JP5584894B2 - 含フッ素化合物および高分子化合物 - Google Patents
含フッ素化合物および高分子化合物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP5584894B2 JP5584894B2 JP2009052095A JP2009052095A JP5584894B2 JP 5584894 B2 JP5584894 B2 JP 5584894B2 JP 2009052095 A JP2009052095 A JP 2009052095A JP 2009052095 A JP2009052095 A JP 2009052095A JP 5584894 B2 JP5584894 B2 JP 5584894B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- alkyl group
- compound
- carbon atoms
- atom
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C69/00—Esters of carboxylic acids; Esters of carbonic or haloformic acids
- C07C69/66—Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety
- C07C69/67—Esters of carboxylic acids having esterified carboxylic groups bound to acyclic carbon atoms and having any of the groups OH, O—metal, —CHO, keto, ether, acyloxy, groups, groups, or in the acid moiety of saturated acids
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C08—ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
- C08F—MACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
- C08F220/00—Copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride ester, amide, imide or nitrile thereof
- C08F220/02—Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms; Derivatives thereof
- C08F220/10—Esters
- C08F220/22—Esters containing halogen
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/004—Photosensitive materials
- G03F7/0046—Photosensitive materials with perfluoro compounds, e.g. for dry lithography
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/004—Photosensitive materials
- G03F7/039—Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists
- G03F7/0392—Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists the macromolecular compound being present in a chemically amplified positive photoresist composition
- G03F7/0397—Macromolecular compounds which are photodegradable, e.g. positive electron resists the macromolecular compound being present in a chemically amplified positive photoresist composition the macromolecular compound having an alicyclic moiety in a side chain
-
- G—PHYSICS
- G03—PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
- G03F—PHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
- G03F7/00—Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
- G03F7/20—Exposure; Apparatus therefor
- G03F7/2041—Exposure; Apparatus therefor in the presence of a fluid, e.g. immersion; using fluid cooling means
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C07—ORGANIC CHEMISTRY
- C07C—ACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
- C07C2601/00—Systems containing only non-condensed rings
- C07C2601/12—Systems containing only non-condensed rings with a six-membered ring
- C07C2601/14—The ring being saturated
Description
半導体素子の微細化に伴い、露光光源の短波長化と投影レンズの高開口数(高NA)化が進み、現在では193nmの波長を有するArFエキシマレーザーを光源とするNA=0.84の露光機が開発されている。露光光源の短波長化に伴い、レジスト材料には、露光光源に対する感度、微細な寸法のパターンを再現できる解像性等のリソグラフィー特性の向上が求められる。このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。
現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用される化学増幅型レジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)などが一般的に用いられている。
ここで、「(メタ)アクリル酸」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸と、α位にメチル基が結合したメタクリル酸の一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。「(メタ)アクリレート」とは、α位に水素原子が結合したアクリレートと、α位にメチル基が結合したメタクリレートの一方あるいは両方を意味する。
液浸露光によれば、同じ露光波長の光源を用いても、より短波長の光源を用いた場合や高NAレンズを用いた場合と同様の高解像性を達成でき、しかも焦点深度幅の低下もないといわれている。また、液浸露光は既存の露光装置を用いて行うことができる。そのため、液浸露光は、低コストで、高解像性で、かつ焦点深度幅にも優れるレジストパターンの形成を実現できると予想され、多額な設備投資を必要とする半導体素子の製造において、コスト的にも、解像度等のリソグラフィー特性的にも、半導体産業に多大な効果を与えるものとして大変注目されている。
液浸露光はあらゆるパターン形状の形成において有効であり、更に、現在検討されている位相シフト法、変形照明法などの超解像技術と組み合わせることも可能であるとされている。現在、液浸露光技術としては、主に、ArFエキシマレーザーを光源とする技術が活発に研究されている。また、現在、液浸媒体としては、主に水が検討されている。
最近、エッチング耐性に優れた含フッ素高分子化合物として、環状炭化水素基を含有する酸不安定性基を有する含フッ素高分子化合物が報告されている(たとえば、非特許文献2参照)。
そこで液浸露光においては、適度な疎水性を有し、リソグラフィー特性と、液浸露光等に必要とされる特性とを両立した材料の開発が重要課題となるが、このようなものは、従来ほとんど知られていない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、新規な含フッ素化合物、および該化合物をモノマー単位とし、液浸露光用レジスト組成物の成分として好適な高分子化合物を提供することを課題とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、下記一般式(a−i)で表される化合物である(但し、下記式(EXC-1)〜(EXC-7)で表される化合物を除く)。
「露光」とは、放射線の照射全般を含む概念とする。
「酸解離性基」は、酸の作用により解離しうる有機基である。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基である。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」とは、炭素原子数1〜5のアルキル基を意味する。
本発明の含フッ素化合物(A1)は、前記一般式(a−i)で表される。
前記一般式(a−i)中、Rは水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基である。
Rの低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
Rのハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記低級アルキル基の水素原子の一部または全部が、ハロゲン原子で置換された基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
Rは、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子またはメチル基であることがより好ましく、メチル基であることが特に好ましい。
「フッ素原子を有する有機基」とは、有機基における水素原子の一部または全部がフッ素原子で置換された基をいう。
R1としては、たとえば、置換基を有していてもよく有していなくてもよいフッ素化炭化水素基が好ましく挙げられる。なかでも、フッ素化飽和炭化水素基またはフッ素化不飽和炭化水素基が好ましく、フッ素化飽和炭化水素基であることが特に好ましい。
ここでフッ素化炭化水素基が「置換基を有する」とは、該フッ素化炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。フッ素化炭化水素基が有していてもよく有していなくてもよい置換基としては、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン化低級アルキル基、フッ素原子以外のハロゲン原子等が挙げられる。前記置換基としてのアルキル基は低級アルキル基が好ましく、上記におけるRの低級アルキル基と同じである。アルコキシ基は、炭素数が1〜5であることが好ましい。ハロゲン化低級アルキル基は、上記におけるRのハロゲン化低級アルキル基と同じである。フッ素原子以外のハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられる。
また、R1の炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜15であることがより好ましく、1〜10であることが特に好ましく、1〜5であることが最も好ましい。
また、R1のフッ素原子で置換されている水素原子の数は、浸漬露光時のレジスト膜の疎水性が高まることから、25%以上であることが好ましく、40%以上であることがより好ましく、50%以上であることが特に好ましい。そしてR1は、その炭素原子のうち、前記一般式(a−i)中の「−X−C(=O)−O−」の末端の酸素原子に結合している炭素原子とは反対側の末端の炭素原子に結合しているフッ素原子の数が多いものほど好ましい。
