JP2007304528A - ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】LineWidthRoughnessの低減されたレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)が、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有し、前記酸発生剤成分(B)が、フッ素原子を含有するアニオン部を有するオニウム塩(B1)と、フッ素原子を含有しないアニオン部を有するオニウム塩(B2)とを含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジスト組成物が用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジスト組成物は、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂と酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ可溶性となる。
化学増幅型ポジ型レジスト組成物の樹脂成分としては、ポリヒドロキシスチレン(PHS)系樹脂の水酸基を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂や、(メタ)アクリル酸から誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)のカルボキシ基を酸解離性溶解抑制基で保護した樹脂などが一般的に用いられている。
なお、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
ポジ型の化学増幅型レジスト組成物に用いられるベース樹脂の酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、1−エトキシエチル基に代表される鎖状エーテル基、テトラヒドロピラニル基に代表される環状エーテル基等のいわゆるアセタール基;tert−ブチル基に代表される第3級アルキル基;tert−ブトキシカルボニル基に代表される第3級アルキルオキシカルボニル基;tert−ブトキシカルボニルメチル基に代表される第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基などが知られている。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるArFレジスト組成物のベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている(たとえば特許文献1〜2参照)。
化学増幅型レジスト組成物に用いる酸発生剤としては、カチオン部にスルホニウムイオン、ヨードニウムイオン等のオニウムイオンを有するオニウム塩系酸発生剤が主流である。かかる酸発生剤は、これまで多種多様のものが提案されており、たとえば特許文献3にはトリフェニルスルホニウム系のオニウム塩からなる酸発生剤が記載されている。
オニウム塩系酸発生剤としては、アニオン部が、フッ素化アルキルスルホン酸イオンであるものが一般的であり、現在、トリフェニルスルホニウムノナフルオロブタンスルホネート等のパーフルオロアルキルスルホン酸イオンをアニオン部に有するオニウム塩系酸発生剤がもっとも多く用いられている。
特許第2881969号公報 特開2003−241385号公報 特開2003−167347号公報
近年、レジストパターンの微細化はますます進み、高解像性の要望がさらに高まるにつれ、種々のリソグラフィー特性の向上が求められている。そのような特性の1つとしてラインワイズラフネス(Line Width Roughness;以下、「LWR」と略記する。)がある。LWRは、レジスト組成物を用いてレジストパターンを形成した形成した際に、ラインパターンの線幅が不均一になる現象で、パターンが微細化するほどその改善が重要となる。
しかしながら、従来のポジ型レジスト組成物、特に、ベース樹脂として、第3級アルキル基等の第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有する樹脂を用いる場合においては、LWRのさらなる低減が困難である。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、LWRの低減されたレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有する樹脂に、特定の二種のオニウム塩系酸発生剤を組み合わせることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、
前記樹脂成分(A)が、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有し、
前記酸発生剤成分(B)が、フッ素原子を含有するアニオン部を有するオニウム塩(B1)と、フッ素原子を含有しないアニオン部を有するオニウム塩(B2)とを含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物である。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および特許請求の範囲において、「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明により、LWRの低減されたレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供できる。
≪ポジ型レジスト組成物≫
本発明のレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)とを含有する。
かかるポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、露光前はアルカリ不溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸が、(A)成分のアルカリ可溶性を増大させる。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像を行うことにより、レジストパターンを形成することができる。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、酸解離性溶解抑制基として、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有する必要がある。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「酸解離性」とは、露光時に(B)成分から発生する酸の作用により(A)成分から解離可能であることを意味する。
「溶解抑制基」は、解離前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後は(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させる基である。
