JP3380128B2 - レジスト材料及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents
レジスト材料及びレジストパターンの形成方法Info
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し、さらに詳しく述べると、高解像性、高感度、そして
優れたドライエッチング耐性を有する化学増幅型レジス
ト材料に関する。本発明は、また、かかる新規なレジス
ト材料を使用したレジストパターンの形成方法に関す
る。本発明によるレジスト材料は、特にArFリソグラ
フィに要求されるている高感度と安定したパターニング
特性を奏することができるので、半導体集積回路等の半
導体装置の製造に有利に使用することができる。
LSIやVLSIが実用化されており、また、これとと
もに、集積回路の最小パターンはサブミクロン領域に及
び、更に微細化する傾向にある。微細パターンの形成に
は、薄膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、
選択露光を行って所望のパターンの潜像を形成した後に
現像してレジストパターンを作り、これをマスクとして
ドライエッチングを行い、その後にレジストを除去する
ことにより所望のパターンを得るリソグラフィ技術の使
用が必須である。そして、このリソグラフィに使用する
露光源として、g線(波長436nm) 、i線(波長36
5nm)の紫外線光が使用されているが、パターンの微細
化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空紫外光、電
子線、X線などが光源として使用されるようになってい
る。特に最近では、エキシマレーザ(波長248nmのK
rFレーザ、波長193nmのArFレーザ)が光源とし
て注目されており、微細パターンの形成に有効であると
期待されている。なお、本願明細書では、「放射線」な
る語を用いた場合、これらのさまざまの光源からの光、
すなわち、紫外線、遠紫外線、真空紫外光、電子線(E
B)、X線、各種レーザ光等を意味するものとする。
露光光を用いてサブミクロンのパターンを形成するに
は、用いられるレジストが、露光光の波長において透明
性に優れていることが必要であり、さらにまた、十分な
ドライエッチング耐性をもつことが求められている。こ
のようなレジストとして、本発明者らは、例えば、エス
テル部にアダマンタン骨格を有するアクリル酸エステル
又はα置換アクリル酸エステルの重合体又は共重合体か
らなることを特徴とする放射線感光材料を発明し、すで
に特許出願した(特開平4−39665号公報を参照さ
れたい)。
疎水性のため、半導体装置の製造工程において一般的に
用いられているアルカリ現像液を使用することができな
いという重要な問題をかかえていた。この問題は、レジ
ストの構造中に含まれるアダマンタン骨格が、疎水性が
強いので、アルカリ現像液へのレジストの溶解を妨げて
いることに由来すると理解される。本発明者らは、この
問題を解決するために鋭意研究の結果、平成7年6月2
8日出願の特願平7−162287号に最初に添付され
た明細書に記載されるように、放射線感光材料を構成す
る重合体又は共重合体のエステル部にアダマンタン又は
その誘導体からなる脂環式炭化水素基を含ませておき、
しかし、後段の工程では、そのようなアルカリ現像液の
使用を阻害している脂環式炭化水素基を脱離させること
を特徴とするレジストパターン形成方法を見い出した。
実際、このパターン形成方法を使用すると、アルカリ現
像が可能であるとともに、現像時、クラックの発生やパ
ターンの剥離といった問題を軽減することができる。
した化学増幅型レジスト及びそれを用いたパターン形成
方法は、各種の光源からの光、特に遠紫外・真空紫外領
域の波長をもつエキシマ光に対して高い透明性を有する
ばかりでなく、優れたドライエッチング耐性も有する。
さらに、このようなレジストで、標準アルカリ現像液の
使用も可能になった。
は、依然として感度の問題をかかえている。すなわち、
エキシマレーザを光源として使用する場合に、特にAr
Fリソグラフィを実施する場合に、レーザに使用するレ
ンズ材料の耐久性の面から、高感度であること、換言す
ると、照射線量の閾値エネルギーEthが5mJ/cm2
もしくはそれ以下であることが要求されているけれど
も、このような要件を満たすことのできる化学増幅型レ
ジストはまだ提案されていない。
を含めた各種の放射線に対して高い透明性を有し、優れ
たドライエッチング耐性を有し、そして特に高い感度を
有する化学増幅型レジストを提供することにある。本発
明のもう1つの目的は、そのような化学増幅型レジスト
を使用した、改良されたレジストパターンの形成方法を
提供することにある。
いて、次式(I)により表されるドライエッチング耐性
をもった脂環式炭化水素基含有部分:
チル基を表し、そしてZは、記載の炭素原子とともに脂
環式炭化水素基を完成するのに必要な複数個の原子を表
す)で保護されたアルカリ可溶性基を有しかつ前記脂環
式炭化水素基含有部分が酸により脱離して当該化合物を
アルカリ可溶性とならしめる構造単位を含む酸感応性化
合物と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含
んでなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料を提
供する。
記した式(I)により表されるドライエッチング耐性を
もった脂環式炭化水素基含有部分で保護されたアルカリ
可溶性基を有しかつ前記脂環式炭化水素基含有部分が酸
により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性とならしめ
る構造単位を含む酸感応性化合物と、放射線露光により
酸を発生する酸発生剤とを含む化学増幅型レジスト材料
を被処理基板上に塗布し、前記被処理基板上のレジスト
膜を前記酸発生剤からの酸の発生を惹起し得る放射線に
選択的に露光し、そして露光後のレジスト膜のポストベ
ーク後、前記露光工程において形成された潜像を現像す
ること、を含んでなることを特徴とするレジストパター
ンの形成方法を提供する。
(I)により表される脂環式炭化水素基含有部分で保護
