JP2013258809A - モータ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】モータの磁石の温度又は磁束の推定精度を高めたモータ制御装置を提供する。
【解決手段】電源から入力される電力を変換し、モータ10に供給するインバータ7と、モータ10の状態を検出するセンサと、センサの検出値に基づいて、インバータ7からモータ10に出力される交流電流を制御する制御手段とを備え、制御手段は、インバータ7を制御する指令値の特性、又は、当該指令値に対するモータ10の出力もしくはインバータ7の出力の理想応答特性を示す第1特性、及び、指令値に対してセンサで検出された検出値の特性を示す第2特性から、モータ10に設けられた磁石の温度又は磁束の推定値を推定する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、モータ制御装置に関するものである。
ステータの外周を冷却するモータ冷却油の温度及びステータコイルの温度を入力して、モータ冷却油と、ステータコイルとロータ磁石の熱モデル(温度、発熱量、熱抵抗との関係)と、に基づいてロータ磁石温度を推定し、推定された磁石温度に基づいてモータを制御するモータ制御装置が知られている(特許文献1)。
特開2008−245486号公報
しかしながら、熱の伝達経路が複雑な熱モデルをもつ装置において、上記の方法では、磁石の温度の推定精度が低いという問題があった。
本発明が解決しようとする課題は、モータの磁石の温度又は磁束の推定精度を高めたモータ制御装置を提供することである。
本発明は、モータを制御する指令値の特性、あるいは、当該指令値に対するモータの出力又はインバータの出力の理想応答特性を示す第1特性、及び、指令値に対してセンサで検出された検出値の特性を示す第2特性から、モータに設けられた磁石の温度又は磁束の推定値を推定することによって上記課題を解決する。
本発明は、第2特性がモータの磁石温度又は磁束に対して依存性をもっているため、第1特性に対する第2特性に基づいて磁石の温度又は磁束を推定することで、磁石の温度又は磁束の推定精度を高めることができる。
本発明の実施形態に係るインバータ制御装置(モータ制御装置)のブロック図である。 図1のモータにおいて、磁石温度に対する磁束の特性を示すグラフである。 図1のインバータ制御装置において、時間に対する、dq軸電流指令値(i 、i )の特性、dq軸電流の理想応答特性及びdq軸電流の検出値の特性を示すグラフである。 図1のインバータ制御装置において、時間に対する、d軸電流指令値(i )の特性、d軸電流の理想応答特性及びd軸電流の検出値の特性を示すグラフである。 図1のインバータ制御装置において、時間に対する、q軸電流指令値(i )の特性、q軸電流の理想応答特性及びq軸電流の検出値の特性を示すグラフである。 図1のインバータ制御装置において、制御パラメータと誤差関数の演算値との関係を示すグラフである。 図3に示した理想応答特性と検出値の特性を、それぞれ一般化した場合の特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。 図7のインバータ制御装置において、時間に対する、d軸電流指令値(i )の特性、d軸電流の理想応答特性及びd軸電流の検出値の特性を示すグラフである。 図7のインバータ制御装置において、時間に対する、q軸電流指令値(i )の特性、q軸電流の理想応答特性及びq軸電流の検出値の特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。 本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。 本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置において、制御手順を示すフローチャートである。 本発明の変形例に係るインバータ制御装置において、制御手順を示すフローチャートである。 本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のPI−dq電流制御部に含まれるフィルタのブロック図である。 本発明の変形例に係るインバータ制御装置のブロック図である。 本発明の変形例に係るインバータ制御装置のブロック図である。 本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置において、モータ10の磁石の磁束に対するインダクタンスの特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。 図17のインバータ制御装置において、時間に対する、dq軸電圧指令値(v 、v )の特性、dq軸電圧の理想応答特性及びdq軸電圧の検出値の特性を示すグラフである。 本発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。 図19のインバータ制御装置において、時間に対する、トルクの理想応答特性及びトルクの検出値の特性を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、発明の実施形態に係るモータ制御装置のブロック図である。詳細な図示は省略するが、本例のモータ制御装置を電気自動車に設ける場合に、三相交流誘導モータ10(以下単にモータ10)は、走行駆動源として駆動し、電気自動車の車軸に結合されている。なお本例のモータ制御装置はインバータを制御することによってモータを制御するものを例に挙げて説明し、以下ではインバータ制御装置と記載する。また、本例のモータ制御装置は、例えばハイブリッド自動車(HEV)等の電気自動車以外の車両にも適用可能である。なお、本例におけるモータ10は、ロータに永久磁石を備えると共にステータに多相巻線を有した一般的なIPMモータであり、説明は省略する。
本例のインバータ制御装置は、モータ10の各相の巻線に流れる電流(交流電流)を制御することによってモータ10の動作を制御するモータ制御装置であって、電流指令値演算部1と、PI−dq電流制御部2と、非干渉制御部3と、dq−3相変換部4と、変調率演算部5と、三角波比較部6と、インバータ7(回路手段)と、直流電源8と、電流センサ9と、モータ10と、位置センサ(PS)11と、角速度演算部12と、dq−3相変換部13と、推定部20を備えている。
電流指令値演算部1は、モータ10の出力トルクの目標値として外部より入力されるトルク指令値(T)、角速度演算部12の出力であり、モータ10の回転速度に相当する角速度(ω)及び直流電源8の検出電圧である電圧(Vdc)を入力とし、インバータ7を制御するための電流指令値(i 、i )を演算し、出力する。ここで、dq軸は、回転座標系の成分を表している。
PI−dq電流制御部2は、電流センサ9の検出値に基づき計測されたd軸電流(i)及びq軸電流(i)をd軸電流指令値(i )及びq軸電流指令値(i )にそれぞれ一致させるようにフィードバック制御するPIフィードバック制御器である。PI−dq電流制御部2の入力側には、dq軸電流指令値(i 、i )とdq軸電流(i、i)との偏差をとる減算器が設けられ、減算器の出力がPI−dq電流制御部2に入力される。そして、PI−dq電流制御部2は、dq軸電流指令値(i 、i )に対してdq軸電流(i、i)を、定常的な偏差なく所定の応答性で追随させるよう制御演算を行い、dq軸の電圧指令値(v 、v )を出力する。
非干渉制御部3は、dq軸電流指令値(i 、i )及び角速度(ω)を入力として、dq軸非干渉電圧(vd_dcpl 、vq_dcpl )を演算する制御器である。非干渉制御部3には、PI−dq電流制御部2の干渉成分(干渉電圧)を打ち消すための非干渉電圧のマップが予め記憶されており、入力値に対して当該マップを参照することで、dq軸非干渉電圧(vd_dcpl 、vq_dcpl )を演算する。
