
しかし、光源波長の短波長化は高額な新たな露光装置が必要となる。また、高NA化では、解像度と焦点深度幅がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げても焦点深度幅が低下するという問題がある。
しかし、光源波長の短波長化は高額な新たな露光装置が必要となる。また、高NA化では、解像度と焦点深度幅がトレードオフの関係にあるため、解像度を上げても焦点深度幅が低下するという問題がある。
そのような中、液浸露光(イマージョンリソグラフィー)という方法が報告されている(たとえば、非特許文献1〜3参照)。この方法は、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光(浸漬露光)を行う工程を有する方法である。
このような液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は、既存の露光装置を用いて行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
特開平10−161313号公報
ジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジー(Journal of Vacuum Science & Technology B)(米国)、1999年、第17巻、6号、3306−3309頁.
ジャーナルオブバキュームサイエンステクノロジー(Journal of Vacuum Science & Technology B)(米国)、2001年、第19巻、6号、2353−2356頁.
プロシーディングスオブエスピーアイイ(Proceedings of SPIE)(米国)2002年、第4691巻、459−465頁.
このような液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は、既存の露光装置を用いて行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
しかし、液浸露光にはまだまだ未知な点が多く、微細なパターンを実際に使用できるレベルで形成することは、実際には困難である。たとえば、液浸露光においては、上述のように、浸漬露光時にレジスト膜やレンズに液浸媒体が接触する。そのため、レジストに含まれる物質が液浸媒体中へ溶出する等によりレジスト膜が変質してその性能が低下したり、溶出した物質によって液浸媒体の屈折率が局所的に変化したり、溶出した物質がレンズ表面を汚染する等により、リソグラフィー特性に悪影響を与えることが考えられる。すなわち、感度が劣化したり、得られるレジストパターンがT−トップ形状となったり、レジストパターンの表面荒れや膨潤が生じる等の問題が予想される。本発明者の検討によれば、かかる物質溶出は、特に、酸解離性溶解抑制基としてアセタール基を有するアクリル系樹脂を用いた場合に顕著である。
物質溶出を抑制する手段として、たとえば、レジスト膜の液浸媒体に対する耐性(液浸媒体耐性)を高めることが考えられる。現在、液浸媒体としては、主に水等の水性溶剤が検討されていることから、レジスト膜の疎水性を高めることが液浸媒体耐性向上に有効ではないかと推測される。
しかしながら、レジスト膜の疎水性を高めるためにレジストの組成を変更することは、通常、リソグラフィー特性を悪化させてしまう。そのため、物質溶出の抑制とリソグラフィー特性との両立は困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、液浸露光時の物質溶出を抑制でき、リソグラフィー特性にも優れた液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
物質溶出を抑制する手段として、たとえば、レジスト膜の液浸媒体に対する耐性(液浸媒体耐性)を高めることが考えられる。現在、液浸媒体としては、主に水等の水性溶剤が検討されていることから、レジスト膜の疎水性を高めることが液浸媒体耐性向上に有効ではないかと推測される。
しかしながら、レジスト膜の疎水性を高めるためにレジストの組成を変更することは、通常、リソグラフィー特性を悪化させてしまう。そのため、物質溶出の抑制とリソグラフィー特性との両立は困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、液浸露光時の物質溶出を抑制でき、リソグラフィー特性にも優れた液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために以下の手段を提案する。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有する液浸露光用ポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)が、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)とを含有し、前記樹脂成分(A)中の前記構成単位(a3)の割合が、前記樹脂成分(A)を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%であることを特徴とする液浸露光用ポジ型レジスト組成物である。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有する液浸露光用ポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)が、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)とを含有し、前記樹脂成分(A)中の前記構成単位(a3)の割合が、前記樹脂成分(A)を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%であることを特徴とする液浸露光用ポジ型レジスト組成物である。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様の液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、前記レジスト膜を現像しレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「露光」とは、放射線の照射全般を含む概念とする。
「露光」とは、放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明により、液浸露光時の物質溶出を抑制でき、リソグラフィー特性にも優れた液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法が提供される。
≪液浸露光用ポジ型レジスト組成物≫
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)とを含有するものである。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、酸解離性溶解抑制基を有するため、露光前はアルカリ不溶性であり、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体のアルカリ溶解性が増大し、アルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成において、液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物は、酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)とを含有するものである。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、酸解離性溶解抑制基を有するため、露光前はアルカリ不溶性であり、露光により前記(B)成分から発生した酸が作用すると、酸解離性溶解抑制基が解離し、これによって(A)成分全体のアルカリ溶解性が増大し、アルカリ不溶性からアルカリ可溶性に変化する。そのため、レジストパターンの形成において、液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することができる。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)とを含有し、(A)成分中の前記構成単位(a3)の割合が、(A)成分を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%である
好ましくは、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を含有する。
本発明において、(A)成分は、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)とを含有し、(A)成分中の前記構成単位(a3)の割合が、(A)成分を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%である
好ましくは、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を含有する。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
・構成単位(a1)
本発明において、構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後はこの(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
