JP5910582B2 - 交流電動機の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、三相のうち一相の相電流を電流センサにより検出して交流電動機の通電を制御する交流電動機の制御装置に関する。
近年、低燃費、低排気エミッションの社会的要請から車両の動力源として交流電動機を搭載した電気自動車やハイブリッド自動車が注目されている。例えば、ハイブリッド自動車においては、二次電池等からなる直流電源と交流電動機とを、インバータ等で構成された電力変換装置を介して接続し、直流電源の直流電圧をインバータで交流電圧に変換して交流電動機を駆動するようにしたものがある。
このようなハイブリッド自動車や電気自動車に搭載される交流電動機の制御装置において、相電流を検出する電流センサを一相のみに設け、一相の電流検出値に基づき推定した電流推定値をフィードバックすることで交流電動機の通電を制御する技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。電流センサを一相のみに設けることで、電流センサの数を減らし、インバータの三相出力端子近傍の小型化や交流電動機の制御系統のコスト低減を図っている。
特許文献1に開示された技術では、電流センサで検出した一相(例えばU相)の電流検出値と、d軸電流指令値及びq軸電流指令値と、交流電動機の電気角とに基づいて他の二相(例えばV相とW相)の電流推定値を算出する。
具体的には、交流電動機の回転子とステータのU相軸とが成す角度(θ)と、d軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*から得られた指令電流位相角(α)とを加算した「U相電流位相角θ´(=θ+α)」を求め、U相電流位相角θ´とU相電流検出値Iuを用いて、下式(91)により電流振幅Iaを算出する。この電流振幅Iaを、U相電流位相角θ´から±120[°]ずらした電気角におけるsin値に乗じ、下式(92)、(93)により他の二相の電流推定値Iv、Iwを算出する。
Ia=Iu/[√(1/3)×{−sin(θ´)}] ・・・(91)
Iv=√(1/3)×Ia×{−sin(θ´+120°)} ・・・(92)
Iw=√(1/3)×Ia×{−sin(θ´+240°)} ・・・(93)
そして、一相の電流検出値Iuと他の二相の電流推定値Iv、Iwとをdq変換し、d軸電流推定値Id及びq軸電流推定値Iqを算出し、これらのd軸電流推定値Id及びq軸電流推定値Iqをd軸電流指令値Id*及びq軸電流指令値Iq*に対してフィードバックする電流フィードバック制御方式によって交流電動機の通電を制御する。
特開2004−159391号公報
特許文献1の技術では、U相電流位相角θ´=0[°]で、sin(θ´)=0になったとき、上記(91)式による電流振幅Iaの算出において、0で除算する「ゼロ割り」となり、電流振幅Iaを正確に算出することができなくなる。そのため、他の二相の電流推定値Iv、Iwを正確に算出することができなくなる。しかし、特許文献1には、このときの対策について全く言及されていない。
また、電流検出値Iu=0[A]になったとき、上記(92)、(93)式により、他の二相の電流推定値Iv、Iwは、Iv=0[A]及びIw=0[A]と算出されるため、交流電動機の制御が成立しなくなる可能性がある。
特許文献1以外の技術においても、電流推定の計算式に、特定の位相やタイミングで0となる変数が含まれる場合、0で除算する「ゼロ割り」又は0で乗算する「ゼロ掛け」によって正確な計算が阻害され、電流推定値が変動するおそれがある。
本発明は上述の課題に鑑みて成されたものであり、その目的は、三相のうち一相の相電流を電流センサにより検出して交流電動機の通電を制御する制御装置において、計算式中の「ゼロ割り」や「ゼロ掛け」による電流推定値の変動を防止する交流電動機の制御装置を提供することにある。
本発明は、三相の交流電動機を駆動するインバータと、交流電動機の三相のうち一相のセンサ相に流れる電流を検出する電流センサと、インバータを構成する複数のスイッチング素子のオン/オフを切り替えて交流電動機の通電を制御する制御手段とを備える交流電動機の制御装置に係る発明である。
制御手段は、一相のセンサ相の電流検出値及び交流電動機の電気角に基づいてd軸電流推定値及びq軸電流推定値を推定する電流推定手段、並びに、センサ相の電流検出値がゼロを含む所定範囲内にある期間である「センサ相電流のゼロクロス時」に交流電動機の電圧に関する指令値を補間するゼロクロス補間手段を有する。
ゼロクロス補間手段は、センサ相電流のゼロクロス時に、交流電動機の電圧に関する指令値を連続的な変数値で補間することを特徴とする。
ここで、「交流電動機」は、交流駆動のモータ、発電機、及びモータジェネレータを含むものであり、例えば、ハイブリッド自動車や電気自動車の主機として用いられ駆動輪を駆動するためのトルクを発生するモータジェネレータが該当する。また、例えば、モータジェネレータを駆動する電動機制御装置が「交流電動機の制御装置」に該当する。
「交流電動機の電圧に関する指令値」の具体例として、例えば、d軸電流推定値及びq軸電流推定値をd軸電流指令値及びq軸電流指令値に対してフィードバックする電流フィードバック制御方式では、「d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値」が該当する。また、d軸電流推定値及びq軸電流推定値から算出したトルク推定値をトルク指令値に対してフィードバックするトルクフィードバック制御方式では、「電圧位相指令値」が該当する。
その他、「交流電動機の電圧に関する指令値」には、三相交流電圧指令値、電圧ベクトルの振幅指令値等、交流電動機の制御に関するあらゆる電圧指令値を含む。
本発明によると、センサ相電流のゼロクロス時に交流電動機の電圧に関する指令値を補間することで、電流推定の計算式において、0で除算する「ゼロ割り」又は0で乗算する「ゼロ掛け」が発生することを防ぐ。したがって、センサ相電流のゼロクロス時に電流推定値の変動を防止することができる。
特に本発明では、「ゼロクロス時」を所定の時間幅の「ゼロクロス期間」として捉え、このゼロクロス期間中、交流電動機の電圧に関する指令値を「連続的な変数値」で繰り返し更新して補間することを特徴とする。
本発明の補間方法と相対する方法として、ゼロクロス期間の開始時に設定した補間値に固定する方法がある。該補間値で固定する場合、ゼロクロス期間中に発生する可能性のある電圧指令値の変化を考慮しないため、ゼロクロス期間の終了時に電動機の駆動状態に対する最適な指令値と該補間値とが乖離し、ゼロクロス時の処理から復帰した際に電圧指令値が不連続に変化するおそれがある。
それに対し本発明では、交流電動機の電圧に関する指令値を「連続的な変数値」で補間することにより、ゼロクロス期間中に電動機の駆動状態に合わせて補間値を連続的に変化させ、ゼロクロス期間の終了時における電動機の駆動状態に対する最適な電圧指令値と補間値との乖離を抑制することができる。
ここで、「連続的な変数値」で補間するための具体的な処理は、例えば電圧指令値についてフィードフォワード演算等による基準値を設定し、この基準値に対してフィルタ処理してもよい。或いは、前々回値又はそれ以前の値と前回値とを外挿して今回の補間値を算出してもよい。
また、電流推定手段は、さらにセンサ相以外の他の相の電流推定値を推定する。これには、次のような構成がある。一つ目に、センサ相以外の他の相の電流推定値を算出してから、センサ相の電流検出値と他の相の電流推定値とをdq変換してd軸電流推定値及びq軸電流推定値を算出する構成である。二つ目に、d軸電流推定値及びq軸電流推定値を算出してから、逆dq変換により他の相の電流推定値を算出する構成である。また、これらを複合した構成も可能である。
そして、センサ相電流のゼロクロス時に、さらに他の相の電流推定値を補間することにより、他の相の電流推定値が急変動することを防止することができる
加えて、センサ相電流のゼロクロス時に、電流推定手段が推定したd軸電流推定値及びq軸電流推定値を補間してもよい。これにより、d軸電流推定値及びq軸電流推定値の変動を防止することができる。よって、d軸電流推定値及びq軸電流推定値を用いて実行する他の制御や判定において、誤判定や誤動作等の影響を回避することができる。
本発明の実施形態による交流電動機の制御装置が適用される電動機駆動システムの構成を示す図である。 本発明の実施形態による交流電動機の制御装置の全体構成図である。 本発明の第1実施形態による電流フィードバック制御方式の制御部の構成を示すブロック図である。 図3の他相電流推定部の構成を示すブロック図である。 センサ相を基準にした固定座標系(α−β座標系)を説明する図である。 センサ相電流のゼロクロス時における他相電流推定値の挙動を説明する波形図である。 センサ相電流のゼロクロス時におけるd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値の補間の実施例を示す模式図である。 本発明の第1実施形態による電流推定処理のフローチャートである。 他相電流推定値のゼロクロス時補間処理のサブフローチャートである。 第1実施形態の変形例による電流推定処理のフローチャートである。 本発明の第2実施形態によるトルクフィードバック制御方式の制御部の構成を示すブロック図である。 センサ相電流のゼロクロス時における電圧位相指令値の補間の実施例を示す模式図である。 本発明の第2実施形態による電流推定処理のフローチャートである。