PI−dq電流制御部2及び非干渉制御部3の出力側には加算器が設けられている。当該加算器において、PI−dq電流制御部2及び非干渉制御部3から出力される電圧指令値を加算することで非干渉電圧が補正され、加算器からdq−3相変換部4への出力値が、dq軸電圧指令値(v、v)となる。
dq−3相変換部4は、dq軸電圧指令値(v、v)及び角速度演算部12で演算される電気角(θ)を入力として、下記の式1を用いて、dq軸電圧指令値(v、v)を固定座標系のu、v、w軸の電圧指令値(v、v、v)に座標変換し、変調率演算部5に出力する。
Figure 2013258809
変調率演算部5は、直流電源8の電圧(Vdc)に基づいて、所定の演算式により
直流電源8の直流電圧に対するモータ10への供給電圧の割合で示される変調率を演算する。変調率が高い場合には、モータ10への供給電圧の波形が正弦波ではなく歪んだ波形になる。変調率演算部5は、予め設定された変調率閾値と演算された変調率とをを比較し、変調率が高い場合には、モータ10への供給電圧波形を正弦波に近づけるよう、dq−3相変換部4から出力される電圧指令値(v、v、v)を変調し、三角波比較部6に出力する(m、m、m)。
三角波比較部6は、キャリアである三角波と、変調率演算部5から入力される指令値とを比較することで、PWM信号を生成して、インバータ7に出力する。インバータ7に含まれる複数のスイッチング素子は、当該PWM信号に基づいて、オン及びオフを切り替える。
直流電源8は、二次電池を含むバッテリであり、本例の車両の動力源となる。インバータ7は、MOSFETやIGBT等のスイッチング素子(図示しない)を対に接続した回路を複数接続した三相インバータ回路により構成されている。各スイッチング素子には、PWM信号が入力される。そして、当該スイッチング素子のスイッチング動作により、直流電源8の直流電圧が交流電圧に変換され、モータ10に入力される。またモータ10が発電機として動作する場合には、インバータ7はモータ10から出力される交流電圧を直流電圧に変換し直流電源8に出力する。これにより直流電源8が充電される。
電流センサ9は、U相及びW相にそれぞれ設けられ、相電流(i、i)を検出し、dq−3相変換部13に出力する。v相の電流は、電流センサ9により検出されず、代わりに、dq−3相変換部13は入力された相電流(i、i)からv相の相電流(i)を演算する。なお、v相の相電流について、v相に電流センサ9を設け、当該電流センサ9により検出してもよい。
モータ10は、多相モータであり、インバータ7に接続されている。またモータ10は発電機としても動作する。位置センサ11は、レゾルバまたはエンコーダなどのセンサにより、モータ10の磁極の位置を検出するセンサである。位置センサ11の検出値は角速度演算部12に出力される。角速度演算部12は、位置センサ11からの出力値をカウントすることで、モータ10の回転子の電気角(θ)を演算し、dq−3相変換部4、13に出力する。また角速度演算部12は、電気角(θ)の時間変化率により角速度(ω)を演算して、電流指令値演算部1及び非干渉制御部3に出力する。
dq−3相変換部13は、入力される相電流(i、i)をdq軸電流(i、i)に変換して、PI−dq電流制御部2の入力側の減算器に出力する。これにより、dq軸電流(i、i)がPI−dq電流制御部2に入力されることになり、本例のインバータ制御装置は電流制御ループによるフィードバック制御を行っている。
推定部20は、dq軸電流指令値(i 、i )及び電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流(i、i)に基づいて、モータ10の磁石温度を推定する。なお、磁石の温度の推定制御については後述する。
ここで、モータ10の磁石の温度依存性について、図2を用いて説明する。図2は、モータ10の磁石において、磁石温度に対する磁束(磁束の量であり、以下単に磁束と記載)の特性を示すグラフ(概略図)である。
図2のグラフaに示すように、低温時(温度T1)での磁束がAであったとすると、高温時(温度T2)の際の磁束はAに遷移する。そして、温度がT2からT1に戻った場合には、磁束の状態がAから元の状態であるAに戻る。
すなわち、磁石のBHカーブは温度依存性をもっており、そのため、磁石の温度が高い場合には、モータ10の巻線に流れる電流値が同一であっても出力トルクに差異が生じ、トルクの出力制御が悪化する。その結果として、モータ10の出力効率が落ち、電流応答性も悪化する。ゆえに、本例のようなインバータ制御装置において、モータ10の磁石の温度を管理することは、モータ10の制御の応答精度を高めることになる。また、磁石の温度が更に高温となった場合には、磁石の温度が元に戻っても(温度が低下しても)、温度低下に応じて磁束が戻らない所謂不可逆減磁が発生する可能性が有る。このような不可逆減磁を防止する制御を行なう場合においても、モータ10の磁石の温度を精度良く推定することが必要となる。
次に、本例のインバータ制御装置における、モータ10の磁石温度に対するdq軸電流の応答性について、図3を用いて説明する。図3は、dq軸電流指令値(i 、i )に対するdq軸電流の理想応答特性及びdq軸電流の検出値の特性を示すグラフである。グラフa、bは電流指令値演算部1から出力されるd軸電流指令値及びq軸電流指令値を示し、グラフa、bは、磁石温度が所定温度である場合に、インバータ7から出力されるd、q軸電流の理想値の応答特性を示し、グラフa、bは、磁石温度が当該所定温度と異なる温度である場合に、電流センサ9で検出される検出値(d、q軸電流)の特性を示す。なお、各特性において、駆動周波数は同じ周波数とする。
グラフa、bに示すように、ステップ値で示されるdq軸電流指令値が時間(t)で入力されると、インバータ7からモータ10に出力される電流はPI−dq電流制御部2による応答性により時間遅れをもった特性で出力される。そのため、グラフa、bのdq軸電流指令値に対して、電流センサ9の検出値に相当するdq電流は、グラフa、bの特性を示す。
この時、グラフa、bの特性では、モータ10の磁石温度を所定温度(例えば30℃)としており、この所定温度の時のdq軸電流の特性を理想応答特性としている。
そして、理想応答特性の磁石温度に対して、磁石温度が変化すると、dq軸電流は、グラフa、bのように、応答波形が変化する。すなわち、磁石温度が変化すると、dq軸電流の特性は理想特性に対して振動するような特性を示し、グラフa、bの特性とグラフa、bの特性との間で誤差が生じる。この誤差は、インバータ7を制御するパラメータが温度依存性をもっていることにより、発生する。そのため、磁石温度の変化はdq軸電流の特性を評価することで推定することができる。本例は、以下に説明するように、dq軸電流指令値に対して理想応答特性であるdq軸電流特性、及び、dq軸電流指令値に対して電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流特性から、モータ10に設けられた磁石の温度を推定する。
まず、dq軸電流指令値(i 、i )が任意のタイミングに、ステップ値で入力される。電流センサ9は、当該dq軸電流指令値(i 、i )により動作するインバータ7の相電流を検出する。電流センサ9の検出値は、dq−3相変換部で変換されて、dq軸電流(i、i)として減算器に入力される。
推定部20は、dq軸電流指令値(i 、i )が入力されるタイミングから所定の期間(Ts)、dq−3相変換部13の出力値をサンプリングすることで、当該期間(Ts)におけるdq軸電流(i、i)の特性を演算する。所定の期間(ts)は、図3に示すように、dq軸電流指令値(i 、i )に対する応答特性の遅れ時間に応じて設定され、例えば、応答特性が指令値の特性上で安定したと判断できる時間に設定される。
