JP5741966B2 - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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    • H02P2209/13Different type of waveforms depending on the mode of operation

Description

本発明は、電流センサが検出した相電流検出値に基づいて交流電動機の通電を制御する交流電動機の制御装置に関する。
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請から車両の動力源として交流電動機を搭載した電気自動車やハイブリッド自動車が注目されている。例えば、ハイブリッド自動車においては、二次電池等からなる直流電源と交流電動機とを、インバータ等で構成された電力変換装置を介して接続し、直流電源の直流電圧をインバータで交流電圧に変換して交流電動機を駆動するようにしたものがある。
このようなハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される交流電動機の制御装置では、一般に、電流センサが検出した相電流検出値に基づいてフィードバック制御が行われる。例えば正弦波PWM制御モードでは、相電流検出値をdq変換したdq軸電流算出値が電流指令値に対してフィードバックされる。また、矩形波制御モードでは、dq軸電流算出値からトルク推定値を推定し、このトルク推定値がトルク指令値に対してフィードバックされる。
他方、電動機の制御技術に関してフーリエ変換を利用するものがある。例えば特許文献1に開示された技術は、トルクメータにより直接検出したトルク検出値、又は電流検出値に基づいて推定したトルク推定値をフーリエ変換して任意の次数成分を抽出し、その次数のフーリエ係数が0となるように学習制御することで、トルク脈動を低減することを目的としている。
特開2010−57218号公報
ところで、交流電動機の制御装置では、相電流に高次成分が重畳したり、相電流がオフセットしたりする場合がある。
相電流に高次成分が重畳すると、例えば電流フィードバック制御の結果による各相の指令デューティにも高次成分が重畳し、それに伴うインバータのスイッチングノイズ等の騒音成分にも高次成分が含まれるようになる。そのため、静粛性の面で好ましくない。特に過変調領域では、PWMパルスに高次成分が含まれるため、相電流に高次成分が重畳しやすく、騒音が大きくなるという課題がある。
また、相電流がオフセットすると、電気一次のトルク変動やパワー変動が生じる。車両に搭載される交流電動機の制御装置では、トルク変動は、車両を振動させるため好ましくない。パワー変動は、電源電流や電源電圧を変動させるため、部品保護上好ましくない。
なお、相電流オフセットとは、機器の立ち上げ時の相電流に基づいて学習した0[A]の基準に対し、電流振幅の中心値がオフセットすることをいう。この主要因は電流センサの出力信号を受信する回路の温度特性にあり、運転の継続に伴って徐々にオフセット量が大きくなる傾向にある。
さらに、3相交流電動機の矩形波制御モードでは、電気角1周期で各相が1回ずつオンオフし、計6回スイッチングするため、スイッチングに同期した6次成分が重畳する。この6次成分をローパスフィルタで除去しようとすると、電流ベクトルが過度にスムージングされ、認識に支障が生じるおそれがある。そこで、トルクフィードバックをローゲイン化せざるを得ず、トルク応答性が低下することとなる。
このような課題に対し、特許文献1の技術は、トルク検出値又はトルク推定値を対象としてフーリエ変換を適用しているにすぎず、専らトルク脈動の低減を目的とするものである。したがって、特許文献1の技術によって、高次成分による騒音を低減したり、相電流のオフセットによる弊害を防止したりすることはできない。
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、高次成分による騒音を低減し、相電流のオフセットによるトルク変動やパワー変動を抑制可能な交流電動機の制御装置を提供することにある。
本発明は、3相の交流電動機を駆動するインバータと、交流電動機の3相うち1相以上に流れる電流を所定のサンプルタイミング毎に検出する電流センサと、インバータを構成する複数のスイッチング素子のオン/オフを切り替えて交流電動機の通電を制御する制御手段とを備える交流電動機の制御装置に係る発明である。
制御手段は、電流センサが検出した2相以上の相電流検出値に基づいて、若しくは、1相の相電流検出値及び当該1相の相電流検出値から推定した他相の電流推定値に基づいてdq変換されたdq軸電流算出値をdq軸電流指令値に対してフィードバックし、又は、当該dq軸電流算出値に基づいて推定したトルク推定値をトルク指令値に対してフィードバックする。
また、制御手段は、相電流検出値を電気角の関数としてフーリエ級数展開した一次成分を抽出し、当該相の一次電流演算値を演算する一次電流演算部を有する。
この一次電流演算部は、電気角k周期(kは自然数)をN個(Nは自然数)に分割して設定した積算角において、当該積算角における相電流検出値に基づく算出値を当該電気角k周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算し、当該フーリエ係数を基に当該相の一次電流演算値を算出する。
制御手段は、算出された一次電流演算値をdq変換してdq軸電流算出値を算出して、dq軸電流指令値に対してフィードバックし、又は、当該dq軸電流算出値に基づいて推定したトルク推定値をトルク指令値に対してフィードバックすることを特徴とする。
2相以上に電流センサを備える構成では、制御手段の一次電流演算部は、2相以上の相電流検出値についてフーリエ級数展開した一次成分を抽出し、当該相の一次電流演算値を演算する。
1相のみに電流センサを備える構成では、制御手段の一次電流演算部は、1相の相電流検出値についてフーリエ級数展開した一次成分を抽出し、当該1相の一次電流演算値を演算する。また、制御手段は、当該1相の一次電流演算値に係るフーリエ係数を共通とし、当該1相の一次電流演算値に対し電気角を(1/3)周期ずらすことで、他相の一次電流推定値を推定する他相一次電流推定部をさらに有する。
一次電流演算部による演算処理について、電気角をθとし指令電圧ベクトルのq軸に対する位相差をφqとすると、位相角は(θ+φq)で表される。積算を実行する電気角k周期に位相差φqが変化する場合には、電気角k周期にてN個に分割された位相角(θ+φq)を積算角とすることが好ましい。
一方、位相差φqが0の場合、又は電気角k周期に位相差φqが変化しない場合には、位相角(θ+φq)における位相差φqを0とみなし、電気角k周期にてN個に分割された電気角θを積算角としてもよい。
これにより、相電流に高次成分が重畳したり、相電流がオフセットした場合でも、フーリエ級数展開によって抽出された相電流の一次成分に基づいてdq軸電流が算出される。したがって、高次成分を含まないdq軸電流算出値に基づいて電流フィードバック制御が実行されるため、その結果生成される各相の指令デューティには高次成分が重畳しない。よって、インバータのスイッチングノイズ等による騒音を低減することができる。特に過変調領域では、騒音低減の効果が顕著となる。
また、0次成分である直流成分を除去することで、相電流のオフセットを補正し、交流電動機のトルク変動やパワー変動を抑制することができる。
さらに、矩形波制御モードにおいて6次成分を除去するためにローパスフィルタを用いて電流ベクトルをスムージングしないので、ローゲイン化によるトルク応答性の低下の問題を回避することができる。
ここで、電流センサのサンプルタイミングが積算角に対応する積算タイミングに同期している場合と、非同期の場合とでは積算処理の仕方が異なる。
電流センサのサンプルタイミングが積算タイミングに同期している場合には、積算タイミング毎に相電流検出値を取得し、当該相電流検出値に基づく算出値を積算することができる。
一方、PWM制御において一定周期のPWM搬送波に同期したタイミングで電流をサンプルする場合等のように、電流センサのサンプルタイミングが積算タイミングに非同期の場合には、積算タイミングでの相電流検出値は直接には検出されない。そこで、積算タイミングの前後のサンプルタイミングの相電流検出値を線形補間することで、積算タイミングにおける相電流補間値を算出し、当該相電流補間値に基づく算出値を積算する。
ところで、相電流への高次成分の重畳や相電流のオフセットによる不具合は、特に高回転且つ高出力領域で問題となる。逆に言えば、低回転領域又は低出力領域では、比較的問題とはならない。むしろ、低回転領域ではフーリエ係数及び一次電流を演算するための電気角k周期が長くなり、フィードバック応答性の低下につながることから、相電流検出値のフーリエ級数展開を適用しない方が好ましい場合がある。
