JP3735836B2 - 永久磁石同期電動機のベクトル制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、永久磁石同期電動機のベクトル制御方法に関するものである。特に、回転子永久磁石の磁極位置の検出あるいは推定に、回転子に装着される位置検出器に代わって磁極位置速度推定器を使用した、位置センサレスかつ相電圧センサレスなベクトル制御方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
同期電動機をして高い制御性能を発揮せしめるには、電機子電流の制御が不可欠であり、従来よりこのための制御法としてベクトル制御法が知られている。ベクトル制御法は、互いに直交するd軸とq軸とで構成されるdq座標系上で、電機子電流の全部または一部をd軸成分とq軸成分とに分割し制御する電流制御工程を有する。通常は、電機子電流の全部をd軸成分とq軸成分とに分割し制御する。電機子内鉄損の影響が強い特殊な電動機の場合には、電機子電流から、鉄損発生に対応した等価鉄損電流分を差し引いた電機子電流に対し、すなわち電機子電流の一部に対し、これをd軸成分とq軸成分とに分割し制御することもある。
【0003】
このときのdq座標系としては、回転子永久磁石N極の中心に空間的位相差ゼロで同期した同期座標系を採用するのが一般的である。すなわち、回転子永久磁石のN極の中心線上と同一方向をd軸に選定し、これと直交する軸をq軸に選定する同期座標系を採用するのが一般的である。dq座標系を回転子永久磁石N極の中心と空間的位相差の無い同期状態に構成維持するためには、回転子永久磁石N極の中心の位置を知る必要がある。これを正確に知るため、エンコーダなどの位置検出器を回転子に装着することが伝統的に行われている。位置検出器が使用できない用途には、これに代わって磁極位置の推定を行う磁極位置速度推定器を用い、同期dq座標系の構成維持を図ることが行われている。
【0004】
図11は、位置検出器に代わって磁極位置速度推定器を利用したベクトル制御方法を装置化し、鉄損を無視し得る標準的な永久磁石同期電動機に装着した場合の代表的1例を概略的にブロック図で示したものである。1は永久磁石同期電動機を、2は電流検出器を、3は電力変換器を、4は磁極位置速度推定器を、5a、5bは夫々3相2相変換器、2相3相変換器を、6a、6bは共にベクトル回転器を、7は電流制御器を、8は指令変換器を示している。図11では、4から8までの諸機器がベクトル制御装置を構成している。
【0005】
特に、4の磁極位置速度推定器は回転子永久磁石N極の中心をU相巻線の中心に対する角度として推定しその余弦、正弦信号を出力するもので、dq座標系の空間的位相を決定する手段を構成している。永久磁石同期電動機の場合には、回転子速度は、回転子に一体的に装着された永久磁石の回転速度そのものにほかならない。すなわち、回転子磁極位置と回転子速度とは互いに積分と微分の関係にあり、当業者にとっては周知のように、エンコーダ等の検出器を用いる場合のみならず推定器を用いる場合も、実質的同時に位置と速度の情報を得ている。推定器を利用した本例の場合にも一般には磁極位置推定値と同時に回転子速度推定値が得られるが、本例では、回転子の速度情報を特に必要としないトルク制御の1例を紹介した関係上、速度推定値の出力は示していない。5a、5b、6a、6b、7の3種の機器は電機子電流をdq座標系上でd軸成分とq軸成分に分割し各々をd軸及びq軸の電流指令値に追随するように制御する電流制御工程を実行する手段を構成している。また、8の機器はトルク指令値から電流制御に必要なq軸電流指令値を生成する手段を構成している。
【0006】
電流検出器2で検出された3相電流は、3相2相変換器5aで固定ab座標系上の2相電流に変換された後、ベクトル回転器6aでdq座標系の2相電流id、iqに変換され、電流制御器7へ送られる。電流制御器7は、変換電流id,iqが、各々の電流指令値id*、iq*に追随すべくdq座標系上の電圧指令値vd*、vq*を生成しベクトル回転器6bへ送る。6bでは、この2相信号vd*、vq*を固定ab座標系の2相電圧指令値に変換し、2相3相変換器5bへ送る。5bでは、2相信号を3相電圧指令値に変換し、電力変換器3への指令値として出力する。電力変換器3は、指令値に応じた電力を発生し、永久磁石同期電動機1へ印加しこれを駆動する。このときの電流指令値は、d軸電流指令値id*に関しては負またはゼロの一定値を直接与え、q軸電流指令値iq*関してはトルク指令値τ*を指令変換器8を通じて線形的に変換したものを使用している。また、dq座標系の空間的位相決定の手段を構成している磁極位置速度推定器4は、dq座標系上の電圧指令値、電流のd軸成分、q軸成分を利用して回転子の磁極位置を推定しこの余弦、正弦信号(cos、sin信号)をベクトル回転器6a、6bに向け出力している。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来のベクトル制御方法においては、電機子電流のd軸成分、q軸成分の制御に際し印加される各々の電流指令値は、上記代表例で説明したように、q軸電流指令値に関しては正負のトルク指令値に応じた正負の値を発生するようにする一方で、d軸電流指令値は、負またはゼロの値を与えている。