推定部20には、モータ10の磁石の温度とインダクタンス(Ld、Lq)との対応関係を示すマップが予め格納されている。モータ10の磁石の温度とインダクタンス(Ld、Lq)との間には相関性があり、磁石の温度が高くなると、磁束が下がり、dq軸のインダクタンス(Ld、Lq)は上がる。マップは当該相関性に基づき、磁石の温度とインダクタンス(Ld、Lq)との対応関係を示す。
また推定部20は、磁石温度を上記の所定温度(基準温度)とした場合における、dq軸電流指令値(i 、i )に対するdq軸電流の応答特性を理想応答特性として予め設定している。インバータ7、電流センサ9及びモータ10を含む制御対象の特性は設計段階で決まるため、当該理想応答特性も設計段階で予め決まっている。
推定部20は、所定期間(Ts)内に検出されるdq軸電流と理想応答特性で示されるdq軸電流の理想値との差異を、以下の式2で示される誤差関数(e)を用いて誤差を演算することで、評価する。
Figure 2013258809
式2において、stはdq軸電流指令値の入力開始時間(図3のtに相当)、Xは入力開始時間(st)を始点とした誤差関数による評価時間(図3の時間(Ts)に相当)、id_ideal、iq_idealは理想応答特性の理想値、Wd、Wqはモータ10の設計に応じた重み係数を示す。また式2は、過渡状態の電流を表す誤差関数である。
これにより、理想温度特性に対応する温度(基準温度)と実際の磁石温度との差異は、上記の誤差関数から演算された数値で表れる。
推定部20は、誤差関数で演算された演算値に基づきPI−dq電流制御部2の制御パラメータ(Ld、Lq)を設定することで、誤差関数の演算値を小さくするようにPI−dq電流制御部2を制御する。
磁石温度を一定の温度条件とし、制御パラメータとしてLdを変えた場合のdq軸電流の特性を図4a、bに示す。図4aは時間に対するd軸電流の特性を示し、図4bは時間に対するq軸電流の特性を示す。図4a、bにおいて、グラフa、bはdq軸電流指令値の特性を、グラフa、bは理想応答特性を、グラフa、bはd軸インダクタンスをLdとした場合の電流センサ9の検出値のdq軸電流特性を、グラフa、bはd軸インダクタンスをLdとした場合の電流センサ9の検出値のdq軸電流特性を示す。なお、q軸インダクタンス(Ld)のパラメータは変えておらず、LdはLdより大きい値とする。
d軸インダクタンスをLdとした場合の誤差関数の値(e)は、d軸インダクタンスをLdとした場合の誤差関数の値より小さくなっており、d軸インダクタンスLdの特性は、d軸インダクタンスLdの特性と比較して理想応答特性に近づいている。そして、推定部20のマップ上で、d軸インダクタンス(Ld)に対応する温度をTとし、d軸インダクタンス(Ld)に対応する温度をT(>T)した場合には、図4の温度条件において、d軸インダクタンスのパラメータをLdにすると、誤差関数の値(e)がより小さくなり、dq軸電流特性が理想応答特性により近づいているため、磁石の実際の温度はTに近い温度になっている。
図5に、磁石温度を一定にした場合の、パラメータ(Ld)と誤差関数との関係を示す。図5に示すように、誤差関数の演算値(e)は、パラメータに応じた異なる値となるが、演算値には収束点(e)がある。そのため、推定部20は、当該収束点をみつけるように、複数のパラメータを用いて誤差関数による誤差値を演算する。すなわち、推定部20は、誤差関数の演算値が小さくなるように、d軸インダクタンスのパラメータを変えつつ、上記の誤差関数による評価を行い、演算値(e)を収束させる。そして、推定部20は、マップを参照し、収束した演算値(e)の誤差演算の際に用いたパラメータ(Ld)に対応する温度を抽出し、抽出した温度を、磁石の温度として推定する。
これにより、推定部20は、PI−dq軸電流制御部2に含まれるパラメータのうち、磁石温度に対して依存性をもつパラメータによって生じている、dq軸電流の理想応答特性とdq軸電流の電流センサ9の検出値特性との差異を評価することで、モータ10の磁石の温度を推定する。
上記のように、本例は、インバータ7を制御する指令値(dq軸電流指令値)の理想応答特性及び当該指令値に対して電流センサ9で検出された検出値の特性から、モータ10の磁石の温度を推定する。これにより、磁石の温度の推定精度を高めることができる。
ところで、モータ10の磁石温度の推定について、モータ10の磁石温度は外部の環境温度やエンジンの発熱などの複数の外部要因でも変化するため、従来のような熱モデルを用いた温度推定方法では、高い推定精度を実現しようとした場合には、上記のような複数の外部要因を考慮して複雑な熱モデルを用いて推定しなければならず、例えば車両の駆動源としてのモータの磁石温度を推定しようとした場合には演算装置が大型化し、車載することが困難となる。また、従来のような熱モデルは一般に、前演算周期における推定結果に基づいて次演算周期の推定を行なうため、推定誤差が蓄積されていく。一方、例えば特開2004-201425号のように、公知の回路方程式(電流、電圧、抵抗、インダクタンスをパラメータとしたモデル式)による磁石温度の推定方法を用いることが考えられるが、回路方程式に微分項を持つことから推定が困難となる。このため、特開2004-201425号においては微分項を0とおいて、定常状態におけるモータの磁石温度を推定しているが、車両のモータのように過渡状態で動作することが多いモータの磁石温度を精度良く推定することが困難である。しかしながら本例では、モータ10の応答性を利用して磁石温度を推定しているため、比較的簡易な演算で、モータの過渡状態を含めて精度よく磁石温度を推定することができる。
また本例において、PI−dq電流制御部2に含まれているパラメータは磁石の温度に対して依存性をもっているため、磁石の温度変化が、dq軸電流指令値に対する理想応答特性と当該指令値に対する電流センサ9の検出値の特性との誤差に表れる。そのため、本例は、当該誤差からモータ10の磁石温度を推定する。これにより、過渡状態でも精度よく磁石温度を推定することができる。
また本例は、dq軸電流指令値の理想応答特性と、磁石の温度に依存している、電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流値の特性との誤差を、誤差関数を用いて演算し、当該誤差を収束させる、PI−dq軸電流制御部2のパラメータを設定する。そして、本例は、パラメータと磁石温度との対応関係を示すマップを参照して、誤差を収束させたパラメータに対応する温度を、磁石温度として推定する。これにより、過渡状態でも精度よく磁石温度を推定することができる。
また本例は、モータ10が過渡状態である場合にdq軸電流の理想応答特性及び電流センサ9の検出値に基づく特性から磁石温度を推定する。これにより、過渡状態でも精度よく磁石温度を推定することができる。
なお、本例は、理想応答特性のdq軸電流(i、i)とdq軸電流(i、i)との誤差を評価し、磁石の温度を推定したが、dq軸電流指令値(i 、i )(図3のグラフaに相当)とdq軸電流(i、i)との誤差を評価し、磁石の温度を推定してもよい。電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流は、磁石温度に対して温度依存性をもっているが、dq軸電流指令値(i 、i )は、理想応答特性と同様に、磁石温度に対して変化しない特性である。そのため、本例は、dq軸電流指令値(i 、i )を基準として、電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流の誤差を、誤差関数等で評価することで、磁石温度を推定することができる。