そこで、制御手段は、相電流検出値のフーリエ級数展開の一次成分として抽出された一次電流演算値若しくは当該一次電流演算値に基づく一次電流推定値をdq変換してdq軸電流算出値を算出する「フーリエ級数展開モード」、又は、相電流検出値若しくは当該相電流検出値に基づく電流推定値を直接dq変換してdq軸電流算出値を算出する「通常モード」を、交流電動機の回転数、及び、変調度もしくはトルク指令値に応じて切り替えるようにしてもよい。
本発明は、例えばハイブリッド自動車や電動自動車等の電動車両に搭載される交流電動機の制御装置として適用することができる。電動車両に搭載される交流電動機では、特に静粛性や快適性(ドライバビリティ)に対する要求が高いため、本発明の交流電動機の制御装置が適用されることで、騒音の防止やトルク変動、パワー変動の抑制の効果が顕著に発揮される。
本発明の第1〜第8実施形態による交流電動機の制御装置が適用される電動機駆動システムの構成を示す図である。 本発明の第1〜第8実施形態による交流電動機の制御装置の全体構成図である。 交流電動機の制御モードを概念的に説明する図である。 交流電動機の動作状態と制御モードとの対応関係を示す図である。 本発明の第1実施形態による交流電動機の制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。 dq軸座標での指令電圧ベクトルを説明する図である。 本発明の第1実施形態による一次電流演算のタイムチャートである。 本発明の第1実施形態による一次電流演算処理のフローチャートである。 本発明の第1実施形態によるフーリエ級数展開モードと通常モードとの切替を説明する状態遷移図である。 本発明の第1実施形態によるフーリエ級数展開モードと通常モードとの切替を説明する回転数−トルク領域図である。状態遷移図である。 本発明の第2実施形態による一次電流演算のタイムチャートである。 本発明の第3実施形態による一次電流演算のタイムチャートである。 本発明の第4実施形態による一次電流演算のタイムチャートである。 本発明の第5実施形態による交流電動機の制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の第5実施形態によるフーリエ級数展開モードと通常モードとの切替を説明する状態遷移図である。 本発明の第5実施形態によるフーリエ級数展開モードと通常モードとの切替を説明する回転数−トルク領域図である。 本発明の第6実施形態による交流電動機の制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。 矩形波制御モードの電流波形を説明する図である。 本発明の第7実施形態による交流電動機の制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。 本発明の第8実施形態による交流電動機の制御装置の制御部の構成を示すブロック図である。
以下、本発明による交流電動機の制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
最初に、複数の実施形態に共通の構成について、図1、図2を参照して説明する。この実施形態による「交流電動機の制御装置」としての電動機制御装置10は、ハイブリッド自動車を駆動する電動機駆動システムに適用される。
[交流電動機の制御装置の構成]
図1に示すように、電動機駆動システム1は、交流電動機2、直流電源8、及び電動機制御装置10等を備える。
交流電動機2は、例えば電動車両の駆動輪6を駆動するためのトルクを発生する電動機である。本実施形態の交流電動機2は、永久磁石式同期型の三相交流電動機である。
電動車両には、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池車等、電気エネルギによって駆動輪6を駆動する車両が含まれるものとする。本実施形態の電動車両は、エンジン3を備えたハイブリッド車両であり、交流電動機2は、駆動輪6を駆動するためのトルクを発生する電動機としての機能、及び、エンジン3や駆動輪6から伝わる車両の運動エネルギにより駆動されて発電可能な発電機としての機能を有する、所謂モータジェネレータ(図中、「MG」と記す。)である。
交流電動機2は、例えば変速機等のギア4を介して車軸5に接続される。これにより、交流電動機2の駆動力は、ギア4を介して車軸5を回転させることにより、駆動輪6を駆動する。
直流電源8は、例えばニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等、充放電可能な蓄電装置である。直流電源8は、電動機制御装置10のインバータ12(図2参照)と接続され、インバータ12を介して交流電動機2と電力の授受可能に構成されている
車両制御回路9は、マイクロコンピュータ等により構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらを接続するバスライン等を備えている。車両制御回路9は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理により、電動車両全体を制御する。
車両制御回路9は、いずれも図示しないアクセルセンサからのアクセル信号、ブレーキスイッチからのブレーキ信号、及び、シフトスイッチからのシフト信号等の各種センサやスイッチ等から信号を取得可能に構成されている。車両制御回路9は、取得されたこれらの信号等に基づいて車両の運転状態を検出し、運転状態に応じたトルク指令値trq*を電動機制御装置10に出力する。また、車両制御回路9は、エンジン3の運転を制御する図示しないエンジン制御回路に対し、指令信号を出力する。
図2に示すように、電動機制御装置10は、インバータ12、電流センサ17、(18)、及び「制御手段」としての制御部15を備える。
インバータ12には、直流電源電圧若しくは図示しない昇圧コンバータによる直流電源の昇圧電圧がシステム電圧VHとして入力される。インバータ12は、ブリッジ接続される図示しない6つのスイッチング素子を有する。スイッチング素子には、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、バイポーラトランジスタ等を用いることができる。
インバータ12を正弦波制御モード又は過変調制御モードで駆動する場合、代表的にはPWM信号に基づいてスイッチング素子のオン/オフが制御されることにより交流電動機2に3相交流電圧Vu、Vv、Vwが印加され、交流電動機2の駆動が制御される。或いは、矩形波制御モードで駆動する場合、電圧位相指令によって位相制御される。
電流センサ17、(18)は、制御に用いる電流を検出する制御用電流センサであり、異常監視専用の監視用電流センサを含まない。本発明の実施形態による電動機制御装置10の構成は、大きく、2相以上(2相又は3相)に電流センサを設けるパターンと、1相のみに電流センサを設けるパターンとに分かれる。そのような意味で、図2中、電流センサ18の符号を括弧書きするとともに、電流センサ18、及び、電流センサ18から制御部15に向かう矢印を破線で表示している。
電流センサを2相に設けるパターンの構成例では、電流センサ17、18は、インバータ12から交流電動機2へ接続されるV相、W相の2相の電力線にそれぞれ設けられ、相電流を検出する。電流センサ17、18によるV相、W相の電流検出値をIv_sns、Iw_snsと表す。
ここで、キルヒホッフの法則により3相の電流の和は常にゼロであるから、3相のうち2相の電流値がわかれば、残り1相(この場合U相)の電流値は計算で求められる。したがって、電流フィードバック制御におけるdq変換等の演算は、少なくとも2相の相電流検出値に基づいて可能である。
本実施形態では、V相及びW相の2相に電流センサ17、18を設けているが、他の実施形態では、U相とV相、又はU相とW相の2相に電流センサを設けてもよい。或いは、キルヒホッフの法則を用いず、3相に電流センサを設けてもよい。
電流センサを1相のみに設けるパターンの構成例では、電流センサ17は、インバータ12から交流電動機2へ接続されるV相の電力線に設けられ、V相電流を検出する。電流センサ17によるV相の電流検出値をIv_snsと表す。なお他の実施形態では、U相又はW相に電流センサを設けてもよい。電流センサを1相のみに設ける構成では、1相の相電流検出値、及び当該1相の相電流検出値から推定した他相の電流推定値に基づいてdq変換等の演算を行う。電流推定値について、詳しくは後述する。
回転角センサ14は、交流電動機2の図示しないロータ近傍に設けられ、電気角θを検出し、制御部15に出力する。また、回転角センサ14により検出された電気角θに基づき、交流電動機2の回転数Nrが算出される。本実施形態の回転角センサ14は、レゾルバであるが、その他の実施形態では、ロータリエンコーダ等、他種のセンサを用いてもよい。
制御部15は、マイクロコンピュータ等により構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。制御部15は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理により、交流電動機2の動作を制御する。
