JP3743491B2 - レジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、微細加工技術に適した新規なレジスト材料及びパターン形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、次世代の微細加工技術として遠紫外線リソグラフィーが有望視されている。遠紫外線リソグラフィーは、0.3μm以下の加工も可能であり、光吸収の低いレジスト材料を用いた場合、基板に対して垂直に近い側壁を有したパターン形成が可能となる。また、近年、遠紫外線の光源として高輝度なKrFエキシマレーザーを利用する技術が注目されており、これを量産技術として用いるためには、光吸収が低く、高感度なレジスト材料が要望されている。
【0003】
このような観点から、近年開発された酸を触媒とした化学増幅型レジスト材料(特公平2−27660号、特開昭63−27829号公報等に記載)は、感度、解像度が高く、優れた特徴を有するもので、遠紫外線リソグラフィーに特に有望なレジスト材料である。これらのものは、電子ビーム或いはX線を光源とする露光においても優れた特性を示すことが知られている。
【0004】
化学増幅型レジスト材料は、一般的に0.3ミクロンプロセスに使われ始め、0.25ミクロンルールを経て、現在0.18ミクロンルールの量産化への適用、更に0.15ミクロンルールの検討も始まっており、KrFエキシマレーザーリソグラフィーの微細化の勢いはますます加速されている。同時に次世代の微細化のためにEB或いはX線を光源とする現実的な検討も始まっており、デザインルールの微細化と共にレジスト材料に対して更なる解像力の向上が要求されている。
【0005】
近年、微細化の進行と共に、ラインエッジラフネスが問題となってきた。ラインエッジラフネスは、マイクロラフネスとも呼ばれ、ラインの側壁の凹凸を示す。エキシマレーザーなどの単一波長による光露光の場合、基板からの反射により、定在波が発生し、これにより側壁に凹凸が発生する。しかしながら、レジストと基板との間に反射防止膜を敷くことによって基板からの反射をほぼ0%にする事ができるが、この場合においてもラインのラフネスが観察される。また、EBやX線露光においては、基板からの反射がないため、定在波が起きないが、この場合においてもラインエッジラフネスが観察される。学会などの報告によれば、このラインエッジラフネスはポリマーの集合体(クラスター)によるものと言われ、低分子の単分散ポリマーを用いることによって低減できるといわれている(特開平6−266099号公報)。また、ポジ型レジストより、ネガ型レジストの方が顕著に発生するとも言われている。しかし、低分子ポリマーを用いると、ポリマーのTgが低下するという欠点が生じ、また、プリベークよりもTgが低下した場合は、熱によるベークが不可能になるため、実用的ではない。更に、ポリマーのTgの低下は、ドライエッチング耐性の低下につながる。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、十分な解像力と感度を有し、ラインエッジラフネスが小さく、優れた耐ドライエッチング性を有するレジスト材料及びパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、ポリマー間同士の絡み合いはクラスター構造を構成すると言われているが、絡み合いの強さはポリマー主鎖の長さに比例すると考え、直鎖状より、枝分かれ状、更に枝分かれが均一に構成されている星形ポリマーを用いれば、枝の長さだけの絡み合いになるため、全体の分子量を下げなくても絡み合いが小さくなると考察した。ラジカル重合などでは枝分かれが生じると言われるが、重合時に枝分かれを精緻にコントロールし、分子量や分散度を制御することは不可能である。そこで、本発明者らは、リビングアニオン重合を用いて星形ポリマーを重合し、レジスト用のベースポリマーとして応用することを試み、本発明に到達した。
【0008】
即ち、本発明は、下記レジスト材料及びパターン形成方法を提供する。
請求項1:
下記繰り返し単位(I)及び/又は繰り返し単位(II)と繰り返し単位(III)とからなり、単位(III)の個数が1〜1,000である、フェノール誘導体のデンリマー又はハイパーブランチポリマーからなる重量平均分子量が500〜10,000,000の高分子化合物をベースポリマーとして含むことを特徴とするレジスト材料。
【化4】
Figure 0003743491
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は同一又は異種の炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜30のアリール基を示す。R3はOR4基を示し、R4は酸不安定基又は酸安定基を示す。xは0又は正の整数、yは正の整数であり、x+y≦5を満足する数である。)
【化5】
Figure 0003743491
(式中、R1は上記と同様である。R5は炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は炭素数6〜30のアリーレン基で、これらが組み合わされていてもよく、エーテル結合又はエステル結合を含んでもよい。)
請求項
単位(III)が、下記式(3a)
【化6】
Figure 0003743491
(式中、Xは、単結合、又はヒドロキシ基又はカルボニル基を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
である請求項記載のレジスト材料。
請求項3
4 の酸不安定基が、下記式(9)、(10)で示される基、炭素数4〜40の3級アルキル基、アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基、C−O−C基を有する架橋基から選ばれる基であり、R 4 の酸安定基が、炭素数1〜20の1,2級アルキル基、炭素数1〜20の1,2級アルコキシ基、1,2級アルコキシカルボニル基、1,2,3級アルキルカルボニル基、アリール基から選ばれる基である請求項1又は2記載のレジスト材料。
【化78】
Figure 0003743491
(式中、R 6 は炭素数4〜40の3級アルキル基、アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基、R 7 は水素原子又は直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状の炭素数1〜10のアルキル基、R 8 、R 9 は互いに独立に直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状の炭素数1〜10のアルキル基を示すか、或いは互いに結合して環を形成してもよい。aは0〜10の整数を示す。)
請求項4:
請求項1、2又は3記載の高分子化合物が、リビングアニオン重合によって得られたものであるレジスト材料。
請求項5:
(A)請求項1乃至4のいずれか1項記載の高分子化合物であって、かつこの高分子化合物がアルカリ不溶性又は難溶性であり、酸との反応でアルカリ可溶性となるベース樹脂、
(B)有機溶剤、
(C)酸発生剤
を含有することを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料。
請求項6:
(D)塩基性化合物を配合した請求項5記載のレジスト材料。
請求項7:
(E)溶解制御剤を配合した請求項5又は6記載のレジスト材料。
請求項8:
(A’)請求項1乃至4のいずれか1項記載の高分子化合物であって、かつ架橋剤で架橋されることによりアルカリ不溶性又は難溶性となるベース樹脂、
(B)有機溶剤、
(C)酸発生剤、
(F)架橋剤
を含有することを特徴とする化学増幅ネガ型レジスト材料。
請求項9:
(D)塩基性化合物を配合した請求項8記載のレジスト材料。
請求項10:
(i)請求項5乃至9のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、
(ii)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長500nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、
(iii)必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
【0009】
本発明のベースポリマーとして用いる高分子化合物は、フェノール誘導体のデンリマー、ハイパーブランチポリマーであり、これをベース樹脂としてレジスト材料に配合すると、ポリマーの分岐、自由体積の増加効果によって従来の線状構造ベース樹脂よりも性能が向上する。例えば、デンリマー、ハイパーブランチポリマーとすることによってポリマーの分子サイズは線状ポリマーと比較して小さくなることにより、解像性が向上する。ポリマーの分子量を増加させて耐熱性を向上させる場合、粘度の上昇を抑えることができ、プロセス安定性が向上する。また、デンリマーとすることによって末端の数が増加し、基板との密着性の向上が図られる。
【0010】
更に、分岐、末端の数のコントロールを自由に行うことができるために目的に応じてポリマー設計することが可能である。
【0011】
従って、本発明のレジスト材料は、高解像度、露光余裕度、プロセス適応性に優れ、実用性の高い、精密な微細加工に有利であり、超LSI用レジスト材料として非常に有効であり、ポジ型及びネガ型の化学増幅型レジスト材料として優れた性能を有する。
【0012】
以下、本発明につき更に詳細に説明すると、本発明のレジスト材料は重量平均分子量500〜10,000,000のフェノール誘導体のデンリマー、ハイパーブランチポリマーからなる高分子化合物をベース樹脂とする。
【0013】
この場合、本発明の高分子化合物は、下記繰り返し単位(I)及び/又は繰り返し単位(II)と繰り返し単位(III)とからなり、単位(III)の個数が1〜1,000、より好ましくは1〜500、更に好ましくは1〜200であるものが好ましい。
【0014】
【化7】
Figure 0003743491
(式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は同一又は異種の炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜30のアリール基を示す。R3はOR4基を示し、R4は酸不安定基又は酸安定基を示す。xは0又は正の整数、yは正の整数であり、x+y≦5を満足する数であり、好ましくはR3はOR4である。)
【0015】
【化8】
Figure 0003743491
(式中、R1は上記と同様である。R5は炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は炭素数6〜30のアリーレン基で、これらが組み合わされていてもよく、エーテル結合又はエステル結合を含んでもよい。)
