JP3839218B2 - 珪素含有化合物、レジスト組成物およびパターン形成方法 - Google Patents

珪素含有化合物、レジスト組成物およびパターン形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体素子などの製造工程における微細加工に用いられる化学増幅ポジ型レジスト材料のベース樹脂として好適な高分子シリコーン化合物、及び遠紫外線、KrFエキシマレーザー光(248nm)、ArFエキシマレーザー光(193nm)、電子線、X線などの高エネルギー線を露光光源として用いる際に好適な化学増幅ポジ型レジスト材料、並びにパターン形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、LSIの高集積化と高速度化に伴い、パターンルールの微細化が求められている中、現在汎用技術として用いられている光露光では、光源の波長に由来する本質的な解像度の限界に近づきつつある。g線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光露光では、およそ0.5μmのパターンルールが限界とされており、これを用いて製作したLSIの集積度は、16MビットDRAM相当までとなる。しかし、LSIの試作はすでにこの段階まできており、更なる微細化技術の開発が急務となっている。
【0003】
パターンの微細化を図る手段の一つとしては、レジストパターン形成の際に使用する露光光を短波長化する方法があり、256Mビット(加工寸法が0.25μm以下)DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリー)の量産プロセスには、露光光源としてi線(365nm)に代わって短波長のKrFエキシマレーザー(248nm)の利用が現在積極的に検討されている。しかし、更に微細な加工技術(加工寸法が0.2μm以下)を必要とする集積度1G以上のDRAMの製造には、より短波長の光源が必要とされ、特にArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトグラフィーが最近検討されてきている。
【0004】
IBMのイトー(Ito)、G.C.Willsonらが、ポリヒドロキシスチレンの水酸基をtert−ブトキシカルボニルオキシ基(t−Boc基)で保護したPBOCSTという樹脂にオニウム塩の酸発生剤を加えた化学増幅ポジ型レジスト材料を提案して以来、種々の高感度で高解像度のレジスト材料が開発されている。しかし、これらの化学増幅ポジ型レジスト材料は、いずれも高感度で高解像度のものではあるが、微細な高アスペクト比のパターンを形成することは、これらから得られるパターンの機械的強度を鑑みると困難であった。
また、上記のようなポリヒドロキシスチレンをベース樹脂として使用し、遠紫外線、電子線及びX線に対して感度を有する化学増幅ポジ型レジスト材料は、数多く提案されている。
しかし、段差基板上に高アスペクト比のパターンを形成するには、2層レジスト法が優れているのに対し、上記レジスト材料はいずれも単層レジスト法によるものであり、未だ基板段差の問題、基板からの光反射の問題、高アスペクト比のパターン形成が困難な問題があり、実用に供することが難しいのが現状である。2層レジスト膜を一般的なアルカリ現像液で現像するためには、ヒドロキシ基やカルボキシル基等の親水基を有する高分子シリコーン化合物であることが必要ということが知られている。
【0005】
近年、シリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料として、安定なアルカリ可溶性シリコーンポリマーであるポリヒドロキシベンジルシルセスキオキサンのフェノール性水酸基の一部をt−Boc基で保護したものをベース樹脂として使用し、これと酸発生剤とを組み合わせたシリコーン系化学増幅ポジ型レジスト材料が提案されている(特開平7−118651号公報、SPIE vol.1952(1993)377等)。また、珪素含有アクリルモノマーを用いたシリコーン含有ポリマーも提案されている(特開平9−110938号公報)。
【0006】
アクリルペンダント型の珪素含有ポリマーの欠点として、酸素プラズマにおけるドライエッチング耐性がシルセスキオキサン系ポリマーに比べて弱いというところが挙げられる。これは珪素含有率が低いことが理由として挙げられる。アクリルペンダント型で珪素含有率を高めようとすると、酸不安定基や、密着性基が相対的に少なくなり、溶解コントラストや密着性が低下するといった欠点が生じる。そこで、珪素を含有する酸不安定基が提案された(J.Of Photopolymer Sci. and Technol. Vol. 10,No.4 p585(1997),SPIE vol.3678(1999)420,SPIE vol.3678(1999)214,SPIE vol.3678(1999)241,SPIE vol.3678(1999)420,SPIE vol.3678(1999)562等)。
【0007】
珪素珪素結合を持つものは高い珪素含有率を得ることができるが、200nmの波長において強い吸収があるため、ArFリソグラフィーに用いることが困難であり、珪素が1個あるいは2個含有しているだけではエッチング耐性を高めることができない。また、珪素含有レジストは、酸素プラズマを用いたドライエッチング時に、速やかに酸化されて二酸化珪素に変化することが望ましいが、そのためには、シロキサン結合を含んでいる方が有利であるともいわれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、シロキサンは、ArFはもちろん、F2レーザーの波長領域においても比較的透明性が高いという特徴を持ち、ArFやF2レーザーリソグラフィーにおける高解像性能が期待できるだけでなく、エッチング耐性を飛躍的に高めることができることを見出した。更に、本発明の珪素含有置換基は、酸脱離性能をも有し、解像性向上に寄与することができることを見出した。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、高感度、高解像度を有し、特に高アスペクト比のパターンを形成するのに適した2層レジスト法の材料として好適に使用できるのみならず、耐熱性に優れたパターンを形成することができる化学増幅ポジ型レジスト材料のベースポリマーとして有用な新規高分子シリコーン化合物及び該化合物をベースポリマーとして含有する化学増幅ポジ型レジスト材料並びにパターン形成方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、一般式(1)、(2)、(3)から選ばれる一以上の珪素含有置換基を含み、重量平均分子量が2,000〜1,000,000の高分子化合物によって効果的に珪素含有率を高めることができることを見いだした。
【化4】
Figure 0003839218
(上式中、R1、R2は、各式ごとにそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R3、R4、R5は、各式ごとにそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、ハロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は式中の珪素原子とシロキサン結合で結合している珪素含有基を表し、R3、R4、R5の少なくとも一つが珪素含有基である。)
好ましくは、上記一般式(1)〜(3)で表される珪素含有置換基の一部又は全部が、カルボン酸性水酸基、アルコール性水酸基、又はフェノール性水酸基における水素原子を置換している高分子化合物を提供する。
また、一般式(4)及び(6)〜(9)のいずれかで表される繰り返し単位を有し、該繰り返し単位の合計を0.1〜90モル%含むことを特徴とする高分子化合物を提供する。
【化5】
Figure 0003839218
