JP3965547B2 - 高分子化合物、レジスト材料及びパターン形成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工に用いられる化学増幅ポジ型レジスト材料のベース樹脂として好適な高分子シリコーン化合物、及び遠紫外線、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、電子線、X線などの高エネルギー線を露光光源として用いる際に好適な化学増幅ポジ型レジスト材料、並びにパターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。g線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光では、およそ0.5μmのパターンルールが限界とされており、これを用いて製作したLSIの集積度は、16MビットDRAM相当までとなる。しかし、LSIの試作はすでにこの段階まできており、更なる微細化技術の開発が急務となっている。
【0003】
パターンの微細化を図る手段の一つとしては、レジストパターン形成の際に使用する露光光を短波長化する方法があり、256Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー光(248nm)の利用が現在積極的に検討されている。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、特にArFエキシマレーザー光(193nm)を用いたフォトリソグラフィーが最近検討されてきている。
【0004】
IBMのイトー(Ito)、G.C.Willsonらが、ポリヒドロキシスチレンの水酸基をtert−ブトキシカルボニルオキシ基(t−Boc基)で保護したPBOCSTという樹脂にオニウム塩の酸発生剤を加えた化学増幅ポジ型レジスト材料を提案して以来、種々の高感度で高解像度のレジスト材料が開発されている。しかし、これらの化学増幅ポジ型レジスト材料は、いずれも高感度で高解像度のものではあるが、微細な高アスペクト比のパターンを形成することは、これらから得られるパターンの機械的強度を鑑みると困難であった。
【0005】
また、上記のようなポリヒドロキシスチレンをベース樹脂として使用し、遠紫外線、電子線及びX線に対して感度を有する化学増幅ポジ型レジスト材料は、従来より数多く提案されている。しかし、段差基板上に高アスペクト比のパターンを形成するには、2層レジスト法が優れているのに対し、上記レジスト材料はいずれも単層レジスト法によるものであり、未だ基板段差の問題、基板からの光反射の問題、高アスペクト比のパターン形成が困難な問題があり、実用に供することが難しいのが現状である。
【0006】
一方、従来より、段差基板上に高アスペクト比のパターンを形成するには2層レジスト法が優れていることが知られており、更に、2層レジスト膜を一般的なアルカリ現像液で現像するためには、ヒドロキシ基やカルボキシル基等の親水基を有する高分子シリコーン化合物であることが必要であるということが知られている。
【0007】
近年、シリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料として、安定なアルカリ可溶性シリコーンポリマーであるポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサンのフェノール性水酸基の一部をt−Boc基で保護したものをベース樹脂として使用し、これと酸発生剤とを組み合わせたシリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料が提案されている(特開平7−118651号公報、SPIE vol.1925(1993),377等)。また、珪素含有アクリルモノマーを用いたシリコーン含有ポリマーも提案されている(特開平9−110938号公報)。
【0008】
しかし、アクリルペンダント型の珪素含有ポリマーの欠点として、酸素プラズマにおけるドライエッチング耐性がシルセスキオキサン系ポリマーに比べて弱いという点が挙げられている。これは、珪素含有率が低いことが理由として挙げられる。
【0009】
そこで、トリシランあるいはテトラシランペンダント型で、珪素含有率を高め、更に珪素含有置換基に酸脱離性を持たせたモノマーを含むポリマーの提案がなされている(SPIE vol.3678 p.214,p.241,p.562)。しかしながら、ArFの波長においては、ジシラン以上のシラン化合物は、強い吸収があるため、導入率を多くすると透過率が低下するといった欠点がある。また、酸不安定基珪素を含有させるといった試みも上記以外にもなされているが(SPIE vol.3678 p.420)、酸脱離性能が低いため、環境安定性が低く、T−トッププロファイルになり易いなどの欠点があった。
【0010】
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高感度、高解像度を有し、特に高アスペクト比のパターンを形成するのに適した2層レジスト法の材料として好適に使用できるのみならず、耐熱性に優れたパターンを形成することができる化学増幅ポジ型レジスト材料のベースポリマーとして有用な新規高分子化合物及び該化合物をベースポリマーとして含有する化学増幅ポジ型レジスト材料並びにパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び発明の実施の形態】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、一般式(1)又は(2)で表される珪素含有置換基を含むことによって効果的に珪素含有率を高めることができ、ArF光における透過率の低下を防ぐことができることを見出した。この式(1),(2)の珪素含有置換基は、一般式(3)〜(8)に示すようなフェノールや、カルボキシル基の水酸基を置換することによって酸脱離性置換基として機能する。この置換基の酸脱離性は極めて良好であるため、露光後の環境安定性に優れ、これによって、T−トッププロファイルを防止できる。更にひとつの環状炭化水素基内に珪素を2個以上導入していることでドライエッチング耐性を高めることが可能である。また、珪素原子間に炭素原子を存在させ、ジシラン結合を発生させずに、ArF光での透過率を低下させる心配がないという特徴も併せ持つ。
【0012】
従って、本発明は、下記高分子化合物、化学増幅レジスト材料、パターン形成方法を提供する。
【0014】
請求項1:
下記一般式(3)〜(8)で示される繰り返し単位の1種又は2種以上を含むことを特徴とする高分子化合物。
【化6】
【化7】
【化8】
(式中、R 1 ,R 2 ,R 3 ,R 6 ,R 7 ,R 10 ,R 11 ,R 12 ,R 13 は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、R 4 ,R 5 ,R 8 ,R 9 は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、フッ素化した炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基、p,q,r,sは0〜10の整数、1≦p+q+s≦20である。R14は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示し、R15は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、t,u,wは1≦t≦5、uは0又は1、0≦w≦5である。)
