JP2008295200A - 同期モータの制御装置、及び同期モータ制御の最適化方法 - Google Patents

同期モータの制御装置、及び同期モータ制御の最適化方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ベクトル制御される同期モータのインダクタンスの変動に良好に追従し、トルク変動やトルクリップルを抑制できる同期モータ制御の最適化方法を提供する。また、最適化されて、トルク変動やトルクリップルを抑制できる同期モータの制御装置を提供する。
【解決手段】ベクトル制御において用いられるトルク方程式及び電圧方程式におけるd軸及びq軸のインダクタンスを、それぞれd軸の電流と電気角との関数、及びq軸の電流と電気角との関数として設定する。非線形特性を示す各軸のインダクタンスは、以下のように線形化される。各軸の電流と電気角とに応じて3次元的に変動する各軸の非線形インダクタンスに重畳された高調波成分を抽出し、高調波成分の重み付け係数として作用する各軸の電流を用いて重み関数を設定する。各軸のインダクタンスの振幅オフセット成分の重み付け係数として作用する各軸の電流を用いて振幅オフセット関数を設定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、同期モータをベクトル制御する同期モータの制御装置、そのベクトル制御を最適化する同期モータ制御の最適化方法に関する。
同期モータを制御する方法として、ベクトル制御と呼ばれる制御方法が知られている。ベクトル制御では、同期モータの3相各相に流れるモータ電流を、回転子に配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸と、d軸に直交するq軸とのベクトル成分に座標変換してフィードバック制御を行う(例えば特許文献1参照)。このベクトル制御の性能を向上させるために種々の改良が提案されている。例えば、特許文献2には、温度変化により変動する永久磁石の鎖交磁束を修正する機能を設けることで、トルク変動を抑制する同期モータの制御装置の発明が開示されている。
また、同期モータのトルク増強を図る様々な工夫も試みられている。特に、永久磁石埋め込み型の同期モータ(IPMSM : interior permanent magnet synchronous motor)では、磁石の形状、配置、磁束の通り道を工夫することによって、リラクタンストルクを有効に活用することができる。リラクタンストルクとは、自己インダクタンスの位置による磁気エネルギーの変化によって生じる回転力である。永久磁石の磁界が形成する鎖交磁束と電機子電流との積によって生じる主トルク(マグネットトルク)に加え、リラクタンストルクを有効に活用することで総トルクを増強することができる。このため、マグネットトルクと、リラクタンストルクとを最大に引き出すためにモータ構造に種々の工夫が施される。
例えば、特許文献3には、ロータの機械強度の低下防止とリラクタンストルクの増大とを両立させるためのロータ構造の発明が開示されている。これによれば、機械強度を保ってd軸の磁気抵抗とq軸の磁気抵抗との差を大きくするため、ロータの外周部から互い違いになる形で2種類のスリットが設けられる。また、特許文献4には、リニアモータではあるが、マグネットトルクに加えてリラクタンストルクをも利用可能なモータ構造の発明が記載されている。これによれば、磁性体に永久磁石を埋め込んでd軸とq軸との磁気抵抗に差を設け、磁性体内で永久磁石の磁束が短絡しないように磁性体にスリットを設けている。
特開2006−320039号公報(第59〜64段落、図5等) 特開2001−145399号公報(第3〜29段落等) 特開2001−211618号公報(第6〜11段落、図5等) 特開2002−186244号公報(第7〜25段落、図1等)
一般に、出力トルクを向上させるために、同期モータの構造を改良させると磁束の集中が起こり、局部的な磁気飽和が発生する。同期モータの構造に起因するこの磁気飽和現象は、ベクトル制御においてモータ駆動電圧を演算する電圧方程式では扱えない外乱となって同期モータのトルク変動要因となる。また、永久磁石を利用するモータでは、電流を流さない場合でも永久磁石の磁束が残り、永久磁石とステータ鉄心との間にトルクリップルを発生する。トルクリップルは、理論的には永久磁石の極数とステータの突極数との公倍数の脈動として現れるが、実際のモータではさらに高次高調波が重畳された脈動となる。この高次高調波は、一般的なモータ制御で用いられるPWM制御の搬送周波数に比べて高周波数であるため、フィードバック制御によって除去することは困難である。
ベクトル制御において利用される電圧方程式やトルク方程式には、d軸及びq軸のインダクタンスが含まれる。従来のベクトル制御では、d軸及びq軸のインダクタンスを定数として扱っている。しかし、実際にはロータの回転角度によって磁気抵抗が変化するため、d軸及びq軸のインダクタンスも変化する。また、電流の増加などによって磁気飽和が発生した場合にもインダクタンスは変化する。インダクタンスの変化には高次高調波成分も重畳され、電圧方程式やトルク方程式を用いるベクトル制御において、トルク変動やトルクリップルを生じさせる。従って、インダクタンスの変化に良好に追従可能なベクトル制御を行う技術が望まれる。
尚、特許文献2に開示された同期モータの制御装置では、q軸インダクタンスの値を補正している(例えば第25〜29段落)が、定数として扱われていることに変わりはない。つまり、ステータコイルの抵抗成分の補正値が正常範囲を逸脱した場合に、q軸インダクタンスを変更することで、抵抗成分の補正値を正常範囲に留めさせているに過ぎない。
本願発明は、上記課題に鑑みて創案されたもので、ベクトル制御される同期モータのインダクタンスの変動に良好に追従し、トルク変動やトルクリップルを抑制可能な同期モータの制御装置を提供することを目的とする。また、そのような同期モータの制御装置を最適化するための最適化方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための、本発明に係る同期モータの制御装置の特徴構成は、
同期モータの3相各相に流れるモータ電流を、当該同期モータの回転子に配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸及びd軸に直交するq軸のベクトル成分に座標変換する座標変換部と、
前記磁界が形成する鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスと、d軸及びq軸の電流とを用いて前記同期モータのトルクを表すトルク方程式に基づいて、目標トルクからd軸及びq軸の電流指令を演算する電流指令演算部と、
前記磁界が形成する鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスを含む前記同期モータのステータコイルのインピーダンスと、d軸及びq軸の電流とを用いて前記同期モータを駆動する電圧を表す電圧方程式に基づいて、前記d軸及びq軸の電流指令からd軸及びq軸の電圧指令を演算する電圧指令演算部と、