【0016】
この場合、単位(III)は、下記式(3a)で示されるものが好ましい。
【0017】
【化9】
Figure 0003743491
(式中、Xは、単結合、又はヒドロキシ基又はカルボニル基を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
【0018】
ここで、R2は炭素数1〜30、好ましくは1〜15、更に好ましくは1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はアリール基を示し、直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等を例示できる。また、アリール基としてはフェニル基等が挙げられる。
【0019】
上記R4の酸不安定基としては、種々選定されるが、特に下記式(9)、(10)で示される基、炭素数4〜40の3級アルキル基、アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等であることが好ましい。
【0020】
【化10】
Figure 0003743491
【0021】
式中、R6は炭素数4〜40の3級アルキル基、アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基、aは0〜10の整数を示す。R7は水素原子又は直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状の炭素数1〜10のアルキル基、R8、R9は互いに独立に直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状の炭素数1〜10のアルキル基を示すか、或いは互いに結合して環を形成してもよい。
【0022】
上記式(10)で示される酸不安定基として、具体的には、例えば1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−sec−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−tert−アミロキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、1−シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチル−エチル基等の直鎖状もしくは分岐状アセタール基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等の環状アセタール基等が挙げられ、好ましくはエトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシプロピル基が挙げられる。一方、上記式(9)の酸不安定基として、例えばtert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
【0023】
また、3級アルキル基としては、tert−ブチル基、トリエチルカルビル基、1ーエチルノルボニル基、1−メチルシクロヘキシル基、2−(2−メチル)アダマンチル基、tert−アミル基等を挙げることができる。
【0024】
トリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等の各アルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。
オキソアルキル基としては、3−オキソシクロヘキシル基が挙げられる。
【0025】
更に、酸不安定基としては、C−O−C基を有する架橋基Qを挙げることができる。この架橋基Qは、下記式に示したように、単位(I)のOH間を分子内又は分子間架橋するものである。
【0026】
【化11】
Figure 0003743491
【0027】
この架橋基Qとしては、下記一般式(Qa)又は(Qb)で示される基、好ましくは(Qa’)又は(Qb’)を挙げることができる。
【0028】
【化12】
Figure 0003743491
(式中、R’、R’’は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R’とR’’とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR’、R’’は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R’’’は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、dは0又は1〜10の整数である。Aは、c価の炭素数1〜50の脂肪族もしくは脂環式飽和炭化水素基、芳香族炭化水素基又はヘテロ環基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。cは2〜8、c’は1〜7の整数である。)
【0029】
【化13】
Figure 0003743491
(式中、R’、R’’は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。又は、R’とR’’とは環を形成してもよく、環を形成する場合にはR’、R’’は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R’’’は炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、dは0又は1〜5の整数である。A’は、c’’価の炭素数1〜20の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、アルキルトリイル基、アルキルテトライル基、炭素数6〜30のアリーレン基を示し、これらの基はヘテロ原子を介在していてもよく、またその炭素原子に結合する水素原子の一部が水酸基、カルボキシル基、アシル基又はハロゲン原子によって置換されていてもよい。Bは−CO−O−、−NHCO−O−又は−NHCONH−を示す。c’’は2〜4、c’’’は1〜3の整数である。)
【0030】
ここで、炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基としては上述したものと同様のものを例示することができる。また、R’’’の炭素数1〜10の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基としては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、シクロへキシレン基、シクロペンチレン基等を例示することができる。なお、Aの具体例は後述する。この架橋基(Qa)、(Qb)は、後述するアルケニルエーテル化合物、ハロゲン化アルキルエーテル化合物に由来する。
【0031】
架橋基は、上記式(Qa)、(Qb)のc’の値から明らかなように、2価に限られず、3価〜8価の基でもよい。例えば、2価の架橋基としては、下記式(Qa’’)、(Qb’’)、3価の架橋基としては、下記式(Qa’’’)、(Qb’’’)で示されるものが挙げられる。
【0032】
【化14】
Figure 0003743491
【0033】
上記架橋基の導入には、下記の化合物を用いることができる。
【0034】
【化15】
Figure 0003743491
【0035】
ここで、A、B、R’、R’’、R’’’、c、dは上記と同様であり、R’aは水素原子又は炭素数1〜7の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示す。ZはCl、Br、Iといったハロゲン原子である。
【0036】
具体的には、Aのc価の炭化水素基は炭素数1〜50、好ましくは1〜40のO、NH、N(CH3)、S、SO2等のヘテロ原子が介在してもよい非置換又は水酸基、カルボキシル基、アシル基又はフッ素原子,塩素原子,臭素原子,ヨウ素原子等のハロゲン原子置換のアルキレン基、炭素数6〜50、好ましくは6〜40、更に好ましくは6〜20のアリーレン基、これらアルキレン基とアリーレン基とが結合した基、上記各基の炭素原子に結合した水素原子が脱離したc’’’価(c’’’は3〜8の整数)の基が挙げられ、更にc価のヘテロ環基、このヘテロ環基と上記炭化水素基とが結合した基などが挙げられる。
【0037】
具体的に例示すると、Aとして下記のものが挙げられる。
【0038】
【化16】
Figure 0003743491
【0039】
【化17】
Figure 0003743491
【0040】
【化18】
Figure 0003743491
【0041】
【化19】
Figure 0003743491
【0042】
一般式(I)で示される化合物は、例えば、Stephen.C.Lapin,Polymers Paint Colour Journal.179(Q237)、321(1988)に記載されている方法、即ち多価アルコールもしくは多価フェノールとアセチレンとの反応、又は多価アルコールもしくは多価フェノールとハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により合成することができる。
【0043】
式(I)の化合物の具体例として、エチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、1,2−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−プロパンジオールジビニルエーテル、1,3−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル(テトラメチレングリコールジビニルエーテル)、ネオペンチルグリコールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、トリメチロールエタントリビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジオールジビニルエーテル、1,4−ジビニロキシメチルシクロヘキサン、テトラエチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、ソルビトールテトラビニルエーテル、ソルビトールペンタビニルエーテル、エチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、エチレングリコールジプロピレンビニルエーテル、トリエチレングリコールジエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパントリエチレンビニルエーテル、トリメチロールプロパンジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールジエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリエチレンビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラエチレンビニルエーテル並びに以下の式(I−1)〜(I−31)で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0044】
