JP3539792B2 - レジスト材料及びレジストパターンの形成方法 - Google Patents

レジスト材料及びレジストパターンの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明はレジスト材料及びそれを用いたパターンの形成方法に関し、更に詳しく述べると、高解像性、高感度、そして優れたドライエッチング耐性を有するレジスト材料と、これを使用してレジストパターンを形成する方法に関する。本発明は、高性能のレジストを提供し、半導体集積回路等の半導体装置の製造に有利に使用することができる。
【0002】
【従来の技術】
近年、半導体集積回路は集積化が進んで大規模集積回路(LSI)や超大規模集積回路(VLSI)が実用化されており、また、これとともに、集積回路の最少パターンはサブミクロン領域に及び、今後更に微細化する傾向にある。微細パターンの形成には、薄膜を形成した被処理基板上をレジストで被覆し、選択露光を行って所望パターンの潜像を形成した後に、現像してレジストパターンを作り、これをマスクとしてエッチングを行い、その後レジストを除去することにより所望のパターンを得るリソグラフィ技術の使用が必須である。このリソグラフィ技術においては、露光光源としてg線(波長436nm)、i線(波長365nm)の紫外線光が使用されているが、パターンの微細化に伴い、より波長の短い遠紫外線光、真空紫外線光、電子線、X線などが露光光源として使用されるようになってきている。特に最近では、エキシマレーザー(波長248nm のKrF レーザー、波長193nm のArF レーザー)が露光光源として注目されており、微細パターンの形成に有効であると期待されている。なお、この明細書では、「放射線」なる語を用いた場合、これはこれらの様々の光源からの光、すなわち、紫外線、遠紫外線、真空紫外線、電子線(EB)、X線、各種レーザー光等を意味するものである。
【0003】
レジストを用いて、より短波長の遠紫外・真空紫外領域の露光光によりサブミクロンパターンを形成するには、そのレジスト材料は露光光の波長において透明性に優れていることが必要であり、更にエッチング耐性、特にドライエッチングに対する耐性を持つことが求められる。こうした特性を備えたレジスト材料として、例えば、本発明者らの発明した、エステル部にアダマンタン骨格を有するアクリル酸エステル又はα置換アクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体を主剤とする化学増幅型放射線感光材料が知られている(特開平4−39665 号公報参照)。
【0004】
また、本発明者らは、同様なレジスト材料として、エステル部にノルボルナン骨格を有するアクリル酸エステル又はα置換アクリル酸エステルの単独重合体又は共重合体を主剤とする化学増幅型放射線感光材料(特開平5−257281号公報参照)や、シクロヘキシルマレイミドの重合体又は共重合体を主剤とする化学増幅型放射線感光材料(特開平5−257285号公報参照)も発明した。
【0005】
このような化学増幅型放射線感光材料は、主剤である重合体(単独重合体又は共重合体)と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含み、そして主剤の重合体は、その繰返し単位に保護されたアルカリ可溶性基を有し、このアルカリ可溶性基の保護基が酸により脱離することで当該重合体をアルカリ可溶性にするポジ型のレジスト材料である。
【0006】
そしてこれらの化学増幅型放射線感光材料における主剤の重合体の保護されたアルカリ可溶性基としては、例えば、t−ブチルエステル基、t−アミルエステル基、α,α−ジメチルベンジルエステル基等の四級炭素エステル基や、テトラヒドロピラニルエステル基等のアセタールからなるエステル基や、3−オキソシクロヘキシルエステル基(特開平5−346668号公報参照)等、その他を挙げることができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上に挙げたような化学増幅ポジ型レジスト材料は、微細パターンの形成に必要な短波長の露光光の波長領域で透明性に優れ、且つ十分なドライエッチング耐性を備えた有用なレジスト材料であった。ところが、これらのレジスト材料では、露光により所望のレジストパターンを形成してからアルカリ性現像液でそのパターンを現像後に、折角形成したレジストパターンの膜が下の基板から剥がれてしまったり、膜に割れ(クラック)が生じたりする(これは膜の剥離に伴って生じる)ことがあった。
【0008】
本発明は、このような従来のレジスト材料の現像によるレジストパターン形成後の基板からの剥離や割れの発生をなくそうとするものであり、そのために基板との密着性を高めた新しいレジスト材料を提供することを目的とする。本発明のもう一つに目的は、この新しいレジスト材料を使用してレジストパターンを形成する方法を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明のレジスト材料は、主剤重合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含み、当該主剤重合体がその繰返し単位に保護されたアルカリ可溶性基を有し、このアルカリ可溶性基の保護基が酸により脱離することで当該重合体をアルカリ可溶性にするレジスト材料であって、当該主剤重合体が、下記の一般式(1) で示される構造を有する基を当該保護されたアルカリ可溶性基として有することを特徴とするレジスト材料である。
【0010】
【化3】
Figure 0003539792
【0011】
この式において、R、R、R及びRは、直鎖の又は分岐したアルキル基又は置換アルキル基、脂環式炭化水素基、及びそれらから誘導された基であり、R〜Rは同一であっても異なっていてもよい。また、アルキル基又は置換アルキル基の炭素数は一般には1〜17、好ましくは1〜8であり、脂環式炭化水素基の骨格となる脂環の炭素数は一般には3〜42、好ましくは6〜14である。置換アルキル基の置換基としては、ハロゲン原子、ニトリル基、トリアルキルシリル基を挙げることができる。トリアルキルシリル基のアルキル基の例は、メチル基、エチル基、イソプロピル基等である。
【0012】
上記のレジスト材料は、主剤重合体のアルカリ可溶性基を保護している基が酸により脱離することで当該重合体がアルカリ現像液に対して可溶性になる化学増幅型のレジスト材料である。上記の主剤重合体は、酸発生剤が存在しなくても、多量の放射線量を必要とするが、放射線露光によりポジ型パターンを形成することができる。
【0013】
従って、もう一つの側面において、本発明のレジスト材料は、保護基の脱離によりアルカリ可溶性となる基を持つ繰返し単位を有する重合体を主剤として含むレジスト材料であって、酸発生剤を含まず、当該保護されたアルカリ可溶性基が下記の一般式(2) で示される構造を有し、
【0014】
【化4】
Figure 0003539792
【0015】
且つ、当該保護基の脱離が放射線露光の直接の作用で起きることによりアルカリ可溶性となることを特徴とするレジスト材料である。なお、上記の式(2) のR、R、R及びRは先に定義したとおりである。
【0016】
本発明のレジスト材料における重合体は、単独重合体でもよく、あるいは共重合体でもよい。そしてこれらの単独重合体又は共重合体は、上記の一般式で示された構造の基のほかに、脂環式炭化水素基を更に含むことが好ましい。また、かかる脂環式炭化水素基は、上記の一般式で示された保護されたアルカリ可溶性基を含有する繰り返し単位とは別の繰り返し単位中に存在することが、更に好ましい。適当な脂環式炭化水素基は、その一例を示すと、次のような化合物を骨格とするものである。
【0017】
(1) アダマンタン及びその誘導体
(2) ノルボルナン及びその誘導体
(3) シクロヘキサン及びその誘導体
(4) パーヒドロアントラセン及びその誘導体
(5) パーヒドロナフタレン及びその誘導体
