JP3411878B2 - 同期モータの回転子位置推定方法、位置センサレス制御方法及び制御装置 - Google Patents

同期モータの回転子位置推定方法、位置センサレス制御方法及び制御装置

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JP3411878B2
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    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P2207/00Indexing scheme relating to controlling arrangements characterised by the type of motor
    • H02P2207/05Synchronous machines, e.g. with permanent magnets or DC excitation

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は同期モータの制御方
式に関し、特に突極性を持つ同期モータの回転子位置の
推定方法と、位置センサレス制御方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】永久磁石を界磁とする同期モータを駆動
する方法として、誘導モータのインバータ制御と同様に
回転位置を検出しないでオープンループで駆動する同期
運転方法と、何らかの回転位置検出手段を用いて閉ルー
プで運転するブラシレスDCモータ運転方法がある。
【0003】後者のブラシレスDCモータ運転の場合、
何らかの回転子位置センサを設けると、誘導モータのイ
ンバータ駆動と比較してインバータとモータ間の配線本
数が増加する。このため、保守性、信頼性が低下して適
用範囲に制約を受け、特に圧縮機などのように特殊雰囲
気中の使用が妨げられてしまう。この欠点をなくすため
に、センサを用いずに回転位置を推定する位置センサレ
ス技術が提案されている。
【0004】従来の位置センサレス技術は、巻線インダ
クタンスが回転位置により相違する突極性を利用する方
式と、モータ巻線に誘起される速度起電力の電圧を利用
する方式に大別できる。後者は、停止時および低速時は
速度起電力が発生しないため位置推定が困難になるが、
中・高速時には突極型ならびに非突極型の両方に適用可
能な特徴をもつ。
【0005】速度起電力に基づく位置センサレス技術と
して、例えば電気学会技術報告第719号17頁(従来例
1)に記載された技術がある。この技術は、非突極型の
同期モータに対して、モータの電圧電流測定値から電圧
電流方程式に基づいて速度起電力を求め、固定子から見
た回転子位置を推定する。
【0006】また、特開平8−308286号公報(従
来例2)に開示された技術がある。この技術は、永久磁
石回転子の磁束方向の位置であるd軸と、d軸から回転
方向に90度進んだq軸からなるd−q実回転座標系に
対して、制御上の仮想回転位置dc軸と、dc軸から回
転方向に90度進んだqc軸からなる制御上のdc−q
c回転座標系を定義する。実回転位置の推定は、d−q
回転座標上での電圧電流方程式から導出したモータモデ
ルに基づいて予測したd軸電流と、制御軸上のdc軸電
流の差を取り、その差が仮想回転位置の軸ずれΔθに比
例することを利用する。
【0007】さらに、平成11年電気学会全国大会講演
論文集4−480頁、論文番号1026(従来例3)に
記載された技術がある。この技術は、固定子座標(αβ
軸)での突極性を持つ同期モータの回路方程式におい
て、電流と位置両方に依存する突極機特有の項を、電流
ベクトル方向と誘起電圧(速度起電力)方向の成分に分
解し、永久磁石磁束とリラクタンス磁束などにより誘起
される電圧を表す項をまとめ、これを拡張誘起電圧と定
義している。次に、公知の最小次元オブザーバ手法によ
り、拡張誘起電圧のベクトル成分を推定する式を導出
し、推定された拡張誘起電圧からモータの回転子位置を
求めている。なお、導出された拡張誘起電圧の推定式
は、モータ定数として巻線抵抗r、インダクタンスL
d、Lqを用い、固定子座標における電圧及び電流の値
と、モータの推定速度を用いて演算を行っている。ま
た、演算に電流微分値が必要になるのを避けるため、拡
張誘起電圧と電流に関係する成分の和から構成される中
間変数を導入し、中間変数を推定するように式を変形し
て電流微分値を使わないようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来例1の技術は突極
機に適用できない。その理由は、突極機は回転位置によ
り巻線インダクタンスが変化するため、回転子位置がわ
からないとインダクタンスが決まらず、インダクタンス
による電圧降下の大きさが求められないためである。
【0009】従来例2の技術は、d−q回転座標上のモ
ータモデルを用いて仮想の回転軸であるdc−qc制御回転
座標系の電流値を推定している。このため、仮想回転軸
が実回転位置と大きくずれる場合には位置を正しく推定
できない。また、軸ずれΔθの演算式を導出するときに
sinΔθ≒Δθの近似を行っている。このため、実際の
軸ずれが大きい場合に軸ずれΔθが正しく演算できな
い。よって、モータ負荷の急変化、急な加減速運転の用
途には適さないという欠点がある。
【0010】従来例3の技術は、前述のように固定子座
標(αβ軸)に基づいているので、推定しようとしてい
る拡張誘起電圧は交流量となる。このため、モータの高
速回転時には最小次元オブザーバの推定式による推定の
早さに比べて拡張誘起電圧の変化の方が大きくなり、回
転子位置推定が正しく推定できなくなるという問題があ
る。
【0011】また、観測電流の微分を使わない推定式を
用いている。固定子座標上における観測電流の微分が関
係するのは主にインダクタンスにおける電圧降下分であ
るから、従来例3の技術はインダクタンスの電圧降下成
分を用いずに位置を求めていることになる。このため、
最小次元オブザーバによる推定式は拡張誘起電圧とイン
ダクタンスの電圧降下成分を合わせて推定していること
になる。電圧降下成分は電流に比例して大きくなるか
ら、比較的大きな電流が流れる場合には、拡張誘起電圧
に対して電圧降下成分の方が大きくなり、オブザーバに
よる位置推定の精度が低下するという問題がある。
【0012】さらに、近年のモータの小形化によって、
電流増加時の磁束飽和によってインダクタンス値が非常
に変動しやすくなっている。従来例2、3の技術では位
置推定の際に、モータ巻線のインダクタンスのパラメー
タとして、LdとLqの2つが必要になる。このため、
2つのインダクタンスパラメータLd、Lqの変動に影
響されず、回転子位置推定を正しく推定できるようにす
る必要があるが、2つのパラメータに対して補正をしな
ければならないため構成が複雑になる。
【0013】本発明の目的は、上記した従来技術の問題
点に鑑み、突極性を持つ同期モータの回転子位置を誘起
電圧の位相から正確に推定できる回転子位置推定方法
と、この推定方法を適用して高速運転、あるいは負荷急
変や急加減速運転を安定に行うことができる同期モータ
の位置センサレス制御方法及び制御装置を提供すること
にある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明では、突極性を持
つ同期モータ(突極機と略称する)の回転子位置をモー
タ誘起電圧の位相から推定する精度を向上するために、
従来例2、3のような観測不能量や近似値を用いないこ
とに留意した。突極機の電圧方程式に基づいて誘起電圧
を求める場合に、モータ巻線のインダクタンスによる電
圧降下は回転子位置に依存するため、位置センサレスで
は観測できない。
【0015】本発明は、誘起電圧の大きさはともかく、
位相が正しく推定できれば所期の目的を達成できること
に着目し、インダクタンスによる電圧降下が回転子位置
に依存しない仮想電圧降下の概念を導入し、これによっ
て求めても、本来の誘起電圧の位相を損なうことがない
ように、前記電圧方程式における前記仮想電圧降下のベ
クトル関係を見出してなし得たものである。
【0016】上記目的を達成する本発明は、突極性を持
つ同期モータの誘起電圧を、モータ印加電圧からモータ
巻線の抵抗による電圧降下及びインダクタンスによる電
圧降下のベクトル差により推定するときに、前記インダ
クタンスによる電圧降下を、前記インダクタンスに所定
値を用い、かつモータ電流(Im)に対して所定位相だ
けずれた量である仮想電圧降下により求める。そして、
推定した誘起電圧からその位相を算出して前記回転子位
置を推定することを特徴とする。前記仮想電圧降下のベ
クトルは、前記誘起電圧の位相を変化させないように導
かれている。または、変化分が演算できるように導かれ
ている。
【0017】突極性を持つ同期モータのインダクタンス
定数にはLdとLqがある。インダクタンス定数Ld
は、回転座標系(d−q軸)のd軸電流と磁束φdの関