前記d軸及びq軸の電圧指令を前記同期モータの3相各相の3相電圧指令に逆座標変換する逆座標変換部と、
前記トルク方程式における前記d軸及びq軸のインダクタンスを、それぞれd軸の電流と電気角との関数、及びq軸の電流と電気角との関数として設定してトルクリップルを推定すると共に、前記電流指令演算部又は前記電圧指令演算部にフィードフォワードするトルクリップル推定部と、
を備える点にある。
この特徴構成によれば、トルク方程式においてリラクタンストルクを演算するために用いられるインダクタンスは、電流と電気角との関数として設定される。そして、トルクリップル推定部は、インダクタンスの変動に起因するトルクリップルを推定してフィードフォワードする。従って、ベクトル制御される同期モータのインダクタンスの変動に良好に追従し、トルクリップルを抑制可能な同期モータの制御装置を提供することができる。
また、本発明に係る同期モータの制御装置は、前記電圧方程式におけるd軸及びq軸のインダクタンスが、それぞれd軸の電流と電気角との関数、及びq軸の電流と電気角との関数として設定されることを特徴とする。
この特徴によれば、電圧方程式においてステータコイルのインピーダンス成分に含まれるインダクタンスが、電流と電気角との関数として設定される。インピーダンスの誤差は電圧方程式に基づいて演算される電圧指令に影響し、同期モータのトルク変動やトルクリップルの原因となる。しかし、インダクタンスを関数とすることにより、インダクタンスの誤差を抑制し、インダクタンスが含まれるインピーダンスの誤差を抑制することができる。その結果、電圧方程式に基づいて演算される電圧指令の誤差を抑制することができる。従って、ベクトル制御される同期モータのインダクタンスの変動に良好に追従し、トルク変動やトルクリップルを抑制可能な同期モータの制御装置を提供することができる。
また、本発明に係る同期モータの制御装置は、前記電圧指令演算部が、3相の鎖交磁束波形に含まれる高調波成分の高次係数を同定することによりd軸及びq軸の電圧に対する外乱電圧が推定された外乱電圧推定項が付加された前記電圧方程式に基づいて、前記電圧指令を演算することを特徴とする。
3相の鎖交磁束波形は基本波成分以外の高次高調波成分を含んでおり、これは電圧方程式において外乱電圧の原因となる。特に、高次高調波成分は、フィードバック制御で行う制御速度より、その伝達速度が速いため、フィードバック制御による高次高調波の除去が困難になる。従って、フィードバック制御により外乱電圧を抑制することは困難である。本特徴によれば、高次高調波成分の高次係数を同定することにより、発生する外乱電圧が正確に推定される。そして、推定された外乱電圧が示された外乱推定項が、電圧方程式に付加される。従って、フィードバック制御に頼ることなく、あらかじめ正確に予測された外乱電圧を、同期モータの制御電圧の演算に反映させることができる。その結果、トルク変動やトルクリップルを抑制可能な同期モータの制御装置を提供することができる。
本発明に係る同期モータ制御の最適化方法は、
同期モータの3相各相に流れるモータ電流を、当該同期モータの回転子に配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸及びd軸に直交するq軸のベクトル成分に座標変換し、
前記磁界が形成する鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスと、d軸及びq軸の電流値とを用いたトルク方程式、及び、前記磁界が形成する鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスを含む前記同期モータのステータコイルのインピーダンスと、d軸及びq軸の電流指令値とを用いた電圧方程式に基づく当該同期モータのベクトル制御を最適化するための方法であって、以下の特徴を備える。
即ち、当該同期モータ制御の最適化方法は、前記トルク方程式及び前記電圧方程式における前記d軸及びq軸のインダクタンスを、それぞれd軸の電流と電気角との関数、及びq軸の電流と電気角との関数として設定するインダクタンス線形化工程を備える点を特徴とする。
この特徴構成によれば、トルク方程式においてリラクタンストルクを演算するために用いられるインダクタンスが電流と電気角との関数として設定される。これにより、ベクトル制御において、インダクタンスの変動に起因するトルクリップルを推定してフィードフォワードすることが可能となる。また、電圧方程式において、ステータコイルのインピーダンスに含まれるインダクタンスが電流と電気角との関数として設定される。インダクタンスを関数とすることにより、インダクタンスの誤差を抑制し、インダクタンスが含まれるインピーダンスの誤差を抑制することができる。その結果、電圧方程式を用いて演算される電圧指令の誤差を抑制することができる。従って、同期モータのベクトル制御は、インダクタンスの変動に良好に追従してトルク変動やトルクリップルを抑制できるように、最適化されることが可能となる。
また、本発明に係る同期モータ制御の最適化方法の前記インダクタンス線形化工程は、
前記d軸及びq軸のインダクタンスを、各軸の電流と電気角との非線形3次元マップとして演算する非線形インダクタンス演算工程と、
前記非線形3次元マップに基づいて、前記d軸及びq軸のインダクタンスに重畳された高調波成分を抽出する高調波成分抽出工程と、
前記高調波成分の重み付け係数として作用する各軸の電流を用いて重み関数を設定する重み関数設定工程と、
前記d軸及びq軸のインダクタンスの振幅オフセット成分の重み付け係数として作用する各軸の電流を用いて振幅オフセット関数を設定するオフセット関数設定工程と、
を備える点を特徴とする。
インダクタンスは、電流と電気角とによって3次元的に変動する非線形なものである。本特徴によれば、このインダクタンスが、3次元マップとして演算され、3次元マップに基づいてインダクタンスの変動要素が特徴付けられることによって、インダクタンス関数として線形化される。特に電圧方程式には微分要素を含むため、線形化により微分可能となることは非常に重要である。これにより電圧方程式を用いた同期モータのベクトル制御は、インダクタンスの変動に良好に追従できるように最適化されることが可能となる。
また、本発明に係る同期モータ制御の最適化方法は、前記電圧方程式によって演算されるd軸及びq軸の電圧に対して推定される外乱電圧を示す外乱電圧推定項を付加して前記電圧方程式を最適化する外乱電圧推定工程を備えることを特徴とする。
3相の鎖交磁束波形は基本波成分以外の高次高調波成分を含んでおり、これが電圧方程式において外乱電圧の原因となる。従って、特に外乱電圧に対して大きな影響を与える高次高調波成分の高次係数を同定することにより、発生する外乱電圧を正確に推定することができる。本特徴によれば、推定された外乱電圧を示す外乱推定項を電圧方程式に付加することによって電圧方程式が最適化される。従って、あらかじめ正確に予測された外乱電圧を、同期モータの制御電圧の演算に反映させることができるようにベクトル制御を最適化することができる。
