JP4732046B2 - レジスト組成物およびレジストパターン形成方法 - Google Patents
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Description
露光した部分が現像液に溶解する特性に変化するレジスト材料をポジ型、露光した部分が現像液に溶解しない特性に変化するレジスト材料をネガ型という。
近年、半導体素子や液晶表示素子の製造においては、リソグラフィー技術の進歩により急速にパターンの微細化が進んでいる。
微細化の手法としては、一般に、露光光源の短波長化が行われている。具体的には、従来は、g線、i線に代表される紫外線が用いられていたが、現在では、KrFエキシマレーザーや、ArFエキシマレーザーを用いた半導体素子の量産が開始されている。
また、これらエキシマレーザーより短波長のF2エキシマレーザー、電子線、EUV(極紫外線)やX線などについても検討が行われている。
このような要求を満たすレジスト材料として、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化するベース樹脂と、露光により酸を発生する酸発生剤とを含有する化学増幅型レジストが用いられている。例えばポジ型の化学増幅型レジストは、ベース樹脂として、酸の作用によりアルカリ可溶性が増大する樹脂と酸発生剤とを含有しており、レジストパターン形成時に、露光により酸発生剤から酸が発生すると、露光部がアルカリ可溶性となる。
これまで、化学増幅型レジストのベース樹脂としては、KrFエキシマレーザー(248nm)に対する透明性が高いポリヒドロキシスチレン(PHS)やその水酸基を酸解離性の溶解抑制基で保護した樹脂(PHS系樹脂)が用いられてきた。しかし、PHS系樹脂は、ベンゼン環等の芳香環を有するため、248nmよりも短波長、例えば193nmの光に対する透明性が充分ではない。そのため、PHS系樹脂をベース樹脂成分とする化学増幅型レジストは、例えば193nmの光を用いるプロセスでは解像性が低いなどの欠点がある。
そのため、現在、ArFエキシマレーザーリソグラフィー等において使用されるレジストのベース樹脂としては、193nm付近における透明性に優れることから、(メタ)アクリル酸エステルから誘導される構成単位を主鎖に有する樹脂(アクリル系樹脂)が主に用いられている(例えば特許文献1〜2参照)。
また、レジスト組成物の溶剤としては、乳酸エチル等が用いられている。
一方、例えば経時によるレジスト組成物の感度劣化が改善しても、リソグラフィー特性が不良では問題がある。
なお、レジスト組成物の感度劣化を抑制する方法としては、通常、有機塩基化合物を添加する方法等が用いられている。しかしながら、乳酸エチルを含む有機溶剤に溶解してなるレジスト組成物においては、有機塩基化合物を添加する方法では経時によるレジスト組成物の感度劣化を抑制する効果が充分には得られない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、乳酸エチルを含む有機溶剤に溶解してなるレジスト組成物において、経時によるレジスト組成物の感度劣化が抑制されるとともに、必要とされるリソグラフィー特性を有するレジスト組成物およびレジストパターン形成方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明の第一の態様は、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、アミン(D)と、酢酸とを、乳酸エチルを含む有機溶剤(S)に溶解してなるレジスト組成物であって、前記酸発生剤成分(B)は、下記一般式(b−0)で表される酸発生剤を含むレジスト組成物である。
また、本発明の第二の態様は、前記第一の態様のレジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法である。
本発明のレジスト組成物は、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分(A)(以下、(A)成分という。)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)(以下、(B)成分という。)と、アミン(D)と、酢酸とを、乳酸エチルを含む有機溶剤(S)(以下、(S)成分という。)に溶解してなるものである。
(A)成分としては、酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分であれば特に限定されず、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂として提案されている、一種または二種以上のアルカリ可溶性樹脂またはアルカリ可溶性となり得る樹脂を使用することができる。前者の場合はいわゆるネガ型、後者の場合はいわゆるポジ型のレジスト組成物である。
また、前記架橋剤としては、例えば、通常は、メチロール基またはアルコキシメチル基、特にはメトキシメチル基やブトキシメチル基を有するグリコールウリルなどのアミノ系架橋剤を用いると、膨潤の少ない良好なレジストパターンが形成でき、好ましい。前記架橋剤の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対し、1〜50質量部の範囲が好ましい。
そのため、レジストパターンの形成において、基板上に塗布されたレジスト組成物に対して選択的に露光すると、露光部のアルカリ可溶性が増大し、アルカリ現像することができる。
本発明においては、ポジ型のレジスト組成物が好ましい。
ポジ型において好適に用いられている(A)成分としては、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、アクリル酸エステル系樹脂等が挙げられる。
以下、化学増幅型レジスト組成物に好ましく用いられる(A)成分として、KrFエキシマレーザーとArFエキシマレーザーを用いたリソグラフィーにおいて好適に使用される樹脂成分について、それぞれ例を挙げて説明する。
構成単位(a1)’は、ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)’において「ヒドロキシスチレンから誘導される構成単位」とは、ヒドロキシスチレンおよびヒドロキシスチレン誘導体(モノマー)のエチレン性二重結合が開裂してなる構成単位を包含するものとする。
ここで「ヒドロキシスチレン誘導体」は、少なくともベンゼン環と、これに結合する水酸基が維持されており、例えば、ヒドロキシスチレンのα位に結合する水素原子が、ハロゲン原子、炭素数1〜5の低級アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、ならびに、ヒドロキシスチレンの水酸基が結合したベンゼン環に、さらに炭素数1〜5の低級アルキル基が結合したものや、この水酸基が結合したベンゼン環に、さらに1〜2個の水酸基が結合したもの(このとき、水酸基の数の合計は2〜3である。)等を包含するものとする。
ハロゲン原子は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
なお、「ヒドロキシスチレンのα位」とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
ハロゲン化アルキル基は、好ましくはハロゲン化低級アルキル基であり、上述した炭素数1〜5の低級アルキル基の一部または全部の水素原子がハロゲン原子で置換されたものである。中でも、水素原子が全部フッ素化されていることが好ましい。