係を表すパラメータで、永久磁石型の場合は磁石が作る
磁束とd軸電流による磁束φdの方向は同じになる。イ
ンダクタンス定数Lqは、q軸電流と磁束φqの関係を
表すパラメータで、永久磁石型の場合は磁石が作る磁束
とq軸電流による磁束φqは直交する。
【0018】本発明の一態様では、前記インダクタンス
電圧降下は、モータ電流(Im)に対して90度進むベ
クトルとし、前記所定値に突極機のモータ電気定数であ
るインダクタンスLqを用い、このLqと、観測可能な
前記モータ電流の大きさと、観測可能なモータ印加電圧
の周波数(ω1)またはモータ速度指令値(ωr*)と
の積により求める。これにより、誘起電圧の位相に変化
を与えないインダクタンス電圧降下を、観測可能な量に
基づいて算出できるので、誘起電圧の位相の推定が簡単
に行える。
【0019】また、前記所定値にインダクタンス定数L
q、Ldを用い、インダクタンス電圧降下をモータ電流
の微分成分も考慮して求めてもよい。後述するように、
微分項の関係する演算には定数Ldが用いられる。
【0020】さらに、仮想電圧降下の算出に定数Ld、
Lqによらない他の定数を用いたり、仮想電圧降下のモ
ータ電流に対する進み角を90度以外の所定角として
も、後述のように、本来の誘起電圧の位相の推定が可能
になる。
【0021】このように、本発明は仮想電圧降下の概念
を導入したことで、誘起電圧の位相、従って、回転子位
置を、観測可能な量に基づいて精度よく推定できる。前
記仮想電圧降下はインダクタンスに定数を用いる演算モ
デルであるが、定数を用いた影響が誘起電圧の位相に表
われないようにベクトル関係を導いているので、本発明
で求める誘起電圧の位相は従来例のような近似(sin
Δθ≒Δθ)ではなく、広い範囲に亘って正確な値を得
ることができる。
【0022】また、本発明の同期モータのセンサレス制
御方法は、上記のように観測可能量から推定した誘起電
圧の位相が、制御回転座標上の仮想の回転子位置と観測
不可能な実際の回転子位置との軸ずれ角を表すことに基
づいて、この軸ずれ角が実際の回転子位置より仮想の回
転子位置が回転子の回転方向に進んでいることを示す値
の場合は仮想の回転子位置の回転速度を下げるように、
また、遅れていることを示す値の場合は仮想の回転子位
置の回転速度を上げるように、モータ印加電圧の周波数
を制御することを特徴とする。
【0023】あるいは、前記誘起電圧の位相から推定し
た軸ずれ角が実際の回転子位置より仮想の回転子位置が
回転子の回転方向に進んでいる値の場合は、実際の回転
子位置の回転速度を上げるように、また、遅れている値
の場合は実際の回転子位置の回転速度を下げるように、
モータのトルク指令値を制御する。
【0024】これによれば、モータ誘起電圧の位相から
制御軸と実軸の軸ずれΔθを直接に求めるので、負荷急
変などで軸ずれが大きくなる場合でも、安定で精度の高
い制御が可能になる。
【0025】また、本発明の制御方式では、前記軸ずれ
角の誤差補償値を設定し、軸ずれ角と誤差補償値の差が
零となるように前記モータ印加電圧の周波数またはトル
ク指令値を制御することを特徴とする。さらに、前記誤
差補償値の設定は、前記モータの回転数や負荷が一定の
状態で前記モータ電流が最小化するように調整する。こ
れにより、設定パラメータ誤差の影響を回避し、より高
精度の制御が実現できる。
【0026】次に、本発明の動作原理について、突極機
の電圧方程式から軸ずれΔθを導出する過程を含めて説
明する。
【0027】図2は永久磁石同期モータの解析モデル図
で、U相、V相、W相の固定子巻線と永久磁石回転子を
示している。図示の回転角度は、モータを駆動する交流
電圧の電気角で表している。d軸を永久磁石回転子の磁
束方向の位置にとり、制御上の仮想回転子位置としてd
c軸をとる。図示していないが、d軸から90度進んだ
位相にq軸をとり、dc軸から90度進んだ位相にqc
軸をとる。回転子座標は、d軸とq軸を座標軸に選んだ
座標系である。これ以後、d−q座標軸を単に実軸と呼
ぶ。また、仮想回転子座標(制御上の回転子座標)は、
dc軸とqc軸を座標軸に選んだ座標系である。これ以
後、dc―qc座標軸を単に制御軸と呼ぶ。
【0028】実軸は回転しており、回転速度をωrとす
る。制御軸も回転しており、回転速度をω1とする。ω
1は制御軸の回転速度であるが、モータが外部から駆動
されている場合には、モータ印加電圧の周波数に相当す
る。また、ある瞬間の回転している実軸において、d軸
の位相を固定子のU相巻線軸を基準としてθdにより表
す。同様に、制御軸ではdc軸の位相をθdcで表す。
なお、位相の極性は、図2の回転座標軸の回転方向が反
時計回りの場合を正と定める。ここで、実軸と制御軸と
の軸ずれ角Δθを、数1によって定義する。
【0029】
【数1】
【0030】突極性を持つ永久磁石同期モータの回転子
座標で、数2の電圧方程式が成り立つことが知られてい
る。ただし、r、LdおよびLqはモータ巻線の抵抗、
インダクタンスを表す電気定数パラメータ、pは微分演
算子である。
【0031】
【数2】
【0032】ここで、VdとVqはモータ印加電圧V1
のd軸成分とq軸成分であり、IdとIqはモータ電流
Imのd軸成分とq軸成分である。なお、Vd、Vq、
Id、Iqは実軸上の電圧、電流値であるから、実軸の
位置がわからない位置センサレス制御の場合は観測不能
な量である。また、数2の右辺第4項のkE・ωrはモ
ータの回転により生じる速度起電力、つまり、誘起電圧
の大きさを表している。
【0033】位置センサレス制御の場合、印加電圧V1
の周波数ω1は観測可能だが、回転子の回転速度ωrは
観測不能である。そこで、数2を仮想回転子座標の式に
変形する。実軸と制御軸の軸ずれはΔθであるから、実
軸の電圧、電流ベクトルは、観測可能な制御軸の電圧V
dc及びVqc、電流値IdcおよびIqcから、数3
により表される。
【0034】
【数3】
【0035】数3を数2へ代入して整理すると、仮想回
転子座標の電圧方程式は数4により表される。
【0036】
【数4】
【0037】ここで、インダクタンスLdc、Lqc、
Ldqcは数5により表される。
【0038】
【数5】
【0039】数5からわかるように、Ldc、Lqc、
Ldqcは軸ずれΔθに依存して値が変化する。
【0040】図3は突極性を持つ永久磁石モータにおい
て、各部の電圧の関係を表したベクトル図である。モー
タ印加電圧V1は、速度起電力である誘起電圧と、抵抗
での電圧降下ベクトルVr、インダクタンスでの電圧降
下ベクトルVLの和で表される。ここでは、簡単のため
にモータ電流Id、Iqの変化がなく、一定値と見なせ
る場合のベクトル図を示している。これは、数2の右辺
第3項、あるいは数4の右辺第3、4項の微分項を無視
したことになる。
【0041】一般に、速度起電力に基づく磁極位置の推
定は、モータ誘起電圧の位相が磁束軸から90度進んだ
q軸方向に現れることを利用している。そこで、制御軸
であるdc−qc座標上において、誘起電圧ベクトルの
成分を推定し、そのベクトルがqc軸となす角を図3に
示すように求めれば、制御軸と実軸との軸ずれΔθを求
めることができる。誘起電圧項は外部から観測できない
ので、通常は観測可能な量から誘起電圧項を推定する。
推定には各種方法が提案されているが、基本的にはモー
タ印加電圧V1から、抵抗及びインダクタンスにおける
電圧降下ベクトルVr、VLを差し引いて推定誘起電圧
を求める。
【0042】誘起電圧項の推定に必要な電圧降下ベクト
ルのなかで、抵抗の電圧降下Vrは観測可能な量から演
算可能である。Vrは、位相がモータ電流Imと同位相
であり、大きさがモータ電流のr倍になる。この関係は
座標系によらず成り立ち、ベクトル図上ではVrとIm
が同じ方向で表される。このため、観測可能なdc−q
c座標における電流検出値Idc、Iqcから、抵抗の
電圧降下Vrは演算できる。
【0043】一方、インダクタンスでの電圧降下VLは
実軸の位置がわからないと演算することができない。V
Lは、実軸上でd軸方向が−ω1・Lq・Iqで、q軸
方向がω1・Ld・Idで表されるベクトルであり、V
Lを求めるには実軸での電流値Id、Iqが必要にな
る。しかし、実軸での電流値Id、Iqは観測不能であ
るため、インダクタンスの電圧降下VLを演算すること
ができない。
【0044】これを電圧方程式で説明する。数4におい
て右辺第2、3、4項が電圧降下VLを表しているが、
これらはインダクタンスパラメータLdc、Lqc、L
dqcを含んでいるので、軸ずれΔθの値が求まらなけ
れば演算できない。位置センサレス制御ではΔθは求め
られないから、VLを演算することができない。例え
ば、引用例2の技術では、軸ずれΔθが零の場合のイン
ダクタンス値を用いてVLの近似値を演算している。し
かし、軸ずれΔθが零近傍から外れると近似誤差が大き
くなるため、誘起電圧位相を正しく推定できなくなる。
【0045】そこで、本発明では、インダクタンスの電
圧降下に仮想電圧降下の概念を導入した。仮想電圧降下
