JP4112265B2 - センサレスベクトル制御用インバータ装置及び回転駆動装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石を回転子に、電機子巻線を固定子に設けた永久磁石モータのセンサレスベクトル制御用インバータ装置に関し、特にモータが外力等によりロックしたり回転速度が異常に低下したことを速やかに検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、エアコン等のコンプレッサ用モータやファン用モータ、電気自動車の駆動用モータに対しては、広範囲の可変速制御や電力消費量の低減、メンテナンス性の改善等の要請が強まってきている。これに応えるため永久磁石を回転子に使用した永久磁石モータを、回転子位置検出用のセンサを取り付けることなく、インバータ装置を使用してベクトル制御する方式が多く採用されるようになってきている。
【0003】
ところが、例えばエアコンの室外機などに使用されるファン用モータなどでは、モータが外力やモータ自身の故障により完全にロックして回転しなくなったり、回転速度が異常に低下するといった回転異常が発生することがある。かかる場合、モータにホールIC等のモータ回転子位置を検出できるセンサが取り付けられていれば(例えば、特開平9−74790号公報参照)、センサからの信号の有無等を検出することにより、回転異常が発生したことを確認することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、センサレスベクトル制御(例えば、特開平2−124199号報参照)の場合には、回転子位置検出用のセンサを備えていないために、モータの回転異常を検出することが困難である。このため従来は、外力等によりロックする可能性がある製品、例えばファン等へのセンサレスベクトル制御の適用は難しかった。
【0005】
本発明は、かかる不都合を解消するためになされたもので、センサレスベクトル制御により駆動されている永久磁石モータに、外力等によるロックや回転数低下などの回転異常が発生した場合に、これを速やかに検出できるセンサレスベクトル制御用のインバータ装置及び当該インバータ装置を備えた回転駆動装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、回転子に永久磁石を設けてなる永久磁石モータの電流を、永久磁石が作る磁束と平行なd軸電流とこれに直交するq軸電流とに分離してそれぞれを独立に制御するセンサレスベクトル制御用インバータ装置であって、d軸誘起電圧推定値を算出するd軸誘起電圧推定手段を有し、前記d軸誘起電圧推定値をゼロに収束させるように、前記d軸誘起電圧推定値に基づいて演算される角周波数誤差推定値を前記回転子の角周波数指令値から減算することにより前記回転子の角周波数を検出する回転子速度推定手段と、前記回転子速度推定手段により検出した角周波数と前記角周波数指令値との差が所定値を超えた場合に、回転異常と判定する回転異常検出手段とを備えていることを特徴とするものである。これによればモータ角周波数をセンサレスで検出でき、モータが回転異常を起こした場合には検出した角周波数と角周波数指令値との差が大きくなるので、回転異常を速やかに検出することができる。
【0007】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の発明において、回転異常の判定を角周波数指令値から計算したq軸誘起電圧と、q軸電圧方程式から計算したq軸誘起電圧との差が所定値を超えたことで行うようにした。この場合も、モータの回転異常によりq軸電圧方程式から計算したq軸誘起電圧が減少して周波数指令値から計算したq軸誘起電圧との差が大きくなるので、回転異常をセンサレスで速やかに検出することができる。
【0008】