制御部15の詳細については、実施形態毎に後述する。
電動機制御装置10は、回転角センサ14が検出した電気角θに基づく交流電動機2の回転数Nr、及び、車両制御回路9からのトルク指令値trq*に応じて、交流電動機2を「電動機としての力行動作」により電力を消費し、又は「発電機としての回生動作」により電力を生成する。具体的には、回転数N及びトルク指令値trq*の正負によって、以下の4つのパターンで動作を切り替える。
<1.正転力行> 回転数Nが正でトルク指令値trq*が正のとき、電力消費。
<2.正転回生> 回転数Nが正でトルク指令値trq*が負のとき、発電。
<3.逆転力行> 回転数Nが負でトルク指令値trq*が負のとき、電力消費。
<4.逆転回生> 回転数Nが負でトルク指令値trq*が正のとき、発電。
回転数Nr>0(正転)で、トルク指令値trq*>0である場合、または、回転数Nr<0(逆転)でトルク指令値trq*<0である場合、インバータ12は、スイッチング素子のスイッチング動作により、直流電源8側から供給される直流電力を交流電力に変換してトルクを出力する(力行動作する)ように、交流電動機2を駆動する。
一方、回転数Nr>0(正転)で、トルク指令値trq*<0である場合、または、回転数Nr<0(逆転)でトルク指令値trq*>0である場合、インバータ12は、スイッチング素子のスイッチング動作により、交流電動機2が発電した交流電力を直流電力に変換し、直流電源8側へ供給することにより、回生動作する。
ここで、電動機制御装置10による交流電動機2の制御モードについて、図3を参照して説明する。電動機制御装置10は、インバータ12における電力変換について、変調度mに応じて3つの制御モードを選択する。ここで、変調度mとは、インバータ12に入力されるシステム電圧VH、及びdq軸平面上での電圧ベクトルの大きさVrに基づき、式(1)により定義される。なお、式(1)中の(Vr/VH)は電圧利用率である。
Figure 0005741966
変調度mが0〜1.27未満のとき、正弦波PWM制御モード及び過変調PWM制御モードが用いられる。
正弦波PWM制御モードは、各相の上下アームのスイッチング素子のオン/オフを、正弦波状の電圧指令と、三角波に代表される搬送波との電圧比較に従って制御する。この結果、上アームのスイッチング素子のオン期間に対応するハイレベル期間と、下アームのスイッチング素子のオン期間に対応するローレベル期間との集合について、一定期間内でその基本波成分が正弦波となるようにデューティが制御される。
正弦波PWM制御モードでは、正弦波状の電圧指令の振幅が搬送波振幅以下の範囲に制限される。そのため、正弦波PWM制御モードでは、交流電動機2に印加される線間電圧が正弦波となる。
過変調PWM制御モードは、電圧指令の正弦波成分の振幅が搬送波振幅より大きい範囲で、正弦波PWM制御モードと同様のPWM制御を行なうものである。特に、電圧指令を本来の正弦波波形から歪ませる「電圧振幅補正」によって基本波成分を更に高めることができる。過変調PWM制御モードでは、電圧指令の正弦波成分の振幅が搬送波振幅より大きいため、交流電動機2に印加される線間電圧は、正弦波ではなく歪んだ電圧となる。
正弦波PWM制御モード及び過変調PWM制御モードでは、出力電流のフィードバックによって交流電動機2に印加される交流電圧の振幅及び位相を制御する「電流フィードバック制御」が実行される。
一方、矩形波制御モードは、上記一定期間内でハイレベル期間及びローレベル期間の比が1:1の矩形波1パルス分を交流電動機2に印加するものであり、変調度mは1.27となる。
矩形波制御モードでは、交流電動機2への印加電圧の振幅が固定されるため、トルク推定値とトルク指令値との偏差に基づく矩形波電圧パルスの位相制御によって「トルクフィードバック制御」が実行される。
図4には、交流電動機2の動作状態と上述の制御モードとの対応関係を示す。
交流電動機2では、回転数や出力トルクが増加すると誘起電圧が高くなるため、モータ駆動に必要なモータ必要電圧が高くなる。そこで、昇圧コンバータによって昇圧されインバータ12に入力されるシステム電圧VHをモータ必要電圧よりも高く設定する必要がある。そして、好ましくはシステム電圧VHの最大値において、制御モードを正弦波PWM制御モードから過変調PWM制御モードに、さらに過変調PWM制御モードから矩形波制御モードに切替えることで、変調度を向上させる。
図4に概略的に示すように、低回転数域Iではトルク変動を小さくするために正弦波PWM制御モードが用いられ、中回転数域IIでは過変調PWM制御モードが用いられ、高回転数域IIIでは矩形波制御モードが適用される。特に、矩形波制御モードを適用することにより、交流電動機2の出力が向上する。
本発明では過変調PWM制御モードに特有の特徴はないため、以下の説明では、過変調PWM制御モードについての言及を省略する。
[制御部の構成と作用効果]
以下、制御部15の構成及び作用効果を実施形態毎に説明する。第1〜第6実施形態は、「電流センサを2相に設ける構成」に該当し、第7、第8実施形態は、「電流センサを1相のみに設ける構成」に該当する。以下の実施形態の制御ブロック図等の説明では、第1実施形態と実質的に同一の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
まず、電流センサを2相に設ける第1〜第6実施形態において、第1〜第4実施形態の制御部151(図5)、及び第5実施形態の制御部152(図14)は、電流フィードバック制御方式に対応し、第6実施形態の制御部153(図17)は、トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードに対応する。
(第1実施形態)
電流フィードバック制御方式に対応する制御部151の構成について、全体の制御ブロック図である図5、及び、rφ変換部27の詳細図である図6を参照して説明する。
電流指令演算部2は、車両制御回路9から取得したトルク指令値trq*に基づき、交流電動機2の回転座標系(dq座標系)におけるd軸電流指令Id*、及びq軸電流指令Iq*を演算する。以下、「d軸電流及びq軸電流」を「dq軸電流」のように表す。
本実施形態では、予め記憶されているマップを参照することでdq軸電流指令Id*、Iq*を演算するが、他の実施形態では、数式等から演算するように構成してもよい。

d軸電流減算器221は、3相2相変換部45からフィードバックされたd軸電流算出値Idとd軸電流指令値Id*との差であるd軸電流偏差ΔIdを算出する。
q軸電流減算器222は、3相2相変換部45からフィードバックされたq軸電流算出値Iqとq軸電流指令値Iq*との差であるq軸電流偏差ΔIqを算出する。
d軸PI演算部231は、d軸電流偏差ΔIdが0に収束するように、d軸電圧指令のフィードバック項Vd_fbをPI演算により算出する。
q軸PI演算部232は、q軸電流偏差ΔIqが0に収束するように、q軸電圧指令のフィードバック項Vq_fbをPI演算により算出する。
一方、フィードフォワード項演算部24で演算されたdq軸電圧指令のフィードフォワード項Vd_ff、Vq_ffがフィードバック項Vd_fb、Vq_fbに加算され、dq軸電圧指令Vd*、Vq*が算出される。
2相3相変換部25は、回転角センサ14から取得した電気角θに基づき、dq軸電圧指令Vd*、Vq*を3相電圧指令Vu*、Vv*、Vw*に変換する。
電圧デューティ変換部26は、電気角θ、rφ変換部27が算出した位相差φq、及び乗算器28から得られた変調度mに基づき、式(2.1)〜(2.3)により、各相の電圧指令Vu*、Vv*、Vw*を指令デューティDu、Dv、Dwに変換する。
Du=0.5+0.5×m・cos(θ+φq+90°) ・・・(2.1)
Dv=0.5+0.5×m・cos(θ+φq−30°) ・・・(2.2)
Dw=0.5+0.5×m・cos(θ+φq+210°) ・・・(2.3)
一方、図6に示すように、rφ変換部27は、dq軸電圧指令Vd*、Vq*をdq座標平面上で「大きさVrで、q軸を基準とする位相差φq」の指令電圧ベクトルに変換する。ここで位相差φqは、q軸から反時計回り方向を正と定義する。
乗算器28は、システム電圧VH、及び、rφ変換部27が算出した電圧ベクトルの大きさVrに基づき、上記式(1)によりインバータ12の変調度mを算出する。
PWM信号生成部29は、指令デューティDu、Dv、Dwに基づき、インバータ12のスイッチング素子のオン/オフの切替えに係るPWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを算出する。そして、PWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに基づいてインバータ12のスイッチング素子のオン/オフが制御されることより、3相交流電圧Vu、Vv、Vwが生成される。この3相交流電圧Vu、Vv、Vwが交流電動機2に印加されることにより、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるように、交流電動機2の駆動が制御される。