以下、本発明による交流電動機の制御装置の実施形態を図面に基づいて説明する。
最初に、複数の実施形態に共通の構成について、図1、図2を参照して説明する。この実施形態による「交流電動機の制御装置」としての電動機制御装置10は、ハイブリッド自動車を駆動する電動機駆動システム1に適用される。
[交流電動機の制御装置の構成]
図1に示すように、電動機駆動システム1は、交流電動機2、直流電源8、及び電動機制御装置10等を備える。
交流電動機2は、例えば電動車両の駆動輪6を駆動するためのトルクを発生する電動機である。本実施形態の交流電動機2は、永久磁石式同期型の三相交流電動機である。
電動車両には、ハイブリッド自動車、電気自動車、燃料電池車等、電気エネルギによって駆動輪6を駆動する車両が含まれるものとする。本実施形態の電動車両は、エンジン3を備えたハイブリッド車両であり、交流電動機2は、駆動輪6を駆動するためのトルクを発生する電動機としての機能、及び、エンジン3や駆動輪6から伝わる車両の運動エネルギにより駆動されて発電可能な発電機としての機能を有する、所謂モータジェネレータ(図中、「MG」と記す。)である。
交流電動機2は、例えば変速機等のギア4を介して車軸5に接続される。これにより、交流電動機2の駆動力は、ギア4を介して車軸5を回転させることにより、駆動輪6を駆動する。
直流電源8は、例えばニッケル水素またはリチウムイオン等の二次電池や電気二重層キャパシタ等、充放電可能な蓄電装置である。直流電源8は、電動機制御装置10のインバータ12(図2参照)と接続され、インバータ12を介して交流電動機2と電力の授受可能に構成されている
車両制御回路9は、マイクロコンピュータ等により構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらを接続するバスライン等を備えている。車両制御回路9は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理により、電動車両全体を制御する。
車両制御回路9は、いずれも図示しないアクセルセンサからのアクセル信号、ブレーキスイッチからのブレーキ信号、シフトスイッチからのシフト信号、及び、車両の速度に関する車速信号等の各種センサやスイッチ等から信号を取得可能に構成されている。車両制御回路9は、取得されたこれらの信号等に基づいて車両の運転状態を検出し、運転状態に応じたトルク指令値trq*を電動機制御装置10に出力する。また車両制御回路9は、エンジン3の運転を制御する図示しないエンジン制御回路に対し、指令信号を出力する。
図2に示すように、電動機制御装置10は、インバータ12、電流センサ13、及び「制御手段」としての制御部15を備える。
インバータ12には、図示しない昇圧コンバータによる直流電源の昇圧電圧がシステム電圧VHとして入力される。インバータ12は、ブリッジ接続される図示しない6つのスイッチング素子を有する。スイッチング素子には、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOS(Metal Oxide Semiconductor)トランジスタ、バイポーラトランジスタ等を用いることができる。制御部15のPWM信号生成部25から出力されるPWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに基づいてスイッチング素子のオン/オフが制御されることにより、交流電動機2に印加される三相交流電圧vu、vv、vwに基づいて交流電動機2の駆動が制御される。
電流センサ13は、交流電動機2のいずれか一相に設けられる。本実施形態では、電流センサ13は、W相に設けられており、以下、電流センサ13の設けられるW相を「センサ相」という。電流センサ13は、W相の相電流をセンサ相の電流検出値iw_snsとして検出し、制御部15に出力する。
以下、本実施形態の説明では、センサ相をW相とする構成を前提として説明する。ただし、他の実施形態では、U相又はV相をセンサ相としてもよい。
回転角センサ14は、交流電動機2の図示しないロータ近傍に設けられ、電気角θeを検出し、制御部15に出力する。また、回転角センサ14により検出された電気角θeに基づき、交流電動機2のロータの回転数Nが算出される。以下、「交流電動機2のロータの回転数N」を、単に「交流電動機2の回転数N」という。
本実施形態の回転角センサ14は、レゾルバであるが、その他の実施形態では、ロータリエンコーダ等、他種のセンサを用いてもよい。
制御部15は、マイクロコンピュータ等により構成され、内部にはいずれも図示しないCPU、ROM、I/O、及び、これらの構成を接続するバスライン等を備えている。制御部15は、予め記憶されたプログラムをCPUで実行することによるソフトウェア処理や、専用の電子回路によるハードウェア処理により、交流電動機2の動作を制御する。
電動機制御装置10は、回転角センサ14が検出した電気角θeに基づく交流電動機2の回転数N、及び、車両制御回路9からのトルク指令値trq*に応じて、交流電動機2を「電動機としての力行動作」により電力を消費し、又は「発電機としての回生動作」により電力を生成する。具体的には、回転数N及びトルク指令値trq*の正負によって、以下の4つのパターンで動作を切り替える。
<1.正転力行> 回転数Nが正でトルク指令値trq*が正のとき、電力消費。
<2.正転回生> 回転数Nが正でトルク指令値trq*が負のとき、発電。
<3.逆転力行> 回転数Nが負でトルク指令値trq*が負のとき、電力消費。
<4.逆転回生> 回転数Nが負でトルク指令値trq*が正のとき、発電。
回転数N>0(正転)で、トルク指令値trq*>0である場合、または、回転数N<0(逆転)でトルク指令値trq*<0である場合、インバータ12は、スイッチング素子のスイッチング動作により、直流電源8側から供給される直流電力を交流電力に変換してトルクを出力する(力行動作する)ように、交流電動機2を駆動する。
一方、回転数N>0(正転)で、トルク指令値trq*<0である場合、または、回転数N<0(逆転)でトルク指令値trq*>0である場合、インバータ12は、スイッチング素子のスイッチング動作により、交流電動機2が発電した交流電力を直流電力に変換し、直流電源8側へ供給することにより、回生動作する。
[制御部の構成と作用効果]
以下、制御部15の構成及び作用効果を実施形態毎に説明する。第1実施形態の制御部151は電流フィードバック制御方式により、第2実施形態の制御部153はトルクフィードバック制御方式により、交流電動機2の通電を制御する。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の制御部151について、図3〜図10を参照して説明する。
電流フィードバック制御方式は、d軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*に対してd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estをフィードバックする制御方式であり、いわゆる正弦波制御モードや過変調制御モードが含まれる。
図3に示すように、制御部151は、dq軸電流指令値演算部21、電流減算器22、PI演算部23、逆dq変換部24、PWM信号生成部25、電流推定部301及び、「ゼロクロス補間手段」としての電圧指令値ゼロクロス補間部27を有する。
dq軸電流指令値演算部21は、車両制御回路9から取得したトルク指令値trq*に基づき、交流電動機2の回転座標系(d−q座標系)におけるd軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*を演算する。本実施形態では、d軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*は、予め記憶されているマップを参照することにより演算される。他の実施形態では数式等から演算するように構成してもよい。
電流減算器22は、d軸電流減算器221及びq軸電流減算器222を有する。d軸電流減算器221では、電流推定部301にて算出されてフィードバックされるd軸電流推定値id_estとd軸電流指令値id*との差であるd軸電流偏差Δidを算出する。また、q軸電流減算器222では、電流推定部301にて算出されてフィードバックされるq軸電流推定値iq_estとq軸電流指令値iq*との差であるq軸電流偏差Δiqを算出する。
PI演算部23は、d軸PI演算部231及びq軸PI演算部232を有する。d軸PI演算部231では、d軸電流推定値id_estをd軸電流指令値id*に追従させるべく、d軸電流偏差Δidが0に収束するようにd軸電圧指令値vd*をPI演算により算出する。また、q軸PI演算部232では、q軸電流推定値iq_estをq軸電流指令値iq*に追従させるべく、q軸電流偏差Δiqが0に収束するようにq軸電圧指令値vq*をPI演算により算出する。
PI演算部23が演算したd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*は、電圧指令値ゼロクロス補間部27を経由し、d軸電圧指令値(確定値)vd*_fix及びq軸電圧指令値(確定値)vq*_fixとして逆dq変換部24に入力される。電圧指令値ゼロクロス補間部27の構成については後述する。