当該(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物によれば、レジストパターンの形成において、浸漬露光時などアルカリ現像液と接触する前には疎水性であって、アルカリ現像時には親水性となる特性を有するレジスト膜を形成できる。
このように、アルカリ現像時に親水性が高まる液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、液浸露光におけるディフェクトを効果的に低減できる。すなわち、液浸露光においては、レジスト膜に対して浸漬露光を行うと、露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が変化する。たとえばポジ型の場合は露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が高まり、ネガ型の場合は露光部のアルカリ現像液に対する溶解性が低下する。そして、アルカリ現像を行うことにより、ポジ型の場合は露光部が除去され、ネガ型の場合は未露光部が除去されてレジストパターンが形成される。このとき通常は、レジスト膜の、浸漬露光により放射線が照射されなかった部分(たとえばポジ型の場合は未露光部)の表面には、アルカリ現像後に、水等の浸漬媒体の影響によるディフェクト(ウォーターマークディフェクト等)が生じやすいが、アルカリ現像時に親水性が高まれば、ディフェクトの発生を低減できる。
「酸解離性部位」とは、当該有機基内における、露光により発生する酸が作用して解離する部位をいう。具体的には、たとえば、カルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する部位が挙げられる。
直鎖状又は分岐鎖状の場合は、炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。
環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10であることが最も好ましい。具体的にはモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。なかでも、アダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
X1におけるアルキレン基としては、例えば、前記R21およびR22におけるアルキル基から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。なかでも、直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜10の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜5の直鎖状のまたは分岐鎖状のアルキレン基が特に好ましい。
X1における二価の脂肪族環式基としては、後述する構成単位(a1)における「脂肪族環式基」から1個の水素原子を除いた基が挙げられる。
なかでもX1は、アルキレン基であることが好ましい。
一般式(a−i−2)中、aは1〜10の整数であり、1〜5であることが好ましい。
含フッ素化合物(A1)は、そのまま、液浸露光用レジスト組成物の添加剤として好適に用いることができる。
なお、該含フッ素化合物(A1)は、単独で重合させるか、または他の重合性化合物と共重合させることにより、高分子化合物とすることができる。かかる高分子化合物は、含フッ素化合物(A1)と同様、液浸露光用レジスト組成物の添加剤として好適に用いることができる。
化合物(A1)は、後述する含フッ素化合物(A2)の製造用モノマーとしても有用である。
本発明の高分子化合物(A2)は、前記含フッ素化合物(A1)から誘導される構成単位を有する高分子化合物である。
具体的には、下記一般式(a−ii)で表される構成単位(以下、構成単位(a1)という。)を有する高分子化合物である。
一般式(a−ii−1)で表される構成単位の好ましい具体例を以下に示す。
高分子化合物(A2)中、構成単位(a1)の割合は、高分子化合物(A2)を構成する全構成単位の合計に対し、10〜100モル%が好ましく、30〜100モル%がより好ましく、40〜100モル%がさらに好ましく、50〜100モル%が特に好ましく、100モル%であってもよい。構成単位(a1)の割合が上記範囲の下限値以上であると、レジストパターンの形成において、疎水性が高く、かつリソグラフィー特性も良好なレジスト膜が得られる。
かかる構成単位としては、特に限定されないが、構成単位(a1)を誘導する化合物と共重合可能な化合物から誘導される構成単位が好ましい。かかる構成単位としては、たとえば、後述する、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(B1)が有していてもよいものとして挙げる構成単位(b1)〜(b4)等が挙げられる。
高分子化合物(A2)中の構成単位(a1)以外の構成単位は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
高分子化合物(A2)は、液浸露光用レジスト組成物の添加剤として好適に用いることができる。
本発明において、(A)成分としては、高分子化合物(A2)を用いることが好ましい。そして、高分子化合物(A2)のなかでも、前記一般式(a−ii−1)で表される構成単位を有する高分子化合物が特に好ましい。また、(A)成分として、含フッ素化合物(A1)及び高分子化合物(A2)を併用しても良い。
含フッ素化合物(A1)を製造する場合には、例えば、一般式(a−i)中のR1が結合している方のカルボニルオキシ基(−C(=O)−O−)におけるカルボニル基(−C(=O)−)と、該カルボニル基に隣接しその炭素原子に結合している酸素原子(−O−)との間で結合を形成するようにすると良い。さらに、Xを含む基と、α,β−不飽和カルボニル化合物等とを反応させて、「H2C=C(−R)−C(=O)−O−X−」の構造を形成するようにすると良い。
まず、下記一般式(a−i−01)で表される化合物(以下、化合物(a−i−01)という。)と下記一般式(a−i−02)で表される化合物(以下、化合物(a−i−02)という。)とを反応させて、下記一般式(a−i−03)で表される化合物(以下、化合物(a−i−03)という。)を得る第一工程を行う。
次いで、化合物(a−i−03)と下記一般式(a−i−04)で表される化合物(以下、化合物(a−i−04)という。)とを反応させて、下記一般式(a−i−05)で表される化合物(以下、化合物(a−i−05)という。)を得る第二工程を行う。
次いで、化合物(a−i−05)と下記一般式(a−i−06)で表される化合物(以下、化合物(a−i−06)という。)とを反応させて、化合物(a−i)を得る第三工程を行う。
式中、W1およびW2はそれぞれ独立にハロゲン原子であり、塩素原子または臭素原子が好ましく、W1は臭素原子がより好ましく、W2は塩素原子がより好ましい。
第一工程は、例えば、アセトン等の反応溶媒に化合物(a−i−01)を加え、好ましくは塩基、より好ましくはトリエチルアミン等の有機塩基も共存させて、ここへ化合物(a−i−02)を添加して反応を行うのが好ましい。この時、化合物(a−i−02)は、滴下により添加することが好ましく、滴下時間は1〜5時間が好ましく、2〜4時間がより好ましい。滴下中の温度は、−5〜15℃が好ましく、−5〜10℃がより好ましい。また、化合物(a−i−02)添加後の反応時間は0.5〜7時間が好ましく、1〜4時間がより好ましい。反応温度は−5〜10℃が好ましく、−5〜5℃が好ましい。
化合物(a−i−01)の使用量は、化合物(a−i−02)1モルに対し1〜4モルが好ましく、1.5〜3モルがより好ましい。塩基の使用量は、化合物(a−i−02)1モルに対し1〜5モルが好ましく、2〜3.5モルがより好ましい。
反応終了後は、適宜必要に応じて、抽出、洗浄等の後処理を行い、化合物(a−i−03)を単離、精製してもよいし、単離することなくそのまま第二工程に使用しても良い。単離、精製には、公知の方法が利用でき、例えば、濃縮、溶媒抽出、蒸留、結晶化、再結晶、クロマトグラフィー等をいずれか単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
以上により、化合物(a−i−03)が得られる。
第二工程は、例えば、テトラヒドロフラン(THF)等の反応溶媒中に、化合物(a−i−04)、亜鉛粉末、触媒量のヨウ素等を加え、ここへ化合物(a−i−03)を添加して反応を行うのが好ましい。この時、化合物(a−i−03)は、滴下により添加することが好ましい。滴下時間は0.2〜4時間が好ましく、0.3〜2時間がより好ましい。滴下中の温度は、30〜70℃が好ましく、40〜60℃がより好ましい。また、化合物(a−i−03)添加後の反応時間は0.5〜7時間が好ましく、1〜4時間がより好ましい。反応温度は化合物(a−i−03)を滴下中の温度と同様で良い。
化合物(a−i−04)の使用量は、化合物(a−i−03)1モルに対し0.5〜3モルが好ましく、0.7〜1.5モルがより好ましい。亜鉛粉末の使用量は、化合物(a−i−03)1モルに対し0.7〜3.5モルが好ましく、1〜2モルがより好ましい。
反応終了後は、第一工程と同様に処理すれば良い。
以上により、化合物(a−i−05)が得られる。
第三工程は、第二工程と同様の反応溶媒を用いて、化合物(a−i−05)と化合物(a−i−06)とを反応させれば良い。そして、第二工程に引き続き、化合物(a−i−05)を単離することなく、第三工程の反応を行う方法が好ましい。この場合には、第二工程終了後の反応液に、塩基、好ましくはトリエチルアミン等の有機塩基を加えてから、化合物(a−i−06を)添加すれば良い。第三工程の反応時には、化合物(a−i−06)は、滴下により添加することが好ましい。滴下時間は0.2〜4時間が好ましく、0.3〜2時間がより好ましい。滴下中の温度は、10〜40℃が好ましく、15〜25℃がより好ましい。また、化合物(a−i−06)添加後の反応時間は0.5〜7時間が好ましく、1〜4時間がより好ましい。反応温度は化合物(a−i−06)を滴下中の温度と同様で良い。
化合物(a−i−05)を単離せずに反応を行う場合、化合物(a−i−06)の使用量は、化合物(a−i−03)1モルに対し0.7〜3モルが好ましく、0.9〜2モルがより好ましい。塩基の使用量は、化合物(a−i−06)と同様で良い。
反応終了後は、第一工程と同様に後処理、単離、精製等を行えば良い。
以上により、化合物(a−i)が得られる。
高分子化合物(A2)は、例えば、所望の構成単位を誘導するモノマー(たとえば前記化合物(a−i−2)等)を、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスイソ酪酸ジメチル等のラジカル重合開始剤を用いた公知のラジカル重合等により重合させることによって得ることができる。
(A)成分は、酸の作用によりアルカリ溶解性が増大する樹脂成分(B)(以下、(B)成分という)および露光により酸を発生する酸発生剤成分(C)(以下、(C)成分という)を含有する液侵露光用レジスト組成物の含有成分として好適である。
(B)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている有機化合物を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができる。
ここで、「基材成分」とは、膜形成能を有する有機化合物であり、好ましくは分子量が500以上の有機化合物が用いられる。該有機化合物の分子量が500以上であることにより、膜形成能が向上し、また、ナノレベルのレジストパターンを形成しやすい。
前記基材成分として用いられる分子量が500以上の有機化合物は、分子量が500以上2000未満の低分子量の有機化合物(低分子材料)と、分子量が2000以上の高分子量の有機化合物(高分子材料)とに大別される。前記低分子材料としては、通常、非重合体が用いられる。高分子材料としては樹脂(重合体、共重合体)が用いられ、その「分子量」はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によるポリスチレン換算の質量平均分子量を用いるものとする。以下、単に「樹脂」という場合は、分子量が2000以上の樹脂を示すものとする。