【0015】
請求項2:
更に、密着性を向上させるための親水性置換基を含む単位である下記群[I]から選ばれる繰り返し単位の1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1記載の高分子化合物。
請求項3:
更に、後述するSi−1〜Si−5で示される繰り返し単位から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の高分子化合物。
請求項4:
(A)請求項1乃至3のいずれか1項記載の高分子化合物、
(B)酸発生剤、
(C)有機溶剤
を含有してなる化学増幅ポジ型レジスト材料。
【0016】
請求項5:
(A)請求項1乃至3のいずれか1項記載の高分子化合物、
(B)酸発生剤、
(C)有機溶剤、
(D)酸不安定基を有する溶解阻止剤
を含有してなる化学増幅ポジ型レジスト材料。
【0017】
請求項6:
(E)塩基性化合物を添加してなる請求項4又は5記載の化学増幅ポジ型レジスト材料。
【0018】
請求項7:
(1)請求項4,5又は6記載のレジスト材料を被加工基板上の有機膜上に塗布し、ベークしてレジスト膜を形成する工程、
(2)上記レジスト膜にフォトマスクを介して放射線を照射する工程、
(3)必要によりベークした後、アルカリ水溶液で現像して上記レジスト膜の照射部分を溶解させ、レジストパターンを形成する工程、
(4)露呈した有機膜部分を酸素プラズマを発生させるドライエッチング装置で加工する工程
を含むパターン形成方法。
【0019】
以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の高分子化合物は、下記一般式(1)又は(2)で表される珪素含有基を含むものである。
【0020】
【化9】
(式中、R1,R2,R3,R6,R7,R10,R11,R12,R13は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、R4,R5,R8,R9は水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、フッ素化した炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数6〜20のアリール基、p,q,r,sは0〜10の整数、1≦p+q+s≦20である。)
【0021】
ここで、直鎖状、分岐状、環状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ステアリル基等が挙げられ、中でも炭素数1〜20、特に1〜10のものが好ましい。また、フッ素化したアルキル基としては、これらアルキル基の水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換したものが挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等が挙げられ、中でも炭素数6〜12、特に6〜10のものが好ましい。
【0022】
p,q,sは0〜10の整数であり、1≦p+q+s≦20であるが、好ましくはpは0〜8、特に0〜6であり、qは0〜8、特に0〜6であり、sは0〜8、特に0〜6であって、p+q+sは1〜10、特に1〜8である。更にrは0〜10の整数であるが、好ましくは0〜8、特に0〜6である。
【0023】
上記一般式(1)又は(2)の珪素含有基は、例えば下記一般式(3)〜(8)で示される繰り返し単位として組み込むことができ、本発明の高分子化合物は、これら式(3)〜(8)で示される繰り返し単位の1種又は2種以上を含むものとすることが好ましい。
【0024】
【化10】
【0025】
【化11】
【0026】
【化12】
(式中、R14は水素原子、又は炭素数1〜20の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基を示し、R15は水素原子又は炭素数1〜10のアルキル基を示し、t,u,wは1≦t≦5、uは0又は1、0≦w≦5である。R1〜R13,p,q,r,sは上記と同じ意味を示す。)
【0027】
ここで、R14のアルキル基としては、上述したものと同様のものを挙げることができ、中でも水素原子又は炭素数1〜10、特に1〜8のものを挙げることができる。R15のアルキル基も上述したものと同様のものを挙げることができ、中でも水素原子又は炭素数1〜8、特に1〜6のものを挙げることができる。tは好ましくは0〜6、特に1≦t≦5であり、wは好ましくは0〜6、特に0≦w≦5、とりわけ0〜2である。
【0028】
上記一般式(3)〜(8)の繰り返し単位としては、下記のものを例示することができる。
【0029】
【化13】
【0030】
【化14】
【0031】
【化15】
【0032】
本発明の高分子化合物は、上記単位(3)〜(8)に加え、密着性を向上させるための置換基を含む単位、特にヒドロキシスチレン、酸無水物、エステル(ラクトン)、カーボネート、アルコール、アミド、ケトンなどの親水性置換基を含む下記群[I]から選ばれる1種又は2種以上の単位を含んでもよい。
【0033】
【化16】
【0034】
【化17】
(式中、R14,R15は上記と同じ。)
【0035】
ここで、本発明の高分子化合物において、上記式(3)〜(8)の単位は、5〜100モル%、より好ましくは10〜90モル%、更に好ましくは20〜80モル%含有することが好ましく、残部は上記群[I]の単位とすることができる。
【0036】
また、更に珪素含有量を増やすことによってドライエッチング耐性を高めることができるモノマーを共重合することができる。このものは、珪素を含むモノマーであり、例えば下記に示すものが例示される。
【化18】
【0037】
【化19】
【0038】
【化20】
【0039】
本発明の高分子化合物の重量平均分子量は、1,000〜1,000,000、特に2,000〜100,000であることが好ましい。
【0040】
本発明の高分子化合物を製造する場合、上記単位(3)〜(8)を与えるモノマー、更には上記群[I]の単位を与えるモノマーの所用量を用い、常法に従い、これらモノマー類と溶媒を混合し、触媒を添加して、場合によっては加熱あるいは冷却しながら重合反応を行う。重合反応は、開始剤(あるいは触媒)の種類、開始の方法(光、熱、放射線、プラズマなど)、重合条件(温度、圧力、濃度、溶媒、添加物)などによっても支配される。本発明の高分子化合物の重合においては、AIBNなどのラジカルによって重合が開始されるラジカル共重合、アルキルリチウムなどの触媒を用いたイオン重合(アニオン重合)などが一般的である。これらの重合は、その常法に従って行うことができる。
【0041】
なお、本発明の式(1),(2)の珪素含有置換基は、式(1a),(1b)で示されるアルコール化合物を用い、エステル化反応などの常法によって導入することで、式(3)〜(8)の単位を与えるモノマーを合成することができる。
【0042】
【化21】
【0043】
また、この式(1a),(1b)のアルコール化合物は、式(2a)のケトン化合物にグリニャール試薬RMgX(Xはハロゲン原子)や有機リチウム試薬RLiのような有機金属試薬を反応させるか、又は式(2b)の化合物にRMgX、RLiのような有機金属化合物を反応させることによって得ることができる。
【0044】
【化22】
(R’はメチル、エチル等のアルキル基。)
【0045】
本発明の高分子化合物は、化学増幅ポジ型レジスト材料のベース樹脂として好適であり、この場合、本発明の化学増幅ポジ型レジスト材料は、
(A)ベース樹脂として上記高分子化合物、
(B)酸発生剤、
(C)有機溶剤
