JP4644010B2 - 同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法及び同装置 - Google Patents

同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法及び同装置 Download PDF

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本発明は、同期電動機の中でも、回転子自体に永久磁石等の磁束発生源を有しない、同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法及び同装置に関するものである。特に、ベクトル制御のためのベクトル回転器に必要な回転子位相(位相は位置と同義)の情報の確保に、回転子に装着される回転子位相検出器(回転子位置検出器と同義)に代わって位相決定器(位相推定器と同義)を利用し、更には位相決定器を、電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を入力信号として構成するようにしたベクトル制御方法及び同装置に関するものである。
同期リラクタンス電動機をして高い制御性能を発揮せしめるには、固定子電流の制御が不可欠であり、従来よりこのための制御方法としてベクトル制御方法が知られている。ベクトル制御方法は、トルク発生に寄与する固定子電流を、回転子の正突極あるいは負突極の位相を理想的なd軸位相とする直交d軸q軸で構成される回転dq座標系上のベクトル信号として捕らえ制御する電流制御工程を有する。
回転dq座標系が同期を目指す回転子の正突極あるいは負突極の位相を、以降では、回転子位相と呼ぶ。回転dq座標系は、理想的にはd軸の位相が回転子位相に空間的位相差ゼロで一致するような座標系を目指すが、実際的には両者の間には少量の位相誤差が発生する。本発明に関する以降の説明では、少量の空間的位相誤差を有する「準同期」の状態も、実際性を重視し「同期」として扱う。
回転dq座標系の位相を回転子位相と同期状態に構成維持するには、一般に回転子位相を知る必要がある。位相情報は回転子に位相検出器を装着することにより得ることができるが、本装着は信頼性、コスト等の諸点において好ましいものではない。本認識に基づき、推定位相を利用した駆動制御を目指したセンサレスベクトル制御方法の研究開発が、最近になって展開され始めている。センサレスベクトル制御方法における位相推定の役割を担うのが、位相決定器である。位相決定器の構成及びこれへの入力信号は、推定原理に深く依存している。これらは、大きくは、電動機駆動用の固定子電圧、電流あるいはその推定値を利用するものと、位相推定のために外部より強制的印加した高周波の電圧、電流を利用するものとに2別される。本発明は、前者に属するものであり、特に、固定子電圧、電流あるいはその推定値を電動機の数学モデル(回路方程式)に則して処理し回転子位相推定を行なう、モデルベースドな位相推定方法及び同装置を提供している。同期リラクタンス電動機における、モデルベースドな回転子位相推定方法に関する先行発明としては、以下のものがある。
(1)新中新二:「同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法」、特開2001−268998(2000−3−17出願)
(2)上里勝美、友利好克、島袋剛、千住智信:「リラクタンスモータの回転子位置センサレスベクトル制御法」、平成6年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集、pp.59−64(1994−8)
(3)千住智信、新垣壮士、上里勝美:「速度外乱トルクオブザーバを用いたリラクタンスモータのセンサレスベクトル制御」、平成11年電気学会産業応用部門全国大会講演論文集、pp.5−8(1999−8)
(4)A.vagati,M.Pastorelli,and G.Franceschini:“High−Performance Control of Synchronous Reluctance Motors”,IEEE Trans.Industry Applications,33,4,pp.983−991(1997−7/8)
(5)E.Capecchi,P.Guglielmi,M.Pastorelle,and A.Vvagati:“Position Sensorless Control of Transverse−Laminated Synchronos Reluctance Motors”,Conference Record of the 2000 IEEE Industry Appliactions Conference(2000−10)
(6)チョンダルーホ:「同期リラクタンスモータの回転速度制御装置及びその方法」、特開2003−33096(2002−7−10出願)
(7)ウォンジュンヘー、他:「同期リラクタンスモータの磁束測定装置およびそのセンサレス制御システム」、特開2004−120993(2003−6−26出願)
(8)花本剛士、辻輝生、田中良明:「拡張磁束オブザーバを用いた同期リラクタンスモータのセンサレス制御」、平成12年電気学会産業応用部門大会講演論文集、pp.981−984(2000−8)
(9)ウォンジュンヒー、他:「モータの回転速度制御装置」、特開2003−18875(2002−1−25出願)
(10)陳志謙、冨田睦雄、道木慎二、大熊繁:「シンクロナスリラクタンスモータのセンサレス制御のための外乱オブザーバ」、平成12年電気学会産業応用部門大会講演論文集、pp.1107−1110(2000−8)
従来の、電動機駆動用の電圧、電流あるいはその推定値を利用した位相推定方法は、回転子位相情報を有する推定すべき物理量の観点から、大きく3つに分類することができる。第1の方法は、固定子鎖交磁束を先ず推定し、固定子鎖交磁束推定値から回転子位相を推定する方法である。文献(1)〜(7)は、この推定方法に属する。文献(1)の発明は、固定子鎖交磁束推定値からの磁束の鏡相特性に立脚した位相推定に発明の主眼があり、固定子鎖交磁束推定に関しては、固定子鎖交磁束に起因した誘起電圧に対する単純積分処理等の簡単な処理を示しているに過ぎない。文献(2)〜(7)においては、固定座標系上で評価された誘起電圧の1次ローパスフィルタリングを通じて、等価的にハイパスフィルタリングされた固定子鎖交磁束推定値を得、一方で、回転座標系上で評価された固定子鎖交磁束推定値を固定座標系へ変換した上で1次ローパスフィルタリングして、ローパスフィルタリングした固定子鎖交磁束推定値を得、これら2つの固定子鎖交磁束推定値を周波数ハイブリッド結合することにより、固定子鎖交磁束の最終推定値を得るものである。固定子鎖交磁束に関する本推定方法の原典は、文献(2)のようである。固定子鎖交磁束の最終推定値を得た後の回転子位相推定の方法は、文献{(2)、(3)}と文献{(4)、(5)、(6)、(7)}では異なる。なお、文献{(4)、(5)}と文献{(6)、(7)}とは、固定子鎖交磁束推定値を利用したその後の回転子位相推定においても、実質同一である。