【0008】
電動機は、トルク発生機であると同時に、電気エネルギーを機械エネルギーへ変換するエネルギー変換機でもある。エネルギー変換を効率よく実施するには、固定子の銅損等の損失を低減することが望ましい。更には駆動用インバータの小形化を図るためには、電動機に印加する電力の力率を向上させることが望ましい。これら損失低減、力率向上を図るには、円筒形、突極形の何れの永久磁石同期電動機においても、d軸電流は負またはゼロに維持する必要がある。
【0009】
円筒形、突極形を包括した永久磁石同期電動機の損失最小化、力率向上に関する統一理論は、文献(新中新二、効率重視の電流制御に向けた突極形同期電動機のベクトル信号による解析、電気学会論文誌D、Vol.119−D、No.5、pp.948−658)に与えられている。突極形永久磁石同期電動機に限った詳しい定量的解析は、文献(森本・大山・藤井、リラクタンストルク併用PM電動機と駆動システム、平成8年電気学会産業応用部門全国大会、講演論文集3、s118−s123)に与えられている。また、円筒形永久磁石同期電動機に限った説明は、文献(杉本・小山・玉井、ACサーボシステムの理論と設計の実際、総合電子出版社、p.74)に与えられている。これら現状の技術の主張するところは、d軸電流は負またはゼロに制御することである。ただし、位置検出器(エンコーダ)を利用したベクトル制御において相電圧・電流検出に関連した特異な効果を期待し、d軸電流を正に制御した例外的な報告が2件ある。第1は、特開H11−127600によるもので、位置検出器と相電圧検出器の利用を前提としたベクトル制御において、q軸電流の振幅低減に従ってd軸電流の振幅を制御し、これにより、一定レベル以上の電機子電流を常時確保し、ひいては相電圧を適切に検出しようとするものである。第2は、特開2000−262100によるもので、位置検出器の利用を前提としたゼロトルク制御において、q軸電流の振幅低減に従ってd軸電流の振幅を制御を通じて、応答の十分速い電流制御系が構成できない場合にも、電流検出器のオフセットやノイズの影響を受けにくい電流検出・制御を行なうものである。
【0010】
明快な解析結果に基づく従来技術は、位置検出器により回転子磁極の位置が正確に把握できる場合には、損失の低減、力率の向上といった制御性能において、最適な結果を与える。しかし、精度のよい位置検出器が使用できず、これに代わって磁極位置速度推定器により磁極位置を推定せねばならないような状況下では、必ずしも最適性能を与えるものではなく、反対に総合性能を低下させる恐れを内在してきた。
【0011】
磁極位置速度推定器を利用する場合には、推定した磁極位置は常に推定器駆動信号と所要の処理時定数をもつこの信号処理とに遠因した誤差を持ち得る。推定磁極位置をこの種の誤差の存在にも拘わらず真の磁極位置と見なし、損失低減、力率向上といった制御目的に従って決定された電流指令値は、制御目的を達成する保証は一切ない。反対に、この種の誤差は、低速度領域では電圧レベルが低いため電圧信号のS/N比が低下し、磁極位置の推定誤差の増大、発生トルクの低下、速度の低下と言った現象を短時間で繰り返し、位置センサレスなベクトル制御系は、短時間で不安定状態すなわち制御不能の状態に陥ることがある。発生トルクに抗して電動機回転子に働く外力のリップルが大きくその変化が速い場合には、この現象が特に顕著である。同期電動機の位置センサレスなベクトル制御法において最も重視されねばならない制御性能は、安定性を確保すること、すなわち安定的にトルク発生ができることである。他の制御性能は、安定性が確保できて始めて、追求される価値をもつ。当業者には周知のように、エンコーダ等の位置検出器の応答時定数は、外力リップルの変化に起因する回転子位置変動を支配する回転子機械系の応答時定数より遥かに小さく(最低でも数十分のI以下)、検出精度以上の回転子位置変動は実質的に変動の瞬時に検出される。この結果、エンコーダ等の位置検出器を利用したベクトル制御系では、外力リップルを相殺するトルクを、位置検出器の精度に基づく正確さで、更には実質瞬時に(より正確には、電流制御周期の速さで)発生でき、位置センサレスなベクトル制御系にみられる誤差の増大による不安定現象・不安定化問題は存在しない。当然のことながら、問題が存在しなければ、このための対策・手段の構成は無意味であり必要ない。位置検出器を利用したベクトル制御系における本事実は、当業者には一般に認知されていることを指摘しておく(参考文献、例えば、特開H11−127600、特開2000−262100)。