また、本発明に係る同期モータ制御の最適化方法は、前記外乱電圧推定工程が、
前記同期モータの無負荷時の鎖交磁束波形を取得する磁束波形取得工程と、
前記鎖交磁束波形を三角関数を用いた多項式に級数展開する展開工程と、
前記鎖交磁束波形の多項式を微分して電圧波形の多項式に変換する微分処理工程と、
前記電圧波形の多項式をd軸及びq軸の電圧波形を示す多項式に座標変換する座標変換工程と、
前記d軸及びq軸の電圧波形を示す多項式の各項の内、相対的に大きい値を示す1つ又は複数の項を、それぞれd軸及びq軸の前記外乱電圧として抽出する抽出工程と、
この抽出結果に基づいて、前記電圧方程式に前記外乱電圧を示す前記外乱電圧推定項を付加する外乱項付加工程と、
を備える点を特徴とする。
3相の鎖交磁束波形には、基本波成分以外の種々の高次高調波成分が含まれるが、特に外乱電圧への影響度が高い高調波成分が存在する。鎖交磁束波形を三角関数の多項式に展開することにより、多項式の係数の大きさに応じて影響度の高い高調波成分を特定することができる。電圧は鎖交磁束波形の微分により表すことができ、電圧波形は電圧方程式においてd軸及びq軸にベクトル変換された状態で表される。このため、本特徴構成においては、外乱電圧の高調波成分をベクトル変換後の多項式の係数に応じて特定する。そして、特定した外乱電圧を、外乱電圧を示す外乱電圧推定項として電圧方程式に付加する。その結果、正確に予測された外乱電圧を、同期モータの制御電圧の演算に反映することができるようにベクトル制御を最適化することができる。
本発明に係る同期モータの制御装置の別の特徴構成は、当該同期モータの制御装置が、上記同期モータ制御の最適化方法を用いて最適化されたものである点にある。
上記同期モータ制御の最適化方法を用いることにより、同期モータの制御装置を、インダクタンスの変動に良好に追従可能に最適化することが可能となる。その結果、ベクトル制御される同期モータのインダクタンスの変動に良好に追従可能な同期モータの制御装置を提供することが可能となる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る同期モータの制御装置の構成例を模式的に示すブロック図である。モータ1は、3相同期モータである。モータ1は、永久磁石を有するロータ(回転子)と、このロータに回転力を与えるための磁界を発生させるステータ(固定子)とを備える。ステータは、U相、V相、W相の3相のステータコイル1u、1v、1wを備える。各ステータコイルの一端は、電気的な中性点で共通に接続され、Y(スター)結線されている。他端は、それぞれ後述するインバータ8に接続される。図に示すように、本実施形態の制御装置は、トルク指令演算部3から与えられる目標トルクに従ってインバータ8を介して同期モータ1の3相のステータコイルを駆動する。
当該制御装置は、その他、座標変換部2、電流指令演算部4、電圧指令演算部5、逆座標変換部6、PWM部7、速度検出部11などの機能部を備えている。トルク指令演算部3を含むこれらの機能部は、例えばマイクロコンピュータなどを用いて構成される。従って、これらの機能部は、必ずしも物理的に独立して構成される必要はなく、プログラムなどによってそれぞれの機能を達成可能に構成されれば充分である。もちろん、論理回路やASSP(application specific standard product)などの電子回路を組み合わせて構成されてもよい。各機能部の詳細については後述する。
モータ1を駆動するインバータ8は、インバータ駆動信号(pu、pv、pw、nu、nv、nw)に基づいて、直流電圧を交流電圧に変換する。インバータ8は、以下に示すようなブリッジ回路により構成されている。電源VDCとグラウンドとの間、即ち直流電源のプラス側とマイナス側との間に、2つのスイッチング素子が直列に接続される。つまり、プラス側のハイサイドスイッチとマイナス側のローサイドスイッチとを有する直列回路が形成される。この一組の直列回路が、UVW相に対応して3回線並列接続されてブリッジ回路が構成される。上述したステータコイル1u、1v、1wの他端は、各直列回路のハイサイドスイッチとローサイドスイッチとの接続点に接続される。インバータ駆動信号pu、pv、pwは、それぞれU相、V相、W相のハイサイドスイッチを駆動する信号である。インバータ駆動信号nu、nv、nwは、それぞれU相、V相、W相のローサイドスイッチを駆動する信号である。
スイッチング素子には、例えばパワーMOSFET(以下、適宜単にFETと略称する。)が用いられる。ハイサイド及びローサイドスイッチの双方にnチャネル型のFETが用いられる場合には、チャージポンプなどの昇圧回路が備えられる。昇圧回路により、ハイサイドスイッチを駆動するインバータ駆動信号pu、pv、pwが昇圧される。各FETには、FETに並列に接続されたフライホイール(Fly Wheel)ダイオードが設けられている(フリーホイール(Free Wheel)ダイオードとも称す。)。尚、フライホイールダイオードは、FETなどのスイッチング素子に内蔵されていてもよい。また、スイッチング素子は、パワートランジスタやIPD(intelligent power device)、IPM(intelligent power module)など、他の半導体素子であってもよい。
インバータ8からステータコイル1u、1v、1wへ接続されるラインには電流検出部として機能する電流センサ12(12u、12v、12w)が備えられている。電流センサ12は、各ステータコイルに流れる3相のモータ電流を検出する。本実施形態では、3相全ての電流を検出する例を示したが、3相のステータコイル1u、1v、1wを流れる電流iu、iv、iwは平衡している。つまり、それらの瞬時値の和は零であるので、2相分の電流を検出して残り1相の電流は、座標変換部2などにおいて演算により求めてもよい。この場合には、座標変換部2も電流検出部としての機能を分担する。
モータ1には、レゾルバ10などの回転角センサ(回転検出部)が備えられており、モータ1のロータの回転角(機械角)を検出する。レゾルバ10は、モータ1のロータの極数(極対数)に応じて設定されており、ロータの回転角を電気角θに変換し、電気角θに応じた信号を出力する。速度検出部11は、レゾルバ10の出力に基づいてモータ1の回転数(角速度ω)を検出する。