文献(1)〜(7)による回転子位相推定方法においては、回転子位相推定のベースとなる固定子鎖交磁束を正確に推定することが決定的に重要である。しかし、これらの文献において提唱あるいは採用されている固定子鎖交磁束推定方法は、低速域では良好な動作が得られないことが、数値実験などで確認されている。
第2の方法は、突極磁束とこれに対応した拡張誘起電圧(なお、拡張誘起電圧の定義は種々あり、発明者によって異なる)を同時に推定するものである。最終的な位相は、これらを利用して推定することになる。文献(8)では、固定座標系上で評価された固定子電圧、電流等を用いて、固定子電流、突極磁束、拡張誘起電圧を推定対象とする8次状態オブザーバ(α、β各成分で4次、計8次)を構成するものである。8次の状態オブザーバを構成するには、当然8個のオブザーバゲインを必要とする。一般に、安定推定を維持するには、これらは速度変化に応じた時変のゲインとなる。文献(9)の方法は、文献(8)の方法において8個のオブザーバゲインを全てゼロに選定したものに対応している。
文献(8)方法は、8次と言う高次の状態オブザーバの構成を必要とする。しかも、状態変数の安定推定には、オブザーバゲインは時変である必要がある。換言するならば、状態オブザーバ遂行のための計算量が非常に大きい、更には、オブザーバゲインの設計が困難であると言う問題点がある。なお、(9)の方法は、オブザーバゲインをゼロに選定するものであり、オブザーバによる推定が正しく行なわれる可能性は非常に低いと言わざるを得ない。仮に、正しい推定が行なわれると仮定しても、状態オブザーバの原理から、その運転範囲は極めて限定的にならざるを得ない。
文献(10)は、同期リラクタンス電動機に対して、固定座標系上で評価された固定子電圧、電流等を用いて2次の外乱オブザーバを構成し、この拡張誘起電圧(なお、拡張誘起電圧の定義は種々あり、発明者によって異なる)を推定するものである。拡張誘起電圧は直接的に回転子位相情報を含んでおり、拡張誘起電圧推定値から直ちに位相を推定できる。外乱オブザーバによる位相推定方法は、先行発明の位相推定方法の中では最もコンパクトであり、しかも高速域の一定速では良好な位相推定を与える。しかし、本外乱オブザーバは、速度一定の仮定の下で構築されたものであり、可変速運転には必ずしも良好な性能が得られない。また、低速のおいては拡張誘起電圧そのものが消滅するため、ある程度速度以上(例えば、定格速度の1/4以上)でなければ、利用できないといった問題を有していた。
発明が解決しようとする課題
本発明は上記背景の下になされたものであり、その目的は、回転子に回転子位相検出器を装着することに起因して従来発生した、電動機システムの信頼性の低下、軸方向の容積増大、配線問題、各種コストの増大と言った諸問題を克服すべく、以下の特長を備えた同期リラクタンス電動機のための新規な優れたセンサレスベクトル制御方法及び同装置を提供することにある。
1)ゼロ速度を除くほぼ全速度領域で、すなわち回転子の回転を伴う広い速度領域で、センサレスベクトル制御が可能。
2)回転子位相推定のための演算量が小さい。最小演算量を追求した位相推定である。
3)回転子位相推定のための設計パラメータの選定が容易。
4)安定な回転子位相推定が可能、ひいては安定なシステム動作に大きく寄与できる。
5)位相検出器に加えて、速度検出器も必要としない。
6)回転子位相推定はノイズに強い。
7)回転dq座標系上の信号を用いた他の位相推定方法(高周波信号印加法等)との平易な併用が可能。
8)固定αβ座標系上の信号を用いた他の位相推定方法(高周波信号印加法等)との平易な併用が可能。
課題を解決するための手段
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、トルク発生に寄与する固定子電流を、回転子の正突極あるいは負突極の位相を理想的なd軸位相とする直交d軸q軸で構成される回転dq座標系上のベクトル信号として捕らえ制御する電流制御工程と、回転dq座標系の位相を決定する位相決定工程とを有する同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法であって、該位相決定工程が、固定子鎖交磁束の構成成分の中の回転子正突極位相あるいは回転子負突極位相と同相成分である突極磁束を推定対象とした、電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を少なくとも入力信号とする2次状態オブザーバを有し、2次状態オブザーバを通じて得た突極磁束推定値を少なくとも用いて該回転dq座標系の位相を決定するようにしたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法であって、該2次状態オブザーバを、回転子速度の推定値を利用して実現するようにしたことを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1、請求項2記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法であって、該回転dq座標系の位相の微分値あるいは近似微分値を、該2次状態オブザーバに利用する該回転子速度推定値としたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法であって、該2次状態オブザーバを、回転子の同一方向回転に対しては一定のオブザーバゲイン用いて実現するようにしたことを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1、請求項4記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法であって、該2次状態オブザーバを、交代行列に対し乗法の交換特性をもつ構造のオブザーバゲインを用いて実現するようにしたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法であって、該2次状態オブザーバの入力信号である電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を、該回転dq座標系上で定義された信号とすることを特徴する。
請求項7の発明は、請求項1記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法であって、該2次状態オブザーバの入力信号である電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を、互いに直交しかつ固定のα軸とβ軸で構成される固定αβ座標系上で定義された信号とすることを特徴する。
請求項8の発明は、トルク発生に寄与する固定子電流を、回転子の正突極あるいは負突極の位相を理想的なd軸位相とする直交d軸q軸で構成される回転dq座標系上のベクトル信号として捕らえ制御する電流制御手段と、回転dq座標系の位相を決定する位相決定手段とを有する同期リラクタンス電動機のベクトル制御装置であって、該位相決定手段が、固定子鎖交磁束の構成成分の中の回転子正突極位相あるいは回転子負突極位相と同相成分である突極磁束を推定対象とした、電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を少なくとも入力信号とする2次状態オブザーバを有し、2次状態オブザーバを通じて得た突極磁束推定値を少なくとも用いて該回転dq座標系の位相を決定するようにしたことを特徴とする。