【0012】
本発明は、以上の背景の下になされたものであり、その目的は、推定器駆動信号と所要の処理時定数をもつこの信号処理とに遠因した推定誤差と本増大を伴い得る磁極位置速度推定器を使用した駆動制御システムにおいてこれが容易に不安定化しない、換言するならば駆動制御システムに対しその安定性を高める新機能を付与し、更にこの新機能を簡単に実現できる永久磁石同期電動機のための、位置センサレスでしかも相電圧センサレスなベクトル制御方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】
互いに直交するd軸とq軸で構成されるdq座標系上で電機子電流の全部または一部を電流ベクトルのd軸成分及びq軸成分として分割し制御する電流制御工程とdq座標系のd軸位相と回転子速度とを推定的に決定するdq座標位相速度決定工程とを有する永久磁石同期電動機の位置センサレスかつ相電圧センサレスなベクトル制御方法であって、該dq座標位相速度決定工程において、該dq座標系のd軸位相を、永久磁石同期電動機の回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してある位相差で決定し、かつ、該電流制御工程において、該dq座標位相速度決定工程において推定的に決定された回転子速度推定値に従って、少なくとも低速度領域で回転子永久磁石N極の中心方向に対する該電流ベクトルの空間的位相差と回転子発生トルクとの関係が単調増加にある位相差領域内に該電流ベクトルが存在するように電機子電流を制御することを特徴とする。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載の永久磁石同期電動機のベクトル制御方法であって、該dq座標系のd軸位相を、永久磁石同期電動機の回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してゼロ位相差で決定し、該電流制御工程における該電流ベクトルのd軸成分制御のためのd軸電流指令値を正レベルとすることにより、該N極の中心に対する該電流ベクトルの空間的位相差の絶対値がπ/2(rad)未満になるように電機子電流を制御するようにしたことを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1記載の永久磁石同期電動機のベクトル制御方法であって、該dq座標系上の該電流制御工程において、速度ゼロの状態では、該電流ベクトルが単調増加にある位相差領域の中心に存在するように、電機子電流を制御するようにしたことを特徴とする。
【0016】
つぎに本発明の作用について説明する。本発明の作用を適切に理解するには、永久磁石同期電動機のトルク発生のメカニズムの理解を欠くことができない。簡明な説明を図るべく、一般性を失うことなく極対数1の円筒形同期電動機の駆動制御を例に取り上げ、トルク発生のメカニズムを説明する。
【0017】
図1に示した2次元空間における直交dq座標系を考える。また主軸d軸から副軸q軸への方向すなわち反時計方向を正方向とし、逆方向である時計方向を負方向とする。同図では、回転子の磁極N極の中心とdq座標系との関係を一般性のある状態で図示している。本dq座標系上で定義された回転子永久磁石による磁束ベクトルをφ、電機子の電流ベクトルをiとする。磁束ベクトルは回転子永久磁石によって発生された磁束であるので、同図に示したように、磁束ベクトルの方向は座標の原点から回転子永久磁石N極の中心方向と同一である。電流ベクトルの方向は発生すべきトルクの方向によって異なり、図1の例は正方向にトルクを発生している状態を示している。同図に示したように、回転子永久磁石N極の中心方向すなわち磁束ベクトルに対する電流ベクトルの空間的位相差をθとすると、発生トルクτは、次の(1)式で表現される。
【数1】
すなわち、磁束、電流の大きさが一定の場合には、円筒形同期電動機の発生トルクは空間的位相差θの正弦値に比例する。
【0018】
この関係は図2のように図示することができる。図2では、空間的位相差θが負すなわち発生トルクが負(時計方向)の場合も示している。図2より明白なように、発生トルクは、空間的位相差が−π/2(rad)から+π/2(rad)まで間は、空間的位相差に応じて単調に増加する単調増加特性を示す。反対に、空間的位相差のが−π(rad)から−π/2(rad)及び+π/2(rad)から+π(rad)の領域では、発生トルクは空間的位相差に応じて単調に減少する単調減少特性を示す。