(B)成分としては、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する樹脂を用いることができ、酸の作用によりアルカリ溶解性が変化する低分子材料を用いることもできる。
かかるネガ型レジスト組成物は、露光により(B)成分から酸が発生すると、当該酸が作用して基材成分と架橋剤との間で架橋が起こり、アルカリ現像液に対して難溶性へ変化する。そのため、レジストパターンの形成において、当該ネガ型レジスト組成物を基板上に塗布して得られるレジスト膜を選択的に露光すると、露光部はアルカリ現像液に対して難溶性へ転じる一方で、未露光部はアルカリ現像液に対して可溶性のまま変化しないので、アルカリ現像することによりレジストパターンが形成できる。
ネガ型レジスト組成物の(B)成分としては、通常、アルカリ現像液に対して可溶性の樹脂(以下、アルカリ可溶性樹脂という。)が用いられる。
アルカリ可溶性樹脂としては、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸、またはα−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸の低級アルキルエステルから選ばれる少なくとも一つから誘導される単位を有する樹脂が、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。なお、α−(ヒドロキシアルキル)アクリル酸は、カルボキシ基が結合するα位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸と、このα位の炭素原子にヒドロキシアルキル基(好ましくは炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基)が結合しているα−ヒドロキシアルキルアクリル酸の一方または両方を示す。
架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤を用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部であることが好ましい。
該(B)成分は、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する樹脂成分(B1)(以下、(B1)成分ということがある。)であってもよく、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する低分子材料(B2)(以下、(B2)成分ということがある。)であってもよく、これらの混合物であってもよい。
(B1)成分としては、通常、化学増幅型レジスト用の基材成分として用いられている樹脂成分(ベース樹脂)を1種単独で、又は2種以上を混合して使用することができ、アクリル酸エステルから誘導される構成単位を含有するものが好ましい。
ここで、本明細書において、「アクリル酸エステルから誘導される構成単位」とは、アクリル酸エステルのエチレン性二重結合が開裂して構成される構成単位を意味する。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことを意味する。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐鎖状のアルキル基が挙げられる。
また、ハロゲン化低級アルキル基として、具体的には、上記「α位の置換基としての低級アルキル基」の水素原子の一部または全部を、ハロゲン原子で置換した基が挙げられる。該ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることが最も好ましい。
また、(B1)成分は、構成単位(b1)に加えて、さらに、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(b2)を有することが好ましい。
また、(B1)成分は、構成単位(b1)に加えて、または構成単位(b1)および(b2)に加えて、さらに、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(b3)を有することが好ましい。
構成単位(b1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(b1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は(B1)成分全体をアルカリ現像液に対して難溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、酸により解離してこの(B1)成分全体のアルカリ現像液に対する溶解性を増大させるものであり、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。
一般的には、(メタ)アクリル酸等におけるカルボキシ基と環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基;アルコキシアルキル基等のアセタール型酸解離性溶解抑制基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
「脂肪族分岐鎖状」とは、芳香族性を持たない分岐鎖状の構造を有することを示す。
「脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基」の構造は、炭素原子および水素原子からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。
また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、炭素数4〜8の第3級アルキル基が好ましく、具体的にはtert−ブチル基、tert−ペンチル基、tert−ヘプチル基等が挙げられる。
構成単位(b1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、炭素数1〜5の低級アルコキシ基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。「脂肪族環式基」は、多環式基であることが好ましい。
脂肪族環式基としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
アセタール型酸解離性溶解抑制基としては、たとえば、下記一般式(p1)で表される基が挙げられる。
R1’,R2’の低級アルキル基としては、上記Rの低級アルキル基と同様のものが挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
また、R1’,R2’のうち少なくとも1つが水素原子であることが好ましい。すなわち、酸解離性溶解抑制基(p1)が、下記一般式(p1−1)で表される基であることが好ましい。
Yの脂肪族環式基としては、従来ArFレジスト等において多数提案されている単環又は多環式の脂肪族環式基の中から適宜選択して用いることができ、たとえば上記「脂肪族環式基」と同様のものが例示できる。
特にR17、R18の一方が水素原子で、他方がメチル基であることが好ましい。
R19は直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に直鎖状または分岐鎖状のアルキレン基(好ましくは炭素数1〜5のアルキレン基)であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
X1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定することはなく、たとえば上述した第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基、アセタール型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。
X2は、式(b1−0−1)中のX1と同様である。
該脂肪族環式基としては、水素原子が2個以上除かれた基が用いられること以外は前記「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
Y2がアルキレン基である場合、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜6であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが特に好ましく、炭素数1〜3であることが最も好ましい。
Y2が2価の脂肪族環式基である場合、シクロペンタン、シクロヘキサン、ノルボルナン、イソボルナン、アダマンタン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンから水素原子が2個以上除かれた基であることが特に好ましい。
Y2がヘテロ原子を含む2価の連結基である場合、ヘテロ原子を含む2価の連結基としては、−O−、−C(=O)−O−、−C(=O)−、−O−C(=O)−O−、−C(=O)−NH−、−NH−(Hはアルキル基、アシル基等の置換基で置換されていてもよい。)、−S−、−S(=O)2−、−S(=O)2−O−、「−A−O(酸素原子)−B−(ただし、AおよびBはそれぞれ独立して置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。)」等が挙げられる。
Y2が「A−O−B」である場合、AおよびBは、それぞれ独立して、置換基を有していてもよい2価の炭化水素基である。
炭化水素基が「置換基を有する」とは、該炭化水素基における水素原子の一部または全部が、水素原子以外の基または原子で置換されていることを意味する。
Aにおける脂肪族炭化水素基として、より具体的には、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基、構造中に環を含む脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、直鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、メチレン基、エチレン基[−(CH2)2−]、トリメチレン基[−(CH2)3−]、テトラメチレン基[−(CH2)4−]、ペンタメチレン基[−(CH2)5−]等が挙げられる。
分岐鎖状の脂肪族炭化水素基としては、分岐鎖状のアルキレン基が好ましく、具体的には、−CH(CH3)−、−CH(CH2CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CH3)(CH2CH3)−、−C(CH3)(CH2CH2CH3)−、−C(CH2CH3)2−等のアルキルメチレン基;−CH(CH3)CH2−、−CH(CH3)CH(CH3)−、−C(CH3)2CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−、−CH(CH2CH3)CH2−等のアルキルエチレン基;−CH(CH3)CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2−等のアルキルトリメチレン基;−CH(CH3)CH2CH2CH2−、−CH2CH(CH3)CH2CH2−等のアルキルテトラメチレン基などのアルキルアルキレン基等が挙げられる。アルキルアルキレン基におけるアルキル基としては、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましい。
鎖状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよく、有していなくてもよい。該置換基としては、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、炭素数が3〜20であることが好ましく、3〜12であることがより好ましい。
環状の脂肪族炭化水素基は、多環式基であってもよく、単環式基であってもよい。単環式基としては、炭素数3〜6のモノシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該モノシクロアルカンとしてはシクロペンタン、シクロヘキサン等が例示できる。
多環式基としては、炭素数7〜12のポリシクロアルカンから2個の水素原子を除いた基が好ましく、該ポリシクロアルカンとして具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカン等が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
