JP2008003540A - ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents

ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機溶剤への溶解性に優れ、かつ良好な形状のレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供する。
【解決手段】酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、前記樹脂成分(A)が、下記一般式(a0−1)で表される構成単位(a0−1)と、下記一般式(a0−2)で表される構成単位(a0−2)とを有することを特徴とするポジ型レジスト組成物[Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基;Y、Yは脂肪族環式基;Zは第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基]。
Figure 2008003540

【選択図】なし

Description

本発明は、ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法に関する。
リソグラフィー技術においては、例えば基板の上にレジスト材料からなるレジスト膜を形成し、該レジスト膜に対し、所定のパターンが形成されたマスクを介して、光、電子線等の放射線にて選択的露光を行い、現像処理を施すことにより、前記レジスト膜に所定形状のレジストパターンを形成する工程が行われる。露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。また、これらエキシマレーザーより短波長のFエキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
レジスト材料には、これらの露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。たとえばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂と酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ可溶性となる。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主流である(たとえば特許文献1参照)。また、かかる用途に用いられるアクリル系樹脂としては、193nmの光に対する透明性、ドライエッチング耐性等に優れることから、エステル部にアダマンタン骨格のような脂肪族多環式基を有する(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を有するものが一般的である。
また、現在、化学増幅型レジスト用のベース樹脂としては、リソグラフィー特性等の向上のために、複数の構成単位を含有するものが用いられている。たとえばポジ型の場合には、通常、酸発生剤から発生した酸の作用により解離する酸解離性溶解抑制基を有する構成単位のほか、水酸基等の極性基を有する構成単位、ラクトン構造を有する構成単位等を含むものが用いられている。特に、極性基を有する構成単位は、アルカリ現像液との親和性を高め、解像性の向上に寄与することから汎用されている。たとえばアクリル系樹脂には、水酸基を含有する脂肪族多環式基をエステル側鎖部に有する(メタ)アクリル酸エステル、例えばヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート等から誘導される構成単位が一般的に用いられている。
なお、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステルとは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
特開2003−241385号公報
しかしながら、上記のようなベース樹脂は、水酸基等の極性基を有するため、有機溶剤への溶解性がよくないという問題がある。ベース樹脂の有機溶剤への溶解性の低さは、レジスト溶液の調製に手間や時間がかかったり、調製したレジスト溶液の安定性の悪さ等の原因となる。また、ベース樹脂の合成上の問題もある。たとえば上述したヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート等の極性の高いモノマーを用いて樹脂を合成しようとした場合、配合量が多くなるほど生成したポリマーの粘性が高くなり、うまく精製することが困難になる。そのため、ヒドロキシアダマンチル(メタ)アクリレート等の極性の高いモノマーの使用量には制限が大きい。
このような問題を回避するため、極性基を有する構成単位を含まない樹脂を用いることも考えられるが、かかる樹脂を用いた場合、形成されるレジストパターンの形状が悪化してしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ良好な形状のレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、特定の二種の構成単位を含む樹脂を用いることにより上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、
前記樹脂成分(A)が、下記一般式(a0−1)で表される構成単位(a0−1)と、下記一般式(a0−2)で表される構成単位(a0−2)とを有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
Figure 2008003540
[式(a0−1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;Yは脂肪族環式基であり;Zは第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基であり;aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、かつa+b=1〜3であり;c、d、eはそれぞれ独立して0〜3の整数である。式(a0−2)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;Yは脂肪族環式基であり;g、hはそれぞれ独立して0〜3の整数であり;iは1〜3の整数である。]
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本明細書および特許請求の範囲において、「構成単位」とは、樹脂成分(重合体)を構成するモノマー単位(単量体単位)を意味する。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「アルキレン基」は、特に断りがない限り、直鎖、分岐鎖および環状の2価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
「露光」は放射線の照射全般を含む概念とする。
本発明により、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ良好な形状のレジストパターンを形成できるポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供できる。
≪ポジ型レジスト組成物≫
本発明のレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)とを含有する。
かかるポジ型レジスト組成物において、(A)成分は、露光前はアルカリ不溶性であり、露光により(B)成分から酸が発生すると、該酸が(A)成分に作用してアルカリ可溶性を増大させる。そのため、レジストパターンの形成において、当該ポジ型レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜に対して選択的露光を行うと、露光部はアルカリ可溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ不溶性のまま変化しないので、アルカリ現像を行うことにより、レジストパターンを形成することができる。
<(A)成分>
本発明において、(A)成分は、前記一般式(a0−1)で表される構成単位(a0−1)と、前記一般式(a0−2)で表される構成単位(a0−2)とを有する。
構成単位(a0−1)および構成単位(a0−2)はともにアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
α位の炭素原子に結合していてもよい置換基(α位の置換基)としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
α位の置換基としてのハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
本発明において、アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
[構成単位(a0−1)]
前記一般式(a0−1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基である。
Rのハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基については、上記アクリル酸エステルのα位に結合していてよいハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様である。中でも、Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましい。
前記一般式(a0−1)中、Yは脂肪族環式基である。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a0−1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環(脂肪族環)の構造は、炭素および水素からなる環(炭化水素環)であることに限定はされないが、炭化水素環であることが好ましい。また、「炭化水素環」は飽和、不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基は、多環式基、単環式基のいずれでもよい。脂肪族環式基の具体例としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
構成単位(a0−1)における脂肪族環式基は、多環式基であることが好ましく、中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
前記一般式(a0−1)中、Zは第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基である。
