JP3770694B2 - レジスト材料及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

レジスト材料及びレジストパターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レジスト材料に関し、さらに詳しく述べると、高解像性、高感度、そして優れた環境耐性を有する化学増幅型レジスト材料に関する。本発明は、また、かかる新規なレジスト材料を使用したレジストパターンの形成方法に関する。本発明によるレジスト材料は、レジストパターンの環境耐性を向上させるのに特に有効であるので、半導体集積回路等の半導体装置の製造に有利に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路は集積化が進んでLSIやVLSIが実用化されており、また、これとともに、集積回路の最小パターンはサブミクロン領域に及び、更に微細化する傾向にある。微細パターンの形成には、薄膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、選択露光を行って所望のパターンの潜像を形成した後に現像してレジストパターンを作り、これをマスクとしてドライエッチングを行い、その後にレジストを除去することにより所望のパターンを得るリソグラフィ技術の使用が必須である。そして、このリソグラフィに使用する露光源として、g線(波長436nm) 、i線(波長365nm)の紫外線光が使用されているが、パターンの微細化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空紫外光、電子線(EB)、X線などが光源として使用されるようになっている。特に最近では、エキシマレーザ(波長248nmのKrFレーザ、波長193nmのArFレーザ)が光源として注目されており、微細パターンの形成に有効であると期待されている。なお、本願明細書では、「放射線」なる語を用いた場合、これらのさまざまの光源からの光、すなわち、紫外線、遠紫外線、真空紫外光、電子線、X線、各種レーザ光等を意味するものとする。
【0003】
より短波長である遠紫外・真空紫外領域の露光光を用いてサブミクロンのパターンを形成するには、用いられるレジストが十分な感度を有していること、換言すると、露光光の波長において透明性に優れていることが要求される。IBM社の伊藤らは、このような要求を満足させるものとして、保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離して当該樹脂をアルカリ可溶性を呈示しうる酸感応性樹脂と露光により酸を発生する酸発生剤とを含む化学増幅型レジストを提案した(特公平2−27660号公報を参照されたい)。化学増幅型レジストは、高解像性及び高感度を同時にかつ容易に達成することができるので、実用化されつつある。しかしながら、本質的な問題として、このような化学増幅型レジストを使用した場合には、露光の結果として酸発生剤から酸が発生せしめられるわけであるが、その酸が、大気中に含まれる弱塩基成分による汚染に原因して失活せしめられ、引き続くパターン形成に悪影響を及ぼすという問題がある。実際、大気中の弱塩基成分を制御した環境下で露光−露光後ベーク処理を行うか、あるいは極性を有しないカバーコートでレジスト表面を覆うなどして酸の失活を防止しないと、露光による酸の発生から露光後ベークによる酸と保護基の脱離反応までの時間が長くなるとともに、レジスト表面に現像液に不溶な層、いわゆる表面不溶化層が生成してしまい、レジストパターンを形成することができなくなるという問題が発生する。したがって、化学増幅型レジストの分野では、大気中に含まれる弱塩基成分による汚染に対する耐性、すなわち、環境耐性を向上せしめることも重要な課題となっている。
【0004】
もちろん、かかる環境耐性の向上の課題を解決する試みもなされている。例えば、化学増幅型レジストに対して塩基性の化合物を添加することが効果的であるということが報告されている(Y.Kawaiら,Digest Papersof Micro Process Conf.’94,p202を参照されたい)。しかしながら、塩基性化合物を添加した場合には、化学増幅型レジストの特長のひとつである高感度化が抑えられ、むしろ感度の低下が引き起こされるという問題がある。この感度の低下は、特に高感度が要求されているArFリソグラフィにおいて大きな問題となっている。なぜならば、ArFリソグラフィの場合、ArFレーザの照射光学系に合成石英からなるレンズを使用しているが、このレンズが、レーザ照射により劣化せしめられるからであり、レンズ寿命の観点からも、より少ない露光量でのパターニングが望ましいからである。
【0005】
ところで、本発明者らは、すでに多くの化学増幅型レジストを提案してきた。例えば、特開平7−234511号公報では、メタクリル酸アダマンチルモノマーとアクリル酸t−ブチルモノマーとを1:1で仕込み、重合開始剤としてAIBNを添加して重合して得られた共重合体を使用することを特徴とする、優れた透明性及びエッチング耐性のみならず、高感度で、剥がれの少ないレジストパターンの形成方法を提案している。また、特開平9−73173号公報では、レジストを構成する酸感応性化合物のエステル部に脱離能を有する脂環式炭化水素基含有部分を導入して感度を含む高性能化を計った化学増幅型レジストを提案している。さらに、平成8年11月29日出願の特願平8−320105号に最初に添付された明細書に記載されるように、脂環式炭化水素基含有部分として特定の構造のものを採用することにより、さらなる高感度化を図ることができるということも見い出している。このような特性的に優れた化学増幅型レジストにおいても、それらの奏する高解像性、高感度などの諸特性を維持したまま、優れた環境耐性をあわせて具現することが望ましい。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、したがって、高解像性と高解像度を同時に可能とするとともに、環境耐性、なかんずく大気中に含まれる弱塩基成分による悪影響に対する耐性に優れた化学増幅型レジストを提供することにある。
本発明のもう1つの目的は、そのような化学増幅型レジストを使用した、改良されたレジストパターンの形成方法を提供することにある。
【0007】
本発明の上記した目的及びそれ以外の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1つの面において、脂環式炭化水素基を含有する保護基により保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性化合物と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含む化学増幅型レジスト材料において、ニトリル化合物をさらに含んでなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料を提供する。
【0009】
本発明は、そのもう1つの面において、本発明による化学増幅型レジスト材料を被処理基板上に塗布し、
前記被処理基板上のレジスト膜を前記酸発生剤からの酸の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光し、そして
露光後のレジスト膜のポストベーク後、前記露光工程において形成された潜像を現像すること、
を含んでなることを特徴とするレジストパターンの形成方法を提供する。
【0010】