「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」とは、その構造中に第3級アルキルエステルを含む基であり、かかるエステル構造を含むことによって酸解離性となっている溶解抑制基を意味する。
「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、通常、酸が作用すると、カルボニルオキシ基末端の酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができ、一般的には、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基と、環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基が広く知られている。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基として、より具体的には、たとえば、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 2007304528
[式中、Rは上記と同じであり、R15、R16はアルキル基(直鎖、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である)を示す。]
本発明において、(A)成分としては、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有するものであれば特に限定されず、一般的に化学増幅型ポジ型レジスト組成物用として用いられているベース樹脂が使用できる。
(A)成分としては、特に、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するものが好ましい。かかる構成単位を有する樹脂は、特にArFエキシマレーザーに対する透明性が高く、ArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィーにおいて好適に使用できる。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
(A)成分中、アクリル酸エステルから誘導される構成単位の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、20モル%以上であることが好ましく、50モル%以上がより好ましく、80モル%以上がさらに好ましく、100モル%であってもよい。
・構成単位(a1)
本発明において、(A)成分は、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位と、下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いる事が好ましい。
Figure 2007304528
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を示す。)
Figure 2007304528
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を示し;Yはアルキレン基または脂肪族環式基を示す。)
一般式(a1−0−1)において、Rのハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基については上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよいハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。
は、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基であれば特に限定されず、上記で挙げたものと同様のものが挙げられる。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
は好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基または2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられる以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
の脂肪族環式基としては、特に、下記一般式(y−1)で表される基が好ましい。
Figure 2007304528
[式中、mは0または1を表す。]
一般式(a1−0−1)で表される構成単位として、より具体的には、下記式(a1−1−1)〜(a1−1−45)で表される構成単位が挙げられる。
一般式(a1−0−2)で表される構成単位として、より具体的には、下記式(a1−3−1)〜(a1−24)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2007304528
Figure 2007304528
Figure 2007304528
Figure 2007304528
Figure 2007304528
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
その中でも、一般式(a1−0−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
Figure 2007304528
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R11は低級アルキル基を示す。)
Figure 2007304528
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R12は低級アルキル基を示す。hは1〜3の整数を表す)
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
(A)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a2)
(A)成分は、構成単位(a1)に加えて、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、現像液との親水性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2007304528
[式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R’は水素原子、低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基であり、mは0または1の整数である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
Figure 2007304528
Figure 2007304528
Figure 2007304528