されたアルカリ可溶性基を有しかつ前記アルカリ可溶性
基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性とな
らしめる構造単位を含む酸感応性化合物と、放射線露光
により酸を発生する酸発生剤とを含む化学増幅型レジス
ト材料にある。
エチル基、プロピル基又はイソプロピル基であることが
必須であり、もしも、それが水素原子であると、その他
の特性においては満足し得る結果を得ることができると
いうものの、所期の高感度化を達成することができな
い。以下においてさらに明らかになるように、本発明
は、特に脂環式炭化水素基含有部分のうちのこのR1 基
の改善の結果として導かれたものである。なお、このR
1 基は、必要に応じて、置換もしくは非置換のいずれで
あってもよい。
主たる1成分である酸感応性化合物の構造単位中に含ま
れるべきアルカリ可溶性基は、好ましくは、カルボン酸
基、スルホン酸基、アミド基、イミド基又はフェノール
基であり、さらに好ましくはカルボン酸基である。ま
た、本発明のレジスト材料では、上記のようなアルカリ
可溶性基が脂環式炭化水素基含有部分によって保護され
ている。かかる保護されたアルカリ可溶性基は、好まし
くは、次式(II)により表されるカルボン酸:
義に同じである)である。また、前記アルカリ可溶性基
中に含まれる脂環式炭化水素基は、化学の分野で公知の
いろいろな基を包含し、また、それらの基は必要に応じ
て置換されていてもよいというものの、好ましくは、以
下に詳しく説明するように、複数個の環構造を有するか
もしくは縮合環を有している。前記脂環式炭化水素基
は、特に好ましくは、アダマンタン又はその誘導体であ
る。
発生剤から発生せしめられた酸に対して感応性を有する
酸感応性化合物は、記載の条件を満たす限りにおいて、
低分子量の化合物から高分子量の化合物まで、広範な化
合物を包含し、また、これらの酸感応性化合物は、単独
で使用してもよく、さもなければ、2種類もしくはそれ
以上の化合物を混合して使用してもよい。かかる酸感応
性化合物は、大きく分けて、前記構造単位を繰り返し単
位として含む重合体又は共重合体、そして低分子量の非
重合化合物である。かかる酸感応性化合物は、それが重
合体又は共重合体の形をとる場合、低分子量から高分子
量までの広い範囲の分子量を有することができ、また、
好ましくは、アクリル酸エステル及びその誘導体、イタ
コン酸エステル及びその誘導体、フマル酸エステル及び
その誘導体ならびにスチレン置換体及びその誘導体から
なる群から選ばれる繰り返し単位を単独もしくは組み合
わせて有している。また、前記酸感応性化合物が非重合
化合物の形をとる場合には、所期のレジスト特性を得る
ため、その化合物と組み合わせて任意のアルカリ可溶性
の重合体又は共重合体を使用することが必要である。
らは、化学増幅型レジスト材料において、もしもその構
造中に脂環式炭化水素基が含まれているとすると、その
強い疎水性のため、そのレジスト材料を露光後にアルカ
リ水溶液で現像する段階で、露光部のアルカリ水溶液へ
の溶解が抑止されるという知見を得たこと、そして、こ
の知見に基づいて、レジスト構造中に含めるべき脱保護
基(保護されたアルカリ可溶性基であって、酸によりレ
ジスト構造から脱離可能な基)として、脂環式基を有す
るものを用いて、露光及びPEB(ポストベーク;Po
st Exposure Baking)により脱離さ
せ、露光部より脂環式基を除去することが好ましいとい
うことを見い出したこと、そしてさらに、容易に脱離反
応を生ぜしめるため、上記したように、レジスト構造中
に含まれる脱保護基の一部分に、脂環式基を有しかつそ
の環骨格を構成する炭素原子の1個が適当な低級アルキ
ル基で置換された部分を導入することが有効であること
を見い出したこと、を明らかにした。しかし、この先の
出願の段階では、問題の究明が依然として十分でなく、
ArFリソグラフィにおいて要求される十分に高い感度
を得ることが困難であった。
するため、一連の化学増幅型レジストついての研究をさ
らに進めていくなかで、前記したように、レジスト構造
中に含まれる脱保護基の一部分として−CH2 −R
1 (式中、R1 はメチル基、エチル基、プロピル基又は
イソプロピル基である)に限定することが高感度化に有
効であることを見い出し、本発明を完成したのである。
式炭化水素基含有部分で保護されたアルカリ可溶性基を
有するレジスト材料は、露光により発生したプロトン酸
を触媒として脱離反応を生じ、カルボン酸あるいはその
類似物を生成するとともに、露光部の脂環式基の部分が
除去される。このため、レジスト材料の露光部では、脂
環式基による溶解禁止効果がなくなり、アルカリ水溶液
に容易に溶解可能となる。結果として、レジスト材料の
現像がスムーズに進行し、所期の安定したパターニング
特性を得ることができる。ここまでは、先の出願と同じ
である。しかし、本発明では、脂環式炭化水素基含有部
分から構成される保護基の一部に、特定の基であるとこ
ろの−CH2 −R1 を導入したので、今まで予想もし得
なかったことであるが、感度の顕著な向上を図ることが
できるようになった。このため、最終的には、ArFリ
ソグラフィに要求される高感度を達成することができ
る。
した通り、保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離
してアルカリ可溶性となる酸感応性化合物、好ましく
は、重合体又は共重合体(ここで、「共重合体」とは、
三成分もしくはそれよりも多成分の共重合体も含む)あ
るいは非重合化合物と、酸発生剤とを組み合わせて有す
る化学増幅型レジストである。以下、かかる化学増幅型
レジストとその調製、そしてそれを用いたレジストパタ
ーンの形成をそれらの好ましい態様を参照して詳細に説
明する。なお、本発明は、以下に記載する態様にのみ限
定されるものではないことを理解されたい。
て、その主たる1成分である酸感応性化合物の構造単位
中に含まれる保護されたアルカリ可溶性基は、好ましく
は、カルボン酸基、スルホン酸基、アミド基、イミド基
及びフェノール基からなる群から選ばれる一員であり、
さらに好ましくは、前式(II)により表されるカルボン
酸、次式(V)により表されるイミド基、そして次式
