JP3797484B2 - ステッピングモータの駆動装置 - Google Patents

ステッピングモータの駆動装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、位置及び速度を制御するためのステッピングモータの駆動装置に関する。
【0002】
【従来技術】
ステッピングモータは一般に開ループ位置制御を行う制御モータであり、駆動方法を工夫して振動、騒音を低減している。また、脱調現象を回避するためにステッピングモータに位置検出器を搭載し、閉ループ制御を行うことも検討されている。脱調を回避し正確な位置制御を実現するためには位置検出器を用いた閉ループ駆動方式が有効である。しかし、配線の増加やコストの上昇を伴うため、適用範囲が制限される。
そのため、モータの固有定数や動作時の観測可能情報からモータの磁極位置、即ち回転位置を推定するセンサレス駆動技術が検討されている。
ハイブリッド形ステッピングモータは、永久磁石形同期電動機と類似した特性を有し、モータの挙動把握、解析に同期電動機の解析手法が用いられることがあり、ハイブリッド形ステッピングモータのセンサレス駆動を実現する方法としても、同期電動機のセンサレス駆動技術の応用展開が考えられる。しかし、ステッピングモータは駆動時の印加電圧が方形波状パルス波形又は階段状擬似正弦波形であるため電圧、電流に高次の奇数高調波が多く含まれること、例えば分解能1.8度/ステップの2相機で100極であるように、同期電動機に対してモータ極数が10倍程度多い多極機であることが大きな特徴といえる。そのため、位置推定演算の時間遅れの影響が大きい、微分演算時の雑音が大きいなどの技術課題があるため、同期電動機に対してセンサレス駆動の適用事例が非常に少ない。
【0003】
国際公開番号WO00/04432文献(以下公知文献1と称する)は、ステッピングモータの位置センサレス制御装置に関する数少ない適用事例である。以下、公知文献1の概要を記述する。
図5は公知文献1の実施例である。公知文献1は、3相ハイブリッド形ステッピングモータを対象として、零速(停止)時及び低速回転時は、外部から位置指令入力端子101に与えられる位置指令パルスに従いモータ通電状態を強制的に切り替えることでモータを駆動する。これを同期運転と称する。
【0004】
速度が上昇し速度起電力を検出可能な状態にあるときは、ロータ位置検出回路191でモータ端子電圧からモータ速度起電力の極性の切り替わりを検出し、ロータ位置信号を生成しゲート信号発生回路160に与えるとともに、転流タイミング信号を転流パルス発生回路に出力する。転流パルス発生回路192は、ロータ位置検出回路191で生成した転流タイミング信号で回転位置が変化するごとに位置検出パルスを発生し、偏差カウンタ111に出力する。偏差カウンタ111は、前記位置指令パルスと前記位置検出パルスをそれぞれ計数し、その差分である位置偏差を出力する。前記位置偏差は電圧指令制御回路130及びPWM(パルス幅変調)制御回路142を通りゲート信号発生回路にモータ印加電圧を調整するためにPWM変調信号として与えられる。即ち、速度起電力が検出可能な場合には、速度起電力に基づき励磁タイミングを決定し、且つモータ印加電圧を調整することで指令に対する位置ずれを是正する運転を行っている。これを位置センサレス閉ループ運転と称する。
【0005】
ここで、電圧指令制御回路の入力は、位置偏差と、位置偏差の積分値を用いたPI補償器と、転流パルス発生回路で検出した位置検出パルスの周波数成分即ち回転速度を用いた速度補償器を用いて生成することで位置指令パルスに対する追従性が向上することが記述されている。また、ロータ位置検出は、モータ各相それぞれの端子電圧と仮想中性点電圧を比較し極性反転位置を検出し生成していることが記述されている。
【0006】
なお、同期運転と位置センサレス閉ループ運転の切り替えは、運転モード切替回路150で所定の切り替え条件に基づき運転切り替え信号を発生し、切り替えスイッチ151及び152を切り替えることで実現している。また、同期運転用PWM発生回路141及びバイアス制御回路112は、同期運転時の駆動条件と切り替え時の適正条件を与えるものである。