【0019】
電動機回転子に働く外力の方向は、一般に、回転子が発生するトルクの方向と逆である。外力の働く方向は、電動機の力行・回生状態で見るならば、力行状態では回転子の回転方向と逆の方向に、回生状態では回転子の回転方向と同一方向へ働く。すなわち、外力は回転子の発生するトルクに抗するように電動機回転子に働く。この特性は、外力は回転子永久磁石N極の中心方向に対する電流ベクトルの空間的位相差を増大する方向に働くと言い換えることができる。回転子に対する外力の作用方向は、N極の中心に対する電流ベクトルの空間的位相差を増大する方向に作用する方向であると言う本特性は、正回転、逆回転のいずれの場合も同じである。
【0020】
従来の効率を重視した制御法では最大トルクを発生するように、例えば図1、図2の例では空間的位相差の絶対値がπ/2(rad)になるように電流ベクトルの位相差を制御した。また、力率を重視した制御法では力率が最大となるように、空間的位相差の絶対値がπ/2(rad)以上になるように電流ベクトルを制御した。空間的位相差を増大する方向へ作用する外力がそのリップル等により短時間に大きくなっても、回転子磁極位置が常時正確に把握できる場合には、次の瞬間の制御で空間的位相差の増大を修正することが可能であり、制御目的を安定的に継続達成することができた。
【0021】
ところが、回転子磁極位置を推定するなど位置の把握に誤差が存在する場合には、外力により空間的位相差が短時間に増大されても、必ずしもこの空間的位相差の増大を正確かつ迅速に把握できない。このため、空間的位相差の絶対値が例えば図1、2の例でπ/2(rad)以上の臨界点を含めた単調減少領域に存在せしめる制御方法を採用している場合には、発生トルクは空間的位相差の増大により直ちに低減する。回転子発生トルクの低減が誘発されると、互いに反対方向に働く外力トルクとの回転子発生トルクとの相対差が大きくなり、この結果空間的位相差の増大が更に促進され、ひいては電動機発生トルクのレベルが急激に下がり、一気にトルク発生不能の状態に陥る。
【0022】
図2に示した電流ベクトルの大きさ一定の条件下での発生トルク対空間位相差の関係は円筒形同期電動機のものであるが、突極形同期電動機も同様な単調増加領域と単調減少領域に2分されると言うトルク発生特性をもつ。このトルク発生特性は、例えば極対数1の場合には、次式で表現することができる。
【数2】
永久磁石を用いた突極形同期電動機の場合には、逆突極特性によりインダクタンスLbは負となる。(2)式より明白なように、突極形同期電動機においては、単調増加領域はゼロ(rad)を中心とした−π/2(rad)から+π/2(rad)の領域よりも広く、単調増加全領域幅はπ(rad)より広くなることが明らかである。反面、単調減少領域の全領域幅はπ(rad)より狭くなることも明らかである。円筒形、突極形の両同期電動機が、単調増加領域と単調減少領域という同様な2分的なトルク発生特性をもつことから明白なように、突極形同期電動機のトルク発生に関しても、上に説明した不安定化現象に関する説明はそのまま成立する。
【0023】
請求項1の制御方法によれば、電流ベクトルが、回転子永久磁石N極の中心方向に対する電流ベクトルの空間的位相差と回転子発生トルクとの関係が単調増加にある位相差領域内に存在するように電機子電流を制御するので、例えば図2の例では電機子電流を単調増加領域内である−π/2(rad)から+π/2(rad)の空間的位相差内に存在するように制御するので、この結果、外力により空間的位相差が不意に増大されかつこの空間的位相差の増大を正確に把握できなくとも、電動機の発生トルクは空間的位相差の増大に応じて単調増加特性により瞬時に増大し、ひいては不意の外力増大に抗することができるという作用が得られる。
【0024】
請求項2の本発明によれば、請求項1のベクトル制御方法であって、dq座標系のd軸位相を永久磁石同期電動機の回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してゼロ位相差で決定し、この上で、電流制御工程における電流ベクトルのd軸成分制御のためのd軸電流指令値を正レベルとする。電流制御によりd軸電流はその指令値に一致するように制御されているので、d軸電流指令値が正レベルであればd軸電流も同等の正レベルとなる。この結果、回転子永久磁石N極の中心に対する電流ベクトルの空間的位相差の絶対値がπ/2(rad)未満になるような電機子電流制御を簡単に実施することができると言う作用が得られる。図3に、dq座標系のd軸位相を回転子永久磁石N極の中心方向に選定して、d軸電流が正レベルの値をとった1例の様子を、(a)正トルク発生と(b)負(逆)トルク発生の場合に分けて図示した。同図より、d軸電流が正の場合には、正負の何れのトルク発生においても、空間的位相差の絶対値がπ/2(rad)未満になると言う作用が得られることが理解される。既に詳しく説明したように、円筒形、突極形の何れの永久磁石同期電動機においても、本発明と深い関係にある単調増加領域は、空間的位相差−π/2(rad)から+π/2(rad)までの領域を常に包含している。