逆dq変換部24では、回転角センサ14から取得される電気角θeに基づき、d軸電圧指令値(確定値)vd*_fix及びq軸電圧指令値(確定値)vq*_fixを、U相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、及びW相電圧指令値vw*に変換する。
PWM信号生成部25では、インバータ12のスイッチング素子のオン/オフの切替えに係るPWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを、三相電圧指令値vu*、vv*、vw*、及び、インバータ12に印加されるシステム電圧VHに基づいて算出する。
そして、PWM信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに基づいてインバータ12のスイッチング素子のオン/オフが制御されることより、三相交流電圧vu、vv、vwが生成され、この三相交流電圧vu、vv、vwが交流電動機2に印加されることにより、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるように、交流電動機2の駆動が制御される。
電流推定部301は、他相電流推定部31及びdq変換部34を有している。
そもそも電流センサ13が二相に設けられている電動機制御装置の場合、キルヒホッフの法則により、電流センサ13が設けられていない残りの一相の電流を容易に算出可能である。それに対し、電流センサ13を一相(W相)にのみ設ける本実施形態では、電流推定部301の他相電流推定部31にて、電流センサ13が設けられていないU相、V相のうち一相の電流を推定する。以下、電流を推定する相を「推定相」という。本実施形態の説明では、推定相をU相とする構成を前提として説明する。
dq変換部34は、センサ相の電流検出値iw_snsと他相電流推定部31が推定した推定相の電流推定値iu_estとをdq変換し、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを算出する。
なお、図3中、他相電流推定部31からdq変換部34に出力される他相電流推定値について「iu(v)_est」、同じくdq変換部34について「u(v)w→dq」というように、推定相をV相とする場合を括弧書きで示す。
次に、他相電流推定部31が推定相の電流推定値iu_estを推定する構成について説明する。ここで、電流フィードバック制御方式では、d軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*が制御に用いられる。そこで、本実施形態の他相電流推定部31は、センサ相の電流検出値iw_sns、電気角θe、並びにd軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*の情報に基づいて、推定相の電流推定値iu_estを算出する。
特に本実施形態では、α−β座標系におけるα軸電流iαとβ軸電流iβとに基づいて算出したセンサ相基準電流位相θxから、推定相の電流推定値iu_estを算出することを特徴とする。
本実施形態の他相電流推定部31の詳細構成では、図4に示すように、他相電流参照値算出部32及び他相電流ゼロクロス補間部33を含む。
他相電流参照値算出部32は、dq軸電流指令値演算部21により算出されるd軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*、並びに電気角θeを取得し、逆dq変換により、推定相でないV相の電流指令値iv*を算出する。
なお、他の実施形態で推定相がV相の場合には、U相の電流指令値iu*を算出する。或いは、U相及びV相の電流指令値iu*、iv*を算出してもよい。
次に、こうして算出されたV相電流指令値iv*、及び、センサ相の電流検出値iw_snsを用い、α軸電流iα及びβ軸電流iβを算出した後、α−β座標系で定義されるセンサ相基準電流位相θxを算出する。
図5に示すように、α軸はセンサ相であるW相の軸に一致し、β軸はα軸に直交する。センサ相基準電流位相θxは、α軸と、電流振幅Iaの電流ベクトル(Ia∠θx)とがなす、センサ相の電流検出値iw_snsに同期した角度である。正回転、正トルクの力行状態において、W相電流iwの波形が負から正にゼロクロスするときのセンサ相基準電流位相θxは0[°]であり、W相電流iwの波形が正から負にゼロクロスするときのセンサ相基準電流位相θxは180[°]である。
ここで、センサ相基準電流位相θxの算出に用いるα軸電流iα、及び、β軸電流iβについて説明する。α軸電流iα及びβ軸電流iβを、各相電流iu、iv、iwを用いて表すと、式(1)、(2)となる。式(1)、(2)中のKは、変換係数である。
Figure 0005910582
また、上述の通り、キルヒホッフの法則より、三相電流iu、iv、iwの瞬時値の和は0となる。すなわち、以下の式(3)が成り立つ。
iu+iv+iw=0 ・・・(3)
ここで、式(1)について式(3)を用いて変形すると、以下の式(4)が得られる。
Figure 0005910582
すなわち、式(4)に示すように、α軸電流iαは、センサ相であるW相電流iwのみに基づいて算出可能である。ここで、W相電流iwとして、センサ相の電流検出値iw_snsを用いると、α軸電流検出値iα_snsは、式(5)のように表される。
Figure 0005910582
また、式(2)を参照し、U相電流iuとして電流指令値iu*、V相電流として電流指令値iv*を用いると、β軸電流推定値iβ_estは、式(6)のように表される。
Figure 0005910582
式(6)では、β軸電流推定値iβ_estは、電流指令値iu*及びiv*から算出されており、電流センサ13により検出されるセンサ相の電流検出値iw_snsの成分が含まれていない。そのため、式(6)により算出されるβ軸電流推定値iβ_estは、必ずしも実電流を精度よく反映した情報にはならない。
そこで、キルヒホッフの法則(式(3))を用い、β軸電流推定値iβ_estにセンサ相の電流検出値iw_snsを含ませるように式(6)を変形すると、以下の式(7)のようになる。
Figure 0005910582
式(7)のように、実電流であるセンサ相の電流検出値iw_snsをβ軸電流推定値iβ_estに含ませることにより、制御変動に応答できるようになり、W相軸成分が小さく、収束しにくい領域を狭小化できるため、β軸電流推定値iβ_estの精度を向上させることができる。つまりは、β軸電流推定値iβ_estを用いて算出されるセンサ相基準電流位相θxの検知精度を向上させることができる。
続いて、式(5)により算出されたα軸電流検出値iα_sns、及び、式(6)又は式(7)により算出されたβ軸電流推定値iβ_estに基づき、式(8)により、センサ相基準電流位相θxを算出する。
ここで、式(8)を用いて、センサ相基準電流位相θxを逆正接関数(tan-1)で計算する場合、α軸電流iα及びβ軸電流iβの定義によっては、センサ相基準電流位相θxがセンサ相(W相)に同期した角度にはならない場合がある。これは、軸の定義(例えば、α軸とβ軸の入れ替わりや符号反転)によるものである。
この場合には、正回転、正トルクにおけるセンサ相の電流検出値iw_snsが負から正にゼロクロスするときのセンサ相基準電流位相θxが0[°]になり、センサ相の電流検出値iw_snsが正から負にゼロクロスするときのセンサ相基準電流位相θxが180[°]になるように、すなわち、センサ相電流検出値iw_snsに同期した角度となるように、適宜、算出方法を変更してもよいものとする。例えば、α軸電流iα及びβ軸電流iβの符号を操作してからセンサ相基準電流位相θxを算出してもよく、またα軸電流iαおよびβ軸電流iβ自体を入替えたり、α軸とβ軸との直交関係による位相差90[°]を算出したセンサ相基準電流位相θxに適宜加減してもよい。
Figure 0005910582
次に、センサ相基準電流位相θx、及び、センサ相の電流検出値iw_snsを用い、推定相であるU相の電流推定値iu_estを算出する。
ここで、センサ相の電流検出値iw_sns、及び、推定相であるU相電流推定値iu_estを、センサ相基準電流位相θxを用いて表すと、各相の位相差は120[°]であるので、式(9)、(10)のようになる。式(9)、(10)中のIaは、電流振幅である。
iw_sns=Ia×sin(θx) ・・・(9)
iu_est=Ia×sin(θx−120°) ・・・(10)
また、U相電流推定値iu_estは、加法定理により式(10)を変形すると、センサ相基準電流位相θx及びセンサ相の電流検出値iw_snsを用いて以下の式(11)のように表される。
Figure 0005910582
また、推定係数iu_kpを式(12)で定義すると、U相電流推定値iu_estは、推定係数iu_kpを用いて式(13)のようにも表される。ここで、推定係数iu_kpは、式(12)で直接演算してもよく、又は式(12)の一部或いは全体をセンサ相基準電流位相θxに基づいて予めマップ化しておき、このマップを参照することにより算出してもよい。