(上式中、R6は、各式ごとにそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアリール基、又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、Aは、各式ごとにそれぞれ独立して、一般式(1)、(2)、又は(3)で表される珪素含有置換基を表し、R7は、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、pは、0〜5の整数を表す。)
さらに、分子量又は重量平均分子量が100〜2,000の範囲内で、かつカルボン酸性水酸基、アルコール性水酸基、及びフェノール性水酸基から選ばれる一以上の置換基を有する化合物であって、該置換基の一部又は全てが一般式(1)、(2)、(3)又は式(14)で表される珪素含有置換基によって置換されている溶解制御剤を提供する。
また、上記高分子化合物と、酸発生剤と、有機溶剤とを含有してなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供し、更に上記溶解制御剤、又は上記溶解制御剤と塩基性化合物とを含有してなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供する。
また、酸不安定基を有する高分子化合物と、酸発生剤と、有機溶剤と、上記溶解制御剤を含有してなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物、更に塩基性化合物を含有してなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物を提供する。
更に、これらのポジ型レジストを被加工基盤上の有機膜上に塗布し、ベーク(プリベーク)してレジスト膜を形成した後、パターン回路領域に放射線を照射し、ベーク(ポストエクスポジュアーベーク)を行い、アルカリ性水溶液で現像して照射部分を溶解させてレジストパターンを形成し、酸素プラズマを発生させるドライエッチング装置で有機膜を加工させることを特徴とするパターン形成方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明のレジスト材料は、特には化学増幅型として有効に用いられ、とりわけ化学増幅ポジ型として用いることが好ましい。
本発明では、一般式(1)〜(3)から選ばれる一以上の珪素含有置換基を含む高分子化合物を用いることができる。
一般式(1)、(2)、(3)で示される、珪素含有酸不安定基を例示する。
【化6】
Figure 0003839218
【0011】
一般式(1)、(2)、(3)で表される珪素含有酸不安定基は、好ましくは、カルボン酸性水酸基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基の水素原子を置換している。この好適な例としては、一般式(4)〜(9)の繰り返し単位が挙げられる。
本発明は、一般式(4)〜(9)で示される繰り返し単位を、好ましくは0.1〜90モル%、より好ましくは0.5〜80%、特に好ましくは0.1〜70%を含有する高分子化合物を提供する。その重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する場合、2,000〜1,000,000、より好ましくは3,000〜100,000、特に好ましくは4,000〜50,000の範囲である。重量平均分子量が2,000未満ではポリマーのガラス転移点が実用範囲より低下する場合があり、1,000,000を超えるとレジストパターン形成のパターン間にスカム(残さ)が生じる場合があり不都合だからである。
一般式(4)〜(9)中のR6は、各式ごとにそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアリール基、又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表し、Aは、各式ごとにそれぞれ独立して、一般式(1)、(2)、又は(3)で表される珪素含有置換基を表す。なお、各式ごとにそれぞれ独立してとは、一般式(4)と(5)のR6とAを例にとれば、一般式(4)のR6と(5)のR6は、同一とは限らず、異なる場合もある。本願明細書では、特に記載しない限り、各一般式の符号は各一般式ごとに独立して表すものとする。
【0012】
一般式(1)〜(3)から選ばれる一以上の珪素含有置換基を含む高分子化合物は、モノマーのうちに一般式(1)〜(3)から選ばれる一以上の珪素含有置換基を含むモノマーを含めて、公知の重合方法を用いることにより得ることができる。一般式(1)〜(3)から選ばれる一以上の珪素含有置換基を含むモノマーは、公知のものを用いることができる。
【0013】
更に、コントラストを高めるために、(1)、(2)、(3)で示される珪素含有酸不安定基に加えて、該不安定基以外の酸不安定基を有することができる。このものは、珪素含有酸不安定基と同じく、カルボン酸性水酸基、アルコール性水酸基、フェノール性水酸基の水素原子を置換するものであり、種々選定されるが、特に下記一般式(20)、(21)で示される基、下記一般式(22)で示される炭素数4〜40の3級アルキル基、炭素数1〜6のトリアルキルシリル基、炭素数4〜20のオキソアルキル基等であることが好ましい。
【化7】
Figure 0003839218
【0014】
一般式(20)、(21)において、R8、R11は、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでもよい。R9、R10は、水素原子、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでも良く、aは0〜10の整数である。R9とR10、R9とR11、R10とR11は、それぞれ結合して環を形成しても良い。
一般式(22)において、R12、R13、R14は、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、環状のアルキル基であり、酸素、硫黄、窒素、フッ素などのヘテロ原子を含んでも良く,R12とR13、R12とR14、R13とR14とは、互いに結合して環を結合しても良い。
【0015】
一般式(20)に示される化合物を具体的に例示すると、tert−ブトキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミロキシカルボニル基、tert−アミロキシカルボニルメチル基、1−エトキシエトキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロピラニルオキシカルボニルメチル基、2−テトラヒドロフラニルオキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
【0016】
一般式(21)で示される化合物を例示すると、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−n−プロポキシエチル基、1−イソプロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−イソブトキシエチル基、1−sec−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、1−tert−アミロキシエチル基、1−エトキシ−n−プロピル基、1−シクロヘキシロキシエチル基、メトキシプロピル基、エトキシプロピル基、1−メトキシ−1−メチル−エチル基、1−エトキシ−1−メチル−エチル基等の直鎖状もしくは分岐状アセタール基、テトラヒドロフラニル基、テトラヒドロピラニル基等の環状アセタール基等が挙げられ、好ましくはエトキシエチル基、ブトキシエチル基、エトキシプロピル基が挙げられる。
【0017】
一般式(22)に示される3級アルキル基としては、tert−ブチル基、トリエチルカルビル基、または下記に示す一般式(23)から(38)を具体的にあげることができる。
【化8】