は一種の演算モデルであるが、これを用いて演算して
も、目的の誘起電圧の位相の精度を損なわないように、
(1)仮想電圧降下VL’は観測可能な電流量から演算
できること、(2)上記(1)を満たすため、VL’は
電流位相から所定の位相だけずれた成分で、電流微分値
の位相から所定の位相だけずれた成分で、または、前記
2つの位相の成分の和により構成されること、(3)モ
ータ印加電圧V1から、抵抗の電圧降下Vrおよび仮想
電圧降下VL’を差し引いて求めたベクトル(仮に、仮
想誘起電圧と呼ぶ)の位相は、本来のモータ誘起電圧の
位相と同一になるようにベクトル関係を保持すること
を、条件として導出した。なお、差し引いて求めた仮想
誘起電圧の位相と誘起電圧の位相が同一となるために
は、VL’の大きさを適切に定めなければならない。
【0046】本発明では演算を簡単にするために、条件
(2)において、仮想電圧降下VL’を電流位相から9
0度進んだ位相の成分と、電流微分の位相と同位相の成
分の和によって構成する。これにより、モータ印加電圧
V1から、抵抗の電圧降下Vrおよび仮想電圧降下V
L’を差し引いて求めたベクトルの位相は、本来の誘起
電圧の位相と同じになる。なお、仮想電圧降下VL’の
算出式の導出結果として、後述のように、電流位相から
90度進んだ位相の成分のみにより構成されてもよい。
【0047】次に、これらの条件を満たす仮想電圧降下
を説明する。図4は、図3と同様の電圧方程式の関係
を、仮想電圧降下VL’を用いて描いたベクトル図であ
る。図3の電圧降下VLではd軸、q軸で違っていたイ
ンダクタンス値を、図4の仮想電圧降下VL’では、条
件(2)を満たすため、どちらも同じインダクタンス値
とする。また、条件(3)を満たすために、VL’では
誘起電圧と同じ位相のq軸成分のインダクタンス値を変
更する。
【0048】これにより、VL’ではIdとIqに乗じ
る係数が両者とも同じω1・Lqとなるから、VL’の
位相は観測電流Imから90度進んだ位相となる。従っ
て、制御軸の電流観測値Idc、Iqcが求まれば、VL’の
位相は電流Imから90度進んだ位相として求めること
ができる。また、VLとVL’で異なるのはq軸方向成
分であるから、白抜き矢印で示した誘起電圧(仮想誘起
電圧)は、図3の誘起電圧と比べると変化するのは大き
さだけであって、位相は変化していない。即ち、定数L
qを用いてインダクタンスによる電圧降下を算出するこ
とで、誘起電圧の位相の情報が損なわれることはない。
なお、図3と図4で、誘起電圧及びそれと同相のインダ
クタンス電圧降下の大きさの和は同じになる。
【0049】図4の仮想電圧降下VL’の2つの成分
は、図3との比較を容易にするために、観測不可能な実
軸上の値で示している。図5は、図4の仮想電圧降下V
L’を観測可能な制御軸上の値で示したものである。す
なわち、図5において観測できる電流値Idc、Iqcを用
い、それぞれにLq・ω1を乗じた成分によって、仮想
電圧降下VL’を表している。
【0050】次に、仮想電圧降下VL’を用いた図5の
電圧関係を、突極機のdq座標上の電圧方程式として導
出する過程を説明する。数2は実軸上の電圧方程式で、
右辺第2、第3項がインダクタンスの電圧降下VLを表
している。これを数6、数7のように分けて表す。
【0051】
【数6】
【0052】
【数7】
【0053】数6では、数2右辺第2項を、電流位相か
ら90度進んだ成分と、調整成分に分けて表している。数
7では、数2右辺第3項を、電流の微分量と同じ位相の
成分と、調整成分に分けて表している。
【0054】数6および数7の右辺第1項は、突極性に
よってdq軸で異なるインダクタンスの値を一定と仮定
して求めた電圧降下といえる。ただし、一定にするイン
ダクタンス値は、数6、数7の左辺のベクトルにおい
て、d軸成分に使われているインダクタンス値とする。
これは、数6、数7の右辺第2項の調整成分が、誘起電
圧の成分と同じq軸に値を持つようにするためである。
【0055】数6、数7の各々の右辺第1項をまとめた
ものを仮想電圧降下VL’として、VL’は数8により
表される。
【0056】
【数8】
【0057】以上をまとめると、インダクタンスの仮想
電圧降下は以下により演算される電圧降下である。即
ち、回転速度ω1に比例する項は、インダクタンスLq
を使って計算する。電流変化dId/dt、dIq/dt
に比例する項は、インダクタンスLdを使って計算す
る。
【0058】次に、数6、数7を数2へ代入すると、仮
想電圧降下を用いた場合の実軸における突極機の電圧方
程式は数9により表される。
【0059】
【数9】
【0060】数9の右辺第1〜第3項は、抵抗での電圧
降下とインダクタンスでの仮想電圧降下である。
【0061】数9の右辺第4項は、仮想電圧降下を用い
たときの誘起電圧分と考えられる。この誘起電圧は、数
2の誘起電圧と大きさは異なるが、成分はq軸に含ま
れ、d軸成分は零であることから、位相は全く同じにな
る。第4項の中の各項は、kE・ωrが永久磁石界磁に
よって生じる速度起電力、ω1・(Ld−Lq)Idが
リラクタンストルクと関係する誘起電圧分、(Lq−L
d)pIqがq軸電流の変化による誘起電圧を表してい
る。
【0062】数9を制御軸における電圧方程式に変形す
る。まず、数3を数9へ代入して、数10を得る。
【0063】
【数10】
【0064】数10を変形していくと、最終的に仮想電
圧降下を用いたときの制御軸における突極機の電圧方程
式は、数11として表される。
【0065】
【数11】
【0066】数11からΔθを導く式を導出する。ま
ず、数11の誘起電圧項をまとめて、数12を得、数1
2から、制御軸と実軸の軸ずれΔθを表す数13が得ら
れる。
【0067】
【数12】
【0068】
【数13】
【0069】以上のように、突極機の電圧方程式である
数2を変形した結果、仮想電圧降下を用いた電圧方程式
を経て、制御軸と実軸の軸ずれΔθを表す数13が得ら
れる。この導出の過程では、sinΔθ≒Δθの近似を行
ったり、インダクタンスの値を近似したりしていない。
従って、数13はどのような運転状態においても成立す
る。例えば、制御軸と実軸が同期せずに回転している場
合でも成り立つ。
【0070】数13の右辺において、唯一観測できない
量がΔθの微分である。そこで、位置センサレス制御で
回転子位置推定に使用できる軸ずれΔθの推定式を次の
ように導出する。
【0071】Δθの微分は数1から、実軸速度と制御軸
速度の差によって、数14のように表される。
【0072】
【数14】
【0073】永久磁石同期モータが脱調しないで駆動さ
れている場合は、実軸速度ωrと制御軸速度ω1が近い
値をとる。このため、数13のIdc、Iqcの係数部
は数15のように近似でき、軸ずれ推定式は数16で表
される。なお、通常のモータ運転では脱調しないように
制御するものであり、数15の近似が実用上の精度を低
下させることにはならない。
【0074】
【数15】
【0075】
【数16】
【0076】数16によれば、制御軸の位置に依存する
ことなく観測可能な値から突極機の誘起電圧の位相角、
つまり、軸ずれ角Δθを正確に推定できるので、本発明
の位置センサレスによる回転子位置の推定が可能にな
る。また、このΔθを用いた突極機の位置センサレス制
御により、数万rpmの高速運転や、大きな軸ずれが発
生する負荷急変や急加減速運転などにおいても、脱調し
ない安定な制御を実現することができる。
【0077】さらに、永久磁石同期モータが脱調しない
で駆動されている場合、回転座標系に変換された電流I
dc、Iqcの微分はモータ電流の大きさIm(波高
値)の変化及びモータ電流の位相の変化を表している。
これは、後述する数24において、検出電流である相電
流iu,iwに、iu=Im・cos(θdc+π/2+φ
c)、iw=Im・cos(θdc−4π/3+π/2+φ
c)を代入し、IdcとIqcの微分を計算すれば示される
(ただし、φcは電流の位相)。
【0078】ところで、モータ速度や負荷が一定の状態
では、モータ電流の大きさ及び位相の変化は微小である
から、電流Idc、Iqcの微分項は零とみなせる。そこ
で、電流Idc、Iqcの微分項を無視できると仮定す
れば、さらに簡略化された軸ずれ推定式として数17が
得られる。
【0079】
【数17】
【0080】数17では、インダクタンスのパラメータ
で必要なのはLqのみとなり、図5のベクトル図と同じ
電圧関係になっている。パラメータ誤差が軸ずれ推定値
に与える影響を考慮すると、推定式に用いるパラメータ
は少ないほど好ましい。従って、数17を用いて軸ずれ
Δθを推定する方法は、従来例2、3に比べてロバスト
性の面でも優れている。
【0081】数17は、インダクタンスの仮想電圧降下
VL’の計算に定数Lqを用い、VL’の位相がモータ
電流Imより90度進むベクトル関係から導かれたもの
で、簡単な計算によって誘起電圧の位相を推定すること
ができる。しかし、定数Lqと異なる定数や、90度以
外の位相として求めた仮想電圧降下VL’によっても、