次に本発明の作用について説明する。先ず、同期リラクタンス電動機の固定子U相巻線の中心の方向を基軸α軸とし、これに直交した副軸をβ軸とする固定αβ座標系を考える。同期リラクタンス電動機の回転子の正突極位相あるいは負突極位相を回転子位相とする。回転中の回転子の位相が、ある瞬時にα軸に対して電気的にθαをなしているものとする。次に、基軸d軸と副軸q軸からなる回転dq座標系を考える。この回転dq座標系は、回転子との同期を指向する座標系であり、多少の位相誤差を含みつつも、回転子と同期して回転するものとする。第3の座標系として、また最も一般性の高い座標系として、設計者が指定した任意の速度ωで回転する、基軸γ軸、副軸δ軸からなる一般γδ座標系を考える。また、一般γδ座標系の基軸γ軸からみた回転子位相をθγとする。一般γδ座標系は、特別な場合として、固定αβ座標系、回転子への同期を指向して回転する回転dq座標系を含む、高い一般性を有する座標系である。3つの座標系においては、共に、基軸から副軸の方向を正方向とする。図1に、3つの座標系の様子を示した。
最も一般性の高い一般γδ座標系上では、同期リラクタンス電動機の電気磁気的特性は、以下の(1)〜(7)式でモデリングすることができる。
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ここに、2x1ベクトルν、i、φは、それぞれ固定子の電圧、電流、鎖交磁束を意味している。Iは2x2単位行列であり、Jは次式で定義された2x2交代行列である。
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ω2nは回転子の電気(角)速度であり、Rは固定子巻線の抵抗である。L,Lは固定子の同相インダクタンス、鏡相インダクタンスであり、いわゆるdqインダクタンスとは次の関係を有する。
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また、sは微分演算子である。
回転子位相をもつ単位ベクトルを(7)式のように定義し、以降では本ベクトルを位相ベクトルと呼ぶ。
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ごく最近の研究成果である次の文献(11)で示された磁束定理によれば、固定子鎖交磁束φは、一般座標系上で定義される場合においても、(8)〜(10)式または(11)〜(13)式のように再モデリングすることができる。
(11)新中新二:「同期リラクタンスモータの動的数学モデルに関する一考察、モデル特性の簡易統一的解析」、電気学会論文誌D、124、11、pp.1149−1154(2004−11)
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または、
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(8)〜(10)式、(11)〜(13)式における固定子鎖交磁束モデルにおいては、回転子位相情報をもつ位相ベクトルが陽に出現している点には注意されたい。本位相ベクトルを陽にもつ(9)式あるいは(12)式で定義された磁束が、本発明の言うところの「固定子鎖交磁束の構成成分の中の回転子正突極位相あるいは回転子負突極位相と同相成分である突極磁束」である。上記文献(11)によれば、回転子位相を正突極位相に選定した場合の(8)〜(10)式、(11)〜(13)式は、回転子位相を負突極位相に選定した場合の(11)〜(13)式、(8)〜(10)式に各々同一であることが解析的に明らかにされている。本事実は、(11)〜(13)式の利用は、回転子位相を変更した(8)〜(10)式の利用と同一であることを意味する。本認識の下、本発明の以降の説明では、一般性を失うことなく、固定子鎖交磁束モデルとして(8)〜(10)式を用いることにする。
適切にトルク発生を行うには、トルク発生に寄与する固定子電流を、突極磁束との同期を目指す回転dq座標系上のベクトル信号として捕らえ、制御する必要がある。回転dq座標系の構成には座標系の位相を決定する必要がある。突極磁束との同期を目指す回転dq座標系の位相は、固定αβ座標系のからみた突極磁束の位相θαに選定する必要がある。すなわち、回転dq座標系の構成には、突極磁束の位相θαが必要である。従来、突極磁束の位相を知るために、エンコーダ等の回転子位相検出器を電動機回転子に装着してきた。
回転子位相検出器を利用できない場合には、利用可能な固定子電流と固定子電圧の信号を用い、突極磁束位相を推定すればよい。突極磁束位相の推定は、必ずしも固定αβ座標系上で推定する必要はない。一般には、設計者が定めた一般γδ座標系上で推定すればよい。一般γδ座標系は、設計者が定めた座標系であるので、固定αβ座標系に対する一般γδ座標系の位相θα−θγは当然既知である。従って、一般γδ座標系からみた突極磁束位相θγがわかれば、固定αβ座標系からみた突極磁束位相θαも必然的にわかることになる。
本発明は、上記観点に立ち、同期リラクタンス電動機のベクトル制御装置の位相決定手段が、突極磁束位相を推定する手段として2次状態オブザーバを有するようにしたものである。請求項1および請求項8の発明による2次状態オブザーバの1つは、推定すべき突極磁束以外は既知とし、突極磁束φ
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ここに、Gは2次状態オブザーバの構成に不可欠なオブザーバゲインである。オブザーバゲインGは2x2行列である。
(14)式の状態オブザーバは、位相θγを2x1位相ベクトルu(θγ)として直接的に有する突極磁束(2x1ベクトル)のみを推定対象としており、これが2次最小次元であることは明らかである。
次に、請求項1および請求項8の発明による2次状態オブザーバによれば、突極磁束を構成するLがL=constすなわち一定である場合には、突極磁束が推定できることを説明する。なお、Lが一定の条件は、後述の実施形態例で例示するように、d軸電流制御を通じ達成する。(1)式及び(8)〜(10)式で表現された同期リラクタンス電動機は、突極磁束を状態変数とする次の状態方程式(15)、(16)式として、再表現することができる。
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(15)、(16)式で記述された同期リラクタンス電動機の突極磁束φに対する、(14)式の
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る。
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当業者には容易に理解できるように、(17)式は、本発明による2次状態オブザーバによれば、
