JP2017200344A - 交流電動機の制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フーリエ係数演算部53は、相電流を電気角の関数として当該相の1次電流を抽出しフィードバックするフーリエ級数展開において、相電流検出値又は相電流推定値に基づく算出値を電気1周期にわたって積算することによりフーリエ係数asum、bsumを演算する。分割数変更部54により分割数が変更されたとき、フーリエ係数演算部53が変更後分割数Mによる演算に切り替える時点を演算切替時とする。遡及推定部55は、フーリエ係数演算部53が演算切替時から電気1周期の期間に演算に用いる電気角及び相電流値として、変更前分割数Nを用いて算出されたフーリエ係数asum、bsumに基づき、変更後分割数Mに対応する電気角θ[j]及び相電流推定値Ivest[j]を演算切替時から遡って逆演算する。
【選択図】図7
Description
例えば特許文献1に開示された交流電動機の制御装置は、相電流検出値をフーリエ級数展開して1次成分を抽出し、抽出した1次電流に基づいてフィードバック制御を行う。このとき、電気角k周期を分割数Nで分割したサンプリング間隔でサンプリングされた相電流検出値に基づく算出値を積算することにより、フーリエ係数を演算する。
本明細書で「交流電動機」は、交流駆動のモータ、発電機、及びモータジェネレータを含むものであり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機として用いられ駆動輪を駆動するためのトルクを発生するモータジェネレータが該当する。また、例えば、モータジェネレータの通電を制御する制御装置が「交流電動機の制御装置」に該当する。
サンプリング部は、電気角k周期(kは自然数)を「2以上の整数である分割数」で分割したサンプリング間隔で相電流検出値をサンプリングする。
フーリエ係数演算部は、相電流を電気角の関数として当該相の1次電流を抽出しフィードバックするフーリエ級数展開において、相電流検出値又は相電流推定値に基づく算出値を電気角k周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算する。
分割数変更部により分割数が変更されたとき、フーリエ係数演算部が変更後分割数による演算に切り替える時点を演算切替時(tx)とする。遡及推定部は、フーリエ係数演算部が演算切替時から電気角k周期の期間に演算に用いる電気角及び相電流値として、変更前分割数を用いて算出されたフーリエ係数(asum、bsum)に基づき、変更後分割数に対応する電気角及び相電流推定値を演算切替時から遡って逆演算する。
複数のサンプリング部は、分割数の変更が通知された時から電気角k周期の期間である移行期間において、変更前分割数による相電流のサンプリングと、変更後分割数による相電流のサンプリングとを併行して実行する。
フーリエ係数演算部は、移行期間中は変更前分割数を用いてフーリエ係数を算出し、移行期間の終了時を演算切替時(tx)として変更後分割数による演算に切り替える。
この態様でも、分割数変更時における1次電流演算値の急変を防止することができる。
本実施形態の交流電動機の制御装置は、ハイブリッド自動車や電気自動車の動力源であるモータジェネレータ(以下「MG」)を駆動するシステムにおいて、三相交流モータであるMGの通電を制御する装置である。各実施形態の「MG」及び「MG制御装置」は、特許請求の範囲に記載の「交流電動機」及び「交流電動機の制御装置」に相当する。
まず、各実施形態のMG制御装置が適用されるMG駆動システムの全体構成について図1を参照して説明する。図1には、一つのMGを備えるシステムを例示する。
MG駆動システム90は、充放電可能な二次電池であるバッテリ11の直流電力をインバータ20で三相交流電力に変換してMG80に供給するシステムである。MG駆動システム90においてMG制御装置10は、主にインバータ20及びインバータ制御部30を含む。なお、MG制御装置10は、二つ以上のMGを備えたMG駆動システムにも同様に適用可能である。