(VI)により表されるフェノール基である。
義に同じである)。例えば、保護されたアルカリ可溶性
基としてのカルボン酸基は、酸によりその保護基が脱離
してカルボン酸を生じるユニットであり、例えば、t−
ブチルエステル、t−アミルエステル、α,α−ジメチ
ルベンジルエステル等の3級炭素エステル、テトラヒド
ロピラニルエステル等のアセタールからなるエステル、
3−オキシシクロヘキシルエステル等のβ−オキシケト
ンからなるエステル、その他をあげることができる。
て用いられる酸感応性化合物は、好ましくは、トリアル
キルカルビノールから形成されるエステル、アセタール
から形成されるエステル、β−オキシケトンから形成さ
れるエステル、α−オキシアルケンあるいはα−オキシ
シクロアルケンから形成されるエステル、その他をその
構造単位中に含むことができる。
脂環式炭化水素基は、化学増幅型レジストの分野で公知
のいろいろな基を包含する。適当な脂環式炭化水素基
は、その一例を示すと、次のような化合物を骨格とする
ものである。 (1)アダマンタン及びその誘導体 (2)ノルボルナン及びその誘導体 (3)パーヒドロアントラセン及びその誘導体 (4)パーヒドロナフタレン及びその誘導体 (5)トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン及びそ
の誘導体 (6)ビシクロヘキサン及びその誘導体 (7)スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導体 (8)スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体 これらの化合物は、それぞれ、次のような構造式で表さ
れる:
基としては、上記したように複数個の環構造を有するか
もしくは縮合環を有しているものが好ましく、単環であ
るシクロヘキシル基等では十分なドライエッチング耐性
を得ることができない。また、これらの化合物のうち
で、従来のノボラック系レジストと同等かもしくはそれ
以上のドライエッチング耐性を得るには、アダマンタン
等の縮合環が、特に好ましい。
それに含まれる酸感応性化合物は、好ましくは、重合体
又は共重合体の形をとることができる。ここで用いられ
る酸感応性重合体又は共重合体は、多種多様なもののな
かから任意に選択して使用することができる。このよう
な酸感応性重合体又は共重合体は、以下に列挙するもの
に限定されるものではないけれども、好ましくは、アク
リル酸エステル及びその誘導体、イタコン酸エステル及
びその誘導体、フマル酸エステル及びその誘導体ならび
にスチレン置換体及びその誘導体からなる群から選ばれ
る繰り返し単位(構造単位)を単独もしくは組み合わせ
て有するものである。それというのも、これらの繰り返
し単位は、重合体又は共重合体の調製及びその塗布性の
面で、その他の考えられる重合体又は共重合体よりも有
利であるからである。
て、上記したような繰り返し単位に組み合わせて、以下
に列挙するものに限定されるわけではないけれども、そ
の他の繰り返し単位、例えば、アクリロニトリル、オレ
フィン、ジエン又はこれらの誘導体を用いて調製しても
よい。本発明の酸感応性重合体又は共重合体において、
満足すべき密着性を得るためには、強い極性を有する繰
り返し単位を使用することが好ましい。特に、かかる重
合体又は共重合体は、必須の構成要素であるところのア
ルカリ可溶性基を有することに加えて、自体アルカリ可
溶性である繰り返し単位を有していれば、アルカリ可溶
性基に由来する少量のカルボン酸等の生成で現像可能と
なることが期待され、さらに好ましい。
料の1成分としての酸感応性化合物が、共重合体の形を
とっており、そしてその繰り返し単位が、上記した構造
単位に加えて、アルカリ可溶性基を側鎖に有する繰り返
し単位及び(又は)前記酸発生剤から生じる酸により脱
離可能な追加の保護されたアルカリ可溶性基を側鎖に有
する繰り返し単位を含むことを特徴とするレジスト材料
が提供される。
くは、次式(III )又は(IV)により表される構造単位
を有することができる:
ていてもよく、水素、ハロゲン又は1〜4個の炭素原子
を有するアルキル基を表し、Aは、酸により脱離可能な
保護基を表し、そしてR1 及びZは、それぞれ、前記定
義に同じである。前式(III )の構造単位は、アダマン
タンやノルボルナンなどの脂環式骨格を有していて酸発
生剤から生じる酸により脱離する保護基と、アルカリ可
溶なカルボン酸基とを組み合わせて含ませた例である。
レジストの構造中に酸性の基が存在するので、露光後の
露光部のアルカリ現像液への溶け出しがスムーズにな
る。また、その酸性基の含有量をコントロールすれば、
現在標準化されているアルカリ現像液(2.38%テト
ラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)でも現像可
能である。この場合、カルボン酸を含むユニットのレジ
スト中の含有量は、50モル%未満あるいは5モル%以
上であるのが望ましい。
タンやノルボルナンなどの脂環式骨格を有していて酸発
生剤から生じる酸により脱離する保護基、同じく酸によ
り脱離するけれども通常の保護基(但し、波長193nm
のArFエキシマレーザを用いたリソグラフィを意図し
ているような場合には、保護基中に芳香族環が含まれな
いことが好ましい)、そしてアルカリ可溶なカルボン酸
基を組み合わせて含ませた例である。このようなレジス
ト構造では、脱離が起こらない場合でも、レジストがア
ルカリに溶解可能であるので、露光後の露光部のアルカ
リ現像液への溶け出しがスムーズになるという効果があ
る。
V)中の置換基Rは、メチル基、エチル基、それらのハ
ロゲン化(塩素化、臭素化等)物などであることができ
る。また、酸により脱離可能な保護基Aは、通常の保護
基、例えば、3級炭素基、例えばt−ブチル基、t−ア
ミル基、あるいはβ−オキシケトン基、例えば3−オキ
シシクロヘキシル基、メバロニックラクトン基などを挙
げることができる。また、Zにより完成される脂環式炭
化水素基は、好ましくは、先に一般式で示したような、
アダマンタン及びその誘導体、ノルボルナン及びその誘
導体、パーヒドロアントラセン及びその誘導体、パーヒ
ドロナフタレン及びその誘導体、トリシクロ〔5.2.