【0007】
以上の如く、公知文献1は、モータの端子電圧を検出し、基準電圧と比較することでモータの速度起電力に基づく磁極位置を検出し、磁極位置の検出が可能な場合には位置センサレス閉ループ運転と称する前記速度起電力に基づく磁極位置でモータの励磁切り替えと、前記位置偏差に基づくモータ印加電圧の調整を行っている。
【0008】
しかし、公知文献1による従来技術の場合、モータ速度起電力の極性反転タイミングを検出するものであるから、例えば、マイクロステップ駆動を行う場合の微小な励磁位置の変化を必要とする場合には検出分解能が低いという問題がある。
また、多極機であるステッピングモータは、モータの基本周波数が高いため、速度の上昇とともにモータ巻線インダクタンスによる電流の位相遅れが大きく、公知文献1による従来技術では、モータの速度起電力の極性反転位置に対応して励磁切り替えを行い、位置偏差の変化で印加電圧を調整するため、印加電圧が飽和する領域以降の高速回転が困難であるという問題がある。
また、公知文献1による従来技術では3相ステッピングモータへの適用を前提とした内容であり、2相、5相など、相数の異なるステッピングモータに対応することが困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の如く、従来技術では、ステッピングモータを駆動状態でモータ諸種定数から磁極位置を検出する場合、検出位置の分解能が低いという問題があった。また、磁極位置と励磁切り替え条件が固定されており高速回転が困難であるという問題があった。また、2相、5相など、相数の異なるステッピングモータに対応することが困難であるという問題があった。
【0010】
本発明は、上記問題を解決し、多相ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、磁極位置検出の分解能が高いセンサレス磁極位置検出方法を実現することを目的としている。
また、多相ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、高速回転可能なモータ駆動方式を実現することを目的としている。
また、ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、モータ相数の影響を受けずらいセンサレス磁極位置検出方法及びモータ駆動装置を実現することを目的としている。
【0011】
【問題を解決するための手段】
上記問題を解決するために本発明では、ステッピングモータの駆動装置において、モータ印加電圧を検出する電圧検出器と、相電流を検出する電流検出器と、モータ巻線定数の逆関数特性演算器と、交流リップルを抑制する平滑回路を具備し、電圧検出器の出力である印加電圧検出値と、電流検出器の出力である相電流検出値を入力とし、相電流検出値をモータ巻線定数の逆関数特性演算器に印加し、前記逆関数特性演算器の出力と前記印加電圧検出値の差分を前記平滑回路にて平滑した値を出力とする状態推定器を構成し
【0012】
位置指令の入力端子から与えられる位置指令と前記状態推定器にて推定したモータ回転位置推定値をモータ回転位置検出値として用いて、前記位置指令と前記モータ回転位置検出値でモータ励磁位置を制御するように構成し、
【0013】
前記状態推定器を離散値演算にて取り扱い、前記状態推定器はモータの速度起電力の2階微分を0として線形化する。
【0014】
また、状態推定器を離散値演算にて取り扱い、前記状態推定器はモータの速度起電力の2階微分を0として線形化し、極配置を有限整定特性となるように構成する。
【0015】
また、モータ印加電圧に対して、印加電圧に比例した制御電圧を検出する電圧検出器と、電圧検出器の検出値を増幅する係数器を設け、前記状態推定器のモータ印加電圧検出器に代替するように構成する。
【0016】
【作用】