また、本例は、PI−dq電流制御部2のパラメータを設定し、誤差関数による演算を複数回行い、誤差関数の演算値を収束させて、磁石温度を推定したが、誤差関数の演算値を必ずしも収束させる必要はなく、例えば、理想応答特性と電流センサ9の検出値に基づく特性との誤差から磁石温度を推定してもよい。上記のように、理想応答特性と電流センサ9の検出値に基づく特性との誤差は、磁石温度に対して温度依存性をもっているため、誤差の大きさと、基準となる温度(参照となる温度)に対する実際の温度との温度差には相関性をもつことになる。そのため、本例は、特性の誤差と磁石温度の推定温度との関係を予めマップとして、推定部20に格納し、当該マップを参照して、演算された誤差に対応する温度を、磁石の温度として推定してもよい。
また、本例は、磁石の温度を推定したが、モータ10の磁束を推定してもよい。上記のとおり、磁石温度と磁石磁束との間には、相関性があるため、例えば当該相関性を示すマップを格納し、マップを参照し、磁束を推定してもよい。
なお本例では、式2に示す誤差関数を用いて、dq軸電流指令値の特性とdq軸電流値との誤差を演算したが、例えば下記の式4、8で表される誤差関数用いてもよい。
過渡状態を一般的に表した誤差関数は、式3により表される。また図3に示す特性は、図6に示す特性で表される。図6は、dq軸電流の特性を一般化した際の特性を示すグラフであり、aが理想応答特性を、aが検出値に基づく特性を示す。
Figure 2013258809
そして、式3に対して、誤差関数の演算式の変形例は、以下の式で表される。
Figure 2013258809
ここで、ΔAi_deal、ΔAは、式5、6で表される。
Figure 2013258809
Figure 2013258809
stはAの初期値であり、ArefはAの目標値であり、電流特性ではdq軸電流の指令値に相当する値である。そしてAidealは以下の式7から演算される理想値である。
Figure 2013258809
だだし、ωは制御の応答速度を示している。すなわち、理想応答値=(目標値(指令値)−初期値)(1−exp−ωt)+初期値の関係となる。
また、式4の他に、誤差関数の変形例として、式8で表される。
Figure 2013258809
なお、誤差関数の変形例は、式4、8以外の他の式であってもよい。
なお本例は、d軸電流及びq軸電流の両方の電流について誤差を評価することで、磁石温度を推定したが、d軸電流またはq軸電流のいずれか一方の電流に関する特性に基づいて、磁石温度を推定してもよい。
上記の電流指令値演算部1が本発明の「指令値演算部」に相当し、PI−dq電流制御部2が本発明の「フィードバック制御手段」に、非干渉制御部3が本発明の「非干渉制御手段」に、dq−3相変換部4、変調率演算部5及び三角波比較部6が本発明の「インバータ制御手段」に相当し、これら制御部及び推定部20が本発明の「制御手段」に相当する。
《第2実施形態》
図7は発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、非干渉制御部3に含まれるパラメータを設定し、磁石温度を推定している点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
推定部20は、非干渉制御部3の制御パラメータを設定し、dq軸電流指令値(i 、i )及び電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流(i、i)に基づいて、モータ10の磁石温度を推定する。
本例のインバータ制御装置における、dq軸電流特性について説明する。図8aは時間に対するd軸電流の特性を示し、図8bは時間に対するq軸電流の特性を示す。図8a、bにおいて、グラフa、bはdq軸電流指令値の特性を、グラフa、bは理想応答特性を、グラフa、bは非干渉制御を行っていない場合の、電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流(i、i)の特性を、グラフa、bは非干渉制御を行った場合の、電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流(i、i)の特性を示す。
本例のインバータ制御装置において、モータ10の一般的な電流方程式は、以下の式9、10で表される。
Figure 2013258809
Figure 2013258809
ただし、ωはモータ角速度、φaは公差磁束、Raはモータ10のコイル抵抗を示す。
式9、10に示すパラメータ(Ld、Lq、Ra、ω)は運転条件によって変動するため、モータ10の電流応答は非線形を有する。そのため、PI−dq電流制御部2によりPID制御だけでは、非線形性の影響を受けて応答特性が安定しない。
図8a、8bに示すように、非線形制御を行わないグラフa、bの特性は、グラフa、bの理想応答特性に対して誤差が大きくなっている。一方、非線形制御を行ったグラフa、bの特性は、グラフa、bの特性と比較して、理想応答特性に対して誤差が小さくなっている。すなわち、非干渉制御部3は、式9、10の非干渉項である第2項の成分を打ち消すことで、制御の安定性を図っている。
式9、10の非干渉項である第2項のパラメータのうち、d軸インダクタンス(Ld)及びq軸インダクタンス(Lq)は、磁石の温度に対して依存性を持っている。そのため、本例は、非干渉制御部3に含まれる、d軸インダクタンス又はq軸インダクタンスのパラメータを設定し、dq軸電流の理想応答特性と電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流特性との誤差を、誤差関数を用いて演算する。
推定部20は、誤差関数の演算値を小さくするように、非干渉制御部3のパラメータを設定しつつ、上記の誤差関数を用いた演算による評価を行い、誤差関数の演算値を収束させる。そして、推定部20は、マップを参照して、収束した演算値のパラメータに対応する温度を、磁石温度として推定する。これにより、本例は、非干渉制御部3のパラメータを制御し、dq軸電流指令値に対する理想応答特性と当該dq軸電流指令値に対する電流センサ9の検出値の電流特性との誤差から、磁石温度を推定する。
上記のように非干渉制御部3に含まれているパラメータは磁石の温度に対して依存性をもっているため、磁石の温度変化が、dq軸電流指令値に対する理想応答特性と当該指令値に対する電流センサ9の検出値の特性との誤差に表れる。そのため、本例は、当該誤差からモータ10の磁石温度を推定する。これにより、過渡状態でも精度よく磁石温度を推定することができる。
なお、本例は制御パラメータとして、非干渉制御部3に含まれる、磁束のパラメータ(Φd、Φq)を設定することで、磁石の温度を推定してもよい。
上記の非干渉制御部3が本発明の「非干渉制御手段」に相当する。
《第3実施形態》
図9は発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、高調波成分の電流特性を用いて、磁石温度を推定する点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1、第2実施形態の記載を適宜、援用する。
図9に示すように、本例のインバータ制御装置は、PI−dq_n電流制御部14と、dq−3相変換部15、16を備えている。電流指令値演算部1は、トルク指令値(T)、モータ10の角速度(ω)及び直流電源8の電圧(Vdc)から電流指令値を演算し、演算された演算値のうち、モータ10の駆動周波数の高調波成分の電流指令値(id_n 、iq_n )を推定部20及びPI−dq_n電流制御部14に出力する。また、電流指令値演算部1は、駆動周波数の基本波成分の指令値(i 、i )を、PI−dq電流制御部2及び非干渉制御部3に出力する。