次に、フィードバック系の構成について、先に3相2相変換部45を説明する。
3相2相変換部45は、回転角センサ14から取得される電気角θに基づき、入力された2相の「相電流を反映した電流値」をdq電流算出値Id、Iqにdq変換する。この「相電流を反映した電流値」とは、後述するように、一次電流値又は相電流検出値のいずれかである。ここでは2相の電流値に基づくdq変換について説明する。まず、dq変換の一般式を以下の式(3.1)に示す。
Figure 0005741966
これに対し、V相及びW相の電流値Iv、Iwからdq変換する場合には、キルヒホッフの法則より「Iu=−Iv−Iw」を式(3.1)に代入すると、式(3.2)が得られる。
Figure 0005741966
続いて、本実施形態の特徴である一次電流演算部411、412の構成について説明する。電流センサ17、18で検出される相電流検出値Iv_sns、Iw_snsは、高次成分が重畳したり、機器の立ち上げ時から電流振幅の中心値がオフセットしたりする場合がある。
高次成分が重畳した相電流検出値をdq変換したdq軸電流算出値Id、Iqがフィードバックされると、電流フィードバック制御の結果得られる各相の指令デューティDu、Dv、Dwにも高次成分が重畳し、それに伴うインバータ12のスイッチングノイズ等の騒音成分にも高次成分が含まれるようになる。そのため、静粛性の面で好ましくない。特に過変調領域では、PWMパルスに高次成分が含まれるため、相電流検出値に高次成分が重畳しやすく、騒音が大きくなるという課題がある。
また、相電流がオフセットすると、電気一次のトルク変動やパワー変動が生じる。本実施形態のように車両に搭載される電動機制御装置10では、トルク変動は、車両を振動させるため好ましくない。また、パワー変動は、電源電流や電源電圧を変動させるため、部品保護上好ましくない。
なお、相電流オフセットの主要因は電流センサ17、18の出力信号を受信する回路の温度特性にあり、運転の継続に伴って徐々にオフセット量が大きくなる傾向にある。
そこで、一次電流演算部411、412は、電流検出値Iv_sns、Iw_snsをフーリエ級数展開した一次成分である一次電流Iv1s、Iw1sを抽出し、3相2相変換部45に出力する。
以下、一次電流演算部411、412によるV相一次電流演算値Iv1s及びW相一次電流演算値Iw1sの演算処理について説明する。V相とW相との演算処理は同様であるので、電流センサ17及び一次電流演算部411が関与するV相について説明し、電流センサ18及び一次電流演算部412が関与するW相についての説明を省略する。
まず、フーリエ級数展開の一般式を式(4.1)〜(4.3)に示す。なお、式(4.1)〜(4.3)中の文字「k」、「n」は、これらの式だけで独立して用いるものとし、他の箇所で用いる「k」、「n」とは異なるものとする。
Figure 0005741966
f(θ)は、θを変数とする周期2πの周期関数であって、三角関数の和で示される。また、cos関数のn次のフーリエ係数an、及びsin関数のn次のフーリエ係数bnは、「f(θ)cos(nθ)」及び「f(θ)sin(nθ)」の、区間−πからπまでの積分をπで除して求められる。
ここで、f(θ)に「電気角θの関数としてのV相電流Iv」を当てはめる。式(4.1)において0次成分である(a0/2)は、電流0[A]に対する電流振幅の中心値のオフセット量に相当する。そして、0次成分、及び二次以上の高次成分を除き、一次成分のみを抽出すると、式(5.1)〜(5.3)のようになる。
Figure 0005741966
これより、式(5.2)、(5.3)で一次フーリエ係数a1、b1を算出し、式(5.1)に代入すれば、電気角θにおけるV相一次電流演算値Iv1sが算出される。そして、式(5.2)、(5.3)の積分計算を有限個の検出値に基づく積算、すなわちΣ計算に置き換える。本実施形態では積算区間を電気角0〜360[°]の電気角1周期とし、1周期をN分割して、積算を実行するN個の「積算角」を設定する。分割された電気角θを積算角とする場合、n(nは、1からNまでの自然数)番目の積算角をθ[n]と示す。
以下、文字「n」は、電気角1周期にN個設定された積算角のn番目の意味で用いる。また、時間軸上で積算角θ[n]に対応する時点を「積算タイミングt[n]」という。
以下、積算角の設定に関して、この第1実施形態を含めた複数の実施形態を説明する。先に概略を述べると、各実施形態は、次の条件(A)、(B)、(C)によって区分される。詳しい内容は、各実施形態において説明する。
(A)分割された電気角θを積算角θ[n]とするか、分割された位相角(θ+φq)を積算角(θ+φq)[n]とするか
(B)連続する積算角の間隔は不定であるか、一定であるか、言い換えれば、電気角1周期の分割において不等分割の場合を含むか、等分割に限定するか
(C)電流センサ17のサンプルタイミングは、積算タイミングと同期するか、非同期であるか
第1実施形態では、(A)分割された電気角θを積算角θ[n]とし、(B)連続する積算角の間隔は不定であり、(C)電流センサ17のサンプルタイミングが積算タイミングと同期する例について、図7、図8を参照して説明する。条件(A)に関して、指令電圧ベクトル(図6参照)にてd軸電圧指令Vd*が0の場合、又は積算を実行する電気角1周期に位相差φqが変化しない場合には、位相角(θ+φq)における位相差φqを0とみなし、分割された電気角θを積算角θ[n]とすることができる。
図7のタイムチャートは、上側に「時間−角度特性図」、下側に「時間−電流特性図」を示す。本実施形態では、「時間−角度特性図」の縦軸は電気角θである。電気角θは、0〜360[°]の範囲で時間に比例して直線的に増加し、360[°]に達すると同時に0[°]に戻る鋸波形を呈する。縦軸には、(n−1)番目、n番目、(n+1)番目の積算角θ[n−1]、θ[n]、θ[n+1]を示している。
ここで、積算角θ[n−1]と積算角θ[n]との角度差Δn、及び、積算角θ[n]と積算角θ[n+1]との角度差Δn+1は等しくない。これに対応して、積算タイミングt[n−1]、t[n]、t[n+1]の間隔も不等間隔となっている。
「時間−電流特性図」は、積算角θ[n−1]、θ[n]、θ[n+1]にそれぞれ対応するV相電流Iv(θ[n−1])、Iv(θ[n])、Iv(θ[n+1])を示す。
電流センサ17のサンプルタイミングは積算タイミングと同期するため、電流センサ17によりサンプルされたV相電流検出値Iv_snsが積算タイミング毎に一次電流演算部411に入力される。一次電流演算部411は、積算角θ[0]から積算角θ[N]までの電気角1周期にわたって、V相電流Iv(θ)及び電気角θに基づき、式(6.1)〜(6.3)を用いて、V相一次電流演算値Iv1sを演算する。
式(6.2)中の「Iv(θ[n])・cos(θ[n])・(θ[n]−θ[n−1])」、及び「Iv(θ[n])・sin(θ[n])・(θ[n]−θ[n−1])」は、特許請求の範囲に記載の「相電流検出値に基づく算出値」に相当する。
Figure 0005741966
次に、式(6.1)〜(6.3)を具体的に実行する一次電流演算処理のルーチンについて、図8のフローチャートを参照して説明する。以下のフローチャートの説明で、記号「S」はステップを意味する。ここで、式(6.2)のΣ以下を「Σ(A1)[N]」、式(6.3)のΣ以下を「Σ(B1)[N]」とおき、πをdeg単位の180[°]で表した形の式(6.2’)、(6.3’)を用いる。
1=Σ(A1)[N]/180° ・・・(6.2’)
1=Σ(B1)[N]/180° ・・・(6.3’)
S11では、nの値を前回の処理のnの値から1増やす。S12及びS13では、nがNを超えたときn=1としてS14に進み、nがN以下のときそのままS14に進む。
S14では、電気角θが「積算角θ[n]をまたいだ」か否か、言い換えれば、時間軸上で積算タイミングt[n]に達したか否か判断する。電気角θが積算角θ[n]をまたいだとき(S14:YES)、S15に移行する。
S15では、V相電流検出値Iv_snsをV相電流Iv(θ[n])とする。
S16では、k番目の積算角θ[k]における、V相電流Iv(θ[k])、cos成分cos(θ[k])」、積算角の差(θ[k]−θ[k−1])の3つの積を、k=1からNまでについて積算し、Σ(A1)[N]を算出する。同様に、k番目の積算角θ[k]における、V相電流Iv(θ[k])、sin成分sin(θ[k])、積算角の差(θ[k]−θ[k−1])の3つの積を、k=1からNまでについて積算し、Σ(B1)[N]を算出する。
こうして、Σ(A1)[N]及びΣ(B1)[N]を算出したら、S17にて、式(6.2’)、(6.3’)により、フーリエ係数a1、b1を算出し、次にS18にて、式(6.1)により、V相一次電流演算値Iv1s(θ[n])を算出する。
ここで、交流電動機2の駆動中の電気角1周期は、その前の電気角1周期と連続しているため、積算角θ[n]での積算を実行する度に、前の周期の(n+1)番目から今の周期のn番目まで計N回の累積値Σ(A1)[N]、Σ(B1)[N]が得られることとなる。したがって、S14でYESと判断される度に、続けてS15〜S18が実行される。
