JP2006230200A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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和明 戸張
Tsunehiro Endo
常博 遠藤
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Abstract

【課題】電力変換器の入力直流母線に流れる直流電流IDCから、回転座標系のd軸及びq軸の電流Idc,Iqcを推定する安価な電流検出を用いて、トルク不足を生じない交流電動機のトルク制御法を提供することにある。
【解決手段】直流電源21を入力とした電力変換器の入力直流母線電流検出値IDCから、回転座標系のd軸及びq軸の電動機電流Id,Iqを推定し、推定電流Idc,Iqcが、各々の電流指令値Id*,Iq*に一致するように電力変換器2の出力電圧を制御する。また、電動機電流情報と回転位相誤差より演算でモータ定数誤差を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、交流電動機制御装置及びそれを用いたモジュールに関する。
平成11年度電気学会東京支部茨城支所研究発表会論文「インバータ制御全自動洗濯機の開発」では、電動機電流センサレス,低分解能位置検出器での「オープン・ループ型ベクトル制御」を採用した内容が記述されている。
一方、磁極位置検出器と電動機電流センサを備えた従来の技術として、特開2000−324881号記載の制御装置がある。これは、電動機電流検出器として、電動機巻線電流を直接検出し、回転座標系にて、指令電流と検出電流が一致するように電圧指令を作成している。
特開2000−324881号公報 平成11年度電気学会東京支部茨城支所研究発表会論文「インバータ制御全自動洗濯機の開発」
本発明の目的は、電動機定数の変動や、ホール素子などの取り付け誤差の影響を受けることなく、低速度域からトルク不足を生じない交流電動機の制御装置を提供することにある。
本発明の一つの特徴は、回転座標系のd軸及びq軸の電動機電流Id,Iqを推定し、推定電流Idc,Iqcが、各々の電流指令値Id*,Iq*に一致するように電力変換器2の出力電圧を制御することである。
本発明の他の特徴は、直流を入力として交流を出力とする電力変換器の入力直流電流検出値と、交流電動機の位置検出信号から得られた回転位相とを入力として、前記交流電動機における回転座標系のd軸及びq軸の交流電動機の推定電流値を出力する電流推定部と、前記推定電流値がd軸電流指令値に近づくように制御を行うd軸電流制御部と、前記推定電流値がq軸電流指令値に近づくように制御を行うq軸電流制御部とを持つことである。
なお、本発明のその他の特徴は本願特許請求の範囲に記載のとおりである。
本発明によれば、電動機定数の変動や、ホール素子などの取り付け誤差の影響を受けることなく、低速度域からトルク不足を生じない交流電動機の制御装置を提供できる。
以下、図面を用いて本発明の実施の形態を説明する。
<第1の実施例>
図1は、本発明の一実施例である永久磁石同機電動機の制御装置の構成例を示す。
図1は、3相交流の電圧指令値Vu*〜Vw*に比例した出力電圧を永久磁石同期電動機1に出力する直流電源21を入力とした電力変換器2,永久磁石同期電動機1の電気角
60°毎の位置検出値θiを検出できる磁極位置検出器3,位置検出値θiから永久磁石同期電動機1の回転速度ω1 *を演算する速度演算部4,位置検出値θiと回転速度ω1 *から電動機の回転位相θ* を演算する位相演算部5,電力変換器2の入力直流母線電流検出値IDCから回転座標系のd軸(磁束軸相当)及びq軸(トルク軸相当)の電流推定値