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収束することを意味している。(17)式の誤差方程式が明示しているように、オブザーバゲインGは回転子速度ω2nと積の形で、推定値の真値への収束効果を発揮するので、本発明の2次状態オブザーバによれば、ゼロ速度を除く全速度領域で、すなわち回転子の回転を伴う全速度領域で突極磁束推
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は、本発明の実施形態例の記述に際し、詳しく説明する。
本発明による(14)式の2次状態オブザーバは、位相ベクトルu(θγ)に比例した突極磁φを直接的に推定するものである。突極磁束推定値からの、比例関係にある位相ベクトル推定値、ある
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規化あるいは成分比の逆正接をとればよい。
以上の説明より明白なように、請求項1あるいは請求項8の発明によれば、回転子位相検出器を用いることなく、ベクトル制御に必要な回転子位相の推定値を得ることができると言う作用が得られる。しかも、ゼロ速度を除く全速度領域で、すなわち回転子の回転を伴う全速度領域で、これら推定値を得ることができると言う作用が得られる。本発明による状態オブザーバは、所要の突極磁束のみを推定対象とする最もコンパクトな2次の最小次元であるので、状態オブザーバの駆動に要する演算量は状態オブザーバとしては最小になる、と言う作用も得られる。状態オブザーバの最小次元性によりオブザーバゲインは単一の2x2行列となる。これにより、突極磁束推定値の安定収束を保証するオブザーバゲインの設計は格段と容易になり、ひいてはこの設計に要する手間を、従来の8次状態オブザーバ等に比し著しく簡略化できると言う作用も得られる。
次に、本発明の請求項2の作用について説明する。請求項1の発明の2次状態オブザーバの実現には、(14)式の1例からも理解されるように、回転子速度の情報が必要である。請求項2の発明は、回転子速度情報として回転子速度の推定値を利用して、請求項1の発明における2次状態オブザーバを実現せしめるものである。換言するならば、回転子の速度検出の要なく、2次状態オブザーバの実現を可能とするものである。以上より明らかなように、請求項2の発明によれば、回転子速度を検出するための速度検出器を用いることなく、2次状態オブザーバが実現できると言う作用が得られる。換言するならば、請求項2の発明によれば、請求項1で説明した作用を回転子速度を検出するための速度検出器を用いることなく得ることができると言う作用が得られる。なお、回転子速度の具体的推定方法に関しては、本発明の実施形態例の記述に際し、詳しく説明する。
次に、本発明の請求項3の作用について説明する。請求項3の発明によれば、請求項1、請求項3の発明における2次状態オブザーバに利用する回転子速度推定値として、回転dq座標系の位相の微分値あるいは近似微分値が利用できる。回転dq座標系は、回転子位相との同期を目指しており、同座標系の位相の微分値あるいは近似微分値は、回転子位相の微分値である回転子速度の近似値として最も相応しいものである。しかも、回転dq座標系の位相は先に得られているので、わずかな追加的演算で速度近似値を得ることができるようになる。以上の説明より明らかなように、請求項3の発明によれば、推定位相と整合した合理的な速度推定値をわずかな追加的演算で得ることができると言う作用が得られる。換言するならば、請求項3の発明によれば、請求項1、請求項2で説明した作用を最小の演算量で合理的に得ることができるようになると言う作用が得られる。
次に、本発明の請求項4の作用について説明する。請求項4の発明によれば、請求項1の2次状態オブザーバの実現に不可欠なオブザーバゲインを、回転子の同一方向回転に対しては一定として構成する。従って、本発明によれば、回転子が同一方向に回転している状態では、次の(18)式の関係が成立する。
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ここに、1/sは積分処理を意味する。
当業者には(14)式と(18)式より理解されるように、請求項4の発明によれば、突極磁束推定のための2次状態オブザーバとして、次の(19)式のものが利用できるようになる。
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磁束推定値を生成するための中間信号である。
(19)式の2次状態オブザーバは、(14)式の2次状態オブザーバに基づくものであり、この結果、(14)式の2次状態オブザーバと同一の誤差方程式をもち、請求項1の発明に関する作用を継承している。(14)式の2次状態オブザーバは、(14)式右辺に微分処理を意味する微分演算子sを有していることから容易に理解されるように、(14)式で記述された2次状態オブザーバの実現には、信号の微分処理が必要とされる。これに対し、(19)式の2次状態オブザーバは、その右辺に微分処理を意味する微分演算子sを一切有していない。すなわち、(19)式で記述された2次状態オブザーバの実現には、信号の微分処理が一切必要とされない。当業者には、周知のように、実際の信号は程度の差こそあれノイズを含んでおり、しかも微分処理はノイズにすこぶる敏感に反応する特性を有するため、実際の信号に対する微分処理は努めて回避することが望まれる。
以上の説明より明らかなように、請求項4の発明によれば、信号の微分処理を一切行うことなく2次状態オブザーバを実現できるので、ノイズにロバストな2次状態オブザーバが実現できるようになると言う作用が得られる。換言するならば、請求項4の発明によれば、請求項1で説明した作用をノイズにロバストな状態で得ることができるようになると言う作用が得られる。
次に、請求項5の発明の作用について説明する。請求項5の発明は、請求項1、請求項4のベクトル制御方法であって、オブザーバゲインの構造を、交代行列に対し乗法の交換特性をもつ構造とするものである。具体的には、請求項5の発明は、オブザーバゲインGを次の(20)式の形で実現するものである。
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ここに、Iは2x2単位行列であり、Jは既に(5)式において定義されている2x2交代行列である。また、g,gは共にスカラである。
オブザーバゲインを(20)式の構造とする場合には、オブザーバゲインは交代行列に対し乗法の交換特性を発揮するようになる。すなわち、次の(21)式が成立するようになる。
Figure 0004644010
当業者には(19)式、(21)式より理解されるように、請求項5の発明によれば、突極磁束推定のための2次状態オブザーバとして、次の(22)式の簡潔なものが利用できるようになる。
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ここに、D(s,ω)は次の(23)式で定義されたD因子と呼ばれる2x2行列である。