以上で、一次電流演算部411によるV相一次電流演算処理のルーチンを終了する。
同様に、一次電流演算部412によりW相一次電流演算処理が実行される。
このように、一次電流演算部411、412が相電流検出値Iv_sns、Iw_snsをフーリエ級数展開し、一次成分である一次電流Iv1s、Iw1sを抽出するため、二次以上の高次成分、及び0次の直流成分はフィードバックされない。よって、これらの高次成分や0次成分に起因する不具合を防止することができる。
ところで、相電流への高次成分の重畳や相電流のオフセットによる不具合は、特に高回転且つ高出力領域で問題となる。逆に言えば、低回転領域又は低出力領域では、比較的問題とはならない。むしろ、低回転領域ではフーリエ係数及び一次電流を演算するための電気角1周期が長くなり、フィードバック応答性の低下につながることから、相電流検出値のフーリエ級数展開を適用しない方が好ましい場合がある。
そこで、本実施形態の制御部151は、さらに、電流切替部421、422、回転数算出部43、及び「電流選択手段」としての電流選択部44を有している(図5参照)。
電流切替部421、422は、V相、W相の各相について、電流選択部44の指令に基づき、一次電流演算部411、412による一次電流演算値Iv1s、Iw1s、又は、一次電流演算部411、412を経由しない相電流検出値Iv_sns、Iw_snsを「3相2相変換部45へ出力する電流値」として切り替える。
電流切替部421、422が一次電流演算値Iv1s、Iw1s側に切り替わったときフーリエ級数展開モードとなり、電流切替部421、422が相電流検出値Iv_sns、Iw_sns側に切り替わったとき通常モードとなる。
電流選択部44には、交流電動機2の極対数と電気角θとに基づき回転数算出部43にて算出された回転数Nr、及び、乗算器28で算出された変調度mが入力される。
図9の状態遷移図、及び、図10の回転数−トルク領域図に示すように、電流選択部44は、「回転数Nrが上側回転数閾値Nrth_hiを上回り、且つ、変調度mが上側変調度閾値mth_hiを上回ったとき」、通常モードからフーリエ級数展開モードへ切り替える。また、電流選択部44は、「回転数Nrが下側回転数閾値Nrth_loを下回り、又は、変調度mが下側変調度閾値mth_loを下回ったとき」、フーリエ級数展開モードから通常モードへ切り替える。
以上の構成による電動機制御装置10の作用効果について説明する。
(1)一次電流演算部411、412は、電流センサ17、18が検出したV相及びW相の電流検出値Iv_sns、Iw_snsをフーリエ級数展開し、一次成分である一次電流Iv1s、Iw1sを抽出して3相2相変換部45に出力する。3相2相変換部45にて一次電流演算値Iv1s、Iw1sをdq変換して得られたdq軸電流算出値Id、Iqがフィードバックされるため、フィードバック制御の結果生成される各相の指令デューティDu、Dv、Dwに高次成分が重畳しない。よって、インバータ12のスイッチングノイズ等による騒音を低減することができる。特に過変調領域では、騒音低減の効果が顕著となる。また、0次成分である直流成分を除去することで、相電流のオフセットを補正し、交流電動機2のトルク変動やパワー変動を抑制することができる。
特にハイブリッド自動車や電動自動車等の電動車両に搭載される交流電動機2では、静粛性や快適性(ドライバビリティ)に対する要求が高いため、騒音の防止やトルク変動、パワー変動の抑制の効果が顕著に発揮される。
(2)電流選択部44は、交流電動機2の回転数Nr及び変調度mに応じて、フーリエ級数展開モードと通常モードとを切り替える。これにより、上記(1)の効果が有効な領域に限って、相電流検出値のフーリエ級数展開を適用することができる。一方、電気角1周期が長くなる低回転領域では、フーリエ級数展開を適用しないことにより、フィードバック応答性の低下を防止することができる。
(3)本実施形態では、分割された電気角θを積算角θ[n]とし、電流センサ17、18のサンプルタイミングは積算角θ[n]に対応する積算タイミングと同期している。これにより、一次電流演算部411、412による積算期間を電気角1周期に一致させることができるため、演算誤差を小さくすることができる。
続いて、本発明の第2〜第4実施形態について、図11〜図13のタイムチャートを参照して説明する。第2〜第4実施形態は、第1実施形態に対し、上述の条件(A)、(B)、(C)のいずれかが異なり、それに応じて、V相一次電流演算値Iv1s(θ[n])、及び一次フーリエ係数a1、b1の算出式が異なる。
(第2実施形態)
図11に示す第2実施形態は、第1実施形態に対し条件(B)が異なり、連続する積算角の間隔を一定としている。言い換えれば、積算角θ[n]は電気角1周期をN等分割して設定される。連続する積算角の間隔は、Δ=360[°]/Nで一定となる。
図11に示すように、積算角θ[n−1]と積算角θ[n]との角度差Δ、及び、積算角θ[n]と積算角θ[n+1]との角度差Δは等しい。これに対応して、積算タイミングt[n−1]、t[n]、t[n+1]の間隔も等間隔となっている。
この例は、第1実施形態のうち特別な場合と位置づけられるため、式(6.1)〜(6.3)をそのまま適用してもよい。しかし、「θ[n]=nΔ」と置き換えた簡単な算出式(7.1)〜(7.3)で代用することができ、演算負荷を低減することができる。
Figure 0005741966
参考までに具体的な数値例を挙げて説明する。例えば分割数Nを24とすると、積算角の間隔Δは(360/24=)15[°]となる。交流電動機2の極対数が4つで回転数1500[rpm]の場合、電気周波数は(1500×4/60=)100[Hz]であり、電気角θの1周期は10[ms]となる。したがって、積算タイミングの周期は、(10×1000/24≒)約400[μs]である。また、回転数600[rpm]の場合には積算タイミングの周期は約1[ms]となり、回転数6000[rpm]の場合には積算タイミングの周期は約100[μs]となる。
このように、分割数Nを固定した場合、回転数Nrに応じて積算タイミングの周期が変動する。そこで、積算の精度を適正に確保できるよう、交流電動機2の回転数Nr、又は電気周波数によって、分割数Nを変更してもよい。具体的には、回転数Nr又は電気周波数が高くなるほど分割数Nを少なくし、回転数又は電気周波数が低くなるほど分割数Nを多くするとよい。
(第3実施形態)
図12に示す第3実施形態は、第1実施形態に対し条件(A)が異なり、分割された位相角(θ+φq)を積算角(θ+φq)[n]とする。指令電圧ベクトル(図6参照)にてd軸電圧Vd*が0でなく、積算を実行する電気角1周期に位相差φqが変化する場合には、分割された位相角(θ+φq)を積算角(θ+φq)[n]として設定する。
第3実施形態のうち、位相角(θ+φq)における位相差φqを0とみなす特別な形態が上記第1実施形態に相当する。
条件(C)については、電流センサ17のサンプルタイミングは、積算角(θ+φq)[n]に対応する積算タイミングと同期する。また、図12の「時間−角度特性図」の縦軸は位相角(θ+φq)であり、図7の「時間−角度特性図」に対し位相差φqだけオフセットした鋸波形で示される。ここで、図12では位相差φqを略一定に図示しているが、位相差φqは経時的に変化してもよい。
本実施形態では、第1実施形態の式(6.1)〜(6.3)に対し、電気角θを位相角(θ+φq)に置き換えた式(8.1)〜(8.3)を用いる。
Figure 0005741966
なお、条件(B)について、連続する積算角の間隔を一定とする場合には、第2実施形態を参照し、式(8.1)〜(8.3)にて「(θ+φq)[n]=nΔ+φq」と置き換えればよい。なお図12には、積算角として(θ+φq)[n−1]、(θ+φq)[n]の2点のみを示しており、例えば、次の(θ+φq)[n+1]が等間隔に現れるかどうかは特定していない。
第3実施形態では、分割された位相角(θ+φq)を積算角(θ+φq)[n]とし、電流センサ17、18のサンプルタイミングは、積算角(θ+φq)[n]に対応する積算タイミングと同期している。この場合も、一次電流演算部411、412による積算期間を電気角1周期に一致させることができるため、演算誤差を小さくすることができる。
(第4実施形態)
図13に示す第4実施形態は、電流フィードバック制御方式のPWM制御モード等に適用され、分割された位相角(θ+φq)を積算角(θ+φq)[n]とする第3実施形態に対し、条件(C)が異なる。
一般にPWM制御モードでは、一定周期のPWM搬送波に同期したタイミングで電流をサンプルし、制御演算する。例えば図13に示すように、搬送波としての三角波の山、谷のタイミングをサンプルタイミングとした場合、サンプルタイミングはデューティ位相角(θ+φq)に同期しない。したがって、電流センサ17のサンプルタイミングは、デューティ位相角(θ+φq)を分割して設定した積算タイミングと非同期となる。