制御部151が一般的な電子制御回路(マイコン)で構成される場合、制御部151に演算式を実装すると、連続時間ではなく離散時間で処理され、センサ検出値や各演算値も指定された分解能(LSB)に基づく離散値として扱われる。ここで、「演算式を実装する」とは、ソフトウェアのプログラムや、ハードウェア回路の構築等を含むものとする。処理負荷の大きい乗算や除算を避けるため、引数をセンサ相基準電流位相θxとし、推定係数iu_kp、或いは推定係数iu_kp内の{1/tan(θx)}項をマップ化しておくことが有効である。このようなマップを設けることにより、離散系への適用を容易にし、マイコンの処理負荷を最小限に留めることができ、演算処理能力の高い高価なマイコンを用いる必要が無くなる。
Figure 0005910582
式(11)または式(13)を参照すると、U相電流推定値iu_estをセンサ相基準電流位相θx、及びセンサ相の電流検出値iw_snsを用いて算出する場合、電流振幅Iaを用いていない。したがって、電流推定において、電流振幅Iaを求める必要がなく、演算すべき変数を削減することができる。
センサ相基準電流位相θx及びセンサ相の電流検出値iw_snsに基づいて算出されたU相電流推定値iu_estは、推定相の電流推定値(参照値)iu_est_refとして他相電流ゼロクロス補間部33に出力される。
ここで、図6に示すように、センサ相の電流検出値iw_snsは正弦波状に変化し、位相180[°]毎に0[A]をまたいで正負を交替する。このように、センサ相の電流検出値iw_snsが厳密な0[A]であるときに限らず、0[A]を含む所定範囲Az内にあるとき、「センサ相電流のゼロクロス時」という。また、以下の説明で、電流値等について、厳密な0のみでなく、検出誤差や機器の分解能を考慮した制御演算上実質的に0と同等の範囲の値を含むとき、「ゼロ」と記載する。
「0[A]を含む所定範囲Az内の値」とは、センサ相の電流検出値iw_snsの絶対値が所定値以下であること、或いは、推定係数iu_kpの絶対値が所定値以上であることをいう。ここで、「所定値」とは、例えば±5[A]といった具合に電流値で設定してもよいし、5[LSB]といった具合に離散系における分解能に基づいて設定してもよいし、数式等で設定してもよい。また、センサ相の電流検出値iw_snsとセンサ相基準電流位相θxとが同期していることから、センサ相基準電流位相θxの値によって判定してもよい。
図6(b)に示すように、センサ相の電流検出値iw_snsが所定範囲Az内にある状態は位相軸上でゼロクロス位相範囲Pzxに対応する。ゼロクロス位相範囲Pzxは、時間軸上の「ゼロクロス期間Tzx」(後述する図7等参照)にも換算できる。
時間軸への換算方法は、交流電動機2の回転数を係数として算出する方法や、ゼロクロス位相範囲Pzxの開始点から終了点までの2点間を通過する時間をマイコン内のタイマー等で計測する方法等、どのような方法を用いてもよい。
センサ相電流のゼロクロス時には、式(5)よりα軸電流検出値iα_snsがゼロとなり、式(8)にて、センサ相基準電流位相θxの正接tan(θx)が無限大になる。
すると、式(11)において、センサ相の電流検出値iw_snsがゼロになるとき、或いは、センサ相基準電流位相θxの正接tan(θx)が無限大になるとき、ゼロで乗算する「ゼロ掛け」が生じる。また、センサ相基準電流位相θxの正接tan(θx)がゼロとなるとき、ゼロで除算する「ゼロ割り」が生じる。そのため、推定相であるU相の電流推定値iu_estが変動するおそれがある。
そこで、本実施形態では、他相電流ゼロクロス補間部33において、電流推定値(参照値)iu_est_refを補間し、ゼロ割り、ゼロ掛けをマスクしている。
なお、ゼロ割りに関しては、式(13)において離散系の影響により電流推定値が意図しない値で算出されるのを防ぐため、推定係数iu_kp、或いは推定係数iu_kp内の{1/tan(θx)}項に制限値を設けておくことでも対策できる。また、制御部151に式(13)を実装する場合、推定係数iu_kp、或いは推定係数iu_kp内の{1/tan(θx)}項をマップ化しておくことも有効であり、その場合、マップ上で制限値を設けておくことでも対策できる。
他相電流ゼロクロス補間部33は、ゼロクロス判定部331及び前回値保持部332を有する。ゼロクロス判定部331は、現在、「センサ相電流のゼロクロス時」であるか否か判定する。すなわち、センサ相の電流検出値iw_snsが、0[A]を含む所定範囲Az内であるとき、センサ相電流のゼロクロス時であると判定する。
センサ相電流のゼロクロス時でないと判定した場合、ゼロクロス判定部331は、他相電流参照値算出部32にて算出された電流推定値(参照値)iu_est_refを、そのまま電流推定値(確定値)iu_est_fixとしてdq変換部34へ出力する。
一方、センサ相電流のゼロクロス時であると判定した場合、ゼロクロス判定部331は、前回値保持部332から電流推定値(補間値)iu_est_cmpを取得し、この電流推定値(補間値)iu_est_cmpを、電流推定値(確定値)iu_est_fixとしてdq変換部34へ出力する。
前回値保持部332では、予め前回値を保持しておき、センサ相電流のゼロクロス時であると判定した場合、電流推定値(補間値)iu_est_cmpを算出し、ゼロクロス判定部331に出力する。
例えば、前回値保持部332では、以前に算出された電流推定値(確定値)iu_est_fixについて、直近の所定回数分を、電流推定値(保持値)iu_est_hldとして保持しておく。そして、センサ相電流のゼロクロス時であると判定した場合、前回値またはそれ以前の値である電流推定値(保持値)iu_est_hldを、電流推定値(補間値)iu_est_cmpとしてゼロクロス判定部331に出力する。
また例えば、前回値保持部332では、以前にdq変換部34にて算出されたd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estについて、直近の所定回数分を、d軸電流推定値(保持値)id_est_hld及びq軸電流推定値(保持値)iq_est_hldとして保持しておく。そして、センサ相電流のゼロクロス時であると判定した場合、前回値またはそれ以前の値であるd軸電流推定値(保持値)id_est_hld及びq軸電流推定値(保持値)iq_est_hldを用い、逆dq変換により算出されたU相電流推定値を、電流推定値(補間値)iu_est_cmpとしてゼロクロス判定部331に出力する。
このように、センサ相電流のゼロクロス時に推定相の電流推定値iu_estを補間することで、式(11)における「ゼロ割り」及び「ゼロ掛け」によって生じる推定相の電流推定値iu_estの急変動を回避することができる。なお、他相電流ゼロクロス補間部33における推定相の電流推定値iu_estのゼロクロス補間方法は、上述した方法以外の方法であってもよいし、必要に応じてゼロクロス補間を行わなくてもよい。
dq変換部34は、他相電流ゼロクロス補間部33から取得した電流推定値(確定値)iu_est_fix、センサ相の電流検出値iw_sns、及び電気角θeを用い、dq変換によりd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを算出する。
dq変換部34におけるd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estの算出について説明する。まず、dq変換の一般式を以下の式(14)に示す。
Figure 0005910582
ここで、キルヒホッフの法則(式(3)参照)よりiv=−iu−iwであり、また、iu=iu_est、iw=iw_snsを式(14)に代入すると、以下の式(15)が得られる。なお、本実施形態では、iu_estとして、ゼロクロス補間された電流推定値(確定値)iu_est_fixを用いる。
Figure 0005910582
式(15)に示すように、三相のうち二相の電流値(検出値または推定値)を用い、dq変換によりd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを算出可能である。したがって、他相電流推定部31は、センサ相以外の二相のうち一相(U相)の電流推定値を算出すればよく、もう一方の相(V相)の電流推定値を算出する必要はない。
図3に戻って説明を続ける。電流推定部301が以上のように推定したd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estは、減算器22にフィードバックされる。そして、PI演算部23は、d軸電流偏差Δid及びq軸電流偏差Δiqに基づいて、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*をPI演算により算出する。
ところで、センサ相電流のゼロクロス時に、他相電流ゼロクロス補間部33で推定相の電流推定値iu_estを補間すると、補間に伴う電流推定値iu_estの誤差によって、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*が変動し、電流フィードバック制御が不安定になる可能性がある。そこで、電圧指令値ゼロクロス補間部27は、推定相の電流推定値iu_estに係るゼロクロス補間とは別に、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*についてゼロクロス補間することで、それらの変動を防止する。