Figure 0004644010
当然のことながら、(22)式の2次状態オブザーバは、(19)式の2次状態オブザーバ、ひいては(14)式の2次状態オブザーバに基づくものであり、この結果、請求項1、請求項4の発明に関する作用を継承している。
以上の説明より明らかなように、請求項5の発明によれば、2次状態オブザーバを最も簡潔な形で実現できる。この結果、要求演算量を最小化した2次状態オブザーバが実現できると言う作用が得られる。換言するならば、請求項5の発明によれば、請求項1、請求項4で説明した作用を最小の演算量で得ることができるようになると言う作用が得られる。
次に請求項6の発明の作用について説明する。請求項6の発明は、請求項1の発明における2次状態オブザーバの入力信号である固定子電流、電圧等の信号を、回転子位相と同期を目指した回転dq座標系上で定義された信号とするものである。請求項1の作用の説明に際し説明したように、回転子が非回転のゼロ速度状態では、突極磁束位相を正しく推定できない。本特性は、同期リラクタンス電動機の基本特性によるものであり、トルク発生に寄与する固定子電流と固定子電圧の信号を用いた推定では、本発明のみならず如何なる方法による場合にも不可能である。ゼロ速度状態でも回転子位相を推定するには、トルク発生に寄与しない、外部より強制的印加した高周波電流等の信号を使用した推定方法を併せて利用する必要がある。これらの推定方法は、回転dq座標系上で実現されるものと、固定αβ座標系上で実現されるものとがある。本発明による回転子回転状態での突極磁束位相推定方法と公知の回転子非回転状態での突極磁束位相推定方法との併用は、同一の座標系上で行う場合が最も整合性がよく、かつ容易である。
以上の説明より明らかなように、請求項6の発明によれば、先ず、回転dq座標系上の信号を利用して、請求項1の発明に基づき突極磁束位相が推定できるようになると言う作用が得られる。次に、同じく回転dq座標系上の信号を利用してゼロ速度状態の突極磁束位相を推定する他の推定方法と、請求項1の発明よる推定方法との併用が容易になると言う作用が得られる。
続いて、請求項7の作用について説明する。請求項7の発明は、請求項1の発明における2次状態オブザーバを駆動するための固定子電流と固定子電圧の信号を、互いに直交しかつ固定のα軸とβ軸で構成される固定αβ座標系上で定義された固定子電流と固定子電圧の信号とするものである。請求項7の作用は、請求項6の作用の説明で既に明らかなように、以下の通りである。
請求項7の発明によれば、先ず、固定αβ座標系上の信号を利用して、請求項1の発明に基づき突極磁束位相が推定できるようになると言う作用が得られる。次に、同じく固定αβ座標系上の信号を利用してゼロ速度状態の突極磁束位相を推定する他の推定方法と、請求項1の発明よる推定方法との併用が容易になると言う作用が得られる。
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。同期リラクタンス電動機に対し本発明のベクトル制御方法を適用したベクトル制御装置の1実施形態例の基本的構造を図2に示す。1は同期リラクタンス電動機を、2は電力変換器を、3は電流検出器を、4a、4bは夫々3相2相変換器、2相3相変換器を、5a、5bは共にベクトル回転器を、6は余弦正弦信号発生器を、7は電流制御器を、8は指令変換器を、9は速度制御器を、10は位相決定器を示している。図2では、3から10までの諸機器がベクトル制御装置を構成している。本図では、簡明性を確保すべく、本発明と関係の深い2x1のベクトル信号を1本の太い信号線で表現している。以下のブロック図表現もこれを踏襲する。
3、4a、4b、5a、5b、6、7の5種の機器は、トルク発生に寄与する固定子電流を、d軸q軸の直交2軸で構成される回転dq座標系上のベクトル信号として捕らえ、d軸及びq軸の各成分を各軸電流指令に追随するように制御する電流制御工程を実行する手段を構成している。また、位相決定器10は、回転dq座標系の位相決定工程を実行する手段である。位相決定器の出力信号である回転子位相推定値は、余弦正弦信号発生器6で余弦・正弦信号に変換された後、回転dq座標系を決定づけるベクトル回転器6a,6bへ渡される。
電流検出器3で検出された3相の固定子電流は、3相2相変換器4aで固定αβ座標系上の2相電流に変換された後、ベクトル回転器5aで回転dq座標系の2相電流に変換され、電流制御器7へ送られる。電流制御器7は、回転dq座標系上の2相電流が、各相の電流指令に追随すべく回転dq座標系上の2相電圧指令を生成しベクトル回転器5bへ送る。5bでは、回転dq座標系上の2相電圧指令を固定αβ座標系の2相電圧指令に変換し、2相3相変換器4bへ送る。4bでは、2相信号を3相電圧指令に変換し、電力変換器2への指令として出力する。電力変換器2は、指令に応じた電力を発生し、同期リタクタンス電動機1へ印加しこれを駆動する。このときの回転dq座標系上の2相電流指令は、d軸電流指令は一定に保ち、q軸電流指令は指令変換器8から得ている。本指令変換器は、トルク指令に比例したq軸電流指令を生成している。
速度制御器9には、位相決定器10からの出力信号の1つである回転子速度推定値(電気速度推定値)が、極対数Nで除されて機械(角)速度推定値に変換された後、送られている。図2の本例では、速度制御系を構成した例を示しているので、速度制御器9の出力としてトルク指令を得ている。当業者には周知のように、制御目的が発生トルクにあり速度制御系を構成しない場合には、速度制御器9は不要である。この場合には、トルク指令が外部から直接印加される。
本発明の核心は位相決定器10にある。速度制御、トルク制御の何れにおいても、位相決定器10には何らの変更を要しない。以下では、速度制御、トルク制御等の制御モードに関し一般性を失うことなく、位相決定器10の実施形態例について説明する。本位相決定器は、直交2軸の回転dq座標系上で評価された固定子の電圧の推定値である固定子電圧指令と固定子電流とを入力信号として受け取り、回転子の最終位相推定値と速度推定値(電気速度推定値)を出力している。
図3は、図2における位相決定器10の1実施形態例として、その内部構造を示したものである。位相決定器10は、2次状態オブザーバ10aと位相同期器10bから構成されている。
本実施形態例では、2次状態オブザーバ10aの入力信号としては、回転dq座標系上で定義された固定子電流の測定値と固定子電圧の指令値を利用している。これに応じ、2次
Figure 0004644010
出力している。これには、設計者が任意に選定できる一般γδ座標系を回転dq座標系に選定するようにすればよい。2次状態オブザーバは、回転dq座標系上の突極磁束の位相
Figure 0004644010
と固定子電圧指令に加えて、回転dq座標系の回転速度ωと回転子速度(電気的速度)の
Figure 0004644010