本発明において、構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後はこの(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
R1’,R2’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
R1’,R2’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
R17、R18において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
R19は直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
前記R1’、R2’は好ましくは少なくとも1つが水素原子であり、より好ましくは共に水素原子である。nは好ましくは0または1である。
X’は前記X1において例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものである。
Yの脂肪族環式基については、上述の「脂肪族環式基」の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基については、上述の「脂肪族環式基」の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
その中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
(A)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)
本発明において、(A)成分は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を含有し、(A)成分中の該構成単位(a3)の割合が、(A)成分を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%である。
また、構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
本発明において、(A)成分は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を含有し、(A)成分中の該構成単位(a3)の割合が、(A)成分を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%である。
また、構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、(a3−2)で表される構成単位、(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
式(a3−1)中、jは1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明において、(A)成分中の構成単位(a3)の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%である。好ましくは5〜10モル%であり、最も好ましくは7〜10モル%である。下限値以上とすることにより解像性等のリソグラフィー特性が向上する。一方、上限値以下とすることにより液浸露光時の物質溶出抑制効果が得られる。また、他の構成単位とのバランスをとることができる。
なお、(A)成分中の構成単位(a3)の割合を3〜12モル%とするためには、後述するように、例えば(A)成分を得る際、重合に用いる構成単位(a3)を誘導するモノマーの仕込み量を調整したり、構成単位(a3)を含む樹脂の混合割合を調整したり等することにより制御することができる。
本発明において、(A)成分中の構成単位(a3)の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%である。好ましくは5〜10モル%であり、最も好ましくは7〜10モル%である。下限値以上とすることにより解像性等のリソグラフィー特性が向上する。一方、上限値以下とすることにより液浸露光時の物質溶出抑制効果が得られる。また、他の構成単位とのバランスをとることができる。
なお、(A)成分中の構成単位(a3)の割合を3〜12モル%とするためには、後述するように、例えば(A)成分を得る際、重合に用いる構成単位(a3)を誘導するモノマーの仕込み量を調整したり、構成単位(a3)を含む樹脂の混合割合を調整したり等することにより制御することができる。
・構成単位(a2)
本発明において、(A)成分は、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を含有することが好ましい。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、現像液との親水性を高めたりするうえで有効なものである。
本発明において、(A)成分は、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を含有することが好ましい。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、現像液との親水性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
これらの中でも、一般式(a2−1)〜(a2−5)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。具体的には、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
(A)成分において、構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。中でも、リソグラフィー特性が向上することから、2種以上を組み合わせて用いることが好ましい。具体的には、ラクトン含有多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、構成単位(a2−01)という。)とラクトン含有単環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(以下、構成単位(a2−02)という。)とを組み合わせて用いることが特に好ましい。
なお、ここで「ラクトン含有多環式基」とは、上記(構成単位(a2)の説明)に記載のように、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有し、さらに他の環構造を有する環式基を示す。ラクトン含有多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2−01)としては、具体的には、前記一般式(a2−2)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられ、より具体的には、前記化学式(a2−2−1)〜(a2−2−8)、化学式(a2−3−1)〜(a2−3−10)、化学式(a2−4−1)〜(a2−4−12)、化学式(a2−5−1)〜(a2−5−6)で表される構成単位が例示できる。
また、「ラクトン含有単環式基」とは、上記(構成単位(a2)の説明)に記載のように、ラクトン環からなる環式基を示す。ラクトン含有単環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2−02)としては、具体的には、前記一般式(a2−1)で表される構成単位が挙げられ、より具体的には、前記化学式(a2−1−1)〜(a2−1−6)で表される構成単位が例示できる。
また、「ラクトン含有単環式基」とは、上記(構成単位(a2)の説明)に記載のように、ラクトン環からなる環式基を示す。ラクトン含有単環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2−02)としては、具体的には、前記一般式(a2−1)で表される構成単位が挙げられ、より具体的には、前記化学式(a2−1−1)〜(a2−1−6)で表される構成単位が例示できる。
構成単位(a2)において、前記構成単位(a2−01)と前記構成単位(a2−02)とを組み合わせて用いる場合、前記構成単位(a2−01)と前記構成単位(a2−02)との割合は、モル比で9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましく、6:4〜4:6であることが最も好ましい。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a4)
本発明において、(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
本発明において、(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
かかる構成単位(a4)を(A)成分に含有させる際には、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、構成単位(a4)を1〜30モル%、好ましくは10〜20モル%含有させると好ましい。