なお、PWM制御モードにおいても、デューティ位相角(θ+φq)に同期して電流をサンプルすることは可能である。
サンプルタイミングと積算タイミングとが非同期の場合、積算タイミングt[n−1]でのV相電流値Iv((θ+φq)[n−1])は直接には検出されない。そこで、積算タイミングt[n−1]の直前に現れる、デューティ位相角αに対応するサンプルタイミングt(α)、及び、積算タイミングt[n−1]の直後に現れる、デューティ位相角βに対応するサンプルタイミングt(β)に注目する。そして、サンプルタイミングt(α)で検出されたV相電流値Iv(α)とサンプルタイミングt(β)で検出されたV相電流値Iv(β)とを線形補間することで、積算角(θ+φq)[n−1]でのV相電流補間値Iv((θ+φq)[n−1])を推定する。この処理を「前後線形補間処理」という。
図13のV相電流補間値Iv((θ+φq)[n−1])は、式(9)で算出される。
Figure 0005741966
この前後線形補間処理により、サンプルタイミングと積算タイミングとが非同期の場合であっても、積算タイミングにおける適正な電流補間値を取得することができる。また、積算タイミングの前後のタイミングの値に基づき「内挿」するため、外挿の場合に比べ、補間値の精度が向上する。
(第5実施形態)
次に、本発明の第5実施形態の電動機制御装置について図14〜図16を参照して説明する。図14に示すように、第5実施形態の制御部152は、第1実施形態に対し、変調度mに代えてトルク指令値trq*が電流選択部44に入力される点が異なる。これにより、電流選択部44は、回転数Nr及びトルク指令値trq*に応じて、フーリエ級数展開モードと通常モードとを切り替える。
具体的には、図9、図10に代えて、図15の状態遷移図、及び、図16の回転数−トルク領域図を採用する。電流選択部44は、「回転数Nrが上側回転数閾値Nrth_hiを上回り、且つ、トルク指令値trq*が上側トルク閾値trqth_hiを上回ったとき」、通常モードからフーリエ級数展開モードへ切り替える。また、電流選択部44は、「回転数Nrが下側回転数閾値Nrth_loを下回り、又は、トルク指令値trq*が下側トルク閾値trqth_loを下回ったとき」、フーリエ級数展開モードから通常モードへ切り替える。このようにしても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態の電動機制御装置について図17、図18を参照して説明する。
第1〜第5実施形態の制御部151、152が電流フィードバック制御方式によりインバータ12を駆動するのに対し、図17に示す第6実施形態の制御部153は、トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードでインバータ12を駆動する。
図3、図4を参照して上述したように、矩形波制御モードは、高回転、高トルクが要求される領域で有効に利用することができ、電流指令値Id*、Iq*を用いず、電圧位相指令φqに基づいて矩形波を生成するモードである。
図18に示すように、矩形波制御モードにおける各相の電圧波形は、オフ状態である0[V]と、オン状態であるシステム電圧VHとを位相180[°]毎に交替する波形である。3相の電圧波形の位相は、互いに120[°]ずれており、インバータ12のいずれかの相のスイッチング素子が電気角60[°]毎にオン/オフすることにより、電圧波形のオン/オフが切替わる。
このスイッチング素子のオン/オフタイミングを「スイッチタイミング」という。連続するスイッチタイミング同士の電気角の差は60[°]である。また、本実施形態では、連続するスイッチタイミングの間に、スイッチタイミングとの電気角の差が30[°]となる1回の「中間タイミング」を設定する。ただし、他の実施形態では、連続するスイッチタイミングの間に2回以上の中間タイミングを設定してもよく、或いは、中間タイミングを設定しなくてもよい。
トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードに対応する制御部153について、特に電流フィードバック制御方式の制御部151(図5参照)と相異する点を説明する。制御部153は、トルク減算器32、PI演算部33、矩形波発生器35、信号発生器36、トルク推定部46を有する。
トルク減算器32は、トルク推定部46からフィードバックされるトルク推定値trq_estとトルク指令値trq*との差であるトルク偏差Δtrqを算出する。
PI演算部33は、トルク推定値trq_estをトルク指令値trq*に追従させるべく、トルク偏差Δtrqが0に収束するように、電圧位相指令φqをPI演算により算出する。
矩形波発生器35は、電圧位相指令φqと電気角θとに基づいて矩形波を発生し、U相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*、及びW相電圧指令Vw*を出力する。
信号発生器36は、U相電圧指令Vu*、V相電圧指令Vv*、及びW相電圧指令Vw*に基づき、インバータ12のスイッチング素子のオン/オフの切替えに係る電圧指令信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを生成し、インバータ12に出力する。
電圧信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに基づいてインバータ12のスイッチング素子のオン/オフが制御されることより、3相交流電圧Vu、Vv、Vwが生成され、この3相交流電圧Vu、Vv、Vwが交流電動機2に印加されることにより、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるように、交流電動機2の駆動が制御される。
矩形波制御モードでは、dq軸電圧指令Vd*、Vq*からrφ変換によってVrを演算するのではなく、固定したVr値として「{(√6)/π}VH」が乗算器28に入力される。乗算器28は、式(10)により、矩形波制御モードの変調度mを算出する。このように、矩形波制御モードの変調度mは定数である。
Figure 0005741966
電流センサ17、18が検出したV相、W相の電流検出値Iv_sns、Iw_snsをそれぞれ一次電流演算部411、412でフーリエ級数展開し、一次電流Iv1s、Iw1sを抽出する点、3相2相変換部45で一次電流演算値Iv1s、Iw1sと電気角θとに基づいてdq軸電流算出値Id、Iqを算出する点は、電流フィードバック制御方式の制御部151と同様である。
トルク推定部46は、dq軸電流算出値Id、Iqに基づいて、トルク推定値trq_estをマップ又は数式等により推定し、トルク減算器32にフィードバックする。
本実施形態では、図18に示す各スイッチタイミング及び中間タイミングを電流センサ17、18によるサンプルタイミングとする。そのため、サンプルタイミングは電気角θに同期し、電気角1周期に12回現れる。したがって、一次電流演算部411、412の積算処理は、(θ+φq)[n]を積算角として上記第3実施形態の方式で実行される。
また、電流選択部44が回転数Nr及び変調度mに応じて、フーリエ級数展開モードと通常モードとを切り替える点についても、電流フィードバック制御方式の制御部151と同様である。ただし、矩形波制御モードでは変調度mは1.27で一定であるため、実質的には回転数Nrにのみ依存することとなる。
ここで、電流選択部44は、上記第5実施形態に準じ、回転数Nr及びトルク指令値trq*に応じて、フーリエ級数展開モードと通常モードとを切り替えてもよい。
矩形波制御モードが適用される第6実施形態では、第1実施形態の効果に加え、下記の効果を奏する。
3相交流電動機の矩形波制御モードでは、電気角1周期で各相が1回ずつオンオフし、計6回スイッチングするため、スイッチングに同期した6次成分が重畳する。この6次成分をローパスフィルタで除去しようとすると、電流ベクトルが過度にスムージングされ、認識に支障が生じるおそれがある。そこで、トルクフィードバックをローゲイン化せざるを得ず、トルク応答性が低下することとなる。
その点、本実施形態では6次成分を除去するためにローパスフィルタを用いないため、ローゲイン化によるトルク応答性の低下の問題を回避することができる。
(第7、第8実施形態)
次に、電流センサを1相のみに設ける構成の第7、第8実施形態について、図19、図20を参照して説明する。第7実施形態の制御部154(図19)は、電流フィードバック制御方式に対応し、第8実施形態の制御部155(図20)は、トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードに対応する。
第7実施形態の制御部154及び第8実施形態の制御部155の構成について、それぞれ、第1実施形態の制御部151(図5)及び第6実施形態の制御部153(図17)の構成と異なる点を中心に説明する。