Figure 0003839218
【0018】
15は、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
16は、炭素数2〜6の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基を示し、具体的にはエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロプロピル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等を例示できる。
17は、水素原子、炭素数1〜6のヘテロ原子を含んでも良い1価炭化水素基、炭素数1〜6のヘテロ原子を介しても良い1価炭化水素基を示す。ヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子を挙げることができ、−OH、−OR(Rはアルキル基、以下同じ)、−O−、−S−、−S(=O)−、−NH2、−NHR、−NR2、−NH−、−NR−として含有又は介在することができる。
17、R18としては、水素原子、アルキル基、ヒドロキシアルキル基、アルコキシアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基などを挙げることができ、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれでもい。具体的には、メチル基、ヒドロキシメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、メトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等を例示できる。
各アルキル基がそれぞれ炭素数1〜6のトリアルキルシリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、ジメチル−tert−ブチルシリル基等が挙げられる。
【0019】
8、R11、R14は、炭素数4〜20のオキソアルキル基としても例示でき、3−オキソアルキル基、又は下記式で示される基等が挙げられる。
【化9】
Figure 0003839218
【0020】
8、R11、R14は、フェニル基、p−メチルフェニル基、p−エチルフェニル基、p−メトキシフェニル基等のアルコキシ置換フェニル基等の非置換又は置換アリール基、ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等や、これらの基に酸素原子を有する、或いは炭素原子に結合する水素原子が水酸基に置換されたり、2個の水素原子が酸素原子で置換されてカルボニル基を形成する下記式で示されるようなアルキル基等の基も挙げることができる。
【化10】
Figure 0003839218
【0021】
本発明珪素含有高分子化合物は、密着性を向上させるための置換基を含むモノマーを更に加えて重合させることができる。密着性向上のためのモノマーとは、無水物、エステル(ラクトン)、カーボネート、アルコール、アミド、ケトンなどの親水性置換基を含むものであり、例えば下記のようなものが挙げられる。
【化11】
Figure 0003839218
上式中、R6は、上述と同様な定義であり、各式ごとにそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数3〜20のアリール基、又は炭素数1〜20のハロアルキル基を表す。
【0022】
【化12】
Figure 0003839218
【0023】
また、更に珪素含有量を増やすことによってドライエッチング耐性を高めることができるモノマーを共重合することができる。このものは、珪素を含むモノマーであり、例えば下記に示すものが例示される。
【化13】
Figure 0003839218
【0024】
上記高分子化合物を製造する場合、一般的には上記モノマー類と溶媒を混合し、触媒を添加して、場合によっては加熱或いは冷却しながら重合反応を行う。重合反応は開始剤(或いは触媒)の種類、開始の方法(光、熱、放射線、プラズマなど)、重合条件(温度、圧力、濃度、溶媒、添加物)などによっても支配される。本発明の高分子化合物の重合においては、AIBNなどのラジカルによって重合が開始されるラジカル共重合、アルキルリチウムなどの触媒を用いたイオン重合(アニオン重合)などが一般的である。これらの重合は、その常法に従って行うことができる。
【0025】
本発明のレジスト材料には、更に溶解制御剤を添加することができる。
溶解制御剤としては、分子量又は重量平均分子量が100〜2,000、好ましくは150〜800である。分子量又は重量平均分子量が100未満では、ベーク中に膜から揮発あるいは昇華する場合があり、分子量又は重量平均分子量が2,000を超えるとパターン形成後スカム(残さ)が発生する場合があり不都合だからである。
また、本発明で用いる溶解制御剤は、分子内にフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物の該フェノール性水酸基の水素原子又は分子内にカルボキシ基を有する化合物の該カルボキシ基の水素原子を一般式(1)、(2)、(3)又は式(14)で表される珪素含有酸不安定基あるいは一般式(20)、(21)、又は(22)で示される酸不安定基により全体として平均10〜100モル%の割合で置換した化合物、又は分子内にアルコール性水酸基を有する化合物の該アルコール性水酸基の水素原子を一般式(1)、(2)、(3)又は式(14)で表される珪素含有酸不安定基により全体として平均10〜100モル%の割合で置換した化合物を配合することが好ましい。
なお、フェノール性水酸基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でフェノール性水酸基全体の0モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、その上限は100モル%である。カルボキシ基性水酸基の水素原子の酸不安定基による置換率は、平均でカルボキシ基全体の50モル%以上、好ましくは70モル%以上であり、その上限は100モル%である。アルコール性水酸基の水素原子の酸不安定基の置換率は、10モル%以上、好ましくは30モル%以上であり、上限は100モル%である。
本発明で用いる溶解制御剤における、一般式(1)、(2)、(3)で示される珪素含有置換基を以下に例示する
【化13A】
Figure 0003839218
【0026】
この場合、かかるフェノール性水酸基を2つ以上有する化合物又はカルボキシ基を有する化合物としては、下記式(D1)〜(D14)で示されるものが好ましい。
【化14】
Figure 0003839218
(但し、式中R201、R202はそれぞれ水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基を示す。R203は水素原子、又は炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基又はアルケニル基、或いは−(R207hCOOHを示す。R204は−(CH2i−(iは、2〜10の整数である。)、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R205は炭素数1〜10のアルキレン基、炭素数6〜10のアリーレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子又は硫黄原子を示す。R206は水素原子、炭素数1〜8の直鎖状又は分岐状のアルキル基、アルケニル基、又はそれぞれ水酸基で置換されたフェニル基又はナフチル基を示す。R207は炭素数1〜10の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を示す。R208は水素原子又は水酸基を示す。jは0〜5の整数である。u、hは0又は1である。s、t、s’、t’、s’’、t’’はそれぞれs+t=8、s’+t’=5、s’’+t’’=4を満足し、かつ各フェニル骨格中に少なくとも1つの水酸基を有するような数である。αは式(D8)、(D9)の化合物の分子量を100〜1,000とする数である。)