計算は多少複雑になるが本来の誘起電圧の位相推定は可
能になる。
【0082】仮想電圧降下VL’の算出にLqと値の異
なるLq’を用いた場合、VL’のベクトルが図4また
は図5の関係にならないので、推定した誘起電圧の位相
は本来の位相とずれてしまう。しかし、LqとLq’の
差△Lqが分かれば、推定した誘起電圧のd軸成分の大
きさは“ ω1・△Lq・Iq” 、q軸成分の大きさは
“ KE・ωr+ω1(Ld−Lq’)Id ”となるの
で、推定した誘起電圧の位相ずれは演算により求められ
る。従って、インダクタンス電圧降下の演算に任意のパ
ラメータ値Lq’を用いても、本来の誘起電圧の位相の
推定ができる。
【0083】また、VL’の位相を90度以外の位相に
選んだ場合は、推定した誘起電圧の位相は本来の位相と
ずれる。しかし、選んだ位相とモータ電流の位相が分か
っていれば、推定した誘起電圧の位相ずれは演算により
求められる。従って、インダクタンスの仮想電圧降下の
ベクトルをモータ電流から90度進み以外に選んだ場合
でも、位相ずれを考慮すれば本来の誘起電圧の位相の推
定ができる。
【0084】次に、軸ずれ推定式の他の導出を説明す
る。上記では、数13に表す制御軸での電圧、電流量か
ら軸ずれΔθの推定式を導出したが、軸ずれは観測座標
系が変わっても同様に求めることができる。以下では、
モータの電流軸を基準とした座標系において、軸ずれΔ
θの推定式の導出を説明する。
【0085】図6は、図3および図4と同条件でのベク
トル図を、電流軸を基準として示している。なお、qc
軸からみた電流軸の位相をφc、電流軸からみたモータ
印加電圧V1の位相をφvとする。また、q軸からみた
電流軸の位相をφmとする。φmとφcの間にはφm=
φc+Δθの関係が成り立つ。なお、φc、φvは観測
可能な量であるが、φmは観測不能な量である。
【0086】電流軸を観測座標の基準として選ぶと、モ
ータ印加電圧ベクトルとモータ電流ベクトルは、数18
により表される。
【0087】
【数18】
【0088】数18のベクトル量は、電流の方向に対し
て直交する成分と同方向の成分を表している。即ち、電
圧V1は、電流と直交する電圧成分が−V1・sinφ
vであり、電流と同方向の電圧成分がV1・cosφv
である。同様に、電流は、直交方向の成分が零であり、
同方向の成分が電流の大きさImである。
【0089】一方、抵抗の電圧降下Vrは電流と同位相
になるから、電流と直交する成分が零であり、電流と同
方向の電圧成分がr・Imになる。また、インダクタン
スでの仮想電圧降下VL’は電流から90度位相が進ん
だ成分だから、電流と直交する成分が“−Lq・ω1・
Im”であり、電流と同方向の電圧成分が零になる。
【0090】以上より、電流軸を基準とした誘起電圧
は、電流と直交する成分が“−V1・sinφv−Lq
・ω1・Im”、電流と同方向の成分が“V1・cos
φv−r・Im”としてそれぞれ求められる。従って、
これらの値を用いれば、観測不可能なφmを求めること
ができる。
【0091】次に、電流軸を基準としたときの電圧方程
式を導き、そこから軸ずれΔθを表す式を導出する。実
軸の電圧、電流ベクトルは数18の電流軸を基準とした
量から、数19により演算できる。
【0092】
【数19】
【0093】数19を、仮想電圧降下を用いた場合の実
軸における突極機の電圧方程式である数9に代入して整
理すると、数20が得られる。
【0094】
【数20】
【0095】数20の右辺第4項には、電流軸で観測し
たときの誘起電圧の位相情報φmが含まれる。右辺第4
項についてまとめ、φmについて解くと数21が得られ
る。
【0096】
【数21】
【0097】ここで、Δθ=φm−φcであるから、軸ず
れΔθが数22により表される。
【0098】
【数22】
【0099】数22の右辺において、モータ電圧の大き
さV1と位相φv、電流の大きさImと位相φc、制御
座標軸の回転速度ω1は観測可能な量である。また、数
16、数17を求めたときと同様の近似を行うと、電流
軸を観測系としたときの軸ずれΔθの推定式は数23で
表される。
【0100】
【数23】
【0101】数23によれば、制御軸の位置に依存する
ことなく観測可能な値から突極機の軸ずれ角Δθを正確
に推定できるので、本発明の位置センサレスによる回転
子位置の推定が可能になる。数17と同様に、数23は
インダクタンスのパラメータで必要なのはLqのみにな
るので、ロバスト性も優れている。
【0102】なお、数13、数16、数17、数21、
数22及び数23のそれぞれにおいて用いたtanの逆関
数は、関数の入力となる分母、分子の符号を考慮して出
力範囲を−π〜π(rad)にひろげた拡張関数を用い
る。特に断らない限り、本発明において用いるtanの
逆関数は、上述のように拡張された関数とする。
【0103】また、本説明ではモータ回転子の回転方向
が正の場合について説明したが、回転方向が逆の場合で
は、速度起電力の方向が正転時と変わるのを考慮して、
軸ずれΔθを求めるtan逆関数の分母と分子の符号を考
慮することにより、同様に軸ずれΔθを求めることがで
きる。
【0104】以上述べたように、本発明では制御系から
観測可能な量を用いて軸ずれΔθを推定することができ
る。これら得られた軸ずれΔθの推定値を用い、永久磁
石同期モータの位置センサレス制御を以下の方法によっ
て行う。
【0105】第1の方法として、得られた軸ずれΔθの
推定値に基づいて、Δθが零になるようにモータに加え
る交流電圧の周波数ω1を修正する方法がある。このよ
うに周波数を制御することによって、仮想回転軸をモー
タの回転子軸に追従するように制御できる。また、第2
の方法として、得られた軸ずれΔθの推定値に基づい
て、Δθが零になるようにモータのトルク指令値を修正
する方法がある。これにより、モータの回転子軸は制御
軸の回転に追従するように制御される。
【0106】ところで、前述した数16、数17あるい
は数23で表される軸ずれΔθの推定式は、用いるパラ
メータが実際の値と一致する場合はΔθを正しく推定で
きる。しかし、パラメータ設定値には誤差分が含まれ、
実際の値からずれているのが普通である。このため、パ
ラメータ誤差によって軸ずれΔθの推定値には誤差が生
じる。
【0107】例えば、数17において、軸ずれΔθを推
定するときに必要なパラメータ値は、抵抗r、インダク
タンスLqである。ここで、Lqの設定値が実値よりも
大きいときには、図4において仮想電圧降下VL’が大
きくなるから、推定した誘起電圧の位相は、白抜き矢印
で示した誘起電圧の真値よりも遅れてしまう。同様に、
抵抗rが大きい場合には図4において電圧降下Vrが大
きくなるから、推定した誘起電圧の位相は、白抜き矢印
で示した誘起電圧の真値よりも進んでしまう。
【0108】以上のように、パラメータ誤差による影響
は、軸ずれΔθの推定値に定常的な誤差として現れる。
実際には、複数のパラメータ誤差の影響が複合して、最
終的な軸ずれΔθの誤差が決まる。
【0109】この誤差のため、制御軸の位相は実軸に一
致させることができず、定常的な軸ずれΔθeが残る。
この状態では指令値通りの電流が実軸に流れず、トルク
発生に関係する電流成分が減少する。これにより発生ト
ルクが減少し、回転子の速度低下を招く。この時、位置
センサレス制御系は速度が低下しないように、モータ電
流を増加するように動作する。結果的に、定常的な軸ず
れΔθeが生じるとモータ電流は大きくなる。
【0110】これを逆に考えると、実軸と制御軸の位相
が一致すれば、モータ電流の大きさは最小になることを
示している。この現象を利用して、本発明では推定誤差
Δθeを以下のように補正する。
【0111】推定誤差Δθe補正のため、軸ずれ誤差補
償値Δθ*を導入し、Δθ*−Δθが零になるように、
モータに加える交流電圧の周波数ω1を修正する。また
は、Δθ*−Δθが零になるようにモータのトルク指令
値を修正する。軸ずれ誤差補償値Δθ*には初期値とし
て零を代入し、モータの回転数や負荷が一定で変化しな
い状態で、モータ電流を最小化するようにΔθ*を微小
量に変化させる。その結果、誤差補償値Δθ*は、最終
的に軸ずれ推定での定常誤差Δθeに限りなく近くする
ことができ、推定誤差Δθeの影響を軽減できる。
【0112】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態について、図1
から図12参照して説明する。図1は本発明の一実施例
で、同期モータの位置センサレス制御を実現する制御装
置の全体構成を示す。電源11は直流電圧Edcを作成
し、平滑コンデンサ12を充電する。直流電圧Edcは
インバータ13によって可変電圧、可変周波数の3相交
流に変換され、同期モータ2に印加される。電圧検出部
31はモータに加える電圧を制御するために必要な直流
電圧Edcを検出する。モータ電流検出部32は位置セ
ンサレス制御に必要なモータ電流を検出する。
【0113】座標変換部41は、モータ電流検出部32
で検出されたモータ電流iu、iwより、仮想回転子位