本発明は、化学増幅型レジスト材料において、塩基性化合物に代えてニトリル化合物を添加することにより、化学増幅型レジスト材料の奏する高感度を維持したまま、環境耐性をあわせて向上させるものである。また、ニトリル化合物の添加量は、使用するレジスト重合体の種類などによって変動するというものの、通常、形成されるレジスト膜単位体積当たりのニトリル基の濃度で表して、1×10-6モル/cm3 以上であることが好ましい。ニトリル基の濃度が1×10-6モル/cm3 を下回ると、他の化学増幅型レジストと同様、満足し得る環境耐性を得ることができないであろう。さらに、ここで使用するニトリル化合物は、ArFリソグラフィにおける強い吸収を回避するため、その分子中に芳香族環を有しないことが好ましく、また、これによって、使用するニトリル化合物の量にも自由度が出てくる。
【0011】
また、本発明による化学増幅型レジスト材料においては、ニトリル化合物、特に低分子量のニトリル化合物の添加を通じてニトリル基を導入するのが一般的であるけれども、必要に応じてより高分子量のニトリル化合物、すなわち、ニトリル重合体又は共重合体を添加してもよい。さらに加えて、本発明の化学増幅型レジスト材料では、化学増幅型レジスト重合体又は共重合体の構成に本来用いられている単量体に対して別のニトリル基を含む重合性単量体を共重合させて新たなレジスト共重合体を構成してよく、あるいはレジスト重合体又は共重合体の末端にニトリル構造を持たせてもよい。
【0012】
したがって、本発明は、そのもう1つの面において、次式により表される、保護基により保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離して当該共重合体をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性共重合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含んでなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料を提供する。
【0013】
【化1】
Figure 0003770694
【0014】
上式において、Rは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、例えば置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等、あるいはハロゲン化炭化水素基を表し、そしてR2 はRと同様に炭化水素基を表す。なお、炭化水素基は、直鎖状あるいは分岐鎖状のいずれかであってもよく、さもなければ環状であってもよい。Zは、記載の炭素原子とともに脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複数個の原子を表す。NTは、最低1個のニトリル基−CNを含む繰り返し単位を表す。m及びnは、それぞれ、酸感応性共重合体において必要な分子量、通常約1,000〜500,000を得るのに必要な繰り返し単位の数である。かかる酸感応性共重合体は、特にアルカリ可溶性の低下を防止することを目的とした場合、2成分共重合体よりも3成分あるいは場合により4成分共重合体の形で使用したほうがより有利である。
【0015】
なお、本発明者らは、先に参照した特開平7−234511号公報や特開平9−73173号公報のなかで、酸感応性共重合体の1繰り返し単位としてアクリロニトリルの使用可能性についても触れているが、この段階ではまだ、密着性の改良、あるいは高感度やクラック発生の防止の効果のみを知り得たに過ぎず、ニトリル基を含む単量体が化学増幅型レジスト材料を構成するレジスト共重合体において環境耐性の向上に大きく寄与し得るということが発見できたことは、本発明者らにとっても驚くべき事実である。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の実施において、化学増幅型レジスト材料の主たる1成分として用いられる、保護基により保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性化合物は、その化合物が、得られるレジスト材料において高解像性、高感度等を含めた諸特性を奏し得る限りにおいて、特に限定されるものではない。有利に使用することのできる酸感応性化合物は、例えば、先に参照した特開平9−73173号や特願平8−320105号の明細書に記載の酸感応性化合物である。
【0017】
さらに具体的に説明すると、本発明の実施に有利に使用することのできる酸感応性化合物は、次式(I)により表される脂環式炭化水素基含有部分で保護されたアルカリ可溶性基を有しかつ前記アルカリ可溶性基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を含む酸感応性化合物である。
【0018】
【化2】
Figure 0003770694
【0019】
上式(I)において、R1 は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等のアルキル基を表し、また、このR1 基は、所期の高感度化を達成するのに有効である。なお、このR1 基は、必要に応じて、置換もしくは非置換のいずれであってもよく、必要に応じて、アルキル基以外の基や原子であってもよい。また、Zは、記載の炭素原子とともに脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複数個の原子を表す。
【0020】
本発明によるレジスト材料において、その主たる1成分である酸感応性化合物の構造単位中に含まれるべきアルカリ可溶性基は、好ましくは、カルボン酸基、スルホン酸基、アミド基、イミド基又はフェノール基であり、さらに好ましくはカルボン酸基である。
また、本発明のレジスト材料では、上記のようなアルカリ可溶性基が脂環式炭化水素基含有部分によって保護されている。かかる保護されたアルカリ可溶性基は、好ましくは、次式(II)により表されるカルボン酸:
【0021】
【化3】
Figure 0003770694
【0022】
(式中、R1 及びZは、それぞれ、前記定義に同じである)である。
また、前記アルカリ可溶性基中に含まれる脂環式炭化水素基は、化学の分野で公知のいろいろな基を包含し、また、それらの基は必要に応じて置換されていてもよいというものの、好ましくは、以下に詳しく説明するように、複数個の環構造を有するかもしくは縮合環を有している。前記脂環式炭化水素基は、特に好ましくは、アダマンタン又はその誘導体である。
【0023】
本発明において用いられる、併用される酸発生剤から発生せしめられた酸に対して感応性を有する酸感応性化合物は、記載の条件を満たす限りにおいて、低分子量の化合物から高分子量の化合物まで、広範な化合物を包含し、また、これらの酸感応性化合物は、単独で使用してもよく、さもなければ、2種類もしくはそれ以上の化合物を混合して使用してもよい。かかる酸感応性化合物は、大きく分けて、前記構造単位を繰り返し単位として含む重合体又は共重合体、そして低分子量の非重合化合物である。かかる酸感応性化合物は、それが重合体又は共重合体の形をとる場合、低分子量から高分子量までの広い範囲の分子量を有することができ、また、好ましくは、アクリル酸エステル及びその誘導体、イタコン酸エステル及びその誘導体、フマル酸エステル及びその誘導体ならびにスチレン置換体及びその誘導体からなる群から選ばれる繰り返し単位を単独もしくは組み合わせて有している。また、前記酸感応性化合物が非重合化合物の形をとる場合には、所期のレジスト特性を得るため、その化合物と組み合わせて任意のアルカリ可溶性の重合体又は共重合体を使用することが必要である。
【0024】
本発明者らは、今までの化学増幅型レジスト材料についての一連の研究のなかで、
(1)化学増幅型レジスト材料において、もしもその構造中に脂環式炭化水素基が含まれているとすると、その強い疎水性のため、そのレジスト材料を露光後にアルカリ水溶液で現像する段階で、露光部のアルカリ水溶液への溶解が抑止されるので、レジスト構造中に含めるべき脱保護基(保護されたアルカリ可溶性基であって、酸によりレジスト構造から脱離可能な基)として、脂環式基を有するものを用いて、露光及びPEB(ポストベーク;Post Exposure Baking)により脱離させ、露光部より脂環式基を除去することが好ましいということ、