高調波成分の電流指令値は、駆動周波数の基本波の周波数に対して高次の成分の指令値である。本例では、n次の高調波成分の電流指令値を用いている。PI−dq_n電流制御部14は、PI−dq電流制御部2と同様に、電流センサ9の検出値に基づくd軸電流(id_n)及びq軸電流(iq_n)をd軸電流指令値(id_n )及びq軸電流指令値(iq_n )にそれぞれ一致させるようにフィードバック制御し、dq−3相変換部15に出力する。
dq−3相変換部15は、dq軸電流指令値(id_n 、iq_n )を座標変換し電圧指令値(vu_n、vv_n、vw_n)を、dq−3相変換部4とインバータ7との間の加算器に出力する。dq−3相変換部16は、入力される相電流(i、i)をdq軸電流(id_n、iq_n)に変換して、PI−dq_n電流制御部14及び推定部20に送信する。
推定部20は、PI−dq_n電流制御部14の制御パラメータを設定し、n次の高調波成分のdq軸電流指令値(id_n 、iq_n )及び電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流(id_n、iq_n)に基づいて、モータ10の磁石温度(Tm_n)を推定する。推定部20における磁石温度の推定制御は、第1実施形態に係る推定部20の制御と同様であるため、説明を省略する。
上記のように、本例は、モータ10の駆動周波数の高調波成分における、電流指令値に対するdq軸電流の理想応答特性及び電流指令値に対する電流センサ9の検出値に基づいたdq軸電流特性から磁石温度を推定する。本例のインバータ制御において、高調波の成分はトルク発生に関与しない成分である。そのため、モータ10が過渡状態である場合に限らず、定常状態である場合においても、磁石温度を推定するために、高調波の成分のdq軸電流特性を抽出して、理想応答特性と電流センサ9の実際の電流特性との差異を評価することで、モータ10の磁石温度を推定することができる。その結果として、本例は、過渡状態に限らず、定常状態でも精度よく磁石温度を推定することができる。
なお、本例では、トルク発生に影響ない周波数成分として、モータ10の駆動周波数の高調波成分の応答特性を用いたが、モータ10の駆動周波数に重畳されている高周波の応答特性を用いて、磁石温度を推定してもよい。すなわち、本例は、モータ10の駆動周波数の基本波の周波数より高い周波数成分における、dq軸電流の理想応答特性及び電流センサ9の検出値に基づいたdq軸電流特性から磁石温度を推定する。
なお、本例では、PI−dq_n電流制御部14の制御パラメータを設定し、モータ10の磁石温度を推定したが、PI−dq電流制御部2又は非干渉制御部3の制御パラメータを設定し、モータ10の磁石温度を推定してもよい。非干渉制御部3の制御パラメータを設定した上での、推定部20における磁石温度の推定制御は、第2実施形態に係る推定部20の制御と同様であるため、説明を省略する。
《第4実施形態》
図10は発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、複数の周波数成分の電流特性を用いて、磁石温度を推定する点が異なる。これ以外の構成は上述した第3実施形態と同じであり、第1〜第3実施形態の記載を適宜、援用する。
図10に示すように、本例のインバータ制御装置は、推定部21、22を備えている。電流指令値演算部1は、トルク指令値(T)、モータ10の角速度(ω)及び直流電源8の電圧(Vdc)から電流指令値を演算し、演算された演算値のうち、モータ10の駆動周波数の基本波成分の電流指令値(i 、i )をPI−dq電流制御部2、非干渉制御部3及び推定部21に出力し、高調波成分の電流指令値(id_n 、iq_n )を推定部22及びPI−dq_n電流制御部14に出力する。
推定部21は、PI−dq電流制御部2の制御パラメータを設定し、基本波成分のdq軸電流指令値(i 、i )及び電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流(i、i)に基づいて、モータ10の磁石温度(Tm)を推定する。推定部21における磁石温度の推定制御は、第1実施形態に係る推定部20の制御と同様であるため、説明を省略する。
推定部22は、PI−dq_n電流制御部14の制御パラメータを設定し、n次の高調波成分のdq軸電流指令値(id_n 、iq_n )及び電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流(id_n、iq_n)に基づいて、モータ10の磁石温度(Tm_n)を推定する。推定部22における磁石温度の推定制御は、第1実施形態に係る推定部20の制御と同様であるため、説明を省略する。
推定部21、22で推定された磁石温度(Tm、Tm_n)が異なる推定値である場合には、推定部21、22は、dq軸電流の理想応答特性と電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流特性との誤差が小さい方の推定値を、磁石温度の推定値として推定する。誤差の大きさは、推定部21、22でそれぞれ演算された誤差関数の演算値を比較することで導出される。
上記のように、本例は、モータ10の駆動周波数の複数の周波数成分において、電流指令値に対するdq軸電流の理想応答特性と電流指令値に対する電流センサ9の検出値に基づいたdq軸電流特性とをそれぞれ比較することで、磁石温度を推定する。これにより、磁石温度の推定精度を高めることができる。
なお、本例は、推定部21及び推定部22において、誤差関数を用いて演算した演算値のうち、早く収束した方の演算値に対応する温度を磁石温度の推定値としてもよい。これにより、本例は誤差関数を用いた異なる演算制御を複数で行うことができるため、演算値を収束するまでの演算速度を早くすることができる。
《第5実施形態》
第5実施形態に係るインバータ制御装置を説明する。本例では上述した第4実施形態に対して、インバータ制御装置の制御の一部が異なる。これ以外の構成は上述した第4実施形態と同じであり、第4実施形態の記載を適宜、援用する。
図10に示すように、推定部21は、モータ10の駆動周波数のうち基本波の電流特性を用いて磁石温度を推定し、推定部22は、モータ10の駆動周波数のうち高調波の電流特性を用いて磁石温度を推定する。また本例では、モータ10の状態を、位置センサ11、電流センサ9又は図示しないトルクセンサ等で管理している。そして、モータ10の状態が定常状態である場合には、推定部22において、高調波成分による推定制御で磁石温度を推定し、モータ10の状態が過渡状態である場合には、推定部21において、基本波成分による推定制御で磁石温度を推定する。
モータ10の状態が過渡状態である場合には、トルク変動が激しいため、推定部21は、トルク発生に影響する基本波成分を用いて、磁石温度を推定する。一方、モータ10の状態が定常状態である場合には、トルク変動が激しくないため、基本波成分を用いて磁石温度を推定した場合には、トルクの発生に影響を及ぼす可能性がある。そのため、本例は、定常状態では、推定部22により、高調波成分を用いて磁石温度を推定する。これにより、本例は、モータの状態に応じて、磁石温度を推定する推定制御を推定部21、22で切り替えている。
図11を用いて、本例のインバータ制御装置の制御手順を説明する。図11は本例の制御手順を示すフローチャートである。本例のインバータ制御装置の全体を制御するコントローラ(図示しない)は、センサによりモータ10の状態を検出する。そして、コントローラは、モータ10の状態が過渡状態であるか否かを判定する(ステップ1)。