ハロゲン化低級アルキル基としては、直鎖または分岐鎖状のフッ素化低級アルキル基が好ましく、トリフルオロメチル基、ヘキサフルオロエチル基、ヘプタフルオロプロピル基、ノナフルオロブチル基等がより好ましく、トリフルオロメチル基(−CF3)が最も好ましい。
Rとしては、水素原子またはメチル基が好ましく、水素原子がより好ましい。
qは、0または1〜2の整数である。これらの内、qは、0または1であることが好ましく、特に、工業上、0であることが好ましい。
R2の置換位置は、qが1である場合には、o−位、m−位、p−位のいずれでもよく、さらに、qが2の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
pは、1〜3の整数であり、好ましくは1である。
水酸基の置換位置は、pが1である場合、o−位、m−位、p−位のいずれでもよいが、容易に入手可能で低価格であることからp−位が好ましい。さらに、pが2または3の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
樹脂(A1)’中、構成単位(a1)’の割合は、樹脂(A1)’を構成する全構成単位に対し、20〜80モル%であることが好ましく、25〜70モル%であることがより好ましく、30〜65モル%であることがさらに好ましく、45〜65モル%であることが最も好ましい。該範囲内であると、レジスト組成物とした際に適度なアルカリ溶解性が得られるとともに、他の構成単位とのバランスが良好である。
構成単位(a2)’は、酸解離性溶解抑制基を有する構成単位である。
構成単位(a2)’に含まれるものとしては、下記一般式(a2−1)’で表される構成単位(a21)’、下記一般式(a2−2)’で表される構成単位(a22)’が好ましく例示できる。
酸解離性溶解抑制基としては、KrFエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。例えば、鎖状第3級アルコキシカルボニル基、鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基、鎖状または環状の第3級アルキル基が好ましく例示できる。
鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基は、その炭素数は4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。鎖状第3級アルコキシカルボニルアルキル基として、具体的には、tert−ブトキシカルボニルメチル基、tert−アミルオキシカルボニルメチル基等が挙げられる。
鎖状の第3級アルキル基は、その炭素数は4〜10が好ましく、4〜8がより好ましい。鎖状第3級アルキル基として、具体的には、tert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
環状の第3級アルキル基は、環上に第3級炭素原子を含む単環または多環式の1価の飽和炭化水素基である。環状第3級アルキル基として、具体的には、1−メチルシクロペンチル基、1−エチルシクロペンチル基、1−メチルシクロヘキシル基、1−エチルシクロヘキシル基、2−メチル−2−アダマンチル基、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。
これら酸解離性溶解抑制基の中では、解像性の点で、特に鎖状の第3級アルキル基が好ましく、その中でもtert−ブチル基がより好ましい。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを意味し、飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。
脂肪族環式基の具体例としては、炭素数5〜7の脂肪族単環式基、炭素数7〜16の脂肪族多環式基等が挙げられる。
炭素数5〜7の脂肪族単環式基としては、モノシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基が例示でき、具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサンなどから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。
炭素数7〜16の脂肪族多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個の水素原子を除いた基が例示でき、具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの中でも、アダマンチル基、ノルボルニル基、テトラシクロドデカニル基が工業上好ましく、特にアダマンチル基が好ましい。
Xの低級アルキル基としては、上記式(a1−1)’のRの低級アルキル基と同様のものが挙げられる。
Xとしては、低級アルキル基が好ましく、メチル基またはエチル基がより好ましく、エチル基が最も好ましい。
R6は、低級アルキル基または水素原子を表す。R6の低級アルキル基としては、R5の低級アルキル基と同様のものが挙げられる。R6は、工業的には水素原子であることが好ましい。
この場合、式(I)’においては、R5と、Xと、Xが結合した酸素原子と、該酸素原子およびR5が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。
該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
その具体例としては、例えば、Xがアルキル基である基、すなわち1−アルコキシアルキル基としては、1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、1−iso−プロポキシエチル基、1−n−ブトキシエチル基、1−tert−ブトキシエチル基、メトキシメチル基、エトキシメチル基、iso−プロポキシメチル基、n−ブトキシメチル基、tert−ブトキシメチル基等が挙げられる。
また、Xが脂肪族環式基である基としては、1−シクロヘキシルオキシエチル基、(2−アダマンチル)オキシメチル基、下記式(II−a)で表される1−(1−アダマンチル)オキシエチル基等が挙げられる。
Xが芳香族環式炭化水素基である基としては、下記式(II−b)で表される1−(2−ナフチル)オキシエチル基等が挙げられる。
これらの中でも、特に1−エトキシエチル基が好ましい。
中でも、上記一般式(I)’のものがより好ましく、上記一般式(I)’のものを主成分として含有することが最も好ましい。
ここで、「主成分として含有する」とは、樹脂(A1)’中に含まれる酸解離性溶解抑制基の内の50モル%以上であることを意味し、好ましくは70モル%以上であり、より好ましは80モル%以上であることを意味する。
構成単位(a22)’におけるR2は、上記一般式(a1−1)’のR2と同様のものが挙げられる。
また構成単位(a22)’におけるp、qは、上記一般式(a1−1)’のp、qとそれぞれ同様のものが挙げられる。
樹脂(A1)’中、構成単位(a2)’の割合は、樹脂(A1)’を構成する全構成単位に対し、5〜70モル%であることが好ましく、5〜65モル%であることがより好ましく、5〜60モル%であることがさらに好ましく、5〜55モル%であることが最も好ましい。下限値以上とすることにより、レジスト組成物とした際に良好なレジストパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