【0027】
上式中、R201、R202としては、例えば水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、R203としては、例えばR201、R202と同様なもの、或いは−COOH、−CH2COOH、R204としては、例えばエチレン基、フェニレン基、カルボニル基、スルホニル基、酸素原子、硫黄原子等、R205としては、例えばメチレン基、或いはR204と同様なもの、R206としては例えば水素原子、メチル基、エチル基、ブチル基、プロピル基、エチニル基、シクロヘキシル基、それぞれ水酸基で置換されたフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
【0028】
本発明で使用される有機溶剤としては、酸発生剤、ベース樹脂、溶解阻止剤等が溶解可能な有機溶媒であれば何れでも良い。このような有機溶剤としては、例えばシクロヘキサノン、メチル−2−n−アミルケトン等のケトン類、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール等のアルコール類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert−ブチル、プロピオン酸tert−ブチル、プロピレングリコール−モノ−tert−ブチルエーテルアセテート等のエステル類が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合して使用することができるが、これらに限定されるものではない。本発明では、これらの有機溶剤の中でもレジスト成分中の酸発生剤の溶解性が最も優れているジエチレングリコールジメチルエーテルや1−エトキシ−2−プロパノール、乳酸エチルの他、安全溶剤であるプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及びその混合溶剤が好ましく使用される。
有機溶剤の使用量としては、一般式(1)〜(3)から選ばれる一以上の珪素含有置換基を含み、重量平均分子量が2,000〜1,000,000の高分子化合物100重量部に対して100〜5,000重量部、好ましくは200〜4,000重量部、より好ましくは300〜3,000重量部である。
【0029】
本発明で用いる酸発生剤としては、下記一般式(75)のオニウム塩、式(76)のジアゾメタン誘導体、式(77)のグリオキシム誘導体、β−ケトスルホン誘導体、ジスルホン誘導体、ニトロベンジルスルホネート誘導体、スルホン酸エステル誘導体、イミド−イルスルホネート誘導体等が挙げられる。
【化15】
Figure 0003839218
一般式(75) において、R30は、炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基、炭素数6〜12のアリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表し、M+はヨードニウム、スルホニウムを表し、K-は非求核性対向イオンを表し、bは2又は3である。)
一般式(76)において、R31、R32は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン化アリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。)
一般式(77)において、R33、R34、R35は炭素数1〜12の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基又はハロゲン化アルキル基、炭素数6〜12のアリール基又はハロゲン化アリール基又は炭素数7〜12のアラルキル基を表す。また、R34、R35は互いに結合して環状構造を形成してもよく、環状構造を形成する場合、R34、R35はそれぞれ炭素数1〜6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表す。
【0030】
一般式(75)において、R30のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、2−オキソシクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
-の非求核性対向イオンとしては、塩化物イオン、臭化物イオン等のハライドイオン、トリフレート、1,1,1−トリフルオロエタンスルホネート、ノナフルオロブタンスルホネート等のフルオロアルキルスルホネート、トシレート、ベンゼンスルホネート、4−フルオロベンゼンスルホネート、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼンスルホネート等のアリールスルホネート、メシレート、ブタンスルホネート等のアルキルスルホネートが挙げられる。
【0031】
一般式(76)において、R31、R32のアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。ハロゲン化アルキル基としてはトリフルオロメチル基、1,1,1−トリフルオロエチル基、1,1,1−トリクロロエチル基、ノナフルオロブチル基等が挙げられる。アリール基としてはフェニル基、p−メトキシフェニル基、m−メトキシフェニル基、o−メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、p−tert−ブトキシフェニル基、m−tert−ブトキシフェニル基等のアルコキシフェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、エチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、4−ブチルフェニル基、ジメチルフェニル基等のアルキルフェニル基が挙げられる。ハロゲン化アリール基としてはフルオロベンゼン基、クロロベンゼン基、1,2,3,4,5−ペンタフルオロベンゼン基等が挙げられる。アラルキル基としてはベンジル基、フェネチル基等が挙げられる。
【0032】
一般式(77)において、R33、R34、R35のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アリール基、ハロゲン化アリール基、アラルキル基としては、R31、R32で説明したものと同様の基が挙げられる。なお、R34、R35のアルキレン基としてはメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ヘキシレン基等が挙げられる。