上記構成にすることで、本発明の課題とする高分解能のセンサレス磁極位置推定方法を実現することが可能となり、また、多相ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、高速回転可能なモータ駆動方式を実現することができる。また、ハイブリッド形ステッピングモータにおいて、モータ相数の影響を受けずらいセンサレス磁極位置推定方法及びモータ駆動方式を実現することができる。以下その根拠を2相ハイブリッド形ステッピングモータを例に記述する。
【0017】
モータの速度起電力は数式1(α相)及び数式2(β相)で表すことができる。
【数1】
Figure 0003797484
【数2】
Figure 0003797484
また、モータの電圧方程式を数式3(α相)及び数式4(β相)で表す。
【数3】
Figure 0003797484
【数4】
Figure 0003797484
但し、数式で使用した記号は、eα、eβはモータの速度起電力、iα、iβはモータの相電流、θreは電気角で表したモータ回転角度、ωreは電気角で表したモータ軸回転角速度(モータの基本角周波数)、Φはモータ磁束、vα、vβはモータの印加電圧、Rα、Rβは巻線抵抗、Lα、Lβは巻線インダクタンス、sはラプラス演算子である。なお、添え字のα、βはモータの相区分を示している。
ブラシレスモータの解析において、状態方程式をたてる場合速度起電力の1階微分を0とすることが一般的だが、ステッピングモータは過渡的な変化が繰り返されるため演算誤差が大きくなるという問題がある。
そこで、本発明では速度起電力の2階微分を0とするような状態方程式に基づき状態推定器を設計する。これにより状態推定器の推定精度の向上を図っている。速度起電力の2階微分が0となるモータの状態方程式を数式5(α相)及び数式6(β相)に示す。
【数5】
Figure 0003797484
【数6】
Figure 0003797484
数式5及び数式6を基にモータの速度起電力eα及びeβを推定できれば数式7を用いてモータの磁極位置θnfを推定できる。
【数7】
Figure 0003797484
【0018】
速度起電力の推定は、ステッピングモータを永久磁石形同期電動機として取り扱った場合、相電流検出値をモータ巻線定数の逆関数特性演算器に印加し、前記逆関数特性演算器の出力と前記印加電圧検出値の差分を前記平滑回路にて平滑した値を出力とする状態推定器によって得られる。従って、状態推定器で得られた速度起電力推定値を数式7に従い演算しモータの磁極位置θnfを推定し、位置指令と比較して励磁タイミングを適正な条件に制御することで、脱調の回避や振動抑制が可能な駆動特性を実現できる。
状態推定器を構成する場合、平滑回路の特性決定が問題であるが、ステッピングモータはモータの基本周波数(速度起電力の基本周波数)が高いため、高速に磁極位置を推定する必要がある。このため、本発明では、状態推定器の推定演算を離散値系で取り扱い、且つ、収束を速くするために、有限整定特性とした。
数式6及び数式7を例えばオイラー法にて離散化した場合、平滑回路のゲインは、数式8とすればよい。
【数8】
Figure 0003797484
但し、Tはサンプリング周期
Lはモータ巻線インダクタンス(L=Lα=Lβ)
【0019】
この結果、推定遅れの少ないモータ磁極位置情報が得られ、しかも、連続的に変化する速度起電力を推定しているため、離散値系の演算精度に依存するものの、高分解能の磁極位置推定値が得られる。よって、マイクロステップ駆動の如く、ステッピングモータの基本分解能よりも微小な角度を取り扱う駆動方式においても、位置推定値を用いた閉ループ駆動が可能である。
また、有限時間制定特性の状態推定器は磁極位置推定の時間遅れを小さくできるため、正弦波状の位置変化を推定できるだけでなく変化の急峻なパルス電圧駆動においても推定誤差の小さい位置推定を行うことができるため、分解能の粗い通常のステップ運転にも適用可能である。
また、前記位置指令と前記状態推定器にて推定したモータ回転位置推定値を用いて、モータ励磁位置を制御するように構成することで、回転速度の上昇により生じる電流の遅れを補正することが可能となり、モータを高速まで回転させることができる。