【化20】
Figure 0003743491
【0045】
【化21】
Figure 0003743491
【0046】
【化22】
Figure 0003743491
【0047】
【化23】
Figure 0003743491
【0048】
【化24】
Figure 0003743491
【0049】
一方、Bが−CO−O−の場合の上記一般式(II)で示される化合物は、多価カルボン酸とハロゲン化アルキルビニルエーテルとの反応により製造することができる。Bが−CO−O−の場合の式(II)で示される化合物の具体例としては、テレフタル酸ジエチレンビニルエーテル、フタル酸ジエチレンビニルエーテル、イソフタル酸ジエチレンビニルエーテル、フタル酸ジプロピレンビニルエーテル、テレフタル酸ジプロピレンビニルエーテル、イソフタル酸ジプロピレンビニルエーテル、マレイン酸ジエチレンビニルエーテル、フマル酸ジエチレンビニルエーテル、イタコン酸ジエチレンビニルエーテル等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0050】
更に、本発明において好適に用いられるアルケニルエーテル基含有化合物としては、下記一般式(III)、(IV)又は(V)等で示される活性水素を有するアルケニルエーテル化合物とイソシアナート基を有する化合物との反応により合成されるアルケニルエーテル基含有化合物を挙げることができる。
【0051】
【化25】
Figure 0003743491
(R’a、R’’、R’’’は上記と同様の意味を示す。)
【0052】
Bが−NHCO−O−又は−NHCONH−の場合の上記一般式(II)で示される化合物を得る方法としては、例えば架橋剤ハンドブック(大成社刊、1981年発行)に記載のイソシアナート基を有する化合物を用いることができる。具体的には、トリフェニルメタントリイソシアナート、ジフェニルメタンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、2,4−トリレンジイソシアナートの二量体、ナフタレン−1,5−ジイソシアナート、o−トリレンジイソシアナート、ポリメチレンポリフェニルイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート等のポリイソシアナート型、トリレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンの付加体、ヘキサメチレンジイソシアナートと水との付加体、キシレンジイソシアナートとトリメチロールプロパンとの付加体等のポリイソシアナートアダクト型等を挙げることができる。上記イソシアナート基含有化合物と活性水素含有アルケニルエーテル化合物とを反応させることにより末端にアルケニルエーテル基を持つ種々の化合物ができる。このような化合物として以下の式(II−1)〜(II−11)で示されるものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0053】
【化26】
Figure 0003743491
【0054】
【化27】
Figure 0003743491
【0055】
一方、R4の酸安定基としては、酸によって脱離してフェノールが生成し、溶解速度が変化するといったことが起きない置換基のことを示し、1,2級アルキル基、1,2級アルコキシ基、1,2級アルコキシカルボニル基、1,2,3級アルキルカルボニル基、アリール基などが挙げられる。なお、アルキル基、アルコキシ基は炭素数1〜20、特に1〜10のものが挙げられ、アリール基としてはフェニル基等が例示される。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、シクロヘキシロキシ基、アセチル基、ピバロイル基、メチルカーボネート基、エチルカーボネート基、イソプロピルカーボネート基、メトキシメトキシ基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0056】
更に、R5のアルキレン基、アリーレン基としては、アルキレン基は好ましくは炭素数1〜20、特に1〜10、アリーレン基は炭素数6〜20、特に6〜10のものが好ましく、アルキレン基とアリーレン基が組み合わされていてもよく、エーテル結合、エステル結合が含まれていてもよい。具体的には、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基、シクロヘキシレン基、オクチレン基、フェニレン基などや、これらが結合した基、或いはこれらに−O−,−CO−,−COO−が介在した基が例示されるが、特に下記の基が好ましい。
【0057】
【化28】
Figure 0003743491
【0058】
ここで、Xは、上述したように、単結合、又はヒドロキシ基又はカルボニル基を含んでいてもよい炭素数1〜10、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6の直鎖状又は分岐鎖状のアルキレン基であり、上に例示したものを挙げることができる。
【0059】
本発明の高分子化合物は、上記単位(III)の3本の結合手にそれぞれ上記繰り返し単位(I)及び/又は(II)の一方の結合手が結合すると共に、他方の結合手が別の単位(III)の結合手に結合するという態様でデンドライド状又はハイパーブランチ状に分岐結合連鎖したものである。
【0060】
この場合、上記単位(I)と単位(II)との合計は、(II)/[(I)+(II)]として、0〜1であるが、ポジ型レジスト材料の場合、0〜0.8、より好ましくは0.15〜0.6、更に好ましくは0.2〜0.5、ネガ型レジスト材料の場合、0〜0.8、より好ましくは0〜0.6、更に好ましくは0〜0.5である。
【0061】
本発明の高分子化合物は、例えば下記式(A)で表すことができる。
【化29】
Figure 0003743491
【0062】
即ち、単位(III)の3本の結合手に、単位(III)の数z(zは分枝数によって異なり、好ましくは1〜1,000、より好ましくは1〜100、更に好ましくは1〜50である)に応じて、a,bの繰り返し単位、c,dの繰り返し単位、e,fの繰り返し単位が結合したものである。
【0063】
ここで、R1,R2,R4,R5は上記と同様であり、また、x,yも上記と同様である。
また、a〜fは0又は正数であるが、aとb、cとd、eとfはそれぞれ同時に0とはならない。なお、a/(a+b)、c/(c+d)、e/(e+f)、(a+c+e)/(a+b+c+d+e+f)も、0〜1の範囲であるが、好適には上記(II)/[(I)+(II)]の説明の場合と同様である。これらは互いに同一であっても異なっていてもよいが、特に好ましくは下記の通りである。
【0064】
ポジ型レジスト材料の場合、a/(a+b)、c/(c+d)、e/(e+f)、(a+c+e)/(a+b+c+d+e+f)は、それぞれ好ましくは0.1〜0.8、より好ましくは0.15〜0.6、更に好ましくは0.2〜0.5である。一方、ネガ型レジスト材料の場合、a/(a+b)、c/(c+d)、e/(e+f)、(a+c+e)/(a+b+c+d+e+f)は、それぞれ好ましくは0〜0.8、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下である。
【0065】
本発明の高分子化合物は、上述したように、その重量平均分子量が500〜10,000,000、好ましくは1,000〜10,000,000、より好ましくは1,000〜100,000、更に好ましくは2,000〜50,000である。この場合、分子量分布は特に制限されないが、Mw/Mn=1.0〜5.0、特に1.0〜3.0であることが好ましい。
【0066】
本発明のデンリマー、ハイパーブランチポリマーは、具体的には下記概略式(4)〜(8)で示される繰り返し単位を有するものを挙げることができる。
【0067】
【化30】
Figure 0003743491
【0068】
【化31】
Figure 0003743491
(式中、鎖線は上記繰り返し単位(I)及び/又は(II)のポリマー鎖を表し、Aは上記単位(III)を表す。なお、A−A間の鎖線のドット数と単位(I)、(II)の結合数(繰り返し数)とは無関係である。)
【0069】
本発明に係るフェノール誘導体のデンリマー、ハイパーブランチポリマーを製造する方法としては、リビング重合中、重合可能成分と停止成分を有する化合物とを反応し、更に重合を進行させることにより合成することができる。この操作を任意に繰り返すことによってフェノール誘導体のデンリマー、ハイパーブランチポリマーを製造することができる。リビング重合であればどの重合方法でも可能である。その中でも特に、制御が容易な重合方法としてリビングアニオン重合が好ましい。
【0070】
例えば、一般式(i)で示されるモノマー及び/又は一般式(ii)で示されるモノマーを用いてリビングアニオン重合を開始し、所定量を重合後、一般式(iii)で示される化合物(分岐形成モノマー)を反応させる。次に、一般式(i)で示されるモノマー及び/又は一般式(ii)で示されるモノマーを再度添加し、重合させる。この操作を幾度となく繰り返すことにより、所望のポリマーを合成することができる。
【0071】
【化32】
Figure 0003743491
【0072】
ここで、R1,R2,R3,x,yは上記と同様であり、Rは水酸基の保護基であり、R0は単結合又は炭素数1〜20、特に1〜10のアルキレン基、Xはハロゲン原子、アルデヒド基又はアルコキシカルボニル基などである。なお、上記保護基としては公知のものが挙げられ、特に制限されるものではなく、最後に常法により脱離することができる。
【0073】
リビングアニオン重合を行う場合、反応溶媒としては、トルエン、ベンゼン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエーテル等の溶媒が好ましく、特にテトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルエーテル等の極性溶媒が好ましい、単独でも2種以上混合して使用してもかまわない。
【0074】
開始剤としてはsec−ブチルリチウム、n−ブチルリチウム、ナフタレンナトリウム、クミルカリウムが好ましく、その使用量は設計分子量に比例する。
【0075】
反応温度としては−80〜100℃、好ましくは−70〜0℃であり、反応時間としては0.1〜50時間、好ましくは0.5〜5時間である。
【0076】