1.02,6 〕デカン及びその誘導体、ビシクロヘキサン
及びその誘導体、スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導
体、スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体などであ
る。
場合を参照して本発明において有用である酸感応性重合
体又は共重合体をさらに具体的に説明すると、次の通り
である。酸感応性重合体は、好ましくは、次式(VII )
により表されるメタ(アクリレート)重合体である。
素)、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル基、例
えばメチル基あるいはエチル基、メチロール基などを表
し、Aは、前式(I)の部分に相当し、例えば、保護
基、好ましくはエステル結合位置が環構造の一部であ
り、かつエチル基より大きいアルキル基で置換された脂
環式炭化水素基、好ましくはアダマンチル、ノルボルニ
ル、シクロヘキシル、トリシクロ〔5.2.1.0〕デ
カンなどを含む基を表し、そしてnは任意の正の整数を
表す。
次式(VIII)及び(IX)により表されるメタ(アクリレ
ート)共重合体である。なお、メタ(アクリレート)三
成分共重合体もこれに準じて構成することができる。
れ、前記定義に同じであり、Yは、任意の置換基、好ま
しくは、例えば、アルキル基、例えばt−ブチル基な
ど、エーテル基、例えばフェノキシ基など、脂環式基、
例えばアダマンチル、ノルボルニル、シクロヘキシル、
トリシクロ〔5.2.1.0〕デカンなど、あるいは次
式の基:
ぞれ、水素、置換もしくは非置換のアルキル基又はアル
キレン基、例えばメチル基、エチル基、メチレン基な
ど、その他を表し、そしてBは、任意の置換基、好まし
くは、例えば、カルボキシル基、あるいは次式の基:
素又は置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル
基あるいはエチル基であり、そしてm及びnは、それぞ
れ、任意の正の整数を表す。前記した酸感応性重合体又
は共重合体は、必要に応じて、アルカリ可溶性の重合体
又は共重合体、例えば、ノボラック樹脂、フェノール樹
脂、イミド樹脂、カルボン酸含有樹脂、その他を追加的
に含有していてもよい。
上記したような酸感応性重合体又は共重合体に代えて、
重合せしめられていない低分子の化合物(本願明細書で
は、特に、「非重合化合物」と呼ぶ)を同一の目的に使
用することができる。ここで用いられる非重合化合物
は、前記した通り、保護されたアルカリ可溶性基が酸に
より脱離してアルカリ可溶性となる酸感応性化合物であ
り、その分子中に前式(I)で表される部分を含有する
保護されたアルカリ可溶性基を有しかつ記載の挙動を呈
する限りにおいて特に限定されるものではない。一般的
には、かかる非重合化合物は、脂環式の環骨格、ベンゼ
ン環等の芳香族環の環骨格、アルキル骨格等を有してい
て、それらの骨格の一部が前式(I)で表される部分を
含有する基で置換されているものである。好ましい非重
合化合物の例を一般式で示すと、以下に列挙するものに
限定されるわけではないけれども、次のような化合物を
包含する。なお、下式において、R1 及びZは、それぞ
れ、前記した定義に同じである。
じて、前式(I)で表される部分を含有する基に加え
て、その他の、その保護基が酸により脱離してカルボン
酸等を生じるユニット、例えば、t−ブチルエステル、
t−アミルエステル、α,α−ジメチルベンジルエステ
ル等の3級炭素エステル、テトラヒドロピラニルエステ
ル等のアセタールからなるエステル、3−オキソシクロ
ヘキシルエステル等のβ−オキシケトンからなるエステ
ル、その他を有していてもよい。
は所期のレジスト特性を奏することができないので、ア
ルカリ可溶性の重合体又は共重合体を併用することが必
要である。ここで使用することのできるアルカリ可溶性
の重合体又は共重合体は、以下に記載するものに限定さ
れるわけではないけれども、例えば、ノボラック樹脂、
フェノール樹脂、イミド樹脂、カルボン酸含有樹脂、そ
の他を包含する。なお、非重合化合物とアルカリ可溶性
重合体又は共重合体の混合比は、使用する化合物等の特
性、所望とするレジスト特性、その他のファクターに応
じて広い範囲で変更することができる。
て上記したような酸感応性重合体又は共重合体あるいは
非重合化合物と組み合わせて用いられる酸発生剤は、レ
ジストの化学において一般的に用いられている酸発生
剤、すなわち、紫外線、遠紫外線、真空紫外線、電子
線、X線、レーザ光などの放射線の照射によりプロトン
酸を生じる物質であることができる。本発明の実施にお
いて適当な酸発生剤は、以下に列挙するものに限定され
ないけれども、次のようなものを包含する。 (1)次式により表されるジアゾニウム塩: Ar−N2 + X- (上式において、Arは、置換もしくは非置換の芳香族
基、例えばフェニル基など、又は脂環式基を表し、そし
てXは、ハロゲン、例えばCl、Br、IあるいはF、
BF4 、BF6 、PF6、AsF6 、SbF6 、CF3
SO3 、ClO4 又は有機スルホン酸アニオンなどを表
す)。 (2)次式により表されるヨードニウム塩:
に同じである)。 (3)次式により表されるスルホニウム塩:
びXは、それぞれ、前記定義に同じであり、例えば、R
はメチル基などであり、R1、R2及びR3はフェニル基など
であり、そしてtBuは、t−ブチル基である)。 (4)次式により表されるスルホン酸エステル:
に同じである)。 (5)次式により表されるオキサアゾール誘導体:
り、但し、−CX3 基の1つは置換もしくは非置換のア
リール基又はアルケニル基であってもよい)。 (6)次式により表されるs−トリアジン誘導体:
り、但し、−CX3 基の1つは置換もしくは非置換のア
リール基又はアルケニル基であってもよい)。 (7)次式により表されるジスルホン誘導体: Ar−SO2 −SO2 −Ar (上式において、Arは前記定義に同じである)。
(8)次式により表されるイミド化合物:
る)。 (9)その他、例えばオキシムスルホネート、ジアゾナ
フトキノン、ベンゾイントシレートなど。これらの酸発
生剤は、さらに具体的にいくつかの例を示すと、次のよ
うな化合物である。トリフェニルスルホニウムヘキサフ
ルオロアンチモネート:
ホスフェート:
フェート:
な酸感応性化合物と酸発生剤とから化学増幅型レジスト
を調製する。かかるレジストの調製は、レジストの化学
において一般的に行われている技法を使用して、レジス
ト溶液の形で調製することができる。例えば、レジスト
を構成する酸感応性化合物が上記したような重合体又は
共重合体である場合、その重合体又は共重合体を形成す
るための選ばれた単量体を適当な重合開始剤の存在にお