(2)容易に脱離反応を生ぜしめるため、レジスト構造中に含まれる脱保護基の一部分に、脂環式基を有しかつその環骨格を構成する炭素原子の1個が適当な低級アルキル基で置換された部分を導入することが有効であること、そして
(3)ArFリソグラフィにおいて要求される十分に高い感度を得るため、レジスト構造中に含まれる脱保護基の一部分として−R1 (式中、R1 はメチル基、エチル基、プロピル基又はイソプロピル基である)に限定することが高感度化に有効であること
を見い出した。
【0025】
すなわち、前式(I)により表される脂環式炭化水素基含有部分で保護されたアルカリ可溶性基を有するレジスト材料は、露光により発生したプロトン酸を触媒として脱離反応を生じ、カルボン酸あるいはその類似物を生成するとともに、露光部の脂環式基の部分が除去される。このため、レジスト材料の露光部では、脂環式基による溶解禁止効果がなくなり、アルカリ水溶液に容易に溶解可能となる。結果として、レジスト材料の現像がスムーズに進行し、所期の安定したパターニング特性を得ることができる。そして、この脂環式炭化水素基含有部分から構成される保護基の一部に、特定の基であるところの−R1 を導入することによって、感度の顕著な向上を図ることができ、最終的には、ArFリソグラフィに要求される高感度を達成することができる。
【0026】
本発明による化学増幅型レジストは、上記した通り、保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離してアルカリ可溶性となる酸感応性化合物、好ましくは、重合体又は共重合体(ここで、「共重合体」とは、三成分もしくはそれよりも多成分の共重合体も含む)あるいは非重合化合物と、酸発生剤と、ニトリル化合物とを組み合わせて有する化学増幅型レジストである。以下、かかる化学増幅型レジストとその調製、そしてそれを用いたレジストパターンの形成をそれらの好ましい態様を参照して詳細に説明する。なお、本発明は、以下に記載する態様にのみ限定されるものではないことを理解されたい。
【0027】
本発明による化学増幅型レジストにおいて、その主たる1成分である酸感応性化合物の構造単位中に含まれる保護されたアルカリ可溶性基は、好ましくは、カルボン酸基、スルホン酸基、アミド基、イミド基及びフェノール基からなる群から選ばれる一員であり、さらに好ましくは、前式(II)により表されるカルボン酸、次式(V)により表されるイミド基、そして次式(VI)により表されるフェノール基である。
【0028】
【化4】
Figure 0003770694
【0029】
【化5】
Figure 0003770694
【0030】
(式中、R1 及びZは、それぞれ、前記定義に同じである)。
例えば、保護されたアルカリ可溶性基としてのカルボン酸基は、酸によりその保護基が脱離してカルボン酸を生じるユニットであり、例えば、t−ブチルエステル、t−アミルエステル、α,α−ジメチルベンジルエステル等の3級炭素エステル、テトラヒドロピラニルエステル等のアセタールからなるエステル、3−オキシシクロヘキシルエステル等のβ−オキシケトンからなるエステル、ラクトン環を含むエステル、その他をあげることができる。
【0031】
また、本発明の化学増幅型レジストにおいて用いられる酸感応性化合物は、好ましくは、トリアルキルカルビノールから形成されるエステル、アセタールから形成されるエステル、β−オキシケトンから形成されるエステル、α−オキシアルケンあるいはα−オキシシクロアルケンから形成されるエステル、ラクトン環を含むエステル、その他をその構造単位中に含むことができる。
【0032】
また、前記アルカリ可溶性基中に含まれる脂環式炭化水素基は、化学増幅型レジストの分野で公知のいろいろな基を包含する。適当な脂環式炭化水素基は、その一例を示すと、次のような化合物を骨格とするものである。
(1)アダマンタン及びその誘導体
(2)ノルボルナン及びその誘導体
(3)パーヒドロアントラセン及びその誘導体
(4)パーヒドロナフタレン及びその誘導体
(5)トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン及びその誘導体
(6)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ビシクロヘキサン及びその誘導体
(7)スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導体
(8)スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体
これらの化合物は、それぞれ、次のような構造式で表される:
【0033】
【化6】
Figure 0003770694
【0034】
なお、上式において、(6)は、ビシクロヘキサンの例である。
本発明の実施に当たって、脂環式炭化水素基としては、上記したように複数個の環構造を有するかもしくは縮合環を有しているものが好ましく、単環であるシクロヘキシル基等では十分なドライエッチング耐性を得ることができない。また、これらの化合物のうちで、従来のノボラック系レジストと同等かもしくはそれ以上のドライエッチング耐性を得るには、アダマンタン等の縮合環が、特に好ましい。
【0035】
本発明による化学増幅型レジストおいて、それに含まれる酸感応性化合物は、好ましくは、重合体又は共重合体の形をとることができる。ここで用いられる酸感応性重合体又は共重合体は、多種多様なもののなかから任意に選択して使用することができる。このような酸感応性重合体又は共重合体は、以下に列挙するものに限定されるものではないけれども、好ましくは、アクリル酸エステル及びその誘導体、イタコン酸エステル及びその誘導体、フマル酸エステル及びその誘導体ならびにスチレン置換体及びその誘導体からなる群から選ばれる繰り返し単位(構造単位)を単独もしくは組み合わせて有するものである。それというのも、これらの繰り返し単位は、重合体又は共重合体の調製及びその塗布性の面で、その他の考えられる重合体又は共重合体よりも有利であるからである。
【0036】
また、酸感応性共重合体は、必要に応じて、上記したような繰り返し単位に組み合わせて、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、その他の繰り返し単位、例えば、オレフィン、ジエン又はこれらの誘導体を用いて調製してもよい。
本発明の酸感応性重合体又は共重合体において、満足すべき密着性を得るためには、強い極性を有する繰り返し単位を使用することが好ましい。特に、かかる重合体又は共重合体は、必須の構成要素であるところのアルカリ可溶性基を有することに加えて、自体アルカリ可溶性である繰り返し単位を有していれば、アルカリ可溶性基に由来する少量のカルボン酸等の生成で現像可能となることが期待され、さらに好ましい。
【0037】
本発明によれば、したがって、レジスト材料の1成分としての酸感応性化合物が、共重合体の形をとっており、そしてその繰り返し単位が、上記した構造単位に加えて、アルカリ可溶性基を側鎖に有する繰り返し単位及び(又は)前記酸発生剤から生じる酸により脱離可能な追加の保護されたアルカリ可溶性基を側鎖に有する繰り返し単位を含む酸感応性共重合体を有利に使用することができる。
【0038】
本発明で用いられる酸感応性共重合体は、好ましくは、次式(III )又は(IV)により表される構造単位を有することができる:
【0039】
【化7】
Figure 0003770694
【0040】
【化8】
Figure 0003770694
【0041】
上式において、R、R1 及びZは、それぞれ、前記定義に同じであり、例えばRは水素原子、ハロゲン原子又はメチル基、エチル基などの低級アルキル基を表し、
Aは、酸により脱離可能な保護基を表し、そして
m、n及びoは、それぞれ、任意の正の整数を表す。
【0042】