を含有し、更に好ましくは
(D)酸不安定基を有する溶解阻止剤、
(E)塩基性化合物
を添加してなるものが好適である。
【0046】
ここで、本発明で使用される(C)成分の有機溶剤としては、酸発生剤、ベース樹脂(本発明の高分子化合物)、溶解阻止剤等が溶解可能な有機溶媒であればいずれでもよい。このような有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコール−モノ−tert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びそれらの混合溶剤が好ましく使用される。
【0047】
なお、有機溶剤の使用量は、ベース樹脂100重量部に対して200〜5,000重量部、特に400〜3,000重量部である。
【0048】
(B)成分の酸発生剤としては、下記一般式(9)のオニウム塩、式(10)のジアゾメタン誘導体、式(11)のグリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミド−イルスルホネート誘導体等が挙げられる。
【0049】
(R30)bM+K- (9)
(但し、R30は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表し、M+はヨードニウム、スルホニウムを表し、K-は非求核性対向イオンを表し、bは2又は3である。)
【0050】
R30のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、2−オキソシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。K-の非求核性対向イオンとしては塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
【0051】
【化23】
(但し、R31,R32は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基、又はハロゲン化アリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。)
【0052】
R31,R32のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロベンゼン基、クロロベンゼン基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼン基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0053】
【化24】
(但し、R33,R34,R35は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン化アリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。また、R34,R35は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R34,R35はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。)
【0054】
R33,R34,R35のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R31,R32で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R34,R35のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
【0055】
具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体、ジフェニルジスルホン、ジシクロヘキシルジスルホン等のジスルホン誘導体、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体、フタルイミド−イル−トリフレート、フタルイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−トリフレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−n−ブチルスルホネート等のイミド−イル−スルホネート誘導体等が挙げられるが、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体が好ましく用いられる。なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。オニウム塩は矩形性向上効果に優れ、ジアゾメタン誘導体及びグリオキシム誘導体は定在波低減効果に優れるが、両者を組み合わせることにより、プロファイルの微調整を行うことが可能である。
【0056】
酸発生剤の配合量は、全ベース樹脂100重量部に対して0.2〜15重量部、特に0.5〜8重量部とすることが好ましく、0.2重量部に満たないと露光時の酸発生量が少なく、感度及び解像力が劣る場合があり、15重量部を超えるとレジストの透過率が低下し、解像力が劣る場合がある。
【0057】
(E)成分の塩基性化合物は、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適しており、このような塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる(特開平5−232706号、同5−249683号、同5−158239号、同5−249662号、同5−257282号、同5−289322号、同5−289340号公報等記載)。
【0058】
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられるが、特に脂肪族アミンが好適に用いられる。
【0059】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示され、第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示され、第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0060】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0061】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示され、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
【0062】
更に、下記一般式(12)及び(13)で示される塩基性化合物を配合することもできる。
【0063】
【化25】
(式中、R41,R42,R43,R47,R48はそれぞれ独立して直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜20のアルキレン基、R44,R45,R46,R49,R50は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又はアミノ基を示し、R44とR45、R45とR46、R44とR46、R44とR45とR46、R49とR50はそれぞれ結合して環を形成してもよい。S,T,Uはそれぞれ0〜20の整数を示す。但し、S,T,U=0のとき、R44,R45,R46,R49,R50は水素原子を含まない。)
【0064】