なお、MG制御装置10は、バッテリ11の電圧を昇圧してインバータ20に出力するコンバータを備えたMG駆動システムに適用されてもよい。また、MG制御装置10は、二つ以上のMGを備えたMG駆動システムにも同様に適用可能である。
MG80の電気角θは、例えばレゾルバ等の回転角センサ85により検出される。
電圧センサ27はシステム電圧Vsysを検出する。
電気角速度ωは、比例定数を乗じることにより、回転数Nr[rpm]に換算される。本明細書では「電気角速度ωを換算した回転数」を省略して、適宜「回転数ω」といい、「回転数ω」と「回転数Nr」とを併用する。特に「回転数Nr」は、後述の電流処理部にて分割数変更部が取得する情報として用いる。それ以外のモータ制御の説明では、主に「回転数ω」を用いる。
インバータ制御部30は、これらの情報に基づいて、インバータ20を操作するゲート信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを演算する。インバータ20は、ゲート信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに従ってスイッチング素子21−26が動作することにより、バッテリ11から入力される直流電力を交流電力に変換しMG80に供給する。
次に、インバータ制御部30の構成について、図2を参照して説明する。
インバータ制御部30は、一般的なフィードバック制御(図中、「FB制御」)の構成として、トルク推定部32、トルクフィードバック制御部340、電流指令演算部35、電流フィードバック制御部380、変調器60及びゲート信号生成部79を含む。本実施形態では、ベクトル制御により固定座標系を回転座標系に変換する機能は、電流処理部50に含まれる。また、インバータ制御部30は、特徴構成である電流処理部50を含む他、破線で示すように、スペクトル演算部40を含んでもよい。
この構成では、演算した電圧ベクトルの振幅Vrとシステム電圧Vsysとから算出される変調率に応じて、電圧ベクトルを演算するフィードバック方式が切り替えられる。すなわち、トルクフィードバック制御部340と電流フィードバック制御部380とが協働して電圧ベクトルを演算する場合と、電流フィードバック制御部380が単独で電圧ベクトルを演算する場合とがある。
電流フィードバック制御部380は、電流減算器36、制御器37、制御器38、電圧振幅/位相演算部39を有する。このうち、制御器37と、制御器38及び電圧振幅/位相演算部39とは、上述の二つのフィードバック方式に応じて選択的に設けられる。
電流処理部50は、相電流検出値に基づき算出したdq軸電流Id、Iqを電流減算器36にフィードバックする。
電流指令演算部35は、トルク指令Trq*に基づき、例えば電流当たり最大トルクが得られるように、マップや数式を用いてdq軸電流指令Id*、Iq*を演算する。
電流フィードバック制御部380の電流減算器36は、dq軸電流指令Id*、Iq*と、電流処理部50からフィードバックされるdq軸電流Id、Iqとの電流偏差ΔId、ΔIqを算出する。
トルク推定部32は、dq軸電流Id、Iq、及び、MG80のモータ定数に基づき、トルク推定値Trq_estを算出する。
また、電流フィードバック制御部380の制御器37は、電流偏差ΔId、ΔIqを0に収束させるように、PI演算により電圧振幅Vrを演算し、変調器60に出力する。
電流フィードバック制御部380の制御器38は、電流偏差ΔId、ΔIqを0に収束させるように、PI演算によりdq軸電圧指令Vd*、Vq*を演算する。電圧振幅/位相演算部39は、dq軸電圧指令Vd*、Vq*を電圧振幅Vr及び電圧位相φに変換し、変調器60に出力する。なお、図2には、電圧位相φをd軸基準で定義する例を参考に示しているが、q軸基準で電圧位相を定義してもよい。
変調器60は、電圧信号として、例えば予め記憶された複数のパルスパターンの中から適当なパターン信号を選択する。或いは、相電圧と搬送波との比較により、PWM信号を生成する。また、変調率等に応じて、これらの信号を切り替えてもよい。