モータ10の状態が過渡状態である場合には、ステップ2にて、コントローラは、推定部21を用いて、基本波成分による温度推定制御を行い、磁石温度を推定する。一方、モータ10の状態が定常状態である場合には、ステップ3にて、コントローラは、推定部22を用いて、高調波成分による温度推定制御を行い、磁石温度を推定する。なお、推定部21による温度推定制御及び推定部22による温度推定制御は、第4実施形態に係る推定部21、22の制御と同様であるため、説明を省略する。
上記のように、本例は、モータ10の状態に応じて、磁石温度を推定する推定制御を切り替える。そして、モータ10が過渡状態である場合には、基本波成分における、理想応答特性及び電流センサ8の検出値に基づく電流特性から磁石温度を推定し、モータ10が定常状態である場合には、高調波成分における、理想応答特性及び電流センサ8の検出値に基づく電流特性から磁石温度を推定する。これにより、本例は、モータ10の状態に応じて、磁石温度を精度よく推定することができる。
なお、本例では、モータ10が定常状態である場合には、高調波成分の特性から磁石温度を推定したが、定常状態である場合には、例えば従来の熱モデルで示す関係を用いて、磁石温度を推定し、過渡状態である場合に、本例の温度推定制御を行ってもよい。すなわち、本例は、モータ10の状態に応じて、磁石温度を推定する推定制御を切り替え、モータ10が過渡状態である場合には、高調波成分における、理想応答特性及び電流センサ8の検出値に基づく電流特性から磁石温度を推定する。
図12を用いて、本例の変形例に係るインバータ制御装置の制御手順を説明する。ステップ11にて、コントローラ(図示しない)は、センサによりモータ10の状態を検出し、モータ10の状態が過渡状態であるか否かを判定する。ステップS12にて、コントローラは、推定部21又は推定部22を用いて、温度推定制御を行い、磁石温度を推定する。一方、モータ10の状態が定常状態である場合には、ステップ3にて、コントローラは、熱モデルで示す関係を用いて、磁石温度を推定する。これにより、本例は、モータ10の状態に応じて、磁石温度を精度よく推定することができる。
なお、本例において、推定部22は、モータ10の駆動周波数の周波数成分のうち、高調波成分の特性に基づいて磁石温度を推定したが、基本波成分の周波数より高い周波数成分に基づいて磁石温度を推定してもよい。
《第6実施形態》
図13は発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のPI−dq電流制御部に含まれるフィルタのブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、磁石温度の推定精度が高まるように、PI−dq電流制御部2にフィルタを設けている点が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1〜第4実施形態の記載を適宜、援用する。
PI−dq電流制御部2は、図13に示すフィルタを有している。PI−dq電流制御部2は、入力側に設けられた減算器の出力である、dq軸電流指令値(i 、i )とdq軸電流(i、i)との偏差(id_err、iq_err)を入力として、当該フィルタを通し、電圧指令値(v、v)を出力する。
PI−dq電流制御部2のフィルタは、PI制御フィルタ201と、高調波成分を除去するためのフィルタ202を有している。KはPI制御フィルタの比例係数を、Kは積分係数を示している。
フィルタ202の伝達関数は、フィルタ係数Kn及びラプラス変換を用いて、図13のように表される。sはラプラス変換の変数であり、nはフィルタの時定数である。ある電流指令値に対して、モータ10の駆動周波数の基本波成分の電流特性と、駆動周波数に重畳される高調波成分は予め決まっている。フィルタ202のパラメータは、この高調波成分を除去するように設定されている。これにより、PI−dq電流制御部2において、電流の振動成分が抑制されている。
推定部20は、dq軸電流指令値(i 、i )に対する理想応答特性及び電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流(i、i)の特性から、誤差関数を用いて、各特性の誤差を演算し、誤差を収束させるように、PI−dq電流制御部2のパラメータを設定する。この時、推定部20は、理想応答特性及び検出値に基づくdq軸電流特性は、モータ10の駆動周波数の周波数成分のうち、基本波成分の特性を用いて、磁石温度を推定する。そして、本例では、フィルタ202のフィルタリング機能により、温度推定の妨げとなる、高調波成分が除去されているため、推定部20において、推定精度が高まる。
上記のように、本例は、モータ10の駆動周波数の周波数成分のうち、磁石温度の推定に用いた周波数成分ではない周波数成分を除去するフィルタ202をPI−dq電流制御部2に設ける。これにより、磁石温度の推定の妨げとなる高調波成分の特性を除去することができるため、磁石温度の推定精度を高めることができる。
なお、本例では、磁石温度の推定に用いた周波数成分ではない周波数成分を除去するためのフィルタ202をPI−dq電流制御部2に設けたが、図14及び図15に示すように、PI−dq電流制御部2の外部に設けてもよい。図14及び図15は、本発明の変形例に係るインバータ制御装置のブロック図である。
図14に示すように、変形例に係るインバータ制御装置は、高調波制御部17を備えている。高調波制御部17は、PI−dq電流制御部2から出力される電圧指令値のうち、モータ10の駆動周波数の高調波成分を除去するための制御部である。高調波制御部17は、角速度演算部12で演算される角速度(ω)及びモータ10のdq軸の磁束(φ、φ)に基づいて、高調波成分を除去する電圧指令値を演算し、電流制御部2の出力側に設けられて加算器に出力する。
これにより、高調波制御部17のフィルタ機能により、温度推定の妨げとなる、高調波成分が除去されているため、推定部20において、推定精度が高まる。
また、本例では、図15に示すようなブロック図によりフィルタ機能を持たせて、PI−dq電流制御部2のパラメータを設定することで、磁石温度を推定してもよい。図15は、本発明の変形例に係るインバータ制御装置のブロック図である。図15に示す変形例では、第3実施形態に係るインバータ制御装置に対して、dq−3相変換部13から出力されたdq軸電流(i、i)を推定部20に入力する点、dq−3相変換部16から出力されたdq軸電流(id_n、iq_n)をPI−dq_n電流制御部14に入力し、磁石温度推定部20に入力しない点、PI−dq_n電流制御部14には、電流指令値演算部1からの電流指令値(id_n 、iq_n )を入力しない点が異なる。
図15に示すインバータ制御装置は、PI−dq_n電流制御部14及びdq−3相変換部15、16によりフィルタが形成されている。当該フィルタは、上記と同様に、モータ10の駆動周波数の高調波成分を除去するためのフィルタである。これにより、PI−dq_n電流制御部14及びdq−3相変換部15、16のフィルタ機能により、温度推定の妨げとなる、高調波成分が除去されているため、推定部20において、推定精度が高まる。
なお、上記の図13のフィルタ202、図14の高調波制御部17、または、図15のPI−dq_n電流制御部14及びdq−3相変換部15、16が本発明の「フィルタ」に相当する。
《第7実施形態》
第7実施形態に係るインバータ制御装置を説明する。本例では上述した第3実施形態に対して、インバータ制御装置の制御の一部が異なる。これ以外の構成は上述した第3実施形態と同じであり、第1〜第6実施形態の記載を適宜、援用する。