(6) トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン及びその誘導体
(7) ビシクロヘキサン及びその誘導体
(8) スピロ[4,4 ]ノナン及びその誘導体
(9) スピロ[4,5 ] デカン及びその誘導体
【0018】
これらの化合物は、それぞれ、次の構造式で表わされる。
【0019】
【化5】
Figure 0003539792
【0020】
【化6】
Figure 0003539792
【0021】
【化7】
Figure 0003539792
【0022】
これらの化合物のうちで、ノボラック系レジストと同等の良好なドライエッチング耐性を得るのにはアダアマンタン等の縮合環構造を有するものが特に好ましい。
【0023】
本発明において用いられる単独重合体又は共重合体は、多種多様なもののなかから任意に選択して使用することができるけれども、好ましくは、アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、フマル酸エステル、スチレン置換体又はこれらの誘導体から得られる繰返し単位を持つものである。
【0024】
アクリル酸エステル又はその誘導体から得られた繰返し単位を有する重合体の例は、下記の式(I) により表わされるアクリレート又はα置換アクリレート系共重合体、式(II)により表わされるアクリレート又はα置換アクリレート系三元共重合体、及び式(III) により表わされるスチレン−アクリレート又はスチレン−α置換アクリレート共重合体である。
【0025】
【化8】
Figure 0003539792
【0026】
上式において、Rは、同一であっても又は異なっていてもよく、それぞれ水素、メチル基又はハロゲン原子を表わし、Yは脂環式炭化水素基、好ましくは、アダマンチル基、ノルボルニル基、シクロヘキシル基、トリシクロ[5.2.1.02,6] デカニル基などを表わし、Zは上記の式(1) 又は(2) で示される保護されたアルカリ可溶性基を表わし、Xは水素、ハロゲン、アルキル基、置換アルキル基、−OH又はアルコキシ基を表し、そしてm、n及びpは、それぞれ、任意の正の整数を表わす。
【0027】
スチレン置換体から得られる繰返し単位を持つ重合体(置換スチレン重合体)は、下記の式で表される。
【0028】
【化9】
Figure 0003539792
【0029】
この式において、R及びmは先に定義したとおりであり、Xは−O−(CH−Z又は−(CH−Z(これらの式中のkは0〜4である)を表す。
【0030】
更に具体的には、本発明において有利に用いられるアクリレート又はα置換アクリレート系共重合体、アクリレート又はα置換アクリレート系三元共重合体、スチレン−アクリレート又はスチレン−α置換アクリレート共重合体、及び置換スチレン重合体は、次のようなものを包含するが、これらに限定されるわけではない。なお、下式中のm、n及びpはそれぞれ前記定義に同じである。
【0031】
【化10】
Figure 0003539792
【0032】
【化11】
Figure 0003539792
【0033】
【化12】
Figure 0003539792
【0034】
【化13】
Figure 0003539792
【0035】
本発明において有利に使用されるイタコン酸エステル重合体は、下記の式で表される。
【0036】
【化14】
Figure 0003539792
【0037】
また、本発明において有利に使用されるフマル酸エステル重合体は、下記の式で表される。
【0038】
【化15】
Figure 0003539792
【0039】
これらのイタコン酸エステル重合体及びフマル酸エステル重合体の式中のW〜Wは、−COOR’ 、−COOY、−Z又は−COOHであり、イタコン酸エステル重合体及びフマル酸エステル重合体は−COOY基と−Z基を少なくとも一つずつ含んでいなければならない。また、Yは、先に一例を列挙したような脂環式炭化水素基を表し、Zは、上記の式(1) 又は(2) で示される保護されたアルカリ可溶性基を表わし、R’は、水素又は炭素数1〜8のアルキル基もしくは置換アルキル基を表す。置換アルキル基の例は、−CHCl 、−CCl、−CF、−Si(CHであるが、置換アルキル基はこれらに限定されない。上記の各R’、Y、Zは、同一であっても異なっていてもよい。
【0040】
場合によっては、半導体集積回路の多層配線化により加工基板が既に大きな段差を有することがある。このような場合には、段差を平坦化すべくレジスト膜厚を1.5 μm のように厚くすると、焦点深度の関係から正確なレジストパターンが得づらくなる。この対策として用いられる方法の一つに、上層に樹脂構造中にケイ素(Si)を含有しているレジストを、下層にノボラック樹脂などの高ドライエッチング耐性を有するレジストを使用する二層レジスト法がある。本発明のレジスト材料は、この二層レジスト法における上層用レジストとして有利に使用することができる。
【0041】
本発明のレジスト材料は、主剤重合体がケイ素を含む基を有する場合に、そのような二層レジスト法の上層レジスト用に使用することができる。この場合に有利に用いられる本発明のレジスト材料は、その主剤重合体が、前述の脂環式炭化水素基の代わりにケイ素原子を少なくとも一つ含むアルキル基又は置換アルキル基を持つ、次に示すような構造を有するものを包含するが、主剤重合体の構造はこれらに限定されるわけではない。これらの式中のm及びnはそれぞれ前記定義に同じである。
【0042】
【化16】
Figure 0003539792
【0043】
【化17】
Figure 0003539792
【0044】
【化18】
Figure 0003539792
【0045】
本発明の化学増幅型レジスト材料において重合体と組み合せて用いられる酸発生剤は、レジストの化学において一般的に用いられている酸発生剤、すなわち、紫外線、遠紫外線、真空紫外線、電子線、X線、レーザー光などの放射線の照射によりプロトン酸を生じる物質であればよい。本発明を実施するのに適当な酸発生剤は、以下に列挙するものを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0046】
(1) 次式により表わされるジアゾニウム塩
Ar−N
【0047】
この式において、Arは置換もしくは非置換の芳香族基、例えばフェニル基など、又は脂環式基を表わし、Xはハロゲン、例えばCl、Br、IあるいはF、BF、PF、AsF、SbF、CFSO、ClO又は有機スルホン酸アニオンなどを表わす。
【0048】
(2) 次式により表わされるヨードニウム塩
【0049】
【化19】
Figure 0003539792
【0050】
この式のArとXは前記定義に同じである。
【0051】
(3) 次式により表わされるスルホニウム塩
【0052】
【化20】
Figure 0003539792
【0053】
これらの式のR、Rは直鎖又は分岐したアルキル基又は置換アルキル基、脂環式炭化水素基、芳香環式炭化水素基及びそれらから誘導された基であり、X は前記定義に同じである。例えば、R及びRはフェニル基などである。
【0054】
(4) 次式により表わされるスルホン酸エステル
【0055】
【化21】
Figure 0003539792
【0056】
(5) 次式により表わされるオキサアゾール誘導体
【0057】
【化22】
Figure 0003539792
【0058】
この式において、Xは前記定義に同じであり、但し、−CX基の一つは置換又は非置換のアリール基又はアルケニル基であってもよい。
【0059】
(6) 次式により表わされる sym−トリアジン誘導体
【0060】
【化23】
Figure 0003539792
【0061】
上式において、Xは前記定義に同じであり、但し、−CX基の一つは置換又は非置換のアリール基又はアルケニル基であってもよい。
【0062】
(7) 次式により表わされるジスルホン誘導体
Ar−SO−SO−Ar
上式において、Arは前記定義に同じである。
【0063】
(8) 次式により表わされるイミド化合物
【化24】