前式(III )の構造単位は、アダマンタンやノルボルナンなどの脂環式骨格を有していて酸発生剤から生じる酸により脱離する保護基と、アルカリ可溶なカルボン酸基とを組み合わせて含ませた例である。レジストの構造中に酸性の基が存在するので、露光後の露光部のアルカリ現像液への溶け出しがスムーズになる。また、その酸性基の含有量をコントロールすれば、現在標準化されているアルカリ現像液(2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液)でも現像可能である。この場合、カルボン酸を含むユニットのレジスト中の含有量は、50モル%未満あるいは5モル%以上であるのが望ましい。
【0043】
また、前式(IV)の構造単位は、アダマンタンやノルボルナンなどの脂環式骨格を有していて酸発生剤から生じる酸により脱離する保護基、同じく酸により脱離するけれども通常の保護基(但し、波長193nmのArFエキシマレーザを用いたリソグラフィを意図しているような場合には、保護基中に芳香族環が含まれないことが好ましい)、そしてアルカリ可溶なカルボン酸基を組み合わせて含ませた例である。このようなレジスト構造では、脱離が起こらない場合でも、レジストがアルカリに溶解可能であるので、露光後の露光部のアルカリ現像液への溶け出しがスムーズになるという効果がある。
【0044】
ところで、前記した次式(III )又は(IV)中の置換基Rは、メチル基、エチル基、それらのハロゲン化物(塩素化物、臭素化物等)などであることができる。また、酸により脱離可能な保護基Aは、通常の保護基、例えば、3級炭素基、例えばt−ブチル基、t−アミル基、あるいはβ−オキシケトン基、例えば3−オキシシクロヘキシル基、メバロニックラクトン基などを挙げることができる。また、Zにより完成される脂環式炭化水素基は、好ましくは、先に一般式で示したような、アダマンタン及びその誘導体、ノルボルナン及びその誘導体、パーヒドロアントラセン及びその誘導体、パーヒドロナフタレン及びその誘導体、トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン及びその誘導体、ビシクロヘキサン及びその誘導体、スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導体、スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体などである。
【0045】
特にアルカリ可溶性基がカルボン酸である場合を参照して本発明において有用である酸感応性重合体又は共重合体をさらに具体的に説明すると、次の通りである。
酸感応性重合体は、好ましくは、次式(VII )により表される(メタ)アクリレート重合体である。
【0046】
【化9】
Figure 0003770694
【0047】
上式において、
I は、プロトン(水素)、ハロゲン、置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル基あるいはエチル基、メチロール基などを表し、
Aは、前式(I)の部分に相当し、例えば、保護基、好ましくはエステル結合位置が環構造の一部であり、かつエチル基より大きいアルキル基で置換された脂環式炭化水素基、好ましくはアダマンチル、ノルボルニル、シクロヘキシル、トリシクロ〔5.2.1.0〕デカンなどを含む基を表し、そして
nは任意の正の整数を表す。
【0048】
また、酸感応性共重合体は、好ましくは、次式(VIII)及び(IX)により表される(メタ)アクリレート共重合体である。なお、(メタ)アクリレート三成分共重合体もこれに準じて構成することができる。
【0049】
【化10】
Figure 0003770694
【0050】
【化11】
Figure 0003770694
【0051】
上式において、
I 、A及びnは、それぞれ、前記定義に同じであり、
Yは、任意の置換基、好ましくは、例えば、アルキル基、例えばt−ブチル基など、エーテル基、例えばフェノキシ基など、脂環式基、例えばアダマンチル、ノルボルニル、シクロヘキシル、トリシクロ〔5.2.1.0〕デカンなど、あるいは次式の基:
【0052】
【化12】
Figure 0003770694
【0053】
などを表し、式中、R1、R2及びR3は、それぞれ、水素、置換もしくは非置換のアルキル基又はアルキレン基、例えばメチル基、エチル基、メチレン基など、その他を表し、そして
Bは、任意の置換基、好ましくは、例えば、カルボキシル基、あるいは次式の基:
【0054】
【化13】
Figure 0003770694
【0055】
などを表し、式中、置換基D中のR4は、水素又は置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル基あるいはエチル基であり、そして
m及びnは、それぞれ、任意の正の整数を表す。
前記した酸感応性重合体又は共重合体は、必要に応じて、アルカリ可溶性の重合体又は共重合体、例えば、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、カルボン酸含有樹脂、その他を追加的に含有していてもよい。
【0056】
さらにまた、本発明の実施に当たっては、上記したような酸感応性重合体又は共重合体に代えて、重合せしめられていない低分子の化合物(本願明細書では、特に、「非重合化合物」と呼ぶ)を同一の目的に使用することができる。ここで用いられる非重合化合物は、前記した通り、保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離してアルカリ可溶性となる酸感応性化合物であり、その分子中に前式(I)で表される部分を含有する保護されたアルカリ可溶性基を有しかつ記載の挙動を呈する限りにおいて特に限定されるものではない。一般的には、かかる非重合化合物は、脂環式の環骨格、ベンゼン環等の芳香族環の環骨格、アルキル骨格等を有していて、それらの骨格の一部が前式(I)で表される部分を含有する基で置換されているものである。好ましい非重合化合物の例を一般式で示すと、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、次のような化合物を包含する。なお、下式において、R1 及びZは、それぞれ、前記した定義に同じである。
【0057】
【化14】
Figure 0003770694
【0058】
【化15】
Figure 0003770694
【0059】
また、これらの非重合化合物は、必要に応じて、前式(I)で表される部分を含有する基に加えて、その他の、その保護基が酸により脱離してカルボン酸等を生じるユニット、例えば、t−ブチルエステル、t−アミルエステル、α,α−ジメチルベンジルエステル等の3級炭素エステル、テトラヒドロピラニルエステル等のアセタールからなるエステル、3−オキソシクロヘキシルエステル等のβ−オキシケトンからなるエステル、メバロニックラクトン等のラクトン環構造を有するエステル、その他を有していてもよい。
【0060】
これらの非重合化合物は、それらの単独では所期のレジスト特性を奏することができないので、アルカリ可溶性の重合体又は共重合体を併用することが必要である。ここで使用することのできるアルカリ可溶性の重合体又は共重合体は、以下に記載するものに限定されるわけではないけれども、例えば、ノボラック樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、カルボン酸含有樹脂、その他を包含する。なお、非重合化合物とアルカリ可溶性重合体又は共重合体の混合比は、使用する化合物等の特性、所望とするレジスト特性、その他のファクターに応じて広い範囲で変更することができる。
【0061】
また、本発明の化学増幅型レジストにおいて上記したような酸感応性重合体又は共重合体あるいは非重合化合物及びニトリル化合物と組み合わせて用いられる酸発生剤は、レジストの化学において一般的に用いられている酸発生剤、すなわち、紫外線、遠紫外線、真空紫外線、電子線、X線、レーザ光などの放射線の照射によりプロトン酸を生じる物質であることができる。本発明の実施において適当な酸発生剤は、以下に列挙するものに限定されないけれども、次のようなものを包含する。