ここで、R41,R42,R43,R47,R48のアルキレン基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8のものであり、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。
【0065】
また、R44,R45,R46,R49,R50のアルキル基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6のものであり、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0066】
更に、R44とR45、R45とR46、R44とR46、R44とR45とR46、R49とR50が環を形成する場合、その環の炭素数は1〜20、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6であり、またこれらの環は炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基が分岐していてもよい。
【0067】
S,T,Uはそれぞれ0〜20の整数であり、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の整数である。
【0068】
上記(12),(13)の化合物として具体的には、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メトキシ}エチル]アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6等が挙げられる。特に第三級アミン、アニリン誘導体、ピロリジン誘導体、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、アミノ酸誘導体、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{(2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メチル}エチル]アミン、1−アザ−15−クラウン−5等が好ましい。
【0069】
なお、上記塩基性化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は全ベース樹脂100重量部に対して0.01〜2重量部、特に0.01〜1重量部が好適である。配合量が0.01重量部より少ないと配合効果がなく、2重量部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
【0070】
次に、(D)成分の溶解阻止剤としては、酸の作用によりアルカリ現像液への溶解性が変化する分子量3,000以下の化合物、特に2,500以下の低分子量のフェノールあるいはカルボン酸誘導体の一部あるいは全部を酸に不安定な置換基で置換した化合物を挙げることができる。
【0071】
分子量2,500以下のフェノールあるいはカルボン酸誘導体としては、ビスフェノールA、ビスフェノールH、ビスフェノールS、4,4−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)吉草酸、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−ヒドロキシフェニル)エタン、フェノールフタレイン、チモールフタレイン等が挙げられ、酸に不安定な置換基としては、上記と同様のものが挙げられる。
【0072】
好適に用いられる溶解阻止剤の例としては、ビス(4−(2’テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(2’テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシフェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)メタン、ビス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)メタン、ビス(4−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)メタン、ビス(4−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)メタン、2,2−ビス(4’−(2’’テトラヒドロピラニルオキシ))プロパン、2,2−ビス(4’−(2’’テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−tert−ブトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−(1’’−エトキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4’−(1’’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)プロパン、4,4−ビス(4’−(2’’テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)吉草酸tert−ブチル、4,4−ビス(4’−(2’’テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)吉草酸tert−ブチル、4,4−ビス(4’−tert−ブトキシフェニル)吉草酸tert−ブチル、4,4−ビス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)吉草酸tert−ブチル、4,4−ビス(4’−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)吉草酸tert−ブチル、4,4−ビス(4’−(1’’−エトキシエトキシ)フェニル)吉草酸tert−ブチル、4,4−ビス(4’−(1’’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)吉草酸tert−ブチル、トリス(4−(2’テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(2’テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシフェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)メタン、トリス(4−tert−ブトキシカルボニルオキシメチルフェニル)メタン、トリス(4−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)メタン、トリス(4−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)メタン、1,1,2−トリス(4’−(2’’テトラヒドロピラニルオキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(2’’テトラヒドロフラニルオキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシカルボニルオキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−tert−ブトキシカルボニルメチルオキシフェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(1’−エトキシエトキシ)フェニル)エタン、1,1,2−トリス(4’−(1’−エトキシプロピルオキシ)フェニル)エタン等が挙げられる。