請求項3記載の発明では、請求項1又は2に記載の発明において、回転異常の判定がされた場合に、永久磁石モータへの電流を停止することとした。回転異常が発生した場合にモータへの過電流の供給が速やかに停止されるので、モータの焼損、インバータ装置内スイッチング素子の破損を防止できる効果がある。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3の何れかに記載の発明において、前記d軸誘起電圧推定値は、前記永久磁石モータの電流実測値に基づいて計算したd軸電流及びq軸電流と、d軸電圧指令値と、前記角周波数推定値と、モータ回路定数とから求めることを特徴とするものである。このような値から計算したd軸誘起電圧推定値をゼロに収束させることにより、回転異常判定に必要な回転子角周波数を回転子角度を検出するセンサを用いることなく検出することができる。
【0010】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4の何れかに記載の発明において、前記回転子速度推定手段は、前記d軸誘起電圧推定値を比例積分演算器で演算して前記角周波数誤差推定値を出力するように構成され、前記d軸誘起電圧推定値をゼロに収束させることには、前記d軸誘起電圧推定値を前記回転子速度推定手段の比例積分演算器で演算した出力を、更に別の比例積分演算器により演算した出力をq軸電流指令値として与える手段を含むことを特徴とするものである。このような手段を用いることにより、d軸誘起電圧推定値をゼロに収束させることができ、回転異常判定に必要な回転子角周波数を回転子角度を検出するセンサを用いることなく検出することができる。
【0011】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし5の何れかに記載の発明において、永久磁石モータは、ファン駆動用モータであることを特徴とするものである。ファン駆動用モータは回転異常を起こし易いモータであるが、請求項1ないし5に記載の各インバータ装置は、回転異常をセンサレスで速やかに検出できるので、安心して適用することができる。
【0012】
請求項7記載の発明は、前記永久磁石モータと該モータを駆動するインバータ装置とを備えた回転駆動装置であって、前記インバータ装置として請求項1ないし5の何れかに記載のインバータ装置を用いるものである。請求項1ないし5に記載の各インバータ装置は、回転異常をセンサレスで速やかに検出できるので、これを備えた回転駆動装置は、回転異常を起こし易い負荷の駆動にも安心して適用できる効果がある。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を実施例にもとづき図面を参照して説明する。図1は、本発明のセンサレスベクトル制御用インバータ装置(以下、本インバータ装置という)を使用した三相永久磁石モータ(以下、単にモータという)のセンサレスベクトル制御装置の構成を機能ブロックで表したものである。
【0014】
負荷であるモータ1は、永久磁石を回転子に、電機子巻線を固定子に設けた回転界磁型の三相永久磁石モータである。回転子位置を検出するセンサは取り付けられていないが、回転子位置に応じた電流がインバータ装置から電機子巻線に供給され、それにより回転駆動される。
【0015】
本インバータ装置は、電流制御手段2と回転子速度・角度推定手段3と回転異常検出手段4の3つの手段で構成されている。電流制御手段2は、回転子位置に応じて電機子に流す電流の位相と大きさを制御する手段である。回転子速度・角度推定手段3は、回転子の角周波数(回転速度)と回転子角度を推定する手段であって、回転子上に定めた回転座標系(以下、dq座標系という)の、固定座標系(以下、αβ座標系という)に対する角周波数と位相角を推定する手段である。回転異常検出手段4は、回転子がロックしたこと又は回転速度が異常に低下したことを検出するための手段である。
【0016】
以下、各手段の構成及び動作を説明しながら、ベクトル制御装置全体の動作を明らかにする。モータ1の電機子巻線に流れる三相電流は、シャント抵抗等を用いた電流検出器5により検出される。検出された三相の相電流Ia、Ib、Icは、abc/αβ変換器6の演算により、αβ座標系で表した等価な二相電流Iα、Iβに変換される。変換された二相電流Iα、Iβは、引き続きαβ/dq変換器7の演算によりdq座標系で表した電流Id、Iqに変換される。この座標変換の演算に際しては、後述する回転子速度・角度推定手段3により推定された回転子角度推定値(d軸とα軸との位相角の推定値)θestが用いられる。
【0017】