いて重合せしめ、次いで、得られた重合体又は共重合体
の溶液に酸発生剤を添加してレジスト溶液とすることが
できる。ここで、使用する重合条件及び重合開始剤は、
常用されている広い範囲のもののなかから任意に選択し
て使用することができる。例えば、適当な重合開始剤の
一例として、次のようなものを挙げることができる。 AIBN(アゾイソブチロニトリル):
スブチラート):
応性化合物に添加する酸発生剤の量は、広い範囲にわた
って変更することができ、一般には約1〜30重量%の
範囲、好ましくは約1〜15重量%の範囲である。ま
た、そのようなレジストの溶液の調製に用いる溶媒は、
レジストの種類、塗布条件、その他のファクタに応じて
いろいろに変更し得るというものの、好ましくは、例え
ばシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチル
エーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチルなどの
有機溶媒である。
は、任意のいろいろな工程を経て実施することができる
というものの、好ましくは、次のようにして実施するこ
とができる。最初に、上記のようにして調製した化学増
幅型レジストの溶液を被処理基板上に塗布する。ここで
使用する被処理基板は、半導体装置及びその他の装置に
おいて通常用いられているいかなる基板であってもよ
く、具体的には、シリコン基板等の半導体基板、基板上
に形成された各種の層膜、例えば酸化膜、ポリシリコン
層、窒化膜、アルミニウム配線などをあげることができ
る。これらの基板は、すでに回路が作りこまれていて
も、あるいは作りこまれていなくてもよい。これらの基
板は、場合によっては、レジストとの密着性を向上させ
るために、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)
などのような密着促進剤で前処理しておくことが好まし
い。
ィップコータ、ローラコータなどのような常用の塗布装
置を使用して行うことができる。形成されるレジスト膜
の膜厚は、そのレジスト膜の使途などのファクターに応
じて広く変更し得るというものの、通常約0.3〜2.
0μmの範囲である。次いで、好ましくは、放射線を選
択的に露光する前に、上記工程で形成されたレジスト膜
を約60〜150℃、好ましくは約60〜100℃の温
度で約60〜180秒間にわたってプリベークする。こ
のプリベークには、例えばホットプレートのような加熱
手段を用いることができる。
プコート膜(保護膜)を施すような場合には、例えば、
オレフィン樹脂の溶液をスピンコート法によりレジスト
膜上に塗布し、100℃前後の温度でベーキングを行う
ことによって、トップコート膜とすることができる。レ
ジスト膜の形成及びプリベーク後、そのレジスト膜を常
用の露光装置で放射線に選択露光する。適当な露光装置
は、市販の紫外線(遠紫外線・真空紫外線)露光装置、
X線露光装置、電子ビーム露光装置、エキシマステッ
パ、その他である。露光条件は、その都度、適当な条件
を選択することができる。この選択露光の結果、レジス
ト膜に含まれる酸発生剤から酸が発生せしめられる。
ク(PEB)することによって、酸を触媒とした保護基
の脱離反応を生じさせる。この露光後ベークは、先のプ
リベークと同様にして行うことができる。例えば、ベー
ク温度は約60〜150℃、好ましくは約100〜15
0℃である。なお、トップコート膜を併用している場合
には、この露光後ベークの後であって現像の前、例えば
有機溶剤によってそれを剥離除去する。
スト膜を常法に従って液体現像する。ここで使用する現
像液は、この技術分野で一般的に用いられている現像液
のなかから、適当なものを任意に選択することができ
る。とりわけ好ましい現像液は、現像剤としての、次式
のアンモニウム化合物:
同一もしくは異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子
を有する置換もしくは非置換のアルキル基を表す)、次
式のモルフォリン化合物:
液を含む現像液である。現像剤としてのアンモニウム化
合物の好ましい例は、以下に列挙するものに限定される
わけではないけれども、テトラメチルアンモニウムハイ
ドロキシド(TMAH)、テトラエチルアンモニウムハ
イドロキシド(TEAH)、テトラプロピルアンモニウ
ムハイドロキジド(TPAH)、テトラブチルアンモニ
ウムハイドロキシド(TBAH)、などを包含する。
は、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアル
コール等のアルコールに溶解して現像液となす。溶解す
る現像剤の濃度は、広く変更することができるけれど
も、一般的に約0.1〜15重量%の範囲、好ましくは
約0.1〜10重量%の範囲である。現像時間は、これ
も特に限定されるわけではないけれども、一般的に約1
〜5分間の範囲、好ましくは約1〜3分間の範囲であ
る。現像の結果、レジスト膜の露光域が溶解除去せしめ
られて、所望とするレジストパターンを得ることができ
る。最後に、得られたレジストパターンも常法に従って
純水でリンスし、そして乾燥する。
るように、本発明では、化学増幅型レジスト材料とし
て、その構造中に前式(I)により表される、脂環式基
を有しかつその環骨格が他原子を1個以上経由してエス
テル結合している脱保護基を具えた化合物を用いること
により、脂環式炭化水素基に起因する剛直性を低減し、
安定したパターニング特性を得ることができる。
環式ユニットと脱保護ユニットとからなる化学増幅型レ
ジストにおいて特に著しい効果を奏することが判明して
いるけれども、他のレジストの場合においても満足し得
る効果を奏することができる。なお、特に顕著な効果を
奏するレジストとしては、前記したように、アダマンタ
ン及びその誘導体、ノルボルナン及びその誘導体、トリ
シクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン及びその誘導体な
どの脂環式基を含む樹脂を挙げることができる。
照して説明する。なお、下記の実施例はほんの一例であ
って、これによって本発明が限定されるものではないこ
とを理解されたい。例1 2−ブチル−2−アダマンチルメタクリレートとメバロ
ニックラクトンメタクリレートを1:1の割合で重合容
器に仕込み、3モル/Lの1,4−ジオキサン溶液とし
た。この1,4−ジオキサン溶液に重合開始剤、AIB
N(アゾイソブチロニトリル)を15モル%の量で添加
し、80℃で約9時間にわたって反応させた。反応の完
了後、メタノールを沈殿剤として精製を行った。この結
果、次式により表される2−ブチル−2−アダマンチル
メタクリレート−メバロニックラクトンメタクリレート
共重合体が得られた。