【0025】
以上の説明より明白なように、請求項2の本発明によれば、dq座標系のd軸位相を永久磁石同期電動機の回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してゼロ位相差で決定した後は、電流ベクトルd軸成分制御のためのd軸電流指令値を正レベルとするだけで、簡単に電流ベクトルを単調増加領域に存在せしめることができるようになるという作用が得られる。ひいては、請求項1で説明した外力の不意の瞬時増大に抗する作用を簡単に確保できるようになる。
【0026】
請求項3の本発明によれば、請求項1のベクトル制御方法であって、該dq座標系上の該電流制御工程において、速度ゼロの状態では、該電流ベクトルが単調増加にある位相差領域の中心に存在するように電機子電流を制御するので、図2のトルク発生特性例より明白なように、速度ゼロの状態では、外力の不意の瞬時増大に対し最も高い瞬時抗力を付与できると言う作用が得れる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用いて、本発明の実施形態を詳細に説明する。本発明のベクトル制御方法を適用したベクトル制御装置と永久磁石同期電動機の1実施形態例の基本的構造を図4に示す。図4における電動機等の1〜7の機器は、図11の従来制御法のものと同一であり、新指令変換器9が本発明に基づき、従来の指令変換器8に代わって、利用されている。すなわち、本実施形態例で使用した磁極位置速度推定器4は、図11に関して詳しく説明した、回転子永久磁石N極の中心をU相巻線の中心に対する角度として推定しその余弦、正弦信号を出力する従来の推定器そのものである。
【0028】
従来の磁極位置速度推定器4によって生成した余弦、正弦信号をベクトル回転器6a,6bに利用する場合には、直交dq座標系のd軸は基本的に回転子N極の中心方向を指向することになる。すなわち、回転子N極の中心に対するdq座標系の相対的位置関係は、基本的には、図3の状態を追求するものとなる。当然のことながら、磁極位置速度推定器による磁極位置推定値は誤差を持つので、d軸と回転子N極の中心とが正確に一致する訳ではない。
【0029】
本実施形態例では、磁極位置速度推定器4の出力として、磁極位置推定値と一般に同時に生成可能な回転子速度推定値も出力させている。同図より明白なように、本実施形態例は、基本的にベクトル制御法によってトルク制御された永久磁石同期電動機を用いて、最終的に速度制御を行う様子を示したものである。すなわち、速度制御を遂行すべく、ベクトル制御法による電流制御系の外側に速度制御系が構成されている。速度制御器10には、外部から与えられた速度指令値ω*と磁極位置速度推定器4の出力信号の一つである回転子速度の推定値ωeとの偏差が入力される。速度偏差は速度制御器10内でP(比例)制御あるいはPI(比例積分)制御などの処理をされ、最終処理信号は新指令変換器9へ向け出力されている。本実施形態例では、新指令変換器9は、速度制御器10の出力信号に加え、磁極位置速度推定器4からの回転子速度推定値ωeを受け取り、d軸電流指令値とq軸電流指令値とを共に生成し出力している。
【0030】
本実施形態例では、新指令変換器9が本発明によるものであり、実施形態例の中心をなすものである。以下では、新指令変換器9を詳細、明解、具体的に説明する。図5は、新指令変換器9の内部構成の1例を示したものである。9aはd軸電流指令生成器、9bはq軸電流指令生成器を示している。図5の例では、q軸電流指令生成器9bは、図11の従来の指令生成器8と同様である。これに対し、d軸電流指令生成器9aは、回転子速度推定値を入力として受け、これに応じて正の指令値を出力している。図6は、図5のd軸電流指令生成器9aの出力特性の1例を示したものである。出力特性は、入力である回転子速度推定値の絶対値に対する、出力であるd軸電流指令値の関係を示したものであり、この特性は設計者が自由に設定可能である。
【0031】
設計者が自由に設定した出力特性は、先ず出力特性を適当な速度間隔でテーブルに保存し、次に保存しなかった間隔の出力特性を、保存した値から速度推定値の絶対値に関する多項式として近似するようにすれば、d軸電流指令生成器9aに所期の出力特性を容易に持たせることができる。すなわち、d軸電流指令生成器9aは、近似的ではあるが、所期の出力特性に従がいd軸電流指令値を生成することができるようになる。