sec−ブチルリチウムを開始剤に用いた場合の反応式の一例を示すと下記の通りである。分岐度を変えるためには下記反応を任意に繰り返す。
【0077】
【化33】
Figure 0003743491
【0078】
なお、酸不安定基を導入する場合は、得られたポリp−ヒドロキシスチレンに対して公知の方法でそのフェノール性水酸基に所望の酸不安定基又は酸安定基を導入すればよい。或いは、フェノール性水酸基に酸不安定基又は酸安定基が導入されたヒドロキシスチレン誘導体モノマーを用いて上記のように重合すればよい。酸不安定基を導入する場合の製造例を以下に示す。
【0079】
【化34】
Figure 0003743491
【0080】
【化35】
Figure 0003743491
【0081】
【化36】
Figure 0003743491
【0082】
【化37】
Figure 0003743491
【0083】
本発明のデンリマー、ハイパーブランチポリマーの高分子化合物は、通常の線状高分子化合物とは基本的に異なり、この高分子化合物をレジスト材料のベース樹脂として用いた場合、ポリマーのサイズは解像度に比例しており、サイズを小さくすると線状高分子化合物では強度が足りないという欠点があるが、この高分子化合物はポリマーのサイズを任意に変えることが可能であり、この高分子化合物は強度を保ちつつサイズを小さくできる特徴を持つ。従って、従来のレジスト材料にない、高解像性、感度、プラズマエッチング耐性に優れたレジスト材料を与える。
【0084】
本発明のレジスト材料は、上記高分子化合物をベースポリマーに用いるものであるが、特に好適な態様としては、下記の化学増幅型レジスト材料(ポジ型、ネガ型)とすることができる。
化学増幅ポジ型レジスト材料
(A)上記高分子化合物であって、かつこの高分子化合物がアルカリ不溶性又は難溶性であり、酸との反応でアルカリ可溶性となるベース樹脂
(B)有機溶剤
(C)酸発生剤
化学増幅ネガ型レジスト材料
(A’)上記高分子化合物であって、かつ架橋剤で架橋されることによりアルカリ不溶性又は難溶性となるベース樹脂
(B)有機溶剤
(C)酸発生剤
(F)架橋剤
【0085】
この場合、上記ポジ型レジスト材料には、(D)塩基性化合物や(E)溶解制御剤を配合することができ、ネガ型レジスト材料には、(D)塩基性化合物を配合することができる。
【0086】
ここで、本発明で使用される(B)成分の有機溶剤としては、酸発生剤、ベース樹脂、溶解制御剤等が溶解可能な有機溶媒であれば何れでもよい。このような有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコール−モノ−tert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
【0087】
(C)成分の酸発生剤としては、下記一般式(11)のオニウム塩、式(12)のジアゾメタン誘導体、式(13)のグリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミド−イルスルホネート誘導体、ハロゲン誘導体等が挙げられる。
【0088】
(R30b+- (11)
(但し、R30は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表し、M+はヨードニウム、スルホニウムを表し、K-は非求核性対向イオンを表し、bは2又は3である。)
【0089】
30のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、2−オキソシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
【0090】
【化38】
Figure 0003743491
(但し、R31、R32は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン化アリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。)
【0091】
31、R32のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロベンゼン基、クロロベンゼン基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼン基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0092】
【化39】
Figure 0003743491
(但し、R33、R34、R35は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン化アリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。また、R34、R35は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R34、R35はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
【0093】
33、R34、R35のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R31、R32で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R34、R35のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
【0094】
具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体、ジフェニルジスルホン、ジシクロヘキシルジスルホン等のジスルホン誘導体、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体、フタルイミド−イル−トリフレート、フタルイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−トリフレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−n−ブチルスルホネート等のイミド−イル−スルホネート誘導体等が挙げられるが、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、トリブロモフェノール、ジブロモカンファー、トリス(トリクロロメチル)、s−トリアジンが好ましく用いられる。なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。オニウム塩は矩形性向上効果に優れ、ジアゾメタン誘導体及びグリオキシム誘導体は定在波低減効果に優れるが、両者を組み合わせることにより、プロファイルの微調整を行うことが可能である。
【0095】
酸発生剤の配合量は、全ベース樹脂100部(重量部、以下同じ)に対して0.2〜15部、特に0.5〜8部とすることが好ましく、0.2部に満たないと露光時の酸発生量が少なく、感度及び解像力が劣る場合があり、15部を超えるとレジストの透過率が低下し、解像力が劣る場合がある。
【0096】
(D)成分の塩基性化合物は、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適しており、このような塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる(特開平5−232706号、同5−249683号、同5−158239号、同5−249662号、同5−257282号、同5−289322号、同5−289340号公報等記載)。
【0097】
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられるが、特に脂肪族アミンが好適に用いられる。
【0098】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0099】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリジン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0100】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン等)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
【0101】
更に、下記一般式(14)及び(15)で示される塩基性化合物を配合することもできる。
【0102】
【化40】
Figure 0003743491
(式中、R41、R42、R43、R47、R48はそれぞれ独立して直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜20のアルキレン基、R44、R45、R46、R49、R50は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又はアミノ基を示し、R44とR45、R45とR46、R44とR46、R44とR45とR46、R49とR50はそれぞれ結合して環を形成してもよい。S、T、Uはそれぞれ0〜20の整数を示す。但し、S、T、U=0のとき、R44、R45、R46、R49、R50は水素原子を含まない。)
【0103】
ここで、R41、R42、R43、R47、R48のアルキレン基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8のものであり、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。
【0104】
また、R44、R45、R46、R49、R50のアルキル基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6のものであり、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0105】
更に、R44とR45、R45とR46、R44とR46、R44とR45とR46、R49とR50が環を形成する場合、その環の炭素数は1〜20、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6であり、またこれらの環は炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基が分岐していてもよい。
【0106】
S、T、Uはそれぞれ0〜20の整数であり、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の整数である。
【0107】