置dc軸の位相θdcに基づいて座標変換を行い、制御
上の仮想回転座標dc−qc座標系におけるdc軸電流
Idc、qc軸電流Iqcを出力する。電流Idc、I
qcは検出したモータ電流iu、iwから変換された観
測可能な値(観測値)で、以下では観測電流と呼ぶ。
【0114】観測電流Idcは、電流指令作成部52か
ら出力されたd軸電流指令値Idc*と比較され電流誤
差が演算される。d軸電流制御部42dは前記電流誤差
に基づいてIdcが指令値に追従するように制御する。
同様に、観測電流Iqcは、電流指令作成部52から出
力された電流指令値Iqc*と比較され電流誤差が演算
される。q軸電流制御部42qは前記電流誤差に基づい
てIqcが指令値に追従するように制御する。
【0115】電流フィードフォワード補償部43は電流
応答向上、及びd軸とq軸電流制御系間の非干渉化のた
めに用いるフィードフォワード補償要素である。d軸電
流制御部42d、q軸電流制御部42q、および電流フ
ィードフォワード補償部43により出力された信号によ
り、d軸電圧指令Vdc*、q軸電圧指令Vqc*が演
算される。
【0116】逆変換部44は、電圧指令Vdc*、Vq
c*より、仮想回転子位置dc軸の位相θdcに基づい
て逆変換を行い、3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*
を作成する。作成された3相電圧指令に基づいて、パル
ス幅変調部45により周知のパルス幅変調(PWM)さ
れたドライブ信号が作られ、駆動回路を介してインバー
タ13の半導体スイッチ素子が制御される。
【0117】速度制御部51では、速度指令ωr*と推
定速度ωr_detよりトルク指令τ*を作成する。電
流指令作成部52はトルク指令τ*の値から、d軸電流
指令Idc*、q軸電流指令Iqc*を作成する。推定
速度ωr_detは制御軸の回転速度であるインバータ
出力周波数ω1から高周波変動成分を取り除いたもの
で、センサを持つ制御系での検出速度に相当する。イン
バータ出力周波数ω1はモータ印加電圧の周波数であ
り、ω1を積分すると制御軸上の回転子位置(仮想回転
子位置)θdcが得られる。
【0118】なお、本明細書の特許請求の範囲において
は、上記の50〜52の各部をまとめて電流指令作成部
と呼び、また、42d,q〜44及び53〜55の各部
をまとめて電圧指令演算部と呼んでいる。
【0119】本実施例の特徴部となる誘起電圧・軸ずれ
推定演算部61は、後述するように電圧指令Vdc*、
Vqc*、検出電流Idc、Iqc、および回転速度情
報として速度指令ωr*の値から同期モータ2の誘起電
圧を推定する。そして、推定した誘起電圧の位相から軸
ずれ推定値Δθを演算し出力する。また、誘起電圧の大
きさ|E0|を出力する。
【0120】軸ずれ誤差補償部7は推定された軸ずれΔ
θについて、上述のパラメータ誤差の影響を補償する補
償量Δθ*を作成する。速度位相推定部62は軸ずれΔ
θ、軸ずれ誤差補償部7が出力する軸ずれ誤差補償値Δ
θ*からモータ印加電圧の周波数ω1を決定し、ω1よ
り検出速度ωr_detと仮想軸位相(仮想回転子位
置)θdcを演算し出力する。ωr_detは速度制御
部51の速度制御部でモータ2の検出速度として用いら
れる。一方、θdcは座標変換部41及び逆変換部44
において変換を行う際に用いられる。
【0121】次に各部の動作を詳細に説明する。図7は
座標変換部41の演算内容を説明するブロック図であ
る。モータ電流検出部32より出力された検出電流i
u、iw、及び速度位相推定部62より出力された位相
θdcは座標変換演算部411に入力される。演算部4
11では数24に従って、dc−qc座標軸上の観測電
流Idc、Iqcが演算される。
【0122】
【数24】
【0123】モータ2の検出電流iu,iwにはスイッ
チングリプルやノイズ成分が含まれる。そこで、座標変
換部41では数24により演算した結果に対して、フィ
ルター412、413を作用させ、dc−qc座標軸上
の観測電流から上述の成分を除く。このため、フィルタ
412、413の時定数は、インバータのスイッチング
周波数やモータ電流検出部32の回路仕様に合わせて所
定の値に設定される。
【0124】次に速度制御部について説明する。速度指
令ωr*と、速度位相推定部62から出力された推定速
度ωr_detは、その差(ωr*)−ωr_detが
加算器50で演算され、速度制御部51に入力される。
速度制御部51ではωr_detがωr*に追従するよ
うにトルク指令τ*が演算され、出力される。電流指令
作成部52ではトルク指令τ*を入力として、dc軸電
流指令値Idc*とqc軸電流指令値Iqc*を求め出
力する。これらの電流指令値は、運転状態に応じて所定
の評価関数が最小になるように決める。
【0125】電流指令作成部52より出力されたd軸電
流指令値Idc*と、座標変換部41から出力されたd
軸電流Idcは加算器53に入力され、両者の差が演算
される。d軸電流制御部42dでは、(Idc*)−I
dcの値を零にするような補償電圧が演算され、d軸補
償電圧VIdが出力される。また、電流指令作成部52
より出力されたq軸電流指令値Iqc*と、座標変換部
41から出力されたq軸電流Iqcは加算器に入力さ
れ、両者の差が演算される。q軸電流制御部42qは、
(Iqc*)−Iqcの値を零にするような補償電圧が
演算され、q軸補償電圧VIqが出力される。また、d
軸電流指令値Idc*、q軸電流指令値Iqc*、およ
び速度指令ωr*は電流フィードフォワード補償部43
に入力され、d軸モデル電圧Vdm*、およびq軸モデ
ル電圧Vqm*が出力される。このモータ電圧モデルは
Id*、Iq*、ωr*を用い、数25により表現され
る。
【0126】
【数25】
【0127】数25のモータ電圧モデルは数2より導出
されるもので、数2の電流変化項を省略し、電圧、電流
をすべて指令値に、またモータ定数をすべて設定値に置
き換えたものである。また、モータ2が脱調しないで駆
動されている場合、制御軸の回転速度ω1は速度指令値
ωr*とほぼ等しいと見なせるため、ω1をωr*に置
き換えている。
【0128】d軸補償電圧VIdとd軸モデル電圧Vd
m*の和が加算器55で演算され、dc軸電圧指令Vd
c*が逆変換部44に出力される。また、q軸補償電圧
VIqとq軸モデル電圧Vqm*の和が加算器56で演
算され、qc軸電圧指令Vqc*が逆変換部44に出力
される。
【0129】逆変換部44は制御軸上での電圧指令Vd
c*、Vqc*を受けて3相電圧指令を生成する。即
ち、dc軸電圧指令Vdc*およびqc軸電圧指令Vq
c*を入力とし、数26に従って3相電圧指令Vu*、
Vv*、Vw*が演算される。
【0130】
【数26】
【0131】パルス幅変調部45は既知のパルス幅変調
を行う変調手段である。ここで、必要に応じて電圧検出
部31によって直流電圧部の電圧Edcを検出する。
【0132】次に誘起電圧・軸ずれ推定演算部61につ
いて説明する。図8は、誘起電圧推定・軸ずれ演算部の
一実施例を示すブロック図である。誘起電圧・軸ずれ推
定演算部61は制御軸であるdc−qc座標系において
軸ずれΔθを演算し、推定値を出力する。
【0133】誘起電圧・軸ずれ推定演算部611では、
観測電流Idc及びIqc、電圧指令Vdc*、Vqc
*、速度指令ωr*の値から、dc−qc座標軸におけ
る誘起電圧のdc軸成分E0dc及びqc軸成分E0qcを
数27に基づいて演算する。
【0134】
【数27】
【0135】数27は数17より導出されるもので、数
17の電圧を指令値に、またモータ定数(r、Lqな
ど)をすべて設定値に置き換えたものである。また、モ
ータ2が脱調しないで駆動されている場合、制御軸の回
転速度(モータ印加電圧の周波数)ω1は速度指令値ω
r*とほぼ等しいと見なして、ω1をωr*に置き換え
ている。なお、速度位相推定部62により軸ずれΔθか
ら決定したω1を用いてもよい。
【0136】演算部611で推定された誘起電圧は演算
部612pによって、qc軸からみた誘起電圧ベクトル
の位相を演算し、軸ずれΔθの推定値が演算される。さ
らに、求めた誘起電圧ベクトルの大きさ|E0|を演算
部612nによって演算し出力する。
【0137】図9は、誘起電圧・軸ずれ推定演算部の別
の実施例を示す。誘起電圧・軸ずれ推定演算部61’
は、電流軸を基準として軸ずれΔθを演算する。電圧指
令Vdc*およびVqc*は、演算部613n、613
pによって電圧指令の大きさV1*と、qc軸からみた
電圧ベクトルの位相δcが演算される。同様に、検出電
流IdcおよびIqcは、演算部614n、614pに
よって電流の大きさImと、qc軸からみた電流ベクト
ルの位相φcが演算される。求めたV1、δc、Im、
φcの値から、演算部615が誘起電圧を数28に基づ
いて演算する。
【0138】
【数28】
【0139】数28は数23より導出されるもので、E
0xが電流軸の直交方向成分、E0yが電流軸方向成分