Figure 0003539792
【0064】
上式において、Xは前記定義に同じである。
【0065】
(9) その他、例えばオキシムスルホネート、ジアゾナフトキノン、ベンゾイントシレートなど。
【0066】
これらの酸発生剤は、更に具体的にいくつかの例を示すと、次のような化合物である。
【0067】
【化25】
Figure 0003539792
【0068】
本発明を実施するにあたって、上記したような重合体と酸発生剤とから化学増幅型レジスト材料を調製する。かかるレジスト材料の調製は、例えば、レジストの化学において一般的に行われているように、単独重合体又は共重合体を形成するための選ばれた単量体を適当な重合開始剤の存在下において重合せしめ、次いで得られた単独重合体又は共重合体の溶液に酸発生剤を添加してレジスト溶液とすることによって、行うことができる。ここで使用する重合条件及び重合開始剤は、常用されている広い範囲のもののなかから任意に選択して使用することができる。例えば、適当な重合開始剤の一例として、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を挙げることができ、これは次の式で表される。
【0069】
【化26】
Figure 0003539792
【0070】
単独重合体又は共重合体に添加する酸発生剤の量は、広い範囲にわたって変更することができ、一般には主剤重合体の重量を基準にして約1〜30重量%、好ましくは、約1〜15重量%である。
また、レジスト溶液の調製に用いる溶媒は、レジスト材料の種類、塗布条件、その他のファクタに応じていろいろに変更し得るとは言うものの、好ましくは、例えばシクロヘキサノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、乳酸エチル、メチルイソブチルケトンなどの有機溶媒である。
【0071】
本発明のもう一つのレジスト材料、すなわち酸発生剤を含まないレジスト材料は、主剤重合体となる単独重合体又は共重合体を上記と同様に調製して得ることができる。この場合に用いられる溶媒も上記と同様である。
【0072】
本発明のレジスト材料を使用してレジストパターンを形成する方法は、レジスト材料を被処理基板上に塗布し、形成したレジスト膜のプリベーク後、当該レジスト膜を放射線に選択的に露光して所望パターンの潜像を形成し、次いでこのレジスト膜を露光後ベークし、そして上記の潜像を現像することを含む方法である。
【0073】
次に、この本発明の方法をより具体的に説明する。
まず、本発明のレジスト材料の溶液を被処理基板上に塗布する。ここで使用する被処理基板は、半導体装置及びその他の電子装置において通常用いられているいかなる基板であってもよく、具体的には、シリコン、酸化膜、ポリシリコン、窒化膜、アルミニウムなどの材料の基板を挙げることができる。これらの基板は、既に回路が作りこまれていても、あるいは作りこまれていなくてもよい。これらの基板は、場合によっては、レジストとの密着性を更に向上させるために、例えばヘキサメチルジシラザン(HMDS)などのような密着促進剤で前処理しておくとが好ましい。また、上記のように二層レジスト法でケイ素含有重合体を主剤として含む本発明のレジスト材料を使用する場合の被処理基板とは、前述の基板の上に、ケイ素原子を含有せず、且つ、本発明のレジスト材料を上層レジストとしてその上に塗布したときに溶けてこれと混合することのないような、例えば熱硬化させたノボラックレジストの層を形成させたものを指す。
【0074】
レジスト溶液の塗布は、スピンコータ、ディップコータ、ローラコータなどのような常用の塗布装置を使用して行うことができる。形成するレジスト膜の膜厚は、そのレジスト膜の使途などのファクタに応じて広く変更し得るとは言うものの、通常約0.2 〜2.0 μmの範囲である。
【0075】
次いで、形成したレジスト膜を、これに放射線を選択的に露光する前に、約60〜150 ℃、好ましくは60〜100 ℃の温度で、約60〜180 秒間にわたってプリベークする。このプリベークには、例えば、ホットプレートのような加熱手段を用いることができる。
また、もしもレジスト膜の上に更にトップコート膜(保護膜)を施すような場合には、例えば、オレフィン樹脂の溶液をスピンコート法によりレジスト膜上に塗布し、100 ℃前後の温度でベーキングを行うことによって、トップコート膜を形成することができる。
【0076】
レジスト膜のプリベーク後、そのレジスト膜を常用の露光装置で放射線に選択的に露光する。適当な露光装置は、市販の紫外線(遠紫外線・真空紫外線)露光装置、X線露光装置、電子ビーム露光装置、エキシマステッパ、その他である。露光条件は、その都度、適当な条件を選択することができる。化学増幅型のレジスト膜の場合には、この選択露光の結果として、露光領域においてレジスト膜に含まれる酸発生剤から酸が発生する。酸発生剤を含まないレジスト膜の場合には、露光領域において保護されたアルカリ可溶性基の保護基が脱離する。
【0077】
次いで、露光後のレジスト膜を、露光後ベーク(post exposure bake (PEB))する。この露光後ベークによって、化学増幅型のレジスト膜の場合には、酸を触媒とした保護基の脱離反応を促進させるとともに、脱離した保護基を気化させて除去する。また、酸発生剤を含まないレジスト膜の場合には、脱離した保護基を気化させて取除く。この露光後ベークは、先のプリベークと同様にして行うことができる。例えば、ベーク温度は約60〜150 ℃、好ましくは約100 〜150 ℃である。なお、トップコート膜を併用している場合には、この露光後ベークの後且つ現像の前に、例えば、有機溶剤によってそれを剥離除去する。
【0078】
露光後ベークの完了後、先の露光工程において形成した潜像を、適当な現像液を使い常法に従って現像する。使用することができる適当な現像液は、現像剤として次に示す式で表されるアンモニウム化合物、モルホリン化合物又はそれらの混合物を含む水溶液又はアルコール溶液である。
【0079】
【化27】
Figure 0003539792
【0080】
これらの式において、R〜R16は、水素、直鎖又は分岐したアルキル基、置換アルキル基である。
【0081】
好ましいアンモニウム化合物の例は、テトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)、テトラエチルアンモニウムハイドロキシド(TEAH)、テトラプロピルアンモニウムハイドロキシド(TPAH)などを包含するが、アンモニウム化合物はこれらに限定されるわけではない。好ましいモルホリン化合物の例を挙げると、モルホリン、1−メチルモルホリンなどであるが、モルホリン化合物もこれらに限定されるわけではない。
【0082】
このような化合物の現像剤を、水溶液、又は例えばメタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール溶液として現像液を作る。溶解する現像剤の濃度は、広く変更することができるけれども、一般的には約0.1 〜20重量%の範囲、好ましくは約0.1 〜10重量%の範囲である。現像時間は、これも特に限定されるわけではないけれども、一般には約1〜7分間、好ましくは約1〜3分間である。
【0083】
現像の結果、露光領域のレジスト膜が溶解除去されて、所望のレジストパターンを得ることができる。最後に、得られたレジストパターンをやはり常法に従って純水でリンスし、そして乾燥する。
【0084】
【作用】
本発明において用いられる上記の式(1) あるいは(2) で示した保護されたアルカリ可溶性基は、放射線での露光によって酸発生剤から生じた酸の作用で保護基が脱離する。この保護基の脱離は、酸発生剤を含まないレジスト材料の場合には放射線への露光だけで起きる。放射線露光領域のレジスト膜は、保護基の脱離した重合体がアルカリ可溶性になることで、アルカリ現像液に溶解するようになり、所望のレジストパターンの形成を可能にする。