座標変換部2は、上述したようにして得られたモータ1の3相のモータ電流iu、iv、iwをロータの回転角(電気角θ)に応じて座標変換する機能部である。具体的には、座標変換部2は、3相のモータ電流iu、iv、iwを、モータ1のロータに配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸、及びd軸に直交するq軸のベクトル成分Id、Iqに座標変換する。図2は、座標変換の原理を示す説明図である。図2においては、2極(=1極対)の永久磁石mを有するロータ1rを用いており、ロータ1rの回転角と電気角θとが一致する。図2(a)は、3相交流電流波形と電気角(本例では磁極位置に一致)との関係を示した波形図である。図2(b)は、図2(a)の時刻t1におけるロータ1rとステータ1sとの位置関係及び座標変換前後の電流ベクトルを示す説明図である。図2(b)においては、ステータ1sのU相の突極位置を基準としてロータ1rの磁極位置としての回転角(=電気角θ)が示されている。
図2(b)に示すように、ロータ1rに配置された永久磁石mによる磁界の方向をd軸とし、d軸に直交する方向をq軸とおく。図2(a)に示すように、ロータ1rの磁極位置に応じてステータコイル1u、1v、1wにそれぞれ正弦波の3相交流電流iu、iv、iwを流すことによって、トルクを発生させる。図2(a)の時刻t1における磁極位置θ(=電気角θ)において、電機子電流の総和を示す電流ベクトルiaは、図2(b)に示すように3相電流iu、iv、iwのベクトル和となる。本例ではW相電流が零のため、U相電流iuとV相電流ivとのベクトル和として作図されている。この磁極位置θにおけるd軸及びq軸に対して電流ベクトルia(=Ia)を分解すると、d軸電流Idとq軸電流Iqとが得られる。このようにして、3相のモータ電流iu、iv、iwは、d−q軸電流Id、Iqに座標変換される。
ところで、特に永久磁石埋め込み型の同期モータでは、ステータコイル1u、1v、1wから見たインダクタンスが、ロータ1rとの関係、即ち磁極位置との関係で変化する。磁極の方向に一致するd軸方向では、永久磁石が持つ透磁率の大きさの逆数に比例した磁気抵抗を持つために磁路が妨げられる。これに対してq軸方向では、透磁率が大きいケイ素鋼などの磁性体を通るため、磁気抵抗の値は永久磁石に比べると著しく小さくなり、磁路が妨げられにくくなる。その結果、q軸インダクタンスLqは、d軸インダクタンスLdよりも大きい値となる。ステータコイル1u、1v、1wから見てd−q軸は磁極位置との関係で変化するので、ステータコイル1u、1v、1wから見たインダクタンスが変化することになる。
このため、永久磁石によるマグネットトルク(主トルク)に加えて、q軸インダクタンスLqとd軸インダクタンスLdとの差によるリラクタンストルクも発生する。表面磁石型の同期モータ(SPMSM : surface PMSM)など、リラクタンストルクを積極的に利用しない場合には、Id=0とする制御を行うと効率が良い。しかし、永久磁石埋め込み型の同期モータなどでリラクタンストルクも利用する場合には、Id≠0とした方が効率がよくなる。永久磁石埋め込み型の同期モータでは、d軸電流Idとq軸電流Iqとの電流位相角βにより最高効率を出す動作点が変わる。電流位相角βとは、図3に示すように下記(1)式で示される角度である。
β=tan-1(−id/iq)・・・(1)
モータ1の総合トルクは、Pn:極対数、ψa:電機子の鎖交磁束、ia:電機子電流、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、β:電流位相角として、次式(2)に示すトルク方程式よって表される。
Figure 2008295200
(2)式において、中括弧内の第1項がマグネットトルクを示し、第2項がリラクタンストルクを示している。尚、(1)式及び図3から、下記(3)〜(5)式であることが明らかであるから、(2)式のトルク方程式は、下記(6)式のように表すこともできる。
Ia2 = Id2 + Iq2 ・・・(3)
Id = Ia・sinβ ・・・(4)
Iq = Ia・cosβ ・・・(5)
Figure 2008295200
このように、電機子電流Iaはd軸電流Idとq軸電流Iqとを含んでいる。従って、(2)式及び(6)式に示すトルク方程式は、鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスと、d軸及びq軸の電流とを用いてモータ1のトルクを表す式であるということができる。
トルク指令演算部3は、モータ1に必要な総トルクTを演算し、トルク指令Tr(目標トルク)を出力する機能部である。モータ1が洗濯機などの家電製品に用いられる場合には、洗濯や脱水などの動作フェーズや、洗濯物の量などに基づいて必要なトルクが演算される。また、モータ1が電気自動車やハイブリッド自動車、鉄道などの駆動機関として用いられる場合には、アクセルやブレーキを介した指示入力や、車速センサなどの検出結果に基づいて必要なトルクが演算される。また、速度検出部11により検出されたモータ1の角速度ωを用いたフィードバック制御も行われる。
電流指令演算部4は、トルク指令演算部3によって演算されたトルク指令Tr(目標トルク)から、d軸の電流指令Idr、q軸の電流指令Iqrを演算する。例えば上記(2)式に示すトルク方程式は、電機子電流Iaの式に変形できる。電流指令演算部4は、トルク指令Trや他のパラメータを代入して変形後のトルク方程式を解き、位相角βによってベクトル分解することによって電流指令Idr、Iqrを演算することができる。もちろん、上記(6)式から電流指令Idr、Iqrを演算することも可能である。
電圧指令演算部5は、電流指令演算部4によって演算された電流指令Idr、Iqrから、電圧方程式に基づいて、d軸の電圧指令Vdr、q軸の電圧指令Vqrを演算する。d軸の電圧Vd及びq軸の電圧Vqを表す電圧方程式は、ψa:電機子の鎖交磁束、ω:角速度、Id:d軸電流、Iq:q軸電流、Ld:d軸インダクタンス、Lq:q軸インダクタンス、Ra:電機子抵抗、p:微分演算子として、以下の(7)式のように表される。
Figure 2008295200
(7)式において、右辺第1項の左側の行列は、ステータコイルのインピーダンスを示している。従って、(7)式は、鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスを含むモータ1のステータコイルのインピーダンスと、d軸及びq軸の電流とを用いてモータ1を駆動する電圧を表す電圧方程式ということができる。電圧指令演算部5は、(7)式に示す電圧方程式に電流指令Idr、Iqrや、他のパラメータを代入することによって、d軸電圧Vd、q軸電圧Vqを演算する。演算されたd−q軸電圧Vd、Vqは、d軸電圧指令Vdr、q軸電圧指令Vqrとして出力される。
逆座標変換部6は、電圧指令演算部5によって演算されたd−q軸の電圧指令Vdr、Vqrを座標変換部2とは逆の座標変換によって、3相電圧指令vu、vv、vwに変換する。図2及び図3を用いて上述した座標変換の逆変換であるので、変換方法についての詳細な説明は省略する。