Figure 2007304528
Figure 2007304528
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
これらの中でも、一般式(a2−1)〜(a2−3)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。具体的には、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
(A)成分において、構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
・構成単位(a3)
(A)成分は、構成単位(a1)に加えて、または構成単位(a1)および構成単位(a2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有することが好ましい。
構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は、7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、(a3−2)で表される構成単位、(a3−3)で表される構成単位が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2007304528
(式中、Rは前記に同じであり、jは1〜3の整数であり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。)
式(a3−1)中、jは1又は2であることが好ましく、1であることがさらに好ましい。jが2の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位と5位に結合しているものが好ましい。jが1の場合は、水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
式(a3−2)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−3)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中、構成単位(a3)の割合は、当該(A)成分を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
・構成単位(a4)
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a4’)、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基以外の酸解離性溶解抑制基を有する構成単位(a4”)等が挙げられる。
構成単位(a4’)における多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。
構成単位(a4’)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 2007304528
(式中、Rは前記と同じである。)
かかる構成単位(a4’)を(A)成分に含有させる際には、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜30モル%、好ましくは10〜20モル%含有させると好ましい。
構成単位(a4”)において、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基以外の酸解離性溶解抑制基としては、特に制限はなく、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2007304528
[式中、R’,R’はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは低級アルキル基または脂肪族環式基を表す。]
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
’,R’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、R’,R’のうちの少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2007304528
[式中、R’、n、Yは上記と同様である。]
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2007304528
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a4”)としては、たとえば、上述した構成単位(a1)における第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基をそれ以外の酸解離性溶解抑制基に置換した構成単位が挙げられる。
本発明において、(A)成分は、少なくとも、構成単位(a1)、(a2)および(a3)の3種の構成単位を有する共重合体であることが好ましい。係る共重合体としては、たとえば、上記構成単位(a1)、(a2)および(a3)からなる3元共重合体、上記構成単位(a1)、(a2)、(a3)および(a4)からなる4元共重合体等が例示できる。
本発明おいて、(A)成分としては、特に、下記一般式(A−11)に示す3種の構成単位を含む共重合体を含有することが好ましい。
Figure 2007304528
[式中、Rは上記と同様であり、複数のRは相互に同じであっても異なっていてもよく、R10は低級アルキル基である。]
式(A−11)中、R10の低級アルキル基は、Rの低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
(A)成分としては、1種の樹脂を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
(A)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、LWRの低減に有効である。また、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。
この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きい、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また分散度(Mw/Mn)は、特に限定するものではないが、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
<(B)成分>
(B)成分は、フッ素原子を含有するアニオン部を有するオニウム塩(B1)(以下、(B1)成分ということがある。)と、フッ素原子を含有しないアニオン部を有するオニウム塩(B2)(以下、(B2)成分ということがある。)とを含有する。
[(B1)成分]
(B1)成分としては、これまで化学増幅型レジスト組成物用として提案されているオニウム塩系酸発生剤のうち、フッ素原子を含有するアニオン部を有する任意のものが使用できる。
かかるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、例えば、下記一般式(b−0)で表されるオニウム塩が挙げられる。
Figure 2007304528
[式中、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表し;R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基であり;R53は置換基を有していてもよいアリール基であり;u”は1〜3の整数である。]
一般式(b−0)において、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表す。
フッ素化アルキル基は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基の水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基である。
前記直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
フッ素化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、10〜100%が好ましく、50〜100%がより好ましく、特に、水素原子がすべてフッ素原子で置換されたものであることが好ましい。フッ素化率が10%以上であると、当該(B1)成分から発生する酸の強度が向上し、前記(A)成分の第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を解離させやすくなる。
51としては、直鎖状のフッ素化アルキル基が最も好ましい。
52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基である。
52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
53は置換基を有していてもよいアリール基であり、置換基を除いた基本環(母体環)の構造としては、ナフチル基、フェニル基、アントラセニル基などが挙げられ、本発明の効果やArFエキシマレーザーなどの露光光の吸収の観点から、フェニル基が望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)などを挙げることができる。
53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
一般式(b−0)で表されるオニウム塩の好ましいものは以下の様なものを挙げることができる。
Figure 2007304528
また、一般式(b−0)で表されるオニウム塩以外の(B1)成分としては、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩が挙げられる。
Figure 2007304528
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”は、直鎖、分岐または環状のフッ素化アルキル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、トリル基またはナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R”〜R”は、それぞれ、フェニル基、トリル基またはナフチル基であることが最も好ましい。
”は、直鎖、分岐鎖または環状のフッ素化アルキル基を表す。前記フッ素化アルキル基としては、前記R51の直鎖、分岐鎖または環状のフッ素化アルキル基と同様のものが挙げられる。
”としては、直鎖または環状のフッ素化アルキル基が好ましく、直鎖のフッ素化アルキル基がより好ましく、炭素数1〜4の直鎖のフッ素化アルキル基が最も好ましい。
式(b−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。
また、上記以外の(B1)成分として、上記一般式(b−1)又は(b−2)において、そのアニオン部を、下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩も挙げられる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 2007304528
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
本発明において、(B1)成分としては、当該(B1)成分のアニオン部が、フッ素化アルキルスルホン酸イオン(上述した一般式R51SO で表されるアニオン部、一般式RSO で表されるアニオン部等)であるものが好ましい。
(B1)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分中、(B1)成分の割合は、本発明の効果のためには、(B)成分の合計に対し、35〜99.9質量%が好ましく、50〜95質量%がより好ましく、70〜95質量%が特に好ましく、80〜95質量%が最も好ましい。(B1)成分の割合が35質量%以上であると、パターン形成が充分に行われる。また、(B1)成分の割合が99.9質量%以下であると、(B2)成分とのバランスが良好となって、本発明の効果が向上する。
[(B2)成分]
(B2)成分としては、これまで化学増幅型レジスト組成物用として提案されているオニウム塩系酸発生剤のうち、フッ素原子を含有しないアニオン部を有する任意のものが使用できる。
かかるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、例えば、上述した(B1)成分におけるアニオン部(フッ素原子を含有するアニオン部)が、フッ素原子を含有しないアニオン部で置換されたオニウム塩が挙げられる。
フッ素原子を含有しないアニオン部としては、たとえば、置換基を有していてもよく有していなくてもよい炭化水素基を有するスルホン酸イオンが挙げられる。
かかるスルホン酸イオンは、下記一般式(b−5)で表すことができる。
Figure 2007304528
[式中、Rは、置換基を有していてもよく有していなくてもよい炭化水素基である。]
における炭化水素基は、置換基を有していてもよく有していなくてもよい。該置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
における炭化水素基は、脂肪族炭化水素基であっても芳香族炭化水素基であってもよい。
脂肪族炭化水素基は、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
また、脂肪族炭化水素基は、鎖状(直鎖、分岐鎖)であってもよく、環状であってもよい。
鎖状の炭化水素基としては、直鎖または分岐鎖のアルキル基が好ましく、該アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数が1〜8であることがより好ましく、3〜8であることがさらに好ましい。