このように特定の保護基で保護されたアルカリ可溶性基を有する重合体を主剤とした本発明のレジスト材料は、レジスト膜の可曉性が増すとともに基板との密着性が増して、レジスト膜の剥がれや割れの発生をなくしあるいは低減するのを可能にし、レジスト膜のパターニング特性を安定させる。
【0085】
本発明において用いられる保護されたアルカリ可溶性基は、アダマンタン又はその誘導体、ノルボルナン又はその誘導体、シクロヘキサン又はその誘導体、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン又はその誘導体などの化合物に由来する基のように剛直で基板との相互作用が小さい基を有する共重合体を主剤重合体として含むレジスト材料のように、基板との密着性が弱いレジスト材料において特に著しい成果を現すことが判明している。とは言え、他のレジスト材料の場合についても満足し得る成果を挙げることができる。
【0086】
【実施例】
次に、実施例により本発明を更に説明する。なお、下記の実施例はほんの一例であって、これによって本発明が限定されないことは言うまでもない。
【0087】
実施例1
メタクリル酸3−オキシ−1−イソプロピルブチルモノマーとメタクリル酸アダマンチルモノマーをモル比4:6の割合で重合容器に仕込み、2mol/L の1,4−ジオキサン溶液とし、開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、n−ヘキサンを沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるアダマンチルメタクリレート−3−オキソ−1−イソプロピルブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0088】
【化28】
Figure 0003539792
【0089】
得られた共重合体は、組成比m:nが45:55であり、重量平均分子量(Mw)が11520、分散度 (Mw/Mn)が2.38であった。
【0090】
実施例2
実施例1において調製したアダマンチルメタクリレート−3−オキソ−1−イソプロピルブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をシクロヘキサノンに溶解した。得られた溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に膜厚0.7 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0091】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を130 ℃で60秒間ポストベーク(露光後ベーク)した。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は11.9mJ/cmであり、解像力は0.30μmライン・アンド・スペースであった。
【0092】
実施例3
実施例2に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、現像液として0.27NのTMAH水溶液に代えて同濃度(0.27N)のテトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液を使用した。実施例2の場合と同様の満足し得るレジストパターンが、Eth=13.1mJ/cmで、0.30μmのライン・アンド・スペースの解像力で得られた。
【0093】
実施例4
実施例2に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場合、レジスト膜を選択露光する前に、トップコートとしてオレフィン樹脂を膜厚0.2 μmでスピンコートし、そして現像に先がけてこのトップコート膜を剥離した。0.275 μmライン・アンド・スペースのレジストパターンが良好な形状で形成できた。
【0094】
実施例5
メタクリル酸3−オキシブチルモノマーとメタクリル酸アダマンチルモノマーを4:6のモル比で重合容器に仕込み、2mol/L の1,4−ジオキサン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、n−ヘキサンを沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるアダマンチルメタクリレート−3−オキソブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0095】
【化29】
Figure 0003539792
【0096】
得られた共重合体は、組成比m:nが49:51であり、重量平均分子量(Mw)が13120、分散度 (Mw/Mn)が2.10であった。
【0097】
実施例6
実施例5において調製したアダマンチルメタクリレート−3−オキソブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をシクロヘキサノンに溶解した。得られた溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に膜厚0.7 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0098】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を130 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は14.8mJ/cmであり、解像力は0.30μmライン・アンド・スペースであった。
【0099】
実施例7
メタクリル酸3−オキシ−2−メチルブチルモノマーとメタクリル酸アダマンチルモノマーを4:6のモル比で重合容器に仕込み、2mol/L の1,4−ジオキサン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、n−ヘキサンを沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるアダマンチルメタクリレート−3−オキソ−2−メチルブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0100】
【化30】
Figure 0003539792
【0101】
得られた共重合体は、組成比m:nが50:50であり、重量平均分子量(Mw)が14300、分散度 (Mw/Mn)が1.83であった。
【0102】
実施例8
実施例7において調製したアダマンチルメタクリレート−3−オキソ−2−メチルブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をシクロヘキサノンに溶解した。得られた溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に膜厚0.7 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0103】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を130 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は9.6mJ/cmであり、解像力は0.275 μmライン・アンド・スペースであった。
【0104】
実施例9
メタクリル酸3−オキシ−1,1−ジメチルブチルモノマーとメタクリル酸アダマンチルモノマーを4:6のモル比で重合容器に仕込み、2mol/L の1,4−ジオキサン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。その後、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、n−ヘキサンを沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるアダマンチルメタクリレート−3−オキソ−1,1−ジメチルブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0105】