電圧指令値ゼロクロス補間部27は、センサ相の電流検出値iw_sns及び電気角θeに基づき、他相電流ゼロクロス補間部33のゼロクロス判定部331と同様に、現在、センサ相電流のゼロクロス時であるか否か判定する。或いは、ゼロクロス判定部331の判定結果を援用するようにしてもよい。
センサ相電流のゼロクロス時でないと判定した場合、電圧指令値ゼロクロス補間部27は、PI演算部23が演算したd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*をそのままd軸電圧指令値(確定値)vd*_fix及びq軸電圧指令値(確定値)vq*_fixとして逆dq変換部24に出力する。
一方、センサ相電流のゼロクロス時であると判定した場合、電圧指令値ゼロクロス補間部27は、PI演算部23が演算したd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を連続的な変数値で補間し、d軸電圧指令値(確定値)vd*_fix及びq軸電圧指令値(確定値)vq*_fixとして逆dq変換部24に出力する。
ここで、「連続的な変数値で補間する」とは、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を、それぞれ前回値等の一定値に固定するのではなく、ゼロクロス期間中、繰り返し補間値を更新することを意味する。
d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を「連続的な変数値」で補間する具体例について、図7を参照して説明する。
図7の横軸は時間を示し、縦軸は電圧を示す。横軸の時間は、センサ相基準電流位相θxと相関している。すなわち、図6(b)のゼロクロス位相範囲Pzxは、開始時tsから終了時teまでの「ゼロクロス期間Tzx」に相当する。
実線の電圧値は、ゼロクロス期間Tzx以外の時間において、電流フィードバック制御によってPI演算部23が演算したd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*である。ゼロクロス期間Tzxでは、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*が、破線で示すd軸電圧指令補間値vd*_cmp及びq軸電圧指令補間値vq*_cmpによって補間される。
d軸電圧指令補間値vd*_cmp及びq軸電圧指令補間値vq*_cmpは、フィルタ処理や外挿法等によって、所定の演算周期で繰り返し演算される。例えば外挿法では、前々回の演算値と前回の演算値、又はそれ以外の過去値の組合せに基づき外挿することで今回値を推測する。
また、別の方法では、一点鎖線で示すd軸電圧指令基準値vd*_ref及びq軸電圧指令値vq*_refを目標値とし、現在値を目標値に漸近させるように補間値を演算する。この基準値は、例えば、電動機の電圧方程式に基づくフィードフォワード演算によって算出される。
フィードフォワード演算では、d軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*、並びに機器定数等に基づいて、式(16.1)、(16.2)によりd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を算出する。
vd*=Ra×id*+Ld×(d/dt)id*−ω×Lq×iq*
・・・(16.1)
vq*=Ra×iq*+Lq×(d/dt)iq*+ω×Ld×id*+ω×ψ
・・・(16.2)
ここで、記号は、以下のとおりである。
Ra:電機子抵抗
Ld、Lq:d軸自己インダクタンス、q軸自己インダクタンス
ω:電気角速度
ψ:永久磁石の電機子鎖交磁束
交流電動機2の機器定数である電機子抵抗Ra、d軸自己インダクタンスLd、q軸自己インダクタンスLq、及び電機子鎖交磁束ψは、固定値としてもよいし、計算にて算出してもよい。また、実際の特性に近い値や実測値をマップ化しておき、トルク指令値trq*、又はd軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*に基づいて演算してもよい。
また、このフィードフォワード演算に限らず、補間値の漸近目標とする基準値として、他の演算の算出値を用いてもよい。さらに、現在値を基準値に漸近させる処理は、基準値に対してフィルタ処理してもよいし、連続的に値を変化させる他の方法を用いてもよい。
このように、本実施形態では、ゼロクロス期間Tzxにおいてd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を一定値に固定することで補間するのでなく、連続的な変数値で補間することを特徴とする。
次に、第1実施形態の電流推定処理ルーチンについて図8、図9を参照して説明する。
以下のフローチャートの説明で、記号Sは「ステップ」を示す。また、上述のように本実施形態では、三相のうちセンサ相としてW相を選択し、電流を推定する推定相としてU相を選択する構成を例示しているため、フローチャートの説明においても、この例による構成を前提として説明する。
この電流推定ルーチンは、制御部151の電源オン期間中に所定の演算周期で繰り返し実行される。本ルーチンが起動されると、最初のS10では、電流センサ13で検出したセンサ相の電流検出値iw_snsを取得すると共に、回転角センサ14で検出した交流電動機2の電気角θeを取得する。
この後、第1実施形態では、他相電流推定部31の参照値算出部32にて、S22、S23、S24によりα軸電流iα及びβ軸電流iβを算出した後、S28によりセンサ相基準電流位相θxを算出する。
S22では、交流電動機2の電気角θeと、d軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*とに基づく逆dq変換によってV相の電流指令値iv*を算出する。この場合のV相は、センサ相以外の二相のうち推定相でない相である。なお、他の実施形態では、U相及びV相の電流指令値iu*、iv*を算出してもよい。
S23では、センサ相の電流検出値iw_snsを用いて、式(5)によりα軸電流iα_snsを算出する。
S24では、他の一相の電流指令値iv*とセンサ相の電流検出値iw_snsとを用いて、式(7)によりβ軸電流iβ_estを算出する。
S28では、α軸電流iαとβ軸電流iβとを用いて式(8)によりセンサ相基準電流位相θxを算出する。
S40では、センサ相基準電流位相θx及びセンサ相の電流検出値iw_snsを用いて、式(11)によりU相の電流推定値(参照値)iu_est_refを算出する。このとき、式(12)により算出し、又はマップから取得した推定係数iu_kp、及び、センサ相の電流検出値iw_snsを用いて、式(13)によりU相の電流推定値(参照値)iu_est_refを算出してもよい。
S50では、他相電流ゼロクロス補間部33により、U相の電流推定値(参照値)iu_est_refについてゼロクロス時補間処理を行う。
図9のサブフローチャートにおいて、S51では、ゼロクロス判定部331にて、現在、センサ相電流のゼロクロス時であるか否かを判定する。この判定は、例えばセンサ相の電流検出値iw_snsが0[A]を含む所定範囲Az内の値であるか否かによって判定する。
S51で、センサ相電流のゼロクロス時ではない(NO)と判定された場合、S52に進み、S40で算出したU相の電流推定値(参照値)iu_est_refを、そのままU相の電流推定値(確定値)iu_est_fixとして出力する。
一方、S51で、センサ相電流のゼロクロス時である(YES)と判定された場合、S54に進む。S54では、前回値保持部332からU相の電流推定値(補間値)iu_est_cmpを取得し、この電流推定値(補間値)iu_est_cmpを、U相の電流推定値(確定値)iu_est_fixとして出力する。
図8に戻り、S60では、dq変換部34にて、センサ相の電流検出値iw_sns、U相の電流推定値iu_est、及び電気角θeに基づいて、式(15)によりdq変換を行い、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを算出する。
こうして算出されたd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estは、減算器22にてd軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*に対してフィードバックされる。そして、d軸電流偏差Δid及びq軸電流偏差Δiqを0に収束させるように、PI演算部23にてd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を演算する。
次にS71〜S73では、電圧指令値ゼロクロス補間部27にてd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*についてゼロクロス時補間処理を行う。
S71では、現在、センサ相電流のゼロクロス時であるか否か判定する。この判定は、S51の判定結果を援用してもよい。
センサ相電流のゼロクロス時ではない(S71:NO)と判定された場合、S72に進む。S72では、PI演算部23が演算したd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*をそのままd軸電圧指令値(確定値)vd*_fix及びq軸電圧指令値(確定値)vq*_fixとして出力し、ルーチンを終了する。