また、前記構成単位(a2)’が、前記構成単位(a22)’である場合、樹脂(A1)’を構成する全構成単位に対し、5〜70モル%であることが好ましく、10〜65モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることがさらに好ましく、30〜55モル%であることが最も好ましい。下限値以上とすることにより、レジスト組成物とした際に良好なレジストパターンを得ることができ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスが良好である。
樹脂(A1)’は、さらに、スチレンから誘導される構成単位(a3)’を有していてもよい。構成単位(a3)’は必須ではないが、これを含有させるとレジスト組成物とした際に耐熱性を向上させることができる。
構成単位(a3)’において「スチレンから誘導される構成単位」とは、スチレンおよびスチレン誘導体(ただし、ヒドロキシスチレンは含まない。)のエチレン性二重結合が開裂してなる構成単位を包含するものとする。
ここで「スチレン誘導体」は、スチレンのα位に結合する水素原子が、ハロゲン原子、アルキル基、ハロゲン化アルキル基等の他の置換基に置換されたもの、ならびに、スチレンのフェニル基の水素原子が、炭素数1〜5の低級アルキル基等の置換基に置換されているもの等を包含するものとする。
ハロゲン原子は、塩素原子、フッ素原子、臭素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
なお、「スチレンのα位」とは、特に断りがない限り、ベンゼン環が結合している炭素原子のことをいう。
qは、0または1〜2の整数である。これらの内、qは0または1であることが好ましく、特に、工業上、0であることが好ましい。
R2の置換位置は、qが1である場合には、o−位、m−位、p−位のいずれでもよく、qが2の場合には、任意の置換位置を組み合わせることができる。
樹脂(A1)’が構成単位(a3)’を含む場合、構成単位(a3)’の割合は、樹脂(A1)’を構成する全構成単位に対し、1〜25モル%が好ましく、5〜25モル%がより好ましく、5〜20モル%であることが最も好ましい。該範囲内であると、レジスト組成物とした際に耐熱性効果が高くなるとともに、他の構成単位とのバランスも良好である。
かかる構成単位としては、上述の必須構成単位(a1)’〜(a2)’、好ましく含まれる構成単位(a3)’に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、KrFポジエキシマレーザー用、ArFエキシマレーザー用等のレジスト用樹脂に用いられるものとして、従来から知られている多数のものが使用可能である。
また、共重合体(A1)’には、上記重合の際に、例えばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また、分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
(A)’成分中、共重合体(A1)’としては、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、(A)’成分には、共重合体(A1)’以外の樹脂成分を配合してもよい。
(A)’成分中の共重合体(A1)’の配合量は、好ましくは70質量%以上、より好ましくは80質量%以上、最も好ましくは100質量%である。
該(A)成分としては、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a1)、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する共重合体を含むことが好ましい。
そして、さらに、当該共重合体は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を含む共重合体(A1)であることが好ましい。
また、(A)成分は共重合体(A1)以外の樹脂を含むこともできるし、共重合体(A1)からなっていてもよく、(A)成分中、共重合体(A1)の割合は、好ましくは50質量%以上、より好ましくは80〜100質量%であり、最も好ましくは100質量%である。共重合体(A1)も1種又は2種以上混合して用いることができる。
「アクリル酸エステル」は、α位の炭素原子に水素原子が結合しているアクリル酸エステルのほか、α位の炭素原子に置換基(水素原子以外の原子または基)が結合しているものも含む概念とする。置換基としては、ハロゲン原子、低級アルキル基、ハロゲン化低級アルキル基等が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。
なお、アクリル酸エステルから誘導される構成単位のα位(α位の炭素原子)とは、特に断りがない限り、カルボニル基が結合している炭素原子のことである。
「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
「低級アルキル基」は、炭素原子数1〜5のアルキル基である。
アクリル酸エステルにおいて、α位の置換基としての低級アルキル基として、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基などの低級の直鎖状または分岐状のアルキル基が挙げられる。
アクリル酸エステルのα位に結合しているのは、水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基またはハロゲン化低級アルキル基であることが好ましく、水素原子、フッ素原子、低級アルキル基またはフッ素化低級アルキル基であることがより好ましく、工業上の入手の容易さから、水素原子またはメチル基であることがさらに好ましく、水素原子であることが最も好ましい。
構成単位(a1)は、酸解離性溶解抑制基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位である。
構成単位(a1)における酸解離性溶解抑制基は、解離前は共重合体(A1)全体をアルカリ不溶とするアルカリ溶解抑制性を有するとともに、解離後はこの共重合体(A1)全体をアルカリ可溶性へ変化させるものであれば、これまで、化学増幅型レジスト用のベース樹脂の酸解離性溶解抑制基として提案されているものを使用することができる。一般的には、(メタ)アクリル酸のカルボキシ基と、環状または鎖状の第3級アルキルエステルを形成する基、または環状または鎖状のアルコキシアルキルエステルを形成する基などが広く知られている。なお、「(メタ)アクリル酸エステル」とは、α位に水素原子が結合したアクリル酸エステルと、α位にメチル基が結合したメタクリル酸エステルの一方あるいは両方を意味する。
なお、前記鎖状または環状のアルキル基は置換基を有していてもよい。
以下、カルボキシ基と第3級アルキルエステルを構成することにより、酸解離性となっている基を、便宜上、「第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基」という。
また、環状または鎖状のアルコキシアルキルエステルとは、カルボキシ基の水素原子がアルコキシアルキル基で置換されることによりエステルを形成しており、そのカルボニルオキシ基(−C(O)−O―)の末端の酸素原子に前記アルコキシアルキル基が結合している構造を示す。このアルコキシアルキルエステルにおいては、酸が作用すると、酸素原子とアルコキシアルキル基との間で結合が切断される。