54:46、重量平均分子量(Mw)が7540、そし
て分散度(Mw/Mn)が1.8であった。例2 前記例1において調製した2−ブチル−2−アダマンチ
ルメタクリレート−メバロニックラクトンメタクリレー
ト共重合体に酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウ
ムトリフレート(TPSSO3 CF3 )を共重合体の2
重量%の量で添加し、さらにシクロヘキサノンに溶解し
た。共重合体の含有量が14重量%であるレジスト溶液
が得られた。得られたレジスト溶液を、ヘキサメチルジ
シラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上にス
ピンコートし、100℃のホットプレート上で60秒間
プリベークした。膜厚0.4μm のレジスト膜が得られ
た。
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレ
ート上で60秒間ポストベーク(PEB)した。その
後、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウ
ムハイドロキシド(TMAH)水溶液からなる現像液、
東京応化製のNMD−3、で60秒間現像し、さらに純
水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザ光パター
ンに相当する所望のレジストパターンが得られた。な
お、本例での露光エネルギーの閾値Ethは3mJ/cm2
であり、0.17μmのL&S(ライン・アンド・スペ
ース)パターンが解像できた。例3 (比較例) 前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、比較のため、レジストとして、アダマンチル環の2
−位置に結合したブチル基を有する共重合体に代えて、
同位置にメチル基を有する共重合体(次式により表され
る2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−メバ
ロニックラクトンメタクリレート共重合体)を使用し
た。
のであり、組成比(m:n)が51:49、重量平均分
子量(Mw)が8900である2−メチル−2−アダマ
ンチルメタクリレート−メバロニックラクトンメタクリ
レート共重合体に酸発生剤TPSSO3 CF3 を共重合
体の2重量%の量で添加し、さらにシクロヘキサノンに
溶解した。共重合体の含有量が14重量%であるレジス
ト溶液が得られた。得られたレジスト溶液をHMDSで
前処理したシリコン基板上にスピンコートし、100℃
のホットプレート上で60秒間プリベークした。膜厚
0.4μm のレジスト膜が得られた。
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレ
ート上で60秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を東京応化製のNMD−3で60秒間現像し、さらに
純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザ光パタ
ーンに相当するレジストパターンが得られた。なお、本
例での露光エネルギーの閾値Ethは8mJ/cm 2 であっ
たが、解像力に乏しく、0.20μmのL&S(ライン
・アンド・スペース)パターンが倒れて解像できなかっ
た。例4 本例では、前記例2及び例3(比較例)において、置換
基の僅かな相違(ブチル体とメチル体)にもかかわら
ず、得られるレジストパターンに顕著な相違が現れたの
で、これについて考察した。
重量%に増量した違いを除いて前記例2及び例3に記載
の手法を繰り返し、膜厚0.4μm のレジスト膜を形成
した。得られたレジスト膜をArFエキシマレーザ露光
装置(ニコン社製、NA=0.55)で波長193nmの
ArFレーザ光のパターンに選択露光した。露光エネル
ギーは、レジスト膜の露光量依存性を評価するため、図
1に示すようにいろいろに変更した。露光の完了後、レ
ジスト膜を100℃のホットプレート上で60秒間ポス
トベークした。その後、レジスト膜を東京応化製のNM
D−3で60秒間現像し、さらに純水で30秒間リンス
した。露光に用いたレーザ光パターンに相当するレジス
トパターンが得られた。
ルボン酸生成の露光量依存性を評価するために赤外スペ
クトル分析に供したところ、図1にプロットしたような
赤外吸収スペクトル図が得られた。図示されるように、
露光量が増加するにつれて−COOHのピークも増大
し、露光量がある程度まで増加したところで飽和状態と
なっている。しかし、ピークの立ち上がりは、ブチル体
(例2、本発明例)のほうがメチル体(例3、比較例)
に比較して急峻である。このような結果から考察する
に、ブチル体のほうがカルボン酸脱離のコントラストが
高くなっているので、感度の向上、露光マージンの向
上、環境耐性の向上などの効果が導かれるのである。例5 前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、前記例1に記載の手法に従って調製したものであっ
て、次式により表され、組成比(m:n)が53:4
7、重量平均分子量(Mw)が9200、そして分散度
(Mw/Mn)が2.0である2−エチル−2−アダマ
ンチルメタクリレート−メバロニックラクトンメタクリ
レート共重合体を使用した。
ート−メバロニックラクトンメタクリレート共重合体に
酸発生剤TPSSO3 CF3 を共重合体の2重量%の量
で添加し、さらにシクロヘキサノンに溶解した。共重合
体の含有量が14重量%であるレジスト溶液が得られ
た。得られたレジスト溶液をHMDSで前処理したシリ
コン基板上にスピンコートし、100℃のホットプレー
ト上で60秒間プリベークした。膜厚0.4μm のレジ
スト膜が得られた。
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレ
ート上で60秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を東京応化製のNMD−3で60秒間現像し、さらに
純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザ光パタ
ーンに相当する所望のレジストパターンが得られた。な
お、本例での露光エネルギーの閾値Ethは4mJ/cm2
であり、0.18μmのL&S(ライン・アンド・スペ
ース)パターンが解像できた。例6 前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、前記例1に記載の手法に従って調製したものであっ
て、次式により表され、組成比(m:n)が65:3