また、本発明は2相ハイブリッド形ステッピングモータを例に記載しているが、周知の通り、座標変換を用いることで多相機を2相機に変換することが可能であることから、本発明は3相ステッピングモータを始めとする多相ステッピングモータに適用することができる。
【0020】
【実施例】
図1は本発明の第1の実施例を示すブロック図である。
図1において、磁極位置推定器50(詳細は後述する)は、ステッピングモータ70のα相モータ通電電流を検出する第1の電流検出器61の出力iαfと、β相モータ通電電流を検出する第2の電流検出器62の出力iβfと、ステッピングモータ70の第1相(α相)モータ印加電圧Vαと、第2相(β相)モータ印加電圧Vβを入力とし、磁極位置推定値θnfを発生する。位置指令入力端子10に入力される位置指令θ*と前記磁極位置推定値θnfを位置制御器30に入力する。位置制御器30の出力と、電流振幅指令入力端子20に加える電流振幅指令を電流制御器40に加え、電流制御器40(詳細は後述する)によりステッピングモータ70の印加電圧を制御するように構成する。
【0021】
ここで、磁極位置推定方式について図2に従い詳述する。図2はモータと磁極位置推定器50の関係を示すブロック図である。但しモータ部は、2相ステッピングモータを例に、モータの一相分(α相)のみを示している。ここで、ステッピングモータは前述の通り永久磁石形同期電動機と類似した特性を有していることから、モータの挙動把握、解析に同期電動機の解析手法が適用できるものとしてブロック図を記述した。
ステッピングモータ70は、電流制御器40から与えられるα相印加電圧Vαを受け、モータ軸回転角速度ωreを発生する。モータ内部では軸回転角速度ωreに対して起電力定数75(ke)に比例した速度度起電力Eemfが生成され加算器71に帰還される。加算器71ではα相印加電圧Vαと速度度起電力Eemfの差分が計算されモータ巻線定数72に加えられ、α相巻線に相電流iαが流れる。相電流はトルク定数73(kt)により軸トルクTに変換され、更に軸トルクTはモータ機械要素74(図2では近似値1/Jsとした)によってモータ軸回転角速度ωreとなる。
【0022】
以上のモータα相のブロック図において、モータ相電流iαはモータ巻線に流れる電流であるから図1に示した第1の電流検出器61で検出することができる。
磁極位置推定器50は、α相速度起電力推定部51にてα相速度起電力推定値Eαfを得る。つまり、第1の電流検出器61の出力であるα相電流検出値iαfと、電流制御器40の出力であるα相印加電圧Vαを入力とし、一方の入力であるα相電流検出値iαfをモータ巻線定数の逆関数特性演算器54で係数倍した値と、他方の入力であるα相印加電圧Vαの差分を加算器53で生成する。加算器53の出力は平滑回路55に入力されα相速度起電力推定値Eαfを得る。図2には詳細を省略して表示しているが、モータの第2相(β相)についても、β相速度起電力推定部52にてβ相速度起電力推定値Eβfを得る。
更に、推定速度起電力Eαf及びEβfを位置演算器56によって磁極位置推定値θnfに変換し、磁極位置推定値θnfを磁極位置推定器50の出力として位置制御器30に与える。
【0023】
位置制御器30について詳述する。
図3は位置制御器の実施例である。位置制御器30は、位置指令入力端子10に加えられる位置指令と、磁極位置推定器50の出力である磁極位置推定値θnfを入力としている。加算器31は位置指令θ*と磁極位置推定値θnfの差(位置偏差)を求め、前記位置偏差を位置補償器32に与える。位置補償器32は位置偏差を増幅し、加算器33で位置補償器32の出力と磁極位置推定値θnfを加えて位置制御信号λを出力する。ステッピングモータは位置指令に追従して回転するが、指令が印加されると過渡的に位置偏差を生じる。図3の構成で、位置偏差εが発生すると位置制御信号λは磁極位置推定値θnfに位置偏差を増幅した値が出力される。例えば、位置補償器32がゲイン1倍の比例要素であれば、位置制御信号λは位置指令そのものとなる。通常、位置補償器32にPI補償器を用いる。この場合、位置偏差が継続的に発生すると、λは時間とともに増加する。