図19、20に示すように、一次電流演算部411は、電流センサ17が検出したV相の電流検出値Iv_snsをフーリエ級数展開して一次電流Iv1sを抽出する。他相一次電推定部51は、V相の一次電流演算値Iv1sに係るフーリエ係数a、bに基づき、式(11)を用いてW相一次電流推定値Iw1s_estを推定する。
Figure 0005741966
すなわち、W相一次電流推定値Iw1s_estは、V相の一次電流演算値Iv1sについて式(6.2)、(6.3)、又はその代替式である(7.2)、(7.3)、(8.2)、(8.3)によって演算されたフーリエ係数a、bを共通とし、V相の一次電流演算値Iv1sに対し電気角を120[°]、すなわち(1/3)周期ずらすことで推定される。この例では、W相の電気角(θ−120[°])における一次電流値が、V相の電気角θにおける一次電流値に相当する。
つまり本実施形態では、他相の電流推定方法として電流指令値を用いる演算や微分演算を行うことなく、1相の電流検出値から演算したフーリエ係数に基づいて推定する。
電流選択部44は、上記第1〜4、6実施形態と同様、回転数Nr及び変調度mに応じてフーリエ級数展開モードと通常モードとを切り替える。図19の電流切替部53に実線で示す状態がフーリエ級数展開モードであり、破線で示す状態が通常モードである。フーリエ級数展開モードでは、V相電流として一次電流演算値Iv1sを選択し、W相電流として一次電流推定値Iw1s_estを選択する。一方、通常モードでは、V相電流として相電流検出値Iv_snsを選択し、W相電流として他相電流推定部52が推定した電流推定値Iw_estを選択する。
なお、フーリエ級数展開モードと通常モードとの切り替えは、上記第5実施形態のように、回転数Nr及びトルク指令値trq*に応じて切り替えるようにしてもよい。
通常モードにて他相電流推定部52は、少なくともV相の電流検出値Iv_snsを用いてW相の電流推定値Iw_estを推定する。この電流推定方法として複数の電流推定方法を採用可能である。以下にいくつかの電流推定方法を説明する。(i)〜(iii)は電流指令値を用いる方法であり、(iv)〜(vi)は電流指令値を用いない方法である。また、(i)、(ii)は公開公報に開示された技術であり、(iii)〜(vi)は、本出願人による未公開の特許出願の明細書等に記載された技術である。
以下の説明で、3相のうち電流センサを設ける相を「センサ相」といい、引用した原文献等において設定されたセンサ相の例を援用する。各方法を本実施形態に適用する場合、センサ相をV相として読み替えればよい。
なお、第8実施形態において、トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードでは一般に電流指令値を用いないが、電流推定のために電流指令値を生成してもかまわない。したがって、第8実施形態の他相電流推定部52が(i)〜(iii)の方法を採用することを妨げるものではない。
(i)電流指令位相角に基づく電流基準角、及び振幅に基づく推定(特開2004−159391号公報に開示された技術)
センサ相をU相とすると、U相電流センサ値(Iu)を「dq軸電流指令から得られる電流指令位相角と電気角から生成したU相電流基準角(θ’)」で除して電流振幅(Ia)を算出し、この電流振幅を、U相電流基準角から±120[°]ずらした電気角におけるsin値に乗じて他相の電流推定値Iv、Iwを算出する(式12.1〜12.3)。
Ia=Iu/[√(1/3)×({−sin(θ’)}] ・・・(12.1)
Iv=√(1/3)×Ia×{−sin(θ’+120[°])}・・・(12.2)
Iw=√(1/3)×Ia×{−sin(θ’+240[°])}・・・(12.3)
(ii)相電流指令値に基づく推定(特開2008−86139号公報に開示された技術)
d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*を逆dq変換して得られる3相電流指令値のうちセンサ相以外の2相の相電流指令値を電流推定値として扱う。
(i)又は(ii)の技術は、特にサンプリング間隔における電気角移動量及び電流変化量が減少する低回転領域において、電流検出値を反映した情報が乏しくなり、制御が不安定になるという問題がある。
(iii)センサ相基準電流位相に基づく推定
センサ相をW相とすると、W相電流検出値iw_sns、U相電流指令値iu*及びV相電流指令値iv*の少なくとも一方、及び電気角θeを用い、センサ相に一致するα軸方向のα軸電流iα、及びセンサ相に直交するβ軸方向のβ軸電流iβを演算する。そして、式(13)によりセンサ相基準電流位相θxを算出する。
θx=tan-1(iβ/iα) ・・・(13)
続いてセンサ相基準電流位相θx、及びW相電流検出値iw_snsに基づき、U相電流推定値iu_est又はV相電流推定値iv_estを演算する。そして、W相電流検出値iw_sns、及び、U相電流推定値iu_est又はV相電流推定値iv_estをdq変換する。なお、U相電流推定値iu_est又はV相電流推定値iv_estの演算において、「ゼロ割り」や「ゼロ掛け」を回避するような補正処理を行ってもよい。
(iv)α軸電流の微分による推定
(iii)に対し、電流指令値を用いずにβ軸電流iβを演算する点が異なる。
α軸電流iαとβ軸電流iβが「sin波とcos波」の関係にあり、α軸電流iαとβ軸電流iβとの位相差が90[°]であることに着目し、α軸電流微分値Δiαに基づいてβ軸電流推定値iβ_estを演算する。
ここで、制御部における演算が離散系である場合、α軸電流微分値Δiαは、実際のβ軸電流iβに対し、電気角移動量Δθeの半分だけ遅れる。この点を考慮し、α軸電流iαの前回値と今回値との平均値に電気角移動量Δθeの半分(Δθe/2)を乗じた補正量Hにて補正したβ軸電流推定値iβ_estとすることが好ましい。
そして、α軸電流iαおよびβ軸電流推定値iβ_estを用いてセンサ相基準電流位相θxを演算する。以降の演算は(iii)と同様である。
具体的に矩形波制御モードでは、スイッチング素子のオンオフを切り替えるスイッチタイミング、及び、連続するスイッチタイミングの間に設定される中間タイミング毎にα軸電流iαがサンプリングされ、α軸電流の微分値Δiαが演算される。したがって、特に高回転領域では演算頻度が多くなり、処理負荷が増大する。
(v)漸化式を用いた推定
センサ相をW相とすると、dq座標上でW相軸が相対的に回転することを利用し、W相推定誤差Δiw_estを積算してdq軸電流推定値をdq軸実電流値に漸近させる。
前回のdq軸電流推定値id_est、iq_est、及び今回の電気角θeに基づき、センサ相成分であるW相電流基準値iw_bfを演算し、W相電流基準値iw_bfとW相電流検出値iw_snsとの差であるW相推定誤差Δiw_estを算出する。
W相推定誤差Δiw_estにフィルタ要素であるゲインKを乗じた補正後誤差KΔiw_estを算出し、Δiu=0、Δiv=0とし、dq変換によりdq軸補正値id_crr、iq_crrを演算する。算出されたdq軸補正値id_crr、iq_crrをセンサ相方向の補正ベクトルとし、当該補正ベクトルをd−q座標系にて積算することにより、dq軸電流推定値id_est、iq_estを演算する。
(vi)フィードフォワード電流指令演算
dq軸電流指令Id*、Iq*、及び交流電動機2の機器定数に基づく電圧方程式(14.1)、(14.2)を用いて、dq軸電圧指令Vd*、Vq*を演算するものであり、電流指令値を用いる推定方法による制御が不安定となる低回転領域で有効である。
Vd*=Ra×Id*+Ld×(d/dt)Id*−ω×Lq×Iq*
・・・(14.1)
Vq*=Ra×Iq*+Lq×(d/dt)Iq*+ω×Ld×Id*+ω×ψ
・・・(14.2)
記号は、以下のとおりである。
Ra:電機子抵抗
Ld、Lq:d軸自己インダクタンス、q軸自己インダクタンス
ω:電気角速度
ψ:永久磁石の電機子鎖交磁束
特に低回転領域では、過渡特性を表す時間微分(d/dt)項を無視し、電気角速度ω≒0[rad/s]とすると、式(14.3)、(14.4)のとおり電機子抵抗Ra項のみが残る。したがって、dq軸電流指令Id*、Iq*からdq軸電圧指令Vd*、Vq*を簡単に算出することができる。
Vd*=Ra×Id*・・・(14.3)
Vq*=Ra×Iq*・・・(14.4)
以上で、通常モードにおいて他相電流推定部52が採用可能な電流推定方法についての説明を終わる。
このように、第7、第8実施形態では電流センサ17を1相のみに設けることで、2相又は3相に電流センサを設ける構成に比べ、電流センサの数を減らし、インバータ12の3相出力端子近傍の小型化や交流電動機2の制御系統のコスト削減を図ることができる。
そして、フーリエ級数展開モードにおいて他相一次電推定部51は、電流指令値を用いる演算や微分演算を行うことなく、1相の電流検出値から演算したフーリエ係数に基づいて他相の一次電流推定値を推定する。
フーリエ級数展開モードではこの推定方法を採用することにより、トルクフィードバック制御方式の矩形波制御モードにおいて電流指令値を用いない場合であっても適用可能である。また、電流指令値を用いない推定方法として、特に上記(iv)の微分演算を行う推定方法に比べ処理負荷を低減することができる。さらに、フーリエ係数に基づいて推定することで、電流を推定する他相について、相電流に重畳する高次成分を除去し、また相電流のオフセットを補正することができる。