PWM部7は、3相電圧指令vu、vv、vwに基づいて、インバータ8の6つのスイッチング素子を駆動するための駆動信号pu、pv、pw、nu、nv、nwをPWM(pulse width modulation)を施して生成する。駆動信号pu、pv、pwはハイサイドスイッチとして機能するスイッチング素子の駆動信号である。駆動信号nu、nv、nwはローサイドスイッチとして機能するスイッチング素子の駆動信号である。尚、直列接続されるハイサイドスイッチとローサイドスイッチとが同時にオンすることにより正負電源間が短絡することを防止するためのデッドタイムも駆動信号に設けられる。このため、図1には不図示のデッドタイム補償部が別途設けられると好適である。もちろん、PWM部7がデットタイム補償機能を有していてもよい。
以上、モータ1のベクトル制御の概要について説明した。上記(2)式、(6)式、(7)式に示したトルク方程式や電圧方程式におけるd−q軸のインダクタンスLd、Lqは定数として扱われている。また、鎖交磁束ψaも正弦波特性を有するものとして扱われている。しかし、実際には、ロータの回転角によって磁気抵抗が変化するためにインダクタンスは変化する。d軸インダクタンスLdはd軸電流Id及び電気角θに応じて変化し、q軸インダクタンスはq軸電流Iq及び電気角θに応じて変化する。従って、トルク方程式や電圧方程式におけるインダクタンスとしては、d軸インダクタンス関数Ld(Id,θ)及びq軸インダクタンス関数Lq(Iq,θ)が用いられることが好ましい。
図4(a)は、電磁界シミュレータを用いてd軸インダクタンスLdの特性をシミュレーションした結果を示す3次元グラフである。このグラフから明らかなように、d軸インダクタンスLdは非線形な特性を有する。電圧方程式には、微分演算子pが含まれている。従って、d軸インダクタンス関数Ld(Id,θ)が電圧方程式内で用いられるためには、関数Ld(Id,θ)が微分可能に線形化されている必要がある。
シミュレーション結果のグラフを参照すれば、d軸インダクタンスLdは、電気角θに対しては周期性を有することが観測され、d軸電流Idの増加に対しては減少傾向となることが観測される。また、d軸電流Idが少ない側では電気角θの6次高調波に対する周期性が見られる。図4(a)からはわかりづらいが、d軸電流Idが多い側では電気角θの3次高調波に対する周期性が見られる。つまり、d軸インダクタンスLdは、6次高調波と3次高調波とが合成されたものである。そして、d軸電流Idはこれら高次高調波の重み係数として作用している。シミュレーション上でd軸電流Idが最大の時(Id=500A時)のd軸インダクタンスLdは、d軸電流Idが非常に少ない時(Id=50A時)に比べて半分程度まで低下している。これは磁気飽和が生じていることを示している。また、d軸電流Idが大きい場合には、6次高調波の成分が低下し、3次高調波が支配的となる。これは、モータ1の磁気回路に局部的な磁気飽和が生じていることを示している。また、シミュレーション結果のグラフを参照すれば、d軸電流Idはd軸インダクタンスのオフセット成分も変化させていることが観測される。
以上の観測結果より、高調波成分を含んだ電気角θに対する周期性と、高次高調波の影響度合いの変化と、オフセット成分の変化とを近似することにより、非線形特性を示すd軸インダクタンスが線形関数化可能であることがわかる。そして、この線形化により、d軸インダクタンス関数Ld(Id,θ)が、電圧方程式やトルク方程式において利用可能となり、同期モータの制御装置が最適化される。以下、図5に示す、d軸インダクタンス関数Ld(Iq,θ)を線形化する手順の一例を示すフローチャートを参照して説明する。
まず、電磁界シミュレータを用いて、d軸のインダクタンスがd軸電流Idと電気角θとの非線形3次元マップとして演算される(#1:非線形インダクタンス演算工程)。この3次元マップは、図4(a)に示すシミュレーション結果の3次元グラフに相当するものである。実際には、電磁界シミュレータの演算結果は離散的なものであるが、図4(a)では離散データを結んでグラフ化されている。
次に、非線形3次元マップに基づいて、d軸インダクタンスの周期性から、d軸インダクタンスに重畳された高調波成分が抽出される(#2:高調波成分抽出工程)。本例では、上述したように、3次高調波及び6次高調波が抽出される。これらの高調波は、Kdを振幅係数として、Kdcos(3θ)及びKdcos(6θ)で示される。高調波の抽出と共に、振幅係数Kdの値も高調波成分抽出工程において同定される。この振幅係数Kdもまたd軸電流Idの関数Kd(Id)であり、本例では下記(8)式で示される。
Figure 2008295200
続いて、高調波成分の重み付け係数として作用するd軸電流Idを用いて重み関数Wd(Id)が設定される(#3:重み関数設定工程)。本例では、高次高調波の影響度合いを表す重み関数Wd(Id)は、下記の(9)式で示される。
Figure 2008295200
重み関数Wd(Id)は、3次高調波と6次高調波とに対して相補的に作用する。本例における重み関数Wd(Id)は3次高調波に対する乗算係数として作用する。6次高調波に対しては1から重み関数Wd(Id)を減じた値(=1−Wd(Id))が乗算係数として作用する。
図4(a)に基づいて上述したように、d軸電流Idはd軸インダクタンスのオフセット成分も変化させている。従って、d軸インダクタンスの振幅オフセット成分の重み付け係数として作用するd軸電流Idを用いて振幅オフセット関数Cd(Id)が設定される(#4:オフセット関数設定工程)。ここで高次の関数を利用すれば、振幅オフセットの変化はさらに精度よく再現される。しかし、高次関数を用いると同期モータの制御装置の演算負荷を増大させるため、実用的な次数が選択されることが好ましい。本例では2次関数により近似されているが、モータ制御に要求される精度や、制御装置の演算能力などに応じて異なる次数の関数を用いて近似されてもよいことは明白である。本例では、下記(10)式で示す振幅オフセット関数Cd(Id)に近似される。
Figure 2008295200
上記(8),(9),(10)式より、線形化されたd軸インダクタンス関数Ld(Id,θ)は下記に示す(11)式となる。
Figure 2008295200
図4(b)は、(11)式に示す線形化されたd軸インダクタンス関数Ld(Id,θ)を3次元グラフ化したものである。(11)式を評価するため、図4(a)に示す非線形のd軸インダクタンスと、図4(b)に示す線形化後のd軸インダクタンスとが比較される(#5:比較工程)。両インダクタンスが実用範囲内で良好に一致していれば、(11)式がd軸インダクタンス関数Ld(Id,θ)として決定される(#6:インダクタンス関数決定工程)。以上説明したようなインダクタンス線形化工程を経て、d軸インダクタンス関数Ld(Id,θ)が設定される。
図6(a)は、電磁界シミュレータを用いてq軸インダクタンスLqの特性をシミュレーションした結果を示す3次元グラフである。上述したd軸インダクタンスと同様に、q軸インダクタンスLqも非線形な特性を有する。従って、q軸インダクタンスについてもその関数Lq(Iq,θ)が微分可能に線形化される必要がある。