【0024】
電流制御器40について詳述する。
図4は電流制御器40の実施例である。電流制御器40は電流振幅指令入力端子20から与えられる外部電流振幅指令i*と、位置制御器30の出力である位置制御信号λと、前記第1の電流検出器61の出力である第1の電流検出値iαfと、前記第2の電流検出器62の出力である第2の電流検出値iβfを入力として、第1のモータ印加電圧Vαと、第2のモータ印加電圧Vβを出力するものである。
励磁信号発生器41は位置制御信号λを位置信号としてモータ印加電圧の基本信号である2相交流cosλ及びsinλびを発生する。
前記2相交流は乗算器42及び43で外部電流振幅指令i*に比例した振幅に変換された電流指令(i*cosλ及びi*sinλ)を生成する。加算器44及び45は前記電流指令と、2相電流検出値iαf、iβfとの電流偏差を演算する。前記電流偏差は電流補償器46及び47で増幅した後、PWM(パルス幅変調)変換器48に加えられる。
PWM変換器48は、第1相の電流補償器46の出力VacrαをPWM変調しインバータ駆動信号Vgαを生成する。同様にPWM変換器48は、第2相の電流補償器47の出力VacrβをPWM変調しインバータ駆動信号Vgβを生成する。インバータ49は、第1相のインバータ駆動信号Vgα及び第2相のインバータ駆動信号Vgβにより第1相(α相)モータ印加電圧Vαと、第2相(β相)モータ印加電圧Vβを出力する。
【0025】
即ち、電流制御器40は、電流指令とモータ電流との差が小さくなるような電流制御を行うとともに、モータの励磁位置は、位置制御信号λにより決定される。つまり、ステッピングモータとしての歩進位置及び速度上昇に伴うモータ励磁位置の補正が位置制御信号λを調整することで可能となっている。
【0026】
図6は、本発明の第2の実施例である。
図6は、図1の第1の実施例に対して、電流制御器40は同一構成で、位置制御器と磁極位置推定器の構成が異なる。
【0027】
磁極位置推定器の構成については、第1の実施例では、図2に示した通り磁極位置推定器50の入力はモータ端子電圧(Vα、Vβ)及びモータ相電流検出値(iαf、iβf)としたが、第2の実施例では、図6及び図8に示すように磁極位置推定器501の入力はモータ端子電圧に替えて電流補償器46の出力Vacrα及び電流補償器47の出力Vacrβを用いている。モータ相電流検出値(iαf、iβf)は第1の実施例と同一のものである。電流補償器の出力はモータ印加電圧と比例関係にあるため、図8でα相速度起電力推定部511内部に係数器57を追加している。なお、β相速度起電力推定部512はα相速度起電力推定部511と同一構成であり、図8では簡略表現とした。
【0028】
位置制御器の構成については、第1の実施例では図3に示した通り位置制御信号λは磁極位置推定値θnfに位置偏差を増幅した値としたが、第2の実施例では、図7に示すように位置制御信号λは磁極位置推定値θnfに位置偏差を増幅した値と、磁極位置推定値θnfを微分し係数倍した値を加算している。これは、速度の変化に対応してモータの励磁位置を調整するものである。
【0029】
【発明の効果】
上記のごとく、ステッピングモータの駆動において高速で高分解能のモータ磁極位置推定値が得られるため、通常のステッピングモータと同様に特別な検出器を設けることなく位置検出器付のモータと同等の駆動特性を実現できる。よって、本発明によるステッピングモータ駆動装置は、開ループ制御方式に比べ同一モータを使いながら脱調の恐れが少なく信頼性の高い装置を構築できる。なお、離散値演算を実施する場合、マイクロプロセッサ等の集積回路が使用可能であるため、本発明による駆動装置は小型、低価格で実現することが可能である。
【0030】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例を示すブロック図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例の機能説明用部分ブロック図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例における位置制御器の詳細ブロック図である。