ここで、本明細書および特許請求の範囲において、「第3級アルキル基」は、第3級炭素原子を有するアルキル基を示す。「アルキル基」は、上述のように、1価の飽和炭化水素基を示し、鎖状(直鎖状、分岐鎖状)のアルキル基および環状構造を有するアルキル基を包含する。
「第3級アルキル基含有基」は、その構造中に第3級アルキル基を含む基を示す。第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基のみから構成されていてもよく、第3級アルキル基と、第3級アルキル基以外の他の原子または基とから構成されていてもよい。
第3級アルキル基とともに第3級アルキル基含有基を構成する前記「第3級アルキル基以外の他の原子または基」としては、カルボニルオキシ基、カルボニル基、アルキレン基、酸素原子等が挙げられる。
Zの第3級アルキル基含有基としては、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基、環状構造を有する第3級アルキル基含有基等が挙げられる。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基は、第3級アルキル基として分岐鎖状の第3級アルキル基を含有し、かつその構造内に環状構造を有さない基である。
分岐鎖状の第3級アルキル基としては、たとえば下記一般式(I)で表される基が挙げられる。
Figure 2008003540
式(I)中、R21〜R23はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基である。該アルキル基の炭素数は1〜5が好ましく、1〜3がより好ましい。
また、一般式(I)で表される基の全炭素数は、4〜7であることが好ましく、4〜6であることがより好ましく、4〜5であることが最も好ましい。
一般式(I)で表される基の具体例としては、tert−ブチル基、tert−アミル基等が好ましく挙げられ、tert−ブチル基がより好ましい。
環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、上述した分岐鎖状の第3級アルキル基;上述した分岐鎖状の第3級アルキル基が直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基に結合してなる第3級アルキル基含有鎖状アルキル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニル基;第3級アルキル基として上述した分岐鎖状の第3級アルキル基を有する第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基等が挙げられる。
第3級アルキル基含有鎖状アルキル基におけるアルキレン基としては、炭素数1〜5
のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基がより好ましく、炭素数〜2のアルキレン基がさらに好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、たとえば下記一般式(II)で表される基が挙げられる。式(II)中のR21〜R23は、前記式(I)中のR21〜R23と同様である。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニル基としては、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)、tert−アミルオキシカルボニル基が好ましい。
鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、たとえば下記一般式(III)で表される基が挙げられる。式(III)中のR21〜R23は、前記式(I)中のR21〜R23と同様である。fは1〜3の整数であり、1または2が好ましい。鎖状の第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基としては、tert−ブチルオキシカルボニルメチル基、tert−ブチルオキシカルボニルエチル基が好ましい。
これらの中で、環状構造を有さない第3級アルキル基含有基としては、第3級アルキルオキシカルボニル基または第3級アルキルオキシカルボニルアルキル基が好ましく、第3級アルキルオキシカルボニル基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基が最も好ましい。
Figure 2008003540
環状構造を有する第3級アルキル基含有基は、その構造内に、第3級炭素原子と環状構造とを有する基である。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基において、環状構造は、環を構成する炭素数が4〜12であることが好ましく、5〜10であることがより好ましく、6〜10であることが最も好ましい。環状構造としては、例えばモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。好ましくは、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基等が挙げられる。
環状構造を有する第3級アルキル基含有基としては、例えば、第3級アルキル基として下記(1)または(2)の基を有する基等が挙げられる。
(1)環状のアルキル基(シクロアルキル基)の環を構成する炭素原子に、直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が結合し、該炭素原子が第3級炭素原子となっている基。
(2)シクロアルキル基の環を構成する炭素原子に、第3級炭素原子を有するアルキレン基(分岐鎖状のアルキレン基)が結合している基。
前記(1)の基における直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の炭素数は、1〜5であることが好ましく、1〜4であることがより好ましく、1〜3であることが最も好ましい。
(1)の基の具体例としては、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基、1−メチル−1−シクロアルキル基、1−エチル−1−シクロアルキル基等が挙げられる。
前記(2)において、分岐鎖状のアルキレン基が結合しているシクロアルキル基は置換基を有していてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
(2)の基の具体例としては、たとえば下記化学式(IV)で表される基が挙げられる。
Figure 2008003540
式(IV)中、R24は、置換基を有していてもよく有していなくてもよいシクロアルキル基である。該シクロアルキル基が有していてもよい置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
25、R26はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基としては、前記式(I)中のR21〜R23のアルキル基と同様のものが挙げられる。
Zのアルコキシアルキル基としては、たとえば下記一般式(V)で表される基が挙げられる。
式中、R41は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。
41が直鎖状、分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
41が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
42は直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基である。該アルキレン基は、炭素数1〜5であることが好ましく、炭素数1〜3であることがより好ましく、炭素数1〜2であることがさらに好ましい。
Zのアルコキシアルキル基としては、特に、下記一般式(VI)で表される基が好ましい。
Figure 2008003540
式(VI)中、R41は前記と同じであり、R43、R44はそれぞれ独立して直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキル基、または水素原子である。
43、R44において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特にR43、R44の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
上記のなかでも、Zとしては、第3級アルキル基含有基が好ましく、前記一般式(II)で表される基がより好ましく、tert−ブチルオキシカルボニル基(t−boc)が最も好ましい。
前記一般式(a0−1)中、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、かつa+b=1〜3である。
aは1であることが好ましい。
bは0であることが好ましい。
a+bは1であることが好ましい。
cは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
dは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
eは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
構成単位(a0−1)としては、特に、下記一般式(a0−1−1)で表される構成単位が好ましい。
Figure 2008003540
[式中、R,Z,b,c,d,eは前記と同じである。]
構成単位(a0−1)を誘導するモノマーは、例えば下記一般式(a0−1’)で表される化合物(1〜3個のアルコール性水酸基を有する脂肪族環式基を含有するアクリル酸エステル)の水酸基の一部または全部を、公知の手法を用いて、第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基で保護することにより合成することができる。
Figure 2008003540
[式中、R,Y,a,b,c,d,eは前記と同じである。]
構成単位(a0−1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a0−1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜40モル%であることが好ましく、1〜25モル%であることがより好ましく、5〜20モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより、有機溶剤への溶解性が向上し、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