シミュレーション結果のグラフを参照すれば、q軸インダクタンスLqは、電気角θに対しては周期性を有することが観測され、q軸電流Iqの増加に対しては減少傾向となることが観測される。また、q軸電流Iqが少ない側では電気角θの6次高調波に対する周期性が、d軸電流Iqが多い側では電気角θの3次高調波に対する周期性が見られる。つまり、q軸インダクタンスLqは、6次高調波と3次高調波とが合成されたものである。そして、q軸電流Iqはこれら高次高調波の重み係数として作用している。また、d軸インダクタンスLdと同様に、q軸電流Iqの増加に伴う磁気飽和現象や局部的な磁気飽和現象、q軸電流Iqの増加に伴うq軸インダクタンスのオフセット成分の変化も観測される。
従って、d軸インダクタンス関数Ld(Id,θ)と同様にq軸インダクタンス関数Lq(Iq,θ)も線形化可能である。つまり、高調波成分を含んだ電気角θに対する周期性と、高次高調波の影響度合いの変化と、オフセット成分の変化とを近似することにより、q軸インダクタンスは線形関数化可能である。線形化により、q軸インダクタンス関数Lq(Iq,θ)が電圧方程式やトルク方程式において利用可能となり、同期モータの制御装置が最適化される。以下、図7に示す、q軸インダクタンス関数Lq(Iq,θ)を線形化する手順の一例を示すフローチャートを参照して説明する。
まず、電磁界シミュレータを用いて、q軸のインダクタンスがq軸電流Iqと電気角θとの非線形3次元マップとして演算される(#11:非線形インダクタンス演算工程)。この3次元マップは、図6(a)に示すシミュレーション結果の3次元グラフに相当するものである。実際には、電磁界シミュレータの演算結果は離散的なものであるが、図6(a)では離散データを結んでグラフ化されている。
次に、非線形3次元マップに基づいて、q軸インダクタンスの周期性から、q軸インダクタンスに重畳された高調波成分が抽出される(#12:高調波成分抽出工程)。本例では、上述したように、3次高調波及び6次高調波が抽出される。これらの高調波は、Kqを振幅係数として、Kqcos(3θ)及びKqcos(6θ)で示される。高調波の抽出と共に、振幅係数Kqの値も高調波成分抽出工程において同定される。振幅係数Kqもまたq軸電流Iqの関数Kq(Iq)であり、本例では下記(12)式で示される。
Figure 2008295200
続いて、高調波成分の重み付け係数として作用するq軸電流Iqを用いて重み関数Wq(Iq)が設定される(#13:重み関数設定工程)。本例では、重み関数Wq(Iq)は、下記の(13)式で示される。
Figure 2008295200
重み関数Wq(Iq)は、3次高調波と6次高調波とに対して相補的に作用する。本例における重み関数Wq(Iq)は3次高調波に対する乗算係数として作用する。6次高調波に対しては1からWq(Iq)を減じた値(=1−Wq(Iq))が乗算係数として作用する。
上述したように、q軸電流Iqはq軸インダクタンスのオフセット成分も変化させている。従って、q軸インダクタンスの振幅オフセット成分の重み付け係数として作用するq軸電流Iqを用いて振幅オフセット関数Cq(Iq)が設定される(#14:オフセット関数設定工程)。d軸インダクタンスと同様に、高次関数を用いて近似されると再現性は向上するが、本例では実用的な次数の関数である1次関数により近似されている。当然ながら、モータ制御に要求される精度や、制御装置の演算能力などに応じて異なる次数の関数を用いて近似されてもよい。本例では、下記(14)式で示す振幅オフセット関数Cq(Iq)に近似される。
Figure 2008295200
上記(12),(13),(14)式より、線形化されたq軸インダクタンス関数Lq(Iq,θ)は下記に示す(15)式となる。
Figure 2008295200
図6(b)は、(15)式に示す線形化されたq軸インダクタンス関数Lq(Iq,θ)を3次元グラフ化したものである。(15)式を評価するため、図6(a)に示す非線形のq軸インダクタンスと、図6(b)に示す線形化後のq軸インダクタンスとが比較される(#15:比較工程)。両インダクタンスが実用範囲内で良好に一致していれば、(15)式がq軸インダクタンス関数Lq(Iq,θ)として決定される(#16:インダクタンス関数決定工程)。以上説明したようなインダクタンス線形化工程を経て、q軸インダクタンス関数Lq(Iq,θ)が設定される。
以上、説明したように、d軸及びq軸のインダクタンスは、(1)高周波成分を含んだ電気角θに対する周期関数の次数及び振幅を特定すること、(2)電流に対する高次高調波の影響度合いを特定すること、(3)オフセット成分の電流に対する変化を特定すること、により、良好に関数化される。
このようにd軸及びq軸のインダクタンスを線形関数化することにより、電圧方程式を最適化することができる。しかし、3相の鎖交磁束波形は歪を有しており、この歪の影響により電圧指令に外乱が混入することが予想される。そこで、この外乱を予め電圧方程式に組み込むことによって、電圧指令に対する外乱の影響を抑制する。(7)式の電圧方程式を線形化されたインダクタンス関数を用いて書き直し、ΔVd:d軸外乱電圧、ΔVq:q軸外乱電圧として外乱電圧推定項を電圧方程式に組み込むと、電圧方程式は下記に示す(16)式となる。
Figure 2008295200
図8は、無負荷状態でモータ1を駆動した場合の3相の鎖交磁束波形ψu、ψv、ψwを示す波形図である。図9は、電圧方程式に外乱推定項を付加する手順の一例を示すフローチャートである。図8に示すように、3相鎖交磁束波形は歪を有しており、この歪が外乱電圧の原因となる。以下、この歪から外乱電圧ΔVdとΔVqとを推定し、電圧方程式に外乱推定項を付加して電圧方程式を最適化する手順について、図9を利用して説明する。
始めに、モータ1の無負荷時の3相鎖交磁束波形ψu、ψv、ψwが取得される(#21:磁束波形取得工程)。3相鎖交磁束波形は、実測された波形でもよいし、電磁界シミュレータを用いて演算された波形であってもよい。ここでは、上述したインダクタンスと同様に電磁界シミュレータによって演算された結果が取得される。
次に、下記(17)式〜(19)式に示すように、3相鎖交磁束波形ψu、ψv、ψwがそれぞれ三角関数を用いた多項式に級数展開される(#22:展開工程)。多項式へ展開されることにより、高調波成分が容易に分離可能となる。従来、奇数高調波による影響が大きいことが知られており、ここでは奇数高調波が抽出されている。
Figure 2008295200
Figure 2008295200
Figure 2008295200
上記(17)式〜(19)式において、An、Bn,Cn(n=1、2、3、4)は振幅成分を示す係数であり、本例では下記に示す(20)式で示す値となる。
Figure 2008295200
鎖交磁束を微分することによって電圧が得られるので(17)式〜(19)式は、それぞれ微分され、(21)式〜(23)式に示すような3相電圧波形の多項式に変換される(#23:微分処理工程)。
Figure 2008295200