(1)次式により表されるジアゾニウム塩:
Ar−N2 + -
(上式において、
Arは、置換もしくは非置換の芳香族基、例えばフェニル基など、又は脂環式基を表し、そして
Xは、ハロゲン、例えばCl、Br、IあるいはF、BF4 、BF6 、PF6 、AsF6 、SbF6 、CF3 SO3 、ClO4 又は有機スルホン酸アニオンなどを表す)。
(2)次式により表されるヨードニウム塩:
【0062】
【化16】
Figure 0003770694
【0063】
(上式において、Ar及びXは、前記定義に同じである)。
(3)次式により表されるスルホニウム塩:
【0064】
【化17】
Figure 0003770694
【0065】
【化18】
Figure 0003770694
【0066】
【化19】
Figure 0003770694
【0067】
【化20】
Figure 0003770694
【0068】
【化21】
Figure 0003770694
【0069】
【化22】
Figure 0003770694
【0070】
(上式において、R、R1、R2、R3、Ar及びXは、それぞれ、前記定義に同じであり、例えば、Rはメチル基などであり、R1、R2及びR3はフェニル基などであり、そしてtBuは、t−ブチル基である)。
(4)次式により表されるスルホン酸エステル:
【0071】
【化23】
Figure 0003770694
【0072】
(上式において、Ar及びRは、前記定義に同じである)。
(5)次式により表されるオキサアゾール誘導体:
【0073】
【化24】
Figure 0003770694
【0074】
(上式において、Xは前記定義に同じであり、但し、−CX3 基の1つは置換もしくは非置換のアリール基又はアルケニル基であってもよい)。
(6)次式により表されるs−トリアジン誘導体:
【0075】
【化25】
Figure 0003770694
【0076】
(上式において、Xは前記定義に同じであり、但し、−CX3 基の1つは置換もしくは非置換のアリール基又はアルケニル基であってもよい)。
(7)次式により表されるジスルホン誘導体:
Ar−SO2 −SO2 −Ar
(上式において、Arは前記定義に同じである)。
(8)次式により表されるイミド化合物:
【0077】
【化26】
Figure 0003770694
【0078】
(上式において、Xは前記定義に同じである)。
(9)その他、例えばオキシムスルホネート、ジアゾナフトキノン、ベンゾイントシレートなど。
これらの酸発生剤は、さらに具体的にいくつかの例を示すと、次のような化合物である。
トリフェニルスルホニウムトリフレート:
【0079】
【化27】
Figure 0003770694
【0080】
トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート:
【0081】
【化28】
Figure 0003770694
【0082】
トリフェニルホスホニウムヘキサフルオロホスフェート:
【0083】
【化29】
Figure 0003770694
【0084】
ジフェニルアイオードヘキサフルオロホスフェート:
【0085】
【化30】
Figure 0003770694
【0086】
ベンゾイントシレート:
【0087】
【化31】
Figure 0003770694
【0088】
さらに、本発明の化学増幅型レジストにおいて上記した酸感応性重合体又は共重合体あるいは非重合化合物と組み合わせて使用した時に特に環境耐性の向上に寄与することのできるニトリル化合物は、所期の効果を奏する限りにおいていろいろなニトリル化合物を使用することができるというものの、好ましくは、それに含まれるニトリル基の濃度が、形成されるレジスト膜中で、1×10-6モル/cm3 以上であるニトリル化合物である。なお、ニトリル基の濃度の上限は特に定められないというものの、通常、約10-5モル/cm3 程度であることが好ましい。なお、かかるニトリル化合物は、先にも説明したように、強い吸収を避けるため、芳香族環を有しないことが好ましい。適当なニトリル化合物として、以下に記載のものに限定されるわけではないけれども、例えばアクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリル酸エステル、α−シアノアクリル酸エステル、シアノメタクリル酸エステル、ジフェニルアセトニトリル、1−シアノアダマンタン、メタクリロニトリル/メタクリル酸共重合体などを挙げることができる。これらのニトリル化合物は、単独で使用しても、あるいは2種類もしくはそれ以上の化合物を組み合わせて使用してもよい。
【0089】
上記したようなニトリル化合物の化学増幅型レジスト中における濃度は、所望とする効果などのいろいろなファクタに応じて広く変更することができるというものの、通常、酸感応性重合体又は共重合体の重量を基準にして約0.1〜50重量%であるのが好ましい。ニトリル化合物の量がこの範囲を外れると、環境耐性等の所望とする特性を得ることができなくなるであろう。
【0090】
本発明の実施において、必要に応じて、酸感応性重合体又は共重合体あるいは非重合化合物とニトリル化合物とを組み合わせて使用することの代わりに、上記したように、次式(X)により表される、保護基により保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離して当該共重合体をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性共重合体を使用することもできる。
【0091】
【化32】
Figure 0003770694
【0092】
上式において、Rは、同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、ハロゲン原子、炭化水素基、例えば置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基等、あるいはハロゲン化炭化水素基を表し、R2 は、Rと同様の炭化水素基を表し、Zは、前記したように、記載の炭素原子とともに脂環式炭化水素基を完成するのに必要な複数個の原子を表し、NTは、最低1個のニトリル基−CNを含む繰り返し単位を表し、そしてm及びnは、それぞれ、酸感応性共重合体において必要な分子量、通常約1,000〜500,000を得るのに必要な繰り返し単位の数を表す。
【0093】
本発明の化学増幅型レジスト材料において、上式(X)により表される酸感応性共重合体を使用することによって、ニトリル化合物を独立して添加することに比較可能な効果、特に密着性の強化と環境耐性の向上を同時に達成することができる。重合性繰り返し単位中に含まれるべきニトリル基は、脂環式炭化水素基ほどではないけれども、エッチング耐性を有しているので、脂環式炭化水素基の含有量を少し減らしてその代わりにこのニトリル基含有繰り返し単位を共重合体中に導入したとしても、エッチング耐性を顕著に低下させるようなことは回避できる。さらに、ニトリル基自体には酸を失活させる機能が存在しているけれども、その適当量をレジスト中に含ませた場合、そのレジストの内部を緩衝溶液のような状態とすることができるので、外部から多少の弱塩基性成分が入り込んでも、すなわち、大気中に含まれる弱塩基性成分がそれに入り込んだとしても、レジスト内の酸性度は大きく変わらないので、酸は、ニトルリ基が存在しない場合に比較して、より失活しにくくなる。したがって、本発明のレジスト材料は、環境に強く、したがって、カバーコートや環境制御を必要とすることがない。
【0094】
上式(X)により表される酸感応性共重合体は、さらに好ましくは、次式(XI)により表すことができる。
【0095】