[構成単位(a0−2)]
前記一般式(a0−2)中のRとしては、前記式(a0−1)中のRと同様のものが挙げられる。
の脂肪族環式基としては、前記式(a0−1)中のYと同様のものが挙げられる。Yとしては、基本の環(脂肪族環)の構造がYと同じであることが好ましい。
gは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
hは0〜3の整数であり、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
iは〜3の整数であり、1であることが好ましい。
構成単位(a0−2)としては、特に、下記一般式(a0−2−1)で表される構成単位が好ましく、中でも、i個の−(CH−OHのうちの1つが、1−アダマンチル基の3位に結合していることが好ましい。
Figure 2008003540
[式中、R,g,h,iは前記と同じである。]
構成単位(a0−2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a0−2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対し、1〜30モル%であることが好ましく、5〜25モル%であることがより好ましく、10〜20モル%であることがさらに好ましい。下限値以上とすることにより、断面形状の矩形性が高く、良好な形状のレジストパターンを形成でき、上限値以下であると、他の構成単位とのバランスが良好である。
[構成単位(a1)]
(A)成分は、構成単位(a0−1)および構成単位(a0−2)に加えて、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有することが好ましい。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(A)成分全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後は(A)成分全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。
ここで、「第3級アルキルエステル」とは、カルボキシ基の水素原子が、鎖状または環状のアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の末端の酸素原子に、前記鎖状または環状のアルキル基の第3級炭素原子が結合している構造を示す。この第3級アルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子と第3級炭素原子との間で結合が切断される。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
「脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基」において、脂肪族環式基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式(a1”)で示す構成単位において、カルボニルオキシ基(−C(O)−O−)の酸素原子に結合した基の様に、アダマンチル基等の脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
Figure 2008003540
[式中、Rは上記と同じであり、R15、R16はアルキル基(直鎖、分岐鎖状のいずれでもよく、好ましくは炭素数1〜5である)を示す。]
「アセタール型酸解離性溶解抑制基」は、一般的に、カルボキシ基、水酸基等のアルカリ可溶性基末端の水素原子と置換して酸素原子と結合している。そして、露光により酸が発生すると、この酸が作用して、アセタール型酸解離性溶解抑制基と、当該アセタール型酸解離性溶解抑制基が結合した酸素原子との間で結合が切断される。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
Figure 2008003540
[式中、R1’,R2’はそれぞれ独立して水素原子または低級アルキル基を表し、nは0〜3の整数を表し、Yは低級アルキル基または脂肪族環式基を表す。]
上記式中、nは、0〜2の整数であることが好ましく、0または1がより好ましく、0が最も好ましい。
1’,R2’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
本発明においては、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Figure 2008003540
[式中、R1’、n、Yは上記と同様である。]
Yの低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
また、アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、下記一般式(p2)で示される基も挙げられる。
Figure 2008003540
[式中、R17、R18はそれぞれ独立して直鎖状または分岐鎖状のアルキル基または水素原子であり、R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基である。または、R17およびR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基であって、R17の末端とR19の末端とが結合して環を形成していてもよい。]
17、R18において、アルキル基の炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状のいずれでもよく、エチル基、メチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
構成単位(a1)としては、下記一般式(a1−0−1)で表される構成単位および下記一般式(a1−0−2)で表される構成単位からなる群から選ばれる1種以上を用いることが好ましい。
Figure 2008003540
[式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示す。]
Figure 2008003540
[式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し;Xは酸解離性溶解抑制基を示し;Yはアルキレン基または脂肪族環式基を示す。]
一般式(a1−0−1)において、Rのハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基は、上記一般式(a0−1)中のRのハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定することはなく、例えば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
一般式(a1−0−2)において、Rは上記と同様である。
は、式(a1−0−1)中のXと同様である。
は好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基又は2価の脂肪族環式基であり、該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられる以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
構成単位(a1)として、より具体的には、下記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2008003540
[上記式中、X’は第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基を表し、Yは炭素数1〜5の低級アルキル基、または脂肪族環式基を表し;nは0〜3の整数を表し;mは0または1を表し;Rは前記と同じであり、R’、R’はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1〜5の低級アルキル基を表す。]
前記R’、R’は好ましくは少なくとも1つが水素原子であり、より好ましくは共に水素原子である。nは好ましくは0または1である。
X’は前記Xにおいて例示した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基と同様のものである。
Yの脂肪族環式基については、上述の「脂肪族環式基」の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
以下に、上記一般式(a1−1)〜(a1−4)で表される構成単位の具体例を示す。
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
上記の中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−35)〜(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
Figure 2008003540
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R11は低級アルキル基を示す。)
Figure 2008003540
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基を示し、R12は低級アルキル基を示す。hは1〜3の整数を表す)
一般式(a1−1−01)において、Rについては上記と同様である。R11の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましい。
一般式(a1−1−02)において、Rについては上記と同様である。R12の低級アルキル基はRにおける低級アルキル基と同様であり、メチル基又はエチル基が好ましく、エチル基が最も好ましい。hは1又は2が好ましく、2が最も好ましい。
構成単位(a1)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
なお、前記構成単位(a0−1)が酸解離性溶解抑制基を含む場合には、構成単位(a0−1)は構成単位(a1)にも相当することとなるが、本発明においては、当該構成単位は、構成単位(a0−1)に包含され、構成単位(a1)には包含されないものとする。つまり、構成単位(a1)には、前記一般式(a0−1)で表される構成単位は含まれない。
[構成単位(a2)]
(A)成分は、構成単位(a0−1)および構成単位(a0−2)に加えて、または構成単位(a0−1)、構成単位(a0−2)および構成単位(a1)に加えて、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有することが好ましい。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、(A)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、現像液との親水性を高めたりするうえで有効なものである。