ゲート信号生成部79は、変調器60が出力したパルスパターン又はPWM信号に基づいて、ゲート信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを生成し、インバータ20のスイッチング素子21−26に出力する。
次に、電流処理部50の構成、作用について説明する。電流処理部50には、電流センサ87が検出したV相電流Ivに加え、電気角θ及び回転数Nrが入力される。
ところで、従来技術である特許文献1に記載されている通り、MG制御装置では、フィードバックされる相電流に高次成分が重畳したり、相電流がオフセットしたりする場合がある。そこで、相電流検出値をフーリエ級数展開して抽出した1次電流演算値を用いてフィードバック制御することで、高次成分による騒音を低減し、相電流のオフセットによるトルク変動やパワー変動を抑制可能となる。
特許文献1の従来技術では、このフーリエ級数展開において、電気角k周期を分割数Nで分割したサンプリング間隔でサンプリングした相電流検出値を電気角k周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算する。なお、特許文献1では、「電気角k周期を分割数Nで分割したサンプリング間隔」を「積算角の間隔」と表している。積算角の考え方やフーリエ係数の演算式、及び、フーリエ係数を用いた1次電流の演算式等については特許文献1の開示内容に準ずるものとし、本明細書では詳細な説明を省略する。
以下の式で変数「n」はサンプリング値について用いる。また、式中のフーリエ係数の記号「エー」について、明細書及び一部の図面では便宜上「a」の字体で代替する。
「分割数Nを固定した場合、回転数Nrに応じて積算タイミングの周期が変動する。そこで、積算の精度を適正に確保できるよう、交流電動機の回転数Nr、又は電気周波数によって、分割数Nを変更してもよい。具体的には、回転数Nr又は電気周波数が高くなるほど分割数Nを少なくし、回転数Nr又は電気周波数が低くなるほど分割数Nを多くするとよい。」
ここでは、積算期間の周期を「k=1」として説明する。また、「k=1」の場合の積算期間を「電気1周期」と記載する。
<1>は「前回演算でのN個(すなわち1周期分)の積算値」である。<2>の「現在からN個前のIvcosθ及びIvsinθ」は、図3(b)の「廃棄値」に相当する。同様に、<3>の「サンプリングされたIvcosθ及びIvsinθ」は、「現在値」に相当する。<4>は、「今回演算でのN個(すなわち1周期分)の積算値」である。
<1>から<2>が減算され、<3>が加算されることにより、<4>が算出される。
分割数の変更タイミングと演算タイミングとが一致すると仮定すると、分割数を変更した瞬間に算出されるフーリエ係数a1は、式(2)に示す通り、同じ値となる。
このように、加算する値の数と減算する値の数との違いにより、図4(b)に示すように、分割数変更後の1次電流演算値にオフセットが発生し、振幅が増大する。
これにより、図4(b)に示すように、分割数変更後の電気1周期の期間において1次電流演算値に変動が発生する。
そこで本実施形態は、分割数を変更したとき、フーリエ級数展開による1次電流演算値が急変することを防止するための電流処理部の構成及び作用に特徴を有する。
(第1実施形態)
図7に示すように、第1実施形態の電流処理部501は、サンプリング部51、フーリエ係数演算部53、分割数変更部54、遡及推定部55及び電流ベクトル演算部56を有する。
したがって、第1〜第3実施形態のサンプリング部51は、電気角θ及びV相電流Ivを取得し、電気1周期を「2以上の整数である分割数」で分割したサンプリング間隔で、すなわち電気角θ[n]毎に相電流検出値Iv[n]をサンプリングする。
なお、分割数は、概念上「2以上の整数」と定義しているが、実用上の分割数は3以上に設定されることが好ましい。
分割数変更部54は、変更前分割数Nから変更後分割数Mへの変更を決定すると、変更前後の分割数N、Mをサンプリング部51及びフーリエ係数演算部53に通知し、また、変更後分割数Mを遡及推定部55に通知する。
以下、「分割数変更部54により分割数が変更されたとき、フーリエ係数演算部53が変更後分割数Mによる演算に切り替える時点」を「演算切替時tx」とする。第1、第2実施形態では、制御の遅延時間を無視し、分割数の変更時と演算切替時txとがほぼ同時であると仮定する。