直鎖または分岐鎖のアルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基等が挙げられる。これらの中でもメチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−オクチル基が好ましく、特にn−オクチル基が好ましい。
アニオン部として、Rが直鎖または分岐鎖のアルキル基であるスルホン酸イオンを有する(B2)成分の具体例としては、たとえば、上記一般式(b−0)におけるアニオン部(R51SO )、または上記一般式(b−1)または(b−2)におけるアニオン部(RSO )が、下記一般式(b−6)で表されるスルホン酸イオンで置換されたオニウム塩等が挙げられる。
Figure 2007304528
式中、aは1〜10の整数であり、好ましくは1〜8の整数である。
一般式(b−6)で表されるスルホン酸イオンの具体例としては、たとえば、メタンスルホネートイオン、エタンスルホネートイオン、n−プロパンスルホネートイオン、n−ブタンスルホネートイオンまたはn−オクタンスルホネートイオン等が挙げられる。
の炭化水素基において、環状の炭化水素基としては、脂肪族環式基や、鎖状の炭化水素基の水素原子の少なくとも1つが脂肪族環式基で置換された基(脂肪族環式基含有基)等が挙げられる。
脂肪族環式基としては、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基における「脂肪族環式基」として挙げたものと同様のものが挙げられ、炭素数が3〜12であることが好ましく、炭素数が4〜10であることがより好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が好ましく、たとえばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等が例示できる。多環式基としては、炭素数7〜12が好ましく、具体的には、アダマンチル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、トリシクロデカニル基、テトラシクロドデカニル基等が挙げられる。これらの中でも、多環式基が好ましく、工業上、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が好ましい。脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましい。また、これらの脂肪族環式基は、上述したように、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
脂肪族環式基含有基における脂肪族環式基としては、上記と同様のものが挙げられる。
脂肪族環式基が結合する鎖状の炭化水素基としては、直鎖または分岐のアルキル基が好ましく、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられる。特に、直鎖状のアルキル基が好ましく、工業的にはメチル基またはエチル基が好ましい。
が環状の炭化水素基であるスルホン酸イオンの具体例としては、たとえば下記式(b−5−1)〜(b−5−7)で表されるものが挙げられる。
本発明において、(B2)成分のアニオン部は、これらの中でも、式(b−5−1)または(b−5−7)で表されるものが好ましい。
Figure 2007304528
の炭化水素基において、芳香族炭化水素基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、フェネチル基、ナフチル基などが挙げられる。
芳香族炭化水素基は、上述したように、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。
が芳香族炭化水素基であるスルホン酸イオンの具体例としては、たとえば下記式(b−7)または(b−8)で表されるものが挙げられる。
Figure 2007304528
式(b−7)中、RおよびRは、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基である。
およびRのアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、特にメチル基が好ましい。
およびRのアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられ、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
pおよびqはそれぞれ独立に0〜4の整数であり、好ましくは0〜2であり、最も好ましくは0である。
pおよび/またはqが2以上の整数であって、Rおよび/またはRが複数存在する場合、複数のRおよび/またはRは互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
式(b−8)中、Rは、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のアルコキシ基である。
のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などが挙げられ、特にメチル基が好ましい。
のアルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基などが挙げられ、特にメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
rは0〜3の整数であり、好ましくは1又は2であり、最も好ましくは1である。
rが2以上の整数であって、Rが複数存在する場合、複数のRは互いに同じであってもよく異なっていてもよい。
かかるアニオン部の対イオンとなるカチオン部としては、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のカチオン部と同様であってよい。
(B2)成分のカチオン部としては、特に、下記一般式(b’−1)または(b’−2)で表されるカチオン部が好ましい。
Figure 2007304528
式(b’−1)中のR”〜R”は、上述した式(b−1)中のR”〜R”と同様である。
式(b’−2)中のR”〜R”は、上述した式(b−2)中のR”〜Rと同様である。
式(b’−1)または(b’−2)で表されるカチオン部の具体例としては、ジフェニルヨードニウムイオン、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムイオン、トリフェニルスルホニウムイオン、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムイオン、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムイオン、モノフェニルジメチルスルホニウムイオン、ジフェニルモノメチルスルホニウムイオン、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムイオン、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムイオン、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムイオン、ジフェニルモノナフチルスルホニウムイオン、ジナフチルモノフェニルスルホニウムイオン等が挙げられる。