本発明において、(A)成分は、少なくとも前記構成単位(a1)と前記構成単位(a3)とを含有(好ましくは、さらに前記構成単位(a2)を含有)し、かつ(A)成分中の前記構成単位(a3)の割合が、(A)成分を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%である樹脂成分である。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分としては、1種を単独で用いる場合、例えば1種の共重合体が挙げられる。係る共重合体としては、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a3)とを有する共重合体等が例示できる。
また、(A)成分としては、2種以上を併用する場合、例えば2種の重合体を含有する混合物が挙げられる。係る混合物としては、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a3)とを有する共重合体と、前記構成単位(a1)を有する重合体とを含有する混合物等が例示できる。
中でも、液浸露光時の物質溶出の抑制効果と、得られるレジストパターンのマスクエラーファクタ(MEF)や解像性等のリソグラフィー特性が向上することから、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)と前記構成単位(a3)とを含む樹脂(A1)と、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とを含む樹脂(A2)とを含有する混合物が特に好ましい。
以下、樹脂(A1)と樹脂(A2)について説明する。
なお、マスクエラーファクタ(MEF)とは、同じ露光量で、ピッチを固定した状態でマスクサイズ(例えば、ホールパターンにおけるホール直径)を変化させた際に、サイズの異なるマスクパターンをどれだけ忠実に再現できるか(マスク再現性)を示すパラメーターである。
中でも、液浸露光時の物質溶出の抑制効果と、得られるレジストパターンのマスクエラーファクタ(MEF)や解像性等のリソグラフィー特性が向上することから、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)と前記構成単位(a3)とを含む樹脂(A1)と、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とを含む樹脂(A2)とを含有する混合物が特に好ましい。
以下、樹脂(A1)と樹脂(A2)について説明する。
なお、マスクエラーファクタ(MEF)とは、同じ露光量で、ピッチを固定した状態でマスクサイズ(例えば、ホールパターンにおけるホール直径)を変化させた際に、サイズの異なるマスクパターンをどれだけ忠実に再現できるか(マスク再現性)を示すパラメーターである。
[樹脂(A1)]
本発明において、樹脂(A1)は、前記構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)とを含むものである。なお、該樹脂(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の前記構成単位(a4)を含んでいてもよい。
本発明において、樹脂(A1)は、前記構成単位(a1)と構成単位(a2)と構成単位(a3)とを含むものである。なお、該樹脂(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の前記構成単位(a4)を含んでいてもよい。
樹脂(A1)において、各構成単位の割合(モル比)は、本発明の効果が向上することから、樹脂(A1)を構成する全構成単位に対し、構成単位(a1)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2)は5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a3)は5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜25モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A1)に含有させる際には、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
構成単位(a2)は5〜60モル%であることが好ましく、10〜50モル%であることがより好ましく、20〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a3)は5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%であることがより好ましく、5〜25モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A1)に含有させる際には、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
本発明において、樹脂(A1)の好適なものとしては、例えば前記構成単位(a1)、(a2)および(a3)を有する共重合体が挙げられ、係る共重合体としては、前記構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる共重合体、前記構成単位(a1)、(a2)、(a3)および(a4)からなる共重合体等が例示できる。
係る共重合体としては、特に下記の様な構成単位の組合せを含むものが好ましい。
係る共重合体としては、特に下記の様な構成単位の組合せを含むものが好ましい。
一般式(A1−11)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。
樹脂(A1)の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A)成分中、樹脂(A1)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(A)成分中の樹脂(A1)の割合は、10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、33〜55質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより良好なリソグラフィー特性が得られ、上限値以下であることにより、他の樹脂(A2)とのバランスが良好となって、物質溶出抑制効果が向上する。
(A)成分中の樹脂(A1)の割合は、10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、33〜55質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより良好なリソグラフィー特性が得られ、上限値以下であることにより、他の樹脂(A2)とのバランスが良好となって、物質溶出抑制効果が向上する。
[樹脂(A2)]
本発明において、樹脂(A2)は、前記構成単位(a1)と構成単位(a2)とを含むものである。なお、該樹脂(A2)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。ただし、前記構成単位(a3)は含まないことが好ましい。
本発明において、樹脂(A2)は、前記構成単位(a1)と構成単位(a2)とを含むものである。なお、該樹脂(A2)は、本発明の効果を損なわない範囲で、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。ただし、前記構成単位(a3)は含まないことが好ましい。
樹脂(A2)において、各構成単位の割合(モル比)は、本発明の効果が向上することから、樹脂(A2)を構成する全構成単位に対し、構成単位(a1)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2)は10〜60モル%であることが好ましく、15〜60モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A2)に含有させる際には、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
構成単位(a2)は10〜60モル%であることが好ましく、15〜60モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A2)に含有させる際には、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
本発明において、樹脂(A2)は、得られるレジストパターンのマスクエラーファクタ(MEF)や解像性等のリソグラフィー特性が特に向上することから、前記構成単位(a1)とラクトン含有多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2−01)とラクトン含有単環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2−02)とを含む樹脂(A2−1)、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2−01)とを含む樹脂(A2−2)等が好適なものとして挙げられる。中でも、樹脂(A2−1)と樹脂(A2−2)とを共に含有(併用)することが最も好ましい。
以下、樹脂(A2−1)と樹脂(A2−2)について説明する。
以下、樹脂(A2−1)と樹脂(A2−2)について説明する。
(樹脂(A2−1))
樹脂(A2−1)は、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2−01)と前記構成単位(a2−02)とを含むものである。