Idc,Iqcを演算する電流推定部6,トルク指令値τ* からq軸電流指令値Iq* を演算する変換係数7,電動機定数と電流指令値Id*,Iq*及び回転速度ω1 *に基づいて電圧基準値Vd*,Vq*を演算する電圧ベクトル演算部8,d軸電流指令値Id* とd軸電流推定値Idcの偏差に応じてΔVdを出力するd軸電流制御部9,q軸電流指令値
Iq* とq軸電流推定値Iqcの偏差に応じてΔVqを出力するq軸電流制御部10,電圧基準値Vd*,Vq*と電流制御出力ΔVd,ΔVq及び回転位相θ* から3相交流の電圧指令値Vu*〜Vw*を出力する座標変換部11で構成される。
なお、直流電源21は、1次又は2次電池の場合や、直流電源211のように、商用電源又は発電機23で出力された交流電源を整流器22で整流してコンデンサ又は電池に充放電して作成される場合がある。以下の実施例でも同様に直流電源は同様に作成されるので以下の実施例での説明は省略する。
又、トルク指令値τ* 及びd軸電流指令値Id* は上位の装置で与えられる。例えば、トルク指令値τ* は、入力装置の操作に応じて与えられる。なお、以下の実施例でも同様である。
構成要素の1〜5,7,11については、従来の技術で先に説明した速度制御型で発表されている低分解能位置検出器でのオープン・ループ型ベクトル制御と同等の構成である。
最初に、トルク制御装置にオープン・ループ型ベクトル制御を適用した場合における基本動作について述べる。
トルク指令値τ* からのq軸電流指令値Iq*並びにd軸電流指令Id*に従い電動機電流Iq,Idを制御するために、電圧ベクトル演算部8において予め(数1)で示すように、d軸及びq軸の電圧基準値Vd*,Vq*を演算し、変換器出力電圧を制御している。
Figure 2006230200
ここに、
1 *:抵抗の設定値、Ld*,Lq*:d軸及びq軸のインダクタンスの設定値
Ke*:誘起電圧定数の設定値、ω1 *:回転速度
また、磁極位置検出器3では、電気角60度毎の磁極位置を把握することができる。この時の位置検出値θiを本実施例では、
Figure 2006230200
ここに、i=0,1,2,3,4,5としている。
速度演算部4においては、この位置検出値θiから、最短で60度区間における平均速度の回転速度ω1 *を算出することができる。
Figure 2006230200
ここにΔθ:θi−θ(i−1)、Δt:60度区間の位置検出信号を検出するまでの時間
しかしながら、実際には磁極位置検出器の取り付け誤差などにより、120度区間以上での平均速度を利用しているのが実状である。
位相演算部5においては、位置検出値θiと回転速度ω1 *を用いて、回転位相θ*を数(4)のように演算して、電動機1の基準位相を制御する。
Figure 2006230200
以上が、オープン・ループ型ベクトル制御方式での電圧制御と位相制御の基本構成である。
トルク制御運転時において高トルクが要求されると、トルクに見合った大きな電流を流す必要がある。連続した時間で高トルクが要求される場合には、電動機電流による発熱により、時間と共に電動機内部の巻線抵抗値Rが増加する。すると、電圧ベクトル演算部8で演算する抵抗設定値R* と実抵抗値Rが一致しなくなるため、電動機1に必要な電圧を供給することができなくなり、その結果、トルク発生に必要な電流が流れず、トルク不足に陥ることが懸念される。
そこで本実施例では、電力変換器の入力直流母線に流れる直流電流IDCから、回転座標系のd軸及びq軸の電流Idc,Iqcを推定して、これらの信号が各々の指令値に一致するように、d軸及びq軸の電流制御部9,10により電流偏差に応じた信号ΔVd,ΔVqを求め、電圧ベクトル演算部8の出力と加算部で和をとることにより、変換器の出力電圧を修正するようにしている。この結果、電圧ベクトル演算部8で設定するR* と実抵抗値Rが一致していなくとも、電動機電流を電流指令値に一致させるように出力電圧が制御され、安価な構成でトルク不足なしの高精度なトルク制御を実現することができる。