【化31】
Figure 0003539792
【0106】
得られた共重合体は、組成比m:nが47:53であり、重量平均分子量(Mw)が12150、分散度 (Mw/Mn)が2.03であった。
【0107】
実施例10
実施例9において調製したアダマンチルメタクリレート−3−オキソ−1,1−ジメチルブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をシクロヘキサノンに溶解した。得られた溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に膜厚0.7 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0108】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を130 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は1.4mJ/cmであり、解像力は0.325 μmライン・アンド・スペースであった。
【0109】
実施例11
メタクリル酸3−オキシ−1−メチルブチルモノマーとメタクリル酸アダマンチルモノマーを4:6のモル比で重合容器に仕込み、2mol/L の1,4−ジオキサン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、n−ヘキサンを沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるアダマンチルメタクリレート−3−オキソ−1−メチルブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0110】
【化32】
Figure 0003539792
【0111】
得られた共重合体は、組成比m:nが51:49であり、重量平均分子量(Mw)が14400、分散度 (Mw/Mn)が1.97であった。
【0112】
実施例12
実施例11において調製したアダマンチルメタクリレート−3−オキソ−1−メチルブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をシクロヘキサノンに溶解した。得られた溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に膜厚0.7 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0113】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザ光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を130 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は15.9mJ/cmであり、解像力は0.30μmライン・アンド・スペースであった。
【0114】
実施例13
実施例1に記載の手法を使用して、アダマンチルメタクリレート−3−オキソ−1−ソプロピルブチルメタクリレート共重合体(組成比m:n=45:55、重量平均分子量=11520 、分散度=2.38)を調製した。次いで、この共重合体に、下式で表される酸発生剤、2−オキソシクロヘキシルメチルシクロヘキシルスルホニウムトリフロロスルホネート
【0115】
【化33】
Figure 0003539792
【0116】
を15重量%添加し、この混合物をシクロヘキサノンに溶解した。得られたレジスト溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に膜厚0.7 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0117】
プリベーク完了後、レジスト膜をArF 露光装置(ニコン社製、NA=0.55)で選択露光した。続いて、レジスト膜を130 ℃で60秒間ポストベークした。その後、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきい値エネルギーEth は6mJ/cmであり、解像力は0.19μmライン・アンド・スペースであった。
【0118】
実施例14
メタクリル酸3−オキソ−1−イソプロピルブチルモノマーとメタクリル酸トリメチルシリルメチルモノマーを1:1のモル比で重合容器に仕込み、5mol/L のトルエン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。次いで、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、水:メタノール=1:10の混合液を沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソ−1−イソプロピルブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0119】
【化34】
Figure 0003539792
【0120】
この共重合体は、組成比m:nが1:1であり、重量平均分子量(Mw)が 12000、分散度 (Mw/Mn)が2.5 であった。
【0121】
実施例15
実施例14において調製したトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソ−1−イソプロピルブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をメチルイソブチルケトンに溶解した。得られた溶液を、シリコン基板上に塗布後熱硬化させた膜厚1.5 μmのノボラックレジスト上に膜厚0.3 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0122】
プリベーク完了後、レジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を100 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は20.2mJ/cmであり、解像力は0.275 μmライン・アンド・スペースであった。
【0123】
実施例16
前記例15で得られたライン・アンド・スペースパターンをマスクとして、平行平板型エッチャーで酸素反応性イオンエッチングを施した。下層の熱硬化ノボラックレジストは異方的にエッチングされ、0.275 μmライン・アンド・スペースの二層レジストパターンが形成できた。この時の下層と上層のエッチングレートの差は約20倍で、本発明の上層レジスト材料は十分な酸素プラズマ耐性があった。
【0124】
実施例17
実施例15に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、現像液として、0.27NのTMAH水溶液に代えて同濃度(0.27N)のテトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液を使用した。実施例15の場合と同様の満足し得るレジストパターンが、Eth =25.0mJ/cmで0.275 μmのライン・アンド・スペースの解像力で得られた。
【0125】
実施例18
実施例15に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場合、レジスト膜を選択露光する前に基板上にオレフィン樹脂を膜厚0.2 μmでスピンコートしてトップコート膜とし、そして現像に先がけてこのトップコート膜を剥離した。0.25μmライン・アンド・スペースのレジストパターンが良好な形状で形成できた。
【0126】
実施例19