【0073】
本発明のレジスト材料中の溶解阻止剤[(D)成分]の添加量としては、レジスト材料中の固形分100重量部に対して20重量部以下、好ましくは15重量部以下である。20重量部より多いとモノマー成分が増えるためレジスト材料の耐熱性が低下する。
【0074】
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
【0075】
ここで、界面活性剤としては非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム(株)製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「S−381」、「S−383」(いずれも旭硝子(株)製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業(株)製)、メガファック「F−8151」、「F−171」、「F−172」、「F−173」、「F−177」(いずれも大日本インキ工業(株)製)、「X−70−092」、「X−70−093」(いずれも信越化学工業(株)製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム(株)製)、「X−70−093」(信越化学工業(株)製)が挙げられる。
【0076】
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができ、例えばシリコンウェハー等の基板上に0.1〜10.0μm程度の厚さに形成されたノボラック等の有機膜上にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.01〜1.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜200℃、10秒〜10分間、好ましくは80〜150℃、30秒〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、波長300nm以下の遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線もしくは電子線を露光量1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように照射した後、ホットプレート上で60〜150℃、10秒〜5分間、好ましくは80〜130℃、30秒〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5%、好ましくは2〜3%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、10秒〜3分間、好ましくは30秒〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明材料は、特に高エネルギー線の中でも254〜120nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、特に193nmのArF、157nmのF2、146nmのKr2、134nmのKrAr、126nmのAr2などのエキシマレーザー、X線及び電子線による微細パターンニングに最適である。また、上記範囲を上限及び下限から外れる場合は、目的のパターンを得ることができない場合がある。
【0077】
次いで、露呈した上記有機膜部分を酸素プラズマを発生させるドライエッチング装置により常法に従って加工することができる。
【0078】
【発明の効果】
本発明のレジスト材料は、高エネルギー線に感応し、300nm以下の波長における感度、解像性、酸素プラズマエッチング耐性に優れている。従って、本発明の高分子化合物及びレジスト材料は、これらの特性により、特に優れた2層レジスト用の材料となり得るもので、微細でしかも基板に対して垂直なパターンを容易に形成でき、このため超LSI製造用の微細パターン形成材料として好適である。
【0079】
【実施例】
以下、合成例及び実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
【0080】
[モノマー合成例1]メタクリル酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシル
1.0Mメチルマグネシウムクロリドのテトラヒドロフラン溶液に、氷冷下、4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキサノン(このものの合成は特開平7−309878号公報に記載)14.2gを滴下した。2時間撹拌後、塩化アンモニウム水溶液を加え、加水分解した。通常の抽出・洗浄・濃縮の後処理操作の後、昇華により精製して、1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシサノール14.2g(収率90%)を得た。
IR νmax:3346,2920,1248,1100,892cm-1。
1H−NMR(270MHz,CDCl3)δ:0.00(3H,s),0.02(3H,s),0.47〜0.58(2H,m),0.67〜0.79(2H,m),1.17(3H,s),1.30(1H,s),1.61〜1.82(4H,m)ppm。
【0081】
このものとトリエチルアミン15gを塩化メチレン100mlに溶かした溶液に、氷冷下、メタクリル酸クロリド10.5gを加えた後、室温で12時間撹拌してエステル化した。反応混合物に水を加え、通常の抽出・洗浄・濃縮の後処理操作の後、減圧蒸留して、メタクリル酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシル15.3g(収率75%)を得た。
沸点:65℃/0.8トル
IR νmax:2926,1714,1294,1248,1162,840cm-1。
1H−NMR(270MHz,CDCl3)δ:0.00(3H,s),0.03(3H,s),0.50〜0.74(4H,m),1.48(3H,s),1.51〜1.64(2H,m),1.92(3H,s),2.42〜2.52(2H,m),5.48(1H,t),6.04(1H,s)ppm。
【0082】
同様の反応により、又は常法に従い、以下の重合性モノマー化合物を得た。
[モノマー合成例2]アクリル酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例3]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例4]p−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレン
[モノマー合成例5]p−ビニルフェノキシ酢酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例6]メタクリル酸1−エチル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例7]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例8]メタクリル酸1−イソプロピル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例9]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−イソプロピル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例10]テトラシクロドデセンカルボン酸1−イソプロピル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例11]メタクリル酸1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例12]アクリル酸1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例13]p−(1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシルオキシ)スチレン