【化33】
Figure 0003770694
【0096】
上式において、R、R2 、Z、NT、そしてm及びnは、それぞれ、前記定義に同じである。
さらに、本発明者らの知見によれば、記載の酸感応性共重合体は、現像時、アルカリ性の水性現像液へのレジスト膜の露光部のスムーズな溶解を促すため、次式(XII )、(XIII)又は(XIV )により代表的に表されるような重合性繰り返し単位とともに3成分あるいは4成分の共重合体を構成したほうが好ましい。
【0097】
【化34】
Figure 0003770694
【0098】
【化35】
Figure 0003770694
【0099】
【化36】
Figure 0003770694
【0100】
上式において、Rは前記定義に同じであり、好ましくは、水素原子、ハロゲン原子、1〜10個の炭素原子を有している炭化水素基、例えばアルキル基又はハロゲン化アルキル基を表し、R2 は前記定義に同じであり、好ましくは、水素原子又は1〜10個の炭素原子を有している炭化水素基、例えばアルキル基を表し、nは1〜20の正の整数であり、そしてpは繰り返し単位の数である。
【0101】
さらにまた、記載の酸感応性共重合体では、その中に占める前式(X)あるいは前式(XI)により表される繰り返し単位部分が共重合体の全量を基準にして、モル比で、少なくとも50%であることが好ましい。このレベルを下回ると、十分に高いエッチング耐性を得ることができないであろう。
本発明を実施するに当って、上記したような酸感応性化合物と酸発生剤とニトリル化合物とから、あるいは酸感応性ニトリル含有共重合体と酸発生剤とから、化学増幅型レジストを調製する。かかるレジストの調製は、レジストの化学において一般的に行われている技法を使用して、レジスト溶液の形で調製することができる。例えば、レジストを構成する酸感応性化合物が上記したような重合体又は共重合体であるかもしくは酸感応性ニトリル含有共重合体である場合、その重合体又は共重合体を形成するための選ばれた単量体を適当な重合開始剤の存在において重合せしめ、次いで、得られた重合体又は共重合体の溶液に酸発生剤を添加してレジスト溶液とすることができる。ここで、使用する重合条件及び重合開始剤は、常用されている広い範囲のもののなかから任意に選択して使用することができる。例えば、適当な重合開始剤の一例として、次のようなものを挙げることができる。
AIBN(アゾイソブチロニトリル):
【0102】
【化37】
Figure 0003770694
【0103】
MAIB(ジメチル−2,2−アゾイソビスブチラート):
【0104】
【化38】
Figure 0003770694
【0105】
化学増幅型レジストの調製において、酸感応性化合物に添加する酸発生剤の量は、広い範囲にわたって変更することができ、一般には約1〜30重量%の範囲、好ましくは約1〜15重量%の範囲である。
また、そのようなレジストの溶液の調製に用いる溶媒は、レジストの種類、塗布条件、その他のファクタに応じていろいろに変更し得るというものの、好ましくは、例えば乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルピルベート、シクロヘキサノンなどの有機溶媒である。特に、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、エチルピルベートなどを使用すると、よりコントラストの高いレジストパターンを得ることができるであろう。また、レジスト溶液塗布後のストリエーションを防止するため、界面活性剤を添加することも有効である。適当な界面活性剤として、例えば、信越化学工業社製のKP−341(商品名)等を挙げることができる。
【0106】
本発明はまた、上記したような本発明の化学増幅型レジスト材料を被処理基板上に塗布し、
前記被処理基板上のレジスト膜を前記酸発生剤からの酸の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光し、そして
露光後のレジスト膜のポストベーク後、前記露光工程において形成された潜像を現像すること、
を含んでなることを特徴とするレジストパターンの形成方法にある。
【0107】
本発明によるレジストパターンの形成方法は、任意のいろいろな工程を経て実施することができるというものの、好ましくは、次のようにして実施することができる。
最初に、上記のようにして調製した化学増幅型レジストの溶液を被処理基板上に塗布する。ここで使用する被処理基板は、半導体装置及びその他の装置において通常用いられているいかなる基板であってもよく、具体的には、シリコン基板等の半導体基板、基板上に形成された各種の層膜、例えば酸化膜、ポリシリコン層、窒化膜、アルミニウム配線などをあげることができる。これらの基板は、すでに回路が作りこまれていても、あるいは作りこまれていなくてもよい。これらの基板は、場合によっては、レジストとの密着性を向上させるために、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)などのような密着促進剤で前処理しておくことが好ましい。
【0108】
レジスト溶液の塗布は、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータなどのような常用の塗布装置を使用して行うことができる。形成されるレジスト膜の膜厚は、そのレジスト膜の使途などのファクターに応じて広く変更し得るというものの、通常約0.3〜2.0μmの範囲である。
次いで、好ましくは、放射線を選択的に露光する前に、上記工程で形成されたレジスト膜を約60〜150℃、好ましくは約60〜100℃の温度で約60〜180秒間にわたってプリベークする。このプリベークには、例えばホットプレートのような加熱手段を用いることができる。
【0109】
また、もしもレジスト膜の上にさらにトップコート膜(保護膜)を施すような場合には、例えば、オレフィン樹脂の溶液をスピンコート法によりレジスト膜上に塗布し、100℃前後の温度でベーキングを行うことによって、トップコート膜とすることができる。
レジスト膜の形成及びプリベーク後、そのレジスト膜を常用の露光装置で、レチクルを介して放射線に選択露光する。適当な露光装置は、市販の紫外線(遠紫外線・真空紫外線)露光装置、X線露光装置、電子ビーム露光装置、エキシマステッパ、その他であるが、本発明のレジスト膜の場合、ArFエキシマレーザが特に適している。露光条件は、その都度、適当な条件を選択することができる。この選択露光の結果、レジスト膜に含まれる酸発生剤から酸が発生せしめられ、最終的には回路パターンが焼き付けられる。
【0110】
次いで、露光後のレジスト膜を直ちに露光後ベーク(PEB)することによって、酸を触媒とした保護基の脱離反応を生じさせる。この露光後ベークは、先のプリベークと同様にして行うことができる。例えば、ベーク温度は約60からレジスト樹脂の分解温度までの温度、好ましくは約90〜150℃である。なお、トップコート膜を併用している場合には、この露光後ベークの後であって現像の前、例えば有機溶剤によってそれを剥離除去する。
【0111】
露光後ベークを完了した後、露光後のレジスト膜を常法に従って液体現像する。ここで使用する現像液は、この技術分野で一般的に用いられている現像液のなかから、適当なものを任意に選択することができる。とりわけ好ましい現像液は、現像剤としての、次式のアンモニウム化合物:
【0112】
【化39】
Figure 0003770694
【0113】
(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ、同一もしくは異なっていてもよく、1〜6個の炭素原子を有する置換もしくは非置換のアルキル基を表す)、
次式のモルフォリン化合物:
【0114】
【化40】
Figure 0003770694
【0115】
又はその混合物の水溶液又はアルコール溶液を含む現像液である。現像剤としてのアンモニウム化合物の好ましい例は、以下に列挙するものに限定されるわけではないけれども、
テトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)、
テトラエチルアンモニウムハイドロキシド(TEAH)、
テトラプロピルアンモニウムハイドロキジド(TPAH)、
テトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)、
などを包含する。
【0116】
これらの現像剤を水に溶解するかもしくは、例えばメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコールに溶解して現像液となす。溶解する現像剤の濃度は、広く変更することができるけれども、一般的に約0.1〜15重量%の範囲、好ましくは約0.1〜10重量%の範囲である。通常、TMAHの2.38重量%水溶液を現像液として使用する。現像時間は、これも特に限定されるわけではないけれども、一般的に約1〜5分間の範囲、好ましくは約1〜3分間の範囲である。現像の結果、レジスト膜の露光域が溶解除去せしめられて、所望とするレジストパターンを得ることができる。最後に、得られたレジストパターンも常法に従って純水でリンスし、そして乾燥する。
【0117】
以上の説明及び下記の実施例から理解されるように、本発明では、化学増幅型レジスト材料として特定の材料を使用することにより、高解像性、高感度、そして優れたドライエッチング耐性を得ることができるばかりでなく、形成された微細パターンの基板からの剥離を防止することができ、また、カバーコートを使用しなくとも、通常のクリーンルーム環境下でも微細パターンを解像することができる。
【0118】
【実施例】
次いで、本発明をそのいくつかの実施例を参照して説明する。なお、下記の実施例はほんの一例であって、これによって本発明が限定されるものではないことを理解されたい。
例1
11.8g(0.05モル)の2−メチル−2−アダマンチルメタクリレートと10g(0.05モル)のメバロニックラクトンメタクリレートを反応溶媒である34mlの1,4−ジオキサンとともに反応容器に仕込んだ。得られた1,4−ジオキサン溶液に重合開始剤であるAIBN(アゾイソブチロニトリル)を15モル%の量で添加した。80℃の温度制御された浴中に反応容器を浸漬し、約8時間にわたって反応させた。反応の完了後、大量のメタノール中に反応溶液を投入して重合物を沈殿させた。沈殿の乾燥後、重合物をテトラヒドロフラン(THF)に溶解し、メタノールを用いて上記と同様な沈殿精製作業を2回反復した。この結果、約10gの2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート/メバロニックラクトンメタクリレート共重合体が得られた。得られた共重合体は、組成比が51:49、そして重量平均分子量(Mw)が7,200であった。
例2
前記例1において調製した2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート/メバロニックラクトンメタクリレート共重合体に酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレート(TPSSO3 CF3 )を共重合体の2重量%の量で及び添加剤としてのジフェニルアセトニトリルを共重合体の1重量%の量で添加し、さらに乳酸エチルに溶解した。得られたレジスト溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上にスピンコートし、120℃のホットプレート上でプリベークした。所望とするレジスト膜が得られた。
【0119】
次いで、得られたレジスト膜をArFエキシマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で波長193nmのArFレーザ光のパターンに選択露光した。露光の完了後、レジスト膜を100℃のホットプレート上で 秒間ポストベーク(PEB)した。その後、レジスト膜を2.38重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液からなる現像液、東京応化製のNMD−3、で60秒間現像し、さらに純水でリンスした。露光に用いたレーザ光パターンに相当する所望のレジストパターンが得られた。なお、本例での露光エネルギーの閾値Ethは5mJ/cm2 であり、0.17μmのL&S(ライン・アンド・スペース)パターンが12mJ/cm2 で解像できた。また、本例では、表面不溶化層の発生が認められず、レジストパターンの形成に際して大気中の弱塩基性成分からの悪影響を回避できたことも確認された。
比較例1
前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、添加剤としてのジフェニルアセトニトリルの使用を省略した。本例での露光エネルギーの閾値Ethは5mJ/cm2 であったが、表面不溶化層の発生が認められ、したがって、0.20μmL&S以下のパターンは解像できなかった。
比較例2
前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、添加剤としてのジフェニルアセトニトリルの代わりに塩基性物質であるジフェニルアミンを同量(1重量%)で添加した。本例の場合、露光量を最大100mJ/cm2 まで上昇させたけれども、パターンを解像することはできなかった。
比較例3
前記比較例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、ジフェニルアミンの添加量を1重量%から0.2重量%に減少した。その結果、0.17μmL&Sパターンの形成が可能となったけれども、露光エネルギーの閾値Ethは13mJ/cm2 と大きく低下した。
比較例4
前記比較例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、ジフェニルアミンの添加量を1重量%から0.1重量%に大きく減少した。その結果、露光エネルギーの閾値Ethが14mJ/cm2 と前記比較例3よりもさらに大きく低下し、0.22μmL&Sパターンが形成されたに過ぎなかった。
例3
前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、ジフェニルアセトニトリルの添加量を1重量%から0.2重量%に減少した。本例の場合、露光エネルギーの閾値Ethが6mJ/cm2 であり、最小0.19μmL&Sパターンの形成が可能であった。
例4
前記例1及び例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、前記例1で調製した2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート/メバロニックラクトンメタクリレート共重合体に代えて、2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート/メバロニックラクトンメタクリレート共重合体を同様な手法で調製した。得られた共重合体は、組成比が46:54、そして重量平均分子量(Mw)が8,000であった。
【0120】
引き続いて、得られた2−エチル−2−アダマンチルメタクリレート/メバロニックラクトンメタクリレート共重合体を使用して、前記例2と同様な手法に従ってレジストパターンの形成を行った。但し、本例では、添加剤としてのジフェニルアセトニトリルの代わりに1−シアノアダマンタンを5重量%の量で添加した。前記例2と同様な満足し得る結果が得られ、0.17μmのL&S(ライン・アンド・スペース)パターンが5mJ/cm2 で解像できた。
比較例5
前記例4に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、添加剤としての1−シアノアダマンタンの使用を省略した。本例での露光エネルギーの閾値Ethは5mJ/cm2 であったが、表面不溶化層の発生が認められ、0.20μmL&S以下のパターンは解像できなかった。
