JP3467961B2 - 回転電機の制御装置 - Google Patents

回転電機の制御装置

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JP3467961B2
JP3467961B2 JP07702396A JP7702396A JP3467961B2 JP 3467961 B2 JP3467961 B2 JP 3467961B2 JP 07702396 A JP07702396 A JP 07702396A JP 7702396 A JP7702396 A JP 7702396A JP 3467961 B2 JP3467961 B2 JP 3467961B2
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torque
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真人 森
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    • H02GENERATION; CONVERSION OR DISTRIBUTION OF ELECTRIC POWER
    • H02PCONTROL OR REGULATION OF ELECTRIC MOTORS, ELECTRIC GENERATORS OR DYNAMO-ELECTRIC CONVERTERS; CONTROLLING TRANSFORMERS, REACTORS OR CHOKE COILS
    • H02P29/00Arrangements for regulating or controlling electric motors, appropriate for both AC and DC motors
    • H02P29/60Controlling or determining the temperature of the motor or of the drive
    • H02P29/66Controlling or determining the temperature of the rotor
    • H02P29/662Controlling or determining the temperature of the rotor the rotor having permanent magnets

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  • Power Engineering (AREA)
  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は回転電機の制御装置
に関し、特に界磁として永久磁石を有するものに適用し
て有用なものである。
【0002】
【従来の技術】インバータで駆動される永久磁石同期電
動機(以下「PMモータ」と略す)は、主に小容量AC
サーボモータとして広く用いられている。
【0003】図11はこの種のPMモータの制御装置の
一例をこのPMモータとともに示すブロック線図であ
る。同図に示すように、PWMインバータ1からPMモ
ータ2に三相電流を供給することによりPMモータ2が
回転する。速度検出器3は、PMモータ2の回転子と共
に回転してパルス信号Pを出力する。位置検出部4は、
パルス信号Pを基に、PMモータ2の回転子位置(位
相)を示す位相検出値θを求める。
【0004】電流検出部5,6はU相及びW相の電流検
出値IU ,Iw を求める。座標変換部7は、電流検出値
U ,Iw からV相の電流検出値Iv を求め、更に三相
の電流検出値IU ,Iv ,Iw を三相/二相変換し、位
相角θを考慮して回転座標系のトルク電流検出値Iq
び磁化電流検出値Id を求める。
【0005】電流制御部8は、回転座標系のトルク電流
指令Iq * 及び磁化電流指令Id *と、トルク電流検出
値Iq 及び磁化電流検出値Id との偏差を比例・積分演
算することにより、回転座標系のトルク電圧指令Vq *
及び磁化電圧指令Vd * を求める。
【0006】ここでトルク電流指令Iq * はトルク指令
* を基に電流指令テーブル11により得られる。すな
わち、電流指令テーブル11にはトルク指令T* に対応
する磁化電流指令Id * 及びトルク電流指令Iq * がテ
ーブルとして記憶してある。また、この電流指令テーブ
ル11には位相検出値θを微分器12で微分して得る電
気角周波数ωが参照信号として供給されている。かくし
て、電流指令テーブル11はトルク指令T* に基づく電