本実施例では、8の電圧ベクトル演算部において、電流指令値Id*,Iq*を用いて電圧基準値Vd*,Vq*を演算しているが、直流電流IDCから推定したIdc,Iqcを用いても同様の効果が得られる。
<第2の実施例>
図2は、本発明の他の実施例を例示する。本実施例は、出力電圧ベクトル演算を行わずに、d軸及びq軸の電流制御のみで変換器の出力電圧を制御する永久磁石同機電動機のトルク制御装置である。図2において、符号1〜7,9〜11,21は図1のものと同一物である。先の実施例で示した図1との相違点は、電圧ベクトル演算部8を省略した点にある。電圧ベクトル演算部8を省略しても、Idc,Iqcが各々の指令値に一致するように電流制御部9,10により変換器の出力電圧が制御されるので、安価な構成でトルク不足なしの高精度なトルク制御を実現することができる。
<第3の実施例>
図3は、本発明の他の実施例を例示する。本実施例は、電流指令値Id**及びIq**を、d軸及びq軸の電流指令演算部12,13の出力より得る方式の永久磁石同機電動機のトルク制御装置である。図3において、符号1〜7,11,21は図1のものと同一物である。8′は電動機定数と信号Id**,Iq**及び回転速度ω1 *に基づいて電圧基準値
Vd***,Vq***を演算する電圧ベクトル演算部、12はId* とIdcの偏差に応じてId**を出力するd軸電流指令演算部、13はIq* とIqcの偏差に応じてIq**を出力するq軸電流指令演算である。この信号Id**,Iq**を用いて、数(5)に示す電圧基準値Vd***,Vq***を演算し、変換器出力電圧を制御する。
Figure 2006230200
このような方式でも、Id*とIdc,Iq*とIqcが各々一致することを考慮すれば、前記実施例と同様に動作し、同様の効果が得られることは明らかである。
<第4の実施例>
上記の第1〜第3の実施例までは、磁極位置検出器3で検出した位置検出値θiを基準に、回転速度ω1 *を用いて回転位相θ* の補間演算を行う方法であったが、中高速域では、ホール素子の取り付け誤差に起因する位置検出信号のバラツキなどで速度平均化処理を施す必要があり、この演算遅れが原因となり「高応答化」への課題となっていた。そこで、トルク制御装置を位置センサレス制御にすることより、位置検出信号のバラツキの影響を排除し、高応答化を実現することができる。
図4はこの実施例の構成例を示す。図4において、構成要素の符号1,2,3,6,7〜11,21は図1のものと同一物である。その他の構成は、電圧指令値Vd**,Vq**と電流推定値Idc,Iqcに基づいて、回転位相指令θ**と実回転子位相θの差である第1の位相誤差Δθ* を推定する軸誤差演算部14、磁極位置検出器3の出力である位置検出値θi(i=0,1,2,3,4,5)と回転位相指令θ**との差である第2の位相誤差Δθ**を求める減算器15は第1の位相誤差Δθ* と第2の位相誤差Δθ**から第3の位相誤差Δθ***を求める組合せ部16、第3の位相誤差Δθ***を用いて変換器の周波数指令ω1 **を演算する周波数演算部、18は信号ω1 **を積分して回転位相指令θ**を得る位相指令演算部18で構成される。
軸誤差演算部14では、数(6)に従い、実回転子位相θと回転位相指令θ**の差分信号である第1の位相誤差Δθ*(=θ**−θ)を演算する。
Figure 2006230200
この式は、特開2001−251889号に示された位置センサレス運転法にある位置誤差演算方法である。
組合せ部16では、前述の第1の位相誤差Δθ* と第2の位相誤差Δθ**を用いて、次に示す3つの方法の1つを用いて、第3の位相誤差Δθ*** を演算する。
第1の方法は、第1の位相誤差Δθ* と第2の位相誤差Δθ**の加算値もしくは平均値。
第2の方法は、第1の位相誤差Δθ* と第2の位相誤差Δθ**の絶対値の大きいほうを選択する。第3の方法は、位置検出器の取り付けばらつきが大きい場合に用いる方法として、第2の方法とは逆に、絶対値の小さい位相誤差を選択する。
次に、図5を用いて周波数演算部17について説明する。組合せ部16の出力である第3の位相誤差Δθ***を「ゼロ」と比較する。その偏差信号に比例ゲインKPPLLを乗じる比例演算部17Aの出力信号と、偏差信号に積分ゲインKIPLL を乗じて積分処理を行う積分演算部17Bの出力信号とを加算して、変換器の周波数指令ω1 **を演算する。
位相指令演算部18では、周波数指令ω1 ** を数(7)で示すように積分して、位相指令θ**を演算し、座標変換部11を介して、θ**に従って電力変換器2の出力の位相を制御する。
Figure 2006230200
このように「位置検出信号」と「電圧と電流から推定した位相誤差」の2種の情報を利用することにより、位置検出信号のバラツキによる速度の平均化処理などを施す必要がなくなり、「高応答」なトルク制御系を実現することが可能となる。
本第4の実施例では、直流電流IDCから推定したIdc,Iqcを用いて「軸誤差演算部14」,「d軸及びq軸の電流制御部9,10」の制御演算を行っているが、電動機電流検出手段において、電動機の交流電流検出値と回転位相指令から演算したd軸及びq軸の電流値を用いても同様の効果が得られる。
<第5の実施例>
第4の実施例では、第2の位相誤差Δθ**を磁極位置検出器3の出力で実際の位置情報である位置検出値θi(i=0,1,2,3,4,5)と回転位相指令θ**から求めた。第4の実施例では6つの位相でしか検出できなく、また磁極位置検出器3の取り付け誤差の影響を受けやすいため、この対策として、第5の実施例では、図1から図3に示した回転位相θ*を用いて、これと回転位相指令θ**から求める方式としている。
以下、図6を用いて第5の実施例の一例を説明する。これまで説明した実施例と同じ符号で示した構成要素は同一物である。
速度演算部4において、位置検出値θiから数(3)にしたがって回転速度ω1 *を算出し、位相演算部5において位置検出値θiと回転速度ω1 *を用いて、回転位相θ* を数
(4)にしたがって演算する。減算器15を用いて、位相指令θ**と上記の位相θ* との差を求めて第2の位相誤差とする。16は、第4の実施例で示した組合せ部であるが、図6においては、先に示した第1の方法として加算部を示した。
次に第5の実施例のもたらす作用効果について説明する。図6の制御構成において、電圧ベクトル演算部8及び軸誤差演算部14に設定する定数と、実際の電動機定数に誤差が存在する場合について考える。
最初に、組合せ部16である加算部に第2の位相誤差Δθ**を加算しない場合を考える。軸誤差演算部14において算出された第1の位相誤差Δθ* で周波数指令ω1 ** が演算され、電圧ベクトル演算部8では、数(8)式で示されるように、d軸及びq軸の電圧指令Vd**,Vq**が演算される。
Figure 2006230200
ここで、電動機定数の設定誤差により、「制御の基準軸」の信号である位相指令θ**と「電動機の磁束軸」の信号である回転位相θ* の偏差である位相誤差Δθが発生すると、制御軸(dc−qc)から実軸(d−q)への座標変換行列は数(9)となる。
Figure 2006230200
Δθが発生する場合、制御側で作成したd軸及びq軸の電動機印加電圧Vd,Vqは、数(8)と数(9)を用いて電動機定数設定値を用いて表すと、数(10)となる。
Figure 2006230200
一方、同じく、d軸及びq軸の電動機印加電圧Vd,Vqを電動機定数を用いて表すと、数(11)で示すことができる。
Figure 2006230200
ここで、数(10)右辺=数(11)右辺の関係と、Id*を「ゼロ」、Iq*を「所定値」に設定して電流制御を行うと、d軸及びq軸の電流制御部9,10の出力値ΔVd,ΔVqは各々、数(12),(13)で示すことができる。
Figure 2006230200
Figure 2006230200
また、軸誤差演算部14において、数(6)で算出される第1の位相誤差Δθ*に、数
(8)を代入すると、数(14)が得られる。
Figure 2006230200
ここでも、電流制御部の作用により、Iq*=Iqc,Id*=Idc=0となるので、Δθ*は数(15)で示すことができる。
Figure 2006230200
数(12),(13)で示される電流制御部の出力ΔVd,ΔVqを数(15)に代入すると、第1の位相誤差△θ*は数(16)となる。
Figure 2006230200
ここで、加算部に第2の位相誤差Δθ**を加算しない場合は、周波数演算部17において、数(16)で示す第1の位相誤差Δθ* と「ゼロ」を比較して、その偏差信号でPI(比例+積分)演算を行う結果、一定速度ではΔθ* は「ゼロ」となる。つまり、一定速度では、数(16)の分子成分は数(17)の関係になる。
Figure 2006230200
この数(17)から、一定速度で発生する位相誤差Δθを求めると、数(18)が得られる。
Figure 2006230200
数(18)より、位相誤差△θの大きさは、q軸インダクタンスLqの設定誤差(Lq*−Lq) に関係して発生していることがわかる。
次に、この位相誤差Δθが存在する場合の電動機トルク式を導出する。
d−q軸上での電動機トルク式を数(19)に示す。
Figure 2006230200
ここに、Pm:電動機極対数
制御軸(dc−qc)から実軸(d−q)への座標変換行列を考えて、Id* を「ゼロ」に設定して電流制御を行うと、数(20)が得られる。
Figure 2006230200
数(20)より、位相誤差Δθが±π/2[rad]に近づくと、q軸電流推定値Iqcが指令値通りに発生していても「cosΔ・Iqc・Ke」 成分が減少して、τm が「ゼロ」方向に減少していくことがわかる。
つまり、Lq*の設定誤差→位相誤差Δθ発生→電動機トルクτm減少の関係がある。
そこで、図6に示した本実施例の通りに、組合せ部である加算部に、第2の位相誤差
Δθ**を加算する場合では、第1の位相誤差Δθ* を修正する教唆信号として用いる。
ここでは、「制御の基準軸」の信号である回転位相θ**と「電動機の磁束軸」の信号である位相指令θ* の偏差である第2の位相誤差Δθ**(位相誤差Δθ相当)を、数(21)で示すように減算部15で求める。
Figure 2006230200
さらに加算部において、第2の位相誤差Δθ**を第1の位相誤差△θ* に加算して数
(22)で示すように、第3の位相誤差Δθ***を演算する。
Figure 2006230200
この第3の位相誤差Δθ***で、変換器の周波数指令ω1 **を演算し、更に、信号ω1 ** から回転位相指令θ**を求めることにより、ベクトル制御の基準軸は正しく修正され(電動機の磁束軸に一致する)、数(19)で示すような、q軸電流値Iqに比例した高精度なトルク制御を実現することができる。
<第6の実施例>
第5の実施例では、第2の位相誤差Δθ**を「ベクトル制御の基準軸を修正する教唆信号」として採用したが、本実施例では、第2の位相誤差Δθ**を用いて、電圧ベクトル演算部8″,軸誤差演算部14′,q軸電流制御部10′の設定定数に用いるq軸インダクタンスの設定誤差△Lq^を算出し、これを用いてq軸インダクタンスの自動設定を行う。
図7はこの実施例の構成を例示する。図7において、構成要素の符号1〜7,9,11,15〜18,21は図6のものと同一物である。そして、q軸インダクタンス演算部
19は第3の位相誤差Δθ**からq軸インダクタンス設定誤差△Lq^(=Lq*−Lq)を推定する。電圧ベクトル演算部8″は電動機定数と電流指令値Id*,Iq*、周波数指令ω1 ** 及びq軸インダクタンス設定誤差△Lq^に基づいて電圧基準値Vd*,Vq*を演算する。また、q軸電流制御部10′はq軸インダクタンス設定誤差△Lq^に基づいて電流制御ゲインを修正する。さらに、軸誤差演算部14′は電圧指令値Vd**,Vq**と電流推定値Idc,Iqc及びq軸インダクタンス設定誤差△Lq^に基づいて、第1の位相誤差Δθ*を求める。
次に本発明のもたらす作用効果について説明する。
前述しているが、周波数演算部17では、一定速度において、前記数(17)が成立し、式を変形すると、数(23)が得られる。
Figure 2006230200
これより、ΔLq(=Lq*−Lq)を求めると、
Figure 2006230200
つまり、ΔLqの推定値ΔLq^は、数(25)に示す演算でLdの変わりにLd* を用いて、求めることができる。尚、Ldは電流飽和の影響が少なくLd=Ld* とおいても実害はない。
Figure 2006230200
ここに*は設定値あるいは指令値を表す。
ここで、図8を用いて、数(25)の演算内容であるq軸インダクタンス演算部19の一例を説明する。第2の位相誤差Δθ**は、tan(Δθ**) を演算する関数器発生部19Aと、cos(Δθ**) を演算する関数発生部19Bに入力され、19Aと19Bの出力信号は除算器19Cに入力される。19Cでは除算演算が行われ、その出力値に電動機の誘導起電圧定数Ke* が乗じられる。その乗算値は、q軸電流推定値Iqcと共に、除算器19Dに入力される。ここでは、数(26)にあるIq*の変わりにIqcを用いている。
また、関数発生部19Aの出力信号tan(Δθ**) は乗算器19Eに入力され、19Aの出力信号が2乗されて、d軸インダクタンス設定値Ld* とq軸インダクタンス設定値
Lq* の差分値(Ld*−Lq*)が乗じられる。この乗算値は、除算部19Dの出力信号と供に減算部19Fに入力され、その出力値がq軸インダクタンス設定誤差ΔLq^となる。
ここで、Ld≒Lq*(突極性が小)の電動機であれば、数(25)を、数(26)のように簡略化することもできる。
Figure 2006230200
次に、以上のようにして演算して求めたq軸インダクタンス設定誤差ΔLq^の制御系への反映方法について示す。
電圧ベクトル演算部8″では、信号△Lq^を用いて数(27)を演算する。
Figure 2006230200
同様に、軸誤差演算部14′においても、q軸インダクタンス設定誤差△Lq^を用いて数(28)を演算する。
Figure 2006230200
このように、数(27),(28)に示すq軸インダクタンスの設定値を修正することで、Lq* の修正→位相誤差Δθ:「ゼロ」→指令値通りの電動機トルクτm 発生となり、高精度な位置センサレス制御を実現することができる。
さらに、ΔLq^を用いて、q軸電流制御部10′の比例ゲインも変更することができる。q軸電流制御部10′の構成を図9に例示する。
信号Iq* と信号Iqcの偏差信号ΔIqは、q軸インダクタンス設定誤差ΔLq^と共に比例演算部10′Aに入力される。比例演算部10′Aでは、q軸インダクタンス設定誤差ΔLq^を用いて比例ゲインKPACRを数(29)に従い演算し、ゲインKPACRに偏差信号ΔIqを乗じて出力信号を得る。
Figure 2006230200
ここに、ωc:電流制御系の開ループ応答周波数[rad/s]
次に信号△Iqに積分ゲインKIACR を乗じて積分処理を行った積分演算部10′Bの出力信号と、前記比例演算部10′Aの出力信号を加算して、変換器の出力電圧を修正する信号△Vqを演算する。
ここでは、q軸インダクタンス設定誤差ΔLq^により比例ゲインKPACR を演算することにより、q軸インダクタンスの設定誤差がある場合でも、設定通りの高応答なトルク応答を得ることができる。
本実施例では、q軸インダクタンス設定誤差△Lq^に基づいて、q軸電流制御部の制御ゲインを修正しているが、q軸電流指令演算部の制御ゲインの修正に適用しても同様の効果が得られる。
<第7の実施例>
先の実施例では、加算部にて、第3の位相誤差Δθ*** を第2の位相誤差Δθ**と第1の位相誤差Δθ* とを加算した方式について説明した。これとは別の方法として、第2の位相誤差Δθ**を加算部にて加算しないで、第3の位相誤差Δθ***を第1の位相誤差
Δθ*と等しくしても、第2の位相誤差Δθ**よりq軸インダクタンスの設定誤差△Lq^を算出することはできるので、本実施例と同様の効果が得られることは明らかである。
図10に、その構成を例示する。図7に示した実施例と異なるのは、軸誤差演算部14′の出力である第1の位相誤差Δθ* が直接、周波数演算部17に入力されている点である。
本実施例の作用効果は、先の実施例と同じなので、説明を省略する。
<第8の実施例>
図11を用いて本発明をモジュールに適用した例について説明する。本実施例は、第1実施例の実施形態を示すものである。ここで、速度演算部4,位相演算部5,電流推定部6,定数7,電圧ベクトル演算部8,d軸電流制御部9,q軸電流制御部10,座標変換部11は1チップマイコンを用いて構成している。また、前記1チップマイコンと電力変換器は、同一基盤上で構成される1モジュール内に納められている形態となっている。ここでいうモジュールとは「規格化された構成単位」という意味であり、分離可能なハードウェア/ソフトウェアの部品から構成されているものである。尚、製造上、同一基板上で構成されていることが好ましいが、同一基板に限定はされない。これより、同一筐体に内蔵された複数の回路基板上に構成されても良い。他の実施例においても同様の形態構成をとることができる。
本発明の一実施例を示す永久磁石同期電動機のトルク制御回路構成図の一例。 本発明の他の実施例を示す永久磁石同期電動機のトルク制御回路構成図の一例。 本発明の他の実施例を示す永久磁石同期電動機のトルク制御回路構成図の一例。 本発明の他の実施例を示す永久磁石同期電動機のトルク制御回路構成図の一例。 図4の装置における周波数演算部15の説明図の一例。 本発明の他の実施例を示す永久磁石同期電動機のトルク制御回路構成図の一例。 本発明の他の実施例を示す永久磁石同期電動機のトルク制御回路構成図の一例。 図7の装置におけるq軸インダクタンス演算部19の説明図の一例。 図7の装置におけるq軸電流制御部10′の説明図の一例。 本発明の他の実施例を示す永久磁石同期電動機のトルク制御回路構成図の一例。 本発明の実施形態を示す構成図の一例。
符号の説明
1…永久磁石同期電動機、2…電力変換器、3…磁極位置検出器、4…速度演算部、5…位相演算部、6…電流推定部、8,8′,8″…電圧ベクトル演算部、9…d軸電流制御部、10…q軸電流制御部、11…座標変換部、14…軸誤差演算部、16…組合せ部、17…周波数演算部、18…位相指令演算部、19…q軸インダクタンス演算部、21…直流電源、IDC…入力直流母線電流検出値、Δθ* …第1の位相誤差、Δθ**…第2の位相誤差、Δθ***…第3の位相誤差、ΔLq^…q軸インダクタンス設定誤差、θ**…位相指令、θ* …位相。

Claims (3)

  1. 第1の電流指令値にモータ電流が近づくように第2の電流指令を作成し、該第2の電流指令値とモータ定数を用いてベクトル演算を行いインバータ出力電圧の指令値を決定することを特徴とするモータ制御装置。
  2. 第1の電流指令値にモータ電流が近づくように第2の電流指令を作成し、該第2の電流指令値とモータ定数を用いてベクトル演算を行いインバータ出力電圧を決定することを特徴とするモータ制御方法。
  3. インバータと、該インバータによりモータを駆動するモータ制御装置とを備えるモジュールであって、
    第1の電流指令値にモータ電流が近づくように第2の電流指令を作成し、該第2の電流指令値とモータ定数を用いてベクトル演算を行いインバータ出力電圧の指令値を決定することを特徴とするモジュール。
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