樹脂(A2−1)は、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2−01)と前記構成単位(a2−02)とを含むものである。
樹脂(A2−1)において、各構成単位の割合(モル比)は、樹脂(A2−1)を構成する全構成単位に対し、構成単位(a1)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2−01)は5〜40モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましく、15〜30モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2−02)は5〜40モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましく、15〜30モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A2−1)に含有させる際には、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
構成単位(a2−01)は5〜40モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましく、15〜30モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2−02)は5〜40モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましく、15〜30モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A2−1)に含有させる際には、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
本発明において、樹脂(A2−1)の好適なものとしては、例えば前記構成単位(a1)、(a2−01)および(a2−02)を有する共重合体が挙げられ、係る共重合体としては、前記構成単位(a1)、(a2−01)および(a2−02)からなる共重合体、前記構成単位(a1)、(a2−01)、(a2−02)および(a4)からなる共重合体等が例示できる。
係る共重合体としては、特に下記の様な構成単位の組合せを含むものが好ましい。
係る共重合体としては、特に下記の様な構成単位の組合せを含むものが好ましい。
式(A2−1−11)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。
(樹脂(A2−2))
樹脂(A2−2)は、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2−01)とを含むものである。
樹脂(A2−2)は、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2−01)とを含むものである。
樹脂(A2−2)において、各構成単位の割合(モル比)は、樹脂(A2−2)を構成する全構成単位に対し、構成単位(a1)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
構成単位(a2−01)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A2−2)に含有させる際には、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
構成単位(a2−01)は10〜80モル%であることが好ましく、20〜70モル%であることがより好ましく、25〜50モル%であることがさらに好ましい。
また、構成単位(a4)を樹脂(A2−2)に含有させる際には、1〜30モル%であることが好ましく、10〜20モル%であることがより好ましい。
本発明において、樹脂(A2−2)の好適なものとしては、例えば前記構成単位(a1)と(a2−01)を有する共重合体が挙げられ、係る共重合体としては、前記構成単位(a1)と(a2−01)からなる共重合体、前記構成単位(a1)、(a2−01)および(a4)からなる共重合体等が例示できる。
係る共重合体としては、特に下記の様な構成単位の組合せを含むものが好ましい。
係る共重合体としては、特に下記の様な構成単位の組合せを含むものが好ましい。
式(A2−2−11)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基は、Rにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。
樹脂(A2)の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(A)成分中、樹脂(A2)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。中でも、2種以上を含有(併用)することが好ましい。
(A)成分中の樹脂(A2)の割合は、10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、33〜55質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより物質溶出抑制効果が向上し、上限値以下であることにより、他の樹脂(A1)とのバランスが良好となって、良好なリソグラフィー特性が得られる。
(A)成分中の樹脂(A2)の割合は、10〜80質量%であることが好ましく、15〜60質量%であることがより好ましく、33〜55質量%であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であることにより物質溶出抑制効果が向上し、上限値以下であることにより、他の樹脂(A1)とのバランスが良好となって、良好なリソグラフィー特性が得られる。
本発明において、樹脂(A2)は、本発明の効果が特に向上することから、前記樹脂(A2−1)と樹脂(A2−2)とを含有することが最も好ましい。
前記樹脂(A2−1)と樹脂(A2−2)とを含有する場合、両者の混合割合は、質量比で9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましく、8:2〜5:5であることが最も好ましい。
前記樹脂(A2−1)と樹脂(A2−2)とを含有する場合、両者の混合割合は、質量比で9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましく、8:2〜5:5であることが最も好ましい。
(A)成分が前記樹脂(A1)と樹脂(A2)とを含有する際、樹脂(A1)と樹脂(A2)との混合割合は、質量比で9:1〜1:9であることが好ましく、8:2〜2:8であることがより好ましく、6:4〜4:6であることが最も好ましい。
本発明において、(A)成分としては、特に前記一般式(A1−11)で表される樹脂と、前記一般式(A2−1−11)で表される樹脂と、前記一般式(A2−2−11)で表される樹脂との組合せを含むものが最も好ましく用いられる。
本発明において、(A)成分としては、特に前記一般式(A1−11)で表される樹脂と、前記一般式(A2−1−11)で表される樹脂と、前記一般式(A2−2−11)で表される樹脂との組合せを含むものが最も好ましく用いられる。
(A)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、(A)成分は、混合物の場合、例えば上記方法により各重合体を重合させ、該重合体を混合することによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、(A)成分は、混合物の場合、例えば上記方法により各重合体を重合させ、該重合体を混合することによって得ることができる。
(A)成分全体の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きいと、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物において、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物において、(A)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(B)成分>
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−0)で表される酸発生剤が挙げられる。
一般式(b−0)において、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
前記直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基である。
R52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
R52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
R52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
R52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
R53は置換基を有していてもよいアリール基であり、置換基を除いた基本環(母体環)の構造としては、ナフチル基、フェニル基、アントラセニル基などが挙げられ、本発明の効果やArFエキシマレーザーなどの露光光の吸収の観点から、フェニル基が望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)などを挙げることができる。