気角周波数ωを参照して一意に定まる磁化電流指令Id
* 及びトルク電流指令Iq * を送出する。
【0007】座標変換部9は、回転座標系のトルク電圧
指令Vq * 及び磁化電圧指令Vd *を座標変換して、静
止座標系の三相の電圧指令VU * ,Vv * ,Vw * を求
める。
【0008】PWMインバータ1はこれが内蔵するPW
M変調部において電圧指令VU * ,Vv * ,Vw * を基
にインバータ部を制御する。これによりPWMインバー
タ1から三相電力がPMモータ2に供給される。
【0009】かかる制御装置を用いたPMモータ2の制
御方法の一つとして、磁化電流Idを零として制御を行
う方法が知られている。この制御方法では磁束軸に平行
な電流成分である磁化電流Id を流さないように制御す
る。この制御方法によれば、トルクがトルク電流Iq
振幅に比例するため制御性は良い。なおトルク電流は磁
束軸に直交する電流成分である。
【0010】すなわち、上述した制御装置では、トルク
電流指令Iq * の値を変えることにより、PMモ−タ2
の出力トルクTを制御することができ、このときのPM
モータ2の出力トルクTは次式(1)で示される。 T=pnΛIq …(1) 但し、pn:極対数 Λ:永久磁石による鎖交磁束
【0011】従来では鎖交磁束Λの値は一定であるとし
て、式(1)を変形して得た次式(2)を利用して、必
要なトルク指令T* を得るためのトルク電流指令Iq *
の値を求めていた。 Iq * =T*/pnΛ …(2)
【0012】つまり、トルク指令T* が与えられると、
このトルク指令T* を一定値(pΛ)で割算してトルク
電流指令Iq * を求めていた。
【0013】上述の如き制御装置を用いた他の制御方法
として最大トルク制御、最大効率制御等が知られてい
る。この場合には、トルク指令T* とPMモータ2の回
転数を表わす電気角周波数ωに応じて磁化電流指令Id
* 及びトルク電流指令Iq * を決定する。
【0014】このときのPMモータ2の出力トルクTは
次式(3)で示される。 T=Pn{ΛIq +ω(Ld −Lq )Id・Iq …(3) 但し、Pn :極対数、 Λ:永久磁石による
鎖交磁束、ω:電気角周波数、 Ld :直軸イン
ダクタンス、Lq :横軸インダクタンス、Id :磁化電
流、Iq :トルク電流
【0015】この場合にも式(3)の鎖交磁束Λの値は
一定であるとして磁化電流Id * 及びトルク電流指令I
q * を求めている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】ところで、永久磁石に
よる鎖交磁束Λは、図12に示すように、永久磁石の温
度が上がるにつれて減少し、特に高温になると減磁の割
合が大きくなる。
【0017】したがって高温になると鎖交磁束Λが減少
し、出力トルクTは小さくなってしまう。つまり従来で
は温度上昇による減磁を考慮していなかったので、高温
状況でモータ運転をしたときに、トルク指令T* に対し
て、PMモータ2から実際に出力されるトルクTが小さ
くなっていた。
【0018】本発明は、上記従来技術に鑑み、温度が上
昇してもトルク指令に正確に対応した出力トルクが得ら
れる回転電機の制御装置を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明の構成は次の点を特徴とする。
【0020】() 界磁として永久磁石を有する回転
電機の制御装置において、トルク指令及び電気角周波数
により一意に決定される磁化電流指令を出力する磁化電
流指令テーブルと、回転電機の界磁磁束がトルク電圧に
のみ関連することを利用してトルク電圧に基づき回転電
機の界磁磁束を推定する磁束推定手段と、トルク指令、
磁化電流指令及び磁束推定手段で推定する磁束推定値に
基づく演算を行なってトルク電流指令を出力するトルク
電流指令演算手段とを有すること。 () ()において、磁束推定手段は、トルク電圧
と、界磁磁束の変化により変化するトルク電圧推定値と
の偏差が零になるように磁束推定値を推定するものであ
ること。 () ()において、磁束推定値の推定の際、電機
子抵抗による電圧降下分を無視して演算すること。 () ()において、磁束推定値の推定の際、磁化
電流を零として演算すること。 () ()において、磁束推定値の推定の際、磁化
電流を零として演算するとともに、電機子抵抗による電
圧降下分を無視して演算すること。 () ()〜()の何れか一つにおいて、磁束推
定値の推定の際、回転電機の入力電圧を検出し、この検
出電圧を座標変換して得るトルク電圧を用いること。 () ()〜()の何れか一つにおいて、磁束推