メタクリル酸3−オキソブチルモノマーとメタクリル酸トリメチルシリルメチルモノマーを1:1のモル比で重合容器に仕込み、5mol/L のトルエン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、水:メタノール=1:10の混合液を沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0127】
【化35】
Figure 0003539792
【0128】
得られた共重合体は、組成比m:nが1:1であり、重量平均分子量(Mw)が12300、分散度 (Mw/Mn)が2.2 であった。
【0129】
実施例20
実施例19において調製したトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をメチルイソブチルケトンに溶解した。得られた溶液を、シリコン基板上に塗布後熱硬化させた膜厚1.5 μmのノボラックレジスト上に膜厚0.3 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0130】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を100 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は15.8mJ/cmであり、解像力は0.275 μmライン・アンド・スペースであった。
【0131】
実施例21
実施例20で得られたライン・アンド・スペースパターンをマスクとして、平行平板型エッチャーで酸素反応性イオンエッチングを施した。下層の熱硬化ノボラックレジストは異方的にエッチングされ、0.275 μmのライン・アンド・スペースの2層レジストパターンが形成できた。この時の下層と上層のエッチングレートの差は約20倍で、本発明の上層レジスト材料は十分な酸素プラズマ耐性があった。
【0132】
実施例22
実施例20に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、現像液として、0.27NのTMAH水溶液に代えて同濃度(0.27N)のテトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液を使用した。実施例20の場合と同様の満足し得るレジストパターンが、Eth =18.6mJ/cmで解像力=0.275 μmライン・アンド・スペースで得られた。
【0133】
実施例23
実施例20に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場合、レジスト膜を選択露光する前にオレフィン樹脂を膜厚0.2 μm でスピンコートしてトップコート膜とし、そして現像に先がけてこのトップコート膜を剥離した。0.25μmライン・アンド・スペースのレジストパターンが良好な形状で形成できた。
【0134】
実施例24
メタクリル酸3−オキソ−1,1−ジメチルブチルモノマーとメタクリル酸トリメチルシリルメチルモノマーを1:1のモル比で重合容器に仕込み、5mol/L のトルエン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、水:メタノール=1:10の混合液を沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソ−1,1−ジメチルブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0135】
【化36】
Figure 0003539792
【0136】
得られた共重合体は、組成比m:nが1:1であり、重量平均分子量(Mw)が13000、分散度 (Mw/Mn)が2.4 であった。
【0137】
実施例25
実施例24において調製したトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソ−1,1−ジメチルブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をメチルイソブチルケトンに溶解した。得られた溶液を、シリコン基板上に塗布後熱硬化させた膜厚1.5 μmのノボラックレジスト上に膜厚0.3 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0138】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、露光後のレジスト膜を100 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は12.0mJ/cmであり、解像力は0.275 μmライン・アンド・スペースであった。
【0139】
実施例26
実施例25で得られたライン・アンド・スペースパターンをマスクとして平行平板型エッチャーで酸素反応性イオンエッチングを施した。下層の熱硬化ノボラックレジストは異方的にエッチングされ、0.275 μmライン・アンド・スペースの2層レジストパターンが形成できた。この時の下層と上層のエッチングレートの差は約20倍で、本発明の上層レジスト材料は十分な酸素プラズマ耐性があった。
【0140】
実施例27
実施例25に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、現像液として、0.27NのTMAH水溶液に代えて同濃度(0.27N)のテトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液を使用した。実施例25の場合と同様の満足し得るレジストパターンが、Eth =14.6mJ/cmで解像力=0.275 μmライン・アンド・スペースで得られた。
【0141】
実施例28
実施例25に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場合、レジスト膜を選択露光する前にオレフィン樹脂を膜厚0.2 μmでスピンコートしてトップコート膜とし、そして現像に先がけてこのトップコート膜を剥離した。0.25μmライン・アンド・スペースのサイズのレジストパターンが良好な形状で、形成できた。
【0142】
実施例29
メタクリル酸3−オキソ−2−メチルブチルモノマーとメタクリル酸トリメチルシリルメチルモノマーを1:1のモル比で重合容器に仕込み、5mol/L のトルエン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、水:メタノール=1:10の混合液を沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソ−2−メチルブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0143】
【化37】
Figure 0003539792
【0144】
得られた共重合体は、組成比m:nが1:1であり、重量平均分子量(Mw)が12300、分散度 (Mw/Mn)が2.2 であった。
【0145】
実施例30
実施例29において調製したトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソ−2−メチルブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をメチルイソブチルケトンに溶解した。得られた溶液を、シリコン基板上に塗布後熱硬化させた膜厚1.5 μmのノボラックレジスト上に膜厚0.3 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0146】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、露光後のレジスト膜を100 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は15.8mJ/cmであり、解像力は0.275 μmライン・アンド・スペースであった。
【0147】
実施例31