[モノマー合成例14]p−ビニルフェノキシ酢酸1,3,3−トリメチル−3−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例15]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例16]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,3,3−トリエチル−3−シラシクロヘキシル
[モノマー合成例17]メタクリル酸1−エチル−3,3,5,5−テトラメチル−3,5−ジシラシクロヘキシル
[モノマー合成例18]アクリル酸1−エチル−3,3,5,5−テトラメチル−3,5−ジシラシクロヘキシル
[モノマー合成例19]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3,5,5−テトラメチル−3,5−ジシラシクロヘキシル
[モノマー合成例20]メタクリル酸1−エチル−3,3,4,5,5−ペンタメチル−3,5−ジシラシクロヘキシル
[モノマー合成例21]アクリル酸1−エチル−3,3,4,4,5,5−ヘキサメチル−3,5−ジシラシクロヘキシル
[モノマー合成例22]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3,4,4,5,5−ヘキサメチル−3,5−ジシラシクロヘキシル
[モノマー合成例23]メタクリル酸1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロペンチル
[モノマー合成例24]アクリル酸1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロペンチル
[モノマー合成例25]p−(1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロペンチルオキシ)スチレン
[モノマー合成例26]p−(1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロペンチルオキシ)−α−メチルスチレン
[モノマー合成例27]メタクリル酸4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシルジメチルカルビニル
[モノマー合成例28]p−(3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシルジメチルカルビニルオキシ)スチレン
[モノマー合成例29]2−ノルボルネン−5−カルボン酸2,2,6,6−テトラメチル−2,6−ジシラシクロヘキシルジエチルカルビニル
[モノマー合成例30]テトラシクロドデセンカルボン酸3,3−ジメチル−3−シラシクロブチルジメチルカルビニル
【0085】
[ポリマー合成例1]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
2Lのフラスコ中で2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシル70gと無水マレイン酸30gをトルエン560mlに溶解させ、十分に系中の酸素を除去した後、開始剤AIBNを5.5g仕込み、60℃まで昇温して24時間重合反応を行った。以下同様の方法でポリ2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシル−ポリ無水マレイン酸共重合体(5:5)が得られた。光散乱法により重量平均分子量が7,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.50の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0086】
[ポリマー合成例2]p−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンとヒドロキシスチレンの共重合体(3:7)の合成
2Lのフラスコ中でp−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレン30gとアセトキシスチレン45gをトルエン560mlに溶解させ、十分に系中の酸素を除去した後、開始剤AIBNを5.5g仕込み、60℃まで昇温して24時間重合反応を行った。以下同様の方法でp−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレン−ポリヒドロキシスチレンの共重合体(3:7)が得られた。このポリマーを3Lのフラスコに移し、メタノール500g、アセトン400gに溶解させた後、トリエチルアミン97g、純水50gを添加し、60℃まで昇温して20時間加水分解反応を行った。
反応液を濃縮後、酢酸150gを溶かした純水20L中に注いでポリマーを沈殿させた。得られたポリマーをアセトンに溶かし、純水20L中に注いでポリマーを沈殿させる操作を二回繰り返した後、重合体を分離し、乾燥させた。光散乱法により重量平均分子量が13,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.70の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ3:7で含まれていることが確認できた。
【0087】
[ポリマー合成例3]p−ビニルフェノキシ酢酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルヒドロキシスチレンの共重合体(3:7)の合成
ポリマー合成例2のp−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンをp−ビニルフェノキシ酢酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルヒドロキシスチレンに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が13,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.70の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ3:7で含まれていることが確認できた。
【0089】
[ポリマー合成例4]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルを2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が8,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.60の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0091】