【0032】
上述の近似のための多項式の次数としては、0次、1次、2次、3次が現実的である。すなわち、近似多項式の次数としては、実際的には、高々3次まで十分である。簡単な演算ですませるには、0次近似、1次近似が適当である。次に、近似の方法を図6の出力特性を例に具体的に説明する。
【0033】
図6の例では、回転子速度推定値の絶対値がゼロからω1までは概ね一定で、ω1からω2までは概ね直線的に減衰し、ω2以降も概ね一定である。この特性例は、回転子速度推定値の絶対値がゼロからω1までのd軸電流指令値をid1、ω2以降のd軸電流指令値をid2であるとするならば、次式のように近似表現することができる。
【数3】
速度推定値の絶対値に関する多項式近似としては、(3a)、(3c)式が0次による近似を、(3b)式が1次による近似を行っている。設計者が設定した出力特性を、より細かく分割し多数の近似関数を用いて近似する方法、あるいはより高次の2次関数、3次関数で区間部分的に近似する方法は、上記の1例を拡張すればよい。これは、これまでの説明により当業者には容易に理解できるので、この説明は省略する。
【0034】
こうして設定した出力特性の実現は、実際的には、ソフトフェアによることが好ましい。図7は、ソフトウェア実現に資するよう、上の処理を流れ図で表現したものである。すなわち、速度推定値ωeを得たならば、先ずs1でその絶対値を決定する。次にs2で速度推定値の絶対値がω1より小か否かすなわち(3a)式の対象か否か判断し、真ならばs3へ進み(3a)式の処理を実施する。偽ならばs4の判断へ進み、速度推定値の絶対値とω2との大小を比較し(3b)式の対象か否か判断し、真ならばs5へ進み(3b)式の処理を実施する。s4での判断が偽ならば、s6へ進み(3c)式の処理を実施する。d軸電流指令生成器9aは、この流れ図で示した処理を同期電動機の駆動制御に応じて実時間で逐行することにより、所期の出力特性を達成することになる。
【0035】
なお、上式に示した1例は、回転子の速度により出力特性を3個の領域で近似しているので、これに対応した図7の流れ図では2回の速度判断s2、s4と3個の処理s3、s5、s6が必要であった。出力特性をn個の領域に分けて近似する場合には、(n−1)回の速度判定とn個の処理が必要となる。この場合の流れ図の作成は図7と同様であり、分割領域の増大に応じて判断・処理の工程を同様な要領で順次拡張すればよい。これは、当業者にとっては明白であるので、これ以上の説明は省略する。
【0036】
以上、d軸電流指令生成器9aで遂行されるd軸電流指令生成法として、低次関数で近似した出力特性に応じてd軸電流指令値を生成する方法を1例を用いて説明した。上に説明した出力特性を低次関数で近似する方法は、d軸電流指令生成器9aで遂行される指令電流生成法の1例に過ぎないことを指摘しておく。d軸電流指令生成器で遂行される電流指令生成法の中で、もっとも簡単な方法としては、つぎの(4)式に示したすべての速度範囲においてd軸電流を正の一定値に保持する方法があり、これも実験的に有用であることが確認されている。
【数4】
【0037】
また、出力特性を速度推定値に関して単調減少な単一の関数で表現することも可能であることを指摘しておく。このための有用な関数としては、次の(5)式のものがある。
【数5】
【0038】
図5の実施例においては、速度指令値としてゼロ速度が与えられ、回転子速度が実質的にゼロに制御された状態では、当然のことながら両信号の差である速度偏差は実質的にゼロとなる。回転子の速度は推定値を用いて制御されるので、必ずしも正確にゼロとはならないが、許容の誤差範囲内でゼロにすなわち実質的にゼロにすることは可能である。速度偏差が実質的にゼロ状態で、速度制御器10がP(比例)制御を実施している場合には、q軸電流指令値も実質的にゼロとなる。この場合には、電流ベクトルはd軸電流成分のみとなり、図3より明白なように、電流ベクトルと回転子N極の中心との空間的位相差は、実質的にゼロとなる。すなわち、電流ベクトルは単調増加にある位相差領域の中心に存在することになる。
【0039】
図8は、新指令変換器9の実施形態の別の1例として、図5の実施形態例と異なる例を示したものである。同図では、新指令生成器9と速度制御器10との関係を明示すべく、速度制御器10も併せ示している。新指令生成器9におけるd軸電流指令生成器9aは、図5の実施形態例と同様であり、図5に関して説明したように設計実現すればよい。図8と図5の実施形態例の大きな違いは、q軸電流指令生成器9bが更に手の込んだ構成になっている点にある。q軸電流指令生成器主部9baは、図5の実施形態例における9bと同一であり、トルク指令値に応じて比例関係でq軸電流指令値を生成している。これに対し、指令切替制御部9bbは、速度指令値と速度偏差を入力として受け取り、q軸電流指令値の選択切替えを制御している。すなわち、q軸電流指令値として、9baの出力かまたはゼロ信号かの選択を制御している。