【図4】本発明に係る第1の実施例における電流制御器の詳細ブロック図である。
【図5】従来のステッピングモータの駆動装置を示すブロック図である。
【図6】本発明に係る第2の実施例を示すブロック図である。
【図7】本発明に係る第2の実施例における位置制御器の詳細ブロック図である。
【図8】本発明に係る第2の実施例の機能説明用部分ブロック図である。
【0031】
【符号の説明】
10 位置指令入力端子
20 電流振幅指令入力端子
30、300 位置制御器
31 加算器
32 位置補償器
33 加算器
34 微分器
35 係数器
40 電流制御器
41 励磁信号発生器
42、43 乗算器
44、45 加算器
46、47 電流補償器
48 PWM変換器
49 インバータ
50、501 磁極位置推定器
51、511 速度起電力推定部
52、512 速度起電力推定部
53 加算器
54 モータ巻線定数の逆関数特性演算器
55 平滑回路
56 位置演算器
57 係数器
61、62 電流検出器
70 ステッピングモータ
71 加算器
72 モータ巻線定数
73 トルク定数
74 モータ機械要素
75 起電力定数
101 位置指令入力端子
111 偏差カウンタ
120 加算器
130 電圧指令制御回路
141 同期運転用PWM発生回路
142 PWM制御回路
151、152 切り替えスイッチ
160 ゲート信号発生回路
170 インバータ
180 ステッピングモータ
191 ロータ位置検出回路
192 転流パルス発生回路

Claims (4)

  1. モータ印加電圧を検出する電圧検出器と、相電流を検出する電流検出器と、モータ巻線定数の逆関数特性演算器と、交流リップルを抑制する平滑回路を具備し、電圧検出器の出力である印加電圧検出値と、電流検出器の出力である相電流検出値を入力とし、相電流検出値をモータ巻線定数の逆関数特性演算器に印加し、前記逆関数特性演算器の出力と前記印加電圧検出値の差分を前記平滑回路にて平滑した値を出力とする状態推定器を構成し、前記状態推定器の出力からモータ回転位置を推定し、位置指令の入力端子を備え、前記位置指令と、前記状態推定器の出力にて推定したモータ回転位置推定値をモータ回転位置検出値として用いて、前記位置指令と前記モータ回転位置検出値でモータ励磁位置を制御するように構成したステッピングモータ駆動装置において、
    状態推定器を離散値演算にて取り扱い、前記状態推定器はモータの速度起電力の2階微分を0として線形化したステッピングモータ駆動装置。
  2. 状態推定器を離散値演算にて取り扱い、前記状態推定器はモータの速度起電力の2階微分を0として線形化し、極配置を有限整定特性となるように構成した1項記載のステッピングモータ駆動装置。
  3. モータ印加電圧に比例する制御電圧を検出する電圧検出器と、相電流を検出する電流検出器と、モータ巻線定数の逆関数特性演算器と、交流リップルを抑制する平滑回路を具備し、電圧検出器の出力を係数倍した値と、電流検出器の出力である相電流検出値を入力とし、相電流検出値をモータ巻線定数の逆関数特性演算器に印加し、前記逆関数特性演算器の出力と前記印加電圧検出値の差分を前記平滑回路にて平滑した値を出力とする状態推定器を構成し、前記状態推定器の出力からモータ回転位置を推定し、位置指令の入力端子を備え、前記位置指令と、前記状態推定器の出力にて推定したモータ回転位置推定値をモータ回転位置検出値として用いて、前記位置指令と前記モータ回転位置検出値でモータ励磁位置を制御するように構成したステッピングモータ駆動装置において、状態推定器を離散値演算にて取り扱い、前記状態推定器はモータの速度起電力の2階微分を0として線形化したステッピングモータ駆動装置。
  4. 状態推定器を離散値演算にて取り扱い、前記状態推定器はモータの速度起電力の2階微分を0として線形化し、極配置を有限整定特性となるように構成した3項記載のステッピングモータ駆動装置。
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