ここでdq座標系とは、回転子上の永久磁石が作り出す磁束方向をd軸とし、これより回転方向にπ/2進んだ方向をq軸に定めた座標系である。電流Id、Iqは、それぞれd軸方向、q軸方向の電流成分を意味する。
【0018】
このような座標変換により計算された電流Id、Iqが、減算器8、9において、それぞれの電流指令値Id-com、Iq-comから減算されて電流偏差ΔId、ΔIqが計算される。求められた電流偏差ΔId、ΔIqは、対応する比例積分演算器10、11で演算されて出力にそれぞれd軸指令電圧Vd、q軸指令電圧Vqを発生させる。出力の指令電圧Vd、Vqは、電機子電流を電流指令値Id-com、Iq-comに近づけるために印加されるべきdq座標系で表した電機子電圧である。
【0019】
この指令電圧Vd、Vqは、dq/αβ変換器12により、αβ座標系上での指令電圧Vα、Vβに変換される。この座標変換の演算の際にも、後述する回転子角度推定値θestが用いられる。PWM形成器13は、指令電圧Vα、Vβに基づいてPWMインバータ14内のスイッチング素子を駆動する信号を発生させる。PWMインバータ14が、その信号に従ってスイッチング動作を実行することにより、モータ1の電機子巻線に電圧Vd、Vqに比例した電圧が印加され、モータ1が回転駆動される。このようにしてモータ1の電機子電流Id、Iqは、比例積分演算器10、11の調節動作により電流指令値Id-com、Iq-comに一致するように制御される。
【0020】
ここで電流Id-comは、磁束を作る成分(励磁電流成分)の指令値であり、この値は外部より与えられる。一方、電流Iq-comは、回転トルクを発生させる成分(トルク電流成分)の指令値であり、モータ1の回転速度に直接的に関係する量である。この電流指令値Iq-comは、比例積分演算器15の出力として与えられる。
【0021】
比例積分演算器15は、減算器16と共にモータ1の回転速度を調節する機能を果たすものである。減算器16の+入力端子には、回転子の角周波数指令値ωcomが、−入力端子には回転子速度・角度推定手段3により推定されたモータ1の角周波数推定値ωestが入力される。そして、その偏差が比例積分演算器15にて演算され出力にq軸の電流指令値Iq-comを発生させる。
【0022】
このように、励磁電流指令値Id-comとトルク電流指令値Iq-comが独立に与えられ、モータ1にその指令値通りの電流が流れるためには、αβ/dq変換器7及びdq/αβ変換器12での座標変換演算が正確に行われる必要がある。そのためには、演算に必要な回転子角度θが正確に把握される必要がある。本インバータ装置では、この回転子角度θの値を、センサを用いて検出するのでなく、dq座標系での電動機モデルを用いた回転子速度・角度推定手段3にて推定演算して求めている。
【0023】
d軸誘起電圧推定手段17は、回転子に取り付けた永久磁石が作る磁束が回転することにより、電機子巻線中に生ずる誘起電圧のd軸成分推定値Edを次式により計算する。
Ed =Vd −(R+P・Ld)・Id +ωest・Lq・Iq (1)式
ここに、Rはモータ1の巻線抵抗、Ld、Lqはd軸、q軸インダクタンス、ωestは回転子の角周波数推定値、Pは微分演算子である。電流Id 、Iqには測定電流値を座標変換して求めた値を用い、電圧VdにはPWMインバータ14の応答性が良いことから測定値の代わりに指令値を用いている。
【0024】
角周波数推定値ωestは、(1)式で求めた誘起電圧のd軸成分Edを比例積分演算器18で演算した結果を角周波数誤差推定値ωerrorとし、この値を減算器19にて角周波数指令値ωcomから減算して次式で求める。
ωest = ωcom −ωerror (2)式
回転子角度推定値θestは、上記角周波数推定値ωestを積分器20にて積分して求める。
【0025】
誘起電圧には(1)式で計算したd軸成分Edの他にq軸成分Eqも存在する。また、角周波数誤差推定値ωerrorは、d軸誘起電圧Edを比例積分演算器18で演算しただけの数値である。従って、上記の角周波数誤差推定値ωerrorは、正確な角周波数誤差を表している訳ではない。しかし(2)式で計算した角周波数推定値ωest、及びこれを積分して求めた回転子角度推定値θestを座標変換や誘起電圧推定演算に使用し、更に調節器の助けを借りてd軸誘起電圧推定値Edをゼロに収束させることができた場合を考えると、その時点では、誘起電圧の推定値はq軸成分のみである。この状態では、回転子の永久磁石が作る磁束はd軸と平行であると推定することができ、またこの時の回転子角度推定値θestは、実際の回転子角度θに一致していると推定することができる。