また、上記以外の(B2)成分として、たとえば、上記一般式(b−3)におけるX”が炭素数2〜6のアルキレン基で置換されたアニオン部を有するオニウム塩;上記一般式(b−4)におけるY”、Z”がそれぞれ炭素数1〜10のアルキル基で置換されたアニオン部を有するオニウム塩等が挙げられる。
(B2)成分は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(B)成分中、(B2)成分の割合は、本発明の効果のためには、(B)成分の合計に対し、0.1〜50質量%が好ましく、1〜30質量%がより好ましく、5〜25質量%が特に好ましく、10〜20質量%が最も好ましい。(B2)成分の割合が0.1質量%以上であると、本発明の効果が向上する。また、(B2)成分の割合が20質量%以下であると、(B1)成分とのバランスが良好となって、パターン形成が充分に行われる。
[他の(B)成分]
本発明のポジ型レジスト組成物は、(B)成分として、本発明の効果を損なわない範囲で、上記(B1)成分および(B2)成分以外の酸発生剤(以下、(B3)成分という。
)を含有してもよい。
(B3)成分としては、記(B1)成分および(B2)成分に分類されないものであれば特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、たとえば、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2007304528
(式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。)
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2007304528
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2007304528
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p’’は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントラセル(anthracyl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p’’は好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2007304528
上記例示化合物の中でも、下記の4つの化合物が好ましい。
Figure 2007304528
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B3)成分としては、これらのいずれか1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましく、1〜25質量部がより好ましく、1〜15質量部がさらに好ましく、3〜15質量部が特に好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<任意成分>
本発明のポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合することができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、環式アミン、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)が挙げられる。その具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミン等が挙げられる。
これらの中でも、アルキルアルコールアミン及びトリアルキルアミンが好ましく、アルキルアルコールアミンが最も好ましい。アルキルアルコールアミンの中でもトリエタノールアミンやトリイソプロパノールアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは3〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とポジ型レジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるポジ型レジスト組成物は、特に、本発明にかかるポジ型レジスト組成物は、特に、ArFエキシマレーザーに対して有効である。
本発明のポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法によれば、LWRの低減されたレジストパターンを形成できる。また、形成されるレジストパターンの形状も、矩形性が高く、良好なものである。
本発明においては、酸解離性溶解抑制基として、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有する(A)成分と、特定の2種のオニウム塩を含有する(B)成分とを組み合わせることにより、このような効果が得られる。その理由としては、以下のことが考えられる。
すなわち、一般的に化学増幅型ポジ型レジスト組成物用として用いられているベース樹脂は、カルボキシ基等の酸性基(アルカリ可溶性基)を酸解離性溶解抑制基で保護したものが用いられており、露光により(B)成分から発生した酸が当該酸解離性溶解抑制基を解離させることにより、再びアルカリ可溶性基が形成され、当該ベース樹脂のアルカリ可溶性が増大する。通常、酸解離性溶解抑制基として第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有する場合、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を解離させるためには、比較的強度の高い酸を発生する酸発生剤を用いる必要がある。
従来、このような酸発生剤としては、発生する酸の強度が高く、解像性等の種々のリソグラフィー特性に優れることから、フッ素化アルキルスルホン酸イオン等の、アニオン部にフッ素原子を有するオニウム塩が幅広く用いられている。
しかし、アニオン部がこのような構造を有するオニウム塩を使用することがLWRを悪化させる一因になっていると考えられる。すなわち、当該オニウム塩は、アニオン部がフッ素原子を有するため、比較的疎水性が高くなっており、そのため、レジスト膜を形成した際に、レジスト膜中での(B)成分の分布に偏りが生じ、結果、LWRや形状を悪化させていたと推測される。
一方、本発明において用いられる(B2)成分は、当該(B2)成分から発生する酸が、強度が低く、単独では第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を解離させる作用を有さないと考えられるため、通常、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有する樹脂には用いられない。