構成単位(a2)としては、特に限定されることなく任意のものが使用可能である。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。
構成単位(a2)の例として、より具体的には、下記一般式(a2−1)〜(a2−5)で表される構成単位が挙げられる。
Figure 2008003540
[式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり、R’は水素原子、低級アルキル基、または炭素数1〜5のアルコキシ基であり、mは0または1の整数である。]
一般式(a2−1)〜(a2−5)におけるRは前記構成単位(a1)におけるRと同様である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
これらの中でも、一般式(a2−1)で表される構成単位、(a2−2)で表される構成単位および(a2−3)で表される構成単位からなる群から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。具体的には、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
(A)成分において、構成単位(a2)としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(A)成分中の構成単位(a2)の割合は、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
[他の構成単位]
(A)成分は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a0−1)、(a0−2)、(a1)、及び(a2)以外の他の構成単位を含んでいてもよい。
他の構成単位としては、上述の構成単位(a0−1)、(a0−2)、(a1)、及び(a2)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
他の構成単位としては、例えば、下記に示す構成単位(a3)〜(a4)等が挙げられる。
[構成単位(a3)]
構成単位(a3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導され、かつ前記一般式(a0−1)または(a0−2)で表される構成単位は含まれない構成単位である。構成単位(a3)は、(A)成分の親水性を高め、現像液との親和性を高め、露光部でのアルカリ溶解性を向上させる等により解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられる。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は、7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
構成単位(a3)としては、極性基含有脂肪族炭化水素基における炭化水素基が炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基のときは、アクリル酸のヒドロキシエチルエステルから誘導される構成単位が好ましく、該炭化水素基が多環式基のときは、下記式(a3−1)で表される構成単位、(a3−2)で表される構成単位等が好ましいものとして挙げられる。
Figure 2008003540
(式中、Rは前記に同じであり、kは1〜3の整数であり、t’は1〜3の整数であり、lは1〜5の整数であり、sは1〜3の整数である。)
式(a3−1)中、kは1であることが好ましい。シアノ基はノルボルニル基の5位または6位に結合していることが好ましい。
式(a3−2)中、t’は1であることが好ましい。lは1であることが好ましい。sは1であることが好ましい。これらはアクリル酸のカルボキシ基の末端に2−ノルボルニル基または3−ノルボルニル基が結合していることが好ましい。フッ素化アルキルアルコールはノルボルニル基の5又は6位に結合していることが好ましい。
構成単位(a3)を(A)成分に含有させる際には、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜30モル%、好ましくは5〜30モル%、さらに好ましくは10〜20モル%含有させると好ましい。
[構成単位(a4)]
構成単位(a4)は、酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a4)における多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
Figure 2008003540
(式中、Rは前記と同じである。)
構成単位(a4)を(A)成分に含有させる際には、(A)成分を構成する全構成単位の合計に対して、1〜30モル%、好ましくは10〜20モル%含有させると好ましい。
本発明において、(A)成分は、少なくとも、構成単位(a0−1)、(a0−2)および(a1)の3種の構成単位を有する共重合体を含有することが好ましい。係る共重合体としては、たとえば、上記構成単位(a0−1)、(a0−2)および(a1)からなる3元共重合体、上記構成単位(a0−1)、(a0−2)、(a1)および(a2)からなる4元共重合体等が例示できる。
本発明おいて、(A)成分は、特に、下記一般式(A−11)に示す組み合わせの4種の構成単位を含む共重合体(A−11)、下記一般式(A−12)に示す組み合わせの4種の構成単位を含む共重合体(A−12)、および下記一般式(A−13)に示す組み合わせの4種の構成単位を含む共重合体(A−13)のうちのいずれか1種以上を含有することが好ましい。なかでも、共重合体(A−11)および/または共重合体(A−12)と、共重合体(A−13)とを含有することが好ましい。
Figure 2008003540
[式(A−11)中、R,R21〜R23,eは上記と同様であり、複数のRは相互に同じであっても異なっていてもよく、R27は低級アルキル基である。式(A−12)中、R,R21〜R23,eは上記と同様であり、複数のRは相互に同じであっても異なっていてもよく、R28は低級アルキル基である。式(A−13)中、R,R21〜R23,eは上記と同様であり、複数のRは相互に同じであっても異なっていてもよく、nは上記式(p1)中のnと同様である。]
式(A−11)中、R27の低級アルキル基としては、Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。R27としては、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式(A−12)中、R28の低級アルキル基としては、Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。R28としては、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
式(A−13)中、nとしては、0または1が好ましく、0が最も好ましい。
(A)成分としては、1種の樹脂を単独で用いてもよく、2種以上を併用しても良い。
(A)成分は、上述したような、構成単位(a0−1)および構成単位(a0−2)の両方を有する共重合体の1種以上を含有するものであってもよく、また、少なくとも構成単位(a0−1)を有する重合体と、少なくとも構成単位(a0−2)を有する重合体との混合物であってもよい。
後者の混合物の例としては、たとえば、上述のような構成単位(a0−1)および構成単位(a0−2)の両方を有する共重合体と、下記重合体(A2−1)および/または(A2−2)との混合物;下記重合体(A2−1)と(A2−2)との混合物等が挙げられる。
重合体(A2−1):構成単位(a0−2)を有し、かつ構成単位(a0−1)を有さない重合体。
重合体(A2−2):構成単位(a0−1)を有し、かつ構成単位(a0−2)を有さない重合体。
重合体(A2−1)としては、たとえば、前記構成単位(a0−2)と、上述した構成単位(a1)〜(a4)のいずれか1種以上とからなる共重合体が挙げられる。具体例としては、構成単位(a0−2)および(a1)からなる共重合体、構成単位(a0−2)、(a1)および(a2)からなる共重合体等が挙げられる。かかる共重合体としては、たとえば、上記一般式(A−11)、(A−12)または(A−13)において、構成単位(a0−1)に相当する構成単位を除いた3種の構成単位からなる共重合体が挙げられる。
重合体(A2−2)としては、たとえば、前記構成単位(a0−1)と、上述した構成単位(a1)〜(a4)のいずれか1種以上とからなる共重合体が挙げられる。具体例としては、構成単位(a0−1)および(a1)からなる共重合体、構成単位(a0−1)、(a1)および(a2)からなる共重合体等が挙げられる。かかる共重合体としては、たとえば、上記一般式(A−11)、(A−12)または(A−13)において、構成単位(a0−2)に相当する構成単位を除いた3種の構成単位からなる共重合体;下記一般式(A2−21)で表される共重合体等が挙げられる。
Figure 2008003540
(A)成分は、各構成単位を誘導するモノマーを、例えばアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)のようなラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等によって重合させることによって得ることができる。
また、(A)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH−CH−CH−C(CF−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、LWRの低減に有効である。また、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
(A)成分の質量平均分子量(Mw)(ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによるポリスチレン換算基準)は、特に限定するものではないが、2000〜50000が好ましく、3000〜30000がより好ましく、5000〜20000が最も好ましい。この範囲の上限よりも小さいと、レジストとして用いるのに充分なレジスト溶剤への溶解性があり、この範囲の下限よりも大きい、耐ドライエッチング性やレジストパターン断面形状が良好である。
また分散度(Mw/数平均分子量(Mn))は、特に限定するものではないが、1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