【0026】
本インバータ装置では、比例積分演算器18が、比例積分演算器15、積分器20の助けを受けて、誘起電圧Edをその目標とするゼロ値に収束させるように角周波数推定値ωest、回転子角度推定値θest及びq軸電流指令値(トルク電流指令値)Iq-comの値を調節する。一方、回転子の角周波数については、比例積分演算器15が角周波数誤差推定値ωerrorをゼロに収束させる調節動作を行う(比例積分演算器15の入力信号は、ωerrorとなっている)。そしてこれらの調節動作の結果として、d軸誘起電圧推定値Ed及び角周波数誤差推定値ωerrorが共にゼロに収束する。こうしてEdとωestとが共にゼロに収束した時点では、角周波数推定値ωestは角周波数指令値ωcomに一致し、モータ1は角周波数指令値ωcomで回転駆動される。即ち、この時点の角周波数推定値ωestはモータ1の角周波数ωに等しいと推定され、モータ1の角周波数ωがセンサを用いることなく検出されたことになる。
【0027】
このように回転子角周波数ωが外部からの角周波数指令値ωcomに一致し、励磁電流Idも外部からの励磁電流指令値Id-comに一致するように独立して調節される制御は、一般にベクトル制御と呼ばれ、本インバータ装置の場合は回転子の回転角度検出にセンサを用いていないことから、特にセンサレスベクトル制御と呼ばれる。
【0028】
本インバータ装置では、上記のようにして求めた角周波数推定値ωestを用い、回転異常検出手段4にて、次のように回転異常の判定を行う。
第1の判定の態様は、角周波数指令値ωcomと角周波数推定値ωestとの差が所定値を超えた場合、即ち次式が成立した場合に回転異常発生と判定する態様である。
【0029】
|ωcom − ωest|>X (3)式
ここにXは、PWMインバータ14やモータ1の仕様から決まる所定の定数である。モータ1が外力等でロックしたり、回転速度が指令値から外れて低下したりすると、角周波数推定値ωestが減少して(3)式が満足されるようになるので、(3)式により回転異常を検出することができる。この判定基準によれば、モータ1に回転子角度を検出するセンサを取り付けることなく、回転異常を速やかに検出できる効果がある。
【0030】
第2の判定の態様は、誘起電圧のq軸成分の大きさで判定する態様である。誘起電圧のq軸成分の推定値 Eest1は、q軸についての電圧方程式より次のように計算される。
Eest1=Vq−(R+P・Lq)・Iq − ωest・Ld・Id (4)式
ここに、電圧Vqはq軸電圧指令値である。
【0031】
他方、角周波数指令値ωcomに一致して回転した場合の誘起電圧 Eest2は、モータ1の誘起電圧定数をKeとすると次式で表せる。
Eest2=Ke・ωcom (5)式
モータ1がロックしたり回転数が低下すると、(4)式で計算されるd軸誘起電圧推定値 Eest1が減少する。従って、次式が成立した場合に回転異常発生と判定することができる。
|Eest2 −Eest1|>Y (6)式
ここにYは、PWMインバータ14やモータ1の仕様から決まる所定の定数である。制御系の応答性は良いので、この判定基準による場合も、モータ1に回転子角度を検出するセンサを取り付けることなく、回転異常を速やかに検出できる効果がある。
【0032】
(3)式又は(6)式の基準により回転異常と判定された場合には、PWMインバータ14のスイッチング動作を停止させてモータ1への電流供給を停止する。これにより、電機子巻線が焼損したり、PWMインバータ14のスイッチング素子が破壊したりすることが防止される。
【0033】
モータ1がファンを駆動するファン駆動用モータである場合には、外力や逆風によりモータがロックしたり回転速度が異常に低下することがあるが、上述した回転異常検出手段を備えた本インバータ装置を使用すれば、安心してセンサレスベクトル制御を適用することができる。