定値の推定の際、磁化電流指令及びトルク電流指令を用
いること。 () ()〜()の何れか一つにおいて、磁束推
定値の推定の際、フィードバックした磁化電流及びトル
ク電流を用いること。 () (1)又は(2)に記載する回転電機の制御装
置において、磁化電圧指令と磁化電圧推定値とに基づき
電機子抵抗を推定し、この電機子抵抗推定値を電機子抵
抗値として用いることを特徴とする回転電機の制御装
置。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【0025】
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
【0030】
【0031】[作用] 上記構成の本発明によれば、トルク電圧に基づき界磁磁
束を推定し得るので、この磁束推定値に基づくトルク分
電流を電流制御系の指令値とすることができる。
【0032】
【0033】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づき詳細に説明する。各形態は何れも図11に示す制
御装置における電流指令テーブル11の代わりに減磁補
償部を設けたものである。そこで、図11と同一部分に
は同一番号を付して各実施の形態を説明する。このと
き、図11と重複する説明は省略する。
【0034】図1は本発明の第1の実施の形態に係る減
磁補償部Iを抽出してその近傍部分とともに示すブロッ
ク線図である。本形態はId * =0制御において永久磁
石の温度監視を行なってトルク電流指令Iq * を補正す
るものである。
【0035】図1に示すように、減磁補償部Iは、磁束
テーブル21、極数設定部22及び割算器23を有して
いる。
【0036】磁束テーブル21は、PMモータ2の永久
磁石のデータシート等により作成した温度による磁束の
減磁特性を記憶しているデータテーブルであり、例えば
サーミスタ等の温度センサでモータ固定子温度を検出
し、回転子側の永久磁石の温度tmg[℃]を温度情報と
して代用して供給される。この結果、磁束テーブル21
は、温度tmgに対応する磁束Λmgの情報を送出する。
【0037】極数設定部22は磁束Λmgに磁極数を掛け
て出力とする。割算器23はトルク指令T* を極数設定
部22の出力(pΛmg)で除算する。
【0038】かかる実施の形態において割算器23の出
力はT*/pnΛmgとなり、この出力は前記式(1)を参
照すれば明らかな通り、トルク電流指令Iq * となる。
すなわち、本形態によればトルク電流指令Iq * が永久
磁石の温度特性に応じて補正される。この結果、温度上
昇に伴なう減磁特性を補償して所望のトルクが得られ
る。
【0039】図2は本発明の第2の実施の形態に係る減
磁補償部IIを抽出してその近傍部分とともに示すブロッ
ク線図である。本形態はId * =0制御においてモータ
モデルを用いてトルク電流指令Iq * を補正するもので
あり、第1の形態に対し磁束Λmgを求める部分が異なる
だけである。そこで、図1と同一部分には同一番号を付
し、重複する説明は省略する。
【0040】図2に示すように、減磁補償部IIは、モー
タモデル31、極数設定部22及び割算器23を有して
いる。
【0041】モータモデル31は磁化電圧指令Vd *
トルク電圧指令Vq * 、磁化電流検出値Id 、トルク電
流検出値Iq 及び速度ωr を極数設定部32で処理して
得る電気角周波数ωの各量を入力し、これらのデータを
処理することによりPMモータ2と等価なモータを電子
的に実現した一種のシミュレータである。
【0042】以上PMモータ2の回転座標(dq座標)
系における電圧方程式は次式(4),(5)となる。 Vd =R1d −ωLqq …(4) Vq =R1q +ωLdd +ω(Λmg+Mff) …(5) 但し、R1 :電機子抵抗,ω:電気角周波数 Vd ,Vq :d軸,q軸電圧
【0043】ここで、dq軸電流制御系の磁化電圧指令
d * ,トルク電圧指令Vq * 、磁化電流検出値Id
トルク電流検出値Iq 及び電気角周波数ωにより現在の
温度における磁石の磁束Λmgを式(5)を変形した次式
(6)で求めることができる。 Λmg=Vq */ω−R1q/ω−Ldd −Mff …(6)
【0044】かくして式(6)により求まる磁束Λmg
用いて第1の形態と同様の処理をすることにより永久磁
石の減磁による影響を補償したトルク電流指令Iq *
得る。
【0045】フィードバックする磁化電流検出値Id
びトルク電流検出値Iq にノイズが乗る場合には、これ
らの代わりに磁化電流指令Id * =0及びトルク電流指
令Iq * を用いても良い。ここでは、ディジタル制御を