[ポリマー合成例5]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−イソプロピル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルを2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−イソプロピル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が7,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.70の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0092】
[ポリマー合成例6]テトラシクロドデセンカルボン酸1−イソプロピル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルをテトラシクロドデセンカルボン酸1−イソプロピル−4,4−ジメチル−4−シラシクロヘキシルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が4,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.90の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0095】
[ポリマー合成例7]p−(1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンとヒドロキシスチレンの共重合体(3:7)の合成
ポリマー合成例2のp−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンをp−(1−エチル−3,3−トリメチル−3−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が11,500g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.65の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ3:7で含まれていることが確認できた。
【0096】
[ポリマー合成例8]p−ビニルフェノキシ酢酸1,3,3−トリメチル−3−シラシクロヘキシルとヒドロキシスチレンの共重合体(3:7)の合成
ポリマー合成例2のp−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンをp−ビニルフェノキシ酢酸1,3,3−トリメチル−3−シラシクロヘキシルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が13,200g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.68の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ3:7で含まれていることが確認できた。
【0097】
[ポリマー合成例9]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルを2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が7,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.70の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0098】
[ポリマー合成例10]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,3,3−トリエチル−3−シラシクロヘキシルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルを2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,3,3−トリエチル−3−シラシクロヘキシルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が8,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.80の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0101】
[ポリマー合成例11]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3,5,5−テトラメチル−3,5−ジシラシクロヘキシルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルを2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3,5,5−テトラメチル−3,5−ジシラシクロヘキシルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が8,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.80の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0104】
[ポリマー合成例12]2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3,4,4,5,5−ヘキサメチル−3,5−ジシラシクロヘキシルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルを2−ノルボルネン−5−カルボン酸1−エチル−3,3,4,4,5,5−ヘキサメチル−3,5−ジシラシクロヘキシルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が7,500g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.88の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0107】
[ポリマー合成例13]p−(1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロペンチルオキシ)スチレンとヒドロキシスチレンの共重合体(3:7)の合成
ポリマー合成例2のp−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンをp−(1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロペンチルオキシ)スチレンに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が11,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.56の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ3:7で含まれていることが確認できた。
【0108】
[ポリマー合成例14]p−(1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロペンチルオキシ)−α−メチルスチレンとヒドロキシスチレンの共重合体(3:7)の合成