X1は、酸解離性溶解抑制基であれば特に限定することはなく、例えばアルコキシアルキル基、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基などを挙げることができ、第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基が好ましい。第3級アルキルエステル型酸解離性溶解抑制基としては、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基が挙げられる。
ここで、本特許請求の範囲及び明細書における「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等を意味するものと定義する。
「脂肪族環式基」は、芳香族性を持たない単環式基または多環式基であることを示す。
構成単位(a1)における「脂肪族環式基」は、置換基を有していてもよいし、有していなくてもよい。置換基としては、炭素数1〜5の低級アルキル基、フッ素原子、フッ素原子で置換された炭素数1〜5のフッ素化低級アルキル基、酸素原子(=O)、等が挙げられる。
「脂肪族環式基」の置換基を除いた基本の環の構造は、炭素および水素からなる基(炭化水素基)であることに限定はされないが、炭化水素基であることが好ましい。また、「炭化水素基」は飽和または不飽和のいずれでもよいが、通常は飽和であることが好ましい。好ましくは多環式基である。
このような脂肪族環式基の具体例としては、例えば、低級アルキル基、フッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。
そして、脂肪族分岐鎖状酸解離性溶解抑制基としては、具体的にはtert−ブチル基、tert−アミル基等が挙げられる。
また、脂肪族環式基を含有する酸解離性溶解抑制基としては、例えば環状のアルキル基の環骨格上に第3級炭素原子を有する基を挙げることができ、具体的には2−メチル−2−アダマンチル基や、2−エチル−2−アダマンチル基等が挙げられる。あるいは、下記一般式で示す構成単位の様に、アダマンチル基の様な脂肪族環式基と、これに結合する、第3級炭素原子を有する分岐鎖状アルキレン基とを有する基が挙げられる。
R19は直鎖状、分岐状または環状のアルキル基であり、炭素数は好ましくは1〜15であり、直鎖状、分岐鎖状又は環状のいずれでもよい。
R19が直鎖状、分岐鎖状の場合は炭素数1〜5であることが好ましく、エチル基、メチル基がさらに好ましく、特にエチル基が最も好ましい。
R19が環状の場合は炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜12であることがさらに好ましく、炭素数5〜10が最も好ましい。具体的にはフッ素原子またはフッ素化アルキル基で置換されていてもよいし、されていなくてもよいモノシクロアルカン、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、シクロペンタン、シクロヘキサン等のモノシクロアルカンや、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。中でもアダマンタンから1個以上の水素原子を除いた基が好ましい。
また、上記式においては、R17及びR19がそれぞれ独立に炭素数1〜5のアルキレン基であってR19の末端とR17の末端とが結合していてもよい。
この場合、R17とR19と、R19が結合した酸素原子と、該酸素原子およびR17が結合した炭素原子とにより環式基が形成されている。該環式基としては、4〜7員環が好ましく、4〜6員環がより好ましい。該環式基の具体例としては、テトラヒドロピラニル基、テトラヒドロフラニル基等が挙げられる。
Y2は好ましくは炭素数1〜4のアルキレン基又は2価の脂肪族環式基である。
Y2は2価の脂肪族環式基である場合、水素原子が2個以上除かれた基が用いられる以外は、前記構成単位(a1)においての「脂肪族環式基」の説明と同様のものを用いることができる。
Yの脂肪族環式基については、上述の「脂肪族環式基」の説明において例示したものと同様のものが挙げられる。
その中でも、一般式(a1−1)で表される構成単位が好ましく、具体的には(a1−1−1)〜(a1−1−6)または(a1−1−35)〜(a1−1−41)で表される構成単位から選ばれる少なくとも1種を用いることがより好ましい。
さらに、構成単位(a1)としては、特に式(a1−1−1)〜式(a1−1−4)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−01)で表されるものや、式(a1−1−36)、(a1−1−38)、(a1−1−39)及び(a1−1−41)の構成単位を包括する下記一般式(a1−1−02)も好ましい。
共重合体(A1)は、ラクトン含有環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a2)を有する。
ここで、ラクトン含有環式基とは、−O−C(O)−構造を含むひとつの環(ラクトン環)を含有する環式基を示す。ラクトン環をひとつの目の環として数え、ラクトン環のみの場合は単環式基、さらに他の環構造を有する場合は、その構造に関わらず多環式基と称する。
構成単位(a2)のラクトン環式基は、共重合体(A1)をレジスト膜の形成に用いた場合に、レジスト膜の基板への密着性を高めたり、現像液との親水性を高めたりするうえで有効なものである。
具体的には、ラクトン含有単環式基としては、γ−ブチロラクトンから水素原子1つを除いた基が挙げられる。また、ラクトン含有多環式基としては、ラクトン環を有するビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンから水素原子一つを除いた基が挙げられる。特に、以下のような構造式を有するラクトン含有トリシクロアルカンから水素原子を1つを除いた基が、工業上入手し易いなどの点で有利である。
R’の低級アルキル基としては、前記構成単位(a1)におけるRの低級アルキル基と同じである。
一般式(a2−1)〜(a2−5)中、R’は、工業上入手が容易であること等を考慮すると、水素原子が好ましい。
以下に、前記一般式(a2−1)〜(a2−5)の具体的な構成単位を例示する。
これらの中でも、一般式(a2−1)〜(a2−5)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましく、一般式(a2−1)〜(a2−3)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。具体的には、化学式(a2−1−1)、(a2−1−2)、(a2−2−1)、(a2−2−2)、(a2−3−1)、(a2−3−2)、(a2−3−9)及び(a2−3−10)から選択される少なくとも1種以上を用いることが好ましい。
共重合体(A1)中の構成単位(a2)の割合は、共重合体(A1)を構成する全構成単位の合計に対して、5〜60モル%が好ましく、10〜50モル%がより好ましく、20〜50モル%がさらに好ましい。下限値以上とすることにより構成単位(a2)を含有させることによる効果が充分に得られ、上限値以下とすることにより他の構成単位とのバランスをとることができる。
共重合体(A1)は、極性基含有脂肪族炭化水素基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位(a3)を含有する。構成単位(a3)を有することにより、(A)成分の親水性が高まり、現像液との親和性が高まって、露光部でのアルカリ溶解性が向上し、解像性の向上に寄与する。