5、重量平均分子量(Mw)が3900、そして分散度
(Mw/Mn)が2.5である2−ブチル−2−アダマ
ンチルメタクリレート−メタクリル酸共重合体を使用し
た。
ート−メタクリル酸共重合体に酸発生剤TPSSO3 C
F3 を共重合体の2重量%の量で添加し、さらにシクロ
ヘキサノンに溶解した。共重合体の含有量が14重量%
であるレジスト溶液が得られた。得られたレジスト溶液
をHMDSで前処理したシリコン基板上にスピンコート
し、100℃のホットプレート上で60秒間プリベーク
した。膜厚0.4μmのレジスト膜が得られた。
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を130℃のホットプレ
ート上で60秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を東京応化製のNMD−3の20倍希釈液で60秒間
現像し、さらに純水で30秒間リンスした。露光に用い
たレーザ光パターンに相当する所望のレジストパターン
が得られた。なお、本例での露光エネルギーの閾値Et
hは2mJ/cm2 であり、0.17μmのL&S(ライン
・アンド・スペース)パターンが解像できた。例7 前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、前記例1に記載の手法に従って調製したものであっ
て、次式により表され、組成比(m:n)が58:4
2、重量平均分子量(Mw)が6500、そして分散度
(Mw/Mn)が1.8である2−ブチル−2−アダマ
ンチルメタクリレート−無水イタコン酸共重合体を使用
した。
ート−無水イタコン酸共重合体に酸発生剤TPSSO3
CF3 を共重合体の2重量%の量で添加し、さらにシク
ロヘキサノンに溶解した。共重合体の含有量が14重量
%であるレジスト溶液が得られた。得られたレジスト溶
液をHMDSで前処理したシリコン基板上にスピンコー
トし、100℃のホットプレート上で60秒間プリベー
クした。膜厚0.4μm のレジスト膜が得られた。
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレ
ート上で60秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を東京応化製のNMD−3で60秒間現像し、さらに
純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザ光パタ
ーンに相当する所望のレジストパターンが得られた。な
お、本例での露光エネルギーの閾値Ethは5mJ/cm2
であり、0.20μmのL&S(ライン・アンド・スペ
ース)パターンが解像できた。例8 (比較例) 前記例7に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、比較のため、レジストとして、アダマンチル環の2
−位置に結合したブチル基を有する共重合体に代えて、
同位置にメチル基を有する共重合体(次式により表され
る2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−無水
イタコン酸共重合体)を使用した。
のであり、組成比(m:n)が55:45、重量平均分
子量(Mw)が8500、そして分散度(Mw/Mn)
が1.9である2−メチル−2−アダマンチルメタクリ
レート−無水イタコン酸共重合体に酸発生剤TPSSO
3 CF3 を共重合体の2重量%の量で添加し、さらにシ
クロヘキサノンに溶解した。共重合体の含有量が14重
量%であるレジスト溶液が得られた。得られたレジスト
溶液をHMDSで前処理したシリコン基板上にスピンコ
ートし、100℃のホットプレート上で60秒間プリベ
ークした。膜厚0.4μm のレジスト膜が得られた。
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレ
ート上で60秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を東京応化製のNMD−3で60秒間現像したとこ
ろ、シリコン基板上のレジスト膜が現像液によって溶解
除去されてしまい、レジストパターンを形成するに至ら
なかった。なお、本例での露光エネルギーの閾値Eth
は15mJ/cm2 であり、かなりの低感度であった。例9 前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、現像液として、東京応化製のNMD−3に代えて、
0.27Nのテトラブチルアンモニウムハイドロキシド
(TBAH)水溶液からなる現像液を使用した。露光に
用いたレーザ光パターンに相当する所望のレジストパタ
ーンが得られた。なお、本例での露光エネルギーの閾値
Ethは5mJ/cm2 であり、0.16μmのL&S(ラ
イン・アンド・スペース)パターンが解像できた。例10 前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、前記例1に記載の手法に従って調製したものであっ
て、次式により表され、組成比(l:m:n)が58:
22:20、重量平均分子量(Mw)が12000、そ
して分散度(Mw/Mn)が2.6である2−ブチル−
2−アダマンチルメタクリレート−t−ブチルメタクリ
レート−メタクリル酸三元共重合体を使用した。
ート−t−ブチルメタクリレート−メタクリル酸三元共
重合体に酸発生剤TPSSO3 CF3 を共重合体の2重
量%の量で添加し、さらにシクロヘキサノンに溶解し
た。共重合体の含有量が14重量%であるレジスト溶液
が得られた。得られたレジスト溶液をHMDSで前処理
したシリコン基板上にスピンコートし、100℃のホッ
トプレート上で60秒間プリベークした。膜厚0.4μ
m のレジスト膜が得られた。
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレ
ート上で60秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を東京応化製のNMD−3の10倍希釈液で60秒間
現像し、さらに純水で30秒間リンスした。露光に用い
たレーザ光パターンに相当する所望のレジストパターン
が得られた。なお、本例での露光エネルギーの閾値Et
hは3mJ/cm2 であり、0.18μmのL&S(ライン
・アンド・スペース)パターンが解像できた。例11 (比較例) 前記例10に記載の手法を繰り返した。しかし、本例で
は、比較のため、レジストとして、アダマンチル環の2
−位置に結合したブチル基を有する共重合体に代えて、
同位置にメチル基を有する共重合体(次式により表され