上記式(14)、(15)の化合物として具体的には、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メトキシ}エチル]アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6等が挙げられる。特に第三級アミン、アニリン誘導体、ピロリジン誘導体、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、アミノ酸誘導体、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メチル}エチル]アミン、1−アザ−15−クラウン−5等が好ましい。
【0108】
なお、上記塩基性化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は全ベース樹脂100部に対して0.01〜2部、特に0.01〜1部が好適である。配合量が0.01部より少ないと配合効果がなく、2部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
【0109】
更に、本発明のレジスト材料に、分子内に≡C−COOH、好ましくは−R57−COOH(R57は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)で示される基を有する芳香族化合物を配合することができ、これは例えば下記I群及びII群から選ばれる1種又は2種以上の化合物を使用することができるが、これらに限定されるものではない。この成分の配合により、レジストのPED安定性を向上させ、窒化膜基板上でのエッジラフネスを改善することができる。
[I群]
下記一般式(16)〜(25)で示される化合物のフェノール性水酸基の水素原子の一部又は全部を−R57−COOH(R57は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基)により置換してなり、かつ分子内のフェノール性水酸基(C)と≡C−COOHで示される基(D)とのモル比率がC/(C+D)=0.1〜1.0である化合物。
[II群]
下記一般式(26)、(27)で示される化合物。
【0110】
【化41】
Figure 0003743491
【0111】
【化42】
Figure 0003743491
(但し、式中R1は水素原子又はメチル基であり、R51、R52はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基であり、R53は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、或いは−(R57h−COOR’基(R’は水素原子又は−R57−COOH)であり、R54は−(CH2i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子、R55は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子、R56は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基であり、R57は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基、R58は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基又は−R57−COOH基である。jは0〜5の整数であり、u、hは0又は1である。s1、t1、s2、t2、s3、t3、s4、t4はそれぞれs1+t1=8、s2+t2=5、s3+t3=4、s4+t4=6を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。βは式(21)の化合物を重量平均分子量1,000〜5,000とする数、γは式(22)の化合物を重量平均分子量1,000〜10,000とする数である。)
【0112】
【化43】
Figure 0003743491
(R51、R52、R57は上記と同様の意味を示す。s5、t5は、s5≧0、t5≧0で、s5+t5=5を満足する数である。)
【0113】
上記成分として、具体的には下記一般式III−1〜14及びIV−1〜6で示される化合物を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0114】
【化44】
Figure 0003743491
【0115】
【化45】
Figure 0003743491
【0116】
【化46】
Figure 0003743491
(但し、R’’は水素原子又はCH2COOH基を示し、各化合物においてR’’の10〜100モル%はCH2COOH基である。α、βは上記と同様の意味を示す。)
【0117】
【化47】
Figure 0003743491
【0118】
なお、上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する芳香族化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0119】
上記分子内に≡C−COOHで示される基を有する芳香族化合物の添加量は、ベース樹脂100部に対して0.1〜5部、より好ましくは1〜3部である。0.1部より少ないと窒化膜基板上での裾引き及びPEDの改善効果が十分に得られない場合があり、5部より多いとレジスト材料の解像性が低下する場合がある。
【0120】
本発明のレジスト材料には、(E)成分として溶解制御剤を添加することができ、これによりコントラストを向上させることができる。溶解制御剤としては、平均分子量が100〜1,000、好ましくは150〜800で、かつ分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0〜100モル%の割合で置換した化合物を配合する。
【0121】
なお、フェノール性水酸基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール性水酸基全体の0モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、また、その上限は100モル%、より好ましくは80モル%である。
【0122】
この場合、かかるフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物としては、下記式(i)〜(xi)で示されるものが好ましい。
【0123】
【化48】
Figure 0003743491
【0124】
【化49】
Figure 0003743491
【0125】
【化50】
Figure 0003743491
(但し、式中R21、R22はそれぞれ水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基であり、R23は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、あるいは−(R27h−COOHであり、R24は−(CH2i−(i=2〜10)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子、R25は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子、R26は水素原子又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基であり、R27は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基である。また、jは0〜5の整数であり、u、hは0又は1である。s、t、s’、t’、s”、t”はそれぞれs+t=8、s’+t’=5、s”+t”=4を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。αは式(viii)、(ix)の化合物の分子量を100〜1,000とする数である。)
【0126】
上記式中R21、R22としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、R23としては、例えばR21、R22と同様なもの、あるいは−COOH、−CH2COOH、R24としては、例えばエチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子、硫黄原子等、R25としては、例えばメチレン基、あるいはR24と同様なもの、R26としては例えば水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0127】
ここで、溶解制御剤の酸不安定基としては、上記一般式(9)、一般式(10)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等が挙げられる。
【0128】
上記フェノール性水酸基を酸不安定基で部分置換した化合物(溶解制御剤)の配合量は、ベース樹脂100部に対し、0〜50部、好ましくは5〜50部、より好ましくは10〜30部であり、単独又は2種以上を混合して使用できる。配合量が5部に満たないと解像性の向上がない場合があり、50部を超えるとパターンの膜減りが生じ、解像度が低下する場合がある。
【0129】
なお、上記のような溶解制御剤はフェノール性水酸基を有する化合物にベース樹脂と同様に酸不安定基を化学反応させることにより合成することができる。
【0130】
本発明のレジスト材料は、上記溶解制御剤の代わりに又はこれに加えて別の溶解制御剤として重量平均分子量が1,000を超え3,000以下で、かつ分子内にフェノール性水酸基を有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子を酸不安定基により全体として平均0%以上60%以下の割合で部分置換した化合物を配合することができる。
【0131】
この場合、かかる酸不安定基でフェノール性水酸基の水素原子が部分置換された化合物としては、下記一般式(28)で示される繰り返し単位を有し、重量平均分子量が1,000を超え3,000以下である化合物から選ばれる1種又は2種以上の化合物が好ましい。
【0132】
【化51】
Figure 0003743491
(但し、式中R4aは酸不安定基を示し、v、wはそれぞれ0≦v/(v+w)≦0.6を満足する数である。)
【0133】
ここで、溶解制御剤の酸不安定基としては、上記一般式(9)、一般式(10)で示される基、炭素数4〜20の三級アルキル基、各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等が挙げられる。
【0134】
上記別の溶解制御剤の配合量は、上記溶解制御剤と合計した溶解制御剤全体としてベース樹脂100部に対し0〜50部、特に0〜30部、好ましくは1部以上用いるような範囲であることが好ましい。
【0135】