<(B)成分>
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
オニウム塩系酸発生剤として、例えば下記一般式(b−0)で表される酸発生剤が挙げられる。
Figure 2008003540
[式中、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表し;R52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基であり;R53は置換基を有していてもよいアリール基であり;u”は1〜3の整数である。]
一般式(b−0)において、R51は、直鎖、分岐鎖若しくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐鎖若しくは環状のフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
52は、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基、直鎖若しくは分岐鎖状のハロゲン化アルキル基、または直鎖若しくは分岐鎖状のアルコキシ基である。
52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
53は置換基を有していてもよいアリール基であり、置換基を除いた基本環(母体環)の構造としては、ナフチル基、フェニル基、アントラセニル基などが挙げられ、本発明の効果やArFエキシマレーザーなどの露光光の吸収の観点から、フェニル基が望ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)などを挙げることができる。
53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u”は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
一般式(b−0)で表される酸発生剤の好ましいものは以下の様なものを挙げることができる。
Figure 2008003540
また一般式(b−0)で表される酸発生剤の他のオニウム塩系酸発生剤としては、例えば下記一般式(b−1)または(b−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008003540
[式中、R”〜R”,R”〜R”は、それぞれ独立に、アリール基またはアルキル基を表し;R”は、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表し;R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表し、R”〜R”のうち少なくとも1つはアリール基を表す。]
式(b−1)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R”〜R”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
”〜R”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
”〜R”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R”〜R”は、それぞれ、フェニル基またはナフチル基であることが好ましく、中でも、R”〜R”のうちの1つがフェニル基であり、他の2つがナフチル基であることが最も好ましい。
”は、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはフッ素化アルキル基を表す。
前記直鎖または分岐のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また、該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中、R”〜R”はそれぞれ独立にアリール基またはアルキル基を表す。R”〜R”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R”〜R”のすべてがアリール基であることが好ましい。
”〜R”のアリール基としては、R”〜R”のアリール基と同様のものが挙げられる。
”〜R”のアルキル基としては、R”〜R”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R”〜R”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR”としては上記式(b−1)のR”と同様のものが挙げられる。
式(b−1)、(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤の具体例としては、ジフェニルヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムのトリフルオロメタンスルホネートまたはノナフルオロブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−メチルフェニル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジメチル(4−ヒドロキシナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、モノフェニルジメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニルモノメチルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、(4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、トリ(4−tert−ブチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジフェニル(1−(4−メトキシ)ナフチル)スルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネート、ジ(1−ナフチル)フェニルスルホニウムのトリフルオロメタンスルホネート、そのヘプタフルオロプロパンスルホネートまたはそのノナフルオロブタンスルホネートなどが挙げられる。また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
また、前記一般式(b−1)又は(b−2)において、アニオン部を下記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部に置き換えたオニウム塩系酸発生剤も用いることができる(カチオン部は(b−1)又は(b−2)と同様)。
Figure 2008003540
[式中、X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基を表し;Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1〜10のアルキル基を表す。]
X”は、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキレン基であり、該アルキレン基の炭素数は2〜6であり、好ましくは炭素数3〜5、最も好ましくは炭素数3である。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
また、下記一般式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩をオニウム塩系酸発生剤として用いることもできる。
Figure 2008003540
[式中、R41”〜R46”はそれぞれ独立してアルキル基、アセチル基、アルコキシ基、カルボキシ基、水酸基またはヒドロキシアルキル基であり、n〜nはそれぞれ独立して0〜3の整数であり、nは0〜2の整数である。]
41”〜R46”において、アルキル基は、炭素数1〜5の低級アルキル基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、又はtert−ブチル基であることが特に好ましい。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基の一又は複数の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
は、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
およびnは、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは1又は2であり、より好ましくは1である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩のアニオン部は、特に限定されず、これまで提案されているオニウム塩系酸発生剤のアニオン部と同様のものであってよい。かかるアニオン部としては、たとえば上記一般式(b−0)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R51−SO )、上記一般式(b−1)または(b−2)で表されるオニウム塩系酸発生剤のアニオン部(R”−SO )や、上記一般式(b−3)又は(b−4)で表されるアニオン部等が挙げられる。
式(b−5)または(b−6)で表されるカチオン部を有するスルホニウム塩の好ましい具体例を以下に挙げる。
Figure 2008003540
Figure 2008003540
Figure 2008003540
本明細書において、オキシムスルホネート系酸発生剤とは、下記一般式(B−1)で表される基を少なくとも1つ有する化合物であって、放射線の照射によって酸を発生する特性を有するものである。この様なオキシムスルホネート系酸発生剤は、化学増幅型レジスト組成物用として多用されているので、任意に選択して用いることができる。
Figure 2008003540
(式(B−1)中、R31、R32はそれぞれ独立に有機基を表す。)
31、R32の有機基は、炭素原子を含む基であり、炭素原子以外の原子(たとえば水素原子、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子等)等)を有していてもよい。
31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
32の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基、アリール基またはシアノ基が好ましい。R32のアルキル基、アリール基としては、前記R31で挙げたアルキル基、アリール基と同様のものが挙げられる。