【0040】
図9はq軸電流指令生成器9bのソフトフェアによる実現に資するべく、指令切替制御部9bbによる処理の内容と方法を流れ図で示したものである。すなわち、先ずs11で速度指令値がゼロか否かを判断し、真であればs12に進む。反対に偽であればs14に進み、q軸電流指令値のスイッチはq軸電流指令生成器主部9baの出力を選択するように切り替える。s12へ進んだ場合には、推定速度の絶対値が微少な正の許容値Deより小さいか否かを判断し、真の場合にはs13へ進み、q軸電流指令値のスイッチはゼロ選択側へ切り替える。偽の場合にはs14に進み、q軸電流指令値のスイッチはq軸電流指令生成器主部9baの出力を選択するように切り替える。
【0041】
図9の流れ図を用いた説明より明白なように、図8に示した新電流指令生成器を利用するならば、実質的速度ゼロの状態では、速度制御器がP(比例)制御、PI(比例積分)制御など採用した制御方法の如何に拘わらず、回転子N極の中心に対する電流ベクトルの空間的位相差が実質的にゼロ(rad)となるように電機子電流を制御することができる。すなわち、図8に示した新電流指令生成器を利用するならば、実質的速度ゼロの状態では、速度制御器に採用した制御方法の如何を問わず、電流ベクトルは単調増加特性の位相差領域の中心に存在するように制御することができる。
【0042】
以上、同期電動機の回転子速度を制御する速度制御の例を用いて、本発明を説明したが、当業者にとっては自明のように、本発明は、速度制御に限定されるものではなく、トルク制御にも利用可能であることを指摘しておく。例えば、トルク制御の場合には、新指令変換器9への入力であるトルク指令値は、速度制御における速度制御器の出力信号に代わって、直接トルク指令値を与えればよい。図10は図5に対応したトルク制御の場合の1例である。図10における新指令変換器9の働きは図5の場合と同様である。図10の例でも、トルク指令値がゼロの場合には、回転子N極の中心に対する電流ベクトルの空間的位相差が実質的にゼロ(rad)となるように電機子電流を制御することになる。すなわち、トルク指令値をゼロとすることにより、電流ベクトルは単調増加にある位相差領域の中心に存在するように制御することができる。
【0043】
図4の実施形態例における磁束位置速度推定器4は、図11と同様なdq座標系上の電流、電圧情報を用いているが、当業者にとってはこれまでの説明により容易に理解できるように、本発明は磁極位置速度推定器の内部構成如何に問わず利用可能である。例えば、固定座標系上の電流、電圧情報を用いて磁束位置や速度を推定する磁極位置速度推定器、あるいは検出誤差を伴い得る磁極位置検出器を用いたベクトル制御システムに利用可能である。
以上の実施形態例で利用した磁束位置速度推定器は、dq座標系のd軸位相を、永久磁石同期電動機の回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してゼロ位相差で決定し、d軸電流指令を正レベルとすることにより、N極の中心に対する電流ベクトルの空間的位相差の絶対値がπ/2(rad)未満になるように電機子電流を制御し、ひいては、回転子永久磁石N極の中心方向に対する電流ベクトルの空間的位相差と回転子発生トルクとの関係が単調増加にある位相差領域内に電流ベクトルが存在するように、電機子電流を制御するものであった。請求項1の発明によれば、電流ベクトルを単調増加位相差領域内に存在させるには、これ以外の制御方法によっても達成可能であることを指摘しておく。例えば、dq座標系のd軸位相を回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してある位相差(例えば、π/4(rad))で決定し、電流ベクトルの位相差領域内存在を達成できる。この場合には、dq座標系上での電流ベクトルは一定に制御してもよい(例えば、d軸電流は正一定、q軸電流はゼロ一定)。本発明は、このようなdq座標位相の決定および電機子電流の制御をも包含したものであることを指摘しておく。
【0044】
【発明の効果】
以上の説明より明白なように、本発明は以下の効果を奏する。特に、請求項1の本発明によれば、電流ベクトルが、回転子永久磁石N極の中心方向に対する電流ベクトルの空間的位相差と回転子発生トルクとの関係が単調増加にある位相差領域内に存在するように電機子電流を制御するので、外力により空間的位相差が不意に増大されかつこの空間的位相差の増大を正確に把握できなくとも、電動機の発生トルクは空間的位相差の増大に応じて単調増加特性により瞬時に増大し、ひいては不意の外力増大に抗することができるという作用が得られ、この作用の結果、本発明が目的とした駆動制御システムが容易に不安定化しない、換言するならば駆動制御システムに対しその安定性を高める新機能を付与できると言う効果が得られる。