を表している。推定された誘起電圧E0は、演算部61
6pによって誘起電圧ベクトルの位相からみた電流軸の
位相φmを演算する。演算部617は、誘起電圧ベクト
ルからみた電流軸の位相φmと、qc軸からみた電流ベ
クトルの位相φcの差から、軸ずれΔθを求める。さら
に、求めた誘起電圧ベクトルE0の大きさ|E0|を演
算部612nから出力する。
【0140】本実施例では、上述のように誘起電圧・軸
ずれ推定演算部61(61’)が推定した軸ずれΔθを
もとに、インバータ出力周波数ω1を調整する。モータ
正転時に軸ずれΔθが正の時は、制御軸位相θdcが実
軸位相θdよりも進んでいるから、インバータ周波数ω
1を下げ、制御軸の回転を減速させる。逆に、モータ正
転時に軸ずれΔθが負の時は、制御軸位相θdcが実軸
位相θdより遅れているから、インバータ周波数ω1を
上げ、制御軸の回転を加速させる。
【0141】以上のようにして決めたインバータ周波数
ω1を積分し、制御軸位相θdcとする。また、インバ
ータ周波数ω1から高周波の変動成分を取り除いて、速
度制御系で用いるモータ速度推定値とする。これによ
り、速度センサを用いない同期モータの速度制御系を提
供することができる。
【0142】図10に速度位相推定部62の実施例を示
す。誘起電圧・軸ずれ推定演算部61によって推定され
た軸ずれΔθと、軸ずれ誤差補償部7より出力された軸
ずれ誤差補償値Δθ*は、加算器621において偏差が
計算される。加算器621の出力はPI補償器622に
入力される。PI補償器622では、ΔθをΔθ*に追
従させるようにインバータ出力周波数ω1を演算する。
なお、同じ機能を有するPI補償以外の手段を用いても
よい。
【0143】これによれば、軸ずれΔθの演算結果に含
まれるパラメータ誤差の影響が補償されるため、パラメ
ータ誤差が大きくても脱調しない良好な同期モータの位
置センサレス制御系を提供することができる。
【0144】PI補償器622の出力は、軸ずれΔθを
調整するために常に変動しており、高い周波数成分を含
んでいる。このため、PI補償器622の出力をモータ
の検出速度としてモータ速度の制御を行うと、速度制御
特性が悪化する。本実施例では、低域通過フィルター6
23によってω1から高周波成分を取り除き、モータ速
度推定値ωr_detとして出力している。さらに、積
分器624ではインバータ出力周波数ω1を積分して、
位相θdcを出力している。
【0145】図11は速度位相推定部62の別の実施例
を示している。インバータ出力周波数ω1の応答性を向
上させるために、図10に示した実施例に対して、誘起
電圧の大きさ|E0|から速度を推定する手段を追加し
たものである。誘起電圧・軸ずれ推定演算部61におい
て求めた誘起電圧の大きさ|E0|は、数9より数29
のように表される。
【0146】
【数29】
【0147】数29で電流変化項を無視すると、誘起電
圧の大きさはモータ速度ωrに比例するから、数30に
示す誘起電圧係数kで割ればモータ速度を推定すること
ができる。
【0148】
【数30】
【0149】ここで、kECはモータの誘起電圧定数の設
定値、LdcおよびLqcはインダクタンスの設定値で
ある。また、Idは制御軸での観測電流Idc、Iqc
および軸ずれΔθから、数3により求まる。
【0150】図11において、誘起電圧の大きさ|E0
|と、数30の誘起電圧係数kは、積算器635に入力
される。積算器635では|E0|/kが演算され、誘
起電圧からの推定速度ωr_estが出力される。加算
器626では、PI補償器622の出力とωr_est
の和が演算され、インバータ出力周波数ω1が出力され
る。この構成によれば、ωr_estが実速度からずれ
た分をPI補償器622が補償するようになるため、制
御ゲインを調整することで応答性が向上する。
【0151】また、加算器637において、ωr_es
tとPI補償器622の出力から高周波成分を取り除い
た量の和が演算され、モータ推定速度ωr_detを出
力する。なお、図11の実施例では、PI補償器622
の出力から高周波成分を取り除いた量として、積分器出
力を取り出す。これは、制御器のパラメータ設定値に誤
差が有り、ωr_estに含まれる誤差を補償するため
である。
【0152】ところで、誘起電圧・軸ずれ推定演算部6
1における軸ずれΔθの演算結果には、パラメータ誤差
に起因する定常軸ずれΔθeが残る。一方、電流指令作
成部52において指令値どおりのトルクを出すために、
τ*の値に応じて電流指令値Idc*、Iqc*が演算
される。しかし、定常軸ずれΔθeがある場合には、指
令値通りの電流が実軸に流れず、発生するトルクが減少
する。この結果、速度の低下を招き、速度制御部51が
トルク指令τ*を増加させることになり、結局、電流指
令値の大きさは増加する。逆に言えば、実軸と制御軸の
位相が一致し、指令値どおりに電流が流れると、トルク
指令値τ*の値が最小となり、モータ電流の大きさIm
も最小になる。
【0153】本実施例の軸ずれ誤差補償部7は、制御器
のパラメータ設定値に誤差がある場合に、誤差の影響を
補償する手段である。通常は零が設定されるΔθ*に値
を代入することにより、実軸と制御軸の軸ずれは、パラ
メータ誤差に起因する軸ずれΔθeと軸ずれ誤差補償値
Δθ*の和となる。そこで、軸ずれ誤差補償値Δθ*を
モータ電流Imが最小になるように調整し、Δθ*+Δ
θeを零にすることにより、実軸と制御軸を一致させる
ことができる。
【0154】図12に軸ずれ誤差補償値Δθ*の調整方
法を示す。制御周期i番目において、軸ずれ誤差補償値
Δθ*に値が設定され、モータ電流の大きさがIm
(i)であるとする。次に、制御周期i+1番目におい
て、ランダムに選んだ値をΔθ*に代入し、モータ電流
の大きさがIm(i+1)に変化したとする。Im(i
+1)がIm(i)よりも小さければ、Id*或いはΔ
θ*の値として制御周期i+1番目で用いた設定値を選
ぶ。以上を繰り返すことにより、モータ電流Imを最小
にする設定値を決定することができる。
【0155】以上、本実施例によれば、突極機の誘起電
圧の位相から回転子位置を推定する場合に、突極機の誘
起電圧がモータ印加電圧から抵抗の電圧降下、インダク
タンスの電圧降下を差し引いて得られることに基づき、
回転子位置に依存するインダクタンスの電圧降下に代え
て、回転子位置に依存しない仮想電圧降下の概念を導入
し、インダクタンスにモータ定数Lqを用いることで誘
起電圧の位相を変化させることのないベクトル関係を導
いて、観測可能な値に基づいて誘起電圧の位相を正確に
推定できるようにした。
【0156】なお、仮想電圧降下の概念を導入した突極
機の電圧関係のベクトルは、制御軸を基準にしても、電
流軸を基準にしても成立するので、誘起電圧の位相を制
御軸あるいは電流軸により観測可能な値によって推定す
ることができる。
【0157】本実施例では、数17または数23に基づ
いて軸ずれ角Δθを推定する方式を説明したが、数16
を用いても同様に軸ずれΔθを推定できる。この場合、
仮想電圧降下として、観測電流Idc,Iqcの微分成
分も考慮することになる。観測電流の微分項の演算に
は、インダクタンス定数Ldを用いることで、誘起電圧
の位相を変化させることがないようにベクトル関係を導
いて、観測可能な値に基づいた誘起電圧の位相を正確に
推定できる。
【0158】このように、仮想電圧降下の概念を用いる
ことで、突極機の誘起電圧の位相が観測可能な量から位
置センサレスに推定でき、推定した位相から直接、軸ず
れΔθを高精度に演算できるので、負荷の急変化や急加
減速運転など、大きな軸ずれが発生する場合でも安定で
あり、脱調しない良好な同期モータの位置センサレス制
御系を提供することができる。
【0159】また、本実施例によれば、軸ずれ推定式
(数16、数17、数23)において、パラメータ設定
値の誤差によるΔθの推定誤差を少なくするために、軸
ずれ誤差補償値Δθ*の概念を導入し、Δθ*−Δθ
零になるようにモータ印加電圧の周波数ω1またはトル
ク指令値τ*を修正している。この場合、Δθ*の設定
値は、実軸と制御軸の位相が一致すればモータ電流が最
小になることに着目し、モータが安定な状態でモータ電
流を最小化するようにチューニングされる。
【0160】上記した実施例では、永久磁石を用いる突
極型同期モータを対象としている。磁石を使わない突極
型同期モータに、シンクロナスリラクタンスモータがあ
る。シンクロナスリラクタンスモータの電圧方程式は、
永久磁石同期モータの電圧方程式(数2)のKE項を零
とした形式になることが知られている。一方、本発明で
導出した数17、数23の軸ずれ推定式は、誘起電圧定
数KEを演算に用いていない。また、これらの式の導出
にあたってもKEに依存した変形は行っていない。従っ
て、シンクロナスリラクタンスモータに対しても、本発
明の軸ずれΔθの推定方法及びこれを用いた位置センサ
レス制御法は適用可能である。
【0161】
【発明の効果】本発明によれば、突極同期モータの誘起
電圧の位相を回転子位置に依存することなく観測可能な