図4は、突極磁束推定のための2次状態オブザーバ10aの1実施形態例の構造を示したものである。本2次状態オブザーバは、先ず、突極磁束を推定し、推定した突極磁束に基づき突極磁束位相の推定値を出力するものであり、回転子速度(電気的速度)として速度真値に代わって速度推定値を利用している点を除けば、(22)式よるものに忠実に従って実現されている。本2次状態オブザーバの利用には、本発明の作用に関連して説明したように、オブザーバゲイン10a−1は、回転子の同一方向回転に対しては一定とすると共に、交代行列に対し乗法の交換特性を有する構造としなければならない。このための具体的オブザーバゲインの1例は次の(24)式の通りである。
Figure 0004644010
Figure 0004644010
の正負符号情報のみを取り出す機能を有する。
Figure 0004644010
Figure 0004644010
徹矢印で表現している。
(24)式のオブザーバゲインを用いた本実施形態例においては、(22)式第1式の右辺第2項に相当する項は、次の(26)式のように整理される。
Figure 0004644010
Figure 0004644010
示)を乗じて突極磁束の推定値をマイナスフィードバックしている。本フィードバックに
Figure 0004644010
あり、突極磁束の推定値を真値に収束させることが可能である。
(22)式第1式の左辺のD因子は、図4にブロック10a−3として明示しているように、2次状態オブザーバにおいてその逆行列として実現されている。図5に、D因子の逆行列10a−3の実現例を示した。D因子の逆行列は、ベクトル信号用の1個の積分器と1個の乗算器で実現されている。
Figure 0004644010
少な突極磁束位相θγの推定値は、例えば次の(27)式に従い、生成し出力すればよい。
Figure 0004644010
図4の初期位相決定器10a−4は(27)式で示したような処理を行い、突極磁束への
Figure 0004644010
図6は、位相同期器10bの1実施形態例の内部構造を示したものである。位相同期器10bは、安定器10b−1と積分器10b−2から構成されている。回転dq座標系上で
Figure 0004644010
同期器は、次の文献(12)で提示公開された一般化積分形PLL法を忠実に実現したものである。一般化積分形PLL法は同文献に詳しく説明されているので、本明細書における本位相同期器のこれ以上の説明は省略する。
(12)新中新二:「永久磁石同期モータの最小次元D因子状態オブザーバとこれを用いたセンサレスベクトル制御法の提案」、電気学会論文誌D、123、12、pp.1446−1460(2003−12)
図2に明示されているように、センサレスベクトル制御においては、固定αβ座標系上か
Figure 0004644010
値に変換された後、回転dq座標系の位相を決定づけるベクトル回転器5a、5bの回転信号と
Figure 0004644010
すなわち、図3、図6を用いて示した位相同期器10bは、回転dq座標系の位相の微分値を回転子速度の推定値とし、これを2次状態オブザーバに利用すべく、2次状態オブザーバに向け出力している。
上記の実施形態例に代わって、回転dq座標系の回転速度ωをローパスフィルタ処理した信
Figure 0004644010
に、回転dq座標系の位相の近似微分値を、2次状態オブザーバに利用したことになる。
図2〜図6を利用して説明した実施形態例では、2次状態オブザーバへの回転dq座標系上で定義された固定子電流、固定子電圧の信号として、固定子電流の実測値、固定子電圧の推定値としての同指令値を利用した。これに代わって、回転dq座標系上の定義された固定子電流の推定値としての同指令値、固定子電圧の実測値など、固定子電流、固定子電圧に関する他の信号、推定値を利用して差し支えないことを指摘しておく。
次に、本発明による別の実施形態例として、2次状態オブザーバを駆動するための固定子電流、固定子電圧あるいはそれらの推定値として、互いに直交しかつ固定のα軸とβ軸で構成される固定αβ座標系上で定義されたものを利用した例を示す。図7は、本発明よるこの種の1実施形態例の構造を概略的に示したものである。図2の実施形態例と図7の実施形態例との決定的な違いは、図7の実施形態例においては、位相決定器10への入力信号が、固定αβ座標系上で定義された固定子の電流、電圧に関する信号となっている点にある。図7における他の機器に関しては、図2のものと同一である。
図7に明示しているように、位相決定器10には、固定αβ座標系上で定義された固定子電流の測定値と固定子電圧の推定値としての同指令値が入力され、ベクトル回転器に最終的に使用される固定αβ座標系からみた突極磁束位相推定値(すなわち回転dq座標系の
Figure 0004644010
器9へ送られている。
図8は、図7における位相決定器10の1実施形態例として、その内部構造を示したものである。位相決定器10は、2次状態オブザーバ10aと速度推定器10cとから構成されている。
本実施形態例では、2次状態オブザーバ10aへの入力信号としては、固定αβ座標系上で定義された固定子電流の測定値と固定子電圧の推定値としての同指令値を利用している。これに応じ、2次状態オブザーバは、整合性のよい固定αβ座標系上で評価した突極磁束
Figure 0004644010
きる一般γδ座標系を固定αβ座標系に選定するようにすればよい。この場合は、当然、一般γδ座標系の回転速度はゼロ、すなわちω=0となる。2次状態オブザーバは、固定
Figure 0004644010
座標系上で定義された固定子電流等の信号に加えて、回転子速度(電気的速度)の推定値
Figure 0004644010
図9は、2次状態オブザーバ10aの1実施形態例の構造を示したものである。本2次状態オブザーバは、先ず、突極磁束を推定し、推定した突極磁束に基づき突極磁束位相の初
Figure 0004644010
(電気的速度)に関して真値に代わって推定値を利用している点を除けば、(19)式、(22)式よるものに忠実に従って実現されている。ただし、一般γδ座標系の回転速度ωは、これを固定αβ座標系に帰着させるべく、ゼロω=0としている。
本2次状態オブザーバの利用には、本発明の作用の関連して説明したように、オブザーバゲインは、回転子の同一方向回転に対しては一定としなければならない。このための具体的オブザーバゲインは前述の(24)式のように構成すればよい。すなわち、オブザーバゲインは図4を用い説明した実施形態例と同一のものを利用してよい。図9においては、オブザー
Figure 0004644010
図4の実施形態例と同一のオブザーバゲインを利用するので、推定磁束のフィードバックに寄与するブロック10a−2も、図4の実施形態例の場合と同一となる。この結果、回
Figure 0004644010
磁束の推定値を真値に収束できる特性も同様に確保される。
Figure 0004644010
Figure 0004644010
図9の初期位相決定器10a−4は(28)式で示したような処理を行い初期位相推定値
Figure 0004644010
図10は、図8に示した位相決定器10のもう1つの主要な構成要素である、速度推定器10cの1実施形態例の内部構造を示したものである。速度推定器10cは、安定器10
Figure 0004644010