Bとしては、直鎖状または分岐鎖状の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチレン基またはアルキルメチレン基が特に好ましい。
アルキルメチレン基におけるアルキル基は、炭素数1〜5の直鎖状のアルキル基が好ましく、炭素数1〜3の直鎖状のアルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
R1’、R2’、n、Yとしては、それぞれ、上述の「アセタール型酸解離性溶解抑制基」の説明において挙げた一般式(p1)におけるR1’、R2’、n、Yと同様のものが挙げられる。
Y2としては、上述の一般式(b1−0−2)におけるY2と同様のものが挙げられる。
その中でも、一般式(b1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(b1−1−1)〜(b1−1−7)および(b1−1−36)〜(b1−1−42)からなる群から選択される少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(b1)としては、特に式(b1−1−1)〜式(b1−1−5)の構成単位を包括する下記一般式(b1−1−01)で表されるものや、式(b1−1−36)〜(b1−1−42)の構成単位を包括する下記一般式(b1−1−02)で表されるものも好ましい。
(A1)成分中、構成単位(a1)の割合は、(A1)成分を構成する全構成単位に対し、10〜80モル%が好ましく、20〜70モル%がより好ましく、25〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることによって、レジスト組成物とした際に容易にパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(b2)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(b2)のラクトン環式基は、(B1)成分をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、水を含有する現像液との親和性を高めたりするうえで有効なものである。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(b1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
R”が直鎖状または分岐鎖状のアルキル基の場合は炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜5であることがさらに好ましい。
R”が環状のアルキル基の場合は炭素数3〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
一般式(b2−1)〜(b2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
A”の酸素原子もしくは硫黄原子を含んでいてもよい炭素数1〜5のアルキレン基として、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、−O−CH2−、−CH2−O−CH2−、−S−CH2−、−CH2−S−CH2−等が挙げられる。
以下に、前記一般式(b2−1)〜(b2−5)の具体的な構成単位を例示する。
(B1)成分中、構成単位(b2)の割合は、(B1)成分を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(b2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
構成単位(b3)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
(B1)成分が構成単位(b3)を有することにより、(B1)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐鎖状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。該多環式基の炭素数は7〜30であることが好ましい。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから2個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから2個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
(B1)成分中、構成単位(b3)の割合は、(B1)成分を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%が好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(b3)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
(B1)成分は、本発明の高分子化合物を含有する液浸露光用レジスト組成物の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(b1)〜(b3)以外の他の構成単位(b4)を含んでいてもよい。
構成単位(b4)は、上述の構成単位(b1)〜(b3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定されるものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(b4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(b1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を置換基として有していてもよい。
構成単位(b4)として、具体的には、下記一般式(b4−1)〜(b4−5)の構造のものを例示することができる。
液浸露光用レジスト組成物において、(B1)成分としては、特に下記の様な構成単位の組み合わせを含むものが好ましい。
R20は低級アルキル基であり、Rの低級アルキル基と同様であり、メチル基またはエチル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。
また、(B1)成分には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。なお、Mnは数平均分子量を示す。
(B2)成分としては、分子量が500以上2000未満であって、上述の(B1)成分の説明で例示したような酸解離性溶解抑制基と、親水性基とを有する低分子化合物が好ましい。具体的には、複数のフェノール骨格を有する化合物の水酸基の水素原子の一部が上記酸解離性溶解抑制基で置換されたものが挙げられる。
(B2)成分は、たとえば、非化学増幅型のg線やi線レジストにおける増感剤や、耐熱性向上剤として知られている低分子量フェノール化合物の水酸基の水素原子の一部を上記酸解離性溶解抑制基で置換したものが好ましく、そのようなものから任意に用いることができる。
かかる低分子量フェノール化合物としては、たとえば、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)メタン、2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(4’−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)−2−(2’,3’,4’−トリヒドロキシフェニル)プロパン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)−3,4−ジヒドロキシフェニルメタン、1−[1−(4−ヒドロキシフェニル)イソプロピル]−4−[1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エチル]ベンゼン、フェノール、m−クレゾール、p−クレゾールまたはキシレノールなどのフェノール類のホルマリン縮合物の2、3、4核体などが挙げられる。勿論これらに限定されるものではない。
酸解離性溶解抑制基も特に限定されず、上記したものが挙げられる。
上記のなかでも、(B)成分としては、酸の作用によりアルカリ現像液に対する溶解性が増大する基材成分であることが好ましく、上記(B1)成分を含有することが特に好ましい。
本発明の高分子化合物を含有する液浸露光用レジスト組成物中、(B)成分の含有量は、形成しようとするレジスト膜厚等に応じて調整すればよい。
<(C)成分>
(C)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
また、R1”〜R3”のうち、少なくとも1つはアリール基を表す。R1”〜R3”のうち、2以上がアリール基であることが好ましく、R1”〜R3”のすべてがアリール基であることが最も好ましい。
アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、iso−プロポキシ基、n−ブトキシ基、tert−ブトキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていてもよいハロゲン原子としては、フッ素原子が好ましい。
式(c−1)におけるR1”〜R3”のうち、いずれか2つが相互に結合して式中のイオウ原子と共に環を形成する場合、残りの1つは、アリール基であることが好ましい。前記アリール基は、前記R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R4”におけるアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれであっても良い。
前記直鎖状または分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
ハロゲン化アルキル基においては、当該ハロゲン化アルキル基に含まれるハロゲン原子および水素原子の合計数に対するハロゲン原子の数の割合(ハロゲン化率(%))が、10〜100%であることが好ましく、50〜100%であることが好ましく、100%が最も好ましい。該ハロゲン化率が高いほど、酸の強度が強くなるので好ましい。
前記R4”におけるアルケニル基は、炭素数2〜10のアルケニル基であることが好ましい。
R4”における置換基の数は1つであってもよく、2つ以上であってもよい。
前記ハロゲン原子、アルキル基としては、R4”において、ハロゲン化アルキル基におけるハロゲン原子、アルキル基として挙げたもの同様のものが挙げられる。
前記ヘテロ原子としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等が挙げられる。
前記アリールアルキル基中のアルキル鎖の炭素数は、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがより好ましく、1であることが特に好ましい。
これらのアリール基、ヘテロアリール基、アリールアルキル基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、水酸基、ハロゲン原子等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数が1〜4であることがさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。該ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子であることが好ましい。
R5の1価の芳香族有機基としては、アリールアルキル基が好ましく、アリールメチル基がより好ましく、ナフチルメチル基が最も好ましい。
直鎖状の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デカニル基などが挙げられる。
分岐鎖状の1価の飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基などが挙げられる。
環状の1価の飽和炭化水素基としては、多環式基、単環式基のいずれでもよく、例えば、モノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。より具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
直鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、ビニル基、プロペニル基(アリル基)、ブチニル基などが挙げられる。
分岐鎖状の1価の不飽和炭化水素基としては、例えば、1−メチルプロペニル基、2−メチルプロペニル基などが挙げられる。
R5の1価の脂肪族炭化水素基の炭素数は、2〜4が好ましく、3が特に好ましい。
R5の1価のヒドロキシアルキル基の炭素数は1〜10が好ましく、1〜8がより好ましく、1〜6が特に好ましく、1〜3が最も好ましい。
該置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)等が挙げられる。
1価の脂肪族炭化水素基は、へテロ原子を含んでいてもよい。たとえばヘテロ原子を含む環状のアルキル基としては、下記式(L1)〜(L5)、(S1)〜(S4)で表される基等が挙げられる。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(c−2)中のR4”としては上記式(c−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
また、これらのオニウム塩のアニオン部がメタンスルホネート、n−プロパンスルホネート、n−ブタンスルホネート、n−オクタンスルホネートに置き換えたオニウム塩も用いることができる。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐鎖状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
アルコキシ基は、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、なかでも直鎖または分岐鎖状のアルコキシ基がより好ましく、メトキシ基、エトキシ基が特に好ましい。
ヒドロキシアルキル基は、上記アルキル基中の一個又は複数個の水素原子がヒドロキシ基に置換した基が好ましく、ヒドロキシメチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が挙げられる。
R41〜R46に付された符号n1〜n6が2以上の整数である場合、複数のR41〜R46はそれぞれ同じであってもよく、異なっていてもよい。
n1は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1であり、さらに好ましくは0である。
n2およびn3は、好ましくはそれぞれ独立して0又は1であり、より好ましくは0である。
n4は、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0又は1である。
n5は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは0である。
n6は、好ましくは0又は1であり、より好ましくは1である。
R31の有機基としては、直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖状、分岐鎖状または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが特に好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、70%以上フッ素化されていることがより好ましく、90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため特に好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p”は好ましくは2である。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
本発明においては、(C)成分として、トリアリールスルホニウムイオンをカチオン部とし、置換基を有していてもよいフッ素化アルキルスルホン酸イオンをアニオン部とするオニウム塩系酸発生剤を用いることが好ましい。
本発明の高分子化合物を含有する液浸露光用レジスト組成物における(C)成分の含有量は、(B)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部であることが好ましく、1〜10質量部であることがより好ましい。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
液浸露光用レジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるために、さらに任意の成分として、含窒素有機化合物(D)(以下、(D)成分という。)を配合させることができる。
この(D)成分は、既に多種多様なものが提案されているので、公知のものから任意に用いれば良く、なかでも脂肪族アミン、特に第2級脂肪族アミンや第3級脂肪族アミンが好ましい。脂肪族アミンとは、1つ以上の脂肪族基を有するアミンであり、該脂肪族基は炭素数が1〜12であることが好ましい。
脂肪族アミンとしては、アンモニアNH3の水素原子の少なくとも1つを、炭素数12以下のアルキル基またはヒドロキシアルキル基で置換したアミン(アルキルアミンまたはアルキルアルコールアミン)又は環式アミンが挙げられる。
アルキルアミンおよびアルキルアルコールアミンの具体例としては、n−ヘキシルアミン、n−ヘプチルアミン、n−オクチルアミン、n−ノニルアミン、n−デシルアミン等のモノアルキルアミン;ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジ−n−ヘプチルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ジシクロヘキシルアミン等のジアルキルアミン;トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等のトリアルキルアミン;ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、ジ−n−オクタノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等のアルキルアルコールアミンが挙げられる。これらの中でも、炭素数5〜10のトリアルキルアミンがさらに好ましく、トリ−n−ペンチルアミンが最も好ましい。
環式アミンとしては、たとえば、ヘテロ原子として窒素原子を含む複素環化合物が挙げられる。該複素環化合物としては、単環式のもの(脂肪族単環式アミン)であっても多環式のもの(脂肪族多環式アミン)であってもよい。
脂肪族単環式アミンとして、具体的には、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
脂肪族多環式アミンとしては、炭素数が6〜10のものが好ましく、具体的には、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン、ヘキサメチレンテトラミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
(D)成分は、(B)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲で用いられる。
有機カルボン酸としては、例えば、酢酸、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好適である。
リンのオキソ酸およびその誘導体としては、リン酸、ホスホン酸、ホスフィン酸等が挙げられ、これらの中でも特にホスホン酸が好ましい。
リンのオキソ酸の誘導体としては、たとえば、上記オキソ酸の水素原子を炭化水素基で置換したエステル等が挙げられ、前記炭化水素基としては、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数6〜15のアリール基等が挙げられる。
リン酸の誘導体としては、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステル等のリン酸エステルなどが挙げられる。
ホスホン酸の誘導体としては、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステル等のホスホン酸エステルなどが挙げられる。
ホスフィン酸の誘導体としては、フェニルホスフィン酸等のホスフィン酸エステルなどが挙げられる。
(E)成分は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分としては、有機カルボン酸が好ましく、特にサリチル酸が好ましい。
(E)成分は、(B)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
液浸露光用レジスト組成物は、材料を有機溶剤(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造することができる。
(S)成分としては、使用する各成分を溶解し、均一な溶液とすることができるものであればよく、従来、化学増幅型レジストの溶剤として公知のものの中から任意のものを1種または2種以上適宜選択して用いることができる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;
アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチル−n−ペンチルケトン、メチルイソペンチルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;
エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類;
エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテル等のモノアルキルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体[これらの中では、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましい];
ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、乳酸エチル(EL)、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類;
アニソール、エチルベンジルエーテル、クレジルメチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジベンジルエーテル、フェネトール、ブチルフェニルエーテル、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、ペンチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、トルエン、キシレン、シメン、メシチレン等の芳香族系有機溶剤などを挙げることができる。
これらの有機溶剤は単独で用いてもよく、2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
中でも、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)、ELが好ましい。
また、PGMEAと極性溶剤とを混合した混合溶媒も好ましい。その配合比(質量比)は、PGMEAと極性溶剤との相溶性等を考慮して適宜決定すればよいが、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2の範囲内とすることが好ましい。
より具体的には、極性溶剤としてELを配合する場合は、PGMEA:ELの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。また、極性溶剤としてPGMEを配合する場合は、PGMEA:PGMEの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2、さらに好ましくは3:7〜7:3である。
また、(S)成分として、その他には、PGMEA及びELの中から選ばれる少なくとも1種とγ−ブチロラクトンとの混合溶剤も好ましい。この場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