極性基としては、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基等が挙げられ、特に水酸基が好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、炭素数1〜10の直鎖状または分岐状の炭化水素基(好ましくはアルキレン基)や、多環式の脂肪族炭化水素基(多環式基)が挙げられる。該多環式基としては、例えばArFエキシマレーザー用レジスト組成物用の樹脂において、多数提案されているものの中から適宜選択して用いることができる。
その中でも、水酸基、シアノ基、カルボキシ基、またはアルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基を含有する脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位がより好ましい。該多環式基としては、ビシクロアルカン、トリシクロアルカン、テトラシクロアルカンなどから1個以上の水素原子を除いた基などを例示できる。具体的には、アダマンタン、ノルボルナン、イソボルナン、トリシクロデカン、テトラシクロドデカンなどのポリシクロアルカンから1個以上の水素原子を除いた基などが挙げられる。これらの多環式基の中でも、アダマンタンから2個以上の水素原子を除いた基、ノルボルナンから2個以上の水素原子を除いた基、テトラシクロドデカンから2個以上の水素原子を除いた基が工業上好ましい。
jは1であることが好ましく、特に水酸基がアダマンチル基の3位に結合しているものが好ましい。
共重合体(A1)中、構成単位(a3)の割合は、当該共重合体(A1)を構成する全構成単位に対し、5〜50モル%であることが好ましく、5〜40モル%がより好ましく、5〜25モル%がさらに好ましい。
共重合体(A1)は、本発明の効果を損なわない範囲で、上記構成単位(a1)〜(a3)以外の他の構成単位(a4)を含んでいてもよい。
構成単位(a4)は、上述の構成単位(a1)〜(a3)に分類されない他の構成単位であれば特に限定するものではなく、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト用樹脂に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
構成単位(a4)としては、例えば酸非解離性の脂肪族多環式基を含むアクリル酸エステルから誘導される構成単位などが好ましい。該多環式基は、例えば、前記の構成単位(a1)の場合に例示したものと同様のものを例示することができ、ArFエキシマレーザー用、KrFエキシマレーザー用(好ましくはArFエキシマレーザー用)等のレジスト組成物の樹脂成分に用いられるものとして従来から知られている多数のものが使用可能である。
特にトリシクロデカニル基、アダマンチル基、テトラシクロドデカニル基、イソボルニル基、ノルボルニル基から選ばれる少なくとも1種以上であると、工業上入手し易いなどの点で好ましい。これらの多環式基は、炭素数1〜5の直鎖又は分岐状のアルキル基で置換されていてもよい。
構成単位(a4)として、具体的には、下記一般式(a4−1)〜(a4−5)の構造のものを例示することができる。
また、共重合体(A1)には、上記重合の際に、たとえばHS−CH2−CH2−CH2−C(CF3)2−OHのような連鎖移動剤を併用して用いることにより、末端に−C(CF3)2−OH基を導入してもよい。このように、アルキル基の水素原子の一部がフッ素原子で置換されたヒドロキシアルキル基が導入された共重合体は、現像欠陥の低減やLER(ラインエッジラフネス:ライン側壁の不均一な凹凸)の低減に有効である。
また分散度(Mw/Mn)は1.0〜5.0が好ましく、1.0〜3.0がより好ましく、1.2〜2.5が最も好ましい。
(B)成分としては、特に限定されず、これまで化学増幅型レジスト用の酸発生剤として提案されているものを使用することができる。
このような酸発生剤としては、これまで、ヨードニウム塩やスルホニウム塩などのオニウム塩系酸発生剤、オキシムスルホネート系酸発生剤、ビスアルキルまたはビスアリールスルホニルジアゾメタン類、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類などのジアゾメタン系酸発生剤、ニトロベンジルスルホネート系酸発生剤、イミノスルホネート系酸発生剤、ジスルホン系酸発生剤など多種のものが知られている。
前記直鎖若しくは分岐鎖状のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、炭素数4〜12であることが好ましく、炭素数5〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中全水素原子の個数に対する置換したフッ素原子の個数の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R51としては、直鎖状のアルキル基またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R52において、ハロゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子、ヨウ素原子などが挙げられ、フッ素原子が好ましい。
R52において、アルキル基は、直鎖または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52において、ハロゲン化アルキル基は、アルキル基中の水素原子の一部または全部がハロゲン原子で置換された基である。ここでのアルキル基は、前記R52における「アルキル基」と同様のものが挙げられる。置換するハロゲン原子としては上記「ハロゲン原子」について説明したものと同様のものが挙げられる。ハロゲン化アルキル基において、水素原子の全個数の50〜100%がハロゲン原子で置換されていることが望ましく、全て置換されていることがより好ましい。
R52において、アルコキシ基としては、直鎖状または分岐鎖状であり、その炭素数は好ましくは1〜5、特に1〜4、さらには1〜3であることが望ましい。
R52としては、これらの中でも水素原子が好ましい。
置換基としては、水酸基、低級アルキル基(直鎖または分岐鎖状であり、その好ましい炭素数は5以下であり、特にメチル基が好ましい)などを挙げることができる。
R53のアリール基としては、置換基を有しないものがより好ましい。
u’’は1〜3の整数であり、2または3であることが好ましく、特に3であることが望ましい。
R1”〜R3”のアリール基としては、特に制限はなく、例えば、炭素数6〜20のアリール基であって、該アリール基は、その水素原子の一部または全部がアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等で置換されていてもよく、されていなくてもよい。アリール基としては、安価に合成可能なことから、炭素数6〜10のアリール基が好ましい。具体的には、たとえばフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルキル基としては、炭素数1〜5のアルキル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基であることが最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いアルコキシ基としては、炭素数1〜5のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基、エトキシ基が最も好ましい。
前記アリール基の水素原子が置換されていても良いハロゲン原子としては、フッ素原子であることが好ましい。