R53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)などを挙げることができる。
R53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
一般式(b−0)で表される酸発生剤の好ましいものは以下の様なものを挙げることができる。
上記一般式(b−0)で表される酸発生剤の他のオニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物が挙げられる。
式(b−1)中、R1”〜R3”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R1”〜R3”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
R4”は、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖または分岐のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
前記直鎖または分岐のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中、R5”〜R6”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R5”〜R6”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R5”〜R6”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R5”〜R6”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
R31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
R31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
R34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントラセル(anthracyl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p’’は好ましくは2である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p’’は好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
上記例示化合物の中でも、下記の4つの化合物が好ましい。
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、中でも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。具体的には、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート等である。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
本発明においては、中でも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。具体的には、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート等である。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<(D)成分>
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を配合することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、環式アミン、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、アルキルアルコールアミン及びトリアルキルアミンが好ましく、アルキルアルコールアミンが最も好ましい。アルキルアルコールアミンの中でもトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、中でも(D)成分としてアルキルアルコールアミンを用いることが好ましい。具体的には、トリエタノールアミン等である。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を配合することが好ましい。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、環式アミン、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、アルキルアルコールアミン及びトリアルキルアミンが好ましく、アルキルアルコールアミンが最も好ましい。アルキルアルコールアミンの中でもトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、中でも(D)成分としてアルキルアルコールアミンを用いることが好ましい。具体的には、トリエタノールアミン等である。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
<任意成分>
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられる。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられる。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物には、さらに所望により混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類及びその誘導体;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類及びその誘導体;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
材料の(S)成分への溶解は、例えば、上記各成分を通常の方法で混合、撹拌するだけでも行うことができ、また、必要に応じてディゾルバー、ホモジナイザー、3本ロールミルなどの分散機を用い分散、混合させてもよい。また、混合した後で、さらにメッシュ、メンブレンフィルターなどを用いてろ過してもよい。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物によれば、液浸露光時の物質溶出を抑制でき、リソグラフィー特性にも優れる。
液浸露光時の物質溶出を抑制できる理由は、明らかではないが、(A)成分として、構成単位(a1)と構成単位(a3)とを含有し、該構成単位(a3)の割合を(A)成分中の全構成単位に対し、3〜12モル%とすることにより、他の(A)成分を用いる場合に比べ、得られるレジスト膜の後退角が増大することが主な要因の1つと考えられる。
すなわち、本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、本発明とは異なる(A)成分を用いた場合に比べ、水に対する動的接触角(レジスト膜を傾斜させていった際に水滴が転落し始めたときの接触角をいう。水滴の転落方向前方の端点における接触角(前進角)と、転落方向後方の端点における接触角(後退角)とがある。)が変化する。
液浸露光においては、上述のように、液浸露光時にレジスト膜が水等の液浸溶媒に接触することになる。したがって、物質溶出は、レジスト膜表面の特性(たとえば親水性・疎水性等)により影響を受けると推測される。
本発明においては、上記のように、(A)成分中の構成単位(a3)の割合が3〜12モル%であることにより、レジスト膜表面の疎水性が従来より高くなって、水等の液浸溶媒との親和性が低下していることが考えられる。これにより、レジスト膜から液浸溶媒への物質溶出が生じにくく、しかも良好なリソグラフィー特性が得られるレジスト膜が形成されていると推測される。
液浸露光時の物質溶出を抑制できる理由は、明らかではないが、(A)成分として、構成単位(a1)と構成単位(a3)とを含有し、該構成単位(a3)の割合を(A)成分中の全構成単位に対し、3〜12モル%とすることにより、他の(A)成分を用いる場合に比べ、得られるレジスト膜の後退角が増大することが主な要因の1つと考えられる。
すなわち、本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、本発明とは異なる(A)成分を用いた場合に比べ、水に対する動的接触角(レジスト膜を傾斜させていった際に水滴が転落し始めたときの接触角をいう。水滴の転落方向前方の端点における接触角(前進角)と、転落方向後方の端点における接触角(後退角)とがある。)が変化する。
液浸露光においては、上述のように、液浸露光時にレジスト膜が水等の液浸溶媒に接触することになる。したがって、物質溶出は、レジスト膜表面の特性(たとえば親水性・疎水性等)により影響を受けると推測される。
本発明においては、上記のように、(A)成分中の構成単位(a3)の割合が3〜12モル%であることにより、レジスト膜表面の疎水性が従来より高くなって、水等の液浸溶媒との親和性が低下していることが考えられる。これにより、レジスト膜から液浸溶媒への物質溶出が生じにくく、しかも良好なリソグラフィー特性が得られるレジスト膜が形成されていると推測される。