具体的には、例えばトリフルオロメタンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸ジフェニルヨードニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルヨードニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ビス(p−tert−ブトキシフェニル)フェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、ノナフルオロブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、ブタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリメチルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリメチルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸シクロヘキシルメチル(2−オキソシクロヘキシル)スルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジメチルフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルフェニルスルホニウム等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(キシレンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロペンチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソアミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−アミルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、1−シクロヘキシルスルホニル−1−(tert−アミルスルホニル)ジアゾメタン、1−tert−アミルスルホニル−1−(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジフェニルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジシクロヘキシルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2,3−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−2−メチル−3,4−ペンタンジオングリオキシム、ビス−o−(メタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(トリフルオロメタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(1,1,1−トリフルオロエタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(tert−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(パーフルオロオクタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(シクロヘキサンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(ベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−フルオロベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(p−tert−ブチルベンゼンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(キシレンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(カンファースルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体、2−シクロヘキシルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン、2−イソプロピルカルボニル−2−(p−トルエンスルホニル)プロパン等のβ−ケトスルホン誘導体、ジフェニルジスルホン、ジシクロヘキシルジスルホン等のジスルホン誘導体、p−トルエンスルホン酸2,6−ジニトロベンジル、p−トルエンスルホン酸2,4−ジニトロベンジル等のニトロベンジルスルホネート誘導体、1,2,3−トリス(メタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ベンゼン、1,2,3−トリス(p−トルエンスルホニルオキシ)ベンゼン等のスルホン酸エステル誘導体、フタルイミド−イル−トリフレート、フタルイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−トリフレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−トシレート、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド−イル−n−ブチルスルホネート等のイミド−イル−スルホネート誘導体等が挙げられるが、トリフルオロメタンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、トリフルオロメタンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸(p−tert−ブトキシフェニル)ジフェニルスルホニウム、p−トルエンスルホン酸トリス(p−tert−ブトキシフェニル)スルホニウム等のオニウム塩、ビス(ベンゼンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トルエンスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(sec−ブチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(n−プロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(イソプロピルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(tert−ブチルスルホニル)ジアゾメタン等のジアゾメタン誘導体、ビス−o−(p−トルエンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム、ビス−o−(n−ブタンスルホニル)−α−ジメチルグリオキシム等のグリオキシム誘導体が好ましく用いられる。なお、上記酸発生剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。オニウム塩は矩形性向上効果に優れ、ジアゾメタン誘導体及びグリオキシム誘導体は定在波低減効果に優れるが、両者を組み合わせることにより、プロファイルの微調整を行うことが可能である。
【0033】
本発明で用いる酸発生剤の配合量は、一般式(1)〜(3)から選ばれる一以上の珪素含有置換基を含み、重量平均分子量が2,000〜1,000,000の高分子化合物100重量部に対して0.2〜15重量部、特に0.5〜8重量部とすることが好ましく、0.2重量部に満たないと露光時の酸発生量が少なく、感度及び解像力が劣る場合があり、15部を超えるとレジストの透過率が低下し、解像力が劣る場合がある。
【0034】
塩基性化合物は、酸発生剤より発生する酸がレジスト膜中に拡散する際の拡散速度を抑制することができる化合物が適しており、このような塩基性化合物の配合により、レジスト膜中での酸の拡散速度が抑制されて解像度が向上し、露光後の感度変化を抑制したり、基板や環境依存性を少なくし、露光余裕度やパターンプロファイル等を向上することができる(特開平5−232706号、同5−249683号、同5−158239号、同5−249662号、同5−257282号、同5−289322号、同5−289340号公報等記載)。
【0035】
このような塩基性化合物としては、第一級、第二級、第三級の脂肪族アミン類、混成アミン類、芳香族アミン類、複素環アミン類、カルボキシ基を有する含窒素化合物、スルホニル基を有する含窒素化合物、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体等が挙げられるが、特に脂肪族アミンが好適に用いられる。
【0036】