遡及推定部55は、フーリエ係数演算部53が演算切替時txから電気1周期の積算期間に演算に用いる電気角及び相電流値として、変更後分割数Mに対応する電気角及び相電流推定値を演算切替時txから遡って推定演算する。
このとき遡及推定部55は、フーリエ係数演算部53から、演算切替時の電気角θx、及び「変更前分割数Nを用いて算出されたフーリエ係数asum、bsum」を取得し、これに基づく「逆演算」を行う。この逆演算の詳細については後述する。
このように、相電流検出値Iv[n]又は推定値Ivest[j]と、それに対応する電気角θ[n]、θ[j]とは1セットの情報である。ただし、これらを常に併記すると冗長になるため、以下の明細書中の記載では、主に相電流検出値Iv[n]又は推定値Ivest[j]について言及し、対応する電気角θ[n]、θ[j]については適宜記載を省略する。例えば、相電流検出値Iv[n]又は推定値Ivest[j]を取得したとき、対応する電気角の情報を同時に取得することは自明であると解釈する。
一方、分割数が変更されたとき、フーリエ係数演算部53は、サンプリング部51から取得した相電流検出値Iv[n]に基づく算出値、及び、遡及推定部55から取得した相電流推定値Ivest[j]に基づく算出値を電気1周期にわたって積算することによりフーリエ係数asum、bsumを演算する。
ここで、「相電流検出値又は推定値に基づく算出値」とは、図10等におけるフーリエ係数の要素a[n]、b[n]又はa[j]、b[j]を意味する。
この電流ベクトル演算部56の構成は、特許第5888567号公報に開示されたものと同じである。以下、この特許第5888567号公報を「特許文献2」と称する。特許文献2は、本発明全体の課題に関連するものでないため「背景技術」の欄には記載せず、主に第1実施形態の説明で引用する。
なお、V相電流に代えてU相電流又はW相電流から算出されたフーリエ係数に基づいてdq軸電流Id、Iqを算出する構成でも、特許文献2の対応する計算式を同様に用いることができる。
例えば、分割数が「N=16」から「M=8」に変更されたとき、フーリエ係数演算部53は、演算切替時tx後のフーリエ係数演算において、変更前分割数Nによるサンプリングで得られた検出値を使用しない。その代わり、分割数変更前の電気1周期分の過去値として、「変更前分割数Nを用いて算出されたフーリエ係数asum、bsum」に基づいて遡及推定部55が推定した「変更後分割数Mに対応する推定値」を用いる。
ここで、遡及推定部55は、「変更前分割数Nを用いて算出されたフーリエ係数asum、bsum」として、演算切替時txの直前に算出された値を用いることが好ましい。この「直前」には、実質的な「同時」が含まれる。
S2では、式(3.1)〜(3.5)による通常演算処理が実行される。以下の式で、電気角θの単位は[deg]とする。
以下、式(3.4)、(3.5)において積算されるa[n]、b[n]を「フーリエ係数の要素」という。フーリエ係数演算部53は、式(3.2)、(3.3)により、現在値の電気角θ[p−1]及び相電流検出値Iv[p−1]に基づき、要素a[p−1]、b[p−1]を算出する。そして、フーリエ係数演算部53は、式(3.4)、(3.5)により、前回までのルーチンで算出済の要素を含めたp個の要素a[n]、b[n]を積算し、フーリエ係数asum、bsumを算出する。
S4では分割数pが前回値と同じであるか判定する。S4でYESの場合、S6に移行し、NOの場合、S5の分割数変更時処理に移行する。
S5では、式(4.1)〜(4.4)による分割数変更時処理が実行される。変更後の分割数pについて、変数jは「j=0,・・・,p−1」のp個の値を取る。
また、遡及推定部55は、S2で算出されたフーリエ係数asum、bsumを用いて、式(4.2)により、変更後分割数pに対応する相電流推定値Ivest[j]を逆演算する。