ここで、後退角は、図1に示すように、その上に液滴1が置かれた平面2を次第に傾けていった際に、当該液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるときの当該液滴1上端1aが平面2に対してなす角度θ1である。
なお、図中のθ2は転落角を示し、該転落角は、液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるときの平面2の傾斜角度θ2である。本発明者が実験で確認したところ、通常は、後退角が大きくなると、転落角は小さくなる傾向がある。
なお、図中のθ2は転落角を示し、該転落角は、液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるときの平面2の傾斜角度θ2である。本発明者が実験で確認したところ、通常は、後退角が大きくなると、転落角は小さくなる傾向がある。
本明細書において、後退角は、以下の様にして測定するものである。
まず、直径6インチのシリコン基板の上に、レジスト組成物溶液をスピンコートした後、90℃の温度条件で90秒間加熱してレジスト膜を形成する。
次に、上記レジスト膜に対して、AUTO SLIDING ANGLE:SA−30DM(協和界面科学社製)、AUTO DISPENSER:AD−31(協和界面科学社製)等の市販の測定装置を用いて測定することができる。
まず、直径6インチのシリコン基板の上に、レジスト組成物溶液をスピンコートした後、90℃の温度条件で90秒間加熱してレジスト膜を形成する。
次に、上記レジスト膜に対して、AUTO SLIDING ANGLE:SA−30DM(協和界面科学社製)、AUTO DISPENSER:AD−31(協和界面科学社製)等の市販の測定装置を用いて測定することができる。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物は、当該液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における後退角の測定値が45度以上であることが好ましく、50〜150度であることがより好ましく、50〜100度であることが特に好ましく、50〜80度であることが最も好ましい。
後退角が150度以下であると、リソグラフィー特性等が良好である。
また、後退角が45度以上であると、液浸露光時の物質溶出抑制効果が向上する。その理由は、明らかではないが、主な要因の1つとして、レジスト膜の疎水性との関連が考えられる。つまり、液浸媒体は水等の水性のものが用いられているため、疎水性が高いことにより、浸漬露光を行った後、液浸媒体を除去した際に速やかにレジスト膜表面から液浸媒体を除去できることが影響していると推測される。
後退角が150度以下であると、リソグラフィー特性等が良好である。
また、後退角が45度以上であると、液浸露光時の物質溶出抑制効果が向上する。その理由は、明らかではないが、主な要因の1つとして、レジスト膜の疎水性との関連が考えられる。つまり、液浸媒体は水等の水性のものが用いられているため、疎水性が高いことにより、浸漬露光を行った後、液浸媒体を除去した際に速やかにレジスト膜表面から液浸媒体を除去できることが影響していると推測される。
後退角の大きさは、液浸露光用ポジ型レジスト組成物の組成、たとえば(A)成分中の構成単位(a3)の割合や、樹脂(A1)と樹脂(A2)との混合割合等を調整することによって制御することができる。本発明においては、(A)成分中の構成単位(a3)の割合を、(A)成分を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%とすることにより後退角が大きくなる。
上述のように、本発明によれば、液浸露光時の物質溶出が抑制される。
また、リソグラフィー特性にも優れる。例えば、マスクエラーファクタ(MEF)が良好であり、マスクに忠実なレジストパターンが形成され、マスク再現性が良好である。
さらに、プロセスマージンも大きい。たとえば、ベーク温度の変化に対するレジストパターンの寸法変化量が小さい。
また、感度や焦点深度幅(DOF)も良好であり、さらに表面荒れや異物等の発生が抑制された良好な形状のレジストパターンを形成できる。
したがって、液浸露光においてレジストとして使用した際に、実用上問題なくレジストパターンを形成できる。
これらのリソグラフィー特性が良好な理由は定かではないが、物質溶出が抑制されるため、レジストの変質や、液浸溶媒の屈折率の変化が抑制されること等に因るものと推測される。
また、リソグラフィー特性にも優れる。例えば、マスクエラーファクタ(MEF)が良好であり、マスクに忠実なレジストパターンが形成され、マスク再現性が良好である。
さらに、プロセスマージンも大きい。たとえば、ベーク温度の変化に対するレジストパターンの寸法変化量が小さい。
また、感度や焦点深度幅(DOF)も良好であり、さらに表面荒れや異物等の発生が抑制された良好な形状のレジストパターンを形成できる。
したがって、液浸露光においてレジストとして使用した際に、実用上問題なくレジストパターンを形成できる。
これらのリソグラフィー特性が良好な理由は定かではないが、物質溶出が抑制されるため、レジストの変質や、液浸溶媒の屈折率の変化が抑制されること等に因るものと推測される。
また、本発明により、液浸露光時の物質溶出が抑制されることにより、露光装置のレンズの汚染を低減でき、そのため、これらに対する保護対策を行わなくてもよく、プロセスや露光装置の簡便化に貢献できる。
≪レジストパターン形成方法≫
次に、本発明のレジストパターン形成方法について説明する。
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、前記レジスト膜を現像しレジストパターンを形成する工程を含む方法である。
次に、本発明のレジストパターン形成方法について説明する。
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、前記レジスト膜を現像しレジストパターンを形成する工程を含む方法である。
本発明のレジストパターンの形成方法の好ましい一例を下記に示す。
まず、シリコンウェーハ等の基板上に、本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB)処理)を行うことにより、レジスト膜を形成する。
このとき、基板とレジスト組成物の塗布層との間に、有機系または無機系の反射防止膜を設けて2層積層体とすることもできる。
また、レジスト膜上に、さらに有機系の反射防止膜を設けて2層積層体とすることもでき、さらに、これに下層の反射防止膜を設けた3層積層体とすることもできる。
レジスト膜上に設ける反射防止膜は、アルカリ現像液に可溶であるものが好ましい。
ここまでの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用する液浸露光用ポジ型レジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
まず、シリコンウェーハ等の基板上に、本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB)処理)を行うことにより、レジスト膜を形成する。
このとき、基板とレジスト組成物の塗布層との間に、有機系または無機系の反射防止膜を設けて2層積層体とすることもできる。
また、レジスト膜上に、さらに有機系の反射防止膜を設けて2層積層体とすることもでき、さらに、これに下層の反射防止膜を設けた3層積層体とすることもできる。
レジスト膜上に設ける反射防止膜は、アルカリ現像液に可溶であるものが好ましい。
ここまでの工程は、周知の手法を用いて行うことができる。操作条件等は、使用する液浸露光用ポジ型レジスト組成物の組成や特性に応じて適宜設定することが好ましい。
次いで、上記で得られたレジスト膜に対して、所望のマスクパターンを介して選択的に液浸露光(Liquid Immersion Lithography)を行う。このとき、予めレジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2レーザーなどの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるレジスト組成物は、KrFエキシマレーザーまたはArFエキシマレーザー、特にArFエキシマレーザーに対して有効である。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2レーザーなどの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるレジスト組成物は、KrFエキシマレーザーまたはArFエキシマレーザー、特にArFエキシマレーザーに対して有効である。
上記のように、本発明の形成方法においては、露光時に、レジスト膜と露光装置の最下位置のレンズ間を液浸媒体で満たし、その状態で露光(浸漬露光)を行う。
このとき、液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の有する屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤等が挙げられる。
このとき、液浸媒体としては、空気の屈折率よりも大きく、かつ液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の有する屈折率を有する溶媒が好ましい。かかる溶媒の屈折率としては、前記範囲内であれば特に制限されない。