値から推定できるので、回転子位置が位置センサレス、
かつ高精度に取得できる効果がある。
【0162】これにより、高速運転あるいは負荷の急変
化や急加減速運転など、大きな軸ずれが発生する場合で
も、安定で脱調しない良好な同期モータの位置センサレ
ス制御系を提供することができる。
【0163】また本発明によれば、軸ずれΔθの演算結
果に含まれるパラメータ誤差の影響が補償されるため、
パラメータ誤差が大きくても脱調しない良好な同期モー
タの位置センサレス制御系を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で、同期モータの位置センサ
レス制御方法を実現する制御系の全体構成図。
【図2】永久磁石型同期モータのd−q軸回転座標、d
c―qc制御回転座標の関係を示した解析モデル図。
【図3】回転している突極型同期モータの電圧関係を制
御軸基準で示すベクトル図。
【図4】図3のベクトル図に対し、仮想電圧降下の概念
を導入したベクトル図。
【図5】図4の電圧関係で、仮想電圧降下を制御軸基準
で示すベクトル図。
【図6】図4と同様の電圧関係を、電流軸基準で示すベ
クトル図。
【図7】座標変換部41の演算内容を示すブロック図。
【図8】誘起電圧・軸ずれ推定演算部の演算内容を示す
ブロック図。
【図9】誘起電圧・軸ずれ推定演算部の他の実施例によ
る演算内容を示すブロック図。
【図10】速度位相推定部の演算内容を示すブロック
図。
【図11】速度位相推定部の他の実施例による演算内容
を示すブロック図。
【図12】軸ずれ誤差補償部により、電流位相を最適状
態に調整する方法を示す説明図。
【符号の説明】
11…電源、12…平滑コンデンサ、13…インバー
タ、2…同期モータ、31…電圧検出部、32…モータ
電流検出部、41…座標変換部、42d…d軸電流制御
部、42q…q軸電流制御部、43…電流フィードフォ
ワード補償部、44…逆変換部、45…パルス幅変調
部、51…速度制御部、52…電流指令作成部、61…
誘起電圧推定・軸ずれ演算部、62…速度位相推定部、
7…軸ずれΔθ誤差補償部、Edc…直流電圧、iu…
U相モータ電流、iw…W相モータ電流、d軸…永久磁
石回転子磁束方向の位置の軸、q軸…d軸に対し回転方
向に90度進んだ位置の軸、dc軸…制御上の仮想回転
子位置の軸、qc軸…dc軸に対し回転方向に90度進
んだ位置の軸、Idc…仮想dc−qc座標系における
電流のdc軸成分、Iqc…仮想dc−qc座標系にお
ける電流のqc軸電流、Im…モータ電流の大きさ、φ
c…qc軸とモータ電流ベクトルとの位相差、V1…モ
ータ印加電圧の大きさ、δc…qc軸とモータ電圧ベク
トルとの位相差、Δθ…d−q実座標系とdc−qc仮
想座標系との軸ずれ位相角、ωr…モータ推定速度、ω
r*…モータ速度指令(周波数指令)、ω1…制御軸の
回転速度(インバータ出力周波数)、ωr_det…モ
ータ推定速度、ωr_est…誘起電圧からの推定速
度、τ*…トルク指令値、Idc*…dc軸電流指令、
Iqc*…qc軸電流指令、Vdc*…dc軸電圧指
令、Vqc*…qc軸電圧指令、Δθ*…軸ずれ誤差補
償量。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 治雄 茨城県土浦市神立町603番地 株式会社 日立製作所 土浦事業所内 (72)発明者 藤井 洋 千葉県習志野市東習志野七丁目1番1号 株式会社日立製作所 産業機器グルー プ内 (56)参考文献 特開 平8−308286(JP,A) 特開 平11−18499(JP,A) 特開 平10−174499(JP,A) 特開 平8−256496(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 6/18 H02P 7/63 H02P 21/00

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 突極性を持つ同期モータの誘起電圧を、
    モータ印加電圧からモータ巻線の抵抗による電圧降下及
    モータ巻線のインダクタンスによる電圧降下のベクト
    ル差により推定するときに、前記モータ巻線のインダク
    タンスによる電圧降下は、前記インダクタンスに所定値
    としてモータ巻線のインダクタンス定数Ldまたはモー
    タ巻線のインダクタンス定数Lqを用い、かつモータ電
    流に対して所定位相ずれた量として求め、推定した誘起
    電圧からその位相を算出して回転子位置を推定すること
    を特徴とする同期モータの回転子位置推定方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記モータ巻線のインダクタンスによる電圧降下、前
    記モータ電流に対して90度位相が進んだベクトルとし
    て、前記所定値に突極機のモータ巻線のインダクタンス
    定数であるインダクタンス定数Lqを用い、このインダ
    クタンス定数Lqと、観測可能な前記モータ電流の大き
    さと、観測可能なモータ印加電圧の周波数またはモータ
    速度指令値との積により求めることを特徴とする同期モ
    ータの回転子位置推定方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、 前記モータ電流は回転座標系の制御軸(dc−qc)を
    基準とする2つの軸成分の観測値で取得し、 前記誘起電圧の位相は、前記モータ印加電圧の観測値
    と、前記モータ電流の観測値と前記抵抗の積による電圧
    降下及び前記モータ電流の観測値と前記インダクタンス
    の積による電圧降下を前記制御軸の軸成分毎に演算して
    前記ベクトル差を軸成分毎に算出し、算出した両成分の
    ベクトル差の比によって求めることを特徴とする同期モ
    ータの回転子位置推定方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2において、 前記モータ電流は観測可能なモータ電流の大きさとして
    取得し、前記誘起電圧の位相は、前記モータ印加電圧、
    前記抵抗による電圧降下及び前記インダクタンスによる
    電圧降下を電流軸の成分と前記電流軸から90度進みの
    成分として演算して前記ベクトル差を成分毎に算出し、
    算出した両成分のベクトル差の比によって求めることを
    特徴とする同期モータの回転子位置推定方法。
  5. 【請求項5】 突極性を持つ同期モータの誘起電圧を、
    モータ印加電圧からモータ巻線の抵抗による電圧降下及
    モータ巻線のインダクタンスによる電圧降下を差し引
    いたベクトル関係となることに基づいて推定するとき
    に、前記モータ巻線のインダクタンスによる電圧降下
    は、前記インダクタンスとしてモータ巻き線のインダク
    タンス定数Ldまたはモータ巻き線のインダクタンス定
    数Lqを用い、かつモータ電流に対して90度位相が進
    む量となる仮想電圧降下により求め、 前記仮想電圧降下を用いて推定した誘起電圧からその位
    相を算出して回転子位置を推定することを特徴とする同
    期モータの回転子位置推定方法。
  6. 【請求項6】 請求項5において、 前記仮想電圧降下を用いて推定した誘起電圧は、前記仮
    想電圧降下を用いない場合に比べて位相が同じで、大き
    さが前記ベクトル関係を維持するように変化する仮想誘
    起電圧であり、この仮想誘起電圧の前記位相を算出して
    前記回転子位置を推定することを特徴とする同期モータ
    の回転子位置推定方法。
  7. 【請求項7】 突極性を持つ同期モータの誘起電圧を、
    モータ印加電圧からモータ巻線の抵抗による電圧降下及
    モータ巻線のインダクタンスによる電圧降下のベクト
    ル差により推定するときに、前記インダクタンスによる
    電圧降下は、前記インダクタンスとしてモータ巻線のイ
    ンダクタンス定数Ldまたはモータ巻線のインダクタン
    ス定数Lqを用い、かつモータ電流に対して所定位相ず
    れた量と、モータ電流の大きさと位相の変動により生じ
    る量の和として求め、推定した誘起電圧からその位相を
    算出して回転子位置を推定することを特徴とする同期モ
    ータの回転子位置推定方法。
  8. 【請求項8】 突極性を持つ同期モータの誘起電圧を、
    モータ印加電圧からモータ巻線の抵抗による電圧降下及
    びモータ巻線のインダクタンスによる電圧降下のベクト
    ル差により推定するときに、前記インダクタンスによる
    電圧降下は、前記モータ電流に対して90度位相が進ん
    だベクトルとして、前記インダクタンスとしてモータ巻
    線のインダクタンス定数Ldまたはモータ巻線のインダ
    クタンス定数Lqを用い、このインダクタンス定数Lq
    と、観測可能な前記モータ電流の大きさと、観測可能な
    モータ印加電圧の周波数またはモータ速度指令値との