図10(b)に示すように、分割数変更後のデータは、電気角θ[p−2],θ[p−1]及び相電流検出値Iv[p−2],Iv[p−1]等が用いられる。また、分割数変更前のデータは、電気角θ[0]及び相電流推定値Ivest[0]等が用いられる。
図11(a)のV相電流Ivを「Iv=Asin(θ+α)」の形で表すと、A及びαは式(6.1)、(6.2)で表される。なお、U相電流Iu、W相電流Iwは参考として図示するに過ぎず、本例での演算には用いられない。
フーリエ係数演算部53は、電気角θ[n]及び相電流検出値Iv[n]に基づき、式(7.1)、(7.2)によりフーリエ係数の要素a[n]、b[n]を算出する。
遡及推定部55は、変更前の分割数6による相電流検出値Iv[n]に基づいて算出されたフーリエ係数asum、bsumを用いて、式(11)により、相電流推定値Ivest[j]を推定する。なお、図12(a)中の各電流値は、Ivest[j]を省略してIv[j]と記す。
第2実施形態について、図13を参照して説明する。
第2実施形態の電流処理部502は、分割数の変更時、遡及推定部55が推定した相電流検出値を用いてフーリエ係数演算部53がフーリエ係数を演算するまでの構成について第1実施形態の電流処理部501と共通である。また、第2実施形態によるフーリエ係数演算処理のルーチンは、図9と共通である。
1次電流算出部57は、例えばV相の1次電流Iv1sを式(13)により算出する。
3相2相変換部59は、V相の1次電流Iv1s、及びW相のIw1s_estを3相2相変換し、dq軸電流Id、Iqを算出する。
このように、フーリエ係数演算後のフィードバック電流の演算処理は、制御装置の処理能力や他の制御演算との関連等により、どのような方法を採用してもよい。
第1実施形態及び第2実施形態に共通する効果について説明する。
(1)フーリエ係数演算部53は、演算切替時txから電気1周期の期間、変更前分割数Nによる電気角θ[n]及び相電流検出値Iv[n]を用いるのでなく、変更後分割数Mに対応する電気角θ[j]、及び相電流推定値Ivest[j]を用いてフーリエ係数asum、bsumを演算する。これにより、変更後の分割数Mのみを用いた規則的な演算を実行することができる。したがって、分割数変更時にフーリエ級数展開による1次電流演算値が急変し、MG80のトルク変動やパワー変動が生じることを防止することができる。
(3)分割数変更部54は、少なくともMG80の回転数Nrに応じて分割数を変更する。好ましくは、回転数Nrが高くなるほど分割数を少なくし、回転数Nrが低くなるほど分割数を多くする。これにより、高回転領域で制御が破綻することを防止すると共に、低回転領域での1次電流の検出精度を確保することができる。
第3実施形態について図14、図15を参照して説明する。図14に示すように、第3実施形態の電流処理部503は、二つのサンプリング部51、52を有している。二つのサンプリング部51、52は、分割数の変更が通知された時から電気1周期の移行期間において、変更前分割数による相電流のサンプリングと、変更後分割数による相電流のサンプリングとを併行して実行する。
なお、図14に示す例では、電流処理部503は、第1実施形態と同様の電流ベクトル算出部56を有しているが、これに代えて第2実施形態と同様の1次電流算出部57及び3相2相変換部59を有するようにしてもよい。
第1サンプリング部51は、変更前分割数Nにより、電気角θ[n]での相電流検出値Iv[n]をサンプリングしてフーリエ係数演算部53に出力する。第2サンプリング部52は、変更後分割数Mにより、電気角θ[m]での相電流検出値Iv[m]をサンプリングしてフーリエ係数演算部53に出力する。
移行期間中、フーリエ係数演算部53は、変更前分割数Nを用い、第1サンプリング部51から取得した電気角θ[n]及び相電流検出値Iv[n]に基づいてフーリエ係数を算出する。
なお、「複数のサンプリング部」は二つに限らず、三つ以上のサンプリング部が交替で変更前後の分割数による相電流のサンプリングを実行するようにしてもよい。
(a)上記では、一相の相電流検出値に基づいて1次電流を算出する実施形態について主に説明しているが、特許文献1や特許文献2にも開示されているように、二相又は三相の相電流検出値に基づいて1次電流を算出してもよい。例えば、フーリエ係数から直接dq軸電流を算出する第1実施形態において、特許文献2の第2実施形態の思想を応用し、二相の電流からそれぞれ算出されたdq軸電流の平均値を算出してもよい。