実施例30で得られたライン・アンド・スペースパターンをマスクとして平行平板型エッチャーで酸素反応性イオンエッチングを施した。下層の熱硬化ノボラックレジストは異方的にエッチングされ、0.275 μmライン・アンド・スペースの二層レジストパターンが形成できた。この時の下層と上層のエッチングレートの差は約20倍で、本発明の上層レジスト材料は十分な酸素プラズマ耐性があった。
【0148】
実施例32
実施例30に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、現像液として、0.27NのTMAH水溶液に代えて同濃度(0.27N)のテトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液を使用した。実施例30の場合と同様の満足し得るレジストパターンが、Eth =17.8mJ/cmで解像力=0.275 μmライン・アンド・スペースで得られた。
【0149】
実施例33
実施例30に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場合、レジスト膜を選択露光する前にオレフィン樹脂を膜厚0.2 μmでスピンコートしてトップコート膜とし、そして現像に先がけてこのトップコート膜を剥離した。0.25μmライン・アンド・スペースのサイズのレジストパターンが良好な形状で形成できた。
【0150】
実施例34
メタクリル酸3−オキソ−1−メチルブチルモノマーとメタクリル酸トリメチルシリルメチルモノマーを1:1のモル比で重合容器に仕込み、5mol/L のトルエン溶液とし、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、水:メタノール=1:10の混合液を沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソ−1−メチルブチルメタクリレート共重合体が得られた。
【0151】
【化38】
Figure 0003539792
【0152】
得られた共重合体は、組成比m:nが1:1であり、重量平均分子量(Mw)が14500、分散度 (Mw/Mn)が2.8 であった。
【0153】
実施例35
実施例34において調製したトリメチルシリルメチルメタクリレート−3−オキソ−1−メチルブチルメタクリレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加して、この混合物をメチルイソブチルケトンに溶解した。得られた溶液を、シリコン基板上に塗布後熱硬化させた膜厚1.5 μmのノボラックレジスト上に膜厚0.3 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0154】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、露光後のレジスト膜を100 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は28.0mJ/cmであり、解像力は0.275 μmライン・アンド・スペースであった。
【0155】
実施例36
実施例35で得られたライン・アンド・スペースパターンをマスクとして平行平板型エッチャーで酸素反応性イオンエッチングを施した。下層の熱硬化ノボラックレジストは異方的にエッチングされ、0.275 μmライン・アンド・スペースの二層レジストパターンが形成できた。この時の下層と上層のエッチングレートの差は約20倍で、本発明の上層レジスト材料は十分な酸素プラズマ耐性があった。
【0156】
実施例37
実施例35に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、現像液として、0.27NのTMAH水溶液に代えて同濃度(0.27N)のテトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液を使用した。実施例35の場合と同様の満足し得るレジストパターンが、Eth =30.0mJ/cmで解像力=0.275 μmライン・アンド・スペースで得られた。
【0157】
実施例38
実施例35に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場合、レジスト膜を選択露光する前にオレフィン樹脂を膜厚0.2 μmでスピンコートしてトップコート膜とし、そして現像に先がけてこのトップコート膜を剥離した。0.25μmライン・アンド・スペースのサイズのレジストパターンが良好な形状で形成できた。
【0158】
実施例39
イタコン酸3−オキソ−2−メチルブチルモノマーとイタコン酸ビストリメチルシリルメチルモノマーを1:5のモル比で重合容器に仕込み、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、水:メタノール=1:10の混合液を沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるビストリメチルシリルメチルイタコネート−3−オキソ−2−メチルブチルイタコネート共重合体が得られた。
【0159】
【化39】
Figure 0003539792
【0160】
得られた共重合体は、組成比m:nが1:1であり、重量平均分子量(Mw)が8000、分散度 (Mw/Mn)が3.1 であった。
【0161】
実施例40
実施例39において調製したビストリメチルシリルメチルイタコネート−3−オキソ−2−メチルブチルイタコネート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をメチルイソブチルケトンに溶解した。得られた溶液を、シリコン基板上に塗布後熱硬化させた膜厚1.5 μmのノボラックレジスト上に膜厚0.3 μmでスピンコートし、ホットプレート上で70℃で100 秒間プリベークした。
【0162】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を100 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は9.2mJ/cmであり、解像力は0.275 μmライン・アンド・スペースであった。
【0163】
実施例41
実施例40で得られたライン・アンド・スペースパターンをマスクとして平行平板型エッチャーで酸素反応性イオンエッチングを施した。下層の熱硬化ノボラックレジストは異方的にエッチングされ、0.275 μmライン・アンド・スペースの二層レジストパターンが形成できた。この時の下層と上層のエッチングレートの差は約20倍で、本発明の上層レジスト材料は十分な酸素プラズマ耐性があった。
【0164】
実施例42
実施例40に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、現像液として、0.27NのTMAH水溶液に代えて同濃度(0.27N)のテトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液を使用した。実施例40の場合と同様の満足し得るレジストパターンが、Eth =11.6mJ/cmで解像力=0.275μmライン・アンド・スペースで得られた。
【0165】
実施例43
実施例40に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場合、レジスト膜を選択露光する前にオレフィン樹脂を膜厚0.2 μmでスピンコートしてトップコート膜とし、そして現像に先がけてこのトップコート膜を剥離した。0.25μmライン・アンド・スペースのサイズのレジストパターンが良好な形状で形成できた。
【0166】
実施例44
フマル酸ビス−3−オキソブチルモノマーとメタクリル酸トリメチルシリルメチルモノマーを1:5のモル比で重合容器に仕込み、開始剤としてAIBNを2 mol%添加した。こののち、80℃で約8時間にわたって重合させた。重合の完結後、水:メタノール=1:10の混合液を沈殿剤として精製を行なった。次式により表わされるトリメチルシリルメチルメタクリレート−ビス−3−オキソ−ブチルフマレート共重合体が得られた。