一方、センサ相電流のゼロクロス時である(S71:YES)と判定された場合、S73に進む。S73では、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を連続的な変数値で補間して、d軸電圧指令値(確定値)vd*_fix及びq軸電圧指令値(確定値)vq*_fixとして出力し、ルーチンを終了する。
また、図10のフローチャートに示す変形例では、S73に加え、S60で算出されたd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを補間するS74を実行する。S74では、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estをそれぞれ前回値又はそれ以前の値に固定することで補間してもよく、或いは、連続的な変数値で補間してもよい。
(第1実施形態の効果)
(1)本実施形態の電動機制御装置10は、三相のうち一相の相電流を電流センサ13により検出し、他の二相の相電流を推定するものである。電流センサ13をセンサ相のみに設けることで、電流センサ13の数を減らすことができる。これにより、インバータ12の三相出力端子近傍を小型化し、また、電動機制御装置10のコストを低減することができる。
また、電流センサ13の数を1つにすることで、複数個の電流センサを用いる従来の交流電動機の制御システムで発生しうる、電流センサのゲイン誤差の影響が無くなる。これにより、交流電動機2において、複数個の電流センサのゲイン誤差が引き起こす出力トルク変動を排することができ、例えば車両用の場合は車両振動を無くすことに繋がり、車両の商品性を下げる要素を取り除くことができる。
(2)電流センサ13を一相にのみ設けた電動機制御装置10において電流フィードバック制御方式により交流電動機2の通電を制御するとき、センサ相電流のゼロクロス時に推定相の電流推定値iu_estを補間することで、式(11)における「ゼロ割り」及び「ゼロ掛け」により計算が不能になる状況を回避する。したがって、推定相の電流推定値iu_estが急変動することを防止することができる。
(3)センサ相電流のゼロクロス時に、「交流電動機の電圧に関する指令値」として、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を補間することで、例えば、電流推定値iu_estのゼロクロス補間に伴う推定誤差によるd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*の変動を防止することができる。よって、交流電動機2の電流フィードバック制御が不安定になることを回避することができる。
(4)ゼロクロス期間Tzxの開始時tsにおける情報のみに基づいてd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を固定する補間方法では、ゼロクロス期間Tzx中に演算されるd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*の変化を考慮しないため、ゼロクロス期間Tzxの終了時に電動機の駆動状態に対する最適な電圧指令値と補間値とが乖離し、ゼロクロス時の処理から復帰した際に、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*が不連続に変化するおそれがある。
それに対し、ゼロクロス期間Tzx中に変化する情報に基づきd軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を連続的な変数値で補間することにより、ゼロクロス期間Tzx中に電動機の駆動状態に合わせて補間値を連続的に変化させ、ゼロクロス期間の終了時における電動機の駆動状態に対する最適な電圧指令値と補間値との乖離を抑制することができる。
(5)上記変形例(図10参照)のように、センサ相電流のゼロクロス時に、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*に加え、さらにd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを補間することで、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estの変動を防止することができる。したがって、電流フィードバック制御以外にd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを用いて実行する他の制御や判定において、誤判定や誤動作等の影響を回避することができる。
(6)電流センサを一相にのみ設けた電動機制御装置においてセンサ相以外の相の電流を推定する従来技術として、特許文献1(特開2004−159391号公報)の技術は、d軸電流指令値及びq軸電流指令値に基づいてセンサ相以外の相の電流を推定するものである。
ところで、交流電動機の電流ベクトルは、制御誤差やフィードバック制御等の影響により、電流指令値に対応した指令電流ベクトルに対して変動しながら、指令電流ベクトルに追従している。そのため、実際の電流位相と指令電流位相との間には「ずれ」が生じており、指令電流位相は実際の電流位相を精度良く反映した情報にはならない。
その点、特許文献1の従来技術では、実際の電流位相を全く考慮しておらず、指令電流位相角から求めたU相電流位相角を用いて他の二相の電流推定値を算出するため、特に車両用のようにトルク変化や回転速度変化が要求される場合には、電流推定値を精度良く算出することができず、交流電動機の制御が成立しなくなる可能性がある。
それに対し、本実施形態の電流推定部301は、センサ相を基準にした固定座標系(α−β座標系)におけるα軸電流iαとβ軸電流iβとに基づいてセンサ相基準電流位相θxを算出するため、センサ相を基準にした実際の電流位相θxを算出することができる。また、センサ相基準電流位相θxとセンサ相の電流検出値iw_snsとに基づいて推定相の電流推定値iu_estを算出することで、実際の電流位相θxの高調波成分や通常起こり得る変動の影響を織り込んで推定相の電流推定値iu_estを精度良く算出することができる。
(7)電流フィードバック制御方式を用いて交流電動機2の通電を制御する本実施形態では、d軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*を逆dq変換して得られるセンサ相以外の相の電流指令値iu*、iv*、及びセンサ相の電流検出値iw_snsのうち2つの相電流値に基づいて、式(6)又は式(7)によりβ軸電流iβを算出する。
特に、式(7)により、センサ相以外の一相の電流指令値iv*とセンサ相の電流検出値iw_snsとに基づいてβ軸電流iβを算出することが好ましい。
この場合、α−β座標系において、「電流検出値の影響が大きく、センサ相基準電流位相θxの算出誤差が小さい領域」を拡大することができる。したがって、センサ相の電流検出値の影響をβ軸電流iβに含ませることができ、その結果、センサ相基準電流位相θxの算出精度を向上させることができる。これにより、d軸電流やq軸電流の周期的な制御変動を低減することができると共に、電流指令値の変化時等の過渡時に、電流推定値iu_estの算出精度、言い換えれば、真値に対する収束性を向上させることができる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の制御部153について、図11〜図13を参照して説明する。第2実施形態の制御ブロック図及びフローチャートの説明では、第1実施形態と実質的に同一の構成又はステップに同一の符号を付して説明を省略する。
トルクフィードバック制御方式は、トルク指令値trq*に対してトルク推定値trq_estをフィードバックする制御方式である。トルクフィードバック制御方式の制御モードとして、具体的には、矩形波電圧の位相を制御する矩形波制御モードが知られている(例えば特開2010−124544号公報参照)。なお、ここでの矩形波とは、電流1周期で1パルスの波形をいう。
図11に示すように、制御部153は、トルク減算器52、PI演算部53、矩形波発生器54、信号発生器55、電流推定部303、トルク推定部56、及び「ゼロクロス補間手段」としての電圧位相指令値ゼロクロス補間部57を有する。
トルク減算器52は、トルク推定部56からフィードバックされるトルク推定値trq_estとトルク指令値trq*との差であるトルク偏差Δtrqを算出する。
PI演算部53は、トルク推定値trq_estをトルク指令値trq*に追従させるべく、トルク偏差Δtrqが0に収束するように、電圧ベクトルの位相指令値である電圧位相指令値VΨをPI演算により算出する。
PI演算部53が演算した電圧位相指令値VΨは、電圧位相指令値ゼロクロス補間部57を経由し、電圧位相指令値(確定値)VΨ_fixとして矩形波発生器54に入力される。電圧位相指令値ゼロクロス補間部57の構成については後述する。
矩形波発生器54は、電圧位相指令値VΨと電気角θeとに基づいて矩形波を発生し、U相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、及びW相電圧指令値vw*を出力する。