すなわち、本発明の高分子化合物を含有する液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、前記一般式(a−i)で表される含フッ素化合物(A)である上記(A)成分を含有する。
上述するように、(A)成分は、フッ素原子を含むため、フッ素原子を含まない場合に比べて、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜の疎水性が高い。
また、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、浸漬露光時のレジスト膜中からの物質溶出を抑制することができる。
すなわち、液浸露光は、上述したように、露光時に、従来は空気や窒素等の不活性ガスで満たされているレンズとウェーハ上のレジスト膜との間の部分を、空気の屈折率よりも大きい屈折率を有する溶媒(液浸媒体)で満たした状態で露光(浸漬露光)を行う工程を有する方法である。液浸露光においては、レジスト膜と液浸溶媒とが接触すると、レジスト膜中の物質((C)成分、(D)成分等)の液浸溶媒中への溶出(物質溶出)が生じる。物質溶出はレジスト層の変質、液浸溶媒の屈折率の変化等の現象を生じさせ、リソグラフィー特性を悪化させる。
この物質溶出の量はレジスト膜表面の特性(たとえば親水性・疎水性等)の影響を受ける。そのため、たとえばレジスト膜表面の疎水性が高まることによって、物質溶出が低減されると推測される。
(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物を用いて形成されるレジスト膜は、(A)成分を含むことから、該(A)成分を含まない場合に比べて、露光および現像を行う前の疎水性が高い。したがって、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物によれば、浸漬露光時の物質溶出を抑制できる。
物質溶出を抑制できることから、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、液浸露光において、レジスト膜の変質や、液浸溶媒の屈折率の変化を抑制することができる。液浸溶媒の屈折率の変動が抑制されること等により、形状等が良好なレジストパターンを形成することができる。また、露光装置のレンズの汚染を低減でき、そのため、これらに対する保護対策を行わなくてもよく、プロセスや露光装置の簡便化に貢献することができる。
また、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物により形成されたレジスト膜は、水により膨潤しにくいため、微細なレジストパターンを精度よく形成することができる。
さらに、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物は、感度、解像性、エッチング耐性等のリソグラフィー特性も良好であり、液浸露光においてレジストとして使用した際に、実用上問題なくレジストパターンを形成できる。例えば、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物を用いることにより、寸法120nm以下の微細なレジストパターンを形成できる。
ここで、前進角は、図1に示すように、その上に液滴1が置かれた平面2を次第に傾けていった際に、当該液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるときの当該液滴1の下端1aにおける液滴表面と、平面2とがなす角度θ1である。また、このとき(当該液滴1が平面2上を移動(落下)し始めるとき)、当該液滴1の上端1bにおける液滴表面と、平面2とがなす角度θ2が後退角であり、当該平面2の傾斜角度θ3が転落角である。
本明細書において、前進角、後退角および転落角は以下の様にして測定される。
まず、シリコン基板上に、レジスト組成物溶液をスピンコートした後、110℃の温度条件で60秒間加熱してレジスト膜を形成する。
次に、上記レジスト膜に対して、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学社製)、AUTO SLIDING ANGLE:SA−30DM(製品名、協和界面科学社製)、AUTO DISPENSER:AD−31(製品名、協和界面科学社製)等の市販の測定装置を用いて測定することができる。
同様の理由により、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物は、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における露光および現像を行う前の静的接触角の測定値が60度以上であることが好ましく、63〜97度であることがより好ましく、65〜97度であることが特に好ましい。
また、(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物は、当該レジスト組成物を用いて得られるレジスト膜における露光および現像を行う前の転落角の測定値が36度以下であることが好ましく、10〜36度であることがより好ましく、7〜30度であることが特に好ましく、14〜27度であることが最も好ましい。転落角が上限値以下であると、浸漬露光時の物質溶出抑制効果が向上する。また、転落角が下限値以上であると、リソグラフィー特性等が良好である。
上述の各種角度(動的接触角(前進角、後退角、転落角等)、静的接触角)の大きさは、液浸露光用レジスト組成物の組成、たとえば(A)成分の種類や配合量、(B)成分の種類等を調整することにより調整できる。たとえば(A)成分の含有量が多いほど、得られるレジスト組成物の疎水性が高まり、前進角、後退角、静的接触角が大きくなり、転落角が小さくなる。
レジストパターン形成方法は、上記(A)成分を含有する液浸露光用レジスト組成物を用いて支持体上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を浸漬露光する工程、および前記レジスト膜をアルカリ現像してレジストパターンを形成する工程を含む。
まず、支持体上に、本発明の高分子化合物を含有する液浸露光用レジスト組成物をスピンナーなどで塗布した後、プレベーク(ポストアプライベーク(PAB)処理)を行うことにより、レジスト膜を形成する。
また、支持体としては、上述のような基板上に、無機系および/または有機系の膜が設けられたものであってもよい。無機系の膜としては、無機反射防止膜(無機BARC)が挙げられる。有機系の膜としては、有機反射防止膜(有機BARC)や多層レジスト法における下層有機膜等の有機膜が挙げられる。
ここで、多層レジスト法とは、基板上に、少なくとも一層の有機膜(下層有機膜)と、少なくとも一層のレジスト膜(上層レジスト膜)とを設け、上層レジスト膜に形成したレジストパターンをマスクとして下層有機膜のパターニングを行う方法であり、高アスペクト比のパターンを形成できるとされている。すなわち、多層レジスト法によれば、下層有機膜により所要の厚みを確保できるため、レジスト膜を薄膜化でき、高アスペクト比の微細パターン形成が可能となる。
多層レジスト法には、基本的に、上層レジスト膜と、下層有機膜との二層構造とする方法(2層レジスト法)と、上層レジスト膜と下層有機膜との間に一層以上の中間層(金属薄膜等)を設けた三層以上の多層構造とする方法(3層レジスト法)とに分けられる。
露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2レーザーなどの放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるレジスト組成物は、KrFまたはArFエキシマレーザー、特にArFエキシマレーザーに対して有効である。
空気の屈折率よりも大きく、かつ前記レジスト膜の屈折率よりも小さい屈折率を有する溶媒としては、例えば、水、フッ素系不活性液体、シリコン系溶剤、炭化水素系溶剤等が挙げられる。
フッ素系不活性液体の具体例としては、C3HCl2F5、C4F9OCH3、C4F9OC2H5、C5H3F7等のフッ素系化合物を主成分とする液体等が挙げられ、沸点が70〜180℃のものが好ましく、80〜160℃のものがより好ましい。フッ素系不活性液体が上記範囲の沸点を有するものであると、露光終了後に、液浸に用いた媒体の除去を、簡便な方法で行えることから好ましい。
フッ素系不活性液体としては、特に、アルキル基の水素原子が全てフッ素原子で置換されたパーフロオロアルキル化合物が好ましい。パーフロオロアルキル化合物としては、具体的には、パーフルオロアルキルエーテル化合物やパーフルオロアルキルアミン化合物を挙げることができる。
さらに、具体的には、前記パーフルオロアルキルエーテル化合物としては、パーフルオロ(2−ブチル−テトラヒドロフラン)(沸点102℃)を挙げることができ、前記パーフルオロアルキルアミン化合物としては、パーフルオロトリブチルアミン(沸点174℃)を挙げることができる。
本発明の高分子化合物を含有する液浸露光用レジスト組成物は、特に水による悪影響を受けにくく、感度、レジストパターン形状等のリソグラフィー特性にも優れることから、本発明においては、液浸媒体として、水が好ましく用いられる。また、水は、コスト、安全性、環境問題および汎用性の観点からも好ましい。
攪拌機、窒素吹き込み管、滴下ロート、温度計を取り付けた4口フラスコにアセトン400g、2,2,2−トリフルオロエタノール(化合物(I−a))100g、トリエチルアミン121.3gを入れ、窒素置換後、0℃に冷却した。ブロモアセチルブロミド(化合物(II))86.1gを0〜5℃で3時間かけて滴下し、さらに0℃で2時間攪拌を続けた。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液300gを加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物を減圧蒸留によって精製し、2,2,2−トリフルオロエチルブロモアセテート(化合物(III−a))72.4gを得た。
撹拌機、窒素吹き込み管、滴下ロート、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、テトラヒドロフラン125.6g、3−ペンタノン(化合物(IV))24.7g、亜鉛粉末23.6gを入れ攪拌した。窒素置換後、触媒量のヨウ素を加え、第一工程で得られた化合物(III−a)6.2gを45℃で加えた。その後、第一工程で得られた化合物(III−a)55.3gを55℃で30分間かけて滴下し、さらに90分間攪拌を続けた。
次いで、反応液を室温まで冷却したのち、トリエチルアミン31.7gを加え、メタクリル酸クロライド(化合物(VI))32.8gを20℃で40分間かけて滴下し、さらに2時間攪拌を続けた。10%炭酸水素ナトリウム水溶液250gを加えて反応を停止し、酢酸エチルで抽出した。得られた有機層を、10%炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、さらに水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、減圧濃縮した。濃縮物を減圧蒸留によって精製し、含フッ素化合物(A1)として、1,1−ジエチル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)エチルメタクリレート(化合物(1−a))57.5gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.92(tr,6H,−CH3)、1.90(s,3H,=C−CH3)、1.86〜2.08(m,4H,−C−CH2−)、3.09(s,2H,−CH2−C(=O)−)、4.49(q,2H,CF3−CH2−)、5.51(m,1H,C=CH2)、6.03(s,1H,C=CH2)
上記の結果から、化合物(1−a)が上記構造を有することが確認できた。
[第一工程;2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルブロモアセテート(化合物(III−b))の合成]
攪拌機、窒素吹き込み管、滴下ロート、温度計を取り付けた4口フラスコにアセトン400g、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロパノール(化合物(I−b))100g、トリエチルアミン121.3gを入れ、上記、化合物(III−a)の合成法と同様に合成し、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルブロモアセテート(化合物(III−b))49.6gを得た。