R1”〜R3”のアルキル基としては、特に制限はなく、例えば炭素数1〜10の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基等が挙げられる。解像性に優れる点から、炭素数1〜5であることが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、n−ペンチル基、シクロペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ノニル基、デカニル基等が挙げられ、解像性に優れ、また安価に合成可能なことから好ましいものとして、メチル基を挙げることができる。
これらの中で、R1”〜R3”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
前記直鎖のアルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。
前記環状のアルキル基としては、前記R1”で示したような環式基であって、炭素数4〜15であることが好ましく、炭素数4〜10であることがさらに好ましく、炭素数6〜10であることが最も好ましい。
前記フッ素化アルキル基としては、炭素数1〜10であることが好ましく、炭素数1〜8であることがさらに好ましく、炭素数1〜4であることが最も好ましい。また。該フッ化アルキル基のフッ素化率(アルキル基中のフッ素原子の割合)は、好ましくは10〜100%、さらに好ましくは50〜100%であり、特に水素原子をすべてフッ素原子で置換したものが、酸の強度が強くなるので好ましい。
R4”としては、直鎖または環状のアルキル基、またはフッ素化アルキル基であることが最も好ましい。
R5”〜R6”のアリール基としては、R1”〜R3”のアリール基と同様のものが挙げられる。
R5”〜R6”のアルキル基としては、R1”〜R3”のアルキル基と同様のものが挙げられる。
これらの中で、R5”〜R6”はすべてフェニル基であることが最も好ましい。
式(b−2)中のR4”としては上記式(b−1)のR4”と同様のものが挙げられる。
Y”、Z”は、それぞれ独立に、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された直鎖状または分岐状のアルキル基であり、該アルキル基の炭素数は1〜10であり、好ましくは炭素数1〜7、より好ましくは炭素数1〜3である。
X”のアルキレン基の炭素数またはY”、Z”のアルキル基の炭素数は、上記炭素数の範囲内において、レジスト溶媒への溶解性も良好である等の理由により、小さいほど好ましい。
また、X”のアルキレン基またはY”、Z”のアルキル基において、フッ素原子で置換されている水素原子の数が多いほど、酸の強度が強くなり、また200nm以下の高エネルギー光や電子線に対する透明性が向上するので好ましい。該アルキレン基またはアルキル基中のフッ素原子の割合、すなわちフッ素化率は、好ましくは70〜100%、さらに好ましくは90〜100%であり、最も好ましくは、全ての水素原子がフッ素原子で置換されたパーフルオロアルキレン基またはパーフルオロアルキル基である。
R31の有機基としては、直鎖、分岐または環状のアルキル基またはアリール基が好ましい。これらのアルキル基、アリール基は置換基を有していても良い。該置換基としては、特に制限はなく、たとえばフッ素原子、炭素数1〜6の直鎖、分岐または環状のアルキル基等が挙げられる。ここで、「置換基を有する」とは、アルキル基またはアリール基の水素原子の一部または全部が置換基で置換されていることを意味する。
アルキル基としては、炭素数1〜20が好ましく、炭素数1〜10がより好ましく、炭素数1〜8がさらに好ましく、炭素数1〜6が特に好ましく、炭素数1〜4が最も好ましい。アルキル基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアルキル基(以下、ハロゲン化アルキル基ということがある)が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味し、完全にハロゲン化されたアルキル基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアルキル基を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、特にフッ素原子が好ましい。すなわち、ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
アリール基は、炭素数4〜20が好ましく、炭素数4〜10がより好ましく、炭素数6〜10が最も好ましい。アリール基としては、特に、部分的または完全にハロゲン化されたアリール基が好ましい。なお、部分的にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の一部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味し、完全にハロゲン化されたアリール基とは、水素原子の全部がハロゲン原子で置換されたアリール基を意味する。
R31としては、特に、置換基を有さない炭素数1〜4のアルキル基、または炭素数1〜4のフッ素化アルキル基が好ましい。
R32としては、特に、シアノ基、置換基を有さない炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜8のフッ素化アルキル基が好ましい。
R33としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましい。
R33におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが好ましい。
R34のアリール基は、炭素数1〜10のアルキル基、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基等の置換基を有していても良い。該置換基におけるアルキル基またはハロゲン化アルキル基は、炭素数が1〜8であることが好ましく、炭素数1〜4がさらに好ましい。また、該ハロゲン化アルキル基は、フッ素化アルキル基であることが好ましい。
R35としては、ハロゲン化アルキル基が好ましく、フッ素化アルキル基がより好ましく、部分的にフッ素化されたアルキル基が最も好ましい。
R35におけるフッ素化アルキル基は、アルキル基の水素原子が50%以上フッ素化されていることが好ましく、より好ましくは70%以上、さらに好ましくは90%以上フッ素化されていることが、発生する酸の強度が高まるため好ましい。最も好ましくは、水素原子が100%フッ素置換された完全フッ素化アルキル基である。
R37の2または3価の芳香族炭化水素基としては、上記R34のアリール基からさらに1または2個の水素原子を除いた基が挙げられる。
R38の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基としては、上記R35の置換基を有さないアルキル基またはハロゲン化アルキル基と同様のものが挙げられる。
p’’は好ましくは2である。
また、特開平9−208554号公報(段落[0012]〜[0014]の[化18]〜[化19])に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤、WO2004/074242A2(65〜85頁目のExample1〜40)に開示されているオキシムスルホネート系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、好適なものとして以下のものを例示することができる。