前提として磁化電流指令Iq *は前回値Iq * (n-1) を用い
ることで演算が可能である。
【0046】この場合を第3の実施例として図3に示
す。同図に示すように減磁補償部IIIのモータモデル4
1は、モータモデル31に対し入力して磁化電流指令
d *及びトルク電流指令Iq *を用いる点が異なるだけで
ある。そこで、図2と同一部分には同一番号を付し、重
複する説明は省略する。
【0047】本形態における磁束Λmgは次式(7)によ
り求める。 Λmg=Vq */ω−R1q */ω−Ldd−Mff …(7)
【0048】上述の如くモータモデル31,41を用い
る第2及び第3の形態は永久磁石の温度を監視すること
ができない場合に用いて特に有用なものとなる。
【0049】図4は本発明の第4の実施の形態に係る減
磁補償部IVを抽出してその近傍部分とともに示すブロッ
ク線図である。本形態は、基本的には最大トルク制御、
弱め界磁による定出力制御(例えば特開平7−3226
73号公報参照)において、磁束推定値Λ**を用いて磁
化電流指令Id * 及びトルク電流指令Iq * を補正する
ものである。
【0050】この場合のPMモータ2の電圧方程式は同
期回転座標(d−q軸)上で定常状態においては次式
(8)で表わされる。 Vd =R1d −ωLqq q =R1q +ωLdd +ωΛ …(8) R1 :電機子抵抗 Ld ,Iq :d,q軸インダク
タンス またトルクTは前述の式(3)で表わされる。
【0051】式(3)において、温度変化により鎖交磁
束Λが変化すると、トルクTが変化するが、このときの
温度変化による鎖交磁束Λを推定して電流指令値を計算
することにより、トルク指令T* に対して正確に一致す
るトルク制御が可能となる。
【0052】図4に示すように、減磁補償部IVは、磁化
電流指令テーブル41、トルク電流指令演算部42及び
磁束推定器43を有している。これらのうち磁化電流指
令テーブル41はトルク指令T* 及び電気角周波数ωに
より一意に決定される磁化電流指令Id * をテーブルと
して記憶している。トルク電流指令演算部42はトルク
指令T* 、磁化電流指令Id * 及び磁束推定器43で推
定する磁束推定値Λ**に基づき所定の演算を行なってト
ルク電流指令Iq * を出力する。この結果得られた磁化
電流指令Id * 及びトルク電流指令Iq * が電流制御部
8に供給される。
【0053】かかる本形態においては、まず磁化電流指
令Id * が最大トルク制御、弱め界磁による定出力制御
を行なうべく電気角周波数ωとトルク指令T* からテー
ブルより導出される。
【0054】この結果トルク指令T* と磁化電流指令I
d * ,電気角周波数ωが決定され、鎖交磁束Λの推定値
である磁束推定値Λ**が与えられると、式(3)を変形
して、トルク電流指令Iq * が求められる。
【数1】 式(9)の演算はトルク電流指令演算部42で行なう。
また、磁束推定値Λ**は次の原理により求める。
【0055】すなわち、式(8)において、鎖交磁束Λ
はトルク電圧Vq の式にのみ影響する。ここで、電機子
抵抗R1 ,d軸インダクタンスLd はモータパラメータ
として既知であるため、トルク電圧推定値Vq **は磁束
推定値Λ**とすると次式(10)で表される。 Vq **=R1d +ωLdd +ωΛ** …(10) (Λ**=Λn+ΔΛ**) 但し、Λn :磁束の初期設定値 ΔΛ**:磁束変化量の推定値
【0056】図4の電流制御部8においては、磁化及び
トルク電流指令(Id * ,Iq * )が磁化及びトルク電流
(Id ,Iq )に一致する様にフィードバック制御して
いるため、温度変化によりPMモータ2の鎖交磁束Λが
変化した場合には、磁化電流指令Id * 、トルク電流指
令Iq * の電流を流すために必要なトルク電圧指令値V
q * と式(10)により求められるトルク電圧推定値Vq
**に偏差が生ずる。
【0057】この電圧偏差は磁束変化量の推定値ΔΛ**
に対応しているため、次式(11)によりΔΛ**を推定で
きる。 ΔΛ**=G・(Vq * −Vq **) …(11) 但し、G:伝達関数 式(11)より磁束推定値Λ**は、次式(12)にて求めら
れる。 Λ**=Λn +G(Vq * −Vq ** ) …(12)
【0058】図5は磁束推定器43の第1の実施例を示
すブロック線図である。ここで、(Vq * −Vq **)の偏
差が0となる様に磁束推定値Λ**が推定され、(Vq *
q * *)が0となると、実際のPMモータ2の鎖交磁束
Λと推定値Λ**が一致する。
【0059】図6は磁束推定器43の他の実施例を示す