よって、電流センサを1相のみに設ける構成の電動機制御装置10において、交流電動機2のトルク変動やパワー変動を抑制することができる。
(その他の実施形態)
(ア)上記第1〜第6実施形態ではV相及びW相の2相に電流センサ17、18を設けているが、U相及びV相、又は、U相及びW相の2相に電流センサを設けてもよい。或いは、3相に電流センサを設け、3相の電流検出値についてフーリエ級数展開により抽出した一次電流をdq変換することで、キルヒホッフの法則を使わずにdq軸電流算出値Id、Iqを算出してもよい。また、上記第7、第8実施形態ではV相に電流センサ17を設けているが、U相又はW相に電流センサを設けてもよい。
さらに、制御に用いる電流を検出する制御用電流センサの他に、制御用電流センサの異常を監視するための独立した監視用電流センサを、制御用電流センサと同じ相又は異なる相に設けてもよい。なお、監視用電流センサは、本発明の特許請求の範囲で定義する「電流センサ」からは除外される。
(イ)制御部15は、交流電動機2の低回転領域、或いは、変調度m又はトルク指令値trq*の小さい領域においても、フーリエ級数展開モードから通常モードへ切り替えることなく、常にフーリエ級数展開モードを実行してもよい。
(ウ)電流センサ17、18のサンプルタイミングと一次電流演算部411、412での積算タイミングとの関係について、必ずしも全てのサンプルタイミングにあわせて積算タイミングを設定しなくてもよい。例えば、サンプルタイミングの数回に1回に積算タイミングを設定してもよい。その場合、演算精度と処理負荷とのバランスを考慮し、回転数Nrに応じて、単位時間あたりのサンプルタイミング回数に対する積算タイミングの設定頻度を変更してもよい。
(エ)上記実施形態では、一次電流演算部411、412がフーリエ係数を演算するための積算期間を電気角1周期として説明した。しかし、電気角2周期以上の電気角k周期(kは自然数)にわたって積算を実行してもよい。
(オ)上記実施形態の交流電動機は、永久磁石式同期型の三相交流電動機であったが、他の実施形態では、誘導電動機やその他の同期電動機であってもよい。また、上記実施形態の交流電動機は、電動機としての機能及び発電機としての機能を併せ持つ所謂モータジェネレータであったが、他の実施形態では、発電機としての機能を持たなくてもよい。
(カ)本発明による交流電動機の制御装置は、上記実施形態のようにインバータと交流電動機を一組のみ設けたシステムに限らず、インバータと交流電動機を二組以上設けたシステムに適用してもよい。また、1台のインバータに複数台の交流電動機を並列接続させた電車等のシステムに適用してもよい。
(キ)本発明による交流電動機の制御装置は、図1に示す構成のハイブリッド自動車の交流電動機に限定されず、どのような構成の電動車両の交流電動機に適用してもよい。また、電動車両以外の交流電動機に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
2・・・交流電動機、
10・・・電動機制御装置(交流電動機の制御装置)、
12・・・インバータ、
151、152、153、154、155・・・制御部(制御手段)、
17、18・・・電流センサ、
411、412・・・一次電流演算部、
44・・・電流選択部(電流選択手段)、
51・・・他相一次電推定部。

Claims (11)

  1. 3相の交流電動機(2)を駆動するインバータ(12)と、
    前記交流電動機の3相うち1相以上に流れる電流を所定のサンプルタイミング毎に検出する電流センサ(17、18)と、
    前記電流センサが検出した2相以上の相電流検出値に基づいて、若しくは、1相の相電流検出値及び当該1相の相電流検出値から推定した他相の電流推定値に基づいてdq変換されたdq軸電流算出値をdq軸電流指令値に対してフィードバックし、又は、当該dq軸電流算出値に基づいて推定したトルク推定値をトルク指令値に対してフィードバックすることで、前記インバータを構成する複数のスイッチング素子のオン/オフを切り替え、前記交流電動機の通電を制御する制御手段(151、152、153、154、155)と、
    を備え、
    前記制御手段は、相電流検出値を電気角の関数としてフーリエ級数展開した一次成分を抽出し、当該相の一次電流演算値を演算する一次電流演算部(411、412)を有し、
    前記一次電流演算部は、電気角k周期(kは自然数)をN個(Nは自然数)に分割して設定した積算角において、当該積算角における相電流検出値に基づく算出値を当該電気角k周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算し、当該フーリエ係数を基に当該相の一次電流演算値を算出し、
    前記制御手段は、算出された一次電流演算値をdq変換してdq軸電流算出値を算出して、dq軸電流指令値に対してフィードバックし、又は、当該dq軸電流算出値に基づいて推定したトルク推定値をトルク指令値に対してフィードバックすることを特徴とする交流電動機の制御装置(10)。
  2. 2相以上に前記電流センサ(17、18)を備え、
    前記制御手段(151、152、153)の前記一次電流演算部(411、412)は、2相以上の相電流検出値についてフーリエ級数展開した一次成分を抽出し、当該相の一次電流演算値を演算することを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 1相のみに前記電流センサ(17)を備え、
    前記制御手段(154、155)の前記一次電流演算部(411)は、1相の相電流検出値についてフーリエ級数展開した一次成分を抽出し、当該1相の一次電流演算値を演算し、
    前記制御手段は、当該1相の一次電流演算値に係るフーリエ係数を共通とし、当該1相の一次電流演算値に対し電気角を(1/3)周期ずらすことで、他相の一次電流推定値を推定する他相一次電流推定部(51)をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 前記一次電流演算部は、
    電気角をθとし指令電圧ベクトルのq軸に対する位相差をφqとすると、(θ+φq)で表される位相角について、電気角k周期にてN個に分割された前記位相角(θ+φq)を前記積算角とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  5. 前記一次電流演算部は、
    前記位相角(θ+φq)における位相差φqを0とみなし、電気角k周期にてN個に分割された前記電気角θを前記積算角とすることを特徴とする請求項4に記載の交流電動機の制御装置。
  6. 連続する前記積算角の間隔は一定であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  7. 前記電流センサの前記サンプルタイミングは、前記積算角に対応する積算タイミングに同期して設定されており、
    前記一次電流演算部は、前記積算タイミング毎に相電流検出値に基づく算出値を積算することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  8. 前記電流センサの前記サンプルタイミングは、前記積算角に対応する積算タイミングに非同期に設定されており、
    前記一次電流演算部は、前記積算タイミング毎に当該積算タイミングの前後の前記サンプルタイミングの相電流検出値を線形補間して相電流補間値を算出し、当該相電流補間値に基づく算出値を積算することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  9. 前記制御手段は、
    前記一次電流演算部で相電流検出値のフーリエ級数展開の一次成分として抽出された前記一次電流演算値若しくは当該一次電流演算値に基づく一次電流推定値をdq変換してdq軸電流算出値を算出するフーリエ級数展開モード、又は、相電流検出値若しくは当該相電流検出値に基づく電流推定値を直接dq変換してdq軸電流算出値を算出する通常モードを切り替え可能な電流選択手段(44)を有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
  10. 前記電流選択手段は、前記交流電動機の回転数が所定の回転数閾値を上回り、且つ、前記インバータの変調度が所定の変調度閾値を上回ったとき、前記フーリエ級数展開モードを選択することを特徴とする請求項9に記載の交流電動機の制御装置。
  11. 前記電流選択手段は、前記交流電動機の回転数が所定の回転数閾値を上回り、且つ、入力されたトルク指令値が所定のトルク閾値を上回ったとき、前記フーリエ級数展開モードを選択することを特徴とする請求項9に記載の交流電動機の制御装置。
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