例5
前記例2に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、ジフェニルアセトニトリルの代わりにメタクリロニトリル/メタクリル酸(組成比60:40)共重合体を同量(1重量%)で添加し、また、乳酸エチルに代えてシクロヘキサノンを使用した。前記例2と同様な満足し得る結果が得られ、0.17μmのL&S(ライン・アンド・スペース)パターンが5mJ/cm2 で解像できた。添加量を1重量%から0.2重量%に減少した。本例の場合、露光エネルギーの閾値Ethが5mJ/cm2 であり、0.20μmL&S以下のパターンの形成が可能であった。
例6
前記例1に記載のものと同様な手法に従って2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸(組成比50:15:35)共重合体を調製した。次いで、得られた3成分共重合体に酸発生剤としてのトリフェニルスルホニウムトリフレートを共重合体の2重量%の量で添加し、さらにプロピレングリコールメチルエーテルアセテートに溶解した。得られた樹脂分14重量%のレジスト溶液を、HMDSで前処理したシリコン基板上にスピンコートし、90℃のホットプレート上で60秒間プリベークした。膜厚0.4μm のレジスト膜が得られた。
【0121】
次いで、得られたレジスト膜をArFエキシマレーザ露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で、IC回路のパターンを描画したレチクルを通して、波長193nmのArFレーザ光に選択露光した。露光の完了後直ちに、レジスト膜を90℃のホットプレート上で60秒間ポストベークした。その後、レジスト膜を2.38重量%のテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液からなる現像液、東京応化製のNMD−3、で60秒間現像し、さらに純水で 秒間リンスした。露光に用いたレーザ光パターンに相当する所望のレジストパターンが0.15μmL&Sの解像度で剥がれを生ずることなく得られた。また、本例では、表面不溶化層の発生が認められず、レジストパターンの形成に際して大気中の弱塩基性成分からの悪影響を回避できたことも確認された。
比較例6
前記例6に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では、比較のため、2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート/アクリロニトリル/メタクリル酸共重合体に代えて2−メチル−2−アダマンチルメタクリレート/メタクリル酸(組成比65:35)を同量で使用した。露光後のレジスト膜を前記例6と同様に2.38重量%のTMAH水溶液で現像したにもかかわらず、微細パターンは基板から剥離してしまい、最小でも0.50μmL&Sパターンしか解像できなかった。
【0122】
さらに、現像液としての2.38重量%のTMAH水溶液の濃度をその1/20に希釈して上記と同様に現像を行ったところ、今度はパターンの剥離を回避することができたけれども、表面不溶化層が生成して、最高0.155μmL&Sのパターンを解像するにとどまった。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、化学増幅型レジスト材料として上記したような特定の組成のものを使用することにより、化学増幅型レジストに本来具わっている高解像性、高感度、そして優れた密着性及びドライエッチング耐性に加えて、優れた環境耐性を同時に達成することができる。本発明のレジスト材料を使用すると、基板が変化しても得られるレジスト特性には好ましくない差異が現れず、微細パターンの基板からの剥離も防止できる。また、カバーコートなしで、通常のクリーンルーム環境下でも微細パターンを解像することができる。本発明のレジスト材料は、特にArFリソグラフィにおいてその真価を発揮することができる。

Claims (8)

  1. 脂環式炭化水素基を含有する保護基により保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性化合物と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含む化学増幅型レジスト材料において、ニトリル化合物をさらに含んでなることを特徴とする化学増幅型レジスト材料。
  2. 前記ニトリル化合物において、それに含まれるニトリル基の濃度が、形成されるレジスト膜中で、1×10−6モル/cm以上であることを特徴とする請求項1に記載の化学増幅型レジスト材料。
  3. 前記ニトリル化合物がその分子中に芳香族環を有しないことを特徴とする請求項1又は2に記載の化学増幅型レジスト材料。
  4. 前記ニトリル化合物が、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアクリル酸エステル、α−シアノアクリル酸エステル、シアノメタクリル酸エステル、ジフェニルアセトニトリル、1−シアノアダマンタン及びメタクリロニトリル/メタクリル酸共重合体からなる群から選ばれた1員であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト材料。
  5. 前記アルカリ可溶性基が、カルボン酸基、スルホン酸基、アミド基、イミド基及びフェノール基からなる群から選ばれた一員であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト材料。
  6. 前記脂環式炭化水素基が、下記の群:
    (1)アダマンタン及びその誘導体
    (2)ノルボルナン及びその誘導体
    (3)パーヒドロアントラセン及びその誘導体
    (4)パーヒドロナフタレン及びその誘導体
    (5)トリシクロ〔5.2.1.02,6〕デカン及びその誘導体
    (6)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、ビシクロヘキサン及びその誘導体
    (7)スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導体
    (8)スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体
    から選ばれた1員であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト材料。
  7. 前記酸感応性化合物が、重合体又は共重合体の形をとり、脂環式炭化水素基を含有する保護基により保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を繰り返し単位として含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の化学増幅型レジスト材料。
  8. 脂環式炭化水素基を含有する保護基により保護されたアルカリ可溶性基が酸により脱離して当該化合物をアルカリ可溶性とならしめる構造単位を有する酸感応性化合物と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤と、ニトリル化合物とを含む化学増幅型レジスト材料を被処理基板上に塗布し、
    前記被処理基板上のレジスト膜を前記酸発生剤からの酸の発生を惹起し得る放射線に選択的に露光し、そして
    露光後のレジスト膜のポストベーク後、前記露光工程において形成された潜像を現像すること、
    を含んでなることを特徴とするレジストパターンの形成方法。
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