32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
オキシムスルホネート系酸発生剤として、さらに好ましいものとしては、下記一般式(B−2)または(B−3)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2008003540
[式(B−2)中、R33は、シアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R34はアリール基である。R35は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。]
Figure 2008003540
[式(B−3)中、R36はシアノ基、置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。R37は2または3価の芳香族炭化水素基である。R38は置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基である。p’’は2または3である。]
前記一般式(B−2)において、R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
34のアリール基としては、フェニル基、ビフェニル(biphenyl)基、フルオレニル(fluorenyl)基、ナフチル基、アントラセル(anthracyl)基、フェナントリル基等の、芳香族炭化水素の環から水素原子を1つ除いた基、およびこれらの基の環を構成する炭素原子の一部が酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子で置換されたヘテロアリール基等が挙げられる。これらのなかでも、フルオレニル基が好ましい。
34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8がより好ましく、炭素数1〜6が最も好ましい。
35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
前記一般式(B−3)において、R36の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R33の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p’’は好ましくは2である。
オキシムスルホネート系酸発生剤の具体例としては、α−(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(4−ニトロ−2−トリフルオロメチルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−クロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,4−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−2,6−ジクロロベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(2−クロロベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシベンジルシアニド、α−(ベンゼンスルホニルオキシイミノ)−チエン−2−イルアセトニトリル、α−(4−ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−ベンジルシアニド、α−[(p−トルエンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−[(ドデシルベンゼンスルホニルオキシイミノ)−4−メトキシフェニル]アセトニトリル、α−(トシルオキシイミノ)−4−チエニルシアニド、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘプテニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロオクテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−エチルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−プロピルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロペンチルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−シクロヘキシルアセトニトリル、α−(シクロヘキシルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロペンテニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(イソプロピルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(n−ブチルスルホニルオキシイミノ)−1−シクロヘキセニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−フェニルアセトニトリル、α−(トリフルオロメチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(エチルスルホニルオキシイミノ)−p−メトキシフェニルアセトニトリル、α−(プロピルスルホニルオキシイミノ)−p−メチルフェニルアセトニトリル、α−(メチルスルホニルオキシイミノ)−p−ブロモフェニルアセトニトリルなどが挙げられる。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
Figure 2008003540
上記例示化合物の中でも、下記の4つの化合物が好ましい。
Figure 2008003540
ジアゾメタン系酸発生剤のうち、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類の具体例としては、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−ジメチルフェニルスルホニル)ジアゾメタン等が挙げられる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、中でも(B)成分としてフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオンとするオニウム塩を用いることが好ましい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がさらに好ましく、2〜15質量部が最も好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
<任意成分>
本発明のポジ型レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という)を配合することができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良いが、環式アミン、脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。ここで、脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNHの水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き経時安定性等の向上の目的で、任意の成分として、有機カルボン酸、ならびにリンのオキソ酸およびその誘導体からなる群から選択される少なくとも1種の化合物(E)(以下、(E)成分という)を含有させることができる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸等が挙げられ、これらの中でも特にサリチル酸が好ましい。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
本発明のポジ型レジスト組成物には、さらに所望により、混和性のある添加剤、例えばレジスト膜の性能を改良するための付加的樹脂、塗布性を向上させるための界面活性剤、溶解抑制剤、可塑剤、安定剤、着色剤、ハレーション防止剤、染料などを適宜、添加含有させることができる。
本発明のポジ型レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−アミルケトン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、アミルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒は好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは3〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
≪レジストパターン形成方法≫
本発明のレジストパターン形成方法は、上記本発明のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
本発明のレジストパターン形成方法は例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB))を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。次いでこれをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とポジ型レジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線などの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるポジ型レジスト組成物は、特に、本発明にかかるポジ型レジスト組成物は、特に、ArFエキシマレーザーに対して有効である。
本発明のポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法は、有機溶剤への溶解性に優れ、かつ良好な形状のレジストパターンを形成できるものである。
さらに、本発明においては、種々のリソグラフィー特性、たとえば感度、解像性、ラインワイズラフネス(LWR)、マスクエラーファクター(MEF)、露光余裕度(ELマージン)等も良好である。
有機溶剤への溶解性が向上する理由としては、以下のことが考えられる。