まず本例は、位置センサ11の検出値からモータ10が停止状態であるか否かを判定し、モータ10が停止状態である場合に、電流指令値演算部1を制御して、q軸電流指令値をゼロにして、d軸電流指令値のみをゼロではない指令値に設定する。この時、モータ10は停止状態であるため、d軸電流指令値のみを入力した場合には、トルクには影響を及ぼさない。そして、かかる状態で、図9に示す推定部20は、d軸成分のインダクタンスを演算する。インダクタンスの演算は、第1実施形態に示すとおり、dq軸電流の理想応答特性と電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流特性との誤差を、誤差関数を用いて演算し、パラメータ(インダクタンス)を設定しつつ誤差関数を収束させることで、インダクタンス(Ld)を演算すればよい。
演算されたインダクタンスは、モータ10の停止状態の下で演算された値であるため、演算精度が高い。そのため、上記により演算されたインダクタンスを初期値として設定する。
モータ10が動作状態になると、推定部20は、第3実施形態に係る推定部20と同様に、モータ10の駆動周波数の成分のうち、高調波成分における、dq軸電流の理想応答特性と電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流特性との誤差から、誤差関数を用いて、d軸のインダクタンス(Ld)を演算する。そして、本例のインバータ制御装置のコントローラ(図示しない)は、演算されたインダクタンス(Ld)とインダクタンス(Ld)とを比較して、その比較結果から、磁石温度を推定する。
図16にモータ10の磁石の磁束(φd)に対するd軸インダクタンス(Ld)の特性を示す。なお、図16の特性において、d軸電流(Id)は一定とする。図16に示すように、モータ10の停止状態で演算されたインダクタンス(Ld)に対して、磁石温度が高温になった場合には、インダクタンス(Ld)は大きくなり、磁石温度が低温になった場合には、インダクタンス(Ld)は小さくなる。そして、磁石温度の変化量がインダクタンス(Ld)に対するインダクタンス(Ld)の変化量となる。
コントローラは、図16に示す、磁石温度とインダクタンス(Ld)との関係を示すマップを予め格納しておき、初期値であるインダクタンス(Ld)に対するインダクタンス(Ld)の変化量から、当該マップを参照することで、磁石温度を推定することができる。
上記のように、本例は、モータの停止状態で、d軸のみの電流指令値に基づいて、モータ10のd軸のインダクタンス(Ld)を演算し、モータ10の過渡状態における、理想応答特性と電流センサ9の検出値に基づくdq軸電流特性から、モータ10のインダクタンス(Ld)を推定し、インダクタンス(Ld)及びインダクタンス(Ld)から磁石温度を推定する。これにより、過渡状態でも精度よく磁石温度を推定することができる。
《第8実施形態》
図17は発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、インバータ制御装置の制御の一部が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1〜第7実施形態の記載を適宜、援用する。
推定部20は、PI−dq電流制御部2及び非干渉制御部3の出力側に設けられた加算器の出力である電圧指令値(v 、v )、及び、インバータ7からモータ10へ出力される電圧(v、v)に基づいて、磁石温度を推定する。電圧(v、v)は、モータ10のd軸の電圧及びq軸の電圧であり、モータ10に設けられた電圧センサ18により検出される検出値である。なお、電圧センサ18により検出される検出電圧が相間電圧である場合には、dq−3相変換部13と同様に、座標変換すればよい。
第1実施形態では、磁石温度の変化に対して、電流センサ9により検出される、dq軸電流特性が変化することについて説明したが、dq軸電圧特性も、磁石温度に対して変化する。推定部20には、基準となる所定の温度の下で、dq軸電圧指令値に対する電圧応答の理想特性が、理想応答特性として、予め設定されている。そして、推定部20は、当該理想応答特性と、電圧センサ18の検出値に基づくdq軸電圧とを比較する。
図18に、dq軸電圧指令値に対するdq軸電圧の応答特性について、説明する。図18は、q軸電圧指令値(v 、v )に対するdq軸電圧の理想応答特性及びdq軸電圧の検出値の特性を示すグラフである。グラフa、bは電流指令値演算部1から出力されるd軸電流指令値及びq軸電流指令値を示す。グラフa、bは、磁石温度が所定温度(基準温度)である場合に、インバータ7から出力されるd、q軸電圧の理想値の応答特性を示し、グラフa、bは、磁石温度が当該所定温度と異なる温度である場合に、電圧センサ18で検出される検出値(d、q軸電圧)の特性を示す。なお、各特性において、駆動周波数は同じ周波数とする。
図18に示すように、磁石温度が当該所定温度と異なる温度である場合には、電圧センサ18の検出値に基づくdq軸電圧特性は、dq軸電圧の理想応答特性に対して、誤差をもって推移する。そのため、推定部20は、dq軸電圧の理想応答特性と電圧センサ18の検出値に基づくdq軸電圧の特性との誤差を、誤差関数を用いて演算する。そして、推定部20は、特性の誤差を収束させるよう、PI−dq電流制御部2のパラメータを設定する。推定部20は、誤差を収束された差異のパラメーラに対応する磁石温度を、磁石温度の推定温度として推定する。これにより、本例は、電圧指令値に対する理想応答特性及びセンサの検出値に基づく実際の電圧特性から、磁石温度を推定する。
上記のように、本例は、インバータ7を制御する指令値(dq軸電圧指令値)の理想応答特性及び当該指令値に対してセンサ18で検出された検出値の特性から、モータ10の磁石の温度を推定する。これにより、磁石の温度の推定精度を高めることができる。
《第9実施形態》
図19は発明の他の実施形態に係るインバータ制御装置のブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、インバータ制御装置の制御の一部が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであり、第1〜第8実施形態の記載を適宜、援用する。
推定部20は、電流指令値演算部1に入力されるトルク指令値(T)、及び、トルクセンサ19の検出値(T)に基づいて、磁石温度を推定する。トルクセンサ19はモータ10に設けられ、モータ10の出力トルクを検出するセンサである。
第1実施形態では、磁石温度の変化に対して、電流センサ9により検出される、dq軸電流特性が変化することについて説明したが、出力トルクの特性も、磁石温度に対して変化する。推定部20には、基準となる所定の温度の下で、トルク指令値に対する出力トルクの理想の応答特性が、理想応答特性として、予め設定されている。そして、推定部20は、当該理想応答特性と、トルクセンサ19の検出値に基づくトルク特性とを比較する。
図20に、トルク指令値に対する出力トルクの応答特性について、説明する。図20は、トルク指令値(T)に対する出力トルクの理想応答特性(T_ideal)及び出力トルクの検出値(T)の特性を示すグラフである。グラフaは、磁石温度が所定温度(基準温度)である場合の、出力トルクの理想応答特性(T_ideal)を示し、グラフaは、磁石温度が当該所定温度と異なる温度である場合の、トルクセンサ20で検出される検出値(T)の特性を示す。なお、各特性において、駆動周波数は同じ周波数とする。
図20に示すように、磁石温度が当該所定温度と異なる温度である場合にはトルクセンサ19の検出値に基づくトルク特性は、トルクの理想応答特性に対して、誤差をもって推移する。そのため、推定部20は、トルクの理想応答特性とトルクセンサ19の検出値に基づくトルク特性との誤差を、誤差関数を用いて演算する。そして、推定部20は、特性の誤差を収束させるよう、PI−dq電流制御部2のパラメータを設定する。推定部20は、誤差を収束された差異のパラメーラに対応する磁石温度を、磁石温度の推定温度として推定する。これにより、本例は、トルク指令値に対するトルクの理想応答特性及びトルクセンサ19の検出値に基づく実際のトルク特性から、磁石温度を推定する。