なお、上記のような別の溶解制御剤は、フェノール性水酸基を有する化合物にベース樹脂と同様に酸不安定基を化学反応させることにより合成することができる。
【0136】
更に、本発明のレジスト材料には、紫外線吸収剤として波長248nmでのモル吸光率が10,000以下の化合物を配合することができる。これによって、反射率の異なる基板に対し、適切な透過率を有するレジストの設計・制御が可能となる。
【0137】
具体的には、ペンタレン、インデン、ナフタレン、アズレン、ペプタレン、ビフェニレン、インダセン、フルオレン、フェナレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、アセフェナントリレン、アセアントリレン、トリフェニレン、ピレン、クリセン、プレイアデン、ピセン、ペリレン、ペンタフェン、ペンタセン、ベンゾフェナントレン、アントラキノン、アントロンベンズアントロン、2,7−ジメトキシナフタレン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントセラン、9,10−ジメチルアントラセン、9−エトキシアントラセン、1,2−ナフトキノン、9−フルオレン、下記一般式(29)、(30)等の縮合多環炭化水素誘導体、チオキサンテン−9−オン、チアントレン、ジベンゾチオフェン等の縮合複素環誘導体、2,3,4−トリビトロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、スクエアル酸、ジメチルスクエアレート等のスクエアル酸誘導体等が挙げられる。
【0138】
【化52】
Figure 0003743491
(式中、R61〜R63はそれぞれ独立に水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基又はアリール基である。R64は酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の脂肪族炭化水素基、酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の脂環式炭化水素基、酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素基又は酸素原子であり、R65は酸不安定基である。Jは0又は1である。E、F、Gはそれぞれ0又は1〜9の整数、Hは1〜10の正の整数で、かつE+F+G+H≦10を満足する。)
【0139】
更に詳しくは、上記式(29)、(30)において、R61〜R63はそれぞれ独立に水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基又はアリール基であり、直鎖状又は分岐状のアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基等の炭素数1〜10のものが好適であり、中でもメチル基、エチル基、イソプロピル基、tert−ブチル基がより好ましく用いられる。直鎖状又は分岐状のアルコキシ基としては、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基等の炭素数1〜8のものが好適であり、中でもメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert−ブトキシ基がより好ましく用いられる。直鎖状又は分岐状のアルコキシアルキル基としては、例えばメトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−プロポキシエチル基、tert−ブトキシエチル基等の炭素数2〜10のものが好適であり、中でもメトキシメチル基、1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−プロポキシエチル基等が好ましい。直鎖状又は分岐状のアルケニル基としては、ビニル基、プロペニル基、アリル基、ブテニル基のような炭素数2〜4のものが好適である。アリール基としては、フェニル基、キシリル基、トルイル基、クメニル基のような炭素数6〜14のものが好適である。
【0140】
64は酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の脂肪族炭化水素基、酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の脂環式炭化水素基、酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素基又は酸素原子である。なお、式中のJは0又は1であり、Jが0の場合は−R64−結合部は単結合となる。
【0141】
酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の脂肪族炭化水素基としては、例えばメチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、sec−ブチレン基、−CH2O−基、−CH2CH2O−基、−CH2OCH2−基のような炭素数1〜10のものが好適であり、中でもメチレン基、エチレン基、−CH2O−基、−CH2CH2O−基がより好ましく用いられる。
【0142】
酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の脂環式炭化水素基としては、例えば1,4−シクロヘキシレン基、2−オキサシクロヘキサン−1,4−イレン基、2−チアシクロヘキサン−1,4−イレン基のような炭素数5〜10のものが挙げられる。
【0143】
酸素原子を含んでいてもよい置換もしくは非置換の2価の芳香族炭化水素基としては、例えばo−フェニレン基、p−フェニレン基、1,2−キシレン−3,6−イレン基、トルエン−2,5−イレン基、1−クメン−2,5−イレン基のような炭素数6〜14のもの、あるいは−CH2Ph−基、−CH2PhCH2−基、−OCH2Ph−基、−OCH2PhCH2O−基(Phはフェニレン基)等の炭素数6〜14のアリルアルキレン基が挙げられる。
【0144】
また、R65は酸不安定基であるが、ここでいう酸不安定基とはカルボキシル基を酸の存在下で分解し得る1種以上の官能基で置換したものを意味し、酸の存在下に分解してアルカリ可溶性を示す官能基を遊離するものである限り特に限定されるものではないが、特に下記一般式(31a)、(31b)、(31c)で示される基が好ましい。
【0145】
【化53】
Figure 0003743491
(式中、R66〜R69はそれぞれ独立に水素原子、直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシ基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基又はアリール基であり、かつ、これらの基は鎖中にカルボニル基を含んでいてもよいが、R66〜R69の全てが水素原子であってはならない。また、R66とR67は互いに結合して環を形成していてもよい。R69は直鎖状もしくは分岐状のアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルコキシアルキル基、直鎖状もしくは分岐状のアルケニル基又はアリール基であり、かつ、これらの基は鎖中にカルボニル基を含んでいてもよい。また、R69はR66と結合して環を形成していてもよい。)
【0146】
この場合、上記直鎖状又は分岐状のアルキル基、直鎖状又は分岐状のアルコキシ基、直鎖状又は分岐状のアルコキシアルキル基、直鎖状又は分岐状のアルケニル基、アリール基としては、上記R61〜R63と同様のものを例示することができる。
【0147】
また、式(31a)においてR66とR67が互いに結合して形成される環としては、例えばシクロヘキシリデン基、シクロペンチリデン基、3−オキソシクロヘキシリデン基、3−オキソ−4−オキサシクロヘキシリデン基、4−メチルシクロヘキシリデン基等の炭素数4〜10のものが挙げられる。
【0148】
また、式(31b)においてR66とR67が互いに結合して形成される環としては、例えば1−シラシクロヘキシリデン基、1−シラシクロペンチリデン基、3−オキソ−1−シラシクロペンチリデン基、4−メチル−1−シラシクロペンチリデン基等の炭素数3〜9のものが挙げられる。
【0149】
更に、式(31c)においてR69とR66が互いに結合して形成される環としては、例えば2−オキサシクロヘキシリデン基、2−オキサシクロペンチリデン基、2−オキサ−4−メチルシクロヘキシリデン基等の炭素数4〜10のものが挙げられる。
【0150】
ここで、上記式(31a)で表される基としては、例えばtert−アミル基、1,1−ジメチルエチル基、1,1−ジメチルブチル基、1−エチル−1−メチルプロピル基、1,1−ジエチルプロピル基等の炭素数4〜10の三級アルキル基のほか、1,1−ジメチル−3−オキソブチル基、3−オキソシクロヘキシル基、1−メチル−3−オキソ−4−オキサシクロヘキシル基などの3−オキソアルキル基が好適である。
【0151】
上記式(31b)で表される基としては、例えばトリメチルシリル基、エチルジメチルシリル基、ジメチルプロピルシリル基、ジエチルメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert−ブチルジメチルシリル基等の炭素数3〜10のトリアルキルシリル基が好適である。
【0152】
上記式(31c)で表される基としては、例えば1−メトキシメチル基、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−エトキシプロピル基、1−エトキシイソブチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−tert−ペントキシエチル基、1−シクロヘキシルオキシエチル基、1−(2’−n−ブトキシエトキシ)エチル基、1−(2−エチルヘキシルオキシ)エチル基、1−{4−(アセトキシメチル)シクロヘキシルメチルオキシ}エチル基、1−{4−(tert−ブトキシカルボニルオキシメチル)シクロヘキシルメチルオキシ}エチル基、1−メトキシ−1−メチルエチル基、1−エトキシプロピル基、ジメトキシメチル基、ジエトキシメチル基、2−テトラヒドロフラニル基、2−テトラヒドロピラニル基等の炭素数2〜8のものが好適である。
【0153】
なお、上記式(29)、(30)において、E、F、Gはそれぞれ0又は1〜9の正の整数、Hは1〜10の正の整数で、E+F+G+H≦10を満足する。
【0154】
上記式(29)、(30)の化合物の好ましい具体例としては、下記(32a)〜(32j)で示される化合物等が挙げられる。
【0155】
【化54】
Figure 0003743491
(式中、R70は酸不安定基である。)
【0156】