【0167】
【化40】
Figure 0003539792
【0168】
得られた共重合体は、組成比m:nが1:1であり、重量平均分子量(Mw)が8000、分散度 (Mw/Mn)が3.1 であった。
【0169】
実施例45
実施例44において調製したトリメチルシリルメチルメタクリレート−ビス−3−オキソ−ブチルフマレート共重合体に、15重量%の酸発生剤、トリフェニルスルホニウムヘキサフロロアンチモネートを添加し、この混合物をメチルイソブチルケトンに溶解した。得られた溶液を、シリコン基板上に塗布後熱硬化させた膜厚1.5 μmのノボラックレジスト上に膜厚0.3 μmでスピンコートし、ホットプレート上で70℃で100 秒間プリベークした。
【0170】
プリベークの完了後、得られたレジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を100 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は9.0mJ/cmであり、解像力は0.275 μmライン・アンド・スペースであった。
【0171】
実施例46
実施例45で得られたライン・アンド・スペースパターンをマスクとして平行平板型エッチャーで酸素反応性イオンエッチングを施した。下層の熱硬化ノボラックレジストは異方的にエッチングされ、0.275 μmライン・アンド・スペースの二層レジストパターンが形成できた。この時の下層と上層のエッチングレートの差は約20倍で、本発明の上層レジスト材料は十分な酸素プラズマ耐性があった。
【0172】
実施例47
実施例45に記載の手法を繰り返した。但し、本例では、現像液として、0.27NのTMAH水溶液に代えて同濃度(0.27N)のテトラブチルアンモニウムハイドロキシド(TBAH)水溶液を使用した。実施例45の場合と同様の満足し得るレジストパターンが、Eth =10.2mJ/cmで解像力=0.275μmライン・アンド・スペースで得られた。
【0173】
実施例48
実施例45に記載の手法を繰り返した。但し、本例の場合、レジスト膜を選択露光する前にオレフィン樹脂を膜厚0.2 μmでスピンコートしてトップコート膜とし、そして現像に先がけてこのトップコート膜を剥離した。0.25μmライン・アンド・スペースのサイズのレジストパターンが良好な形状で形成できた。
【0174】
実施例49
実施例5と同じ手法によって、アダマンチルメタクリレート−3−オキソブチルメタクリレート共重合体を調製した。この共重合体をシクロヘキサノンに溶解した(酸発生剤は加えなかった)。得られた溶液を、ヘキサメチルジシラザン(HMDS)で前処理したシリコン基板上に膜厚0.7 μmでスピンコートし、ホットプレート上で100 ℃で100 秒間プリベークした。
【0175】
プリベーク完了後、レジスト膜をKrF エキシマステッパ(ニコン社製、NA=0.45)で波長248nm のKrF レーザー光のパターンに選択露光した。その後、レジスト膜を130 ℃で60秒間ポストベークした。続いて、レジスト膜を0.27Nのテトラメチルアンモニウムハイドロキシド(TMAH)水溶液で60秒間現像し、更に純水で30秒間リンスした。露光に用いたレーザー光パターンに相当する所望のレジストパターンが、レジスト膜の剥がれを生じることなく得られた。なお、本例での照射線量のしきいエネルギーEth は1.2 J/cmであった。
【0176】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、保護基の脱離によりアルカリ可溶性となる基として式(1) 又は(2) で示される構造のものを含む重合体を用いることにより、レジスト材料の可曉性が増すとともに基板との密着性が増し、レジスト膜の剥がれやクラックが低減して、安定したパターニング特性を得ることができる。

Claims (10)

  1. 主剤重合体と、放射線露光により酸を発生する酸発生剤とを含み、当該主剤重合体がその繰返し単位に保護されたアルカリ可溶性基を有し、このアルカリ可溶性基の保護基が酸により脱離することで当該重合体をアルカリ可溶性にするレジスト材料であって、当該主剤重合体が、下記の一般式で示される構造を有する基を当該保護されたアルカリ可溶性基として有することを特徴とするレジスト材料。
    Figure 0003539792
    (この式において、R、R、R及びRは、直鎖の又は分岐したアルキル基又は置換アルキル基、脂環式炭化水素基、及びそれらから誘導された基であり、R〜Rは同一であっても異なっていてもよい)
  2. 保護基の脱離によりアルカリ可溶性となる基を持つ繰返し単位を有する重合体を主剤として含むレジスト材料であって、酸発生剤を含まず、当該保護されたアルカリ可溶性基が下記の一般式で示される構造を有し、
    Figure 0003539792
    (この式において、R、R、R及びRは、直鎖の又は分岐したアルキル基又は置換アルキル基、脂環式炭化水素基、及びそれらから誘導された基であり、R〜Rは同一であっても異なっていてもよい)
    且つ、当該保護基の脱離が放射線露光の直接の作用で起きることによりアルカリ可溶性となることを特徴とするレジスト材料。
  3. 前記重合体が、アクリル酸エステル、イタコン酸エステル、フマル酸エステル、スチレン置換体又はこれらの誘導体から得られた繰返し単位を持つ単独重合体又は共重合体であることを特徴とする、請求項1又は2記載のレジスト材料。
  4. 前記重合体が脂環式炭化水素基を含むことを特徴とする、請求項1から3までのいずれか一つに記載のレジスト材料。
  5. 前記脂環式炭化水素基は、
    (1) アダマンタン及びその誘導体
    (2) ノルボルナン及びその誘導体
    (3) シクロヘキサン及びその誘導体
    (4) パーヒドロアントラセン及びその誘導体
    (5) パーヒドロナフタレン及びその誘導体
    (6) トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン及びその誘導体
    (7) ビシクロヘキサン及びその誘導体
    (8) スピロ[4,4]ノナン及びその誘導体
    (9) スピロ[4,5] デカン及びその誘導体
    のうち、いずれかから選択される化合物を骨格とするものであることを特徴とする請求項4記載のレジスト材料。
  6. 前記重合体中の脂環式炭化水素基がアダマンタン又はその誘導体を骨格としていることを特徴とする、請求項4記載のレジスト材料。
  7. 前記重合体がケイ素を含む基を有することを特徴とする、請求項1から6までのいずれか一つに記載のレジスト材料。
  8. 前記保護基が3−オキソ−1−イソプロピルブチルエステル基、3−オキソブチルエステル基、3−オキソ−2−メチルブチルエステル基、3−オキソ−1,1−ジメチルブチルエステル基及び3−オキソ−1−メチルブチルエステル基のうちの一つであることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一つに記載のレジスト材料。
  9. レジスト材料を被処理基板上に塗布し、形成したレジスト膜のプリベーク後、当該レジスト膜を放射線に選択的に露光して所望パターンの潜像を形成し、次いでこのレジスト膜を露光後ベークし、そして上記の潜像を現像することを含むレジストパターンの形成方法において、当該レジスト材料として、請求項1から8までのいずれか一つに記載のレジスト材料を使用することを特徴とするレジストパターンの形成方法。
  10. 前記プリベーク工程乃至前記露光後ベーク工程のうち、少なくとも一方が60℃〜150℃で行われることを特徴とする、請求項9記載のレジストパターンの形成方法。
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