(e)本発明が適用されるシステムにおいて駆動される交流電動機の相の数は、三相に限らず何相でもよい。また、交流電動機は、永久磁石式同期型モータに限らず、誘導電動機やその他の同期モータであってもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
20・・・インバータ、 21−26・・・スイッチング素子、
30・・・インバータ制御部、
51、52・・・サンプリング部、
53・・・フーリエ係数演算部、
54・・・分割数変更部、
55・・・遡及推定部、
80・・・MG(交流電動機)。
Claims (4)
- 複数のスイッチング素子(21−26)の動作により直流電力を交流電力に変換し、交流電動機(80)に供給するインバータ(20)と、
フィードバックされた相電流に基づいて前記インバータを操作し、前記交流電動機の通電を制御するインバータ制御部(30)と、
を備え、
前記インバータ制御部は、
電気角k周期(kは自然数)を2以上の整数である分割数で分割したサンプリング間隔で相電流検出値をサンプリングするサンプリング部(51)と、
相電流を電気角の関数として当該相の1次電流を抽出しフィードバックするフーリエ級数展開において、相電流検出値又は相電流推定値に基づく算出値を電気角k周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算するフーリエ係数演算部(53)と、
任意のタイミングで前記分割数を変更前分割数(N)から変更後分割数(M)に変更可能な分割数変更部(54)と、
前記分割数変更部により前記分割数が変更されたとき、前記フーリエ係数演算部が前記変更後分割数による演算に切り替える時点を演算切替時(tx)とすると、前記フーリエ係数演算部が前記演算切替時から電気角k周期の期間に演算に用いる電気角及び相電流値として、前記変更前分割数を用いて算出されたフーリエ係数(asum、bsum)に基づき、前記変更後分割数に対応する電気角及び相電流推定値を前記演算切替時から遡って逆演算する遡及推定部(55)と、
を有する交流電動機の制御装置。 - 前記遡及推定部は、前記変更前分割数を用いて算出されたフーリエ係数として、前記演算切替時の直前に算出された値を用いる請求項1に記載の交流電動機の制御装置。
- 複数のスイッチング素子(21−26)の動作により直流電力を交流電力に変換し、交流電動機(80)に供給するインバータ(20)と、
フィードバックされた相電流に基づいて前記インバータを操作し、前記交流電動機の通電を制御するインバータ制御部(30)と、
を備え、
前記インバータ制御部は、
電気角k周期(kは自然数)を、2以上の整数である分割数で分割したサンプリング間隔で相電流検出値をサンプリングする複数のサンプリング部(51、52)と、
相電流を電気角の関数として当該相の1次電流を抽出しフィードバックするフーリエ級数展開において、相電流検出値に基づく算出値を電気角k周期にわたって積算することによりフーリエ係数を演算するフーリエ係数演算部(53)と、
任意のタイミングで前記分割数を変更前分割数(N)から変更後分割数(M)に変更可能な分割数変更部(54)と、
を有し、
前記複数のサンプリング部は、前記分割数の変更が通知された時から電気角k周期の期間である移行期間において、前記変更前分割数による相電流のサンプリングと、前記変更後分割数による相電流のサンプリングとを併行して実行し、
前記フーリエ係数演算部は、前記移行期間中は前記変更前分割数によりフーリエ係数を算出し、前記移行期間の終了時を演算切替時(tx)として前記変更後分割数による演算に切り替える交流電動機の制御装置。 - 前記分割数変更部は、少なくとも前記交流電動機の回転数に応じて前記分割数を変更する請求項1〜3のいずれか一項に記載の交流電動機の制御装置。
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