また、紫外線吸収剤としては、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホキシド、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)スルホキシド、ビス[4−(1−エトキシエトキシ)フェニル]スルホキシド等のジアリールスルホキシド誘導体、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)スルホン、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)スルホン、ビス[4−(1−エトキシエトキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(1−エトキシプロポキシ)フェニル]スルホン等のジアリールスルホン誘導体、ベンゾキノンジアジド、ナフトキノンジアジド、アントラキノンジアジド、ジアゾフルオレン、ジアゾテトラロン、ジアゾフェナントロン等のジアゾ化合物、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸クロリドと2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとの完全もしくは部分エステル化合物、ナフトキノン−1,2−ジアジド−4−スルホン酸クロリドと2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノンとの完全もしくは部分エステル化合物等のキノンジアジド基含有化合物等を用いることもできる。
【0157】
紫外線吸収剤として好ましくは、9−アントラセンカルボン酸tert−ブチル、9−アントラセンカルボン酸tert−アミル、9−アントラセンカルボン酸tert−メトキシメチル、9−アントラセンカルボン酸tert−エトキシエチル、9−アントラセンカルボン酸tert−テトラヒドロピラニル、9−アントラセンカルボン酸tert−テトラヒドロフラニル、ナフトキノン−1,2−ジアジド−5−スルホン酸クロリドと2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノンとの部分エステル化合物等を挙げることができる。
【0158】
上記紫外線吸収剤の配合量は、ベース樹脂100部に対して0〜10部、より好ましくは0.5〜10部、更に好ましくは1〜5部であることが好ましい。
【0159】
更に、本発明のレジスト材料には、アセチレンアルコール誘導体を配合することができ、これにより保存安定性を向上させることができる。
【0160】
アセチレンアルコール誘導体としては、下記一般式(33)、(34)で示されるものを好適に使用することができる。
【0161】
【化55】
Figure 0003743491
(式中、R71、R72、R73、R74、R75はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、X、Yは0又は正数を示し、下記値を満足する。0≦X≦30、0≦Y≦30、0≦X+Y≦40である。)
【0162】
アセチレンアルコール誘導体として好ましくは、サーフィノール61、サーフィノール82、サーフィノール104、サーフィノール104E、サーフィノール104H、サーフィノール104A、サーフィノールTG、サーフィノールPC、サーフィノール440、サーフィノール465、サーフィノール485(Air Products and Chemicals Inc.製)、オルフィンE1004(日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0163】
上記アセチレンアルコール誘導体の添加量は、レジスト組成物100重量%中0.01〜2重量%、より好ましくは0.02〜1重量%である。0.01重量%より少ないと塗布性及び保存安定性の改善効果が十分に得られない場合があり、2重量%より多いとレジスト材料の解像性が低下する場合がある。
【0164】
また、上記架橋剤(F)(酸の作用によって架橋する化合物)としては、下記のようなメラミン系化合物、エポキシ系化合物、ウレア系化合物が挙げられる。
【0165】
【化56】
Figure 0003743491
【0166】
酸の作用によって架橋する化合物の配合量は、ベース樹脂100部に対して、好ましくは5〜95部、特に好ましくは15〜85部、更に好ましくは20〜75部である。5部未満では、十分な架橋反応を起こすことが困難で残膜率の低下、パターンの蛇行、膨潤などを招きやすい。また、95部を超えるとスカムが多く現像性が悪化する傾向にある。
【0167】
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0168】
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「S−381」、「S−383」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」、「F−171」、「F−172」、「F−173」、「F−177」(いずれも大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0169】
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えばシリコンウェハー等の基板上にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.2〜2.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜150℃、1〜10分間、好ましくは80〜120℃、1〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、波長300nm以下の遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線もしくは電子線を露光量1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように照射した後、ホットプレート上で60〜150℃、1〜5分間、好ましくは80〜120℃、1〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5%、好ましくは2〜3%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、0.1〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明材料は、特に高エネルギー線の中でも254〜146nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、X線及び電子線による微細パターンニングに最適である。また、上記範囲を上限及び下限から外れる場合は、目的のパターンを得ることができない場合がある。
【0170】
【発明の効果】
本発明のレジスト材料は、十分な解像力を有し、ラインエッジラフネスが小さく、優れた耐ドライエッチング性を有し、化学増幅型レジスト材料として有効であり、またこの場合、ポジ型のみでなく、ネガ型に用いても優れた解像度を与える。
【0171】
【実施例】
以下、合成例と実施例、比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。
【0172】
[合成例1]3分岐ポリ(p−ヒドロキシスチレン)の合成
1Lのフラスコに溶媒としてテトラヒドロフラン500ml、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.01molを仕込んだ。この混合溶液に−78℃でp−tert−ブトキシスチレン30gを添加し、30分撹拌しながら重合させた。この反応溶液は赤色を呈した。更に、分岐ポリマーとするために、p−クロロメチルスチレン0.005molを添加し、5分間反応した。この反応溶液は赤色溶液を呈していた。次に、更にp−tert−ブトキシスチレン15gを添加し、30分撹拌しながら重合させた。重合停止反応は反応溶液にメタノール0.1molを添加して行った。
【0173】
次に、ポリマーを精製するために、反応混合物をメタノール中に注ぎ、得られた重合体を沈澱させた後、分離し、乾燥させたところ、29gの白色重合体(3分岐のポリp−tert−ブトキシスチレン)が得られた。
【0174】
更に、3分岐ポリ(p−ヒドロキシスチレン)とするために、上記3分岐のポリp−tert−ブトキシスチレン29gをアセトン300mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を加えて7時間撹拌後、水に注ぎ、ポリマーを沈殿させ、洗浄・乾燥したところ、18gのポリマーが得られた。また、GPCによる分析、1H−NMRでtert−ブチル基に由来するピークが観測されないことから得られたポリマーが分子量分布の狭い3分岐ポリ(p−ヒドロキシスチレン)であることが確認された。
【0175】
[合成例2]3分岐ポリ(部分エトキシエトキシ化p−ヒドロキシスチレン)の合成
合成例1で得られた3分岐ポリヒドロキシスチレン10gをテトラヒドロフラン100mlに溶解させ、触媒量のメタンスルホン酸を添加した後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル3gを添加した。1時間反応させた後に、濃アンモニア水により中和し、水5Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥した。得られたポリマーは、1H−NMRから3分岐ポリヒドロキシスチレンのエトキシエチル基の置換率を同定した(後述するPolymer1)。
【0176】
[合成例3]3分岐ポリ(p−tert−ブトキシカルボニルオキシスチレン−p−ヒドロキシスチレン)の合成
合成例1で得られた3分岐ポリヒドロキシスチレン20gをピリジン200mlに溶解させ、45℃で撹拌しながら二炭酸ジ−tert−ブチル10gを添加した。1時間反応させた後、水3Lに反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン100mlに溶解させ、水5Lに滴下し、濾過後、真空乾燥させ、ポリマーを得た。1H−NMRから3分岐ポリヒドロキシスチレンの水酸基の水素原子のt−BOC化率を同定した(後述するPolymer4)。
【0177】
[合成例4]9分岐ポリ(p−ヒドロキシスチレン)の合成