信号発生器55は、U相電圧指令値vu*、V相電圧指令値vv*、及びW相電圧指令値vw*に基づき、インバータ12のスイッチング素子のオン/オフの切替えに係る電圧指令信号UU、UL、VU、VL、WU、WLを生成し、インバータ12に出力する。
電圧信号UU、UL、VU、VL、WU、WLに基づいてインバータ12のスイッチング素子のオン/オフが制御されることより、三相交流電圧vu、vv、vwが生成され、この三相交流電圧vu、vv、vwが交流電動機2に印加されることにより、トルク指令値trq*に応じたトルクが出力されるように、交流電動機2の駆動が制御される。
電流推定部303は、電流センサ13が検出したセンサ相の電流検出値iw_snsと、回転角センサ14から取得された電気角θeとに基づいて、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを推定する。
電流フィードバック制御方式と異なり、トルクフィードバック制御方式では、d軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*、或いは、これらを逆dq変換して得られるセンサ相以外の相(U相とV相)の電流指令値iu*、iv*を電流推定に用いることができない。そこで、本実施形態の電流推定部303は、これらの電流指令値を用いず、センサ相の電流検出値iw_sns、及び電気角θeの情報に基づいて、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを推定する。
特に本実施形態では、第1実施形態と同様に、まず、他相電流推定部でα−β座標系を用いて推定相の電流推定値iu_estを算出する。ここで、α軸電流iαとβ軸電流iβが「sin波とcos波」の関係にあり、α軸電流iαとβ軸電流iβの位相差が90[°]であることに着目し、α軸電流の微分値Δiαに基づいてβ軸電流iβを算出することを特徴とする。そして、センサ相の電流検出値iw_snsと推定相の電流推定値iu_estとをdq変換し、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを算出する。
α軸電流iαの微分については、まず、α軸電流iαを算出するタイミング間での「電気角移動量Δθe[rad]に対するα軸電流iαの変化量」、すなわち、「α軸電流iαの今回値と前回値との差」に基づいて、α軸電流の微分値Δiαを、下式(17)により算出する。
Δiα=−{iα(n)−iα(n−1)}/Δθe ・・・(17)
ここで、電気角移動量Δθeは、前回の電流検出タイミングから今回の電流検出タイミングまでの電気角移動量をラジアン単位で表した値である。また、iα(n)はα軸電流の今回値であり、iα(n−1)はα軸電流の前回値である。
なお、電流検出タイミングは、インバータ12のいずれかの相のスイッチング素子が電気角60[°]毎にオン/オフするタイミングである「スイッチタイミング」、及び、連続するスイッチタイミング同士の間の「中間タイミング」に設定してもよい。
また、制御部153における演算が離散系である場合、α軸電流微分値Δiαは、実際のβ軸電流iβに対し、電気角移動量Δθeの半分だけ遅れる。この点を考慮し、α軸電流iαの前回値と今回値との平均値に電気角移動量Δθeの半分(Δθe/2)を乗じた補正量Hを式(18)により算出し、この補正量Hを、式(19)によりα軸電流の微分値Δiαに加算することが好ましい。
H={iα(n−1)+iα(n)}/2×(Δθe/2) ・・・(18)
iβ_est=Δiα+H ・・・(19)
そして、α軸電流iαとβ軸電流iβを用いて式(8)によりセンサ相基準電流位相θxを算出する。なお、式(17)において、α軸電流iαやβ軸電流iβの定義によって符号が反転する場合は、式(8)による「tan-1(iβ/iα)」の計算に適するように、必要に応じて符号を操作してもよい。或いは、計算した結果、センサ相基準電流位相θxがセンサ相の電流検出値iw_snsに同期しない場合には、符号操作だけでなく位相差90[°]を、算出したセンサ相基準電流位相θxに適宜加減してもよい。この点は、電流フィードバック制御方式と同様である。
また、本実施形態の電流推定部303の他相電流推定部は、図4に示す第1実施形態の他相電流推定部31に対し、他相電流参照値算出部32にd軸電流指令値id*及びq軸電流指令値iq*が入力される点を除き、同様の詳細構成を有しているものとする。
他相電流参照値算出部32では、センサ相の電流検出値iw_snsとセンサ相基準電流位相θxとに基づき、式(11)又は(13)により、推定相の電流推定値(参照値)iu_est_refを算出する。そして、センサ相電流のゼロクロス時には、他相電流ゼロクロス補間部33(図4参照)にて、推定相の電流推定値iu_estをゼロクロス補間し、推定相の電流推定値(確定値)iu_est_fixを算出する。
こうして推定相の電流推定値(確定値)iu_est_fixが算出されると、電流推定部303は、式(15)により、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを算出する。
トルク推定部56は、電流推定部303が推定したd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estに基づいて、トルク推定値trq_estを式(20)又はマップ等により演算し、トルク減算器52にフィードバックする。
trq_est
=p×{iq_est×ψ+(Ld−Lq)×id_est×iq_est}
・・・(20)
記号は、以下のとおりである。
p:交流電動機の極対数
Ld、Lq:d軸自己インダクタンス、q軸自己インダクタンス
ψ:永久磁石の電機子鎖交磁束
電圧位相指令値ゼロクロス補間部57は、センサ相の電流検出値iw_sns及び電気角θeに基づき、他相電流ゼロクロス補間部33のゼロクロス判定部331(図4参照)と同様に、現在、センサ相電流のゼロクロス時であるか否か判定する。或いは、ゼロクロス判定部331の判定結果を援用するようにしてもよい。
センサ相電流のゼロクロス時でないと判定した場合、電圧位相指令値ゼロクロス補間部57は、PI演算部53が演算した電圧位相指令値VΨをそのまま電圧位相指令値(確定値)VΨ_fixとして矩形波発生器54に出力する。
一方、センサ相電流のゼロクロス時であると判定した場合、電圧位相指令値ゼロクロス補間部57は、PI演算部53が演算した電圧位相指令値VΨを連続的な変数値で補間し、電圧位相指令値(確定値)VΨ_fixとして矩形波発生器54に出力する。
ここで、「連続的な変数値で補間する」とは、電圧位相指令値VΨを前回値等の一定値に固定するのではなく、ゼロクロス期間中、繰り返し補間値を更新することを意味する。
電圧位相指令値VΨを「連続的な変数値」で補間する具体例について、第1実施形態の図7に対応する図12を参照して説明する。図12は、縦軸が位相(角度)を示す他、図7と同様である。
実線の位相は、ゼロクロス期間Tzx以外の時間において、トルクフィードバック制御によってPI演算部53が演算した電圧位相指令値VΨを示す。ゼロクロス期間Tzxでは、電圧位相指令値VΨが、破線で示す電圧位相指令補間値VΨ_cmpによって補間される。
電圧位相指令補間値VΨ_cmpは、第1実施形態と同様、フィルタ処理や外挿法等によって、所定の演算周期で繰り返し演算される。例えば現在値を目標値に漸近させる方法では、一点鎖線で示す電圧位相指令値VΨ_refを目標値として補間値を漸近させるように演算する。
この場合、漸近目標とする基準値は、トルク指令値trq*や交流電動機2の回転数等に基づき計算式によって算出してもよく、マップ等を参照してもよい。
続いて、第2実施形態の電流推定処理ルーチンについて図13を参照して説明する。
図13のフローチャートは、第1実施形態の図8のフローチャートに対し、S22−S24に代えてS25−S27によりα軸電流iα及びβ軸電流iβを算出する点、及び、センサ相の電流検出値iw_snsのゼロクロス時でない(S71:NO)と判定された場合、S72に代えてS75を実行し、センサ相の電流検出値iw_snsのゼロクロス時である(S71:YES)と判定された場合、S73に代えてS76を実行する点が異なる。
S25では、センサ相の電流検出値iw_snsを用いて、式(5)によりα軸電流iαを算出する。
S26では、α軸電流iαの電流検出タイミングの間の電気角移動量Δθeに対するα軸電流iαの変化量に基づいて、式(17)によりα軸電流の微分値Δiαを算出する。
S27では、α軸電流の微分値Δiαに基づいて、式(18)、(19)により補正量Hを加算してβ軸電流iβ_estを算出する。
S75では、PI演算部53が演算した電圧位相指令値VΨをそのまま電圧位相指令値(確定値)VΨ_fixとして出力し、ルーチンを終了する。
S76では、電圧位相指令値VΨを連続的な変数値で補間して、電圧位相指令値(確定値)VΨ_fixとして出力し、ルーチンを終了する。
また、図10に示す第1実施形態の変形例におけるS74と同様に、図13のS76に加え、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを補間するようにしてもよい。この場合、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estをそれぞれ前回値又はそれ以前の値に固定することで補間してもよく、或いは、連続的な変数値で補間してもよい。