【0045】
特に、請求項2の本発明によれば、dq座標系のd軸位相を永久磁石同期電動機の回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してゼロ位相差で決定し、この上で、電流制御工程における電流ベクトルのd軸成分制御のためのd軸電流指令値を正レベルとするので、回転子永久磁石N極の中心に対する電流ベクトルの空間的位相差の絶対値がπ/2(rad)未満になるような電機子電流制御を簡単に実施することができると言う作用が得られる。この結果、駆動制御システムが容易に不安定化しないようになると言う、すなわち駆動制御システムに対しその安定性を高める新機能の付与と言う本発明の目的を簡単に達成できるという効果が得られる。
【0046】
特に、請求項3の本発明によれば、dq座標系上の電流制御工程において、速度ゼロの状態では該電流ベクトルが単調増加にある位相差領域の中心に存在するように電機子電流を制御するので、速度ゼロの状態では外力の不意の瞬時増大に対し最も高い瞬時抗力を付与できると言う作用が得れる。この作用の結果、電圧信号のS/N比が最小となるゼロ速度の領域においても、本発明が目的とした、容易に不安定化しないすなわち安定性の機能が維持できると言う効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】あるdq座標系で定義された磁束ベクトルと電流ベクトルの回転子永久磁石N極の中心に対する空間的位相差関係の1例
【図2】空間的位相差に対する単調増加及び単調減少な発生トルク特性の1例
【図3】回転子永久磁石N極の中心に同期したdq座標系でd軸電流が正レベル値をとった場合の、磁束ベクトルと電流ベクトルの空間的位相差関係の例
【図4】1実施形態例におけるベクトル制御装置の基本構成を示すブロック図
【図5】1実施形態例における新指令変換器の概略構成を示すブロック図
【図6】1実施形態例におけるd軸電流指令生成器の出力特性の1例
【図7】1実施形態例におけるd軸電流指令生成器の出力特性実現のための信号処理流れ図
【図8】1実施形態例における新指令変換器の概略構成を示すブロック図
【図9】1実施形態例における指令切替制御部の動作を示す信号流れ図
【図10】1実施形態例における新指令変換器の概略構成を示すブロック図
【図11】従来のベクトル制御装置の概略構成を示すブロック図
【符号の説明】
1 永久磁石同期電動機
2 電流検出器
3 電力変換器
4 磁極位置速度推定器
5a 3相2相変換器
5b 2相3相変換器
6a ベクトル回転器
6b ベクトル回転器
7 電流制御器
8 (従来の)指令変換器
9 (本発明の)新指令変換器
9a d軸電流指令生成器
9b q軸電流指令生成器
9ba q軸電流指令生成器主部
9bb 指令切替制御部
10 速度制御器
Claims (2)
- 互いに直交するd軸とq軸で構成されるdq座標系上で電機子電流の全部または一部を電流ベクトルのd軸成分及びq軸成分として分割し制御する電流制御工程とdq座標系のd軸位相と回転子速度とを推定的に決定するdq座標位相速度決定工程とを有する永久磁石同期電動機の位置センサレスかつ相電圧センサレスなベクトル制御方法であって、
該dq座標位相速度決定工程において、該dq座標系のd軸位相を、永久磁石同期電動機の回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してある位相差で決定し、かつ、該電流制御工程において、該dq座標位相速度決定工程において推定的に決定された回転子速度推定値に従って、少なくとも低速度領域で回転子永久磁石N極の中心方向に対する該電流ベクトルの空間的位相差と回転子発生トルクとの関係が単調増加にある位相差領域内に該電流ベクトルが存在するように電機子電流を制御することを特徴とする永久磁石同期電動機のベクトル制御方法。 - 該dq座標系のd軸位相を、永久磁石同期電動機の回転子永久磁石N極の中心推定方向に対してゼロ位相差で決定し、該電流制御工程における該電流ベクトルのd軸成分制御のためのd軸電流指令値を正レベルとすることにより、該N極の中心に対する該電流ベクトルの空間的位相差の絶対値がπ/2(rad)未満になるように電機子電流を制御するようにしたことを特徴とする請求項1記載の永久磁石同期電動機のベクトル制御方法。
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