従来ArFエキシマレーザーリソグラフィー等に使用されるポジ型レジスト組成物の中には、現像液との親和性を高め、露光部でのアルカリ溶解性を向上させる等の目的のために、極性基含有脂肪族炭化水素基、例えば「−Y(脂肪族環式基)−OH」という構造を有する構成単位を含む樹脂が用いられているものがある。しかし、この「−Y−OH」という構造を有する構成単位を含む樹脂は、その親水性の高さによって、当該樹脂の有機溶剤への溶解性、ひいては当該樹脂を含むポジ型レジスト組成物の有機溶剤への溶解性を低下させてしまう。
これに対し、本発明に用いられる樹脂は、「−Y−(CH−O−Z」という構造を有する構成単位(a0−1)を含むものである。この「−Y−(CH−O−Z」におけるZは、水素原子に比べて極性が低く、かつある程度長い分子鎖長を有するため、(A)成分の有機溶剤への親和性を高め、溶解性を向上させていると推測される。
また、本発明により、良好な形状のレジストパターンを形成できる理由としては、構成単位(a0−1)と構成単位(a0−2)との相乗作用が考えられる。
また、本発明においては、構成単位(a2)の一部または全部を構成単位(a0−1)に置き換えても、同等以上の充分なリソグラフィー特性を得ることができる。そのため、たとえば構成単位(a0−2)の割合を変えずに構成単位(a2)の割合を低くすることができる。構成単位(a0−2)の割合が同レベルである場合、構成単位(a2)の割合が低いほど、(A)成分のTgが高まる。Tgの向上は、露光後にベークを行った際にレジスト膜を軟化しにくくさせ、当該膜中において、露光により発生した酸が拡散するのを抑制し、レジストパターンの矩形性の向上に寄与すると推測される。
また、本発明においては、ディフェクトの発生が抑制された良好な形状のレジストパターンを形成できる。
従来、リソグラフィー分野においては、形成されるレジストパターンの表面に欠陥(ディフェクト)が発生するという問題がある。ディフェクトとは、例えばKLAテンコール社の表面欠陥観察装置(商品名「KLA」)により、現像後のレジストパターンを真上から観察した際に検知される不具合全般のことである。この不具合とは、例えば現像後のスカム、泡、ゴミ、ブリッジ(レジストパターン間の橋掛け構造)、色むら、析出物等である。ディフェクトの改善は、高解像性のレジストパターンが要求されるようになるにつれて重要となる。特に、ArFエキシマレーザー以降、すなわちArFエキシマレーザー、Fエキシマレーザー、EUV、EB等を光源として微細パターン、たとえば130nm以下のレジストパターンを形成する場合には、ディフェクトの解決の問題がいっそう厳しくなってきている。
ディフェクトの原因の1つとして、有機溶剤への溶解性の低さと、それに伴うレジスト溶液の安定性の低さ等が考えられるが、本発明のポジ型レジスト組成物は、有機溶剤への溶解性に優れていることから、ディフェクトの改善にも有用である。
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
下記実施例1〜7および比較例1で用いた(A)−1〜(A)−9は、下記合成例2〜9において、以下に示すモノマー(1)〜(9)(モノマー(1)の製法は下記に示した。)を、公知の滴下重合法を用いて共重合することにより合成した。
下記合成例2〜9において、(A)−1〜(A)−8のMwおよびMw/MnはGPCにより測定した。
下記合成例2〜9において、式(A)−1〜(A)−8中、()の右下に付した数字は各構成単位の割合(モル%)を示す。
Figure 2008003540
Figure 2008003540
合成例1[モノマー(1)の合成]
ナスフラスコにTHF(テトラヒドロフラン)150mLを入れ、上記モノマー(4)[メタクリル酸1−(3−ヒドロキシルアダマンチル)]20gとトリエチルアミン10gを加えた。その後、氷冷しながら、t−ブトキシカルボン酸無水物22gを加え、室温で3時間撹拌した。次に、その反応溶液を酢酸エチルで抽出した後、濃縮して上記モノマー(1)を得た。
合成例2
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA86gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。モノマー(1)17.3g、モノマー(2)45.1g、モノマー(3)30.6g、モノマー(4)24.3g、PGMEA154g、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.9gを混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた樹脂(A)−1についてGPC測定を行った結果、質量平均分子量(Mw)は7000であり、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。
Figure 2008003540
合成例3
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA86gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。モノマー(1)37.9g、モノマー(2)49.3g、モノマー(3)23.9g、モノマー(4)26.6g、PGMEA155g、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.2gを混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた樹脂(A)−2についてGPC測定を行った結果、質量平均分子量(Mw)は7000であり、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。
Figure 2008003540
合成例4
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA86gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
モノマー(1)17.9g、モノマー(2)46.6g、モノマー(3)40.7g、モノマー(4)12.6g、PGMEA155g、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.1gを混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた樹脂(A)−3についてGPC測定を行った結果、質量平均分子量(Mw)は7000であり、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。
Figure 2008003540
合成例5
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA86gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
モノマー(2)41.4g、モノマー(3)36.2g、モノマー(4)22.3g、PGMEA155g、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.7gを混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた樹脂(A)−4についてGPC測定を行った結果、質量平均分子量(Mw)は7000であり、分散度(Mw/Mn)は1.5であった。
Figure 2008003540
合成例6
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA86gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
モノマー(1)20.4g、モノマー(5)44.3g、モノマー(3)41.4g、モノマー(4)20.4g、PGMEA155g、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.5gを混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた樹脂(A)−5についてGPC測定を行った結果、質量平均分子量(Mw)は10000であり、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。
Figure 2008003540
合成例7
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA86gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
モノマー(1)18.1g、モノマー(2)53.8g、モノマー(8)33.5g、モノマー(4)12.7g、PGMEA155g、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.1gを混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた樹脂(A)−6についてGPC測定を行った結果、質量平均分子量(Mw)は10000であり、分散度(Mw/Mn)は1.7であった。
Figure 2008003540
合成例8
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA86gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
モノマー(1)15.8g、モノマー(6)52.9g、モノマー(3)35.9g、モノマー(4)11.1g、PGMEA155g、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.7gを混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた樹脂(A)−7についてGPC測定を行った結果、質量平均分子量(Mw)は7000であり、分散度(Mw/Mn)は1.6であった。
Figure 2008003540
合成例9
窒素導入口、攪拌機、コンデンサーおよび温度計を備えたフラスコに、窒素雰囲気下で、PGMEA86gを入れ、攪拌しながら湯浴の温度を80℃に上げた。
モノマー(1)25.7g、モノマー(7)37.9g、モノマー(9)36.4g、PGMEA155g、および2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)2.1gを混合した単量体溶液を、滴下装置を用い、一定速度で6時間かけてフラスコ中へ滴下し、その後、80℃で1時間保持した。その後、反応溶液を室温に戻した。次いで、得られた反応溶液を約30倍量のメタノール中に攪拌しながら滴下し、無色の析出物の沈殿を得た。得られた沈殿を濾別し、重合に使用した単量体に対して約30倍量のメタノール中で沈殿を洗浄した。そして、この沈殿を濾別し、減圧下50℃で約40時間乾燥した。得られた樹脂(A)−8についてGPC測定を行った結果、質量平均分子量(Mw)は10000であり、分散度(Mw/Mn)は1.6であった。