(第2実施形態の効果)
第2実施形態は、第1実施形態の効果(1)、(2)を共通に有し、第1実施形態の効果(3)、(4)、(5)に代えて、下記の(3’)、(4’)、(5’)を有する。また、第2実施形態特有の効果(8)を有する。
(3’)センサ相電流のゼロクロス時に、「交流電動機の電圧に関する指令値」として、電圧位相指令値VΨを補間することで、例えば、電流推定値iu_estのゼロクロス補間に伴う推定誤差による電圧位相指令値VΨの変動を防止することができる。よって、交流電動機2のトルクフィードバック制御が不安定になることを回避することができる。
(4’)ゼロクロス期間Tzxの開始時tsにおける情報のみに基づいて電圧位相指令値VΨを固定する補間方法では、ゼロクロス期間Tzx中に演算される電圧位相指令値VΨの変化を考慮しないため、ゼロクロス期間Tzxの終了時に電動機の駆動状態に対する最適な電圧位相指令値と補間値とが乖離し、ゼロクロス時の処理から復帰した際に、電圧位相指令値VΨが不連続に変化するおそれがある。
それに対し、ゼロクロス期間Tzx中に変化する情報に基づき電圧位相指令値VΨを連続的な変数値で補間することにより、ゼロクロス期間Tzx中に電動機の駆動状態に合わせて補間値を連続的に変化させ、ゼロクロス期間の終了時における電動機の駆動状態に対する最適な電圧位相指令値と補間値との乖離を抑制することができる。
(5’)電圧位相指令値VΨの補間に加え、センサ相電流のゼロクロス時に、さらにd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを補間する場合には、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estの変動を防止することができる。したがって、トルクフィードバック制御以外にd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを用いて実行する他の制御や判定において、誤判定や誤動作等の影響を回避することができる。
(8)本実施形態では、制御部153がトルクフィードバック制御方式を行うとき、他相の電流指令値iu*、iv*を用いることなく、α軸電流の微分値Δiαに基づいてβ軸電流iβを算出することができる。したがって、トルクフィードバック制御方式でも、電流フィードバック制御方式と同様に、α−β座標系による好適な電流推定を実行することができる。
(その他の実施形態)
(ア)電流推定手段が一相のセンサ相の電流検出値iw_sns及び電気角θeに基づいて、推定相の電流推定値iu(v)_est、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを推定する方法は、上記実施形態のように、α−β座標系におけるα軸電流iα及びβ軸電流iβに基づくものに限らない。
例えば、電流指令値を用いる電流推定方法では、第1実施形態の効果(6)が得られないことを是認すれば、従来技術である特開2004−159391号公報(特許文献1)の技術等を用いてもよい。
また、一相のセンサ相の電流検出値iw_sns及び電気角θeに基づいて、センサ相以外の相の電流推定値を推定することなく、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを推定する電流推定方法であって、特定の位相やタイミングで推定演算中に「ゼロ割り」や「ゼロ掛け」が発生する可能性がある方法を用いてもよい。
この方法を採用する電流推定部は、まずd軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを推定してから、必要に応じて、逆dq変換により他の相の電流推定値を算出する構成となる。
(イ)センサ相電流のゼロクロス時において、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*、又は、電圧位相指令値VΨの漸近目標とする基準値(図7、図12参照)は、上述したフィードフォワード演算値に限らず、その他の算出値を用いてもよい。
また、連続的な変数値として補間値を設定する方法は、基準値に対するフィルタ処理や外挿法以外に、連続的に値を変化させることができる他の方法を用いてもよい。例えば、ゼロクロス期間Tzx中、d軸電流推定値id_est及びq軸電流推定値iq_estを連続的に変化させるように操作することは、d軸電圧指令値vd*及びq軸電圧指令値vq*を連続的に変化させることと等価である。
(ウ)電流センサにより相電流を検出するセンサ相は、上記実施形態のW相に限らず、U相又はV相としてもよい。また、センサ相の電流検出値とセンサ相基準電流位相θxとから電流推定値を算出する推定相は、上記実施形態のU相に限らず、V相又はW相としてもよい。
(エ)「電流フィードバック制御方式」は、PWM指令信号を用いた正弦波PWM制御モードや過変調PWM制御モードに限らず、電流指令値を用い、電流検出値、又当該電流検出値に基づく電流推定値を電流指令値に対してフィードバックする制御方式であれば、どのようなものであってもよい。
また、「トルクフィードバック制御方式」は、上記実施形態の矩形波制御モードに限らず、交流電動機の駆動に係る電流検出値に基づくトルク推定値をトルク指令値に対してフィードバックする制御方式であれば、どのようなものであってもよい。
(オ)上記実施形態の交流電動機は、永久磁石式同期型の三相交流電動機であったが、他の実施形態では、誘導電動機やその他の同期電動機であってもよい。また、上記実施形態の交流電動機は、電動機としての機能、及び発電機としての機能を併せ持つ所謂モータジェネレータであったが、他の実施形態では、発電機としての機能を持たなくてもよい。
(カ)本発明による交流電動機の制御装置は、上記実施形態のようにインバータと交流電動機を一組設けたシステムに限らず、インバータと交流電動機を二組以上設けたシステムに適用してもよい。また、1台のインバータに複数台の交流電動機を並列接続させた電車等のシステムに適用してもよい。
(キ)本発明による交流電動機の制御装置は、図1に示す構成のハイブリッド自動車の交流電動機に限定されず、どのような構成の電動車両の交流電動機に適用してもよい。また、電動車両以外の交流電動機に適用してもよい。
以上、本発明は、上記実施形態になんら限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の形態で実施可能である。
2・・・交流電動機、
10・・・電動機制御装置(交流電動機の制御装置)、
12・・・インバータ、
13・・・電流センサ、
151、153・・・制御部(制御手段)、
27・・・電圧指令値ゼロクロス補間部(ゼロクロス補間手段)、
301、303・・・電流推定部(電流推定手段)、
57・・・電圧位相指令値ゼロクロス補間部(ゼロクロス補間手段)。

Claims (4)

  1. 三相の交流電動機(2)を駆動するインバータ(12)と、
    前記交流電動機の三相のうち一相のセンサ相に流れる電流を検出する電流センサ(13)と、
    前記インバータを構成する複数のスイッチング素子のオン/オフを切り替えて前記交流電動機の通電を制御する制御手段(151、153)と、
    を備え、
    前記制御手段は、
    前記一相のセンサ相の電流検出値及び前記交流電動機の電気角に基づいてd軸電流推定値及びq軸電流推定値を推定する電流推定手段(301、303)、並びに、
    前記センサ相の電流検出値がゼロを含む所定範囲内にある期間であるセンサ相電流のゼロクロス時に前記交流電動機の電圧に関する指令値を補間するゼロクロス補間手段(27、57)を有し、
    前記ゼロクロス補間手段は、前記センサ相電流のゼロクロス時に、前記交流電動機の電圧に関する指令値を連続的な変数値で補間し、
    前記電流推定手段は、さらに前記センサ相以外の他の相の電流推定値を推定し
    前記センサ相電流のゼロクロス時に、さらに前記他の相の電流推定値を補間することを特徴とする交流電動機の制御装置(10)。
  2. 前記制御手段(151)は、前記d軸電流推定値及びq軸電流推定値をd軸電流指令値及びq軸電流指令値に対してフィードバックすることにより演算したd軸電圧指令値及びq軸電圧指令値に基づいて前記交流電動機の通電を制御し、
    前記ゼロクロス補間手段(27)は、前記センサ相電流のゼロクロス時に、前記交流電動機の電圧に関する指令値として前記d軸電圧指令値及びq軸電圧指令値を連続的な変数値で補間することを特徴とする請求項に記載の交流電動機の制御装置。
  3. 前記制御手段(153)は、前記d軸電流推定値及びq軸電流推定値から算出したトルク推定値をトルク指令値に対してフィードバックすることにより演算した電圧位相指令値に基づいて前記交流電動機の通電を制御し、
    前記ゼロクロス補間手段(57)は、前記センサ相電流のゼロクロス時に、前記交流電動機の電圧に関する指令値として前記電圧位相指令値を連続的な変数値で補間することを特徴とする請求項に記載の交流電動機の制御装置。
  4. 前記制御手段は、前記センサ相電流のゼロクロス時に、さらに、前記電流推定手段が推定した前記d軸電流推定値及びq軸電流推定値を補間することを特徴とする請求項またはに記載の交流電動機の制御装置。
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