具体的には、第一級の脂肪族アミン類として、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、イソプロピルアミン、n−ブチルアミン、イソブチルアミン、sec−ブチルアミン、tert−ブチルアミン、ペンチルアミン、tert−アミルアミン、シクロペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ヘプチルアミン、オクチルアミン、ノニルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、セチルアミン、メチレンジアミン、エチレンジアミン、テトラエチレンペンタミン等が例示される。
第二級の脂肪族アミン類として、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ−sec−ブチルアミン、ジペンチルアミン、ジシクロペンチルアミン、ジヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ジヘプチルアミン、ジオクチルアミン、ジノニルアミン、ジデシルアミン、ジドデシルアミン、ジセチルアミン、N,N−ジメチルメチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、N,N−ジメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
第三級の脂肪族アミン類として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリイソプロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリイソブチルアミン、トリ−sec−ブチルアミン、トリペンチルアミン、トリシクロペンチルアミン、トリヘキシルアミン、トリシクロヘキシルアミン、トリヘプチルアミン、トリオクチルアミン、トリノニルアミン、トリデシルアミン、トリドデシルアミン、トリセチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルメチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルテトラエチレンペンタミン等が例示される。
【0037】
また、混成アミン類としては、例えばジメチルエチルアミン、メチルエチルプロピルアミン、ベンジルアミン、フェネチルアミン、ベンジルジメチルアミン等が例示される。芳香族アミン類及び複素環アミン類の具体例としては、アニリン誘導体(例えばアニリン、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N−プロピルアニリン、N,N−ジメチルアニリン、2−メチルアニリン、3−メチルアニリン、4−メチルアニリン、エチルアニリン、プロピルアニリン、トリメチルアニリン、2−ニトロアニリン、3−ニトロアニリン、4−ニトロアニリン、2,4−ジニトロアニリン、2,6−ジニトロアニリン、3,5−ジニトロアニリン、N,N−ジメチルトルイジン等)、ジフェニル(p−トリル)アミン、メチルジフェニルアミン、トリフェニルアミン、フェニレンジアミン、ナフチルアミン、ジアミノナフタレン、ピロール誘導体(例えばピロール、2H−ピロール、1−メチルピロール、2,4−ジメチルピロール、2,5−ジメチルピロール、N−メチルピロール等)、オキサゾール誘導体(例えばオキサゾール、イソオキサゾール等)、チアゾール誘導体(例えばチアゾール、イソチアゾール等)、イミダゾール誘導体(例えばイミダゾール、4−メチルイミダゾール、4−メチル−2−フェニルイミダゾール等)、ピラゾール誘導体、フラザン誘導体、ピロリン誘導体(例えばピロリン、2−メチル−1−ピロリン等)、ピロリジン誘導体(例えばピロリジン、N−メチルピロリジン、ピロリジノン、N−メチルピロリドン等)、イミダゾリン誘導体、イミダゾリジン誘導体、ピリジン誘導体(例えばピリジン、メチルピリジン、エチルピリジン、プロピルピリジン、ブチルピリジン、4−(1−ブチルペンチル)ピリジン、ジメチルピリジン、トリメチルピリジン、トリエチルピリジン、フェニルピリジン、3−メチル−2−フェニルピリジン、4−tert−ブチルピリジン、ジフェニルピリジン、ベンジルピリジン、メトキシピリジン、ブトキシピリジン、ジメトキシピリジン、1−メチル−2−ピリドン、4−ピロリジノピリジン、1−メチル−4−フェニルピリジン、2−(1−エチルプロピル)ピリジン、アミノピリジン、ジメチルアミノピリジン等)、ピリダジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラジン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾリジン誘導体、ピペリジン誘導体、ピペラジン誘導体、モルホリン誘導体、インドール誘導体、イソインドール誘導体、1H−インダゾール誘導体、インドリン誘導体、キノリン誘導体(例えばキノリン、3−キノリンカルボニトリル等)、イソキノリン誘導体、シンノリン誘導体、キナゾリン誘導体、キノキサリン誘導体、フタラジン誘導体、プリン誘導体、プテリジン誘導体、カルバゾール誘導体、フェナントリジン誘導体、アクリジン誘導体、フェナジン誘導体、1,10−フェナントロリン誘導体、アデニン誘導体、アデノシン誘導体、グアニン誘導体、グアノシン誘導体、ウラシル誘導体、ウリジン誘導体等が例示される。
【0038】
更に、カルボキシ基を有する含窒素化合物としては、例えばアミノ安息香酸、インドールカルボン酸、アミノ酸誘導体(例えばニコチン酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、グリシルロイシン、ロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、リジン、3−アミノピラジン−2−カルボン酸、メトキシアラニン)等が例示され、スルホニル基を有する含窒素化合物として3−ピリジンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸ピリジニウム等が例示される。
ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物としては、2−ヒドロキシピリジン、アミノクレゾール、2,4−キノリンジオール、3−インドールメタノールヒドレート、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、2,2’−イミノジエタノール、2−アミノエタノ−ル、3−アミノ−1−プロパノール、4−アミノ−1−ブタノール、4−(2−ヒドロキシエチル)モルホリン、2−(2−ヒドロキシエチル)ピリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−[2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチル]ピペラジン、ピペリジンエタノール、1−(2−ヒドロキシエチル)ピロリジン、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−ピロリジノン、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、3−ピロリジノ−1,2−プロパンジオール、8−ヒドロキシユロリジン、3−クイヌクリジノール、3−トロパノール、1−メチル−2−ピロリジンエタノール、1−アジリジンエタノール、N−(2−ヒドロキシエチル)フタルイミド、N−(2−ヒドロキシエチル)イソニコチンアミド等が例示される。アミド誘導体としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド等が例示される。イミド誘導体としては、フタルイミド、サクシンイミド、マレイミド等が例示される。
【0039】
更に、下記一般式(78)及び(79)で示される塩基性化合物を配合することもできる。
【化16】
Figure 0003839218