しかし、(B2)成分は、フッ素原子を有さない以外は比較的類似した構造であるものの、フッ素原子を有さず、比較的疎水性が高いアニオン部を有するため、(B1)成分と併用することにより、(B1)成分のレジスト膜中での分布の均一性を向上させ、それによってLWRや形状を改善する効果を発揮すると推測される。
また、本発明のポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法により形成されるレジストパターンの形状は、矩形性が高く、良好なものである。
従来のポジ型レジスト組成物においては、レジストパターンの断面において、その先端部分が丸くなったり、その表面にうねりが生じる等の現象が生じることがあるが、本発明のポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法により形成されるレジストパターンは、断面形状の矩形性が高く、良好な形状のレジストパターンを形成できる。
さらに、本発明のレジスト組成物およびレジストパターン形成方法においては、マスクエラーファクター(MEF)、マスクリニアリティ、露光余裕度(ELマージン)、近接効果等の種々のリソグラフィー特性も良好であり、特に近接効果が優れている。
ここで、MEFおよびマスクリニアリティは、同じ露光量で、ピッチを固定した状態でマスクサイズ(ラインアンドスペースパターンにおけるライン幅や、コンタクトホールパターンにおけるホール直径)を変化させた際に、サイズの異なるマスクパターンをどれだけ忠実に再現できるか(マスク再現性)を示すパラメーターである。
ELマージンは、露光量を変化させた際に、形成されるパターンサイズの変動が所定の範囲内となる露光量の範囲において、露光量当たりのパターンサイズの変化量で表される値であり、ELマージンが大きいほど、プロセスの余裕度が向上する。
近接効果は、マスクパターンのパターン間の距離(ピッチ)の変化によって、形成されるレジストパターンのサイズが受ける影響の大きさを示すものであり、近接効果が小さいほど、プロセスの余裕度が向上する。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
実施例1〜6、比較例1
表1に示す各成分を混合し、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
Figure 2007304528
表1中の各略号は以下の意味を有し、[]内の数値は配合量(質量部)である。
(A)−1:下記式(A)−1で表されるMw=10000,Mw/Mn=2.0の共重合体。
(B)−1:下記式(B)−1で表される化合物。
(B)−2:下記式(B)−2で表される化合物。
(B)−3:下記式(B)−3で表される化合物。
(B)−4:下記式(B)−4で表される化合物。
(B)−5:下記式(B)−5で表される化合物。
(B)−6:下記式(B)−6で表される化合物。
(D)−1:トリエタノールアミン。
(S)−1:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
Figure 2007304528
[式中、X/y/z=3/5/2(モル比)である。]
Figure 2007304528
Figure 2007304528
得られたポジ型レジスト組成物について、それぞれ、以下の評価を行った。
<パターン形成能評価1>
有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。該反射防止膜上に、ポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、表1に示すPAB温度で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーンレクチル)を介して選択的に照射した。
そして、表1に示すPAB温度で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、その後30秒間水洗し、振り切り乾燥を行った。
その結果、実施例1〜6および比較例1のポジ型レジスト組成物を用いた例では、ライン幅120nm、ピッチ240nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下、LSパターンという)が形成された。
一方、比較例2のポジ型レジスト組成物溶を用いた例ではレジストパターンが解像しなかった。
上記パターン形成能評価においてLSパターンが形成された実施例1〜6および比較例1のポジ型レジスト組成物について、以下の評価を行った。
<感度評価>
上記パターン形成能評価において、ライン幅120nm、ピッチ240nmのLSパターンが形成される最適露光量(Eop)(単位:mJ/cm(単位面積当たりのエネルギー量))を求めた。結果を表2に示す。
<ラインワイズラフネス(LWR)評価>
上記Eopにおいて形成されたライン幅120nm、ピッチ240nmのLSパターンのライン幅を、側長SEM(日立製作所社製、商品名:S−9220)により、ラインの長手方向に5箇所測定し、その結果から、LWRを示す尺度として、標準偏差(s)の3倍値(3s;単位nm)を算出した。この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のレジストパターンが得られたことを意味する。結果を表2に示す。
表2の結果から明らかなように、(B)成分として、(B1)成分に相当する(B)−1および(B)−2と、(B2)成分に相当する(B)−3〜(B)−6とを併用した実施例1〜6においては、LWRが低減されていた。
一方、(B)成分として、(B1)成分に相当する(B)−1および(B)−2のみを用いた比較例1では、LWRが大きかった。
<形状評価>
上記Eopにおいて形成されたライン幅120nm、ピッチ240nmのLSパターンの断面形状を、側長SEM(日立製作所社製、商品名:S−9220)により評価した。
その結果、実施例1〜6のLSパターンは、パターン側壁の垂直性が高く、トップの形状も丸みがなく、矩形性が高かった。また、組成が同じであり、PAB温度およびPEB温度を変えた以外は同じ条件でLSパターンを形成した実施例1と実施例6とを比較すると、PAB温度およびPEB温度を110℃とした実施例6の形状が、特に矩形性が高かった。
一方、比較例1のLSパターンは、パターンのトップが丸く、パターン表面(トップや側壁)にうねりが見られるなど、形状が不良であった。
<マスクリニアリティ評価>
上記Eopにおいて、マスクパターンのLS比(ライン幅とスペース幅との比)を1:1に固定し、マスクサイズ(ライン幅)を110nm、120nm、130nm、140nm、150nmに変えてそれぞれLSパターンを形成し、形成されたLSパターンのサイズ(ライン幅)を測定した。