Figure 2008003540
≪有機溶剤への溶解性評価≫
(A)−1〜(A)−4について、それぞれ、以下の手順で有機溶剤への溶解性を評価した。
有機溶剤として、PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤を用い、該混合溶剤12g(23℃)に対し、(A)−1〜(A)−4をそれぞれ1g添加した。
その結果、(A)−1〜(A)−3は混合溶剤中に添加した瞬間に溶解した。
一方、(A)−4は、すぐには溶解せず、当該混合溶剤を、超音波をかけながら撹拌しても、完全に溶解するまでに約30分間の時間を要した。
このように、(A)−1〜(A)−2は、モノマー(4)から誘導される構成単位の割合が(A)−4と同じである、つまり水酸基の含有量が(A)−4と同じであるにもかかわらず、有機溶剤に対し、優れた溶解性を示した。
また、(A)−3は、(A)−4におけるモノマー(4)から誘導される構成単位の割合の半分をモノマー(1)から誘導される構成単位に置き換えたものであるが、(A)−1〜(A)−2と同様に有機溶剤に対し、優れた溶解性を示した。
次に、(A)−5〜(A)−8それぞれ単独、(A)−5および(A)−7の混合物((A)−5:(A)−7=50:50(質量比)、(A)−6および(A)−8の混合物((A)−6:(A)−8=50:50(質量比)それぞれについて、上記と同様、有機溶剤への溶解性を評価した。
その結果、有機溶剤に対し、いずれも優れた溶解性を示した。
実施例1〜7、比較例1
表1に示す各成分を混合し、溶解してポジ型レジスト組成物を調製した。
Figure 2008003540
表1中の各略号は以下の意味を有し、[]内の数値は配合量(質量部)である。
(B)−1:下記式(B)−1で表される化合物。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
Figure 2008003540
得られたポジ型レジスト組成物について、それぞれ、以下の手順でレジストパターンを形成し、リソグラフィー特性を評価した。
有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて8インチシリコンウェーハ上に塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚77nmの有機系反射防止膜を形成した。該反射防止膜上に、ポジ型レジスト組成物を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で、表2に示すPAB温度で60秒間のプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚150nmのレジスト膜を形成した。
ついで、ArF露光装置NSR−S−302(ニコン社製;NA(開口数)=0.60,2/3輪帯照明)により、ArFエキシマレーザー(193nm)を、マスクパターン(6%ハーフトーンレクチル)を介して選択的に照射した。
そして、表2に示すPEB温度で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間現像し、その後30秒間水洗し、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれのポジ型レジスト組成物を用いた例でも、ライン幅120nm、ピッチ240nmのラインアンドスペースのレジストパターン(以下、LSパターンという。)が形成された。
<感度評価>
上記パターン形成能評価において、ライン幅120nm、ピッチ240nmのLSパターンが形成される最適露光量(Eop)(単位:mJ/cm(単位面積当たりのエネルギー量))を求めた。その結果、実施例1〜7および比較例1のいずれの例においても、Eopはほぼ同等であった。
<解像性評価>
上記Eopにおいて、マスクパターンのサイズを、ライン幅140nm、130nm、120nm、110nm(以上、ライン幅とスペース幅の比率が1:1)のLSパターンをターゲットとするものに変更した以外は上記と同様にしてLSパターンを形成した。
その結果、実施例1〜7および比較例1のいずれの例においても、ライン幅110nm、ピッチ220nmのLSパターンが解像した。
<形状評価>
上記解像性評価で形成されたLSパターンの断面形状を、側長SEM(日立製作所社製、商品名:S−9220)により観察した。
その結果、実施例1〜7で形成されたLSパターンの断面形状は、パターン側壁の垂直性が高く、矩形性の高い良好なものであった。
一方、比較例1のLSパターンは、断面形状が若干テーパー形状となっており、矩形性が低かった。また、ライン幅110nm、ピッチ220nmのLSパターンにおいては、露光部が完全には除去されておらず、パターンの抜けがあまりよくなかった。
<ラインワイズラフネス(LWR)評価>
上記Eopにおいて形成されたライン幅120nm、ピッチ240nmのLSパターンのライン幅を、側長SEM(日立製作所社製、商品名:S−9220、測定電圧300V)により、ラインの長手方向に5箇所測定し、その結果から、LWRを示す尺度として、標準偏差(s)の3倍値(3s;単位nm)を算出した。その結果を表2に示す。
この3sの値が小さいほど線幅のラフネスが小さく、より均一幅のレジストパターンが得られたことを意味する。
表2の結果から明らかなように、実施例1〜7のLWRは、比較例1のLWRのほぼ同等またはそれ以上であった。中でも、樹脂(A)−5と樹脂(A)−7とを併用した実施例4および5は、LWRが特に良好であった。
Figure 2008003540
<マスクエラーファクター(MEF)評価>
上記Eopにおいて、ライン幅130nm、ピッチ260nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターンと、ライン幅120nm、ピッチ260nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターンとを用いてLSパターンを形成し、以下の式からMEFの値を求めた。
MEF=|CD130−CD120|/|MD130−MD120
上記式中、CD130、CD120は、それぞれ、ライン幅130nm、120nmをターゲットとするマスクパターンを用いて形成されたLSパターンの実際のライン幅(nm)である。MD130、MD120は、それぞれ、当該マスクパターンがターゲットとするライン幅(nm)であり、MD130=130、MD120=120である。このMEFの値が1に近いほど、マスクパターンに忠実なレジストパターンが形成されたことを示す。
その結果、実施例1〜7および比較例1のいずれの例においても、MEFはほぼ同等であった。
<マスクリニアリティ評価>
上記Eopにおいて、マスクパターンのLS比(ライン幅とスペース幅との比)を1:1に固定し、マスクサイズ(ライン幅)を110nm、120nm、130nm、140nm、150nmに変えてそれぞれLSパターンを形成し、形成されたLSパターンのサイズ(ライン幅)を測定した。測定されたレジストパターンサイズがマスクサイズに近いほど、つまりマスクサイズとのずれが少ないほど、マスクパターンに忠実なレジストパターンが形成されたことを示す。
その結果、実施例1〜7および比較例1のいずれの例においても、マスクリニアリティはほぼ同等であった。
<露光余裕度(ELマージン)評価>
ライン幅120nm、ピッチ240nmのLSパターンをターゲットとするマスクパターンを用い、露光量を、上記Eop±5%の範囲内で露光量を変化させてLSパターンを形成し、当該範囲内における、LSパターンのライン幅の、露光量1mJ当たりの変化量(単位:nm/mJ)を求めた。
この変化量(ELマージン)は、その値が大きいほど、露光量の変動に伴うパターンサイズの変化量が小さいことを示す。
その結果、実施例1〜7および比較例1のいずれの例においても、ELマージンはほぼ同等であった。
上記結果から明らかなように、本発明のポジ型レジスト組成物を用いた実施例1〜7は、使用した(A)成分それぞれの有機溶剤への溶解性が非常に高く、かつ優れた形状のレジストパターンを形成できた。また、種々のリソグラフィー特性(感度、解像性、LWR、MEF、EL等)も、比較例1と同等以上の良好なものであった。
一方、比較例1は、(A)成分の有機溶剤への溶解性が悪く、また、レジストパターンの矩形性が低かった。

Claims (6)

  1. 酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)とを含有するポジ型レジスト組成物であって、
    前記樹脂成分(A)が、下記一般式(a0−1)で表される構成単位(a0−1)と、下記一般式(a0−2)で表される構成単位(a0−2)とを有することを特徴とするポジ型レジスト組成物。
    Figure 2008003540
    [式(a0−1)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;Yは脂肪族環式基であり;Zは第3級アルキル基含有基またはアルコキシアルキル基であり;aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、かつa+b=1〜3であり;c、d、eはそれぞれ独立して0〜3の整数である。式(a0−2)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であり;Yは脂肪族環式基であり;g、hはそれぞれ独立して0〜3の整数であり;iは1〜3の整数である。]
  2. 前記樹脂成分(A)中の前記構成単位(a0−1)の割合が、前記樹脂成分(A)を構成する全構成単位の合計に対し、1〜40モル%である請求項1記載のポジ型レジスト組成物。
  3. 前記樹脂成分(A)が、さらに、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)を有する請求項1または2に記載のポジ型レジスト組成物。
  4. 前記樹脂成分(A)が、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する請求項1〜3のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  5. さらに含窒素有機化合物(D)を含有する請求項1〜4のいずれか一項に記載のポジ型レジスト組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載のポジ型レジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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