撹拌機、窒素吹き込み管、滴下ロート、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、テトラヒドロフラン224.7g、3−ペンタノン(化合物(IV))24.7g、亜鉛粉末23.6gを入れ攪拌した。窒素置換後、触媒量のヨウ素を加え、第一工程で得られた化合物(III−b)7.6gを45℃で加えた。その後、第一工程で得られた化合物(III−b)68.3gを55℃で30分間かけて滴下し、さらに90分間攪拌を続けた。
次いで、反応液を室温まで冷却したのち、トリエチルアミン42.5gを加え、メタクリル酸クロライド(化合物(VI))41.0gを20℃で40分間かけて滴下し、上記、化合物(1−a)の合成法と同様に合成し、含フッ素化合物(A1)として、1,1−ジエチル−2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシカルボニル)エチルメタクリレート(化合物(1−b))51.1gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:0.90(tr,6H,−CH3)、1.90(s,3H,=C−CH3)、1.86〜2.08(m,4H,−C−CH2−)、3.08(s,2H,−CH2−C(=O)−)、4.53(q,2H,CF3−CH2−)、5.52(m,1H,C=CH2)、6.03(s,1H,C=CH2)
窒素吹き込み管、還流器、滴下ロート、温度計を取り付けた4口フラスコにイソプロピルアルコール4.16gを入れ、窒素置換後、80℃まで加熱し、イソプロピルアルコール12.0gに化合物(1−b)18.0g、アゾビスイソブチロニトリル0.682gを溶解させた溶解液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、その温度を維持しつつ4時間攪拌を続けた後、室温まで冷却した。得られた重合反応液を大量のイソプロピルアルコール/水の混合溶液中に滴下し、析出物を得た。得られた析出物をテトラヒドロフランに溶解し、大量のイソプロピルアルコール/水に滴下し、析出した樹脂をろ別、洗浄、乾燥して、高分子化合物(A2)として、白色固体の高分子化合物(2−b)7.1gを得た。得られた高分子化合物(2−b)の質量平均分子量(Mw)は7300であり、分子量分散度(Mw/Mn)は1.4であった(GPC分析、ポリスチレン換算)。
(試験例1〜3)
表1に示す組成と配合量で各成分を混合、溶解してポジ型レジスト組成物溶液を調製した。
(A)−1:前記高分子化合物(2−a)。
(B)−1:下記化学式(B)−1で表されるMw=7000、Mw/Mn=1.8の共重合体。
(C)−1:(4−メチルフェニル)ジフェニルスルホニウムノナフルオロ−n−ブタンスルホネート。
(D)−1:トリ−n−ペンチルアミン。
(E)−1:サリチル酸。
(S)−1:γ−ブチロラクトン。
(S)−2:PGMEA/EL=8/2(質量比)の混合溶剤。
8インチシリコンウェーハ上に、試験例1〜3のレジスト組成物を、それぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜(露光前のレジスト膜)の表面に、水50μLを滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて接触角等の測定を行った。結果を表2に示す。
上記と同様にして、試験例2〜3のレジスト組成物を用いて、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。次に、VRC310S(商品名、エス・イー・エス株式会社製)を用いて、純水1滴(50μL)を室温下で、ウェーハの中心から円を描くように等線速で液滴を移動させた(液滴が接触したレジスト積層体表面の総接触面積221.56cm2)。
その後、その液滴を採取して、分析装置Agilent−HP1100 LC−MSD(商品名、Agilent Technologies社製)により分析し、(C)成分の溶出量(×10−12mol/cm2・s)の合計を求めた。結果を表3に示す。
また、試験例2のレジスト組成物を用いて得られたレジスト膜は、露光前の液浸媒体(水)中への(C)成分の溶出量が少なくなっており、高分子化合物(2−a)を添加することで、液浸露光時の物質溶出抑制効果が高いレジスト膜を得られることが確認できた。
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記表1のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07,σ0.97)により、マスクパターンを介して、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。そして、110℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間の現像処理を行い、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、ライン幅55nm、ピッチ110nmのラインアンドスペースパターンが形成された。
(試験例4〜5)
表4に示す組成と配合量で各成分を混合、溶解してポジ型レジスト組成物溶液を調製した。
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記表4のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07,σ0.97)により、マスクパターンを介して、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。そして、110℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間の現像処理を行い、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、ライン幅55nm、ピッチ110nmのラインアンドスペースパターンが形成された。
次いで、反応液を室温まで冷却したのち、トリエチルアミン59.5gを加え、メタクリル酸クロライド(化合物(VI))56.8gを20℃で40分間かけて滴下し、上記化合物(1−a)の合成法と同様に合成し、含フッ素化合物(A1)として、1−シクロヘキシル−2−(2,2,2−トリフルオロエトキシカルボニル)エチルメタクリレート(化合物(3−a))56.6gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.20〜1.38(m,1H,c−C6H10)、1.48〜1.71(m,7H,c−C6H10)、1.93(s,3H,=C−CH3)、2.30〜2.38(m,2H,c−C6H10)、3.12(s,2H,−CH2−C(=O)−)、4.44(q,2H,CF3−CH2−)、5.56(m,1H,C=CH2)、6.09(s,1H,C=CH2)
撹拌機、窒素吹き込み管、滴下ロート、温度計を取り付けた4つ口フラスコに、テトラヒドロフラン444.0g、シクロヘキサノン(化合物(VII))70.6g、亜鉛粉末51.0gを入れ攪拌した。窒素置換後、触媒量のヨウ素を加え、実施例2で得られた化合物(III−b)15.0gを55℃で加えた。その後、化合物(III−b)135.0gを60℃で30分間かけて滴下し、さらに90分間攪拌を続けた。
次いで、反応液を室温まで冷却したのち、トリエチルアミン72.8gを加え、メタクリル酸クロライド(化合物(VI))69.4gを20℃で40分間かけて滴下し、上記化合物(1−a)の合成法と同様に合成し、含フッ素化合物(A1)として、1−シクロヘキサン−2−(2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロポキシカルボニル)エチルメタクリレート(化合物(3−b))38.1gを得た。
1H−NMR(CDCl3)δ:1.21〜1.38(m,1H,c−C6H10)、1.48〜1.72(m,7H,c−C6H10)、1.94(s,3H,=C−CH3)、2.28〜2.39(m,2H,c−C6H10)、3.13(s,2H,−CH2−C(=O)−)、4.51(t,2H,−CF2−CH2−)、5.55(m,1H,C=CH2)、6.07(s,1H,C=CH2)
窒素吹き込み管、還流器、滴下ロート、温度計を取り付けた4口フラスコにイソプロピルアルコール3.84gを入れ、窒素置換後、80℃まで加熱し、イソプロピルアルコール10.0gに化合物(3−b)15.0g、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)0.916gを溶解させた溶解液を2時間かけて滴下した。滴下終了後、その温度を維持しつつ4時間攪拌を続けた後、室温まで冷却した。得られた重合反応液を大量のイソプロピルアルコール/水の混合溶液中に滴下し、析出物を得た。得られた析出物をテトラヒドロフランに溶解し、大量のイソプロピルアルコール/水に滴下し、析出した樹脂をろ別、洗浄、乾燥して、高分子化合物(A2)として、白色固体の高分子化合物(4−b)9.6gを得た。得られた高分子化合物(4−b)の質量平均分子量(Mw)は8000であり、分子量分散度(Mw/Mn)は1.5であった(GPC分析、ポリスチレン換算)。
(試験例6〜8)
表8に示す組成と配合量で各成分を混合、溶解してポジ型レジスト組成物溶液を調製した。
(S)−3:PGMEA/PGME=6/4(質量比)の混合溶剤。
8インチシリコンウェーハ上に、試験例6、7のレジスト組成物を、それぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。
該レジスト膜(露光前のレジスト膜)の表面に、水50μLを滴下し、DROP MASTER−700(製品名、協和界面科学株式会社製)を用いて接触角等の測定を行った。結果を表9に示す。
上記と同様にして、試験例6、7のレジスト組成物を用いて、膜厚120nmのレジスト膜を形成した。次に、VRC310S(商品名、エス・イー・エス株式会社製)を用いて、純水1滴(50μL)を室温下で、ウェーハの中心から円を描くように等線速で液滴を移動させた(液滴が接触したレジスト積層体表面の総接触面積221.56cm2)。
その後、その液滴を採取して、分析装置Agilent−HP1100 LC−MSD(商品名、Agilent Technologies社製)により分析し、(C)成分の溶出量(×10−12mol/cm2・s)の合計を求めた。結果を表10に示す。
12インチのシリコンウェーハ上に、有機系反射防止膜組成物「ARC29A」(商品名、ブリュワーサイエンス社製)を、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で205℃、60秒間焼成して乾燥させることにより、膜厚89nmの有機系反射防止膜を形成した。そして、該反射防止膜上に、上記表8のレジスト組成物をそれぞれ、スピンナーを用いて塗布し、ホットプレート上で110℃、60秒間の条件でプレベーク(PAB)処理を行い、乾燥することにより、膜厚100nmのレジスト膜を形成した。
次に、ArF液浸露光装置NSR−S609B(ニコン社製;NA(開口数)=1.07,σ0.97)により、マスクパターンを介して、前記レジスト膜に対して、ArFエキシマレーザー(193nm)を選択的に照射した。そして、110℃で60秒間のPEB処理を行い、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液で30秒間の現像処理を行い、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その結果、いずれの例においても、前記レジスト膜に、ライン幅55nm、ピッチ110nmのラインアンドスペースパターンが形成された。
Claims (2)
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009052095A JP5584894B2 (ja) | 2008-06-11 | 2009-03-05 | 含フッ素化合物および高分子化合物 |
US12/639,677 US8324331B2 (en) | 2008-06-11 | 2009-12-16 | Fluorine-containing compound and polymeric compound |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008153587 | 2008-06-11 | ||