2Lのフラスコに溶媒としてテトラヒドロフラン1000ml、開始剤としてsec−ブチルリチウム0.06molを仕込んだ。この混合溶液に−78℃でp−tert−ブトキシスチレン60gを添加し、30分撹拌しながら重合させた。この反応溶液は赤色を呈した。更に、3分岐ポリマーとするために、p−クロロメチルスチレン0.03molを添加し、5分間反応した。この反応溶液にp−tert−ブトキシスチレン30gを添加し、30分撹拌しながら重合させた。この反応溶液は赤色を呈した。次に、5分岐ポリマーとするために、p−クロロメチルスチレン0.03molを添加し、5分間反応した。この反応溶液にp−tert−ブトキシスチレン15gを添加し、30分撹拌しながら重合させた。この反応溶液は赤色を呈した。最後に、9分岐ポリマーとするために、p−クロロメチルスチレン0.015molを添加し、5分間反応した。この反応溶液にp−tert−ブトキシスチレン7.5gを添加し、30分撹拌しながら重合させた。この反応溶液は赤色を呈した。
【0178】
次に、更にp−tert−ブトキシスチレン10gを添加し、30分撹拌しながら重合させた。重合停止反応は反応溶液に炭酸ガス0.1molを添加して行った。
【0179】
次に、ポリマーを精製するために、反応混合物をメタノール中に注ぎ、得られた重合体を沈澱させた後、分離し、乾燥させたところ、99gの白色重合体(9分岐のポリp−tert−ブトキシスチレン)が得られた。
【0180】
更に、9分岐ポリ(p−ヒドロキシスチレン)とするために、上記9分岐のポリp−tert−ブトキシスチレン99gをアセトン1000mlに溶解し、60℃で少量の濃塩酸を加えて7時間撹拌後、水に注ぎ、ポリマーを沈殿させ、洗浄・乾燥したところ66gのポリマーが得られた。また、GPC分析、1H−NMRでtert−ブチル基に由来するピークが観測されないことから得られたポリマーが分子量分布の狭い9分岐ポリ(p−ヒドロキシスチレン)であることが確認された。
【0181】
[合成例5]9分岐ポリ(部分エトキシエトキシ化−p−ヒドロキシスチレン)の合成
2Lのフラスコに得られた9分岐ポリ(p−ヒドロキシスチレン)99gをテトラヒドロフラン1000mlに溶解させ、触媒量のメタンスルホン酸を添加した後、20℃で撹拌しながらエチルビニルエーテル25gを添加した。2時間反応させた後に、濃アンモニア水により中和し、水10Lに中和反応液を滴下したところ、白色固体が得られた。これを濾過後、アセトン500mlに溶解させ、水10Lに滴下し、濾過後、真空乾燥しポリマーを得、1H−NMRの分析から、エトキシエチル基の置換率を同定した(後述するPolymer3)。
【0182】
なお、後述するPolymer2,4,6〜11も上記の方法に準じて製造した。また、Polymer5は更に1,4−ブタンジオールジビニルエーテルで架橋して製造した。
【0183】
[実施例、比較例]
Polymer1〜17で示される部分的に水酸基が酸不安定基で保護されたポリヒドロキシスチレンと、PAG1、2、3で示される酸発生剤と、DRR1、2で示される溶解制御剤と、架橋剤を固形分の6倍重量のプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)に溶解し、レジスト組成物を調合し、更に各組成物を0.2μmのテフロン(登録商標)製フィルターで濾過することにより、レジスト液を調製した。
【0184】
得られたレジスト液を、シリコンウェハーにDUV−30(日産化学製)を55nm製膜してKrF光(248nm)で反射率を1%以下に押さえた基板上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で90秒間ベークし、レジストの厚みを0.55μmの厚さにした。
【0185】
これをエキシマレーザーステッパー((株)ニコン製、S−202A,NA−0.6)を用いて露光し、露光後直ちに110℃で90秒間ベークし、2.38重量%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシドの水溶液で60秒間現像を行うことにより、ポジ型のパターンを得た。
【0186】
得られたレジストパターンを次のように評価した。結果を表1,2に示す。
【0187】
評価方法:
0.25μmのラインアンドスペースを1:1で解像する露光量を、測長SEM日立製作所製S−7280で求め、これを最適露光量(Eop)として、この露光量において分離しているラインアンドスペースの最小線幅を評価レジストの解像度とした。
また、0.25μmラインの側面の凹凸を上記測長SEMで観察した。
耐ドライエッチング性の試験では、レジストのスピンコート後のウェハーを下記の条件で評価した。
【0188】
CHF3/CF4系ガスでのエッチング試験:東京エレクトロン株式会社製ドライエッチング装置TE−8500Pを用い、エッチング前後のレジストの膜厚差とドライエッチング後のレジスト表面の凹凸を原子間力顕微鏡(AFM:デジタルインスツルメンツ社、D−500)で測定した。
【0189】
エッチング条件は下記に示す通りである。
チャンバー圧力 300mmTorr
RFパワー 1300W
ギャップ 9mm
CHF3ガス流量 30sccm
CF4ガス流量 30sccm
Arガス流量 100sccm
時間 60sec
【0190】
【化57】
Figure 0003743491
【0191】
【化58】
Figure 0003743491
【0192】
【化59】
Figure 0003743491
【0193】
【化60】
Figure 0003743491
【0194】
【化61】
Figure 0003743491
【0195】
【化62】
Figure 0003743491
【0196】
【化63】
Figure 0003743491
【0197】
【化64】
Figure 0003743491
【0198】
【化65】
Figure 0003743491
【0199】
【化66】
Figure 0003743491
【0200】
【化67】
Figure 0003743491
【0201】
【化68】
Figure 0003743491
【0202】
【化69】
Figure 0003743491
【0203】
【化70】
Figure 0003743491
【0204】
【化71】
Figure 0003743491
【0205】
【化72】
Figure 0003743491
【0206】
【化73】
Figure 0003743491
【0207】
【化74】
Figure 0003743491
【0208】
【化75】
Figure 0003743491
【0209】
【化76】
Figure 0003743491
【0210】
【表1】
Figure 0003743491
【0211】
【表2】
Figure 0003743491
【0212】
表1,2の結果より、本発明の高分子化合物を用いたレジスト材料は、十分な解像力と感度を満たし、特に実施例9,10,11と比較例4,5,6の例から明らかなように、線状ポリマーに比べてネガ型レジストにおける解像力が高く、ラインエッジラフネスが小さく、エッチング前後の膜厚差が小さいだけでなくエッチング後の表面凹凸が小さいことより、優れた耐ドライエッチング性を有していることがわかった。

Claims (10)

  1. 下記繰り返し単位(I)及び/又は繰り返し単位(II)と繰り返し単位(III)とからなり、単位(III)の個数が1〜1,000である、フェノール誘導体のデンリマー又はハイパーブランチポリマーからなる重量平均分子量が500〜10,000,000の高分子化合物をベースポリマーとして含むことを特徴とするレジスト材料。
    Figure 0003743491
    (式中、R1は水素原子又はメチル基を示し、R2は同一又は異種の炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、又は炭素数6〜30のアリール基を示す。R3はOR4基を示し、R4は酸不安定基又は酸安定基を示す。xは0又は正の整数、yは正の整数であり、x+y≦5を満足する数である。)
    Figure 0003743491
    (式中、R1は上記と同様である。R5は炭素数1〜30の直鎖状、分岐状又は環状のアルキレン基、又は炭素数6〜30のアリーレン基で、これらが組み合わされていてもよく、エーテル結合又はエステル結合を含んでもよい。)
  2. 単位(III)が、下記式(3a)
    Figure 0003743491
    (式中、Xは、単結合、又はヒドロキシ基又はカルボニル基を含んでいてもよい炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。)
    である請求項記載のレジスト材料。
  3. 4の酸不安定基が、下記式(9)、(10)で示される基、炭素数4〜40の3級アルキル基、アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基、C−O−C基を有する架橋基から選ばれる基であり、R4の酸安定基が、炭素数1〜20の1,2級アルキル基、炭素数1〜20の1,2級アルコキシ基、1,2級アルコキシカルボニル基、1,2,3級アルキルカルボニル基、アリール基から選ばれる基である請求項1又は2記載のレジスト材料。
    Figure 0003743491
    (式中、R6は炭素数4〜40の3級アルキル基、アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基、R7は水素原子又は直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状の炭素数1〜10のアルキル基、R8、R9は互いに独立に直鎖状、分岐鎖状、もしくは環状の炭素数1〜10のアルキル基を示すか、或いは互いに結合して環を形成してもよい。aは0〜10の整数を示す。)
  4. 請求項1、2又は3記載の高分子化合物が、リビングアニオン重合によって得られたものであるレジスト材料。
  5. (A)請求項1乃至4のいずれか1項記載の高分子化合物であって、かつこの高分子化合物がアルカリ不溶性又は難溶性であり、酸との反応でアルカリ可溶性となるベース樹脂、
    (B)有機溶剤、
    (C)酸発生剤
    を含有することを特徴とする化学増幅ポジ型レジスト材料。
  6. (D)塩基性化合物を配合した請求項5記載のレジスト材料。
  7. (E)溶解制御剤を配合した請求項5又は6記載のレジスト材料。
  8. (A’)請求項1乃至4のいずれか1項記載の高分子化合物であって、かつ架橋剤で架橋されることによりアルカリ不溶性又は難溶性となるベース樹脂、
    (B)有機溶剤、
    (C)酸発生剤、
    (F)架橋剤
    を含有することを特徴とする化学増幅ネガ型レジスト材料。
  9. (D)塩基性化合物を配合した請求項8記載のレジスト材料。
  10. (i)請求項5乃至9のいずれか1項に記載のレジスト材料を基板上に塗布する工程と、
    (ii)次いで加熱処理後、フォトマスクを介して波長500nm以下の高エネルギー線もしくは電子線で露光する工程と、
    (iii)必要に応じて加熱処理した後、現像液を用いて現像する工程とを含むことを特徴とするパターン形成方法。
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