(式中、R41、R42、R43、R47、R48はそれぞれ独立して直鎖状、分岐鎖状又は環状の炭素数1〜20のアルキレン基、R44、R45、R46、R49、R50は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基又はアミノ基を示し、R44とR45、R45とR46、R44とR46、R44とR45とR46、R49とR50はそれぞれ結合して環を形成してもよい。S、T、Uはそれぞれ0〜20の整数を示す。但し、S、T、U=0のとき、R44、R45、R46、R49、R50は水素原子を含まない。)
【0040】
ここで、R41、R42、R43、R47、R48のアルキレン基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8のものであり、具体的には、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、イソプロピレン基、n−ブチレン基、イソブチレン基、n−ペンチレン基、イソペンチレン基、ヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。
【0041】
また、R44、R45、R46、R49、R50のアルキル基としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6のものであり、これらは直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
【0042】
更に、R44とR45、R45とR46、R44とR46、R44とR45とR46、R49とR50が環を形成する場合、その環の炭素数は1〜20、より好ましくは1〜8、更に好ましくは1〜6であり、またこれらの環は炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基が分岐していてもよい。
S、T、Uはそれぞれ0〜20の整数であり、より好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜8の整数である。
【0043】
一般式(78)、(79)の化合物として具体的には、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メトキシ}エチル]アミン、トリス{2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス{2−(1−エトキシプロポキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−ヒドロキシエトキシ)エトキシ}エチル]アミン、4,7,13,16,21,24−ヘキサオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.8.8]ヘキサコサン、4,7,13,18−テトラオキサ−1,10−ジアザビシクロ[8.5.5]エイコサン、1,4,10,13−テトラオキサ−7,16−ジアザビシクロオクタデカン、1−アザ−12−クラウン−4、1−アザ−15−クラウン−5、1−アザ−18−クラウン−6等が挙げられる。特に第三級アミン、アニリン誘導体、ピロリジン誘導体、ピリジン誘導体、キノリン誘導体、アミノ酸誘導体、ヒドロキシ基を有する含窒素化合物、ヒドロキシフェニル基を有する含窒素化合物、アルコール性含窒素化合物、アミド誘導体、イミド誘導体、トリス{2−(メトキシメトキシ)エチル}アミン、トリス{(2−(2−メトキシエトキシ)エチル}アミン、トリス[2−{(2−メトキシエトキシ)メチル}エチル]アミン、1−アザ−15−クラウン−5等が好ましい。
【0044】
なお、上記塩基性化合物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができ、その配合量は、一般式(1)〜(3)から選ばれる一以上の珪素含有置換基を含み、重量平均分子量が2,000〜1,000,000の高分子化合物100重量部に対して0.01〜2重量部、特に0.01〜1重量部が好適である。配合量が0.01重量部より少ないと配合効果がなく、2重量部を超えると感度が低下しすぎる場合がある。
【0045】
本発明のレジスト材料には、上記成分以外に任意成分として塗布性を向上させるために慣用されている界面活性剤を添加することができる。なお、任意成分の添加量は、本発明の効果を妨げない範囲で通常量とすることができる。
界面活性剤としては、非イオン性のものが好ましく、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール、フッ素化アルキルエステル、パーフルオロアルキルアミンオキサイド、含フッ素オルガノシロキサン系化合物等が挙げられる。例えばフロラード「FC−430」、「FC−431」(いずれも住友スリーエム社製)、サーフロン「S−141」、「S−145」、「S−381」、「S−383」(いずれも旭硝子社製)、ユニダイン「DS−401」、「DS−403」、「DS−451」(いずれもダイキン工業社製)、メガファック「F−8151」、「F−171」、「F−172」、「F−173」、「F−177」(大日本インキ工業社製)、「X−70−092(含フッ素オルガノシロキサン系)」、「X−70−093(含フッ素オルガノシロキサン系)」(いずれも信越化学工業社製)等を挙げることができる。好ましくは、フロラード「FC−430」(住友スリーエム社製)、「X−70−093(含フッ素オルガノシロキサン系)」(信越化学工業社製)が挙げられる。
【0046】
本発明のレジスト材料を使用してパターンを形成するには、公知のリソグラフィー技術を採用して行うことができる。例えば、シリコンウェハー等の基板上にスピンコーティング等の手法で膜厚が0.01〜1.0μmとなるように塗布し、これをホットプレート上で60〜200℃、10秒〜10分間、好ましくは80〜150℃、30秒〜5分間プリベークする。次いで目的のパターンを形成するためのマスクを上記のレジスト膜上にかざし、波長300nm以下の遠紫外線、エキシマレーザー、X線等の高エネルギー線もしくは電子線を露光量1〜200mJ/cm2程度、好ましくは10〜100mJ/cm2程度となるように照射した後、ホットプレート上で60〜150℃、10秒〜5分間、好ましくは80〜130℃、30秒〜3分間ポストエクスポージャベーク(PEB)する。更に、0.1〜5%、好ましくは2〜3%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)等のアルカリ水溶液の現像液を用い、10秒〜3分間、好ましくは0.5〜2分間、浸漬(dip)法、パドル(puddle)法、スプレー(spray)法等の常法により現像することにより基板上に目的のパターンが形成される。なお、本発明材料は、特に高エネルギー線の中でも254〜120nmの遠紫外線又はエキシマレーザー、特に248nmのKrF、193nmのArF、157nmのF2、146nmのKr2、134nmのKrAr、126nmのAr2などのエキシマレーザー、X線及び電子線による微細パターンニングに最適である。また、上記範囲を上限及び下限から外れる場合は、目的のパターンを得ることができない場合がある。
【0047】
【実施例】
以下、合成例及び実施例を示して本発明を具体的に説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
1) 珪素含有ポリマーの合成例
▲1▼ポリマー1
2Lのフラスコ中でモノマー1の70gとモノマー4の45gをトルエン560mlに溶解させ、十分に系中の酸素を除去した後、開始剤AIBN5.5gを仕込んだ後、60℃まで昇温して24時間重合反応を行った。
得られたポリマーを精製する為に、反応混合物をヘキサン/エーテル(3:2)混合溶媒中に注ぎ、得られた重合体を沈澱・分離したところ、100gの白色重合体が得られた。