また、特開平11−035551号公報、特開平11−035552号公報、特開平11−035573号公報に開示されているジアゾメタン系酸発生剤も好適に用いることができる。
また、ポリ(ビススルホニル)ジアゾメタン類としては、例えば、特開平11−322707号公報に開示されている、1,3−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,4−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ブタン、1,6−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(フェニルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカン、1,2−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)エタン、1,3−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)プロパン、1,6−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)ヘキサン、1,10−ビス(シクロヘキシルスルホニルジアゾメチルスルホニル)デカンなどを挙げることができる。
(B)成分としては、これらの酸発生剤を1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のポジ型レジスト組成物における(B)成分の含有量は、(A)成分100質量部に対し、0.5〜30質量部、好ましくは1〜10質量部とされる。上記範囲とすることでパターン形成が充分に行われる。また、均一な溶液が得られ、保存安定性が良好となるため好ましい。
本発明のレジスト組成物には、レジストパターン形状、引き置き経時安定性などを向上させるためにアミン(D)を配合する。
ここで、本発明において「アミン」とは、アンモニアNH3の3つの水素原子のうちの1つ以上が、炭素原子を有する置換基(有機基)で置換された化合物をいう。
アミン(D)としては、脂肪族アミン、芳香族アミンでもよく、中でも脂肪族アミンが好ましい。
本発明において「脂肪族」とは、芳香族に対する相対的な概念であって、芳香族性を持たない基、化合物等をいう。
より好ましくは、ヒドロキシ基等の置換基を有していてもよい炭化水素基で置換された化合物である。特に好ましくは、炭素数12以下のアルキル基又はヒドロキシアルキル基である。
ここで「置換基を有していてもよい炭化水素基」は、鎖状であってもよく環状であってもよい。また、アンモニアNH3の3つの水素原子のうち、2つ以上が炭化水素基で置換され、これらが結合して窒素原子を含む環を形成していてもよい。
これらの中でも、リソグラフィー特性が良好なことから第3級アミンが好ましく、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリ−n−ヘキシルアミン、トリ−n−ペンチルアミン、トリ−n−ヘプチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、トリ−n−ノニルアミン、トリ−n−デカニルアミン、トリ−n−ドデシルアミン等の第3級アルキルアミン;トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリ−n−オクタノールアミン等の第3級アルカノールアミンがより好ましく、第3級アルカノールアミンが最も好ましい。第3級アルカノールアミンの中でもトリエタノールアミンが最も好ましい。特に第3級アルカノールアミンを用いた場合に、本発明の効果が顕著に得られる。
ここで、本発明において「第3級アミン」とは、アンモニアNH3の3つの水素原子が、いずれも炭素原子を有する置換基で置換された化合物をいう。
「第3級アルカノールアミン」とは、前記「第3級アミン」のうち、炭素原子を有する置換基の少なくとも1つがヒドロキシ基を有する炭化水素基である化合物をいう。
「第3級アルキルアミン」とは、前記「第3級アミン」のうち、炭素原子を有する置換基のいずれもがアルキル基である化合物をいう。
なお、「アルキル基」は、特に断りがない限り、直鎖状、分岐鎖状および環状の1価の飽和炭化水素基を包含するものとする。
アミン(D)は単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
アミン(D)は、(A)成分100質量部に対して、通常0.01〜5.0質量部の範囲が好ましく、0.05〜1.0質量部がさらに好ましく、0.1〜0.6質量部で用いられることが最も好ましい。
本発明のレジスト組成物は、酢酸を含む。酢酸を含むことにより、本発明の効果が得られる。特にリソグラフィー特性においては、レジストパターン形成の際、矩形性の高いパターン形状が得られる。
酢酸の配合量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜15質量%がより好ましく、0.5〜12質量%が最も好ましい。
該範囲の下限値以上であれば、経時によるレジスト組成物の感度劣化の抑制効果が得られる。他方、上限値以下であれば、レジスト組成物の特性が変化せずに維持される。
本発明のレジスト組成物は、材料を有機溶剤(S)(以下、(S)成分ということがある。)に溶解させて製造する。
(S)成分は、乳酸エチルを含む。
乳酸エチルの含有量は、有機溶剤(S)中、10質量%以上であればよく、好ましくは20質量%以上、より好ましくは40質量%以上、さらに好ましくは60質量%以上、最も好ましくは100質量%である。下限値が10質量%以上であれば、(B)成分等の溶解性が良好となる。
例えば、γ−ブチロラクトン等のラクトン類;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソアミルケトン、2−ヘプタノンなどのケトン類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコールなどの多価アルコール類及びその誘導体;エチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、またはジプロピレングリコールモノアセテート等のエステル結合を有する化合物、前記多価アルコール類または前記エステル結合を有する化合物のモノメチルエーテル、モノエチルエーテル、モノプロピルエーテル、モノブチルエーテルまたはモノフェニルエーテル等のエーテル結合を有する化合物等の多価アルコール類の誘導体;ジオキサンのような環式エーテル類や、乳酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、メトキシプロピオン酸メチル、エトキシプロピオン酸エチルなどのエステル類などを挙げることができる。中でも、γ−ブチロラクトン等のラクトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)、プロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)が好ましく、γ−ブチロラクトン、PGMEAがより好ましい。
例えば、乳酸エチルとPGMEAとを混合する場合、乳酸エチル:PGMEAの質量比は、好ましくは1:9〜9:1、より好ましくは2:8〜8:2である。
また、乳酸エチルとγ−ブチロラクトンとを混合する場合、混合割合としては、前者と後者の質量比が好ましくは70:30〜95:5とされる。