ブロック線図である。式(10)において、電機子抵抗R
1による電圧成分R1q は他の項に比較して小さいた
め無視すると、図6に示す様に演算が簡単となり、磁化
電流Id が不要となる。本実施例は、回転数が高い場合
に有効である。電気角周波数ωが大きい場合は(ωLd
d +ωλ)≫R1q となるからである。
【0060】本形態においても図1〜図3に示す場合と
同様のId =0制御を行なうことができる。すなわち、
最大トルク制御や弱め界磁制御を用いない場合は、磁化
電流Id を0とする制御(Id =0制御)が用いられ
る。この制御はロータ表面に磁石をはり付けたSPMと
呼ばれるPMモータ2によく用いられる方式である。こ
れを磁束推定器43の第3の実施例としてそのブロック
線図を図7に示す。この場合は式(10)はId =0のた
め、 Vq **=R1q +ωΛ** …(13) となり、図7に示す構成で磁束推定値Λ**が推定でき
る。
【0061】Id=0制御において、電機子R1の項が無
視できる。これを磁束推定器43の第4の実施例として
に示す。本実施例によれば同図に示す様に更に簡単
な構成でΛ**が推定できる。
【0062】これまでは、電機子抵抗R1 とd軸インダ
クタンスLd ,q軸インダクタンスLq を既知の値とし
ているが、実際にはロータの温度変化による鎖交磁束Λ
の変化に比較して影響は小さいものの、固定子巻線の電
機子抵抗R1 も温度によって変化する。固定子巻線につ
いてはサーミスタ等を取り付けて温度を検出して電機子
抵抗R1 を補正することも可能であるが、センサを用い
ないで電機子抵抗R1を推定する方式を磁束推定器43
の第5の実施例として以下に示す。
【0063】式(8)において、磁化電圧Vdは電機子
抵抗R1とq軸インダクタンスLqのパラメータより計算
できる。ここで、q軸インダクタンスLqは温度によっ
て変化しないため、固定子巻線温度変化による電機子抵
抗R1の変化の影響のみが磁化電圧Vdに表われる。d軸
電圧推定値Vd**は、電機子抵抗R1の推定値を電機子
抵抗推定値R1 **とすると、 Vd **=R1 **d−ωLqq …(14) (R1 **=R1n+ΔR1 **) R1n :電機子抵抗の初期設定値 ΔR1:電機子抵抗変化量の推定値 したがって、磁束抵抗値Λ**の推定方式と同様に、電機
子抵抗推定値R1 **が次の様にして推定できる。つま
り、 ΔR1 **=G2(Vd *−Vd **) …(15) G2 :伝達関数 R1 **=R1n+G2(Vd *−Vd **) …(16)
【0064】図9に第5の実施例に係る磁束推定器43
のブロック線図を示す。本実施例においては、(Vd *
−Vd **)の偏差が0となる様に電機子抵抗推定値R1 **
が推定され、実際の電機子R1 と一致するよう動作す
る。ここで、電機子抵抗推定値R1 **の推定応答が磁束
推定値Λ**の推定応答より速くなるように伝達関数
1 ,G2 のゲイン等を設定することによって、トルク
電圧推定値Vq **の演算による磁束推定値Λ**の推定時
には、電機子抵抗推定値R1 **を真値に収束させておく
ことができ、正確な磁束推定値Λ**を得ることができ
る。
【0065】これまでは、磁束推定器43の入力に、演
算制御量である、磁化及びトルク電圧指令(Vd * ,Vq
* )を用いているが、PWMインバータ1の出力電圧を
検出して座標変換することによって磁化電圧Vd 、トル
ク電圧Vq を求め、磁束推定器43に入力する方式でも
良い。かかる実施の形態を本発明の第5の実施の形態と
して図10にブロック線図を示す。同図に示すように、
本形態においては、出力電圧検出トランス44でPWM
インバータ1の出力電圧を検出し、この出力を座標変換
部45で座標変換して硫化電圧Vd 、トルク電圧Vq
求めている。すなわち、本形態においては、図4に示す
第4の実施の形態に出力電圧検出トランス44及び座標
変換部45を追加して減磁補償部Vを構成している。な
お、本形態における磁束推定器43においても図5〜図
9に示す全ての実施例を適用することができる。
【0066】図5〜図10においては、磁束推定器43
の電流入力にモータ電流を検出して座標変換した電流フ
ィードバック値(Id ,Iq )を用いているが、図4の
制御では、電流を指令値に対してフィードバック制御し
ているため、指令値(Id *,Iq * )とフィードバッ
ク値(Id ,Iq )はほぼ一致する。したがって、図4
の磁束推定器43の電流入力をId ,Iq から指令値I
d * ,Iq * に換えても同様の効果が得られる。
【0067】
【発明の効果】以上実施の形態とともに具体的に説明し
たように、本発明によれば永久磁石の温度による減磁分