結果を図1に示す。図1のグラフにおいて、横軸はマスクのサイズ(ライン幅(nm))、縦軸は、形成されたLSパターンのサイズ(CD)(ライン幅(nm))であり、2本の破線のうち、上側の破線は、レジストパターンサイズ=マスクサイズの105%となる線であり、下側の破線はレジストパターンサイズ=マスクサイズの95%となる線である。レジストパターンサイズがマスクサイズに近いほどマスク再現性が良好であり、特にレジストパターンサイズが2本の破線の間であれば非常にマスク再現性が優れている。
図1の結果から明らかなように、実施例1〜6および比較例1のマスク再現性はほぼ同等であった。
<近接効果(Proximity)評価>
上記パターン形成能評価において、ライン幅150nm、ピッチ300nmのLSパターン(Denceパターン)と、スペース幅150nmのスペースパターン(Isoトレンチパターン)とを形成した。
このとき、露光量を、Isoトレンチパターンが形成される最適露光量に固定してIsoトレンチパターンとDenceパターンとを形成し、Isoパターンにおけるスペース幅とDenceパターンにおけるスペース幅との寸法差(I/D寸法差)を求めた。結果を表2に示す。
I/D寸法差が小さいほど、近接効果(ピッチの変化によるパターンサイズへの影響)が小さく好ましい。
表2の結果から明らかなように、実施例1〜6においては、I/D寸法差がいずれも40nm未満であるなど、近接効果が小さかった。
Figure 2007304528
上記結果から明らかなように、本発明のポジ型レジスト組成物を用いた実施例1〜6においては、LWRの低減されたレジストパターンが形成できた。また、形成されたレジストパターンは、断面形状の矩形性が高く、良好なものであった。また、マスクリニアリティ、近接効果等の種々のリソグラフィー特性も良好であり、特に近接効果が優れていた。
一方、(B1)成分のみを用い、(B2)成分を用いなかった比較例1は、LWRが悪かった。また、断面形状の矩形性も低いなど、形状が悪かった。
また、(B2)成分のみを用い、(B1)成分を用いなかった比較例2は、パターンが形成できなかった。
表1の実施例1、5及び比較例1の各ポジ型レジスト組成物について、以下の評価を行った。
<レジストパターン形成能評価2>
表1の実施例1、5及び比較例1の各ポジ型レジスト組成物について、<パターン形成能評価1>の露光装置を、ArF露光装置NSR−S306(ニコン社製;NA=0.78、2/3輪帯照明)に代え、ライン幅85nm、ピッチ170nmのLSパターンを形成したこと以外は、同様にして行った。その結果を表3に示した。
(焦点深度幅(DOF))
上記Eopにおいて、焦点を適宜上下にずらし、上記のラインアンドスペースパターンが直径85nm±5%の寸法変化率の範囲内で得られる焦点深度幅(DOF、単位:nm)を求めた。その結果を表3に示した。
(倒れマージン)
倒れマージンとは、一定ピッチ(レジストパターンサイズとスペースサイズの合計)において、微細なレジストパターンを解像したときのレジストパターンの倒れにくさである。上記のリソグラフィー条件にて、ライン幅85nm、ピッチ170nmをターゲット寸法とするLSパターンを、露光量を変えてそれぞれ形成し、得られたレジストパターンについて、倒れマージンとして、微細なレジストパターンが得られる限界のレジストパターンのサイズ(倒れ前の最小CD、ライン幅(nm))を求めた。その結果を表3に示した。
(ELマージン)
ELマージンの評価測定において、ターゲット寸法(85nm)±10%の範囲内の寸法のLSパターン(L/S=1:1)が形成される際の露光量を求め、次式によりELマージン(単位:%)を求めた。結果を表2に示した。
ELマージン(%)=(|E1−E2|/Eop)×100。
E1:ライン幅93.5nmのLSパターンを形成する際の露光量(mJ/cm)。
E2:ライン幅76.5nmのLSパターンを形成する際の露光量(mJ/cm)。
なお、ELマージンは、その値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さいことを示す。その結果を表3に示した。
(最適露光量(Eop))
ライン幅85nm、ピッチ170nmのLSパターンが形成される最適露光量(Eop、単位:mJ/cm(単位面積当たりのエネルギー量))を求めた。その結果を表3に示した。
(ラインワイズラフネス(LWR))
上記Eopにおいて形成されたライン幅85nm、ピッチ170nmのLSパターンのライン幅を、側長SEM(日立製作所社製、商品名:S−9220)により、ラインの長手方向に5箇所測定し、その結果から、LWRを示す尺度として、標準偏差(s)の3倍値(3s;単位nm)を算出した。この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のレジストパターンが得られたことを意味する。その結果を表3に示した。
Figure 2007304528
上記の結果から明らかなように、(B1)成分のみを用い、(B2)成分を用いなかった比較例1に比べて、本発明のポジ型レジスト組成物を用いた実施例1、5においては、倒れマージンが向上し、焦点深度幅(DOF)も広くなっており、ELマージンは1.5〜2.7%向上しており、LWRも低減している。
実施例1〜6および比較例1のマスクリニアリティ評価の結果を示すグラフである。

Claims (8)

  1. 酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、
    前記樹脂成分(A)が、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を有し、
    前記酸発生剤成分(B)が、フッ素原子を含有するアニオン部を有するオニウム塩(B1)と、フッ素原子を含有しないアニオン部を有するオニウム塩(B2)とを含有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
  2. 前記オニウム塩(B2)のアニオン部が、置換基を有していてもよく有していなくてもよい炭化水素基を有するスルホン酸イオンである請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 前記オニウム塩(B1)のアニオン部が、フッ素化アルキルスルホン酸イオンである請求項1または2記載のポジ型レジスト組成物。
  4. 前記樹脂成分(A)が、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  5. 前記樹脂成分(A)が、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項4記載のポジ型レジスト組成物。
  6. 前記樹脂成分(A)が、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を有する請求項4または5記載のポジ型レジスト組成物。
  7. さらに含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜6のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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