(S)成分の使用量は特に限定しないが、基板等に塗布可能な濃度で、塗布膜厚に応じて適宜設定されるものであるが、一般的にはレジスト組成物の固形分濃度が2〜20質量%、好ましくは5〜15質量%の範囲内となる様に用いられる。
本発明のレジスト組成物には、感度劣化の防止や、レジストパターン形状、引き置き安定性等の向上の目的で、任意の成分として、酢酸以外の有機カルボン酸又はリンのオキソ酸若しくはその誘導体(E)(以下、(E)成分という。)を含有させることができる。
本発明の効果の点から、酸の強度が強すぎないことが好ましく、pKa値が2以上であることが好ましく、pKa値が3以上であることがより好ましく、pKa値が4〜6であることが最も好ましい。該範囲の下限値以上であれば、例えばポジ型レジスト組成物の場合、(A)成分である樹脂の酸解離性溶解抑制基が外れることがなく、良好な解像性が保たれる。他方、上限値以下であれば、経時によるレジスト組成物の感度劣化の抑制効果が向上する。
有機カルボン酸としては、例えば、マロン酸、クエン酸、リンゴ酸、コハク酸、安息香酸、サリチル酸などが好ましく、中でもマロン酸、サリチル酸がより好ましい。
リンのオキソ酸若しくはその誘導体としては、リン酸、リン酸ジ−n−ブチルエステル、リン酸ジフェニルエステルなどのリン酸又はそれらのエステルのような誘導体、ホスホン酸、ホスホン酸ジメチルエステル、ホスホン酸−ジ−n−ブチルエステル、フェニルホスホン酸、ホスホン酸ジフェニルエステル、ホスホン酸ジベンジルエステルなどのホスホン酸及びそれらのエステルのような誘導体、ホスフィン酸、フェニルホスフィン酸などのホスフィン酸及びそれらのエステルのような誘導体が挙げられ、これらの中で特にホスホン酸が好ましい。
(E)成分は、(A)成分100質量部当り0.01〜5.0質量部の割合で用いられる。
その理由は明らかではないが、レジスト組成物中において、有機溶剤に含まれる乳酸エチルと、アミンとが一部反応して乳酸が生成することにより、経時によるレジスト組成物の感度劣化が起こるものと推測される。本発明では、酢酸の配合によって、この乳酸の生成が抑えられることにより経時によるレジスト組成物の感度劣化が抑制されると考えられる。
また、酢酸はプリベーク時に揮発することから、酢酸を配合してもレジスト組成物の特性が維持され、例えばパターン形状の劣化等が生じず、必要とされるリソグラフィー特性を有することができると考えられる。
本発明のレジストパターン形成方法は、例えば以下の様にして行うことができる。
すなわち、まずシリコンウェーハのような基板上に、上記レジスト組成物をスピンナーなどで塗布し、80〜150℃の温度条件下、プレベークを40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施し、これに例えばArFやKrF露光装置などにより、ArFエキシマレーザー光やKrFエキシマレーザー光を所望のマスクパターンを介して選択的に露光した後、80〜150℃の温度条件下、PEB(露光後加熱)を40〜120秒間、好ましくは60〜90秒間施す。
次いで、これをアルカリ現像液、例えば0.1〜10質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液を用いて現像処理する。
このようにして、マスクパターンに忠実なレジストパターンを得ることができる。
なお、基板とレジスト組成物の塗布層との間には、有機系または無機系の反射防止膜を設けることもできる。
また、露光に用いる波長は、特に限定されず、ArFエキシマレーザー、KrFエキシマレーザー、F2エキシマレーザー、EUV(極紫外線)、VUV(真空紫外線)、EB(電子線)、X線、軟X線等の放射線を用いて行うことができる。本発明にかかるレジスト組成物は、特に、ArFエキシマレーザーやKrFエキシマレーザーに対して有効である。
表1に示す各成分を混合し、溶解してポジ型レジスト組成物溶液を調製した。
(A)−1:下記式(A)−1で表される共重合体
l:m:n=60:15:25(モル比)、Mw=10000、Mw/Mn=2.0
(B)−1:下記式(B)−1で表される化合物
(B)−2:ビス(4−tert−ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート
(D)−1:トリエタノールアミン
(O)−1:界面活性剤 XR−104(商品名、大日本インキ化学工業製)
(E)−1:酢酸
(E)−2:乳酸
(E)−3:ジフェノール酸
(E)−4:ピリジン
(S)−1:乳酸エチル
8インチのシリコンウェーハ上に、有機反射防止膜組成物「AR−3」(ロームアンドハース社製)をスピンナーを用いて均一に塗布し、220℃にて60秒間加熱し、膜厚60nmの有機反射防止膜を形成した。次に、該有機反射防止膜上に、−20℃で2週間保存したポジ型レジスト組成物溶液をスピンナーを用いて均一に塗布し、ホットプレート上で115℃、60秒間プレベークして、乾燥させることにより、膜厚380nmのレジスト膜を形成した。
次いで、KrF露光装置(波長248nm)NSR−S203B(Nikon社製、NA(開口数)=0.68,σ=0.75)を用い、バイナリーマスクを介して選択的に露光した。
そして、125℃、60秒間の条件でPEB処理し、さらに23℃にて2.38質量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で60秒間現像し、その後30秒間、純水を用いて水リンスし、振り切り乾燥を行った。
その後、100℃で60秒間加熱して乾燥させて直径180nmのホールパターン(ピッチ360nm)を形成した。該ホールパターンを形成する際の最適露光量EOP(感度)(単位:mJ/cm2)を求め、該EOPにおけるホールのサイズ(直径)(単位:nm)及びホールパターン形状を評価した。
得られた評価結果を表2に示す。
なお、算出した差は、その絶対値が小さいほど、経時によるレジスト組成物の感度劣化が抑制されていることを表す。
ホールパターン形状の評価は、日立製作所社製の走査型電子顕微鏡(測長SEM、S−9200)により観察し、下記基準にて評価した。
A:ホールパターンの内壁の垂直性が高いホールパターンであった。
B1:T−TOP形状であった。
B2:パターンの膜減りが激しく、評価するまでもなかった。
なお、ホールパターン形状の評価結果は、−20℃及び30℃で2週間保存したものの両方とも同じ結果が得られた。
比較例3においては、差の絶対値は9.6nmと小さいが、レジストパターンの膜減りが激しく、かつホールパターン形状が悪かった。
以上より、本発明によれば、経時によるレジスト組成物の感度劣化が抑制されるとともに、必要とされるリソグラフィー特性を有することが確認された。
Claims (4)
- 酸の作用によりアルカリ可溶性が変化する樹脂成分(A)と、露光により酸を発生する酸発生剤成分(B)と、アミン(D)と、酢酸とを、乳酸エチルを含む有機溶剤(S)に溶解してなるレジスト組成物であって、
前記酸発生剤成分(B)は、下記一般式(b−0)
で表される酸発生剤を含むレジスト組成物。 - 前記アミン(D)が第3級アミンである請求項1記載のレジスト組成物。
- 前記第3級アミンが、第3級アルカノールアミン及び/又は第3級アルキルアミンである請求項2記載のレジスト組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジスト組成物を用いて基板上にレジスト膜を形成する工程、前記レジスト膜を露光する工程、前記レジスト膜を現像してレジストパターンを形成する工程を含むレジストパターン形成方法。
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