空気の屈折率よりも大きく、かつレジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
本発明の液浸露光用ポジ型レジスト組成物は、特に水による悪影響を受けにくく、感度、レジストパターンプロファイル形状に優れることから、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒として、水が好ましく用いられる。また、水はコスト、安全性、環境問題および汎用性の観点からも好ましい。
次いで、浸漬露光工程を終えた後、露光後加熱(ポストエクスポージャーベーク(PEB)処理)を行い、続いて、アルカリ性水溶液からなるアルカリ現像液を用いて現像処理する。そして、好ましくは純水を用いて水リンスを行う。水リンスは、例えば、基板を回転させながら基板表面に水を滴下または噴霧して、基板上の現像液および該現像液によって溶解した液浸露光用ポジ型レジスト組成物を洗い流す。そして、乾燥を行うことにより、レジスト膜(液浸露光用ポジ型レジスト組成物の塗膜)がマスクパターンに応じた形状にパターニングされたレジストパターンが得られる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
<樹脂の合成>
下記モノマー(1)〜(4)を用いて公知の滴下重合法により樹脂(A)−1〜(A)−3を合成し、各樹脂の質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)、組成比(モル比)を表1に示した。
質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロ1マトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準で求めた。組成比はカーボンNMRにより算出した。なお、表1中の(a1)、(a2)、(a3)は、それぞれ本発明における構成単位(a1)、構成単位(a2)、構成単位(a3)を示す。
下記モノマー(1)〜(4)を用いて公知の滴下重合法により樹脂(A)−1〜(A)−3を合成し、各樹脂の質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)、組成比(モル比)を表1に示した。
質量平均分子量(Mw)、分散度(Mw/Mn)はゲルパーミエーションクロ1マトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算基準で求めた。組成比はカーボンNMRにより算出した。なお、表1中の(a1)、(a2)、(a3)は、それぞれ本発明における構成単位(a1)、構成単位(a2)、構成単位(a3)を示す。
以下に、樹脂(A)−1〜(A)−3の構造を示す。
式中、構成単位の右下に付した数字は、樹脂中の各構成単位の割合(モル%)を示す。
式中、構成単位の右下に付した数字は、樹脂中の各構成単位の割合(モル%)を示す。
<液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液の調製>
(実施例1、比較例1〜3)
表2に示す各成分を混合し、溶解して液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液(固形分濃度7質量%)を調製した。
(実施例1、比較例1〜3)
表2に示す各成分を混合し、溶解して液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液(固形分濃度7質量%)を調製した。
表2中の各略号は以下の意味を有する。また、[ ]内の数値は配合量(質量部)である。
実施例1で用いた樹脂(A)−1と樹脂(A)−2と樹脂(A)−3との混合物の平均の組成比(1):(2):(3):(4)=41.5:38:10.5:10(モル比)。
(B)−1:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート。
(D)−1:トリエタノールアミン。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
実施例1で用いた樹脂(A)−1と樹脂(A)−2と樹脂(A)−3との混合物の平均の組成比(1):(2):(3):(4)=41.5:38:10.5:10(モル比)。
(B)−1:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート。
(D)−1:トリエタノールアミン。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
<物質溶出の抑制効果の評価>
得られた液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を用いて以下の評価を行った。
[後退角の測定]
得られた液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて直径8インチのシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で115℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚175nmのレジスト膜を形成した。該レジスト膜上に純水を1滴(50μl)滴下させた後、以下に示す装置及び条件で後退角を測定した(露光前の後退角)。
(装置名)
AUTO SLIDING ANGLE:SA−30DM(協和界面科学社製)。
AUTO DISPENSER:AD−31(協和界面科学社製)。
(解析ソフト(装置に付属のもの))
FAMAS。
得られた液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を用いて以下の評価を行った。
[後退角の測定]
得られた液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて直径8インチのシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で115℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚175nmのレジスト膜を形成した。該レジスト膜上に純水を1滴(50μl)滴下させた後、以下に示す装置及び条件で後退角を測定した(露光前の後退角)。
(装置名)
AUTO SLIDING ANGLE:SA−30DM(協和界面科学社製)。
AUTO DISPENSER:AD−31(協和界面科学社製)。
(解析ソフト(装置に付属のもの))
FAMAS。
また、上記と同様にしてレジスト膜を形成し、簡易型露光装置VUVES4500(商品名、リソテックジャパン株式会社製)を用いて、ArFエキシマレーザー(193nm)でオープンフレーム露光(マスクを介さないで露光)を行ったこと以外は同様にして後退角を測定した(露光後の後退角)。
露光前および露光後のレジスト膜の後退角の測定結果を表3に示した。
露光前および露光後のレジスト膜の後退角の測定結果を表3に示した。
[溶出物の測定]
実施例1および比較例1〜2の液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を用いて、上記と同様にしてレジスト膜を形成した。
次に、VRC310S(商品名、エス・イー・エス株式会社製)を用いて、純水1滴(50μl)を室温下で、ウェーハの中心から円を描くように等線速で液滴を移動させた(液滴が接触したレジスト膜の総接触面積221.56cm2)。
その後、その液滴を採取して、分析装置Agilent−HP1100 LC−MSD(商品名、Agilent Technologies社製)により分析して、露光前の(B)成分のカチオン部(PAG+)とアニオン部(PAG−)および(D)成分との合計の溶出量(mol/cm2)を求めた。これらの結果を表3に示した。
実施例1および比較例1〜2の液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を用いて、上記と同様にしてレジスト膜を形成した。
次に、VRC310S(商品名、エス・イー・エス株式会社製)を用いて、純水1滴(50μl)を室温下で、ウェーハの中心から円を描くように等線速で液滴を移動させた(液滴が接触したレジスト膜の総接触面積221.56cm2)。
その後、その液滴を採取して、分析装置Agilent−HP1100 LC−MSD(商品名、Agilent Technologies社製)により分析して、露光前の(B)成分のカチオン部(PAG+)とアニオン部(PAG−)および(D)成分との合計の溶出量(mol/cm2)を求めた。これらの結果を表3に示した。
<リソグラフィー特性の評価>
実施例1及び比較例1〜2で得られた液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を用いてリソグラフィー特性を評価した。
8インチシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、上記で得られた液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて反射防止膜上に塗布し、ホットプレート上で、表4に示すPAB温度、時間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚250nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,σ=0.75)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして、表4に示すPEB温度、時間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で表4に示す時間の条件で現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その結果、ホール直径(口径)140nm、ピッチ280nmのホールパターンが形成できた。