は、前述の文献(12)で提示公開された積分フィードバック形速度推定法を忠実に実現したものである。積分フィードバック形速度推定法は同文献に詳しく説明されているので、本明細書における本速度推定器のこれ以上の説明は省略する。
Figure 0004644010
信号発生器6へ送られ余弦正弦値に変換された後、回転dq座標系の位相を決定づけるベクトル
Figure 0004644010
いて示した速度推定器は、回転dq座標系の位相の微分値を回転子速度の推定値とし、これを2次状態オブザーバに利用すべく、2次状態オブザーバに向け出力している。
上記の実施形態例に代わって、回転dq座標系の回転速度をローパスフィルタ処理した値を回
Figure 0004644010
転dq座標系の位相の近似微分値を、2次状態オブザーバに利用したことになる。
図7〜図10を利用して説明したの実施形態例では、2次状態オブザーバを駆動するための固定αβ座標系上で定義された固定子電流等の信号として、固定子電流の実測値、固定子電圧の推定値としての同指令値を利用した。これに代わって、固定αβ座標系上の定義された固定子電流の推定値としての同指令値、固定子電圧の実測値など、固定子電流、固定子電圧に関する他の信号、推定値を利用して差し支えないことを指摘しておく。
次に、図7〜図10に示した実施形態例に従って実施した数値実験による結果の1例を示す。供試電動機の仕様概要を表1に示す。
Figure 0004644010
本仕様では、d軸インダクタンスがq軸インダクタンスより大きくなている。これは、正突極位相を回転子位相に選定したことを意味する。反対に、d軸q軸のインダクタスを交換し、d軸インダクタンスをq軸インダクタンスより小さく選定する場合には、負突極位相を回転子位相に選定したことになる。
(19)、(22)式および図9に示した2次状態オブザーバ10aのオブザーバゲイン10a−1を次の(29)式の値に選定し、
数29
Figure 0004644010
速度推定器10cを構成する安定器10c−1を次の(30)式に選定し、
Figure 0004644010
この上で、電流制御系、速度制御系の帯域を各々2000、80(rad/s)と設計し、d軸電流指令を25.8(A)一定とし、ゼロ速度通過を含む加減速の速度指令(±125(rad/s)台形波)を与えた場合の応答の1例を図11に示す。図11には、速度指令、速度応答、速度推定値を示している。同図より、ゼロ速度通過を含む加減速指令に対しても、速度指令、速度応答、速度推定値は、その差が視認できないほどよく一致しており、センサレスベクトル制御システムとしてすこぶる良好な性能が達成されていることが確認されれる。本性能は、文献(2)〜(10)で提示された従来技術では達成が不可能あるいは大変困難な性能である。
以上、本発明による位相決定器に関し、各種の図を利用しつつ複数の実施形態例を用いて具体的かつ詳しく説明した。本発明の位相決定器は、アナログ的に実現可能であるが、最近のディジタル技術の著しい進歩を考えるとディジタル的に構成することが好ましい。ディジタル構成はハードウェア的構成とソフトウェア的構成があるが、当業者にとっては既に自明のように本発明はいずれでも構成できる。
発明の効果
以上の説明より明白なように、本発明は以下の効果を奏する。請求項1あるいは請求項8の発明によれば、回転子位相検出器を用いることなく、ベクトル制御に必要な回転子位相の推定値を得ることができると言う作用が得られた。しかも、ゼロ速度を除く全速度領域で、すなわち回転子の回転を伴う全速度領域で、これら推定値を得ることができると言う作用が得られた。本発明による状態オブザーバは、所要の突極磁束のみを推定対象とする最もコンパクトな2次の最小次元であるので、状態オブザーバ駆動に要する演算量は状態オブザーバとしては最小になる、と言う作用も得られた。状態オブザーバの最小次元性によりオブザーバゲインは単一の2x2行列となった。これにより、突極磁束推定値の安定収束を保証するオブザーバゲインの設計は格段と容易になり、ひいてはこの設計に要する手間を、従来の8次状態オブザーバ等に比し著しく簡略化できると言う作用も得られた。これらの作用の結果、請求項1あるいは請求項8の発明によれば、以下の効果が得られる。先ず、位相検出器を用いることなく所謂センサレスで同期リラクタンス電動機がベクトル制御できると言う効果が得られる。しかも、ゼロ速度を除く全速度領域ですなわち回転子の回転を伴う全速度領域で、センサレスベクトル制御ができると言う効果が得られる。本発明は、最もコンパクトな最小次元の2次状態オブザーバを利用しているので、従来の8次状態オブザーバに比較し遥かに少量の演算量で、上記の特性を有するセンサレスベクトル制御を実現できると言う効果が得られる。これに加えて、状態オブザーバの最小次元性より、オブザーバゲインの設計が格段に容易となり、この結果、安定性の優れた状態オブザーバを有する、ひいては安定性の高いセンサレスベクトル制御を構成できると効果が得られる。更には、同期リラクタンス電動機のベクトル制御に際し、回転子に回転子位相検出器を装着することに起因して従来より発生した、電動機システムの信頼性の低下、軸方向の容積増大、配線問題、各種コストの増大と言った諸問題を克服することができると言う効果が得られる。
次に、請求項2の発明による効果を説明する。請求項2の発明によれば、回転子速度を検出するための速度検出器を用いることなく、2次状態オブザーバが実現できると言う作用が得られた。すなわち、請求項2の発明によれば、請求項1で説明した作用を回転子速度を検出するための速度検出器を用いることなく実現できると言う作用が得られた。これらの作用の結果、請求項2の発明によれば、速度検出器を利用することなく請求項1の効果を奏するセンサレスベクトル制御を実現できると言う効果が得られる。
請求項3の発明の効果を説明する。請求項3の発明によれば、推定位相と整合した合理的な速度推定値をわずかな演算量で得ることができると言う作用が得られた。すなわち、請求項3の発明によれば、請求項1、請求項2で説明した作用を最小の演算量で合理的に得ることができると言う作用が得られた。この作用の結果、請求項3の発明によれば、請求項1および請求項2の発明による効果を最小の速度推定演算量でしかも合理的に高めたセンサレスベクトル制御が実現できると言う効果が得られるようになる。
請求項4の発明の効果について説明する。請求項4の発明によれば、信号の微分処理を一切行うことなく2次状態オブザーバを実現できるので、ノイズにロバストな2次状態オブザーバが実現できるようになると言う作用が得られた。すなわち、請求項4の発明によれば、請求項1で説明した作用をノイズにロバストな状態で得ることができると言う作用が得られた。この作用の結果、請求項4の発明によれば、請求項1の発明による効果に加え、ノイズに強い特性を有するセンサレスベクトル制御が実現できるようになると言う効果が得られる。
請求項5の発明の効果を説明する。請求項5の発明によれば、演算負荷を最小化した2次状態オブザーバが実現できると言う作用が得られた。すなわち、請求項5の発明によれば、請求項1、請求項4で説明した作用を最小の演算量で得ることができると言う作用が得られた。この作用の結果、請求項5の発明によれば、請求項1、請求項4の発明による効果に加え、最小の演算量を誇るセンサレスベクトル制御が実現できるようになると言う効果が得られる。