JP2008153587 | 2008-06-11 | ||
JP2009052095A JP5584894B2 (ja) | 2008-06-11 | 2009-03-05 | 含フッ素化合物および高分子化合物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010018777A JP2010018777A (ja) | 2010-01-28 |
JP5584894B2 true JP5584894B2 (ja) | 2014-09-10 |
Family
ID=41703992
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2009052095A Active JP5584894B2 (ja) | 2008-06-11 | 2009-03-05 | 含フッ素化合物および高分子化合物 |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
US (1) | US8324331B2 (ja) |
JP (1) | JP5584894B2 (ja) |
Families Citing this family (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5398248B2 (ja) | 2008-02-06 | 2014-01-29 | 東京応化工業株式会社 | 液浸露光用レジスト組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法 |
JP5172494B2 (ja) * | 2008-06-23 | 2013-03-27 | 東京応化工業株式会社 | 液浸露光用レジスト組成物、レジストパターン形成方法、含フッ素高分子化合物 |
JP5600384B2 (ja) * | 2008-07-14 | 2014-10-01 | 東京応化工業株式会社 | ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 |
JP5568254B2 (ja) * | 2008-11-10 | 2014-08-06 | 東京応化工業株式会社 | ポジ型レジスト組成物、レジストパターン形成方法、高分子化合物、化合物 |
JP2010254639A (ja) * | 2009-04-28 | 2010-11-11 | Mitsubishi Gas Chemical Co Inc | 脂環式エステル化合物およびそれを原料とする樹脂組成物 |
JP5386236B2 (ja) | 2009-06-01 | 2014-01-15 | 東京応化工業株式会社 | ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 |
JP5568258B2 (ja) | 2009-07-03 | 2014-08-06 | 東京応化工業株式会社 | ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法、並びに含フッ素高分子化合物 |
JP5640444B2 (ja) * | 2010-04-26 | 2014-12-17 | Jsr株式会社 | 感放射線性樹脂組成物 |
JP5763463B2 (ja) | 2010-08-03 | 2015-08-12 | 住友化学株式会社 | レジスト組成物及びレジストパターンの製造方法 |
Family Cites Families (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3798458B2 (ja) | 1996-02-02 | 2006-07-19 | 東京応化工業株式会社 | オキシムスルホネート化合物及びレジスト用酸発生剤 |
JP3854689B2 (ja) | 1997-07-24 | 2006-12-06 | 東京応化工業株式会社 | 新規な光酸発生剤 |
JP3980124B2 (ja) | 1997-07-24 | 2007-09-26 | 東京応化工業株式会社 | 新規ビススルホニルジアゾメタン |
JP3865473B2 (ja) | 1997-07-24 | 2007-01-10 | 東京応化工業株式会社 | 新規なジアゾメタン化合物 |
US5945517A (en) * | 1996-07-24 | 1999-08-31 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | Chemical-sensitization photoresist composition |
JP3935267B2 (ja) | 1998-05-18 | 2007-06-20 | 東京応化工業株式会社 | 新規なレジスト用酸発生剤 |
US6153733A (en) * | 1998-05-18 | 2000-11-28 | Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. | (Disulfonyl diazomethane compounds) |
KR20020038283A (ko) * | 2000-11-17 | 2002-05-23 | 박종섭 | 포토레지스트 단량체, 그의 중합체 및 이를 함유하는포토레지스트 조성물 |
WO2004074242A2 (en) | 2003-02-19 | 2004-09-02 | Ciba Specialty Chemicals Holding Inc. | Halogenated oxime derivatives and the use thereof as latent acids |
JP4475435B2 (ja) * | 2007-07-30 | 2010-06-09 | 信越化学工業株式会社 | 含フッ素単量体、含フッ素高分子化合物、レジスト材料及びパターン形成方法 |
KR20100131996A (ko) * | 2008-03-04 | 2010-12-16 | 제이에스알 가부시끼가이샤 | 감방사선성 조성물, 중합체 및 단량체 |
JP5412125B2 (ja) * | 2008-05-01 | 2014-02-12 | 東京応化工業株式会社 | 液浸露光用ネガ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 |
JP5401126B2 (ja) * | 2008-06-11 | 2014-01-29 | 東京応化工業株式会社 | 液浸露光用レジスト組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法 |
-
2009
- 2009-03-05 JP JP2009052095A patent/JP5584894B2/ja active Active
- 2009-12-16 US US12/639,677 patent/US8324331B2/en active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
US8324331B2 (en) | 2012-12-04 |
US20100168358A1 (en) | 2010-07-01 |
JP2010018777A (ja) | 2010-01-28 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5398248B2 (ja) | 液浸露光用レジスト組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法 | |
JP5568258B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法、並びに含フッ素高分子化合物 | |
JP5412134B2 (ja) | 液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法 | |
JP5292133B2 (ja) | ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP5526347B2 (ja) | 含フッ素化合物および高分子化合物 | |
JP5178220B2 (ja) | レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP5401126B2 (ja) | 液浸露光用レジスト組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法 | |
JP4757766B2 (ja) | 液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP5584894B2 (ja) | 含フッ素化合物および高分子化合物 | |
JP2011128226A (ja) | ポジ型レジスト組成物及びレジストパターン形成方法 | |
JP2010002870A (ja) | 液浸露光用レジスト組成物、レジストパターン形成方法、含フッ素高分子化合物 | |
JP5303142B2 (ja) | 含フッ素化合物、含フッ素高分子化合物、液浸露光用レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP5613738B2 (ja) | 含フッ素化合物 | |
JP2009175363A (ja) | 液浸露光用レジスト組成物、レジストパターン形成方法、および含フッ素共重合体 | |
JP5608801B2 (ja) | 化合物、レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP2009274963A (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法、新規な化合物、および該化合物からなるクエンチャー | |
JP5401051B2 (ja) | レジスト組成物、レジストパターン形成方法および新規な化合物 | |
JP2008102276A (ja) | 液浸露光用レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP2009300950A (ja) | 液浸露光用レジスト組成物およびそれを用いたレジストパターン形成方法、並びに含フッ素高分子化合物 | |
JP5010995B2 (ja) | 液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP2008292580A (ja) | 液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
JP2009019003A (ja) | 液浸露光用ポジ型レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 | |
KR20090057320A (ko) | 액침노광용 레지스트 조성물 및 레지스트 패턴 형성 방법 | |
JP2009180819A (ja) | 液浸露光用レジスト組成物、レジストパターン形成方法、および含フッ素共重合体 | |
JP5712247B2 (ja) | 化合物および高分子化合物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120104 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20130228 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20130305 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20130426 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20131022 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20140603 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20140630 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5584894 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |