JP3797508B2 - 永久磁石型同期電動機のセンサレス速度制御方法及びその脱調検出方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石を回転子とする永久磁石形同期電動機のセンサレス速度制御方法及びその脱調検出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
永久磁石を回転子とするブラシレスDCモータを同期電動機として運転する場合、回転子の絶対値を得て、正確な電流制御を行う必要がある。回転子の絶対値を得るためには、エンコーダやレゾルバなどの回転し位置検出器を用いることが一般的であるが、配線や構造の複雑さ、価格や使用環境などについて問題があるため、回転し位置検出器を用いないで回転子の磁極位置を求めるセンサレスベクトル制御方法が提案されている。
【0003】
従来の同期電動機のセンサレスベクトル制御としては、特開平8−308286号公報に記載された方法があるが、これは、回転子の磁極上に設定したγ−δ軸座標系に変換されたステータ電流iγ、iδと、前回推定された電流推定値iγestとiδestとの差とγ−δ軸座標系に変換された電圧指令Vγ、Vδを入力とし、γ−δ軸座標系における電流iγest、iδestと誘起電圧εγest、εδestおよび、回転子の速度ωrmestを推定するものである。
【0004】
また、前記の方法により、推定された、γ軸誘起電圧推定値εγestと回転子の角速度推定値ωrmestより、回転子の永久磁石上に設定したd−q座標と前記γ−δ座標とのずれ角θを推定し、回転子位置を修正する。
【0005】
上記の方法で推定した角速度、磁軸位置情報を用いてべクトル制御を行う。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが従来の技術では、同期電動機が低速速度で回転するのに従って、同期電動機誘起電圧が低下するため、磁軸の推定精度が劣化することにより、低速域でベクトル制御を実施すると、磁軸を見失い、制御不能に陥る欠点があった。
【0007】
さらに、上述した従来の方法では、γ−δ軸とd−q軸のずれ角θeが大きくなって制御不能となった場合に、同期電動機が脱調し、同期電動機やこれに連結する機械系の破損をまねく恐れがある。
【0008】
そこで本発明は、低速度域でも磁軸を指定でき、良好に速度制御可能な制御方法を提供することを第1の課題とする。
【0009】
また、本発明は、γ−δ軸に発生する誘起電圧εγ、εδを精度よく推定し、この誘起電圧推定値εγestとεδestを比較し脱調状態を検出することを第2の課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記第1の課題を解決するため、本発明は、速度指令と電動機速度との偏差信号からδ軸電流指令を出力するδ軸速度コントローラ、δ軸電流指令及びγ軸電流指令からδ軸電圧指令及びγ軸電圧指令をそれぞれ演算するδ軸電流コントローラ及びγ軸電流コントローラ、前記δ軸電圧指令及びγ軸電圧指令に基づいて電圧指令絶対値及び電圧指令位相を出力するベクトル制御回路、前記電圧指令絶対値及び電圧指令位相に基づいて同期電動機に駆動電流を供給するインバータ回路を備え、前記電動機速度を前記同期電動機の2相の電流に基づいて演算する永久磁石形同期電動機のセンサレス速度制御方法において、前記同期電動機の固定子のU相をα軸、α軸から電気角90゜正回転方向にβ軸とするα−β空間座標系を設定し、前記α−β空間座標系に、同期電動機の真の磁軸をd軸、d軸から90゜進んだ軸をq軸とし、同期電動機回転速度ωrmで回転する座標d−q軸と、同期電動機の指定磁軸をγ軸、γ軸から90゜進んだ軸をδ軸とし、同期電動機回転指令速度ωrm *で回転するγ−δ軸とを設定し、γ軸方向の電流指令iγ*を正とすることにより、d軸をγ軸に拘束するためのトルクを発生させ、δ軸方向電流指令iδ*を、速度指令と、同期電動機誘起電圧外乱としたδ軸電流方程式より作成した外乱オブザーバから導出した速度推定値ωrm *との偏差をゲイン倍するフィードバック制御より導出するものである。
【0011】
また、前記第2の課題を解決するため、第2の発明は、速度指令と電動機速度との偏差信号からδ軸電流指令を出力するδ軸速度コントローラ、δ軸電流指令及びγ軸電流指令からδ軸電圧指令及びγ軸電圧指令をそれぞれ演算するδ軸電流コントローラ及びγ軸電流コントローラ、前記δ軸電圧指令及びγ軸電圧指令に基づいて電圧指令絶対値及び電圧指令位相を出力するベクトル制御回路、前記電圧指令絶対値及び電圧指令位相に基づいて同期電動機に駆動電流を供給するインバータ回路、前記電動機速度を前記同期電動機の2相の電流に基づいて演算する速度演算手段を備え、回転子の真の磁軸をd軸とするd−q座標軸に、回転子上に想定したγ−δ軸が一致するように制御する永久磁石形同期電動機の脱調検出方法において、時間k・Ts時(但し、k=0,1,2,3,…,Tsはサンプリングタイム)に同期電動機に供給される少なくとも2相分のステータ電流を検出し、同ステータ電流をγ−δ座標系に変換することにより、γ軸電流iγ(k)及びδ軸電流iδ(k)を導出し、これらのγ軸電流iγ(k)及びδ軸電流δ(k)と前回の制御ループで推定されたγ軸電流iγest(k)及びδ軸電流iδest(k)との差iγ(k)−iγest(k)及びiδ(k)−iδest(k)を補正量、γ−δ軸座標系に変換された電圧指令値Vγ*(k)とVδ*(k)を入力とし、同期電動機の回転子が回転することにより発生するγ軸の誘起電圧εγ(k)とδ軸の誘起電圧εδ(k)を、回転子が回転していない時の電流応答に対する外乱として状態推定器を構成し、時間(k+1)・Ts秒のγ−δ軸座標系における電流iγest(k+1)及びiδest(k+1)並びに誘起電圧εγest(k+1)及びεδest(k+1)を推定し、この推定された誘起電圧εγest(k+1)及びεδest(k+1)から脱調を検出するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
センサレス速度制御方法においては、任意の指定軸γ軸に正方向の直流電流iγが流れたとき、真の磁軸d軸とγ軸より負荷角θeだけ遅れた位相との間に位相差が存在するとすると、磁軸にiγsinθeに比例したγ軸方向へ向かうトルクが発生する。このため真の磁軸は負荷トルクが0であれば、常に指定磁軸γ軸に向かうようなトルクを受けるが、通常制動巻線を持たない同期機は、ダンピングファクターがほぼ0のため、d軸はγ軸周りで単振動を起こす。請求項1に係る発明では、速度推定値フィードバックより導出した電流指令値をδ軸電流とすることによってd軸の過渡振動を抑制している。一方、γ軸電流方程式より導出した外乱推定値εγestは、同期電動機の誘起電圧をεとするとεsinθeを推定する。このため、負荷角が小さいときは、εγestは負荷角に比例した値となる。本発明ではこの外乱推定値εγestを比例積分した補正電流指令iδθ*をδ電流指令に加算するため、εγが0すなわちγ軸とd軸が一致するまで補正電流が流れることになる。このため、結果としてγ軸と磁軸d軸が一致し、γ軸は指令速度で回転しているため、真磁軸d軸も指令速度で回転することになる。
【0013】
請求項2に係る発明においては、時間k・Ts時(但し、k=0,1,2,3,…,Tsはサンプリングタイム)に永久磁石形同期電動機に供給される少なくとも2相分のステータ電流を検出し、回転子上に設定したγ−δ座標系に変換することにより、γ軸電流iγ(k)及びδ軸電流iδ(k)を導出し、前回導出したγ軸電流推定値iγest(k)及びδ軸電流推定値iδest(k)と、電圧Vγ(k)、Vδ(k)を用い、永久磁石形同期電動機のγ−δ軸座標系における状態方程式
【数1】
但し、εγ=−sinθe(ωrm/Lq)ψmag
εδ=cosθe(ωm/Lq)ψmag
Rs:ステータ側抵抗、Lq:q軸インダクタンス、
Ld:d軸インダクタンス、θe:γ−δ軸とd−q軸とのずれ角、
ωrm:回転子角速度、ψmag:永久磁石が発生する磁束
より、εγとεδの時間変化が十分小さいとして構成した。
【0014】
状態推定器である
【数2】
但し、「^」は推定値を表し、添字の「est」と同じ意味である。
【0015】
を離散値系に展開した
【数3】
によって、時間(k+1)Ts秒時の電流推定値iγest(k+1)、iδest(k+1)、誘起電圧推定値εγest(k+1)、εδest(k+1)を求め、γ−δ軸とd−q軸のずれ角θeの許容範囲を決める係数Kθを用いて、
【数4】
を満たした時を脱調状態とする。
【0016】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。
【0017】
図1は、本発明の磁極位置、速度推定方法の一実施例が適用された同期電動機の制御システムを示すブロック図、図2はその実施例における処理を示すフローチャートである。
【0018】
図1の制御システムブロック図について説明する。図中、1は速度コントローラ、2はδ軸電流コントローラ、3はγ軸電流コントローラ、4はべクトル制御回路、5はインバータ回路、6は同期電動機、7は相変換器、8はγ−δ軸電流・誘起電圧推定器、9は角速度導出器、10はずれ角導出器、11はγ−δ軸位置補正器、12はγ軸・δ軸電流補正器、13はδ軸電流指令補正器である。
【0019】
角速度指令ωrm *と角速度推定値ωrmestが速度コントローラ1に入力され、速度コントローラは、δ軸電流指令iδ*を出力する。また、εγestがδ軸電流指令補正器13に入力され、δ軸補正電流指令iδθ*を出力する。δ軸電流コントローラ2はiδ*とiδθ*とδ軸電流推定値iδest2とを入力し、δ軸電圧指令Vδ*を出力する。一方、γ軸電流指令iγ*とγ軸電流推定値iγest2が、制御回路4に入力され、電圧値絶対値(Vδ2+Vγ2)1/2とγ軸からの電圧出力方向の位相tan-1(Vδ/Vγ)がインバータ回路5に入力され点弧が実施される。
【0020】
一方、γ−δ軸電流・誘起電圧推定器8は、同期電動機6のステータ電流iuとivを相変換器7を介して得られるγ軸電流iγ、δ軸電流iδと、γ−δ軸の位置と、電圧指令Vδ*、Vγ*を入力し、(1)式の演算を実施し、γ−δ軸電流推定値iγest、iδestと、γ−δ軸誘起電圧εδestを出力する。εδestが角速度導出器9に入力され、(2)、(3)式を実行することにより、角速度推定値ωrmestが導出される。また、速度指令値ωrm *がγ−δ軸位置補正器11に入力され、(4)式で、γ−δ軸の位置補正が実行される。
【0021】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
次に、制動動作を、図2のフローチャートにより説明する。k・Ts秒の時点で同期機に供給される少なくとも2相分の電流、例えばiu(k)、iv(k)を検出し(ステップS1)、前回ループで補正されたγ−δ軸座標系に変換し、iγ(k)、iδ(k)を導出する(ステップS2)。γ−δ座標系に変換された電圧指令Vγ*(k)、Vδ*(k)を入力し(ステップS3)、式(5)により、(k+1)・Ts秒時の推定値iγest(k+1)、iδest(k+1)、εγest(k+1)、εδest(k+1)を導出する(ステップS4)。推定されたεδest(k+1)の符号より、角速度の符号判断を行い(ステップS5)、この符号と、εγest(k+1)とεδest(k+1)の2乗和よりωrmest(k+1)を導出する(ステップS6)。(8)式によってγ軸の位置を補正する。(ステップS7)。
【0022】
図3は、本発明の脱調検出方法の一実施例が適用された同期電動機の制御システムを示すブロック図、図4は脱調検出のデジタル制御動作を示すフローチャートである。
【0023】
図3の制御システムブロック図について説明する。図中14は脱調検出器、15は保護動作検出回路である。図1に示す実施例と同じ構成については同じ符号を用いて説明を省略する。
【0024】
角速度指令ωrm *と角速度推定値ωrmestが、速度コントローラ1に入力され、速度コントローラ1は、δ軸電流指令iδ*を出力する。δ軸電流コントローラ2はiδ*とδ軸電流推定値iδest2とを入力し、δ軸電圧指令Vδ*を出力する。一方、γ軸電流指令iγ*とγ軸電流推定値iγest2が、γ軸電流コントローラ3に入力され、γ軸電流コントローラ3はγ軸電圧指令Vγ*を出力する。電圧指令Vδ*とVγ*とγ−δ軸位置補正器11から出力されるγ−δ軸位置がベクトル制御回路4に入力され、電圧値絶対値(Vδ2+Vγ2)1/2とγ軸からの電圧出力方向の位相tan-1(Vδ/Vγ)がインバータ回路5に入力され点弧が実施される。
【0025】
一方、γ−δ軸電流・誘起電圧推定器8は、同期電動機6のステータ電流iuとivを相変換器7を介して得られるγ軸電流iγ、δ軸電流iδと、γ−δ軸の位置と、電圧指令Vδ*、Vγ*を入力し、(3)式の演算を実施し、γ−δ軸電流推定値iγest、iδestと、γ−δ軸誘起電圧εγestとεδestを出力する。このεγestとεδestが脱調検出器14に入力され、(4)式を実行することにより、脱調を検出する。脱調を検出したとき、保護動作検出回路15に異常検出を報告する。
【0026】
次に、制御動作を図4のフローチャートにより説明する。k・Ts秒の時点で同期機に供給される少なくとも2相分の電流、例えばiu(k)、iv(k)を検出し(ステップS11)、前回ループで補正されたγ−δ軸座標系に変換し、iγ(k)、iδ(k)を導出する(ステップS12)。γ−δ座標系に変換された電圧指令Vγ*(k)、Vδ*(k)を入力し(ステップS13)、式(7)により、(k+1)・Ts秒時の推定値iγest(k+1)、iδest(k+1)、εγest(k+1)、εδest(k+1)を導出する(ステップS14)。推定されたεγest(k+1)とεδest(k+1)が式(8)を満たすかどうかを判定し(ステップS15)、満たされれば脱調検出を保護動作検出回路に報告する(ステップS16)。
【0027】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明のセンサレス速度制御方法によれば、γ軸と磁軸d軸が一致し、γ軸は指令速度で回転しているため、真磁軸d軸も指令速度で回転することになるため、低速度域でも良好な速度制御が可能である。
【0028】
また、本発明の脱調検出方法によれば、回転子上に、推定速度ωrmestで回転するように設定したγ−δ軸に発生するθeを関数とするγ軸誘起電圧、δ軸誘起電圧を推定する状態推定器を構成しているため、逐次2つの推定値を比較することにより同期電動機の脱調を検出し、同期電動機やこれに連結する機械系の破損を未然に防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例の同期電動機の制御システムを表すブロック図である。
【図2】 離散値系に置ける本発明のフローチャートてある。
【図3】 本発明の一実施例の同期電動機の制御システムを表すブロック線図である。
【図4】 離散値系における本発明のフローチャートである。
【符号の説明】
1 速度コントローラ、2 δ軸電流コントローラ、3 γ軸電流コントローラ、4 べクトル制御回路、5 インバータ回路、6 同期電動機、7 相変換器、8 γ−δ軸電流・誘起電圧推定器、9 角速度導出器、10 ずれ角導出器、11 γ−δ軸位置補正器、12 γ軸・δ軸電流補正器、13 δ軸電流指令補正器、14 脱調検出器、15 保護動作検出回路
Claims (2)
- 速度指令と電動機速度との偏差信号からδ軸電流指令を出力するδ軸速度コントローラ、δ軸電流指令及びγ軸電流指令からδ軸電圧指令及びγ軸電圧指令をそれぞれ演算するδ軸電流コントローラ及びγ軸電流コントローラ、前記δ軸電圧指令及びγ軸電圧指令に基づいて電圧指令絶対値及び電圧指令位相を出力するベクトル制御回路、前記電圧指令絶対値及び電圧指令位相に基づいて同期電動機に駆動電流を供給するインバータ回路を備え、前記電動機速度を前記同期電動機の2相の電流に基づいて演算する永久磁石形同期電動機のセンサレス速度制御方法において、
前記同期電動機の固定子のU相をα軸、α軸から電気角90゜正回転方向にβ軸とするα−β空間座標系を設定し、
前記α−β空間座標系に、同期電動機の真の磁軸をd軸、d軸から90゜進んだ軸をq軸とし、同期電動機回転速度ωrmで回転する座標d−q軸と、同期電動機の指定磁軸をγ軸、γ軸から90゜進んだ軸をδ軸とし、同期電動機回転指令速度ωrm *で回転するγ−δ軸とを設定し、
γ軸方向の電流指令iγ*を正とすることにより、d軸をγ軸に拘束するためのトルクを発生させ、
δ軸方向電流指令iδ*を、速度指令と、同期電動機誘起電圧外乱としたδ軸電流方程式より作成した外乱オブザーバから導出した速度推定値ωrm *との偏差をゲイン倍するフィードバック制御より導出する永久磁石型同期電動機のセンサレス速度制御方法。 - 速度指令と電動機速度との偏差信号からδ軸電流指令を出力するδ軸速度コントローラ、δ軸電流指令及びγ軸電流指令からδ軸電圧指令及びγ軸電圧指令をそれぞれ演算するδ軸電流コントローラ及びγ軸電流コントローラ、前記δ軸電圧指令及びγ軸電圧指令に基づいて電圧指令絶対値及び電圧指令位相を出力するベクトル制御回路、前記電圧指令絶対値及び電圧指令位相に基づいて同期電動機に駆動電流を供給するインバータ回路、前記電動機速度を前記同期電動機の2相の電流に基づいて演算する速度演算手段を備え、回転子の真の磁軸をd軸とするd−q座標軸に、回転子上に想定したγ−δ軸が一致するように制御する永久磁石形同期電動機の脱調検出方法において、
時間k・Ts時(但し、k=0,1,2,3,…,Tsはサンプリングタイム)に同期電動機に供給される少なくとも2相分のステータ電流を検出し、同ステータ電流をγ−δ座標系に変換することにより、γ軸電流iγ(k)及びδ軸電流iδ(k)を導出し、これらのγ軸電流iγ(k)及びδ軸電流δ(k)と前回の制御ループで推定されたγ軸電流iγest(k)及びδ軸電流iδest(k)との差iγ(k)−iγest(k)及びiδ(k)−iδest(k)を補正量、γ−δ軸座標系に変換された電圧指令値Vγ*(k)とVδ*(k)を入力とし、同期電動機の回転子が回転することにより発生するγ軸の誘起電圧εγ(k)とδ軸の誘起電圧εδ(k)を、回転子が回転していない時の電流応答に対する外乱として状態推定器を構成し、時間(k+1)・Ts秒のγ−δ軸座標系における電流iγest(k+1)及びiδest(k+1)並びに誘起電圧εγest(k+1)及びεδest(k+1)を推定し、この推定された誘起電圧εγest(k+1)及びεδest(k+1)から脱調を検出することを特徴とする永久磁石形同期電動機の脱調検出方法。
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