反応液を濃縮後、純水20L中に注いでポリマーを沈殿させた。得られたポリマーをアセトンに溶かし、純水20L中に注いでポリマーを沈殿させる操作を二回繰り返した後、重合体を分離し、乾燥させた。このようにして得られた90gの白色重合体は光散乱法により重量平均分子量が9800g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.60の重合体であることが確認できた。さらに、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にモノマー1とモノマー4がモル比ほぼ1:1で含まれていることが確認できた。
【0048】
▲2▼ポリマー2
ポリマー1のモノマー1をモノマー2に変えてポリマー2を得た。重量平均分子量が10200g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.70の重合体であることが確認できた。さらに、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にモノマー2とモノマー4がモル比ほぼ1:1で含まれていることが確認できた。
【0049】
▲3▼ポリマー3
ポリマー1のモノマー1をモノマー3に変えてポリマー3を得た。重量平均分子量が10500g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.85の重合体であることが確認できた。さらに、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にモノマー3とモノマー4がモル比ほぼ1:1で含まれていることが確認できた。
【0050】
▲4▼ポリマー4
ポリマー1のモノマー1をモノマー5、モノマー4をモノマー6に変えてポリマー4を得た。重量平均分子量が6800g/molであり、GPC溶出曲線より分散度(=Mw/Mn)が1.80の重合体であることが確認できた。さらに、1H−NMRを測定することにより、ポリマー中にモノマー5とモノマー6がモル比ほぼ1:1で含まれていることが確認できた。
【0051】
使用したモノマー1〜6及び得られたポリマー1〜5を以下に示す。
【化17】
Figure 0003839218
【0052】
【化18】
Figure 0003839218
【0053】
2)レジスト組成例
ポリマー1-4で示されるシリコーンポリマー,PAG1、2で示される酸発生剤,DRI1、2で示される溶解制御剤、FC−430(住友3M製)0.01重量%を含むプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)溶媒1000重量部に十分に溶解させ、0.1μmのテフロン製のフィルターをろ過することによってレジスト液をそれぞれ調整した。シリコンウェハーに下層ノボラック系レジスト材料としてOFPR−800(東京応化工業社製)を塗布し、300℃で5分間加熱し,硬化させて0.5μmの厚みにした。
【0054】
その上にブリューワーサイエンス社製反射防止膜(DUV−30)をスピンコートして100℃30秒、20060秒ベークして55nmの厚みにした。レジスト液を硬化させたDUV−30/ノボラックレジスト上へスピンコーティングし、ホットプレートを用いて100℃で90秒間ベークして0.2μmの厚さにした。これをKrFエキシマレーザーステッパー(ニコン社製,NA0.60)を用いて露光し、100℃で90秒間ベーク(PEB)2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)を行うと,ポジ型のパターンを得ることができた。
【0055】
その後、平行平板型スパッタエッチング装置、東京エレクトロン社製TE8500を用いて、酸素ガスをエッチャントガスとしてエッチングを行った。下層レジスト膜のエッチング速度が150nm/minであるのに対し、本レジスト膜は15nm/min以下であった。2分間エッチングすることによって本レジスト膜に覆われていない部分の下層レジスト膜は完全に消失し、0.5μmの厚さの2層レジストパターンが形成できた。このエッチング条件を以下に示す。
酸素ガス流量:50sccm、ガス圧:1.3Pa、rfパワー:50W、dcバイアス:450V。
【0056】
3)レジストの評価
「感度」は、0.20μmラインアンドスペースが1:1に解像している露光量を感度とし、この露光量において解像している最も小さな寸法を解像度とした。
結果を表1に示す。
【0057】
使用したPAG1、PAG2、DRI1、DRI2、及びトリス(2−メトキシメトキシエチル)アミン(TMMEA)の構造式を以下に示す。
【化19】
Figure 0003839218
【0058】
【表1】
Figure 0003839218
【0059】
【発明の効果】
本発明のレジスト材料は、高エネルギー線に感応し、300nm以下の波長における感度、解像性、酸素プラズマエッチング耐性に優れている。従って、本発明の高分子化合物およびレジスト材料は、これらの特性より、特に優れた2層レジスト用の材料となり得るもので、微細でしかも基板に対して垂直なパターンを容易に形成でき、このため超LSI製造用の微細パターン形成材料として好適である。

Claims (5)

  1. 重量平均分子量が2,000〜1,000,000の高分子化合物であって、下記一般式(4)及び(6)〜(9)
    Figure 0003839218
    (上式中、R6は、各式ごとにそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数3〜20のアリール基を表し、Aは、各式ごとにそれぞれ独立して、記式(10)〜(13)と(16)〜(19)
    Figure 0003839218
    から選ばれる珪素含有置換基を表し、R7は、炭素数1〜10のアルキレン基を表し、pは、0〜5の整数を表す。)
    のいずれかで表される0.1〜90モル%の繰り返し単位と、下記繰り返し単位(39)〜(74)及び下記繰り返し単位Si−1〜Si−5
    Figure 0003839218
    Figure 0003839218
    (上式中、R 6 は、各式ごとにそれぞれ独立して、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、又は炭素数3〜20のアリール基を表す。)
    のいずれかで表される10〜99.9モル%の繰り返し単位を含む高分子化合物。
  2. 請求項1に記載の高分子化合物と、酸発生剤と、有機溶剤とを含有してなる化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
  3. さらに、分子量又は重量平均分子量が100〜2,000の範囲内で、かつカルボン酸性水酸基、アルコール性水酸基、及びフェノール性水酸基から選ばれる一以上の置換基を有する化合物であって、該置換基の一部又は全てが下記一般式(1)、(2)、(3)又は式(14)
    Figure 0003839218
    (上式中、R1、R2は、各式ごとにそれぞれ独立に水素原子又は炭素数1〜20のアルキル基を表し、R3、R4、R5は、各式ごとにそれぞれ独立に炭素数1〜20のアルキル基、ハロアルキル基、炭素数6〜20のアリール基、又は式中の珪素原子とシロキサン結合で結合している珪素含有基を表し、R3、R4、R5の少なくとも一つが珪素含有基である。)
    で表される珪素含有置換基によって置換されている溶解制御剤を含有してなる請求項2に記載の化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
  4. さらに、塩基性化合物を添加してなる請求項2又は請求項3に記載の化学増幅型ポジ型レジスト組成物。
  5. 請求項2〜4のいずれかに記載のポジ型レジストを被加工基盤上の有機膜上に塗布し、ベークしてレジスト膜を形成した後、パターン回路領域に放射線を照射し、ベークを行い、アルカリ性水溶液で現像して照射部分を溶解させてレジストパターンを形成し、酸素プラズマを発生させるドライエッチング装置で有機膜を加工させることを特徴とするパターン形成方法。
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