上記のように、本例は、インバータ7を制御する指令値(トルク指令値)の理想応答特性及び当該指令値に対してセンサ19で検出された検出値の特性から、モータ10の磁石の温度を推定する。これにより、磁石の温度の推定精度を高めることができる。
なお、上記のいずれの実施形態においても、モータ10の各相巻線の電流を制御する回路手段として、各スイッチング素子の動作を制御することによって各相巻線の電流を制御するインバータ7を用いているが、これに限定されず、インバータ7に換えて例えばマトリクスコンバータやパワーアンプ等の回路手段を用いても良い。すなわち、モータ10の各相巻線の電流を制御する回路手段はインバータ7に限定されず、他の回路装置であってもよい。
1…電流指令値演算部
2…PI−dq電流制御部
3…非干渉制御部
4…dq−3相変換部
5…変調率演算部
6…三角波比較部
7…インバータ(回路手段)
8…直流電源
9…電流センサ
10…モータ
11…位置センサ(PS)
12…角速度演算部
13…dq−3相変換部
14…PI−dq_n電流制御部
15、16…dq−3相変換部
17…高調波制御部
18…電圧センサ
19…トルクセンサ
20〜22…推定部
201…PI制御フィルタ
202…フィルタ

Claims (14)

  1. 電源から入力される電力を変換し、モータに供給する回路手段と、
    前記モータの状態を検出するセンサと、
    前記センサの検出値に基づいて、前記回路手段から前記モータに出力される交流電流を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記回路手段を制御する指令値の特性、又は、当該指令値に対する前記モータの出力もしくは前記回路手段の出力の理想応答特性を示す第1特性、及び、前記指令値に対して前記センサで検出された検出値の特性を示す第2特性から、前記モータに設けられた磁石の温度又は磁束の推定値を推定する
    モータ制御装置。
  2. 前記制御手段は、
    外部から入力されるトルク指令値に基づいて、前記回路手段から前記モータに出力される交流電流の電流指令値を演算する指令値演算手段と、
    前記指令値演算手段により演算された電流指令値と前記センサにより検出される前記交流電流の検出電流との差を制御するフィードバック制御手段と、
    前記フィードバック制御手段の出力値に基づき、前記回路手段を制御する回路制御手段とを有し、
    前記フィードバック制御手段に含まれ、かつ、前記磁石の温度に対して依存性をもつパラメータにより生じる、前記第1特性と前記第2特性との差異から前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1記載のモータ制御装置。
  3. 前記回路手段は、電源から入力される電力を変換してモータに供給するインバータであって、
    前記制御手段は、
    外部から入力されるトルク指令値に基づいて、前記インバータから前記モータに出力される交流電流の電流指令値を演算する指令値演算手段と、
    前記指令値演算手段により演算された電流指令値と前記センサにより検出される前記交流電流の検出電流との差を制御するフィードバック制御手段と、
    前記フィードバック制御手段の出力値に基づき、前記インバータに含まれるスイッチング素子の制御信号を生成し、前記インバータを制御するインバータ制御手段と、
    前記フィードバック制御手段に含まれる干渉成分を打ち消すための非干渉制御手段とを有し、
    前記非干渉制御手段に含まれ、かつ、前記磁石の温度に対して依存性をもつパラメータにより生じる、前記第1特性と前記第2特性との差異から前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1又は2記載のモータ制御装置。
  4. 前記制御手段は、
    前記パラメータと前記推定値との対応関係を示すマップを有し、
    誤差関数を用いて前記第1特性及び前記第2特性の誤差を演算し、
    前記誤差を収束させる前記パラメータを設定し、
    前記マップを参照し、設定された前記パラメータに対応する値を前記推定値として推定する
    ことを特徴とする請求項2又は3記載のモータ制御装置。
  5. 前記制御手段は、
    前記モータの駆動周波数の周波数成分のうち、前記推定値を推定するために用いた周波数成分ではない周波数成分を除去するフィルタを有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  6. 前記制御手段は、
    前記モータの過渡状態の前記第1特性、及び、前記過渡状態の前記第2特性から前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  7. 前記制御手段は、
    前記モータの駆動周波数の基本波の周波数より高い周波数成分における、前記第1特性及び前記第2特性から前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  8. 前記制御手段は、
    前記モータの駆動周波数の複数の周波数成分における、前記第1特性及び前記第2特性から前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記モータの状態に応じて、前記推定値の推定するための推定制御を切り替え、
    前記モータの状態が過渡状態である場合には、前記第1特性及び前記第2特性から前記推定値を推定する制御に切り替える
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  10. 前記制御手段は、
    前記モータが過渡状態である場合には、前記モータの駆動周波数の基本波成分における、前記第1特性及び前記第2特性から前記推定値を推定し、
    前記モータが定常状態である場合には、前記モータの駆動周波数の基本波の周波数より高い周波数成分における、前記第1特性及び前記第2特性から前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  11. 前記制御手段は、
    前記モータの停止状態で、d軸のみの電流指令値に基づいて、前記モータの前記d軸の第1インダクタンスを演算し、
    前記モータの過渡状態の前記第1特性、及び、前記過渡状態の前記第2特性から、前記モータの前記d軸の第2インダクタンスを推定し、
    前記第1インダクタンス及び前記第2インダクタンスから、前記磁石の温度を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  12. 前記センサは前記モータの電流を検出し、
    前記制御手段は、
    前記モータの電流応答特性を前記第2特性として、前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  13. 前記センサは前記モータの電圧を検出し、
    前記制御手段は、
    前記モータの電圧応答特性を前記第2特性として、前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
  14. 前記センサは前記モータのトルクを検出し、
    前記制御手段は、
    前記モータのトルク応答特性を前記第2特性として、前記推定値を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のモータ制御装置。
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