ポリマー合成例2のp−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンをp−(1−エチル−3,3−ジメチル−3−シラシクロペンチルオキシ)−α−メチルスチレンに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が11,000g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.50の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ3:7で含まれていることが確認できた。
【0110】
[ポリマー合成例15]p−(3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシルジメチルカルビニルオキシ)スチレンとヒドロキシスチレンの共重合体(3:7)の合成
ポリマー合成例2のp−(1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルオキシ)スチレンをp−(3,3−ジメチル−3−シラシクロヘキシルジメチルカルビニルオキシ)スチレンに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が10,800g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.66の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ3:7で含まれていることが確認できた。
【0111】
[ポリマー合成例16]2−ノルボルネン−5−カルボン酸2,2,6,6−テトラメチル−2,6−ジシラシクロヘキシルジエチルカルビニルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルを2−ノルボルネン−5−カルボン酸2,2,6,6−テトラメチル−2,6−ジシラシクロヘキシルジエチルカルビニルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が7,700g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.78の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0112】
[ポリマー合成例17]テトラシクロドデセンカルボン酸3,3−ジメチル−3−シラシクロブチルジメチルカルビニルと無水マレイン酸共重合体(5:5)の合成
ポリマー合成例1の2−ノルボルネン−5−カルボン酸1,4,4−トリメチル−4−シラシクロヘキシルをテトラシクロドデセンカルボン酸3,3−ジメチル−3−シラシクロブチルジメチルカルビニルに代えて同様の方法で合成を行った。光散乱法により重量平均分子量が3,200g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.92の重合体であることが確認できた。更に、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にほぼ5:5で含まれていることが確認できた。
【0115】
[実施例]
上記合成例で得られたシリコーンポリマー1gをFC−430(住友スリーエム(株)製)0.01重量%を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)10重量部に溶解させ、0.1μmのテフロン製のフィルターで濾過し、ポリマー溶液を調製した。
ポリマー溶液を石英基板上に塗布し、100℃で60秒ベーク後、0.2μmの膜厚にし、分光光度計を用いて波長193nmと248nmにおける透過率を測定した。結果を表1に示す。
【0116】
【表1】
【0117】
次に、下層材料としてm/p比6/4、Mw10,000のクレゾールノボラック樹脂10重量部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)60重量部に溶解したノボラック樹脂溶液を用意した。ノボラック樹脂をSiウェハー上にスピンコーティングし、300℃で5分間加熱し、硬化させて0.5μmの厚みにした。その上にDUV−30(ブリューワーサイエンス社製)をスピンコーティングし、100℃/30秒、200℃/60秒ベークして中間膜を作成した。
【0118】
一方、ポリマー合成例で得られたシリコーンポリマー、PAG1,2で示される酸発生剤、塩基性化合物、DRI1で示される溶解阻止剤をFC−430(住友スリーエム(株)製)0.01重量%を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒中に溶解させ、0.1μmのテフロン製のフィルターを濾過することによってレジスト液をそれぞれ調製した。
【0119】
このレジスト液を上記中間膜上にスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で90秒ベークして0.2μmの厚さにした。これをKrFエキシマレーザーステッパー(ニコン社製,NA0.60、2/3輪帯照明)を用いて露光し、100℃で90秒ベーク(PEB)し、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)水溶液による現像を60秒行うと、ポジ型のパターンを得ることができた。
0.20μmL/Sパターンのラインとスペースの比が1:1になる露光量を求め、レジストの感度とした。この時に解像可能な最も小さな線幅を解像度とした。結果を表2に示す。
【0120】
その後、平行平板型スパッタエッチング装置で酸素ガスをエッチャントガスとしてエッチングを行った。下層レジスト膜のエッチング速度が150nm/分であるのに対して、本発明レジスト膜は15nm/分以下であった。5分のエッチングによって本発明レジストに覆われていない部分の下層レジスト膜は完全に消失し、0.5μm厚さの2層レジストパターンが形成できた。このエッチング条件を下記に示す。
ガス流量:50sccm
ガス圧:1.3Pa
rfパワー:50W
dcバイアス:450V
【0121】
【化26】
【0122】
【表2】
【0123】
表2の結果から、本発明の珪素含有置換基を含むポリマーは、スチレン置換体を除く(メタ)アクリル酸、ノルボルネンカルボン酸などの置換体においては、ArF波長までの高い透明性と、現像液のはじきがなく、高い解像力を得ることができた。
Claims (7)
- 下記一般式(3)〜(8)で示される繰り返し単位の1種又は2種以上を含むことを特徴とする高分子化合物。
- (A)請求項1乃至3のいずれか1項記載の高分子化合物、
(B)酸発生剤、
(C)有機溶剤
を含有してなる化学増幅ポジ型レジスト材料。 - (A)請求項1乃至3のいずれか1項記載の高分子化合物、
(B)酸発生剤、
(C)有機溶剤、
(D)酸不安定基を有する溶解阻止剤
を含有してなる化学増幅ポジ型レジスト材料。 - (E)塩基性化合物を添加してなる請求項4又は5記載の化学増幅ポジ型レジスト材料。
- (1)請求項4,5又は6記載のレジスト材料を被加工基板上の有機膜上に塗布し、ベークしてレジスト膜を形成する工程、
(2)上記レジスト膜にフォトマスクを介して放射線を照射する工程、
(3)必要によりベークした後、アルカリ水溶液で現像して上記レジスト膜の照射部分を溶解させ、レジストパターンを形成する工程、
(4)露呈した有機膜部分を酸素プラズマを発生させるドライエッチング装置で加工する工程
を含むパターン形成方法。
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