る2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート−t−
ブチルメタクリレート−メタクリル酸三元共重合体)を
使用した。
のであり、組成比(l:m:n)が55:27:20、
重量平均分子量(Mw)が16000、そして分散度
(Mw/Mn)が1.6である2−メチル−2−アダマ
ンチルメタクリレート−t−ブチルメタクリレート−メ
タクリル酸三元共重合体に酸発生剤TPSSO3 CF3
を共重合体の2重量%の量で添加し、さらにシクロヘキ
サノンに溶解した。共重合体の含有量が14重量%であ
るレジスト溶液が得られた。得られたレジスト溶液をH
MDSで前処理したシリコン基板上にスピンコートし、
100℃のホットプレート上で60秒間プリベークし
た。膜厚0.4μm のレジスト膜が得られた。
シマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で
波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光し
た。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレ
ート上で60秒間ポストベークした。その後、レジスト
膜を東京応化製のNMD−3の10倍希釈液で60秒間
現像した。露光に用いたレーザ光パターンに相当するレ
ジストパターンが得られた。なお、本例での露光エネル
ギーの閾値Ethは4mJ/cm2 であったが、解像力に乏
しく、0.19μm以下のL&S(ライン・アンド・ス
ペース)パターンではパターンの倒れや折れが目立っ
た。
れる部分を有する化学増幅型レジストを使用することに
より、ArFリソグラフィに要求される高感度(5mJ
/cm2以下)と安定したパターニング特性を得ることが
できる。本発明によれば、その他の効果も得ることがで
きる。例えば、かかるレジストと組み合わせて特定のア
ンモニウム化合物又はモルフォリン化合物の水溶液又は
アルコール溶液を現像液として使用することにより、レ
ジスト樹脂とのなじみやすさ、溶解度をコントロールし
て、現像時に発生するストレスを緩和することにより、
レジストパターンの剥離やクラックの発生を低減するこ
とができる。さらに、露光マージンが広くなり、安定し
た微細レジストパターンを形成することもできる。
示した赤外吸収スペクトル図である。
Claims (9)
- 【請求項1】 次式(I)により表されるドライエッチ
ング耐性をもった脂環式炭化水素基含有部分: 【化1】 (上式において、R1は、メチル基又はエチル基を表
し、そしてZは、記載の炭素原子とともに、下記の群: (1)アダマンタン及びその誘導体 (2)ノルボルナン及びその誘導体 (3)パーヒドロアントラセン及びその誘導体 (4)パーヒドロナフタレン及びその誘導体 (5)トリシクロ〔5.2.1.0 2,6 〕デカン及びそ
の誘導体 (6)ビシクロヘキサン及びその誘導体 (7)スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導体 (8)スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体 から選ばれる 脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複
数個の原子を表す)で保護されたアルカリ可溶性基を有
しかつ前記脂環式炭化水素基含有部分が酸により脱離し
て当該化合物をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を
含む酸感応性化合物と、放射線露光により酸を発生する
酸発生剤とを含んでなることを特徴とする化学増幅型レ
ジスト材料。 - 【請求項2】 前記アルカリ可溶性基が、カルボン酸
基、スルホン酸基、アミド基、イミド基及びフェノール
基からなる群から選ばれた一員であることを特徴とす
る、請求項1に記載のレジスト材料。 - 【請求項3】 前記保護されたアルカリ可溶性基が、次
式(II)により表されるカルボン酸基: 【化2】 (式中、R1及びZは、それぞれ、前記定義に同じであ
る)であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の
レジスト材料。 - 【請求項4】 前記酸感応性化合物が、前記構造単位を
繰り返し単位として含む重合体又は共重合体であること
を特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレ
ジスト材料。 - 【請求項5】 前記重合体又は共重合体の繰り返し単位
が、アクリル酸エステル及びその誘導体、イタコン酸エ
ステル及びその誘導体、フマル酸エステル及びその誘導
体ならびにスチレン置換体及びその誘導体からなる群か
ら選ばれる一員であることを特徴とする、請求項4に記
載のレジスト材料。 - 【請求項6】 前記酸感応性化合物が、前記構造単位を
繰り返し単位として含む共重合体であり、該共重合体の
残りの繰り返し単位が、アルカリ可溶性基を側鎖に有す
る繰り返し単位及び(又は)前記酸発生剤から生じる酸
により脱離可能な追加の保護されたアルカリ可溶性基を
側鎖に有する繰り返し単位を含むことを特徴とする、請
求項4に記載のレジスト材料。 - 【請求項7】 前記共重合体が、次式(III )又は(I
V)により表される構造単位: 【化3】 【化4】 (上式において、Rは、同一もしくは異なっていてもよ
く、水素、ハロゲン又は1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基を表し、 Aは、酸により脱離可能な保護基を表し、そしてR1及
びZは、それぞれ、前記定義に同じである)を含むこと
を特徴とする、請求項6に記載のレジスト材料。 - 【請求項8】 前記酸感応性化合物が重合せしめられて
いない低分子の化合物であり、アルカリ可溶性の重合体
又は共重合体がこの化合物に併用されることを特徴とす
る、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレジスト材
料。 - 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の化
学増幅型レジスト材料を被処理基板上に塗布し、 前記被処理基板上のレジスト膜を前記酸発生剤からの酸
の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光し、そして露
光後のレジスト膜のポストベーク後、前記露光工程にお
いて形成された潜像を現像すること、 を含んでなることを特徴とするレジストパターンの形成
方法。
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