続いて、請求項6の発明の効果を説明する。請求項6の発明によれば、先ず、回転dq座標系上の信号を利用して、請求項1の発明に基づき突極磁束位相が推定できるようになると言う作用が得られた。次に、回転dq座標系上の信号を利用してゼロ速度状態の突極磁束位相を推定する他の推定方法と、請求項1の発明よる推定方法との併用が容易になると言う作用が得られた。この作用の結果、請求項6の発明によれば、先ず、回転dq座標系上の信号を用い、請求項1の発明に基づくセンサレスベクトル制御が実現できようになると言う効果が得られる。次に、請求項1の発明に基づくセンサレスベクトル制御と、同じく回転dq座標系上の信号を用いた他の位相推定方法との併用が容易になると言う効果が得られる。この結果、請求項1の発明によるセンサレスベクトル制御の効果及び有用性を総合的に高めることができると言う効果が得られる。
請求項7の発明の効果を説明する。請求項7の発明によれば、先ず、固定αβ座標系上の信号を利用して、請求項1の発明に基づき突極磁束位相が推定できるようになると言う作用が得られた。次に、固定αβ座標系上の信号を利用してゼロ速度状態の突極磁束位相を推定する他の推定方法と、請求項1の発明よる推定方法との併用が容易になると言う作用が得られた。この作用の結果、請求項7の発明によれば、先ず、固定αβ座標系上の信号を用い、請求項1の発明に基づくセンサレスベクトル制御が実現できようになると言う効果が得られる。次に、請求項1の発明に基づくセンサレスベクトル制御と、同じく固定αβ座標系上の信号を用いた他の位相推定方法との併用が容易になると言う効果が得られる。この結果、請求項1の発明によるセンサレスベクトル制御の効果及び有用性を総合的に高めることができると言う効果が得られる。
以上の効果の中で、特に制御性能に関連する効果は、数値実験を通じても検証・確認した。
3つの座標系と回転子位相(電気角度)の関係を示すベクトル図 1実施形態例におけるベクトル制御装置の基本構成を示すブロック図 1実施形態例における位相決定器の基本構成を示すブロック図 突極磁束推定のための2次状態オブザーバの1構成例を示すブロック図 D因子の逆行列の1実現例を示すブロック図 位相同期器の1構成例を示すブロック図 1実施形態例におけるベクトル制御装置の基本構成を示すブロック図 1実施形態例における位相決定器の基本構成を示すブロック図 突極磁束推定のための2次状態オブザーバの1構成例を示すブロック図 速度推定器の1構成例を示すブロック図 1実施形態例におけるベクトル制御装置による応答例を示す図
符号の説明
1 同期リラクタンス電動機
2 電力変換器
3 電流検出器
4a 3相2相変換器
4b 2相3相変換器
5a ベクトル回転器
5b ベクトル回転器
6 余弦正弦信号発生器
7 電流制御器
8 指令変換器
9 速度制御器
10 位相決定器
10a 2次状態オブザーバ
10a−1 オブザーバゲイン
10a−4 初期位相決定器
10b 位相同期器
10b−1 安定器
10b−2 積分器
10c 速度推定器
10c−1 安定器
10c−2 積分器

Claims (8)

  1. トルク発生に寄与する固定子電流を、回転子の正突極あるいは負突極の位相を理想的なd軸位相とする直交d軸q軸で構成される回転dq座標系上のベクトル信号として捕らえ制御する電流制御工程と、回転dq座標系の位相を決定する位相決定工程とを有する同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法であって、
    該位相決定工程が、固定子電流のみにより発生した固定子鎖交磁束の構成成分の中の回転子正突極位相あるいは回転子負突極位相と同相成分である突極磁束を推定対象とした、電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を少なくとも入力信号とする2次状態オブザーバを有し、2次状態オブザーバを通じて得た突極磁束推定値を少なくとも用いて該回転dq座標系の位相を決定するようにしたことを特徴とする同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法。
  2. 該2次状態オブザーバを、回転子速度の推定値を利用して実現するようにしたことを特徴とする請求項1記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法。
  3. 該回転dq座標系の位相の微分値あるいは近似微分値を、該2次状態オブザーバに利用する該回転子速度推定値としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法。
  4. 該2次状態オブザーバを、回転子の同一方向回転に対しては一定のオブザーバゲイン用いて実現するようにしたことを特徴とする請求項1記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法。
  5. 該2次状態オブザーバを、交代行列に対し乗法の交換特性をもつ構造のオブザーバゲインを用いて実現するようにしたことを特徴とする請求項1または請求項4記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法。
  6. 該2次状態オブザーバの入力信号である電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を、該回転dq座標系上で定義された信号とすることを特徴する請求項1記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法。
  7. 該2次状態オブザーバの入力信号である電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を、互いに直交しかつ固定のα軸とβ軸で構成される固定αβ座標系上で定義された信号とすることを特徴する請求項1記載の同期リラクタンス電動機のベクトル制御方法。
  8. トルク発生に寄与する固定子電流を、回転子の正突極あるいは負突極の位相を理想的なd軸位相とする直交d軸q軸で構成される回転dq座標系上のベクトル信号として捕らえ制御する電流制御手段と、回転dq座標系の位相を決定する位相決定手段とを有する同期リラクタンス電動機のベクトル制御装置であって、
    該位相決定手段が、固定子電流のみにより発生した固定子鎖交磁束の構成成分の中の回転子正突極位相あるいは回転子負突極位相と同相成分である突極磁束を推定対象とした、電動機駆動用の固定子電流と固定子電圧あるいはそれらの推定値を少なくとも入力信号とする2次状態オブザーバを有し、2次状態オブザーバを通じて得た突極磁束推定値を少なくとも用いて該回転dq座標系の位相を決定するようにしたことを特徴とする同期リラクタンス電動機のベクトル制御装置。
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