実施例1及び比較例1〜2で得られた液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を用いてリソグラフィー特性を評価した。
8インチシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、上記で得られた液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を、スピンナーを用いて反射防止膜上に塗布し、ホットプレート上で、表4に示すPAB温度、時間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚250nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,σ=0.75)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターンを介して選択的に照射した。そして、表4に示すPEB温度、時間の条件で露光後加熱(PEB)処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で表4に示す時間の条件で現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。その結果、ホール直径(口径)140nm、ピッチ280nmのホールパターンが形成できた。
[感度評価]
140nmのホールパターンが、ピッチ280nmで形成される際の最適露光量(Eop)(単位:mJ/cm2)を求めた。結果を表3に示した。
140nmのホールパターンが、ピッチ280nmで形成される際の最適露光量(Eop)(単位:mJ/cm2)を求めた。結果を表3に示した。
[マスクエラーファクタ(MEF)評価]
上記Eopにおいて、ホール直径(口径)140nm、ピッチ280nmをターゲットとするマスクパターンと、ホール直径(口径)160nm、ピッチ280nmをターゲットとするマスクパターンとを用いてホールパターンを形成し、以下の式からMEFの値を求めた。
MEF=|CD160−CD140|/|MD160−MD140|
上記式中、CD160、CD140は、それぞれ、口径160nm、140nmをターゲットとするマスクパターンを用いて形成されたホールパターンの実際の口径(nm)である。MD160、MD140は、それぞれ当該マスクパターンがターゲットとする口径(nm)であり、MD160=160、MD140=140である。結果を表3に示した。
なお、MEFは、同じ露光量で、ピッチを固定した状態でマスクサイズ(ホールパターンにおけるホール直径)を変化させた際に、サイズの異なるマスクパターンをどれだけ忠実に再現できるかを示すパラメーターであり、MEFの値が1に近いほど、マスク再現性が良好であることを示す。
上記Eopにおいて、ホール直径(口径)140nm、ピッチ280nmをターゲットとするマスクパターンと、ホール直径(口径)160nm、ピッチ280nmをターゲットとするマスクパターンとを用いてホールパターンを形成し、以下の式からMEFの値を求めた。
MEF=|CD160−CD140|/|MD160−MD140|
上記式中、CD160、CD140は、それぞれ、口径160nm、140nmをターゲットとするマスクパターンを用いて形成されたホールパターンの実際の口径(nm)である。MD160、MD140は、それぞれ当該マスクパターンがターゲットとする口径(nm)であり、MD160=160、MD140=140である。結果を表3に示した。
なお、MEFは、同じ露光量で、ピッチを固定した状態でマスクサイズ(ホールパターンにおけるホール直径)を変化させた際に、サイズの異なるマスクパターンをどれだけ忠実に再現できるかを示すパラメーターであり、MEFの値が1に近いほど、マスク再現性が良好であることを示す。
[解像性評価]
前記Eopにおいて、パターンサイズを変更し、解像するパターンの最小寸法である限界解像度(nm)を求めた。
前記Eopにおいて、パターンサイズを変更し、解像するパターンの最小寸法である限界解像度(nm)を求めた。
表3の結果に示すように、後退角について、本発明にかかる(A)成分を含有する実施例1は、本発明とは異なる(A)成分を用いた比較例1に比べて、露光前・露光後ともに後退角が大きくなっていることが確認できた。また、後退角の露光前後の差が、実施例1は比較例1〜2に比べて小さくなっていた。
また、溶出量について、本発明にかかる(A)成分を含有する実施例1は、本発明とは異なる(A)成分を用いた比較例1に比べて、浸漬露光処理前の液浸媒体(水)中への(B)成分および(D)成分の溶出が大幅に抑制されており、物質溶出の抑制効果が確認できた。
以上、後退角および溶出量の測定結果から、後退角が増大することと、物質溶出の抑制効果との間に相関関係があることは明らかである。また、物質溶出の抑制効果には、露光前後の後退角の差が小さくなることも影響していると推測される。
また、溶出量について、本発明にかかる(A)成分を含有する実施例1は、本発明とは異なる(A)成分を用いた比較例1に比べて、浸漬露光処理前の液浸媒体(水)中への(B)成分および(D)成分の溶出が大幅に抑制されており、物質溶出の抑制効果が確認できた。
以上、後退角および溶出量の測定結果から、後退角が増大することと、物質溶出の抑制効果との間に相関関係があることは明らかである。また、物質溶出の抑制効果には、露光前後の後退角の差が小さくなることも影響していると推測される。
リソグラフィー特性については、本発明にかかる(A)成分を含有する実施例1は、解像性が良好であり、また、本発明とは異なる(A)成分を用いた比較例1〜2よりMEFが良好であり、リソグラフィー特性に優れていることが確認できた。
比較例2については、後退角が大きく、溶出量が少なくて物質溶出の抑制効果が良好であったが、リソグラフィー特性についてはMEFが悪く、物質溶出の抑制とリソグラフィー特性との両立ができていないことが確認された。
また、比較例3については、(A)成分の樹脂(A)−3が(S)成分に溶解せず、液浸露光用ポジ型レジスト組成物溶液を調製することができなかったため、物質溶出の抑制効果およびリソグラフィー特性の評価を行うことができなかった。
以上、表3の結果から、本発明にかかる(A)成分を含有する実施例1は、液浸露光時の物質溶出を抑制でき、リソグラフィー特性にも優れていることが確認された。
Claims (6)
- 酸解離性溶解抑制基を有し、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有する液浸露光用ポジ型レジスト組成物であって、
前記樹脂成分(A)が、酸解離性溶解抑制基を有するアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)と、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)とを含有し、
前記樹脂成分(A)中の前記構成単位(a3)の割合が、前記樹脂成分(A)を構成する全構成単位に対し、3〜12モル%であることを特徴とする液浸露光用ポジ型レジスト組成物。 - 前記樹脂成分(A)は、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を含有する請求項1記載の液浸露光用ポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂成分(A)は、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)と前記構成単位(a3)とを含む樹脂(A1)と、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2)とを含む樹脂(A2)とを含有する請求項1または2に記載の液浸露光用ポジ型レジスト組成物。
- 前記樹脂(A2)は、前記構成単位(a1)とラクトン含有多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2−01)とラクトン含有単環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2−02)とを含む樹脂(A2−1)と、前記構成単位(a1)と前記構成単位(a2−01)とを含む樹脂(A2−2)とを含有する請求項3記載の液浸露光用ポジ型レジスト組成物。
- さらに含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載の液浸露光用ポジ型レジスト組成物。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の液浸露光用ポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、前記レジスト膜を現像しレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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