Figure 2008295200
Figure 2008295200
図10は、3相鎖交磁束波形ψu、ψv、ψwを微分して得られる3相電圧波形eu、ev、ewを示す波形図である。この波形図から明らかなように、鎖交磁束の歪がより大きな歪となって電圧波形に現れることがわかる。
次に、(21)式〜(23)式に示す電圧波形の多項式がd軸及びq軸の電圧を示す多項式に座標変換される(#24:座標変換工程)。図11は、3相電圧波形を座標変換して得られるd軸及びq軸の電圧波形ed、eqを示す波形図である。鎖交磁束波形ψu、ψv、ψwの歪がd軸及びq軸の電圧波形ed、eqに脈動となって現れることがよくわかる。
下記に示す(24)式及び(25)式は、座標変換後の電圧波形ed、eqを示す多項式に(20)式に示す係数が代入されたものである。ここで、(24)式、(25)式に示す座標変換後の電圧波形ed、eqの多項式の各項の内、相対的に大きい値を示す1つ又は複数の項が、それぞれd軸及びq軸の外乱電圧ΔVd、ΔVqとして抽出される(#25:抽出工程)。本例では、6次高調波の係数が他項の係数に比べて充分に大きいため、1つの項、即ち6次高調波の項が外乱電圧の項として抽出される。
Figure 2008295200
Figure 2008295200
そして、この抽出結果に基づいて、外乱電圧を示す外乱電圧推定項が電圧方程式に付加される(#26:外乱項付加工程)。このようにして、下記(26)式に示すように電圧方程式が最適化される。
Figure 2008295200
(26)式に示す電圧方程式は、d軸及びq軸の電圧ベクトルに対して外乱が同定されたものである。電圧指令演算部5がこの電圧方程式に基づいて電圧指令Vdr、Vqrを演算することにより、精度のよい制御が可能となる。(26)式を参照すると、外乱電圧ΔVdとΔVqは、鎖交磁束ψaの値(本例では2.61×10-1)に対して10〜20%の影響を与えることから、無視できない値である。この外乱は6次高調波であるから除去が非常に困難である。以下、その理由について補足する。
例えば、7極対(14極)の永久磁石を有するロータが6000rpm(100Hz)で回転する場合を考える。外乱電圧の周波数は極対数に比例し、さらにその6次高調波となるので、4.2kHz(=100Hz×7極対×6次)となる。PWM制御により除去可能な外乱電圧の周波数は、変調のための搬送周波数の1/10程度である。搬送周波数を10k〜20kHz程度とすれば、PWM制御により対応可能な外乱電圧の周波数の上限は1k〜2kHz程度となる。従って、3000rpm以上の通常運転域において、PWMを用いたフィードバック制御によって外乱を抑制することは困難である。しかし、(26)式に示す電圧方程式を用いれば、予め外乱電圧ΔVdとΔVqとを推定してフィードフォワード制御が可能となる。従って、良好に外乱電圧を抑制して精度のよいモータ制御が可能となる。
以上、線形化されたインダクタンス関数Ld(Id,θ)及びLq(Iq,θ)を電圧方程式に適用する場合について説明した。しかし、上記(2)式、(6)式に示したように、トルク方程式にもインダクタンスLd及びLqが用いられている。従って、トルク方程式にも線形化されたインダクタンス関数Ld(Id,θ)及びLq(Iq,θ)が組み込まれると好適である。インダクタンスLd及びLqが、それぞれd軸電流Idと電気角θとの関数、及びq軸電流Iqと電気角θとの関数として設定されることにより、トルク方程式を用いてトルクリップルの推定が可能となる。例えば、図1に示すように、同期モータの制御装置に、トルクリップルを推定すると共に、その推定結果を電流指令演算部4にフィードフォワードするトルクリップル推定部9を設けることが可能となる。尚、トルクリップル推定部9により推定されたトルクリップルは、電圧指令演算部5にフィードフォワードされてもよい。
また、電流指令演算部4においてトルク指令Trから電流指令Idr、Iqrを演算する際に、トルクリップルを反映させることにより、別途トルクリップル推定部9を設けることなくフィードフォワード処理を実施してもよい。あるいはトルクリップルを反映させずにトルク指令Trから電流指令Idr、Iqrを演算し、トルクリップルを反映した場合の電流指令との差分を求めるようにしてもよい。
図12は、トルクリップルを推定する手順の一例を示すフローチャートである。図13は、線形化されたd軸及びq軸のインダクタンスの特性を示すグラフである。図14は、トルクリップルを有するトルク特性の一例を示すグラフである。
図12に示すように、はじめに電気角θ、d軸及びq軸電流Id、Iqが設定され(#31)、d軸及びq軸のインダクタンスLd、Lqが取得される(#32)。上述したようにして線形化されたインダクタンス関数を用いてインダクタンスLd、Lqが、例えば図13に示すようにマップ化されていると好適である。そのマップを参照することによって、トルク計算の際に容易にインダクタンスLd、Lqが取得される。次に、鎖交磁束ψaが取得される(#33)が、鎖交磁束ψaの値も上述した(25)式の直流成分が使用可能である。
そして、これらの値を(6)式に代入することにより、極対数Pnに応じたトルクが演算され(#34)、図14に示すような3次元トルクマップが作成される(#35)。図14は、d軸電流Idが240Aの場合に、q軸電流Iqと電気角θとに応じて変化するトルクTの特性を示している。このようなトルクマップが複数のd軸電流Idの値に対して用意されれば、トルクリップルはフィードフォワード制御によって良好に抑制される。
以上説明したように、本発明によって、ベクトル制御される同期モータのインダクタンスの変動に良好に追従できるように、当該ベクトル制御を最適化することが可能となる。そして、このような最適化方法により最適化された同期モータの制御装置を提供することが可能となる。
尚、上記実施形態では、6次高調波による影響が大きい場合について例示したが、高調波の次数はモータの構造などモータ設計によって変動する可能性がある。しかし、上記実施形態の説明により明らかなように、影響の大きい高調波の次数は、最適化の過程において多項式の各項の係数を相対的に比較することによって同定されている。従って、本発明の適用により、種々のモータのそれぞれに対応した最適な電圧方程式やトルク方程式を得ることができ、良好な同期モータの制御装置を得ることができる。
また、上述した式において用いられている数値は、本願において1つの実施形態を説明するために用いたシミュレーション結果から導かれたものであり、当然ながら普遍的な数値でない。種々のモータのそれぞれに対応して適切な値に最適化される。
本発明を適用して最適化された同期モータの制御装置は、基本的にフィードフォワード制御によって、トルク変動やトルクリップルを抑制することができる。フィードバック制御により、高調波成分を含む外乱やトルクリップルを抑制することは困難、あるいは可能であっても付加的な機能の追加を必要とする。例えば、PWMの搬送周波数を上げることが必要である。しかし、これは高周波数化によるコストアップに加え、輻射ノイズ対策など高周波数化に伴う新たな対策のためのコストアップも生じる可能性がある。本発明に係る同期モータの制御装置では、そのようなコストアップを生じるリスクはほとんど発生しない。
本発明に係る同期モータの制御装置の構成例を模式的に示すブロック図 座標変換の原理を示す説明図 電機子電流の位相角について説明するベクトル図 d軸インダクタンスの特性を示すグラフ d軸インダクタンスを線形化する手順の一例を示すフローチャート q軸インダクタンスの特性を示すグラフ q軸インダクタンスを線形化する手順の一例を示すフローチャート 無負荷状態でモータを駆動した場合の3相鎖交磁束波形を示す波形図 電圧方程式に外乱推定項を付加する手順の一例を示すフローチャート 図8に示す鎖交磁束波形を微分して得られる3相電圧波形を示す波形図 図10に示す3相電圧波形を座標変換して得られるd軸及びq軸の電圧波形を示す波形図 線形化されたd軸及びq軸のインダクタンスの特性を示すグラフ トルクリップルを推定する手順の一例を示すフローチャート トルクリップルを有するトルク特性の一例を示すグラフ
符号の説明
1:モータ(同期モータ)
1r:ロータ(回転子)
1s:ステータ
1u、1v、1w:ステータコイル
2:座標変換部
4:電流指令演算部
5:電圧指令演算部
6:逆座標変換部
9:トルクリップル推定部
m:永久磁石
iu、iv、iw:3相モータ電流
Id、Iq:d軸及びq軸の電流
Ld、Lq:d軸及びq軸のインダクタンス
T:トルク
Tr:トルク指令
Idr、Iqr:d軸及びq軸の電流指令
Vdr、Vdq:d軸及びq軸の電圧指令
vu、vv、vw:3相電圧指令
θ:電気角
ψa:電機子の鎖交磁束
ψu、ψv、ψw:3相の鎖交磁束波形
eu、ev、eq:3相の電圧波形
ed、eq:d軸及びq軸の電圧波形
ΔVd、ΔVq:d軸電圧及びq軸電圧の外乱電圧

Claims (8)

  1. 同期モータの3相各相に流れるモータ電流を、当該同期モータの回転子に配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸及びd軸に直交するq軸のベクトル成分に座標変換する座標変換部と、
    前記磁界が形成する鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスと、d軸及びq軸の電流とを用いて前記同期モータのトルクを表すトルク方程式に基づいて、目標トルクからd軸及びq軸の電流指令を演算する電流指令演算部と、
    前記磁界が形成する鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスを含む前記同期モータのステータコイルのインピーダンスと、d軸及びq軸の電流とを用いて前記同期モータを駆動する電圧を表す電圧方程式に基づいて、前記d軸及びq軸の電流指令からd軸及びq軸の電圧指令を演算する電圧指令演算部と、
    前記d軸及びq軸の電圧指令を前記同期モータの3相各相の3相電圧指令に逆座標変換する逆座標変換部と、
    前記トルク方程式における前記d軸及びq軸のインダクタンスを、それぞれd軸の電流と電気角との関数、及びq軸の電流と電気角との関数として設定してトルクリップルを推定すると共に、前記電流指令演算部又は前記電圧指令演算部にフィードフォワードするトルクリップル推定部と、
    を備える同期モータの制御装置。
  2. 前記電圧方程式におけるd軸及びq軸のインダクタンスは、それぞれd軸の電流と電気角との関数、及びq軸の電流と電気角との関数として設定される請求項1に記載の同期モータの制御装置。
  3. 前記電圧指令演算部は、
    3相の鎖交磁束波形に含まれる高調波成分の高次係数を同定することによりd軸及びq軸の電圧に対する外乱電圧が推定された外乱電圧推定項が付加された前記電圧方程式に基づいて、前記電圧指令を演算する請求項1又は2に記載の同期モータの制御装置。
  4. 同期モータの3相各相に流れるモータ電流を、当該同期モータの回転子に配置された永久磁石が発生する磁界の方向であるd軸及びd軸に直交するq軸のベクトル成分に座標変換し、
    前記磁界が形成する鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスと、d軸及びq軸の電流値とを用いたトルク方程式、及び、前記磁界が形成する鎖交磁束と、d軸及びq軸のインダクタンスを含む前記同期モータのステータコイルのインピーダンスと、d軸及びq軸の電流指令値とを用いた電圧方程式に基づく当該同期モータのベクトル制御を最適化するための同期モータ制御の最適化方法であって、
    前記トルク方程式及び前記電圧方程式における前記d軸及びq軸のインダクタンスを、それぞれd軸の電流と電気角との関数、及びq軸の電流と電気角との関数として設定するインダクタンス線形化工程を備える同期モータ制御の最適化方法。
  5. 前記インダクタンス線形化工程は、
    前記d軸及びq軸のインダクタンスを、各軸の電流と電気角との非線形3次元マップとして演算する非線形インダクタンス演算工程と、
    前記非線形3次元マップに基づいて、前記d軸及びq軸のインダクタンスに重畳された高調波成分を抽出する高調波成分抽出工程と、
    前記高調波成分の重み付け係数として作用する各軸の電流を用いて重み関数を設定する重み関数設定工程と、
    前記d軸及びq軸のインダクタンスの振幅オフセット成分の重み付け係数として作用する各軸の電流を用いて振幅オフセット関数を設定するオフセット関数設定工程と、
    を備える請求項4に記載の同期モータ制御の最適化方法。
  6. 前記電圧方程式によって演算されるd軸及びq軸の電圧に対して推定される外乱電圧を示す外乱電圧推定項を付加して前記電圧方程式を最適化する外乱電圧推定工程を備える請求項4又は5に記載の同期モータ制御の最適化方法。
  7. 前記外乱電圧推定工程は、
    前記同期モータの無負荷時の鎖交磁束波形を取得する磁束波形取得工程と、
    前記鎖交磁束波形を三角関数を用いた多項式に級数展開する展開工程と、
    前記鎖交磁束波形の多項式を微分して電圧波形の多項式に変換する微分処理工程と、
    前記電圧波形の多項式をd軸及びq軸の電圧波形を示す多項式に座標変換する座標変換工程と、
    前記d軸及びq軸の電圧波形を示す多項式の各項の内、相対的に大きい値を示す1つ又は複数の項を、それぞれd軸及びq軸の前記外乱電圧として抽出する抽出工程と、
    この抽出結果に基づいて、前記電圧方程式に前記外乱電圧を示す前記外乱電圧推定項を付加する外乱項付加工程と、
    を備える請求項6に記載の同期モータ制御の最適化方法。
  8. 請求項4〜7の何れか一項に記載の同期モータ制御の最適化方法を用いて最適化された同期モータの制御装置。
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