【0034】
また、永久磁石モータをインバータ制御する場合、制御を最適化するために永久磁石モータの各種モータ定数を把握して、インバータ制御に反映させる必要がある。このことから今日では、永久磁石モータとそれを駆動するインバータ装置とを一体化して回転駆動装置として販売されることが多い。この場合にインバータ装置として本インバータ装置が採用してあれば、ロックや異常な回転数低下を起こしやすい負荷に対しても安心して適用できる。
【0035】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明のセンサレスベクトル制御用インバータ装置によれば、モータのロックや異常な回転数低下といった回転異常を、回転子角度を検出するためのセンサを取り付けることなく速やかに検出することができる。また回転異常を検出した場合にモータへの電流供給を停止するようにすることで、回転異常を起こし易い負荷駆動に対しても安心して適用できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すベクトル制御インバータ装置の電気的構成を機能ブロックにより示す図
【符号の説明】
図中、1は永久磁石モータ、2は電流制御手段、3は回転子速度・ 角度推定手段、4は回転数異常検出手段、10、11、15、18は比例積分演算器、17はd軸誘起電圧推定手段、ωestは角周波数推定値、Edはd軸誘起電圧推定値、Idはd軸電流、Iqはq軸電流を示す。
Claims (7)
- 回転子に永久磁石を設けてなる永久磁石モータの電流を、永久磁石が作る磁束と平行なd軸電流とこれに直交するq軸電流とに分離してそれぞれを独立に制御するセンサレスベクトル制御用インバータ装置であって、
d軸誘起電圧推定値を算出するd軸誘起電圧推定手段を有し、前記d軸誘起電圧推定値をゼロに収束させるように、前記d軸誘起電圧推定値に基づいて演算される角周波数誤差推定値を前記回転子の角周波数指令値から減算することにより前記回転子の角周波数を検出する回転子速度推定手段と、
前記回転子速度推定手段により検出した角周波数と前記角周波数指令値との差が所定値を超えた場合に、回転異常と判定する回転異常検出手段とを備えていることを特徴とするセンサレスベクトル制御用インバータ装置。 - 前記判定に代えて、前記角周波数指令値から計算したq軸誘起電圧と、q軸電圧方程式から計算したq軸誘起電圧との差が所定値を超えた場合に、回転異常と判定することを特徴とする請求項1記載のセンサレスベクトル制御用インバータ装置。
- 前記回転異常の判定がされた場合には、前記永久磁石モータへの電流を停止することを特徴とする請求項1又は2に記載のセンサレスベクトル制御用インバータ装置。
- 前記d軸誘起電圧推定値は、前記永久磁石モータの電流実測値に基づいて計算したd軸電流及びq軸電流と、d軸電圧指令値と、角周波数推定値と、モータ回路定数とから求めることを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載のセンサレスベクトル制御用インバータ装置。
- 前記回転子速度推定手段は、前記d軸誘起電圧推定値を比例積分演算器で演算して前記角周波数誤差推定値を出力するように構成され、
前記d軸誘起電圧推定値をゼロに収束させることには、前記d軸誘起電圧推定値を前記回転子速度推定手段の比例積分演算器で演算した出力を更に別の比例積分演算器に入力し、その演算出力をq軸電流指令値として与える手段を含むことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のセンサレスベクトル制御用インバータ装置。 - 前記永久磁石モータは、ファン駆動用モータであることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載のセンサレスベクトル制御用インバータ装置。
- 前記永久磁石モータと該モータを駆動するインバータ装置とを備えた回転駆動装置であって、前記インバータ装置は請求項1ないし5の何れかに記載のセンサレスベクトル制御用インバータ装置からなることを特徴とする回転駆動装置。
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