    1の積と、前記インダクタンス定数Ldと、観測可能な
    モータ電流の大きさ及び位相の変動により生じる量との
    第2の積と、それら第1の積と第2の積との和により求め
    ることを特徴とする同期モータの回転子位置推定方法。
  9. 【請求項9】 突極性を持つ同期モータの回転子位置を
    推定し、位置センサレスで同期モータを制御する制御方
    において、 前記同期モータの誘起電圧を、モータ印加電圧からモー
    タ巻線の抵抗による電圧降下及びモータ巻線のインダク
    タンスによる電圧降下のベクトル差により推定するとき
    に、前記モータ巻線のインダクタンスによる電圧降下
    は、前記インダクタンスとしてモータ巻線のインダクタ
    ンス定数Ldまたはモータ巻線のインダクタンス定数L
    を用い、かつモータ電流に対して所定位相だけ進む量
    として求め、 推定した誘起電圧の位相を求め、この位相が制御上の仮
    想の回転子位置と観測不可能な実際の回転子位置との軸
    ずれ角を表すことに基づいて、前記誘起電圧の位相から
    推定した軸ずれ角が実際の回転子位置より仮想の回転子
    位置が回転子の回転方向に進んでいることを示す値の場
    合は、仮想の回転子位置の回転速度を下げるようにモー
    タ印加電圧の周波数を下げ、推定した軸ずれ角が遅れて
    いることを示す値の場合は仮想の回転子位置の回転速度
    を上げるようにモータ印加電圧の周波数を上げるように
    することを特徴とする同期モータの制御方法
  10. 【請求項10】 突極性を持つ同期モータの回転子位置
    を推定し、位置センサレスで同期モータを制御する制御
    方法において、 前記同期モータの誘起電圧を、モータ印加電圧からモー
    タ巻線の抵抗による電圧降下及びモータ巻線のインダク
    タンスによる電圧降下のベクトル差により推定するとき
    に、前記モータ巻線のインダクタンスによる電圧降下
    は、前記インダクタンスとしてモータ巻線のインダクタ
    ンス定数Ldまたはモータ巻線のインダクタンス定数L
    を用い、かつモータ電流に対して所定位相だけ進む量
    として求め、 推定した誘起電圧の位相を求め、この位相が制御上の仮
    想の回転子位置と観測不可能な実際の回転子位置との軸
    ずれ角を表すことに基づいて、前記誘起電圧の位相から
    推定した軸ずれ角が実際の回転子位置より仮想の回転子
    位置が回転子の回転方向に進んでいることを示す値の場
    合は、実際の回転子位置の回転速度を上げるようにモー
    タのトルク指令値を上げ、推定した軸ずれ角が遅れてい
    ることを示す値の場合は実際の回転子位置の回転速度を
    下げるようにモータのトルク指令値を下げるようにする
    ことを特徴とする同期モータの制御方法。
  11. 【請求項11】 請求項9または10において、 前記同期モータの誘起電圧の位相を、モータ印加電圧か
    らモータ巻線の抵抗による電圧降下及びモータ巻線のイ
    ンダクタンスによる電圧降下のベクトル差により推定す
    るときに、前記モータ巻線のインダクタンスによる電圧
    降下を、前記モータ電流に対して90度位相が進んだベ
    クトルとして、モータ巻線のインダクタンス定数である
    インダクタンス定数Lqを用い、このインダクタンス定
    数Lqと、観測可能な前記モータ電流の大きさと、観測
    可能なモータ印加電圧の周波数またはモータ速度指令値
    との積により求めることを特徴とする同期モータの制
    方法。
  12. 【請求項12】 請求項9、10または11において、 前記誘起電圧の位相で表される軸ずれ角の誤差補償値を
    設定し、前記軸ずれ角と前記誤差補償値の差が最小化す
    るように前記モータ印加電圧の周波数またはトルク指令
    値を制御することを特徴とする同期モータの制御方法。
  13. 【請求項13】 請求項12において、 前記誤差補償値の設定は、前記モータの回転数や負荷が
    一定の状態で前記モータ電流が最小化するように調整す
    ることを特徴とする同期モータの制御方法。
  14. 【請求項14】 直流電圧を可変電圧、可変周波数の三
    相交流電圧に変換して突極性を持つ同期モータに印加す
    るインバータと、モータ電流を検出する電流検出器と、
    検出された三相のモータ電流の大きさと位相をそれぞれ
    モータ電流の大きさの指令値と位相の指令値に追従する
    ように仮想回転子位置θdcを用いて電圧指令値を作成す
    る電圧指令演算部と、モータ速度指令値が与えられ、こ
    のモータ速度指令値とモータ速度推定値に基づいて前記
    モータ電流の大きさの指令値と位相の指令値を作成する
    電流指令作成部と、検出されたモータ電流、前記電圧指
    令値及び前記モータ速度指令値と、モータパラメータの
    抵抗値と、モータ巻線のインダクタンス定数Ldまたは
    モータ巻線のインダクタンス定数Lqとを用いて前記モ
    ータの誘起電圧を推定し、推定した誘起電圧の位相から
    制御上の仮想回転子位置と実位置とのずれを表す軸ずれ
    角△θを推定して出力する誘起電圧推定部と、軸ずれ角
    △θから前記モータ速度推定値及び前記仮想回転子位置
    θdcを求めて出力する速度位相推定部を備えていること
    を特徴とする同期モータの位置センサレス制御装置。
  15. 【請求項15】 直流電圧を可変電圧、可変周波数の三
    相交流電圧に変換して突極性を持つ同期モータに印加す
    るインバータと、モータ電流を検出する電流検出器と、
    検出された三相のモータ電流の大きさと位相をそれぞれ
    モータ電流の大きさの指令値と位相の指令値に追従する
    ように仮想回転子位置θdcを用いて電圧指令値を作成す
    る電圧指令演算部と、モータ速度指令値が与えられ、こ
    のモータ速度指令値とモータ速度推定値に基づいて前記
    モータ電流の大きさの指令値と位相の指令値を作成する
    電流指令作成部と、検出されたモータ電流、前記電圧指
    令値及びモータ印加電圧の周波数と、モータパラメータ
    の抵抗値と、モータ巻線のインダクタンス定数Lqまた
    はモータ巻線のインダクタンス定数Lqとを用いて前記
    モータの誘起電圧を推定し、推定した誘起電圧の位相か
    ら制御上の仮想回転子位置と実位置とのずれを表す軸ず
    れ角△θを推定して出力する誘起電圧推定部と、軸ずれ
    角△θから前記モータ印加電圧周波数を演算して出力
    し、また、演算した前記モータ印加電圧の周波数から前
    記モータ速度推定値及び前記仮想回転子位置θdcを求め
    て出力する速度位相推定部を備えていることを特徴とす
    る同期モータの位置センサレス制御装置。
  16. 【請求項16】 請求項14または15において、 前記誘起電圧推定部は、前記誘起電圧を制御上の回転座
    標系(dc−qc軸)のdc軸成分とqc軸成分に分け
    て算出する演算手段と、dc軸成分とqc軸成分の誘起
    電圧の比から軸ずれ角△θを算出する演算手段を有し、
    前記dc軸成分の誘起電圧はd軸電圧指令値から前記抵
    抗値にIdcを乗じた値及び前記インダクタンス値にIqc
    と前記速度指令値を乗じた値を差引き、前記qc軸成分
    の誘起電圧はq軸電圧指令値から前記抵抗にIqcを乗じ
    た値及び前記モータ巻線のインダクタンス定数にIdcと
    前記速度指令値を乗じた値を差し引いて求めることを特
    徴とする同期モータの位置センサレス制御装置。
  17. 【請求項17】 請求項14、15または16におい
    て、 軸ずれ角△θの推定値に対し前記モータパラメータの誤
    差補償値を与えるための誤差補償部を設け、前記速度位
    相推定部は入力された軸ずれ角△θを前記誤差補償値に
    追随させるように演算して前記モータ速度推定値を出力
    することを特徴とする同期モータの位置センサレス制御
    装置。
  18. 【請求項18】 突極性を持つ同期モータの位置センサ
    レス制御装置において、 仮想磁束軸であるdc軸と、dc軸から電気角で90度
    進んだ方向のqc軸とからなる制御上の回転座標系であ
    仮想回転座標系でモータの誘起電圧ベクトルを推定
    し、そのqc軸との位相角を求める誘起電圧推定手段
    と、推定された前記位相角をdc軸とモータの実磁束軸
    のずれ量として、そのずれ量を少なくするように前記モ
    ータ印加電圧の周波数またはトルク指令値を制御する速
    度制御手段を備えることを特徴とする同期モータの位置
    センサレス制御装置。
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