を補償することができるので、その分指令値に対応する
正確な制御を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック線
図。
【図2】本発明の第2の実施の形態を示すブロック線
図。
【図3】本発明の第3の実施の形態を示すブロック線
図。
【図4】本発明の第4の実施の形態を示すブロック線
図。
【図5】図4における磁束推定器の具体例である第1の
実施例を示すブロック線図。
【図6】磁束推定器の具体例である第2の実施例を示す
ブロック線図。
【図7】磁束推定器の具体例である第3の実施例を示す
ブロック線図。
【図8】磁束推定器の具体例である第4の実施例を示す
ブロック線図。
【図9】磁束推定器の具体例である第5の実施例を示す
ブロック線図。
【図10】本発明の第5の実施の形態を示すブロック線
図。
【図11】従来技術を示すブロック線図。
【図12】永久磁石の温度特性を示すグラフ。
【符号の説明】
I,II,III ,IV,V 減磁補償部 21 磁束テーブル 31,41 モータモデル 23 割算器 41 磁化電流指令テーブル 42 トルク電流指令演算部 43 磁束推定器 44 出力電圧検出トランス 45 座標変換部 T* トルク指令 Iq * トルク分電流指令 tmg 温度 Λmg 磁束
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−197181(JP,A) 特開 平3−222686(JP,A) 特開 平7−123799(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02P 5/28 - 5/44 H02P 7/36 - 7/66 H02P 21/00 H02P 6/00 - 6/24 H02P 5/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 界磁として永久磁石を有する回転電機の
    制御装置において、トルク指令及び電気角周波数により
    一意に決定される磁化電流指令を出力する磁化電流指令
    テーブルと、 回転電機の界磁磁束がトルク電圧にのみ関連することを
    利用してトルク電圧に基づき回転電機の界磁磁束を推定
    する磁束推定手段と、 トルク指令、磁化電流指令及び磁束推定手段で推定する
    磁束推定値に基づく演算を行なってトルク電流指令を出
    力するトルク電流指令演算手段とを有することを特徴と
    する回転電機の制御装置。
  2. 【請求項2】 磁束推定手段は、トルク電圧と、界磁磁
    束の変化により変化するトルク電圧推定値との偏差が零
    になるように磁束推定値を推定するものであることを特
    徴とする[請求項]に記載する回転電機の制御装置。
  3. 【請求項3】 磁束推定値の推定の際、電機子抵抗によ
    る電圧降下分を無視して演算することを特徴とする[請
    求項]に記載する回転電機の制御装置。
  4. 【請求項4】 磁束推定値の推定の際、磁化電流を零と
    して演算することを特徴とする[請求項]に記載する
    回転電機の制御装置。
  5. 【請求項5】 磁束推定値の推定の際、磁化電流を零と
    して演算するとともに、電機子抵抗による電圧降下分を
    無視して演算することを特徴とする[請求項]に記載
    する回転電機の制御装置。
  6. 【請求項6】 磁束推定値の推定の際、回転電機の入力
    電圧を検出し、この検出電圧を座標変換して得るトルク
    電圧を用いることを特徴とする[請求項]〜[請求項
    ]の何れか一つに記載したことを特徴とする回転電機
    の制御装置。
  7. 【請求項7】磁束推定値の推定の際、磁化電流指令及び
    トルク電流指令を用いることを特徴とする[請求項
    〜[請求項]の何れか一つに記載したことを特徴とす
    る回転電機の制御装置。
  8. 【請求項8】 磁束推定値の推定の際、フィードバック
    した磁化電流及びトルク電流を用いることを特徴とする
    [請求項]〜[請求項]の何れか一つに記載したこ
    とを特徴とする回転電機の制御装置。
  9. 【請求項9】 [請求項1]又は[請求項2]に記載す
    る回転電機の制御装置において、 磁化電圧指令と磁化電圧推定値とに基づき電機子抵抗を
    推定し、この電機子抵抗推定値を電機子抵抗値として用
    いることを特徴とする回転電機の制御装置。
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